ロンドンで頭脳戦なTVアニメ動画ランキング 5

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のロンドンで頭脳戦な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番のロンドンで頭脳戦なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.1 1 ロンドンで頭脳戦なアニメランキング1位
ジョーカー・ゲーム(TVアニメ動画)

2016年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (989)
5031人が棚に入れました
世界大戦の火種がくすぶる昭和初期を舞台に、帝国陸軍の“スパイマスター”結城中佐によって設立されたスパイ養成部門「D機関」の活躍が描かれている。

声優・キャラクター
堀内賢雄、下野紘、木村良平、細谷佳正、森川智之、梶裕貴、福山潤、中井和哉、櫻井孝宏、津田健次郎、関智一

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「自由」なニヒリスト

【2016/06/23 視聴完了して改稿】


太平洋戦争開戦前夜、大日本帝国陸軍内に設立された異能のスパイ組織「D機関」によるスパイ戦を描いた物語。

原作小説が複数の賞を受賞しているだけあって、基本設定が、幾重にも考え抜かれた、さまざまな要素が有機的に組み合わさった巧妙なものだ。
これほど巧みな設定を創ってしまえば、そこから生じるストーリーの出来も半分は保証されたようなものだが、映像化にあたって過度な省略をすることなく手際よく取り込んで、うまくアニメ用に落とし込んでいる。

本作内の「スパイ戦」は、任務の遂行というサスペンスを追う形式ではなく、任務の遂行途上に現れる「謎」が「推理」によって「解決」される、本格ミステリとして描かれる。
任務自体と二重化される本格ミステリの謎は、手掛かりもフェアに開示され、「本格」のフェアプレイルールにのっとったものだ。

任務遂行そのものと言える謎解きは、アニメ化に際しては、視聴者も共に推理するようなプロットで組み立てられてはいないものの、推理を語るセリフにかぶせて提示されていた伏線を映像でオーバーラップさせ、すっきりと見せている。
言葉による説明を重ねて論理性を補強できないハンディはあるが、その分、ビジュアルによって事前に張られた伏線の存在を明示して、「推理」によって解決されたのだと示すアニメ的な「本格」表現として成立している。
「解決」が任務にもたらす効果も、「スパイ戦」への意外な繋がりを見せる有機的な構成になっていて、「意外な結末」を実現したものだ。
ドラマ的な意味でも、周到なビジュアルは「世界」の時代性を説得的に見せる面白さがある。
(この時代に、シングルでピークドラペルの背広が流行していたのだと、初めて知った)

題名でもあり第一エピソードのサブタイトルにも使われた、作中の〈ジョーカー・ゲーム〉に喩えられる、ある種の「頭脳戦」だが、「謎」の解決が「推理」によって行われるところに「頭脳」性が象徴されている。
いわば〈ジョーカー『ゲーム』〉としてのゲーム性が、謎解きの「ゲーム」性に重ねられているわけだ。


だが、〈ジョーカー・ゲーム〉のルール=実体的なルールは無いという「ルール」は、よく考えれば奇妙なものだ。
〈ジョーカー・ゲーム〉のルールならざるルールは、「D機関」で叩き込まれる各種の理念、集約すれば、自由に「なにものにも捕らわれず、ありのままをみろ」というテーゼに導かれるものだが、これは外国に対抗するため、妄想的なイデオロギーに支配された「遅れた」日本の軍事独裁体制に、「進んだ」外国の合理性を取り入れるといったプラグマティズムではない。
「外国」「日本」の区分すら相対的な価値の一つに過ぎないと一蹴する「ニヒリズム」だ。

何物にもとらわれない=何物も信じないとは端的にニヒリズムそのもので、徹底すれば「ルール」にすら価値を認めないニヒリズムの前では、通常はいかなるゲームも成立は不可能に見える。
特に、厳格な枠組みを必要とする「本格ミステリ」の謎解きゲームは。

結城中佐が様々な形で学生に教える「スパイの心得」は、ニヒリズムへと結実する、身もふたもない事実性から導かれる冷徹な「法則」だが、しかし一つだけ、D機関の第一格率ともいえる「死ぬな、殺すな」だけが、その中で異質だ。
この第一格率は、「人の死は注目を集める=見えない存在であるべきスパイにとって注目は致命的」という合理性から生じるものだが、合理性はあるものの、それは「経験的な蓋然性」に根拠づけられているというだけで、事実性の裏付けが「ない」

ここにだけ、事実ではない、結城中佐の「恣意」が紛れ込んでいる。

ミステリーで「木の枝を森に隠す」ように、様々な不信のニヒリズムに紛れ込ませたこの第一格率が、謎解きゲームとしての、本格ミステリの「ゲーム空間」と「ルール」を発生させる基盤となっている。
ミステリ作品として「本格」の謎解きを描き出すために、〈ジョーカー・ゲーム〉に象徴される特異なスパイ組織「D機関」は設定されたのだと言えるだろう。



幾重にも巧妙な設定は、キャラクターにも及んでいる。

「なにものにも捕らわれない」D機関の学生たちは、徹底したニヒリストだ。

「自由」な視点を獲得するための「なにものにも捕らわれない」は、何物も信じない=信じられないというニヒリズムの裏返しで、自分自身すら信じない=何者でもない自分という虚無を必然化する。

自分自身まで信じないほど徹底したニヒリズムに侵された彼ら学生にとって、行動を支えているのは自分への「信頼」というナルシシズムではなく、自分にならできなければならないという「自負心」だと描かれている。

同時代のドイツ青年ならハイデガー哲学へと吸引されたかもしれない虚無を内面化しながら、なお「何者でもない」自分の「自負心」の全能感だけは手放さない「人でなし」の「化け物」たち。

D機関の「化け物」の矛盾した肖像は、どのような価値観に直面しても「そんな考え方もあるね」としか捉えられない現代のわれわれ視聴者の気分と、それゆえに自分が特別であると主張することができないにもかかわらず、消費の現場では漠然とした「全能感」を覚えてしまう「消費者としての私」の自意識との不思議な結合に、絶妙に共鳴している。

人はあらゆる手段で金を得ようとする、という確信が市場原理主義の根底にある。
そのことが、生産者は消費者の望むようにモノやサービスを提供する「はず」、という「理論」を生むのだが、いつの間にか「消費者が望むならば、どのようなことでも生産者は実現する」という「信仰」へと変わった。
実体としては、モノやサービスは生産者の事情に合わせて、生産者の都合に規定されて提供されるしかないのに、この「信仰」が、「消費者が望むだけで、(価格は別として)なんでも実現する」という倒錯した現実認識に帰結する。

「(潜在的な消費者としての)私が考えるだけで、(買える値段かは別として、どこかの誰かによって)実現しないものはない」という消費者の架空の全能感が、「この自分に、できないことはない」という学生たちの虚無の中の由来のしれない「自負心」と照応している。
人間業とは思えない異能の「化け物」が何人も登場する物語に、無理なく視聴者を引き付ける巧妙な仕掛けだが、「消費者の全能感」が太平洋戦争の敗北によって持ち込まれたアメリカニズムの洪水から浮上したことを考え合わせると、これもまた多重化された設定の構築性の高さの表れの一つと言えるだろう。

一応のところイケメンではありながら、どこかのっぺりした印象の薄さを感じさせるキャラデザインは、このような設定にビジュアル面でも説得力を持たせている。


ところで、「ゲーム」であれば、開始と終了が当然に設定されるだろう。

ゲーム性を支える「死ぬな、殺すな」は、「死」が特殊な現象である「平時」の社会に規定されている。
近代前期まで、外交の一部として「兵士」によって戦われる戦争は、戦場外の市民社会と隔絶されたものだった。
が、「総力戦体制」下で戦われる絶滅戦争では、「戦場」は即ち全社会領域と同意となる。戦場での「死」もまた、市民と隔絶した兵士だけのものではない。
「死」が日常にあふれこむ戦争状況であれば、「第一格率」は無意味化せざるを得ないだろう。
言い換えれば、日本が戦争当事国になれば、つまり戦争を開始すれば、相手国内での「D機関」の異形のスパイ技術システムは破綻するのだ。

そのとき〈ジョーカー・ゲーム〉もまた、失効するだろう。
或いは別の「ゲーム」が生まれるのかもしれないが、どちらにせよ〈ジョーカー・ゲーム〉は終了する。

物語の現在が太平洋戦争前夜であることを知る視聴者は、ゲームの終了が迫っていることをも知っている。
いや、すでに日中戦争は進行していることによって、「終了」の予感はうっすらとした不穏な影となって作品全体を覆うことになる。
作中に漂う漠とした不安感は、戦争の予感と共に、「ゲーム」の終了の予感、さらには「敗戦」という終了の予感と多重化されたものだ。
『ジョーカー・ゲーム』という物語は、このように終了までのタイムリミットを構造化したものとして、緊迫感を増して迫ってくる。



このように幾重にも緻密な設定は、逆に言えば、設定から逸脱した物語を許容できないだろう。

OP主題歌の歌詞が、設定から乖離した、いかにも薄っぺらで表面的な言葉の羅列だったのが気になったのだが、これは「ミステリ」らしいミスリードだったのかもしれない。
「使命」のための功利主義的な手段としての「非情」だとか、隠されたヒューマニズムを描き出すための戦争の「無常」といった、設定に矛盾する見当違いの物語を盛り込んで破綻させるのではないかと危惧していたのだが、杞憂だったようだ。

あらゆる価値を受け入れることのできないニヒリストには、行動の核となる「かけがえのない」価値を持つ「理由」のある「何か」を持つことができない。
自身の中に疑いなく生じる確信を持った「何か」によってではなく、理由なく無根拠に「あえて」没入を決断することでしか、ニヒリストは行動できない。

誰よりも徹底して空虚であることによって誰よりも高い「異能」を持つD機関員たちが「あえて」没入するものが、「価値」や「理由」からもっとも遠い「遊び」=〈ゲーム〉であるのは、ある種の必然でもある。

ルールすらない究極的に空虚なゲーム=『ジョーカー・ゲーム』は、徹底して「自由」な「ニヒリスト」が「あえて」没入するものとして、無根拠で無内容な「遊び」として設定されなければならない。

「化け物」たちの内面に立ち入ることなく一見して淡々と進行するストーリーは、設定から逸脱することなく、無根拠な〈ゲーム〉=「遊び」性を的確に表現しきったようだ。
同時に、「かけがえのない」何かを抱えた「内面」が生じ、「ニヒリズム」が不徹底化した瞬間に、「遊び」に裏切られ「ゲーム」に敗北する必然も。

名前も経歴も捨て、ひとり異国に潜入して現地に溶け込むD機関員の「人でなし」の「化け物」たち。

日本での個人生活を切り捨て、世界中どこへ送り込まれても労働できる人間が「グローバル人材」と称して賞揚されている現状をみれば、本作の設定が、大戦中のスパイ戦のリアルを描くためなどに要請されたのでは無いことは明瞭だろう。

さて、「化け物」の劣化コピーであるわれわれ視聴者は、何の〈ゲーム〉の渦中にいるのだろうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

映像もストーリーもよく練られたスパイもの<原作読了、追記あり>

本作は繊細な描写が魅力で小説や洋画(特に古い名作)のような印象の、スパイを主人公としたミステリー作品。
何回も視聴して想像や考察をしながらじっくり楽しむのが吉です。

アニメよりも実写向きと感じるような作りですし、エピソードごと時系列を入れ替えていたり、メインキャラクターを意図して見分けがつきにくくデザインしているなど、アニメとしては尖ったところもあります。

エンターテイメント的なアニメを好む人や、キャラクターの掘り下げを望む人には向かないかもしれませんが、シリアスなアニメや他の媒体の作品も好む人には逆に入りやすいのではないでしょうか。

【ビジュアル面】
キャラクター原案は三輪士郎さんで、キャラクターデザインの矢萩利幸さんがアニメの方向性に合わせてより地味なイメージに落とし込んでいます。
ことD機関のスパイ8名は全員目立たないモブ顔を設定するという方法を取りました。アニメキャラクターは一目で見分けがつくべき、という考え方からすれば思い切っていますが、機関員8名はスパイとして目立たず活動する作品なのでこれで正解だったと思います。

作画は安定感と美しさでリアリティを追求している点が最大の特長。動きもデフォルメが少なめ、色彩も暗めなので若干泥臭いイメージにもなっていて、そういう部分が好きですね。
安定した作画でキャラクターの仕草や表情が細かく、緊張感やリアルな雰囲気が途切れなかったことが一番素晴らしい点だと思います。

背景もやはりリアルで美しく、地に足の着いた映像作りがされていて、世界観をよく表現していました。


【キャラクターと声優】 {netabare}
大御所がいっぱいでしたw演技に関しては本当に素晴らしかったの一言です。

結城中佐はほんの僅かに人間味を見せることが実は少なくなく、長いスパイ活動を経てもその人間性を捨て去っていない点がかえって恐ろしいと同時に素晴らしいキャラクター。
堀内賢雄さんは感情を見せない語り口、時折見せるかすかな人間性、変装時の演じ分けなど最初から最後まで、本当に素晴らしかったです。個人的に賢雄さんはシリアスキャラがすごく好きなので嬉しかったです。

ゲストキャラクターではヴォルフ大佐と、その声を当てた銀河万丈さんがとても印象深いです。若い頃との演じ分けも好きですし、判断力に優れた面、冷徹な印象や威圧感、結城中佐に対する一種の執着などその人間性がとても感じられました。
{/netabare}


【ストーリー面】 {netabare}
オムニバス形式 で各話独立した物語として展開、八人の機関員にそれぞれスポットが当たる構成です。
あえて時系列を入れ替え最初(1,2話)と最後(12話)にキャラクターの人間性を描くタイプのエピソードを配置。3話がいきなり荒唐無稽なストーリーなのは気になるものの、話数が進むほど視聴者を引き込む作りになっており、おかげで右肩上がりに面白くなったと感じました。

そして最終話がいつも通りに始まりいつも通りに終わる、というのが実に本作らしい。そういう終わり方になるだろうとは思っていましたし、私自身それを期待していました。
スパイたちの人生にも活動にも終わりはなく、視聴者はそのいくつかの出来事を覗き見しただけと思っていましたし、時系列の入れ替えのおかげでそれが自然だと感じられました。

ラストの結城中佐の台詞は第1話最初の台詞と同じで、これが格好良かった!全体のまとまりも感じられて良かったです。
佐久間さんに対しては「これまでの考え方を捨てろ」、小田切さんに対しては「ここでの経験を忘れるな」という意味もありそうですね。
原作からは改変されているそうですが、スタッフが最後までアニメとしてより良い作品を作ろうとしたと思えて、なんとも粋で、正直燃えました。そういうアニメじゃないけどこれw
{/netabare}

【本作の2つの柱】 {netabare}
本作を1クールで展開する上での柱だと私が感じたのは「スパイの生き様」「虚構」の2つです。しかもその2つの要素は密接にリンクして、綺麗に全12話で起承転結にまとめられていました。

まず1、2話で佐久間が初めて機関員(スパイ)の「虚構」を認識します。佐久間は視聴者目線に立つ存在でもあります。
そして機関員は優秀なスパイで、その存在は「虚構」であり、影となって状況をコントロールするという、その仕事ぶりでスパイを語るという構造なのですね。
3話~7話で機関員たちが主役でないのは当然のことです。スパイの生き様は色々ですが、諜報戦から降りざるを得なくなった者だけが「虚構」を捨て去り(あるいは剥がされ)、初めて物語の主役になるわけです。
そういう意味では、軍人であることを捨て去れない風機関の人間はそもそも諜報戦に参加することすらできませんでした。

結城中佐は上に立つ人間ですし身体的ハンデが特徴になるので影にはなれませんが、逆に掴まれている情報を餌に「虚構」を構築することで状況をコントロールし、アーロンを引退に追い込んでいます。結城中佐の過去話かとおもいきや、10話の主役はアーロンさんなんですよね。
11話は三好が真木という「虚構」を被ったまま人生に幕を下ろす物語でもあり、同時に結城中佐の「虚構」が危うく崩れかける物語でもありました。ニアミスしたのがヴォルフ大佐だったら、一切偽装していない結城中佐は実体をつかまれていたでしょう。
そして、最終話では自己を捨てきれない小田切を描くことで、相対的に視聴者に機関員の「虚構」を再認識させているのです。(キャストの役名が「飛崎弘行(小田切)」になってることに今になって気がつきました。細かい!)

もともと虚構であるアニメーションでは、いかにリアリティを持たせるかが大切です。
本作は映像からはリアリティを追求しているように感じますが、実際は「虚構」を描く作品でした。本作中でキャラクターの語る偽情報すら映像が付いていたのは、視聴者を引っ掛けるフェイクだったのでしょう。原作ファンを引っ掛ける改変もあったようで、そう言われると原作がさらに気になりますw

実写ドラマでも面白いかも知れないと最初は思いましたが、人の手でゼロから創り上げられる虚構(アニメ)だからこそ、本作は魅力的なのかも。
{/netabare}


【雑感】 {netabare}
感情移入が出来ないとのめり込めない私が全話面白く見られたのは、一見淡白に見えても、ストーリー(ミステリー)の中に人情噺のような側面を必ず入れていたからだと思います。
ストーリーを引っ張るのは機関員ですが、他のキャラクターはきちんと人物描写されていて、仕草や表情も見逃せなくて毎回画面に釘付けになってました。

それから自分としては意外だったのが、三好の死がめっちゃショックだったこと。
原作ファンの方の書き込みを目にする機会があって、視聴前から知っていたのにズシンと来ました…普通なら嫌いなタイプのキャラクターなのに…
なんというか三好が、というより「人間の死」というもののあっけなさ、迷いも後悔も心の中に一切無いスパイの死に様が重かったですね。ドラマチックな演出が一切ないからこそ辛かったです…

考える頭脳があるのに日本軍人として生きると決意している佐久間、スパイとして秘密を保って死んだ三好、暗い時代に孤独と苦難の道を歩む機関員たち、それとはまた違う厳しい道を選択した小田切、誰にも見せない苦悩を抱えているであろう結城中佐。
キャラに感情移入するアニメじゃないのに私が嵌ったのは、彼らに想像の余地を残してくれているからです。
本作で何を見て何を考えるかは視聴者に委ねられています。そこがとても好きですね。
{/netabare}

本当にスタッフに恵まれた作品でした。
本作を見ているとわからないことも沢山ありましたが、本作の公式サイトには時系列表やコラム等があり、理解の助けになりました。かなり内容が充実していて頭が下がります。

振り返ると無駄な話はひとつもなかったと思いますし、繰り返し視聴するのが楽しい作品です。
こういう新作が定期的に出てくれると個人的にはとても嬉しいですね。(2016,6,27)


本日原作を読了しました。
キャリアのある作家さんだけあって読みやすく情報量も多く、描く要素も一貫していてとても面白かったです。時系列は原作もばらばらで、アニメだけではなかったんですねw
アニメ版が気に入った方には是非読んでみて欲しいです。

原作のひとつの特徴として、小説というビジュアルのない媒体だからこそ出来る登場人物の「無名性」があります。{netabare}登場するスパイ達は偽名しか付けられていませんし、スパイが主役となる物語は最後にその人物の"スパイとしての死"が示唆されることが殆どです。{/netabare}
アニメ版に私が感じた「虚構」は原作から引き継がれた重要な要素だったのですね。

アニメーションではビジュアルが絶対に必要ですから、やり方を間違えると本作の魅力を大きく損なう難しい要素だったんだなと読んでみて思いました。機関員のキャラクターデザインはとても良いバランスだったと思います。

物語としても、キャラクター数や情報量を減らしながらも物語の筋はきちんと通り、そのために原作を分解・再構築することを恐れないよく練られた作品でした。

動画配信サイトが再放送など行ってくれていることもあり、良い評価を受けているようで一ファンとしてとても嬉しく思います。
(2016.7.8追記)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 51
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

「スパイ作品=アクション」だけじゃない!!しっかりとしたミステリーで魅せる良作

【レビューNo.97】(初回登録:2023/12/03)
小説原作で2016年作品。全12話。
交流あるレビュアーさんの棚で本作を見つけ、そういえばいい作品だったなと。
昭和初期の日本に実在したスパイ養成機関、陸軍中野学校をヒントに、柳広司
作の戦時下のスパイを題材にしたミステリー小説で、第30回吉川英治文学新人
賞他を受賞など原作の評価は高いようですね。

(ストーリー)
昭和12年秋、陸軍中枢部の多数の反対意見を押しのけて、結城中佐の提案でス
パイ養成学校「D機関」が設立された。訓練生たちは互いの素性を知らないまま、
精神と肉体の極限を要求される訓練を受け、優秀なスパイへと成長していく。
そして結城中佐の指揮の元、世界各国で暗躍し始める。

(評 価)
・日本陸軍でも異質な存在が際立つ第1話
 ・第1話の主役は、陸軍から監視役としてD機関に出向してきた佐久間中尉。
  バリバリの軍隊教育(思想)を受けてきた、当時の代表的な日本軍人です。
  そんな佐久間に、開口一番結城中佐が先制パンチを見舞います。
  {netabare}「馬鹿か?貴様。背広姿で敬礼する奴があるか」(軍人だと即バレw){/netabare}
 ・そして佐久間が妄信する
  ・戦いは正々堂々と。
  ・名誉や愛国心のために時には死することも厭わない。
  ・そのような覚悟のないスパイは「卑怯」な存在。
  これをD機関の学生たちは「トートロジー…見事な鰯の頭です。良く仕込ん
  だものですが、新興宗教と同じですよ。」と一笑に付します。
 ・最後に結城中佐はスパイの矜持を説くのです。
  {netabare}・彼らは各国で途方もないない長い期間、たった一人で自らを見えない存
   在とし、諜報活動に勤しまなければならない。
   → 彼らに待っているのは真っ黒な孤独だ。
   → 唯一の支えは、常に変化し続ける多様な状況の中で、咄嗟に判断を
     下せる能力だけだ。
 ・佐久間は(洗脳された)自分たちの行動原理との違いに衝撃を受け
  ・彼らの支えは「自分たちならこの程度のことはできなければならない」
   という恐ろしいまでの自負心だけ。 
   → そんな生き方ができるのは人でなしだけだ。
  彼らを「怪物」だと評するのです。{/netabare}

 後述の「ジョーカーゲーム」のシーンを含め、ここまでが1話Aパートになり
 なります。まだ本筋のスパイ活動ではないですが、D機関がかなり異質な存在
 であることを強く印象づける見応えある会話劇とその世界観に、冒頭から引
 き込まれる感じですね。

・「ジョーカーゲーム」とは
 タイトルにもなっている「ジョーカーゲーム」について解説。
 ・D機関の学生たちが楽しんでいた、表向きはポーカーですが、
  {netabare}・プレイヤーは食堂にいるものを味方につけ、盗み見たカードをサインで
   知らせてもらう。
  ・だが誰がどちらについているかはわからない。
  ・サインは偽物かもしれないし、敵のサインを読み手が変えることもある。
  ・場合によっては敵のスパイを裏切らせ、味方につけることもできる。
  いかにも、スパイ養成学校らしい遊びです。
  (ただのポーカーだと丸腰で参戦した佐久間は、当然惨敗w)
 ・そしてこれが「国際政治」の縮図で、見せかけのルールにとらわれ、実際
  に行われていたゲームの本質にすら気づいていないのが「今の日本の姿」
  であると。
 ・これは何も国際政治に限った話ではありません。(軍内部の権力闘争等)
  佐久間はD機関と合同任務を実施するために派遣されたのですが、
  ・この任務に隠された上層部の真の狙い
  ・その狙いを事前に察知し、逆に利用するよう動いていたD機関
  最後にこの真相に辿りついた佐久間はこうつぶやくのです。
  {netabare}「俺は最後まで入ることすら出来なかった・・・『ジョーカーゲーム』に」{/netabare}{/netabare}

 なるほど、タイトルとするにふさわしい作品の本質を表していると感じます。

・スパイモノながら頭脳戦や推理モノの要素が強い
 ・物語としてはスパイモノらしく
  ・他国での諜報活動
   → ターゲットへの接触や潜入・協力者との情報交換
  ・国内でのスパイ活動の監視
   → 敵国スパイの監視や(裏切りによる情報漏洩など)陸軍への内偵
  ・陸軍本部との権力闘争
   → D機関の存在が面白くない上層部からの仕掛け
  といった内容を、各国に散ったD機関のメンバーに焦点を当て、1-2話の
  オムニバス形式で見せていく形になります。
 ・なので
  ・結城中佐以外のメンバーの出番が少ない。
  ・(他の方も書かれてますが)そもそも「スパイとして印象に残りにくい」
   をコンセプトとしたキャラデザらしい。 
   (各話毎に主役が変わっていくが、正直誰やねん?!という感じw)
  ということで、登場人物には感情移入しにくく、純粋にストーリーの面白
  さや創り込みを楽しむ作品という感じですね。
 ・ストーリーとしては、スパイモノなのでアクションもありますが、主たる
  流れは、任務の途中でアクシデントが起こり(マークしてたターゲットが
  何者かに消される等)、任務を遂行しながらその真相に迫っていくという、
  推理モノの要素が強い感じです。
 ・それに加え、陸軍本部の企みを巡る頭脳戦的な要素ですね。世界から「魔
  王」と恐れられた結城中佐が格の違いを見せつける様は、昔よく放送され
  ていた時代劇の「勧善懲悪」っぽい爽快感があります。
 ・あと主要キャラ男性ばかりなので、各話のゲストキャラで女性が登場する
  のですが、{netabare}もれなく「疫病神」だというw
  「女で身を滅ぼすな!」という原作者からの忠告なのでしょうか。
  (またD機関の採用が男だけの理由も最後に語られます。){/netabare}

原作既読ですが、アニメの方は原作の面白さを忠実に再現してくれているとい
う印象ですね。その分地味な作品という感は否めないですがw
(視聴後は「上質のミステリー小説を堪能した」って感じなんだよな)
同じスパイモノでも、某アニメにのような美少女たちのドタバタ劇をみせてく
れる訳でもなく、結城中佐も「極上だ」とは褒めてくれません(笑)
なので、明快な面白さやエンタメ性は薄い作品ですね。

それでも昭和初期の風景から始まり、ここから大戦へと突き進んでいく当時の
空気感だったり、作画もよくや音楽も作品にマッチしていて、制作陣はかなり
頑張っているなというのを感じますし、原作がしっかりしているので、ミステ
リーとして地に足のついた作品に仕上がっていると思います。
あと個人的には唯一思い入れのできるキャラ結城中佐は、世界で暗躍していた
経験があるだけにその言葉には重みがあり、堀内賢雄さんの好演も光り、見ど
ころのひとつかなっと。

「007」「ミッション:インポッシブル」など「スパイ作品=アクション」だけ
でなく、こういう作品もあることを知ってもらえればと思います。

(追 記)
>登場人物には感情移入しにくく、純粋にストーリーの面白さや創り込みを楽
>しむ作品という感じですね。
「神様のメモ帳」でも書きましたが、ミステリー主軸の作品ってこちらにかな
り尺をとられるので、1クールアニメだと元々人物描写でキャラの魅力を引き
出すとかがかなり難しいんですよね。
(原作の創りもありますが)そういう意味では人物を必要以上に描かないとい
う本作のスタンスは、割と理に適っているのかなという印象ですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

74.8 2 ロンドンで頭脳戦なアニメランキング2位
マスターキートン(TVアニメ動画)

1998年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (256)
1538人が棚に入れました
元SASのキートンがさまざまな難事件を鮮やかに解決していく推理サスペンス。原作=勝鹿北星、作画=浦沢直樹の人気同名マンガが原作。かつてイギリス陸軍特殊空挺部隊SASに所属していた平賀・キートン・太一は、現在は保険の調査員をしている。本当は考古学者をめざしており、考古学だけで食べていきたいのだが望みはかないそうにない。そんな太一は、保険の調査の仕事のほか、SASの要請や考古学の研究などで世界各地を飛び回り、数々のやっかいな事件に巻き込まれる。それらを太一はSASや考古学の研究で培った技術や知識、持ち前の機転で解決していく…。

声優・キャラクター
井上倫宏、桑島法子、永井一郎、菅原正志、辻親八、キートン山田
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

一話完結の仕事人

普段は柔和で実は…「能ある鷹は爪を隠す」キートンさん。かっこよすぎです。
離婚して未練タラタラなくらいがバランス取れてていいんでしょうか。

携帯電話などなくポケベルもあったかどうかの時代。
今の時代だと「この日本人すご過ぎww」などとすぐSNSに乗っかっちゃって顔が割れてしまうんでしょうか。

台詞で必要なことは語ってくれるので、作業しながらの「ながら観」にも最適でした。
(かわいい女の子も出てこないので画面に目が釘付けにはならないしね)
かと言って、大切な締めの部分では言葉で多くを補い過ぎず…という大人な引きの良さもありました。
味わい深くもアッサリとした一話完結式なので、そこをもっと掘り下げて長く観たいのに物足りない‼、という感覚を残す話もありました。



〜好きだった話〜

{netabare}4話・爺さん回
この老いぼれ、実は…のパターンで、婆さん回もあった。

5話・屋根の下の巴里
「人はどんな時でも学べる」というストレートな勤勉メッセージ。

7話・チャーリー
幼馴染との邂逅。最後、どんな風に受け止めていたのか。
嫉妬とか尊敬とか、…?多くを語らないで、ママへの一言が印象に残る。

12話・御婦人たちの事件
イギリスが舞台だから、ミス・マープルみたいなおばあちゃんも登場。

13話・穏やかな死
テロリストの使用する爆弾を造り続けてきた男の、ある日の気づきとは。手に汗握るスリリングさと、チョコレートの甘さと。もっと早く気づけやと言いたい。

15話・長く暑い日
キートン vs 孟犬。もうちょっと続きどうなったのか(とくに、犬のその後!)観たかった。
若き日の覇気あるキートンお父さんが、かっこよい。

18話・フェイカーの誤算
「一流の仕事人は…」が口癖の詐欺師。なんかおかしい。キートンが対決するのと思いきや、「一流」のこだわりにより二転三転。
ちょっとうまいこと行き過ぎだけど、正直者がバカを見ない話でホッとする。

19話・空へ…
めんどくさい鬱屈少年の話。
「こんなにいい天気なのに学校なんてもったいない」と言えちゃう娘はいいなあ。
平賀家が息子でなく娘なのが、何となく家風が分かるような気がする。

20話・臆病者の島
爺さんかっこいい!回。動きのキレがね。

21話・アザミの紋章
歴史上の逸話から探る人物像。見てきたかのような、個人的記憶のような演出の切り替わり、とても見応えがあった。アニメ独自の演出なのか、原作からなのか知りたいところ。巻物が動く演出はアニメだからな、面白さかな。

22話・シャトー・ラジョンシュ1944
「だんなさまのお考えになる事は、だんなさまが生まれる前から、わかっております。」
忠誠心ですよ…おとっつぁん(誰)!!(T_T)
戦火の中で採りごろの実を採りに行くとか、ほんのちょっとだけ、その気持ち分かる…。たぶん私の中のソレはみみっちいけど

25話・砂漠のカーリマン
キートン賢くかっこよすぎ。
砂漠の過酷なサバイバル。
砂漠に行く前に原作もぜひ熟読しておきたいです。でも砂漠にとても行きたくないです。

26話・家族
かつての金メダリストが夢から目覚める…冒頭のシーンが絶妙に切ない。
26話、27話、28話は面白いけどちょっと似てるかな。ヨーロッパの内紛や分断を下敷きにしていて深みが感じられるぶん、え、深刻な内容なのにもう終わり?ってなる。

33話・背中の裏町
女の求める父の姿。あえて真実を突きつけないキートンはんに惚れてまうで…

34話・瑪瑙色の時間
大人の情けなさやふがいなさを見ている子供達。たぶん私も見られてる。
「俺はもう一度立ち上がろうと思う。自分を憐れんでいる時間なんか、ないんだ。」うむ。

…しかし「瑪瑙」のグリーンて結構、人工染色されてるような…

35話・五月の恋
婆さんかっこいい回。
ここだけミセス向け恋愛漫画みたいなムードだけども。キートンの娘さんステロタイプなお節介やきだけども。

38・39話・狩人の季節
キートンと上官の邂逅。器用貧乏なんだねキートンさん。
あー、見終わっちゃった…という寂しさが募ります。
もっと長く見せて欲しいと度々感じていたものが最後に2話連続になると?時の流れは余裕をもって感じますが、そんなに内容のボリュームアップはしないものですね。むしろこれまでの一話完結の簡潔な強さを感じました。まことに勝手な話ですが。 {/netabare}


原作は、原案やら原作者やらの表記について一悶着あったらしく、長らく再版されなかったらしいですね。
とても面白かったので読んでみたいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 38
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

浦沢作品では一番好き

<2019/5/26 初投稿>
原作既読。

主人公の平賀・キートン・太一さんは名前からわかる通りハーフで母が英国人、父が日本人。

さらに多様な経歴、極めて高い経験値とスペックの持ち主です。

ところが容姿はどーみてもコテコテの和風で、お人好しでうだつの上がらないおにいさん。
今は冴えない考古学の大学講師という謎キャラです 笑。


キートンの経歴をもう少し書くと・・・

ネタバレというほどでもないけど一応閉じておきます。
{netabare}
オックスフォード大を考古学専攻で卒業(中退だったかな?)

在学中に大学で出会った英国人女性と結婚、一女をもうけるも離婚。

で離婚のショックでなぜか英国陸軍・特殊空挺部隊(SAS)に入隊、そこで伝説級の活躍。
実績と特にサバイバル技術が高く評価されSASの教官まで務めます。
(SASは米国のデルタフォースみたいなもんらしいです。)

でもなんか違うと思ってSASを辞職(除隊)。{/netabare}

そして今は日本に住み普段は大学講師をやりながら、たまに娘に世話を焼かれたりしながら、考古学の発掘調査に勤しむ毎日。

しかし大学講師だけでは食えないキートンはイギリスの保険会社ロイズ(※)のオプ(調査員)もやってます。

なので日本と欧州を行ったり来たり。
飛行機代だけで足が出そう 笑

そんなキートンが保険事故の調査や発掘調査などでさまざまな事件や出来事に遭遇、
時に事件を解決し、
時に出会った人々と暖かく柔らかい交流があったり、
せつないやるせない思いをしたり、
とかそんな話。

(※)正確にはロイズは保険会社や保険引受人の組合組織で、特定の保険会社ではありません。ちなみにロイズは世界最古の保険を取り扱った組織とも言われ、保険会社だけではなく個人、つまりお金持ちが保険の引受人として取引できるようになってます。日本の保険の常識とはかなり異なった組織・制度です。
キートンは個人の保険引受人からの依頼で調査を行うこともあり、物語に厚みを加えています。


原作は浦沢直樹さんの漫画なのですが、浦沢作品の中では一番好きです。

他にはMOSTERやPLUTO、パイナップルARMYも好きですが、本作はパイナップルARMYにやや近い印象。


浦沢作品の特徴は登場人物の表情。
無言のシーンでもどんな感情なのかが一目でわかる画力は流石です。
キャラクターの書き分けも完璧。
日本人と欧米人がパッとみで区別つくキャラクターデザインって案外少ないと思うんですよね。

前述の通り欧州が舞台となることも多いのですが、その背景や会話、出てくる料理なども本当に自分がその国にいるような気分になれてしまいます。

基本1話完結のお話も、変な外連味はなく地味ですが、1話1話心に染み入る深みと温かみがあります。

いずれも高品質な短編の良作・佳作を何十本も積み重ねたような。


そんな原作をアニメでは丁寧に忠実に再現しています。

この「マスターキートン」
私は超有名作だと思ってたのですが、時間というのは情け容赦ないですね。

隠れた、というより時代に埋もれた名作だと思います。

今時のアニメとはかなり趣が異なりますが、「最近のアニメに少し食傷気味」「ストーリーのしっかりした物語を楽しみたい」という方にオススメしたい作品です。。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 39

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

人間はなぜ学ぶのか?

浦沢直樹原作の名作漫画のアニメ化作品。
基本的に1話完結×全39話。
推理、救出、人探し…等々、各話ごとに大きく話が変わるため飽きさせない構成。

主人公である平賀・キートン・太一は、イギリス人と日本人のハーフで、オックスフォード大学に進学したエリート。

考古学者でありながら優秀な保険調査員。(ただし、就職口の大学を目下探し中)

複数の言語を使いこなすマルチリンガルであり、特殊部隊「SAS」でも数々の戦果を上げた異色の経歴を持つ。当然戦闘力もかなりのもの。戦闘やサバイバルの際には、軍の知識だけでなく、考古学の知識を活かすことで、危機的状況を脱する…。
 
そんな超人にもかかわらず、性格に嫌味な部分がなく、世界中の多様な考えを持つ人物たちとも直ぐに打ち解けられる魅力的な人物。(抜けてる部分もある点が彼の魅力の一つになっている)

顔も声も髪型も地味だけど…正直格好いい!!


主人公が超人なので「俺TSUEE!」系の作品の一つではあるかもしれない…。
しかし、物語が現実的なので、そういう「臭さ」はない。
同時に「爽快感」も薄い。

俺TSUEE!系作品が好きな人が観ても楽しめるかは謎。

とりあえず「地味な作品」「大人向け作品」も楽しめる人にオススメ。
1話1話が濃いため、一気見はキツい。
1話1話丁寧に観ていきたい作品。(ビールとか飲みながら)

●個人的に特別好きな回3つ

①5話:「屋根の下の巴里」

 人間はなぜ学ぶのか? そんな問いにキートンなりの回答をしてくれます。
 教授がまた最高の人物でね…この回が個人的にはベストです!!
 「学ぶこと」の楽しさを知っている人に是非観てもらいたい!
 勉強は辛い面もあるけど、それ以上に楽しいものだと思うんです…!
 (研究室生活に戻りたいとは思わないけど…)

②25話:「砂漠のカーリマン」
 あにこれのサムネ画像はこの回ですね!
 とにかく格好いい回!痺れる回!
 この作品って面白い知識が詰まっていて、そこも魅力的ですね!
 しかし砂漠でスーツは本当に正しいのかな…?

③35話:「五月の恋」
 この回はキートンの娘、百合子が主人公な回です。
 百合子の優しさと温かさに涙。
 父譲りの優しさに加え、若さゆえの真っすぐさやパワーが彼女の大きな魅力です。
 
以上の3つが特に好きだったのですが、きっとファンごとに違う意見を持っちゃう作品なので、あまり参考にならないかな…。

それぐらいレベルの高い話が揃っている名作です!
(ただ「学ぶ」のが好きな方は、5話だけでも観てみてほしいな…なんて。)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

74.0 3 ロンドンで頭脳戦なアニメランキング3位
憂国のモリアーティ(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (275)
1051人が棚に入れました
19世紀末。産業革命が進む中、着実に勢力を拡大し栄華を極めたイギリス。しかし技術の進歩と発展とは裏腹に、古くから根付く階級制度によって、人口の3%にも満たない貴族たちが国を支配していた。当たり前のように特権を享受する貴族。明日の暮らしもままならないアンダークラス。人々は生まれながらに決められた階級に縛られて生きている。ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは、そんな腐敗した階級制度を打ち砕き、理想の国を作り上げるために動き出す。シャーロック・ホームズすら翻弄した“犯罪卿"モリアーティ。犯罪による革命が、世界を変える――

声優・キャラクター
斉藤壮馬、佐藤拓也、小林千晃、日野聡、上村祐翔、古川慎、小野友樹
ネタバレ

fluid さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

貴族社会で差別されたり、復讐したり、弱者救済系アニメ

よくある差別社会の不満を晴らす系のアニメ。推理もの。探偵もの。
大筋はなかなか楽しめる仕上がりになってますが、目新しい展開は無く、どこかで見たことあるストーリーがほとんどですし、細部におかしな点が目立ちます。沢山あるので各話ごとに感想として書きます。

■倫理観がおかしい、教育に良くないアニメ
被害者が復讐して加害者を殺すのは理解できます。でもモリアーティ自身は被害者でも何でもない、まったく関係性の無い相手を殺してるわけですが、この点は【倫理観】がかなりおかしいですね。Aから見て悪人に見える人でもBから見ればかけがえのない家族や恋人だったりするわけですし、善悪というのは視点を変えれば簡単に切り替わるあやふやなものです。
例えば、仮に、モリアーティが女の子と親しくなって好きになり、ある日、おじいちゃんが殺されたのと泣きついてくるとします。そのとき、自分が殺した相手の孫だと気づくモリアーティはどういう反応になるでしょうか?そういうことです。ただの人殺しでしか無いのに、このアニメは綺麗に描きすぎてる。

■いじめや差別と同じ
これ見て悪人が殺される展開がおもしろいと感じた人は倫理観がおかしいので善悪について学んだ方が良いと思います。そのおもしろいと感じる感覚はいじめや差別する人と同じ感覚です。それが、いじめや差別じゃないと思ってるのは本人だけ。調子乗っててムカつくとか、何で気付かないの?とか、性格がすごく悪いとか、いじめや差別をする側にもそうするだけの理由があります。本人にとってはそれが正義なんです。でも他人から見ればただの差別やいじめでしかない。それが正しいわけないだろ!と思えそうなことでも実はそうだったりします。人の価値観の違いというのはおもしろいですね。

そもそも悪役に見える貴族ですが、彼らにも殺人をするほどの何か理由があるかもしれませんし、殺された貴族の親や子供からすれば、復讐した側もただの復讐の対象でしかない。そういう冷静な視点で見ればモリアーティもやってることは同じ、ただの人殺しです。

本人に直接関係の無い相手への復讐や殺人や犯罪をアニメで描く際には、それは「悪いこと」だという印象付けが重要になります。悪いことだが国をよくするために成し遂げるみたいな、大義を目指しつつも殺した相手やその親類に申し訳ないと感じる気持ちを表現したり、自分はただの人殺しだと自虐的な重苦しい表情を見せるとか。それがこのアニメには一切ない。善悪を何も理解せずに、ただ人を殺してるだけの頭の弱い人にしか見えません。

■人物を悪く見せる描写が安っぽい
悪役を用意 → 解決 という展開が多いですが、人物を悪く見せる工夫が単純すぎて物足りない感じがします。汚い暴言や見下す発言を見せるだけだったり、殺人現場を見せるだけだったり。なんというか、善悪の基準が小学生レベル。もっと人の暮らしや悩みにどう影響を与えてるのか、実際にどんな被害が発生してるのか具体的な問題を描かないとおもしろくならないです。それモリアーティと何の関係があるん?という感じの悪人しか出てこない。自分に関係の無い所に首を突っ込んでへーいい人ですね、くらいにしか共感できないです。おもしろく無くは無いけど微妙な感じ、中身が薄いです。もっとモリアーティ本人に関係するような展開を描いてくれないとおもしろく無い。1話で消えて居なくなるモブキャラのドラマ見せるくらいなら、名探偵コナン見たほうが何倍もマシですね。

人間ドラマや感情の変化を楽しむアニメでもないです。

■貴族社会が悪いという作者の考えは間違ってる
社会に無くてはならないシステムが【貴族】です。その特権を悪用する一部の貴族が悪いだけですし、現代社会はその権力が集中しづらい構造に作り変えられたという点しか違いはありません。昔と今の違いはたったそれだけ。(詳細は6~7話感想に書きます)
というか、貴族を悪く描いてるけど、モリアーティさん、あなたも貴族じゃないんですか、とツッコんだら負け?貴族社会を無くした後は自分も平民に戻るのかな?

■以下、各話感想。
{netabare}
■1話、殺人犯をつきとめるモリアーティ
子供を殺された父親が最後に犯人を殺すのは理解できますが、被害者でも何でもない無関係のウィリアムたちが手を貸すのは何か違うと思いました。その点だけ見ればむしろウィリアムの方が悪人だし、ただの人殺しだし、まったく共感できなかったです。父親には共感できますがストーリーがテンプレすぎてふつうに面白いかなというレベル。
あと、証拠を残さない完全犯罪と口で言ってるだけで、何をどうやって完全に消してるのかが描かれてない。
静かな早朝にどうどうと表でタバコを吸うって、それ動いてるの自分だけで目立つし、タバコの煙も目立つし、犯行現場でそれはダメでしょう。

■2~3話、モリアーティの過去と秘密
まず、長男のアルバートがなぜ平民に肩入れするのかが分かりませんでした。最初からその違和感が頭から離れず、終わってみてもその理由が一切描かれていない。
例えば、小さいころから平民の子供と遊び、その友達や恋人が差別や虐待される様子を描くことで視聴者を共感させる、みたいなのがセオリーですが、そういった理由付けは一切ない。
貴族が貴族に囲まれて育つだけでは、平民との違いに気付くことも無ければ、嫌悪感を抱くこともありません。そもそもなぜ、孤児たちの住まいに訪れるようになったのか。
しかも家族を殺しますかねふつう?まったく理解できない。家族を殺すほどの理由付けが無いのにこの展開は無理があると思いました。
よくあるテンプレ設定をまねたのは良いけど肝心な部分が抜けてる感じですね。おもしろく無くは無いけど、微妙な感じ。

■4話、子爵とグレープフルーツ
助けなかった子爵は確かにひどい人間ですが、子供が死んだこととは直接的な関係は無いですし、命まで取りますかね?ただの逆恨みにしか見えませんでした。
例えば、1000万で助かる命があるとして、1000万くれないお前らは人殺しだ!と言ってるのと同じ。
子供が死んだのは村の医者が出かけて居なかったことが原因。もっと言うなら24時間医療体制の整っていない時代に病気にかかってしまったことが原因んですよね。
医療を受けられるのがあたりまえ、助けてもらえるのがあたりまえという考え方は、ぬくぬくと育った現代人だけの発想ですね。
それに復讐したところで子供が死んだ悲しみは消えませんよね。なのに、すべて解決したみたいな描写も不自然です。人の感情が単純に描かれすぎですね。全然違います。
人目に付く酒場で目立つ貴族の格好で屋敷の関係者と会話したり、茶会で殺人したり、どこが完全犯罪やねん!とツッコみたい。

■5話、貴族と平民の恋、騙されアヘンで錯乱して死亡
4話までは普通に面白かったのですが、今回は特にひどい。
おそらく元ネタは、貴族と平民のあいだに障害が沢山発生して乗り越えさせる様子を描き、視聴者を共感させる系の展開なのでしょうけど、このアニメにはその描写が一切ない。共感要素ゼロ。酒場の女がチラっと二人の出会いを語って終わり。これはひどすぎる。メインに描くべき部分を省略してどうでもよい部分を表に残した感じ。

■6~7話、ノアティック号、劇場殺人
「この国の歪みの原因は階級制度そのもの」これは全然違いますね。
貴族は民を他国から守ったり、国の経済を担ったり、人が住める環境に整えたり、社会に無くてはならいシステムが貴族です。その特権を悪用してる一部の貴族が悪いだけですね。

そもそも、昔の階級社会よりは権力が一か所に集中しづらいというだけで、現代の社会構造にもその名残はありますし、権力が集中しないわけではないですし、それを悪用することも可能です。「貴族」みたいな、一目で分かる目印が無いから表面化しづらいだけです。あるいは、それをあたりまえだと感じてしまっているだけです。昔の人たちにとってもそれは同じですね。生まれた時からあるシステム(貴族)に違和感を感じる人の方が少なかったと思います。一部の悪い貴族に対して嫌だなという感情があったとしても、それは具体的に何が悪いのか言葉にしたり、形にして表すのも難しかったんじゃないでしょうか。昔の人にとってはまだ存在しない新しい概念でしたから。人々にその新しい概念を理解してもらうのにもかなりの時間を要すると思います。「制度は変わりづらいけど、人の心は変わりやすい」いや、むしろ逆ですよ。人の考え方や常識ほど変えづらいものはありません。人の考え方を変えることに成功さえすれば、制度や法律なんてものは簡単に変えられます。

「可能性を一つ一つ潰せば真実にたどり着く」これも全然違いますね。
哲学や概念の話になるので説明は省きますが、そもそも可能性というのは次から次へと増え続ける際限のないものですから、一つ一つ潰したところで答えが一つには定まることはありません。どこまで突き詰めても絶対はなく「おそらく」としか言えません。

そういうのを上手くストーリー展開に時間をかけて丁寧に組み込んでる名作は結構ありますが、このアニメは一言二言で済ますだけだったり、理解が間違っていたり、ちょっと安っぽい感じがします。無理してカッコいいセリフとか使わない方が良いと思います。

■8~9話、シャーロック・ホームズ
シャーロック・ホームズというよりは、頭の悪いチャラチャラしたイケメンという感じ。
何でも見通せる人間はあんな風に表情豊かにならないと思います。起こる前に知ってるわけですから、起こるタイミングで表情が変わるのはおかしいです。すべてがあたりまえという表情やポーカーフェイスの方が似合うんじゃないかな。

■10~11話、列車殺人、モリアーティとホームズが協力して事件を解決
敵対関係なのか、仲良しなのか、二人の関係がちょっとおもしろいですね。
今回は、純粋な探偵アニメという感じ。被害者の状況から推理し、順に順にと筋道立てて分析し、どちらが謎を解決するのかという競争のような展開が良かったです。でもこういう展開、他でもよく見ますね。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

目的は手段を正当化する

原作未読 そういえば原典も未読


 これはかの名探偵シャーロック・ホームズをすら翻弄した
 犯罪狂モリアーティ教授の物語


海外ミステリだとアガサ・クリスティは読んだことあるけど超有名なシャーロックホームズは未経験です。おおむね三毛猫ホームズ止まりな私。
その赤川次郎氏の連作『三毛猫ホームズ』だって数多あるオマージュ作品の一つ。アニメでも“家頭”と書いてホームズと読ませる京都の骨董品屋のお話をついぞ最近やってたり。ホームズの冠をつけなくても『ミシシッピー殺人事件』たしか助手の名はワトソン、と匂わせグレーゾーンを漂ってみたり。この二人の名前を出しとけば謎解きものであることを万人に共有せしめる現代用語の基礎知識。

とどのつまり説明不要な名作をモチーフにしてるわけで。そしてこの私。ホームズとワトソン君とベイカーストリート何番は知っているものの本作の主人公モリアーティは初耳。
知っていれば視聴前にもろもろ脳内整理できたかもしれません。あ、そういう人がいるのね~とニワカ全開で本編突入しました。

原典の挿絵みると禿茶瓶なおっさんですが、本編はそのおっさんの若かりし頃ということでブロンドイケメンになってます。こういうの元ネタ知ってると差分を楽しめそうですね。

 主人公の敵役で稀代の悪党の前日談

STARWARSのepisodo1であのダースベイダーの幼少期をかわいらしい少年が演じたのと同様に、人は無垢で生まれ何かのきっかけや積み重ねで進んではいけない分岐へと歩を進めた物語になってそうです。「なってそうです」と推定なのは分割2クールの前半だから。断定するにはちと早いのでお預け。
彼(モリアーティ)にとってのきっかけは『階級制がもたらす不条理』ということになるのでしょうが、そこの描かれ方を好意的か否定的かどのように捉えるかによって作品評価が分かれそうな印象です。私はやや好意的に捉えた側。来たる後半戦も観るつもり。

原典をご存じの方はその差分を探ってもよし
私みたいなニューカマーは100年前の英国の空気を浴びにいく心持ちでよろしいかと。

ちなみにタイトル『憂国のモリアーティ』。
どこらへんが憂国かをなんとなく理解できる仕様になってるのは好感です。
リスクを丁寧に潰していき真相に迫らんとする探偵ホームズと、完全犯罪をもくろむモリアーティ。方向や立場は違えどアプローチは似たようなもんだというツボもおさえておりますね。
奇抜さよりも丁寧な仕事。作中のライバル二人の仕事ぶりよろしく、アニメ制作もなんやら怪しいとこありますが少なくともきっちりやろうという姿勢はうかがえた手堅さを感じる一品となってます。


なお、CVさん歌唱の主題歌は映像含め楽しめました。
{netabare}ゴールデンカムイ尾形弟の役をされてた方ね。いい声だわ。{/netabare}



※ネタバレ所感

■目的は手段を正当化する

謎解きよりも稀代の犯罪者の生成過程に興味が向いた本作。スパイスとなるはイギリスの階級制度。

 なんでこの人そうなったん?

共感はできませんが説得力はあったかなぁ…。

{netabare}貴族階級の傲慢さへの怒り。それを許してる社会への怒り。根本となる階級制度の破壊を志向していくことになります。階級制度そのものについては長くなるので割愛。

受け取ったメッセージひとつは破壊志向、アナーキズムの限界といったらいいでしょうか。とある不満があったとして「それを破壊orガラガラポンしちゃえ!そしたら万事ハッピー」って発想は規模が大きくなるほど難易度が増し国家規模ではまず不可能。やらかしたら歴代とてつもない混乱を経て落ち着く以外に例外はなし。フランス革命もギロチン送りしてすぐ革命勢力は瓦解したでしょ? 明治維新だってガラガラポンに見えて禅譲だし、それでも鳥羽伏見や戊辰戦争が起こるくらい急激な変化には相応のハレーションがつきものです。現実は粘り強く改善するのが近道だったりします。
それ(地道な改善)を放棄したらこうなりました!がモリアーティだったかと。起点は“憂国”で理想をぶつ姿に魅力を感じるやもですが、実際の行動は崇高(仮)な目的と合致してません。しまいには目的そっちのけに見えてしまってるところが“あるある”だなぁと思って眺めてました。そのうち“貴族”だけがターゲットだったところから“労働者”に刃が向くんじゃねーの?と予想してます。手段が目的化することで本末転倒になる。その時のモリアーティ一派の心情の機微に注目したい。{/netabare}


{netabare}ふたつめは善意の思考停止。来たる後半ではモリアーティ家の義憤にかられたお兄ちゃんにも注目したい。冒頭、モリアーティと共謀し自分の家族をポアしちゃった少年です。高貴なお方がもつ富める者特有の後ろめたさからのダークサイド突入。西園寺公一や近衛文麿なんかそんな感じでしょ? 前者は意図的、後者は無自覚に国家を破壊へと導いたってのが一般的な見解です。ヘタに力があるだけに悪影響は絶大なのよね。
だからこのお兄ちゃんに「で、英国の階級制はどうなったん?」と当初の目的に関しての結果報告を求めたいですね。きっと答えられないか「道半ば。俺たちの革命はこれからだ」的回答になることでしょう。彼らが軌道修正する可能性はゼロに等しく、常に搾取されていると自己肥大化させ続けているのです。犯罪を正当化する理由なんてないのにね。

あくまでモリアーティ視点なので貴族階級層の人間が持つ良い点、ノーブレスオブリージュみたいなのに作品では触れてません。目が曇り見えないのかあえて蓋をしてるのか、おそらく両方あるのでしょう。
ノーブレスなんちゃら“持てる者の責任”と言われてピンとこないかもしれませんが、直近なら鬼滅の煉○さん思い出していただければよろしいかと。あれがノーブレスオブリージュの好例です。
さすれば少しは貴族層に好意的な視線も注がれそうですが、彼らがそうなることはなく、支配構造を終わらせるには、敵を倒し、社会を変えるしかないとの思考から抜け出せません。妥協したら引きずりおろされますからね。そもそも支配者階級と彼らが考えている層を“支配を維持・強化することしか考えていない悪人”と捉えています。となれば耳を塞ぎ純化の道まっしぐら。
そして倒した後のことは考えてません。“倒せば良くなる”それだけ。
後に控えるさらなる受難そっちのけで○獄さんに向かって「偉いんだからてめーが責任取れ!タヒんでこいや!」が基本姿勢の彼らに一般人はドン引きすることと同じです。{/netabare}


{netabare}最後みっつめは犯罪コンサルタントというポジション。いいですよね姑息で(笑) 当事者にならず批評家のポジションに安穏とする。ここはシンプルに“四列目の男”。モリアーティその人は、お遍路好き元総理のものすごく頭の切れるバージョンにしか見えなかった私でした。
だってすでにブロンドイケメンな若い頃にホームズと交錯していて、禿茶瓶になる程の年月を重ねるまで逃げおおせたわけでしょ?(適当) 改革を口では標榜しそれでいて矢面に立たない。いくらイケメンで弁が立とうが私は信用しません。

そこはしっかりと悪人に嫌悪感を抱かせる仕上げをしていたともいえ、キャラ設定よい感じでした。{/netabare}



階級社会へのアンチテーゼはまあよいとしてその解決に導く方法論が間違ってると思わせる一品。
だからこそキャラの口からあちら界隈の用語でいう“総括”を聞いてみたい。

 アンチ貴族社会の理念のもとに行動した結果有効打を打てたのだろうか?

そしてそのしどろもどろの言い訳をニヤニヤしながら「まあそのへんがきみらの限界だよね」と侮蔑する未来を想像しながらSっ気全開で待機します。
{netabare}…とここまで煽ったところで語られることはないでしょうね。逃亡/責任回避は彼らの常套ですから。{/netabare}



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

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2021.02.28 初稿
2021.09.30 修正
2022.06.02 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

もちろん、あのモリーアティです。「憂国」は、なるほどそういうことなんですね…。<シャーロック・ホームズ>シリーズのメインキャラクターが軒並み登場!

[総評]
お話は<シャーロック・ホームズ>シリーズのジェームズ・モリアーティが何を同期に事件を起こしたかという観点の二次創作ものです。

ウィリアム・ジェームズ・モリアーティのやっていることは「毒を以て毒を制す」じゃないですが、素直に「ダークヒーロー物」と思うのか、それでも「社会秩序を破壊しようとしているテロリスト」と思うのかは視聴者の価値観にもよりますよね。

「貴族がやっていることが横暴だから民衆のために制裁する」というのは崇高な理念とも捉えられますし、単に彼が楽しみたいだけのお題目なのかもしれません。

もっともシャーロック・ホームズの側も、名探偵ではあっても必ずしも人格者であったり正義の味方であったりはしないわけで、謎に挑みたいという欲求を表に出しているぶん正直な人だとは言えます。

とりあえず二人の関係については、才能を持つ者同士が違う立場に立った結果として対決するというまさに「ライバル関係」といえるんだと思います。

物語は必ずしも勧善懲悪である必要はないので、フィクションをフィクションとして楽しめるのであれば本作を面白いと思える素養は充分にあると言えそうです。

== [下記は第4話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで視聴時点でこのレビューを書いています。

コナン・ドイル作の「シャーロック・ホームズ」シリーズにおいて、「犯罪卿」として名を馳せるジェームズ・モリアーティ。

本作はそんな彼が「犯罪卿」となる動機として十九世紀末のイギリスにおける階級格差の解消を掲げる、異色のクライムサスペンスです。

ジェームズ・モリアーティに兄弟がいるという設定は「シャーロック・ホームズ」シリーズから引き継がれたものですが主人公ウィリアム、兄アルバート、弟ルイスの名前は本作オリジナルのものですね。

当然ですが主人公ウィリアム・ジェームズ・モリアーティは犯罪を仕掛ける側です。基本的には特権階級に属さない「被害者」がただ揉み消されてしまう悲嘆に明け暮れているところを「クライム・コンサルタント」としてウィリアムが復讐をサポートするというストーリーであるようです。

第1話ではストーリーのテンプレートとして労働者階級や貧民の少年たちが巻き込まれた猟奇事件の犯人の特定と、被害者の父親による復讐をウィリアムがサポートする様を見せてくれました。

第2、3話の前後編ではクライム・コンサルタントとなるに至ったジェームズ・モリアーティ三兄弟の生い立ちが描かれ、第4話では使用人に恨みを買った子爵が復讐される様が描かれました。

ということで作品との相性は概ね第3話か第4話まで観れば判断できると思います。私は結構面白いと思っているので、このまま視聴継続予定です。
== [第4話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.12.3追記:
第8話まで視聴終了。サブタイトルは「シャーロック・ホームズの研究 第1章」で、これは元々の「シャーロック・ホームズ」シリーズの第1作『緋色の研究』へのオマージュなんでしょうか。

第6話でのシャーロック・ホームズに続いて、ついにジョン・H・ワトソン登場です。人名は小説準拠のようですが、事件自体はいろいろとアレンジされている模様。

2020.12.8追記:
第9話まで視聴終了。ラストのカットでのワトソンの日記(?)の開かれたページの左上には「A STUDY IN SCARLET」の文字(原作のタイトル: 邦題『緋色の研究』)が書かれていましたね。

2020.12.29追記:
最終2話(第10、11話)で前後編を持ってきました。ウィリアムとシャーロック・ホームズが直接対面するストーリーでしたね。

二人が互いに興味を深めて、さらにストーリーには王室関係の何かがありそうな描写で2021年4月から予定されている第2クールへの良い助走だったと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 35

67.1 4 ロンドンで頭脳戦なアニメランキング4位
ルパン三世 PART6(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (91)
331人が棚に入れました
舞台はロンドン。 ルパンのターゲットは、英国政府を影で操る謎の組織・レイブンが隠したお宝―― その手掛かりとなる一枚の絵。立ちはだかるスコットランド・ヤードや MI6。ルパンの動きを察知して現れた銭形警部。そして、ルパンの前に現れた探偵――その名はシャーロック・ホームズ!シリーズ構成・大倉崇裕のメインストーリーと、豪華脚本陣のオムニバスエピソードが絡み合う、謎多き〈ミステリ・ルパン〉が今、幕を開ける!
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

うーん十分かな

個人的にはPart5がもうピークで不二子ちゃんとルパンの関係にある意味決着がついたので十分かなと。今作も突っかかることなく、それなりに楽しんで見ていたわけだが。それに若手声優さんがルパンシリーズに携わるのは感慨深いものはある。

今作はイギリスがメインの舞台。後半は英国というわけではない。おおむね1~2話ずつオムニバス形式で進行しつつ、前半はシャーロックホームズとフォークナーの宝?を巡る話。後半は出自やら本名やら不明なルパンの母親を名乗る女性についての話。

以前助けてくれた女性を見守る次元やモデルに挑戦する五右衛門、ルパン大好きな女性警官とかいつも通りの話だけでなく、一風変わったことを。そこで登場する女性たちが一応、伏線のような感じ。様々な場所で出てくるトモエというルパン母と思わしき女性。{netabare}洗脳のような話もあるし、不二子ちゃんの情熱的なキスも。{/netabare}

OP
THEME FROM LUPIN III 2021 Yuji Ohno & Lupintic Six with Friends。
ED
MILK TEA Akari Dritschler
BITTER RAIN 藤原さくら
大野雄二さんは欠かせない。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
舞台はロンドン。ルパンのターゲットは、英国政府を影で操る謎の組織・レイブンが隠したお宝--その手掛かりとなる一枚の絵。立ちはだかるスコットランド・ヤードやMI6。ルパンの動きを察知して現れた銭形警部。そして、ルパンの前に現れた探偵--その名はシャーロック・ホームズ!シリーズ構成・大倉崇裕のメインストーリーと、豪華脚本陣のオムニバスエピソードが絡み合う、謎多き〈ミステリ・ルパン〉が今、幕を開ける!


EPISODE 0 -時代-
「とうとう俺も潮時かもしれねぇな」--監獄の中で、次元大介はめずらしく人生について考えていた。味気ないドローンによる追跡や、機能性だけを追求した玩具みたいな銃、現代の最先端技術にあぐらをかいた警官たち……ロマンの欠片もない、つまらない時代--そう嘆く次元は、泥棒稼業から足を洗い、ルパンたちと別れる決心をする。

#1 シャーロック・ホームズ登場
英国・ロンドン。初老の男、フォークナー卿の仕事場に飾られた一枚の「絵」--それは、「レイブン」と呼ばれる組織の隠し財宝に繋がっていた。ルパンにとっては、十年も前から狙っている因縁の宝。スコットランドヤードやMI6の妨害をかわしながら絵を盗み去るが、逃走劇のドサクサで絵は半分に破れてしまう。そして事態は、ロンドンに眠る名探偵--シャーロック・ホームズを呼び覚ますこととなる。

#2 探偵と悪党
ルパンの姿を見て、気絶してしまうリリー。ホームズは怒りをあらわにし、ルパンを見つけ出すと語気を荒げる。一方アジトに集ったルパンたちは、手に入れた絵の分析中。レイブンは、第二次世界大戦後、英国政府を影から操ってきたとされる秘密組織--メンバー等はすべて謎に包まれ、その実態は雲を掴むよう。レイブンの謎は、ルパンとホームズの因縁にも関係している様子で……?

#3 大陸横断鉄道(嘘)の冒険
マーキス侯爵は鉄道マニア。ご自慢の品は、リバプール&マンチェスター鉄道が催した、伝説的な試乗会の切符。そしてもう一つの自慢は--広大な庭に築き上げた、こだわりの庭園鉄道! ルパン一味は切符を狙って、その庭園で開かれるパーティーに潜り込む。美女に目がない二人の少年・リーとダネイも、不二子を追ってパーティーへ……。線路をドタバタ駆け巡る、インチキだらけの冒険譚!

#4 ダイナーの殺し屋たち
ある日の夕方。寂れたダイナーのドアを開けて、二人の男が入ってきた。カウンターに座る彼らに、「何にします?」と問うウェイトレス。二人の男はメニューを眺め、しけた料理を注文する。--ダイナーには、先客が六人。全員男で、皆、殺し屋。ウェイトレスに絡みながら料理をむさぼる二人の男に、ただならぬ視線を向けていた……。

#5 帝都は泥棒の夢を見る 前篇
「一体これはどうなってんだ!?」なぜかルパンが降り立ったのは、昭和初期の帝都東京。そこでルパンは、銭形そっくりの警部・波越に追い回される。ルパンを救ったのは、これまた不二子そっくりの女盗賊・黒蜥蜴。彼らは皆一様に、ルパンのことを「黄金仮面」と呼ぶのだった……。幻のような異世界で、ルパンは果たして何を盗む!?

#6 帝都は泥棒の夢を見る 後篇
五ェ門を名乗る用心棒に驚愕するルパン。その斬撃をかわしつつ、からくり時計の展示室へと急ぐ。が、現場では大道寺がサラントヤに銃を向け、時計の鍵を奪おうと迫っていた。警報が鳴り、押し寄せる警察。大道寺の策動により、さらなる危機に陥る瑠璃子とサラントヤ……。そして騒ぎを聞きつけた明智は、静かに推理を働かせる。--夢とうつつの大騒動、ここに決着。

#7 語られざる事件
あれから、ホームズの様子は変わった。復活したホームズは、ここ数年の未解決事件を片っ端から解決し、ロンドンの裏社会は震撼。リリーは、そんな鬼気迫るホームズの様子に、一抹の寂しさを覚えていた。--そんな中、ルパンの耳に、ある男の情報が飛び込んでくる。男を追って再びロンドンへ入ったルパン。そこには、ルパン逮捕に燃える銭形が待ち構えていた。

#8 ラスト・ブレット
時は遡り、三年前。スコットランドの寄宿学校に通う少年・ケニーは、クラスメイトのリリーに対して、仄かな恋心を抱いていた。だがある日、美術館での課外学習の最中、リリーが何者かに連れ去られそうになる事件が発生する。そこでケニーは、リリーを陰から守る不思議な男と出会うのだった。--リリーの身を案じたホームズは、彼女を学校から引き取る決意をする。

#9 漆黒のダイヤモンド
ロンドンの地下で開かれた闇オークション。出品されたのは、百年前に大西洋で大暴れし、ブラジルの監獄で処刑された「海賊王ジーク」の秘宝。だがルパンの狙いは、その中にぽつんと紛れた、古びたこけしにあった。会場に乱入する警察。ルパンはそのドサクサで、こけしの中に秘められていた地図を入手する。それは、未発見のジークの宝、「漆黒のダイヤモンド」の在処を示すもので……。

#10 ダーウィンの鳥
「あの”鳥”が美しいのは、あれが真贋のあわいを飛ぶ鳥だからです」--依頼人は、不二子にそう語った。ターゲットは、大英自然史博物館に眠る「始祖鳥化石」。生物の進化の過程を克明に表すその化石には、真価を揺るがす「いわく」があった……。聞けば聞くほど依頼に漂う、なんともいえない空虚な香り。不二子に協力を請われたルパンも、その怪しさに眉をひそめる。

#11 真実とワタリガラス
ロンドン市街で、あるデベロッパーが殺された。ホームズは、事件をレイブン絡みであると見て捜査。リリーも、ベイカー街のご近所さんを従えて、情報収集の手助けをする。一方、レイブンの財宝へと近づくために、ルパンもまた推理を展開。事件は、殺されたフォークナー卿へと繋がっていた。フォークナーが守っていた重大な秘密……「絵」が揃えば、それが解明出来るかもしれない。

#12 英国の亡霊
爆発炎上するフォークナービル。それは殺されたフォークナーに、自身も把握していなかった「真の役割」があったことを意味する。そしてその事実は、レイブンという組織の構造が、あまりにも複雑であることを物語っていた……。白紙に戻ってしまった推理。しかしホームズは、前へ進むために頭脳を働かせる。ルパンもまた、果たすべき目的のため、真実へと歩みを進める--

#13 過去からの招待状
ニューヨークに構えられたアジト。次元の手料理を食べながら退屈を憂うルパンのもとに、不二子があるオークションの話題を持ち掛ける。世界各地の秘宝が一度に出品されるという、異様な競売--当然、興味を持つルパンだったが、出品リストにあった宝石の記載を見て目つきが変わる。出自も謂れも『unknown』とされたその宝は、かつて幼少のルパンが住んでいた屋敷から盗み出されたものだった。

#14 蜃気楼の女たち
女の名は、メルセデス。強盗グループ『エルヴィラ』を率い、各地を騒がせている女盗賊だ。入院したマティアの無事を確認したルパンは、メルセデスを追ってメキシコへと足を運ぶ。その道中、一味に語られるルパンの過去--メルセデスが口にした「トモエ」という女のこと。そして彼女にまつわる、不可解な「謎」のこと……。ルパンは真実を探るため、メルセデスとの勝負に向かう。

#15 祝福の鐘に響けよ、銃声
フランスの名門貴族・フェルナン伯爵の結婚。ルパンは、結婚式で花嫁に贈られるという伝統の宝石「マルセイユの涙」に狙いをつける。しかし花嫁の姿を見た次元には、いつもと違う表情が浮かんでいた。伯爵の結婚相手は、貴族の出身ではない一介の町医者・ミレーヌ。聖女のような優しさを持った彼女は、次元にとっても忘れられない存在で……。

#16 サムライ・コレクション
独創的なセンスで世界中を熱狂させるカリスマデザイナー・ギャビー。5年ぶりとなる新作ファッションショーで、なんと五ェ門がミューズに選ばれた!? 剣士としての飢えた目が琴線に触れたのだというギャビー。ファッションの世界でも武士道を貫く五ェ門は、慣れないモデル修行にも真剣に向き合っていき……? サムライとデザイナー。二人の道が、今交差する。

#17 0.1秒に懸けろ
『Lシステム』--それは、ICPO出身の天才エンジニア・リンファが作り上げた最強の警備システム。彼女はその真価を世間に証明するため、ルパンにあるゲームを提案する。舞台は、彼女がCEOを務めるワンティック・セキュリティーズ本社タワー。ルパンを阻むのは、何重にも張り巡らされた異常な量のセキュリティ! 前代未聞の不敵な挑戦に、ルパンは一体どう立ち向かう!?

#18 フェイクが嘘を呼ぶ 前篇
オークション騒動以来のニューヨーク。退院したマティアと再会したルパンは、彼女が花屋を離れることにしたと知る。一抹の寂しさを感じつつ、ふと目にした新聞から「トモエ」の情報を入手--コトルニカ共和国の女性議員・ヘイゼルが、かつてトモエから教育を受けていたというのだ。トモエの生存を確かめるため、コトルニカに飛ぶルパン。しかしそこにはなんと、偶然旅行中のマティアがいた。

#19 フェイクが嘘を呼ぶ 後篇
ヘイゼル殺害容疑で囚われた銭形。二党の対立は、コトルニカに疑惑と動揺を広める。ヘイゼルとの約束のため手を出さないルパン。銭形を救うのは、八咫烏とアリアンナの役目だ。--地元警察の妨害を受けながら捜査に奔走する二人。ディープフェイク事件が起こす「謎」の連鎖……。真実の裏に隠された、もう一つの深い嘘とは?

#20 二人の悪女
不二子の目の前に現れた、屈託のない輝く笑顔。彼女の名はアメリア--かつて不二子と組んで、共に盗みを働いた女。天性の愛嬌で人の懐に入り込む天才だが、作戦の詰めが甘いことが不二子の不興を招き、関係は長くは続かなかった……。そのアメリアが持ち掛ける、新たな誘い。不二子は溜息をつきながら車を飛ばす。真逆な性格を持つ、二人の泥棒のドライブが始まった。

#21 うたかたの島へようこそ
穏やかな時が流れる島・ミトン。橋の故障で島に閉じ込められたルパンたちは、思いがけない休暇を過ごすことになる。暇をもてあそぶルパン一味の佇まいに、カフェで働く娘・ムルーは興味津々。夢見がちな彼女は、スケッチブックを片手に、ルパンたちの関係を勝手に妄想し始めた。そんな中、不二子は島に古くから伝わる人魚の伝説を聞きつけて……?

#23 私のママの記録
フィン・クラーク。極北の国・レヴォンランドへホームステイにやって来た、15歳の少女。彼女が知りたいのは、ママのこと。そして、顔も知らないパパのこと。「私のパパは誰? 16歳のママはなぜこの国で亡くなったの?」--雪に埋もれた家から、フィンは母親の記録を掘り起こしていく……。一方ルパンもまた、ネット上に転がるあらゆる記録を頼りに、何かを探し続けていた。

#24 愛しの魔女の記憶
レヴォンランドで銭形と鉢合わせたルパン。銭形は、自分がマティアを追ってここへ来たこと、アリアンナがマティアに襲われたことを語る。衝撃的な事実を受け入れられず、困惑するルパン。だが、銭形が携えたアリアンナのボイスレコーダー……その録音を聞いた瞬間、ルパンの脳裏に浮かぶ、いくつもの言葉たち。それらはルパンの記憶を揺さぶる、美しい思い出の断片だった。

#24 悪党が愛すもの
「狙った獲物は、必ず殺す」トモエのもとへ戻ったルパンに、暗殺者としての牙を剥くマティア。その眼差しには、自らの人生を呪う苦悩の色が映っていた。応戦するルパンだが--二人の対峙に割り込む、一発の銃弾。次元、五ェ門、不二子がそこに立っていた。「天下の大泥棒が聞いて呆れるわ。自分の意識を盗まれるなんて」--不敵に笑うルパンは、盗まれた「ルーツ」を取り戻せるのか?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

見たかったものと違う。

{netabare}
ルパンはPART5と、昔テレビで再放送してた分(パート何かはわからない)を見たぐらいなのでにわかですが、今回のシリーズはつまらなかった。

PART6はルパンらしい話がロクになかった気がする。これルパンでやる意味ある?って様な話ばかりが続いてひたすらグダグダしてた。
盗みもしなければ、銭形と対峙したりもしないし本当に良くわからん話を延々と。
特に前半の押井守回は死ぬほどつまらない。
わけわからんとか言う以前にルパンでやる話じゃないし、自分に酔ったオナニー脚本書くような老害に脚本なんかやらせるなよって思う。
酷いと言えばVR空間?に転移してみたいな話、あれは酷すぎる。
VR空間に入るまでの流れも強引だし、ルパンでやることじゃねーだろの極みだった。

まあそれは置いといてもメインのストーリーも面白くなかった。シャーロックホームズだったりモリアーティだったり、面白くなりそうな要素はあったが、ほぼホームズやモリアーティとは何の争いもなくレイヴンの謎があっさりと解明され事件が解決して結構肩透かしを食らった。
っていうか後半別の話が始まって、前半の話はあれで終わりだったのかよってなった。
あと、ルパンにしては話が少し難しかった気がするがそこはまあいいか。

で、前半の話もうーんって感じだったが、後半の話に比べれば前半の話なんてまだ良脚本だった。
トモエの話のオチが酷すぎる。ルパンに巴が母であることを思い出させるために、洗脳した女をルパンに接触させて(?)、自分の存在を思い出させるための歌(??)の一節を色んな言語で(???)つぶやかせた(????)という本当に支離滅裂な設定でギャグアニメかよって思った。
というか自分の聞き間違いなんじゃないかと思って3回巻き戻して確認した。
脚本が終わってた。

良かったのは途中たまにちゃんと盗みをする、ルパンらしい回と、前半のオチを除く部分かな。

{netabare}
0話 ☆7
もっとちゃんと見張っとけw 時代の変化がテーマか?
まあ安定した面白さ。PART5が良すぎて少しハードル高め。

1話 ☆7
憂国のモリアーティかな。
確かに家を建てるって賢い選択だ。
ホームズとレストレードも今回の警部枠?

2話 ☆8
ホームズかっこいい。アクションシーンがいいな。

3話 ☆4
情報管理甘すぎだろw ああ、わざとかよ。
殺されないの分かってるからあんまりおもしろく無いなぁ。
何でこんな回りくどい殺し方を。

4話 ☆3
この会話パート長すぎんか。
いや、女もあの男二人も変装かよw

5話 ☆3
何がどうなってんすかね。これは迷走してないか。
シーンが点々としすぎててわけわからん。
いきなり時間飛んで?明智小五郎とか出されても。

6話 ☆3
いやなんでVRの中にいるんだ。オチ滅茶苦茶すぎん?
あの黒髪の女の人の銅像か

7話 ☆8
リリーも勘違いなのね。コナンでもこんなのあったな。
セバスチャンモラン? 今回シャーロックホームズに沿ってるのか?
モリアーティ教授はよ。久々に面白かった。

8話 ☆8
なぜ刃物 どんな使い方だよw
相棒を大切にした理次元がかっこよかったし、チェイスや撃ちあいも面白かったから、本題からそれてるとは言え面白かった。

9話 ☆6
ばあさんつええ。 海賊王女感w

10話 ☆0
このクソつまらん会話いつまで続くの?
ルパンを使って自己陶酔すんなよ。
押井守とかいう過去の栄光にすがりっぱなしのオナニー脚本家外せ 

11話 ☆7
シャーロックホームズのあの名言好きだわ。
メインの話やってくれると面白いわやっぱり。
言うほど不可能を消去してないよねw 

12話 ☆5
さすがにそれを和える理由にするのはご都合すぎない?
何のための芝居だよw オチ強引じゃない?

13話 ☆6
何事。謎ワイヤー。こういう話って旧作と矛盾しないのかな。
虫使うとか最悪な作戦だなw 久々のルパン味ある話で面白い。
虫ってドローンかよw いくらなんでも小型すぎるしあんな数操作無理だろw 面白いんだけど作戦に無理がありすぎる。
宝よりも人助けを優先するのね。

14話 ☆7
モリアーティとかどこ行ったし。何がしたいんだか。
味方の弾だけ当たる。何故銃を持ってない。
最後の作戦面白かった 

15話 ☆8
24区? キャラの過去回想ばっかで話が進まねえ。
単話としては今回がベスト回だな。この女も洞察力すごいなw

16話 ☆6
なんだこれ。もう服の良さじゃなくてデザイナーで評価されてしまってる感じなのね。服に落書きしたり破ったりしてそれを表現するのが良かった。
女が服脱がされるのえっち なお話は茶番劇。

17話 ☆7
フラグ。変態かよw 結局ごり押しw 今回結構よかったな。

18話 ☆8
謎回すぎる。てか全然結局トモエのことあんまわかってないよな。
息子いることが分かったところで。ファッ!? 

19話 ☆7
トモエめっちゃいろんな人と繋がってるじゃんw
ええマティア黒幕かよ。

20話 ☆4
焼き印 オウム真理教? 人前に出てこないとは。
は?こいつ裏切るのかよ。なんか拘束されてるw 何がおもろいねんこれ。
何で拘束外れたしw 

21話 ☆3
ギャグ回かよ。うーん何がしたいんだ?

22話 ☆6
誰。ルパンとフィンの関係が全くわからん。
まあともよの手がかりをつかんだということだけ

23話 ☆0
もうよくわからんな。こういうのはみたくない。
やっとまともに出てきた、モリアーティ
結局マティアとルパン何で対立してんの?
ルパンの母が自分が母であることを隠蔽したなら、なんで母であることを認識してもらおうとしてるの?
色んな言語で記憶を思い出ようにさせるように女をルパンに差し向けて歌の一節をささやかせたってもはや意味不明じゃんw
マティアもその一人なのか。

24話 ☆1
茶番。ほんと滅茶苦茶だな。記憶操作とかルパンで出る単語じゃないw
あっさりすぎる は?w 何だよその靴。銭形ルパン捕まえろや。
トモエも全く一貫してないじゃん。

OP「THEME FROM LUPIN III 2021」☆8.5
ED1「MILK TEA」☆4.5
ED2「BITTER RAIN」☆7.5
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

新次元の高みへと昇れるのだろうか?

祝50周年

ルパンとは再放送で観るものでPart1&Part2を夕方繰り返してたくらいの経験。そんな劇場版/後続シリーズとは無縁だったその他大勢のうち一人が私でした。子供の頃『しんちゃん』『プリキュア』に熱中したところで大人になって新シリーズ目の前にしても食指は動かないと思います。
なんかのきっかけでPart5に触れ思いのほか良かったので今ここにいる。そんな視聴背景です。
加えて言うなら、一生懸命追いかけていないけど不思議と思い入れのあるキャラクター達であることには疑いなく、いつでもかっこよくあってほしいなとも思ってたりします。

Part6はなんといいますか、、、ファン向け感謝祭ですかね。
全25話(第0話含む)2クールの前後半に分けて大枠で2本のストーリーが流れる構成。閑話休題的な1話完結の箸休め回がその中に挟まれる感じ。けっこうなビッグネームが当番で脚本書いてたりするのもお楽しみでしょうか。作品を愛してやまないかどうかは露知らず『ルパンだったらOK!』と依頼を受けたのかもしれません。よってお楽しみ企画=感謝祭の印象を私は持ってます。
Part5ではテクノロジーの進化に昔ながらの泥棒がどう向き合うかみたいなややもすると作品の根幹部分を揺るがしかねないテーマを扱い一つの方向性を見出す難作業をしてました。そこ克服しちゃったのでフリーハンドで作れるPart6は失礼ながらそのまま流れで作った感じ。可もなく不可もなく。キャラ立ちしてるかどうかならトップオブトップな登場人物たちなんだからそこそこのものは作れちゃうのです。


■小林清志さんお疲れさまでした
旧制作陣!?とタッグの第0話をもってご卒業です。卒業ソングは{netabare}『ルパン三世のテーマ’80』{/netabare}とわかってますよね。そして新人大塚明夫さんこんにちは。違和感ないのはさすがです。
変更に関しては私から二点。
交代の先陣きったのは山田康雄→栗田貫一でしたが事情が事情だっただけに“模倣”から入る交代劇でした。なぜだか完コピ系の交代がお作法となってます。その点お作法を踏まえた演技をされてます。
二点めはちょっと抽象的なこと。小林さんはもちろん納谷さん井上さん皆々“芝居できてこその声優業”の矜持がすごい方々。本意と役割が必ずしも一致しなかったかもしれない役者個人の生き様がキャラクターから滲む諦観に反映されてたような気がします。ルパン声優にはそんなのを期待したい。


小林さんを送る会兼ファン感謝祭ということでよろしいのではないでしょうか。
もしPart1&Part2以来のルパンがこれだったら未だ見ぬPart7に食指動くかは微妙かも。それほど心動かされなかったPart6でした。


※ネタバレ所感

■ジジイが元気

{netabare}大野雄二氏。前回がフランス舞台でシャンソン風アレンジ。今回はイギリス舞台だからブリティッシュロックということでしょうか。主旋律はギターが担当してます。
めちゃくちゃ冒険してたと思います。元曲はファンクで金管木管メインの弦楽器はベースくらいでしょ?それからジャズへの展開は違和感ないんだけどエレキは水と油に思えました。
結果は聴いてのお楽しみ。{/netabare}

じいさんが最もファンキーだってのが泣ける。


■これはちょっと…

『男には自分の世界がある』いっちゃん有名なやつ
『この手の中に抱かれた物は 全て消え行く 運命なのさ』チャーリーコーセイのやつ

美学とか生き様で滲み出る哀感みたいなのがかっこいいじゃん。だからか違和感ハンパない以下↓

{netabare}「俺は泥棒だからな。美とか人の心とか、そんなわかりにくいもののために体を張るのはゴメンだ。」{/netabare}

{netabare}第10話でのルパンのセリフ。
ルパン一家がそこ捨てちゃだめじゃん!ってところかと。手前の第9話で次元が「ガンマンとは職業ではない。生き方だ」とキメてた翌週にこれはないなぁ。もしかすると大天使のミカエルさんが憑依して言わせてたセンや何かのオマージュなのかも捨てきれないけど、このまんま受け取る素直な私にはアイデンティティ全否定のむごいセリフに見えましたよ。{/netabare}



視聴時期:2021年10月~2022年3月 リアタイ

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2022.04.24 初稿

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

63.2 5 ロンドンで頭脳戦なアニメランキング5位
アガサ・クリスティーの名探偵ポワロとマープル(TVアニメ動画)

2004年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (32)
166人が棚に入れました
舞台は1930年代のイギリス。その首都ロンドンを拠点に活躍する探偵、エルキュール・ポワロ。ベルギー警察で活躍した彼は、引退後、その明晰(めいせき)な頭脳と洞察力を活かし、探偵業をしています。紳士の身だしなみと、自信にあふれたものごしで、難事件を次々と解決します。
もう1人の主人公、ジェーン・マープルは、ロンドン近郊に住む、上品でおしゃべり好きな老婦人。素人探偵ですが、豊富な人生経験と鋭い観察力で、真犯人を突きとめます。名探偵2人をつなぐオリジナルキャラクターの少女、メイベル・ウエスト。ミス・マープルの甥の娘にあたる彼女は、自分の未来を切りひらくため、ペットのアヒル、オリバーと一緒に、ポワロ探偵事務所のドアをたたくのです。

声優・キャラクター
里見浩太朗、八千草薫、折笠富美子、野島裕史、城雅子
ネタバレ

石川頼経 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

このミステリシリーズは面白い

推理小説原作原は推理漫画原作と違ってアニメには向いてないと思いますが、
この作品は面白かった。
声優が俳優が担当している人が多くイマイチという意見については、このNHKアニメの場合、あまり気にならなかった。
というか、むしろ合っていたと言っても過言ではない。
NHKアニメというのはなんだか独特の雰囲気があり、そういうのが許せるという良いという雰囲気がある。
某所で「不思議の海のナディア」と同じ製作スタッフが作っているらしい。確かに雰囲気はなんとなくは似ている。

ただ、気になった部分として、いわゆる黄金期の推理小説なら誰でも知っている事だが、
当時の欧米の量刑基準は正当防衛や精神異常などの例外を除いてほぼ殺人=死刑(イギリスでは絞首刑、アメリカでは電気椅子、フランスではギロチン)だったりする(だから推理小説では話しの締め方として犯人は逮捕されるより自殺するケースが多い)。
ほのぼのとした優しい雰囲気の本作の犯人たちにもそれが当てはまるとなると気が重い。
まあ、パラレルワールドであの世界の量刑基準は現実や原作とは違うのかもしれないが。

ポワロの性格は実は結構、原作に近い、むしろ実写化作品の堂々した紳士で隙のない雰囲気のポワロよりも、
あの、小太りのおっとりとした「食事、食事」と事件の解決より食べる事や日常生活を楽しむ事を優先させる緊張感のない性格はいかにもだ。

逆に原作とはかけ離れているのはミス・マープルで原作では、もっと過激な性格である。
犯人に対する怒りは強く「復讐の女神」という作品の題名はそれを語っている。
「パディントン発4時50分」やこのアニメにはなってないが「ポケットにライ麦を」という作品では最後の方で相当な暴言を吐いている。
そしてポワロは犯人に憐れみを感じた場合は自殺する機会を与えているのに対してマープルは犯人が勝手に自殺する事はあっても、彼女がその機会を意図的に与えるなんて事はない。
もっとも、マープル作品の犯人は邪悪な同情の余地のない奴ばかりだが。
アニメではその辺は改変されてマープルが犯人を気遣ったり、犯人に同情の余地があるようにされている。

また、原作マープル作品は「推理小説とは言えない」という評価もあり、マープルの推理思考も明かされない「直感型探偵」に分類されている。
そもそも、「嘘と邪悪はまるわかり」というキャラで「探偵」とは言いにくい。
あと、メイベルは今作のウリとも言われる可愛い魅力的キャラだが、こういう背景もある。{netabare} 実は原作の短編集『火曜クラブ』所収の「聖ペテロの指のあと」に「メイベル」というマープルの姪が登場するが、既婚者であり、なおかつ殺される被害者役である。また「知的障害がある」という記述もあり、一応、名前と「マープルの姪」という設定だけは借りているにしろ、アニメのメイベルとは別人と見ていい。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

推理物が好きな人なら普通に楽しめそう

ミステリーの女王アガサ・クリスティの2大キャラであるエルキュール・ポワロとミス・マープルのシリーズを原作にした推理アニメ。さすが原作がしっかりしているだけあって普通に面白いです。
原作にはないメイベルという女の子キャラをミス・マープルの親戚でポワロの助手という設定で登場させることで別々のシリーズを1つのアニメシリーズとして繋げています。全39話のうち、およそ3分の2くらいがポワロ回、残りがマープル回といった割合です。1つの事件は長いもので全4話、短いものは1話完結。個人的にはクリスティの熱心なファンというわけではないので(小説は代表作をいくつか読んだことがある程度。このアニメ同様にNHKで放送していたイギリス製作のポワロの実写ドラマは結構好きです)、オリジナルキャラを出すことにも特に違和感や拒否感はありませんでした。アニメの出来自体も手堅い作りで悪くないように思います。名探偵コナンや金田一少年が好きな人なら気に入るかもしれません。
また、ポワロ、マープルといった主要キャラから各回のゲストキャラまで、声の演技に有名俳優を多数起用しているのもこの作品の特徴です。各話でそれらのキャラが最初に登場するときは役名と声を演じている俳優名が画面に表示されるので、この人は声の演技も上手いなあとか、この人は声優は向いてないなあ、などと思いながら観るのもありかと思います。
音楽はBGMは良かったと思いますが、OPとEDは作品の雰囲気にあまり合っていなかったように感じました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

Sin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

メイベル・ウエスト

アガサ・クリスティの原作小説をアニメ化したもの。
ABC殺人事件など有名作がアニメで簡潔にまとめられている。
また、ポワロの助手という形でオリジナルキャラのメイベルが出てくるのも見どころの一つ。
小説を読んだことのない人や、あまり本を読まない人にもオススメ!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1
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