リメイクで泣けるなアニメ映画ランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のリメイクで泣けるな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番のリメイクで泣けるなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

64.2 1 リメイクで泣けるなアニメランキング1位
ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 ~はばたけ天使たち~(アニメ映画)

2011年3月5日
★★★★☆ 3.8 (62)
311人が棚に入れました
 藤子・F・不二雄原作の人気TVアニメの劇場版通算31作目。ゲスト声優は加藤浩次。これまでの作品で人気の高かった「のび太と鉄人兵団」が、新キャラクターも加わりパワーアップして再登場。ある日、のび太の家の庭に空から巨大ロボットの部品が降ってきた。ドラえもんとのび太はそれを組み立てて巨大ロボット“ザンダクロス”を完成させる。ところが、そんな2人の前にロボットの持ち主だという不思議な少女リルルが現われる。彼女はなんと、惑星メカトピアが地球を征服するために送り込んだスパイロボットだったのだが…。
ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

3つ目に想う あなたはわたし わたしは…

視聴前 さてリメイクは

視聴後 うん

この話は北極で青いボールを拾う話
ジャンルはドラえもん・ロボット
1986年(以下旧作)のリメイク(以下新作)ですね。ZZガンダムがやっていたぐらいですかね。
私は正直ドラえもんをほとんど知りません。2010年の映画がどんなのだったか知りませんし、1985年も1987年も知りませんし、おそらく見る機会もないでしょう。ではなぜ見たのか。理由はかんたんです
ロボットもとい百式をみるためですよ。正確に言えば旧作を百式目当てで見たから新作をみた、という感じです。
百式を参考にしたって断言しちゃってますからねぇw

約25年もの時を経てリメイクしていったわけです。他の方のレビューをみれば解ると思いますが、賛否両論の嵐です。
リメイクで良くなったという方もいれば、これは改悪だという方もいます。
個人的にはこっちのほうがすきです
大きな改変点はやはりピッポでしょう。旧作では登場してこなかった「ピッポ」というキャラクターはラストシーンまで影響してきます。旧作ではのび太くんが主人公の座をしずかちゃんにとられた感じでしたが、ピッポにより新作の主人公の座を勝ち取ったようです。話によるとそれが狙いだとかなんとか。
このピッポという新キャラの使い方が上手かったです。すべてをリルルに背負わせ、あっけのない終わり方にするのではなく、分散させ儚さを演出させるのはとても良かったです。
{netabare}
旧作ではリルルがしずかちゃんの行動を疑問に思いのび太くんを撃って、寝返ります。が新作ではピッポというリルルの一部を共有する存在を先に寝返らせておくことで「自分でも薄々わかっている」状況を具現化します。特にそれが現れているのが新旧問わずの名シーン、地下鉄階段の脅し、です。
あの場面はよーく見るととんでもなく深いシーンなんですよ。

のび太くんがリルルを探す際「リルル〜!」と叫びながら探していました。当然近くにいるリルルは聞こえたはずです。それにも関わらず奥へ逃げようとしなかったのは自分自身が間違っているかもしれないと気づき始めたからです。自分を攻撃した相手を看病するしずかちゃんや人間に対して優しくなったジュド(どうでもいいですがZZ)がよぎったのでしょう。
そして見つかり、本部へ行くと告げます。間違っているとわかっていながらも自分にはそれしかなく、それこそが使命なのだと言い聞かせるようにはっきりと細かく告げます。向けられる銃口。それに対し、笑顔のリルル。「撃ってみなさい!」ここで撃たれてしまえば意味不明な人間たちによってゆらぎつつある使命から解放され、葛藤する必要もなくなると考えた。駅の階段の段差もおそらくリルルの心象風景でしょう。間違った自分を蔑みから光の指すほうから誰か自分を撃ってくれるのを待っていたのかもしれません。「撃って!」
しかしのび太くんは銃をおろしました。これこそリルルが苦しむ人間の意味不明な行動であり、ようやく救われると思った矢先にこれか、ということで怒りと嘆きを込めて光線を出します。「いくじなし!」。のび太くんにあたるはずの光線は庇ったピッポに当たります。ピッポに当たるということは一部自分にも人間に対する怒りや嘆きのこもった光線があたっているということです。つまり自分も意味不明な人間な心の一部が芽生えてきてるのです。それを自覚してしまったリルルは光の指す方へ登っていき、総長と敵対するのです。

{/netabare}
えっぐい。子供向け?これ。
他にも深いシーンはいくつか存在しましたが、個人的に一番好きなシーンでもあったのでこれを取り上げました。

あとはリメイクの強みですよね。声優さんもうんと演技力が上がり、作画があがり、音楽の質も良くなった。
声の使い分けにより表情や心情が、作画の向上により迫力・雰囲気・表情が、音楽により臨場感や心象風景が。
要は心情や感情を多彩に表現できるようになったということです。鉄人兵団という作品は一見ロボット主体に見えますが、リルルという少女の成長や葛藤がメインです。故にリルルの細かい変化などが表現されるのは作品の質をぐんと上げている事に繋がるのです。名シーンも新旧比べると差がわかるかもしれません。
特にそれが顕著に出ているのが{netabare}ラストシーンのリルルとピッポが空を舞っているシーン。あれは旧作でははっきりとリルルが書かれているけど、新作では気のせいかもしれないという可能性が広がっていて好き。{/netabare} あれは良い。

原作は藤子・F・不二雄先生。
監督は寺本幸代さん。新魔界大冒険や新人魚大海戦の監督をされた方ですね
脚本は清水東さん。TVアニメ版の脚本も担当されたことがあるみたいです
キャラデザは金子志津枝さん。緑の巨人や新宇宙開拓史のキャラデザをされた方ですね
劇判は沢田完さん。TVアニメ版の劇判もされてた方ですね
アニメ制作はシンエイ動画さん。

作画は普通でした。いつからかは知りませんが、ドラえもんも随分活気のあるうごきになりましたね。
主題歌は藤原基央さん作詞曲、BUMP OF CHICKENさん編曲歌唱の「友達の唄」
個人的には挿入歌の「アムとイムのうた」が狂おしいほど好きです。
声優さんはとても素晴らしかったです。既存のキャラはもちろん新キャラも沢城みゆきさん小林由美子さん。うーん豪華。ものすごくキャラにあっていましたね

総合評価 大人も見るべき

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

2011年My Best Chinema

ドラえもんなんて小さな子供の見る幼稚なもの
そんな風に決めつけてはいないだろうか?
そもそも世間一般では未だアニメというジャンル自体
子供が見るためのものという固定観念がまかり通っている
あなたのお気に入りのアニメを視聴すらしていない連中に
頭ごなしに否定されても甘んじて受け入れるだけの覚悟がないならば
変な先入観で見てすらいない作品に
くだらないレッテルを張るべきではないと思うのだ

なんて偉そうなことを言ってみましたが
実は自らの意志で見に行ったわけではなく
半ば強制連行されたようなものだったので
あまり人のことをとやかく言える立場ではなかったりします
正直なところ仕方なく見に行っただけでした

3月中旬の土曜日の新宿バルト9
劇場内は中高生くらいの女の子二人組がいた以外は
ほとんど未就学児とその付添で構成されていて
正直映画をじっくりと楽しめる環境ではありませんでした

隣の席の二人組は小さな女の子と50がらみの中年男性
上映前から興奮した女の子は座席で足をばたばた
それとは対照的に中年男性のほうは
「おじいちゃん、ドラえもんじゃ眠くなっちゃうなぁ」
などと興を殺ぐような一言
しかし、映画の終盤ボロボロに泣きじゃくっていたのは
なんと少女ではなくおっさんのほうでした

さて、映画の内容に関しても補足しておきましょう
個人的にはどうもいわゆる新ドラキャストというやつが
未だにしっくりこないでいるのですが
違和感を感じたのは最初の数十分だけで
あとは映画に引き込まれるにつれて
そんな些末なことは全く気にならなくなっていました

旧版との最大の違いはピッポという新キャラですが
これがまたなんとも子供受けしそうなフォルム
はいはい、小動物キャラですか?あざといですねー
と思い入れのある作品に突如出現した無粋な闖入者に
斜に構えて不躾な視線を送っていたわけですが
終わってみればこの改変は大成功だったように思います
もはやピッポ無しではこの作品は成り立ちませんね

前作ではしずかちゃんとともに事実上の主役であったリルルも
設定に多少手を加えられており
メッセージ性の高いセリフが幾つか追加されています
メインターゲットである小さな子供たちには少々難しい内容で
そこからも大人が見ても楽しめる作りを意識していることが伺えました
旧作を見ており大まかな話の流れは知っていたにもかかわらず
いや、彼女の迎える結末を知っていたからこそ
リルルのセリフが胸に刺さるんでしょうね

とはいえクライマックスの演出は
看過できるレベルを超えていました
本家ドラえもんの時間移動に関する設定は
いい加減でもギャグ漫画らしくていいと思うのですが
割とシリアスな大長編で何の道具もなしに説明もなく
時空を超えて会話を始めるのはさすがにどうなんだろう

あとBumpのエンディングテーマがいまいちでした
昔はファンというか信者に近い状態だったのですが
最近の彼らは丸くなり過ぎて面白くないですね
むしろその尖ったセンスだけが売りだったのに

さて、映画だけで満足できない方は
映画の封切りに先駆けて刊行された小説版もお勧めです
『パラサイト・イヴ』で第2回日本ホラー小説大賞
『BRAIN VALLEY』で第19回日本SF大賞を受賞した瀬名秀明による
旧作ともリメイクとも一味違った塩梅のノベライズとなっています

どうでもいい話ですが
ここ数年話題になったアニメを年数本見る程度だったのが
今年だけで数十本観るなんてことになったのは
「まどか」とこの作品に立て続けに出会ったのがきっかけで
アニこれに登録したのも劇場から帰ってすぐのことでした
アニこれに参加したことでそれまで全く接点のなかった様々な人と知り合い
ここにいなければ知らずに過ごしていたであろう作品と出会いました
そんなわけでこの映画、私の人生を変えた作品といっても過言ではないでしょう

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

りんご さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

声優変更で避けていたけれど…観てみるもんだな。

声優入れ替えが本当に悲しくて悲しくて、
「新しいドラえもんなんて認めない」と思ってました。
のぶ代こそ私が育ったドラえもんであり、
変更当初はCMすら消音にするくらい、毛嫌いしていました。
自分に子供が出来てからも、新ドラえもんを観せる前に
旧ドラえもんを観せたいと思ってたくらい。

でも、時が経つにつれ、
CMを消音にすることもなくなり、
そこまで気にすることもなくなってきて、
世間にもだんだん浸透してきた今日この頃…。

それでも、番宣を見る限り、
ボケ・いじられキャラの立ち位置に成り下がってしまった
新しいドラえもんなんて許せなかった。
新テレビシリーズを観る歳でもなくなったので、
実際のところはどうなのかわかりませんが。

テレビで放映するとのことで、
他に観る番組もなかったので、
どんな感じなのかなと観てみることに。

正直、毛嫌いし過ぎていたと反省しました。
旧ドラえもんのまま終了して、
そのまま忘れ去られてしまうよりも、
新しい時代に合う作風にリメイクして
続いていくことの方が幸せなのかなと思えました。

鉄人兵団に関しては、旧作のレビューにもあるように、
ほぼ記憶に残っていない劇場版。
釣り堀からロボットのパーツが出てくるところ、
しずかちゃんがリルルに薬を塗ってあげるところ、
のび太母が竹箒で球体と乱闘するところ…
くらいしか覚えてませんでした。

劇場版の中でも子どもには難しい話で、
リルルが好きになれなくて、
印象に残らなかったんだと思います。
旧作もう一度観たいなと思って
レンタル屋行ったら貸出中でした。笑

過去にやった劇場版をリメイクした作品ですが、
子どもを取り込めるリメイクがされていて、感心しました。
過去作でのあの球体との絡みなんて、
一切覚えていないけれど、
今作のキャラ作り、素晴らしいと思います。
ひよこ超可愛かった。
のび太の足を泣きながら叩くところ。泣くわー。
あぁいうキャラ作りをすることで、
より別れが寂しくなる。
リルルは完全にピッポに持っていかれましたね。

今のアニメはすごい。
画質も綺麗だし、
動きもドラえもんがポヨポヨしてて可愛かった。
アクションもかっこいい。
昔ではとても出来なかった表現の数々は、
とても見ごたえがありました。
旧作を大切にしながら、リメイクしてくれたと
感じることができました。

これがきっかけで、
新しいドラえもんとも付き合っていけそうです。
今までごめんなさい。そしてありがとう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

62.2 2 リメイクで泣けるなアニメランキング2位
STAND BY ME ドラえもん(アニメ映画)

2014年8月8日
★★★★☆ 3.6 (129)
584人が棚に入れました
少し昔の東京郊外、10歳ほどのドジな少年のび太が暮らしていた。そこに22世紀からタイムマシンで4世代後の子孫セワシくんと、ポケットからひみつ道具を出して助けてくれる22世紀の世話係ネコ型ロボット・ドラえもんがやってくる。セワシくんは自分の世代までのび太がつくった借金に苦しんでいるといい、その悲惨な未来を変えるために、のび太を幸せにするためドラえもんをお世話係として連れてきたのだが、ドラえもんは乗り気じゃない。そこで、ドラえもんに成し遂げプログラムをセットして、強制的にのび太のお世話係をすることになる。のび太を幸せにしない限り、ドラえもんは22世紀に帰れなくなってしまう。こうして、のび太を幸せにするべく、ドラえもんとのび太の共同生活が始まる。果たして、のび太は幸せになり、ドラえもんは22世紀に戻れるのか。
ネタバレ

田中タイキック さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

別に死体探しの旅には行かない

2014年8月8日 公開 上映時間 95分
シリーズ初の3DCG作品 藤子・F・不二雄生誕80周年記念作品

アニメーション監督に白組の八木竜一さん
脚本に『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の0』の山崎貴さん
特に永遠の0とSTAND BY ME ドラえもんは2014年度邦画興行成績ランキングで1、2位独占と
まぁぶっちぎりで流行っていたんですがっ・・・
STAND BY MEなんてあからさまなタイトルと「ドラ泣き」なんていう如何にもなコピー
ドラえもんが目に涙を浮かべているキービジュアルっていう
もうコレでもか!って盛り込みまくって節操の無い感じが鼻に付いてリアルタイムでは観に行かず。
ただ『えとたま』で白組のCG描写がかなり気に入ったので観てみることに。

本作は観た人がどの程度ドラえもんに思い入れがあるか、
どのくらいの距離感で付き合ってきたかで評価が変わりそう。
私自身は子供の頃からクレヨンしんちゃんのついでの存在で
夏休みやお正月SP、長編映画がTVでやってたら見るくらい。
原作漫画も中途半端にしか読んでないし、声優変更の時もあ、ふーんって感じ。
そのくらいの距離感。でも、2112年 ドラえもん誕生とか怪盗ドラパンの映画は大好きで何度も見てました。
ドラえもんズとか未来の話のほうが好きかもしれません。


グダグダと雑感
{netabare}
本作は『さようなら ドラえもん』『のび太の結婚前夜』等、
6つ7つほどの有名なエピソードの点と点を繋げて1本のストーリーに構成しなおした感じ。
個人的には個々のエピソードはぼんやりとしか覚えてないし、全体的には無難にまとめ上げた印象だけど
細かなキャラ描写の不足のせいで物語にイマイチ乗れなかった…。
のび太とドラえもんの出会いと別れと再会。のび太とドラえもんの関係性。
悲惨な未来を回避するためにしずかちゃんとの結婚を目指す。のび太としずかちゃんの関係性。
この2つの関係性を同時並行で進めたせいでどっち付かず感が否めない。
のび太とドラえもんの関係を進めれば一方の関係は進まずといった感じで…


のび太とドラえもんに関しては、そもそもドラえもんがのび太の面倒を見るのに乗り気じゃないっていうのと
成し遂げプログラムって設定がどうしても「早く未来に帰りたいためにのび太に協力してる」感でちゃってる。
中盤、しずかちゃんに嫌われるために虫スカンって道具を出した際に
「しずかちゃんと結婚してもらわないと僕も困る」的な発言も少し違和感だし。
雪山遭難の時にのび太に手出し無用と言われた時も、あ~ハイハイなリアクションで
公園で居眠りしちゃうのもなんか希薄だなぁと思っちゃったし。
「さようならドラえもん」の話に入ってドラえもんが「本当に大丈夫?」
と心配した時に無言で部屋を出て行ってしまうのび太にも違和感が。
そこは強がりでも大丈夫って言っとけよ!それがのび太の根底にある優しさの描写に繋がるし
言葉と行動による結果が初めて結びついて、のび太自身の成長も描けるじゃん。
昔のアニメはちゃんと言ってた記憶があるし、前夜に一緒の布団で寝るけど寝付けなくて夜中までお喋りしちゃう描写なんかも好きだった。


のび太としずかちゃんに関しては単純に、しずかちゃんがのび太を好きになる説得力が薄い。
のび太の人間的な成長の部分と根底に流れてる優しさの描写が不足しているために
しずかちゃんはダメ男を支えてあげなくちゃと考えている庇護欲溢れる女性にしか映らなかったのは不満点。
雪山~結婚前夜のエピソードの繋がりに唐突感があったのも気になった点。
未来しずかちゃんはプロポーズの返事を未来のび太に直接言わないで場面変わってそれでいいのか?って思っちゃったし
未来のび太と未来しずかのやり取りが少なすぎると感じた。


あと細かいことだけどEDのディズニーやピクサーがやってるようなNG集の演出
くっそいらねぇ…余韻台無し。本作が冒険活劇で、明確な悪役がいて、そういうキャラがNGを出すなら面白いのかもしれないが
ラストでドラえもんと再会出来て、これからの関係性を想像させるような終わり方をしておいて
これ撮影でーっす。カメラ回ってまーっす。キャラは台本を読んでただけでーっす。な演出は、あまりにも野暮というものだろう。
祝 さつえい終り! じゃねーんだよ!!


不満点ばかり言ってきたけど最も期待していた映像面は見事な出来だった。
デフォルメの効いた表情豊かなキャラCGのコミカルな演技は楽しいし
実写ミニチュアを用いたらしい背景は不思議な温かみを感じる。
未来道具を使った映像表現も、タケコプターで実際飛んだら怖いよねぇとか、どこでもドアってめっちゃ分厚いやんとか
2Dアニメでは気付かなかった面白さを発見できるのも魅力的。
CGの強みを最大限活かした演出も目立ってたので劇場の3D上映で観たら映像から受けた感動はまた違っていたかもしれない。
またCGドラえもんの映画があるのならアクション満載の冒険スペクタクルを観てみたい。
あるいはドラえもんズの映画のリメイク希望。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

君のために出来ることが 僕にあるかな。

3DCGの作画に魅力を感じず、
観るのが遅くなりました。

泣ける作品、思ったよりもよかった作品として
ちらほらと噂は耳にしていたので、気にはなっていたのですけれどね。

ドラえもんが好きな人にとっては
よく知ったストーリーだと思いますので、

総集編感覚で楽しむことになるのかな。

ちなみに私はきちんとドラえもんを見てこなかった人間なので、
(調子に乗ったのび太が最後には痛い目を見る、
 という展開が小さいころから苦手だったので^^;)

「ドラえもんって…すごい作品!!」と魅力に気づきました(笑)


● ストーリー
ドジでのろまで、勉強も苦手で運動も苦手。
何をやってもダメな、のび太という少年。

彼の前にドラえもんというロボットが未来からやってくる。

のび太が幸せになるよう、
傍で支えてくれるドラえもんとの日々。


ドラえもんとの出会い、
のび太としずかちゃんの関係、
そしてドラえもんとの別れを描いた本作品。

ストーリーは間違いないですね。

目新しさはないけれど、
きれいにまとめられていました。

涙腺へのダメージは特大でした。

後半はもう涙が止まらなくて、
視聴中に何度一時停止したことかwww

いつも傍で見守ってくれる、
大切な人の姿がふっと思い浮かびました。


≪ 子どもたちって、ドラえもん大好き ≫

ドラえもんって小さい子が好きかと思いきや、
大人でも好きな人が多い。

「アンパンマンとかだっせーよ!」と背伸びするガキんちょも、
ドラえもんは好きだと素直に言う。

その理由が、
この作品を観ていてなんとなくわかったかも。


のび太は、
ドジでのろまで勉強が嫌いで気が弱くて運動もまるでダメで臆病で…

悪口を挙げたらキリがない、何をやってもダメな男の子。
(ちなみにこの悪口、全部ドラえもんが言ったものです。笑)

だけど、
心の優しさと、たまに発揮する瞬発力には、
目を見張るものがあります。

のび太みたいな極端な子は少ないと思いますが、
どの子も自分の嫌なところを持っていて。

それと同時に自分を好きになりたいと思っていて、
人に受け入れられたいと思っている。

のび太と同じように、どんな子どもでも、
その子だけの魅力を絶対に持っている。

のび太のことを傍で見守るドラえもん。
時にはのび太の成長を大きく喜ぶ。

なぜ子どもたちがいつまでもドラえもんを好きなのかって、

悪いところもひっくるめて
ありのままの全部を受け入れてもらえるような、

そんな安心感を無意識のうちに持てるんじゃないかな。
「ダメなところがある?それでもいいんだよ。」って。


アンパンマンが正義や道徳心を語る存在なのだとしたら、
(だから成長すると「だせーw」と突っぱねる。笑)

ドラえもんはただ傍にいて、包み込んでくれる。
(優しい存在を突っぱねる理由はありませんからね。)

ここに、ドラえもんが
世代を問わず愛され続ける秘密があるように思います。

…まあ、ただ単にひみつ道具や、
あの丸っこいフォルムが魅力的なだけかもしれませんけどねw


● 作画
3DCGには違和感感じるだろうなーと覚悟していましたが、
身構えていたほどには苦痛に思いませんでした。

まるで遊園地のアトラクションを体験しているかのよう。笑
のび太目線のタケコプターフライトはものすごく楽しかった♪

3DCGになると
動きが細かくて、表情も豊か!

ドラえもんの表情がいいの…!
可愛い!泣ける!

気持ちがストレートにわかりやすく伝わるところはよかったです。


● まとめ
ドラえもんとのび太の絆を感じられる良作でした。

主人公はドラえもんだけど、
のび太もすごく魅力的なキャラクターだよなあ。

まだまだ子どもで、駄々だってこねるけれど、
なんだかんだで現実を受け止めて、

真に相手を思いやる行動のとれる少年。

のび太というキャラがいることもまた、
「ドラえもん」という作品を魅力的なものに仕上げていますね。


『STAND BY ME ドラえもん』

ドラえもんが傍にいる。
作品の中身が素直に表れた良いタイトルだと思いました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

【泣かせるドラえもん】の完成形 いま改めてドラヲタは試されている どう受け止めるかはアナタ次第

実に33年ぶりの『夏ドラ』です
そして初の全編フルCG
さらには3D上映にも対応ということで一つの記念碑的になった作品だと思います


スタッフはまんま『friends もののけ島のナキ』の面々が再集結
初の3DCG、しかもこれまでドラえもんには携わったことのないスタッフと侮るなかれ
顎が落ちるように大開になる口や踊るような瞳の動きなどのコミカルな表情作り
吹き飛ぶように後退りしたり壁や天井に足を張り付かせて駆けずり回るオーバーなリアクション
まさに漫画、アニメシリーズに慣れ親しんだ人(もちろん子供がメイン)へ向けてのキャラ描写
よく研究されてます
完璧の一言ですねb


3DCGならではの見どころとして、一人称視点で街をアクロバティックに飛行するタケコプターのシーン、ムシスカンを丸呑みしてしまったのび太から漂うふゆかい放射能など、文字通り画面から飛び出す面白さが堪能出来ます


お話は『原作1話』、『雪山のロマンス』、『のび太の結婚前夜』、『さようならドラえもん』を軸に再構成したものです
まっさらな気持ちで見れるお子様や【泣きドラ】に触れたことのない方には率直に楽しめ、そして泣かせてくれる良い1作になったと思います
しかしまあドラヲタにとっては正直「またそれか」と呆れてしまうところです


これまでのテレビシリーズや『感動中編シリーズ』と呼ばれる2000年前後に公開された映画との接点は無く、意表を突くのがセワシが嫌がるドラえもんを強制的にのび太のところに仕向ける、という新設定です
これはドラヲタにとって賛否の分かれそうな部分ですね


映画全体としては序盤のコミカルな流れから中盤以降の感動シークエンスへと徐々にシフトしていき、終盤では佐藤直紀の劇伴に合わせて名シーン、名台詞のオンパレードとなりオイラも思わず【ドラ泣き】ですよ;;


素晴らしく完成度の高い作品になったと思います
近年の『春ドラ』は完全にドラヲタ向けのマニアックなネタの挟みとスペクタクル要素が中心ですが、今作は純粋に原作漫画に潜在していたドラマ要素を突き詰めていった結果でしょう
改めて藤子・F・不二雄先生の偉大さを感じると共に、ドラえもんを知り過ぎないスタッフだからこそこーゆー作品が生まれたのだと思います


これまでも作品毎に様々な要素や表情を許容してきた『ドラえもん』というシリーズはまさに“大きな器”なんですよね
今作をどう受け止めるか?で、今度はオイラ達ドラヲタが試されているのではないでしょうか


あからさまな【泣かせ】の雰囲気が嫌いだというドラヲタはあえて「見ない」という選択肢も大いにアリでしょう
実際そういう作品です
ですが間違っても3Dだから、とか
水田わさびだから、だとか
TOYOTAだから、とかいう下らん理由では倦厭して頂きたくないですね
【泣きドラ】というジャンル分けが存在するならば、今作はその完成形でしょう

投稿 : 2024/11/02
♥ : 33
ページの先頭へ