リベンジで続編なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのリベンジで続編な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年06月30日の時点で一番のリベンジで続編なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.9 1 リベンジで続編なアニメランキング1位
ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース エジプト編(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★★ 4.1 (765)
4408人が棚に入れました
ジョースター家の宿敵・DIO復活の影響で、「幽波紋(スタンド)」と呼ばれる能力を身につけた青年・空条承太郎。DIOの呪縛によって倒れた母・ホリィを救うため、祖父・ジョセフや仲間と共に打倒DIOの旅に出る。長き旅路の中で、次々現れる刺客を退けながら、ついにDIOのいるエジプト上陸を果たした承太郎たち。だが、そんな彼らの行く手を阻むかのように、奇怪にして恐ろしき新たなる敵の影が迫っていた――。

声優・キャラクター
小野大輔、石塚運昇、三宅健太、平川大輔、小松史法、福圓美里、子安武人、大川透

米麹米子 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

鳥肌♡

23話事、47話のOP見ました?
絶対にとばしちゃいけないよ。
鳥肌ものだったので書く事に決めました。
かっこいいよ、すごく
もう何度みた事か…
繫ぎとか入り方とかカメラワーク?とか
もう、もうねw

見逃した方は

JoJo's Bizarre Adventure Episode 47 【Special OP】で
検索してみて下さい。

JOJOの素晴らしさとかテーマとかを綴ってみる。

人間讃歌がテーマのJOJOですが
絵柄で見ないなんて損してると思うのです。
1期からOPとEDや作画、声優、音楽などなど
拘りや尋常ならざるスタッフの意気込みや
熱の入れ方が他のアニメと全く異なる。

見所は全部。
名言がぎゅっと詰まってるこのアニメ。
EDは多分、荒木先生の趣味だろうし
作画の色指定迄してるんじゃないかな?と思うぐらいの色使い。

喩えがおかしい事や真面目に描いてあるだろうけど笑っちゃう場面や
名言、場面、擬音、JOJO立ち沢山ありすぎてもう…♡
動物に厳しいとこや女にも容赦ない(何故か凄く柄悪いw)
荒木先生の当時のセンスで描いてるので
これは今時の人にわかるのだろうか…という昔風なところや
ちっちゃい”あ”に拘ってるところや
1部に関しては、それ台詞だったの!?とアニメ化になって
驚いた事も多々あり原作に忠実。
忠実すぎて余韻を残させてくれないところは
┐(´д`)┌ヤレヤレだぜって感じだけど
アニメ陣営の本気度がこれでもかと伝わって来る。
色んな思いがありすぎて書ききれないけれど
3部のヒロインはエンヤ婆だと私は断言する。

凄く愛されてるって思うアニメはJOJOが一番じゃないかな?
アニメで見れて良かったなって思うのも個人的には
JOJOが一番。
OPも最初は?って感じで見てても
いつのまにかしっくり馴染んで
歌ってしまうぐらいの溢れてこぼれ落ちる程の愛
キャラの面々も癖はあるけど愛着が出て来る。
系譜が好きな方には是非共オススメしたいアニメ。

一言で表現すれば「愛」
もう終わりが…ってなってくると胸が熱くなる。
多分、見終わって追記書くと思うけれど
終わって欲しくないのと、4部からまたないかなとか
JOJOファンにとっては良いアニメ化だったと思う。

書かないと決めていたJOJOレビュー
勢いで書いた後悔は(ちょっとだけしてる)

という訳?でall 5 です。
スペダン2期からの2作目の5です。
女でも面白いと思うけれど、ジャンプなのにオタ向き作品かもしれない。
アニオリ部分は評価が別れるけど
私個人で言えばアリでした。
(アリアリアリ、アリーヴェデルチ!なんて絶対に言わないんだからねっ!!)

では…

ノミっているよなあ・・・ちっぽけな虫ケラのノミじゃよ!
あの虫は我我巨大で頭のいい人間にところかまわず攻撃を仕掛けて 戦いを挑んでくるなあ!
巨大な敵に立ち向かうノミ・・・これは『勇気』と呼べるだろうかねェ
ノミどものは「勇気」とは呼べんなあ

それではジョジョ!「勇気」とはいったい何か!?

「勇気」とは「怖さ」を知ることッ!「恐怖」を我が物とすることじゃあッ!
人間讃歌は「勇気」の讃歌ッ!!
人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!!
いくら強くてもこいつら屍生人は「勇気」を知らん!
ノミと同類よォーッ!!
人間讃歌は「勇気の讃歌」ッ!!人間のすばらしさは勇気のすばらしさ!! 




アリアリアリ、アリーヴェデルチ!

追記
48話でラストでしたがOPにSE入ってかっこよさが増したw
4部5部も好きで面白いけど個人的には6部を見たい。
アニメ化しないかな。
凄く良かった。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 49
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!無駄!じゃなかったジョジョの旅

原作既読 全24話(1期を含めて全48話)

ディオを追い求め日本から色々なディオの刺客を倒し、いよいよディオのいるエジプトへそして旅の終わりまでを描いた作品です。

この2期は、これまで以上に強いスタンドが現れます。

幾度となくピンチを迎えるジョジョたち一向ですが、ここまで追いつめられると悲壮感漂ってきて観ている方も辛くなる展開が多いですが、この作品特有のキャラクター(敵も味方も)とセリフやお話の流れが緩和していますね。

時折、おバカな刺客{netabare}(オインゴ・ポインゴ兄弟などもちろん真面目に刺客をしているのですがw){/netabare}を入れているのもこの殺伐とした闘いを何処かコミカルな感じを表現しているのかもしれません。

さすがに終盤は、シリアスな局面が多くグッと力を入れて観るシーンが多かったですね。
{netabare}アヴドゥル、イギー、花京院と次々と仲間が闘って死んでいきますが、特にイギーが亡くなるシーンは何度観てもウルウルしてしまいました。イギーかっこよかったですね。{/netabare}

作画も1期同様、原作に近い形で描かれています。擬音の表現も1期と同じですね。

全48話と話数は多いですが、色々なタイプのスタンドやスタンド使いが出てきて、それにどうしたら打ち勝つのかというぎりぎりの闘いが毎回あって、ときには笑い、ときには怒り、ときには泣き、毎回飽きさせずあっという間に終わった感じです。

原作既読で結末も知っていましたが、それでも最終話を視聴後には少しの間余韻に浸ってました。ジョジョの世界を存分に堪能しましたね。

ジョジョたちの長いようで短い旅、一緒に旅しているようで作品でした。バトルが苦手でなければ是非観てくださいね。

OP 今まで1期から歌っていた3人が一緒に歌ってました。後半になると効果音が響いてきてカットも若干変わっていて凝っていましたね。ちょっと「オラオラオラ」の掛け声が弱かったような方もいらっしゃいましたがw
ED メインの曲はムード漂う曲です。歌詞はありませんが、作画と雰囲気がマッチしてました。また、個人的にはオインゴ・ポインゴ兄弟の歌も好きでしたw(+ホルホースも)

最後に、一つ残念なのは4期の告知がなかったことですね。4期も面白いので充電してまた是非制作してほしいです^^

投稿 : 2024/06/29
♥ : 38
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

高らかな人間賛歌で綴じる長い旅の終わり

勇気と知略、ドラマとホラー、ファンタジーとリアル、痛快な台詞回しと独特な擬音が織り成すジョジョの世界は言葉で語るには深過ぎる。

初期作品「魔少年ビーティー」から脈々と受け継がれた、因果関係の明確なトリック、ポーカーフェイスからさりげなく飛び出すハッタリ、このジョジョ第三部でもやはり、荒木先生お得意の思考のゲームをたっぷりと楽しめるのです。

粒よりのエピソードの詰まった第三部ですが、私のお気に入りの回についてのレビューと総評だけにて失礼をば。

34話と35話「ダービー・ザ・ギャンブラー」の構成は特によく出来ていると思います。
{netabare}
このお話、ギャンブル3番勝負といった内容なんですが実に無駄が有りません。

最初のギャンブル、ダービーの口車に乗せられてポルナレフが挑むのは"ねこは地面に放られた2枚の魚の燻製の内どちらを先に食べるか?"というもの。私的にはこのお題だけでも面白い。ねこも燻製も大好きなので(笑)‥と言うのは半分冗談として、ここでは"バレなきゃイカサマじゃない"ルールが提示され、第三者による協力の可能性も暗示させます。同時にギャンブルで勝負しなければならない状況をも作り出し、後の展開へと繋げるという軽妙さ。漫画で言うとほんの数ページのお話なんですが、情報が凝縮されています。

次の勝負"グラスとコイン"では先の条件を踏まえた上で百戦錬磨のジョセフがダービーに挑みます。ここで初めてダービーは本領を発揮、イカサマ師として、ギャンブラーとして、実力を明確に見せてきます。ジョセフの言葉に苛立ちを見せるダービーの描写がそれとなく後の展開への布石となっている点も巧みです。

そして最後、満を持して真打登場、とうとう承太郎が勝負の舞台に上がります。ジョセフと比べればギャンブラーとしての経験や技巧に劣る承太郎ですが、ここで彼の用いた武器が言葉とハッタリ。先の勝負でジョセフの用いた戦術、言葉による揺さぶりと、スタープラチナによる目眩ましが、両者の実力差を見事に埋めていくのです。

自然に張り巡らされた数々の伏線が最終的には整然と収束するところにジョジョの物語としての完成度の高さ、荒木先生の完璧主義振りが伺えます。

余談、ダービーが指先で本のページ数とか、トランプのおもて面を読み取る能力について、子供の頃のわたしにとってコレが最大の疑問でしたが、よくよく考えてみれば、もしかしたら印刷箇所のインクの盛り上がりや手触りの違いとかでページ数や絵柄を特定してたのかも‥とか想像出来たり‥。まぁそれはそれで超能力染みていますけど。

ですがダービーのその能力を、スタープラチナの目の良さ&素早さと共にゲームルールの中に組み込んでいるので、現実離れした特殊な条件下であってもフェアなゲームが成り立つんですよね。ファンタジーでもSFでも成立するミステリーと言うものが古くからありますが、ジョジョは正にそれに該当すると言えます。

大川透さんのナレーションによる細かな解説(原作にもある)も公正さに一味加えています。もしゲーム終了後に"こんな超能力があったんだよ"とか種明かしされるお話だったら、拍子抜けして唖然としちゃうだけでつまらないですよね。

これで煙草描写の規制さえなければ、もっと素直に楽しめたんですが‥アニメ版はその点だけが残念でした(汗)
{/netabare}
次いで40話と41話の「ダービー・ザ・ゲーマー」。
{netabare}
ダービー弟(テレンス・T・ダービー略してTD)とのTVゲーム勝負も抜群の面白さ。

「エジプト編」初回エピソードでリタイヤしたまま、長らくのあいだ戦線離脱していた花京院が先鋒としてTDに戦いを挑みます。一度は強大な敵DIOの威力の前に圧倒され、恐怖に屈してしまった彼がTDとの勝負に選んだゲームがF-MEGAというレースゲーム。ここが最初の注目どころです。

レースゲームではフレーム刻みのタイミングの遅れやキー捌きの微妙なズレがそのまま数字としてレコードに反映されますので、些細なプレイングミスで全てがおじゃん、心の揺らぎが極めて顕著に表れる、精神的タフさが要求されるゲームと言えるのです。それゆえにこのシーン、"過去を乗り越える"と言わんばかりの決意が覗く花京院の選択にゲーマーの端くれであるブリキ男としてはシビレてしまうのです。

全編に渡って花京院の度胸と集中力の高さをこれでもかと言うほど見せ付けられるお話ですが、最終的にはTDの策略とウラ技染みたテクの前に敗北してしまうという点が個人的には残念。もっともここで花京院を勝たせてしまうとTDのスタンドの謎が解けずじまいという事になるので致し方ないんですが‥。

おこがましい事を言ってしまえば、私的には承太郎を先に勝負させ敗北させ、後に花京院を勝利させる構成もアリだった気はします。TDのスタンドのインチキ能力の入り込む隙を与えないレースゲームを選ぶという必然性も加わりますし、承太郎という切り札を失う事で緊迫感がより高まると思いますし、‥蛇足な妄想ですね(笑)

あれこれ不満めいた事を書いてしまいましたが、決着に至るまでの心理描写、ゲーム展開などがとても丁寧に描写されている3部でも屈指の良回になっていると思います。

続く承太郎とTDの対決ではTDのスタンドの謎の核心にじわりじわりと近付いていく展開が面白い。

歴然とした実力差のある二人の隔たりを埋めるのが、TDの軽んじている兄ダニエルの最も得意とする奇策(イカサマ)であったりする点も皮肉めいていて味があります。TDもスタンドでイカサマ染みた事やってますが、筋金入りじゃないからギャンブラーとしての目がからっきしという点にも合点がゆくのです。
{/netabare}
放送中は歯抜けで見ていたので改めて通して観ると、やはりジョジョ、面白かったです。

第三部は陣営も目的も年齢もバラバラだったキャラたちが、長い旅を通して、泣き、笑い、怒り、喜び合いながら、除々に友情を深め、いつしか一蓮托生の固い絆で結ばれていく過程が丁寧かつ自然に描かれている所に唯一無二の心地良さがあります。消えてゆく命の尊さと儚さが痛烈に心を刺すラストへ向けての展開は、人の死が意味するものを若干分かる様になった大人の目を通して見ると、より心に響くものがありました。

ジョジョの中でも荒木先生の言う人間賛歌というテーマが特別に強く脈打っているシリーズと言えるのでは無いでしょうか?

追加シーン等を添えながらも、原作の持つエッセンスを余す事無く凝縮させた、作画、構成、演出、全てにおいて(規制箇所だけは残念でしたが)素晴らしかったです。製作者の方々のJOJO愛と不断の努力が伺えるアニメでした。


※:喫煙などの規制シーンはDVD版では解除されているそうです。3周目する機会があれば是非そちらでしてみたい(笑)

投稿 : 2024/06/29
♥ : 32

63.1 2 リベンジで続編なアニメランキング2位
Wake Up, Girls! Beyond the Bottom(アニメ映画)

2015年12月11日
★★★★☆ 3.8 (73)
280人が棚に入れました
東北代表として出場した「アイドルの祭典」での活躍が認められ、アイドル文化の中心地・東京に進出した「Wake Up, Girls!」。メジャーレコード会社bvexとの契約も決まり、活動は順風満帆に思えた。だがブレイクの立役者だったプロデューサー・早坂相が手を引き、7人が動きの早い東京の芸能界の中で「WUGらしさは何か」を見失った結果、苦い挫折を経験する。レコード会社や関係者たちが手のひらを返す中、それでもあきらめずに前に進もうとする「Wake Up, Girls!」の姿を見た早坂は、彼女たちが再び挑戦するための武器として、新曲「少女交響曲」を与えるのだった。「Wake Up, Girls!」は、心機一転して地元仙台から活動を再開。日常ライブの復活や全国行脚を通しての地道な努力は、少しずつだが、着実に全国のファンへと届き始める。一方、アイドル界の頂点である「I-1club」では、最新シングルの売上ミリオン割れを契機としたセンター争いが勃発。「I-1club」プロデューサー・白木の非情な采配は、意外な形で「Wake Up, Girls!」とアイドルたちを大きなうねりへと巻き込んでいく。敗れて尚あきらめられないもの。アイドルとは何か。その答を求めて、物語は再び「アイドルの祭典」へと収束する。

声優・キャラクター
吉岡茉祐、永野愛理、田中美海、青山吉能、山下七海、奥野香耶、高木美佑

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

Wake Up, Girls! forever. 

WUG続劇場版後編、Beyond the Bottom(どん底を乗り越えて)
副題ほどたいそうな内容ではありません。
でも、私、このアニメのナチュラルな雰囲気が好きなんです。
だから評価は甘々です。

アイドルの祭典に向かって、一転反攻のWUG。
仙台を拠点に全国行脚。
ナナミン事件はあるけれど、そこは明るいWUGメンバー。
勢いで突っ走っちゃいます。
果たして、アイドルの祭典の結末は・・・。

最後にWUGメンバーの二言紹介です。

<島田真夢>
元トップアイドルの洗練されたふるまい、しっかりした考え。
実質上のリーダーです。

<七瀬佳乃>
WUGのリーダーで責任感の強い頑張り屋。
長い黒髪をバッサリだけあっておもいきった性格です。

<片山実波>
大飯食らいののんびりや、その言動でいつも笑いの中心。
もっと「うんめいにゃー」が聞きたいです。

<久海菜々美>
光塚歌劇団志望でマルチな才能。
目立たないけど、最後にひと騒動ありました。

<岡本未夕>
甘ったるいしゃべり方とツインテールがジャストフイット。
現実離れしたフワフワ感は、愛らしいです。

<林田藍里>
和菓子屋の娘のためか、少々腰回りが重厚。
どんくさくて気が弱い、でも他人を思う優しい気持ちを持っています。

<菊間夏夜>
WUG最年長の貫禄で、ツッコミ役に徹する良識派。
皆をやさしく包み込む安らぎの存在です。

投稿 : 2024/06/29
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

神の曲「Beyond the Bottom」についてとことん語り尽す

アニメソングではなくアイドルソングを。
作品の強固な方針の下、作られた『WUG』の楽曲たち。
アイドルらしい恋愛、可愛らしさ、妖艶さ。
それを表層に装いつつ、時に物語の中にいる登場人物やアイドル自身に向けて、
時に日本人全体に、そして時に東北の被災地に向けてメッセージを発信。
色々な立場の人間が聴いた時によって、
様々な感想を抱くことができる多面性を持ち合わせています。

本作のED主題歌「Beyond the Bottom」はその多面性において、極め付けとなった曲。
ストーリーは割と王道で、最後すっきりするお話のはずだったのですが、
私は楽曲の持つ膨大な情報量に圧倒され、
エンドロールの間、ずっと固まっていました(苦笑)

以下、楽曲考察……超絶ネタバレ&長文注意w

{netabare}
○タイトル、表層{netabare}

曲名だけ意識して聴くと、どん底から這い上がっていく、
WUGの心情表現と決意表明と取れます。
さらには80年~90年代ポップスを思わせるメロディーラインから、
もう一度、芸能活動を始めると決めた作曲者で、
丹下社長がアイドルだった頃からの“戦友”が、
自分とWUGの少女たちを重ね合わせる視線も感じます。{/netabare}

○寄る辺なき自由に毒されたラスコーリニコフ青年や現代人に向けて{netabare}

サビで飛び出す“混沌(カオス)となったこの自由から逃げ出そう”
という一見、矛盾した表現。

解読の鍵は二題で“刃(やいば)を立て薄ら笑う”ラスコーリニコフ青年にあるようです。

ラスコーリニコフはロシアの文豪・ドストエフスキー作『罪と罰』の主人公青年。

近代人が獲得し、そして呪縛された際限なき思想と選択の自由。
自由を謳歌し、後退する宗教の導き無しで、
正しい道を選び続けることができる人間はごく僅か。

それどころか、人間性や倫理感の破壊を止める信仰も失われた、
近代社会の片隅にて、この青年の思想と選択の連続は、
連鎖的な被害妄想へと変質している。

明日すぐに食いはぐれるわけでもないのに、まもなく起こると決めつけている自身の転落、
さらには家族の数年後の破滅まで、悲観を雪だるま式に膨らませ、格差社会を呪詛。
ついには「一つの微細な罪悪は百の善行に償われる」
という超理論と、その実践たる殺人に墜ちていく……という滑り出し。

19世紀後半の小説主人公ながら、20世紀後半の映画『タクシードライバー』のデニーロ等から、
時にいわゆる“わけの分からない犯罪”をも引き起こす、
自由という混沌の中で、病んだ現代人に連なる負の系譜。

彼らを果てしなき思想と選択の自由の泥沼から救済するには……。
例えばその健気さでラスコーリニコフに人間性を取り戻させたソーニャのような……。
自由という混沌に創造主の如く、もう一度秩序と人間性を回復させる
一筋の光となる女神が必要なのだ。

そのような境地に至った時、荒んだ現代人には、
『聖闘士星矢』のアテナの如き衣装に身を包んだWUGの少女たちは、
その身の犠牲も厭わない、利他の精神に満ちた、
救済と導きの女神に見えるに違いないのです。{/netabare}

○混沌としたアイドル戦国時代終焉のため降臨したWUGという女神{netabare}

世代交代を演出されながら、果てしなく続くアイドル戦国時代。
アイドルは競争であり、戦いと言いますが、果たしてそうなのでしょうか?
芸事には確かに競い合いも付き物です。
ただ“群ドル”の内部競争を頂点とした昨今のアイドルブームは、
プロデューサーの仕掛けにより、人為的に演出された、
過剰で無益な戦いと私の目には映ります。

時に、地方都市を再起を期す“左遷先”と舞台設定されながら(失礼な話だw)
プロデューサーの手の中で競い合わされる少女たち。
一方向へ回遊する魚の如く、集団管理される彼女たちのサバイバルの中から
一人二人と沈んでいく者が続出し、友情は剥がれ落ち、
情熱、パトスは失われ、“誰も彼もが 心と歌を忘れる”

こんな状況をアイドルファンは本当に楽しんでいるのでしょうか?
アイドルファンが本当に見たいのはいかつい侍ではなく、
笑顔のアイドルなのではないでしょうか?

実際、最後ファンが支持したのは、
演出された内部抗争を切り売りする、会いに行ける“群ドル”ではなく、
全国津々浦々、会いに来てくれる「Wake Up, Girls!」でした。

そうした面から見ると、本作の後のWUGの明日も、
どっちなのか朧気ながら見えてきます。

WUGのコンテンツの今後については、昨年末のイベントにて
白木により{netabare}「私達I-1clubはWake Up, Girls!を吸収合併します」{/netabare}
と方向性が宣言されています。

焚き付けたアイドル戦国時代の成果を一手に握り、
さらに戦乱をアイドルブームの火を絶やさぬための
必要悪として続けようとする白木に対して、
WUGは自分たちらしく最後の命を燃やし、終止符を打ち伝説となることで、
身を挺してアイドルたちの笑顔を守る……。

こんな展開を私は勝手に予想していますw
この歌詞はかつてのアイドルから旧友白木への忠言とも取れます。
いずれにせよ、続編での早期の解答を私は熱望します♪{/netabare}


○WUGの、そして菜々美の心境{netabare}

落ち込んだり、色々迷ったし、間違ったこともあったけど、
これからWUGらしさを見つけよう。頑張ろう。
そう決意したメンバーにとっては、
この楽曲は混沌から道を選んだ自分たちの背中も押してくれる、
一筋の光明となったはずです。

ところが、歌詞を見た時点でまだ進路を決めかねている
奈々美にとっては相当な重荷になったと思われます。

自らの決断の連続で未来を自由に選び取って行かねばならない。
それに伴う痛みも自分で受け止めて行かねばならない。
まさに未来の永遠さに直面し、苦しむ奈々美には、
この曲は悩みが深まる毒だったと思います。

それでも彼女は決断し、ステージでこの曲を歌うことを選択しました。
彼女が皆と一緒にステージに立つシーンは、
短かったこの曲のライブシーンの中でもクライマックスだったと、
私は思っています。{/netabare}


○そして、東北の被災地に向けて{netabare}

震災から4年が過ぎ、原子力ダイナモ(発電機)にも再び灯がともり、
震災の記憶は着実に薄れつつあるようです。

けれどようやく復旧が一段落ついたに過ぎない被災地は、復興も道半ば。
未だに多くの被災者が仮設住宅での避難生活を余儀なくされています。
除染だって目処が立っていません。

そういえば放射性物質による健康被害が、
本格的に顕在化するのは4年後だと言われていました。
海洋に遺棄された高濃度汚染水の魚介類による生物濃縮もそろそろ明らかになる頃……。

もっとも、甲状腺がん患者が出たり、魚介類の汚染データが出たところで、
原発との因果関係は一切あってはならない、という大博打を、
政府も東電も打っている以上、その辺りはニュースにはなかなか……。
と……これ以上、続けたら尊氏も不謹慎、風評被害の罪で抹殺されかねないので、
この辺りにしておきますが……。

いずれにせよ、東北の人々の多くは依然、夜明け前の暗闇の只中にいるのです。
先日も、宮城県の魅力をPRするためのWUGの短編アニメ制作が発表されました。
仙台はまだまだWUGを宮城に元気を与えてくれるご当地アイドルとして、
一筋の光明をもたらす女神として、必要としている、ということなのでしょう。{/netabare}
{/netabare}
○結論

「Beyond the Bottom」は混沌の中にいる多くの人々の心に光をもたらす女神の歌。
平たく言えば“神曲”ということなのであります。


追記:劇場版WUGにおけるエンディングの表現について{netabare}

短いライブシーンから画面暗転w歌が続く中そのままエンドロールw
これに対するアイドルアニメ何だからライブシーンもっと見せてよ!との要望。
私も気持ちはもの凄く分かります(苦笑)

二次元のWUGが歌って踊るシーンを満喫したい!
例えば劇場版一作目の主題歌「タチアガレ!」でそれを求めた場合……。
セガのPSvita用ゲーム『ミラクルガールズフェスティバル』(みがる)の
FULLライブPVを見るのが最善手というのは、いささか寂しい気分ですw

ただ、劇場版WUGのED主題歌はどれも情報量が凄まじい。
過去作の「タチアガレ!」にせよ「少女交響曲」にせよ、
歌詞世界に30分アニメ一話分くらいのボリュームがあります。
本作の「Beyond the Bottom」に至っては、上記で長々と書き連ねた通り(苦笑)
映画一本分くらいの内容が詰め込まれています。

私の場合、そこで作中にてライブシーンをフルで作画されたところで、
お祭りを楽しみつつ、物語と共に歌詞世界を受け止め切る自信がありません(苦笑)

実際、劇場版WUGのエンドロールにてED主題歌を聴いている時間は、
天井を見上げて物語の余韻に浸り思索に耽っているか、
目の汗で画面が霞んでいるか、頭がパンクして思考停止しているか……。
いずれにせよ、アイドルアニメなのに文字しか流れてないじゃないか!と悪態をつこうにも、
私には、どーせ画面なんてまともに見えていないわけですw
そんな落武者に対して、最後のクライマックスに長く美しいアニメMVなど、まさに猫に小判w
だから、個人的には見逃しても痛くない暗転エンドロールでもいいかなと(苦笑)

けれど、やはりアイドルアニメと言えばライブシーンという方もいるわけですし、
萌え目当てやお祭り気分から軽く入って見たら、思いがけず深い物語に惹かれた。
というパターンもあり得るわけです。

「アイドルは物語である」と論理先行で無駄を削ぎ落すのも良いのですが、
他方、監督さんは「WUGで東北にビジネスチャンスを」との意気込みも語ってもいるわけです。
ならば、キャラクタービジネスの観点からも、お祭りとしての長尺ライブシーンの提供など、
もう少し柔軟な対応があってもいいかな?とも思います。
けど、スタッフさんたちの方針から考えると、多分、実現しないでしょうね……(苦笑)

……というわけで、セガのスタッフのみなさん。
『みがる』での「Beyond the Bottom」の楽曲ダウンロードコンテンツの製作、配信、
及びFULLライブシーンの再現。
どうかよろしくお願い致しまする~~w{/netabare}

投稿 : 2024/06/29
♥ : 23

YDK さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

アイドルアニメの頂点へ。

続・劇場版後編のために、今までの物語があるといっても過言じゃありません。
今からでも遅くはありません。TV版を全話観てからどうぞ。

新曲(Beyond the Bottom)がとんでもなく良かったです。
聴いている最中ずっと泣いていました。
アイマス、デレマス、ラブライブの曲も聴いていますが、今回続・劇場版後編の新曲はその中でNo.1だと思いました。

WUGはいまいち盛り上がらず、なんでかなあという感じですが、
アニマス、アニデレ、ラブライブと比べてもまったく遜色ない面白さと、楽曲も全く劣らず素晴らしいので、これを機に巻き返してくれると嬉しいのですが…。


参考:Beyond the Bottom MV
https://www.youtube.com/watch?v=yZCTFNsrpQ8

投稿 : 2024/06/29
♥ : 15
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