リアクションでエンタメなTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のリアクションでエンタメな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年04月26日の時点で一番のリアクションでエンタメなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.4 1 リアクションでエンタメなアニメランキング1位
悪役令嬢転生おじさん(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (169)
464人が棚に入れました
52歳の真面目な公務員、屯田林憲三郎は交通事故で死んだ。 ……はずだったが 目を覚ますとなんと彼は娘がハマっている乙女ゲーム「マジカル学園ラブ&ビースト」の世界に転生していた!! 転生した人物はゲームの主人公、アンナ・ドールの恋路を邪魔する悪役令嬢、グレイス・オーヴェルヌ。 そこで本来のグレイス同様、悪役令嬢として立ち振る舞おうとするグレイス=憲三郎。 だが、自身の経験値からアンナを包み込むような親目線発言と庶民的な言動を優雅なものに自動変換する能力【優雅変換(エレガントチート)】が相まって自身の評価が爆上がり! さらに意図せずゲーム攻略対象のイケメンたちとフラグが立ちまくりで!? 異世界で生き抜くための武器は剣!?魔法!? いいえ、社会で培ったおじさんスキルです!! おじさん×異世界転生×悪役令嬢でお届けするほのぼのコメディ、堂々開幕(スタート)!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

キャラの魅力と視点の独自性で今季No1を実現。非常に面白いが…

 この作品の面白さは、なんなのか。言語化が少々難しいですがちょっと「はめふら」との類似性を感じます。キャラの魅力が最大のポイントなのは間違いないと思います。「はめふら」のカタリナの脳内会議に対応しているのが、憲三郎になっているといえるでしょう。そこが現世の家族やオリジナルのグレイスの存在も相まって、さらに強化されています。

「無職転生」の元の人が出てくるのがちょっと邪魔に感じたのに対し、本作においては、中年の親父の面白さに転換できたのが素晴らしい工夫です。性別がクロスしているのもありますが、やはり父親目線ですよね。これが奏功しています。 ゲーム攻略で死なずに何とかするという悪役令嬢ものの攻略に父親目線を絡めることで、作品のエンタメ度を上げたとも言えます。

 また、作品に謎がありそこに向かっている感じも飽きない理由です。俺TUEEEのチートで魔王を倒すのではなく、ギルドに所属してダンジョンで活躍するのでもなく、婚約破棄や追放されて復讐するでもなく。悪意がないのでストレスがありません。


 アニメそのものの演出やテンポがいいので、それらが楽しめたことも大きいでしょう。マツケンサンバや999を持ってくるあたり、視聴者を楽しませようという制作者の意識が感じられました。

 アンアの母やグレイスの母の素性や現世とのかかわりなどの考察がしたくなる感じですが、そこはまあいいかなと思います。というのは設定でどうにでもなる部分です。一応、種はまかれているようなので、考察できる材料はあるのかもしれませんけど。
 面白いポイントが作品の設定そのものと、個々のエピソードに依存しているので、謎解きは大きな要素にならない気がするからです。結果的にそこのストーリーを追う楽しみはありますけど、それを楽しんでいたかというとそれほど大きな要因ではない気がします。テーマ性も本作に関しては気になりません。

 憲三郎が50代の中年ということで、視聴者層とあうのか?という疑問もありますが「なろう系」は40代50代の男性がメインということで、アニメの異世界転生ものよりも少し年齢が高めだそうです。その40代50代を引き付けたので、成功したのかもしれません。面白いですが爆発的人気ではないので多分分析すると面白い結果になりそうです。そのマーケティングが意図か偶然かわかりませんが、上手くある層にはマッチしていた気がします。

 何はともあれ、とにかく面白い作品でした。エレガントチートと父親目線と好感度のエフェクトだけでここまでキャラ立ちさせて、面白い作品に仕上げたのは見事だと思います。

 私個人としては今季ナンバー1です。とにかく見ているとあっという間に終わっていて、次回が待ち遠しいというTVアニメの正しい見方を久しぶりに体感しました。異世界ものと範囲を広げて考えても面白さなら上位に来ます。

 ただし、作品の評価としては、満点はつけがたいですし極端な高評価にはできません。名作とは呼べないし、秀作と言っていいのかも迷います。
 作品が尻切れトンボなのはありますが、既視感は多くはないもののやはり今までの異世界ものの枠内から大きくは脱却できておらず、テーマも含意も非常に薄い作品だからです。

 優れたエンタメ。ただ、見るたびに発見があるような作品でないため、2,3回が限界かなと。そういう作品を狙ったと思いますのでそういう評価でいいと思います。

 まあ、最終回を見たばっかりなので第1印象で簡単な感想ですが、また、気が付いたことがあれば追記するかもしれません。







以下、視聴時の感想。



第1話 テンプレ構造をメタ的な視点でギャグに落とし込んでいるのが素晴らしい。

{netabare} 通常25時配信は翌日の朝に見るのですが、本作は楽しみで見てしまいました。キャラデザはそのまま上山道郎氏の作風ですね。アニメ化でここまで元絵の再現度が高いのも珍しいですね。力が入っている気がします。演出や作画が丁寧でこれは制作会社…あるいはスタッフは当たりのようですね。

 第1話の感想は非常に面白かったです。24分があっと言う間でした。優雅変換(エレガントチート)素晴らしいです。キャラは本来的な意味でのチート設定ではない感じなんでしょうか。王子の名前が思い出せないときの裏の名前が映画俳優ばかりでしたが、デンドロビウムと言う単語がありました。その辺のスタッフの遊び的なのも散りばめられるのでしょうか。

 やはり視聴前に予想した通り、思いっきりテンプレの構造ですね。それをメタ的に分解して、50代の公務員の視点に落とし込んで世界観を作り出したのはさすがです。物事の本質を抽出する力に長けているのでしょう。あるいは原作者を投射したのが主人公なのかもしれまません。その構造自体をギャグにしたんですね。想像以上にギャグよりです。

 不満があるとすると、もう少し女性としてのグレイスで進行した方が乗っかれるかな、という気がしなくはないですが、まだ1話ですからその辺は2話以降でしょう。

 そして、OPを見る限り元のグレイスが檻に閉じ込められていました。これが内面世界だとするとそこにドラマがありそうです。

 EDアニメは素晴らしかったです。動きと演出がかなりいいのでびっくりしました。曲のチョイスもいいですね。 {/netabare}


第2話 元のグレイスの内面が気になる。本当に性格が悪い娘だったのか?

{netabare} 冒頭3分が延々と52歳のオッサンのモノローグでした。しかも結構作画が良かったりして。もうちょっとグレイスに寄るかと思ったら基本、グレイスはアバターとしての役割で、内面はずっと憲三郎で行くという事なんでしょう。

 というのは、今週は3話あたりで話が展開し始める前に、淡々とキャラ紹介なのかな、と思っていたら元のグレイスに何かありそうな示唆がありました。
 親方のところに昔は遊びに行っていたというのもそうですが、猫耳メイドを過去叱っていたセリフが要するにまともな指導なんですよね。不器用で言い方の問題なんでしょうか。この辺は管理職論でもあります。パワハラと愛のある指導の線引き問題にもなりそうです。

 つまり、内面が憲三郎でないと、元のグレイスの人格を救済するための話にならないのかなという感じがしました。

 漢字とかそろばんとか、構造的にはベタな事をやりながらも、キャラを上手に動かしているので見ごたえがあります。

 作画はいいところはいい、手抜くところは手抜いていて上手く処理しています。手抜きも止め絵をスクロールしてごまかしたり、ずっと見せ続けるのではなく、まして崩れるのではなくて、演出で工夫しているのでアニメとして成立しています。

 それと次回予告がいいですね。期待させます。トータルで言えば話もアニメも水準が高いレベルだと思います。

 追記 2回目見ていて気が付きましたが、冒頭の出勤時のJR津田沼駅(妻沼田駅)前の歩道橋の上に「ツマヌダ格闘街」のドラエ・ドリャーエフと主人公がいました。これにはうれしくて涙がでました。{/netabare}


第3話 話的にも予算的にも溜めの回だったかな。それでも面白いですけどね。

{netabare} 木曜日の夜…というか金曜日の朝が辛いです。なんで私は無理して1時からみているんでしょう?もちろん面白いからなんですけど。

 今週はまあワンクッションの週だったかなあ。話はあまり展開しませんでした。男を攻略するという進展はありますが「えっ、私の年収低すぎ」のミームとか小ネタのギャグ回という感じでした。

 予算節約回でもあったのかもしれません。止め絵が多くて海外発注回かなあという感じもありました。いずれにせよ、それでも面白いんだから大したものです。やっぱりキャラの魅力を作り出すといいですね。グレイス(憲三郎)だけでなく、アンナも男性キャラも魅力的だなあと改めて思いました。{/netabare}


第4話 展開は想定の範囲内も、ちょっと作画やテンポ、キャラの扱いに不満がある回でした。

{netabare} なんか、作画が紙芝居になった気がします。最後の2分くらいは良かったですけど。今までは止め絵を上手く使って、演出で面白さはキープしていましたが、今週の奥さんのオタク描写の時のカクカク作画は今のところ唯一の失敗だと思います。ただ、次週予告を見ると来週はよさそうなので、このまま悪くなる一方ではないことを祈ります。

 話そのものもちょっとテンポも悪かったし、ゲーム世界のキャラももちろん面白かったんですけど、何となくギャグの量的に物足りない感じでした。展開は予想はしていましたがそうきましたか。娘と奥さんは回想だけにしては存在感がありましたからね。グレイス本体の絡みとどっちが優先するかと言えば、こっちが先でしょうね。ただ、1クールでグレイスと絡むのかなあ…

 ちょっと不安感が出る4話でした。来週頼みます。{/netabare}


5話 十分面白いけど、現世パートでマイナスにならないかは気になります。

{netabare} ちょっととっ散らかった回でしたが、テンポが良かったです。ゲーム内と現世の同じ場面を見せるのも長すぎると飽きる要因でしょうけど、ほどほどの長さでした。他の異世界ものは開始10分で飽きてくることも多いですが、本作は全部見ても体感10分くらいで、あっという間に過ぎ去ります。

 前半に汗やプンプンの漫符(マンガの記号表現。汗が白い水滴で表現されていた)が入ったのがちょっと驚きましたが、演出で担当者によって独自性を出しているのでしょうか。

 魔法の先生と奥さんが似ていますが、同じ人物じゃなかったんですね。その線もちょっと妄想していましたが外れました。現世パートいいんですけど、やっぱりゲーム世界の没入感が減るのがマイナスになるかもしれないなという危惧がちょっとあります。今のところ上手く処理していますが、今後のオリジナルグレイスの使い方と絡んでどうなるか、ですね。

 途中出てきた緑髪の少女の作画が妙に良かったですが、今後重要キャラになるんでしょうか。コミカル路線でしたけどね。

 5話まで来てこのクオリティなら1クールは面白く見られそうですね。ちょっと話が3話までと比べて停滞感はありますが、エピソードが面白いので十分だと思います。{/netabare}


6話 面白いけど、進展が欲しい気もします。

{netabare} 面白い。とても面白いんですけど、なんか想像と違う展開?もうちょっと元グレイスとの絡みと現世復帰に焦点があたるかと思っていましたけど、そこは結構ゆっくり進む感じみたいですね。単行本も人気で結構出ているようなので、1クールだと何か中イベントがあってそれで終わりって感じでしょうか。大きなイベントで元グレイス様をちょっと見たかったんですけどね。

 そして、面白さを維持しているとはいえ、やはり冒頭の2、3話に比べると徐々にマンネリ化します。今週の様々な出来事は以前見たものの繰り返しになってきています。

 そこを補うのが現世な訳ですがやっぱり次の展開が欲しいと思います。魔法の発表で何かあるのでしょうか?あるいは今回あった、ビーストを通じて何か進展があるのか。{/netabare}


7話 この分だと元グレイスは描かないのかな。2期を是非最終回で発表してほしい。

{netabare} 原作が既刊7巻らしいので1クールで終わりまで描くのかなと思いましたが、それほど進めないみたいですね。面白いからいいんですけど、ちょっと元グレイスの話が見たかったなあ。最終回で2期のアナウンスなかったら原作を読もうかなという感じですね。とはいえアニメは丁寧な作りだしキャラに愛着が出てきただけに、早めに2期が見たいですけどね。

 そうそう、緑の髪の眼鏡の子が活躍してないですよね。後半でどう活躍するんでしょうか。

 しかし、異世界ものであまり目立った作品のない亜細亜堂にしては、丁寧に作りましたねえ。OPの感じだと作品内からの切り抜きっぽい部分があるので、完パケあるいはだいぶ作りためてからのスタートなんでしょうか。であるなら、他の仕事は受注せずこの2期を是非お願いしたいところ。もう半分が過ぎてしまいました。面白い作品は早くすぎさるなあ…{/netabare}


8話 グレイスの話が進んでいるのがいいです。1話で3回楽しんでます。

{netabare} 停滞しているようで、何となく話が進んでいるんですかね。元のグレイスが努力家で真面目過ぎる故にきつくなったのは、既に伏線というより明言されている感じです。彼女のこころを溶かしきるまで描けるのかどうか。あと4話くらいだとすると駆け足だし、既刊の巻数からいってちょっと厳しいとは思います。あとは母と兄がどういう役割になるのかですか。

 それにしても、それほど高予算作品とは思えませんが、丁寧な作画と演出で非常に見やすくていいです。

 今回もあっという間で体感5分でした。本当に面白い。今回そしてもう1回見て「蠱惑の壺DX」で外国の反応を見て3回楽しめるんですよね。本当にいい作品だと思います。{/netabare}


9話 予算貯めのローコスト回かな?

{netabare} OPが始まるまでの1分ちょっとくらいの作画が何となく気が抜けたような作画だったし、紙芝居感がある作画でした。話の内容もあいまって、予算を貯める回だったのかもしれません。ただ、まあ、EDはそれほど作画的に入カロリーではないにしても、特殊EDにしたということは手抜きではないと思いますけど。MAOさんの999が聞きたかった気もしますが、サビの部分を聞く限り、あまり音程があわないのかな?

 なんか意味がない息抜き回だった感じです。次回予告だと10話は力が入っていそうなので、来週に期待ですね。ただ、9話も相変わらずテンポはいいし演出も悪くないので、ちゃんと面白くみられました。

 そう…この作品、内容も面白いんですけど、演出とテンポに見るべきところがある気がします。原作からそうなのかもしれませんが「なろう」系の他の作品に是非、見習ってほしいです。引き延ばしではなく、無駄を削ってこそ面白くなりますので。

 あと、3話くらいですね。今のところ今季で一番面白い…ですけど、他がひどすぎるからなあ{/netabare}


10話 アンナの母とグレイスの母…次回以降何かありそうな感じですけど?

{netabare} 結局アンナの母が元貴族なら、魔法を使える理由もわかります。それと前半とってつけたように里帰りのエピソードがありました。つまり、母が魔法や貴族と関係あるということだけ強調して終わりました。今後の伏線ということでしょうか。
 母繋がりで考えれば、グレイスの母が戻るのとアンナの母に何か関係ありそうですけど、どうなんでしょうね。昔の知り合いとかなんでしょうか。

 あと2話くらいで何か進展がありそうですが、どうなるんでしょうね。 {/netabare}


11話 鏡のシーンがとても良かった。全体的に演出が凝っていた気がします。

 面白いのはいつも通りですが、今回は画面が良かったです。動きという点ではこの作品は物足りないのですが、画面の構成というか見せ方がいいんですよね。特に感心したのは、途中の鏡にグレイスが映っているシーンです。

 芝居の打ち合わせをしているときに、自分を見つめるような視線の動きが、役柄ということとグレイスの存在の2重の意味性を感じて、一瞬のシーンですがいい効果を産んでるなあと感心しました。これは意図的に演出としてやってますよね。この演出力があるからこの作品は面白さが倍増しているなあと思います。薔薇と時計に意味があるのかどうかですが…まあ、後で考えます。
 逆に雲のシーンは違和感がありました。夕方になったという表現だけなんでしょうか。予算上の手抜きなのか。

 それと緑のメガネっ子は期待どおり面白い子でした。それとアンナの苦労もサラリと入れたり、エレガントチートを逆手にとっています。ドラえもんのパロディにガラカメのパロディ。盛り沢山で本当に退屈しない話です。

 ということで後1話…なのかな?今季ナンバー1はほぼ確定ですが、最終回でオリジナルグレイスと母親関連で何か出てくるのでしょうか。



 




視聴前 「ツマヌダ格闘街」が大好きなので楽しみです。

{netabare} 私は原作の上山道郎氏の「ツマヌダ格闘街」が大好きで全巻揃えています。視点がバキやケンガンアシュラのような筋肉と謎理論でなく、梶原一騎のような気合とマッチョイムズだけでなく、非常に説得力があるディテールが描けていました。
 ディテールの描き方は中国武術マンガの名作「拳児」とも違い独自性がありました。しかも主人公の男女の描く物語が面白いんですよね。特にヒロインは魅力的でした。それ以降活躍がなく残念に思っていたら本作の原作と知って、是非見たいと思っています。

 氏の格闘の描き方から言って独自の視点ながらも、エッセンスをくみ取っていると思います。そして物語をちゃんと入れてくると思います。原作はアニメを数話見てから購入を考えます。がんばっていただきたいです。{/netabare}

投稿 : 2025/04/26
♥ : 11

たナか さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ソーシャル・コントラクト

シンプルなタイトルは面白い説
ベテラン作家が汎用パーツで再構築した悪役令嬢

アニメでわかる!アサーティブネス

エレガントチートがもたらす俺ツエーの爽快感。アラフィフ世代のレジェンド古典サブカル小ネタから、サラリーマンあるあるやビジネス蘊蓄小ネタまで。脳に優しい完全解説にて誰でも「わかる」親切設計で、理想的で心地よいやさしい社会なおじさんケア動画でもある。設定や名前を覚える必要のないストレスフリーで、若者や独身だと味わい尽くせない人生の機微までも内包する器の大きさ。そのうえでしっかりとエモさもあるなんて。プロの作家の設計はすげえな。

お涙頂戴メロドラマではないので掘り下げガー、ある程度の社会経験や子供がいないと感情移入ガー、エロくはないのでキャラの魅力ガー。尖った深夜アニメを求めると微妙かも。

思い切りのいいメリハリ作画。気の抜けたヘボ作画とキメどころの超作画のギャップも演出の一部とするリソース管理。ご都合の方便に留まらないエレガントチートのカタルシス。サブカル小ネタもドン!せずにさりげなくて嫌味がない。おっさんゆえに赤面モジモジがないのでキモさもないし、優しい上司や親目線なのでイキリ感もなければ胸糞エログロな厨二感もない。優れた原作と優れたアニメ化のケミストリーが産んだ傑作。

OP・曲はいいけど声がなあ
ED・ミエミエなバズ狙いでスベリ気味

3・4
説明の嵐なのに嫌味が全くない。すごい。

親父ギャグやそろばんなどのコメディパートが後の展開の布石になるとは。ちゃんとしてる。「このアニメを見て人生変わりました!」みたいな尖り具合はないけれど、完成度の高いエンタメだと思う。アサーティブってこういうことだよな。見るビジネス書。これマジでおじさん向けだわ。でもある程度そういうのに触れてなかったり普段から考えてないとピンとこないのかも。もっとドン!ってやったほうがわかりやすいのかもだが、それをしないところがこの作品の心地よさだったりする。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 1
ネタバレ

ひっく さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

良い人を見るのは本当に気持ちがいい

役所勤めで堅実に家庭を築いてきた公務員・憲三郎が、娘がプレイしていた乙女系魔法学園ゲームの世界の悪役令嬢に憑依し、持ち前の人の好さで周囲の社会を良くしていく話。

多くのアニメに求められるようなスリリングな展開はほとんどないし、ギャグ要素はあれど緩やかにクスっとさせたりマニアックさでニヤっとさせるタイプなので、他人に率先して薦めるようなとっかかりはあまりないんだけど、最後まで毎週ちゃんと観るのが楽しみに思えた良いコメディ作品。

「普段はあまり目立たないけれど、他人を尊重し愛することができる優しいおじさん」である憲三郎が悪役令嬢になったことで、はじめは悪役のペルソナを全うしようとするも根の人の良さが災い(?)して為すこと全てが周囲からの尊敬を買うこととなり、そのうち学園のリーダーとしてただただ学園を良い方向へ導いていくという細やかな話になっていき1期を終える。憲三郎はまだ現世には戻って来れていない。

平和であることはある意味で平坦でもあるのだけれど、それでも魅力的だったのは主人公はじめ登場するレギュラーメンバーの人の良さ。悪役令嬢が悪役じゃなくなったことで完成した「リアリティのない優しい世界」を視聴者は共有し、憲三郎とともに平和を噛みしめる。視聴者はいつの間にかこの平和な世界が壊れないように応援し、平和を見守り、平和を推しているのだ。{netabare} そこに中盤、娘がゲームに干渉できることに気付くという展開を経て、家族の絆という新しい軸も描かれ始める。 {/netabare}色んな切り口で「良い人達を観る気持ちの良さ」がコメディテイストでライトに描かれ続ける。

たぶんこれを楽しみに感じた自分もまた現代社会の人間関係に疲れているのだろう。虚構の異世界で優しい人々の会話を観る癒しがあったアニメ。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 1

66.4 2 リアクションでエンタメなアニメランキング2位
ネガポジアングラー(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (103)
255人が棚に入れました
多額の借金を抱え、さらに医者から余命2年を宣告された大学生、佐々木常宏。 鬱々とした日々を過ごす常宏は、ある日借金取りに追われ海に転落したところを、釣り好きの少女ハナとその釣り仲間の貴明たちに助けられる。 ハナに勧められるまま人生初の釣りを経験し、その釣り仲間とも親交を深める常宏。 ハナや貴明の働くコンビニでバイトも始め、難解な釣り用語や生アミの匂いに苦戦しながらも、徐々に釣りにハマっていく。 手元に伝わるアタリは、生の実感――。 転落し続け世界を見上げるだけの人生は、そう簡単に変わらない。 そんな常宏が釣りを通して見つけたものとは……?

たナか さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ガチ寄り釣りアニメ

アングラー=釣り人
真面目に釣りアニメをするぽい雰囲気

CG釣り描写は美麗でリアル寄りだが、キャラは昭和まんが等身混在のカオス時空で美少女アニメではない作り。こっっちは真面目に作ってんだよ、絶対に性的消費などさせてなるものか、という矜持を感じる。サクサクご都合展開の嫌味を昭和まんがキャラでリアリティラインをぼかしつつ、実は真面目な人間ドラマをやりたい雰囲気。釣りモチーフは啓蒙ではなく、アニメ濫造時代の競合対策カブリ回避の意味合いのほうが強そう。

02
強引な進め方が気にならないレベルには面白い

ひたすら主人公サゲなのはまずはイケメンの株を上げるためか。ここまでやればイケメンアレルギーでも拒否反応が出ないくらいに、派手髪タレ目長身イケメンの嫌味は消えるはず。男からみてもめちゃくちゃいいやつ。釣りプロになる話でもないので成長譚のカタルシスの伸び代確保のためには好感度の初期値を低めに設定するのはしゃーないか。

すでに出来上がってるグループに新規参入する際の、お互いに腹を探りつつ距離を縮めていくこの感じ。いいですねー。若き青春時代を思い返します。モチーフも素人の趣味釣りと地味目。ビックリドッキリエログロちゃぶ台返しで伏線‼️神‼️とか美少女萌えのような深夜アニメでもないしキラキラメルヘンニチアサでもない作風は、今の時代だからこそ可能になった企画かな。でも一応萌えキャラっぽい清楚系女子も置いとく優しさもある隙の無さ。

アクスタ広告動画やシノギなろうとは違う真面目さだがアニメの楽しさもきちんとある。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 1

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

釣りを通して人生を見つめなおす良作

めずらしい釣りのアニメ。
生きる希望も無くなったとある青年が、釣りを通して人生を見つめなおす。
それにしても自分に自信のない人間の心理を解像度高く描いているこのアニメ。
共感できるというより、なんか心が痛い、と言った方がしっくりくる。
精神科受診してしまう状況の人間を救うのは大変だろうな。
そしてとてもリアルな釣りの描写。

このアニメで特に良かったのは、常にバックに流れる劇伴。
静かながら非常に心地よい雰囲気を出してくれる。
良いアニメを見たという感想の残る作品でした。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 6

是正 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

自分は絶賛するけど合わない人はいるのはわかる

非情に丁寧に主人公の人物像を描いた上で12話と釣りを通して少しずつの変化を描き切った名作。釣りの魅力は伝わったし、学業と社会的成功のみの視野だけで生きて来た主人公がそれ以外の視野と考え方を持てるようになるまでを丁寧に描いている。
一つの視点で生きるという事はそれがダメになった時に全てがダメと思うようになってしまうし物事を測る基準も一つしかない。それが劇的な変化ではなく、趣味人に押し付けられるように始めた遊びから自分の中の比重が変わっていく姿が見えたのは自分は非常に評価している。

ただ現代社会が舞台な上にテーマが釣りで丁寧に描写してる分劇的な展開が多い作品ではないため刺激が薄い、つまらないといった感想が出るのは理解できる。あと主人公は結構ダメ人間だし。

投稿 : 2025/04/26
♥ : 2

62.5 3 リアクションでエンタメなアニメランキング3位
日本へようこそエルフさん。(TVアニメ動画)

2025年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (77)
243人が棚に入れました
エルフさんは日本の文化に興味津々!? 社会人の北瀬一廣の趣味はとにかく寝ること。 彼は、幼い頃からいつも夢で見る不思議な異世界で、胸躍る冒険をしていた。 ある時、仲良くなったエルフの少女と古代遺跡を探索していた時に、運悪く出くわした魔導竜にブレスで焼かれてしまう。 夢から覚めると、部屋にいるはずのないエルフの少女が隣で眠っていて――
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