2022年度のライデンフィルムTVアニメ動画ランキング 7

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2022年度のライデンフィルム成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月24日の時点で一番の2022年度のライデンフィルムTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.5 1 2022年度のライデンフィルムアニメランキング1位
よふかしのうた(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (394)
1377人が棚に入れました
「初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。」 女子がニガテな中学2年生の夜守コウはただ今、なんとなく不登校中。 さらには、夜に眠れない日々が続いている。 そんなある日、コウは初めて夜に、誰にも言わずに外に出た。 夜風が気持ちよく、どこまでも自由で、昼間とちがう世界。コウは夜に居場所を見つける。 そこに突如、謎の美少女・七草ナズナが現れる。 彼女は、夜の住人・吸血鬼。 コウに、夜の楽しさを教えてくれるナズナ。 「今日に満足できるまで、夜ふかししてみろよ。少年」 夜に、そしてナズナに魅了されていくコウは、彼女に頼み込む。 「俺を吸血鬼にしてください」 ナズナは吸血鬼になる条件を教える。照れながら。それは…… 「人が、吸血鬼に恋をすること!」 果たして恋を知らないコウは、ナズナと恋をして、晴れて吸血鬼になれるのか!? ふたりぼっちの、特別な「よふかし」が始まる__
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

他の吸血鬼がでてから急に面白くなくなりましたね。

1話 夜とは大人の世界。少年がどう成長するんでしょうか。期待枠です。

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2話 吸血=〇ックス。EDに多分全部何かを込めている。

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3話 生々しすぎて正視に堪えない、という人がいても不思議じゃない感じです。

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4話 今のところずっと言葉遊びです。アキラが出てきたので飽きてはいません。が、単調になりつつありますね。


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5話 エロすぎ笑った。なお、彼女に元カレとの〇〇〇について聞いてはいけません。聞きたくても我慢しましょう。

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6話 非日常とはなにか?変性意識状態を良く描けていました。

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7話 あー展開してしまいましたね。ストーリの進行を慌てた感じです。これはちょっと嫌な予感がします。

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8話 感覚的情緒的なものが、思考的観念的になった?

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最終話 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。 

 吸血鬼になると人を殺すか眷属にするか、あるいは我慢するという設定が足枷になって、畳めなくなった感じですね。原作がどうなっているのかしりませんが、アニメ版のオープンエンディング、つまり今後の事は視聴者に委ねる、というのは、狙った結末ではなく畳めなくなったのでなんとかソフトランディングを狙った風に見えました。

 コウくんの吸血鬼になる=人を殺すか渇望に耐えるという悩みがどこかに行ってしまいましたね。物語を展開させるために吸血鬼の部分をクローズアップさせたのが、破綻を生んだ気がします。

 前半は、吸血鬼になるには恋愛というきっかけが必要で、なった後は、他人の性や欲望が無ければ生きられない、という大人の世界=夜の世界のアナロジーで、酔っ払いとか会社員のおねーさんとかで大人の世界の厳しさと、アキラちゃんで友情などもかなりいい感じだったと思います。
 うまく思春期を描いていたのに、物語の中心が吸血鬼設定に移行したことで、視点がブレた気がします。

 他の吸血鬼が出てから、急に面白くなくなったと思います。狙いも演出も悪くなかっただけに竜頭蛇尾感がすごくて、残念な結果でした。




 

投稿 : 2025/02/22
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世間体の影に隠れたモヤモヤが気持ち良く吸い上げられる感じ

眠れぬ不登校中2男子が初めて繰り出した深夜の世界にて、
出会った吸血鬼ナズナと共に夜更かししたり、
自分も吸血鬼にしてもらおうとナズナちゃんに恋しようしたりする。
同名連載コミック(未読)の連続アニメ化作品(全13話)


【物語 4.0点】
不良と“普通”の間のグレーゾーンを巧みに言語化。

この作品、字面にすると、どうしても非行少年の話に見えて伝えるのに難儀します。
主人公・夜守コウは学校にも行かず、露出の激しいヒロインと、夜の街を徘徊。
挙げ句、ネタバレレビューを読む みたり。
ヴァンパアキラーが策を弄するまでもなく、補導案件ですw

ですが、夜の世界に身を委ねていると、
コウは、人間社会で普通でいるために皆が我慢している諸々を我慢しなかっただけ。
共感できる心情が多数掘り起こされ、それが作品特有の居心地の良さにつながっています。

主人公の世代設定から学園生活への折り合いが焦点になりますが、
第六話は社会人にとっても刺さる内容でした。
ネタバレレビューを読む ウルッとくるものがありました。
人間やめて普通でいるくらいなら、まともじゃない自分を大事にした方が良いに決まっています。

……と、安心しきった所で、終盤、夜の吸血鬼の世界が如何に危険か?永遠が如何に退屈か?
コウがこのまま人間やめて良いのか?
ネタバレレビューを読む など聞いてない契約詳細や現実を突きつけて自問させる構成も○。

グレ切らない塩梅もまた心地良かったです。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・ライデンフィルム

目を引くのが背景のきらびやかに美化された夜の街並み。
深夜帯が未知の領域だった頃の憧れを思い出させてくれます。
色彩設計・滝沢 いずみ氏は『物語』シリーズのカラーデザインなども手掛けてきた色のプロ。
蛍光紫、グリーンなど極彩色を配し、夜の世界の非日常感を際立たせる。

ゆったりしたムードの中、稀に差し込まれるバトルアニメーション。
スピード感、部位欠損を伴うグロと、思い切りが良く、ここは吸血鬼の世界なのだと目が覚めます。


【キャラ 4.5点】
ヒロインの吸血鬼・七草 ナズナ。
まぐわうだの、ちちくるだの、ネタバレレビューを読む だのw
大胆なファッション同様、自重しない下ネタは吸血鬼仲間からも呆れられる程。

ところが、いざ恋バナとなるとネタバレレビューを読む のポンコツぶりw
夜のフライト同様、アップダウンの激しい性格で、会話劇にリズムを生み出す。


ナズナちゃんと三角関係の様相を呈するコウの同級生女子の朝井 アキラ。
超早起きの破綻気味の生活サイクルで、夜更かし中のコウと早朝に鉢合わせる。
夜の街に出歩くのはいけないことで、朝早いと殊勝な心がけだと思われる。
これもまた世間体の欺瞞を突いたキャラ設定。

ナズナとアキラ。イカれた夜の世界と、真っ当な朝の世界。
早朝のせめぎあいを眺めながら思索にふけるのも楽しかったです。


【声優 4.5点】
ヒロイン・ナズナ役の雨宮 天さん。
セクハラオヤジ同然の?濁声までカバー。芸域の広さを改めて思い知らされました。
これならベテランになってからも、村の大ババ様役とかで貫禄を示してくれそうです。

ナズナちゃんの際どいボケにツッコむ夜守コウ役の佐藤 元さん。
メインどころを射止めるだけのキレの良さと心情を汲む繊細さを併せ持っています。
この春放送のTVアニメ版『君は放課後イムソニア』でも不眠症の主人公少年役を演じるそうで、そちらも楽しみです。

楽しい夜の世界に波乱をもたらす喫煙私立探偵・鶯 餡子(うぐいすあんこ)役の沢城 みゆきさん。
こちらも粘着質な濁声で脅しをかけてくる芸域の広さを見せる。
将来、天ちゃんとハードボイルド物とかで共演するのを見たいとか思ってみたり。


戸松 遥さん、喜多村 英梨さん、伊藤 静さん……。
ナズナの吸血鬼仲間のキャスト陣も男を誑(たぶら)かす外面を操る妙演で魅せる。
そんな豪華吸血鬼キャスト陣の中で、あざといロリ成分を提供するのが小繁縷(こはこべ)ミドリ役の大空 直美さん。
メイド喫茶ナンバーワンを射止めたという巧みな話術も再現。
吸血鬼コミュニティーを狂わせるだけでなく、私も眷属になってもいいかも?と魔が差しそうになったりw

蘿蔔(すずしろ)ハツカ役の和氣 あず未さん。ネタバレレビューを読む ボクっ娘ボイスもハイレベルでした。


【音楽 4.0点】
劇伴担当は出羽 良彰氏。
夜のムードを壊さない静かなシンセの音色が程よいスパイス。
ですが命のやり取りをする場面ではギターを唸らせて踏み込んで来ます。

主題歌はOP「堕天」、ED「よふかしのうた」共にCreepy Nuts。
そもそも本作は「よふかしのうた」を元に構想されており、このタイアップEDは言わば“逆輸入”。
さらに、夜と、コウとナズナ二人のムードが極まった時に流れる「ロスタイム」も上々の挿入歌で、まさにCreepy Nuts無双。

勢いに乗じて?Creepy NutsのR-指定とDJ 松永のご両人はキャストとしても出演。
中々の話術で、ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/02/22
♥ : 31
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

『夜の街』『耽美』『フェティシズム』『好きになるとは?』

<2022/8/5 初投稿>
原作は未読。
点数はとりあえず5話まで見てのものです。

放送開始前のCMの時から気になってたんですよね。
ノイタミナだから高品質は約束されてるだろうし。

いざ見てみたら、楽しい
「面白い」より「楽しい」作品。

『夜の街』
まず夜の雰囲気が好き。
中学生の頃ぐらいから、夜の街とか夜明け前の紫色の空とか大好きで。
意味もなく徹夜してました。
ANNとか聴きながら

本作では夜の色彩がかなり極端。
でも夜に不慣れな子供の眼からすると、真夜中の街灯や自販機の光ですら相当に刺激的なもんです。
中学〜高校の頃思い出します。

『耽美』
耽美とは
「美を最高の価値として、ひたすらその世界に心を傾け陶酔すること」
なのだとか
漫画漫画したキャラデザなのに、妖しくやらしー美しさを追求しようとしてる。
それがなぜかうまくはまってる。
(この原作者さんの描く女性キャラって妙な色気感じますよね。寄り目だからかな?)

『フェティシズム』
吸血という偏愛の象徴のような行為。
吸血鬼ものの漫画・アニメとか絶えないですけど、それっておそらく「血を吸うという行為に妖しい魅力を感じる人」が多いってことですよね。
本作では一際やらしく、じゃなかった妖しく描かれてます笑(吸うとこは隠してるけど)

こうしてみると「謎の彼女X」とちょっと似てる気がしてきた。
謎の彼女は夜ではなく夕暮れで、血ではなく涎(よだれ)ですが

OP「堕天」、ED「よふかしのうた」はCreepy Nutsの楽曲も映像もクセになる。
他の方のレビューに書かれてたの読んで知ったのですが、本作、元々Creepy Nutsの「よふかしのうた」に触発されて作られた漫画だったんですね。
どーりでぴったりなわけです

そしてED映像。
なずなのイラストにだんだん色がシミのように広がっていくところ
これ、いいなー。
なんか何度も見てしまう

毎話変わるアイキャッチもいいですね。
雰囲気のある丁寧なイラストがかなり良い。
アイキャッチのセンスが良いアニメって、中身も面白いこと多い気がするのは気のせいでしょうか。
「シドニア」とか「DARKER THAN BLACK」とか
今季なら「リコリス・リコイル」もそう


というわけで、あんまりストーリ展開を楽しむ感じではなく、かといって日常ものともちょっと違う本作

自分は『夜の街』『耽美』『フェティシズム』を楽しんでます。

<2022/8/26 追記>
第7話まで見ましたよ。

ネタバレレビューを読む
となっておりますが。
前から、これ少し違うんじゃないの?と思ってるのです。
つまりネタバレレビューを読むとなっておりますが

そうではなく
ネタバレレビューを読むという感じだったら可愛らしいなーとか思ったり

実際のとこ、どうなのかはわかんないんですけど
なんかこの方がニヤニヤできそうではなかろうか?

という願望でした。

あと、酔っ払い三人組モブに子安さんがおるとこもツボw

<2022/9/2 追記>
第9話まで見ました

なぜかの「浪漫飛行」
どっちかと言えば「夜間飛行」って感じだけど、まあでも浪漫飛行は名曲ですよ。

それにしても9話良かったですね。
ここまでで一番良い。
ここに来て本作のテーマみたいなものが見えた気も。
良い〜
なので評点UP↑です♪

あとダルオくんの声は吉野さんでしたか
EDテロップ見るまで全然気づかなかった
やっぱよっちんさんは凄腕声優ですね

<2022/9/16 追記>
11話見ました。
また予想外な展開。
ここに来てネタバレレビューを読むDや、ネタバレレビューを読む物語のような展開とは

なんか「ほんわかあったか〜いスープにドライアイスぶち込んだ」ような展開

嫌いじゃない
むしろ好物

<2022/9/30 追記>
最終13話見ました

9話のレビューでも書きましたが、本作の大きな柱となっているのは「人と人との関係」なのかなと

友人関係とか、好きになるとは、とか
そんな人と人の間に芽生える感情について、
先入観やいろんな前提を取り払って、
突き詰めて考えてみようと

もちろんそれは玉ねぎの皮を剥く作業にも似た、不毛な考察ではあるのですが

そういうのも結構楽しい

あとですね
ネタバレレビューを読む

原作がまだ連載中なので、終わりという感じの終わり方ではなかったのは残念。
続き見たいけど、好き嫌いの好み分かれる作品のようだから2期はないのかも。

原作読もうかな。。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 38

66.3 2 2022年度のライデンフィルムアニメランキング2位
うちの師匠はしっぽがない(TVアニメ動画)

2022年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (96)
315人が棚に入れました
いつか人間を化かしてみたいと夢見る、豆狸の女の子・まめだ。 少女に化けて大都会・大阪に繰り出し、黒髪の美女を化かそうとするが一目で見破られてしまう……! 落ち込むまめだに容赦なく「里に帰れ」と言い放った美女は、自分を「落語家」だと名乗り……? 笑うかどには、たぬきたる。観ると笑顔になる大正落語ファンタジー、ここに開演!

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「その、陽気なこと~!」(いっぺん、言ってみたかったんだよな)

……といきなり本作Blu-rayのテレビCM風にぶちかましてみたところで、以下ぜんぜん関係のない話をします。

本作の漫画原作は未読です。

時は大正、処は大阪。田舎から街に出てきた豆だぬきのまめだ(いわゆる化け狸(?))が落語家に弟子として入門して、人を化かす代わりに落語家として人を笑わせることを目指すというお話ですね。

そして内弟子として弟子入りした大黒亭文狐(だいこくていぶんこ)師匠にも、人には明かせない秘密が…。

ということでまずは落語、特に本作では上方落語についてです。

近頃では伝統芸能・古典芸能的な扱いを受けている落語ですが、古典落語と呼ばれる噺が作られた当時は、その当時の様子に基づいたものになっています。

江戸時代から明治、大正と時代が移り変わったとしてもまだ大正時代だと例えば「祖父母が江戸時代の生まれ」とかいう人がいて、古典落語でも世相は落語の世界そのままではないにせよまだその残滓みたいなものは残っていたんだと思います。

例えていうなら令和の今の世で「昭和は○○だった」的な話をしている感じなので、私が昭和の話をされても普通に理解できるし当時の笑いも普通に楽しめるのと同じことで、大正時代の寄席の客は普通に当時の落語が楽しめる人ばかりだったんだろうと思います。

ロケーションについても、上方落語は当然大阪周辺を舞台にした話が多いわけです。

時代、場所どちらにも馴染みがない視聴者は落語の内容から置いて行かれるし全然面白くないといったことになりそうです。


……ということで本編の話に戻ると、作中の文狐師匠は見かけこそ若くても噺の中の世界を懐かしむ側であり、まめだもまた「古き者」のコミュニティーで生まれ育っているのでまだ若いですがそちらの感覚に近いんでしょうね。

落語の内容自体が楽しめなくても、その辺のノスタルジックな感覚に共感できればある程度は楽しく本作を観られると思います。

ということで、個人的には落語の内容も含めてまあまあ楽しめたんですけどそうじゃないって人は多そうですよね。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 12

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

師弟愛をさわやかに描いた作品

原作未読。
落語の師匠に弟子入りした狸のお話。
いや、師匠もキツネなのね。
毎回上方落語の解説がある。
こんなまっすぐな狸、いやお弟子さんは最近ないかも。
涙ながらに自分に嘘をつきたくないと主張する豆狸に感動だ。
みていてとっても気持ちのいいアニメだ。
これは落語を通して、何代も受け継がれる師匠と弟子の繋がりを
描くアニメ。
特に後半の四天王が出てくるあたりでそれが顕著に現れる。
師匠としては優しすぎる気もするが、弟子の成長を思ってのことだろう。
大黒亭は先代から人間嫌いだったはずなのだが、弟子を思いやるのは
人間じゃないからなのか?
キツネとタヌキを登場させたのはそういう仕掛けなのかとも思ったが、
違うような気もするなあ。
タヌキの里のこともあるし、続きが気になるが、アニメとしてはここまで。
素晴らしいアニメだったと思います。
エンディングの曲がこのアニメの雰囲気にピッタリ。

余談ですが、この手のアニメで笑いを求めるのは違うと思う。
前シーズンの「てっぺん!!!!!!!!!!!!!!!」でも述べたのだが、
お笑いは雰囲気や間、その時の話題や共感があって初めて生まれるもので、
映像も音声も別々につくるアニメでは無理なのだ。
今やお笑いブームであるが、その源流にはこういった落語などの
噺家の存在があることを忘れてはいけないと思う。
大切にしたい日本の無形文化だと思うんだよね。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 7

60.6 3 2022年度のライデンフィルムアニメランキング3位
咲う アルスノトリア すんっ!(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (108)
278人が棚に入れました
魔法(べんきょう)のあとは、とっておきのティータイム ここは全寮制の魔法学園都市《アシュラム》 ペンタグラムと呼ばれる少女たちが〈真の淑女〉を目指し、教養や礼儀作法、そして魔法を仲良く学んでいます。 生徒のひとりである少女・アルスノトリアは、同じ第五寮に所属するムードメーカーのメル、無口でマイペ―スな小アルベール、委員長気質のピカトリクス、クールなアブラメリンといつも一緒。 授業を受けたり、係活動をしたり、"あの部屋"で放課後のお茶会を開いたり……少女たちが送る、楽しく・賑やかな日々をお届けします!

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

とある魔術の禁書“娘”目録

今期真っ先に、そして、毎週楽しみに観てきた作品。

「外で如何なることが起きようと、ここは学ぶ者の学ぶ権利を守る場所」
「ずっとずっとそうありたい」

ソロー学園長の言葉に込められた思いが全てを表す。

そこは、神がソロモンに授けた聖なる術をもって、自由学芸や哲学の知識の習得に励む場所であり、かけがえのない“秘密の花園”なのだ。
何でもない日常が、とても貴重なものとして、何処までも丁寧に描かれてゆく。
それ故に、『淑女の礼』の教えを守り、魔法を操る術を学び、立ち向かわなければならない運命と隣り合わせの彼女たちの覚悟に共感を覚えた。
彼女たちの口上に、心が洗われる思いがした。

春の仇風の下
果敢に、つつましく
礼儀正しく
我らペンタグラム
華の誇りとともに
お供いたします

warning…

扉に手が掛かる刹那、

“聞くもの” の存在。

サスペンス、ホラーの世界では、伝統的に使われてきた演出。
異なる空間同士が同期し、一点へ収束してゆくかのように魅せる手法が上手い。
そんな緊迫感と“やられた”感が心地良く、とってもオシャレな作品であった。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 11

66.4 4 2022年度のライデンフィルムアニメランキング4位
リーマンズクラブ(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (87)
235人が棚に入れました
天才的な観察眼で、バドミントン選手として活躍していた白鳥尊。 しかし、インターハイでのトラウマが原因で、思うようなプレーができずにいた。社会人選手として所属していた強豪チーム・ミツホシ銀行をクビになった尊。 選手としての再起をかけて、サンライトビバレッジに入社した彼を待ち受けていたのは、慣れない会社員としての仕事に、結果の出せていない弱小バドミントン部...。おまけに、ガサツで、声がでかくて、やたらと距離の近いおっさん...宮澄建。 元・天才の新人社会人と、豪快おっさん“バドリーマン”。何もかもが正反対のコンビが生まれたとき、諦めかけていた夢が、ふたたび幕を開ける。

ミュラー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

素晴らしきサラリーマン

イケメンではあるけど、ちょっと性格に難のある主人公。
個人的にはバドミントンより会社の仕事の方に興味が行ってしまう。
SWOT分析とか、やったなあ。
企業チームってこんな感じなのかな。

決してお仕事アニメではないが、かと言って熱いスポーツアニメともちょっと違う。
でも、ひとこと言っておくなら、中年おじさん頑張れ!ってことですね。
野球やサッカーと違い、他のスポーツでは単独でプロとしてやっていくのは難しいですから、企業のチームに所属するのが良いんでしょうね。
仕事覚えておけば、選手として現役終わっても、会社で働けますから。
家族持ちの選手も多いわけで。
そんな企業チームでの1ページを、うまくまとめてくれたと思います。
もう少し早く最終回を迎えていれば、冬アニメのランキングに入れたかもしれない、結構な良作でありました。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 7

68.9 5 2022年度のライデンフィルムアニメランキング5位
コタローは1人暮らし(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (66)
233人が棚に入れました
「ブーッ」と部屋のブザーが鳴り、ドアを開けるとそこには小さな男の子が立っていた。手に持った高級ティッシュ箱をスッと差し出し、「203号室に越してきた、“さとう”ともうす。以後、おみしりおきを。」とある事情で『アパートの清水』に一人暮らしをすることになった、さとうコタロー、4歳。腰におもちゃの刀を携え、今日も一人買い物に出かける。その大人っぽくもあり、幼くもあるコタローの賢明な生き方は、周りの人に少しずつ影響を与えていく。両親と過ごせるその日のために、強く生きると決心した4歳児の物語――。

ウェスタンガール さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

コタローは一人暮らし?

4才、一人暮らし。
殿様ことばがマイブーム。
人前では決して泣くまい、笑うまいと心に決めている。
大人の事情に思いを致すことができる男の子。
一話目から色々なサインが、それも解り易く点灯してゆく。
昔懐かしい人情噺の世界の住人が脇を固める。
ほのぼのとした絵柄に被る現実を、あざとさとコメディのバランスを取りながら見つめてゆく。

(観終わって)
コタローくんを見守る人々の目線は、我々の今に、あるいは、鈍く痛み続ける過去の傷と重なることもあるかもしれない。
足らざる思いとお節介、繰り広げられるドタバタ。
それが、リアルな「とのさまん」に姿を変え、不器用に寄り添い続け、コタローくん諸共に、感情の歯車を動かす力となると信じたい。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 9
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

家族の喪失を救うのは地域コミュニティ。幸せをどう考えるかでしょうね。

 幼稚園児が一人でアパートを借りられるか等にリアリティを求めると本質を見失います。
 私が見たところ、恋人・夫婦そして血のつながった親子間の虐待やDVと血のつながらない疑似家族…隣人との接し方、地域コミュニティーをどう見るか、そして幸せとは?という話です。

 幼稚園児の一人暮らしにもちろんリアリティはありません。でもそれは舞台であり設定の話です。本作の意味に触れるには、そこは素直に受け入れたほうがいいと思います。
 それ以外の部分は逆に生々しすぎで胸が痛いです。ネタバレレビューを読む

 コタローの過度の大人び方ですね。感動ポルノと見るか。なぜ大人にならざるを得なかったのかという彼のバックボーンとプライド、そして両親への報われない愛情と取るか。彼の淡々としたしゃべり方が本当にきついです。

 そんな中でコタローには救済がありました。ネタバレレビューを読む

 それでも虐待は許せない。それを言うのは簡単です。少なくとも私は虐待は受けていないので、初めはそういう言葉が安易に出てきそうですけど、本作を見ると本当にそんな単純な批判でいいのか?と思ってしまいます。

 そしてもちろんアパートのみんな。救いようがない底辺というのは簡単ですけど、今何が失われているかといえば地域コミュニティーですね。

 たまたま隣にいる人に優しくできるか。これが本作で一番大事なことでしょう。道徳…ともいえるしそうではないとも言えます。自分が属する地域の一番身近な隣にいる人に優しくできることが自分の幸福につながる社会。道徳ではない人間性としての利他が底辺だからこそ現れる。そういうアパートでした。

 核家族化と過度の個人主義により、人間性も逃げ場も無くして、狂ってしまった母親。不安と負担…育児の末の虐待やネグレクト。セーフティーネットである「地域」の喪失。それが「幸福度」を奪っているとも知らずに…ということになると思います。


 もちろん本作で出ているような話題は常日頃からニュースで流れているものばかりですが、幼稚園児の一人暮らしというデフォルメによって、何が生きて行く上で幸せなのかを再度考えさせられました。

 不満点です。キャバクラのお姉さんはもっと裏の感情や事情を見せてくれているとストーリーが活きてきたと思います。本作は10話ですからせめて12話くらいにして各キャラのエピソードを差し込んだほうがアパート全体のなぜ他人に優しくできるのか、不幸の先に見つけたコミュニティ感が出たのではないでしょうか。特に女性2人と母親の過去ですね。まあ、入れれば入れたで安っぽくなる可能性もあるのでなんとも言えませんけど。


 疑似家族ものはいっぱいあります。万引き家族とかそして父になる等が有名でしょうか。今期アニメではスパイファミリー、カッコウの許婚です。その他アニメではうさぎドロップスもそうですね。
 結局最後は血のつながりよりも、苦楽を共にすることと時間が大切なんでしょうね。つまり隣人に優しくなれるか。利他的な心を持てるか。そこが描けているかどうかが良作か感動ポルノかの分かれ目なんでしょう。

 変な言い方ですけど、見た後に割り切れないモヤモヤが残る作品ってアニメにもっとあっていいと思います。映画や文学に匹敵するカテゴリに進化して行くためには本作のような作品は貴重ですね。

 アニメ作品としてというよりも、疑似家族として幸せをどう考えるか、地域コミュニティーとは何か。隣人に優しくできるか、などを描けていました。変な言い方ですがはやりの家族もの映画…パラサイトとか万引き家族よりも私は日本人にはわかりやすいし、今の時代の問題提起になっていると思います。

 非常にレベルが高い作品だと思います。ネットフリックオリジナルにしては非常に良い出来だったと思います。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 9

63.7 6 2022年度のライデンフィルムアニメランキング6位
BASTARD!!―暗黒の破壊神―[NETFLIX](TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (62)
219人が棚に入れました
近代文明の崩壊から400年後、世界は魔法と剣が支配する混沌の中にあった。 破壊神アンスラサクスの復活を目論む闇の反逆軍団は、その圧倒的な魔力を持つ四天王を中心に、世界を支配するべく、勢力を広げ続けていた。 そんな中、中央メタリオン大陸にあるメタ=リカーナ王国は魔導師率いる闇の反逆軍団に襲撃される。 王国を救うため、大神官の娘ティア・ノート・ヨーコは一つの決断を迫られる。 それは幼なじみの少年ルーシェ・レンレンの内に封じ込められている、かつて世界支配をもくろんだ古の大魔法使いを復活させること。 そして、その封印を解くことができるのは処女による接吻のみ――。 差し迫った危機にヨーコが意を決してルーシェと唇を重ねた瞬間、黒く強大な妖気が周囲に満ちていく。 最強にして最狂、超絶美形主人公、伝説の魔法使いダーク・シュナイダーが今、復活を遂げる!

63.7 7 2022年度のライデンフィルムアニメランキング7位
最遊記RELOAD ZEROIN(TVアニメ動画)

2022年冬アニメ
★★★★☆ 3.2 (40)
148人が棚に入れました
かつては、人間と妖怪とが共存する平和な世界だった桃源郷。 しかし、500年前に闘神 ナタク太子によって、天竺国の吠登城に葬られた大妖怪「牛魔王」を禁断とされている「化学と妖術の合成」によって復活を目論む者が現れた。   その影響である「負の波動」が桃源郷全土に広がり、妖怪達は突如として自我を失い、凶暴化して人間を襲い始め混沌と化す桃源郷。 事態を重く見た観世音菩薩は三仏神を通じ、玄奘三蔵に孫悟空、沙悟浄、猪八戒らを連れて西へ行くように命じる。 「牛魔王」蘇生実験の阻止のため、4人の旅が始まった。   旅の最中、四人は西から来たという謎の異国人ヘイゼル=グロースとその従者ガトという人物に出会う。 妖怪の魂を使用して、人間を蘇生する不思議な術を使うヘイゼル達と成り行きで行動を共にする三蔵一行。   だが、そこに彼らにとっての因縁の人物・烏哭三蔵法師が忍び寄る―――。  
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