ヤンデレで秘密なおすすめアニメランキング 5

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76.2 1 ヤンデレで秘密なアニメランキング1位
ハッピーシュガーライフ(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (534)
1998人が棚に入れました
松坂さとうには、好きな人がいます。その人と触れ合うと、とても甘い気持ちになるのです。きっとこれが「愛」なのね。彼女はそう思いました。この想いを守るためなら、どんなことも許される。騙しても犯しても奪っても殺してもいいと思うの。戦慄の純愛サイコホラー。

声優・キャラクター
花澤香菜、久野美咲、花守ゆみり、花江夏樹、洲崎綾、石川界人、井上喜久子
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

愛と超越

「サイコホラー? 観ない方がいいかな・・・。」これが最初の反応。

散々逡巡した挙句、邪道とは思いつつもネタバレ上等でレビューを読み漁り、
ショッキング展開の予備知識を仕込んだうえで、危なくなったらいつでも切る態勢で
及び腰の視聴に臨んだのだった。

結果は、怒涛の如く二日で全話視聴完了、滅多に味わえないような感動に浸ったまではいいが、
ホラーでもサスペンスでもない、じゃあ一体何だろう、との疑問にはまってしまい、
手掛かりを求め原作にまで手を伸ばして、ついには以下の作品考察を書くに至った次第。

要するに、ホラーやスリラーに全く耐性のない自分のような者でも完走可能なレベルなので
視聴を迷っている方は是非挑戦してみてはいかがですか、と言いたいわけである。
観ないで後悔するよりも観て後悔した方が良い、などと無責任な勧奨をしたくなるほどの
これは世に稀な、貴重な作品である。


{netabare} 真実の愛は、それ自体がおそらく一つの狂気である。


月光が射し込むマンションの一室。差し向かいに床に座っている
まだ幼い少女と、年の離れた姉のような高校生くらいの少女。
小さい方が大きい方にヴェールを被せて、結婚の誓いの言葉を唱えはじめる。

病めるときも、健やかなるときも・・・死が二人を分かつまで・・・。

仲の良い姉妹が結婚式ごっこに興じているようにしか見えないだろう。
だが、この二人はこの上なく真剣なのだ。いや、真剣どころの騒ぎではない。
二人だけの世界を守るために、小さい方の少女は家族を捨て、
大きい方の少女は、人を殺し、奪い、傷つけ、ついにはたった一人の友人をも惨殺した。

彼女は言うのだ、それはすべて、漸く手に入れた本当の愛を守るためなのだと。
本当の愛のためならば、すべてが許されるのだと。


精神異常者の歪んだ愛が引きおこす、凄惨な犯罪の数々。
本作のキャッチコピー、「戦慄の純愛サイコホラー」はこの面を過度に強調したものだ。
勿論、自分はこうした予断に異議を差しはさむ意図をもって、これを書いている。

「異常」を前にしたとき我々は、精神病理学でも、犯罪心理学でも
それを合理的に説明する理論によって「理解」したい誘惑に駆られるものだ。
だが、この習慣を物語の解釈にまで持ち込もうとすると、往々真実から逸脱し、遠ざかってしまう。
だから、この誘惑に抗して、疾走する愛の軌跡を虚心に見届けてゆこう。
アニメレビューの本道からは外れるが、原作を踏まえた「越境的な」理解を敢て試みたい。


原作となったコミックは五年にわたって連載され、アニメ化の翌年に完結している。
連載開始の前年には、元型となった読み切り作品が発表されているが、
そのタイトルは、『ホワイトシュガーガーデン、ブラックソルトケージ。』というもの。
本作の二人のヒロイン、「さとう」と「しお」にこめられた暗示を解き明かす、第一の鍵。

さらに遡ると決定的な発見があった。原作者の初期作品、タイトルは『しろいろとくろいろ』。
白い女の子と黒い少年の、果てしない追いかけっこを描いた、メルヘン風の寓話だ。
白い子が黒い子に触れると死んでしまうので、慕って来る白い子から彼は逃げ続けなければならない。

無垢なものの、白。死と罪悪の、黒。この象徴的な二元性が
本作のさとうとしおの二人に受け継がれていることは明らかだろう。

「さとう」と「しお」。

この世の何物よりも甘い、満ち足りた愛の幸福と、
罪と恐怖が支配する現実世界の苦さとの、二つの極のあいだで
無残に引き裂かれた二人の悲劇的な宿命を、このネーミングが象徴しているのである。

同時にそれは、愛らしいものと酸鼻なもの、純粋なものとおぞましい不純なものとが
隣り合い、融合するグロテスクな本作の世界が、寓話的な象徴性をはらんだ独自の世界観に
基づいていることを示唆している。

「しおちゃんは天使。これは仮定じゃない、これは前提。
 だけど天使は弱くてはかない存在なの。
 だから、こんな穢れた世界から守ってあげなくちゃいけないよね。」

自然が真空を恐れるように、絶対的な純粋さはこの世界とは決して相容れない。
さとうの犯行動機は従って、一般的な犯罪者の心理に還元されて済むようなものではなく
この世界観からの必然的な帰結として捉えられなければならない。
穢れた世界から無垢なるものを守るために、自らが穢れを一身に引き受けようとして
避けがたく罪は重ねられる。純白だった砂糖はたちどころにどす黒く汚れてしまう。

あたかもこの世界には、反転と転落の力学が存在するかのようだ。
継起する異常な出来事は、異様に濃密なこの象徴性の磁場の作用だと考えるのが正しい。
登場人物が次々と狂気を露呈させていく展開もまた、このメカニズムによって説明されるだろう。


さらに、純愛と称されるさとうとしおの「ほんとうの愛」を問題にするとき、
そのきわめて特異な内実を、敢て「神学的」と形容したい想いに自分は駆られる。

「私はずっと一人ぼっちだった。何も感じない、常に何かが欠けていて、
 いつもどこか切なくて、このまま独り消えていくのかと思っていた。
 でも違った。しおちゃんが私を見つけてくれたから!」

最後の部分は、信徒によってしばしば語られる「神が私を見出した」という表現と一致する。
さとうにとってのしおの存在は、天使の域を遥かに超えた、救済そのものだったのだ。
そしてしおもさとうも、自分がいま生きていることの唯一の根拠を、互いの存在に見出している。

「私、お母さんに捨てられたあの日、一回死んじゃってたんだと思う。
 でも、さとちゃんのぬくもりでまた生まれたの。」

「私もだよ、しおちゃん、私も。
 なんにもなかった空っぽの私をしおちゃんが生かしてくれたの。」

互いの「新生」の経験が、まるで響き合うように言い交わされる。
これらの言葉は、新しい生命の源となった至高の愛の対象への、至純な信仰告白なのだ。
彼らの愛は、我々が通常経験するような、生存に付随した単なる心理現象ではなく
現世での死を経過して、新たに獲得された「いのち」そのものなのである。

「甘い」が迸る生命感の表現であるのに対し、「苦い」は現実世界における死の象徴である。
ひとたび死に、生まれ変わった彼らはすでにこの世界に属してはいない。
家族愛であれ友情であれ、世の慣習的な価値観はすべて忌避され、否定され、排除される。
微温的な愛、利己的な愛は、この絶対の愛によって裁かれ、容赦なく処罰される。

「ありがとう、しおちゃん。戦おう、命がけで。一緒に証明しよう、私たちの愛を。」

これが彼らの愛の神学である。それは命がけで証しされねばならない超地上的な真理だ。
従って、物語の結末はすでに予告されている。彼らの戦いの果てにあるもの、それは
この世界の外への、永遠へ向けての跳躍―ダイビングの他にあろうはずはないのだから…。



・・・そして、しおひとりが生き残る結末を迎える。

しおのために自分の命を捧げるという、究極の愛をさとうが実践してしまったことで
二人の愛がそのまま永遠へ移行する契機が失われてしまった。これは愛の挫折を意味するのか?
自分も当初は、作者が世間受けのために日和ったのかとも考えた。だが、そうではなかった。

この結末こそが愛の完成だったのだ。

「さとちゃんがどうして私のことを生かしたのかわからない
 考えても 考えても だから私は 考え続けるの
 どんな時も 何をしていても 何を感じても ずっと ずっと
 さとちゃんのぬくもりは私の中にある だから私は それと一緒に生きていく」

二人がこの世界で見つけるはずだった「お城」は、いま、しおの中にある。
{netabare}(原作では復活したさとうとしおが、また二人の生活を始める様子がはっきりと描かれている。){/netabare}
しおは世界と断絶し、彼女の内部でさとうとの、永遠の「ハッピーシュガーライフ」を生きる。
これが二人の愛の究極の証明であり、世界に対する彼らの戦いの完全な勝利に他ならない。


世界はこれを、無力な逃避、ないしは傲慢な自閉として断罪するだろう。
だが、一体それが何だというのか? 死ですら二人を分かつことはできなかったのだ。
ここにあるのは、現世をも死をも超越する、永遠のテスタメント(契約)。
恐ろしいことだが、これは冒涜的なまでに、新約聖書の福音と重なり合うのだ・・・。


自分は、果てしなく考え続けようとするしおの姿に、作者自身の投影を認める。

この作者にとって世界は自明ではなく、問い続けられるべきものであるような気がするのだ。
本作と初期作品とを結んだとき、そこに垣間見える原作者の心象風景、それは
何もない空無のなかで、ただひとすじに持続する「想い」だけが
何か驚くべき、唯一の確かなものとして存在するという、恐ろしくストイックなものだ。

自分は本作に、真に創造的な感性だけが表現することのできる、固有のリアリティーを感じる。
内面の衝迫に促された感性の疾走が、高翔する愛の神学を生み出す発条となったと考える。
そう、多分これは、孤独な思索が営々と紡ぎつづけた、この世界の真実をめぐる寓話なのである。
{/netabare}

(初投稿 : 2020/10/1)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 19
ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

にがみのエッセンスが醸し出す「フロイト」的な世界観が気に入った!!

作品概要
▼原作:月刊ガンガンJOKER(スクウェア・エニックス)
▼原作者:鍵空とみやき
▼アニメーション制作:Ezo'la(ディオメディア)
▼話数:全12話{netabare}
▼総監督:草川啓造(ディオメディア)
・実績
(監督)
『魔法少女リリカルなのはA's以後のシリーズ』『迷い猫オーバーラン!』『ロウきゅーぶ!』『艦隊これくしょん』『風夏』『アホガール』他
▼監督:長山延好
・実績
(監督)
僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件
▼シリーズ構成:待田堂子
・実績
(シリーズ構成)
『らき☆すた 』『ティアーズ・トゥ・ティアラ』『おおかみかくし』『THE IDOLM@STER』『Wake Up, Girls!』
『ロクでなし魔術講師と禁忌教典』『はるかなレシーブ』他多数
▼キャラクターデザイン:安田祥子
・実績
(キャラクターデザイン)
『銃皇無尽のファフニール』『sin 七つの大罪』『僕の彼女がマジメ過ぎるしょびっちな件』
▼音楽関係
音楽:亀山耕一郎
OP曲:「ワンルームシュガーライフ」(ナナヲアカリ)
ED曲:「SWEET HURT」(ReoNa)
挿入歌:「カナリア」(ReoNa)第9話
▼キャスト
【声優】項へ{/netabare}

原作未読
リアルタイム視聴済

☆エピローグ
普通のアニメは見飽きたぜ!糖質サイコホラーはドツボだ。
清々しいほどのバッドエンドや、スクイズやヨスガが大好物な私にとって、やっぱねーっ!これぐらいサイコパスで頭逝ってる作品がないとアニメはつまんねぇw
王道や名作、勧善懲悪ばかりじゃ肩が凝るもんね。
本作は世界線やら異世界やらと物理学分野のSFフアンタジー全盛なトレンドに対し、精神医学を世界観の基軸に据えた稀有な作品だ。
したがって、擬似リアリズムであっても、健常な精神感覚では一切のカタルシスを承認しない作品である。

異常心理に興味があったり、最近では『フリップフラッパーズ』を理解できる方々には面白いかも。
本作はストーリーが安定しているから分かり易い。
『ガリナン』もだが、アホアニメ制作会社の評価が定着して社会的には評価が厳しいディオメディアだが、たまに私のツボに入る作品を出すから、目を離せないw

主要キャラでマトモなのは「しょうこ」だけ。
他のキャラは悪い意味で個性が凄まじく、心の闇という健常と異常の行き交う「境界線」の想像どころではなく、真性の「精神病疾患者」であり、ペドフィリア、エフェボフィリア、パラノイア、火病、発達障害etc全員閉鎖病棟の患者でも不思議ではないような連中が繰り広げる異常人格者による基地外純愛群像劇(草)
共感できるキャラが見事に誰もいない稀有な作品ゆえに、様々な矛盾も精神異常が織りなす現象と見ているので許容の範囲であり、作中何が起こっても感情移入が生じることなく、エンタメとして割り切り楽しむことができた☆

タイトルの「フロイト」は精神医学の始祖。
世界的な心理学者「ユング」や「アドラー」の師匠でもある。
原作者はフロイト入門書の『精神分析入門』や『夢判断』を読んでいるな。
フロイトを読むと、読んだ側も精神をやれかねない危険物。
本作も視聴すると、そうなる方向性で演出されている。
異常心理の描写が精神医学的に考察されて「超自我」のメッセージがしっかりプロットされている。
さすがに1クールで精神医学界の巨匠フロイト的世界観を表現するのは厳しいのだが、そこに挑戦したことは評価されよう。
精神分析学的視点に立った考察はメンドクサイし、レビュー読まれる方々の気分を害するからしない。(いや、でも、気が向いたら追記をするかもw)
キャラ設定のベースがフロイト的価値観だから、基地外とは何かを問うているのと同様で、そりゃ陰鬱な世界観にもなるな。

とにかく可愛いOPや絵柄に騙されてはいけない。
マトモな神経では視聴できない作品だから、そこは覚悟した方がいいデス。はい。

それにしてもジエンコって『serial experiments lain』以来、この手の一風変わった作品のプロデュースが好きなんだな。
提供にバップもあったが、ジエンコ+バップ、あーあれか!w

ところで、最近ディオメディアはいろんな名義を使っているね。
「doA」に続いて今度は「絵空」か。
『BEATLESS』は綱渡りだったし、万策(略)に備えて、リスク分散でもしているのか?

【音楽】
OP曲はとてもインパクトがあり癖になる電波ソングだ。
不詳私、DLをいたしました。
OPの作画と楽曲『ワンルームシュガーライフ』で本作の世界観をしっかり視聴者に伝えた(伝わったかは別にして)好演出だ。
ED曲『SWEET HURT』は『GGO』の神崎エルザの曲を歌ったReoNa。
彼女のなんとも言えない切ない声質が、本作の無情で悲惨な末路を暗揄していてなかなか良い。これもDL。
EDの作画は折しも同じ精神異常系の『フリップフラッパーズ』と同様の演出。
「さとう」と「しお」が抱えている闇と二人の関係性を1分30秒でしっかりと表現している。
{netabare}「さとう」の幼少期から現在の描写、そこに「しお」が現れて、二人で城に向かって歩く。
ハッピーシュガーライフの描写と、スキップしながら城から旅立ち、二人で躓いたところで「さとう」が消える(さとうの死)でも「しお」の心には「さとう」が生きている、とこんな感じでEDはこの物語の顛末を分かり易い暗喩で演出している点は視聴者に優しい。{/netabare}
{netabare}しょうこが殺される{/netabare}9話の挿入歌『カナリア』も歌詞に込められたメッセージがそのシーンの演出にしっかりと映えていて良い曲だ。

{netabare}本作、9話は「しょうこ」の恋もあり内容が濃く相当の字数が必要だが、割愛して、挿入歌まで用意された「しょうこ(小鳥)」は本作にとって、さとちゃんの狂気を強調する意味でも重要なキャラだったし、彼女の存在が無ければ、ただの基地外ドラマで終わったな。
(7話の展開が殺される伏線だが)さとちゃんと向き合うタイミングを逸したとはいえ、幼女を「彼氏」として拉致しているさとちゃんの素顔を知った「しょうこ」がとった選択は極めて常識的だが、基地外相手には通じず、理不尽な結果となったが{/netabare}共感シーンが皆無な本作にとって唯一の救いだった。

【物語とキャラ】
キャラは本作一番の問題提議点だろう。
{netabare}よくもまー、あるゆるタイプの基地外を設定したものだと感心した。
しかし、「さとう」の叔母と「しお」を除き他のキャラのサイコパスの根源は抑圧され無意識下に封印された記憶、いわゆる「トラウマ」だ。
「さとう」、「太陽」、「あさひ」は過去エピソードの描写があるから分かり易いだろう。
今では「トラウマ」という言葉は普通に用いられるが、その概念を提唱したのがフロイトだ。{/netabare}
現在フロイトの【精神分析学】はポパーの科学定義にぶった斬られて【非科学】とされているが、なお、その研究は医学のほか哲学としても各方面に多大な影響を与えている。
因みに「トラウマ」と似た概念で「PTSD」があるが、こちら医学的な診断名、つまり科学。
医学的なフレームで論じるのが「PTSD」であると理解したらいいだろう。
そして、この三者の異常行動は明確に「PTSD」である。
「さとう」叔母は「トラウマ」の過去描写がないので、その異常性の因果関係は判別しないが、他人への関与が異常な博愛が動機である点から、所謂「離人性人格障害」であることは確かだろう。
{netabare}「しお」は年齢的に幼くまで認知能力が完成されてはいなから、母親との関係や「さとう」の死をきっかけとし「PTSD」を発症するのは想定内だろうし、「さとう」の狂気の正統後継者となるだろう。{/netabare}
基地外の成長物語を望むか望まないかは視聴者しだい。私は(怖いもの見たさで)今後も観察してみたいものだが。

以上、キャラの性格設定を多少考察したが、個人的に気になっているのはネーミング。
ここ突っ込んだレビューが少ないだよね。
物語と主人公とヒロイン?他女の子キャラのファーストネームの関係だが、「さとう」と「しお」。
これは、第三者視点で物語を俯瞰したときに醸される、二人のイメージなんだろう。
{netabare}さとちゃんの心が至福に満たせるときは「あまーい」、ストレスを感じたら「にがーい」と味覚で心理描写をしているのも本作の特徴だ。
これは丁度可知差異(物理学用語)が「フェヒナーの法則」による感覚量でも定式化されており、物理でメシを食っている私の心を擽った直喩だ。
「しお」の存在を「さとちゃん」から見た場合は「あまーい砂糖」だが、第三者視点ではさとちゃんに試練を与える文字通りの【塩】な存在。
自らの「あまーい生活」を守るためにさとちゃんは、せっせとバイトで生活費を稼ぎ、脅迫、傷害、詐欺、挙句の果てには殺人までやってのけた。
ある意味、これほどの純愛ドラマはスクイズ以来かもね。
これが、「しお」が【塩】である所以である。

そして「さとちゃん」の光に立候補し、人の道に戻そうとした「しょうこ」は「胡椒」の捩りで、そのお節介は、さとちゃんにとっては「辛い」味覚、はた迷惑で排除すべき存在として描かれているのではないのだろうか。{/netabare}

次に、苗字についてだが、「神戸」と「飛騨(飛騨しょうこ)」に共通するのは高級和牛ブランド。
さとちゃんの苗字「松坂」を「松阪」とすると、やはり高級和牛だが、これは作者の誤字なのかな?
他にサブキャラの宮崎すみれ、但馬みとりも高級和牛ブランド。
本作と高級和牛の相関関係は謎だが、キャラネーミングには法則があるようだね。

で、本作のキャラ設定だが、精神疾患と異常心理の掘り下げに作者の知識の限界からか詰めの甘さが残るが、これだけの基地外キャラをクリエイトし、物語をプロットした点は評価されよう。

{netabare}最終回はオリジナル展開だが、さとちゃんを「あさひ」に殺させ、それでも「しお」に切られ、自殺を図る展開も悪くないと思ったが、さとちゃんを死なせて、「しお」を生き残らせ、「あさひ」を切った展開は前述のとおり、{/netabare}これからの「しお」の異常人格発揮を十分妄想できる余韻を残した意味でも評価できる。

あと「しお」の失踪だが、{netabare}物語の通り捨て子であっても「しお」は小学生だ。
失踪すれば、社会的に何らかにリアクションがあるはずだが「あさひ」が述べたように警察で相手にされないのは不自然すぎる。{/netabare}
欠席が続けば「しお」の担任教師が家庭訪問をするし、親に不審な点があれば、児相とも連絡を取り合い世間にバレるはず。
その過程で事件性があれば警察が動くが、事件性はないとする裏設定でもあるのかな。
「しお」の境遇を考えると、無戸籍である可能性もあるが、視聴者が納得できる線で簡単にでも触れておくべきだったろう。

【作画】
全般的にディオメディアクオリティであり、動かす場面も少ないから、ボロも出ず可もなく不可もなくといったところだが、シャドーの用い方、基地外の表情など、サイコホラーとしての演出は頑張っていたと思う。
ただし、9話は{netabare}本作の神回であるにもかかわらず、作画が演出についていけていない。
挿入歌とナレーションを背景にCVを入れずに「さとう」と「しょうこ」の葛藤シーンが描かれた。
前述したとおり、演出は素晴らしかった反面「しょうこ」の表情が「棒」であり、迫力が全く伝わってこなかった。
基地外表現の作画に手一杯で、健常者の必死の訴えの表情演技まで手が及ばなかったようだ。
CVなしで映像表現のみを用いて視聴者へ訴えるのは、自信と相当の作画センスが要求される。
試しに、スクイズとの見比べで「誠」殺害後の「言葉」と「世界」の葛藤シーンを音声なしで視ると分かるが、迫力が全然違う。
ディオメディアの作画センスの限界が、この素晴らしい演出を削いでしまったと思うと残念でならない。

ただ、小鳥の演出を含めてだが「さとう」が文化包丁を「しょうこ」の首に突き刺し殺す描写は、頸動脈からの血飛沫には違和感を感じつつも、「さとう」を引っ掻き断末魔に喘ぐ描写や小鳥の死を比喩した痙攣描写など殺人過程はしっかり描ききっている。
ただし、グロ描写を強調し過ぎたことで視聴を打ち切った方々を出したという負の作用もあったが、{/netabare}これを斟酌して私的には高い評価をしたいと思う。

【声優】
原作を読んでいる方々には花澤さんはミスキャストだとの意見も多いが、原作を読んでいない私にとって可もなく不可もなしだ。
寧ろ、客寄せパンダ役も兼ねて、演技力が要求される「さとちゃん」役には適任だったのではないだろうか。
個人的には「しお」役の久野美咲さんの演技が輝いていた。
『WIXOSS』や『LOST SONG』でも思ったが、主役よりも準主役や重要キャラをやらせると巧いタイプかもしれない。
さとうの叔母役の井上喜久子さん。
『らんま1/2』から活躍しているだけあって、ベテランらしく味のある演技でサイコパスを演じていたのが印象的だ。
難しいキャラの「三星太陽」を演じた花江夏樹氏も好演だった。

ゆえに総じて高評価とする。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 62

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヤバい、面白い…。

語彙力ぅ!

そういえば天狼のレビューを書いたときにこいつの存在を忘れていました。

2018年7月期で原作付きの大物。観ますっていうか、観てますってだけで情報量ゼロです、すみません……。

2018.9.29追記:
とりあえず、虐待に傷ついた二人の少女が真実の愛を求めてあがいたあげくに、犯罪レベルの奇行に走るお話。

第12話(最終回)まで観終わったので、少し真面目に書いてみます。

まず、一見して松坂さとうが主人公のようで物語の中心は神戸しおですよね。それと「作中の登場人物が(飛騨しょうこを除いて)異常な人物ばかり」に見えはするんですけど、「罪無き者のみ石を投げよ」っていう感じで、みんなちょっとした行き違いや不幸(ちょっとしてないのもある)がきっかけでたまたま異常に見える行動が発現してしまったというだけの話で、メインキャラには理解不能レベルなことをやっている人物はいなかったです。

自分がはっきり嫌いと言えるのはしおちゃんの父親と、次点でさとちゃんの叔母さんくらいかなあ。

まあとにかく、他の人物に関しては共感まではいかないにしても理解は及ぶ感じでとても良く書けたお話だったと思いました。漫画原作ですけど小説っぽいストーリーでしたね。最終話、しおちゃんの言動によって受けたあさひのショックはいかばかりか想像を絶する…。

……って、これかなり面白かったけどウケないだろうなあ。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 52

62.6 2 ヤンデレで秘密なアニメランキング2位
緋弾のアリアAA(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (556)
3282人が棚に入れました
緋弾のアリアのスピンオフ作品。


武装を許可されたなんでも屋「武偵」を育成する教育機関、東京武偵高校。

ここには一人の先輩の下で、後輩が直接訓練を受ける特訓制度「戦姉妹(アミカ)」があった。

憧れの学園最強Sランク武偵、神崎・H・アリアと戦姉妹契約を結んだDランク武偵の間宮あかりが、仲間とともに奮闘する!

声優・キャラクター
佐倉綾音、釘宮理恵、茅野愛衣、M・A・O、悠木碧、ブリドカットセーラ恵美、堀江由衣、今村彩夏、水瀬いのり、麻倉もも、橋本ちなみ、間島淳司、高橋美佳子、伊瀬茉莉也、石原夏織
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

とにかくアリアは魅力的でした

原作既読(^^)♪

AAは緋弾のアリア(本編)のスピンオフ作品。
AAもメインキャラにアクセントは付けていますが、本編のメインキャラと比べると見劣ります。そして百合系なので、好みが分かれると思います。ただ、本編キャラに関してはオリジナルのまま変化は無いので、そこが百合が好みでは無い私にとっては救いです。特にアリアに関しての印象はすごく良くなると思います。本編の緋弾のアリアが好きでも、百合系が好きじゃない人には若干辛いかもしれませんね。
 
12話(最終話)
{netabare}最終話は水蜜桃を逮捕してめでたしめでたしの事件解決でしたが、アリアとあかりは戦姉妹契約の続行をかけて戦う。このあたりの描写や作画はとても綺麗でした。特にアリアは本当に綺麗に描けていて満足でした。基本的にあかりとその仲間の話ですが、個人的には本編以上にアリアの人間性を観ることができたので十分堪能できました。AAを観ると神埼Hアリアが好きになりますね。最後は白雪と金ちゃんも出てきたし、これを機に本編の2クール目を作成して欲しいです。夾竹桃はこの後からいい味が出てくるキャラだから消化不良感もありますが、全体的にAAの世界観は表現できてたと思います。最終話のアリアとあかりの話はとてもよかったと思います。OPはアリアのイメージでとてもカッコ良かったし、EDはあかりのイメージでふんわりした感じの曲で作品のイメージに溶け込んでいました。私は全体的にそこそこ満足できました!!{/netabare}
 
11話
{netabare}夾竹桃との決戦は鷹捲りであっけなく終了。夾竹桃の描写が観たかったので、とりあえず満足ですが、原作とかなり違う流れになっているのは1クールだけだからなのでしょう。夾竹桃はこの敗戦のあと、司法取引で武偵高に転入する。鈴木桃子と名乗るわけだが、桃子になってからの方がとても味のあるキャラになるので原作で楽しんでもらいたい。しかし・・・水蜜桃とは・・・こりゃいかがなものか・・・('ェ')?桃子に姉がいたというTV向け設定は正直いらなかったな。最終話で一応の完結をするための苦肉の展開なのだろうが、こういう適当な終わらせ方は好みじゃないなぁ。これなら、この次の新キャラを出して、2クール目を意識して終わった方がいいのでは・・・?とも思うが、2クール目は最初から考えていないということなのでしょうね。それなら、緋弾のアリア(本編)の2クール目をやって欲しいよ。締めくくりはなんとなく透けて見える感じだけど、夾竹桃の描写もまぁまぁだったし、残りはどう締めるのか注目したいと思います。{/netabare}
 
10話
{netabare}本当に困った時に共に戦ってくれる友人がいることを間宮あかりはアリアに気付かされる。あかりの妹に夾竹桃は2年前毒を盛っていた。毒に侵された妹を助けるため、夾竹桃から解毒剤を入手しようと、あかりは友人たちと夾竹桃逮捕に向かう。夾竹桃の声は堀江由衣さんがかなり雰囲気を出してくれています。夾竹桃の部屋も色合いがイメージ通りです。ここにきて作画も頑張ってくれていますね。次週が楽しみですね~♪{/netabare}
 
9話
{netabare}ようやく面白くなってきました。やはり、桃子とのエピソードまでが1クールなんだな。それにしてもAAのアリアは殊にいい女だね~。アリアをここまで多く出演させてなければアニメのAAは耐えられないかもね~。しかし来週からは面白くなりそうです。作画は随分安定してきたように感じます。来週から局面は大きく展開するはずです。{/netabare}

8話
{netabare}このままあかりの仲間たちの話だけで1クール終えるわけじゃないだろうな…('ェ';) しかし、まぁ~緋弾のアリアファンの為なのか、アリア・理子・レキ・白雪・金次の登場を多くしてる感じ。百合路線での放映に厚みを出すために、できあがったキャラの登場は必要なのかもしれないが、あかりの仲間達に秀でたキャラがいないことを露呈しているようなものだ。
桃子(夾竹桃)VSあかり軍団のストーリーまでやってもらえるとおもっているのだが、この調子だと10話くらいからかな・・・。ここまで引っ張るとは思わなかったが・・・。
まぁ~面白いっていえば面白いし、くだらないって言えばくだらない。そんな水着回でしたw{/netabare}
 
7話
{netabare}いつも通りのお話。放映中は完全にこの路線を堅持するつもりなのかな?百合が好きな方なら楽しめる話なのでしょうか?今日は友達の友達はみんな友達だ的なストーリー。あかりが敵対する二人の心を結び付ける力があるということを印象付ける話。夾竹桃を最後にチラつかせて、来週の水着回も見せようという企てに、私もまんまと嵌るわけですが・・・^^;
来週もたいした話になりそうもないけど、まぁ~観ますよ。 {/netabare} 
 
6話
{netabare}ベッタベタの百合展開・・・AAはそういう内容だから、いくら緋弾のアリアが好きでも耐えきれないところもある。救いはアリアやレキはクールなままというところ。気になるのは作画。目の扱いが雑すぎます。アリアはぎりぎり許せるが、他は雑すぎ。こぶいち氏のキャラは目が特徴的なので、もう少し目に気を配って欲しい。もういい加減、夾竹桃をメインにした話に持っていってくれませんかね・・・。この百合展開の連続じゃ~本編の緋弾のアリアまで霞んでしまうよ・・・。やっぱり緋弾のアリアの2期を先にやるべきだったと思うよ。そう思われても仕方ない。だって、百合好きじゃないと、AAは辛いもんね~。かく言う私も百合好きではないので、若干辛い。緋弾のアリアのスピンオフじゃなきゃ、途中で切ってるかもしれない。単純に夾竹桃待ちなんですよ。アリア・金次・レキ・白雪・理子が出てなかったら、6話まで持たない内容なので、話を進めて下さい!!・・・と思うのでした(´Д`) {/netabare}
 
5話
{netabare} ここまでの話は、間宮あかりの仲間となりうる1年生達の紹介といったところ(まだ仲間になる子はいるけれど)。もう少し丁寧に描き込んで欲しい場面も結構ありました。レキは登場するが、石原夏織さんは準備されてないのね(´Д`)出番が少ししかないから仕方ないか・・・。このペースでいくと、また中途半端な所で終わりそうです。ようやく夾竹桃が登場だけど、どういうふうに描くのか興味深い。堀江由衣さんは好きな声優さんだけど、夾竹桃のイメージじゃないかもなぁ・・・ちょっと不安です。ともあれ、次週以降は、原作通りに描写するのか、脚色するのか謎ですが、原作通りに描写するなら、美しく描いて欲しいものです。 {/netabare} 
 
4話
{netabare}高千穂麗が登場した。AAの基本的なニューヒロイン達が揃った感じです。アリア・理子・白雪を多めに登場させて新キャラのインパクトの弱さをカヴァーしている感じです。AAのヒロイン達のインパクトは正直弱い。アリア・理子・白雪はかわいさとキャラの濃さでAA組より数段勝る。白雪の戦姉妹試験は笑っちゃいました。改めて白雪の偉大さを感じるなぁ・・・。次週はカルテットの後半で、それが終わると、AAで唯一、輝けるキャラが登場するはず・・・。再来週あたりに登場するのかな・・・待ち遠しい。私は楽しく観ています。多忙だけど、毎週観ようと思える秋唯一の作品です~♪{/netabare}
 
3話
{netabare}金次はあかりのスカートがめくれたくらいで、ヒステリアになりかけるとはね・・・w、回避するために川に落っこちたシーンは滑稽だったw随所に緋弾のアリアのヒロインを小出しにするあたりは、ちゃんとファンのことを考えてくれていて嬉しいことです。ライカと麒麟が戦姉妹契約を結び、仲間が増えてきました。これ、緋弾のアリアファンならかなり楽しめるシーンがあるけど、初めての緋弾のアリアの方々にはどう映るのかな・・・?普通に楽しんでもらえてるのかな?金次が頭抱えて川に落っこちるシーンとか単に意味不明な行動ですからね・・・何も知らないと・・・それはそれで面白いかw ライカは1年生の中では強いが、本当は理子みたいな綺麗でかわいい女の子になりたいという願望がある。・・・が、現実は裏腹な自分の行動に葛藤している。あかりはそういうライカの気持ちを汲み取ってあげることができたのでした。[めでたし!]
来週は高千穂が登場します。個性的なキャラなので、どう描くのか楽しみです。まぁ~AAのノリは敵が出てくるまでは、総じてこんな感じです。 {/netabare}
 
2話
{netabare}志乃とあかりのエピソード回だけど、AAが百合っぽい展開であることはもう分かってもらえたでしょう。正直、そこがAAの評価を大きく分ける所だと思う。緋弾のアリアは好きだが、AAは、ちょっと・・・って思う人がいても全然不思議ではない。あかりのグループの話は正直つまらないのです。今後、闘いが始まれば、また展開も変わり面白くなりますが、2話で切られても仕方ない内容です。
レキが廊下を歩いていたが、案の定一言も話さず・・・そこが笑えたw
ここでつまらないと思っても、夾竹桃(1話の最後で理子と話してた子)が出るまでは我慢して観ててもらえたら・・・と思います。 {/netabare}
 
1話
{netabare}画は綺麗です。凛々しいアリアで、こっちの方が本来のアリアっていえば、アリアなんですけどね。戦姉妹契約を結んだあかりが今後気になりますね!!

原作未読の方にも十分楽しんでもらえる展開になると思います。ただ、難を言えば、男の出番が少ないところかな・・・。正直、1年生キャラは夾竹桃以外あんまり魅力ないかも。高千穂はまぁまぁですが・・・w
 
レキ・理子・金次・白雪もちょこっと登場してくれて良かったです。白雪はかわええ~(*´◇`*)橘書画子さんのアリアの画の方がこよかよしのさんのアリアよりも艶っぽさがあるので、見ていて美しさも感じます。
 
最後に夾竹桃が登場しました。はっきりと顔が映らなかったのは残念ですが、AAでは私のイチオシキャラなので、楽しみです♪{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 27

ごる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

バトルユリアニメ…。

終始バトルユリアニメになってます(´・ω・`)
1期に続きアリア中心の話かと思ったら、1期の主要キャラは全部脇役程度の登場で金二に至っては数回しかセリフありません。
ガンダムSEEDからDESTINYを見た時の何とも言えない感覚を思い出したw
とにかく、ユリ感が強かったのとラストでアッカリーンが急にS級クラスにはね上がるww
アカリンの正体が気になりすぎて最後までハイペースで見れました(о´∀`о)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

殺陣(たて)の格好良さが見どころの百合コメ&バトル

ラブの代わりに百合っぽい緩い展開が続くコメディを、「ラブコメ」をモジって「百合コメ」という・・・のかどうか定かではないけど、本作を観ていて何となくそう呼びたくなってしまいました。

現在も新作の刊行が続いている人気ラノベ&マンガ『緋弾のアリア』のスピンオフ作品『緋弾のアリアAA』(こっちもラノベ&マンガ)の序盤をアニメ化した作品、ということで、2011年に放送された『緋弾のアリア』の方を先に視聴しておくに越したことはないのですが、そこはコメディ主体の作品なので、本作をいきなり視聴しても大きな問題はないと思います。

というより、本家の『緋弾のアリア』の方が、2011年放送にも拘わらず何故か作品のセンスが2000年代後半風で、2010年代の洗練された作画・演出に慣れた目にはどうしても少し古い感じがしてしまうことを考えると、いきなり本作から視聴を始める方がむしろ正解かも知れません。
因みに私の場合は、『緋弾のアリア』(※個人評価 ★ 4.1)よりも本作(※個人評価 ★ 4.2)の方がより楽しめました。


◆本作をお勧めする人

(1) 『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどかが好きな人→本作のヒロイン(間宮あかり)が容姿&性格とも割とまどかに似ている
(2) 殺陣(たて)の格好良さに作品の見所を見出せる人→取り敢えず第1話の最初と最後のシーンを見て決めて下さい。
(3) 百合っぽいコメディが好きな人

*たて【殺陣】芝居や映画で、チャンバラ(や格闘)の演技。たちまわり。また、その場面。


◆制作情報
{netabare}
原作               赤松中学
監督               川畑喬
シリーズ構成          志茂文彦
脚本               志茂文彦 十川誠志
キャラクターデザイン(原案) こぶいち
キャラクターデザイン     大島美和
音楽               伊賀拓郎
アニメーション制作       動画工房{/netabare}


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================== 緋弾のアリアAA (2015年10-12月) =============
{netabare}
1弾 もう一人のA ★ アミカ(戦姉妹)契約申込、テスト
2弾 危険な関係 ★★ 佐々木志乃の妨害 ※巌流ツバメ返し!ってそういう作品なのね笑
3弾 戦妹(アミカ)志願 ★ 火野ライカvs.島麒麟、峰理子の思惑
4弾 カルテット・前編 ☆ 校内模擬戦(間宮班vs.高千穂班)
5弾 カルテット・後編 ★ 続き ※ラスト微妙だが、先が気になる展開
6弾 小悪魔たちの依頼 ☆ あかりDランク昇格
7弾 あかり争奪戦 ☆ 
8弾 プール・トラップ ☆ 水着回
9弾 家庭訪問 ★ ※ここからシリアス展開か?
10弾 ファーストミッション ★ 
11弾 決戦 ★ ※本作最大の見せ場だが、ラストのロボットは安直×
12弾 二人のA ★ ※前半はいまいち、後半に見せ場あり{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)7、☆(並回)4、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.2

OP 「Bull's Eye」
ED 「パルス」

投稿 : 2024/12/28
♥ : 26

64.5 3 ヤンデレで秘密なアニメランキング3位
キューティクル探偵因幡(TVアニメ動画)

2013年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (456)
2479人が棚に入れました
狼男探偵・因幡洋のもとに警察犬時代の相棒、荻野警部が事件への協力を求めてきた。
事件の首謀者はイタリアンマフィアの首領(ドン)・ヴァレンティーノ。
明らかにヤギにしか見えない首領・ヴァレンティーノの前に、赤毛フェチの因幡とゆかいな仲間たちがグダグダで立ち向かう、“ヤギ大増量毛探偵ギャグ物語”。

声優・キャラクター
諏訪部順一、入野自由、下田麻美、森川智之、大川透、小杉十郎太、日笠陽子、巽悠衣子、鳥海浩輔、深田愛衣、斎賀みつき、杉田智和、瀬戸麻沙美、岡本信彦、志村由美、日高里菜、子安武人、浅沼晋太郎、黒田崇矢、檜山修之、福山潤
ネタバレ

双葉。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

キューティックル〜♪なアニメ。

題名を観て(なんだこれは?)となった方も少なくないのでは?
その正体は…

髪のことを知りながら楽しめるgdgd系ギャグアニメ!
(でも終盤はシリアス展開もあるし何なんでしょうねこれw)

個性豊かなキャラ達が良いです。
たまにボケが多すぎてツッコミ不在になるので視聴者がツッコむ羽目になったり?

*因幡洋(cv:諏訪部順一)
因幡探偵事務所の所長。
毛から情報を読み取る能力を持ち、重度の毛フェチ。

諏訪部さんにしては珍しい感じの役です!
ゆる~いのが可愛いけど、かっこいい時は諏訪部ボイスでめちゃくちゃかっこいい♪

*首領・バレンティーノ(cv:大川透)

名前でブランド物を着こなした銀髪のムッシュを想像したら駄目ですよ~。
{netabare}ただのおっさんヤギなんですからね!{/netabare}
意外と馬鹿でドMなところが面白いです。

・野崎圭(cv:入野自由)
因幡探偵事務所のアルバイト助手で、本作唯一の常識人。
彼がいないと話の進行に支障が出るレベル。
ちなみに猫派。

1話目からツッコミ激しくて大変そうでした( ̄^ ̄)ゞ
いつもはこういう役下野さんがやってくれる感じのw
もちろん入野さんの演技も素晴らしかったです!

*佐々木優太(cv:下田麻美)
見た目は女の子にしか見えない女装少年助手。
因幡が好きなあまり近づく人間(主に荻野さん)には非道な振る舞いを見せる。

こんなに可愛い容姿なのにっ!
ヤンデレというか何というか…(笑)
皆がのほほーんとしてるのに対して彼は結構キツい一発を持ってきます(屮゚Д゚)屮

他にも
*荻野邦治(cv:森川智之) {netabare}親バカ刑事{/netabare}
*ロレンツォ(cv:小杉十郎太) {netabare}中身はダンディー{/netabare}
*ガブリエラ(cv:日笠陽子) {netabare}下僕がお好き{/netabare}
*因幡遥(cv:斎賀みつき) {netabare}可愛い。けど腹黒い。{/netabare}
*弥太郎(cv:杉田智和) {netabare}イケメンなのにギャグ!!{/netabare}
*夏輝(cv:瀬戸麻沙美) {netabare}健気、といえば聞こえが良いかも。{/netabare}
などが登場します^^

ストーリーは前記の通りです(笑)
是非一回は観て頂きたい!
あと、{netabare}OP詐欺のEDヤギw{/netabare}なのでまだご覧になっていない方は
是非ご注目あれ☆

投稿 : 2024/12/28
♥ : 15
ネタバレ

ローズ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

100人乗っても大丈夫!キューティクル探偵因幡物置!!

警察犬(シークレット・ドーベルマン)として働いていた因幡洋(いなば ひろし)は、行方不明になった弟を探すために警察を辞めて探偵となる。
警察時代の同僚だった荻野邦治(おぎの くにはる)の依頼により、首領(ドン)・バレンティーノ一味と関わる事となり、犬猿の仲のような関係の狼山羊の仲(?)になってしまう。

警察・探偵・マフィア(バレンティーノ一味)など、ハードボイルド系の作風になりそうなのですが、探偵物などを期待した方は残念でした。
探偵などの設定をしたコメディー作品と考えたほうが、しっくりときます。


登場する人物は、かなり個性的です。

首領(ドン)・ヴァレンティーノの外見はヤギそのもの。
根っからの悪人という感じではなく、少しとぼけた面もあります。
「シャーシャシャシャ」という笑い声や語尾に付ける「~であろう。」は印象に残ります。

警察時代の因幡と共に行動していた荻野邦治(おぎの くにはる)は、超人的な肉体を持っていて優秀な人物なのかと思いきや、こちらも少し間の抜けた所があります。
ただし娘のことになると性格が変わり、鬼のような形相に・・・

テロリスト集団・野羅(のら)の名目的トップであり、洋の弟である因幡遥(いなば はるか)も登場しますが、虚弱体質のせいか、すぐに倒れたり寝込んでしまいます。
もう少し活躍してもいいのではと心配になります。

ほとんどの登場人物がボケの役割になっていて、ツッコミ役は探偵事務所に勤める野崎圭(のざき けい)しかいないので、ツッコミの重要性が分かります。
(1話だけ、ボケ役に変身してしまいますがw)

その他の登場人物も全て個性的なので、お気に入りのキャラを選んでおくのもいいかもしれません。


個人的には、首領・バレンティーノ(ヤギ)が笑いのツボであろうw
ヤギとオオカミだったらヤギを応援するであろう。
送りオオカミが嫌いなので、日本狼と同じ境遇にしてやるであろう。
と言う訳なので、ヤギ推しであろう。


最終的には、警察&探偵VSヴァレンティーノファミリー&野羅という構図が出来上がりますが、緊迫感がほとんど無く、それぞれのメンバーの個性・設定を活かしたコメディー作品であろう。

探偵事務所でお茶を出されるシーンがありますが、意味が分かったであろうか。
炊飯器にお茶を入れてお茶漬けとなりますが、京都でお茶漬けを出されたら「帰って下さい」という合図になるので、それを狙ったのであろう。


OP曲
「遥か、日常の中で」
歌 因幡洋

ロック調の曲であろう。
アニソンらしい曲なので、因幡役の声優・諏訪部順一さんのファン向けのような気がするであろう。

ED曲
「プリマ・ステラ」
歌 首領・ヴァレンティーノ

所謂、”ムード歌謡”というジャンルであろう。
電波系とは違うと思いますが、聴いているうちにクセになっていくような・・・w


この作品を視聴する事に対して・・・・・

     こ~と~ば~なんて~♪ いらないであ~ろ~う♪♪♪



{netabare}誰にも気づかれずに途中から吾輩がレビューを書いたであろう。この作品を通じてヤギのファンを増やすであろう。シャーシャシャシャ!{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 13

りゃむ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

完全ノーマークのダークホースでした

基本ギャグアニメ。

ストーリーはキャラありきで、物語というよりはキャラの関係性上の設定、背景みたいなのが基本です。

つまりキャラの個性と濃さでシュールなギャグを展開していきます。
そしてやはり入野さんは本当に突っ込みに適役の声してると思うw

かなりテンション高め+30分詰め込めるだけ詰め込んでくるので視聴後少々疲れます。


1話AパートとBパートで15分ずつそれぞれ完結する話が多く、長編はあまりありません。

Aパート終わった時点で“え?まだ半分?”とか思います。
つまらなくて長く感じるという意味ではなく、15分が濃厚すぎるためにすでに30分アニメ1話分以上の満足感があります。
それをその倍やるんですからそりゃもう、疲れますよww


さてこの作品、ギャグをやるにあたってまったく視聴者に媚びないというか流行に流されません。
どういうことかといいますと、最近のギャグアニメ
1・女性キャラを多数出演させ萌え要素で補完する。
2・パロディやオマージュ主体でギャグというよりはやっちまった感を演出し笑いを誘う。
といったのが主流の作品が多いように感じます。(ケメコ辺りなんか正にこれな気がする)

まずこの作品・・・本編にがっつり絡んでくるような主要キャラとして位置づけされてる女性キャラなんと3人前後。
約一名どの女性キャラよりもかわいい男の娘が混ざってますが・・・主人公側なんて1人として女性キャラいないよ。
男性キャラはその3倍近くいるのにねぇ。
媚びない!(ただし女性向け作品というわけではない)
ちなみにこの作品最高の萌キャラはヤギです。


そして、もちろんパロディほぼなし。キャラの濃さとそのキャラゆえのボケ、そしてそのほぼ全てを突っ込み一人でさばいていく。
正統派のハイテンションシュールギャグ路線です。



キャラデザが若干BL臭があり僕自身、最初は敬遠していたんですが2話まで見たところではまってました。


いろんな意味で灰汁が強いといいますか、クセのある作品ですが面白いと思います。
ヤギEDともども“イロモノ作品の良作”として個人的に高評価の作品です。

ちなみに監督の満仲勧さんは初監督作品のようでした。
初監督でこの出来!

次回作にも期待したいと思います。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 7

64.1 4 ヤンデレで秘密なアニメランキング4位
シュヴァルツェスマーケン(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 3.4 (326)
1678人が棚に入れました
アージュの人気ゲーム『マブラヴ オルタネイティヴ』のスピンオフ作品。

1983年のヨーロッパを舞台に、東ドイツ軍の戦術機部隊“第666戦術機中隊”(通称:黒の宣告(シュヴァルツェスマーケン))に所属する青年・テオドールの物語が描かれる。

声優・キャラクター
鈴村健一、田中美海、山本希望、南條愛乃、安野希世乃、安済知佳、加藤英美里、村瀬迪与、三宅健太、田村ゆかり、成田剣、沼倉愛美

ネロラッシュ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

期待薄で入ったが

原作がエロゲのスピンオフ作品か…

期待薄で入ったが、あら?これってロボットというよりはミリタリーなんじゃね??
ライデンフィルムxサンジゲンというのもあって、面白いじゃん!!

東西分断されたドイツを舞台にしているというのもいいが、一匹狼揃いの東ドイツ軍小隊666は漢だな!!

気色悪いデザインの異生物の圧倒的な戦力に力及ばず散っていく東ドイツ軍部隊…
フラグ立てるから解るんだけど、辛いっすね…

人類が劣勢になっていくのに、政治的な陰謀や人間関係のドロドロもありで、そんなことやってる場合じゃね〜だが、そういうのも含めて見応えがあった。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 3
ネタバレ

アトランティス さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

こういう設定に弱い!

あにこれでキャッチの御方から
トータル・イクリプス(4年前のSFアニメ)と同じ世界観を持つアニメだということを聞いて、早速視聴しました。

トータル・イクリプスを見たのは4年前、
レビューを書いたのは3年前

ということで僕が本格的にクールでアニメを見始めたころ、、
懐かしいですね。

このシュヴァルツェスマーケンも
トータル・イクリプスも
同じマブラヴシリーズの作品です。


トータルイクリプス世界から戻って27年前、
冷戦の真っ只中、東西に分裂していたドイツは
突如現れた宇宙生物「ベータ」による激しい攻撃に合った。
東のドイツ、西のドイツ、お互いを敵として生きる両者。
そして時は経ち十年後、一つの希望が前線地「東ドイツ」へと舞い降りる。
……果たして彼女は西と東を繋ぐ希望となるのだろうか。

といったストーリーです。

まず設定がドイツ東西分裂を扱っていて
話の内容や、登場人物は
各々様々な信念や偏見、思い、目的を持っているので
妙にリアルです。

僕は歴史好きなこともあって
それに加えて久しぶりのBETA作品を楽しみにしていたこともあって
すごく楽しめました。(こういう設定に弱いんだなぁ…評価は割増高いです。)

前作のトータルイクリプスではマイナスの要素となった人間同士のいざこざが
こちらは冷戦を経て、本気で自分たちを敵として見ているので
「誰も信じられない、俺たちは何故何のために戦っているんだ」
といった世の不条理というか、
共同作戦でさえ、自らの私利私欲が出てしまうような
諜報戦的な展開も楽しめます。

シュヴァルツェスマーケンとは日本語に訳すと
「黒騎士」
東ドイツが誇る最強の戦術部隊のことです。

この部隊の人たちがメインで話が進むことになるのですが

2つの戦争を通して揺れ動く思いの連鎖が
非情な選択を要求されたり、時には自らを死に追いやるような戦闘に
発展するなど、展開としては重い内容が多いです。


しかし
2つの国の陰謀に振り回されながらも
東西ドイツを和解、共闘関係へ持ち込もうとした
{netabare}カティアやベルンハルトの思いを
最後まで見届けられたことは、自分にとっては
すごく光栄なことだったと感じます。{/netabare}


最後は視聴者側も感動のラストでした。
{netabare}ベルリンの街を見ながら、ベルンハルトが息を引き取る最期の瞬間は
胸にこみ上げるものが……
東西ドイツはこうして、一つとなった。{/netabare}

史実ではないけれど
リアルを感じたというのが率直な感想です。

もちろん戦術機の戦闘を良かったし
BETAのレーザー級、
キャラの可愛さも一級でしたが

僕は作品を通じて、汚い部分やいい部分全てを通して人間というものを見ていた印象が強い

マブラウの外伝にあたる作品なので
BETAについて知らない方でも視聴できる作品だと思いました。

OPも南條さんでfripSideも絵理も好きなので
聞いていてテンション上がりました。


P.S. シュヴァルツェスマーケン小説の作者は内田弘樹さん。
艦これ小説「鶴翼の絆」の著者の方です。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 17

ざっくり侍 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

BETAよりも政治色強し

12話まで視聴完了。

もともと『進撃の巨人』『マヴラヴ オルタネイティヴ トータルイクリプス』みたいな絶望的状況から現状を打破していく話が好きで、その流れで見始めた作品。

『マヴラヴ オルタネイティヴ トータルイクリプス』より政治色が強く、BETAとの戦いよりも人間同士のドラマの方が色濃く描かれている気がした。
個人的にはBETAとのヒリヒリした戦闘と絶望感溢れる世界観のトータルイクリプスの方が毎話ドキドキしながら観れたけど、こちらはこちらで色々考えさせられる面白さがある。

観ているとすごくゲーム版がやってみたくなった。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 2

64.7 5 ヤンデレで秘密なアニメランキング5位
文学少女 劇場版(アニメ映画)

2010年5月1日
★★★★☆ 3.7 (274)
1391人が棚に入れました
文字どおり食べてしまうほど文学が好きなヒロイン・天野遠子と、彼女によって無理やり文芸部に入部させられた男子高校生・井上心葉が様々な事件の解決に乗り出す学園生活の模様を綴った野村美月の人気ライトノベル・シリーズを映画化した劇場版アニメ。『銀河鉄道の夜』がモチーフとなっている原作の第5巻『“文学少女”と慟哭の巡礼者【パルミエーレ】』をベースに、心葉と彼のトラウマとなっている少女・朝倉美羽との運命の再会がもたらす切なくも愛憎入り交じる人間模様を描く。

声優・キャラクター
花澤香菜、入野自由、水樹奈々、宮野真守、小野大輔、豊崎愛生、下田麻美、平野綾

sakurama61 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

本っておいしいんですかね?

“文学少女” というタイトル通り
文学作品である宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』がキーワードとなっています

読んだほうがおもしろくなると思うんですけど読まなくても、じゅうぶんに理解できると思うのでだいじょうぶです(^^)



高校生の心葉くんはある事件が原因でトラウマを抱えることになってしまいます(*ノД`*)
そんな中で文芸部に入部させて毎日物語を書くことをすすめる部長の遠子せんぱいにふりまわされながらだけど
たのしい日々がつづいていって(´∀`*)


でもそんなある日、心葉くんはトラウマの原因となった美羽ちゃんと再会してしまい……


一応のあらすじです


わたし最初はもっとおちついた話なのかと思ってたんですけど
まさかこんなに
みんなたくさん悩んでてシリアスな話なんだぁってちょっとびっくりでしたヽ(´Д`;)ノ


しかも遠子せんぱい「紙にかかれた物語(本)」をたべて生きてるだなんてwでもすっごくおいしそうに食べてるんですよねw

心葉くんがちょっとうらやましかったです(´ε`*)w



『銀河鉄道の夜』のジョバンニとカムパネルラをうまく心葉くんと美羽ちゃんにたとえていました^^



おわりのほうで遠子せんぱいがみんなに文学を引用して語りかけていくところはやっぱり“文学少女”だなって…


ただ1つ気になったところは
キャラの心情がわかりにくかったところです(;´Д`)
原作読めばわかるのかなぁーって…

けど、作品の全体を理解することのできる内容だったのでよかったと思います^^



とてもまとまりがあっておもしろかったので
気になった方は観てみてください(*´v`*)






ちなみに“文学少女”の『“”』がなぜついてるかというと
そのほうが画数がいいからなんだそうです!w
登場するキャラの名前の画数もついつい、いい画数にしてあげたくなっちゃうみたいでw

作者の野村美月さんすごいですね(*´ω`*)w

投稿 : 2024/12/28
♥ : 41
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ヒロインが花澤嬢だったなんて・・・、物語に没頭して最後まで気づきませんでした。<追記;OVA>

モクレンの木の下で物語をおいしそうに食べる遠子さん。
それが心葉の出会った文学少女。
これは一人の少女と一人の少年の出会いと成長のお話しである。

ある時は無邪気にはしゃぐ妹。
ある時は無償で励ましてくれる姉。
そして時にはすべてを理解し包んでくれる母。
そんな遠子さんにより、心葉は再び歩み出す。

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。
この文学小説を中心に物語が進行。
そして、プラネタリウムの夜のカタルシス。
感動せずにはいられません。

全体に流れるのは、心の闇。
しかし、それを明るく照らし出す文学少女。
一筋の清流を見ているかのよう。
そんな作品である。

<追記;OVA>

劇場版にOVAとは珍しい。
ヒロイン3人によるサイドストーリーです。

遠子さん編
{netabare}心葉と出会う前の遠子さん。
遠子さんの清楚で可憐な文学暴走が楽しいです。
意外や意外、遠子さんにあんな悲しい過去が・・・
でも、太陽のような遠子さんは前を見つめます。
そこにあの井上ミウ(井上 心葉)が。
運命の出会いです。

ところで、劇場版の出会いのシーンは演技だったんですね。
役者だね、遠子さん。{/netabare}

美羽編
{netabare}心の闇を抱える美羽。
劣悪な家庭環境のため、心が歪みます。
ホントは、誰のせいでもないんだけどね。

心葉との出会いは必然。
しかし、不幸な結果に・・・
遠子さんとの出会いは少し先の話です。{/netabare}

ななせ編
{netabare}己の気持ちを巧く表現できないななせ。
シャイで不器用なツンデレがひたすら可愛いです。
心と裏腹な態度をとるのも純なせい。
ななせ頑張れ!
ななせの片想いドタバタ騒動記をお楽しみ下さい。

それにしても森ちゃん、面倒見のいい優しい子だね。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 33

あーるぐれい さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

クオリティが高いだけに。。。

ラノベ原作らしいのですが未読。
でも、雰囲気からして、きっと素敵な物語な予感がします。

文学少女なヒロイン『天野遠子』と、主人公『井上心葉』を中心に描かれる、
透明感のある切ないラブストーリー&メンヘラ愛憎劇。
宮沢賢治をモチーフにした描写、引用がセンス良く散りばめられているあたりが
『文学少女』たる由縁ですが、物語に花を添えるキーワード程度&一般常識で
十分に理解出来るレベルなので心配要りません。


活字の映像化は、どうしても尺に合わせる部分の制約が大きいため、細かい描写や伏線のカットによって「薄っぺらく」なりがちなのですが、本作も多分その弊害が大きいかと。

ヒロイン遠子先輩はとてもキュートだったものの、それ以外のキャラクターは(愛憎劇に絡むキャラでさえ)もっと掘り下げる余地があったように思えます。
というか、もっと深くなければ愛憎劇が成立しないかも。

全体的に技術的なクオリティは高いため、やはり映像化の限界を感じる物語構成がとても残念でした。
基本的には、地に足が着いていて好きなんですけどね。

ラストシーンの透明感を感じる純粋な切なさ、
大好物ですw

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22
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