メルヘンで漫画原作なTVアニメ動画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のメルヘンで漫画原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月12日の時点で一番のメルヘンで漫画原作なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.9 1 メルヘンで漫画原作なアニメランキング1位
魔法使いの嫁(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (976)
4379人が棚に入れました
羽鳥チセは15歳の少女。
彼女は帰れる場所も、生きる理由も、そのための術も、何も持ち合わせていない。
ただひとつ、生まれ持った特別な力を除いて。

そんなチセを弟子として、そして将来の花嫁として迎え入れたのは、
異形の魔法使い・エリアス。
自然と寄り添い、悠久の時を生きる魔法使いの暮しの中で、
チセは大切な何かを少しずつ取り戻していく…。

これは、世界の美しさを識る為の物語。

声優・キャラクター
種﨑敦美、竹内良太、内山昂輝、遠藤綾
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

夜の愛し仔

WIT STUDIO制作。

身寄りもなく生きる希望も術もない、
15歳の無口な少女、羽鳥チセ。
彼女を闇の競売会で買ったのは、
人為らざる魔法使いエリアスエインズワース。
魔法使いの弟子として、将来の花嫁として、
彼女の英国での生活が始まる。

前日譚である、OVA「星待つひと」では、
エリアスのキャラ造形に適度な緩さがなく、
堅物であまり好きになれませんでしたが、
こちらではコメディ演出もあり好感が持てそう。

魔法使いとして大きな資質を持つチセ、
{netabare}それゆえに迫害を受け無気力になる。
自然と寄り添い、幻想世界の住人と交流することで、
彼女が生きる活力を取り戻した時、
世界は美しく見えるのかも知れません。{/netabare}

魔法が日常の中にそっとある、
幻想世界が私たちの世界のすぐそばにある。
このアプローチがほんとに素敵です。

最終話視聴追記。
{netabare}中盤あまり動きがなく停滞した印象ですが、
静かな世界観を壊すことなく、
過去と向き合い、それを乗り越え、
人生を、自然の摂理を教わるのです。
最後は前向きに終わり良かったと思います。{/netabare}

よくある魔法使いものとは違い、
どこか文学的な香りがする作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 103

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

まあ、エリアスったらウッカリさん(笑)!→ 気に入りました。でも世間でウケるかどうかは知りません…。原作コミック第10巻(「学院編」開始)発売中!

……エリアスの「ウッカリ」がシャレにならないレベルでチセの危険が危ない!

もうちょっと、何とかならんのかいとツッコみたくなるレベルの序盤4話なのですガ・ガ・ガ…。

ちなみに同タイトルのマンガが原作です。アニメ化前から書店店頭で見かけていて気にはなっていたのですが、未読のままアニメ視聴開始。

「この世のもの」ならざるものまで見えてしまう少女羽鳥チセと魔法使いエリアスとの出会い、それは人身売買オークションであった…。

なかなかショッキングな導入で始まる本作品ですが、世界観は素晴らしいです。というわけで、レビュータイトルの「ウッカリさん」だけにはツッコまざるを得ませんが、とても楽しみに毎回観ています。

また、詳しいレビューは(たぶん)視聴終了後に。

2018.3.26追記:
3/23の時点でMXで最終話の先行放送があり、そちらで視聴完了でした。

結果的には原作漫画を全巻読むことになり今後も最新巻を追おうという気持ちになるくらいまで気に入った作品です。原作が女性作者ということもあるのでしょうが、絵柄的には少女漫画寄りでアニメのキャラクターデザインもそちらに準拠したものでした。私的には大変好みの絵柄です。

物語の構造的には『夏目友人帳』などとも類似点はあるんじゃないでしょうか。「見える人」と「人外」の交流という意味でも、「見える人」に対する理解がある人(本作品では魔術関係者)がいるという意味でも。

結局最後まで「チセの危険が危ない!」(笑)展開は変わることがなかったのですが、その中で毎話微妙に変わっていくチセとエリアスのお互いの相手に対する心情みたいなものが本作のウリだと思います。

なので、おそらく「少女漫画的素養」を持っていないと本作を楽しむのは難しいでしょう。なので、爆発的な人気になったりはしないと思うのですが、原作の方は「学院編」などの新展開を予定しているみたいなので、地味に長く続いていきそうな気はします。

2018.3.27追記:
ふと思ったのですが、チセとエリアスの距離感って恋愛結婚よりはお見合い結婚の夫婦の感じに近いのかも…?

共に暮らすことで生まれる愛もある。

2018.11.29追記:
今更ですが、9/10にコミック第10巻(学院編: アニメの続き)が発売されています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 72
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

イングランドで魔法という安心感

<2018/5/13追記>
先日よーやく観終えました。

後半の感想を一言で言うと
「腕がゴッドハンド洋一」

全般的には良かったです。
{netabare}ダメ人間(ダメ骨頭?) {/netabare}のエリアスを
結局気がついたらチセが{netabare}尻に敷いてる{/netabare}というか。

大団円なんだろうか?
よくわからないけどあの{netabare}花嫁姿{/netabare}は少し泣けました。
これは{netabare}娘の嫁入りを見守る父{/netabare}の気分か?

個人的には前半最後の{netabare}火の鳥{/netabare}になって帰って来るとこが1番!!!

良作だと思います。

<2017/10/15初レビュー>
原作未読。
今期期待の作品の一つでしたが今のところ期待どおり。
魔法が魔法っぽいところが良いですね。
ヨーロッパの御伽噺な感じのところは好みです。

{netabare}オークションに出品された{/netabare}日本人の少女チセが犬の頭骨みたいな頭の魔法使いエリアスに{netabare}500万ユーロで競り落と{/netabare}されるところから物語は始まります。
エリアスがチセを{netabare}落札{/netabare}したのは{netabare}弟子兼嫁{/netabare}にするため。

これから面白くなりそうな雰囲気が満載です。

ところでなんとなくですが赤髪の白雪姫を思い出しました。
他の方も書いてますが、チセは白雪をとことんネガティヴにした雰囲気。
髪が赤いというのもありますが、物語全般に漂う「お姫様と王子様」感が・・・。
これからの展開次第なのでしょうが1話を観た印象は「魔法使いの白雪姫」でした。

<2017/11/19追記>
評価デフォルト3にしてましたが、今期も半分超えたので評価値付けてみました。
魔法が黴臭く感じるところ、好きです。
お話もお姫様的なものだけではなく、成長を描いているような。
そういうところも好きです。
何よりやはり雰囲気が好み。
今期は豊作です♪

<2018/1/2追記>
2クールの折り返し地点ということで追記です。

次回予告気になりましたね。
チセがエリアスの手の届かないところに行ってしまうかのような前フリがなされてました。
感覚的には「会社の後輩の女の子の面倒をたくさん見ていろいろあって{netabare}その子と社内結婚したはいいけど気がついたら俺より出世{/netabare}してるやんΣ(゚д゚lll)」という感じのせつなさでしょうか?(異論は認めます)

まあ、あのままだと{netabare}恋愛{/netabare}というより唯の{netabare}共依存{/netabare}という感じもしますし、ここら辺で大転回は望むところです。
年明けから期待大です。

ところで予告のチセの手。
モンスターエンジンのゴッドハンド洋一みたいになってましたけど大丈夫なんでしょうか?笑
まさかチセがこないだおじいちゃんの蔵でブレスレットを見つけたわけではないと思いますが。
なんか重いことあったんでしょうね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 60

75.6 2 メルヘンで漫画原作なアニメランキング2位
アリスと蔵六(TVアニメ動画)

2017年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (560)
2480人が棚に入れました
彼女はそれまで“外の世界”を知らなかった。
初めて触れるモノ、初めて見る風景、そして初めて出会う人々……。
そんな“世界”の広がりに、戸惑い、驚き、目を見開く。

名前は紗名(さな)。
“研究所”と呼ばれる施設で、“外の世界”を知らずに生まれ育った少女。
しかも、あらゆる想像を具現化する——「アリスの夢」と呼ばれる特殊な能力の
持ち主でもあった。

そして初めての“外”で、彼女はひとりの老人と出会う。
名前は樫村蔵六。「曲がったことが大嫌い」で「悪いことは悪い」という
頑固じいさん。
そんな蔵六との出会いが、紗名の運命を大きく変えていく。

紗名を追う謎の組織、次々と現れる能力者たち、そして心優しい人々との
出会い……。
世間知らずだった“アリス”は、鏡の門(ルッキング・グラス)を抜けて、
世界の本当の姿を知ることになる。


——そう、これは、私がまだ、自由に夢の国へ行けた頃の話。

声優・キャラクター
大和田仁美、大塚明夫、豊崎愛生、藤原夏海、鬼頭明里、小清水亜美、大塚芳忠、広瀬ゆうき、能登麻美子、松風雅也、内田秀

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

異能バトル+家族ドラマ=?→「人間とは何か?」

原作読んでません。ちなみに原作者の今井哲也先生は『ハックス!』(高校のアニメ研の話)を描いていた漫画家さんです。

デビュー作『トラベラー』は普通の高校生がタイムスリップするSFものです。

そして本作品をアニメで5話まで観た感じは、紗名をはじめとする「アリスの夢」と作中で呼ばれる能力者によるSFとファンタジーの中間くらいな異能バトルで、そこに蔵六じいさんや早苗ちゃんなど周囲の人々の人情要素をプラスした感じの一種独特な雰囲気の作品です。

なんというか、「異能者やそれを管理・利用しようとする者たちからの理不尽に対して日常世界から物申す」的なお話でしょうか。なお5話まで終了時点で「第1部完」らしく、大雑把な設定や世界観の説明は済んだということなのでしょう。

2017.6.26追記:
無事完走。

第1部(1~5話)が普通に能力バトル的なお話だったのに対して、第2部(6~12話)は「人間とは何か」みたいなちょっと哲学的な話になってきて、個人的には第2部の方が面白く観られました。

動物としての人間として生まれ育たないと「人間」じゃないのか、それともどんな形で生まれても自己認識が進んで「人格」が生まれ、社会と結びつきを持ったら「人間」なのか。

テーマに対して尺として13話はどうなのかと思いつつ、そんなに詰め込み感がないのはアニメを作ったスタッフがわりと優秀だっんでしょうか…?

とりあえず個人的には、桜美かつし監督作品は『ふらいんぐうぃっち』と本作で2勝、『神様のメモ帳』で1敗、『Lostorage incited WIXOSS』で1分けということで通算2勝1敗1分け(意味不明)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

不思議能力少女と頑固じじい

原作未読。最終話まで視聴。

OPを初めて見た時、『「ふらいんぐうぃっち」っぽいなぁ』って思っていたら、同じ監督さんでしたか・・・。
「ふらいんぐうぃっち」同様、視聴していて心地良い作品でした。

キャラでは、紗名や蔵六はもちろん、個人的には早苗の、のんびり優しい感じが好きでした。

9話の{netabare}あさひとよなが{/netabare}がお泊りに来た回がとても良かったです。
{netabare}第1部(1~5話)では追う側と追われる側だった3人が、{/netabare}元通りの仲良しに戻ったひと時が、視聴していてとても心地良かったです。

意味深なラストシーン。
もう少し紗名の成長を見ていたいと思っていたのですが、2期ありますかねぇ?

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45

ローズ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

御伽草子

謎の組織を抜け出してきた赤の女王と呼ばれている超能力少女の紗名。
生花店を営む樫村蔵六と出会い、一緒に逃げる事となった。

話は2つ。
紗名が施設から抜け出して自由になる事。
敷島羽鳥と紗名がワンダーランドに閉じ込められる事。
この2点です。

胡散臭い施設でしたね。
超能力を使える子供達を監禁して実験を行っていた。
機密事項なのは分かりますが、大人の利権が漂ってきます。

敷島と紗名の力が干渉してワンダーランドに閉じ込められます。
これは子供視点での出来事。
蔵六達を含めた大人達の時間を止めた敷島は責められても仕方が無い。
紗名が怒るのも理解できます。
ただし、ここまでは子供の喧嘩。
当人には理屈があるのでしょうが、冷静ではありません。
心配する大人達を無視していますね。
蔵六の説教なんて聞きたく無い筈。
色々とあって、無事に生還します。

子供は親を選べません。
どんな悪行三昧をしていた大人でも子供を作る事は出来ます。
しかし、大人は子供を選べます。
最近だったら遺伝子情報で出産前に健康診断ができますからね。

「悪い」とは何でしょうか?
正義の反対。善行を行わない事。
ここらへんで説明できるのかなぁ。
「悪い」事は「悪い」です。
しかし、それは視点の違い。
悪行でも反対の立場だったら……と考えてみると、責めるのは酷というものです。
一神教にありがちな信仰心によって妄信する事無かれ。
子供と大人では世界が違います。

本作品では紗名が子供代表、蔵六が大人代表ですね。
先人から受け継がれている、人としての正しい生き方。
蔵六は紗名を導いています。
それは同じ道を辿って来たから。
赤ん坊・子供・少年少女期・青年期などなど……
人間も他の生物と同じ。
始めから大人に生まれるという事はありません。
誰しもが持っている幼少期。
正しい生き方を導くのが大人の役割というものでしょう。

私は子供は天使であり悪魔でもあると考えています。
天真爛漫で無邪気に笑う所……天使ですね。
親の心配を気にせず、高価な玩具をねだる所……悪魔ですね。
全ては子供の見せる側面の1つに過ぎません。

紗名は蔵六と出会えて良かったのか?
施設の研究対象であった紗名。
その時は大人の利用されるだけの存在価値しかありませんでした。
しかし、その施設は崩壊。
紗名は蔵六の元で暮らすようになります。
蔵六が昔気質な頑固な老人というチョイスも良いですね。
チャラチャラしている若者世代だったら子供の育て方が違います。
礼節を重んじる蔵六の教育方針。
相手が子供でも、悪い時にはキチっと叱ります。

紗名の自我の一部であるワンダーランドは解放されました。
大人達は利権を狙って対立しそうですね。
しかし、主役は子供達。
紗名や敷島などの超能力保持者たちの不思議な世界です。
子供は夢を持ち、成長するにつれて現実に直面して諦める。
たまに大人になっても夢を捨てずに一直線という人もいますが、これは例外。
夢の住人である子供達。
大人は子供に託せる世界を作っていかなければなりません。
子供が道を踏み外そうな時ですか?
その時は、蔵六に一喝してもらいましょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

76.5 3 メルヘンで漫画原作なアニメランキング3位
ハクメイとミコチ(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (402)
1592人が棚に入れました
ハクメイとミコチ。
緑深き森で暮らしている、小さなふたりの女の子。
木の洞(うろ)に家を造ったり、葉っぱを傘にしたり、昆虫や鳥の背に乗ったり……
身長9センチメートルなら、そんな事も出来るのです。
そーっと覗いてみませんか?
穏やかで愉快で、とびきり愛らしいその生活を。

声優・キャラクター
松田利冴、下地紫野、悠木碧、安済知佳、松風雅也
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

こびと日和

漫画誌「ハルタ」連載。

絵本から飛び出したような、
色彩豊かで穏やかで愉快な作品です。
森で暮らす小さなふたりの女の子、
ハクメイとミコチ。
身長はわずか9センチメートル。
小さな世界の小さな住人の暮らし。
物語に根付く虫や動物たちの息吹。
不思議と面白いです。

こびとから見たこの世界は、
全てが新鮮で驚きに溢れています。
こういう世界観こそ侮れませんね。
心穏やかに楽しみながらも、
人生を教わりたいと思います。

3話視聴追記。
コメディあり感動ありの素晴らしいエピソード。
{netabare}椪柑の木の下でキャンプ。{/netabare}
自然の恵み満載のヘルシー料理。
ハクミコの役割分担がしっかりしていていいね。

最終話視聴を終えて。
小さな世界にも文明がある。
{netabare}汽車が出てきたことに驚きましたが、
制作陣は意図してお構いなしでしょう。{/netabare}
最終話のキャラバンのエピソード、
美しく印象深い物語でした。

アニメにしか出来ない、
アニメの素晴らしさが伝わる作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 74

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

最初のうちはいろいろ気になってツッコんでいんたんですが、だんだんどうでも良くなってきました。「木こりの歌」のパンデイロ伴奏、めっちゃアガる!

原作マンガは未読です。

ハクメイとミコチはコロボックル的な種族で、ネズミやイタチなどいくつかの他種族とはコミュニケーションが取れる感じで日常生活を送っているようです。

昆虫に荷車を引いてもらっていたりする一方で、フクロウに食われるんじゃないかとビビったりもしていて、どの種族なら意思疎通できて、どの種族ならできないのかが良くわかりません。

あと、植物はさておき肉料理も出てくるわけですけど何の肉を食べているのかとか…。

焚火で調理をする、鉄も含めた金属加工ができる、文字がある、貨幣があるといった感じの文明レベルみたいですけど、内燃機関やモーターなどの使用はない一方でネクロマンス的なことができる人がいたりとか、一歩間違うと危ういバランスの世界観が構築されています。

最初のうちはそういった危うさが気になっていたんですけど、視聴を続けていくうちになんかそういうのはだんだんどうでも良くなってきたんですよ。で、良く考えたら夏目友人帳でも話がまともに通じる妖怪と問答無用で襲ってくる妖怪とかがいるのと一緒で、あんまりそこは気にしなくても良いのかなと思うようになりました。

そういった感じでこの作品の世界観に免疫ができてくると、わりと楽しく観られるようになりました。まあ、そこらへんの世界観の危うさは児童書とかとあまり変わらないのかなと思います。

ハクメイ(工作や壊れた道具の修理、アウトドアなどが得意)とミコチ(料理や裁縫、雑貨作りなどが得意)がお互いに異なる得意分野を活かしながら日々楽しそうに慎ましく生きている様を楽しむ「異世界の日常」系アニメなのだと思いました。

ハクメイとミコチ以外に各話で出たり出なかったりするサブキャラたち(コンジュ、セン、イタチのイワシ親方、大工組合会長のナライなど)もなかなか良い味を出していると思います。

2018.3.9追記:
9話: センの研究はリズムで制御するネクロマンスなのでパーカッションが出てくるのは当然なんですが、サイモンを動かすときにコンジュが叩いていた(ことになっている)パンデイロの演奏が、単純なリズムとはいえめっちゃレベル高くてアガりました。

私もパンデイロ演奏、もっと頑張ろう…。

2018.4.2追記:
最終話を観終わっていたのですが更新しそびれていました。何だろう、「異世界日常系」とでもいえば良いジャンルなのでしょうか。

登場人物に尖った才能の持ち主が多い中で、むしろハクメイやミコチは優秀ではあるけれども意外と常識人だったりするのはちょっと面白いところですね。

毎回EDの背景で流れる、本編に関連した追補エピソードみたいな奴はとても良かったです。これだとEDはとばせない(笑)。

「続きが気になる」タイプの話ではないのですが、毎回安定した面白さはあったと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 55

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

のんびりしたい時に観ると◎

<2024/6/5 追記>
自分の中で評点の基準を変えたので、修正レビューです。
(4.2→3.7 100点満点換算で68点)

ひたすら穏やかな絵本のような世界
結構好みです

<2018/5/5 追記>
よーやく観終わりました。

終始謎な世界観。
結局、実寸サイズの人間はいないような。
ハクミコサイズの汽車とか出てきましたし。
でも気にしない。

文明としては第二次大戦直前くらいのレベルでしょうか。

働いて、食べて、遊んで。
1日の終わりにはお風呂入って、のんびり家でお酒飲む。

こんな風にまとめると自分とあんま変わらん生活なんだけど、うらやましく感じるのはなぜだろう?
せかせかしてないから?
暖かいファンタジー世界だから?
多分どっちもなんだろうな。

ハクメイとミコチは身長10〜15㎝くらい?
だから一粒のブルーベリーもバカでかい。
それを西瓜のように切って、おやつの時間。
可愛らしいんだけど彼女たちにとってはそれが当たり前という。

アタゴオル・シリーズのような不思議さと伸びやかさが良いですね。

深く考えずにぼーっと観るとよいと思いました。

<2018/1/23 初投稿>

見始めなので評価はデフォルトの3です。

北海道のコロポックル伝承のようなお話。
身長15cmくらいの人間が虫やカエル、鳥などと共生しています。
(虫やカエルは話せます)

主人公のハクメイとミコチは同棲始めたばかりの・・・これ、カップルなんですかね?
二人は森の中に住んでます。
まさにコロポックル。

でもこのコロポックル達はかなりの人数がいて、虫やカエルたちと大きな街も作ってます。

が、いかんせんちいちゃい。
なのでエコ。
ミコチが家で料理するシーンでプチトマトが出てきました。
でかいミコチに比べるとかぼちゃサイズ。
どんだけ食っても食糧不足になんかならんだろし、仮にどんなに文明進んでも環境破壊が問題になることはなさそう。

エコなユートピアのお話です。
結構気に入りました。。

<2018/1/30追記>
他のレビュアーさんから教えてもらいました。
ハクメイは女性なんですね。
うーん・・・見えない。
おばさんだと思ってもそうは見えない。
旧作のキノも大概でしたがこれは
不思議だ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

76.6 4 メルヘンで漫画原作なアニメランキング4位
ソマリと森の神様(TVアニメ動画)

2020年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (382)
1674人が棚に入れました
森の中で私は"それ"と出会った。それ(人間)は、わたし(ゴーレム)を「おとうさん」と呼んだ----。地上は異類異形の人外たちが支配する世界。人間は迫害され、絶滅の危機に瀕していた。そんなある日、森の番人である「ゴーレム」とひとりの人間の少女が出会う。滅びゆく種族「人間」と森の番ゴーレムの父娘の絆を綴った旅の記録・・・

声優・キャラクター
水瀬いのり、小野大輔、七海ひろき、鈴木達央、小野友樹、早見沙織、小林ゆう、速水奨、関智一、茅野愛衣、高垣彩陽、柴田理恵
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

ファンタジーだからこそ心理描写が大事

原作未読


つくづくジブリは偉大だと思う。


『ラピュタ』のロボット兵が『トトロ』のメイちゃんを連れ『千と千尋の神隠し』並に素性を知られてはいけない世界を闊歩する話。


これでこの作品どんなん?の回答となり得るからである。共通認識ができてるんですよね。

完全なファンタジー世界です。先述のロボット兵みたいなのが“ゴーレム”森の番人。メイちゃんみたいなのが“ソマリ”ゴーレムに拾われた人間。
長寿命であるゴーレムは寿命が尽きる日が近いことを自覚し、ソマリのために同種族の人間のもとへ彼女を返すあてのない旅に出ます。種族はいろいろ。人間は捕食対象で絶滅種扱いという世界です。

例によって世界観構築が勝負のファンタジー世界ということでは、概ね成功しているように見えます。
原作連載中の事情もあってか中途半端な終幕ではありましたが、一区切りつけてはいるのでそこは賛否両論というところですね。


ソマリのフード姿。目的のあるあてのない旅。このへんは↓

 {netabare}『銀河鉄道999』のメーテルと星野鉄郎の関係を彷彿させる。{/netabare}

感情のない大人と身寄りのない娘の交流。このへんは↓

 {netabare}『LEON』のレオンとマチルダの関係とも言えなくもない。{/netabare}

いずれも名作の予感を感じさせる立ち上がりではありました。


 {netabare}二人はどうなるのか?{/netabare}


本作のテーマです。
そしてこのテーマにこだわるか否かで作品評価が変わるといえるでしょう。
私はテーマ(と感じたもの)にこだわるとした上で「きちんとした結末から逃げたな」とネガティブな評価をしてます。なぜ逃げたのかな?と考えると原作(未読)のまずさに落ち着きました。このへんは後述。
意見は別れるところで、ファンタジーの世界観、全12話で一区切りと評価すべきポイントもある作品です。1クールだし観て損はない作品だと申し添えておきます。
そして声優“柴田理恵”。これはこれからどしどし仕事来るんじゃないかなというくらいの水準でした。貴重なのでこれ見たさという視点でもお釣りくるかもしれませんよ。


以降に展開するのは、本作品を面白いと感じた方には面白くない内容かもしれませんのでご容赦を。

※ネタバレ所感


■ソマリちゃんごめんよ

水瀬さん良かった!の声が並ぶはずですが、そここそ声が甲高くて苦手でした。周波数高めです。

{netabare}声だけでもないです。お使いにもいけるので5歳以上小学生低学年程度の設定でしょう。教育受けてないからの言い訳も立つし物分り良い必要はないです。だが我慢ならぬ鬱陶しさ。当初は天真爛漫キャラなんだろうなぁくらいで流してましたけど、作品自体の人間種の描き方が雑で、単に人間を描けないのね、という方向に考えが向いていきました。{/netabare}


■種族としての人間(重要)

ゴーレムとソマリの関係が作品のテーマとしたら、人間とその他種族との関係や未来は作品テーマを貫いてる重要な部分です。
この人間の描かれ方に首を捻りまくった私です。さっき後述するとした原作の不味さに繋がる部分。

{netabare}排他的になる理由が薄くないですか?むしろ「理由は無い」といってもいいんじゃないですか?
自分と違うからといって排斥する。そんな人間種の描写が繰り返されました。

・ケモノに襲われた人間の子供を助け、負傷してるその子を抱きかかえ親元を訪ねたら銃殺さる
 →さすがにそれはヒドイんでないかい?
・それまで仲良くやってたのに人間の幼女助けるために空を飛んで身バレしたらアウト!
 →え?目の前で助けてるの見てるのに言い分も聞かないんですか?
 →幼女とだけは理解し合えてた!っていい話にならんよ

“排他的な人間”を描きたいがための結論ありきで深掘りできず無理筋な描写になってます。こっち(異形)は何にも思ってないのにむこうがヒドイからは充分伝わってくるけど。人間があんなん(DQN)なのでこの点は説得力ありましたがなんだかなぁ。{/netabare}

これは嫌な感覚でした。

{netabare}人間だけが排他的でだから滅亡したというのを言いたいのでしょう。
なお、人間以外の異形の種族間での軋轢は一切描かれてません。

異なる種族は始めから仲良しなのです。以前は軋轢があったけど克服したよ的発想が作者になさそう。
人間だけひどい奴らです。そのひどい理由が全く描けてません。差別する奴はただ差別したいから差別するんだ!って浅っ!!そして薄い。杉村太蔵の政治評論ばりに薄口でございました。{/netabare}

この人間とその他種族との関係が納得感のあるものであれば幾分ましだったことでしょう。
巡り巡って異種族間のつなぎ役にもなってたソマリの存在意義が生じてくるからです。
ここも原作者はせいぜい「話せばわかる」くらいの発想なんだろうなぁと気持ちがひいてきました。
さらに巡り巡って連載終わってないのを考慮するとしてもアニメの結末はしょうがないだろうと諦観。きっと{netabare}「シビアなの描けないな」「描いてもつまんなかっただろうな」{/netabare}期待できなかったので、このお茶濁しエンドが限界だったと思えるのです。



あらためまして、、、ジブリは偉大です。
一方で巨匠の限界は主に後期の作品で露呈してました。
戦闘機設計者の意思や奮闘を描きつつ、その熱意の結晶の活躍の場は徹底的にぼかす。そんな作品が彼の最後(一応ね)の作品となってます。

奇しくもそれと同じ感覚が湧いてきた『ソマリと森の神様』。全般的に悪くない雰囲気で流れてくのに「そこ描かなかったら意味ないじゃん」という残念さ。そんなとこまでジブらなくていいのになぁ。



視聴時期:2020年1月~3月 リアタイ

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2020.04.06 初稿
2020.05.02 タイトル修正/修正
2020.10.11 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 58
ネタバレ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ソマリの笑顔のもとは・・・

とても暖かい物語です。
見終わった後、優しい気持ちになれます。

物語は遥か未来。
異類異形の人外が世界を支配しており、人間が迫害されている世界。
ロボットのゴーレムは、森の神様として森に生けるものを見守っていました。

だが、ある日、ゴーレムが一人の幼女ソマリと出会います。
ソマリに出会うことで、ゴーレムに奇跡が起こります。
感情を持たないはずのロボットに優しい感情が芽生えるのです。

でも、ゴーレムは自身がまもなく寿命で、活動を停止することがわかっていました。
活動が停止する前に、ソマリを人間に預け、幸せにしたい。
それがゴーレムの願いでした。

ソマリは、ゴーレムが大好きで、いつも「お父さん」と呼びます。
ソマリは人間に出会うよりも、お父さんと一緒にいたかった。
お父さんさえいれば、あとは何の願いもなかった。

やがて…、{netabare}ゴーレムは気づきます。
自分が最もなすべきことは、ソマリの傍にいることだと。
それがソマリを最も笑顔にすることだと、気づくのです。{/netabare}


笑顔の素敵な天使と一緒に暮らしてられる人は、
決して天使を手放さないでください。
自分がいない方がこの子の幸せだ…などとは、決して思わないでください。
だって、その笑顔は、貴方がいてこそ見せることができるのですから。


オープニングは、森山直太朗が歌う「ありがとうはこっちの言葉」
エンディングは、ソマリ役の水瀬いのりが歌う「ココロソマリ」
どちらも優しく美しい歌です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 52

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「人間」とは何か? 「親子」とは何か?

== [下記は第4話時まで視聴時レビュー: 以下、追記あり。] ==
第4話まで観た時点で、このレビューを書いています。原作は未読です。

ここでいう「人間」は、作中の種族としての人間って意味ではなくて魔物も含めた「心を持った生き物」って意味ですけど、ゴーレムは人工生命的なもので本人(?)も「ゴーレムに心や感情はない」って言ってますが、じゃあそもそも「心」とか「感情」って何なのかという、わりとAI研究寄りでもある問題がこの作品では扱われているように思われます。

また「実の親」に対して「育ての親」という言葉があるわけですが、成長途中の子供にとっての「親」とは何なのかという問題もこの作品では扱われているように思われます。

そういった問題について、ファンタジー世界をバックに考えてみようという中々の意欲作のようですね。背景美術が美しかったりする点もあって、あにこれではわりと高評価を得ているようです。

こういうストーリーへの向き不向きはあるとは思うのですが、ハマる方はハマる感じの作品じゃないでしょうか。

上記の他にも人間とその他の種族たちとの関係とか、それと関わって残されている伝承とかもわりと気になりますよね。

追記:「共同体への帰属意識」という問題も扱われそうですね。ソマリの生い立ちでは、もはや「普通の人間の社会」では暮らせないように思われます。
== [第4話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

2020.3.27追記:
第12話(最終話)まで視聴終了。

最初のレビューで「気になる」と書いていた「人間に関する伝承」については、作中でけっこう明かしてもらえたように思います。

「人間」にしろ「魔物」にしろ、「被害を受けた」と思っている当事者たちはどうしてもその怨恨を拭い去ることができませんし、それを子々孫々に渡って語り継いでしまうというのは世の常といったところでしょうか。

一方、森の中で共同体との関わりを長らく絶っていたゴーレム、あるいはそのゴーレムに育てられたソマリにはそういったわだかまりはないわけです。

本作の問題を現実の人種や国籍に当て嵌めて考えてみるといろいろと思うところは出てきます。そういう意味で「良い作品」だったんじゃないでしょうか。

もちろん情緒面でも心情に訴えてくるものは多かったです。親子関係とは最初から「ある」ものではなく「作る」ものといったところでしょうか。仮に「生みの親」であったとしても、「親であろう」としない限り親子関係は成立しないんですよね…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 49
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