メキシコで残酷なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのメキシコで残酷な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年10月21日の時点で一番のメキシコで残酷なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

74.2 1 メキシコで残酷なアニメランキング1位
虐殺器官(アニメ映画)

2017年2月3日
★★★★☆ 3.8 (252)
1855人が棚に入れました
世界の紛争地を飛び回る米軍特殊部隊クラヴィス・シェパード大尉に、謎のアメリカ人の追跡ミッションが下る。その男、「ジョン・ポール」は、紛争の予兆と共に現れ、その紛争が泥沼化するとともに忽然と姿を消してしまう。かつて有能な言語学者だった彼が、その地で何をしていたのか。アメリカ政府の追求をかわし、彼が企てていたこととは…?

声優・キャラクター
中村悠一、三上哲、石川界人、梶裕貴、小林沙苗、大塚明夫、櫻井孝宏
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ジェノサイドの匂い

伊藤計劃原作、PROJECT第3弾。
ゼロ年代SFベスト国内篇第1位。

核の炎がサラエボの街を焼いた。
テロの脅威に対抗すべく先進国では、
科学技術により監視の網の目が張り巡らされ、
一方発展途上国では内戦と民族対立により、
無数のジェノサイドが頻発していた。

虐殺の陰に常に存在が囁かれるジョンポール。
ジョンポールとは何者か!?
{netabare}アメリカ国防総省で言語を研究していた彼は、
ある日を境に公然と姿を消した。{/netabare}
頻発する内戦と彼との因果関係は!?
内戦の混乱の中、主人公クラヴィスを中心に、
アメリカ軍によるジョンポール捕獲作戦が開始される。

伊藤PROJECTでは最も理解が容易い作品です。
ジョンポールの目的は明確でした。
{netabare}ホロコーストの歴史を学び、
ルワンダやカンボジアの虐殺を学び、
彼は人が持つ古い機能を見つけたのです。
人には虐殺を司る「器官」が存在し、
その器官を刺激し活性化させる「文法」があると。
言葉が人間の行動にいかに影響を及ぼすのか。
良心を捻じ曲げテロリストの芽を育てる。{/netabare}

戦場の少年兵を平易に殺戮するクラヴィスは、
感情を最適化された現代人の象徴でしょうか。
極めて理性的で空虚な人物たちの物語。

皆様にもぜひ触れて頂きたい。

投稿 : 2024/10/19
♥ : 50
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ジェノサイドの正当化

または
虐殺をジャスティファ~イ

いつもながら原作は未読。本編もレビューも不穏なタイトルですね。文字通り不穏なやつです。
少し前に遇々『バビロン』という迷作に触れ、その作品談義で頻出してたタイトルがこれでした。

・34歳の若さで早逝した原作者伊藤計劃
・原作『虐殺器官』その評価の高さ
・ノイタミナムービーなるブランド

これまで知らなかったことを知ることができました。これだけでもお得感あるかしら。
早逝したこともあり数少ない輩出作品をアニメ化する試み「Project Itoh」三部作の締めを飾った作品。2017年2月公開のR15+指定。115分です。

あらすじ:サラエボで起きた各爆弾テロを機に世界各国でテロが激化。アメリカを筆頭にテロに対抗する中で先進国では沈静化の方向。後進国では内戦や虐殺が頻発。といったIFストーリー。
後進国で指導層に接触し対立を煽り、内戦や民族対立による虐殺などを引き起こす黒幕として暗躍すると見做されたとある人物を暗殺せよ!
その実行役である特殊部隊員クラヴィス・シェパード大尉が主役の物語です。


戦闘行為にまつわるグロ表現っぷりでR15+指定となってます。
詳細に触れると、タイトル“虐殺”から想像しそうなスプラッター的おどろおどろしさが主成分のグロではありません。あくまで銃撃戦で斃れる敵兵の描写がそれらしいだけ。想像と違ってライト風味かもよってことは指摘しておきます。程度や具合は18禁ではなくR15指定ということでお察しくだされ。
年齢制限が入るのはクリエイターがやりたい表現をできていることの裏返しな部分もあって、本作のミリタリ描写はアニメの中でも超一級の部類に入ると思われます。オペレーションの合理性や演出の迫力などモノが違う感じがします。
『劇場版PSYCHO-PASS』のミリタリ描写との既視感を覚えましたが、プロデューサーがご一緒ということで納得。ノイタミナで辣腕をふるった山本幸治さんです。それでノイタミナムービーということもあるのね。いろいろ繋がってきました。


 世界観 ◎ ※後述
 軍描写 ◎


軍事作戦がベースにあるお話なので根っこが変だと台無しになっちゃいますがその心配はありません。
あとは通しでの物語の面白みであったり、黒幕ジョン・ポールの目的が腑に落ちるものかだったり、やはりというか作品から受け取るメッセージへの共感の有無が気になります。


 物語 △と○の間


タイトル回収を済ませ、大国のエゴも匂わせる国家の繋がりや人間の持つ原罪のようなものへの言及。おそらくこうだろうと想像できる結末もアリといえばアリ。ただしいかんせんよくわからない。

 {netabare}雰囲気だけかっこいい?{/netabare}

劇場版なので視聴者に想像させる手法を否定しないけど軽い匂わせ止まり。肉を焼く匂いで白飯を食べるような感覚。もう少し踏み込んで欲しかったです。
ところがふとしたとこで原作のネタバレを聞き、

 物語・改 ○と◎の間

となりました。

※原作ネタバレ
{netabare}ジョン・ポールの遺志を継いだクラヴィス・シェパードがアメリカに戻り、“虐殺の文法”を駆使してアメリカを内戦に導いていく。{/netabare}

{netabare}小国の犠牲の上にある大国の繁栄について自問自答が描かれてたとのことです。南北問題ですね。{/netabare}


“人工筋肉”なるガジェットが途上国の子供たちによる搾取的な労働に支えられている、とフェアトレード運動に通底するネタが挟まれてましたが、そんなネタが最終的に繋がっていくところまで提示しないのはもったいなかったですね。
とは言っても雰囲気や見た目を馬鹿にするなかれ、です。映画を観てる時間だけその世界に浸れる幸せを実感できる劇場版作品でしょう。その点で買い!優秀な娯楽作品です。




※後述…の世界観◎について

■United Nations

“国際連合”とは意図的な誤訳です。“連合国”が正しくその国連憲章には日本を敵国と見做した条項が残存していることをご存知でしょうか。たかが条文、実態は違うとも言われますが、この敵国条項を除こうと日本が働きかけてもしっかりChinaは潰しにきてくれたりするのが現実です。
永らく“平和のための国際組織”と喧伝され教科書でもそう習ってきた私たちですが、非常に矛盾を孕んでいるのです。直近の事例だと国連の専門機関WHOの武漢肺炎をめぐるグダグダっぷりでしょうか。

 金だけ出して口は出さないでね

日本に求められてる役割がこれ。よって個人的にはあまりこの組織をよく思ってません。そんなとこへ作品の冒頭↓


{netabare}「寛容と多文化主義がこの国の美徳だったのに」と今は民族浄化に勤しむ途上国の指導者がベートーベンの『月光』をバックにシェパード大尉に独白します。
何故自国民に手をかけたのかわからない。黒幕ジョン・ポールの存在を匂わせる一幕です。その前段。

シェパード:
「その国民を殺して回る。あんたの言う政府とやらはどの国連加盟国からも承認されていない」
えらい人:
「国連?我々の文化を土足で踏みにじり、自決権を鼻で笑う最悪の帝国主義者どもが…」{/netabare}


主人公へのシンパシーはもちろんのこと小国の哀しみなんかをこの指導者に見ることができます。きちんと序盤から下地を作っているのです。



■1974年と1975年

原作者伊藤計劃氏とプロデューサー山本幸治氏の生年です。けっこう作品に影響しているような感じ。
だいたいにして小学生時代のバイブル。ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』が原題『A計劃』。これホント漢字なの?と伊藤少年の脳裏に焼き付いてたことは想像に難くありません。
多感な中高生時代で起こった世の中の出来事と暇な大学生時代に触れたであろう作品群。この年代特有の感覚が作品に反映されているとふんでます。

15歳前後で「ベルリンの壁崩壊」「ソ連崩壊」を経験。なんとなく大きなうねりが起こっていることを感じつつ、チャウシェスクの銃殺遺体のインパクトだけ覚えていた思春期。
中学の社会科では、“コルホーズ”“ソフホーズ”などを例にとり計画経済を好意的に捉えていた教科書で学んでました。なんせまだ崩壊前だったので。

その後の東欧民主化で泡を食ったのが欧州の火薬庫バルカン半島。ユーゴ紛争が停戦合意したのが彼らが社会に出る頃合い2000年頃でした。
思索に励むことが可能な大学生時代には小林よしのりの『戦争論』が大ヒット。United Nations(連合国)が構築したWWⅡ後の枠組みに疑義を呈した意欲作と言えましょう。

ドイツおよびチェコを舞台としたサスペンス作品『MONSTER』(浦沢直樹)
ユーゴ紛争で故郷を破壊した者への復讐の物語『PEACE MAKER』

90年代後半に発表された東欧を舞台にした名作群もきっと学生時代に目にしてるんでしょうね。
思えば「ソ連崩壊」とはもの凄く大きな出来事で共産主義の敗北に象徴される第二次世界大戦後の枠組みが崩れたことを意味してました。余波は覇権国アメリカにもおよび歪みの極地が“9.11”にと。

そういえば『MONSTER』のヨハンもニナも1975年生まれの設定です。
朝日・岩波的な言説がインテリの条件だった時代から潮目が変わったのはこのへんの年代からかしら。


国際紛争やミリタリ要素の強い作品を描く時にチェコやユーゴの東欧を舞台にしたくなる気持ちがわからんでもない世代。
お話にしやすい国際情勢の煽りを若かりし頃に浴びちゃったこともあるし、中東やジャングルでの紛争よりも身近に感じることのできるエリアでした。今は情勢も落ち着いてますので実際訪れてみるのをおすすめしますよ。異世界ものにありそうな古き良きヨーロッパの風景は中欧・東欧に残ってます。



視聴時期:2020年3月

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2020.12.09追記

5月が初稿の本レビュー。半年経過して“武漢肺炎”の呼称は聞かなくなりましたね。“新型コロナ”で定着した感があります。こうして振り返って気づくことはままあります。
定点観測することで変化に気づく。現在の断面だけ見て踊らされることのなんと多いことか…


2020.05.18 初稿
2020.12.09 追記

投稿 : 2024/10/19
♥ : 35

TAKARU1996 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

「僕達」は「終末」である。それとも、「始まり」であろうか?

これは心に「覆い」が被さる前に、「無感覚」になる前に、「罪」を背負って「罰」を受けなければならない、「僕達」の物語だ。



『虐殺器官』と言う小説が出版された時の事は、今でもよく覚えています。
小松左京賞なんてど偉い賞の最終選考に、円城塔氏の『Self-Reference ENGINE』と共にノミネートされた本作『虐殺器官』
2006年は、約10年と言う歴史を紡ぎ終えた賞において、最上級の激論と最大級の衝撃が巻き起こった年だったといえるでしょう。
賞が作られてから初めての受賞者なし
小松左京賞を作った小松左京氏自身が、『虐殺器官』受賞を反対したと言う事実
しかし、反対された当の本人は時代を切り開いた、鮮烈な立役者でありました。
発売された当時、「傍観者」であった私も書店へ行って購入した事が記憶に新しいです。

そして、昨日、この映画を観て、ああ、また思い出してしまいましたよ。
ページを捲っていく中途に段々と生じていった、あの「緊張感」
他人の「業」を眺めていく内に、自らに薄汚い性悪説を見せ付けられていく、あの「嫌悪感」
そう、あの最後に至ってしまった時に生じた、ざわざわとした感情も…
「恐怖」と俗にカテゴライズされる物が、私の脳裏を一色に染め上げて行く感じ
原作もそうだが、この映画も同じくそう…
下手すると、この『虐殺器官』と言う作品は、べたなホラー映画よりも恐ろしい。
「共感性」も「罪悪感」も持たない、感情を操作された、相対するゾンビ共の紡ぐ、実に「人間らしい」物語です。
詳しくは他の方がかなり緻密に、詳しく説明されているので私は割愛するとしましょう。
また、「虐殺の経済学」について知っている人は、ジョン・ポールの目的にもやすやすと辿り着くと思いますので…
驚きたい人は無理に調べない事を推奨します。

さて、これから観る方達は、映画を見終わって自分達の家に帰るまでに、様々な「傍観者」を見る事でしょう。
スマホを見ながら、脇見せずに画面だけ見て歩く人
音楽を聴きながら、外界と隔絶した世界を自身の中に構築してる人
和気藹々と語り合う家族や友人同士、恋人同士などの群れる人
世の中には様々な人間がいます。
しかし、そんな彼らに違和感を感じたなら、あなたの鑑賞姿勢は大成功、充分に映画を理解したと言えるでしょう。
人々は「見たいものしか見ない」もの
あなたは「見たくない物」をきちんと見据えられていますか?
映画を観終わった後に「見た者」を見て、あなたが「違和感」を感じる事の出来る、「ほんとうのこと」を見咎められる、強い人間である事を祈っています。

今作は終わらないノイズが語る、「終わらない終末」「滅びのない滅び」
つまり、これは「僕達の終末」を描いた物語
そして、これは「僕達の始まり」を描く物語
決して終わる事のない、これから先も紡がれるであろう「終末の物語」です。
彼の言葉を阻む事は決して出来ない。
私達に出来るのは、彼の遺志を、他者に語り継いで伝える事だけ…
あなたは『城』の住人であり続けますか?
それとも「測量士」となって、周囲を見渡す覚悟を持ちますか?
「終末」を選ぶか、「始まり」を選ぶかはこの映画を観た私達にかかっていると言えるでしょう。
さあ、決断の時だ。

P.S.
もう既に原作『虐殺器官』をお読みになった方へ1つご忠告を…
この映画では、原作において恐らく最も印象深かったであろうシーン、「母親」とのシーンが丸ごとカットされています。
しかし、違和感は全くありません。
寧ろ、制作側も苦渋の決断だったようで、パンフレットを買うとそのカットした「意思」が大変よく分かる物でした。
気になる方は是非ともご購入を…

P.P.S.
http://www.news-postseven.com/archives/20120425_101144.html
本書が発売された当時は「夢物語」だと想っていた産物が、10年経った現在では「預言書」として扱われています。
どうか、この「預言書」が「預言」のままで…
「預言書」が「歴史書」に変貌を遂げない事を願います。

投稿 : 2024/10/19
♥ : 16

62.6 2 メキシコで残酷なアニメランキング2位
エル・カザド(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (174)
1116人が棚に入れました
物理学者ハインツ・シュナイダー殺害の容疑者で1人の少女に巨額の賞金が懸けられていた。その少女の名はエリス。数多くの賞金稼ぎたちが彼女の行方を追い求めていた。女賞金稼ぎのナディはメキシコの田舎町で遂にエリスを見つけるが、エリスの驚異的な身体能力を目の当たりにし、ふとしたいきさつから他の賞金稼ぎから救うことになる。そして、エリスが行きたがっていた南へ彼女を連れて行く代わりに、目的が済んだらナディの言うことをきくという条件で、かくして賞金首と賞金稼ぎの、奇妙な逃避行が始まることになる…。

声優・キャラクター
清水愛、伊藤静、久川綾、三宅健太、宮野真守、三木眞一郎、立木文彦、井上麻里奈

coldikaros さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

真下三部作の三作目

MADLAXよりよっぽど良かったけど、NOIRよりは面白くない。そんな感じです^^;
考えて見ればこの三部作、すごい似たり寄ったりだったなーと思います。でも、色々試行錯誤してもっと面白くしようと考えてるのが伝わってきましたね。
音楽はこれに合ったのをしっかり使ってますし、作画も表現するに足る物になってます。
声優さんの演技もなかなか良かったです。
正直なところ25話の感じを見て、これはいつもと同じか?と思わされましたが、最終話をしっかり作ったところはかなり評価できると思います。
もしMADLAXを見てもういいかなって思った人がいるとしたら、もう少し!もう少し見てやってください!
少なくともMADLAXよりはいい作品ですから^^;

投稿 : 2024/10/19
♥ : 5

イブわんわん さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

ガンアクション+魔女のアニメ 「いえっさー!」

全26話、真下監督美少女ガンアクション3部作の3作目。

賞金首で魔女のエリスと賞金稼ぎのナディの旅の物語。

他の2作品よりもキャラがとても個性的で丁寧にしっかり描かれているのが印象的でした。
特にエリスちゃんの純粋無垢で天然が入っている不思議ちゃん具合がたまらなくよかったなあ♪

ガンアクションとは言うものの、各キャラの心のつながりや動き、絆が深まっていくところなんかは、時間をかけてじっくり描写しております。
感情を持たないエリスちゃんが、少しづつ感情を持ち始め、ナディとの距離が近づいていくところなんか最高でした。

1クール目は1話完結的で、本線の動きはゆっくりですが2クール目あたりから動き始めます。
エリスちゃんが色んな組織から狙われ続けますが、最後は綺麗に収束します。

音楽はNOIRやMADLUX同様梶浦由記さんです。
個人的には最終話綺麗にまとめすぎたかな?なんて思いました。(気になる伏線があったので)

エリスちゃんの「遺言があったらどうぞ」の台詞にナディとの硬い絆を感じました。

投稿 : 2024/10/19
♥ : 11

kotoba-巧 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

遺言があったらどうぞ

地上波で放送してたとき最も気になってたアニメだったが忙しく見れず・・・
ずっと題名もわからず気になったままだったが、最近やっとこの作品を発見して一日で全部見ました!
最後のナディの涙にはとても感動しました。
あまり評価されていないようですが、ほのぼのした中にも人間ドラマがあり、作画も良く、キャラもすきで自分の中ではお気に入りの作品です。
ただ1クールでもよかったんじゃないかと・・・



投稿 : 2024/10/19
♥ : 3

71.7 3 メキシコで残酷なアニメランキング3位
リメンバー・ミー (アニメ映画)

2018年3月16日
★★★★☆ 3.8 (74)
351人が棚に入れました
主人公は、メキシコのサンタ・セシリアに住む12歳の少年ミゲル・リヴェラ。彼が生まれ育ったリヴェラ家には、先祖が音楽家としての夢を追いかけ家族を捨てた過去があることから「音楽禁止」という掟があり、代々靴屋を営んできた家庭だった。家族から固く音楽を禁じられているにも関わらず、ミゲルは亡きミュージシャンエルネスト・デ・ラ・クルスに憧れており、彼のグッズを飾った部屋で家族に見つからぬようデラクルスを真似てギターを弾いていた。
1年に1度だけ他界した先祖が家族に会いに来るという死者の日、音楽コンテストに出席することを決意したミゲルだが、デラクルスの霊廟を訪れ、そこで遺品のギターを演奏したことにより、骸骨と化した死者達が住む死者の国に迷い込んでしまう。そこで「音楽禁止」の掟を作ったイメルダをはじめとするリヴェラ家の先祖達と出会う。デラクルス本人を見つけ、リヴェラ家の謎を解き、人間界に帰還することを決意したミゲルは、詐欺師のヘクターと出会い、彼と共に冒険の旅に出る。

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

みんなの思い出と共に生き続ける、いつまでも。

2018年公開の
ピクサー長編アニメ19作品目。

家族と夢、
大事なものはどちらなのかを問う物語。

序盤→中盤→山場→終盤とどんどん盛り上がり、
最後は涙が止まりませんでした(´;ω;`)

100分ほどの作品です。


● ストーリー
舞台はメキシコ。

音楽禁止の掟がある靴職人の一族で育ったミゲル(♂)は、
音楽が好きだった。

ミュージシャンになりたい夢と、
音楽を嫌っている家族との板挟みに悩むミゲル。

先祖が帰ってくるとされる「死者の日」に家族とケンカをし、
家を飛び出した。

ひょんなことから死者が見えるようになったミゲルは、
骸骨姿の先祖たちと共に死者の国へ行くことに。

夢を捨てずに元の生活に戻る為、
偶然出会ったヘクター(♂)と手を組んで、高祖父を探す。


あらすじが書ききれないほど内容は盛りだくさんで、
次から次へと展開が開けていきます。

実際にあるメキシコの行事をうまく設定に取り入れていて、
これまでに触れたことのない物語でした。

特にミゲルが死者の国に渡ってからは、
ファンタジーの世界にわくわく、ドキドキ♪

今まで家族に縛られて自由に音楽に触れられなかったミゲルが、
死者の国では自由に音楽を奏でる。

そして気づき始める家族の尊さ。
ミゲルが選ぶのは、音楽か、家族か…。

その結末に涙が止まりませんでした(´;ω;`)

最後の挿入歌と共に描かれるラストの流れが完璧だった。

挿入歌の効果もあり、
最高のラストでした。

このラストが
物語の☆をぐぐっと上げました♪

感動でも、悲しみでもなく、
ただただ、良さに泣いていました(´;ω;`)

一筋縄ではいかない展開に対するドキドキも、
悪者以外みんなが幸せになるラストも、
見ていると楽しくなる演出も。

これがあるから、
ディズニー作品は大好きです(´;ω;`)


● キャラクター
今回の主人公は、
ミュージシャンを目指す12歳の少年ミゲル。

いやーあどけない少年、
かわいくていいですね(*´Д`)ハァハァ

コンピューターアニメーションなので、
キャラクターは人形みたい。表情も豊かです。

私が最初に印象に残ったのは、
家の屋根裏でこっそりデラクルスのビデオを見ながら
手製のギターを弾いていたシーン。

目を輝かせながら画面に見入る表情はあどけなく、
音楽に酔いしれながらギターを弾く表情はなんだか色っぽく。

彼がデラクルスを尊敬し、
音楽が大好きだということがよく伝わってくるシーンでした。


ミゲルの声を担当していたのは、
当時13歳の石橋陽彩くん。

本物の少年だからこそ出せる、
キャラのイメージに合うあどけなさがいい♪

歌唱シーンもとても素晴らしく、
すっかり魅了されていました^^

きっと今しか出せない声だろうから、
貴重な歌声です。


そして中盤から登場するのは、
みんな死者である骸骨たち。

死者の国と言っても暗くはなく、
みんなが楽しそうに暮らしている♪

骨はバラバラになっても
簡単に治るのが便利そうでしたw


● 音楽
メキシコが舞台ということもあり、
なんとなくラテン系な曲が多いように感じられました。

そして挿入歌がいい!
ミゲル(cv.石橋陽彩)の歌声がいい!!

すっかりファンですよ♪
あどけなさの残る歌声に萌える(*´Д`)

音楽を☆4.5と高めにつけたのは、
彼の歌声に対してです♪

ミゲルが最初に歌った『ウン・ポコ・ロコ』。

「ミゲルはどんな歌声なのだろう?」と期待値MAXで聞きましたが、
私の中のハードルを軽々と越えていきました♪

一番のお気に入りは、
最後のシーンで流れた『音楽はいつまでも』です^^

だんだん盛り上がる曲調がたまりません♪


本編では使われていませんが、サントラに収録されている
『リメンバー・ミー』石橋陽彩ver.がまた最高で…。

もうね、彼の歌声が好きすぎて、泣きそうでしたw
たぶん、私の好みドンピシャの歌声なんだと思うw

技術的に特別優れているわけではないけれど、
素直で素敵な歌声に感激でした(´;ω;`)


● まとめ
家族っていいなと思える内容でした。
大人も子どもも一緒に楽しめる作品です。

途中まで泣くのをこらえていましたが、
終盤は無理です、泣かずにはいられませんでした。笑

ピクサー作品は好きなものが多いですが、
これも大好きだなあ。

困難を乗り越えた家族は、
より深い絆で結ばれる。

とても素敵な作品だったので、
いろんな人に勧めたいなと思える作品でした^^

私の中でしばらく、
この作品に対する熱は冷めそうにありません♪

投稿 : 2024/10/19
♥ : 28

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Pixar新作「3月16日」は劇場へGO!(ファンの間で「ブック・オブ・ライフ」じゃねーか!って騒ぎに。)

『それは、時を超えて家族をつなぐ、奇跡の歌。』


主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル。
しかし、厳格な《家族の掟》によって
ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。
ある日ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが
伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。

彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間
──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!

そこは、夢のように美しく、ガイコツたちが楽しく暮らすテーマパークのような世界。
しかし、日の出までに元の世界に帰らないと、ミゲルの体は消え、

永遠に家族と会えなくなってしまう…。

唯一の頼りは家族に会いたいと願う、陽気だけど孤独なガイコツのヘクター。
だが、彼にも「生きている家族に忘れられると、死者の国からも存在が消える」
という運命が待ち受けていた…。
絶体絶命のふたりと家族をつなぐ唯一の鍵は、ミゲルが大好きな曲“リメンバー・ミー”。

不思議な力を秘めたこの曲が、時を超えていま奇跡を巻き起こす!

【公式サイトあらすじ】
http://www.disney.co.jp/movie/remember-me/about.html


Pixar新作で、2018年3月16日(金)公開。
『トイ・ストーリー3』のリー・アンクリッチ監督の新作。

勿論期待しているんですが、ファンの間では騒ぎになっています。

ホルヘ・R・グティエレス監督の
「ブック・オブ・ライフ 〜マノロの数奇な冒険〜」の
題材,プロットと全く同じなのです。ちょっと笑いました。

権利を買ったのかな? それくらい似てます。

ブック・オブ・ライフ自体は2015年のアニー賞で
キャラクター・デザイン賞を取るほどの有名作品。
勿論ピクサー側は知っているでしょう。

ラテンアメリカの祝祭「死者の日」自体は
他作品でも扱われる題材なので良いとしても、他が・・。

・家族愛が題材
・主人公は音楽,演奏が好き
・家族からは音楽を止められてる
・死者の国へ行ってご先祖様に会う
・音楽の力で解決

事前情報だと作りはこんな感じらしいですけど、ソックリ(笑)
ここに恋愛を追加し、主人公を青年にしたら完璧です。

・・そのため・・・

『感じている既視感を跳ねのけるほど自信のある映画なのか??』

――とファンの間で囁かれているのです。

個人的に絶対観に行きたい!と思うくらい楽しみなのですが、
・・もしも、なんのヒネリも無く作られていたら泣いちゃうよ。

この既視感を逆手に取ってくれることを願っています。


ピクサーの資金力でゴリ押しする下品なアニメだったら
EDテロップまで観て、明るくなってから
食い終わったポップコーンの空をゴミ箱に捨てて

怒りながら帰ってやるからなぁぁ!!!

投稿 : 2024/10/19
♥ : 17

でこぽん さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

見終わった後、感動の余韻に浸りたくなる作品

映画を見ました。素晴らしい。その一言に尽きます。

クライマックスは、涙があふれて止まりませんでした。
これは感動の涙でした。
見終わった後、しばらく感動の余韻に浸りたくなりました。

この物語は、家族の愛について語っています。
自分の両親、おじいさんおばあさん、ひい爺さやんひい婆さん、そのずっと前のご先祖の方々。
それらの人たちがいたからこそ、今の自分がある。
家族や先祖の方々に感謝したい気持ちになりました。

物語は、靴屋の息子ミゲルが主人公です。
ミゲルはミュージシャンを目指していますが、家族は極端に音楽を憎んでいます。
そして一年に一度だけ亡くなられた先祖が家族に会いに来る死者の日に、事件が発生します。

この映画は、良い意味で何度も何度も私たちを驚かせてくれます。
俗にいう『大どんでん返し』が何度もあります。
ここまで考えて映画をつくられた方々に敬意を表します。

そして、ピクサー社のCG技術が驚くほど凄いです。感動しました。

投稿 : 2024/10/19
♥ : 23
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