ブリキ男 さんの感想・評価
3.8
MD、SS、DCという略称を見て、思い当たる節のある人なら先に進んでも良いかも知れない‥
セガの誇る3つのゲーム機種、MD(メガドライブ)SS(セガサターン)DC(ドリームキャスト)を擬人化した3人を主人公としたCGアニメ。
「セハガガ学園」に入学した3人は卒業条件の単位メダル100枚獲得の為、モニターの中の教師「センター先生」から与えられる課題を次々とこなしていきます。
ゲームメーカーおよびハードを題材にしたアニメには他に、バトル要素多めの「超次元ゲイム ネプテューヌ」がありますが、あちらとは違いこちらは一話完結のゆる~い日常ギャグ風味で最後まで通します。元ネタの引用についてはこちらはあからさま。ゲストキャラがゲーム内のグラフィックのまま登場したり(ドット絵とかカクカクしたポリゴンキャラとか)、ゲームのプレイ画面がそのまま表示されたりするので、ゲーム紹介番組を兼ねたアニメとも言えます。
※1ソニックとかぷよぷよなら世代を超えて人気があるので、ネタとしては優良だと思うのですが、ゴールデンアックスとかスペースハリアーとかになると、元ネタが古過ぎて分かり辛い人が多いはず‥。特に前者のゲームに登場するドワーフおじいさん(ギリウス)が半レギュラー化してしまっている点については、私的には面白いんですけど、配慮の無さが感じられました。少なくとも30代以上か、レゲー好きでなければあまり楽しめない内容になっているのではないでしょうか? 一方、先に挙げたソニックのゲスト出演回はBGMもゲームそのまま、原作ばりの高速アクションを繰り広げ、思い出補正も相まってカッコ良さ抜群でした。
またコマーシャル的な意味合いが強めですが、中盤以降には最新ゲームネタもいくらかあります。アーケードゲームの「ボーダーブレイク」、スマホゲームの「チェインクロニクル」、「ファンタシースターオンライン2」、「シャイニング・フォース クロスエクレシア(2016.10.31サービス終了)」等が取り上げられていました。
「チェインクロニクル」についてはアニメ版の製作が決定しており、2016年12月3日から全国劇場にてイベント上映が開始されるそうです。
ネタで楽しめる人は恐らく少数、最新ゲームネタで恩恵を受ける人も少なそう‥。どの年齢層をターゲットにしているのか分かりづらいアニメですが、最近では※2バーチャルコンソールも充実していて、レトロゲーム再燃の風潮もあるようですし、懐古趣味の人でなくても案外見所を見つけられるかも知れません。
物語の内容はともかく、主人公3人のキャラ付けはかなりしっかりしていて、ツンデレでいじられ役だけどノリの良いサターンさん、天然で腹黒、ハイスペックなドリキャスさん、理知的で頼りになるけど運動音痴なメガドラさん(涙目とか、エンディングのダンスが踊れない所とか、かなりかわいい‥。)と三者三様。それぞれ2等身になったり8等身?になったりして、CGキャラらしく良く動きます。
サターンさんとドリキャスさん役のM・A・Oさんと高橋未奈美さんは、奇しくも現在オンエアー中の「フリップフラッパーズ」でパピカとココナを演じる2人。メガドラさん役の井澤詩織さんもアニメ、ゲーム、ラジオと手広く活躍中。声優さんの魅力が満点のアニメです。
最後まで観終えて
{netabare}
「セハガガ学園」を卒業し、それぞれの活躍すべき場所に旅立っていく3人の姿が描かれる最終話はちょっとだけ泣けてしまいます。MD、SS、DC、それぞれ素晴らしいゲーム機なので、いつまでも愛され続けて欲しいと思う一ゲーマー視点からも涙割り増しでした(笑)
{/netabare}
※1:ソニック・ザ・ヘッジホッグの略称。セガの看板キャラの青いハリネズミ。設定上では音速以上のスピードで駆けるとされている。(ゲーム画面上でもとてつもなく早い。)
※2:最新のゲーム機種で古いソフトのゲームデータをダウンロードして遊べるサービス。Wiiで開始されたものがこう呼ばれますが、PSやXBOXなど他の機種でも似た感じのサービスがあります。