ミステリーで潜水艦なおすすめアニメランキング 2

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早速見ていきましょう!

76.5 1 ミステリーで潜水艦なアニメランキング1位
劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(アニメ映画)

2023年4月14日
★★★★★ 4.1 (85)
345人が棚に入れました
今回の舞台は東京・八丈島近海。世界中の警察が持つ防犯カメラをつなぐための海洋施設「パシフィック・ブイ」の本格稼働に向けて世界各国のエンジニアが集結する中、顔認証システムを応用した、ある「新技術」のテストが進められていた。一方、園子の招待で少年探偵団とともに八丈島を訪れたコナンのもとへ、沖矢昴から「ユーロポールの職員がドイツで黒ずくめの組織・ジンに殺害された」という連絡が。コナンが施設内に潜入すると、1人の女性エンジニアが黒ずくめの組織に誘拐される事件が発生し、彼女が持っていた、ある情報を記すUSBが組織の手に渡ってしまう。そして灰原哀のもとにも黒い影が忍び寄る。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

それでも善意を向け続ける意義

【物語 4.0点】
表層は八丈島周辺を舞台にしたお祭り海洋アドベンチャー。
ユーロポールだの、FBIだの。
世界規模に広がってしまった“黒ずくめの組織”関連の大風呂敷w

せっかくだから焦点の灰原さんや、{netabare} 老若認証{/netabare} がゲームチェンジャーとなり得る防犯カメラ情報分析のための巨大海洋施設「パシフィック・ブイ」を巡って、潜水艦も交えてド派手に楽しもうぜ。
コナンの必殺シュートも、蘭の空手も、赤井さんの狙撃も絶好調だぜ♪


一方シナリオの土台は孤立空間「パシフィック・ブイ」を舞台に、犯人及び内通者を探り出す素朴なミステリー。
“眠りの小五郎”にも、不確定容疑者の漆黒シルエット“犯人の犯沢”さんにもTVアニメ版同様ちゃんと出番があります。


“黒ずくめの組織”エピソードは重苦しい俺たたENDになりがち。
ですが本作は深層に流れるテーマが希望を抱ける方向に導いてくれるので比較的、余韻はスッキリ。

善意が不幸を生むこともあるが、悪意はまず不幸しか生まない。
向けた善意が知らぬ間に返ってきて救われることだってある。
だから善意を持って行動することを躊躇(ためら)ってはならない。
思い切って行動できるのは痛みを知って動けなくなってしまった大人より子供。
{netabare} 「子供の言葉や行動で人生が変わることもある」{/netabare}
整理された人生観が、コナンや灰原さんら組織に翻弄される人間心理の深掘りにも貢献。


その上で、冒頭から、これ?どこで使ってくるのだろう?との思わせや伏線芸、複数回鑑賞を誘う要素も豊富。
その他、{netabare} 阿笠博士{/netabare} 魂のカーチェイスあり、ラストではラブコメ面でも魚影(ぎょえ~)と驚く(※原作者のオヤジギャグよりw)展開もあり。

これで興行収入100億いかなきゃ、一生いけないって位の内容は用意してきています。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・TMS/第1スタジオ

シナリオは潜水艦ありき→魚雷戦がやりたい→巨大海洋施設を浮かべてみよう。
立川 譲監督の構想を具体化するための素材画を提供したのは幸田 和磨氏。
ゲーム『NieR:Automata』コンセプトアートなどでも見せる無機質な造形美。
「パシフィック・ブイ」の逆三角錐の異形も引き立てる。


“聖地”となった八丈島の観光要素もウリ。クジラ見物のクルージング再現も良好。
ただクジラ自体は、エンジョイした少年探偵団共々、あまり本筋には絡まずムード演出に留まる。


情報関連施設らしくディープ・フェイク等も絡むミステリー。
それ故、撮影角度、仕草などの管理には繊細さも求められるが、
そこはTVアニメ版でも異様に手が込んだトリックに付き合って来た同スタジオならお手の物。

私は犯人はこの人物で来るだろうなという感は当たりました。
ですが作画で示されたトリック解明の手がかりは拾えず。
上映後、周りからは口々に今回は簡単だったね~との感想が。
原作、TVアニメを真面目に履修しているファンと、サボりの私との格差を痛感w


【キャラ 4.0点】
メインの灰原さん。長年かけてデレて来た彼女。
本作では意外と優しい所がシナリオの起点として抽出。
“組織”との狭間で葛藤し、崩れそうになる灰原さんの脆い部分もいっそう高純度で取り上げられる。
黒ずくめでSFだが、案外エモーショナルだった作品の空気は灰原さんによる部分が大きいです。

“黒ずくめの組織”が絡むと、変装、モグラ、二重スパイ、見た目は子供頭脳は大人が乱立。
油断すると、このキャラの正体や本当の所属何だっけ?が多発し、迷宮入りしかねませんw
ここは年初鑑賞した『灰原哀物語~黒鉄のミステリートレイン』(現在はサブスク等でも配信中)での予習復習が私の命綱でした。


黒ずくめの中核・ジン。
最新科学技術には乗っかって活用させてもらうけど、重要なことは実際にこの目で確かめないと納得できない。
行動メンタルが、ITに無理解で現場を振り回す日本のブラック企業幹部みたいになっちゃってますw
強引に墓穴がこじ開けられる様を見ていると、凶悪な“黒ずくめの組織”もコント集団みたいで何か憎めませんw


全てを見透かすAI。変装、変身に依拠したコナンと“黒ずくめの組織”の人物相関は今後存続可能なのか?
メタ的に問われている気もした本作。
フェイクで煙に巻く場当たり的対応も何時まで通用するのか。

いい加減、組織に目標や大義など無かったことを認めて、大風呂敷を畳んだ方が良いのでは?
との私の疑念はさらに深まる結果にw


【声優 4.5点】
事件の鍵を握る「パシフィック・ブイ」エンジニア・直美・アルジェント役には種崎 敦美さん。
子供役だけでなく、今回のように子供に心を動かされる大人の役もこなすエース級の演技。
善意という作品テーマの深化に大きく貢献。

万能ぶりに改めて舌を巻いたのが(※核心的ネタバレ 必ず鑑賞後開けること)
{netabare} ピンガ役の村瀬 歩さん。性別の壁を難なく越える声質の柔軟性。
組織も今回限りでお払い箱にするのは惜しい貴重な声優さんです。{/netabare}

重要な役にお客さん扱いのタレントを置く間違いをおかさず、しっかりと実力者を起用する。
円熟のメインキャスト陣の上で、これができるのは強すぎます。


【音楽 4.5点】
劇伴担当は菅野 祐悟氏。
大野 克夫氏によるお馴染みのメインテーマもアレンジしつつ『コナン』を演出。
『PSYCHO-PASS』でも流れるようなハードSF要素も交え、IT、AI技術を巡る黒ずくめの乱戦に華を添える。


ED主題歌はスピッツ「美しい鰭(ひれ)」

正直、本編が終わり、善意というテーマを理解、消化した段階でも尚、
素朴なミステリーと派手な海洋アドベンチャーが乖離する違和感を拭えなかった私。

時代の変化等により様々な表情を見せ人間を翻弄してくる人生の大海原。
邦楽界屈指の宇宙観を持つアーティストに泳ぎ方を諭され、ようやくストンと腑に落ちた感じ。

スピッツ良いバンドだけど何でまたスピッツ?
鑑賞前は起用にミステリーも感じていた私。

終わってみれば歴代『コナン』主題歌の中でも名曲の部類だと思います。


挿入歌ではクライマックスで流れた{netabare} 「キミがいれば」{/netabare}
これが灰原さんで来るとは魚影(ぎょえ~)です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

nakagi rin さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

切な尊いっ!

「劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』」
哀ちゃんの気持ちの答えを見たような気が、、
原作は青山剛昌先生による漫画作品です(知っとるがな!)。

名探偵コナンシリーズはドンピシャな世代である私ですが、劇場版はすべて視聴しているものの、テレビシリーズを全話見られているかというとそうでもない、細かい伏線を掘り下げて考えてはいない、そんな私です。

そんな私ですが、コナンくんと哀ちゃんの相棒的関係が大好きです。
(蘭ねえちゃんすまん、、)
だって、きっと最終的に、蘭ねえちゃんは新一くんに守られる。
この二人の相思相愛は崩れない。
だからこそ、コナンくんと哀ちゃんが並んでいる姿は切なく、尊い。
ずっとそう思ってまいりました。

そしてこの劇場版。
コナンくん、哀ちゃんファンの方は特に、是非見ていただきたいっ。
是非見ていただいて、最後のシーンの解釈を教えていただきたい。

あれこれとネタバレはしません。
しませんが、最後のシーンはそういうことですか?!
哀ちゃんの気持ちは、固まったんですか??!

いやー、切な尊いことこの上ない。

本劇場版は、宣伝ポスター等を見ると黒の組織との対決に思われますし、実際にその側面も大きい。
ただ、いざ視聴してみると、名探偵コナンという物語のなかで、哀ちゃんの気持ちや立ち位置はこうですよ、哀ちゃんはそう決断しましたよ、というのを主軸に置いた劇場版だったと思えてならない。

あぁ、しばらくこの余韻から脱することは難しいだろうな。

以上、感想でした。

P.S:これを書いている今時点で、すでに興行収入がとてつもないことになっているそうですね!おめでとう!哀ちゃんの出番増えろっ!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 6

kakelu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

灰原哀推しにはたまらない!!

今作は灰原哀がキーマン!
ほのぼのパートは控えめで、ハラハラが多め。
ミーハー心で行ってきたけど、想像以上によかった。
感動するシーンも多々あった。
コナンくんは今回も大活躍。
1点だけ思うのは、黒づくめの男や灰原の過去等、
私みたいに久々にコナンを見る人はわからないところがあるかも。
まぁ、分からなくても全然問題はなかったけど。

気になってる人はぜひ劇場でみてみて!!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 5

62.7 2 ミステリーで潜水艦なアニメランキング2位
二十面相の娘(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (97)
628人が棚に入れました
義父母に命を狙われる孤独な日々を送っていた美甘(みかも)家の令嬢・千津子(チコ)は、世紀の怪盗・二十面相にいざなわれて、未知の冒険の世界へと旅立つ。初めて触れる自由な空気、新しい仲間に囲まれ、自分の居場所を見つけたチコは、少しずつ変わっていく。
 “二十面相の遺産”と呼ばれる巨大な謎をめぐって起こる、数々の奇怪な事件。それにまつわる人々の哀しい思惑。チコは、それでも前に進まなくてはならなかった。その先に、さらなる数奇な運命が待ち受けていたとしても…。

声優・キャラクター
平野綾、内田夕夜、松風雅也、佐藤利奈、新井里美、浜田賢二、竹田雅則

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

意外に掘り出しモノなのかもしれない。

大戦から復興しつつある日本を舞台に、世紀の怪盗・二十面相によって外の世界に
連れ出された少女・チコの冒険と成長を描いた物語。全22話。

作品のタイトルから、江戸川乱歩の「怪人二十面相」に関連する 探偵や推理モノを
想像していたのですが、始まってみると予想外のストーリー展開にビックリ!!
実際は、戦時中に開発された秘密兵器に纏わる話をメインにしたストーリーで、
ミステリーというよりは SFやアクションの要素の強い作品です。

物語としては、序盤の二十面相や盗賊団の仲間たちと世界中を旅していく話は面白く、
徐々に成長していくチコの姿など、なかなか引き込まれる内容で良かったです!!

ただ、序盤の展開から一転。中盤から物語が本筋を走り出したとたんトンデモ展開に... 
SFファンタジー色が強くなり過ぎて、一気に現実離れした感じがします。
別にSF展開も悪くはないのだけど、正直、この展開いる?って疑問に思ったり、
そのせいで世界観が壊れていったのは少しもったいなかったかな。

前半が予想外に良かっただけに 余計に後半のグダグダ感が目立ってましたw

でもまぁ、ラストもしっかり終わっていますし 全体的に見れば最後まで飽きる事なく
何気に楽しめた作品なんですよね~ 予想外に面白い部分は沢山ありましたし。

少なくとも、主人公の成長物語として見るには なかなか面白い作品だったと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 21

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

レトロな質感、乙女の自立

叔母に毒殺されそうになった令嬢のチコが二十面相に助けられ二十面相一味になる
っていう出だしからしてどこか古臭いですが、絵的にも内容的も敢えて古さを意識して作ってる作品かなと思います。原作も結構好きだったのですが、アニメもなかなか面白かったですね。

もちろん江戸川乱歩の「怪人二十面相」がモデルなのですが、あまり・・・というか全然人物像が一致しないです。「二十面相」ではあるけど「怪人」ではない、かっこよくてダンディだけど結構しょーもない男です。ガンダムで言えばシャア(笑)諸悪の根源みたいな男ですね。

そんな彼を一途に慕い続ける主人公チコの物語です。
タイトルから「二十面相の娘」がキャッツアイみたいに盗みをする作品と思われるかもしれませんがそうではなくて、二十面相を神聖視するチコの心を変化を見守るような、そんな感じの作品。
しかしエンターテイメントとしてもそこそこよく出来ていて、前半と後半で一気に転調させたりするところなんかも悪くない。人造人間とかなんだかよく分からない科学の怪しげな産物が出てきたり(笑)ツッコミどころが多数ありますが、ちゃんとアニメはアニメで纏まっています。アクションは結構凄い動きをします(笑)

まぁ長所でも短所でもあるんですが、演出が少し地味。
前述の通りツッコミどころ満載なんですが、かなり手堅く作られていてNHKで放送されていてもおかしくない。キャラの造形もそうなんですが、この古臭さで好み分かれるかも。

結論としては・・・全体的に地味だけど、シンプルかつよく出来ている良作かなと。
人気ないみたいだけど、期待しすぎなければ十分楽しめると思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 17
ネタバレ

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

レトロな作風から今のアニメには無い哀愁が

本作は小野愼司の「二十面相の娘」(コミックフラッパー)を原作に製作された。江戸川乱歩の「怪人二十面相」から着想を得ており、江戸川乱歩の孫の許可を得て書かれた。
世界観に合わせる為敢えて古臭くレトロに描かれている。
作品名から錯覚する方が多いだろうが、二十面相の娘が、二十面相の様に神出鬼没に登場し、鮮やかに盗みを働くと言った様な作品ではなく、二十面相に憧れるチコの環境や心情の変化にスポットが当てられた作品である。
明智小五郎と二十面相の力関係は逆転し、平気で拳銃を使用し人を殺害したり、ターゲットを中傷したりと紳士的で洒落の利いた少年探偵シリーズの二十面相の面影は無い。
平野綾演じる主人公チコがとても可愛らしい。
ファンによる非公式略称は「メンムス」。


あらすじ

{netabare}
日本が大戦の惨禍からようやく復興し、繁栄を謳歌しはじめていたころ、富豪の令嬢・美甘千津子(チコ)は幼いながら生きることに疲れ、新しい世界を夢見ながら生活していた。チコの両親は既に他界し、彼女は叔父夫婦と共に生活していたが、財産の独り占めを狙う叔父夫婦は日々の食事に毒物を混入し、チコを毒殺しようと企んでいたのだ。聡明なチコはそのことに気がつき、叔父夫婦が勧める食事を口にしないようにしていたが、体は衰弱するばかりであった。そんなチコを見かねたのが、巷を騒がす怪盗・二十面相だった。二十面相は美甘家の紅玉を盗み出すために美甘家に潜入していたが、「一番の財産は千津子くんだ」と紅玉とともにチコを盗み出したのだった。
{/netabare}

感想

全体的に、主人公チコの成長記としての側面が非常に強い作品だ。
インパクトに欠けるストーリーであるが、安定して視聴出来る良作である。
{netabare}
中盤から登場するオーバーテクノロジーや、終盤の柿島耕平の陰謀など、SFサスペンス的側面が序所に強くなってきて引き込まれるように観終わった。
ただ、ご都合主義感が否めず、チコが病気持ちの癖にとたんになんでも出来るようになる展開や、終盤のオーバーテクノロジーや陰謀などの暴走展開も「成長記」に必要とは思えず、
「ぐだぐだ」な展開へと収束した。中盤の衝撃的事件から作品がカオス化した印象だ。
世界観や背景、事件などに説得性がほぼ無く、極めて残念である。
序盤から柿島の陰謀の伏線を張ったり、チコの子供らしさを含んだキャラ設定、必要な描写の挿入、説得力のある世界観、綿密に練られたストーリーがあれば大変良い作品に仕上がったと思う。
{/netabare}

総評

世界観は独特だが考察には値しない滅茶苦茶な設定だった。
主人公の成長記としての側面も終盤は微妙である。
しかし、突っ込み所が満載な作品であることもまた、作品の魅力である。深いことは気にせずに楽しんで視聴することを勧める。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16
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