マフィアで熱いなおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのマフィアで熱いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月30日の時点で一番のマフィアで熱いなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.8 1 マフィアで熱いなアニメランキング1位
家庭教師ヒットマンREBORN![リボーン](TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (772)
4421人が棚に入れました
運動も勉強も苦手で何事もすぐに諦めてしまう、うだつのあがらない少年・沢田綱吉(通称ツナ)の前に家庭教師として現れたのは、ヒットマンを名乗るリボーンという名の赤ん坊。
リボーンの目的はツナをイタリアンマフィア・ボンゴレファミリーのボスとして立派に育て上げるために教育する事。
打たれる直前に後悔した事を死ぬ気で頑張ってしまうという「死ぬ気弾」を使いツナをマフィアのボスに相応しい人間とすべく家庭教師リボーンの「教育」が始まった…。

♪せもぽぬめ♪ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

死ぬ気で見てください(゚∇^*) テヘ♪

~あらすじ~
運動も勉強もダメで何事もすぐに諦めてしまう落ちこぼれの少年・ツナ(主人公)の前に家庭教師として現れたのは、ヒットマン(殺し屋)を名乗るリボーンという名の赤ん坊。リボーンはツナをイタリアンマフィア・ボンゴレファミリーの10代目ボスとして立派に育て上げること。笑いありバトルあり、感動ありの話です。

※「あらすじ」はウィキペディアを参考にさせて貰いました。

最初は、殆どギャグで、面白かったのですが、
後から少し飽きてきました。

でも、少したったら、伏線を一気に出してきて、
次は、殆どバトルになりました。

戦いも迫力合って、駄目だと思っていたツナがどんどん
たくましく、強くなって見ていて気持ちが良かったですw

その仲間たちも、ツナのために一生懸命に
戦い、助け合い、笑い、「仲間っていいんだなぁ~」
って思わせてくれました。

気になったら是非見てください(* ̄∇ ̄*)

投稿 : 2024/11/30
♥ : 20

★mana★ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

友情って素晴らしい。なんてゆーと思った?これは「腐腐腐」向けだ

原作既読中(*´Д`)ハァハァ


ダメダメな主人公「ツナ」。
そこに現れたのは、見た目は赤ちゃん。しかし【ヒットマン】だとゆう【リボーン】
リボーンはツナをマフィアのボスに育てる為
【家庭教師】としてやって来た!
これで、題名の意味が分かりましたか?
「私、題名聞いただけだった時、何がなんだかさっぱり分からなかったので、一応簡単に・・」


始めはひたすらギャグアニメですΣ(゚Д゚;マジデ!?
パンツ一丁で走り回ったりwww
キャラの把握程度に観てましたが若干嫌気が差すかもですw
とりあえずそこでリタイアせず観てみて下さい!


バトルが始まりだすと面白くなって来ます!
次々、「腐腐腐」なキャラが登場し、
それぞれ個々の能力があるので、能力を生かしながら
同じ能力者同士のバトルなので面白いです!
可愛い動物の相棒も出てきます(*´ω`)ウリカワユス(ネコ)


そして、「リボーン」が何故赤ちゃん?と思ったそこのあなた!そこに大きな真実が隠されているのです!!
リボーンの様な赤ちゃんは7人居ます、上記に書いた「能力」と共通の意味を持つ7人の「アルコバレーノ」(赤ちゃん)達。(個人的にコロネロが好き(*´Д`)ハァハァ)


リボーンに教育され、バトルなどを繰り返し
徐々に色んな面で成長して行くツナと仲間達。
一応?wマフィアのお話なので、他のマフィアやら
、暗殺部隊(「ヴァリアー」、こいつらカッケー!最高(゚∀゚)ベルトフラン!)
やらいろいろ出てきますが何故かすぐ把握出来ました!
とりあえず、みな腐腐腐ですwww


かなりの話数なので全ての魅力をお伝えするのは難しいですが、
私は面白かったので2週間位で観ましたww
アニメ版は終わっちゃいましたが、
また復活する日を祈っている作品です(*´∀`)





投稿 : 2024/11/30
♥ : 19

刻様(こくさま) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

家庭教師ヒットマンREBORN![リボーン] ✧見た感じ(koku✱87)

今でもたまに思い出すくらいには 好きです
なにが好きってキャラが奥深く イケメン可愛いが勢揃いなとこですかね

キャラに関する思い入れとかのストーリーがありますが
ファミリーに関する話しがとてもすきです

最初のほうがギャグすぎて
僕 個人はあんまり好きじゃなかったです

徐々にバトルシーンを増え
未来偏に途中にしてから
若干のキャラの違いや
主人公のナツのイケメン度があがっているようにきます

やはり 未来偏の最初のほうが一番 盛り上がっていたんじゃないかなぁって
結構 最初はギャグ回で
途中から 王道展開に近い感じなので
評価は低いみたいですけど

僕は後半のバトル胸アツが好きです

絵の綺麗さも わかっていきますしww

やっぱり主人公がかっこよくて 強いのが好きなんだな僕

投稿 : 2024/11/30
♥ : 8

81.2 2 マフィアで熱いなアニメランキング2位
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (484)
2072人が棚に入れました
イタリア、ネアポリスに住む青年ジョルノ・ジョバァーナは、
ジョースター家の宿敵・DIOの血を継ぐ息子である。
幼少時代に迫害を受けて荒んでいた彼は、一人のギャングの男を
救った事をきっかけに、「人を信じる」ことを学ぶ。奇妙なことに、
恩義を忘れず、敬意を持って自分に接するギャングが、彼の心をまっすぐにしたのだ。
そうして、ジョルノは「ギャング・スター」にあこがれるようになった。
15歳になったジョルノは、イタリアの裏社会を
牛耳るギャング組織「パッショーネ」とトラブルを起こし、狙われることとなり…

声優・キャラクター
小野賢章、中村悠一、諏訪部順一、鳥海浩輔、山下大輝、榎木淳弥
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

イタリアマフィアとJOJOの世界観は良く似合う

原作。これくらいまでは雑誌で読んでたと思う。


 "Vedi Napoli e poi Mori" ナポリを見て死ね

イタリアのナポリを訪れようとすると必ずと言っていいほどこのフレーズを耳にするかと思います。
魚介美味いし風光明媚なんだけど、けっこう怖いところなので気をつけてね。

長丁場の全39話。2019年春期終了もののフィナーレを飾る本作の冒頭舞台はイタリアはナポリです。



さて、JOJOであります。
これまでのアニメ版は未視聴。続きものは普段スルーなのですが、イマイチだったら切ろうぐらい軽めの感覚で視聴開始。
原作ではシリーズ5番目。アニメは原作の第一部二部を合わせて1st Seasonとしたため、本作は4th Seasonに該当するとのことです。

初出が1987年でいまだ現役の怪物タイトルです。どんな話か知らなくても゛JOJO立ち” はなにかしらポージングする局面では選択肢上位に食い込みますし、聞けば分かる名言の宝庫だったり、現代人が嗜むべき教養の一つとなってます。
がっつり部活しないまでも体育の授業で柔道やっていれば、なんとなくルールは覚えてたりするものでしょう。ファンの総数は多い。ファンでなくても経験者含めれば裾野は広い。そんな作品です。

よって、スタンド (幽波紋) がどんなものかを理解していれば、この4th Seasonから参加しても特に問題はありません。ソースは俺。
スタンドは個人の分身みたいなのが幽体離脱して代理で戦争してくれる便利な能力と思っていただければよいし、見てりゃなんとなくわかるでしょう。
そして途中参加OKのもう一つの理由は、過去キャラが物語の本流に入ってこないこと。本作のJOJO、ジョルノジョバーナ (汐華初流乃) は出自がディオと因縁深いものの設定がそうだってことくらいですし、序盤こそ空条承太郎や広瀬康一くんも登場しますが、早々にフェードアウトしていきます。
{netabare}とはいえ終盤であのキャラサプライズ登場もあるにはあったので一概には言えませんが、知らなきゃダメってほどではありませぬ。{/netabare}


そして、JOJOであります。
Q. どのへんが面白いの?
A. ん?だってJOJOじゃん

Q. あそこイマイチじゃなかった?
A. ほらそこはJOJOだから

Q. あれすごかったね?
A. やっぱJOJOはいいよな~

どなたか魅力を説明できる方、宜しくお願い申し上げます。


単行本集めたり、アニメの過去作押さえたりするようなコアなファンではない私です。それでも独特の世界には引き込まれるのです。世界観は保たれているため匙加減での好き好きになりますね。本作ならではの面白みは以下、


■マフィアをJOJOでやってみた
舞台はイタリア。イタリアと言えばマフィア。ジョルノが構成員に加わりその仲間内と敵対勢力との抗争が物語の土台となって、血で血を洗う4th Seasonでした。
冒頭がナポリからです。ゴミ処理利権をマフィアが握っていてちょっとこじらせたら街にゴミを溢れさせました。なんてのがリアルで起こる土地柄です。
そしてこれが“ヤクザ”ではなくて゛マフィア”というのがミソ。いや当たり前の話なんですが… これまた紳士淑女の嗜みといえる名作『ゴッドファーザー』で描かれた血(絆)、掟、非情のJOJO版です。
何かしらの美学を持った男達が割拠するJOJOの世界観と見事に合致します。


■ずっと追ってるか追われてるか
説明不要。よくネタが尽きないな~と感心します。
真面目な話、これで39話持たせるわけです。誰か途中でやめた人おる?


■小野賢章さんのアレ
「無駄無駄無駄無駄ぁー」
つくづく声優さんの滑舌の良さって凄いなを再確認できます。
いまさらながらこの方ハリーポッターの子役だったんですよね。



■余談
きっと君のクラスにもいたはずだ!

{netabare}職場の同じチームに奈良くん、阿部くん、そしてブサ男がおりました。
迷うことなく左から、“ナランチャ”“アベッキオ”“ブチャラティ”とあだ名がつきました。定着したのはナランチャ。他のは呼びにくいのです。
須田さんとかいたらミスタも揃って良かったのにというのはまた別の話。{/netabare}



うーん、これぐらいにしときます。時間あったら旧作も追いかけたいですね。私みたいなライトなJOJOファンでも充分楽しめるイタリア編でした。


 “Vedo JoJo dopo esultino" {netabare}ジョジョを観て歓喜せよ{/netabare}



視聴時期:2018年10月~2019年7月

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2019.07.29 初稿
2020.02.04 修正

投稿 : 2024/11/30
♥ : 48

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ジョジョと私の奇妙な冒険

荒木飛呂彦原作、大人気シリーズ。

1987年、週刊少年ジャンプ連載開始。
前作「バオー来訪者」からの発展で、
マイナー路線のオカルト活劇かと興味を惹かず、
せっせと友人に勧められてはいましたが、
私の興味は当時「BASTARD」にあった。

荒木飛呂彦の凄さに後に気付くことになる。
独特なコマ割り・台詞回し・擬音、デッサン画、
彼の感性をようやく僕たちも理解を始める。
ルーヴル美術館は彼の作品を展示することになる。
ジョジョは少年漫画の金字塔になった。

波紋からスタンド(幽波紋)と形を変え、
一世紀以上にわたりその歴史の陰で、
吸血鬼ディオとジョースター家の因縁が語られる。

ジョジョ第5部、舞台はイタリア。
ギャングスターとなり街を浄化する、
そんな夢を持つ少年ジョルノジョバーナの、
血脈の歴史であり奇妙な冒険譚である。

生命・精神エネルギー=スタンドを、
理解していればどこからでも視聴出来ます。
一風変わった戦闘がジョジョの魅力である。
無駄、無駄、無駄ァァァ!!と、
本能から熱くなること間違いなしでしょう。
スタンド使いはスタンド使いと引かれ合う。
その黄金律は、不滅にして健在で、
逃走劇から追走劇へ、幾多の戦闘が堪能出来ます。

長丁場、皆さんもぜひ楽しんで。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 46
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生まれ落ちる前から身に纏っているもの

荒木飛呂彦先生原作の長編漫画「※1ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風」のアニメ化作品。

今回の舞台はイタリア。2部ではヴェネツィアが、4部ではイタリア料理が取り上げられていましたが、ジョジョの画風に多大な影響を与えたルネッサンス美術発祥の地としても有名ですね。荒木先生のイタリアへの愛は計り知れません。

冒頭のストーリーテラーを務めるのは第4部で活躍したスタンド使いの少年、広瀬康一くん。※2空条承太郎の依頼を受けて、一人イタリアのネアポリス(ナポリ)へと旅立ちます。承太郎さんから直々のご指名とは!康一くん、あんたも成長したもんだ(笑)目的は※3DIOの血を受け継ぐ少年の捜索。

これまでのジョジョを振り返ってみると、主人公の立場が

第1部(舞台:1880年・イギリス)
英国紳士(品行方正、非の打ち所の無い人)

第2部(舞台:1938年・アメリカ)
アメリカ人(ケンカによる投獄7回のチンピラ風の少年)

第3部(舞台:1987年・日本)
日本人高校生(不良のレッテルを張られている。度々暴力事件を起こしている)

第4部(舞台:1999年・日本)
日本人高校生(奇抜な髪型。でも中身は割と普通。ちょいワル少年)

第5部(舞台:2001年・イタリア)
ギャング志望の若者

と、シリーズを追う毎に、何とな~く俗っぽくなっていく傾向があるみたいですね(笑)

ジョジョシリーズは当時の少年向け漫画にしては珍しい、大河ドラマの体をとった作品ですが、その関係で、作中では"ジョースター家の血統"という言葉が目を見張るほど(飽きれるほど?)多くの場面で運用されている印象があります。ともすれば、それがキャラの人格の根幹を成す要素として強調される台詞さえ見受けられたり…。作中に登場する"黄金の精神"や"生まれついての悪"という言葉についても同様。良きにつけ悪しきにつけ、才能、もっと言えば遺伝的特質のユニークさを、原作者の荒木先生が、キャラ造形をする上で取り分け重要視している事が伺えます。

養父の無償の愛を受けながらも自らの性質を変える事のなかった1部のDIO、何不自由無い環境で育ちながらも殺人衝動を抑えられなかった4部の吉良、劣悪な環境で育ちながらも悪には染まり切らなかった本作のジョルノ、それぞれのキャラの個性の在り処は天性とは決して切り離せない場所にある様に思われます。

人は鳥になれないし、その逆もまた然り。思えば、わたし達生物にとって、最も身近な環境とは、外界ではなく、生まれ落ちる前から身に纏っている肉体そのもの。脳や四肢や内臓など…。ジョジョにおける"血統"とは、道徳講義の中で飛び出す「生まれは関係ない。人の価値は成した事で決まる」的な、後天的要素に過度な期待を寄せた綺麗事などによって度外視されるものではなく、むしろ個性の基盤として個々の魂に脈々と息づいているものなのです。生々しさという表現が適当でしょうか、ジョジョに登場するキャラには2次元作品では稀に見るリアリティ、はらわたを引きずり出したかの様な独特の気持ち悪さがあります(褒め言葉)


作画について、4部に続いて最高水準のクオリティ。これまでのシリーズとは比べ物にならない程、複雑怪奇な能力を有するスタンドが数多く登場する第5部なので、漫画表現をどの様に調理してくれるのか興味津々です。比較的単純な能力なので描き易かったのかも知れませんが、ブチャラティのスティッキー・フィンガーズ、ポルポのブラック・サバスの表現については完璧でした。今後とも期待。

音楽について、シリーズを通して安定感抜群のOPEDは健在。OP「Fighting Gold」は前シリーズのPOPな曲調からやや攻撃的な方向に軌道変更している印象。疾走感のある曲になっています。エンディングの選曲については、今回も荒木先生直々のチョイスだそうです。やはりと言うか、さすが原作者、絶妙な相性…。Jodeci氏の「Freek'N You」は、まったりな余韻を残す良曲でした。


様々な境遇に置かれた人々の、歪に入り組んだ精神をダイナミックに描き上げる「ジョジョの奇妙な冒険」、その中では初の、ギャングという悪漢を主役に据えた、4部と並ぶ異色のシリーズ。

ギャングスターを目指すジョルノの旅、最後までしっかりと見届けたいと思います。


※1:英語のPartではなくイタリア語のParte。連載当時の副題は「第5部 ジョルノ・ジョバァーナ 黄金なる遺産」となっていた。漫画単行本のブックカバーの装丁としてあしらわれている文字も第5部(47巻~63巻)ではJOJOではなくGIOGIO。芸が細かい(笑)

※2:第3部の主人公でスタンド使い。ジョースター家の血統に属する。以降のシリーズにも度々登場。

※3:吸血鬼でスタンド使い。ジョースターの一族とは深い因縁がある。


船上のスタンドについて(必ずEpisodio 06「ムーディー・ブルースの逆襲」視聴後にお読み下さい)
{netabare}
「船は2隻あった!」

ブチャラティの台詞と共に明らかになった衝撃的事実ッ(笑)

ズッケェロのスタンド「ソフト・マシーン」の能力は、剣で刺さしたものを(人でも物でも)空気の抜けたゴム風船の様にぺしゃんこにしてしまうというもの。

船を2隻用意し、一隻を剣で刺してぺしゃんこにし、それをもう一隻の船に、服を着せる様に被せて、2隻を1隻に装っていたというのが上の台詞の意味するところ。(多分表面だけでなく内部まで。塗装でコーティングするみたいに)

皮膜の下をモゾモゾ徘徊して不意打ちを仕掛け、ペラペラになった人たちを、そこに引き摺り込んでいたんですね~。例えるなら、床下や天井裏に隠れた忍者が槍でブスリ!とか、排水溝に潜む得体の知れない怪物が、覗き込んだ人をを引きずり込むイメージでしょうか。あなおそろしや(汗)

ブチャラティがスティッキーフィンガーズで船体を攻撃した時、何故皮膜の部分にだけジッパーが開かなかったのか? それであっさりとからくりがばれなかったのか? と言う疑問を他の方のレビューで目にしましたので、これまでのジョジョシリーズを思い返しながら、あれこれと考えてみました。その理由は多分以下の3つ。

1.ブチャラティが皮膜の存在を認識していなかったから。だから皮膜ごとその下の船体をジッパー化してしまった。

2.1の補足ですが、スティッキーフィンガーズは"触れたもの"ではなく拳で"叩いたもの"をジッパー化するから。手加減をしなければ対象物と接触しているものにもエネルギーを伝えてしまうのではないかと思います。スティッキーフィンガーズは服を着ている人の肉体であっても、服越しに叩いて難なくジッパー化しているので、これは間違い無さそうです。(船に被せた皮膜を人間の着る衣服に見立てると解りやすい)

3.通常の物質と"スタンドが融合した物質"は区別出来ないから。

が挙げられると思います。

3も1、2の補足。3部のストレングスや4部のサーフィスを思い出してみると、これらは確か、スタンド使いじゃない人にも見て触れられる類のものだったはず。スタンド能力によってぺしゃんこになった船というのも"スタンドが融合した物質"に含まれるので、生身の手で触っても透けないし、認識し辛かったのかも。でもペラペラ皮膜で覆われた船体ってちょっとだけソフトだったりして(笑)

そしてもう一つ。ズッケェロが再起不能になった後、ペラペラになった仲間達ががパイプの中とかで復元したら危なかったんじゃないの? という疑問について。

もちろんそんなとこに入っていたら大変ですが、それをすると捕虜の位置があっさりとバレてしまう可能性があるので、(作中描写からも分かる様に、もしそうしていたらアバッキオ&ブチャラティに見破られていた)ズッケェロはそうしなかった。

パイプも皮膜で覆われており、両者の隙間に捕虜を隠していたと想像するのが妥当と思います。(それでも狭い場所で復活したらやっぱり危険ですけど)

最後に残った疑問は船底をどう修理したか。内側の船にだけ穴を開けても沈まないし、両方に開けたら両方沈んでしまう。描写が無かったんで何とも言えませんが、船底までは皮膜で覆っていなかったとか…(笑)

これで気兼ねなく次回のジョジョも楽しめますね…って、やっぱりご都合?
{/netabare}

おまけ「中の世界」
{netabare}
(以下、作中人物の台詞とは一切関係ありません)

花京院「ポルナレフ、体の中とか船の中とかさかんに言ってますが、体にも船にも『中の世界』なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。」

ポルナレフ「なに言ってんだ、おめーも見ただろ? 人がジッパーの中から出てきたり、空気の抜けたゴム風船みてーにぺしゃんこになるのを!」

花京院「ええ しかし人体や船体の中にあるのは肉や骨、船室やエンジン、ただそれだけです。」

ポル「教えてもらわなくたって知っとるぜーッ いいか! この場合だぜ! 今の場合をいっとるんだよ! スタンドがあるなら『中の世界』だってあるだろ!」

花京院「ないです」

ポル「おめーなぁ~」

最大の謎はこっちですね。折り畳まれた次元に隠しているとか何とか…ツッコんだら負け確定の設定なので、ここら辺でやめときます(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/30
♥ : 42

70.5 3 マフィアで熱いなアニメランキング3位
文豪ストレイドッグス セカンドシーズン(TVアニメ動画)

2016年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (411)
2287人が棚に入れました
霧深き夜――。
織田作之助がバー「ルパン」へ赴くと、先客の太宰治がいた。そこへ、密輸品の買い付け帰りの坂口安吾も合流。
悪名高い「ポートマフィア」に属する男たちの、いつもの夜だった。
だが、その日を最後に安吾が消息を絶つ。
時を同じくして、暗証番号で守られた最高保管庫のひとつが「ミミック」なる組織に襲撃される。
ボス・森鴎外から直々の指令を受けた織田作は、安吾捜索に乗り出すが……。

声優・キャラクター
上村祐翔、宮野真守、細谷佳正、神谷浩史、豊永利行、花倉洸幸、嶋村侑、小見川千明、小山力也、諸星すみれ、小野賢章、谷山紀章、羽多野渉、瀬戸麻沙美、宮本充、櫻井孝宏、花澤香菜、小清水亜美、三木眞一郎

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

辿りつく先は闇の中…

この作品は、文豪ストレイドッグスの2クール目の作品になります。物語の内容に繋がりがあるので、1クール目を未視聴の方はそちらからの視聴をお勧めします。

1クール目では、横浜を舞台に「武装探偵社」vs「ポートマフィア」の抗争の物語が描かれていました。
お互い対極に位置する存在です…水と油が交わらない様に、彼らも決して分かり合う事はない…
それがそれぞれの組織に与えられた宿命だから…
登場人物の深掘りを交えながら、時には事件を…そして時にはポートマフィアとの命のやり取りを経て少しずつ…けれど確実に自分の居場所を手に入れていった探偵社新人の中島敦…
物語のスケールは逸して大きくありませんでしたが、展開を急ぐことなく丁寧に描かれた1クール目と言っても過言ではありません。

でも2クール目を視聴して確信したのは全ては今期への布石であったという事です。
そして一見さんお断りの今期…大きな2つの物語が動き出すのです。

一つ目は時間を少し遡って太宰治がポートマフィアに籍を置いていた頃の物語…
今でこそ武装探偵社の司令塔になっていますが、昔はポートマフィアの幹部だったんですよね。
探偵社とポートマフィアは水と油…決して、交わらない存在故に生き方や目標もまるで異なっています。
そんな対極の位置から位置へと動くにはそれなりの理由があるはず…
しかもポートマフィアでは将来を約束されたエリート幹部…
自殺願望者で少し変人が入っている太宰ですが、そんな彼にも唯一無二の友がいました。
そんな立場を投げ打ってまでして対極まで行かなければならなかったのか…
一つ目の物語では、そんな太宰の過去と…彼の決意の固さの理由が明かされるのですが、後悔が幾重にも折り重なって…その後悔を固める涙と約束で出来た物語だったと思います。

これだけでも胸いっぱいなところですが、おざなりにしていた「武装探偵社」vs「ポートマフィア」の構図に変化の兆しが見えてきたところから二つ目の物語が始まります。
この二つ目の物語から…一気にスケールが広がっていきます。
なぜならフランシス・スコット・キー・フィッツジェラルド率いるギルドが横浜の街をエサにとあるモノを手に入れようと動き出したからです。

この物語の特徴は登場人物の異能力は、その人の執筆した物語から引用されていることです。
「武装探偵社」vs「ポートマフィア」の頃はまだ何とかついていけました。
登場人物が太宰治、国木田独歩、江戸川乱歩、与謝野晶子や宮沢賢治といった日本文学の巨匠と呼ばれる方々だったからです。
(それでも正直存じ上げない人もいましたが…)

ところがギルドが加わってくると、意能力の世界もワールドワイドな広がりを見せるんです。
赤毛のアン、トム・ソーヤ、若草物語といった異能力の名前自体は原作も読んでいるのでピンとくるのですが、その著者については殆ど頭に何も浮かんできませんでした。
私がもしもっと文学に勤しんでいれば、今回の自分自身の反応も違ったのかもしれません。
この作品を見て久々に「もっと本を読んでいれば良かった」と少し後悔しました。

このギルド…半端無い強さです。
それに探偵社とポートマフィアにしっかり刺客を送ってくるんです。
その上、横浜を壊滅させると言い出す始末…

横浜の街を守るために探偵社の取るべき行動は一体…?
ここから先は激アツの展開が私たちを待ってくれています。

ここから先の展開を見て感じたのは、組織を一枚岩にする難しさです。
人は優しさだけ…或いは厳しさだけでは心を繋ぎとめておくことはできません。
心がバラバラになった形だけの組織…もうそれは組織じゃありません。

綻びの無い組織…言うのは簡単ですが、実現するのは限りなく不可能なんだと思います。
だから…きっと綻びはあって良いのだと思います。危機や問題に直面した時に綻びの無い面でそれらを受け止められたら、綻びがないのと一緒だから…
大切なのは柔軟性や弾力性…どこまでも柔らかく、物事に応じて形や大きさを自在に変化できるような組織こそが理想なのでは…なんて考えながら視聴していました。

オープニングテーマは、SCREEN modeさんの「Reason Living」
エンディングテーマは、ラックライフさんの「風が吹く街」
個人的にはオープニングが大好きなので、この前カラオケで挑戦してみましたが、あっけなく撃沈しました…難しかったです^^;

2クール目は12話…1+2クールで全24話の作品でした。
終盤の展開は確かに激アツでしたがそれだけではありません…
多分物語を通して最も辛い試練が待ち構えていたんです。
その試練は必要なモノ…だったのかもしれません。
でもその瞬間…頭の中が真っ白になったのも事実です…
だって全ては真逆の先にある光を共に見るために目指していたんですから…
あの展開は正直キツかったです。

そして物語は更なる高みへの布石と「see you…」
この「see you…」は期待して良い「see you…」ですよね?
続編…期待しています。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 19
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

似た者同士

原作未読 全12話(分割2クールの2クール目)

文豪ストレイドッグスの2クール目です。1クール目から観ることをオススメします。

横浜を舞台に名だたる文豪の名前をしたキャラクターたちが、異能力たちが集う武装探偵社と横浜を拠点しているポートマフィアたちの戦いを描いた作品です。

前半は、太宰の過去を中心にポートマフィアのことを描いています。

とてもとても悲しいお話でしたね。太宰がポートマフィアから武装探偵社へ行った経緯が分かります。

後半は現在に戻り、もうひとつのマフィアとの三つ巴の戦いを描いています。

こちらは本編主人公中島敦とポートマフィアの芥川龍之介を中心に描いていました。{netabare}(鏡花ちゃんが救われて良かったですね。){/netabare}

コミカルなところも健在でしたが、今回はシリアスなところが多かったですね。

一癖も二癖もあるキャラたち、切りの良いところで終わって一応決着しましたが、最後は続くようなお話でした。

OP・EDともにかっこいい曲ですね。特にEDの「風が吹く街」は心に染みいる良い曲でしたね^^

最後に、ある場面の放置はひどかったですねw

投稿 : 2024/11/30
♥ : 13
ネタバレ

にゃんちゅ(・ω・` さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

主人公は誰なんだ。中島なのか太宰なのか2人ともなのか・・・

分割2クール作品ということで、前回の続きからスタートします。

といっても最初は太宰治の過去回ですね。
なぜマフィアから武装探偵社へと転職されたのか・・・
{netabare}
マフィアの幹部だった太宰治と、マフィアの下級構成員:織田作之助。情報屋のアンゴ。

マフィアの癖に人を殺さない織田作に、
マフィアの幹部として、今よりかはふざけていない太宰。
何を考えているか分からないアンゴ。
友情とはまた違った関係で、距離感がありつつも互いを認め合っているかのような3人。

アンゴの裏切りや、裏で操っていたのはボスだった事、
織田作がなりたかったもの、守りたかったもの、その為に戦わなければならなかったこと。
最終的には太宰を導いてくれた人として
エピソード展開は悪くなかったと感じます。

ただ・・・

その後の、武装探偵社vsマフィアvsギルド の3社戦争。

キョウカがマフィアに捕まり、
マフィアの姉さんが探偵社に捕まり、
敦はギルドに捕まり~Qがギルドに捕まり~となんか大変な事になってきて

もうてんてこまいですな。

騒がしいのはストーリー上仕方がないとは思いますが、
正直、「結局のところ誰が強いのだろう」という印象で
3社の全面戦争はいいが、一般人お構いなしかと・・・

Qの精神破壊は強いと思いましたが、
後半はすでにフェードアウトで最初の勢いだけでしたし、

ギルドも社長以外対したことなくない?残念だったよ私は・・・。

そして、武装探偵社の敦・太宰以外のキャラ立ちがしていない事へ不満も残り、
毎度毎度、中島敦に頼りすぎじゃない?
んで血を流しすぎじゃない?死ぬでしょ普通w(第二の上条当麻なの?)

独歩や宮沢は何をしてんだよ!ってw

最終決戦ともいえるギルドvs探偵社+マフィア
結局全資産を投じて異能力を発動し戦うギルドの団長と
「人虎を殺す為に侵入した!」という空気の読めない芥川
生きる意味を探しながら戦う自信のない敦・・・

でも芥川の見掛け倒しさは、もう分かっていたけどね。
芥川の太宰治依存もどうにかして欲しいねw{/netabare}


結果は、今後の余韻も残しつつハッピーエンドとして処理されていますが
やはり、若干消化不良というか、
詰め込みすぎた感じは否めないと思う。

声優は豪華だし、作画は綺麗ではありますが、
折角みんな素敵なキャラなんだから、個々のバトルとか見たかったな。

投稿 : 2024/11/30
♥ : 11

72.1 4 マフィアで熱いなアニメランキング4位
ズートピア(アニメ映画)

2016年4月23日
★★★★☆ 4.0 (189)
1100人が棚に入れました
体の大小や、肉食か草食かに関わらず、動物たちが平和に共存する大都会ズートピアを舞台に、夢を信じる新米警官のウサギ・ジュディが、夢を忘れた詐欺師のキツネ・ニックと共に、ズートピアに隠された驚くべき事件に挑んでいく姿が描かれる。

声優・キャラクター
上戸彩、森川智之、三宅健太、玄田哲章、竹内順子、高橋茂雄

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

これが本当の《意識高い系・社会派アニメ》。やるなディズニー!

本作については、一時あにこれの2016年春シーズン作品ランキング1位になっていたことから、個人的に結構気になっていたのですが、わざわざ映画館に足を運んで鑑賞するに至らないまま、いつの間にか上映期間が終わってしまいました。

それが先日、たまたま視聴する機会があり、これが私の事前の期待を遥かに超えて興味深い内容だったので、これは早速、紹介レビュー書かなくちゃな、と思った次第です。

さすがのディズニー作品・・・というよりも、むしろこれ、アメリカじゃないと到底、発想が生まれないし企画も制作も通らない種類の作品だったんですね。

幾ら金が掛かっているのか分からないフル CG技術は勿論秀逸だと思いますが、それよりも本作の場合は、シナリオが実に見事で、見ていて何回も「う~ん、そう来たか」と唸ってしまいました。

だいたい、CG技術だけなら『アナと雪の女王』で既に同等なものを見ていますし、私の場合は、以前書いたレビューのとおりアナ雪のシナリオは実は大して評価していません(・・・というより字幕版と日本語吹替版の2回も鑑賞したにも係わらず、アナ雪は私の頭の中ではとっくの昔に風化した作品になってしまっています)。

だけど本作は、たった一回視聴しただけなのに、かなり鮮明というか、今後もきっと長く忘れられないだろうな・・・と今から確信できる程の強い印象が残りました。

それは、アナ雪に代表される「安心できるけど詰まらない」印象(私だけ?)のディズニー作品というよりは、アメリカという国と社会が現実に地上に存在し、そしてそこへの“問題意識“と、しかしそれでも、それを努力して乗り越えようとする制作者側の“希望”とが滲み出ているようなコンセプチュアルな作品、“日本という国と社会”があってこそ生まれる見事なアニメ作品(*1)があるのとパラレル(平行)な関係で、現代の“アメリカという国と社会”があってこそ生み出された作品・・・という風に私には見えたわけで、そういう意味で、本作こそ正真正銘の《一見の価値がある作品》と個人的に捉えたいわけです。


◆「被害者ビジネス」「弱者利権」「ポリティカル・コレクトネス」「ソーシャル・ジャスティス」

要は、こういう言葉に少しばかり関心がある人にとって、見応えのある作品ではないか、と私には思えたわけです。

そういう意味で本作は、日本のアニメ作品の中でも《社会派アニメ》とか《意識高い系》と一部で評されており、私も実は以前に少しばかりの期待をもって視聴してみたものの、結局「何だコレ?こんな浅い内容で終わっちゃうの?ガッカリだなあ・・」という感想にしかならなかった作品群(あえて具体名は出しませんが)とは、完全に一線を画す作品に個人的には見えたわけです。

ちょっと解説すると、「被害者ビジネス」とか「弱者利権」というのは、読んで字の如くですが、“自分が被害者だ・弱者だ”ということを(それが事実かどうかはともかく)殊更に強調し感情的に捲くし立てることによって、相手側のまっとうな理屈に基づく異論反論までをも遮断して、自分の都合を押し通すタイプの問題行為であり、とくにアメリカでは、1960-70年代のいわゆる「それまで差別され抑圧されていた人々」の「解放の時代」が一段落したあと、1980年代に入って以降に、今度はそのやり過ぎの反動として顕在化してきた問題で、政治的あるいは社会的に「ポリティカル・コレクトネス(政治的適正さ)」とか「ソーシャル・ジャスティス(社会的正義)」とは何か?ということを巡って、長々と真剣な議論が続けられ、司法的ないし政治的な判断が時に示されたり、双方の部分的な合意がこれまで積み重ねられ続けている重要かつセンシティブな事柄です。

そういう点で、アメリカとは国や社会の成り立ちや在り方に違いのある我が国の場合は、問題意識そのものが、アメリカに比べるとどうしても浅く甘い感じになってしまい、問題の片方の側だけ(つまり自称「弱者」の側の主張だけ)をやたらに扇情的に強調するだけのタイプの作品がこれまで目立っていた(今も目立っている)ような印象が個人的にはあり、前述のような《社会派アニメ》とか《意識高い系》とされる作品について、これまで視聴済みだけれども特に評価すべきほどの感想も持てず、かといって別に酷評するほどの感想もないので、そのまま放置してきた作品が幾つかあるわけです。

その点、本作は、私にとってほぼ初めて、肯定的な意味で《社会派アニメ》として高く評価したい作品となったわけで、そういう意味では、自分がこれまで高評価を付けてきた、自分が何度も見たくなる《大好きな作品》というわけではないので、個人的な評価点数をそうした種類の作品の限界と決めている4.4としました。

公式サイトによれば、8/24にBD/DVDがリリースされるそうで、それを機会に、より多くの方に視聴していただきたい個人的な《お勧め作品》となりました。

(*1)日本ならではの作品・・・それは主に、世界基準だと異常なくらいに“感情描写が繊細な”作品群と個人的には考えています

投稿 : 2024/11/30
♥ : 37

ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ズートピア。それは草食動物も肉食動物も、みんなが仲良く暮らし、誰でも何にでもなれる街。

2016年公開のディズニー映画。

動物がメインだし、
子ども向けかと思ってあまり意識していませんでしたが、

これは面白かった!!

大人も子どもも、
どの世代も純粋に「面白い!」と楽しめる作品です^^

120分ほどの作品ですが、
時間を長く感じずに、ずっと楽しめました♪


● ストーリー
肉食動物が草食動物を襲い、
草食動物が肉食動物を恐れていた時代は、昔のこと。

今は肉食動物と草食動物が共に暮らしている。
最初に仲良く暮らした街が“ズートピア”。

ウサギのジュディ(♀)は、
警察官になることを夢見た女の子。

周囲から無理だと言われてもあきらめず、
夢を叶え、ズートピアの警察官になったジュディ。

詐欺師でキツネのニック(♂)に協力させて、
14匹の動物が行方不明になっている事件の解決に乗り出した。


ジュディが警察官になる過程もひとつの大きなストーリーだし、

ジュディが警察官になってズートピアで働き、
ニックと出会い、
行方不明事件に関わることになり、
ほとんど残されていない手がかりを追っていく…。

とにかくストーリーが目まぐるしく動いていきます。

そしてその展開ひとつひとつに、
次へつながる重要な手がかりが隠されていて、面白い。

次から次へと何かが起こる怒涛の展開というよりも、

「これで一件落着。」と息がつけると思ったら、
実はもっと大変なことになっているじゃないか、な驚き。

とにかくよくできたストーリーなんです。
伏線の張り方&回収の仕方が上手い!

夢をあきらめないことの大切さを説いていたり、
アメリカの人種差別を匂わせる部分もあったり、
テーマも奥深く感じます。

かわいい動物のお話かと思ったら
それは大きな勘違いで、

ざっくり言うと、
警察官が大きな事件を解決するために奔走するお話でした。


● キャラクター
夢見ることをあきらめず、夢を心の支えにしている、
前向きなウサギのジュディ。

彼女の夢を信じる心は、
何よりも彼女を強くする。大きな行動力を生み出す。

そんな彼女の姿に共感したり、
励まされたりした人が多いはず。

私もジュディ大好きです♪


そしてジュディのパートナーとして活躍するのが、
キツネのニック。

詐欺師です。悪いやつです。頭の回転を活かしたスカした野郎です。

なのになぜだろう、
物語が終盤になればなるほど、ニックがかっこいいんだよな~。

「やれやれ、しょうがないなあ。」なキザな表情が
たまらないんですけど(*´Д`)ハァハァ

一緒にいて頼りになるところもかっこいいのだけどね♪

キザなんだよな!ナルシストなんだよな!

キツネにここまで感情入れ込めるのは、
ニックが初めてです(*´Д`)


主要人物である2人はもちろん、
他の動物もいいキャラしてる♪

個性や性格がしっかりしていて、
動物というより人間みたい。

だけど動物の特徴も残していて、
それがいい味出してます♪

ニックの友達であり、免許センターの職員でもある
ナマケモノのフラッシュが特に私のお気に入り♪

動きも会話もスローすぎて、
大爆笑でしたwww

表情の変化がスローで流れるというのもなかなか斬新♪
ひたすら楽しませてもらいました^^笑


● 作画
毛並み感といい、
表情といい、

もはやアニメなのか?と思ってしまうほどリアル。

アクションシーンも見ごたえあるし、
ズートピアも不思議な街だし、
いろいろな動物が登場するし、

抵抗なく楽しめました♪


● 音楽

【 主題歌「トライ・エヴリシング」 】

英語版ではシャキーラが、
日本語版ではDream Ami(E-girlsの元メンバー)が歌っています。

英語版はかっこいいし、
日本語版では歌詞の意味がよくわかるから感動するし、

私はどちらも好きです^^

ズーラシアンブラスとコラボしたバージョンも好き♪


DVDには、
BGMが収録されたスタジオでのインタビュー映像が入っています。

これを観ると、
BGMをもっと楽しみたくなりました♪


● まとめ
観た人の話を聞いたことがなかったし、
観る前はそれほど楽しみにしていなかったのですが、

実際に観てみるととても楽しめて、
心に残る作品となりました♪

大人も子どもも楽しめる作品であることは、
間違いなしです^^

投稿 : 2024/11/30
♥ : 34

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

新・伏線の教科書

2D吹き替え版を劇場鑑賞。


物語における伏線の張り方は二種類に大別されると思います。

一つはバチン!バチン!と音が聞こえるくらい、
これ見よがしに伏線を張り、受け手にもろに意識させるパターン。
ホラーや泣きゲーなどに多い伏線です。

もう一つは受け手に伏線と意識させないようにヒタヒタと伏線を張って、
受け手のガードがら空きになった脳天に向けて伏線を起爆させ、
心の奥深くにテーマやメッセージを食い込ませるステルス(隠密)型の伏線です。


“ウサギ初”の新米女性警官の奮闘記であるこのディズニー映画はどちらかと言うと後者。
ステルス伏線の巧妙な使い方で鑑賞者を魅了し、楽しませる逸品です。

元より、本作はそれぞれの動物らしさという世間の先入観で、
外見や行動パターンが構築されたアニマルキャラたち。
○○らしさ、ありのままという固定観念。
それらを何にだってなれるというズートピアの理想や、
主人公ウサギ警官による夢パワーで、揺さぶったり、乗り越えたりするのがテーマ。

そのため、伏線を秘匿するための化けの皮は街中にいくらでも転がっています。
大体、ウサギ警官の相棒からして、キツネの詐欺師w
ステルス伏線にとってはズートピアは圧倒的なホームグラウンドなのであります。


が、それ以上に、伏線を張るスタッフの技術が老獪過ぎて素晴らしいです。

単なるアメリカンジョークかと思いきや物語の重要な鍵だった。
この程度なら特にハリウッド等ではよくある伏線技術。

ですが、本作ではさらに、伏線回収されたと思ったら、実は回収こそが次の伏線でもあった。
あるいは回収された伏線は一本に過ぎず、実はあの場面にはまだ伏線が隠されていた。
その他、小物を活用した伏線の刷り込みも多彩。
サバンナの生態系並に多種多様な伏線技術が
小気味よいテンポで披露され飽きさせません。

伏線回収のタイミングも上手いの一言。
例えばジョークのネタに偽装した伏線。
それを場面の印象を忘れかけた頃に、コツンと伏線回収して、
ノーガードのハートに喜怒哀楽や社会風刺を突き刺してくる。

こうした手練手管の限りを尽くしたエンタメ精神が実にお見事。
伏線回収で私がこんなに舌を巻くのは、
私的伏線のバイブル『ダイ・ハード』一作目以来かもしれません。


ちょっとした詐欺が横行するストーリーだったからなのか、
伏線を張るのって、何だか詐術に似ているな。
という着想も得てしまいましたw

でもこういう詐欺だったら大歓迎♪
振り込め詐欺は多くの人を騙して、金品を奪い、泣かせます。
でもズートピアの詐術の如き鮮やかな伏線技術は、
せいぜい私の心と主題歌ソングのダウンロード料金をかっさらうくらいw
実に気持ちよくキツネにつままれ大満足な劇場映画鑑賞。

スタッフには万感の想いを込めてこの“詐欺師”め!という謝辞を贈りたいと思います♪

投稿 : 2024/11/30
♥ : 29
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