マフィアで暗殺者なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのマフィアで暗殺者な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月07日の時点で一番のマフィアで暗殺者なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.8 1 マフィアで暗殺者なアニメランキング1位
Phantom ~Requiem for the Phantom~(TVアニメ動画)

2009年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (1091)
7170人が棚に入れました
犯罪組織・インフェルノの暗殺者・ツヴァイは、ファントムの称号を持つインフェルノ最高の暗殺者・アインと共に、与えられたミッションをこなす日々を送っていた。実はツヴァイは平凡な日本人旅行者だったが、インフェルノの幹部・サイス=マスターに暗殺者としての才能を見出されて記憶を消去され、インフェルノに取り込まれていたのである。ツヴァイを暗殺者として養成する際、サイスは思考能力が失われるほどの激しい訓練をツヴァイに課し、彼を完全な組織の奴隷として育て上げようと目論んでいた。しかし、サイスの知らないところで、ツヴァイは運命の力に負けない意志を取り戻す。サイスの目を盗み、彼の上司であるクロウディア・マッキェネンがツヴァイの耳元で「君は組織の奴隷と思ってはいけない」とささやき、自由な生き方が残されている可能性を示唆していたのだ。自分が本当は何者なのかも思い出せないながら、ツヴァイは心の奥底で組織の奴隷ではない生き方を模索し始めた。

声優・キャラクター
高垣彩陽、入野自由、沢城みゆき、久川綾、千葉一伸、渡辺明乃、千葉進歩、志村知幸、保志総一朗
ネタバレ

fluid さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きる理由 殺す罪悪感

【記憶】を奪われ全てを失った少年が、人殺しを強要され【暗殺者】になるまでの苦悩を描いた作品。

絶望の中にもったった一つの希望が。
自分の中に見失った生きる目的を大切な誰かの中に見つける、そんな描写が素晴らしいアニメでした。

現代人ってアニメや映画で人の死に慣れ過ぎて、どこか他人事のように見てるとこあると思うんです。
最近は、死の重さが全然感じられないアニメが量産され、死者をバカにしてるのかと思うような作品も少なくないですよね。
それと比べると【生きる理由】や【殺す罪悪感】をここまで細かく表現した作品は珍しいんじゃないかな。

■どこにも存在できない亡霊、誰でもないファントム
逃げれば組織に殺される、そもそも海外旅行中に記憶を失い帰る家が分からない、自分が誰なのかすら分からない。
【生きる理由】を失った彼らの【絶望】の描写が素晴らしかったです。

■オレは・・・殺す、生きるために殺す。
はじめて人を殺すときの描写
相手を殺す直前でためらい、舌なめずりして逆にピンチに。
人殺しになるくらいなら自分が死んだ方が良いというあきらめにも近い力の抜け方。
そして自分が本当に殺されるという瞬間、極限状態で呼び覚まされた生存本能。 ためらいの無い一突き・・・

殺らなければ殺られる、という描写をここまで精密に表現した作品は珍しい、というより他では見たことが無いですね。凄すぎです。

■無表情、そしてギリギリ保たれる精神
一人殺すだけでも物凄い罪悪感なのに、何度も何度も殺さなければいけない、暗殺者をやめれば組織に追われる。

感情を押し殺して何も考えないようにしてるのは、そんな終りの見えない【罪悪感】によって精神が壊れないようにする為なんですよね。
自分がやってることを他人事なんだと自分に暗示をかけて、意識しないようにしてわけです。
【心の壁】ですね。ちょっとしたことで壊れてしまいそうな危うい壁。

アインがたまに見せる無表情ではない表情、そこに危うさを感じました。

■生きる理由
絶望の中で生きる理由を失った彼らが触れ合うことでお互いを大切にしたいと思うようになる。
生きる希望を見つけるまでの描写が素晴らしかったです。

自分の中に失った【生きる理由】を大切な誰かの中に見出したわけですね。

人を思う描写ってなんでこんなに目を奪われるんだろう?
と考えると、人が人を好きになる本質ってここにあるからなんじゃないかな。
好かれれば好かれるほど、必要とされるほど、好きになる。

恋愛だけでなく人付き合いにも通用する原理↑なので、身近に幸せになってほしい人や子供がいたらぜひ教えてあげてください。

いきなり告白しないで自分が好きだということを相手にさりげなく気付かせるのも有効的ですね。
まあ実際、自分もそんなトラップに引っ掛かってしまったことがありますし(笑)
ポイントは気があることを相手に気づかせてから少し考える猶予を与えることですね。あとは時間が経つうちにだんだん好きになってくれるかどうか、そこが分かれ目です。

■大切な人を殺さなければいけない・・・
知らない人を殺すことでさえ物凄い罪悪感を感じて、無感情にならないと精神を保てないほどの苦しみだったのに・・・
物語の後半、大切な人を殺さなければいけないシーンがいくつも出てきます(泣)

大切な人のためなら自分の命さえ引き換えにしたり、
昔大切だった人と今大切な人、どちらの命を選ぶのか悩み苦しんだり、
泣けるシーンが沢山ありました。

無感情になんてなれない、逃げ道のない苦しみ・・・

答えなんてない極限状態で何を選び、どうするのか、目が離せないですね。

■名作だけど見る人を選ぶ?
このアニメは間違いなく名作ですね。
実写の海外映画を見てるようなクオリティ、今まで見た暗殺アニメの中で一番面白いです。
ただ、心理描写が良すぎて、、その複雑すぎる描写を読み取れるかどうかで見る人を選ぶ作品かな?

無表情でつまらないという感想も見かけますが、、感情を押し殺すのは精神が崩壊するのを防ぐためですし、無表情だからこそ輝くたまに見せる表情に隠された心理を読み取るのが楽しいわけです。

■ドラマがホント素晴らしい!
このアニメで特徴的なのが視聴者にキャラの考えを伝えるためのセリフが必要最小限なところ。
そのおかげで、心理描写から少ないヒントを探し出し、組み上げて予測するという楽しみが倍増!

人間って1から10まで言葉にしなくても伝わったり、人の考えを予測するのが人付き合いの面白いところじゃないですか。
人間って100%自分の思い通りにならないところが面白い、自由への欲求は不自由が無ければ生まれない。とも言いますしね。

アニメの心理描写にも同じことが言えると思うんです。
全てを説明してくれるアニメの方が視聴者が理解しやすいというメリットはありますが、面白味が無い。
例えるなら、映画見てる最中に横から色々説明してくれる人がいると楽しくないですよね、それと同じです。
逆にこのアニメみたいに過剰に言葉数を減らす作品は視聴者が理解しにくいというデメリット、つまりは楽しめない人の割合が増える危険性がある反面、難しいパズルを解くような楽しみを演出できるわけです。

もちろん作るのが難しいのは後者ですね。この作者さんはかなりの頭脳派。
まあどちらが面白いと感じるのかは見る人によると思いますけど、自分は難しい心理描写の方が好きですね(笑)

ちなみに小説やラノベのように文字が原作のアニメは前者のタイプ、つまりは全部言葉で説明するアニメになりやすい傾向が。そこはアニメ制作会社の腕次第?

■ニトロプラス
ニトロプラスの原作は銃やメカ、戦闘の知識がはんぱないですね。ビックリさせられます。
なのでバトルアニメとして評価する人が多いみたいですけど、本当に評価するべきなのは中身。このアニメはドラマが素晴らしい!
心理描写のクオリティは今まで見てきたアニメの中で最高クラスでした。

■ドイツ
サイスマスターはドイツ出身。
アイン、ツヴァイ、ドライ、というのもドイツ語で1,2,3、つまりファントムの1番目、2番目、、という意味ですね。

■アインの真実{netabare}
アインはあんなに強そうに見えたのに実は心の中は普通の人よりか弱いらしいです。それを聞いてビックリ。
サイスは弱いと表現してますが、言い換えれば人の痛みに共感しやすい、感情が豊かってことなんですよね。

何も感じない無感情な人間に見えたのに、実は【感情豊かな人間】。

そういわれると納得で、人の痛みに共感しやすいからこそ自分の感情を押し殺さないと耐えられなかったってことなんでしょうね。
人殺しを何も感じないような人間は自分の感情を押し殺す必要なんてないですしね。

今、振り返ってみると、たまに無表情がピクリと崩れるシーンがありましたけど、ああ、そういうことか、という感じです。
ギリギリ保っていた無感情が崩れそうで崩れない、そこにギリギリ精神を保ってる様子が現れてたわけですね。

ということは、感情豊かな方が人形になりやすい?
サイスが選ぶファントムシリーズって女の子しかいないけど、あれって感情豊かな女性の方が人形のように洗脳しやすいってことなのかも?

それにしても・・・
記憶も帰る家も無くして、何もない、生きる理由も分からない、唯一の存在理由があのサイスマスターだなんて可哀想すぎですね(悲)
考えることを許さず人形のような振る舞いを強要するサイスマスター・・・
対する玲二は優しいクローディアのお気に入り。そんな彼を見て思うところがあったに違いない。

玲二は2番目のファントム、アインと同じ境遇。
今まで一人だったのに、自分にそっくりな玲二を見ると暗殺者としての自分の姿を写し鏡で見せられるような状況に・・・
これって何も考えないようにしていたアインにとっては大ダメージ!
玲二を見ることで自分が人を殺してるんだということを自覚し、罪悪感で震えるシーンもありましたね。
→暗殺の手順を冷たい表情で話す玲二を見て、もういいわ、と静止するアイン。

その後、クローディアから自分で考えなきゃダメよと言われた玲二。
上からの指示に対して自分の意見を話すようになった玲二を見てアインは、「考えると壊れるわよ」と一言。
殺す罪悪感と向き合うなんてアインには出来ないこと、そして、アインは考えることを許されない人形扱いなのに玲二は考えることを許され人間扱い。

そっくりだと思ってたのに、違いを感じ始めるアイン。
羨ましいような、嫉妬のような、自分には無い強さへのあこがれもあるのかな?
色んな感情が入り混じり自分にも理解できない感覚に少し嫌悪したんだと思います。
人間ってそういうとき、とっさに反発しちゃうものですしね。
アインが玲二に反対的な意見を言ったのもそういうことなんでしょうね。
子供が好きな子に反発したり意地悪しちゃうのも同じ原理。←自分が理解できない恋愛という感情に嫌悪し、本能的に防御反応を見せる。

そしてアインの玲二への気持ちが決定的に表れたシーンがこれ。
サイス「クローディアにツヴァイを寝取られないように」
アイン「寝取られても任務に支障はありません」
サイス「そうだな」
アイン「・・・」
ちょっと女の子っぽい反応に見えますよね。

そんな見え隠れする感情にアイン自身も気づきながら、だんだん玲二に魅かれていく様子、玲二に【生きる理由】を見出していく様子には見ごたえがありました。

あと最後、自分の意思では人を殺せないアインがサイスを殺すシーンはスカッとしました(笑)
{/netabare}


■感想{netabare}
生きる理由も見当たらない絶望の中、大切にしたい守りたい誰かに出会い、
何人も殺すことで生き延びた自分の命ですら、たった一人のために引き換えにするという生きざま。感動しました。


組織に追われるクローディアをリズィが殺さなければならないシーンはすごかったですね・・・
他の誰かに殺されるならせめて自分の手で・・・という言うことなんでしょうね。
クローディアもそれが分かってるからこそ最後に砂浜を選んでリズィに身を任せ、リズィが打ちやすいように決して後ろは振り向かない・・・
「最後まで・・・ごめんね。」の一言はうるっときました。

そんなリズィも結局キャルに殺されちゃいましたね・・・
玲二にもキャルにも死んで欲しくない。二人が殺し合うのなんて見てられない。
例えキャルが望み通り玲二を殺したとしても何も残らずに苦しむことが分かってたんでしょうね。
クローディアを殺した自分と同じ思いはさせたくなかったんじゃないかな。
命を懸けて、銃口を向ければ分かってくれると信じたのに結局・・・
例え、自分が死ぬことになってもそれで少しでもキャルに何か伝わるのなら、っていうのもあったんでしょうし、何よりクローディアを失ってこれ以上誰も失いたくないっていう気持ちが強かったんじゃないかな。
リズィ、良い人すぎるでしょう!


キャルはキャルで撃ち殺すことないじゃん、とは思いますけど、、もうそれくらい狂ってる、玲二しか見えてない。。
姉を殺され一人になった女の子、そんな孤独を救ってくれた玲二。
唯一信じていた好きだった人に裏切られたら、そりゃ2度目の孤独ですしね。中学生くらいの女の子ならなおさら。
もう何も信じられない、リズィの優しさすら心に届かない悲しみを抱えててもおかしくないですね。

キャルの成長は2年でそんなに?とは思いますけど、着てる服が大人っぽいだけで年齢は15~16くらいなんですよね。
その年齢の外国人が日本人の大人くらいの身長っていうのは考えてみれば自然な話。
リズィと2ショットのシーン見ると分かりますけど外国人にしては背低いですしね。子供なんだなぁって言うのが良く分かります。
胸は・・・まあ日本人でもあれくらいの成長の子は居ますよね。

キャルの憎しみはパッと見ホント異常すぎですよね。
でも、あの憎しみが実は玲二への愛情の裏返しなんだと思うと、どれほどの喪失感なのか・・・切ないですね。
もし、再開した玲二のそばにアインが居なかったら・・・キャルのその強い思いは憎しみとは別の表れ方をしてたんじゃないかな。

自分には玲二しかいない、でも玲二がアインを選ぶのは目に見えている。
微かな希望にかけて、玲二に振り返ってもらう問いかけをすることはできたんでしょうけど、期待して断られたら・・・もうこれ以上の喪失感には耐えられない、何度も失って心は壊れる寸前だったに違いないです。
それに、そんなのは彼女のキャラじゃない、自分の性格が許さなかったんでしょうね。中学生くらいですしね。

壊れかけの心を守るためにどうしても素直になれない。
これ以上傷ついたら耐えられない、絶対に本心は悟られたくない。
憎しみ続けるという理由づけが無いとそばに居続けることが出来ない、命を狙うことでしか振り向いてもらえない。
そんな選択しか残されていない彼女が可哀想すぎて仕方がなかったです(泣)

あの憎しみは一緒に居るためのフェイク。
素直になれない仮面の下には2年前の優しい女の子が居るわけで・・・あの優しいキャルが玲二と再会してるんだと思うと悲しくなりますね。


振り返ってみるとこのアニメって、バトルアニメなのにバトルアニメな感じがしない。
いやいや、バトルのクオリティは素晴らしいわけですが、それ以上に心理描写が素晴らしかったということなのでしょう。

あと、敵味方が入り混じる描写が多い割に、台詞の中に「敵」「味方」「正義」「悪」というワードが見当たらない。
この点に気づいた瞬間、このアニメすごいぞ!と思いました。
この世には誰から見ても「善」「悪」に見えるものは存在しない、有るのは誰にとって誰が利となり害となるか、ただそれだけなんです。
だからこそ、偏った意識を他人に植え付けるようなそれらのワードを使用しない。分かってるわぁこの作者!
作者は善悪についての理解も素晴らしいんだな、ホントとビックリさせられました。


音楽もすごく良かったです。
作品のイメージと音がすごく合う!
OP、EDの歌詞が作品にマッチしてるあたりを見ると作品内容を知ってる人が書いたのかな?
自分もそうですが、こういった心理描写が細かい作品はとても伝わってくるものが多くイメージしやすい、そしてレビューの走りも止まらない!
そんな作品だからこそ音を発注された側もイメージが沸きやすく良い音楽になったのかもしれませんね。


最後は、玲二があっけなく死んじゃいましたね・・・
え?って感じでした(笑)
まあでも、はかないものほど輝くとも言いますしね。

自分が生き延びるだけならいくらでもやり方あったはずなのに、アインを、大切な人のために自分の命を引き換えにという生きざまでしたしね。

罪悪感をずっと感じながら、いつか報いを受けると何度も言ってましたし。
先が長くないことなんて分かってたんでしょう、それでも少しでも長く、二人で生きる道を選んだわけです。

それを考えたら、こんな終わり方も逆に良いかも?


追記:
凄腕なのに銃弾受けたり、ラストあっけなく死んだりしておかしいという感想もありますが、良く考えてみましょう。
実際、視覚から攻撃されたら人間はよけることが出来るでしょうか? ほぼ不可能ですよね。
あらかじめ周囲の空間を把握して、どこに敵が潜んでてどこから攻撃が来そうか予想し、反射的に動けるように心構えすることくらいしかやれることは無いんです。
それが索敵能力ですね。プロなら索敵能力もかなり高いんでしょうけど、所詮人間です・・・限界がありますよね。不意打されたら普通の一般人にもやられます。

だからこそ、暗殺で一番重要なのが言葉のごとく、隠れて見つからないようにしながら相手に気づかせる前に先手を取る。
そして倒した後にどれだけ静かに逃げ切るかも重要ですね。 音を立てれば相手の増援が来て面倒ですし。 顔バレなんてしたら最悪、あんな風に町中で普通に暮らすことなんてできなくなりますよね。

つまり、狙うのが上手いからといって、狙われるのに慣れているとは限らないということです。
むしろ影から痕跡を残さずに殺すのが上手い暗殺者ほど狙われる経験が少ない、なんてこともあり得ます。
そもそも、銃弾かわせる人間なんて居ませんしね。狙われた時点ですでに遅いんです。そんなことできるのはマトリックスのネオくらいです(笑)

バトルアニメに登場するキャラクターって強い=攻撃も防御も強いっていうイメージが定着してますけど。
そもそも防御力っていう考え方もおかしいですよね。
どんなに肉体を鍛えた人間でも、あっさり殺せる方法いくらでもありますしね。 素手やナイフで十分なんです。
ましてや銃なんかで狙われたら回避なんてほぼ不可能。 銃で狙われて手を挙げるシーンがよくありますが、そういうことです。
さらには視覚から、さらには遠距離から狙われたら・・・察知や予測(索敵)すら不可能になります。

最終回で玲二があっけなく死んだのも、え?ファントム弱いじゃんって思うかもしれませんけど。
今まではインフェルノが隠れみのになってて、顔バレも無く素性も謎にされていたおかげで普通に生活できてたわけです。
素性を知ってるインフェルノに追われる身になった時点で決着はついてたわけですね。

インフェルノを裏切ったら長生きは出来ない、それでもアインを逃がす道を選んだ、ということなんでしょうね。
そう考えたら、あの、あっけない死に方・・・素晴らしい自己犠牲でした(笑)


あと、車乗ってるようなキャラがいきなり学生になるのはおかしい、っていうのもあれは実際に年齢が高校生なわけではなく、大人が学校に潜伏しているというイメージですよね。
ものすごく老けてる高校生もいれば、物凄く若く見える大人もいますし、5~10前後の違いならありえない話ではないですね。
キャルの成長がおかしいという人は、海外の15~16の女の子を実際に見てみると良く分かると思います。物凄くでかいです(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25
ネタバレ

love_kg さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

最終シーンの賛否両論以前に、終盤の展開について語ろーよw

原作未読です。

物語 ☆3.5
1〜3話、訓練編。4〜6話、ファントムとしての仕事。
ここらまでは展開も遅く、さして面白くは感じませんでした。

7〜10話 (11話)、逃走編?。は、良いテンポで話が進み先がどんどん気になりますね。{netabare}しかし最後のアインと礼二が撃たれた所は普通死ぬでしょw、しかもそのまま海に落ちるしw特に礼二なんて3発打たれてますからね!後々出てくる傷跡は肩口の辺に3発撃たれた跡がありますが、撃たれた場面を見ると腹部に撃たれてますよね?wwあれで生きてるのは化物です。あ、ファントムは化物みたいなもんですねw{/netabare}

12〜18話(19話)、キャル編。
ここが1番面白かったですね。ここだけなら☆4.2でも良い位ですよ(そんな星ねぇーよw)この章は、特に変な所もなく、様々な人物の思惑が交錯して面白い感じになってますw(語彙が貧困ですいません){netabare}僕のオススメは18話ですかね。礼二、アイン、サイス、クロウディア、リズィら全員が活躍して覚悟をしていきます。{/netabare}

20〜26話、日本編。
{netabare}まずopどーしたw、20話だけなら雰囲気があってたかも知れないがそれ以降の話は…。後、キャル!外人にとっての2年はそんなに大きなものなのか?w、変わり過ぎたろーww、面影なんて髪の毛の色位なもんだぜw{/netabare}

この章が1番の蛇足。まずいくら礼二の故郷だからって日本に来て銃をぶっ放すって言うのはちょっと雰囲気が合わないかなー。

{netabare}キャルがファントムとなっていますが、礼二に貰った懐中時計をまだ大事にしていて、懐中時計の音楽がきれると撃ち合うという殺し方をしてますが、あれはキャルが西部劇とかが大好きな影響でしょうか?ただ単にカッコつけてるだけだとするならあれほど寒い演出で非効率的な殺しは無いでしょー。

サイスも最後までよく分からんキャラで掘り下げに乏しかったかなー。まぁあえて考えるのなら自分の作った作品を愛してやまなかったのでしょうw

梧桐組も若頭が大輔から志賀に移ったために頭の良い立ち回りをするのかと思いきやサイスに踊らされてるだけでしたね。残念です。日本に来るまでは梧桐組は義理と人情を大切にする良い奴らだったんですけどね…{/netabare}

とりあえず日本編についてまとめると!
あんまり面白くないですw
↑ネタバレタグをみてくださいm(_ _)m

作画 ☆4.0
綺麗です。稀に崩れるのはアニメなのでしょうがないです。
{netabare}戦闘描写について、銃の扱い方とかマニアなので知りませんが、正面から撃ち合うって言うのはなんか違うなと。銃を使うなら、様々なトラップ等を使いながら気付かれず殺すって言う方がこのアニメの雰囲気に合ってると思うんですよね。なんか陳腐に見えてきてしまいますね。一体一の正面衝突と言えば、男同士の殴り合いでしょ!(笑){/netabare}

声優 ☆4.0
語れないので、割愛。特に何もないので☆4.0で

音楽 ☆3.0
op1、ed1、後挿入歌だけなら☆3.5でしたね。
op2はまじで無いでしょ!曲とかじゃなくて、背景の動画が何あれ?日常アニメ?は?まじ意味わからん!
ついでに、サントラは良い曲が多いんですがなんか使う場面が違うなーと思ったんですよね。プロの人に対して言ってるわけじゃないですよ!w
{netabare}ついでに礼二とアインが2人で車に乗って逃走してる時、礼二がop1の曲を流しますが、あれは流すなら挿入歌の方でしょ!曲名分からないけども!w{/netabare}

キャラ ☆3.5
リズィカッコいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!好きだー!
すいません、取り乱しましたw

このアニメは、
掘り下げられてるキャラと掘り下げられていないキャラの違いが大きくありますね。主要キャラに無ければ良いのですが、これがまた…(特にサイスとか、意味わからん変態じゃんw後はマグワイヤとかですかね。なぜファントムを作り、なぜ裏社会のてっぺんを目指すのか位は掘り下げて欲しいものです。)

いやーでも
礼二、アイン、キャルの3人は凄く掘り下げられていて、感情移入してしまい苦しかったですw

それとですよ!(変に語ります。)
クロウディアとリズィ!あの2人の胸熱関係?!良いですね。{netabare}18話はあの2人が輝いていました。リズィの何が良いって?やはりあの何よりも義理を重んじる所ですかね。だから友人であるクロウディアを苦しみながらも銃を向けて殺したんですねー。

いやー、リズィこそ裏社会の人間ですよw
それだけに最後引き金を引けなかったのは何故なんでしょうね?

日本では誰が好きかって言うと、みおですね。
彼女も礼二を一途に好きな所、いいですね〜。彼の本当の姿を知っても逆に応援する姿が何とも愛おしいw{/netabare}

まとめると、
キャラ項目の1番始めの文章になりますねww

総評 ☆3.6
本当の所は物語の部分を☆4.0にしたいのですが、どうしても日本編に納得出来ない自分がいるので☆3.5として頂きたいと思います。ファンの方には申し訳ない。

この物語について、
{netabare}自分はファントムは3人共死ぬと思ってましたので、最後に礼二が撃たれたのにはそこまでビックリしませんでした。逆にアインが生き残った方にビックリしましたがこれこれでありかもしれないですね。3人共、罪のない人を多く殺してきただから報いを受けるのは当たり前です。

キャル→死亡
礼二→キャルを巻き込んだ、死亡、アインと共に生きられなかった
アイン→唯一生きる意味であった礼二が死亡(あなたと一緒なら生きて行けると言っている)

この三人にはこの様に各々落とし前を付けられている。

しかし、キャルが1番マシな地獄かもしれませんね。
礼二との誤解も解け、愛しの礼二に殺された訳ですから。

こう考えると、礼二はキツイですね。
根源であるインフェルノの力を増加させて行ったのは礼二のファントムとしての力が大きいのでこれだけの報いを受けたのかもしれません。

それにしても、
綺麗に話が終わったように見えて、インフェルノは残ってるんですね。最高幹部であるマグワイヤが生きてますから。途中から彼は余り話に関係ありませんが彼を潰さなければインフェルノは残りますから、ファントムという悲しい存在はなくならないわけです。{/netabare}

色々と報われない話です。

最後に、
なんだかんだ言いましたが長い時間楽しませていただきました。ありがとうございます。時間に余裕のある方は是非見ていただきたいなと思います。

長文、駄文、失礼しました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
ネタバレ

天啓 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

裏社会に翻弄される少年少女の物語

原作 虚渕玄
ニトロプラスのゲーム原作作品
殺し屋として育成され、組織に翻弄される少年少女を描いた作品
主人公 レイジ=ツバイ メインヒロイン =エレン=アイン
サブヒロイン=キャル=ドライ
※ドイツ語でアインツバイドライ=1,2,3 殺し屋1号、2号、3号という意味
主人公レイジはアメリカ旅行中 ギャングの抗争現場に出くわす
そこで 殺し屋アインのお仕事を目撃していまう
目撃者は抹殺するのがその世界での掟
しかし、アインはレイジの殺害に失敗 逃げるレイジ
最終的には組織に捕まるが 殺し屋として最高の称号であるPHANTOMを与えられたアインから逃げたことで、レイジにも殺し屋としての素質があることを アインを育てたサイスマスターから見込まれ
レイジもツバイとして 殺し屋の教育を受け 立派な暗殺者として成長して行く

この裏の世界 騙し、騙され 誰が味方で誰が敵なのか?まったく判らない
そんな中でアインとツバイの運命ももてあそばれる
20話まではとても面白くて 次が気になって気になって ほぼ一気見してしまいました
21話以降はアメリカでの裏稼業に見切りをつけ、アインと共に日本に帰り身を潜めながら暮らすレイジとエレン
ただ、高校二年生と一年生の兄弟という設定
これでもうガッカリ
どう考えても年齢設定おかしすぎる
ましてや21話の冒頭 2YEARS LATERという文字が流れる
それから二年後という意味だよな?
二年もたって高校生はおかしすぎ
PHANTOMとして殺し屋の頂点に立ったとき どう若く見積もっても18才は超えていただろう?

それの二年後だ
アインと初めて会った時 15才前後と思われるが そうるとアインの年齢は?

14才にしちゃナイスバディすぎるべ?
更に追い打ちを掛けるのがキャル=ドライの再登場
始めてレイジと出会った年齢が10歳程度
1年ほどレイジと暮らしたとして 再登場した年齢を考察すると
10+1+2=13才ということになるが
日本での再登場は {netabare}バイクに跨り、ライダースーツを身にまとい {/netabare}

そしてボンキュボンのナイスバディ
どうみても17~18才でしょ
この問題は多くの方が同じ感想をお持ちのようですね
後半はこれが気に成っちゃってね 
大きな減点
それに日本でも武器を隠し持っていたレイジとアインだけど
どうやって拳銃入手した 裏の組織に頼めば、居場所を教える様なもの密輸できるツテがあっても同じことだし 日本の公安はそんな甘くないですよ
それと21話以降OPが変わった
それまでは作品雰囲気にあった感じてすごく良いと思っていたのに
21話以降のOP曲は聞くに堪えないくらい酷かった
OPアニメもなんか雰囲気合わなかった
21話以降で興ざめでしたね
もう一点 気になった点
インフェルノの最高幹部 マグワイヤが何故そんなに恐れられているのか?という描写が一切無かったこと 最高幹部である以上何らかの成り上がり物語があり部下から恐れられる存在であるはずなのだが?
どう見ても簡単に暗殺できるようにしか思えなかったのも残念だった
最終話は{netabare}エレンの故郷と思しきモンゴルへ二人へ旅をする{/netabare}

これはなんともシュールで良かったんだが 最終的にどうなるのかが読めちゃったのもちょっと残念だった。
二人には幸せになって欲しかったのだが・・・・
年齢設定とか気にしなければ 相当楽しめる作品だと思いますが
個人的には気にする方なので・・・・
そういう細かいところの設定とかしっかり作り込んでくれいたらと思うと
もの凄くもったいない作品かと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

81.1 2 マフィアで暗殺者なアニメランキング2位
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (483)
2064人が棚に入れました
イタリア、ネアポリスに住む青年ジョルノ・ジョバァーナは、
ジョースター家の宿敵・DIOの血を継ぐ息子である。
幼少時代に迫害を受けて荒んでいた彼は、一人のギャングの男を
救った事をきっかけに、「人を信じる」ことを学ぶ。奇妙なことに、
恩義を忘れず、敬意を持って自分に接するギャングが、彼の心をまっすぐにしたのだ。
そうして、ジョルノは「ギャング・スター」にあこがれるようになった。
15歳になったジョルノは、イタリアの裏社会を
牛耳るギャング組織「パッショーネ」とトラブルを起こし、狙われることとなり…

声優・キャラクター
小野賢章、中村悠一、諏訪部順一、鳥海浩輔、山下大輝、榎木淳弥
ネタバレ

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生まれ落ちる前から身に纏っているもの

荒木飛呂彦先生原作の長編漫画「※1ジョジョの奇妙な冒険 Parte5 黄金の風」のアニメ化作品。

今回の舞台はイタリア。2部ではヴェネツィアが、4部ではイタリア料理が取り上げられていましたが、ジョジョの画風に多大な影響を与えたルネッサンス美術発祥の地としても有名ですね。荒木先生のイタリアへの愛は計り知れません。

冒頭のストーリーテラーを務めるのは第4部で活躍したスタンド使いの少年、広瀬康一くん。※2空条承太郎の依頼を受けて、一人イタリアのネアポリス(ナポリ)へと旅立ちます。承太郎さんから直々のご指名とは!康一くん、あんたも成長したもんだ(笑)目的は※3DIOの血を受け継ぐ少年の捜索。

これまでのジョジョを振り返ってみると、主人公の立場が

第1部(舞台:1880年・イギリス)
英国紳士(品行方正、非の打ち所の無い人)

第2部(舞台:1938年・アメリカ)
アメリカ人(ケンカによる投獄7回のチンピラ風の少年)

第3部(舞台:1987年・日本)
日本人高校生(不良のレッテルを張られている。度々暴力事件を起こしている)

第4部(舞台:1999年・日本)
日本人高校生(奇抜な髪型。でも中身は割と普通。ちょいワル少年)

第5部(舞台:2001年・イタリア)
ギャング志望の若者

と、シリーズを追う毎に、何とな~く俗っぽくなっていく傾向があるみたいですね(笑)

ジョジョシリーズは当時の少年向け漫画にしては珍しい、大河ドラマの体をとった作品ですが、その関係で、作中では"ジョースター家の血統"という言葉が目を見張るほど(飽きれるほど?)多くの場面で運用されている印象があります。ともすれば、それがキャラの人格の根幹を成す要素として強調される台詞さえ見受けられたり…。作中に登場する"黄金の精神"や"生まれついての悪"という言葉についても同様。良きにつけ悪しきにつけ、才能、もっと言えば遺伝的特質のユニークさを、原作者の荒木先生が、キャラ造形をする上で取り分け重要視している事が伺えます。

養父の無償の愛を受けながらも自らの性質を変える事のなかった1部のDIO、何不自由無い環境で育ちながらも殺人衝動を抑えられなかった4部の吉良、劣悪な環境で育ちながらも悪には染まり切らなかった本作のジョルノ、それぞれのキャラの個性の在り処は天性とは決して切り離せない場所にある様に思われます。

人は鳥になれないし、その逆もまた然り。思えば、わたし達生物にとって、最も身近な環境とは、外界ではなく、生まれ落ちる前から身に纏っている肉体そのもの。脳や四肢や内臓など…。ジョジョにおける"血統"とは、道徳講義の中で飛び出す「生まれは関係ない。人の価値は成した事で決まる」的な、後天的要素に過度な期待を寄せた綺麗事などによって度外視されるものではなく、むしろ個性の基盤として個々の魂に脈々と息づいているものなのです。生々しさという表現が適当でしょうか、ジョジョに登場するキャラには2次元作品では稀に見るリアリティ、はらわたを引きずり出したかの様な独特の気持ち悪さがあります(褒め言葉)


作画について、4部に続いて最高水準のクオリティ。これまでのシリーズとは比べ物にならない程、複雑怪奇な能力を有するスタンドが数多く登場する第5部なので、漫画表現をどの様に調理してくれるのか興味津々です。比較的単純な能力なので描き易かったのかも知れませんが、ブチャラティのスティッキー・フィンガーズ、ポルポのブラック・サバスの表現については完璧でした。今後とも期待。

音楽について、シリーズを通して安定感抜群のOPEDは健在。OP「Fighting Gold」は前シリーズのPOPな曲調からやや攻撃的な方向に軌道変更している印象。疾走感のある曲になっています。エンディングの選曲については、今回も荒木先生直々のチョイスだそうです。やはりと言うか、さすが原作者、絶妙な相性…。Jodeci氏の「Freek'N You」は、まったりな余韻を残す良曲でした。


様々な境遇に置かれた人々の、歪に入り組んだ精神をダイナミックに描き上げる「ジョジョの奇妙な冒険」、その中では初の、ギャングという悪漢を主役に据えた、4部と並ぶ異色のシリーズ。

ギャングスターを目指すジョルノの旅、最後までしっかりと見届けたいと思います。


※1:英語のPartではなくイタリア語のParte。連載当時の副題は「第5部 ジョルノ・ジョバァーナ 黄金なる遺産」となっていた。漫画単行本のブックカバーの装丁としてあしらわれている文字も第5部(47巻~63巻)ではJOJOではなくGIOGIO。芸が細かい(笑)

※2:第3部の主人公でスタンド使い。ジョースター家の血統に属する。以降のシリーズにも度々登場。

※3:吸血鬼でスタンド使い。ジョースターの一族とは深い因縁がある。


船上のスタンドについて(必ずEpisodio 06「ムーディー・ブルースの逆襲」視聴後にお読み下さい)
{netabare}
「船は2隻あった!」

ブチャラティの台詞と共に明らかになった衝撃的事実ッ(笑)

ズッケェロのスタンド「ソフト・マシーン」の能力は、剣で刺さしたものを(人でも物でも)空気の抜けたゴム風船の様にぺしゃんこにしてしまうというもの。

船を2隻用意し、一隻を剣で刺してぺしゃんこにし、それをもう一隻の船に、服を着せる様に被せて、2隻を1隻に装っていたというのが上の台詞の意味するところ。(多分表面だけでなく内部まで。塗装でコーティングするみたいに)

皮膜の下をモゾモゾ徘徊して不意打ちを仕掛け、ペラペラになった人たちを、そこに引き摺り込んでいたんですね~。例えるなら、床下や天井裏に隠れた忍者が槍でブスリ!とか、排水溝に潜む得体の知れない怪物が、覗き込んだ人をを引きずり込むイメージでしょうか。あなおそろしや(汗)

ブチャラティがスティッキーフィンガーズで船体を攻撃した時、何故皮膜の部分にだけジッパーが開かなかったのか? それであっさりとからくりがばれなかったのか? と言う疑問を他の方のレビューで目にしましたので、これまでのジョジョシリーズを思い返しながら、あれこれと考えてみました。その理由は多分以下の3つ。

1.ブチャラティが皮膜の存在を認識していなかったから。だから皮膜ごとその下の船体をジッパー化してしまった。

2.1の補足ですが、スティッキーフィンガーズは"触れたもの"ではなく拳で"叩いたもの"をジッパー化するから。手加減をしなければ対象物と接触しているものにもエネルギーを伝えてしまうのではないかと思います。スティッキーフィンガーズは服を着ている人の肉体であっても、服越しに叩いて難なくジッパー化しているので、これは間違い無さそうです。(船に被せた皮膜を人間の着る衣服に見立てると解りやすい)

3.通常の物質と"スタンドが融合した物質"は区別出来ないから。

が挙げられると思います。

3も1、2の補足。3部のストレングスや4部のサーフィスを思い出してみると、これらは確か、スタンド使いじゃない人にも見て触れられる類のものだったはず。スタンド能力によってぺしゃんこになった船というのも"スタンドが融合した物質"に含まれるので、生身の手で触っても透けないし、認識し辛かったのかも。でもペラペラ皮膜で覆われた船体ってちょっとだけソフトだったりして(笑)

そしてもう一つ。ズッケェロが再起不能になった後、ペラペラになった仲間達ががパイプの中とかで復元したら危なかったんじゃないの? という疑問について。

もちろんそんなとこに入っていたら大変ですが、それをすると捕虜の位置があっさりとバレてしまう可能性があるので、(作中描写からも分かる様に、もしそうしていたらアバッキオ&ブチャラティに見破られていた)ズッケェロはそうしなかった。

パイプも皮膜で覆われており、両者の隙間に捕虜を隠していたと想像するのが妥当と思います。(それでも狭い場所で復活したらやっぱり危険ですけど)

最後に残った疑問は船底をどう修理したか。内側の船にだけ穴を開けても沈まないし、両方に開けたら両方沈んでしまう。描写が無かったんで何とも言えませんが、船底までは皮膜で覆っていなかったとか…(笑)

これで気兼ねなく次回のジョジョも楽しめますね…って、やっぱりご都合?
{/netabare}

おまけ「中の世界」
{netabare}
(以下、作中人物の台詞とは一切関係ありません)

花京院「ポルナレフ、体の中とか船の中とかさかんに言ってますが、体にも船にも『中の世界』なんてありませんよ…ファンタジーやメルヘンじゃあないんですから。」

ポルナレフ「なに言ってんだ、おめーも見ただろ? 人がジッパーの中から出てきたり、空気の抜けたゴム風船みてーにぺしゃんこになるのを!」

花京院「ええ しかし人体や船体の中にあるのは肉や骨、船室やエンジン、ただそれだけです。」

ポル「教えてもらわなくたって知っとるぜーッ いいか! この場合だぜ! 今の場合をいっとるんだよ! スタンドがあるなら『中の世界』だってあるだろ!」

花京院「ないです」

ポル「おめーなぁ~」

最大の謎はこっちですね。折り畳まれた次元に隠しているとか何とか…ツッコんだら負け確定の設定なので、ここら辺でやめときます(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

流石…としか言いようの無い出来映えの作品でした。

この作品の原作は未読です。
アニメは1期未視聴で2期目からの視聴になります。
1期はアニメこそ見逃しましたが、原作を途中まで読んでいたのでこの作品の持つ独特な雰囲気は知っているつもりです。

いよいよ4期になりました。
今度の主人公であるジョルノ・ジョバァーナは、何とジョースター家の宿敵・DIOと日本人女性の間に生まれたDIOの息子に相当するんです。
3期からジョースター家 vs DIOの構図は大人しくなりましたが、まさかDIO系主人公が登場するとは夢にも思っていませんでした。
まさかジョースター家がラスボスになる筈はありません。
主人公を入れ替えただけで、こんなにも物語が先読みできなくなるなんて…
これまでこの作品が積み上げてきたものが、どれほど大きかったのかが窺えます。


イタリア裏社会を牛耳るギャング組織「パッショーネ」に属する青年ジョルノ・ジョバァーナ。
彼には街に麻薬を流す組織の【禁則事項】を倒し、街から麻薬を排除するという夢があった。
謎に秘められた【禁則事項】に近づくため、同じ夢を抱く幹部のブローノ・ブチャラティ率いるチームと共に【禁則事項】 。

~中略【禁則事項】~

ジョルノやレオーネ・アバッキオ、グイード・ミスタ、ナランチャ・ギルガも、 ブチャラティと行動を共にすることを選択する。
『正義』を信じ『苦難の道』を歩み始めたジョルノたちに、『運命』が立ちはだかる。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂こうと思いましたが、あまりにネタバレ要素が強く、肝心なことは何一つ書けなかったような気がします。
なお、公式HPのINTRODUCTIONの【禁則事項】の部分には、本来違う文言が入っていますが、こちらもネタバレ回避を優先したため全く意味不明の文章になっていますがご理解頂ければと思います。

主人公のジョルノですが、いくらDIOの血を引いているとは上、立ち振る舞いはまるで真逆…
凝り固まった正義感…は感じられませんでしたが、仲間を守ることに至っては、まるでジョースター家の一員と言っても過言ではないくらい一本芯の通った人間だったと思います。

この作品の最大の魅力は登場するキャラが兎に角格好良いこと…
ジョルノの加入したギャング組織「パッショーネ」のチームリーダーの一人であるブチャラティを筆頭に、アバッキオ、ミスタ、ナランチャ、フーゴが同じチームメイト…
それぞれに共通しているのが、全員スタンド使いだということです。

完走後にwikiをチラ見して知ったのですが、この作品も原作漫画をほぼ忠実に再現しているんだそうです。
進撃の巨人を見た時も感じたことですが、漫画家の頭の中って一体どうなっているのでしょう…
1期の頃から何もかもが激変していると思います。
どうしてこんなにも面白い物語が考えられるんだろう…
どうして頭に浮かんだイメージをしっかりと形にできるんだろう…

正直序盤は、他の作品の視聴にかまけて視聴が遅れてしまっていました。
でも休みの日に後れを挽回しようと集中して視聴した時と、たまたま物語の面白くなるタイミングが一緒だったんでしょう…
一気にハマってしまいました。

ブチャラティの選択した道は、組織に加入している人間にとっては恐らく最悪…
でも、組織より己の選んだ道…人間としての尊厳を重要視するんですから堪らないんですよね。
相手のスタンド能力が分からないというハンデを抱えながら、ヒリヒリする様な命のやり取りを何度も繰り返すんです。

自分たちが絶対の強者ではありません。
実力は常に紙一重…時には偶然や機転に救われた事だって一度や二度じゃありません。
ジョルノがチームに溶け込んでいくのが見ていて嬉しかった…
ジョルノの言葉をみんなが聞くようになってホントに良かった…

一歩間違えたら確実に死に至る…
その判断を新参者であるジョルノに任せる…?
実績も何もないジョルノを信じる…?

事が重大であればあるほど信じるのは難しいと思います。
でもそんなことはジョルノだって百も承知です。
だからジョルノは仲間に信じて貰うところから彼の物語は始まるのですが、完走して振り返ってみると、それほどの時間はかからなかったと思います。

難しい出来事が無かったからでも、チームとしての頭脳レベルが低かった訳でもありません。
ジョルノが何度も身を挺して信頼に値する実績を作ってきたからにほかなりません。
彼が仲間から厚い信頼を得るために何をしてきたのか…物語の見どころの一つだと思います。

物語の終盤…何とも懐かしい顔を拝むことが出来たのは嬉しい誤算でした。
もうずっと会っていなかったのに…まさか同じ時間軸を共有していたなんて…
きっと3期までの作品を視聴済の方なら同じ感覚が共有できるのではないでしょうか。

ブチャラティやジョルノの夢は叶うのでしょうか。
そしてなぜ作品のタイトルが「黄金の風」だったのか…
しっかりと伏線が回収される構成だったと思います。
壮大で死線を何度も潜り抜ける彼らの壮絶な物語…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Codaさんの「Fighting Gold」と、ハセガワダイスケさんの「裏切り者のレクイエム」
エンディングテーマは、Jodeciさんの「Freek'n You」と、Enigmaさんの「Modern Crusaders」

3クール全39話の物語でした。
物語の終盤、もしかしたら3クールで終わらないんじゃ…と思った事もありましたが、綺麗に纏まっていたと思います。
そしてこのシリーズがここで終わらないという布石が見れたのも嬉しかったですね。
原作は未だ連載が続いているようなので、今後の作品もアニメ化されるのを期待しています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

観終わった

4話までの感想{netabare}
アニメもとうとうこの期まで来てしまったか…。
原作は初期の頃読んでたけど、この第5部で脱落したんですよね、自分。
理由は「ようワカラン、ついていけない」でして…決定的だったのは確かブチャラティが{netabare}「ボートはもう一隻用意してたのさ」みたいな展開だったところ。{/netabare}
マジで意味分からなくてのう、それ以前から「何が分からないのか分からない」のがじわじわ溜まってて、理解できるまで読み込もうって熱意も冷めてもういいやと脱落したのでした。
アニメもここまでは全部見てきてたけど、果たして5部はどうなるかな?

と、まだ4話までしかやってないけど…これは期待できる?
懸念の「何が分からないのか分からない」が分かりやすくなってるというか。
厳密には違うのかも知れないが解釈の仕方として、ジョルノのスタンド攻撃食らうと頭の回転が速くなりすぎて肉体がついて来ない。
この程度のことすら原作だと理解し辛く、そこが理解できても次が厄介で…。
精神が暴走すると肉体がゆっくりする←なんで?
気ばかりが先走るってことだと解釈してたけど…それプラス空回り起こしてるってことでいいのかな?
この部分は原作読んでた頃は「なんで?」って疑問すら沸かなかった、「何が起きてるのかようワカラン(とにかくそういうもんだと納得するしかない)」とモヤモヤしたまま読み進む羽目になってた。
うん、アニメのおかげで「何が分からないのか分かった」、こ、これはデカいんじゃないか?
分からない部分が明確に分かったのならあとは好意的解釈なりスルーなりできます、話が面白ければ…つまらなけりゃ「ここおかしいじゃん」と突っ込むことになるけど。

ジョジョって元から設定はテキトーで突っ込み出したらキリがない、あくまで物語の面白さ(勢い)で矛盾を踏み抜くスタイルだと思うので──「何を踏み抜くのか」が分かっただけでもアニメは良く出来てると言っていいんじゃない?
例を挙げれば服と体の間にできる影に潜めばいいじゃんとか、銃をバナナにしたところで自殺してくれる確証はないよね?とか。
ゴチャゴチャ言い訳しないで「いいんだよ、そっちのが盛り上がるだろ?」って勢いで今後も突き進んでくれたらかなり楽しめるんじゃないかなぁ?


余談
OPのファイティングゴールドは空耳込みで最後に「スラングルー!」と叫びたくなる。
前期には“ぐらんぶる”って作品も放送してたし、なんだ?国際映画社が流行ってるのか?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
やべぇ、やっぱり意味ワカンネーwwwwwww
アニメだったら分かるようになってるだろう、と期待してたんだけど…自分の理解力が無さ過ぎなのか?
と、ここの感想見てやっと理解できました。

船をもう一隻用意してたのは敵の方だったのか!

てっきりブチャラティが前もってそう準備してたってことだと思い込んでました…思い込みって怖いのう。
ってかさ、もう一隻被せてもチャックでバレバレじゃんって思わない?
そのせいで、「そんなことはないだろー」と早い段階で選択肢から除外してました。
「そういう能力なんだからそうなんだよ」ってのがジョジョのお約束なのでツッコミは極力したくないんだけど、灯台下暗しにもならないっていうか、「なるほどそういうことか」と膝を叩くよりも「えー、そんなーん?」と脱力するほうが上になったのは久々な気がする。

↑でも書いた様に原作を読んだのはここまで、ここから先は未知の領域です。
今後同じように脱力する展開が来たら困るなぁ。{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
なんとか最後まで見ることが出来ました。
↑で原作は途中で読むの止めたと書いたけど、そうはいいつつちょこちょこは見てて…特に「え、ポルナレフ出るの?」ってことでその辺りは飛び飛びで読んでたことを思い出したり。
所詮飛び飛びなので内容全然理解できなかったんだけどねー。
で、アニメ見てみて痛感、こりゃ原作(マンガ)だと「どういうこと?」とページめくる手が止まって読めないやww
アニメでもよくワカランw、けど放っておいても話が勝手に進んでくれるので問題ナシ。
元々深く考える作品じゃないしね…良くも悪くも勢い重視で「細けぇこたぁいいンだよ」で済まされてるだけで、これが他の作品だったら苦情殺到だろうなとも思ったり。
映画であった印象的なシーンをそのまま持ってきたんだろうなと思う所もあるし、または印象的なシーンを先に考えてそこから話を組んだんだなというのが丸見えな部分もあったり。
まー良いんです、JOJOだから!
ポルポの入団試験の時、巻き込まれて殺された清掃員の罪を問うマネしといて、カビスタンドの時の犠牲者には何も気を払わないとか、いいんです。
体内の鉄分ってそんなに無いだろと思っても、いいんです。
トリッシュの存在がバレたところで果たしてボスの正体突き止めることに繋がったか疑問だけど、いいんです。
他にももっとあった気がするけど、いいんです、JOJOだから。
とりあえずどんな内容だったのか知れただけでアニメ化の価値はあったと思います。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

67.4 3 マフィアで暗殺者なアニメランキング3位
NOIR -ノワール(TVアニメ動画)

2001年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (232)
1760人が棚に入れました
パリで裏の仕事を営むミレイユ・ブーケは、ある日、夕叢霧香と名乗る日本の女子高生から不思議なメールを受け取る。そのメールから流れてくるオルゴールの曲を耳にして、ミレイユは驚愕した。その音楽こそ、かつて家族が惨殺された日、現場で流れていた曲だったからである。
ミレイユは霧香にオルゴールの曲について尋ねるために日本へと飛ぶが、霧香は過去の記憶を失っていた。そして、とある事件がきっかけで二人はコンビを組み、裏社会の仕事人として仕事を始めることになる。ユニットの名は「NOIR(ノワ-ル)」。
様々な依頼をこなすうちに2人は真のパートナーとしての絆に目覚めていくが、そんな彼女達の前に秘密組織ソルダの影が忍び寄る。
ソルダとは一体何なのか?その正体は?そして「ノワ-ル」の名が持つ真の意味とは…?

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

「あなたと私の過去への巡礼…」

この作品は2001年春から放送された「銃と少女」をコンセプトとした2クールのオリジナルアニメ作品です。
作品に関する事前情報といえば、音楽を梶浦由紀さんが担当されている事くらい…

梶浦さんといえば、魔法少女まどか☆マギカやソードアート・オンラインといった超人気作の音楽を担当されていますが、コゼットの肖像やPandoraHeartsなど、少しマイナーでも梶浦サウンドを思い切り堪能できる作品が存在します。
そういった事から考えても梶原さん目当てで作品を視聴しても大きく外れる事は無いと思っていましたが、今回も予想通り外れクジではありませんでした。

この物語の主人公は、高校生の夕叢霧香(ゆうむらきりか)…パッと見は普通の女子高生…ですが、彼女には自分の過去に関する一切の記憶がありませんでした。
目覚めた時に彼女の持っていたモノの全ては「ノアール」という単語の記憶と飾りの入った懐中時計だけ…

そんな彼女の前に現れたのは銃を持った刺客の数々…
もちろん目覚めたばかりの彼女は銃を持った屈強な男たちに追われる理由なんか分かりません。
ただ一つ分かっている事といえば「自分が殺らなきゃ殺られてしまう」事だけ…
でも不思議と彼女には対処すべき技が身体に染み付いていて、次々と襲い来る刺客を次々と返り討ちにしていくんです。

「自分の過去を取り戻したい…」
こう考えるのはごく自然の摂理だと言えるでしょう…
彼女はパリで暗殺代行業を営むミレイユ・ブーケに一通のメールを発信するのです。

メールを受け取ったミレイユは、頭を金槌で殴られた様な衝撃を受けました。
メールから流れてくるオルゴールの音色はかつて両親の持っていた懐中時計のメロディーと同じだったから…
ミレイユの両親は、ミレイユがまだ幼い頃に何物かによって暗殺されていたのでした。
だからミレイユの頭の片隅には「両親の敵討ち」が離れる事はありませんでした。

日本に渡り霧香と接触したミレイユでしたが、霧香の持っていた懐中時計以外、彼女の敵討ちを進展させる情報を得る事はできませんでした。
「自分の過去を取り戻したい」霧香と、「両親の敵討ちしたい」ミレイユはお互いの利害関係が一致することから、パリで共同戦線…暗殺ユニット「ノアール」を立ち上げ物語が動いていきます。

銃自体の扱いに長けたミレイユと、全身とありとあらゆるモノを殺傷道具にしてしまう霧香とのコンビは最初はチグハグでした。
この作品の見どころの一つは、この暗殺ユニットの成長していく様だと思います。

ミレイユはこれまでずっと一人でした。
相手の事を考えながら生死を掛けた殺し合いなんてできる筈がない…
だってもしもの時の足枷になる…

確かにミレイユの考え方もある意味では正しいと思います。
有事の際のリスクを最小限にするという事においては…
でも「ノアール」での活動を通してミレイユはリスク以上のモノを手に入れたと思います。

活動の幅とバリエーションが広がり、戦闘時におけるリスクを分け合うことができるから…
誰とでも…という訳にはいかないと思います。きっと霧香とミレイユだからこそ、色んなモノを分かち合えたんだと思います。
お互いがお互いの背中を預けるに足るスキルを身につけている…これってやっぱりどんな場面でも大切な事なんですね…

二人が自分たちを「ノアール」と名付けたのは、かつての偉大な暗殺者の伝説にあやかったからでした。
でもこの世には「真のノアール」が存在する…という事実が明らかになった以降、物語の転がり方がこれまでと比べてだいぶ異質に変化したと思います。

これまでは二人の仲を育んできました。
でも、二人の間に様々な横やりが入る様になったんです。
それは物語の核心に近づいているから…

霧香とミレイユへの下に執拗に繰り返し送り込まれた刺客の数々…
全ての免罪符の様な「真のノアール」の存在…
それぞれに意味があり、それらは1本の糸で繋がっていました。
全ての手札が揃い、そして大鉈が振り下ろされる…
物事の真実と二人がどう向き合うのか…気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、ALI PROJECTさんの「コッペリアの柩」
エンディングテーマは、新居昭乃さんの「きれいな感情」
オープニングの旋律はかなり独特で一度聴いたらフレーズが頭から離れない系の曲でした。

2クール全26話の物語でした。
しっかりと物語が完結している事が素直に嬉しく思えます。
アニメの持つ販促性の高さも理解できますが、やっぱり腰を据えて制作頂いた作品は確実に見応えが増すと思います。
過去作の視聴も細々ですが、これからも継続していきたいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

黒百合物語

【概要】
 2001年春-夏に放送された全26話のオリジナルアニメ。dアニメストアで視聴しました。ノワールとは「黒」を意味するフランス語。

 パリに住み裏社会で名を馳せる殺し屋ミレイユ・ブーケ、記憶を失い本名すら忘れてしまったが超人的な殺人術を身に付けている夕叢霧香(ゆうむら きりか)。2人が出会い、暗殺ユニット「ノワール」を結成し「過去への巡礼」を始める美少女ピカレスク・ロマン。

【感想】
 序盤は1話完結形式で、2人の過去にまつわる話はじわりじわりと進行する。話が動くのは後半からですね。今のアニメに比べると台詞が少なめでスピード感に乏しく、同じシーンの繰り返しも多いので一気見はしんどいかもしれない。

 見所はやはりガンアクションでしょうか。色々凝った演出で楽しませてくれます。ただ後半はやや単調になります。ガンアクションの宿命か、当たると致命傷になってしまうので、当然のことながら主人公の2人はなかなか弾が当たらないんですよね。黒服に何人囲まれようが、弾を平然と交わしていきます(笑) 引き金を引くのを躊躇って取り逃がす場面が敵も味方も多すぎるんですが、これもピンチの場面ではそうせざるをえないガンアクションのお約束というものか。あと、放送当時は表現規制が厳しかったのか撃たれても流血することがなく、やや違和感あり。

 メインストーリー(真相)は引っ張ったわりにやや平凡な印象を受けた。マスターキートンにようにヨーロッパの文化・風習・歴史あるいはミリタリ蘊蓄を盛り込んで話に厚みを持たせた方がよかったかもしれない。

【作画】
 背景は良く書き込まれており、ヨーロッパの街並み・景観・自然はデジタル作画にはない絵画的な味わいがあって素晴らしい。

 キャラデザインはちょっと古い感じがします。あと目の大きいキャラと小さいキャラの差がありすぎるようにも思う。終盤に霧香が覚醒して目つきが鋭くなるのだけど、ややギャグっぽくなってしまった感があります。あと、アイキャッチが超ださい。

【音楽】
・オープニングテーマはALI PROJECT「コッペリアの柩(ひつぎ)」
・エンディングテーマは新居昭乃「きれいな感情」

 とにかくOP曲が耳に残ります。気が付くと「♪コッペリアの柩~♪」が脳内で無限再生されるので注意が必要。「ロッテリアのひつじ」に空耳するという声もある。ED曲はあまり印象に残らず。

 そして梶浦由記さんの音楽が最高に良いですね。ムードたっぷりで曲数も豊富。中でも戦闘時にかかる「salva nos」は必聴。

【百合】
 「ノワール」は深夜アニメにおける百合の古典としても知られています。暗殺者コンビ、ミレイユと霧香が紡ぎ上げる奇妙な絆に注目して見るべき作品です。

 すでにヨーロッパの暗黒街を舞台に「裏の仕事」を引き受け名も上げていたミレイユが霧香をパリまで連れていき一緒に生活し世話をするという保護者的な関係で始まる。
 
 2人で仕事をこなし死線をくぐるうちに強い信頼関係が生まれ、霧香はミレイユに対して親愛の情を深めていくのですが、実は戦闘能力にかけては霧香の方が数段上で、実際にミレイユはピンチを霧香に助けられる場面も多く次第に霧香に対してコンプレックスを抱くようになるのです。

 そこに「真のノワール」を名乗る第三の女、キリエが加わりますます混沌としてくる。やがて真実を知った後、非情な試練が2人待ち受ける…

 仕事のパートナー以上の存在でありながら、親友でもなく、姉妹でもなく、恋人でもなく、「ノワール」という固有の名称でしか表現できない関係性。殺し屋として罪を重ね続け、他の道を選べぬ呪われた少女にとっての唯一つのよすが。うーん、これこそが至高の百合なのかもしれないな。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

絡まった2つの謎と2人の殺し屋の乙女。脚本と音楽が素晴らしい良作です。

 2001年時点で暗殺者がヒロインになるアニメは極めて珍しかったと思います。マンガでは「あずみ」がありました。アニメは女性のバディものガンアクションで「ガンスミスキャッツ」があるくらいでしょうか。この後「ガンスリンガーガール」などが登場します。

 本作は、毎話「ノワール、其は古よりの定めの名、死を司る二人の乙女、黒き御手は嬰児の、安らかなるを守り給う」という詩の朗読があります。これがなかなか良くてOPから含めて作品に入り込んでゆきます。

 1話。時計そして音楽をモチーフに記憶を無くしたJKとフランスの美人殺し屋ということが一気に説明され、あっという間に引き入れられます。

 2話以降、この記憶をなくしたJKと美人フランス人殺し屋のバディものとして、2クールで話が展開します。時に本筋と関係ない話も入りますが、1話の脚本として内面描写や郷愁を感じさせる出来で、引き延ばし感や中だるみ感は感じませんでした。

 アクションシーン、特にピンチの場面の描写に若干時間的間延びがあり、ツッコミを入れたくなりますが、これは古いアニメの演出なので極めて短い時間を詳細に描写しているものとして受け入れましょう。

 2クールものですし、内容がシリアス寄りですので一気見には向きません。「刺激」や「緊張感」は麻痺が来るので、段々退屈すると思います。1日1、2話。多くても3話くらいで余裕があるときに見た方がいいと思います。

 で、後継の「マドラックス」と極めて雰囲気は似ています。作画、演出、アクション、音楽性、展開、キャラ配置など。ですが、本作にマドラックスのような難解さ、オカルトはあまり感じません。
 その割には、ガンアクションものとしてもそうですけど神秘感や、死と隣り合わせのアンニュイな雰囲気が出ていました。

 脚本が秀逸で展開、謎解きについて物語、構成がよく練られていました。初めの詩や時計・音楽、そしてパリの雰囲気が上手く活きていたと思います。

 謎部分は見てのお楽しみですが、要するに宗教原理主義、歴史の裏、暗殺者として生い立ち、少女と女性は最後どうなるのかを見極める話です。
 クールそうに見えて、実は2人とも友情や家族愛に隙があるのがキャラに感情移入できる要因になっている気がします。

 で、最後の謎部分です。
{netabare} 最後の最後で、傷ついた霧香に肩を貸すミレイユは「パリに帰って熱いお茶が飲みたいわ」といいます。この時、ミレイユは光ったような霞がかかったような雰囲気になります。
 そして銃声が2発轟きますが、違う音です。最後は壊れた時計とは2人の時間が止まると言う意味と、ソルダではなくなるという意味でしょう。その前の灯りを自分でともすというミレイユの言葉や、霧香の怪我、組織があえて見逃したことから言っても、2人が自決あるいは撃ち合った=運命に翻弄された人生を初めて自分で選択する、ということだと受け止めました。 {/netabare}
 作品の根底に流れる無常観、アルテナ・ソルダの両方に対する自分たちの解答、殺人行為の清算と言う意味でもそういう結論がしっくりくると思います。

 アクション要素の他、絡まった2人の謎解きとどうやって2人の殺し屋の乙女が生きてきたかという運命について考えてしまう作品でした。テーマ性は重視せず、運命についてのモヤモヤを咀嚼するのがいいと思いました。そこがラストの解釈になってくると思います。
 エンタメ性を保ちつつ、殺伐とした世界観と詩情を融合させて、最後には感動と言うよりも、切ないながらも納得の行く作品になったと思います。素晴らしい脚本でした。

 音楽はOP、EDもいいですけど、BGMも聞かせました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

63.0 4 マフィアで暗殺者なアニメランキング4位
MADLAX マドラックス(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (166)
1067人が棚に入れました
近代化を推し進める政府の国王派と、それに反発する反政府組織ガルザとの間で12年の長きに渡り内戦を続ける、ガザッソニカ王国。
そこでは、あるエージェントの存在が、政府軍兵士と反政府ゲリラ双方の間で知れ渡っていた。驚異的な戦闘能力を誇る美少女の名はマドラックス。
一方、先進国ナフレスに12年前の記憶をなくしたマーガレット・バートンという一人の美少女が、何不自由ない普通の生活を送っていた。
全く別々の場所で対照的な生活を送る、マドラックスとマーガレット。しかし、マーガレットが自宅で見つけた赤い本の秘密を探り始め、ヴァネッサが内戦の原因を探るためにガザッソニカに飛んだことで、隠されていた二人の接点が明らかになっていく…。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

意図せず生まれた純文学といえるかもしれません。

 本作は意図しないで出来上がった純文学なのかもしれません。純文学とは大衆に迎合しないことで、その意味では本作は文学ではありません。演出、構成、キャラ、音楽、そしてストーリー。どれをとっても計算して作ってあります。大衆向けのエンターテイメントです。

 ですが、見ている側からすると「どうしてそうなるの?」が語られません。ガンアクションなのか、ファンタジーなのか、サスペンスなのか。いろんなことに幻惑されうちに、いつの間にか人の内面について考えさせられます。
 エヴァ以降世界観だけを見せて「理由」を語らないアニメが増えましたが、その一つの到達点として意図しない純文学的なアニメになっていると感じました。

 ストーリーです。ストーリーは不思議な構成で、主要な登場人物の誰に感情移入しても、何かが見える、ということです。ここがこの物語の文学性を高めています。

{netabare} 一人の少女が父親を殺したことにより精神が分裂してしまいます。本質の世界にいたせいでしょうか。2人の少女を現実に生み出し、3人になってしまいます。一人はもともとの貴族の娘マーガレット。一人は殺し屋マドラックス、そして人形から生まれた真実を知る少女レティシアです。

 マドラックスが殺し屋としての活躍の話と思いきや、それはまったくの舞台装置です。ガンアクションはすごいのですが、マドラックスがなぜ殺しをするのかというのが物語の最後の結末につながります。そして、マーガレットとの不思議なシンクロ。赤い靴、雨、本、黄色い花、そしてパスタ。2人の間のつながりが暗示されます。孤独なマドラックスとバレッサとの不思議な友情と結末も胸にきます。

 また、3話に登場するグエンマクニコルという将軍との話が非常に良くて、このエピソードのマドラックスの感情を追うだけで一つの文学になっています。

 カロッスアという闇の組織のエージェント。3冊の本を集めるとその本質の世界への扉が開きます。アンファンという闇の組織が暗躍しますが、カロッスアという男が組織を裏切り独自に本を集めます。そして、3冊の本が集まり真実を知った結果、己が何者かを知ります。ここは「なぜ」を言ってはいけない部分です。少女革命ウテナのような結末でした。

 エレノア。マーガレットのメイドです。献身的な愛情をそそいで常にマーガレットのそばにいます。命がけでマーガレットを守ります。でも、祖父からマーガレットを託された時に恐らく自分の中で何かを殺したのでしょう。本質はマーガレットを疎ましく思っていたのだと思います。それが最後に明らかになる彼女の感情です。でも、それだけではありませんでした。

 怖い人。リメルダ。マドラックスへの興味が捩じれた愛情へと変化します。殺したいほど…という感じです。そしてマドラックスとの間に生まれた奇妙な友情。また、最後の場面。
 マドラックスと2人でいるとき赤い月と青い月がでていました。これは現実ではないということ、あるいは新しい世界が生まれたのだということでしょう。 {/netabare}

 と、書きだしたらきりがないくらいに多面的に人間の欲望や感情というものを見せてくれます。もっといえば存在の虚ろさみたいなものが随所に感じられます。

 物語は謎が多いしギミックや伏線が多いせいで複雑に見えますが、そこは最後まで見れば解決します。不思議なテンポというか間が美しい音楽とマッチして、普通のアニメではない独特の雰囲気を醸し出しています。

 ガンアクションだと思われがちですが、人の内面について考察できるアニメだと思います。製作意図は恐らくもう少し違ったものかもしれませんが、一度じっくり見ると純文学のように持て余した感情を後に引きずるでしょう。

 ヤンマー二でギャグみたいに思えるかもしれませんが、音楽のクオリティーの高さには驚きます。エンディングのモノ寂しい雰囲気が大好きでした。オープニングの歌詞がかなりストーリーの本質に迫っているかもしれません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3
ネタバレ

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

イニシエーション

「ノワール」(ずっと「NOIR」だと思っていたのですが、カタカナ表記が正式なタイトルのようです)「エル・カザド」と並んで"美少女ガンアクション三部作"と言われている作品の第二弾です。

例によって真下耕一監督アンド"美少女×銃"大好き人間なので、果たして皆さんが参考にできるレビューと言えるかはわかりませんが(笑)、やっぱり面白かったです!

マドラックスを執拗に追いかけるイメルダ・ユルグからは「エル・カザド」のL・A(性別は違いますが)、ナハルからは服装を含めて「ノワール」のクロエを感じる(クアンジッタ・マリスンはもちろんアルテナ)
など、"三部作"と言われるのも納得の既視感があります(だが、それが良い!)。マーガレット・バートンに至っては声優からしてモロ「ノワール」の夕叢霧香・・・(笑)

放送時は911から間もないということも関連してか、"戦争"が作品全体を薄っすらと覆っています。エリックが劇中で語る自分と世界の距離感というものは完全に「機動警察パトレイバー 2 the Movie」で語られたアレです。ガザッソニカのアジア感はベトナム戦争っぽくもあり、「BLACK LAGOON」のロアナプラっぽくもあり・・・。

飛行機事故のくだりで「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」を思い出したり、カロッスア・ドーンやフライデー・マンデーからムスカ臭を嗅ぎとったりもしました(笑)。終盤にマーガレットと二人でいる感じはまさにラピュタ(?)

声優陣では、有名かつ真下監督作品でもお馴染みの面々が名を連ねる一方、エリノア・ベイカー役の内川藍維さんに注目しました。ヘタウマな感じ(失礼)が非常にクセになります
(出演作品の数を見ると、長所になっているわけではないみたいですが・・・(^-^;)。

金田朋子さんもめっちゃ良かったです、っていうかキャラクターの中ではレティシアが一番かわいかったです!特に目。

梶浦由記さんによる音楽が素晴らしいことは言うまでもありません。彼女が音楽を担当したアニメをもっと見たい・・・と思ったら、たまたま僕が見ていない作品を担当しているだけでした(;^ω^)

年齢的に難しいのかもしれませんが、真下耕一監督の新作を是非見てみたいと改めて思いました。"美少女×銃"でも、「無限の住人」や「へうげもの」に通じる時代劇でも、監督の集大成と言えるテレビシリーズを切望します。(調べてみると、ビィートレインがアレしてしまってるみたいで心配ですが・・・)


P.S.めっちゃネタバレになるのでやめたレビュータイトル候補→{netabare}「私たちに翼はない」、「複製された女」{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

nori さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

隠れた名作ハードボイルド系

2000年代の深夜アニメでは1番だと思ってます。当時リアルタイムでも観て
DVDでも見ました。
張り巡らされた伏線、世界観BGM 世界も国をまたいで2世界と異世界もあるし
マーガレット以外のキャラクターが狙いすぎの萌えみたいなのがないし
女キャラ多いけど、エロとか萌えとかで釣るような内容じゃなくキチンとリアル気味に描写されていてそれぞれ生きている感が伝わってくる感じ
内容自体は人を選ぶかなりハードな内容ですはっきり言って娯楽感は捨ててる内容です これぞ深夜って感じでした。
真下監督のEATMAN辺りが好きな人に完全にはまります。
リアル気味に描写されてるけど、戦闘自体はファンタジーっぽい感じもあります主人公の存在理由にかかわりますがあと戦闘はあっさりです、戦闘のアクション自体が見どころの作品ではない感じです。 イカにもガンアクションが好きな人にも向かないと思います ネットとかでキャラクター人気とかがいまいち出なかった理由もわかります、ハードすぎる話で見る視点によればつまらないと感じるでしょう、 人がいきる意味 自分探し的な要素 家族愛と戦争 憎しみ など テーマは重いですが見ごたえあります。マーガレットのキャラ絵で萌え系の軽い作品かなと思ってみるとなんじゃこりゃーとなりますのでご注意を。
EATMANもそうでしたが視聴後に考えさせられる作風です。鬱気味になるかもしれません。
 追記 今さらで古いですが BGMが相当良いので サントラ1と2
は聞いた方がいいです kalafinaになってからの梶浦より良いと思いました
MADLAXのサントラは定期的に番組とかで切り出されて使われてるようです。
マイナーな楽器チェンバロみたいな古楽器が使われてたりしてクオリティは高いです。 マスタリングは言うほどでもないので高給なオーディオで聞くと粗が見えますが、クラシック聞いてる人でも聞けます。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ページの先頭へ