マニアックで漫画原作なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのマニアックで漫画原作な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年09月08日の時点で一番のマニアックで漫画原作なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.6 1 マニアックで漫画原作なアニメランキング1位
頭文字D [イニシャルディー](TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (497)
2722人が棚に入れました
北関東の名立たる峠道を舞台に、本来ならば「若葉マーク」である筈の主人公、藤原拓海が父親の愛車、AE86型(ハチロク)スプリンタートレノを駆り、誰の目にも圧倒的に速いと思える車を相手に対等な勝負を繰り広げ、“公道最速”を目指す。

声優・キャラクター
三木眞一郎、石塚運昇、岩田光央、川澄綾子、西村知道、矢尾一樹、高木渉、子安武人、関智一、檜山修之、藤原啓治

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

【アニメにおける自動車の表現を根本から変えた歴史的大傑作!!!】

日本のアニメやマンガとモータースポーツの相性は実は結構良くて、古くは『マッハGoGoGo』『よろメカ』『F』『サイバーフォーミュラー』『レッツ&ゴー』・・・とまあ歴史を辿るだけでも数々の名作が生まれてます
ところがこの作品が当時手間ばかり掛かると限界が見えてきていたセルアニメにおけるモータースポーツの表現を根本から覆すことになるんです
かくいうオイラもこの作品には人生観そのものを大きく変えられた一人です


原作は『バリ伝』でお馴染みの“しげの秀一”が1995年から週刊ヤングマガジンで連載していたマンガ
本来なら若葉マークであるはずの高校三年生の主人公が父親から受けた非合法な特訓で天才的なドライビングテクニックを開花させる
そして当時既に15年落ちだった旧型車、通称「ハチロク」を駆って夜の峠道で最新鋭スポーツカーを相手に公道バトルを繰り広げるという俗に言う【走り屋モノ】
後々続く長編シリーズの第1期が今作、通称『First(1st)Stage』です


複雑なカメラワークや流れる沿道の背景を毎週のテレビアニメで表現可能にしたのはずばり【自動車の走行シーンをフル3DCGで表現】するというかつてない試み
当時、連続テレビシリーズで3DCGなんてあまりにも贅沢・・・いや無謀とも言える挑戦でしたがこの作品は見事にそれをやってのけました
そして疾走する自動車の表現=3DCGという今日のアニメ界では常識とも言える構図を完成させるまでに至ったエポックメイキングな記念碑的傑作と呼べるでしょう


また音楽レーベルのavexがアニメ事業へ参入した記念すべき第1作目でもあり、同社のダンスコンピレーションアルバム「SUPER EURO BEAT」シリーズの楽曲を劇中BGMに採用するという試みも斬新でした
当時パラパラブームを目前に控えていたものの、ユーロビートという世界的に観れば実にマイナーなジャンルの音楽の知名度を押し上げたのは今作の力もあってのものです
特に第5話のバトル決着直前に流れる「HEART BEAT」のイントロによる演出は必見
後のシリーズでもGT-Rの象徴として使われる「BACK ON THE ROCKS」や庄治慎吾のテーマこと「DANCING」のような強烈なインパクトを残す演出も素晴らしい
第1話の最初と最終話の最後は必ずDAVE ROGERSの楽曲が来るというシリーズを通して観るとよくわかるセオリーが既に築かれているのにも注目してほしいですね
主題歌を手掛けたm.o.v.e=アニソンという構図も今作が始まりです


ちなみに今ではあまり話題になりませんが2000年の『はじめの一歩』に破られるまでは最高視聴率3.8%という深夜アニメとしての記録を持っていました
この事からも今作が当時どれだけ注目されていたかがわかると思います


それにモータースポーツモノ、青春モノとしてのストーリーの完成度もシリーズ中屈指の出来栄えでして、基本的に5話で1つのエピソードが完結するようなキレイな構成になっています
1~5話 VS FD3S編
6~10話 VS R32編
11~15話 VS EG6編
16~20話 VS シルエイティ編
21~26話 VS FC3S編(+妙義遠征編)
合間合間に恋愛や笑いを挟みつつ全26話
後のシリーズでは原作の細部をカットするような“マイナスの構成”をとっているのに対し、この第1期だけはアニメオリジナルエピソードを加えるなど“プラスの構成”をしているのも特徴
自動車に興味の無い方にも、この第1期に関してはオススメできますb


お話そのものの特徴としましては、「走り屋」と呼ばれる非合法公道バトルを繰り広げる若者達の姿を【究極まで美化してる世界観】が本作特有のポイントといえます
この手の「走り屋モノ」では、少なからず非合法であることをチラつかせて走り屋とはあくまでアウトローな存在であるってことを提示するものなんです
『サーキットの狼』の“池沢さとし”ですらやってます
ですが今作はそーゆーの一切やってないのです(笑)
こんなにも走り屋が受け入れられる世界があるわけ無いのですが、今作では本当のモータースポーツならば成立し得ない【自動車の異種格闘技戦】を実現させるということに注力しているので、公道バトル=無差別級レースとして誰もが黙認
だから走り屋を否定する人なんてのも出て来んのです


それと今では当たり前になりましたけど徹底したロケハン、というのも当時のアニメとしては珍しかったですね
物語の主な舞台となる群馬県渋川市の伊香保温泉街などは原作でもかなり細かく描写されている為、アニメも其れに習っています


さて、やはり3DCGというのは日進月歩の技術でして、残念ながら特に今作のバトルシーンは今観るとツッコミどころが満載だったりします
(セルDVD化の際に音響面などはだいぶ修正されましたが・・・)
そもそも3DCG以外の作画や手描き背景がアナログだったため、人物と自動車の合成が出来なかったという問題点もありました
2002年に発売された『BATTLE STAGE』という総集編では3DCGを一から全てリメイクするなど今作への思い入れはスタッフも大きかったようですね

投稿 : 2024/09/07
♥ : 22

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

クルマ好きなら楽しめるかも?

1998年放送開始のTV版アニメシリーズ。第一期。全26話。
1995年"しげの秀一"による日本の漫画を原作に作られた。

今のところ1期の1998年から2013年5月10日"5th"

テレビシリーズ「頭文字D Second Stage」
映画「頭文字D Third Stage」
OVA「頭文字D Battle Stage」
OVA「頭文字D Extra Stage」
アニマックスPPV「頭文字D Fourth Stage」
OVA「頭文字D BATTLE STAGE 2」
OVA「頭文字D Extra Stage 2」
アニマックスPPV「頭文字D Fifth Stage」
実写版。キャストは日本/香港/台湾等若手俳優を起用。


あらすじ。
飄々とやる気なさ気な極普通というよりやや昼行灯気味の
高校生「藤原拓海」が父親の愛車 "AE86型" 通称「86」を駆り、
"公道最速"を目指していく・・という単純ストーリーです。

以下感想他。
其処にドラテクや心理戦等の臨場感や駆引きの心理描写等
と、当時は最新の?3Dによる綺麗なボディラインや挙動の
美しさが話題になった作品かな。

しげのさんの漫画は乗り物系のコテコテの走り屋っぽい
作品で、最終的にエンドレスな展開?引き伸ばされてい
く気がする。このアニメも序盤はヒロインらしき人物が
出てラブコメ?純愛路線?なんて思ってたら徐々に影薄
くなって・・走りがメインのドリフト全開な展開になる。

原作連載開始当時で既にエンスーの域で名車ではあるけど
現役を退きつつあったハチロクで最新鋭のハイチューンド
を「ぶっちぎる!」という「峠」のテク重視、バランス重視の
爽快感が人気の要因のひとつかな?

3Dは流石に古いので少し訛りがあって背景などとの違和感
も有ったり・・それ以上にキャラデザが可也崩壊している。
声優の声もデザインと若干違和感がある・・

少しだけ原作読んだことが有る・・バイクが好きで車も好き
だけど・・もっさりが嫌で・・バイクみたいに切れるFC/FD
乗っていたのであの兄弟の所を読んだら結構面白かった。

アニメ1期は・・やはりもっさり。それでもスピード感とか
臨場感とか結構伝わってくる物はある感じ。
ちょろっと高校生らしい学園での恋愛っぽいのなども有る。

排気音は勿論スキル音やブローオフバルブの音など可也音
にも拘ってたみたい。音効他も煽り感のあるスリリングな
使いかたは良かった。音楽も結構いい感じ。

85でK'sや180をブッチとかこのアニメシリーズの序盤の
盛り上がりネタかな?サイド引きとか痛い話もでたりw

パーツやちょろっと細い勘違いネタを解り安く描写したの
も車乗り始めのドラテクとかチューンの知識のようなもの
で興味を引いたのかもと想う部分が多い。

エンジンブローってシリーズ何処だろ・・今度改めて・・
全シリーズ制覇してみようかな・・部分的には見た覚えが
有るんだけど・・全部は視ていない。


以下キャスト他
※印象的なバトルの記憶でシリーズ混在してるかも?

藤原 拓海:声 - 三木眞一郎
車種/AE86"スプリンタートレノ"GT-APEX 3door(前期型)
ハイテックツートン(俗称パンダトレノ※白/黒)
13歳の頃から無免許で86に乗り実家の豆腐の配達を手伝う。
高校3年生。ガソリンスタンドでバイトをしている。
「紙コップに入れた水をこぼさない走り」や溝落しが伝説?

高橋涼介:声-子安武人:FC3S RX-7 ∞ Ⅲ
高橋啓介:声-関智一:FD3S RX-7 Type R
中里 毅:声-檜山修之:BNR32 スカイラインGT-R V-specⅡ
庄司慎吾:声 - 藤原啓治:EG6 シビック SiR-Ⅱ
佐藤 真子:声 - 根谷美智子:シルエイティ
沙雪:声 - かかずゆみ:真子のナビ・メカニック担当。

藤原 文太:声 - 石塚運昇:藤原豆腐店店主。拓海の父。

武内 樹:声 - 岩田光央:AE85 カローラレビン SR
池谷 浩一郎:声 - 矢尾一樹:S13 シルビア K's

茂木 なつき:声 - 川澄綾子:18歳、高校3年生
やや天然の入った、明るく無邪気な性格の美少女。

なつきのパパ:声-古澤徹:なつきの援助交際相手の中年。
メルセデス・ベンツ W210 E320 右ハンドル仕様。
年齢と職業は不詳だが、登場時は常にスーツ姿


Second Stage
須藤京一:声-田中正彦:CE9A ランサーEvolutionⅢGSR

岩城清次:声-川原和久:CN9A ランサーEvolutionIV RS

秋山 渉:声-松本保典:AE86カローラレビンGT-APEX(前期型)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 5

ダークフレイムマスオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

そろそろ夏が近づいてきたぜぇ~♪夏の夜のォ~怖~い話といえば~臨死体験♪って違うやろうがぁぁぁぁ~

わしがぶらぁぁぁぁ。一日一回の儀式が終わったwってちゃうわw

田舎って車ないとほんと地獄です。地元に戻って15年ぐらいになりますが交通機関はほんと~にない!運転は昨今高齢者の事故が多発してます。皆さんも思うところは多数あるでしょう。書いてることはMADなわしも交通法規は普通に守れる人です。が、安全運転長期間してる高齢者が事故を起こす矛盾でてるのが現実になってきてます。誤作動、誤動作で痛ましい事故が報道されております。ですが明日は我が身がドライバーのさだめです。過失なくても事故に巻き込まれたり、事故現場目撃したっりするのは人生にやはりあります。議論はありますがおいときます。
この作品自体楽しめなくなるのでそこはグッと我慢しよう。

さてこの作品はわし前に他に書いたが真っ先に想い出すのは地元が近いし実際、榛名湖やいろは坂も近いしその付近に住んでいたこともあるのでしかも走り屋やってたやつも周囲にいたんで色々な感情はあります。がそれを抜いたエピソードじゃ!

「ダスオちゃ~んごはんたべよっか?」むか~し女の子商売やっていた時のことですが珍しくマツダのいい車乗ってた先輩に呼び出された。まあ普通の食事かな?って思ったんですが甘かった。バケットシートの助手席に乗せられてイニDのメドレーかかって「ちょっと遠出しよっか?」といいだしやがった、茨城の常磐道から千葉までフツーに180超えてましたwオイオイちょーっまてやっ!でファミレスよってなんか食べた、もう会話も覚えてないですが問題はその帰りwまあ行きよりゃおとなしくなるのかと思いきやタイミング最悪でライトバンっぽいのに200ぐらい出してるタコスケガ出やがったwあの~わし絶叫マシンには進んで乗りたくないんですがもう隣からやべーauraプンプン〇Δ※w

えーっ230は出てたんかな?覚えとらんわwインター降りるまで辞世の句と、おと~さーん!と念じておりましたwはい、恐怖体験っていつ起こるかわかんないものですね~。今ならドラレコこんだけ普及してるんでもう無茶すんなよ!って言いたいわw当時首都高での最速はその先輩曰く黄色いポルシェだったそうです。今から15年ぐらい前の話ですwひもなしバンジーの教訓その一。疾そうな車の持ち主が常識人とは限らないです。

まあ昔話ですがね。というか一回だけだったな、その先輩に同乗させてもらったの。まあ本人に悪気も何もないのが速く走ってる人の感覚なんでしょうねって、ココ日本やぞって!ドイツのアウトバーンちゃうんやでって100回つっこんだわ!心ン中で

あの時ぐらいこの飲んだくれのわしでさえ酒呑む気分になれなかったの初めてですわwまあおかげで頭文字Dのユーロはほぼ全部覚えたw曲かかるたびにあ~これって柏インター出たぐらいだったな~とかwもうトラウマ超越ですわwおかげで5シーズン全部視聴してやったというと嫌いみたいですがそりゃないです。純粋に初期は楽しい作品でした。

結構矛盾している感じですが安全運転してる人だってこういう作品好きだっておかしくないし、聖職者であってもBL好きな方もいてもおかしくはないのが現実です。ホモやオネエが嫌いな女子などいない!説もあながち侮れないな~wお色気担当なのに色気ないカザミは…ふざけんな~!だがまあありゃネタでね(結構わろたしw)やばいカオスってきたぜw

しかし今パラパラって存在してんのかな?田舎引っ込むとクラブとかほんと行かねーし若い子とも話すがよー分らん状態w田舎のこでも最近の人って大人しいのがほとんどですね。わしの過去とか話したらマジでドン引きされたwまあ実際そこまで悪いことしてなかったがまあスパイス効いた人生もええやろ?最近じゃ~若本さんと呼ばれていじられてる始末でおかげで病状は悪化の一途じゃぁぁぁぁ!

おしま~い!
翌日、追記。ポルシェの話って実話だったみたい。レーシング仕様マシンのRSRで横浜ナンバーが10年前ぐらい最速だったって記事見つけたwそいつらとバトっていた先輩ってオイオイです。交通法規は守ろうぜ!

投稿 : 2024/09/07
♥ : 12

63.1 2 マニアックで漫画原作なアニメランキング2位
うぽって(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.4 (612)
3016人が棚に入れました
青錆学園に赴任してきた、新米教師はいきなり病院送りに…。それもそのはず、彼の生徒達は突撃小銃だったのです!? 個性豊かなてっぽう少女が大暴れする、学園美少女“てっぽう”コメディ♪ただいま、ゆる?りと制作中

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

セーラー服とてっぽう

原作は未読で視聴しました

自動小銃が女の子になったら?というトンデモ設定の作品

最初はまったくついていけませんでした
というより100%理解する自信もなかったのですが
観ているうちに段々と慣れてきたというのが正直なところです
まあ
女の子のキャラデザインがそれほど嫌いな感じではなかったので
最後まで視聴できたというのもあるのですが

女の子と兵器で
思い出される作品として「ガールズ&パンツァー」がありますが
(製作は「うぽって」のほうが先です)
ガルパンは女の子が兵器を操るのに対して
この「うぽって」は銃がそのまんま女の子になったらという感じで
さらに
その銃を女の子本人が使用するというとんでもない設定です

なので
銃の各部分が女の子の体の部位に連動しているという
これもとんでもないことになってます

ある部分がお尻ということで
その部分を触られたら恥ずかしそうに悶えたり

ある部分がお口ということで
その部分の部品が外れたら
「オエェ~」ってなったり

さらに
随所に銃についての説明が入れられていたりして
銃に対する理解を深めてもらおうという工夫が
感じられます

女の子のキャラ設定も本格的(?)で
銃の特徴がそのままキャラ属性になった感じです
たとえば
主人公の「ふんこ」ちゃんですが
モデルになっている銃はベルギー製の「FNC」という名前の自動小銃
だから名前が「ふんこ」
ストック(銃の後ろの部分)がスケルトンなのでパンツがTバック
他の同程度の銃と比べて重量が重いので本人も体重を気にしている
などなど
まんま銃の特性がキャラの特性になってます

まあ
例外的にアメリカ製の「いちろく」ちゃんが
関西弁という
よく分からない設定もありますが

キャラデザについては
登場する女の子はみんな可愛く描かれています
でも
なぜかみんな少しばかり
ぽっちゃりしてます
元が銃なんだったら
もっとスマートなほうがイメージに合うと思うのですが


そして
当然のことながら
兵器がメインのお話なのでバトル(サバゲーっていうの?)も本格的です

自動小銃と生身(?)の女の子ということで派手さはありませんが
戦術がとても凝ってます
各々の銃の特性を生かした戦法
逆に相手の弱点を突く攻撃

さらに
次から次に出てくる
しつこいほどの「説明」(しまいには銃の歴史まで語りだした)
途中で「もういい加減にしてくれ~」ってなっちゃいました
そのためなのか
バトルのシーンはガルパンに比べて少なめです^^

その分
文化祭やら
お買い物やら
日常のお話が結構入っているのですが
随所に銃や兵器の話題が絡んでて
もう気分はミリタリーオタクです


この作品
私のような素人にも分かりやすくする努力は
とてもよく伝わってくるのですが
やっぱり
ミリオタ向けなのかな?

投稿 : 2024/09/07
♥ : 24
ネタバレ

papa0080 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

グサっと突き刺さされた

このアニメを見るにあたって、まずは銃の知識が多少はないと始まりません
このせいで大分と敷居が高く感じられるアニメとなっていますが
昨今FPSと呼称される戦争を題材にしたゲームをプレイした人も少なくないでしょう
そのため少しは敷居が低くなっているかも?

登場人物は実在する銃を擬人化しその特徴を生かした設定をされています
例外として1人、新たに赴任した主人公の担任の先生は人間
銃の例として有名なAK47やM16A等、これは主にベトナム戦争において登場した銃です
AK47は非情にお安いお手頃価格で色んな状況で使える頑丈さん
M16Aは初期不良が多かったものの、改良を重ね現在はゴルゴ13も愛用の銃だとか
劇中ではアメリカ産という事もあり?リーダーな位置です

他にもL85という欠陥銃が登場、これは未だに使用されているものの
非情に故障が多く100発撃てばジャムったり(弾づまり)、マガジン(弾が入ってる物)が勝手に抜けたり
この設定のためこの擬人化キャラは特に特徴が出ていて可愛いボケ担当
知識がある人にはとても面白いキャラに出来上がっています

ちなみに軍用銃というのは意外な程安くAK47においてはアフリカでは50$しないという安さ
日本円なら5000円以下で現地では鶏よりも安いとかなんとか

キャラは個人的には結構可愛いし、微エロ有りやらきゃっきゃっうふふでコメディのほほん展開
真剣なシーンもそこそこあるのですが鬱!といった感じもそうありませんし
演習という名目で行われる銃撃戦もなかなか面白い出来になっています
色んな銃が出てくるのでWIKIでどういう特徴でキャラに反映されてるか調べたり楽しめました
アニメ好きでミリタリー好きなら結構いけるアニメじゃないかなと思います

しかし最終話の最後の最後、一気に色々と現実に引き戻されます
キャラ可愛いし銃の擬人化興味あるし見て見ようかな?なんて考えてる人は要注意

{netabare}「私達(擬人化した銃)を作ったのは人間だろうが」といったような言葉
人殺しの道具を望んで作ったのは人間、一瞬で痛い所を突かれました
平和ボケした日本では戦争なんて全く現実感のない事なんですが
紛争地域では少年兵がAK47を持って殺し合っているのを忘れてました

それどころか戦争や殺し合い、死を扱うアニメやゲームを楽しんでる自分
何を考えて気楽にのほほんと楽しんでたんだろうと思わされます
これには本当にまいりました、しばらくはそういった物を楽しめそうにないです

ラスト三分くらいのたった一言で鬱な気分にさせるのを元々考えていたのでしょうか
休日朝からのほほん楽しんでたらこうなるとは思いもよりませんでした
非現実な世界から放たれた現実への言葉の重み、凄いものですね・・・{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 13

ともか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

萌えで解説する鉄砲アニメ

漫画原作(未読)、 1クール(全10話+TV未放送1話)、 2012年春放送。
TV未放送分は未視聴。


鉄砲を擬人化した、日常パート多めのキャラ萌え系ガンアクション作品。
実在する様々な種類の銃が登場し、
登場人物たちは皆、その銃の性質に合わせたキャラ設定になっています。
(体格、能力、性格など)

内容は かなりマニアックですが、
ある程度の対戦シーンに加えて、日常シーンにはギャグもあり、
私のように全く知識のない素人でも楽しめる内容になっていると思えます。

新キャラ(銃)が追加されたとき、故障したとき、キャラ(銃)同士を比較するとき等々
素人にも図や動く絵を用いて分かるように、その都度解説してくれます。
アニメでこそ出来ることだと思うし、
制作陣のこだわりも 相当なものだったと感じます。

仲間と連携しながら銃撃対戦シーンを切り抜けていく場面が、
この作品の最大の見どころでしょうか。
学内の相手と対戦した後、後半は他校との対戦シーンも出てきました。
緊張感はあまり強くないですが、私にとっては観やすかったです。

あくまでも銃器の擬人化のため、
撃たれても出血したり死んだりせず、ダメージを負って故障するだけ。
修理してすぐに復活するという安心感があります。
グロ要素は全くありません。

各話のサブタイトルを読み上げる時に、
銃声の数がその話数と一致している辺りは、少し珍しい工夫だと思いました。
(たとえば、第2話は銃声2回、第8話は銃声8回、といった具合。)


作画は、雑な絵ではないのですが全体的にもうひとつ。
また、二次元としては太めのキャラ絵も特徴的で、
私は問題なく観ていましたが、受け付けない方も居るかもしれません。
http://www.upotte.jp/ (アニメ うぽって!! 公式サイト)
アニメ作中でも↑この絵柄のイメージでほぼ合っていると思います。

キャラについて、
様々な性格(性質)のキャラ(銃)が揃っていて、敵らしい敵も登場し、
面白さを演出するには足りていましたが、
後まで記憶に残るほどのものはなかったです。
演じている声優陣は、イメージからかけ離れることがなかったので良かったです。

音楽は可もなく不可もなし。
OP曲は疾走感のある曲、ED曲は対照的に少し癒される静かな曲。
OP曲: I.N.G.
ED曲: ひめくり



内容的に万人向けとは言い難く、他人にお勧めするのも難しいです。
視聴前にハードルを下げていたこともあって、個人的には比較的楽しめました。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 35

58.4 3 マニアックで漫画原作なアニメランキング3位
変ゼミ(TVアニメ動画)

2011年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (460)
2343人が棚に入れました
いたってノーマルな大学生、松隆奈々子は、好きになってしまった武蔵小麦が所属している変態生理ゼミナール―通称『変ゼミ』に入ってしまう。さまざまな変態行為を研究するゼミとは知らなかった奈々子は、並み居る変態に翻弄される毎日を送るハメに。提出するレポートは教授にぬるいと罵られ、ちょっと気になる武蔵小麦のアドバイスにオタオタしつつも、奈々子のキャンパスライフは、慌しくすぎていく!

声優・キャラクター
花澤香菜、石田彰、高口幸子、白石稔、河原木志穂、森訓久、新谷良子、松山鷹志
ネタバレ

智慧ノ輪 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

個人用メモ

【製作】
XEBEC
【CV】
松隆 奈々子 - 花澤香菜
武蔵 小麦 - 石田彰
水越 美和子 - 高口幸子
加藤 あんな - 新谷良子
田口イエスタディ - 白石稔
蒔子=グレゴリー - 河原木志穂
飯野 堅治 - 松山鷹志
堀井幽璽 - 津田健次郎
{netabare}
※とりあえず言える事は「なんでアニメ化しようと思った?」に尽きる。
自分は原作好きだけど、絶対一般受けしない内容なのは分かってたし…
あれだな、花澤さんに変態なセリフ言わせたいだけで作ったと予想www

余談ですが、原作者のTAGROさんが自分の働いてた店に来店されたんですが、本人も公言してる通り、田口イエスタディにそっくりでした。
(そして…一緒にいた奥さん?がめっちゃきれいだったw)
TAGRO先生、あんときはいきなり「(販促の)POP書いてください!」とのムチャぶりに笑顔で応対してくださってありがとうございました。
{/netabare}
ここから先は真の変態以外は見てはいけない。割とマジで。
{netabare}
『世界の有名な変態さん達-殺人鬼編-』

※あらかじめ書いておきますが、ここから先のネタバレタグ内は常軌を逸した行動の記述になってます。気分を害する可能性が高いので、開く際は自己責任でお願いします。

【アルバート・フィッシュ】
「ブルックリンの吸血鬼」「満月の狂人」と呼ばれるアメリカ犯罪史上最悪の殺人鬼とも言われる人物。連続殺人鬼であり食人鬼でもある。犠牲者はあまりにも膨大すぎて詳しい数が判明していない。1936年1月16日、ニューヨーク州の刑務所にて死刑執行。

「変態所業の数々」
{netabare}●5歳の時、父の死により孤児院に預けられ、ここで成長する。この孤児院では教鞭による指導が行われており、フィッシュはこれによって叩かれている。この鞭打ちが、フィッシュに快感をもたらした。尻をむき出しにして鞭で叩かれ、その最中に勃起した。この環境は、フィッシュにサドマゾ嗜好を与えたと考えられている。
●性器の周辺に針を打ち込んで自慰行為に耽っていた。(中略)フィッシュは自分の体の到る所に針を突き刺すことにした。この習慣は彼が逮捕されるまで止まらなかった。自身の陰嚢に針を突き刺したときの痛さは正気ではいられなかったと述べている。さらには自身の背中の内側や、骨盤に針を打ち込んであるとも述べている(実際に、彼のレントゲン写真では、陰嚢部分に細いものも太いものも曲がったものも合わせて29本もの針が見つかっている)。最初は刺してすぐに引き抜くが、深く刺せば刺すほど快感が強まるために、引き抜くのが困難になるほど深く刺すようになったという。また、彼はライターオイルをしみこませた綿球を自身の直腸に入れて火をつけ、身体の内部が焼けるような感覚に酔いしれたと言う。
●犠牲者の遺体を食人し、遺体ばかりではなく尿や、血液、排泄物までも食べた。彼自身はそれらの傾向は幼少期に受けた虐待により培われたと述べている。また、彼は「神」が自身に殺人による「伝道」を指示したと主張している。彼の殺人にはしばしば時間をかけた拷問も含まれていた。フィッシュが調理する際に快適な様に、子供の肉を柔らかくするために子供たちを縛り上げ、半分に切られ釘が打ち込んであるベルトで子供たちを鞭打ちした。
(ウィキペディア「アルバート・フィッシュ」の項より抜粋){/netabare}

【エリザベート・バートリー】
「血の伯爵夫人」の異名を持つ、吸血鬼伝説の元となったとされる連続殺人鬼。「アイアン・メイデン」という拷問器具を作った事でも有名。高貴な家系であるため死刑を免れ終身刑となったが、真相は処刑人でさえも執行を嫌がったからという説もある。1614年8月21日収容先にて死亡。

「変態所業の数々」
{netabare}●農奴の娘を誘拐したりして惨殺していたが、やがて下級貴族の娘を「礼儀作法を習わせる」と誘い出し、残虐行為は貴族の娘にも及ぶようになった。
●歳若い娘を「鉄の処女」で殺しその血を浴びたり、拷問器具で指を切断し苦痛な表情を見て笑ったり、使用人に命じ娘の皮膚を切り裂いたり、性器や膣を取り出し、それを見て興奮しだすなど、性癖異常者だった。
●身体の具合が悪いときには、娘達の腕や乳房や顔に噛み付き、その肉を食べたともいう。
(ウィキペディア「バートリ・エルジェーベト」の項より抜粋){/netabare}

【佐川一政】
日本の殺人犯、小説家。「パリ人肉事件」で有名な人物。日本人でカニバリズムといえばこの人かと。

「変態所業の数々」
{netabare}●1977年(昭和52年)からフランスに留学し、1980年(昭和55年)、パリ第3大学大学院修士課程修了。引き続き同大学に在籍していた1981年(昭和56年)6月11日、佐川は同大学のオランダ人女性留学生(当時25歳)が自室を訪れた際、彼女を背後からカービンで撃って殺害。屍姦の後、解体し写真に撮り、いくつかの部分の肉を食べた。そのあと佐川は女性の遺体を遺棄しようとしているところを目撃されて逮捕され、犯行を自供したが、取調べにおける「昔、腹膜炎をやった」という発言を通訳が「脳膜炎」と誤訳したことから、精神鑑定の結果、心身喪失状態での犯行と判断され、不起訴処分となった。
●1989年(平成元年)の宮崎勤逮捕では猟奇犯罪の理解者としてマスコミの寵児となり、忙しい時は月刊誌や夕刊紙など4紙誌に連載を持っていた。印税収入だけで100万円に達した月があった他、講演やトークショーにも出演して稼いでいた。また、1本30万円のギャラでアダルトビデオに出演していたこともある。
●2010年のインタビューでは「もう白人女性は卒業した。今は日本人女性、特に沖縄の女性、ちゅらさん。食欲を感じます」と発言し、好きな女優に矢田亜希子、上戸彩たちを挙げている。
(ウィキペディア「佐川一政」の項より抜粋){/netabare}

…うん。。。書いてて胸クソ悪くなったおいらは、変態ではないと思っていいのかな?w
{/netabare}

投稿 : 2024/09/07
♥ : 4

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

ニッチ過ぎて訳わからん。

アニメーション制作:XEBEC
2011年4月 - 7月に放映された全13話のTVアニメ。
原作は、TAGROによって『モーニング・ツー』に連載されていました。

【概要】

女子大生・松隆 奈々子(CV/花澤香菜)は、同じ大学に通う武蔵小麦(CV/石田彰)に一目惚れして、
彼を追うようにして「変態生理ゼミナール」に入ってしまうのですが、
そこには、飯野賢治がモデルの教授を始め、
所属する学生の男女たちも何かしらのフェチの持ち主である奇妙な連中ばかり。
なかでも小麦はとびきりのド変態悪趣味男であり、奈々子がふりまさわされ続ける日々が始まるのでした。

なお、本作品は15分枠です。

【感想】

『ヘンとヘンを合わせて、もっと変にしましょ♪』

と歌ったのは、『うる星やつら』でありますが、
『変ゼミ』の“ヘン”は“アブノーマル=異常嗜好”な変態行為。

第一話を見た限りではオール1をつけて断念でも、まあ順当かな?ってぐらいネタが酷すぎました。
頑張って最終回まで観てみましたが、
武蔵小麦という男キャラと水越とかいう女キャラがダメ。他はまあ、まだ大丈夫。

この作品は殆どが異常性癖とエロのみの直球勝負でぐっちょんぐっちょん、
かつドン引きされる行動の数々を視聴者に見せ付けてくれるのですが、ネタがキツイですねw

ゼミの研究課題という建前で、シモに絡んだ多くの変態行為に及ぶのですが、あれですな?

女性にいくらセクハラしても拒絶も罰則もない世界に憧れている変態男性。
爛れきった世界に興味関心がありマゾっ娘属性のある変態女性。

こういう人たちにしかオススメできない、ぬるくてガ○ガ○な世界観がなんとも言い難いような?

日本では馴染みの薄い昆虫食文化が根付いている国が世界各国にありますように、
視聴者の価値観や性癖によっては楽しめるかもしれませんし強烈な拒絶反応を起こすかもしれません。

主人公の片割れである武蔵小麦の声優は石田彰(渚カヲル)で演技がキャラの性格の気持ち悪さにマッチしてたものの、
中の人の性癖を思うと、関○一(鈴原トウジ)の方が小麦役にお似合いなんじゃねーの?と思ったり(笑)

肌色成分が非常に多いアニメなのですが、

男性キャラはみんなブサイク君だし、イケメン設定の武蔵小麦も全くハンサムに見えない。
女性キャラは水槽で飼ってる金魚を連想させますな。

絵柄がアニメ版『みつどもえ』並にクセが強すぎるアニメであるがために、
花澤さんとか女の声優さんが喘ぎ声をだして、いっくらサービスシーンやっても、
これに興奮する男性がいるのか甚だ疑問?

キャラの見た目って大事だなーと思ったりですね!

下ネタを扱った作品のなかでも、

『監獄学園』 … 男たちの絶叫演技。
『下ネタという概念のない退屈な世界』 … アンナしゅごい!
『くろアゲハ』 … 二代目OZのメンバーが良いね!
『ジャングルの王者ターちゃん』 … 尾田栄一郎の師匠だけある。

個人的には面白かった作品は、
キャラが立ってるか?ルックスが良いか?ストーリーの面白さが備わっているか?
なにかしらエロや変態以外の私を惹き付ける要素があったのですが、

『変ゼミ』の場合は、魅力の薄いキャラがゲテモノ展開をやってるだけだなって思う程度で、
『げんしけん』『究極超人あ~る』のような内部完結型の閉じた世界で、
アブノーマルのフルコースをやってて、それ以上でもそれ以下でもない。
私が面白さを感じるまでには至らない、どうでもいい作品だったのが正直なところでした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 23
ネタバレ

maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

世は変態に満ちている? B

原作未読

変態行為を学問するゼミナールに所属している連中による数々の痴態。そして、それに巻き込まれる普通の(?)女子大生の悲哀を描いた作品です。

しっかし、こいつら本当に変態です。性癖は人それぞれだから別に構わないっちゃあ構わないのですが、こうも様々な態様を大々的に見せ付けられては、普通に受け取れと言うほうが無理な話です。具体的に書き連ねるのを憚るような内容が多く、汚い印象を与えるものもあるため、くれぐれも食事を摂りながら見るのは避けてください。

通常の性交や自慰行為も、人前でやることで快楽を得るようになった時点で変態と称されるに値すると思います。なのにこいつらは、学問をすると称して、自分の性癖を人前で堂々とさらし、それによって喜びを見出しているのです。だとすればその具体的内容を問う必要もなく変態と呼んで差し支えないでしょう。

逆に言えば、自分の(又は同好の仲間の)世界に閉じこもっている分には、どのような趣向であっても変態ではないのかもしれません。しかし、そのような趣味の人たちが出会うことはかなり難しそうだということは容易に想像できます。実は、このゼミは変態的な性癖を持った教授が、その出会いの場を提供するために作った場なのではないかと・・・。そう考えれば合点がいきます。

ある人がある行為を見て変態か否かを判断することはあっても、明確な線引きをすることまでは誰も出来ない(多分「ない」から)という、まあ、ありきたりなつまらない結論に落ち着いてしまいますね。恐らく、他者との関係でしか「アリ」か「ナシ」かは判断できないのではないかと。もっと斬新な提言ができれば面白いのでしょうが、凡人の範疇にとどまる私には到底無理でした。

余り深堀りするつもりはありませんが、誰しも、人に話していないことを一つや二つくらい持っているのではないかと思います。それを話さないのは、話せば変態扱いされるという危機感があるからではないでしょうか。私もありますし(断言?)、貴方もあるでしょう(多分)。レビューを書いている皆さんにも(きっと)。全員が言い出したら、案外、似たような趣向を持つ人が沢山見つかるかもしれませんよ。

最後に、最終話の{netabare}松隆漬{/netabare}を食べたくなった人は正直に手を挙げてみましょう。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 18

61.8 4 マニアックで漫画原作なアニメランキング4位
新劇場版『頭文字D Legend1-覚醒-』(アニメ映画)

2014年8月23日
★★★★☆ 3.6 (71)
375人が棚に入れました
「頭文字D」は天性のドライビングテクニックを持つ藤原拓海を主人公に、公道最速を目指す走り屋の若者たちを描く物語。新劇場版は3部作として制作され、監督を日高政光、脚本を関島眞頼、音楽を土橋安騎夫、アニメーション制作は3DCGに定評のあるサンジゲン×ライデンフィルムが手がける。

声優・キャラクター
宮野真守、中村悠一、小野大輔、白石稔、内田真礼、平田広明、土田大、諏訪部順一

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

聖域のカルナバル

原作と先行作は未見。


何とも懐かしい気分にさせるアニメだ。

懐かしさの源は、登場する旧車に由来するものではない。四輪に興味なく過ごしてきた者にとっては、これらの車さえ「最近の」車種に感じるくらいなのだから。

原作マンガの連載が開始されたころには、このような「ハイスピードで車やオートバイを走行させる」ことが自己実現に直結して疑いをもたれないマンガやアニメ作品が多数あったな、と思い起こさせるからだ。

経済誌などで「若者の車離れ」といった記事が時折見受けられるが、高性能車の生産数や売れ行きからすると、その種のマンガの衰退にも一定の根拠があるかもしれない。
その意味では、高速走行の「価値」について自明のものとして疑問を持たない「走り屋」に対して、今一つ納得がいっていない主人公の序盤の立ち位置は、現代では、導入として有効に作用しているようだ。

彼等の信じる高速走行の「価値」は、限界のスピードを求めて究極には死へと行きつくだろう危険な領域へ不可避に引き寄せられる、精神分析的な「享楽」や「死の欲動」と関係づけて見られることが多いようだ。
それは「若い者は危ないことが好きだから」といったドクサと重ねられて納得しやすく感じられるが、幾多の「走り屋」もののフィクションが大量の読者に支持されていた理由としては、少し不十分に感じられる。

確かに、かつての「走り屋」ものの背景には、高性能車が一定数売り上げていた事実があるかもしれないが、それでも当時の読者のすべてが高速走行を実践していたわけではない。

現実にはファミリーカーで安全運転する、さらには免許を持たない年少の多数の読者が、それでも「走り屋」ものの作品を支持していたのは、「高速走行の享楽」以前に、さらに根源的な欲望、乃至は志向を、広く共有していたためではないかと思える。

そう、車やオートバイを、手足のように「自在に操る」、という志向が老若男女を問わず共有されていたのではないか。
特に若年の男子にとっては「運転が上手」というのは異性への大きなアピールポイントであったように記憶しているが、これは女子にとっても「自在に操る」志向が共有されていたからこそアピールとして有効であった為だろう。

本作のようにハイスピードでのバトルが主として主題になるのは、「自在に操る」という要素が、高速走行という領域ではより先鋭に現れてくるためだ。

この志向は、自動車の「力」を自分のものとして一体化したい、という欲望に根拠づけられている。
高速度で長距離を移動する「力」は、移動する行動の「力」であり、思うままに移動する時間的な「力」でもある。
これらの力を取り込むことによる、「自由」の拡大への欲望が、車への欲望の原点だ。

例えばオートバイに乗り始めた高校生は、行動範囲が劇的に拡大する。成人から見ればなお小規模な範囲とはいえ、通学経路とその周辺という生活圏とは無縁の場所へ容易に到達することができる「力」は、乗る者と乗らない者で、可能な行動圏に100km単位での差を生み出す。

四輪ともなれば「誰かと共に」移動する「力」がさらに加わるだろう。

主人公が、同級生の少女と海へ出かける事で車の「力」をぼんやり自覚するエピソードは、やがてハイスピードのバトルへ向かうであろう決断が同根源的だと暗示する、実に巧妙な描写となっている。

晴れ舞台ともいえるバトルのステージが「峠」であるのも、二重三重の意味で暗示的だ。

終幕、激しいダウンヒルの最中、主人公は集まったギャラリーの熱狂ぶりを見て「走り屋」の世界へ踏み込むことをぼんやりと受け入れる。
傍目には限界ギリギリに見える高速走行の中、ミラーに映るギャラリーに視線を止めて物思いにふける描写は、主人公の余裕とその天才性を巧みに表現するものだが、それだけにとどまらない。

通常、「通過する」場所である峠は、そこを目的地として公共交通機関を使って到達することが困難な場合が多い。
不可能ではないだろうが、極度に時間的な制約を受けるのは間違いないし、場所によってはやはりどうにもならないことさえある。
まして、夜中ともなれば。

そう、主人公が目にするギャラリーがそこにいるためには、彼ら彼女らもまた、車に乗っていることが必要なのだ。
車という移動の「力」を持つ=行動の「自由」への志向を持つ者でなければ、その場に立つことはできない。

こうして「ハイスピードで車を操作する」者たちを中心に、同根源である志向を共有する者が、いや、共有する者「だけ」が選別されて集うことのできる真夜中の「峠」という場は、一種の聖性を帯びることになる。
客観的には単なる違法走行会である「バトル」は、この「聖域」においてタブーを侵犯する「祝祭」として昇華され、集った者たちの情熱が蕩尽されてゆく。

この聖域の祝祭としてのバトルが共有されていたからこそ、かつての「走り屋」は高速走行で自己実現し得ていると疑わなかったのだろう。

本作は二重三重の暗示を重ね、その「祝祭」性を巧妙に表現しているといえる。



若者の車離れといった記事がどれほど妥当なものかはわからないが、現代でこのような「祝祭」は共感されるのだろうか。
それとも違法走行会に過ぎないと、その志向は理解されずに醒めた視線が向けられるのだろうか。

いずれにせよ、まずは多くの視聴がなされなければ判る事ではないだろう。

当代の人気声優たちの吸引力に期待したい。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 1

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「土曜の夜、あのクルマで赤城最速とかほざいてるガキを軽くひねってこい」 19年の時を経て遂に完全なアニメ化! 名作の再誕である!

いわゆる「公道バトル」を題材にした作品としては最も知名度が高く、かくいうオイラも中学生の時にこの作品に出会い“根本的な人生観そのもの”を変貌させてくれた作品です
度重なるアニメ化、そして2013年の原作完結
しかし超人気シリーズの肩書きに恥じることない【完全なアニメ化、究極のリブート】を成し遂げてみせた“新劇場版三部作”の第一部です


改めてこのシリーズの人気ぶりが伺えるのが、観客の実に半分が40代以上の男性
普段アニメ映画等まじまじと観ることも無いであろうオジサンだったことです


原作で言えば95年連載開始当初のコミックス第1~2巻
アニメで言えば98年放送の通称『1stSTAGE』の第1~5話
所謂『VS FD3S』編だけを最新の映像技術と新しい解釈で見事に62分の映画にしております
基本構成や大まかなセリフ等は原作通りですが時代背景を少しだけ現代寄りに修正して携帯電話が頻繁に登場していたり、登場人物のファッションもお洒落に直されています
(それと3部作がシリーズ後半を描かないことを示すかのように「なつきパパ」がオミットされました)


アニメ化される度に入れ替わるスタッフについては、初代『ポケモン』の監督で知られる日高政光が起用され、トゥーンシェードやコマ抜き等でCGアニメのアンチハイテク化を第一線で実践してきたスタジオであるサンジゲン&ライデンフィルムが制作しております
また、自動車の音の収録などに携わっていたプロドライバーの土屋圭一と氏が編集長を勤めるホットバージョンが抜けて初音ミクGTなどのグッドスマイルレーシングが監修に携わっています


今回とにかくこのCGが凄い
これまでのアニメ化では無機質な自動車が当然の如くCGで描かれることで“メカっぽさ”が強調されていて、それがまたこの作品の味でもあったのです
が、しかし!
今作のトゥーンシェードの技術はこれまでとは全く別次元の代物であり、完全に作画に溶け込んでいて「手描きなのか?」と疑うレベルの完成度です


コレに加え原作者、しげの秀一の作風でもある走行する自動車の微振動や気迫を伝える無数の小さな効果線
空気中に漂う塵を示すインク汚れのような無数の点
それとドリフトする駆動輪から後方に放射される白煙や時間差で地面から噴き出す衝撃波


これらエフェクト類を見事再現することによって15年以上続くアニメシリーズの歴史においても今回初めて“まんましげ秀の絵が動いている”という感動的快挙を達成しています
オイラがしげ秀が同ジャンルの他の漫画家と一線を画す理由は何よりその【圧倒的画力】にあると思っているのでこれは素晴らしいことだと思いますね
(ちなみにしげ秀と楠みちはるの二人は絶対にアシにクルマを描かせないらしい、自分で描かないと気が済まない漫画家はこの二人だけ)


スタッフと一緒に今回初めてキャストが一新されたのが大きな話題となっておりますね
(中村悠一さんと勝杏里さんは別役で出演されたこともありますが)
全体的に“若返り”が図られており、同時に放映当時から作品のファンだった世代へと橋渡しがなされたようです


これに関してはぶっちゃけオイラも前キャストの声が耳に染み付いております
それに前キャストになんの断りもなく、秘密裏にオーディションが進められたという新キャストのキャスティングは、正直やり口がよろしくないと思っておりました
そんなオイラの心配も他所に新キャストは独自の世界を形成していき、特に拓海役の宮野守、文太役の平田広明は素晴らしい
そしてなつき役の内田真礼、エロい!w
いくらなんでもこのなつきはエロ過ぎる!w
具体的なエロ描写は無いのにまーやタソの演技だけで完全なエロキャラに回帰してるなつき!必聴ですよw


そして何よりも拍手を送りたいのが音楽と音響です
旧シリーズではバトルシーンに『SUPER EURO BEAT』が挿入されるのが特徴でしたが、今作ではCLUTCHOをはじめとするミクスチャーロック系のバンドサウンドが随所に使用されており、どちらかといえば2005年に香港スタッフで制作された実写版に近いバトルシーンになっています
今となってはユーロビートに新鮮さは感じませんし、疾走感溢れる選曲にこの選択は大正解だったと確信しましたね


新たに収録がし直された自動車の走行音は劇場の音響で堪能すると迫力あってこれまた素晴らしい
旧シリーズもその点は頑張ってましたが今回は特にアツい拘りを感じました
FDがゼロ発進する際の「ぶぉん、ぶぁらららら・・・」って音が!ロータリーサウンドが!すげぇ!ホントにFDだ!とw







でも河村隆一のEDは要らない気がするんですがね(爆)


ついでにこのスタッフで是非『湾岸ミッドナイト』もリブートしてくれないすかね???(´・ω・`)

投稿 : 2024/09/07
♥ : 23
ネタバレ

アイコン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

何もかもが新境地に達した頭文字D

アニメは全て見させて頂きました。
まぁ一応「新」劇場版ということなので、
アニメとは違うものとして評価します。

まず最初に悪いところをあげると、
ちょいちょいキャラの声と性格があってない。

でも、いつきと健二先輩(こんな漢字だっけ?)は
結構はまってました。
なつきはよくも悪くも、
とてもあざとかったです(笑)
真礼さん……こんな役をやってしまうとは……。

あと、尺が足りていない。

つか、映画なのに一時間尺って(笑)
短すぎるだろ(笑)
いちいち急展開すぎて、ファンじゃない人には
なんでこの人たちバトルしてるんだろう……。
と思うこと間違いなし。
{netabare}最初にFDを抜いた拓海の心理描写が
描かれていないため、拓海の「興味ないね」発言に矛盾。{/netabare}
しかも、峠バトルが主のアニメなのに
バトルシーンはたったの10分程度。
これ、何個に分けて映画作るつもりなんだろう。
あとはなんかストーリーとたまにサービスシーンに
裂いたって感じです。
まぁ、そのサービスシーンさえ1分程度でしたが(笑)
もっと尺作れなかったのかな……。

あと、音楽。
まぁBGMは思ってたよりも良かったので
(ほんとはユーロビートにしてほしかったけど)
いいのですが、ED(笑)
確かに最初の頭文字DのEDあんな感じだったけど、
新しくするならそこも新しくしろよと(笑)
なんでいきなりガチのバラードなんだと(笑)
なぜバンドメロディにしなかったのか。

あと、ラストがあまりにもパッとしない。
まぁ個人の問題なのでこれはあれですが、
なんか自然に流れていく感じの終わりかた。
映画にはあまりにも相応しくない。
なんか、少し長い尺のファンディスクやOVAを
見てた気分になってしまいました、すごく残念。

セリフもなぁ……カットされてるんだよな……。
特に啓介の、
「セカンダリータービン止まってんじゃねーのか!?」
とか、「負けた?350馬力が、ボロハチロクに……!?」
とか聞きたかったのに(笑)





じゃ、長々と悪いところを語ったところで
では、いいところを書きます。

まず、絵が綺麗!ほんとに綺麗!
CGもとても細かく作られています!
まぁ車の軌道に関しては車に詳しい方々は
ツッコミどころ満載かなとは思いますが、
「演出のため」という理由なら大正解です。

迫力もかなり満点で、本編映画の
Third Stageには演出面は劣るものの、
アニメの時より数倍迫力があり、
レーシングものには重要になってくる
カメラアングルの回し方もとても素晴らしい。
あの絵で原作みたいに「ギィヤァァァァ」とか
「ドドドドド」とか出してくんないかな、
ジョジョみたいに(笑)

あと個人的ですが、挿入歌地味にかっこいい(笑)
出来ればユーロビートにしてほしかったですが、
おかげでバトルシーンやパフォーマンスシーンは
少年心に火をつけられました。

……いいところこんだけかな(--;)

なんか惜しいなぁって作品です。
ここまで絵が綺麗なら、
なぜ全ての演出を変えてしまったのか。
残念。

FCをもうちょっと眺めていたかったんだけどなぁ、
あんま出番無かったなぁ……。

投稿 : 2024/09/07
♥ : 8
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