マッドハウスで東京なアニメ映画ランキング 2

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早速見ていきましょう!

72.1 1 マッドハウスで東京なアニメランキング1位
パプリカ(アニメ映画)

2006年11月25日
★★★★☆ 4.0 (839)
3976人が棚に入れました
医療研究所が開発した他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー“DCミニ”。だがそれが盗まれ、悪用して他人の夢に強制介入し、悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生するように。一体、犯人の正体は? そして目的は何なのか?事件の解明に挑む美人セラピストの千葉敦子は、クライアントの夢の中へ容姿も性格もまったく違う夢探偵“パプリカ”となって入っていくが、そこには恐ろしい罠が待ち受けていたのだった…。

声優・キャラクター
林原めぐみ、江守徹、堀勝之祐、古谷徹、大塚明夫、山寺宏一
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

バイキャメラルマインド

今敏監督作品、原作筒井康隆。

他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー、
ネタバレレビューを読む
夢探偵パプリカの追跡が始まる。

夢を共有し分析する精神治療の新地平、
誇大妄想患者の夢、壮大なブリキの行進、
アニメ史に残る平沢進の狂乱のパレード。

やがて恐るべき未来が来る、君の安易な行動のために。
いちいち気にすることはない、既に手遅れなのだから。

コンラッドは「闇の奥」に記し、
マーロンブランドは、それが恐怖だと震える。
フロイトが語った心の底にあるものを、
エドガーポーはその50年も前から知っていた。

本当の悪夢とはどんなものだろう。
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今こそ凱旋の時だ、勇敢にも進軍の時だ。

外にも内にも、豊潤な物語である。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 61
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

Don't think . Feel .  …でいってみよう

そういえば原作既読。内容はうろ覚え。


地上波でたまたま流れた『東京ゴッドファーザーズ』を皮切りに~の今敏監督アニメ映画視聴マラソンもこの『パプリカ』でひとまず完走。物理的にもこれ以上これ以外走り続けることはできません。

゛難解な作品” ゛人を選ぶ作品“ ゛芸術性の高い云々”

氏の作品には枕詞のようにこれらの修辞表現が付き纏います。うむ。確かにそんな面はあるかも。でも敢えて私はこうも思うのであります。

ネタバレレビューを読む

絵画におけるレゾネやクラシック音楽の解釈やらもそう。一枚の心奪われる絵を目の前にした時、情感揺さぶる音に触れた時、言葉は蛇足となることがあります。
私のような素人目にもわかる映像表現。強烈なインパクトを残すキャラクター達。ネタバレレビューを読む
とかく難解だと敷居を上げなくても、娯楽作品として観たまんまで楽しめるアニメ映画だったと思います。凝ろうが凝らまいがあとは受け取る側の判断でしょう。面白いか?面白くないか?それが全てです。

なぜ?そんな当たり前のことを?

氏の作品の多くはどれも90分程度と視聴にあたってのどっこいしょ感がなく、とりあえず4作品鑑賞してどれも粒揃いだったので、できれば多くの方に触れてほしいですし、下手な先入観は持っていただきたくないなというのがその理由です。


さて本作『パプリカ』です。
゛虚構” と ”現実” が入り乱れる秀作を次々と輩出してきた監督の遺作です。今回は 《夢》 。
他人と夢を共有できる゛DCミニ”というデバイスがある。心理療法の次の一手であると臨床試験を重ねていた矢先、DCミニが研究所から盗まれて、という導入。研究所員であるサイコセラピスト千葉敦子/パプリカがヒロインです。
キャッチコピーは「私の夢が、犯されている―」「夢が犯されていく―」。新たな試みはメリットと同様に副作用が付き纏います。DCミニもご多分に漏れず欠陥がありまして、その隙をついてあれやこれやが巻き起こる物語です。

夢の言葉上の定義は

1 睡眠中に、あたかも現実の経験であるかのように感じる一連の観念や心像。
2 将来実現させたいと思っている事柄。
3 現実からはなれた空想や楽しい考え。
4 心の迷い。

と辞書にあります。 夢って何だろう?と突き詰めた形跡が見て取れます。

根幹となる部分はもちろん1。そこに2~4を想起させるキャラがもう一つもう二つとストーリーラインを重ねていくような物語でした。誰がどうかはネタバレ直結なので隠します。

2はネタバレレビューを読む

3はネタバレレビューを読む

4はネタバレレビューを読む
他の登場人物たちも多かれ少なかれこの類型に分類されるのかな~という見立てです。


処女作『PERFECT BLUE』では《劇中劇(虚構)》と《現実》
二本目『千年女優』では《劇中劇(虚構)》と《回想》と《現実》と場面が増えて入り乱れました。
三本目『東京ゴッドファーザーズ』は置いといて(笑)
本作『パプリカ』では《夢(虚構)》と《現実》に夢をモチーフにした登場人物たちが入り乱れました。

作品を重ねる毎に表現の幅を広げていき、本作で集大成、または集大成にならざるを得なかった良作でした。

概念的な話なのでどちらかというと視聴済みの方向けの私の見解となります。
新たに鑑賞される方は先述の通り、そのまんま観ていただければよろしいのかと思います。


そして、゛ならざるを得なかった” の理由。
それは本作のラストを見届けるとその思いが強くなります。


※ラストのネタバレ有
ネタバレレビューを読む

最後の演出は、客観的に作品を楽しむ現実世界の観客を、虚構の世界にいざなう監督の最後の大仕掛け。といったら感傷的過ぎるでしょうか。

例えが妥当かは知りませんが、過去作を上手いこと継承しながらエンタメ作品として爆発的なヒットとなった2016年の映画のようなのが次回作品で来てたかもしれませんね。
それで「俺たちの○○はどこへ行ったんだ?」とオールドファンをやきもきさせたり、一方で新規のファンが出来てたり。
そして、作風をガラッと変えてまた新たな実験を試みたり、と。


夢にはもう一つ。5番目の意味があります。

5 はかないこと。たよりにならないこと。

冒頭でひとまず完走と述べましたが、気分としてはハーフマラソンを走り終えた感じでしょうか。まだ半分、もっとイケる。なんならウルトラマラソンでも構わないのに!

少し、クールダウンしてからいつの日か『妄想代理人』を堪能することにしようと思います。


■雑感
一周しかしてないので、もう一回観たら感想変わるかも



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2019.08.04追記

二周めいってみた!
たまに触れたくなるクセになる感じがありますわ。



2019.02.19 初稿
2019.08.04 追記修正

投稿 : 2025/03/08
♥ : 47
ネタバレ

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

誰かの夢に自分の夢が入り込んだら・・

原作である筒井康隆氏の同名長編小説を、
故 今敏監督が映画化した2006年の作品です。

まず、原作と違う点は多々あるようですが、元々かなりの長編ですし、
90分以内のシナリオに収めるというのは大変な作業だったと思います。

主人公であるパプリカというのは、
千葉敦子というサイコセラピストが使用する、
夢を共有する装置DCミニの中での呼び名なのです。
そのDCミニを発明したのは同僚である時田浩作という巨漢の男性で、
彼は凄まじい大食らい・・・というところが実はミソだったりします。

ある日、そのDCミニが研究所から盗まれてしまい、
それを悪用して他人の夢に強制介入し、
悪夢を見せて精神を崩壊させる事件が発生。
研究所内部の人間達が次々襲われていく中、犯人の正体と目的は何なのか?
また、この悪夢から抜け出す方法はあるのか? というお話です。

本来、夢というものは自分自身でさえ把握できないもので、
目覚めた後、記憶に残っている断片でさまざまな心理分析はできるものの、
他人の夢の中に入り込んで直接的に何らかの問題を治療する、というのは、
現実的にはまだ実験段階なのですよね。

でも、この作品ではそれをやってくれちゃう。
しかもその夢をあんなにも鮮やかに、映像化してしまった。
サーカスの空中ブランコからいきなりターザンになって、
ジャングルをすり抜けたと思ったら列車の中のギャングになってたり、
カップルを撮影するカメラマンになったと思ったら、どこかのホテルの廊下で。
場面と場面は鮮明なのに。繋ぎ目が定かじゃないところなんて
まさに実際の夢そのもので・・・もう、お見事としか言いようがありません。
今監督の映画はこれまでも、こういった手法を得意とされていたけれど、
この映画内容には特にピッタリでした。

数々の人形やぬいぐるみ、おもちゃのロボット、古びた冷蔵庫や招き猫、
家電製品から鎧を身に着けた武者人形やどこかの国のお土産品まで、
カラフルな紙ふぶきの舞う中、ゾロリゾロリと練り歩く、
奇妙でノスタルジックなパレードの光景も圧巻です。

また、いつもながらの数々の映画のパロディも健在。
さまざまな夢の中だけでなく、今回は、映画街のシーンでも、
今監督作品である『東京ゴッドファーザー』や『千年女優』
『パーフェクトブルー』などの看板をチラッと見ることができ、
思わずクスッと笑わせてくれます。

他にも、パプリカが孫悟空やピノキオ、人魚姫、
果てはピーターパンに登場する妖精ティンカーベルに扮したり、
研究所の同僚に監禁される蝶の標本だらけの部屋のシーンでは
ウィリアム・ワイラー監督の古い映画『コレクター』のパロディが・・
さらにポスターや雑誌の表紙、部屋の壁に貼ってある写真などにも
ビックリするくらい細かな演出がされており、
映画好きの自分は、これだけでもう嬉しくなってしまったほどでした。

さて・・・黒幕など後半のことはネタバレになるので
あまり詳しくは書けませんが、
黒幕が言う言葉も、ちょっと考えさせられました。
ネタバレレビューを読む

確かに、科学のめざましい進歩は喜ばしいことである反面、
どんどん人間の内面が暴かれていくという複雑な想い・・・
そこだけは、ちょっと共感できる部分でした。
ネタバレレビューを読む

夢の中の、またその夢の誰かさんの夢の中を垣間見て、
パプリカである千葉敦子はきっと決心できたのかもです。
何を決心したのかは、しっかりラストで描かれているので、
観た人だけのお楽しみです。

投稿 : 2025/03/08
♥ : 43

63.0 2 マッドハウスで東京なアニメランキング2位
WXIII 機動警察パトレイバー(アニメ映画)

2002年3月30日
★★★★☆ 3.5 (123)
501人が棚に入れました
東京湾沿岸で、レイバーを狙った奇妙な破壊活動が続く。その捜査の途中、湾岸に浮かぶ備蓄基地で人間を食い殺す“怪物”に遭遇。この怪物がレイバー連続襲撃事件の犯人なのか…。

声優・キャラクター
綿引勝彦、平田広明、田中敦子、穂積隆信、拡森信吾、森田順平、池田勝、冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、郷里大輔、大林隆介

Zel さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

レイバー犯罪史上、空前の<悲劇>の幕が開く・・・

2002年劇場公開作品

廃棄物13号エピソードを抜粋しての映画化第三弾
パトレイバーとしてこの作品を観ると期待と違う内容に肩透かしを喰らうかも知れません
少なくとも僕はそうでした
原作パトレイバーファンは少なからず第二小隊のドタバタ劇も含めてファンだと思う
そういう部分はほとんどクローズアップされてない為です

しかし純粋に物語としては深いですし、作画や演出のクオリティは高いと思います
このアニメは作品に対する「入り方」で大分評価が別れるのではないだろうか?

物語のキーを握る人物岬冴子
田中敦子さんが演じられてます
攻殻機動隊の草薙素子もやってますね
相変わらずクールです

投稿 : 2025/03/08
♥ : 13
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

後味のわる~い別物

原作漫画既読。

2002年公開の劇場公開アニメ作品。「WXIII」は"Wasted No.13"、つまり、廃棄された13号(13→ XIII)からつけられたものらしい。

原作漫画でもそれなりのボリュームを割いて描かれた「廃棄物13号事件」を題材にした、オリジナルアニメ映画。

「~を題材としたオリジナル」と評するのがふさわしいほどに全く違った物語となっている。メカアクション臭さはみじんもなく、SFをベースとしたサスペンス、あるいはサスペンスホラー(特に前半)にカテゴライズされるべき物語となっている。SF部分は納得できる理屈が展開されていて、そこに矛盾やらしらける点は見当たらない。このあたりは、さすがの「パトレイバー」と思う。

「パトレイバー」の主人公たちは本作では脇役。レイバーが活躍するシーンも最終盤にちょっとだけ(13号事件に関しては、原作でもそんなにレイバーの出番はなかったと思う)。なので、パトレイバーのかっこよさを求めて本作を見始めるとがっかりしてしまうだろう。キャラ造形が本編アニメとはだいぶ違っていて、そこに違和感を感じるかもしれない。が、そもそも特車二課自体が脇役なのでそれほど気にもならない。作画それ自体は美麗です。

本編パトレイバーとは似て非なるものであることを承知の上で、暗い雰囲気のアニメサスペンスを観るという目的ならば、、、、「気になったらご覧ください」程度におすすめします。

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/08
♥ : 12
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

WXⅢ

2021/08/21 投稿

【酷評注意】

タイトル『WXⅢ 機動警察パトレイバー』
パトレイバーを名乗ってはダメだと思います。
タイトル詐欺と言われてもやむを得ない作品。パトレイバーを期待するとがっかりします。

理由は,
1 特車二課のキャラはほとんど出てこない。
2 レイバーもほとんど出ない。
以上

視聴者がパトレイバーに求めるであろう物はほとんど満たさないのです。ついでに言うと後味もあまり良くないストーリーです。まあ,コミック版の原作があるらしいので情状酌量の余地はあるのですが・・・あえて有料の劇場版でやるのは,やはり倫理的にいかがな物かと思うのです。
これなら別に『WXⅢ 相棒』でも同じです,いや刑事二人組という構成からこっちの方がしっくりくる気もします(笑)

では,内容はと言うと,怪獣物です。
怪獣物は最初のOVAなどにもゴジラのパロディー的な物がありました。そういった意味ではパトレイバー的な世界観上においてぎりぎり成立できる設定という気もしますが,30分おちゃらけてやるのと劇場で約2時間シリアスにやるのでは訳が違います。

ストーリーはシリアス路線なのでこちらも,細かいことが気になってきてしまいます。

話の核になる13号(と呼んでいいのでしょうか?)への違和感です。
ネタバレレビューを読む

そして,13号,デザイン的にHRギーガーのパクリっぽく無いですか?ネタバレレビューを読むあたりも含めて・・・^^;

投稿 : 2025/03/08
♥ : 8
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