マッドハウスで戦いなアニメ映画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のマッドハウスで戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番のマッドハウスで戦いなアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

89.5 1 マッドハウスで戦いなアニメランキング1位
ノーゲーム・ノーライフ ゼロ(アニメ映画)

2017年7月15日
★★★★★ 4.1 (861)
5183人が棚に入れました
それは一切の争いが禁じられ、全てがゲームで決まる
《盤上の世界(ディス・ボード)》が
創造されるはるか以前の出来事。
世界を統べる唯一神の座をめぐり、終わりの見えない大戦が続いていた時代。
天を裂き、地を割り、星さえも破壊し尽くさんとする凄惨な戦争は、
戦う力を持たない人間たちに理不尽な死を撒き散らしていた。
強大な力を持つ様々な種族に追いやられ、
存亡の危機に瀕する人間を率いる若きリーダーの名はリク。
一人でも多くの人間が明日を迎えるために心を砕き、
擦り減らす日々が続くある日、リクは打ち捨てられた森霊種(エルフ)の都で
機械仕掛けの少女・シュヴィと出会う。
機械には持ち得ぬ心に興味を持ってしまったことでエラーを起こしてしまい、
仲間たちから廃棄されてしまったシュヴィは、エラーを修正するため、
リクに《人間の心》を教えてほしいと頼むのだが……。
これは六千年以上もの昔に紡がれた
《最も新しい神話》へと至る《最も古き神話》。
記録にも記憶にも残らない、誰にも語られることのない物語が今、幕を開ける——。

声優・キャラクター
松岡禎丞、茅野愛衣、日笠陽子、田村ゆかり、井口裕香、能登麻美子、沢城みゆき、釘宮理恵
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

もう一つの「空」と「白」の物語!?

原作未読。TVアニメ第1期は視聴済み。

最低でも、TVアニメ第1期は視聴してからの視聴をお勧めします。
そうじゃないと、この作品の魅力が全く理解出来ないと思います。

本当は、原作も読んでからの方が良いのだろうけれど、私にはそれを言う資格がありません(笑)

コメディ要素が豊富なTVアニメ版とは異なり、かなりシリアスな内容でしたが、とても感動的で良かったです。

松岡禎丞さん、茅野愛衣さん、日笠陽子さんの熱演は必見。
TVアニメ版とは異なる役を演じているのですが、TVアニメ版で演じたキャラとの距離感というか、演じ分けが絶妙でとても良かったです。

作画の迫力は劇場版ならでは。

ラストの、{netabare}ステフのブローチに3人の名前が刻まれていたくだりは凄く感動した。
あと、いづながジブリールに向かって呟いた一言、『よく考えたら、大体こいつのせいじゃねえか・・・です』は笑った。{/netabare}

ラストで一気にTVアニメ版の世界観に引き戻されて、ますます、第2期が待ち遠しくなりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

殺戮の世界に挑んだ二人の愛の物語

2017年公開の劇場版

2014年に放送された「ノーゲーム・ノーライフ」の続編の劇場版

スタッフでキャラデザが大舘康二→田崎聡に変わっているので少しイメージが違います。
原作の6巻「ゲーマー夫婦は世界に挑んだそうです」のアニメ化。
なので、間は空きましたが順調にアニメ化は進んでいるようです。

でも、このストーリーは劇中語りであって、空と白の活躍ではありません。
唯一神テト(釘宮理恵)が獣人初瀬いづな(沢城みゆき)に向かって、
6000年前の出来事を語っている設定。
テトといづなが普通に仲良しであることから、少し飛んでいるっぽい。
5巻の表紙がアズリール(ジブリールの姉)らしいので、そこはまだかも。
6巻の表紙はテト。

テレビ版ノゲノラ時間は最初と最後だけで、テトの語る「神話」が本編。
テト本人が言っているように「信頼できない語り手」の物語となる。

一応あらすじはネタバレとしておきますが、未見の人が見ても問題ない程度です。
{netabare}空に似ているとされる人物「リク・ドーラ」(松岡禎丞)が、
絶滅寸前の人類をいかに救ったか?不可能な賭けにどのように行動したかが描かれる。
リクに利用される悲劇の機凱種の少女「シュヴィ・ドーラ」(茅野愛衣)は、
心を手に入れるためにリクの求婚を受け入れ、愛し合うようになる。
最大の見せ場は空と白と同じ声、似た外見の二人の愛。
テレビ版を見た人であれば、感動しないわけにはいきません。
たぶん、いつか二人の愛のしるしが『空白』の物語の鍵となると思います。

相変わらずふざけているジブリール(6407歳)に向かっていづなが、
「全部お前が悪かったんじゃないか!」と食って掛かるシーンでは、
いづなは人類側に感情移入しているようですね。
ここもいいシーンでした。{/netabare}

テレビ版でも少し語られた過去の物語です。
2期が始まる前までには観ておくことをお勧めします。
単独作品としても素晴らしい作品でした。

テレビ版を見た人は絶対観るべき傑作アニメです。
年齢関係なく涙なしでは見られないでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 42
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

私の「感動したら負け」クリード(信条)を易々とクリアされてしまった!

この劇場版を見るまでは、異世界ファンタジー/異世界召喚ものジャンルで一番出来の良い作品は、『ソードアート・オンライン』シリーズで、対抗馬は『Re:ゼロから始める異世界生活』、そして『ノーゲーム・ノーライフ』は3番手かな、と何となく思っていたのですが訂正します。

①キャラクター&世界観設定の練り込み具合
②シナリオ自体の面白さ&作品から受ける感動ないし感銘の度合い

・・・を総合して考えると、同ジャンルでは、劇場版までを含めた『ノーゲーム・ノーライフ』が№1と考えます。

なお、上記3シリーズはいずれも原作未完(※アニメももちろん未完)であり、今後の展開次第で私の個人的評価もまた変わってくると思いますが、現時点で制作・放送(ないし配信・上映)されたアニメ作品を視聴した限りでは、個人的には本シリーズの今後に一番のポテンシャルを感じました。
というのも・・・

◆《トンデモ異世界ファンタジー》の顔をした《想定外の感動作》

本作は榎宮祐氏のラノベが原作ですが、アニメ制作スタッフは本年(2018年)の話題作『宇宙よりも遠い場所』(略称『よりもい』)とほぼ同じ方々です(監督・シリーズ構成・アニメーション制作会社が同じ)。
以前レビューした通り、その『よりもい』は“感動する”作品と事前に何度も聞いており、それなりに期待して視聴を始めたのですが、途中から「あれ?これハズレだな・・・」と気づき始めて、結局そのまま視聴し終えてしまいました。

因みに、英語表現だと“楽しむ”は have fun もしくは enjoy と能動態ですが、“感動する”は be moved と受動態となるのが通例で、私の場合も、アニメ作品は確かに大いに「楽しみたい」(※能動態)のだけれども、「はい、ここ泣くところですよ」みたいな制作側の誘導に簡単に引っかかって「感動させられ」(※受動態)たくないな・・・という拘(こだわ)りが以前からずっとあります。

⇒個人的に、これを「感動したら負け」クリード(信条)と呼んでいます笑。

私がアニメを見るときに一番大切にしている信条で、この「感動の壁」を超えるシーンに思いがけず出くわしてしまうと、その作品の個人評価が ★★ 4.5 を超えてきて、私の「お気に入り」作品の座に昇る可能性が出てきます。
(※実際には、この後さらに、その感動が「一時的なもの」に過ぎないのか、それとも「今後も継続的に感動できるもの」なのか、という厳格審査を実行するので、結局 ★ 4.2~4.4 程度の個人評価に留まる作品が大半ですが)

・・・で、本作なのですが、TVシリーズの時の視聴経験から、「はっちゃけた面白さには十分期待できると思うけど、感動できるタイプの作品ではないだろう・・・」と、さほど期待せずに見始めたところ、全体の2/3くらいを見終えたところで、思いもかけない《こころの震え》を覚えてしまい、「え?こんな作品に感動しちゃっていいの?」とビックリして、見終えて直ぐに、それが果たして正当な感動なのか、更に数回繰り返し視聴して自分に問いただしてみました。

結論からいうと、やっぱり本作は、

<1> よくあるような、音楽や演出などの技巧を凝らして視聴者の一時的な感動を喚起するタイプの作品(=一過性の感動しかない作品)ではなくて、
<2> 一見フザケた装いにも拘わらず、視聴者の感動が一時的なものでは決してない(=繰り返し見てもやはり確りと感動出来るくらいに)緻密に計算された設定&シナリオを備えた作品である、

・・・と思いました。

※なお、この「感動」には、前作であるTVシリーズ『ノーゲーム・ノーライフ』(※但し時系列的には劇場版の6.000年前の話)の事前視聴が、絶対必要とはいわないまでも、やはりある方がずっと良いと思うので、以下、併せて同TVシリーズの各話も再評価します。

《まとめ》
とにかく本作については、前作となるTVシリーズの、とくに第2-3話で、主人公たちの悪フザケに閉口して視聴を打ち切ってしまう方が多く発生している感じですが、そのTVシリーズが急に面白くなるのが第6話(ジブリール回)で、そのあとは最終話まで休みなしに駆け抜ける痛快さをもった《面白作》、そしてこの劇場版までくれば、視聴前は思ってもみなかった心の震えに出遭える《感動作》と思うので、これから初めて本シリーズを見始められる方は、何とか我慢してこの劇場版迄たどり着いて欲しいです。


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      榎宮祐(『MA文庫J』2012年4月-刊行中)
監督         いしづかあつこ
シリーズ構成     花田十輝
脚本         花田十輝、あおしまたかし、下山健人、榎宮祐
キャラクターデザイン 榎宮祐(原案)、大舘康二(TVシリーズ)、田﨑聡(劇場版)
音楽         SUPER SWEEP(TVシリーズ)、藤澤慶昌(劇場版)
アニメーション制作  MADHOUSE{/netabare}


◆作品別評価

(1) 『ノーゲーム・ノーライフ』(TVシリーズ)  ★ 4.4   (2014年) ※計12話
(2) 『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』(劇場版) ★★ 4.7  (2017年) ※約1時間45分(4~5話相当)
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  総合                    ★★ 4.5         ※計16~17話相当


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= ノーゲーム・ノーライフ (2014年4-6月) ==============
{netabare}
第1話 素人《ビギナー》 ★ 対テト戦(チェス)
第2話 挑戦者《チャレンジャー》 ☆
第3話 熟練者《エキスパート》 ☆ 対クラミー戦1(チェス)
第4話 国王《グランドマスター》 ☆ 続き
第5話 駒並べ《ウィークスクエア》 ☆
第6話 一手《インタレスティング》 ★★ 対ジブリール戦(具象化しりとり)
第7話 死に手《サクリファイス》 ★ 希望の鍵
第8話 起死回生《フェイクエンド》 ★★ 種の駒、※特殊ED
第9話 解離法《スカイ・ウォーク》 ★ 対クラミー戦2(オセロ)
第10話 指向法《ブルー・ローズ》 ★★ 対いづな戦(テレビゲーム)
第11話 誘導法《キリング・ジャイアント》 ★★ 続き ※OP「おねがい☆すにゃいぱー」
第12話 収束法《ルール・ナンバー・10》 ★★ 続き、対巫女戦(コイン・トス){/netabare}
--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)5、★(良回)3、☆(並回)4、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.4

OP 「This game」
ED 「オラシオン」


============= ノーゲーム・ノーライフ ゼロ (2017年7月) ===========

全1話 ★★ 4.7 {netabare}TVシリーズより6,000年前に星杯(スーニアスター)を巡る古き神々&15種族の戦争を終結させた人類(イマニティ)の少年(リク)と機械種族(エクスマキナ)の少女型個体(シュビ)の物語{/netabare} ※1時間45分

主題歌 「THERE IS A REASON」

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29

73.2 2 マッドハウスで戦いなアニメランキング2位
バンパイアハンターD(アニメ映画)

2001年4月21日
★★★★☆ 4.0 (169)
1079人が棚に入れました
菊池秀行の人気小説『吸血鬼ハンターD』を天野嘉孝キャラクター原案で映画化した劇場版アニメ。最終戦争後、人類の頭上には貴族“バンパイア”が君臨していた。そのバンパイアに対して戦いを挑むプロフェッショナルは、いつしかハンターと呼ばれるようになっていた。ある日、理想のハンターとして知られるダンピール――Dは、バンパイアに誘拐されたエルバーン家の娘・シャーロットを救出するよう依頼される。バンパイアの馬車を追うDのもとに現れたのは…。

声優・キャラクター
田中秀幸、永井一郎、山寺宏一、林原めぐみ、篠原恵美、屋良有作、大塚芳忠、関俊彦、大友龍三郎、大塚周夫、青野武、清川元夢、辻谷耕史、西凜太朗、沢海陽子、藤原啓治、鈴鹿千春、矢島晶子、小山力也、かないみか、石塚運昇、前田美波里
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

…飛んで!飛ぶのよ!!

川尻善昭監督作品。
登場人物たちは奇抜な能力を持っており、アクションが盛大ですが、人間くさいところも凄く良かったです。

かつて発売されていた竹谷隆之作のスタチューの出来が素晴らしく印象的でした。
アニメも雰囲気が良いのだろうな、クラシックな吸血鬼の雰囲気かな、酔えるんだろうな、いつか観よう、と思っていたのですが。もっと早く観てもよかった。


吸血鬼と人との間に生まれ、祝福されない宿命を背負った吸血鬼ハンターのD、どこか禍々しい能力を身につけて吸血鬼を追う出稼ぎハンター達、冷徹そうで美しい吸血鬼族達、吸血鬼に雇われた用心棒の怪物共…
その中で戦いぬき、時に気持ちが揺れ動く様子が見て取れた女戦士・レイラ姐さんが、ラストへ向けて力強く光っていました。

吸血鬼によって孤児にされ、復讐のために生きてきた姐さん。
彼女がたてまえや信条とは離れたところで受け入れたもの、励ましたもの、希望したもの、それらが多く語られることはないのだけれど。終盤のセリフと林原めぐみの演技から滲み出る発露に胸打たれ、ジワジワ泣けました。
「…飛んで!飛ぶのよ!!」って、忘れられないと思います。


ハンターの人間たちは、一体どうやったらそんな魑魅魍魎じみた身体になれるんだ?という、ジョジョやバジリスクのような特殊な能力をもった者ばかりです。
レイラ姐さんの仲間のグローヴ兄さんの能力が、切なかったですね。
平時は寝たきり状態の痩せ細ったグローヴ兄さん、戦闘時に薬物で霊体として出現すると、眩い後光を放出しながら滑るように浮遊し、吸血鬼達をなぎ倒してゆくのです。この時の解き放たれた恍惚の表情が、命の限りの向こうを匂わせる夢うつつの切なさです。


絵の動きは非常に細かく美しいです。天野喜孝キャラデザの幽玄さが生かされた独特の動きで、今風の作画とは異なりクドイと感じられる人もいるのだろうなと思います。
しかしこのねちっこいのが、よいですねぇ。植物の成長を早回しで視せられている時のようです。

何度も書きますが、レイラ姐さんがよかった…。
彼女の見せる吸血鬼への正義が、吸血鬼貴族の耽美でささやかなロマンスにぶち当たって振りかざされるシーンで最も生きていました。
{netabare}(吸血伯爵にさらわれた美女は、実は彼と純愛を貫こうとしており、伯爵は彼女の血を吸うことをはばかり、ただ二人が生きられる場所へ行こうとしていました。そうなると追手である者達のほうが不粋に見えてくるのですが、レイラはキレる。「それがなんだっていうの!関係のない者達がたくさん犠牲になったのよ!?」)
しかし、彼らの健気な寄り添いあいを視ているうちに、レイラ姐さんの中で何かが変化してゆきます。 {/netabare}
吸血鬼女カーミラの館で見せられる幻想の中で、幼子(自分の子供時代)の頑なな孤独を癒そうと抱きしめるシーンでも、懐深さが垣間見えてきます。
そこからラストの種としがらみを超えた励まし…。

事件から数十年後にDがふと見守ったものは、彼女の強さと優しさからもたらされた幸せの一端のようでした。

Dをかばう職人爺さんの存在もいい味でした。スジを通す仕事人、かっこいいです。この人も胸アツです。

Dももちろんかっこよいのですが、「つ、土に埋まらねば…」の所がちょっとオモシロかったです。私も砂風呂に憧れます。


クラシックな雰囲気の人間ドラマが好きな方、ぜひ観ていただきたいです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 28
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

吸血鬼と人間の間に生まれたダンピールの美しくも切ない物語

原作既読(小説)

吸血鬼ハンターシリーズはOVA含めて2本アニメ化されています。
OVAはちょっと可愛いデザインで、中々入り込めにくい作品ですが、この作品はDの世界をよく表現した作品ですね。
キャラクターデザインも原作の挿絵を担当している天野喜孝さんがキャラクター原案として参加しているところがあって、イメージが原作と重なり入り込めやすいです。

お話は、遥か未来の吸血鬼が支配する世界。不老不死、不死身の肉体、超人的な力、超常現象、異世界の魔物などを生み出して人間を奴隷扱いにしている各地の吸血鬼を倒すために旅をしている美しき青年”D”の物語です。ダークファンタジーですね。

とにかく吸血鬼やその他の魔物が細かく書かれていて怖いですね。

主人公であるDがかっこいいです。つばの長い帽子(旅人帽)をかぶり背中には長刀を背負い全身漆黒の格好、そして口数も少なく、馬(アンドロイド)に乗り走る姿は素敵でしたね。{netabare}(特に冒頭の月に照らされたシーン){/netabare}

2001年制作と思えないほど、背景や人物の作画が綺麗で今の作品と比べても全然違和感がありません。

バトルも非常に凝っていましたね。スピード感があり、色々な能力を持った魔物との戦いは面白いです。

お話も1時間40分の中にきちんと収まっています。オススメです。
{netabare}このシリーズの最後の見せ場であるDの微笑が観れて良かったですね^^{/netabare}

最後に、この作品はDの小説3番目”D妖殺行”を元となっていますので、もし気に入った方は是非原作も読んでみてくださいね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25
ネタバレ

るぅるぅ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

天野嘉孝さんの絵が動いています! 度肝を抜かれた気分で参ったw

原作:菊地秀行
監督:川尻善昭
ブランド:マッドマウス
ジャンル;吸血鬼/伝奇モノ・103分
内容は”あにこれ”の粗筋で充分。

観た方の心に斬りつける正に映像美に尽きます。
キャラクター原案の天野嘉孝さんは、ロマサガやFFのキャラデザインでご存知の方も多くいると想います。人を惹きつける癖のあるタッチで妖艶かつ幻想的な雰囲気と描かれ一度観たら忘れないインパクトある絵。
あの独特の絵を描き起す再現力を観た瞬間、圧倒されました。
キャラだけではなく中世を彷彿させる街並み・荒廃した背景でも世界観を魅せてくれます。

また、主人公のDが寡黙で芯ある男らしい姿に痺れるんですよね。語りも重厚な世界観を潰さない静かな台詞回し、圧倒的な強さを描くバトルシーンから目が離せないです。
相乗効果として格調高いBGMが演出を高め、1シーンがクライマックスとさえ感じさせる絵の強さが伝って来るので、もっと見せろ! となりますw
絵とバトルだけ繰り返し観ているとゲーム感覚に近い爽快感に似た気持ちにもなりました。私だけかもしれませんね、すいませんw 

内容もシンプルでわかりやすくテンポも良いので映像美と音楽を壊さず、最後の結末も巧く素晴らしい余韻です。

不満は1つだけです。{netabare} カロリーヌ とのバトルをカットしすぎです! どんなバトル演出かと期待していたら一瞬で斬られたw{/netabare}

絵に抵抗なければ世界観・映像美に満足する作品です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 24

63.0 3 マッドハウスで戦いなアニメランキング3位
WXIII 機動警察パトレイバー(アニメ映画)

2002年3月30日
★★★★☆ 3.5 (123)
496人が棚に入れました
東京湾沿岸で、レイバーを狙った奇妙な破壊活動が続く。その捜査の途中、湾岸に浮かぶ備蓄基地で人間を食い殺す“怪物”に遭遇。この怪物がレイバー連続襲撃事件の犯人なのか…。

声優・キャラクター
綿引勝彦、平田広明、田中敦子、穂積隆信、拡森信吾、森田順平、池田勝、冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、郷里大輔、大林隆介

Zel さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

レイバー犯罪史上、空前の<悲劇>の幕が開く・・・

2002年劇場公開作品

廃棄物13号エピソードを抜粋しての映画化第三弾
パトレイバーとしてこの作品を観ると期待と違う内容に肩透かしを喰らうかも知れません
少なくとも僕はそうでした
原作パトレイバーファンは少なからず第二小隊のドタバタ劇も含めてファンだと思う
そういう部分はほとんどクローズアップされてない為です

しかし純粋に物語としては深いですし、作画や演出のクオリティは高いと思います
このアニメは作品に対する「入り方」で大分評価が別れるのではないだろうか?

物語のキーを握る人物岬冴子
田中敦子さんが演じられてます
攻殻機動隊の草薙素子もやってますね
相変わらずクールです

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

後味のわる~い別物

原作漫画既読。

2002年公開の劇場公開アニメ作品。「WXIII」は"Wasted No.13"、つまり、廃棄された13号(13→ XIII)からつけられたものらしい。

原作漫画でもそれなりのボリュームを割いて描かれた「廃棄物13号事件」を題材にした、オリジナルアニメ映画。

「~を題材としたオリジナル」と評するのがふさわしいほどに全く違った物語となっている。メカアクション臭さはみじんもなく、SFをベースとしたサスペンス、あるいはサスペンスホラー(特に前半)にカテゴライズされるべき物語となっている。SF部分は納得できる理屈が展開されていて、そこに矛盾やらしらける点は見当たらない。このあたりは、さすがの「パトレイバー」と思う。

「パトレイバー」の主人公たちは本作では脇役。レイバーが活躍するシーンも最終盤にちょっとだけ(13号事件に関しては、原作でもそんなにレイバーの出番はなかったと思う)。なので、パトレイバーのかっこよさを求めて本作を見始めるとがっかりしてしまうだろう。キャラ造形が本編アニメとはだいぶ違っていて、そこに違和感を感じるかもしれない。が、そもそも特車二課自体が脇役なのでそれほど気にもならない。作画それ自体は美麗です。

本編パトレイバーとは似て非なるものであることを承知の上で、暗い雰囲気のアニメサスペンスを観るという目的ならば、、、、「気になったらご覧ください」程度におすすめします。

{netabare}
原作の軽快さとコミカルさを全撤廃し、無闇にシリアスな方向性、空気をまとわせたように感じます。それでもサスペンス・ホラーものとして前半はかなりよかったと思う。が、物語の締めがいただけませんでした。

――非常に後味の悪い物語
すべての方面に救いがありません。これを映画館で鑑賞したいかと問われれば、絶対的にNOです。僕個人が映画に求めるものが何一つ満たされません。いわゆる「鬱映画」とも少し違います。なんていうか、観る側に響くものがない・何も刺さらない作品でした。ただただ、登場する誰もに「救い」がない、暗い雰囲気を出しておけばよいとでも言いたげな物語の構成と締めに感じました。

――誰の物語なのかよくわからない
エンドロールを観て驚いたのが、トップクレジットが久住刑事だったこと。続いて秦刑事、岬冴子と続きます。・・・・は?久住刑事の物語、どこにあったの?いや確かに、画面に登場していた時間は長かったかもしれないけど。

――露わとなった乳房
最終盤において、13号に人の女性の乳房が描かれていたが、、、、
本作の廃棄物13号は「西脇セル」+「岬の娘の癌細胞」によって生成された人工生物、ということになっている。幼くして命を失った「岬の娘」の成長を見せ、13号と岬の娘の同一性、ひいては岬と13号の親子関係を描いたのだろうか。
。。。輪をかけて後味悪い。

岬自身の「亡くなった娘に対する執着」の描写が今ひとつ浅く、あの乳房の意味を理解しきれずにいる。もし、もっとどぎつく娘に対する執着が描かれていたとすれば、本作における岬冴子のあり方も行為ももう少し理解できたかもしれない。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

WXⅢ

2021/08/21 投稿

【酷評注意】

タイトル『WXⅢ 機動警察パトレイバー』
パトレイバーを名乗ってはダメだと思います。
タイトル詐欺と言われてもやむを得ない作品。パトレイバーを期待するとがっかりします。

理由は,
1 特車二課のキャラはほとんど出てこない。
2 レイバーもほとんど出ない。
以上

視聴者がパトレイバーに求めるであろう物はほとんど満たさないのです。ついでに言うと後味もあまり良くないストーリーです。まあ,コミック版の原作があるらしいので情状酌量の余地はあるのですが・・・あえて有料の劇場版でやるのは,やはり倫理的にいかがな物かと思うのです。
これなら別に『WXⅢ 相棒』でも同じです,いや刑事二人組という構成からこっちの方がしっくりくる気もします(笑)

では,内容はと言うと,怪獣物です。
怪獣物は最初のOVAなどにもゴジラのパロディー的な物がありました。そういった意味ではパトレイバー的な世界観上においてぎりぎり成立できる設定という気もしますが,30分おちゃらけてやるのと劇場で約2時間シリアスにやるのでは訳が違います。

ストーリーはシリアス路線なのでこちらも,細かいことが気になってきてしまいます。

話の核になる13号(と呼んでいいのでしょうか?)への違和感です。
{netabare}
謎の怪獣ならまだそれでいいのですが,なんか変な科学的な設定に違和感が起こります。

癌細胞がテロメアを修復し無限に細胞分裂を繰り返すことができる。
それを応用して癌細胞から作られた細胞を基にできたのが13号ということになるのかと思います。また,この設定からおそらく基本的に13号は不死だと思われます。
そして,13号は小さな細胞の破片からでも再生する設定です。

生物とは個としての寿命と引き替えに,世代をつなぎ進化して環境に適応していく物かと思います。
個としての寿命が無限で,プラナリアのように無性生殖で破片から増殖するとなると。自己のコピーが生存競争のライバルになってきます。
そのような条件下では,多くのえさを必要とする巨大な体はむしろ個体維持に不利になると推測されます。細胞として無限に増殖できても個体維持に必要な栄養を得られなければそれは死に結びつくと思われます。方向性としては巨大な13号が暴れるより,小さな13号がウジャウジャ湧いて手に負えなくなる方が理にかなっているかと思います。

さらに終盤13号のおっぱいが現れます!!13号は無性生殖によって増えるのに?人間の遺伝子を引き継いでいるからか?何かここも違和感・・・^^;
{/netabare}

そして,13号,デザイン的にHRギーガーのパクリっぽく無いですか?{netabare}あの体におっぱいがある{/netabare}あたりも含めて・・・^^;

投稿 : 2024/11/09
♥ : 8

69.4 4 マッドハウスで戦いなアニメランキング4位
グッバイ、ドン・グリーズ!(アニメ映画)

2022年2月18日
★★★★☆ 3.7 (69)
205人が棚に入れました
東京から少し離れた田舎町に暮らす少年・ロウマ。
周囲と上手く馴染むことができないロウマは、
同じように浮いた存在であったトトと二人だけのチーム"ドン・グリーズ"を結成する。
その関係はトトが東京の高校に進学して、離れ離れになっても変わらないはずだった。

「ねえ、世界を見下ろしてみたいと思わない?」

高校1年生の夏休み。それは新たに"ドン・グリーズ"に加わったドロップの何気ない一言から始まった。
ドロップの言葉にのせられた結果、山火事の犯人に仕立て上げられてしまったロウマたちは、
無実の証拠を求めて、空の彼方へと消えていったドローンを探しに行く羽目に。
ひと夏の小さな冒険は、やがて少年たちの“LIFE”生き方を一変させる大冒険へと発展していく。

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

幻想的な世界へ

この物語は少年たちの宝探しの冒険。その冒険で彼らは、大人への階段を一歩、一歩と上っていきます。少しずつ成長していきます。

物語の舞台は山に囲まれた田舎町。夜になると暗闇に閉ざされる寂れた場所です。
主人公のロウマは農家の倅。学校から帰宅すると毎日農作業をしています。
そんなロウマの唯一の友達だったトトは東京の高校へ進学しましたが、夏休みだけ戻ってきました。
そしてロウマとひょんなことで知り合ったドロップ。
その三人で失くした大切な物を探す冒険をするのですが…、

ところで、子供の頃に誰もが持っている宝物って、一人ひとり違いますよね。
そして、成長していくと誰もが、”ものとしての宝物”と”ものではない宝物”があることに気づくようになります。
その”ものではない宝物”を、彼らは冒険中に見つけます。
やがて、冒険はアイスランドへ…


いしづかあつこ監督の作品は、言葉が心に響きます。そしてその響きが感動を呼びます。
それは『宇宙よりも遠い場所』のときと変わりません。

但し、映画の短い時間だと、背景が詳しく説明されていないために感情移入しづらいのが残念です。
この作品は、ワンクール12話でやってほしいですね。
そうすれば必ず涙がでるほど感動するでしょう。

ところで、
茨城県にある国営ひたち海浜公園では、毎年春になると約450万本のネモフィラが丘一面を水色に変えます。
空の青と重なって幻想的な世界に浸ることができます。
機会があれば、一度は行ってみてください。きっと感動しますよ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 34
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ネモフィラの群生からてんとう虫を見つける

アニメーション制作:MADHOUSE
監督・脚本:いしづかあつこ
キャラクターデザイン:吉松孝博
美術監督:岡本綾乃、音楽:藤澤慶昌

学校のクラスという閉じられた社会では、
理不尽な差別やいじめが普通に起こる。
とても狭い価値観が主流になることもある。
ロシアや北朝鮮のように「国」という大きな社会でも
ひとつの価値観を持つことを強要され、
従わなければ殺されたりするわけで、
小さな社会のなかでも当然のように起こり得るのだ。
そんなときに、自分の住むちっぽけな世界から飛び出したい。
気の置けない仲間たちと冒険をしてみたい。
と誰でも1度くらいは思ったことがあるだろう。

この作品は田舎の閉塞感から逃れ、
大切なものを探す3人の少年の物語だ。
いしづかあつこ監督のオリジナル作品ということで、
「宇宙よりも遠い場所」を想起する人が多いだろうし、
実際、宣伝でも大きく表示していた。
よりもいの大ファンの私としては、
大きな期待感を胸に映画館に足を運んだ。

結論から言うと、優れた良い作品だったと思う。
オリジナル作、地味な作風という売れない要素に加え、
同時期に人気作があったという悪い条件が重なり、
興行成績はかなりの低調になるだろうが、
映画の完成度は高かった。
映像の美しさには目を瞠るものがある。
この作品の裏のテーマには自然の美しさという部分も
あったのかもしれない。
昔は自然の景観なんかを見に行くことの
何が楽しいんだろう?と思っていたが、
美しい景観や自然が放つ特別な「何か」が
人の心に良い影響を与えることがあるということくらいは、
理解できるようになった。

ストーリーの大半が森の中の出来事。
日常から離れ、3人の仲間たちが旅をすることで
今まで見えなかったものも見えてくる。
昔から思い込んでいた「正しさ」が
実は間違っていたことに気づくこともある。

この作品を観て、スティーヴン・キング原作の映画
『スタンド・バイ・ミー』を想起する人は多いだろう。
私もそのひとりで、懐かしい気分になった。
地味な作風のため、初めて『スタンド・バイ・ミー』を鑑賞したとき、
作品の魅力が、すぐには心に入ってこなかったが、
少し時間が経ってから、良さが沁み込んでくる感覚があった。
傑作ではないが、思い起こすと、じわりと響いてくる。
『グッバイ、ドン・グリーズ!』にも似たような
魅力があると思う。

ただ、やはりマイナス要素に感じる部分もある。
私が思い出したのは、『ブルーピリオド』で
大場講師が告げたセリフだった。
「焼き回しだもん。鮮度がない。挑戦も工夫もない」

挑戦や工夫は、この作品にはあったと思うが、
よりもいの焼き回しとされるのは、
仕方のないところだろう。
閉塞した街から思い切って飛び出す子供たち。
{netabare}大切な人を亡くすことの辛さ。
奇跡のようなメッセージを発見したときの喜びと悲しみ。{/netabare}
人生において何が大切なのか。
作家という部分では、ぶれていないのだろうが、
やはり1本のアニメとして考えると既視感がある。

とは言え、鮮烈に脳裏に残るシーンもたくさんある。
それは、やはりこの作品が優れているということだろう。
{netabare}ドローンからの花火の映像。
ネモフィラの青の群生から見つけた小さな赤いてんとう虫。
アイスランドの大自然で発見する友人の想いの痕跡。{/netabare}

テーマははっきりしていて心地良い。
世界は広く、つながっている。
友人と時間を共有すること。
大切な人とつながることは、
かけがえのない宝物なのだ。
(2022年3月21日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 26
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

【辛口コメント】世界や自分の大きさを受け止めて少年は成長していく

【物語 3.0点】
1クールアニメ企画を劇場版に押し込んだような窮屈な構成。


少年期の悩みの大半は、理想とする自分と現実とのギャップから来るのだと思います。
踏み出せないのも、世界の大きさに直面し、自分の矮小さを思い知るのが怖いから。


田舎の男子高校生3人組"ドン・グリーズ”による、夏のある日の冒険を通じて、
共感できる葛藤を掘り起こす。

その他、永遠に思える少年時代とリアルでは有限な時間など、
興味深い青春要素が宝箱の如く詰まってはいるが、整理しきれず。

エピソードをメイン3名から、さらに主人公ロウマ1人の視点に絞って突破を試みるも、
半端に示唆した他キャラの過去等が未消化感を残す。
(トトの東京デビューの現実など、掘り下げ不足と感じる要素は、スピンオフ小説に回る。)

アイルランドだの、アイスランドだの、スケールのデカイ話を勿体ぶりつつ、
近所の裏山よりは遠い場所を徘徊する”冒険”が、
キッカケ程度ならまだしも、メインエピソードとしてダラダラ続くのも微妙。

この何気ない掛け合いの積み重ねこそが青春ということなのでしょうが、
1クールの1話の中でやるならほどよい脱線でも、
1本の映画の中でやられるとストレスが溜まります。
終盤{netabare}アイスランド編やそこに至る過程{/netabare}が短すぎたので余計に。
{netabare}「きらきら星」{/netabare}合唱シーンに尺を費やすくらいだったら、
例えばロウマが資金作りのために牛糞処理に精を出すシーンでも詳述してくれた方が、
私はまだ感動できたと思います。


【作画 4.5点】
アニメーション制作・MADHOUSE

背景美術はリアル志向。
主要な冒険の舞台となった森林は、夏でも緑の色彩が控えめな本邦のジメジメした雑木林。
田舎って本当に道から数歩外れると原始林に迷い込むので危ないですし、クマも出ます。

この土台の上に終盤、満を持して披露される{netabare}アイスランド・黄金の滝{/netabare}は圧巻。


その他、適宜CGも交えて躍動するチャリンコ、キックボード、安物ドローンなどが、
免許取る前のガキンチョの目一杯を体現。

表情描写も口には出さないけど微妙だと思ってる、ノリ気じゃない。
漏出する本音も捉える上々の作画。


【キャラ 2.5点】
中途半端にサブに残したヒロインが主人公の焦点をぼかす。


理想の自分を大きく持ちすぎて黒歴史を重ねて来たトト。
(例えば{netabare}タイトル回収{/netabare}とか)
自分を卑下しすぎて他人に見えている長所を見逃しがちなロウマ。
(ユグドラシルのお浸し……是非、賞味したいですw)
二人に心のままに生きるよう背中を押すドロップ。

メインの少年キャラ3名はシンプルにまとまり良好。


ノイズに感じたのがロウマとトトの中学時代の同級生・チボリ。
過去のマドンナポジションとしてはありだと思いますが、
広い世界を意識させる存在がドロップと被ってしまうのが難儀。
サブの少女が眩しすぎて、メインのドロップがかすんでる感。

監督・脚本・いしづか あつこ氏によると、
当初、憧れのヒロインを助ける少年3人のプロットを構想したが、
男の子ならではの話を書こうと思い、思い切ってヒロインをメインから外したとのこと。

であれば、さらに思い切ってドロップかチボリ。
“ヒロイン枠”はどちらかに集約して欲しかったです。


【声優 4.0点】
ロウマ役・花江 夏樹さんVSトト役・梶 裕貴さん。
繰り広げられるトークは、傍から見れば森に迷い込んだ少年たちの奇声なのでしょうが、
当人たちは真剣に人生に迷って叫んでいる。
よく通るCVで葛藤を好表現。

転機をもたらすドロップ役の村瀬 歩さん。
女声の如き天使の少年ボイスで二人を導く。

サブに回されたヒロイン・チボリ役には花澤 香菜さん。
先駆けて旅立った世界から、少年と鑑賞者の心を溶かす甘いボイス。

……そうか、結局、俺はこの冒険に女っ気がなくて、
ざーさんボイスの女の子と冒険したくて、文句を垂れているだけなのか?(苦笑)


【音楽 4.0点】
劇伴担当・藤澤 慶昌氏。
これ!と決めた明快なメインフレーズを散りばめて、刷り込んで、
ここぞの場面でガツン!と回収して決めに行く、清々しい構成。

その他、ふんだんに挿入される英語詞のバンド曲群にも、
チャリンコ全力疾走をクライマックスに押し上げる勢いがある。

ED主題歌は[Alexandros]「Rock The World」
サビの歌詞でメインテーマをジャストミートする優秀な主題歌。

ここまでなら4.5点以上ですが、
{netabare}「きらきら星」{/netabare}合唱したのでやっぱり0.5点減点で(←しつこいw)


【感想】
『よりもい』スタッフ陣の作品とのことでしたが、
また違った物を見せてくれた時に『よりもい』引きずって鑑賞して折り合えなかったら嫌だなと、
『よりもい』の記憶はなるべく消しての鑑賞。

が、スタッフが想像以上に『よりもい』意識したと思われる構成で、否応なしに『よりもい』を参照せざるを得ず。
終始ぬかるみに足を取られたような劇場鑑賞でした。

ですが絶景に青春解明の一説と心には残りそうな一本。
観るのであれば、音響共々、劇場じゃなきゃ絶対に後悔するのは間違いないので、
興味のある方は、劇場へ急ぎましょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25
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