ポジティブアニメOVAランキング 2

あにこれの全ユーザーがアニメOVAのポジティブ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月12日の時点で一番のポジティブアニメOVAは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

73.4 1 ポジティブアニメランキング1位
FLCL フリクリ(OVA)

2000年4月26日
★★★★☆ 3.9 (580)
2483人が棚に入れました
後に「トップをねらえ!2」で監督を務める鶴巻和哉の初監督作品である。脚本は「少女革命ウテナ」「桜蘭高校ホスト部」の榎戸洋司、キャラクターデザインは「ふしぎの海のナディア」「新世紀エヴァンゲリオン」の貞本義行が担当した。

ベースギターを背負いベスパのバイクに乗ってやってきた謎の女・ハル子と彼女によって頭から変なモノが出てくるようになった小学生・ナオ太、彼と付かず離れずの関係で学校では孤立しているカメラ好きの女子高生・マミ美が主人公の不思議でサブカルな空気の実験的演出が多用された作品。

全編に渡ってthe pillowsの楽曲が使用され、物語の空気感を作る重要な要素となっている。
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

当たり前のことしか起こらない世界

喪失感とともに、バットを抱えたまま前に進めない少年。
恋人への想いにすがり、いじめを受ける少女。
川べりの街に建つ医療機器メーカーの工場。
同じ時刻に吐き出される煙は何かの狼煙のように見えた。
気怠い日常がただ過ぎていくはずだった。
ベスパに跨りベースギターを背負った
ハルハラ ハル子が来るまでは。

アニメーション製作Production I.G・GAINAX、
監督・原案:鶴巻和哉、脚本:榎戸洋司
キャラクターデザイン:貞本義行
音楽:光宗信吉、the pillows

エヴァンゲリオンを制作した後のガイナックスが
2000年にOVAとして手がけたSF青春アニメ。
クリエイターやコアなファンの間ではいまだに語り継がれる作品。
私はあにこれでキャッチしている人のレビューで初めて知った。
発表から20年近くも経って映画『フリクリ オルタナ』や
『フリクリ プログレ』が公開されたことからも、
OVAとして世に出たこの作品が、いかに幅広い人々から
支持されてきたのかが分かる。
ピロウズが海外で認知され、ライヴを行えたのも
この作品で音楽を担当したことが大きく影響した。

静かな展開は1話の序盤だけで、
ほかは全てがぶっ飛んでいる。
ギターリフが印象的なピロウズのロックがいつも流れ、
パロディやスラップスティックが展開されるなど、
クリエイターの遊び心が散りばめられている。
{netabare} バイクには轢かれるし、ギターではぶっ叩かれるし、
頭からロボットは出てくるし、人工衛星が降ってくる。 {/netabare}
エヴァンゲリオン特需のようなものがあったのか、
好きなことを好きなように作っている。

この作品を観ていると『うる星やつら』TVシリーズの
押井守時代後期の作風を思い出した。
優秀なクリエイターがどんどん集まり、
斬新なカットが次々と展開され、
『灰とダイヤモンド』や『2001年宇宙の旅』の
パロディが挿入される。子供に分かるわけがない。
また、タランティーノ監督の『キルビルVol.1』を
初めて映画館で観た時のことも頭に浮かんだ。

監督の趣味ともいえる分野を存分に押し出し、
危ういともいえる均衡を何とか保っている。
良し悪しは別にして、観ていてとても楽しい。

かと言って、過度なイメージとコメディが展開され、
そこにロックが流れるだけの
PVになっているかというとそんなことはない。
行き場のない心を抱えた少年少女を中心に据えた
青春ストーリーとして、しっかり成立させている。

平穏に見えた川べりの田舎町に起こる地球規模の災厄。
皆が色々な気持ちを抱えて生きている。
コメディの間に挟まれる詩的なイメージ。
この作品全体に流れている想いは
「振り切る」ことなのだろう。

私たちの世界では色々なことが起こるけれど、
日常は普通の顔をして、当たり前のように過ぎ去っていく。
鬱屈した心を抱えているだけでは何も変わらない。
バットを振らなきゃ話にならないのだ。
(2018年9月17日初投稿)

投稿 : 2025/01/11
♥ : 64
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

Jumpin' Jack Flash

鶴巻和哉監督作品、脚本榎戸洋司。
キャラクターデザイン貞本義行。
何と言っても吉成曜の参加が嬉しい。
アニメ界を牽引するIG×GAINAXの傑作。

退屈な日々を送る小学6年生のナオ太は、
謎の女が乗る愛車ベスパに轢かれてしまう。
{netabare}その日から、ナオ太のあり得ない日々が始まる。
頭から角が生えロボットが出現したのだ。{/netabare}
ベスパ女ハル子は世界を賑やかに改変し、
モヤついている少年の日常は彩られ始めた。

アートワーク、演出、オリジナリティ、
the pillowsのオルタナティブロック。
お洒落でポップな世界観が感性に響き、
超一流のクリエイターが、
遊び出すとこんなにも楽しい。
テキトーなセカイのテキトーなシナリオ、
アニメーションとはデタラメな夢なのだろう。

スゴイことなんてない、
当たり前のことしか起こらない。
少年は少年のままで成長を続けるのだ。

日常が少しづつ輝き始める、
楽しくて甘酸っぱい青春ワンダーランド。
きっと人生を色彩豊かにしてくれるはずだ。

投稿 : 2025/01/11
♥ : 43

CountZero さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

もう15年も前の作品になっちゃうのね…ヾ(´ε`;)ゝ

手持ちのCDをごそごそと整理していたら、フリクリのCDがでてきました。
と言ってもインストなしの歌モノだけなので、ピロウズのベスト盤みたいな感じですが。

聞いてみて…
ああ、やっぱりかっこいい。
シンプルな3ピースはかっこいいと、自分のロック好きを再確認していると、猛烈にフリクリが観たくなってレンタル屋さんへ。
あったあった!と手に取るも、なんかパッケージがボロい(笑)
裏をひっくり返して制作年を見ると2000年!の表記が。
おおぅ、いつの間にそんなに時間が過ぎてしまったの?と軽いめまいを感じながら久しぶりに借りて観ました。

感想は…
ああ、やっぱりかっこいい。
昔、初めてこの作品を観たときもそう感じましたが、今観ても変わらない魅力がこの作品にはありました。
せっかくなので、なんで自分がフリクリを好きなのか少し考えてみました。

理由その1「音楽が好き」
私はアニコレのレヴューでも事あるごとにロック好き、特にオルタナ/グランジ好きであることを勝手に公言していますが、ピロウズは今では日本を代表する(と思うけど、それほどメジャーでもないか…)オルタナバンドで、昔から好きなバンド。
そのピロウズが音楽を担当しているから好き。

理由その2「サブカル具合が好き」
サブカルといってもいろんなものが含まれるけど、メジャーじゃなくてマイナー、マジョリティーじゃなくてマイノリティーな感じ、とにかくいろんな人に受け入れられることを目指した作品ではないところ、そういう意味でオタクというかマニアックなところとか、凝った演出と実験的な映像でありながら作品として破綻していないところとか、ダサさとクールさの絶妙なバランスが好き。

理由その3「キャラが好き」
ヒロインの一人であるハル子のパンクな傍若無人ぶりとか、持ってるリッケンのベースとか、乗ってるベスパとか、レトロでモッズなスタイルとか、いちいちかっこいい。
そしてもう一人のヒロイン、マミ美のアンニュイな雰囲気が特に好き。
セーラー服で厚い唇にくわえタバコで煙を立ち上らせている姿が、どきっとさせる(もちろん未成年の喫煙はダメですよ)。
すごーく惹かれる、かわいい(笑)
他にも、貞本義行さんのデザインしたキャラがいい味出しててみんな好き。

理由その4「無いようである、あるようで無いストーリーが好き」
これはこの作品の好き嫌いの分かれ目の一つかもしれません。
観る人によっては、意味不明でナンセンスなストーリーについていけず、というかあって無いようなストーリーだから、起承転結とかちゃんと伏線回収するしっかりしたお話が好きな人は、飽きてしまうこともあるかと思うので。
でも感覚的に観たり聴いたりするのも好きな人は結構楽しめます。
このストーリーに明確な理由を求めちゃいけないかな?
強いて言うならナオ太の成長物語(笑)
こういうのも私は好き。

と、ここまで書いてみて、好きな理由なんてごくごく普通だなと思ってしまいましたヾ(´Д`;●) ォィォィ
まあ自分の好みが明らかになったのは良いとして、あまりみんなの役には立ちそうにないレビューとなってしまいました…。
とりあえず、ちょっと変わった作品を観てみたい人にお勧めします。
だらだらと書いちゃってごめんなさい。
読んでくれた方、どうもありがとうございましたー<(_ _*)>

投稿 : 2025/01/11
♥ : 36

63.4 2 ポジティブアニメランキング2位
Candy boy キャンディボーイ(OVA)

2008年5月2日
★★★★☆ 3.6 (150)
877人が棚に入れました
とある双子の何気ない日常のお話―― いつになく、そわそわする奏。何かを待っている奏の不自然な行動に気付く雪乃と、その影で咲夜のたくらみが…。
都内某所の高校に通う双子の高校二年生、櫻井姉妹の周りで起きる学園コメディー。
ネタバレ

ねこmm。 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ず~っとずっといっしょだよ☆  【ねこ's満足度:75pts】

全7話(+EX2話)のOVA。
観てるこっちが恥ずかしくなるくらいのラブラブバカップルが主役の日常系ラブコメです。

ただ、女の子同士なんです。しかも実の双子の姉妹なんです(笑)。
『Candy Boy』なんてタイトルですが、完全にタイトル詐欺です。
男の子は一切出てきません。あしからず。

天然ぶりぶりな甘えん坊の姉・雪乃(ゆきの)。
しっかり者に見えてたま~に変なスイッチが入っちゃう妹・奏(かなで)。
そこらへんの中途半端なカップルよりはるかに恋人らしい恋人です。この二人。
実はもう一人下に妹がいるんですが、この子も二人の関係認めちゃってます。
しかも{netabare}最終回では姉に助言までしちゃってます{/netabare}。ビックリです。
ちなみに妹の奏には百合ストーカーがいます。
二人の後輩の咲夜(さくや)。この子がこの作品のお笑い担当です(笑)

1話10分強という尺の為、そんなに深いストーリーではないです。
それでも、ただ単にイチャイチャしてるだけというわけではありません。
いつまでも今の関係でいられるように、進路のことを真剣に考える二人。
そんな意外とまじめなエピソードもあったりします(でもまぁ姉妹なんですけどねw)。

女の子は可愛いし、作画もとても丁寧に描かれてます。
エロ要素は一切無いので、そのあたりはご安心を。(ご了承を、かな?w)
いわゆる百合アニメですが、その中でもお気に入りな作品のひとつです♪

投稿 : 2025/01/11
♥ : 28

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

はじめての「ゆりあにめ」

制作はAICのオリジナルアニメです。
ジャンルはGL・日常系ラブコメです。


両想いである双子の櫻井雪乃・奏姉妹の学園生活を描くラブコメ。


たびたび「百合」がどうのこうのとか言っている私なんですけれど「百合(GL)アニメ」と呼ばれる作品群を見たことなかったわけですねw
これではアホみたいなので短い本作(全7話の計2時間ほど)を最初に見てみることにしました。

本作はまあ、たしかにガチ百合な作品ではありますけど、毛嫌いしそうな描写はほとんどなく、「けいおん」「ゆるゆり」「咲」なんかが大丈夫な人は何の問題もなく見れるかと。
キスシーン?はあるけど多分そんなに問題ではない。
でも甘々な描写は非常に多く、「百合スキー」な方はご満足いただけそうです。


登場人物は基本的に四人。
妹で美術部所属、しっかり者の櫻井奏。
姉で水泳部所属、天然な櫻井雪乃。
二人の後輩で水泳部所属、奏が大好きなストーカー?神山咲夜。
二人の妹で不登校気味、お姉ちゃんっ子の櫻井雫。

基本的には姉妹百合を存分に堪能するスタイルです。
そこに咲夜が絡んできて笑いを提供してくれたりします。
雫はちょっとシリアス要員で辛気臭い感じになりますが、これなしでは本作は成り立ちません。


特にストーリー性があるってわけではないのですが、だからと言ってつまらないわけではないです。
「お互いが一緒にいるためにはどうしたらいいか」というGLの作品では鉄板(私が知る限りではこういう系統が非常に多い)な内容を重くなりすぎずに扱っています。
こういうちょっと切ない感じがたまらなく私は好きw(GL漫画は微妙に読むのです)

声優に関して、主人公二人はぴったり。
特に雪乃の声はツボ。
個人的には雫役の小林さんがちょっと合ってなかったかな?


総括して、結構良質な百合アニメでしたね。
「百合風味のアニメ」ではなく「百合アニメ」を見たい方は本作から初めてみてはいかがでしょうか?
初めてみた奴が何言ってんだって話なんですけれどねw
百合好きな方は是非オススメをご教示ください。

投稿 : 2025/01/11
♥ : 25

takumi@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

大きな起伏はないけれど安心して見ていられる百合アニメ

AICによる短編Webアニメ(全7話)

高校二年生、櫻井奏と櫻井雪乃の姉妹が巻き起こす学園コメディー。
ほんわかふわふわ天然の姉・雪乃と、しっかり者の妹・奏。
双子でありながら、お互いの事が好きで好きで仕方ないふたりの
何気ない日常を描いた物語。

子供の頃から同じ服装をし、同じ持ち物を持ち、
雨が降れば相合傘を楽しみ、いつも一緒にいた彼女達。

予備知識なく観始めたのだけど、
甘くトロけてしまうようなセリフと雪乃の声で、
ありえないほどの姉妹仲の良さを見せ付けられ、
なるほど、こういう百合アニメもアリだよね・・と。

ツンケンしているよりは好感持てるけれど、刺激やトキメキ感はなく、
ただただ呆れるほどのデレデレにはもう降参って感じ。
といっても、濃厚なラブシーンもなく、清純な花のような雰囲気。
多少のお色気はあるものの、彼女達の仲の良さは性的なものよりも、
双子だからこその濃密な意識の繋がり、という印象を受けた。
さらに、ふたりへの追っかけ的存在の後輩が、面白すぎて異常。

後半では、時間経過と共に少しずつ変化が見られ、
同じではない別のピアスや持ち物を選んでいくようにもなり。
そういうエピソードを通して、
お互い自立していってるってことが描かれる。
それでもふたりで、ずっと一緒にいるために、
進路のことも真剣に考えていたりと
そのへんのリアルさは女性同士ならではの、きめ細やかさを感じた。

セリフのある男性キャラは駅員の構内アナウンスのみ。
男性キャラは出てこないのに、なぜ『CandyBoy』という
タイトルになったのかは不明とのこと。(wiki情報)
どう考えても、『CandyGirl』だものね。

投稿 : 2025/01/11
♥ : 21
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