フォーカスで女子高生なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのフォーカスで女子高生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月08日の時点で一番のフォーカスで女子高生なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.5 1 フォーカスで女子高生なアニメランキング1位
ぽんのみち(TVアニメ動画)

2024年冬アニメ
★★★★☆ 3.1 (113)
282人が棚に入れました
「でてけぇー」! 広島県尾道市に住む女子高生・十返舎なしこは家を追い出され困っていた。「友達と遊べる場所がないけん…」父親が昔経営していた雀荘が今は空き家になっていることを知ったなしこは、みんなで集まれる場所に作り直すことを決めた。友達のぱい、泉とともに。遊び場を手に入れたなしこたちは、遊んだり、料理をしたり、お茶をしたり、時々麻雀をしたり…。そんな、なんでもない日常が愛おしくなる物語です。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

5話 そしてバーベキューへ。

1話 竹書房の作品かと思うと原作なし…なぜ今時麻雀なのか分かりませんが…

{netabare} なぜ未だにマージャンなのかが不思議ですが、オリジナルの麻雀アニメの様ですね。親父趣味女子だけ日常系部活ものフォーマットです。部活ではないみたいですけど。

 オマージュというか直接登場しているのが、片山まさゆき氏に能條純一氏、福本伸行氏ですから、近代麻雀の竹書房が全面協力なんでしょうか。エンドカードも片山まさゆき氏の作品が勢ぞろいでした。
 ただ、原作付でもないし、明確にEDに協力竹書房とは出てなかったので良くわかりませんでした。
 全自動卓の造形も妙にリアリティがあるのでその関係のつながりもあるのでしょうか?

 で、キャラデザがクレジット無かったですが、どうもどこかで見たことがあると思い、Dアニのスタッフ欄で確認したら原案が春菊ねぎ氏ということで五等分の花嫁の人でした。
 アニメのクオリティはB級臭がするものの、それなりだと思います。

 話の内容は、まあ部活もののスタートという感じでした。鳥のマスコットがいる展開は今時か?「グーグーガンモ」か「たまこまーけっと」という感じで逆にちょっと新鮮です。

 初心者でも見られるように初心者をヒロインに配置して、ノウハウを伝授してくれるのでしょうか。ちょっとハズレ臭もしますが、1話はそれなりだったし、麻雀マンガも親父趣味女子だけ日常系も、ハズレは少ないしたまに「ゆるキャン」みたいな良作もあるので、見ると思います。{/netabare}


2話 まだどういう話かわかりませんが、麻雀の作画技術がすごい。ひょっとしたらイノベーションなのかも。

{netabare}  まだ、真面目な麻雀になってないので意図は不明。初めは麻雀に慣れればいいということなのかな?

 親父趣味女子だけ日常部活もの…の系譜なので、ストレスなく普通に見られます。また、どこまで何を描くのかに興味はあるので視聴継続は決定です。ただ、展開しだいでは、いつの間にか見なくなる可能性はあります。

 なお、西の地獄待ち(場に2枚見えていて山に1枚、手元に1枚の単騎待ち地のこと)は、某麻雀マンガを読んでいると、やってみたくなる待ちの一つであるあるに属すると思います。

「最初の記念に親はリーチェだ」のセリフですが、これは本来サイコロを回す前に言うべきセリフでした。ルール上、サイコロを回すのは親なので。これが演出でまだまだ初心者ということを表しているのか、何も考えていないかは不明です。

 ただ、サイコロの作画良かったですね。雀卓のサイコロの初めゆっくり回り出して、勢いよく回る感じが良く表現されていました。

 そして、今回気が付いたのはCG技術と麻雀アニメって結構相性がいいかもしれません。麻雀の場面の作画が相当楽になったのではないでしょうか。「咲」以外はほぼ見なくなった麻雀マンガの欠点は作画だと思うのですが、そのハードルは今回の技術でなくなったのでは?
 このクオリティで3DCG麻雀美少女脱衣ゲームを是非発売してほしいかも。

 作画は低カロリーにみえますが、そこそこの水準で悪くないと思います。

 EDの声優のクレジットに「電動雀卓ボイス 孫悦」というクレジットがあってちょっと笑ってしまいました。孫悦さんという声優は検索しても良くわかりませんでした。女優さんでいましたが同姓同名が多いので確信は持てませんでした。

 OPは面白い歌詞なのも好印象です。{/netabare}


3話 カレーと刺身をコーラで食うという地獄絵図。雀荘経営もの?

{netabare}  結果的にイカサマの説明(ただ、麻雀知らない人には理解できないと思い)と、料理、そしてカレーと刺身をコーラで食うという地獄絵図の話でした。

 妙に設備の説明を丁寧にしているので、この作品は結果的に麻雀ものというより、雀荘経営までのプロセスを描くのでしょうか?主旨があるとすればそれしかなさそうです。

 気が向いたら視聴継続、他で切るものが少なければ一旦中止するかも。ただ、週1で土曜の朝に見る感じじゃないと一気見はきついかも。 {/netabare}


4話 麻雀放浪記…渋いなあ。

 今回の冒頭のサイコロの練習とゲームの途中で「このゲームにサイコロを振る場面はありませんよ」と言われて、外の天気の話題をしていたシーンがありました。
 あれが阿佐田哲也「麻雀放浪記」に出てきた2の2というイカサマのシーンのオマージュだということに何人の人が気が付くでしょうか?映画が有名だし映画の最大の山場なので知っている人もいるか…しかし渋すぎでしょう。

 まあ、ゲームでしたが麻雀シーンはありましたし、話も動きそうですね。ところでトリの意味は?


5話 そしてバーベキューへ???

 まあ、もういいですかね。作画も何かわけわからなくなってきたし。初めのドラの爆弾のイカサマは「哲也」?かな。もうどうでもいいですけど。

 ということで5話まで持ちましたが、ここで中断です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

【失敗作の典型例-6】制作陣の悪ノリ・内輪ウケ

【レビューNo.108】(初回登録:2024/2/19)
オリジナルアニメで2024年作品。(7話切り)
コミック原作かと思ったら、講談社が初めて原作を手がけるオリジナルアニメ
らしい。
久しぶりの「麻雀モノ」ということで、どんなものかと少し期待してたのです
が・・・

(ストーリー)
JK(日常系)×麻雀×ご当地モノ(広島・尾道)みたいな?!

(評 価)
・「アカギ」や「哲也」のパロディやりたかっただけやろw
 まあ「JKが○○やってみた!」的なアニメはいろいろありますが、これは
 アカンわ。
 体感的に「日常系」:「麻雀」が8:2って感じで、
 ・「JKの日常系」アニメを創りたいがそれだけじゃ芸がない
  → とりあえず「麻雀」でも足しとけw
 位の感じで、(後述しますが)「何で『麻雀モノ』をやってるの?」と疑問
 を呈したくなるレベルですね。
 個人的には「『アカギ』や『哲也』のパロディやりたかっただけやろw」と
 勘繰りたくなる位中身が薄いなっと。

・制作陣の「おふざけ感」が強すぎる
 ・1話は予定通り(?)「主人公が麻雀を知らない」ということもあり、簡単
  な麻雀のルール説明(いうても「3枚1組でそろえていく」位だけどw)で
  今後「日常系」と「麻雀」をバランスよくみせていくのかと思いきや、話
  が進むに連れ「??」な展開の連続で・・・例えば
  {netabare}・「ネット麻雀」で負けた新キャラが主人公達の元に、リアルでの勝負を
   果たすために乗り込んでくるも、
   → 「野外麻雀」という名目で外へ連れ出し「バーベキュー大会」
      結局麻雀シーン一切なし?!
  ・「麻雀合宿」と銘打って旅館に一泊
   → 昼間の「尾道名所巡り」が無計画で旅館についたのが夜遅く
   → 新キャラが一番勝負したかったキャラが疲れて即落ち
     他のメンバーも眠気と戦いながらの麻雀大会
   → 当然まとまな麻雀になるはずもなく、途中で牌を積み上げたりと遊び
     出す始末?!
  ・海での水着回
   → 誕生日プレゼントに金持ちお嬢さまキャラが「金でできた麻雀牌」を
     渡そうとして、拒否られる(いろいろな意味で重いよw)
   → それを賞金として争奪戦が勃発
     (ビーチフラッグやビーチバレー等)
     そこに無理やり「麻雀要素」をねじ込んでくる?!{/netabare}
  (緩くても)普通に麻雀してればいいのに、制作陣の「おふざけ感」が強す
  ぎてコメディ展開も笑えんなと。
  こんな感じなので(パロディネタも併せて)制作陣の悪ノリ・内輪ウケにし
  かみえなかったんですよね。
  こんな扱いにする位なら「麻雀」要らなくねー?
  (どうも麻雀は「笑いの引き出し」に使いたいようでコレジャナイ感が・・・)

・キャラに魅力がないのかな
 とはいえ、日常系が面白いのかといえばこれもパッとしない。
 日常系でみせるには、キャラの描写が表面的で魅力に欠けるというか。
 例えば麻雀の打ち方とキャラの性格がリンクしていれば、両方の要素が相乗効
 果で面白くみえる気もするのが、(麻雀も同様だが)不自然に面白展開を作っ
 て力技で笑いを取ろうとしてる感じが目につくというか。
 (パロディを多用してるのもそういう表れなのかなあっと)
 どちらも中途半端で「共倒れ」になっている印象を受けますね。

正直この先も期待できないので、もう「切るしかなしこちゃん」だよwww
ただOP曲「ポンポポポン」は「麻雀用語」をふんだんに歌詞に盛り込んだ完成
度の高い出来で、これだけは唯一評価できるかなっと。

(追 記)
個人的にはこんなアニメを創る位なら、「藤井聡太八冠」で盛り上がる将棋界を
テーマに、「月下の棋士」を現在版にアップデートしたアニオリ作品でも創って
くれないかなと思ってしまった。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

ギャグは寒いが…。可愛い女子達と尾道、そして親父趣味の麻雀…。狙っていますねぇ。いや…、段々これじゃない感が…。

 最終話(12話)まで観ました。2024.03.23

 無理矢理終わらせた感じの最終話でした。元々雀荘なので雀卓は一台しかないわけでは無いし、リーチェは大金持ちのはず…。

 特に内容の無い日常系の物語なので、強引にオチをつけなくても良かった気がします。

 登場人物達を尾道のお祭りに参加させたり、盛り上げようと色々したのは分かりますが、どうにも跳ねない感じでした。

 この頃、日常系の話が流行しない時代と言われていますが、他のアニメに埋もれてしまった感じです。

 麻雀はやはり、金を賭けてタバコを吸いまくってやらないと面白く無い様です。

 学生の頃、良く徹マンしましたが、懐かしいなぁ…位の感想しかありませんでした。何かが足らんのですね。
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 7話まで観ました。2024.02.22

 海に遊びに行く!水着回だぁ〜!って…。コレで興奮したり喜ぶ視聴者もいるかも知れませんが、何を今さら…。

 そして、麻雀要素が少し絡んだゲーム等してJK達が楽しそうに遊びますが、別に面白くも無いので何を見せられているんだ感が強いです。

 一体何がしたいのか?謎アニメになりつつあります。
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 6話まで観ました。2024.02.11

 5話で五人目が加入しました。テンポが悪くなるだけのパロディーは影を潜めました。ネタ切れかな?

 しかし…、この五人目が他の四人程浮世離れしておらず、真剣に麻雀やりたいキャラなので浮いています。四人でキャッキャウフフしてた方が良かったんじゃ?

 ゲストキャラならともかく、これから五人で話を回していくのかな?主人公達仲良し三人組はそれほど麻雀好きそうじゃないし、ギャグマンガにあるまじき不穏さが漂ってきてます。

 五人目は排除した方が良い様な…。要らない子が混じっている感じは良くないですねぇ。後半どうするのかとても心配です。

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 2話まで観ました。2024.01.15

 ワンクール、ネタ保つのか?と心配になる様なお話です。今回は全自動卓なのにツミコミしたり、燕返しするネタでしたが、これから何やるのかな?段々と上級者になるのかな?

 女子高生なのであまりギャンブル廃人的な話は出来ないし、おふざけギャグなので真面目に打つのもちょとなぁ。

 視聴継続しますが、段々とパワーが落ちてフェードアウトしそうです。最後までテンション保つかが一番気になります。
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 1話観ました。2024.01.08

 何故かパパの持っている古い雀荘で仲良し女子達が麻雀やるそうです。

 初回、ギャグが寒いです。往年の麻雀漫画のパロディーなのは分かりますが、若いねーちゃんのやることではないです。非存在女子の面目躍如ってやつです。

 今の所、どうなるのか余談を許しませんが、麻雀に興味があるなら観ても良いかもです。

 

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

68.7 2 フォーカスで女子高生なアニメランキング2位
BanG Dream! It's MyGO!!!!!(バンドリ! マイゴ)(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (152)
267人が棚に入れました
キャラクターとライヴがリンクする次世代ガールズ・バンド・プロジェクト、"BanG Dream!(バンドリ!)"から生まれる"現実(リアル)"と"仮想(キャラクター)"が同期するバンド"MyGO!!!!!"(読み:マイゴ)の活動がスタートする。
"迷子でもいい、前へ進め。"をキャッチコピーに燈(Vo)、愛音(Gt)、楽奈(Gt)、そよ(Ba)、立希(Dr)の5人で構成されている。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

最高に面倒くさいガールズバンドアニメ

【物語 4.5点】
私がいわゆる“2.5次元”コンテンツのアニメに関して、しばしばもどかしさを感じるのは、
コンテンツの中核で、偶像(アイドル)であるキャラを傷つけまいと躊躇する余り、
青春描写の踏み込みが浅くなりがちなこと。

物語の中で人物を息づかせるために必要な挫折や醜さを晒す脚本を書くと、
推しを傷付けられたとすぐに炎上する風潮。
それを気にしてか脚本が無難に萌えるネタに迷走したりする。
相当な青春作品の名手でも2.5次元だとカオス脚本を書いてしまう背景かと思われます。


その点、本作はとことんシリアス路線を志向し、序盤からキャラを偶像視せず、
人物同士が全力で傷つき傷つけ合っています。

プロットも最後キラキラなステージで大団円などゴールから逆算する帰納法ではなく、
その都度、このキャラならリアルでどう反応するかを重視してシナリオを紡いでいく演繹法で構築。

キャラにこんなこと言わせたら場が壊れてしまうのではないか?
というセリフもこの人物が言って不自然じゃなければ言わせる。
リアルを突き詰めた結果、最悪物語が崩壊しても構わない。
とにかく視聴者を疲れさせるとの監督の鬼方針w¹

ストレスを9話まで溜めに溜めて10話のライブ回で一気に解放する極端な構成。
煽りを受け11話でバンド名考案、ステージ衣装、新曲と普通の2.5次元アニメなら、
複数回に分けてエモさを醸すチェックポイントとして大事にするイベントを、
たった1回分にすし詰めにし、迷子たちのバンドを象徴する贄に捧げて、12話で慌ただしくバンド結成ライブする忙しなさは演繹法ならではの生々しい感覚。

そして、ライブ後の13話もただでは終わらない。
{netabare} 新バンドAve Mujicaの誕生。{/netabare}
ラストの凡そガールズバンドアニメとは思えないキラキラ感皆無なセリフが心に穴を穿つ重たい衝撃。
MyGO!!!!!はギスギスばかりだったけど、それでも青春していたんだなぁと、
逆説的に思い知らされました。


間違いなく人を選びますし、全然キラキラしてなくて楽しくないし(まぁ、私は終始“ギスドリ”満喫させて頂きましたがw)
嫌悪感を覚える方がいても仕方がない内容。
ですが、私は2.5次元アニメ脚本の自縄自縛を思い切り振り払った本作の挑戦を高く評価したいです。


【作画 4.5点】
サンジゲンによる3DCGアニメーションが軸。
ですが10話の燈から愛音への{netabare} 「一緒に迷子になろう」{/netabare} との殺し文句など、
心を揺さぶる場面では手描き重視で映像を構成することも。

{netabare} 10話ライブシーン{/netabare} のCGを見ていて感慨を覚えたのは泣き顔の進化。
演出の力もあるのでしょうが、各々が違う想いを抱えて、異なる泣き方をする。
この泣きの描き分けがCGでできていることに驚愕しました。
あのシーン。私は泣き顔見るために何度も観てしまいます。

カメラワークについて。10話ライブシーンのように自在にアングルを動かして臨場感を出す演出は相変わらずCGならではだなと思います。

が、それ以上に今回私が興味深いと思ったのが7話の楽屋、舞台裏のシーン。
カメラを敢えて防犯カメラみたいなポジションに固定して、
本番前後のバンドメンバーの落ち着きのない全容を“長回し”で定点観測したカメラワーク演出。

あっちでボーカルが不安で落ち着きをなくしたり、あっちで“野良猫”が気まぐれに動き回ったり。
迷子が迷子のままライブに雪崩込んで、ハプニングだったり、アドリブだったり、修羅場だったりw
俯瞰で体感することで、迷子のバンドのそわそわ感を共有できました。

これが手描きだと掛け合い終わったキャラは描くの面倒だから、とっとと画面から消えて欲しいとなるのでしょうがw
一旦モデル構築してしまえば何時までも映しておける。
これもCGならではの固定カメラ演出だったと思います。


【キャラ 4.0点】
MyGO!!!!!メンバー各人詳細については初回レビューで記したので割愛。

2.5次元では、しばしば、メンバー同士の仲睦まじいカットを多様して、
カップリングが尊い!とファンの忠誠心を上げるビジネスモデルがありますが、
本作はそこも無視。

バンドは上手くいかないもの。絆ではなく打算で結ばれたリアルな関係性の追求。
などの方針の元、脚本がメンバーを和気あいあいとカップリングしそうになると、
仲悪くして!と監督の鬼司令が飛んだそうでw

ただ安易に馴れ合わない女子同士には何とも言えない味わいが滲み出るもの。
私は愛音とそよさんの、どうせ私はこんなだよ、だから何?って感じの“カップリング”が好物ですw


視聴中『バンドリ』が新展開する正体不明の謎の覆面バンドAve Mujicaメンバーが作中で暗躍している。
との噂を耳にして情報を物色。

MyGO!!!!!もポエトミー多用して人を選ぶ面倒くさいバンドですが、
Ave Mujicaに至っては選ばれし者だけが招待される闇の儀式といった感じで、面倒を通り越してもはやアブナイですw

それだけに、どうしてあんな清楚そうなお嬢様方が黒いレースのパン……いやwマスクを付けて、
死と再誕を叫ぶに至ったのか?
何よりCRYCHIC解散の真相は?
制作中だという続編での解答を切望します。


【声優 3.5点】
MyGO!!!!!キャスト各人詳細については初回レビューで記したので割愛。

燈役の羊宮 妃那さん、立希役の林 鼓子さんは声優としてのキャリアもあって安定。

新人の方では愛音役の立石凛さんは、
逃げてる自分を煙に巻く掴みどころのないキャラボイス設定もあってか、
また御本人も初回収録時緊張したと語られていた通り、ややたどたどしい感じ。

それでも5話の愛音の過去掘り下げ回では、
慣れない感じの英語自己紹介も含めて奮闘していました。
ただ、やっぱり私には、愛音のボイスからは中学時代に生徒会長やっていたというイメージは沸いてきません。

一方、そよ役の小日向 美香さんは振れ幅の大きい役柄もあってか見せ場十分。
今後はバンドリだけに留まらず、
悪役令嬢役やメンヘラ女子役から声優としての地歩を固めていって欲しいです。

楽奈役の青木 陽奈さんは……セリフが短くてよく分かりませんでしたw


そんな中、芸能界でも筋金入りの2.5次元アイドル好きとして知られる
宮田 俊哉さん(Kis-My-Ft2)が燈の父役として出演。
先日は総集編ナレーションでも本作の魅力を熱く語っていました。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はElements Gardenの藤田 淳平氏と藤間 仁氏。
キラキラ成分控え目。ピアノ等による静かな心情曲が目立つ。
時に無音も選択し、キャラ同士のギスギスした会話に視聴者を集中させる。


MyGO!!!!!のバンド曲は、キーボードを廃し、ギターを二本置く構成で、
メロディック・ハードコアを追求。
会話を交わすだけでは表現困難な心情を時にポエトリーも交えてぶつける歌詞も痛切な青春パンク。

初回レビューにて私はボーカル役・羊宮さんの役者としての力を引き出す“台本”を用意できるかが鍵との趣旨の見通しを語らせて頂きましたが、
10話のライブ曲は彼女が熱演するに値する素晴らしい“台本”でした。

コンテンツ中で“MyGO!!!!!結成秘話”と位置づけられる本アニメ。
アニメ以前にリリースされた楽曲群も視聴前はもうひと押しかな?と思っていましたが、
“前日譚”である本作を観ていく中で、メンバーの積み重ねて来た想いが語られた曲として愛着が沸いて来ました。
その流れで{netabare} 12話で披露された1stシングル「迷星叫」(まよいうた)のライブシーン{/netabare} は嬉しかったです。


【参考文献】¹『メガミマガジン2023年10月号』「BanG Dream! It`s MyGO!!!!!特集」ライブ・イズ・ワンダフル 迷子たちの悔悟と覚悟 (柿本広大監督インタビュー)より。



【10話感想】ここまでの鬱積した想いを詩(うた)に乗せて解き放った凄まじいライブ回
{netabare}
第10話。概略はこじれた諸々を歌の力で解決する音楽アニメの定番回。

この回の凄い所は、音楽の力を最大火力で放つため、
これまでの9話分を使って、前のバンド解散のトラウマ等を引きずるメンバーたちの抱えた迷いやら、汚さやら、自己嫌悪やらを、
キャラクター価値を毀損する勢いで、全力でえぐり出す鬱展開にひたすら費やして、
10話に向けて鬱屈したエネルギーを溜めに溜めて来た所。

9話でバンドが修復不可能な所までドン底まで落として屈んだ上で、
もう歌うしかないと主人公にも視聴者にも腹をくくらせる。
そして、歌で決めると覚悟してからはグズグズと次回に持ち越したりせず、
この第10話一回で一気に決めた所。

{netabare} 再び一人ぼっちになったボーカルが詩の朗読から始め、
おもしれー女だとギターが戻り、ドラムが戻り、
サイドギターが戻り、バンドにトドメの致命傷を与えたと思われたベースも戻る。
そしてポエトリーから蘇るバンドソング。
最後は心を曝け出した不器用な連中が泣きながらライブパフォーマンス。
(ただし“野良猫”は終始楽しげ){/netabare}

このバンドがなぜポエトリーを多用するのか。
OPアニメでなぜ円を囲んで演奏しているのか。
謎の氷解と手応えと共にMyGO!!!!!の完成がいよいよ近づいて参りました。

私も音楽アニメを見続けていると、こういう展開には多々遭遇しますが、
瞬間最大風速という点では過去最大級の感動回でした。


ここまで正直、ギスギスMAXな展開に心が折れそうになることもありました。
(と言いつつここ数話は、{netabare} 闇堕ちしたそよさんの狂気がIt`s そよtime!って感じで、とても楽しませて頂きましたがw{/netabare} )
キャスト陣がインタビュー等で口々に「10話は絶対見て下さい」と懇願するのを信じてついてきて本当に良かったです。{/netabare}


【1~3話までのレビュー】ボーカル・CV.羊宮 妃那、ドラム・CV.林 鼓子に釣られて飛び込んだ『バンドリ!』スピンオフ

長いので折りたたみ

{netabare}
声優が実際にバンド演奏したりする『BanG Dream!』(バンドリ)
新たな五人組バンド「MyGO!!!!!」(マイゴ)を描いたスピンオフアニメ。
初回は#1~#3の90分一挙放送。

【物語 3.5点】
暗い、重い、面倒くさい。
でも、やさぐれてなければロックじゃないとか痛いこと思っている私w
面倒くさいバンドは嫌いじゃないので望む所。

中心人物となる奥手なVo.燈(ともり)らは、中学時代にバンド崩壊という過去を抱えている。
#1~#2にて、事情を知らない外面陽キャ転校生のGt.愛音(あのん)視点で、トラウマの残る人間関係に外側から踏み込んでいく。

#3にて、ようやく燈の一人称視点にて、過去のバンド結成から崩壊までの内情を語るも、
{netabare} バンド活動が終わった本当の原因は明らかにならず持ち越し。
トラウマは解消せず、MyGO!!!!!結成すらされず。{/netabare}
むしろ鬱が深まって初回放送が終わる。

早い展開を求める昨今の風潮では、1話だけの放送だと、地味だと切られかねない。
よって3話まで一気は英断でしたが、それでも好みは分かれそう。
私は3話までに勝負曲披露すべく諸々飛ばしてでもアピールを急ぐ2.5次元が多い中、
中々気骨があるバンドアニメだなと好感しましたが。
初回で、そんなにキラキラした話じゃないよ?と方向性を示したことはある意味、親切ではあります。


【作画 4.0点】
サンジゲンによる3DCG作品。

本音を言葉にするのが不得手な子が多いため、表情描写も果敢。
帰宅して「表情筋死んだ~」ってなる愛音。伝わって来ますw

顔面だけでは語りきれない心情を反映しようと、風景や小物も駆り出される。
収集癖がある燈がペンギン絆創膏コレクションに秘めた、
過去を取り戻せるかもしれない期待と、やっぱり無理かもとの落胆。
繊細でした。

空間を構築してしまえば、視点変更やカメラワークが容易なのもCGの利点。
三人称と一人称の切り替えもスムーズでした。


【キャラ 3.5点】
メインバンドとなるMyGO!!!!!

迷子とマイゴをかけて「迷子でもいい、前へ進め!」とか言い出すし。
歌詞も“うじうじ しくしく”などとこじらせているし。
イメージカラーもブルーだし、曲名の総画数多いし。
キーボードを置かないギター2人体制だし。
捻くれた私はホント良い感じで面倒くさいな~とニヤニヤしてしまいますw

メンバー
Vo.高松燈(ともり)……高等部1年。“羽丘女子学園の不思議ちゃん”。周囲と折り合えないネガティブ思考などをノートにしたためる内に、作詞の才能も開花。

Gt.千早愛音(あのん)……高等部1年。羽丘女子学園に転校後、軽い気持ちで燈をバンドに誘い地雷を踏んづける。ギター&ボーカル志望だが、演奏はご無沙汰なのか今ひとつな模様。

Gt.要楽奈(らーな)……通学先など謎が多いオッドアイ。初回では{netabare} 超絶ギターソロを披露して去っていった{/netabare} のみだが、リードギターになる片鱗は示した。燈がぼっちだとしたら、楽奈はマイペースを守るひとり好きといった印象。

Ba.長崎そよ……月ノ森女子学園。面倒見の良い、優しいお姉さんといった印象だが燈らと同じ高校1年。大人しい子の世話を焼いて、気持ちを決めつけたり、伝書鳩にしたり……。個人的には、そよが一番警戒すべき人物だと身構えています。

Dr.椎名立希(たき)……花咲川女子学園高等部1年。ライブハウスでバイトする目付きが怖い一匹狼。接客態度も極悪wですが個人的には一番デレると萌えるキャラクターだと期待していますw

その他、燈らと中学時代、CRYCHICで同じバンドメンバーだった女子も絡み複数校にまたがる地雷原を形成。


【声優 3.5点】
MyGO!!!!!は2022年4月の結成後は暫くキャスト名を伏せて活動していたそうですが、
アニメ放送を控えた今年4月にキャストが発表。

Vo.燈(CV.羊宮 妃那さん)
最近『僕ヤバ』ヒロイン役で私がますます深みにハマっている声優さん。
2.5次元については私は『セレプロ』八木野土香役でも歌声を耳にしているはずですが、
声量で押すタイプではないこともあってか、あまり印象に残らず(むしろ、よく食べる道産子のイメージの方が強いw)

MyGO!!!!!においても歌唱しているというより、歌詞を台詞に見立てて演じている感じ。
今後の同バンドの浮沈は、作詞・作曲担当が彼女の演技力を引き出す“台本”を用意できるかにかかっているかと。
これまでのリリース曲も、時にポエトミー(曲が始まっても歌わずポエム喋るやつ)も交えて、ささくれていて良い感じですが、私はもっと攻めても良いと思っています。

Dr.椎名立希(CV.林 鼓子さん)
今年解散した声優ユニット「Run Girls, Run!」メンバー。
最近では『ニジガク』の2代目・優木せつ菜役も務める。
鼓子だけに実は鼓も叩いていたという発表は衝撃でした。
歌って踊って生徒会長も勤めてバンドもやるなんてパワフルですね♪
(二次元と三次元どころかコンテンツの区別もついていないw)

2人のキャスト発表が私がMyGO!!!!!沼に迷い込んだキッカケ。


Gt.千早愛音(CV.立石 凛さん)
「S・響・エースクルー合同オーディション2020」合格から響に所属する新人。
アコースティックギターは弾いたことあるが、エレキギターはMyGO!!!!!で初挑戦。
#1~#2ではモノローグ含めてシナリオを引っ張る役柄でしたが、正直まだ固さがある印象。
愛音も色々事情がありそうなキャラ。深掘りと共に新人声優が一皮剥ける様を見るのも2.5次元の醍醐味。

Gt.要楽奈(CV.青木 陽菜さん)
立石さんと同じオーディション合格から響に所属する新人その2。
キャラ同様、ギター経験は彼女の方が豊富な模様。
バンド組みたい願望がMyGO!!!!!で叶う。
『レヴュスタ』中等部で経験済の2.5次元舞台のスキル発揮にも期待。

Ba.長崎そよ(CV.小日向 美香さん)
『バンドリ!』がキッカケでベースを始めた新人声優がMyGO!!!!!でベースを弾く。
コンテンツも8年続くとこうした事例も出てきます。
初回では、そよの含みのある人当たりの良さを好表現。中々侮れない新人です。


【音楽 4.0点】
MyGO!!!!!が歌う主題歌。
OP「壱雫空」(ひとしずく)、ED「栞」共に痛切な歌詞世界ですが、
同バンドの中では叫びも控えめで、光明が差すだけまだ優しい部類。
あとは梅雨明け前にフライング気味に放送開始して良かったなとも感じました。


作中ドビュッシーなどピアノ定番曲が流れるのも、青春劇の割れ物注意感に拍車をかける。
ピアノ演奏する豊川祥子役に配された声優界最強のピアノガチ勢・高尾 奏音さんの激情はいつ爆発するのか?
震えて待ちたいです。


【感想】
私はアプリ『ガルパ』は未プレイ。アニメも1期3話の「きらきら星」の演出が合わずに挫折した口。
今、振り返れば「Poppin'Party」は、私にはキラキラして眩しすぎたのかもしれません。

ただ『バンドリ!』への興味は持続していて、アンテナ張っていた時に目に留まったのが本作でした。

同じ世界観でPoppin'Partyを軸に横へ広がる展開が目立つ印象だったアニメ本編。
最近は下の世代への縦展開もさかんなのでしょうか?
本作なら予習必須の過去作との関連も少な目で、脱落者の私でも何とか復帰して付いていけそうです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

ゲリオ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

新規にこそ見て欲しい最高傑作

や…期待を遥かに上回る神アニメだった。97/100点。
自分は本コンテンツのファンだが、それを差し引いてもシリーズ最高傑作…いや、全アニメ作品含めて、ここ最近でトップに据えてもおかしくないような名作と言っても過言でないのではないか。
繊細な人間ドラマを描いたストーリーがともかく深く、キャラクターが悩み、苦しみ、迷い、それでも前へ歩み出す光景に胸を揺さぶられずにはいられない。
そして3Dアニメーションを長きに渡って業界の最先端で作り続けたサンジゲンさんの生み出す高い映像技術は、息をのむ圧巻の出来栄え。
総てにおいて文句なしの仕上がりだった。


本来ならもっと話題になってしかるべき作品だと思われるも、やはり「バンドリ」の看板が重い足枷となる。
バンドリシリーズと言えば、私のような固定ファンはいるものの、アニメファン全体としての視聴者数は実は少ない。
理由は2017年のTVシリーズ1期が主に作画面で悪い意味で話題となり、それを受けて2期以降はサンジゲン制作の3Dアニメに改修されたものの、本コンテンツのソシャゲである『ガールズバンドパーティ』をプレイ前提で視聴が推奨される内容だったこともあり、ゲームファン以外の視聴者を獲得出来なかったからだ。
また、3度のTVシリーズと映画やOVAも含めれば、実に10作前後制作されていることから、もはや新規が入り込める余地がないように感じられるのも無理もない。


ただし、今作に関してはそんな新規の人にこそ勧めたい!
なぜならシリーズ新章とも言える此度の『It's MyGO!!!!!』には旧作の絡みはほとんど存在しないからだ。
学校やライブハウスなどの舞台設定は旧作を引き継ぐものの、ストーリーはあくまで新キャラたちだけのもので、過去のアニメやゲームの内容を知らなければいけない要素は全くない。
だからこそ「バンドリ」の看板は足枷となり、言い方を悪くすれば邪魔でさえあった。
これはオンエア前から不安要素であり、シリーズファンの自分としては「バンドリ」が盛り上がってほしいけど「バンドリ」である限り盛り上がることができない…もどかしいジレンマに他ならなかった。
全話終了後の結果としては、アニメ系YouTuberさんやアニメライターさんらインフルエンサーが今作『It's MyGO!!!!!』を好評する発信をしてくれたお陰で、それなりに話題に挙がることが多かったのは嬉しかった。
ただ、作品のレベル的には、もっともっと盛り上がってしかるべき大作だったので、今でもアニメタイトルに「バンドリ」をかざしたのは悪手だったとは思っている。


前置きが長くなったが中身のレビューも書かなくてはならない。
今回は長文レビューになりそうなので敢えて項目事に感想を述べたい。


・ストーリー(20点満点中20点)
今までのバンドリシリーズの物語は「キラキラドキドキ」というワードが作品を彩っていたのに対し、ずばり今作は「ドロドロギスギス」である。
メンバー同士の「結束」なにそれ美味しいの?と言わんばかりに、ともかくメンバーがバラバラなのだ。今回の作品は。
ネタバレを避けるため詳細は語らないが、ともかく序盤から堕とす堕とす…上げるかと思いきや、さらにドン底に叩き堕とす!
あまりにも辛く苦しいストーリー、きらら作品が好きみたいなアニメファンはもしかしたら合わないかもしれないけど、自分としては大歓迎である。
過去の神アニメ判定した作品を振り返っても、自分は少女たちが挫折し、悩み苦しみ、そこから這い上がるサクセスストーリーが大好物なのである。

とはいえ、本ストーリーはあまりにも這い上がれる気配すら見えず、特に第9話のラストシーンは辛すぎて頭痛を催すレベル。もちろん「もう見たくない!」ではなく「どうすればいいんだ!助けてくれ!」という頭痛。
美少女アニメでこんなにも心を揺さぶられる作品、未だかつてあったろうか?あるわけがない。生死を扱うアニメじゃないぞ?ただの女子高生バンドアニメだぞ?
もはやどうやっても好転させることは不可能だ…そんな状況の中、それでも諦めなかった主人公の高松燈が第10話で奇跡の逆転劇を見せつける。
ドン底に堕ちたキャラクターたちが、青春のキラメキを一気に爆発させるカタルシスは圧巻の一言。第10話は本作を神アニメたらしめた究極の回だったと言える。
11話はこれまでの殺伐さを一変させるほのぼの回。
12話は「It's my go!!!!!」をサブタイトルとした実質の最終回だった。
そして13話は賛否両論の…(後述)
振り返れば色んな意味で恐ろしいほどに重厚な脚本だった。
毎週毎週、次が気になって仕方がない、久々にそんなアニメを見た気がする。


・キャラクター(20点満点中20点)
いや、キャラも非常に良かったです。
何しろ主人公バンド5人は全員が全員、心に何らかの欠陥を持つ女の子。
単に性格が悪いとかではなく、これまでの人生や、生まれ持った性質も起因してる子もいて、円滑なコミュニケーションを築くことが出来ない。
もちろん『ぼっち・ざ・ろっく』のように、コミュ障の一人を支えるような優しい世界は構築されていない。

例えば、千早愛音は一見するとみんなを引っ張れるようなポジティブな性格に見えるが、その実、自分が目立つことしか考えてない承認欲求の塊で、かつ実力以上に自分のことを過信している割とクズな子。
最初は「なんやこいつ…」と思う程に欠点だらけのキャラなのに、そんなウザ具合が逆にだんだんと愛着を持てるようになっていく不思議。
最初から優等生じゃつまらない、ダメダメな子が成長していく過程が面白いのである。

そんな愛音をさらに超えるようなカス・オブ・ザ・カス、それが長崎そよである。
最初はバンドを支えるママポジションに見えるが、実は真逆のとんでもない腹黒女だったことが発覚。
「なんで春日影やったの!!!」の台詞は個人的名言オブザイヤー。
本性を現した第8話以降は、階段を転げ落ちるかのように堕落し、メンヘラ、ストーカー、裏切りと考えられる全て悪行を行うまでに至る。
申し訳ないが、あまりの没落ぶりはストーリーを盛り上げる意味では最高の役割を果たしてくれた。ネタにもなったし最終的に一番好きなキャラになったのは自分だけではないだろう。
10話における愛音との対話は震えた。最初から切り捨てるためにバンドに入れたはずの愛音が、そよにとって生まれて初めて本音をぶつけ合えるような相手になるとはね…
あんなにダメダメでクズでカスだったキャラたちのことを、わずか数話でどうしようもなく愛おしいキャラに感じさせてくれるように仕立てた脚本は本当に素晴らしい。

あとは主人公の燈。生まれつき人とは感性が違って、他人とうまくコミュニケーションが取れないけど、誰よりも友達との絆を大切にする女の子。
グチャグチャのバラバラなメンバーをひとつに纏める奇跡を生んだ彼女の勇気は、どんな主人公より主人公してたと思う!
他のメンバー2人もめちゃくちゃ語りたいけど、あまりに長くなるので割愛。
また、もう一人の裏主人公、豊川祥子については後で触れる。


・作画(20点満点中20点)
ずっと言ってるけど、サンジゲンのCGは作画を超えてる。
2018年から制作が始まったバンドリ(&D4DJ)のミュージックビデオは全部見てるけど、最初から圧倒的だったのに更に進化が止まらない。
楽器を弾く細かな動きから髪の毛の揺れまで、細部に渡る拘りが毎度素晴らしすぎる。
今作の10話ライブシーンのダイナミックなカメラワークも凄まじかった。
感情の全てをさらけ出し、思いをメンバーにぶつけ合う描写…
あの映像だけでMyGOがどんなバンドなのかを100%再現出来ていた。

もちろんライブシーン以外も褒め始めたらキリがない。
特にキャラクターの表情に関しては、旧作に比べて一段と進化を見せる。
例えに挙げるキャラは、やはり長崎そよなのだが、序盤の母性と若干の嘘っぽさが見え隠れする顔、中盤の「なん春」事件におけるブチ切れ顔、目の光を失った闇堕ち顔、終盤の付き物が取れた顔、時には「わたしの衣装切れてるー!」とギャグ顔かましたり、まさに長崎表情七変化!
そよに限らず、各々のキャラが多彩な表情を見せてくれる本作を見れば「CGには温かみがない」という従来の定説は根本から覆ることだろう。
また、第3話における過去回は終始、燈の一人称視点でストーリーが進む。
まばたきの演出から、ラストシーンで涙で視界がぼやける演出まで…
3Dアニメならではの新しい試みに挑戦していて、見直して改めて素晴らしいと感じた。

そんな文句の付けどころがない仕事をしているのにもかかわらず、バンドリ2期~D4DJまでアニメが思うようにヒットしなかった件で、おそらくブシロード側でもCG路線を切り替える企画案も出ただろうに、サンジゲンさんの長年の功績を裏切らなかったことは称賛に値する。色々アニメが失敗してしまったのは、むしろブシロード木谷会長(社長)のせいだと思ってるので俺は。
サンジゲンさんはいつも最高の仕事をしてくれている。
まじな話で食わず嫌いでCGを敬遠してる人は、頭真っ白にして見てほしい。
作画に負けてる部分なんてひとつもないから!


・声優(20点満点中19点)
これも何度も言ってるけどね、バンドリ声優ってリアルライブで楽器弾くんすよ!
この点でもう既に同じ立ち位置では語れないわけ。
「歌って踊れる?キサマらの居る場所は既に我々が2000年前に通過した場所だッッッ!!」(by木谷海王)

そして本作においては、まず第一に主人公の燈役の羊宮さんである。
前クールの『僕の心のヤバいやつ』で一躍注目声優になった若手有望株。
大手事務所に所属し、次世代を代表する実力があるのに、拘束時間が長いであろうバンドリによく引っ張ってこれたな…って、自分からオーディションに参加してくれたの?…すごく有難いが、キャリアをバンドリに費やして良いのだろうか。
ポスト花澤にもポスト茅野にもなれるし、しかも独自な演技も出来る伸びしろしかない役者さんなので。
実は自分、MyGOの存在は前から知ってて、何ならキャスト名が公開されてない段階でオープニングアクトで登場したリアルライブも遠目で見たことあったけど、その時は「素人のお試しガールズバンド企画」みたいな感じだと思ってて、ボーカルの正体がこんな声優界の未来を担うような方だったなんて予想だにしなかった。

一方、愛音や楽奈は外部からではない自社ブシロ声優。
愛音役の立石凛さんは演技力という意味ではまだまだ新人の段階(それでも楽器が出来る点で文句は全くない)も、なんだか聞けば聞くほど味わい深い声となる。
他キャラのcvだったら少しアカンかもだけど、愛音というキャラにはピッタリな声質で、かつ中毒性があり、アニメ放送後のMX天気予報の「あっつぅ~いねぇ」が毎週の楽しみだった人も少なからずいたのではないか?
今までのバンドリ声優がそうだったように、ソシャゲの『ガルパ』の収録でどんどん演技力が向上することが予測されるが、上手くなって癖が無くなったら逆に困るね…w


・音楽(20点満点中20点)
爽やかな疾走感のあるオープニング曲の『壱雫空(ひとしずく)』がまず好き。
そこからMyGO!!!!!の既存の曲も聴いて全部好きになった。
第10話の挿入歌の『詩超絆(うたことば)』はストーリーの流れで朗読から入ったのだと思ってたら、原曲も同じく朗読でびっくりする。
ポエトリーリーディングというひとつの手法のようで、これがバンドの色となれば面白いと思う(多用されすぎると困るが)。
新章におけるもうひとつの裏バンドAve Mujicaは、重低音が特徴の…何系っていうのか、ヘビメタ系?ビジュアル系?MyGOと全然音楽性が違うのが面白い。
詩に思いを詰め込んで全てをさらけ出すMyGOの音楽と、劇をモチーフに作りこまれた世界観のAve Mujicaの音楽、対照的な2バンドが新たなバンドリを彩っていく今後が非常に興味深い。

今までのバンドリユニットと全て棲み分けが出来てるのがまた良い。
これまでPoppin'Party~Morfonicaまで、Elements Gardenが主に作曲してきたが、新章からはSUPA LOVEという別プロダクションが担当している。ただ、エンディングの『栞』や最終回の挿入歌は、エレガが作曲してるので全部が全部というわけではない模様。
なんにせよ、相変わらずバンドリ曲は全部好みなので、またリアルライブにも行きたくなってきたね。もちろんアルバムも予約完了。


・その他加減点(-2点)
これはマイナスにすべきが今は迷うが、リアタイ時にガッカリしたことで、最終回がAve Mujicaにジャックされたことが少しケチが付いたかもしれない。
Ave Mujica編がアニメで決定したのは大変喜ばしいものの、今作はMyGOの物語のはずで最後は彼女たちで締めてほしかったが何故ないがしろにしたのか、って気持ちは正直ある。せめて12話を形式的に最終回表記とし、13話をエクストラエピソード表記にすれば、不満は無かったかも。
ただ、よく考えたらAve Mujica編も今作に続く「新章第2パート」というわけで、いわばMyGOの物語もまだ終わったわけではないと考えれば、あの締め方はベストだったとも言える。
脚本家様を中心に優秀な制作陣が考えぬいた末の構成だったのだろう。

今作のストーリーを大いにかき乱し、Ave Mujica編の主人公となる豊川祥子。
最終回で祥子の行動理由の一片が明らかになったものの、それでもやや腑に落ちない面もあった。
今作第3話で燈視点の過去回があったように、次回作では祥子視点の過去回が描かれ、彼女の心情の変化の答え合わせが描写される機会があるかもしれない。
また、闇に堕ちた彼女を第2パートで救い出すのが、成長した燈らMyGOの面々となったらとても面白い。
次作の出来次第でマイナスポイントが解消され、満点を狙えるような名作が完成してくれることを期待する。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

みのるし さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

好きにしはったらよろしいですわ。

バンドリもまあいろいろなハナシがありましたけど、今期のバンドリはひと味違う感じですな。

今回は全体的になんか暗い(笑)

今まではポピパの成長物語とかRASとロゼリアの振り返り物語とかそおゆうまあ比較的ノーテンキなハナシで、それはそれで面白かったんですが、今回みたく新しいバンドの結成からハナシするって場合、また同じようなハナシじゃあねぇ。アレやないすか。

んで、今回はこんな感じでってことなんでしょうけど、実はこのハナシ、ボクはハマっております。


なんだか今期見たいアニメ全然なくてですね。
コレと家事をやるでかい猫のハナシくらいしか見てないんすよねー。


実はボクも一応バンドとか長い間趣味でやってましてですね。
40歳半ばくらいまでやとったんですが、ある日突然いろいろめんどくさくなってやめちゃったんですが(笑)、基本バンドなんてものはまともな人間が簡単にハマるものではありません。

とゆー結論に至ったボクからすると今回のバンドリは実に面白い。


特にメンバーが素晴らしい。

タイコはいつもイライラしててオレのゆうことがきけねえのかとゆーオラオラ人間で、サイドギターはヘッタくそで全然練習しないし(笑)、ベースは八方美人の性格ゲロ悪オンナ。リードギターはどうにもならんし(笑)、ボーカルのコだけが陰キャなところを除けばまとも。そんなん。


だからまあリハも常に険悪な感じで、とにかくなんでお前らバンドやってんだってゆうくらい仲が悪い。

んで、仲が悪いのかってゆうと実はそうではなくて抱き合えばお互い棘で傷つけあっちゃうみたいなそおゆう関係なのかな。

なんしかメンバーそれぞれはお互いあまりレスペクトしてないのだけれど、ボーカルの子が書く歌はレスペクトしてるようなんで、ライヴでバチっとはまったら実はすげー!みたいなすぐ解散する伝説のバンド的な。

なんかそおゆう感じのバンド様相を呈しております。


最初からずっと見てて、これスモーキーメディスンみたいなバンドじゃね??とか思ってしまってひとりニヤニヤしとります。


とにかくですな。バンドみたいなもんはそうそううまいことイケへんのですよ。

せやからうまいことイケへんバンドの話はものすごシンパシーを感じてしまい、うんこれ面白い!となってしまうボクを誰が責められよう。


さて、今後の展開ですけど、とりあえずどうなってほしいとかはありませんで、解散するもよし、メンバーそれぞれ別のバンドに拾ってもらうもよし、楽器自体をやめちゃうのもよし、好きにしはったらよろしいですわ。

どんな結末になってもそれはそれでええ思いますんでとりあえず最後まで見てこましたろかなとは思てます。


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とゆうことで『ダミだこりゃ~このバンド~』と9話見終わって思ったのですが、10話。

これは神回でした。

いやまあもう『ふーん』『へー』の連発でして、まさかそんな風にしてバンドメンバーの演奏が再開されるにいたるとは思いもよらない展開でした。

先にも書きましたがメンバー同士は人間的にはお互いレスペクトしてないのですがこのメンバーを繋ぎ止めていたのはトモリちゃんの詩だったのですなー。

なので、トモリちゃんがメンバーを繋ぎ止めるために歌い続けたのかどうかはわからんのですが(おそらく違うと思う)、とにかく魂の叫びをステージの上から発してそして届けと(これがまた誰に向かってだとか実はよくわからない)。

早いハナシこおゆうことではないかと思いました。


それにしてもラストのライブシーンは実に圧巻で、ものすごいカタルシスのあるステージでした。

これはもうバンドリのライブ史上最高といってもいいほどのステージでした。
(あんなライブされたらそのあと演奏できないよ~。あの後にブッキングされてたバンド可哀想だな~とか思ったりしました。)

なんつったってノンリハぶっつけ本番のライブででサビのメロは出てくるわ、キメは合っちゃうわ、なんだこいつらすげえな!と。

そんあわけあるかいっと思いつつ、いや待てよメンバーによってはセッションで稀にそおゆう時あるかもなとか。

思ったりしてですよ。


いやいやなかなかでした。


まあとにかくそんなわけでステージはものすごいよかったんですが、やっぱりこのバンドはダメだと思うのですよ。

だって、そんじゃあちゃんと活動するかって話になって、ちゃんとリハやって、ライブの計画立ててってこいつらやるか~?って考えたら絶対やらへんて。ってかできへんて(笑)。

でもまあ、クライシックのコピバンじゃあダメだってことと、曲作りは誰かがDTMとかでつくったプリプロを譜面に起こして演奏したりするのはもはやバンドではないとゆうことは気が付いたっぽい。


さぁ~。これあと2~3話で終わっちゃうのか~。
いったいどおなるのやら~~~。

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とゆうことで最終回見てしまいましたわ!

とにかくMyGO!!!!とゆうバンドが出来上がって活動してゆくってことになりましたな。

相変わらずメンバー同士仲悪く、てゆうか歯に衣を着せぬお付き合いができる仲間ってんですかね。

お互い気を使いながら仲良しクラブをするってんならバンドなんかもともとせんほうがええのや!的な人間関係なのかなんかよくわかりませんが、なんかそおゆうよくわからないメンバー関係で成り立っておりますよこのバンドは。

またプレイヤーとしてのレスペクトもメンバー同士あんまりないみたいでそおゆうのんでうまいこといくのかどうか甚だ疑問ではありますが、とにかくトモリちゃんの書く歌がこのバンドの扇のかなめとなっておりましてですな、まあなんとゆうか意識的にはみなさんプロなのであります。


しかしなんか長続きしそうにないなぁこのバンド(笑)。


そおいえばこのMyGO!!!!とゆうバンド。
リアルでもこの声優さんたちが演奏してライブやってんですねー。

ツアーもやってんのかな?
よくわからんけどライブ映像も何種類かYouTubeに上がってますがな!

それがまあまあちゃんと演奏してるんですよ!ビックらこいたー!!

声優さんが練習してバンド的なこともやってまっせみたいなんではなくて、もともとある程度演奏できる人らを選んでキャスティングしてるんすかね。

なんかそんな感じですぜダンナ。

でもボーカルの羊宮妃那ちゃんて僕ヤバの山田ですよね。
これからお芝居の仕事がいそがしくなりそうなのに大丈夫なのか~~~。


心配だ!


・・・ま、ボクがそんなこと心配してもしょうがおまへんですわな。


とゆうことでいったんMyGO!!!!の話はこれにて終わりとゆうことですな。
いやあめちゃくちゃ面白かったですわ!


ほて、この次はバカテク・ヴィジュアル系の仮面バンド、オンナ版MALICE MIZERみたいなバンドの話がメインとなるんですかね。

よくわからんすけど、最近またああゆうバカテク・ヴィジュアル系のバンドも人気なんすかね。

ああゆう速弾き系のギタープレイとかきょうび流行らんような気もしますけどどうなんですか。そんなことないんですか??


ままとりあえず引き続きさらなるダークな展開が待ち受けてそうでいずれにしても楽しみです!!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
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