ファンタジーで絵本なアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のファンタジーで絵本な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月14日の時点で一番のファンタジーで絵本なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

71.4 1 ファンタジーで絵本なアニメランキング1位
映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(アニメ映画)

2019年11月8日
★★★★☆ 3.7 (61)
234人が棚に入れました
ある日の午後、お気に入りの喫茶店「喫茶すみっコ」へとやってきたすみっコたち。おなかをすかせて注文した料理を待っていると、突然、地下室から物音が。 「地下室のすみっこに誰かいる・・・?」 みんなで中に入って行くと、そこには一冊のとびだす絵本。ひどくボロボロで、ページの大事なところがなくなっている。桃太郎のお話のページには背景があるだけで、おじいさんもおばあさんもいない。すると突然、大きな影が現れて、えびふらいのしっぽが絵本にすいこまれてしまう! すみっコたちがおっこちた物語の世界にいたのは・・・新しいすみっコ?

声優・キャラクター
ナレーション:井ノ原快彦
ナレーション:本上まなみ

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゆるキャラが織り成す涙腺がうずく幼児向け物語

このアニメは幼児向けです。
ですが、学生が見ても大人が見ても大いに感動します。
私も思わずポロリと涙がこぼれ落ちました。

物語はすみっこをこよなく愛するゆるキャラたちが絵本の中に吸い込まれてしまい、そこから抜け出る内容です。

ゆるキャラたちは声を出しません。
声を出すのはナレーションの人だけですし、ときどき説明する程度です。
物語の大部分はゆるキャラたちのかわいらしい動作が中心です。
その動作に癒されます。
この動作がつまらないと思われる人は途中で寝られると思います。中盤まではいたって単調です。

しかし、ラスト七分、今までとはうって変わって、シリアスな展開となります。
あるキャラクターのとても可哀想な現実を見せつけられます。
アニメだから魔法とか奇跡とかで幸せにできるはずなのに、この映画ではそれをしません。
幼児向けアニメでここまで可哀想なことをする必要ないだろうと、私はつい思ってしまいました。
近くの席にいた幼稚園の男の子が、思わず「かわいそう」とつぶやいていました。そして後ろの席からは、すすり泣く観客の声が聞こえました。

でも安心してください。魔法も奇跡も起こりませんでしたが、最後はハッピーエンドで終わることができました。しかも、ハッピーエンドにする方法が、実に現実的で暖かみがあり感動します。
魔法や奇跡を起こさなくとも幸せにする方法があることを、私は教えられました。

例えば、地震や台風で家を失った人にとって、つらい現実は変えようがありません。でも私たちは義援金やボランティアをすることで、少しは被災者の方を癒すことができると思います。
決して無理をせず、自分たちができる方法で困っている人を助ける。
日本中の人がそのように行動してくれたら、未来は明るくなると思います。
この映画を見終わって、そう感じました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 32
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

だいじなこと

よこみぞゆり原作。
Amazon Primeにて視聴完了。

いつもの喫茶店、いつもの隅っこ。
すみっコたちはお気に入りのお店で、
古くなった1冊の不思議な絵本を見つける。
絵本の中で知り合ったひよこのために、
おとぎ話の世界を巡る旅が始まる。

心を豊かにする素敵で優しい物語だ。
ももたろう、あかずきん、にんぎょひめ、
子供の頃、良く聞いた童話の世界で、
{netabare}ひとりぼっちのひよこは迷子になっている。
どの世界にも居場所がなく涙がこぼれる。{/netabare}

色鉛筆で書いた絵本のような素朴な絵が、
子供だけではなく大人の心にも響いてくる。
のこりもの、にせもの、自分をもてないもの。
すみっコたちにも理由があるのだろう。
そしてきっと僕たちもどこかで、
心から安らぎ落ち着ける場所を探している。

素直な気持ちで楽しめました。
新しいものなんて落ちてないけど、
だいじなものがたくさんここにあります。

実り豊かな時間が持てます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

自分らしさの檻の中でもがいてるなら♪……おいでよ すみっコへ

「すみっコぐらし」というキャラクターコンテンツについては、
私は名前を知っている程度。

ただ、サンエックスが生み出す不可思議生物?については、
昔ちょっとハマっていた「たれぱんだ」等、
何だか大人の心にも引っ掛かる物を感じていて……。

本劇場版でサンエックスの最新成果&集大成の一端を確認したい。
という気持ちはありましたが、映画館までわざわざ足を運ぶ程では……
と部屋の片隅で躊躇していたわけですがw

本作の反響ホント凄いですね(驚)
せいぜい傍流で細々と語られる程度の映画かと高をくくっていたら、
いつの間にか、この秋冬のアニメ映画では、
『アナ雪2』に次ぐ位の勢いで、エンタメニュースのド真ん中で持て囃されている。

押し出されるように私もいつの間にか、お子様連れのママさんに混じって、
映画館のド真ん中に座っていましたよw


滑り出しの感触は簡素なキャラクターアニメ。
隅っこで落ち着いている、各種“すみっコ”にも声はなく、
セリフは、無言のキャラたち仕草等を補完する
井ノ原快彦さん&本上まなみさんのナレーションのみで、淡々と場面が進んで行きます。

序盤は部屋の隅に落ち着くまでの来歴等
“すみっコ”の生態紹介にゆる~く費やされ、
これは初心者にも優しい間口の広いお子様向け映画かな?

……と油断してたら、“すみっコ”たちが、
おとぎの国々の各登場人物に落とし込まれる“本番”以降、俄に高度化。

この“すみっコ”……そのキャラで、あんな役とか務まらないだろうw
というツッコミ待ち等、ハイレベルなキャラ芸も次々と繰り出されるので、
最初の方でしっかりとキャラを把握しておくことをオススメします。

いつの間にか、作画も音響も簡素な中に力強さがあることも分かり、
これは単純にアニメ映画としても侮れない出来と、
“すみっコ”ワールドに没入させられて行きます。


「号泣した!」、“すみっコ”好きの男性のための限定上映会開催!
との評やニュースも耳にしていた本作。

皆、各々、社会の役割を演じる中で、俺はちゃんとこなせていない、
こんな端役は俺の役割じゃない、自分らしさを見失ったなどと、
精神を磨り減らしている。

いや……もはや、自分らしくなければ幸せじゃない!
と自分を探すよう脅迫する言説にすらゲンナリしてしまっている。

本当の自分だろうが、偽物だろうが、
今、自分がここで落ち着けるなら、それで良いじゃない?

こんな感じで、“すみっコ”たちに世の大人たちの涙腺は
突き崩されて行くのでしょうか?


私は号泣!までは行かず、涙が氾濫しそうになる程度でしたが、
本作がブームになるなんて……世の中まだまだ荒んでるんだなぁ~と、
むしろ、そちらの方にも泣けてきますw

但し、終盤の{netabare}鬼の助太刀{/netabare}には、
ベタですが、私の涙腺も一部決壊しましたね……。あれはズルいw


自分の役割に囚われず手を差し伸べられる人間に私はなりたい。


心に養分を補給され、再び社会の隅っこに戻っていく私なのでした……。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

68.9 2 ファンタジーで絵本なアニメランキング2位
スノーマン(アニメ映画)

1987年7月25日
★★★★☆ 3.8 (19)
96人が棚に入れました
イギリスの絵本作家レイモンド・ブリッグスの原作を映像化したファンタジー・アニメーション。雪の降ったある日のこと。少年が1日がかりで作ったスノーマン(雪だるま)が真夜中に突然動きだし、少年と遊び始める。胴長短足のゆかいなスノーマンと少年の行動が幼い頃の思い出を思い起こしてくれたり、中盤に流れる主題歌の物悲しい歌声やラスト・シーンなど、子供よりは大人向けに作られたような作品で、クリスマス・イブに恋人同士で見るにはうってつけの1本。同原作者の「風が吹くとき」の主題歌を担当したデヴィッド・ボウイが本作を大変気に入り、案内役として登場するバージョンもある。
ネタバレ

ねここ時計 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ひと晩の奇跡

幼い頃絵本で読みました。その後、視聴しました。
大人になってしまってからみるよりも、
まっさらな子どもの心でみたほうが絶対に良いです。
私は、雪だるま…スノーマンは本当にいるのだと信じていました。

少年の作ったスノーマン。
部屋の窓ガラス越しのから眺めたときのスノーマンの後姿、
哀愁があってなんとも言えず好きでした。
大人になった今でも、あの後姿は焼きついています。

空を一緒に飛ぶ場面、印象的です。
一面 雪、雪、雪、まるで世界の行き止まりのその向こうまで雪なのです。

終わりがくることなんてないような、雪のようにひそやかな、、
たったひと晩のふたりきりの冒険。
{netabare}
最後スノーマンは溶けてしまう。。{/netabare}
切ない。けれど少年にとっては大切なひと晩でしたね。

少女の頃、私のためだけのとびきりな物語なんだ そう思い込んでました。

挿入歌
Walking in the Air
雪だるまと少年が空を飛ぶ場面で流れます。幻想的…!
この場面だけでも是非みてほしいです。
素敵です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

ビアンキ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

最高の…

数年前にNHKで視聴。

同名タイトルの絵本のアニメ化作品
1982年製作。
日本では1986年にOVAとして発売された。


本作の魅力を書いてみる。


まず
アニメーション。
原作の絵本をそのままアニメ化したようなアニメーションは、チラチラして少々見づらいものの、
作画クオリティ、色使い、光の表現、
全てが丁寧で繊細で優しい。
作品にあった最高のアニメーションだった。

作品中ほぼずっと出てくる雪や、
ほんの少しだけ出るオーロラ等の描き方は特に目を引いた。

何よりも、これが1982年制作というところが一番の衝撃である。
この凄さは是非ご覧になって確かめていただきたい。



本作にはセリフがない。
その代わりに、常に音楽が流れている。
音楽は作品全体を色付けするとともに、作品中の効果音の役割も同時に果たしている。
どの曲も「音楽」としても「効果音」としても素晴らしかった。
セリフがないというのも、またいいものだとも思った。

そして忘れてはいけない
スノーマンと少年が空を飛ぶシーンで流れる
「ウォーキング・イン・ジ・エアー」

完璧だ 。もう完璧にマッチしている。
最高の演出だった。



シナリオ
単純なシナリオだが、上記のアニメーションや音楽も相まって、
凄まじい感動をもつものになっている。

夢のように見えて、夢ではない。
主人公の少年にとって、そしておそらく視聴者にとっても、最高の思い出。

夜に出会い、夜が明けて朝になり別れを描く。

この単純だが素晴らしいシナリオは、
たった26分で完全に完結する。

この続編など作らず、引き伸ばさない、
26分間に全力投球した当時のクリエーターの情熱。

作品と同じぐらい、この情熱も評価されるべきものだと思う。

(ちなみに最近30周年記念として続編が作られたようだけど、そちらも良かった。
まぁ30年も経てば新作のひとつも… ね?)


誇張抜きで、全ての人に一度は見てほしい名作です。
是非ご覧ください。
できれば冬にね。

下手くそな文章、お読み頂きありがとうございます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11

Dkn さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

雪のともだちとの、大事な思い出。

1978年に出版された絵本を、全て手書きで描いた、
まるで絵本がうごき出すような感覚を味わえるアニメ。


雪が降り積もる一面白銀の冬のある日、
少年は大きな雪だるまを作る。

12時を回ったその時、雪だるまに命が宿った。

少年は雪だるまのスノーマンを家に招き入れ

いっしょに遊ぶことにしたようです。


この作品では鉛筆を使った柔らかいタッチと配色を
丁寧に動かすことで季節に反した温かみを表現しています。

スノーマンが可愛くてお茶目。頼りになるお兄さん的な
要素もあって、まるで兄弟のような2人が素敵です。

子供向けで夢のあふれた世界観ではあるのですが、
手描きかつ彩色もこだわっている手法でここまでやるかと
思うくらいアニメーションとしての出来が素晴らしく、
このサイトでは声優なる評価が入るために音声が無い
このアニメなどが割を食うのですが、アニメーションとして
ほぼ最高評価でも良いくらいです。

30分程度の尺ですし、お子さんが居る方はこの季節に
ピッタリのアニメーションだと思いますので是非どうぞ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 11

63.9 3 ファンタジーで絵本なアニメランキング3位
虹色ほたる~永遠の夏休み~(アニメ映画)

2012年5月19日
★★★★☆ 3.7 (127)
587人が棚に入れました
ネット小説として人気を博した原作を、大人気アニメ『ワンピース』のシリーズディレクターを勤めた宇田鋼之介を監督に迎え映画化。現代から1970年代にタイムスリップしてしまった少年のひと夏を、日本を代表するアニメーターたちが表情豊かに描く。自然の美しさや、子どもたちの活き活きとした姿を“アニメならでは“の表現で描いている。

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

ボーイ・ミーツ・ミステリアス・ガール

これはホントもっと評価されるべきっ!!!
今年一番面白かった映画の最有力候補です!!!


原作は『ネットから生まれたベストセラー』の代表格、川口雅幸が04~05年頃に自身のホームページに掲載したものから


亡くなった父親との思い出の地へ昆虫採集にやって来た小学六年生の男の子『ユウタ』は山奥のダム湖で不思議な老人に出会う


山からの帰り道で大雨と土砂崩れに巻き込まれてしまい、気を失ったユウタに老人は救いの手を差し伸べるのだが、気が付いた時にユウタはなんと1977年にタイムスリップしてしまっていた
そしてこれからダムの湖底に沈むはずの地に、小さな村と人々の営みが広がっているのを目撃する


なぜか全く見覚えのない祖母と名乗る老婆はユウタの素性を知っており、心温かな村人や村の子供達にすんなりと受け入れられる
謎の老人はユウタを元いた時代へ帰すことを約束してくれるが、それは1ヶ月も先になることを告げて姿を隠してしまう


そんな中、村で一番最初に出会い「ユウタくんは私の従兄弟」だと言い張る謎の少女『さえ子』にも秘密が隠されていることをユウタは知ることとなる・・・


さえ子に隠された秘密が、今作を大きく引っ張ってくれる魅力になっています
最後まで目が離せないっす!










まず今作は色々と不幸な偶然が重なってしまったことで業界内外での話題が振るわなかったことが非常に残念でした


『虹色ほたる』と『タイムスリップ』というキーワードが、まんま【今年の映画ドラえもん】の『ゴールデンヘラクレス』と『タイムスリップ』というキーワードと丸被りだったのです
オイラもてっきりドラえもん的なSF映画なのか?と激しくカンチガイw


さらに1ヶ月ほど先立って公開された映画【ももへの手紙】が今作と同じ『主人公が母子家庭』で『日本の田舎風景が舞台』というのですからトコトンツイてないw
こうなってしまうと“圧倒的に後発の方が不利”なのは古今東西相変わらずですよね;


ただ今作で描かれている村の風景は『地方の○○が舞台』という特定のものではなく、日本の原風景とも言うべきドコの田舎にでもありふれていそうな親近感あるものとなっています
ダムの底に沈んでしまう村という儚いお話も、ダム大国日本ならではのポピュラーなネタで、老若男女問わず入り込み易い作りになってると思います


それとCGなどは使わず、暖か味ある手描きの背景画で日本の自然を表現することへの拘り、これ自体は割りとドコの作品でも見られるんですが、今作の最もたる特徴の<作画>
この作画が世界観を引きたてる画面作りに大いに発揮されておるんです!


例えば、ふと空を見上げたときの『太陽から照り付ける夏の強い日差し』といったエフェクトの類は、普通ですと撮影処理で作り出すもので作画することは無いんです
ところがこの作品の場合、なんとその日差しのエフェクトを手描きの作画でやってしまっているのですw
もうこれは正気の沙汰とは思えないwwwwwwwwwwww
他にも川の水しぶき、舞う様に飛び交う蛍の淡い光とゆるやかな動き
なぜこうもアニメ向きじゃないことばっかり手描きでやってしまうのかw
これらデジタル技術に片寄らぬ手描きによるアニメートが、作品全体の雰囲気を作っているんですよ!
ちょっといくらなんでも凄すぎますw


作画、のお話が出たところでオイラが最も燃えたポイントをば・・・


この作品が公開される直前まで、オイラは例の【ももへの手紙】での素晴らしい作画に感銘を受けていたわけなのですが、今作は【ももへの手紙】とは全く違うアプローチの作画をしているんです


【ももへの手紙】はスタジオジブリ作品など大型アニメ映画作品の例に従い、作監によって整ったカタチに修正された、アニメ映画として最も純然たる美しさを目指したまさにメジャー向けな作品でした
多少ですが原画を担当したアニメタの個性が見え隠れしますが、それをキャラ表のデザインに近づけたり、特定のカットだけ突出してヌルヌル動いたりしないように
と、作品全体の画面作りに調和が図られているのがよくわかります


対して今作では腕は立つがアクの強い絵柄のアニメタを場面ごとに上手く配置して各々のアニメタの個性を打ち消すことなく自由に作画させているのがポイント!
アニメタによってはやたらとフルアニメーションでヌルヌル動かしたがって、それが涙に揺らぐユウタの心情を表現していたり
また大平晋也さんなんかは相変わらずキャラデザを無視しまくってラフなアウトラインのデッサン調でいわゆるリアル系に描いていたりもして、それが使われるのが現実と虚構の入り混じった極めて抽象的な場面であったりとか
作画に興味の無い人にしてみれば「キャラの顔がコロコロ変わってイミフ?」なことになること請け合い;


単純に綺麗なのはモチロン【ももへの手紙】タイプなのですが、【鉄腕バーディーDECODE】や【ハガレンミロ星】の作画に理解を示していただける方ならきっとこの作品の作画の凄さに気づいていただけると思います!
オイラ的には今作の方が断然好きで、どちらも作画評価は5.0点にしてるんですが気持ち的に今作には10点ぐらいあげたいですw
マジでw


で、もちろんどれほど作画が良かろうがお話がツマランかったら容赦なくぶった切りたいトコロだったのですが、、、お話もホント良いんですよ!


はじめにユウタが手に持っている携帯電話がロッドアンテナ付きで白黒液晶
それと1977年の村の少年の「ゴレンジャーの何が好き?」という問いに対してユウタの「タイムレンジャー・・・とかかな?」という会話
これらですぐユウタのいた時代が2000年前後に設定されている、とオイラにもわかったんですが、それにしてもなんで?
そこは2012年でいいだろw
超無意味じゃん!
そう思っていた時期が、、、オイラにもありましたw


その辺をしっかりラストで伏線回収
マジで最後の最後までハッピーエンドに転がるのか?切なさを残すような〆方に転がるのか?もう目が離せないんすよ!
とにかく手放しのエンディングってワケではないんで!作画だけでなくお話にも期待していただきたいっす!


時を経て、人は変わる、風景も変わる、子供も大人になる、でも変わんないものもある
それでも、こどもたちは今を生きる―――そして未来へ


【銀河へキックオフ】といい、オイラの中で最近の宇田鋼之介監督の株は急上昇ですw
ホントにいい映画をありがとうございましたm(__)m
今作、埋もらしておくにはモッタイナイ名作ですぞ!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 36

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

失われた村に置き忘れた夢という名の現実

2012年公開の劇場版アニメ 105分

原作 川口雅幸 監督 宇田鋼之介 脚本 国井桂 音楽 松任谷正隆 由美
制作 東映アニメーション

作者は個人サイトで1年にわたってこの作品を書き、
ネット上で人気を博し2007年に書籍化されたという労作のようです。
もう完全に芥川賞直木賞の時代は終わっていたんですね。

やはり、賞狙いでない場合は作法がなおざりになります。
60年も続いた作法など死んでしまえという感じですが(笑)、
人気だけを気にして物語がばらばらになっている作品も見受けられるようです。

この作品はなろう系のような逆の作法(読者の声最優先)とも違う、
作者が自由に書き連ねるタイプのものだと思いますが、未読のため不明です。
タイムリープというよりは、古~い映画「失われた地平線」を思い出すような、
ユートピア願望が感じられる設定でした。
70年代の過疎の町が楽園のように描かれますが、夢幻でしょう。
この作品内ではそうでもないようですが、原作力が弱く、うまく伝わらないもどかしさを感じました。

東映の技術力はベテランの風格ですが、絵だけで勝負できるものではなく、
原作脚本の弱さが災いして、劇場版としては相当地味な作品に見えました。
子供が見た幻想風景、そして大人になっても変わらないたった一つの想い、
とか地味ながら、じっくり心象風景を堪能してみたい大人な視聴者に訴えかける作品でしょう。

と、ここまで割と真面目に書いてきましたが、
実は私は風呂で見ている途中で寝てしまい、危うくおぼれかけたという、
風呂で寝ることなんて今まで一度もなかったのにwww

普通に、なるほどと最後まで見てはいたんですが、
そんなに面白くはなく、どちらかというと空虚な思いだけが残る作品でした。

ただ、感動を狙ったラストシーンは、失われた地平線を思い出して、
「まさか?」と思いつつ手に汗握って観ていて、別の意味で目を離せませんでした。
「失はれた地平線」1937年
「失われた地平線」1973年
前者のほうがおもしろいんですが戦前の白黒映画ですね。

ちょっとレビューをたどるとすぐに2012年にたどり着く忘れられた作品。
地味に心を込めた作品を見て自分の感性を試してみたい人にお勧めする、
自分探しのようなアニメ作品だと感じました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 23

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

このまま行けば個人的に2012年最優秀劇場アニメ。

2012年5月公開、東映アニメーション制作の本作は2004年から2005年にかけて
川口雅幸さんがWEBで連載していた小説を原作に持つ劇場用アニメです。
監督はワンピースの映画や「銀河へキックオフ!!」などの宇田鋼之介さん。

小学6年生の少年ユウタが亡き父親との想い出の場所である山奥のダムに
一人で昆虫採集に出掛け、奇妙な老人と出会うところから物語ははじまります。
豪雨に見舞われたユウタが約30年前(ダムが出来る前)の村にタイムスリップし、
そこで出会うさえ子やケンゾーなどの人々と交流をしていく感動系の物語です。


本作はどうしても同時期公開の「ももへの手紙」と比較されてしまう
宿命を背負ったように思えるアニメではありますが、フタを開けてみれば
物語が持つベクトルがかなり違う作品であるように感じました。

舞台となる場所から夏目友人帳第1期のとあるエピソードを思い出してしまったり、
昨今の泣けるアニメによくある母子(父子)家庭という予め大事な人を
喪失している設定に目が行ってしまいがちですが、本編が始まった瞬間に
そんな雑音がどうでもよく思えてしまうような魅力が本作にはありました。

その魅力は劇中を縦横無尽にかけまわるユウタ達の活発な動作や、
場面ごとに見事に印象が変わる豊富な表情といったキャラクターの表現と
作品全体に行き渡る作画で描かれた光や影などの独特な色彩表現、
松任谷正隆さんの手掛けられた素晴らしい音楽などの様々な要素が
一つのアニメの中で自然に調和していったことで生まれた「虹色ほたる」独自の
世界観によるものが大きいのではないかと私は思っています。


物語は眺めているだけでグイグイと視聴者を引き寄せていく吸引力があり、
それでも難しく考えて観る必要のない爽やかな人間ドラマといった印象を持ちました。
伏線の張り方とその回収についても丁寧にされていて説得力があります。

本編の挿入歌が流れるシーンや松任谷由美さんのED「愛と遠い日の未来へ」
についてもニューミュージックと呼ばれたジャンルの音楽が好きだった
私にとってはとても素晴らしいものに思えました。


私は視聴から1週間ほど経ちましたが興奮が醒める様子がなく、
このアニメに対してただただ素晴らしかったという印象しか湧いてきません。
色々褒め過ぎているきらいはありますが、あにこれ向きな良いアニメだと
思いますのでお近くで公開されているか、BD発売/レンタルになった際には
騙されたと思って是非観てほしいとオススメします。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20
ページの先頭へ