ファンタジーで大学生なアニメ映画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のファンタジーで大学生な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番のファンタジーで大学生なアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.6 1 ファンタジーで大学生なアニメランキング1位
きみと、波にのれたら(アニメ映画)

2019年6月21日
★★★★☆ 3.6 (102)
384人が棚に入れました
小さな港町へ越してきたひな子は、サーフィンが大好きで、波の上では怖いものなしだが自分の未来については自信を持てずにいた。ある火事騒動をきっかけに、消防士の港(みなと)と偶然出会い、恋に落ちる。お互いがなくてはならない存在となった二人だが、港は溺れた人を助けようとして、海で命を落としてしまう。大好きな海が見られなくなるほど憔悴するひな子。そんなある日、ひな子が二人の思い出の歌を口ずさむと、水の中に港が現れる。「ずっとひな子のこと助けるって約束したろ?」死んだはずの港と再び会えたことを喜ぶひな子だが…。奇跡がもたらした二人の恋の行方は?そして、港が再び姿を見せた本当の目的とは?

声優・キャラクター
片寄涼太、川栄李奈、松本穂香、伊藤健太郎
ネタバレ

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

恋愛とオムライスを食べたくなる良作

別の作品を見に劇場に足を運んだら
そっちが完売していて
仕方なく空いてたこちらを見ました。

結論から言うと見て良かったです!
かなり楽しめました~♪

タイトルからも予測がつくように海が舞台のアニメです。
消防士のヒーローと、もう一人のヒーローが出会い
触れ合って、愛し合って、
そして波に乗って旅立つラブストーリーです。

正直な話、序盤は「もうお前ら爆発しろ!」しか思いませんでしたw
まぁ花火は爆発しまくっててなんていうか
{netabare}こんな輩がいるなら花火なんて無くていい{/netabare}
と思った次第っす…なんていうかウェーイ系にしてもあれは酷い…

ただ、二人は{netabare}花火で出会い、花火で別れる{/netabare}ので
二人には必要だったのかも知れません。

絵柄は凄く優しくてストーリーに良く合ってます。すごく好きです。
波の表現も優しいタッチで、海に行きたくなります。
音楽はテーマ曲がしつこいぐらいに繰り返しですw
ただ二人で歌っている時はすごく幸せそうで、
時折、笑いながら歌う感じがとても自然で
ほんとうに素敵なカップルだなと思いました(早く爆発しろって思いましたw)
ミュージカル的な要素なのかな?港はあまり歌うまくない設定なのかも
声優も凄くよかったです。特にひなこ。
(あと妹も{netabare}引き籠り{/netabare}っぽい感じが良く出てて良かったです。)
歌が紡いでた。ずっと前から二人を紡いでた。すごく良い歌と歌声でした。

とにかくx100 オムライスが食べたくて仕方がなくなりました(え?)
コーヒーも飲みたくなったなぁ…久しぶりに旨いコーヒーでも飲みに行こうかなー

ただ、{netabare}フラグ乱立{/netabare}しすぎたんですよね…
物語は急展開を迎えます。いきなりのファンタジー要素追加ですw
(いきなりすてーきなファンタジー要素)
このファンタジー要素、結構好感もって見れました。
色々な苦悩と、逃避と、お互いの想いと…
だけど最後には立ち止まっているヒーローを波に乗せるためそっと背中を押す。
いきなりだったけど素敵なファンタジー要素です♪

確かに、恋しないなんて馬鹿のする事だなって思ったので
皆さん素敵な恋をしようじゃありませんか!



で、こっからはネタバレ全開なので、まだ見てない人はブラウザバック
{netabare}
まぁ序盤はほんとに爆発しろって思ってたんですけど、
港があんな事になって、「爆発しなくて良いから返して」って思いました。
それは港じゃなくて、ひなこを返してって思いました。
陽気でざっくばらんで天真爛漫で明るくてとても魅力的な女の子
それがあんなになっちゃうなんて…泣きそうでしたっす
だって{netabare}便器に向かって話しかけちゃう{/netabare}ようなのって
自分がはたから見てたら「大丈夫かこの子?」って思っちゃいますよ。

皆ひなこの事を心配していて、友達もバカップルとか言ってたのを謝ってた…
友達の異名が気になる所ですがそこは触れないでおいてあげましょうw

しかし、なんであんなにフラグ乱立するかなー
おいら鈍感な方だけど、あそこまで乱立されたら流石に分かるよ。
{netabare}「あ、これこっから急降下して鬱展開なるやつだ…」{/netabare}って

・自分の苗字になったらどうすんだよ
・ヒーローになった動機の説明
・じゃあ同棲でもする?
・おばあさんになってもずっと守るよ

うん。回避不能なぐらい立てまくったね。このフラグを折るのは難しいw
だけど、そっからファンタジー要素入れて
鬱な展開になりすぎないようにした構成は素晴らしかったです。

オムライスは終始うまそうだった。なんか無性に食いたくなった。皆逃げてー飯テロよー
最初の段ボールの所でずっとヒヤヒヤしてたけど、
結局おっぱいの下敷きになって「そうなると思った」って思いましたw
ライフセーバー合格で結局お祝いはオムライス
そして、妹の渾身の掌返しw セリフが逆になったのは本当に良い演出でした♪
でもまぁ、するのもバカだと思いますよーw 妹も立派なバカップルw

そして1年越しのメッセージ…さすがに泣きそうになったっす
狙ってるんだろうからってのと劇場だから必死に堪えました。
ひなこが歌おうとして、さらに追い打ちかけてくるんだもん。正直危なかったw
願わくばひなこに良い出会いと素敵な恋が待ってますように…
{/netabare}
次はきっといい波が来るはずです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

マーメイドヒーロー

世界中の恋に焦がれる女性とリア充カップルに、この夏、絶賛オススメのファンタジック・ラブストーリー。

《物語》

海岸沿いの町に越して来たサーフィンの大好きな女子大生「向水ひな子」。
冒頭、彼女を遠目に眺めながら
「あのコ、僕のヒーローなんだ」
と語るイケメン消防士「雛罌粟港(ひなげしみなと)」。
彼が狙ったかの様な展開で二人は恋仲になります。
前半30分ほどは二人の仲睦まじくなるさまを見せつけられるんですが、二人の描写は嫌味がなくキラキラした爽快感にキュンキュンできます。
(注!女性と二人でカラオケに行ったことのない男性にはイラッとくるかもしれません~)
中盤、港に起こる悲劇から物語は一転します。
ここからがハートフルな脚本を書かせたらハズレ無し、吉田玲子さんの真骨頂。
悲しみにくれるひな子を、ファンタジーな仕掛けを使って優しさと可笑しみで包み込み、観客の心まで温めてくれます。
冒頭の港の言葉に隠されたひな子への想いが、彼女へは勇気を、観客には感動を与えてくれます。
ラスト、いつまでも変わらない愛にホロリとしながらジンワリと心地よい余韻に浸れることでしょう。

《作画&演出》

湯浅政明監督と言えば、私が観た過去作「ピンポン」「デビルマン・クライベイビー」などから、シンプルなキャラクターデザインを伸縮自在に操るアニメーションらしい大胆な演出が印象的なのですが、今作ではキャラのデフォルメは抑え気味。
その分、二人を繋ぐ「水」に魂を吹き込むかのような演出が巧妙になされています。
様々な形で描かれる水の表現は、時にコミカルに時に繊細にキャラの心情を盛り上げ、ここぞのシーンではダイナミックな動きでキャラのハイテンションぶりを際立たせます。
クライマックスのタイトルにちなんだアクションシーンは圧巻です!

また、背景作画は80年代のオールカラー漫画「ハートカクテル」を思い出す鮮やかさで、ラブストーリーに華やぎを添えてました。

《キャラクター》

主役二人は文句の付けようのないベストカップルでこれ以上言うことなし。
残る主要登場人物、港の後輩消防士「川村山葵(わさび)」、港の妹「雛罌粟洋子(ようこ)」も良キャラです。
山葵の頼りないながらも実直なところがどんどん好感が持てるし、なんと言っても洋子のツンデレっぷりが可愛い♪
彼女だけは、この非オタ向け作品の中で萌えブタ心を満たしてくれました(^^;

《声の演技》

主要登場人物は全員俳優さんが演じていて、このあたりも非オタ向けアニメ作品ではありますが、女性二人は本職声優さんと比べても遜色のない演技をされてたと思います。
特に松本穂花さんのツンデレハスキーボイスは好みでした♪
男性の主演お二人はイケボなんですが声質が被るのがまず残念。演技も平板に感じ、同じ俳優でも同監督の「夜は短し歩けよ乙女」の星野源さんは上手かったな~と改めて感じました。

《音楽》

水と共に二人を繋ぐ曲「Brand New Story」
爽やかな曲調の中に切ないトーンが混ざり、歌詞も作品にピッタリ!
元AKBでもあるひなこ役・川栄李奈さんが何度も口ずさむ冒頭のフレーズは、様々な感情が込められてて、クドくても飽きません。
声の演技では申し訳ないコメントをしましたが、EXILE系ユニットのボーカルを務める港役・片寄涼太さんの歌声も素晴らしくエンディングは聞き惚れました。

《最後に》

本作は私のように「君に届け」や「アオハライド」などの王道少女漫画もいけるクチなら男性でも大いに満足できるのですが、オッサン独りでは気恥ずかしくも・・
アニオタ男性の皆さまは、非オタ女性を誘ってのデートに本映画鑑賞を組み込み、アニメの伝導と貴殿のポイントアップにお役立てください~(^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

転生したらこういうステータスMAXのイケメンに生まれ変わりたい

湯浅政明監督のオリジナルアニメ作品。
サーファーの女子大生と彼女が住む街の消防士の、ファンタジー要素のある恋愛物語です。

主人公の二人はそれぞれ、EXILE (正しくは、GENERATIOS) と元AKBが声優を務めていて、準主役の2人もプロのアニメ声優が演じていないです。
声優の声になれてしまっているためか、本作のキャラクターボイスには若干の違和感を感じました。
ただ、作中には『陰キャに夢中なたくさんの美少女の内の一人』とか、『語尾に奇怪な言葉をつけて話す褐色幼女』なんていうファンタジーな存在はおらず、アクターに近い場所にいるリアルが充実した面々が主役なので、本作において言えば、私的にはそれほど強い違和感は感じませんでした。
正直なところ、このストーリーで、アニメ声優をアサインした方が逆に違和感が出る可能性もあるので、そういう意味でははまり役なのかもしれないと思います。

EXILEとAKBの声がハマるキャラクターが主役なので、作品自体はいくつか海外の有名な映画賞を受賞していますが、普段からアニメ鑑賞を趣味にしている方にはおすすめできる内容ではないと思います。
サーフィン好きの「向水ひな子」は、大学進学を気に、幼い時期過ごした海の近くの街で一人暮らしを始め、文字通り、水を得た魚のように毎日波に乗る生活を送るのですが、ある日、近くの廃ビルで大勢のやからが無許可で花火をぶっ放し、その火の粉が引火して、彼女の部屋が火事になってしまいます。
マンション火災に逃げ遅れて屋上に出たひな子は、そこではしご車に乗った消防士「雛罌粟港」に助けられます。
それがきっかけで二人はステディーな関係になるのですが、それがもう見ていて毛髪が抜け落ちそうになるくらいのイチャイチャっぷりです。
ただ、港は消防士やっているだけあって細いけどムキムキなんですね。
料理も上手で、彼女に対して何気ない気遣いもでき、清潔感漂うイケメン。おまけに声がEXILEという。
私なんぞがサーフィンやってるビキニギャルに「いいなみのってんねー」と声かけたとして、即ストーカー規制法でお縄になるので、不思議と視聴時羨ましいという気持ちにはならなかったです。
もはや異世界の出来事というか、異世界転生したらこういうステータスMAXのイケメンに生まれ変わりたいですね。

内容はイチャイチャするだけの90分というわけではなく、物語途中ある不幸が二人に降りかかります。
そこまではショッキングではあるけれど、展開としては王道で、見ていると途中で読めてくるくらいなのですが、その後からファンタジーな展開になります。
楽しくみれましたが、港の妹がけっこうプッツンで、正直好きなキャラではなかったです。
また、全体的に線が細く、クビが長く描かれたデザインになっていて、絵で嫌厭する方はいるかなと思います。
それほど長尺ではないのと、アニメーションがよく動いて最初から最後まで見ていて飽きることはなかったので、たまにはこういうのも、という意味で見てみるのはありかと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

65.8 2 ファンタジーで大学生なアニメランキング2位
ああっ女神さまっ(劇場版)(アニメ映画)

2000年10月21日
★★★★☆ 3.8 (54)
342人が棚に入れました
TVアニメ、OVAも大ヒットを記録した『ああっ女神さまっ』初の劇場版。
大学生・螢一の前に現れた女神ベルダンディー。ひょんなことから一緒に暮らすようになって3年目の春、ふたりの前に謎の男・セレスティンが現れる。彼の正体は、ベルダンディーの恩師だった。久しぶりの再会を懐かしむベルダンディー。
しかしセレスティンは彼女に口づけし、記憶を奪ってしまう。

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

原作ファン向けかなぁ~

2000年10月21日公開。講談社「月刊アフタヌーン」に連載され
ていた藤島康介原作の大人気マンガの劇場版。
好評だったOVAのメインスタッフがそのまま参戦している。
同タイトル読者・視聴者向けの作品。
簡潔な設定・内容なので、本作を視てTV版視るか判断可能?

原作連載時の時代背景・技術を残したまま、一部分だけ技術
が時代に合った物が登場する等・・微妙にスチームパンク風
にズレた設定になってる。後発の作品ほどギャップが出る。


他力本願寺で三姉妹の女神と暮らす猫実大学生、森里螢一。
ひょんなことから一緒に暮らすようになって3年目の春・・

自動車部の勧誘をするが・・新入部員は4人だけだった。
その中には不思議な魅力を持つ美少女・モルガンが居たが・・

早速の新歓コンパの最中に・・ベルダンディーが力を制御
できなくなる事件が発生!その頃ウルドは、天上界で異変
が起きつつあるという情報を入手するが…。

その頃地上では・・ベルダンディーの恩師セレスティンが
現れ再会を懐かしむ間もなくベルダンディーの記憶を奪う。
天上界の謎、セレスティンの謎・・どうなる?という物語。

主人公は劣化。女性キャラを引き立てる方向に更にシフト。
女性のデザインは綺麗でセクシーな路線に進化?してる。

ミニサイドカーレースの競技参加・・二人乗りでパートナー
との息があっていないと・・というところを巧く使って物語
に組み込んでいる・・っが・・動きの大きい描写は不得意?
その他も迫力のある臨場感を出す様なシーンは苦手みたい。

女性の作画やファンタジーな表現が好きみたい。
コメディやギャグも苦手っぽいセンスを感じる。

劇場版はシリアスな展開が多いので、その辺りが薄れて無理
を感じない綺麗な純愛路線のファンタジーになってる感じ。

多数の天上界の女神等が登場し、聞き覚えのある声も多い。

多分・・原作を「読む」方が面白い作品のような気がする。
原作ファンには感動系で面白いのかもしれない?


ベルダンディー   井上喜久子
ベルダンディー幼少期塩野入澪

森里螢一      菊池正美
セレスティン    家虫宏
モルガン・ル・フェ 川澄綾子

ウルド       冬馬由美
スクルド      久川綾
ペイオース     佐久間レイ
クロノ       堀江由衣
森里恵       渕崎ゆり子
三嶋沙夜子     麻見順子
田宮        梁田清之
大滝        二又一成

投稿 : 2024/11/02
♥ : 1

ichinana さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

一見さんでも楽しめますよ。

~種族を超えた愛~
現実世界ではまずありえないです。

でも原作漫画もそうでしたが、主人公螢一とベルダンディーを見ているとなぜか応援したくなります。羨望や嫉妬といった負の感情も当然持っているんですけれど、この二人には基本的に悪意がない。あまりにも性格がいいので、逆に現実離れしていて、設定もありえないものだから、もうただただ純粋に応援してしまいます。

本作は幼少時のベルダンディーの先生が月の牢獄から脱獄するところから始まります。彼がベルダンディーに近づいた目的や、ユグドラシルシステムへの干渉など、意外と設定が複雑です。でも様々な理不尽や困難に立ち向かう二人を見るとやっぱり負けるなっと応援しちゃいます。2周すれば大体理解できると思います。

本作、2001年にDVDが発売されましたが、DTS特装版はめちゃ高価。
まだホームシアターや5.1chサラウンドが一部のマニアしか有していない中で、なかなかの冒険をしたものです。
でもDTSサラウンド。すごいですね。各シーンを非常に盛り上げてくれます。特に、川澄さんキャラとの保健室での一連のシーン。すごいドラマティックで震えます(部屋も)。そして最後の女神の歌のシーン。まさに聖歌って感じで素敵です。

現在ではかなり入手困難なようですが、購入するのであればDTS版を薦めます。その他揃えないといけないものも多いですけど。。。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

ジュン( ̄ー ̄) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

理想的な♪

ヴェルダンディこそ理想の女性(*´ω`*)

このアニメは良いもんですヽ(・∀・)ノ癒しですねヽ(・∀・)ノ

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0

68.1 3 ファンタジーで大学生なアニメランキング3位
劇場版ユンカースカムヒア(アニメ映画)

1995年3月18日
★★★★☆ 3.8 (36)
164人が棚に入れました
共働きで忙しい両親を持つ小学6年生のひろみ。寂しい彼女を励ますのは、人間の言葉を話す飼い犬のユンカースだった。ある日ひろみは、片思いしている家庭教師の圭介に婚約者がいたことと、両親の離婚話を知ってショックを受ける。そんな彼女にユンカースは、自分は3回だけ奇跡を起こすことができるという。なかなか信じないひとみだったが、奇跡は次々に起こり…。

声優・キャラクター
古本新乃輔、押谷芽衣、木根尚登、紺野美沙子、峰野勝成、玉川砂記子、飯塚雅弓、中島啓江

セメント さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

素晴らしい

ぼくは奇跡を起こすことができるんだよ


次にキャラが発するであろう台詞、次に起こるであろう展開が予想できるときって、アニメ見てるとありますよね。
そういう場合って、演出面に何かしら伏線めいたものが張り巡らされていて、次の台詞、次の展開が予想できるんだと思います。
本作を見ていてそういう場面に多く遭遇したのですが、偏に、演出がより現実に沿った丁寧な運びになっているからじゃないかなーと思います。
会話の間とか、視線の向きとか、非常に考えられて作られているのが見て取れます。
トレンディドラマ風に少し不思議要素の利いた物語で、優秀な映画だと思います。

サトジュン監督、なかむらたかしさん、大平晋也さん、大橋学さんなど大ベテラン達の描くジブリみたいな作品ですね。
というか当時は、あの「耳をすませば」を抑えて栄誉ある毎日映画コンクールで賞を獲ってますからね。
ジブリなんて目じゃないと言わんばかりの作品ではあったとは思うのですが、商業的には成功と言い難かったようで、隠れた名作です。
日常の芝居作画がほんと旨いです、サトジュンも一原描いてるカットもあったり、なかむらさんの人形劇、大橋さんの背景動画、どれも激旨です。

声優はあんま有名な人いないんですけど、下手と感じることもなかったです。

TM NETWORKの木根さんの小説が原作という異色の作品で、そんなこともあって音楽は木根さん自身が担当しています。

ユンカースとひろみ、どっちが主人公なんでしょう。
あと、文江さんの存在感w


隠れた名作とはいえ、ほんとに隠れてしまって、実は長らくビデオ発売がされなかったんですよね。
そんな中、本作のファンが"ユンカース・カム・ヒアを観る会"というのを立ち上げ、小劇場を借りて有志の上映会を行う等の草の根活動が実り、ビデオ発売に至るという、"ファンが作品を動かした"例でもあります。
まさにユンカースの奇跡のような話で凄く面白いです。
上映会の主催者にインタビューを行った記事がありますので、こちらも是非合わせて見てみてください。
http://sprocket.eek.jp/monthsp/month2000July-3.htm

投稿 : 2024/11/02
♥ : 3

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

感動のファンタジードラマ、アニメって素晴らしいと思います

小学6年生の野沢ひろみと人間の言葉をしゃべれる犬ユンカースの友情、笑いと涙と感動をくれるファンタジーアニメ。主人公の野沢ひろみは明るい良い子ではありますが、辛いことがあっても本音を口に出さない子です。ユンカースはそんな主人公のために三つの願い事を叶えてくれるという・・・大学生の家庭教師に寄せる恋心と失恋、離婚の危機に瀕する両親に対する思い、淡い色彩を背景に思春期の少女を願いを丁寧に綴った傑作。知名度は低いですが、個人的には佐藤順一監督の最高傑作です。

どっかの魔法少女アニメに似ていますが、ひろみとユンカースのやりとりが実に面白く、細かな表情や仕草で笑えるというのがこの作品の大きな魅力。クオリティの高い作画が可能にする職人芸的な粋な笑いです。踊り出したり歌い出したりユニークな家政婦のおばちゃんも、これがまた良いんです。全ての登場人物が活き活きとしています。

主人公の野沢ひろみは本音をずっと隠し続けるんだけど、最後の最後で感情が爆発します。これがもう凄く心に染みる。ストーリー自体はありきたりなのに、心情描写が良いとここまで感動出来るのかと。夢の中で空を飛んだりするシーンはもう名シーンですね。これだけの名作が興行的に振るわなかったのは、もう本当に残念というか、もっと色んな人に見てもらわなければならない名作の一つだと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

ほねっこ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

素晴らしい・・・!

小学6年生のひろみと、彼女の飼い犬で人の言葉を話せるユンカースを中心に紡がれる、心温まる少女の成長と家族の物語
ラストめっちゃ泣いてしまった・・・

両親が共働きで家を空けがちであるため、「良い子」になること(=自分の素直な気持ちを抑え込むこと)に慣れてしまった、主人公の微妙で繊細な心情がとても上手に描かれていて素晴らしかったです!

犬がしゃべりますが、ファンタジー的な要素はそこだけで、とにかくキャラクターの演技もストーリーの展開も自然そのもの。
キャラクターデザイン含め、所謂アニメ的な可愛らしさ・派手さはないのですが、その写実的な描写はとにかく素晴らしい!

一見地味に映るかもしれませんが、もっと広く知ってもらいたい作品ナンバーワンです。

・・・犬を飼うようになったら、ユンカースって名前にしよう!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
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