ヒーリングアニメ映画ランキング 1

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のヒーリング成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月02日の時点で一番のヒーリングアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.4 1 ヒーリングアニメランキング1位
夏目友人帳 石起こしと怪しき来訪者(アニメ映画)

2021年1月16日
★★★★☆ 3.8 (72)
379人が棚に入れました
「石起こし」森の中で、小さな妖怪・ミツミと出会った夏目。岩鉄という神格の妖怪を、深い眠りから覚ます「石起こし」の役を任されているという。しかし褒美の酒をめぐり、ニャンコ先生や妖怪たちが、起こし役を横取りしようと画策をはじめる。ミツミを気にかけた夏目は、手助けをすることに――。「怪しき来訪者」田沼のもとに現れた、不思議な客人。毎日のように訪ねて来ては、少しだけ話をして帰っていく。その正体が妖怪であることを知った夏目は、田沼を心配するが、田沼は妖怪との交流を楽しむようになっていた。妖怪は悪さをするつもりはないらしいが、少しずつ田沼の体調が悪くなってしまう――。

声優・キャラクター
神谷浩史、井上和彦、堀江一眞、黒田崇矢、岡村明美、チョー、松山鷹志、下崎紘史、金元寿子

とまと子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

惜別

  
わたしがリアタイでアニメを追いかけ始めたのは夏目友人帳の4期=「肆」からでした。
そこから1期から改めて観とおして、ずっと大切なアニメとして追い続けています。
もう6期まで続いていますけれど、でも原作連載はまだ続いていますし、わたしとしてはこれからももっともっと、ずっと続いてほしいと思っています。

この映画は現時点でシリーズ中最新作になりますが、「石起こし」と「怪しき来訪者」の2つの完結したお話からできていて、それぞれがちょうどTVシリーズ1話分くらいの長さです。
映画のように直接にお金になる形であればもっと続く…というわけなのでしたら、こういう形でもいいです。

とにかく、終わらないでほしい。
まだまだ、貴志くんとあやかし達のいる世界で遊びたいです。


この映画を観ていて、はじめて感じたことがあります。

貴志くんが妖しの世界の近くにいる、ということはもちろん最初からそういうお話なのですが、それがもしかしたら貴志くんの”何かの力が強い”というよりも、彼は普通に比べて人が持つべき”生命力が弱い”から…なのではないか?ということです。

華奢で色が白くて、女性であるお祖母様のレイコに間違われるくらいに線が細い…という設定ですが(そういう中性的なところが魅力的なんですけど♡)でも「病弱」という描写はありません。
だけれど、祖母のレイコさんも、貴志くんのご両親も、おそらくは若くして亡くなっていて、もしかしたら”短命の家系”なのかもしれない…
その「死」との近さゆえに、レイコさんも貴志君も妖しと話しができるのかもしれない…

原作者の緑川ゆきさんとしてはそんな設定はお考えじゃないかもしれませんが、でもそんなふうに考えると、この作品に通じてある”この世の儚さを達観している”ような感覚にも、なんだか得心がいくのです。


舞台が山間の静かな場所ということもあって、春・夏・秋・冬 の四季の移ろいはとてもしっかり感じられる夏目友人帳ですが、でもいくら蝉が鳴いていても風鈴が鳴っていても、ここで描かれる夏はどこか遠くにある感じがします。
まるでずっと昔の楽しかった夏を思い出すような、優しくてちょっとだけ胸が痛む…そんな感じがします。

往く夏を惜しむ
離れゆく人を惜しむ

この映画でも
「ちっぽけな人の子とこうして見た月のことも いつか懐かしいことになるのだろうか…ああきっと、あっという間か…」
というセリフがあって、そのシーンの美しさとともに深く印象に残ります。


わたしたちは今生きていて、これからももう少しは生き続けるのでしょう。
その間はまだ、この美しい世界にいられる。

でもこの世界が愛しければ愛しいほど、この瞬間も光の速さで過ぎていく「今」が惜しくなります。
惜しければ惜しいほど、すべてが大切に思えてきます。

それは何度もの別れを続けてきた貴志君が、藤原の家のひとややっとできた友人たちを愛おしく思うのと似ているのかも知れません。


そしてわたしはただ、この愛しい世界を美しい水彩絵の具で描き留めてくれる、この夏目友人帳に終わってほしくはない…と願ってしまうのです。
 

投稿 : 2025/02/01
♥ : 2

でこぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

人間も妖怪も同じ心があることがわかります

夏目友人帳が久しぶりに帰ってきました。
ファンにとっては、とても嬉しいことです。
夏目友人帳 陸が終了したのが2017年7月。その後、『劇場版 夏目友人帳 〜うつせみに結ぶ〜』が2018年9月に公開されて以来、およそ2年ぶりの劇場版です。
相変わらず、味わい深い内容でした。

この映画は2つの短編でできています。

■石起こし
岩鉄という強い妖怪を眠りから覚ます役目、それを『石起こし』と言います。
その役目は大変重要です。そしてその役目を遂行すると褒美がもらえます。
そして今回、その石起こしに選ばれたのが、超軟弱な妖怪のミツミです。

ミツミは見るからに弱弱しい妖怪です。役目を全うできるかどうか、誰もが不安に感じていました。
ひょんなことからミツミと知り合った夏目は、いつものお人好しな性格でミツミを手助けします。

岩鉄は、なぜ弱弱しいミツミに重要な仕事を与えたのでしょうか?
ミツミが岩鉄を起こすことができなければ、岩鉄はずっと眠ったままになるのに…
しかも、眠り続けている場所を敵に知られたら、襲われて岩鉄の命が危険なはずなのに…

この答は、見る人によって異なると思いますが、それを考えながら視聴されると、趣き深く感じられるでしょう。


■怪しき来訪者
今回登場する妖怪は、三篠(みすず)の友人です。
その妖怪は、どうやら三篠との楽しい思い出を忘れているようです。

きっと三篠は、友人に二人で行ったいろんな場所、いろんな出来事を思い出してほしかったのでしょう。

貴方も、友達との楽しい思い出を友達が忘れていたら、すごく悲しいですよね。
これは妖怪も人間も関係なく、誰もが将来起こりうる出来事なのかもしれません。


■最後に
今回は塔子さんが登場しませんでした。それが凄く残念です。
塔子さんはこのアニメの癒しの人です。年老いても塔子さんの声を聴くと心が癒されます。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 17

ねるる さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

変わらぬ世界観。変わらぬ良さ。

2021年1月に限定上映された今作品。
"石起こし"と"怪しき来訪者"の別々のストーリー2話構成。怪しき来訪者の話は、田沼がメインで出てきます。

相変わらずの素晴らしいクオリティ。
夏目友人帳のTVアニメシリーズは、第1期が2008年開始ということで、かなり長く続いているけど、いい意味で全く変わらなくて素晴らしい作品。

石起こしの話は、地下道の風景の描写がすごく好きだなと思った。
怪しき来訪者の話は、お馴染みのキャラクターのレアな姿が見れたのでびっくりした。もっと渋いと思ってから意外だった。

夏目友人帳シリーズは、音楽も景色も独特の世界観にピッタリマッチしてて素晴らしいし、何度見ても飽きない不思議な魅力があるので、ジブリに並ぶ日本の誇るべきアニメと思う。7期製作決まるといいな。

投稿 : 2025/02/01
♥ : 3
ページの先頭へ