パーティで旅なおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのパーティで旅な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年03月06日の時点で一番のパーティで旅なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.9 1 パーティで旅なアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (661)
2130人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

道草三昧 (其の二)

目下視聴中の再放送では、毎回のように新しい発見があって驚かされる。
その都度、投稿した内容の修正や補足が必要になってくるわけだが、
今回は前稿で取り上げた「鏡蓮華」について追記しておきたい。

第12話「本物の勇者」のBパート。
ここに第1話に続いて、またもや鏡蓮華の指輪が登場している。
フリーレンがシュタルクの誕生日のために用意した「服だけ溶かす薬」が
フェルンにダメ出しされ、代わりになりそうなものを探すうちに
荷物の中にあったその指輪を見つけ、しばらく眺めている・・・というもの。
もちろん原作にはない、アニメ独自の演出である。

この指輪、原作では一つのエピソードの中に単発で登場するだけだが、
アニメではオープニングアニメーションを含めると、都合4回は現れる。
監督の思い入れの強さが感じられ、自分も同様だから気持ちがよくわかる。
だから今回も、好都合な場所があったから入れてみた、というだけではないだろう。

それを示唆するのがラスト近くのフリーレンのセリフ。
「戦士ってのは不器用だね。・・・わたしも不器用だからわかる。
 馬鹿だよね。想いっていうのは言葉にしないと伝わらないのに。」

前稿に書いたとおり、これと全く同じことを第14話でザインが言っている。
つまり、指輪は「想いを伝える」というモチーフを集約するシンボルとして、
"本番"である第14話への布石の意味でここに予示してみたのだと思う。

その前稿の理解を一歩進めて、重心を「想い」から「言葉」に移動させてみると、
より包括的な「言葉」というテーマに接続できるのではないか。そしてそのテーマは
フリーレンとヒンメルとの「間」に潜在しているものなのではないか、と考えてみた。
これについては稿を改めて書くことにしたい。

さて、以下はどうでもいいような個人的な話で恐縮なのだが、
道草ついでにちょっと触れさせていただきたい。
一昨年秋期の放映開始以降、延々とレビューを投稿してきたが、
この異様な執着の元にあるのは、「テーマ」に対する過剰なこだわりなのである。

ネタバレレビューを読む

こんな経過をたどった果てに、ここに来てようやく、
本作の最深のテーマに至る道筋が見出せたように思われる。それは
フリーレンの「内面」を経由して、ヒンメルの「精神」へ遡行する、というもの。
噛み砕いて言うと、フリーレンの心情に同期するかたちで、
そこに現前するヒンメルの"像"に対して感情移入する、といった感じになるだろうか。

前稿でフリーレンの「内面」は析出できたと考えている。
彼女の「内面」はヒンメルの心を映し取ることのできる"場"となった。
そして、そこに結ばれるヒンメルの像の中に、本作のテーマは開示されるのではないか。
具体的には「言葉」のテーマが、ヒンメルの「精神」に集約されていくプロセスを繙くこと。
次回はこれを詳述し、そこから本稿の最終的な結論を導き出す予定である。


  「フリーレン私記」

ネタバレレビューを読む



2025. 2. 16

投稿 : 2025/03/01
♥ : 24
ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

(最終)ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華

【レビューNo.114】((最終レビュー)初回登録:2024/3/23)
コミック原作で2023年作品。全28話。
元々娘がコミックを買っていたので原作既読です。コミックは「マンガ大賞
2021」を受賞するなど前評判も高く、後はいつアニメ化されるかって話でした
がついにきましたね。

(ストーリー)
勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、魔法使いフリーレンら勇者パー
ティー4人は、10年間もの旅路の果てに魔王を倒して王都に凱旋する。
ヒンメルら人間にとっては10年は感慨深いものがあったが、1000年は軽く生き
る長命種のエルフであるフリーレンにとっては、ほんのひとときであった。
あれから50年、流星群を観るために4人は再会を果たすが、見た目は全く変わら
ないフリーレンに対し、ヒンメルら人間は随分と年を取っていた。
(ドワーフのアイゼンはそれほどでもなかったが)
そして間もなくヒンメルが天寿を全うする。
彼の葬儀でフリーレンは自分がヒンメルについて何も知らず、知ろうともしな
かったことに気付いて涙する。その悲しみに困惑したフリーレンは、人間を知
るためと魔法収集のために旅に出る。
それから更に20年後、フリーレンは老い先短いハイターを訪ねる。ハイターは
戦災孤児のフェルンを引き取って育てていた。ハイターはフェルンのことを弟
子にするようフリーレンに依頼するのだが・・・
これは人間を知るために、人間と交わり旅をする彼女と新たな仲間達の物語。

(評 価)
・第1-4話:フリーレンの世界観がしっかり再現された製作陣の仕事ぶりに◎
 ネタバレレビューを読む

・第5-8話:他の異世界モノと一線を画す練られた世界観 →アニメはアニメで面白い
 ネタバレレビューを読む

・第9話:あの淡泊な原作での戦闘シーンが・・・アニメはこの水準でやってくれるのか!!
 ネタバレレビューを読む 

・第10-12話:ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華
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・第13-14話:新キャラ・僧侶ザインも上手く大局に織り込んでいる
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・第15-17話:後半「一級魔法使い試験編」に向けての前半の総仕上げ
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・第18-22話:長期連載を明確に意識した流れなのかな
 ネタバレレビューを読む

・第23-26話:原作者の魔法に関する世界観が完璧に確立していることかよく分かる
 ネタバレレビューを読む

・第27-28話:最後まで味のある会話劇
 ネタバレレビューを読む

(最 終)
原作は結構漫然と読んでたのかな(笑)
アニメ化されたことで原作のよさ
・「人間を知る」というテーマの深さ
・エルフの長寿命を活かした時間経過の描写の妙
・魔法や魔族等に対する独自に確立した概念
などを再発見するところが多かったですね。いやー細部までホントしっかり
考えられているなっと。

そして制作陣の原作の理解度の高さに加え、アニメだからこその表現
・原作では弱かったバトルシーンの特盛
・味のある会話劇
・その他アニメ独自の細やかな描写
など「アニメはアニメとして面白い」をしっかり追求してくれていた仕事ぶ
りだったと思います。
劇中音楽などもよかったと思いますし。
個人的には原作越えでアニメ化大成功という評価ですかね。
いろいろと大変なご時世ですが、いい作品を連続2クールでしっかりみせて
くれるのは本当にありがたいですね。

全体的には
「ひとつのアイデア →もう一歩踏み込んで更に面白くなるレベルまで昇華」
というのがしっかりできている、「きちんと汗をかいている」作品だったか
なっと。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 37
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

放送のフリ-レン

マンガとアニメは日本が世界に誇るブンカだ、
なんて言葉がけっこう前からあっちこっちで言われておりまして、
それはまったくそのとおりだと拙も思うのですが、

  『どんな』マンガとアニメでも日本が世界に誇るブンカだ、

というのはチガウ、とも同時に思うところであります。
エロマンガだのキャラパク同人誌だの、
ああいうものまで『ブンカ』だとはちょっと呼びたくありませぬ。
(桂あいりさんは『すごい』と思いますが)

こっからはアニメ限定のハナシです。

昨今のアニメで胸をはって『ブンカ』なんて大層な呼び方ができるのは、
せいぜい一割ぐらいなんじゃないかと拙は愚考するわけです。
あとは、好きなヒトたち(拙含む)だけがひゃあひゃあ言ってヨロコんでいるだけ、
ひらったい言い方をするなら『フーゾク』に属する、
使いすて御免のゴラク嗜好品みたいなモノだと思うんですよね。

もちろん、フーゾクにはフーゾクなりの良さというものがあります。
ヲタク上等、マイナ-上等、
  好きなものをスキと言ってなにが悪いんじゃい、
というのはリッパな主張でありますし、
いちいち他人にとやかく言われる筋合いのものではありません。

  ただ、それだとやっぱり『広がり』を期待するのはキビしいのかな、と。

ふだんアニメをあんまり見ない方々、
あ~でもたまにテレビでやってるジブリとか新海作品はけっこう好きですよ、
ぐらいの方々にとって、
いまの量産型深夜アニメの多くはハードルが走り高跳びみたいなもの。
準備運動もせずに飛べるような高さじゃないんです。

 えっと……なんでこの男の子モテてるんですか?
      こういうキャンキャンした喋り方ってあざとくないんですか?
      騎士ってこういうモノの考え方するものなんですか?
      なんでいまだにハリポタの劣化版みたいなのが製作されてるんですか?
      この「ふっ」とか笑うの、カッコいいんですか?
      ゲームやって遊んでるキャラを見てるだけのアニメって楽しいんですか?
      こんなアイドルとか曲とか、売れる道理ありませんよね?

  みたいなギモン、ふつうに感じるでしょうし、
  そこにナットクできる答えを返すのは至難のワザでもありまする。


そういうライト層の方々にとって本作『葬送のフリーレン』は、
まさに絶好の入り口、
ヌマへの招待状なのではあるまいかと拙は愚考するわけです。

 ・わかりやすく、感情移入しやすい物語設定
 ・顔半分が目、みたいなこともなく親しみやすいキャラデ
 ・自然で、細部まで配慮が行き届いた作画
 ・YOASOBIさんによる、イマドキ的キャッチーなうえ世界観ドンピなOP
 ・情感たっぷりな描写・劇伴、ド迫力でかっこいいバトル演出
 ・種﨑敦美さん(フリーレン)、市ノ瀬加那さん(フェルン)のナチュラルなお芝居

おそらくライト層の方々は『さよ花』すら名前も知らないだろうし、
『江戸前エルフ』なんかアナザープラネット。
ですから『エルフの長寿性』というギミックそのものが、
斬新で惹きつけられる構成になっているとも思うんですよね。

というわけで、深夜アニメに対する典型的なヘンケン、
  顔半分が目の巨乳っ子やロリっ子が、
  使い回しっぽいセリフをきゃんきゃん声で言いながら、
  よくわかんない敵と戦ったりヲタDTの妄想を叶えたりするもの、
みたいな偏見を抱えている方々にとっては、
けっこうドギモを抜かれる作品に仕上がっているのではあるまいかと思うわけです。

映像は、ジブリや新海作品しか知らない方でもナットク・違和感ないレベル。
そして、種﨑さんや市ノ瀬さんのお芝居は、
そうした劇場版よりも、品質がはっきりと『上』ですしね。

  セイユ-のお芝居は『つくった感じ』がする、
  もっと自然でストレートな声やお芝居が欲しいんだよね、
  というのは、昭和から平成初期の認識かと。

  そういう『つくった』お芝居は『求められているから』やってるだけで、
  いまのトップクラスの役者(声優)さんたちは、
  フラットでナチュラルな演技もテレビ俳優さん以上にこなせます。

  実際、本作をじっくり堪能していただくと、
  宮崎駿氏や岡田斗司夫氏がいかにいいかげんなことを言ってるか、
  わかっていただけるんじゃないかしら。

  ちなみに
  市ノ瀬加那さん、今回の種﨑敦美さんとの共演で『一皮むけた』感じですね。

  基礎声質に『ものすごい』天性をもってる方であり、
  先の『水星の魔女』スレッタ役でもそこそこの好演をされてましたが、
  本作は彼女のベストアクトと称してもいいんじゃないかと思います。
  種﨑さんから盗めるだけ盗んで、
  さらにワンランク上の役者を目指して欲しいものであります。

  あと、すぐ死んじゃったけど、
  リ-ニエ演った石見舞菜香さんもヨカッタです。
  (そう言えばこの方、『さよ花』のマキア演ってましたよね)

  アウラ役の竹達彩奈さんは、典型的な深夜ワクのお芝居かな。
  それが『悪い』とは言わないけれど、
  もうちょい、キャリア相応の奥行きを見せて欲しいかもであります。


制作がマッドハウスということで、
いわゆる『画はいいけれどコテっとしている』アニメになりそうなところは、
あの『ぼざろ』の斎藤圭一郎カントクが見事にカバ-。

  斎藤監督って、まだ監督二作目なのにほんとすごいですよね。
  アニメ-タあがりなのに『映像重視・音響軽視』の悪いクセがまったくなく、
  ト-タルバランスの調整力がハンパないです。

  さらなる魅力として、拙的にはフリーレンとフェルンの
   『いちいちわめかないバトル演出』がお気に入り。
  アニメバトルは叫ぶもの、
  みたいな大時代的お約束って、好きじゃないんです。うるさいし。
  てか、こっちの方がカッコいいじゃん。

  斎藤監督は2015年に大学のアニメ科卒だから、まだ30歳ちょいぐらい。
  たぶん、学生のときから既存アニメの良点・悪点を分析し、
  そのうえで『これからのアニメはどうあるべきか』を真剣に考えて、
  作品に落とし込んでいる方なんでしょうね。
  まさに、本作の製作コンセプトにぴったしの方であります。


さて、製作コンセプト、という言葉の並びから申し上げますと、
本作の製作(『制作』じゃないですよ)の狙いは、ずばり
  『アニメライト層の取り込み』
であります(いやいや、そんなん言わんでもわかるがな)。

そのために日テレさんは、
わざわざプライム枠の『金曜ロードショー』を丸ごと空け、
さらに23時からという、
『NANA』以来、17年ぶりとなる一般層の可視聴ワクを、
アニメ専用に新設したわけです。

じゃあ、テレビアニメがライト層を取り込むことによって、
  テレビ局やアニメ制作会社にどういうメリットがあるのか
が気になるところですよね(気にならないヒト、ごめん)。

ここからちょっと、
テレビ局とアニメのビジネス関係について考察を。
本作とはあまり関係ないので、
まるっとネタバレで隠しておきます。
興味と関心のある方だけ、ど~ぞ(言っとくけど、長いです)。
ネタバレレビューを読む


とまあ、かなり『いいことばっか』書きましたが、
こういうビジネススキームを継続的に成立させるためには、
  ライト層にもマニア層にもささる
アニメを供給し続けることが必須条件となってまいります。

テレビは数字が全ての世界ですから、
はっきり言って『視聴率次第』の下剋上。

23時台のワクを開けて視聴率1%台が続いたりしたら、
いかに制作費が安くても、
次の編成でワクそのものが『おとりつぶし』になっちゃったりするんですよね。

  ご参考までに『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』(フジ23:15~)は、
  平均して7%超えという驚異的な数字でした。
  局のエラいさんのアタマにはこれがしっかりインプットされており、
    さっさと二匹目のドジョ-をさがさんかい
  みたいな側面がなきにしもあらずかと(経営者はムリ言ってなんぼです)。

まあ、いきなりキメツがムリなのはわかってもらえても、
この時間帯のワクを維持するためには、
少なくともスパファミぐらいの数字(2.6%)は維持しなきゃいけない、
というのがリアルなところなんじゃないかしら、

それって、
昨今のアニメ事情をよくよくご存じの方にとっては、
けっこうキビしいハードルに思えるのではと拙は愚考いたします。

  マニアにもライト層にも安心しておススメできて、
  なおかつ減衰率抑えめでそこそこの視聴率がとれるアニメ

なんて、1ク-ルに数本あるかないかってハナシですしね。
アニメ慣れした視点だと良作はもっとあるんですか、
ライト層がハマりそう、という条件がけっこうキビしいんです。

本作『葬送のフリ-レン』と同じスキームでやって、
同等かそれ以上の結果が出せそうなのって、
今年度だと『リコリコ』か『推しの子』ぐらいしか思いつきません。
(あれ、独立局でやったのもったいなかったですよね)

  やっぱ『ヴィンサガ』とか重いしなあ……
  逆に『スキロ-』みたいのが『のだめ』的にウケるかも……
  あ、『無職転生』ならひょっとしていけるか。
  いやいや、そもそもキメツって、なんでバズったんだ?

  なんて考え始めると、とっちらかって収拾つかなくなってしまいます。

日本人は、決してアニメが『きらい』な民族ではありません。
映画の興行収入歴代ランキングで、
  ベスト20のうち14作品がアニメ(3DCG含む)
なんて国、ほかにないんじゃないかしら。
それなのに、
ライト層に安心しておススメできるテレビアニメが存外少ないんですよね。

彼らは『ふつうのドラマ』と同じ視点で見ますし、
マニア層みたく原作者や制作者に身内カンカクでゲタをはかせ、
曖昧さやいいかげんさを許してくれるといった寛容さはありません。

中国人が有り難がってマツタケ食べるとか騎士が土下座をするとか、
そういう基本的な考証ミスを
  『これは架空の国、ファンタジー世界だからいいんだよっ』
なんてリクツでは許してくれませんし、
モテ要素のない男の子のハ-レム展開なんか、たぶん理解不能です。

テイストはファンタジーでもSFでもラブコメでもなんでもいいんです。
ほんと、面白きゃなんでもいいんですが、
ちゃんとした考証と共感できる人物造形は必須条件。
  「いやなら見んな」
とか言われたら、はいはいそうですかと見るのをやめるだけのハナシです。

  拙自身、個人的には『だいすき』なんだけれど、
  だからといってライト層の方々にはおススメできないなあ、
  なんて作品が、ほんとたくさんあります。

  好きなものをスキというのは何も恥ずかしいことではないのですが、
  布教活動は控えめにするというのが、
  現実社会の荒波をのりこえていく一つのコツではないかと思ってもみたり。
  (あにこれは別よ、もちろん)


とはいえ、本作『葬送のフリ-レン』がライト層にもズバっとささり、
大きな成功を収めるだろうというのは、ほぼ既定路線。
二匹目、三匹目のどぜう狙いは、トーゼン『ある』と予想されます。

キ-局が出資してマスマーケットを狙う作品と、
これまでどおり狭い世界の中で、
ニッチなマ-ケットを狙う作品の二極化が進んでいくんじゃないかしら。

10年後ぐらいにアニメ史をふりかえったとき、
ひょっとしたら本作の放送が
エポックメイキングな出来事として語られているかも知れません。

  そんなことを妄想したりしながら
  次の放送をココロ待ちにしているワタクシなのでした。
  乱文駄文、そして長文、ほんとにほんとにごめんなさいね。



以下、オマケです(本作ほとんどカンケ-ありません)。
ほんと、単なるネタなので、
おヒマな方だけ開いてやってくださいまし。
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 29

89.4 2 パーティで旅なアニメランキング2位
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール(TVアニメ動画)

2021年秋アニメ
★★★★★ 4.1 (760)
3323人が棚に入れました
「俺は、この異世界で本気だす!」34歳・童貞・無職の引きこもりニート男。両親の葬儀の日に家を追い出された瞬間、トラックに轢かれ命を落としてしまう。目覚めると、なんと剣と魔法の異世界で赤ん坊に生まれ変わっていた!ゴミクズのように生きてきた男は、少年・ルーデウスとして異世界で本気をだして生きていく事を誓う。フィットア領転移事件で魔大陸に転移後、冒険者パーティ「デッドエンド」を結成し、魔大陸最南端の港町・ウェンポートに到着したルーデウスたち。ルーデウスは「魔界大帝キリシカ」と出会い新たな力を手に入れる。魔力災害に巻き込まれた家族や仲間の行方はー。「人生やり直し」ファンタジー、再始動!
ネタバレ

フリ-クス さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ヒキコの魂、100話まで

唐突な書き出しではありますが、
『ひらがな』というのは
日本が独自文化を形成する礎となった素晴らしい発明だと思うワタクシです。

なにしろ、昔の日本には『文字』そのものがなかったわけです。
んで、大陸から伝わってきた漢字を「こりゃあ便利だ」と使い始めたのですが
どうにも使い勝手が悪かった。
とにかく、もともと中国語を書き記すためのものなので、
日本にしかない言葉や概念を表現することができなかったのであります。

そこで、表意文字であることをガン無視して『音』だけを拝借、
ようするに当て字まるだしの『万葉仮名』として使い始めてみました。
だけど、これはこれで新たな問題が勃発することに。

  なにしろ文字そのものが『難しい』ので覚えるのがたいへん。
  おまけに人によって同じ音にあてる漢字が違ったりして、めっちゃ読みづらい。
  あたしは読めない。読めなすぎて死にそう。

  銀母 金母玉母 奈尓世武尓 麻佐礼留多可良 古尓斯迦米夜母
  こんなもん初見で読める人、ほとんど神ではあるまいかと。

で、これヤバくね? とみんなが考え始め、
代表的な万葉仮名を崩して発明されたのが『ひらがな』なのであります。
(同じように万葉仮名の一部を抜き出したのが『カタカナ』ですね)

いかにも日本らしく、雅でたおやかな文字(和文体)の登場です。
もしもこの発明がなかったら、
あの『枕草子』や『源氏物語』は生まれていなかったと僕は思っています。


さて、僕がなんでこういうNHK的な話を書いているかというと、
このアニメの原作であるだけでなく、
いまや日本アニメの大きな源泉となっている『ライトノベル』もまた、
ひらがなの成立過程に酷似した、
画期的な発明ではあるまいかと思うからであります。

そもそも日本の中高生の多くは今も昔も、
 「先生はなぜ自殺したのか。八十字以内で答えよ」
みたいなコクゴキョーイクのおかげで純ブンガクが苦手です。

めんどくさい、わけわかんない、つまんない、言葉ムズカしい。
興味を抱けない生徒さんたちにとって純ブンガクとは、
それこそ『万葉仮名』みたいなアタマ痛い存在に他ならず。

そうした、権威主義だったり学術主義だったりする日本文学に、
ある意味で『反旗を翻した』のが、
いまでいうライトノベルの起こりであったように僕は考えています。

  イロモノ上等、安直文体上等、マンガ思考上等。
  料理が「美味いか不味いか」のどっちかであるように、
  小説だって「面白いか面白くないか」のどっちかじゃねえか。

そういう『ケンカ上等』姿勢で生まれた新たな小説スタイルは、
『ひらがな』の発明同様、圧倒的に読みやすく、
瞬く間にブンガク的庶民である若者たちに広がっていきました。
中高生の読書離れにストップをかけ、
いまや版元や書店さんの新たなメシのタネになるまで成長を遂げたのです。

ライトノベルという存在がなければ、
『俺ガイル』や『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という作品も、
この世に出てこなかったわけであります。
もちろん、西尾維新さんも登場しておりません。
有川ひろさんや米澤穂信さんだってラノベからスタートしたわけですし、
まさに出版ギョ-カイの救世主的アレではなかろうかと。


ただし、ですね……このライトノベルの最大の欠点は、
その読みやすさが故に「オレでも書けんじゃね~か」と考える方が多く、
箸にも棒にもかかんない作品が量産されてしまうところにあります。

日本語おかしい、起承転結おかしい、登場人物のアタマおかしい。

おおよそ、まっとうな要素が一つも見当たらない作品が、
タイトル名とモチーフだけでヒット作となりアニメ化までされちゃうのは、
ある種の『諸行無常』を感じさせられるところであります。

そういう残念系ラノベは、そもそも『人のカタチ』をしていません。

  清純派設定のクセに、キャパ嬢みたく主人公に言い寄るヒロイン。
  やさしくて誠実という設定のクセに、残酷なほど鈍感な主人公。
  統合失調症が疑われるぐらい、その都度変わるリアクション。
  転生したら、元の性格がすっとんじゃう転生者。
  初心者向けビジネス書の目次レベルのことをドヤ顔で振り回す天才児。

純文学、とまでいかなくとも、
ふだんまともな『人のカタチ』をした読書にいそしんでいる方が、
運悪くそういう作品にあたったりしちゃうと、

  う~ん……なんかやっぱ……ラノベって……アレなのかしら?

というふうに感じちゃうのではと愚考いたします。
はじめてマンガを読む人に公園のゴミ箱で拾ったエロマンガを読ませた的な
……いやちょっと違うか。あ、でも似てるか。


そんな意味からすると、この『無職転生』は極めてまっとうな作品です。
(ここまでマクラです。ほんと長くてごめんなさい)
ふだん純文学を愛好している方にもおすすめできるんじゃないかしら。

とにもかくにも、転生前の『人のカタチ』を貫いているところが良き。
そういうのって『リゼロ』や『幼女戦記』など、
転生ものの良作におおむね共通した傾向ではあるまいかと。


三つ子の魂なんちゃらとか言いますが、
僕は経験上「人間、ある程度は変わることができる」と思っています。
ただし、腐りきった性根というものは、そうそう簡単に変わるわけもなく。
ネタバレレビューを読む
そんな主人公ではありますが、金髪美少年として、
しかも牧歌的な美しい異世界に生まれ変わったのですから、
さすがに今度はまっとうに生きてみようと思っています。

ただし、いったん歪んだ性格とか腐った性根、
さらには高校生以降の人生経験がゲームの中だけという欠落は、
そんなカンタンに矯正できるものでもなく。

第一ク-ルではネタバレレビューを読む
これ、ビジュアルが年端もいかない金髪美少年だから
ギリのギリで作品として成立しているものの、
リアルの四十男が同じことやってると、ガチで気持ち悪いです。

まあそれでも本人的には新しい人生を、
真面目に楽しく、ちょっとぐらい苦労しても前向きにがんばろう、
という気持ちなり姿勢なりがありました。

その姿勢とか気持ちは本ク-ルにも引き継がれています。
ただし、人間的な未熟さというか、
 ・もともとは、単なる無職キモデブヲタDT引きニートである。
 ・転生してからの人生経験なんか、なんぼもない。
という点もしっかり引き継がれており、
本ク-ルでは、その『未熟さ』が二つ、イタい形で露見します。

  ひとつめは、父親のパウロと再会したときのこと。
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こういうのって、気がきかず大ポカをやらかした仕事を上司に叱責され、
  ボクだって一所懸命やってんだから、
  そこまできつく言うことないじゃないっスか。
  ボクにも非があったことは認めますが、
  そっちも言い過ぎたことをきちんと謝ってくださいよ。
なんて口を尖らす『ゆとり(=ガキ)新入社員』と基本同じなんですよね。

こういう『人としての甘さ・未熟さ』って、
近くに守ったり引っ張ったりしてくれる人がいないと
いずれイタいめ見るのが世の常であります。
そんなことを思っていたら、ラスト二話でやっぱりそうなりました。

  それが、アイタタタのふたつめ『エリス失踪事件』であります。
ネタバレレビューを読む
つまるところこの主人公ルーデウスくんは、
前世よりは心がけ的なものが『マシ』になっているだけなんですね。
心がけが変わっても『心』が変わっていない。
通算年齢相応の『人間的な成長』みたいなものは、
全然、まるっきり、これっぽっちも、できていないわけであります。

だから、難局にブチあたったとき周囲を慮ることができず、
視線が自分の内側へ内側へと収束してしまいます。
それがゆえに、周りがまるで見えない『自己憐憫野郎』になっちゃうわけで。


ただし、ですね。
前世と比較すると『行動』はまるっきり違い、成長しております。
そしてもちろん『行動』が変われば『結果』が変わる。
そのあたり、最終話にはっきりと多くの『実り(結果)』が描かれております。
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つまるところ彼は、
前世とはまるっきり違う、実りある人生を歩んでいるわけなんです。
しかし、その『実り』の質や量と比較して、
本人の人間的な成長が、まるっきし追いついていないんですよね。
だから、その『実り』をうまく認識できないわけでありまして。

そんなところが、本ク-ルで描かれたルーデウスくんの姿ではあるまいかと。
母親を探すため一人でしょぼしょぼ旅立つ姿は、
彼の『人生やりなおしはこれからだ』的なアレエンドに他なりません。

こういうのってアニメ的にはやや辛口な人間観にも思えますが、
本来『人のカタチ』とはそういうものであります。
ましてや、四十過ぎたおっさんが性根を入れ替えるなんて、ほんと難しい。

  そこのところをきちんと踏まえ、
  夢いっぱい仲間いっぱいのきゃほほい転生ライフ、
  みたくしていないところが実に良き。

  ダメ人間の再生・成長譚の中間段階としては、
  きわめてまっとうな軌跡になっております。

だからこそ、本作は面白く、見ごたえがあるのだと僕は愚考いたします。
きちんと『人のカタチ』を踏襲しているぶん、
『ハリポタ』にも通ずるような『リアリティ』がありますし。
純文系の方々にもお楽しみいただけるようなファンタジー作品として、
立派に成立していると拙は思うわけであります。



おすすめ度としては、前ク-ル視聴済みという前提で、堂々Sランクです。
異世界転生ものの中ではハイエンドモデル、
  はあ? なろう系? 転生もの? いらんいらん。
そんなふうにおっしゃる方にも是非にとお薦めしたい逸品かと。

ただし、前ク-ル未視聴の方はまるごと置いてけぼり、
わけわかめ(←死語)状態に陥ってしまうので、
まずはそちらをチェキいただきたく(こっちもかなり良くできてます)。


萌え担当のロキシーもちょこちょこ顔を出し、
アニメにアレなものを求める層にもそれなりに応えてはおりますし。
(実年齢は、ちょとまあナニですが)
その他、冒険、バトル、家族愛、お笑い、人間ドラマなど、
いろんな成分がほどよく配合された『完全食』的な一本に仕上がっております。

  ちなみに性的なことに関しては第一ク-ル同様、
  ラッキースケベみたくヌルいものではなく、
  セックスはあくまでも『セックス』として描かれています。

  そういうのが『嫌い』な方がいるかもですが、
  人間の営みを描こうとするならある種当然のことではないかと。
  そのモンダイを避けて通れるほど世間は甘くありません。


映像、音楽、脚本、キャラ、お芝居は、どれも高レベルで安定。
欠点らしい欠点が見つかりません。
杉田さんのモノローグに時々キョン入っちゃうのはご愛嬌。

  OP・ED楽曲は、全て大原ゆい子さんの手によるもの。
  EDはそれぞれのク-ルで固定ですが、
  OPは各話ごとの内容でころころ入れ替わり、
  第一ク-ルと合わせた24話でなんと六曲もあるんですよね。
  こういう繊細な演出、きゅんです。


ちなみに原作は全26巻(最終巻は11月発売予定)もありまして、
本ク-ルではそのうち六巻、少年期の内容までしか描かれておりません。
ル-デウスくんが未熟者なのも当然かと。
ていうか、今の段階でリッパに成長とかしちゃってたら、
この後の物語どうやって回すんだという話です。

すでに二期の制作・公開は決定しておりますが、
原作の残量から考え、それで完結するわけもなく。
いまみたくしっかり作り込んだレベルを維持するならば、
完結まであと三年、百話越えの超大作になりそうな感じであります。
 (あの『進撃の巨人』みたく、
  終わる終わる詐欺にならないかが心配になってもみたり)

その壮大な物語の中でル-デウスくんがどのように成長し、
そのさまがどのように描かれていくのか、
僕的にはすっごい楽しみです。楽しみすぎて死にそう。

  そんな言うなら原作読んだらいいじゃんか、
  そういう声が聞こえてきそうですが、
  実は僕……ラノベってほとんど読まないんですよね。

  まったく、というわけではないんですが、ほんの一部だけちょこっと。
  むかしはたまに手に取ることもあったのですが、
  最近は食傷気味というか何というか……ごにょごにょ。

  てめえこら、言ってることと読んでるもん全然違うじゃねえか、
  そういうお叱りはもっともですが、
  だってほら、
  時間ないしネタバレいやだし変な作品にあたると文章酔いしちゃうし……
  ビジネス的な価値は認めてるからそれでいいじゃないですか。  

  とまあ、ル-デウスくんばりに全力で言い訳をする、
  お見苦しいワタクシなのでありました。
  (こっちは、たいした成長見込めません。ほんとごめんしておくんなまし)

投稿 : 2025/03/01
♥ : 33
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

評価が難しい。レビューの長さがすごいので影響力は大でしょう。

22年11月 追記 本年のアニメも出そろってきた中で、私の本作に対する評価がブレブレです。

 この作品って、ひょっとしてルーデウスというキャラの意味合いというか世界観の謎解きが最後のカタルシスで、それが驚きなのか、心地いいのか、なんだろうなあと思うと現段階では過大評価な気がします。知っている人に引っ張られている気がします。

 ただ、アニメ作品として家族や恋愛、強さ、引きこもりの精神など描けている部分に見るべきものがあるのは事実だし、冒険ファンタジーとして面白いです。作画や演出などは言うに及ばずです。

 そこで皆さんのレビューをザーッと読ませてもらいました。本作は5以外ありえない的なレビューもあれば、エロやキャラの気持ち悪さ、残酷さ、ストーリーの半端さなどで途中断念の人や低評価の人もいました。その両方の気持がわかります。私もどう評価すればいいか迷います。

 ただ、気が付いたのはレビューの本数もそうですけど、1本1本のレビューが長いです。とにかく長い。良きにつけ悪きにつけ、とにかく言いたい事がいっぱいできる作品というのは間違いないと思います。
 言い換えると、人物描写が丁寧なので好悪の感情がわくくらい上手く人物のキャラ造形が出来ているということともいえます。

 心がざわつく作品はいい作品だと思いますので、4.5と言う評価、そして評価点以外の主観的な評価でも80点以上でいいのではないと思いました。思いましたが確信が持てないなあ、2期またはそれ以降で評価が上下する作品だと思います。

 おもしろい、おもしろくないの数を投票するサイトでも結局は、その比率よりもトータルの票数とコメント数でアニメの出来の良さが決まるようなところがあります。

 うーん。全部読もうかなあ…なろうにまだあるんでしたっけ?




以下 再視聴時のレビュー

 2期に向けて再視聴。秀作でしょう。異世界転生というカテゴリ ーを忘れて見られました。


2期に向けて再視聴中。どうも初回ですべてを拾いきるのが苦手なので、引っかかる作品は時間たってから再評価しています。2期がある前提なので説明不足は甘くみていますが、1期だけで評価するとしたらどうなんでしょうね?

12話~14話まで。

ネタバレレビューを読む


15話~17話

ネタバレレビューを読む

18話~20話

ネタバレレビューを読む


最終話まで見ました。

 前見たときオルステッドの前に龍神が付くって、すっかり見落としていましたね。多分、超強敵の唐突感に拒否反応があったのかもしれません。ヒトガミと対等なんですね。で、龍神はどうも時間を超える存在っぽいですね。キシリカは魔界大帝だから、やっぱりNO1?あるいはジョーカーとか超越した存在?目の設定からいってそんな感じでしょうか。

 最後の3話はこのオルステッドへの拒否反応で過小評価していたと思います。最終話の元の世界の映像も、ルーデウスはすべてそこに持ってゆけば内面も動機も描けている、というクリーエータ側の甘えが感じられる演出がちょっと好きになれなかったせいかもしれません。

 そう、この過去映像だけで、父母への距離感がここで急に変わったような気がしました。ルーデウスの内面…立ち直りについては、映像でごまかされたような感じで、ご都合主義じゃないという気がするのは今回も同じ印象でした。あの母親の過去のイメージとか、水中や泡の描写もそうですね。母はいままでルーデウスに勇気や立ち直りのきっかけって与えてましたっけ?そこがひっかかりました。

 母親はまあ、新しい冒険のタネですから、記憶喪失とかどうしても守らなきゃいけないとかいろいろあるんでしょう。

 エリスは思っていたよりもいい描写でした。2クール通じて成長とルーデウスに対するコンプレックスは描き切れたと思います。旅に出る理由も良かったと思います。上がり3話のエリスの内面は良く描けていたと思います。
 初体験のワインを破瓜の血に見立てた演出は、まあ、婉曲ではありますが、クリエータが狙ったほど詩的ではないし、直接的でしたね。

 エリスに殴られたルーデウスとオルステッドに殴られたルイジェルドの動きが一緒だったりしてましたね。反復の演出がすきなんでしょう。

 気になったのがルーデウスはラプラスよりも魔力量が多いって言ってましたね。それとヒトガミっておっぱいある?


 で、総評すると、2期が来る前提ならかなり評価は高いです。ただ、1期だけで投げ出された状態だとなんとも微妙な終わり方でしたね。本好きの下剋上みたいにどんどんやってくれるなら、更に評価は上がるでしょう。

 1クール目にくらべて2クール目はエリスとルイジェルドの成長が継続して良く描けていて、そこに視点を向けると面白いと思います。ルーデウスに関しては父親問題や家族問題が、初回で感じたほど突っ込めていなかった印象です。最終話の中の人の過去も効果的なように見えて、思っていたよりも深さを感じられませんでした。

 ヒトガミ、キシリカ、犬の聖獣、オルステッドその他設定が思いっきり広がったので、散らかすだけ散らかしてなんじゃこりゃ?だったですね。これは今回見返しても、やっぱり最後まで見ないと、ストーリーそのものの評価は保留せざるを得ません。

 ということで、かなりの秀作だと思います。が、この段階では名作認定はできないかなと思います。この23話ではまだやり散らかしていて、とりあえずの区切りも見せていませんし。さすがにせめてテーマ、謎の畳み方、キャラ達の成長の結果、世界観の全体像などなどが見えないと名作かどうかは評価できないと思います。

 そうはいっても話として23話かけてルーデウスの成長だけでなく周囲の人間の変化も描けていて、中身もあったし面白かったと思います。
 それと「異世界転生」というカテゴリーとしてのマイナスを初回より全く意識しないで見られたのは、物語の組み立てがしっかりしているからだと思いました。

 作画がいいのはもちろんですが、本作はOPの尺の使い方や演出、背景美術やエフェクト・撮影などの画面作りに感心しました。

 

 アニメってリアルタイムの楽しみもありますけど、時間をおいて再視聴して、じっくり見る方が良く見えてくる部分がありますね。


 音楽は点数調整です。さすがに4.5以下にはできないかな、とは思います。

 初回のレビューは長くなりましたので消しました。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 55

ミロク さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

高水準クオリティのはずだが、不当な低評価・荒らし・煽りレビューが目立つので対応を検討。

異世界作品の中では随一の品質であると言えます。
ただ何故か不当な低評価を付けるアンチや荒らし連中が多い。
その大半の理由として挙げられるのが「主人公が気持ち悪い」という『アニメの完成度』とは全く関係のない個人の好みである『性質への主観評価』である。
この『アニメの性質』だけで他の評価も不当に下げられる始末。


※【『レビュー絞込検索』をすれば、すぐに分かります。】※


『性質への評価』を投稿した方々は、逆に貴方達が高評価した作品にも「同じ事が言える」という事を理解しているのでしょうか。
この「性質への評価」については後述します。



無職転生は原作未読、特別に思い入れがあるというわけでもないが、このシーズンでは最も完成度が高かったのを記憶している。
物語構成、世界観、緻密な設定、背景やキャラの見せ方、演出、メッセージ性など、どれを取っても他と一線を画す出来栄えになっている。

陳腐な異世界物ではない。
分析的に視聴すればより顕著にそれがわかる。
道具一つとっても描写がとにかく丁寧で凝っている。

「絵」だけでキャラの心情や背景等も理解しやすいよう配慮されている。
そしてオープニング音楽(複数曲)を大陸ごとに切り替えて使用している。
声優に関しても非の打ち所がない。
作画は高次元に良く、近年のアニメ作品と比較しても最上と言っても過言ではない。

無職転生のファンでなくとも、高評価せざるを得ない完成度。
2クール目を加味しなくとも高水準である。

しかし、上記でも述べた悪質な連中が思いの外多いので、今回下記のように指摘させてもらう。



まずは「この作品を高評価する人間は現実では●●だ~」「現実逃避をしている~」と、煽るレビューがあるので、逆に返します。

ここ近年のアニメの傾向として可愛いヒロインを押し売りする様な物ばかりが出て、それがなぜか高評価を受けています。(物語がぱっとしないにも関わらず)
「高評価する人は現実では●●だ」と主張する側の全く同じ論理で、リアルで彼女いないんですか?可愛い女の子達を見て癒される必要ありますか?現実逃避ですか?(笑)となるわけです。

「この作品を高評価する人間は現実では●●だ」という輩の高評価している作品を見ていますが、大体が「最強主人公」「ラブコメ」「可愛い女の子達が主役」に偏っている。

しかも他の作品と比べて評価項目が平凡レベルなのにもかかわらず満点に近い評価。

※【不当な低評価を付けている連中の高評価する作品の傾向を見れば分かります】※

中二病ですか?(笑)スカっと系が好きな中二病の痛いお子様ですかね(笑)現実で無双出来なくてアニメで現実逃避(笑)


『最強主人公』『ラブコメ』『可愛い女の子が主役』系のアニメは、現状リアルでダメダメで勉強も運動も出来ない、彼女もいない充実していない……等、そういう奴が現実逃避で楽しむ作品だよね(笑)
いいよね!アニメで夢を見られて。現実は悲惨なのに(笑)
高評価で絶賛してる人はまあ……そういうことだよね(笑)



と逆に煽り返すが可能です。
現実と乖離している分、こっちの煽り返しの方が効果抜群です。
完全にブーメランが刺さっています。

このシーズンのアニメのランキングでウマ娘が1位をとっていますが、まさにそれを物語っていると思います。

あれが普通の馬だったらどうでしょう、あれが可愛くないキャラだったら魅力を感じるでしょうか。可愛いヒロインだからこそ成り立っているわけです。特に男受けが良いからこそ、強引に擬人化してキャラを可愛くしているわけです。

可愛いヒロインが出ているからという理由で満点評価を付け、この作品には不当な低評価をつける。
この作品では「癒し」や「最強」等を感じ取れない為、現実逃避しづらいという理由もあるのでしょう。


「現実逃避をしているか否か」の観点なら、「可愛い女の子が主役の癒し系」「主人公最強系」の方がよっぽど現実離れしていますし、「ご都合主義なラブコメ物」も現実から目を逸らしています。

現実逃避したい人、ご都合主義の世界に浸りたい人からすれば、この作品、無職転生との相性が悪いのかもしれません。

この作品は現実との距離が近く、人間の悪い部分(男女の性欲、理不尽な災害、殺人)等、沢山出てくるので、幸せな気持ちになりたい人(現実逃避したい人)にはとことん向きません。


私は別にこの作品の信者ではありませんが、完成度だけは他の作品よりも突出して高いと考えています。
その為、荒らしによる不当な低評価とレビューを見て大変不快に感じました。彼らが高評価している作品はお世辞にも完成度が高いとは言えません。他のレビュー者も言っていますが「ネガティブハロー効果」が起きています。

これだけの作品に仕上げてくれた制作会社への敬意すら感じない。
制作会社は報われませんね。

その為この作品、自分の中では4.6くらいの評価ですが、5にします。
本来自分がアニメに点数を付ける事なんてありえないのですが、価値観の一言では片づけられない、あまりにも偏ったレビュー・不当な低評価が目立つので対応します。

仮の話で、アンチや荒らし連中の行いが「価値観の一言」で片づけられるならば、子供向けの作品、主人公最強系、可愛いヒロインだけが出る作品、スポーツや音楽系の作品など、
自分はこのへんが特に嫌いなので低評価をつけますよ。これは不当な低評価ですか? でも貴方たちのやっている行いが正しいものとするなら、
「不当評価なんてものは存在しない」ってことになりますからね。



『好みは人それぞれ異なる、各々の価値観だ』という主張は理解できますが、だからといって全く道理に合わない低評価は目に余ります。




本来、低評価すべき作品というものは、例えば「作画崩壊or作画が雑」「声優が棒読みor下手」「物語に一貫性がない、矛盾」「キャラが立っていない(掘り下げ、個性不足で存在感がない)」「音楽が合わない、うるさい」など、こういった形である事が普通であり、その上で他作品の評価状況と比較した上での判断になります。

この作品はどの項目においても、十全に近い状態で丁寧に制作され高評価に値します。無論、他作品と比較しても高水準です。
これは決して贔屓をしているのではなく、明らかに他の作品と比較しても桁違いにレベルが高いから言っています。



貴方達も自分が高評価する作品を「最強主人公が出る奴は中二病、キャラ評価☆1」「可愛い女の子だけが出るなんて非現実的、キャラ&物語の評価☆1」「ロボットがダサすぎて集中できなかった、それ以外は割と普通だけど、ロボットがゴミ過ぎて途中断念、オール☆1」「擬人化とか気持ち悪すぎオール☆1」「主人公覚醒とかご都合主義過ぎ、オール☆2」「仲間の慣れ合いがキモい、作品全体としては良いけどオール☆3」「ラブコメとかリアルで恋人いない奴が視聴する作品(笑)主人公やヒロインは美形ばかりで非現実的、それだけで他の良い要素ぶち壊す程なのでオール☆1」など主観に偏り過ぎる評価をされたら嫌でしょう。これを『価値観』の一言で片づけたら更に荒れます。

そもそも、それぞれのアニメ作品ごとに『性質』があります。
この『性質』を単純な「個人の主観的過ぎる好み」で評価していたら、
制作側も何の考えもなしに「視聴者受けの良い作品」ばかりを世に送り出して「似たような作品」が大量に溢れ出てきます。

もう既にそのような兆候は出ています。先ほども言った通り「とにかく可愛い女の子を主役にした作品」を出せばウケが良いだとか、そういう「個性のない作品」ばかりが増えてきています。

「個人の好みで作品を評価するものだろ!」と主張している人は、貴方が高評価する作品を上記の様な「他は完成度高いけど、キャラが非現実的だし、全く共感できないから☆2が妥当かな(笑)」「グロ作品なんだろうけど、グロ嫌いだから☆1」「恋愛作品なのはわかるけど、恋愛嫌いだから☆3」なんて『性質』への主観的過ぎる評価で作品の点数を下げられたらたまったものじゃありませんよね。

だからこそ「性質」ではなく純粋な『完成度』に着目して評価するべきなのです。
そうすることで多様なジャンルの作品が生まれますし、制作のモチベ向上にも繋がります。

「完成度」に着目せず、ただ「個人の性質への主観的過ぎる好み」で評価する人は視野が狭いですし「自分が同じ事をされたら嫌」ですよね。
「自分が同じことをされても良い」という考えの人は名乗り出てください。
貴方が「個人的過ぎる好みで性質への低評価をしているレビュー内容」をそのまま「貴方の高評価する作品」に返す事もできますので。
例えば「キャラが気持ち悪い」というのも、そのまま貴方の高評価する作品にも当てはまります。どの作品にも共通して言えることです。
何故なら「個人の好み」だからです。

「完成度」についても個人の主観的要素は当然含まれますが、少なくとも、
「キャラ嫌いだから」「バトルがないから」「主人公が最強じゃないから」「ご都合主義じゃないから」なんて「性質についての主観評価」にはならないはずです。

この作品は確かにキャラの個性が強いですが、それはあくまでもアニメの「性質」に過ぎません。「性質への評価」が罷り通のであれば、貴方の高評価する作品に低評価を付ける事ができます。

この流れは作品の幅を狭める事にも繋がりかねないので、「完成度」に重きを置いて「評価すべき」と繰り返し言っています。



純粋に完成度の高い作品を不当に貶す行為は、制作会社への侮辱でもあるので、今後の事も考え、私は絶対に許しません。

手抜き作品に対する批判であれば分かりますが、今回の一件に関してはあまりにも的外れな主観が入り過ぎている「不当な低評価」と言えます。
真面目に他作品と『完成度』を比較してください。


ただでさえアニメ業界は低賃金であるというのに、頑張って制作した「完成度が非常に高い優れた作品」を個人的過ぎる感情で不当に貶すのは大変失礼です。

アニメ業界の未来の為にも、
完成度の高い作品は、制作側への感謝の気持ちを込めてください。
逆に完成度の低い作品は相応の評価をしてもらって構いません。



また無関係の人をむやみに煽る民度の低い方達もいる様なので、通報もしておきます。

現実に近い物語だとしても、現実とアニメは別物です。
現実に置き換えて話そうとする輩は揃って荒らしです。

この作品以外にも上記で述べた「性質への主観評価」が沢山見受けられますが、私は今回此方の作品を取り上げました。

なぜなら、此方の作品については特別「完成度が非常に高い」からです。
純粋に制作会社を賞賛すべきです。
にもかかわらず、「キャラの特徴」性質だけの的外れなレビューに加え全く妥当性のない不当な低評価をしている方が沢山います。

そんな事ばかりしていたら「偏った性質」「視聴者に媚びる個性のない作品」ばかりが世に出てきます。



私が強い憤りを覚えているのは「この作品だから」という特別な理由ではなく、「完成度が非常に高い作品だから」というものです。
「完成度が非常に高い作品」であるにもかかわらず、全くもって不当な低評価、的外れなレビューをしている方々が沢山いたのを確認したので、今回初めて投稿させていただきました。



今後このような『完成度の高い作品への不当な評価及び侮辱』が続くようであれば、不当に評価する者をリストアップした上で様々な角度から対応を検討します。

※ちなみに現在不当評価者(荒らし含む)をざっと確認したところ、同一人物と思われるアカウントが多数見つかりました。私の中では別々の人間が不当評価を行っているものと考えていましたが、このようなケースもあるんですね。
下げられた分の評価を上げる等の対応も今後必要になって来る場合があります。加えて彼らの扱いについても十分に検討する必要がありそうです。

ひとまず現在の不当評価者(荒らし含む)と新規の不当評価者の動向を観察し対応方法を決めていく次第です。

※【不当に低評価する人間、荒らし等の情報は『レビュー絞込検索』(☆3~☆1)をして、彼らのプロフィール内に入れば高評価作品の傾向&偏りを掴む事ができます。(絞込検索をした後、サイト内文字列検索で「2022/01」と最新の日付を指定して検索すれば不当評価者の最新投稿を取得可能です)】※

投稿 : 2025/03/01
♥ : 7

54.3 3 パーティで旅なアニメランキング3位
探検ドリランド(TVアニメ動画)

2012年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (37)
178人が棚に入れました
小さな国エルアの姫ミコトは、幼い頃に町を訪れたある人をきっかけに、ドリランドのあちこちに眠る宝を探すハンターになることを決意した。ある時、ミコトは世話係のウォーレンスと小さな探検に出かけるが、道中で英雄になることを夢見る狩人ポロンと、放浪の騎士バーンと出会い、一緒に旅を続けることになった。色々なハンターたちと出会いや別れを繰り返し、成長していくミコトたち。しかし旅を続けるうちに、ミコトたちは、ドリランドにとてつもない危機が迫っていることを知る。それを裏づけるかのように、ドリランド中に出現する謎の巨大な怪物。迫り来る危機に立ち向かうミコトたち。果たして、彼らの運命は・・・

声優・キャラクター
宮本佳那子、野島健児、くまいもとこ、内山昂輝、野沢雅子、日笠陽子

どどる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ちょっと大人向けの子ども向けアニメ

細かく良いところがあるホビーアニメのようなソシャゲアニメ。
子ども向けらしく順当におもしろい!のですが、わたしが特に気に入ったのは、子ども向けっぽくないいくつかのポイントでした。

1、重要なシーンの言葉数が少なめ
言葉数を多くすればなんで仲間が大事かとか分かりやすいのですが、わたしは言葉数が少ないけど分かるほうが好きです。
しみる。

2、描写の細かさ
とどめを刺さずに見逃したことを「すまない」って味方に謝ったりする。
結果は同じなんですが、俺はあいつが好きだからとどめが刺せなかった、って言えば「本当は倒れて動けなくなった敵にはとどめを刺すべき」という世界観がうきあがってくる。
そういう小さな描写がとても多く、世界に奥行きを与えています。

3、ミコトがかわいい
萌え好きマンなので。


子ども向けだと重要なシーンは分かりやすいように説明してしまう傾向があるのではないかと思うのですが、このアニメは本当に一瞬一瞬でシーンを流していくことがあって、あっ今すごい重要なシーンが1秒で終わった!と思うとかえってそれに心をとらわれる。そういう演出が要所要所で印象を引き立てています。
しぶい。

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3

AKIRA さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

このアニメは課金しなくても観られます

視聴中

GREEのカードゲーム的なやつね

野沢さんがまさか出ているとは… 声聞いたとき耳を疑ったわw

内容を見た感じでは深夜にやるというよりも夕方にやってそうな内容

視聴完了
原作がまぁアレなんであまり良く見られないかも知れませんが作品自体は王道的展開で結構普通に見れましたよ。

まぁ他の王道作品と比べてしまうとかなり劣って見えてしまうかも、中盤から作画の荒さもやや目に付きますしね。

4月から新シリーズが始まるみたいですがそちらも見るかは少し迷いますね…

投稿 : 2025/03/01
♥ : 3

parn-love さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

めっちゃ最高\^^/

今まで見てきたアニメの中で一番面白かったです!
初めは、2クールぐらいで終わるのかと思ったけど、(深夜番組だしw)3クールも続いてくれたのでよかったです。
とくにキャラクターのデザインがとても気に入りました☆
声優も豪華だし、見応えもありました。
2期も始まったので見ていますが、(パーンが出るため)個人的には1期のほうが好きです。
まあ、とにかく1期探検ドリランド制作お疲れ様でした!

投稿 : 2025/03/01
♥ : 1
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