パーティで悪魔なおすすめアニメランキング 6

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88.6 1 パーティで悪魔なアニメランキング1位
葬送のフリーレン(TVアニメ動画)

2023年秋アニメ
★★★★★ 4.2 (623)
2024人が棚に入れました
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。 千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。 その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。 その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

旅と魔法

「鏡蓮華」のエピソードを読み解く、などと前に予告しておいたものの、
その後は作業が停滞したまま、恥ずかしながらいまだに果たせずにいる。
もし万が一にも待って下さっている方がいるとしたら(いないと思うが)
お待たせしてしまっていることをお詫び申したい。

現状打開のための苦肉の策として、今回は過去投稿分を取り敢えず整理してみた。
「私記」などという気取ったタイトルを付けたのは、要するに本稿が
ひたすら作品理解のためだけに書かれた、純然たる自己満足に過ぎないことを
自嘲を込めて言い表したかったからである。


 「フリーレン私記」

{netabare}Ⅰ 蒼月草と青い魔法

{netabare}今季覇権の最有力候補とされるだけあって、さすがに充実している。
独特の坦々としたリズムで運ばれていく、ヒューマンな感情が濃厚に織り込まれた物語を
虚心に味わうことのできる、抜群の安定感と完成度である。
原作の世界を過不足なく再現することが基本コンセプトのようだが、
自分がたまたま気づいた、アニメ独自の創意が認められる部分について書こうと思う。

アニメの第2話Bパート。原作では第3話「蒼月草」。
とりわけ色彩の効果には、並々ならぬ力の入れ具合が感じられた。
紅葉した深秋の森と、蒼月草のコバルトブルーの鮮やかな対比が実に印象的だ、
勿論、原作には色はついていないわけで、アニメの強みを生かした
視覚的なインパクトを狙ったというような、単純な理由だけでもなさそうだ。

アニメでは原作にはない魔法が一つ追加されているのである。
足跡を魔法で浮き上がらせるというもので、こちらもサファイアのような青色になる。
そしてこのとき、杖の魔法石(?)がいつもの赤色から青色に変わっている。

ここに気づいたとき、いつもの如く我流の深読みを触発されてしまった。
と言うのも、初回四話をまとめて観た直後に勢いあまって原作の既刊分を一気に通読し、
抽出してみたシェーマに、この演出がぴたりと嵌まっているように感じられたからである。
以下には要旨だけをメモ風に記しておく。


「葬送のフリーレン」。

このタイトルに二重の意味があることを、原作既読の方はすでにご存知だろう。

作品全体を俯瞰したとき、そこに認められる二つのフェーズ、すなわち、「闘争」と「平和」。
これら二つのベクトルの二面性を、このタイトルが表しているものとまずは仮定したい。

今話のエピソードには、このシェーマが分有されていると考えられる。
一方の「平和」は表層に、他方の「闘争」は深層部から、予見的に読み取ることができる。

エピソードの中心となるのはフリーレンの「花畑を出す魔法」である。
その場面。勇者パーティーが佇んでいる場所は、戦いで無残に破壊された聖堂。
フリーレンの魔法によって、荒廃した堂内も周囲も一面に花で覆いつくされ、
歓喜した一同は子供のように無邪気に花々と戯れる。

実はここには、アニメオリジナルの演出がある。
原作では魔法で花畑に変わるのは、何もない荒地のような場所だった。
したがって、ここに一つの創意が加えられていること、
その意図が明らかに「平和」への願望を表現するものであること、
つまり、この演出には一つの解釈が含まれているということ、などが解る。
解釈とはフリーレンの魔法について、さらに具体的には「花畑を出す魔法」についてである。

そもそも今話で語られている蒼月草のエピソードには、
単にヒンメルにまつわる思い出話にとどまらずに、
フリーレンの魔法の本質を示唆する、極めて重要な内容が含まれているのである。

フェルンとの対話を順を追って引用する。

  フリーレン様は本当に魔法がお好きなのですね。
  ほどほどだよ。フェルンと同じで。
  少し違うような気がします。
  同じだよ。

 (蒼月草の花を咲かせる魔法は)ヒンメル様のためですか?
  いや、きっと自分のためだ。

  フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
  (・・・・・)
  私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
  くだらない理由ですね。
  そうだね。

この「そうだね」の時に見せたフリーレンの含みのある表情を、アニメではさらに強調していて、
「くだらない」にこめられたアイロニカルなニュアンスを示そうとしている。これも解釈の一環である。
(あまり使われない言葉だが、「韜晦」というのがしっくりくる気がする。)

ここで暗示的にほのめかされた事実がはっきりと明示されるのは、先取りになるが、
原作3巻の21、22話。そしてこの21、22話こそは、物語の核心となる最重要部分である。
そして、フリーレンの魔法が孕む「闘争」の契機を見出せるのはまさしくそこなのだ。

フリーレンの魔法に関わる隠された真実が明らかになる。(原作未読の方は要注意。)

一千年の間、一瞬の休みもなく、彼女は
魔族を欺き殺すのための魔法の修練を行い、「復讐のための魔法」を鍛えつづけている。

それこそが「闘争」の魔法に他ならない。

その常軌を逸した、異常なまでの執念に触れたとき、
われわれははじめて、彼女が生きてきた千年という時間の生々しい手応えを感じとる。
同時に、このキャラクターの実存の深淵を垣間見た思いがするのだ。

"くだらない"魔法への彼女の執着は、この秘密を踏まえてはじめて理解される。
すなわち、"くだらない"魔法とは、「闘争の魔法」の対極にある、「平和の魔法」のことなのだ。

フェルンに語ったように、彼女が魔法を収集する最大の動機が
"くだらない"魔法を褒めてくれた「馬鹿」たちとの思い出だったとしても、同時に、
この極限的な緊張から生じる反動が、それを求めさせているのだろうと考えずにはいられない。
「きっと自分のためだ」という言葉は、そのことを言っているのではないだろうか。

魔法は「ほどほど」に好き、という抑えた表現にも、この外部からは見えない背景に絡んだ、
魔法に対するアンビバレンツな、複雑な心情が滲んでいると見ることができる。

だから、「花畑を出す魔法」とはまさに、求められた「平和の魔法」の精髄なのである。
そして、この解釈を踏まえて演出家は、「平和」のシンボルカラーとしての青色を
このエピソードの全体に散りばめたのだろうと思う。

今話に限ってなら、「平和の魔法」は「青い魔法」とも言い換えられるだろう。
それはフリーレンにとってもフェルンにとっても、純粋に、心から愛すべき魔法のことでもある。
フリーレンの言葉をきっかけにフェルンが思い出す、ハイターとともに見た幻の蝶の飛翔も
やはり透明で幻想的な青色をしていた。

因みに「花畑を出す魔法」は、22話に再び登場する。と言うより、そこでその原点が語られる。
それは本作の「葬送」のモチーフの一変奏であり、その最も美しい結晶でもある。


要するに、第2話Bパートの演出は、色彩を用いたシンボリズムによって
作品の本質を表象しようとしたのではないか、ということを言いたかったのである。

序盤で示された時間、および死をめぐるテーマ性が縦糸であるとすれば、
ここで導入される闘争―平和のシェーマは、ストーリーを織り成していく横糸と言えるかも知れない。
この解釈の当否はさておき、遠からずアニメでもタイトルのもう一つの意味が明らかになり、
そこを転換点として物語は第二の「闘争」のフェーズに突入することになる。{/netabare}


Ⅱ 花畑を出す魔法

{netabare}クール終盤あたりから徐々に興味が減退し、第二クールに入ると視聴も滞りがちになった。
巷では大いに喝采を博したバトルなども、ただただ辟易するばかりだったのだが、
何とか最終話まで完走し、テーマの最終的な帰着点を確認できたのは幸いだった。
前章で抽出した「闘争―平和」のテーマが"回収"される過程として、以下に辿ってみたい。


今回、鍵となるのは最終二話のゼーリエである。
ここでも演出に着目しながら、第27話終盤の場面から繙いてみる。

最終試験の試験官として、フリーレンと対峙するゼーリエ。
この二人の対面シーンは明らかに「対決」の様相を呈したものになっている。
ゼーリエの挑発をフリーレンは淡々と受け流しつづける。
まずはこの対話中に挿入される花のカットを注視していきたい。

六枚の花弁のある白い花。それは明らかにフランメの墓を包む花畑に咲いていた花である。
したがってほぼ確実に、フランメを暗示するメタファーと捉えることができるだろう。
このメタファーがさらに象徴的に深化する過程を、少々細かくなるが跡づけていく。

フェルンがゼーリエの面接を受けている場面を見てみよう。
彼女の魔力の揺らぎを見破ったフェルンにゼーリエは弟子入りを促す。
その場面でほんの一瞬だけ、水に散った白い花びらのカットが挿入される。
勿論、例のフランメの花なのだが、ラストでまた意味ありげに映されている。
同じ演出が回をまたいで、デンケンとの面接にまで引き継がれていることを考え併せると、
おそらくこのイメージは、老い、衰え、散ってゆくいのちの儚さ、
つまりは人間の生の短さを花に託して暗示するもののようである。

人間のいのちの儚さを薄命な花に重ね合わせること。これはまさしく
神話の時代から何千年もの間、使い古されてきた超絶ベタなメタファーであって、
だからこれを指摘しただけでは何も言ったことにはならない。
重要なのはこのイメージがある「心象」を表現していることである。
「心象」とは文字通り、「心」の「象(かたど)り」。具体物に託して表象される心の在り様。

では、それは誰の「心」なのか?・・・言うまでもなく、ゼーリエの心である。

さらに注意を研ぎ澄ませて、ふたたびフェルンとの場面を凝視してみる。
すると、花びらが映る直前、フェルンに向けられたゼーリエの眼差しが一瞬捉えられている。
この流れを自分なりに解釈すると、おそらく彼女が弟子をもつ度に経験してきた死別の哀しみが、
フェルンを見て一瞬、予感のように心をよぎった・・・そんな風に自分には思われた。

つまり、ここでの花びらもゼーリエの内面に抱かれた「心象」であり、
人間の「儚さ」のメタファーであると見て間違いはないと考えられる。さらに言えば、
最終話で彼女は、水面に浮かぶ花びらを足ですくったり、指につまんで吹き飛ばしたりしているが、
この仕草には、常に弟子たちに先立たれる者の虚しさ、やり切れなさが表れているようで、
ややくどいくらいに、演出面でこの心理を強調しようとしている節がある。

ここまでのイメージの読み解きから明示される事実を整理しておく。

あらためて出発点に立ち戻ってみると、本作の基本となるキャラクター設定、すなわち
「千年生きてきたエルフ」という設定は、必然的に物語に二つの視点を導き入れるものだ。
一つは、エルフ視点で見たときの人間の「儚さ」。
そして反対に、人間視点で見たときのエルフの「孤独」。

勿論、物語の冒頭から主人公たるフリーレンがそれを体現しているわけだが、
最終盤でさらに尖鋭に、この両者を同時に我々に示して見せたのが
彼女と対峙したゼーリエの方だったという事実。これは自分にはかなり衝撃的なものだった。
ゼーリエとフリーレンとが実はパラレルな関係にあること、
いわば「葬送のゼーリエ」としてのその像が鮮烈に印象に刻み込まれた結果、
作品全体の基調音となる「葬送」のモチーフが実感的に把握できるようになったのである。


ただ、自分の感覚ではこれはテーマというより、テーマ風のモチーフであって、
作品のパッケージとなる設定、ないしはコンセプトとでも呼ぶ方が適当な気がする。
自分の関心はさらにもう一歩踏み込んだところにテーマを見出すことにある。
このシーンが重要なのは、そのいわば「テーマ回収」が実行されているためであって、
その核心となるのがゼーリエ、そして「花畑を出す魔法」なのである。

最終話でフリーレンがレルネンに語ったところによると、
二人の対話の最終局面にはこんなやり取りがあったらしい。
退出する間際、フリーレンはゼーリエにこう問いかける、

  この花畑、魔法で作られたものだ。・・・
  先生が好きだった魔法だ。くだらない魔法だって言っていなかったっけ?

この皮肉に対して、意外にもゼーリエは自分の想いを率直に語り始めるのだ。

  ・・・フリーレン、なぜかわたしは弟子をとって後悔したことは一度もないんだ。

二人がいる広壮な屋内庭園。そこはフランメが好きだった魔法で作られた花畑だった。
その一隅には彼女の思い出に結びつく例の白い花も咲き混じっている。そしてその場所が、
花々を眺めながら、亡き弟子たち一人一人の在りし日の姿を思い返し、
彼らの短かった生に思いを馳せる、そんな追憶の場所であることが彼女の言葉からは窺える。

これがゼーリエの「葬送」のかたちであったとするなら、
この、本人いわく"くだらない"魔法に対するゼーリエの態度の中に、
「闘争ー平和」のテーマの最終的な決着が示されていると見てよいのではないか。
すなわち「葬送」を媒介にした「闘争ー平和」という対立の構図の止揚である。

Ⅰ章で自分はこんな解釈を提示してみた、

  "くだらない"魔法とは、「闘争の魔法」の対極にある、「平和の魔法」のことなのだ。
 「花畑を出す魔法」とはまさに、求められた「平和の魔法」の精髄なのである。

つまり、「闘争」の権化のようなゼーリエの内部に、平和への希求が潜んでいるという事実。
ここに魔法パートを底流する包括的なテーマが読み取れるのではないだろうか。

この理解によって、魔法パートの物語を"内在的に"俯瞰する視点が確保される。
そしてそれは取りも直さず、本作におけるテーマの内在性を示すものでもある。
シンボルとしての「花畑を出す魔法」を中軸に描き出されるのは、
ゼーリエ、フランメ、フリーレン、フェルンの四代にわたる「師弟の物語」である。

いま、フリーレンの弟子フェルンによって「人間の時代」の扉が開かれようとしている。
それはフランメの願いがフリーレンを介してフェルンに託されたことを意味している。
ひそやかに紡がれる「平和の魔法」の系譜、それこそが魔法パートの物語の核心であり、
平和の希求のテーマは。最終話のゼーリエに至ってその円環を完結させるのである。

単なるストーリーの伏線回収よりもさらに高度で、さらにスケールの大きな
いわば「テーマ回収」のプロセスを経て、この物語ははじめてその全容を現すもののようだ。
すなわち、四人の大魔法使いの群像による、千年に及ぶ壮大な人類魔法史である。


これもやはり対話の中で明らかになるのだが、
「花畑を出す魔法」にはもう一つ、作中における重要な機能がある。
フリーレンがゼーリエに語った、ヒンメルとの出会いにまつわるエピソード。その内容は
ヒンメルがまだ少年だった頃にすでに一度、偶然フリーレンと出会ったことがあり、
そのとき見たこの魔法が、のちにフリーレンを仲間に選んだ理由だった、というもの。

  きっとこれはただの偶然に過ぎないことだけれども、
  ヒンメルたちと出会わせてくれたのは
  先生が教えてくれたくだらない魔法だよ。

・・・ヒンメルとの出会いは彼女にとって運命の分岐点となるものだった。
そしてその直接の契機となったのがこの魔法だったのだ。
さらにそれはまた、魔法パートから旅パートへの分岐点を意味している。


例えばこのエピソードを、第2話の伏線の回収と見なしてみる。
Ⅰ章で指摘したように、第2話の花畑のシーンはテーマ寄りに解釈できるものだが、
この魔法がヒンメルにとって特別なものであった理由が遡って明らかにされることで、
このシーンの彼の心情、特にフリーレンに示した態度に奥行きが加わるのである。
同じようにフリーレンについても、この旅立ちの"前史"を踏まえることによって、
より深くその内面を理解することができるようになるのではないだろうか。

前にも引用したフェルンとの会話、

  フリーレンさまは何故、魔法を集めているのですか?
  私の集めた魔法を褒めてくれた馬鹿がいた。それだけだよ。
  くだらない理由ですね。
  そうだね。

Ⅰ章では「過去」に遡りつつ、彼女にとっての魔法の意味を導き出したのだが、
ここでは視点を「魔法を褒めてくれた馬鹿」、すなわちヒンメルや仲間たちの存在に移すことで、
彼女の「いま」がより鮮明に実感できるようになる。
それは同時に、フリーレンにとっての旅の本質を理解することにつながる。
仲間との旅は彼女を人間へ向かわせるベクトルを内包していた。
人間の時間に踏み入ることで、永遠のような孤独な時間から彼女は解放されたのである。
おそらくそれは、魔王を倒したこと以上に価値のあることだったのではないか。

仲間との出会いによってもたらされたフリーレンの「現在」。
この「いま」を読み解くこと、それが旅パートを理解することなのではないか。

最後に一つ指摘しておきたいのだが、実に興味深いことに、
旅パートを構成する時間の内部に、魔法パートの時間軸を構成する契機が存在している。
・・・そう、フェルンである。フランメの後継者として、やがて人間の時代を到来させるだろう彼女は、
まさしく魔法史の「未来」を具現する存在なのである。
その意味で、はるか後のフェルンとの出会いにつながる、出発の契機としての花畑の魔法は、
作品全体のいわば「原点」であり、旅と魔法を"架橋"する結節点なのである。


以上から、この作品の本質的な構造性が確認できたと思う。

 序盤で示された時間、および死をめぐるテーマ性が縦糸であるとすれば、
 ここで導入される闘争ー平和のシェーマは、
 ストーリーを織り成していく横糸と言えるかも知れない。

序盤の段階で提示したこの仮説はもちろん不完全なものだったが、
着眼点と推論の方向性に関しては、概ね妥当だったと言ってよさそうである。

魔法パートが内包するフリーレンの過去、および魔法の系譜を横の時間軸とすると、
旅パートはこの軸に縦に交差する固有の時間性を有したフェーズであり、
その交差する一点が、ストーリー線上の「現在」なのである。

この「現在」の背後には、数千年にわたる魔法をめぐる闘争史が潜んでいるわけで、
本作をトータルに見るためには、この構造面を複眼的に捉えるアプローチが必要になる。
(あるいは私たち視聴者は暗黙裡にこの複眼的な観方を強いられていて、その結果、
この作品に漠然と「深さ」を感じ取っているのかも知れない…。)

そして、これはそのままこのヒロインの理解についても言えることなのだ。
魔法パートのフリーレンと旅パートのフリーレン。双方の時間が複層的に重なり合う中に、
彼女の生きた軌跡が紡がれ、内面が投影される。
前に試みたような尋常一様の心理的アプローチでは到達し得ない局面である。{/netabare}


Ⅲ 鏡像

{netabare}魔法パートに引き続いて、旅パートの読解を試みようと思う。が、
まずはかなり突飛な着想に即した解釈になっていることを最初にお断りしておく。
尋常のアプローチが行き詰って考えあぐねていたとき、ふと気づいたのが、
「対照(コントラスト)」と「対称(シンメトリー)」というシェーマだった。

Ⅱ章で述べたように、ゼーリエが「葬送のゼーリエ」となることによって、
フリーレンとの対比関係がこれまでの「対照性」から「対称性」に移行する。
表層の「対照」の奥に、より本質的な「対称」が潜む構造が認められるのである。

旅パートはまさしく、この構造に基いている。
過去と現在、フリーレンの二つの旅がパラレルに並行するストーリー。
しかも、同じルートを辿り直すという相似的な対称性をも示している。

この着眼から出発して、対称性を生み出すメカニズムについての推論を試みた。
まずは抽象的なシェーマを具象的なイメージに変換し、
イマジネーションの磁場を形成しつつ物語を主導する「力学」を読み解いてみる。


アニメ第2クールの一級魔法使い試験編。
一次試験を通過した受験者は、二次試験の舞台となった「零落の王墓」で、
自分たちの完璧な複製体に遭遇し、バトルを繰り広げる。
迷宮の最奥に潜み、複製体を創り出して侵入者を排除するこの魔物の名は
「水鏡の悪魔(シュピーゲル)」という。

・・・そう、「鏡」なのである。
鏡とはまさしく、光学的なメカニズムを用いて「対称性」を現出させる装置に他ならない。
「水鏡の悪魔」という魔物の名前から類推すれば、複製体の正体は「鏡像」である。
あたかも迷宮に潜む魔物のように、物語の深層に原型的な「鏡」のイメージが潜在し、
その作用によって「鏡像」が生み出される。それが本作の対称性の本質なのではないか?
自分にはそんな風に思えたのである。

とは言え、"物証"となるような「鏡」の実物は作中には見出されない。
だがむしろ、そのことが逆に事の本質を示唆していると自分は考える。
重要なのは本作の「鏡」が、象徴性をはらんだ"名辞"としてのみ現れることである。
言語学で言うところの「シニフィエ」ではなく「シニフィアン」としての機能であり、
テクスト論の概念を用いれば、要するにそれは「記号」なのだ。

深層のイメージとしての「鏡」は、対称性を生み出す記号的な機能を担いつつ、
物語空間の内部に固有のイメージの連鎖を形成してゆく。具体例としては、
第5話に登場する、親しい死者の生前の姿を模倣して幻惑する「幻影鬼」という魔物。
あるいはリーニエが用いた、過去に記憶した相手の魔力を真似るという「模倣する魔法」。
そして、これらに反復される「模倣・転写」のイメージは、より包括的な「本体―複製」、
すなわち「オリジナル―コピー」という関係式に還元できることに注意したい。

自分が試みたいのは、この着想を旅パートの解釈に応用してみるというものだ。
思い切って次のような仮説を提起してみよう。すなわち、
フリーレンの現在の旅は、かつての旅の「鏡像」であり、「複製体」である。
つまり「オリジナル」に対する「コピー」である、というもの。

二つの旅の目的地は同一であり、ほぼ同じルートを辿り直す旅である。
このシンプルな再現性に加えて、同行する旅仲間にもコピー的な要素がある。
かつてのパーティーの代替要員として、ハイターにはフェルン、
アイゼンにはシュタルクが、オリジナルの空席を埋めるかたちで充当されている。
(この点に関しては、すでにnyaroさんがレビューで指摘されている。)

ここで際立つのがヒンメルの「不在」である。
ヒンメルの「代替」だけが欠落しているという事実が意味するもの、それは、
ヒンメルという存在が代替不可能な、"絶対的な"オリジナルであるということだ。
その意味で、現在の旅は"不完全な"複製体と見なせるのである。

フリーレンの旅の意味とは、ヒンメルという"オリジナル"が失われたあと、
かつての仲間の"コピー"(フェルンとシュタルク)を通じて"オリジナル"へ遡ることである。
クール序盤のフェルンとの旅の情景はそのことをはっきりと示している。
二人の日常にかつての旅の回想が交錯し、そこに新たな気づきが生まれることで、
二人の距離が徐々に縮まり、心を通わせていくといったエピソード群には確かに、
「人間(=ヒンメル)を知る」というプロセスが表現されていたと思う。

「魂の眠る地」に赴いてヒンメルと再会するという旅の目的もまた、
この欠落を補完しようとする、物語の深層の力学に導かれていると言えるだろう。


上記の推論は、次の三点に要約できる。
1 この物語の深層には「鏡」のイメージが潜んでいる。
2 フリーレンの現在の旅は、ヒンメルという"オリジナル"を求める旅である。
3 したがってそれは、かつての旅の"不完全な"複製体である。

以上が旅パートの組成についての我流の理解になる。
ここを踏まえたとき、本作の回想シーンの機能はこんな風に説明できるだろう。
すなわちそれは、オリジナルに関する記憶の管理者であるフリーレンが、
コピーされた旅の中でその記憶を再現し、更新してゆくプロセスである、と。
そこにオリジナルへの渇望と、再会の願いを読み取ることができるのではないだろうか。{/netabare}


Ⅳ 死者との約束

{netabare}以前に何回か書いた事なのだが、自分がアニメ初回でいきなり躓いた話をまた蒸し返す。
物語の出発点となるヒンメルの葬送の場面でのフリーレンの反応が腑に落ちず、
ずっと拘ってきた"不審点"について、ここであらためて考えてみたい。

 「私、この人の事を何も知らない。」
 「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…。」

このときの彼女の心情に同化することを妨げているのは、おそらく
「知る」ことにこだわる背景が欠落しているために今一つ実感が湧かず、
そこから「私はもっと人間を知ろうと思う」への脈絡にも飛躍が感じられるせいだ。
自分にはどうしても、この内面の描出には不備があるように思われてならなかった。

そもそも「人間を知る」という旅の「目的」がどうも皮相な気がして、
その奥に内面的な「動機」を考えてみたりもしたが、結局うまくいかなかった。
だから今回、その「目的」の背後にある本来の「目的」に気がついたことは、
個人的には "Eureka!"と叫びたくなるような発見だったのである。


第16話の「長寿友達」。フリーレンが旧友のフォル爺を訪ねる。
最初に彼と出会ったのはヒンメルたちとの旅の途中で、その折の情景が回想される。
その中で彼はこんな告白をしている。

 「わしは妻の愛した村を守っているだけだ。」
 「わしは遠い昔に交わした約束を果たしているに過ぎん。」
 「滑稽な話だろう。わしはずっと、死者との約束を守っている。」

フォル爺は数百年間村を守り続け、今ではその理由を知る村人はいない。
たまたま村に立ち寄ったヒンメル一行を相手に、心に保ち続ける想いを打ち明ける。
そんな彼に向けたヒンメルの言葉、

 「でもきっとその人は、
  あなたが約束を守ってくれていることをうれしく思っているはずだ。」

こうしたセリフは、勿論、そのままでも響くものなのだが、
キャラクターの内面にまで踏み込むには幾らかの操作が必要になってくる。
ここでは例のシェーマを応用して掘り下げてみたい。

このエピソードの主要人物の布置を整理すると、
人間と長命種との「対照」を具現する二組のペアが「対称」を示している構図である。
片やフォル爺夫婦、片やフリーレン・ヒンメルペア。 
つまりヒンメルはフォル爺の妻の心を代弁できるポジションにいるわけで、
実際、彼女の気持ちを言葉にしながら、同時にその言葉に重ねるかたちで
自らの心情を表明していると見ることができるのではないか。

次の展開から彼の心情を推測することができる。
ヒンメルの態度に感銘を受けたフォル爺は、勇者ヒンメルの記憶を自分が未来に連れていこう、
そう申し出る。それに対してヒンメルが応える、

 「僕たちの記憶は、彼女が未来に連れていってくれる。そうだろう?」

フリーレンの返事は、

 「別にいいけど…。」

このさりげないやり取りは軽く見過ごされそうだが、実は重要な意味を秘めている。
このとき、二人の間で「約束」が交わされているのである。

フォル爺夫婦のパターンが相似的に反復されていると捉えてみよう。
先立って逝く者が託した願いを、残された者が守り続けていく。
たとえ言葉で交わしたものでなかったとしても、
この両者の間には無言の「約束」が成立していると考えていいのではないか。
だからこの場面で、ヒンメルから託された未来をフリーレンが受諾したことによって、
彼女もまた、フォル爺と同じポジションに立ったのであり、
「死者との約束を守る者」という役割を担ったと考えられるのである。

フォル爺と言葉を交わすあいだ、ヒンメルの心の中にはおそらく、
自分が生を終えたあとの未来が思い描かれていて、
その中には自分という「死者」との約束を守るフリーレンの姿があったのだと思う。


旅の本来の「目的」に気づいたと言ったのは、この「約束」のことなのだ。
初回のシーンでのフリーレンの内面を、仮にこのように想像してみたい。

いま、生涯を終えて眠りについたヒンメルを前にして、彼女がもしも、
かつてヒンメルと交わしたこの「約束」のことを思い出したとしたら、どうだろうか。

ヒンメルが逝き、彼らの「記憶を未来に連れていく」べき時になって、
自分の中に残された記憶があまりにも乏しいことにまずは驚き
(「私、この人の事を何も知らない」)、
もはや知ることが叶わなくなったことへの悔恨がこみ上げる
(「なんでもっと知ろうと思わなかったんだろう…」)。
この心理プロセスから、彼女が流した涙の意味が迫真的に立ちあがってくる。

「私はもっと人間を知ろうと思う」。
この言葉もまた、同じ心理プロセスの延長上に置いて理解するべきだと考える。
今となっては最早、ヒンメルのことを直接知ることは叶わない。が、
それでもなお「死者との約束を守る者」であるためには、たとえ間接的にでも、
「人間」というもの全般への理解をとおして、今からでも彼のことを知りたいと願う、
切実な心の衝迫がこめられているのだと思う。
ヒンメルの死をきっかけに人間への関心が目覚めた、といった理解でも問題はないが、
個人的には月並過ぎて面白くないのである。

彼女の旅の本当の「目的」は、ヒンメルと交わした「約束」を果たすこと、
すなわちヒンメルたちの記憶を未来に連れていくことだったと自分は考えたい。
それは、前章で提示した「ヒンメルという"オリジナル"を求める旅」という文脈に即して
物語を読み替えることであり、そこにもう一つのフェーズが浮かび上がってくる。
フリーレンとヒンメル、この二人を主人公とした、いわば「約束の物語」とでも呼べるものが。

あるいはこんな穿った見方も可能だろう。
本作の旅パート、いや、この作品そのものがメタレベルの「約束の物語」である、と。
回想シーンはヒンメルたちの記憶を「今・ここ」に甦らせ、伝えてゆく回路になっている。
そこに、記憶を未来に連れていくというヒンメルとの約束が実現しているわけである。 
そして、そこには私たち視聴者も立ち会っているのだ。


以上の推論は、コアモチーフである「死者との約束」を介して、
テーマがストーリーに「肉化(incarnation)」される局面を捉える試みだったのだが、
さらに、本作における「記憶」が内包している固有の意味を直接、問題にしてみたい。
そこには「記憶」と「実在」をめぐる独自の思想が含まれているように思えるのだ。

この"思想"は一つのエピソードに端的に集約されている。
第2話、フェルンとハイターとの出会いの場面である。

戦禍によって両親を失った幼いフェルンが、後を追おうと崖の突端に立ちつくしている。
ハイターは無理に制止するでもなく、ただ淡々と亡き友ヒンメルへの想いを語る。
彼から学んだ勇気や意志や友情も、大切な思い出も、すべてが自分の死によって
この世から消え去ってしまう。それが惜しい。・・・などと彼女に説いて聞かせる。

 「あなたの中にも大切な思い出があるとすれば、
  死ぬのはもったいないと思います。」

ハイターの言葉を意訳してみるとこんな感じになるだろうか。
・・・もしも自分が生き続ければ、大切な死者の記憶を未来に連れていくことができる。
そうすることで死者は、親しい生者の内部で第二の生を生きられるのではないか。・・・
つまりそれは「記憶」が「実在」となるという意味ではないだろうか。

 「お伽話じゃない。僕たちはたしかに実在したんだ。」

第7話のヒンメルの言葉はこの思想をはっきりと表明するものだ。
ここに揺るぎない確信として宣言されているのは、
記憶が歳月による風化に抗い、忘却に打ち克って生き続けるものだということ。
そしておそらくは、フリーレンと交わしたあの「約束」のこと。

思うに、死者を「忘れない」ということは、
そのことがすでに彼らとの「約束」を果していることになるのではないだろうか。
「記憶」とは一人の人間が実在した証しであるとともに、
彼らと残された者たちとをつなぐ、決して失われることのない回路なのではないか?

本作の「葬送」の意味は一義的には捉えられない複雑さを帯びているものの、
「死者との約束」に収斂させる理解は少なくとも、核心に近いものだと思える。
先立って逝く者と、あとに残る者とが相互に抱く、絶えることのない愛情と信頼。
そうした人間的な感情の精髄を含意した、一つの「思想」がそこに認めらるのではないか。{/netabare}


(今後、Ⅴ章とⅥ章を順次追加する予定。){/netabare}


さて、本作は「旅」と「魔法」、二つのパートから成り立っていると自分は考える。
本稿が前提としているこの分割が妥当か否かは、各位に判断していただく他ないが、
この機会に頭の中を整理して揉みほぐすという意味も兼ねて、
これまでの推論を概観しつつ、少しばかり補足説明を付け加えていきたい。


{netabare}初回の投稿から、すでに自分の関心はテーマの所在に向かっていた(Ⅰ章参照)。
その中で試みたイメージの読み解きから、テーマ(らしきもの)が浮かび上がり、
最終的には物語のクライマックスにおいて回収されていることが確認できた(Ⅱ章参照)。
こうして確定したテーマをめぐる一連のストーリーの流れを一つの総体と見なし、
それを魔法パートと称しているわけである。

旅パートに関しては、本作が旅アニメだという事実だけでも充分だろう。
ただし、本作独特のテイストを言語化するには、かなり複雑な操作が必要になってくる。
自分の試みは、魔法パートの読解で抽出したシェーマをイメージに変換し(Ⅲ章参照)、
それを用いて旅パートの深層部分を読み解こうというものだが、上記のとおり、
本格的な作業を始める地点で立ち止まってしまっている現状である。


・・・とは言え、こんな説明よりもっと端的でわかりやすい証明方法が実はある。
二つのパートが交代する、明らかなフェーズの転換点が具体的に指摘できるのだ。
言うまでもなく、第7話Bパートのことである。

グラナト伯爵領の街に到着したフリーレンは不意に魔族の一団と遭遇する。
咄嗟に杖を構え、彼らを攻撃しようとするが、捕えられ投獄されてしまう。
牢屋を訪れたフェルンたちにフリーレンは、かつての旅で経験した事件を物語る。
魔族の少女が引き起こした惨劇を描くそのエピソードをとおして、
はじめて開示される魔族という存在の本性は極めておぞましく、戦慄すべきものだ。

この回想がアウラ編の導入となり、魔法パートが開始される。
坦々と続いていく旅の中で、心に沁みるエピソードの数々が紡がれてきた、
これまでの穏やかなトーンが唐突に一変し、不穏な空気が漂いはじめる。
この極端な落差には自分のみならず、大多数の視聴者が衝撃を受けたはずだ。
まさしくここが、旅パートから魔法パートへの転換点なのである。

注目したいのは、この転換の起点に回想シーンが置かれていることである。
魔族というもののおぞましさを強烈に印象づけるこのエピソードが呼び水となり、
フリーレンが魔族に抱く憎悪の根源、そしてフランメとの出会いと死別にいたる、
このヒロインのいわば「前史」が語られていくのである。
こうした、物語における回想の機能に着目することによって、
魔法パートと旅パートの相異が明確になり、それぞれの本質が説明しやすくなるのである。


ここで、Ⅲ章の元レビューの中でちょっとだけ言及した
「通時性/共時性」という一対の用語をあらためて持ち出してみたい。
元々はソシュール言語学の基礎概念だが、今では一般にも用いられている。
詳しい説明は煩雑になるので、できれば検索をお願いしたい。

この対概念を、試しに双方に当てはめてみよう。

魔法パートは、歴史的なオーダーに沿って継起する出来事を"物語る"。
つまり「通時的」なのであり、回想シーンは物語の原点および背景を提示するもの、
いわばストーリーの「現在」を説明するために時間を"巻き戻す"ものだ。
そのようにしてフリーレンも含めた人間と魔族との闘争の歴史、
さらには魔法の進化や人間との関係なども絡めた歴史的な「物語」が展開される。

一方の旅パートは、構造そのものがすでに「共時的」と言っていいだろう。
フリーレンの過去の旅と現在の旅が重なり合い、さまざまなドラマを織り成してゆく。
そこでは現在と過去は、一本の時間軸の上で前後する因果関係としてではなく、
それぞれが固有の実質をもった時間として独立し、同時的に並存している。
また、どちらも日常系の、あの反復される無時間的な「現在」を基調としていることで、
旅の時間の流れに伴う変化や進展を、一層ゆるやかに感じさせる相乗効果を生む。
他作品にはない本作の不思議なリアリティーは、ここに起因しているようにも思われる。

そして旅パートの回想シーンは、それら二つの時間を交錯させる「装置」となっている。
そこに成立する「共時的な現在」こそがフリーレンの「今」であり、
このヒロインの内面のリアリティーもまた、ここに求められるのではないだろうか。
・・・・・・・・・・{/netabare}


以上、何やら面倒くさい話になってしまったが、
窮地に陥ったアニメが切羽詰まってぶち込んでくる「振り返り特番」よろしく、
丸一年経っても完結しないレビュー(?)の方向性をあらためて再確認してみた次第。

次は予告通り第14話を取り上げて、かなりガチな分析を試みる予定である。
その際、主人公二人のロマンスに過剰に力点を置くことになりそうなのだが、
それは多分、当方の"恋愛脳"(笑)のなせる業である、と、あらかじめ弁解しておこう。
もし万が一にも待って下さっている方がいるとしたら(いないと思うが 笑)
出来るだけ気長に、お待ちいただければ幸いです。

2024. 12. 25

投稿 : 2024/12/28
♥ : 23
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

面白くてはいけない作品を面白くしてしまい、余韻が無くなったかも。

 コミック1巻あるいは本作1話は素晴らしかったと思います。最近「すずめの戸締り」もありましたが、古い時代を思い出し、鎮魂するという話が増えてきたのは、次の日本を作っていこうという雰囲気がやっとでてきたのかな、と思います。

 ただ、アウラ編のバトル要素満載と、オシリスの天秤(とは違いますが)のようなもので、少し安易な形で魔力を隠す意味を魔族との戦いの要素にしてしまったことで期待外れとなりました。何より「葬送」の意味を魔族を倒した数と矮小化してしまったのは、非常に残念でした。

 1級魔法試験も「天下一武道会」が始まったか…というがっかり感はありました。

 ヒンメルおよびその仲間を思い出しながらの「葬送の旅路」はつづけていました。
 ゼーリエのところで人は駄目だと言いながら、花を出す魔法が嫌いと言いながらツンデレのゼーリエで、エルフの生き方の寂しさの様な部分を一旦総括していました。また、フェルンとゾルトラークで「人間の魔法」「人間の強さ」について表現していました。ただ、それを露骨に見せすぎだろう、という気はしました。

 全体としてどんどんエモくなっていきました。全体に「いい話」にこだわりすぎて、サラリとしたのが良かったのに、人との関係が強くなった、ならざるを得なかった感じが平凡な面白さに近づいていったなあという印象です。言い換えるとキャラと思い出話に寄りかかってしまった気がします。

 アニメで言えばコミックではつまらなかった、1級魔法のところをかなり面白く仕上げたのは素晴らしいと思う反面、この作品における期待の真逆になってしまいました。テーマを丁寧に説明してくれてしまいましたので、感じる喜びが無くなってしまいました。

 つまり、キャラ萌えとバトルの平凡な面白さになたということです。テーマも感情も見やす過ぎて引っ掛かりが無くなった感じがしました。この作品は面白くすると、かろうじて残っていた引っ掛かりも余韻も消えてしまう気がします。

 コミックスの原作の第1印象はアウラ編から「面白くない」でしたが、それでも読み進められたのは、フリーレンが旅路の果てに見るものは何かが気になるからです。その点は未だ気になっている反面、同じようなテーマを延々繰り返している感じもあるので、きっぱりとダラダラしないで終わって欲しいと思います。

 評価はこの作品は結末を見るまでわかりませんので、保留です。が、オール3もどうかと思いますので、オール4にしておきます。





19話 本作のつまらなさと深さの両立が上手く言語化できないので、再度レビュー。

{netabare} 断念したにしておきながら何度も書き直してすみません。ちょっとこの作品は正しく言語化したいので。文句いいながらも見てますので、やっぱり今見てるにしておきます。

 フリーレンの旅が、アイゼンとハイターの弟子2人と共にあるのは、つまりヒンメルとの旅をフリーレンの内面で思い出す…つまり4人の旅を再現しつつ、ヒンメルの代替はないからでしょう。ヒンメルの言動の意味を今思い出しながらかみしめる旅です。

 なぜヒンメルが銅像を残したのかと考え合わせると、物語全体の発想はものすごくいいと思っています。ヒンメルが一番先に逝ってしまったのはこの構造を作りたかったからです。
 その旅の中で、ヒンメルとすごした10年を特別にして行くことが葬送なのかなと読み取りました。だから、結果的にエンデの城についてもヒンメルの魂と合うことはできず、旅そのものが葬送なのかな?と。だから、ヒンメルの死後のカウントが作品の時間経過の基準となります。

 
 そしてほぼ不死に近いフリーレンの長命による非人間性は下手をすれば魔族に近いです。子供のようなフェルンとシュタルクがなぜ物語に必要だったかと言えば、人間は知識や想い出を前の世代から受け取り、後ろの世代に渡して行く営みがあるということだと思います。魔法が魔族のものから人間が解析して進化しているという点が象徴的で、人間は生死…つまり世代があるから進化する…それをフリーレンが理解するという話を描こうとしているととりました。

 で、興味としては、フリーレンとフェルンが魔法の能力を隠すことに長けている点、ここに何かアナロジーがあるのではないか?と。感情を持たない魔族と組み合わせると、現代社会か資本主義的なアナロジーも感じます。そこが何を描きたいのかな、と思っていました。2023年は戦後78年という意味もあるかな、と思ったりもしました。フリーレンが千年以上生きていて生殖をしないという点で日本人のことかなと。ほろびゆく種族と言う意味でも。
 魔族も一部の人間のアナロジーではあると思います。騙すために人語を解する理性も感情も良心もない存在。

 そこで始まったのが、アウラ編で魔力を隠す意味とかバトルとか、なんか世界観が矮小化してしまった気がしました。原作を読んでいるときにここでかなり醒めて、つまらなさを感じました。期待が高すぎた落差なのかもしれません…もちろん、期待よりもっと高い視座を読み取れていない可能性もあります。

 そして今度始まったのが、一級冒険者ですねえ。ランク化です。まあ、なろう系のレベルウインドウと違い、フリーレンの過去の資格が役に立たないことを考慮すると、ランク化は学歴とか資格とかそういう本質ではないランク付けのアナロジーとも取れますけど。ただ、バトルもそうだしかなりテンプレ感が強いので、ここであーあと思いました。

 こうして文章に書くと整理がついてきます。やっぱり悪い話じゃないし、浅い話とも思いません。とにかくアウラ編まではかなり感動してましたし、展開が楽しみでワクワクしてました。

 アウラ編から一級試験まで間が空きすぎたのと、展開や想い出の描き方がパターン化したこと。バトル要素が強くなったりして、急激につまらなくなったなあ、と感じました。
 ただ、魔族の1人1人が何かを表現したいような気はしてるんですよね。そこがアウラの魔力比べでよくわからなくなってしまいました。

 この後の話も2期3クール目ということになるのでしょう。設定とアナロジーから言って、浅くはないのはわかっています。まだまだ考察すべき部分もあるでしょう。魔法がなんのアナロジーかは読み取りたいところです。

 が、不思議なくらい面白く感じないんですよね…キャラが淡々としているから?何か視点がかわると面白くなるかも…というポテンシャルは感じます。私の読解力の無さなのかなあ…{/netabare}


21話 21話は面白い。それ故に唯一無二の作品ではなくなってしまった。

{netabare}  21話は面白いです。マンガでは退屈でしたがアニメの動きが入るとかなり良くなっています。つまり言い換えると、その面白さとはキャラ萌えとか戦闘シーンのカッコよさあるいはフリーレンの魔法の俺TUEEEでした。
 その面白さは本作に求めているものではなく、葬送=想い出を振り返ることで勇者の想いを理解するということとはちょっとかけ離れています。

 1級魔法士という設定が持つメタファーはもちろん感じますし、強さや力の使い方などの思想的な部分なども読み取れますし、おじいちゃん魔法士のセリフからしてもちろんキャラ萌えだけではないと思います。人間社会側の様々な人間の考え方の違いをしっかし考えて作っているところは興味深いです。

 また、1級試験はちょっとサブキャラが濃いですよね。濃すぎる感じです。その濃さがまた面白さになっているのでしょうが、その描き方に全部が持っていかれてしまった気がします。

 葬送の他に魔法というテーマ性が消えているわけではないし、そこの仕込みもあると思います。が、やっぱりこういう派手な面白さは他の作品でいいかな、と思います。

 つまり、21話の面白さに象徴されるところが、本作の唯一無二の作品になり損ねたという意味で私にとっては面白くなくなったということかな、と思います。{/netabare}


23話 マンガ版より分かりやすく面白い…うーん、再評価してもいいかなあ

{netabare} 22話のような話はいいですよね。この作品を見始めた理由に近いエピソードでしょう。
 一方で23話です。まあ、作画すごかったですね。特に最後の場面のフリーレンモドキは鳥肌が立つくらいにカッコ良かったです。

 どうなんでしょうね?この作品の評価ってやっぱり結末を見るまでは保留にすべきなんでしょうか。アウラ編で魔法の設定が安っぽくなったこと、バトルが長かったことなどで、脱落しかけましたし、途中のエピソードがちょっと冗長すぎたのはありますけど、この数話の出来は本当に素晴らしいと思います。マンガ版になかった迫力という点でアニメータは本当に良い仕事をしていらっしゃると思います。

 正直マンガ版だと1級試験編そのものがあまり面白くなかったですし、試験が入ることでジャンプメソッド的な引き延ばしに感じて作品の質が落ちたと感じていましたが、そうとも言い切れない面を上手く拾ってもいる気がします。その点でデンケンの使い方は秀逸かな、と思っています。

 うーん…評価は一旦ニュートラルにして、マンガではないアニメ版のフリーレンをもう1度再評価してもいいかな、と思わせるくらい21~23話は良かったですね。

 一旦、ニュートラルという意味のオール3に評価は戻しておきます。また、改めて。 {/netabare}



24話 フェルンの性格はなぜああなのか?なぜゾルトラークだけなのか?
 
{netabare} なるほど…フェルンの嫉妬の描写ですけど、家族というか自分のテリトリーの侵害に対して敏感なんでしょうね。これは両親を早くに失くしたことに関係があるのかな?ハイターの杖とかプレゼントへのこだわりというか執着もそうですよね。

 夜更ししてジュース飲むと怒られる理由です。ここの性格造形の作り方はなるほどなあ、という気がしました。育ての親のハイターの教育で「ちゃんとしてない」ことに対して許せないということでしょう。
 もちろん大食いなのも甘いモノ好きなのも、幼少期の苦労つまり食料不足が影響していると想像ができます。となると愛情への飢えもあるので、シュタルクとの恋愛は疑似恋愛の気もしますけど。

 夜更しジュースの件は、今回フェルンも贅沢していましたから、どちらかといえば自堕落だから起こったのではなく一人だけで楽しんだから頭に来たのかな?

 こういうことの裏を返せばフェルンはフリーレンを誰よりも理解している、ということでしょう。だからラストの「フリーレン様を…」になるんだと思います。フリーレンも嬉しそうでしたし。

 一方でフェルンの設定としてなぜゾルトラークと一般的な防御魔法なのか?ですね。今回の「フリーレン様を…」でふと思ったんですけど、フリーレンとゼーリエの設定から言って、魔族とかエルフに対抗できる魔法を人間が持つなら、魔法のバリエーション、つまり種類の多さじゃなくて、一つの魔法を極限まで極めるという方向性しかない、ということかもしれません。

 そうなると初めに出てきたゾルトラークを80年間改良を続けてきた、人間の魔法という意味と重なってきます。これは人間の命の短さで、でも組織的に習得できるものとエルフの長寿で孤独な生き方の違いのアナロジーにもなっているのでしょう。

 ゾルトラークの説明があったエピソードからそこは意図していたのかな?中国拳法のように「一意専心」的なことと、師匠の魔力を隠すという意味もちょっと中国拳法的ですよね。練習も功夫も人に見せるなというのがあります。

 まだ、野心があるゼーリエには魔王は倒せなくて、フリーレンなら倒せるということと、平和の時代の魔法使いという矛盾の説明が何となくわかった感じですね。なんとなくですけど。

 つまり1級試験編の2次試験はフェルンの描写の為の回ということかあ…連載時にバトルで話数を引き延ばしていたわけじゃない…のかもしれませんがどうなんでしょう? {/netabare}

25話 バトルが長すぎてテンポが…テーマ的には同じことを繰り返してますし。

{netabare} 話が進まないですね。やっぱり面白くない…という気もしてきました。21~24話はアニメの出来は良かったと思うのですが、23話のフリーレンの複製登場からが余りに長いです。

 花畑と人間が魔法を得て強くなってゆくという話は、かなり前の回で一回なぞった話ですからね。その重複感はやはり1級試験編は強いかもしれません。アニメの出来はもちろん作画は目立つところですが、テンポというかスピード感もあります。原作が冗長だったところを更に引き延ばしている感じがすごかったです。

 やっぱりアウラ編の途中からバトルが長くて、妙にテンポが悪くなるのとセリフで全部説明するのでどうかな、と思っていた悪いところがこの数話極端に出てますね。アニメになって余計感じました。 {/netabare}


26話 やっと1級試験も2次試験が終わりました。

 魔法とイメージがこの数話にはテーマとして出てきてますね。フリーレンを殺せるというイメージ。そして布を切るというイメージ。それとエルフと人間の魔法に対するスタンスの話もありました。で、もちろんフェルンがゾルトラークを極めるということでしょうね。その辺が本作はテーマとしてありそうですね。そこをはっきりさせたのが1級魔法試験かな、という感じでした。このテーマ性は悪くないと思います。ただ、試験編は長いなあ…やっとここまで来たかあ…

 なぜか模倣フェルンが出てこなかったのはフェルンがそこまで上手く魔法を隠せているということ?一瞬メトーデを狙っていたけど攻撃を受けきったように見えましたけど…拘束魔法が上手くいく前に攻撃は受けたみたいですよね。それをよけ切っていた?メトーデが強すぎるってこと?それともたまたまなんでしょうか。

 作画はやっぱりバトルシーンは力が入ってますけど、私は惹かれないですね。むしろ作戦会議の時のフェルンの表情の変化が良かったですね。









前回のレビューです。

正直に言うと原作アウラ編の途中からつまらなくてしょうがなかった。

{netabare}  2クールらしいし人気作になったので一人くらいいいでしょう、遠慮なく言えるので今言っておきます。
 
 正直に言うと原作はアウラ編の途中から凡庸でつまらない作品になったなあと思いました。つまらないとは言いずらい…つまらないと言ったら負けかなとは思い、言葉を濁しましたが。

 作品として評価したのは冒頭だけです。以降はなんだかなあと思って読んでました。で、アニメが人気なので見てみればちょっと見方が変わるのかなあと期待したので、チェックはしてみました。

 要するに原作は人気作故に「葬送」の意味を途中で変えてしまったのではないか?と思います。そう、バトル控えめで過去の戦いと死んだ仲間の意味を振り返りながら旅をするだけだから面白かったんです。それが「葬送」かなと。

 アウラ編以降、ジャンプ系?という感じでバトル要素が色濃く入って来て、この話以降も変な言い方ですけど、どんどん凡庸になって行く気がしました。

 ちゃんと人気作になったとのことで、アンチの批評が少しはあっていいでしょう。私はこの作品、冒頭ではポテンシャルが非常に高い素晴らしい作品だと思っていました。人気故に名作になる道をすて引き延ばしによる凡作化を進みつつある作品だと思います。その落差にガッカリしたので、断念したにしていました。で、改めてアニメを見てもやっぱりがっかりかな、と。原作よりは演出面等でがんばってますけどね。ただ、結末次第では盛り返せる部分もあると思います。{/netabare}
 


第5話 原作マンガが良すぎるのでアニメは休みます。

{netabare} 別にアニメがつまらないわけではないですが、雰囲気としては原作コミックスが好みということです。
 ただ、やはり「推しの子」と同じです。1巻2巻あたりがピークな気がしたというのも同じくアニメを追わない理由です。
 原作も11巻既読しましたので後は完結したらでいいかな、と思っています。理由はネタバレになるので言いません。ただ、週刊連載の人気作の悪いところが出始めています。

「葬送」の意味は魔族を一番葬ったからということですが、それはダブルミーニングというかむしろ後付けでしょう。エンデの魔王城とは、「モモ」のミヒャエル・エンデからのネーミングだとすると、時間の価値の話になるはずか、当初はそれを想定していたと思います。

 目指す目的が死後の魂と話をするということですから、フリーレンの中にいる想い出と向き合う話、死と時間を理解する話になると思いますので「葬送」の意味が「人を見送る意味」じゃないと作品の価値がありません、と私は思います。

 ということで、原作が良すぎるのでアニメを見る意味がないと感じましたので、やめておきます。{/netabare}
 

視聴前 私は冒頭が好きです。「間」と「静けさ」がキモになる作品。

{netabare}原作途中まで既読。多分全部読むでしょう。

 この作品は面白いですがキモはテンポです。間延びがあると間抜けになります。11巻ですか。ちょっと2クールとか2期とか考えると色気がでてしまう巻数です。人気作だけに下手をすると変な尺稼ぎで時間を伸ばす可能性がありますので、それだけが心配です。
 本作は淡々とテンポ良く静けさを感じるくらいに表現されるのが面白い作品です。そこが上手くできているかどうかがポイントになります。第1話に力が入りすぎているのがちょっと心配です。「チェーンソーマン」になりませんように…。

 それと、どこまでになるかわかりませんが「推しの子」と一緒です。あの作品よりも緩やかですけど、冒頭とそれ以降楽しみ方が変わる作品です。といってもテーマは同じなんですけど…単純に面白いのは後からですが、私は冒頭が好きな作品です。
「さよならの朝に約束の花を…」をこの時期にレビューしたのは、この作品の下準備と言えばわかりやすいかもしれません。

 過大評価、期待過多はやめた方がいいです。「感じる」作品でエンタメとしてはそれほどです。「タイパ」重視の人にはまったく向かない作品でしょう。制作者側もそこは理解していると思いますが…{/netabare}


第1話 素晴らしいアニメだけど、面白くはない。過大評価はしない方がいい。アニメはマンガに比べて格段に情報量が多いのがどういう影響になるか。

 初回…というか2日前、金曜ロードショーの放送の時に、戦後78年のアナロジー云々と書きましたが、やっぱり再視聴してみて、この作品は頭を使わない方が良さそうですのでレビューを書き換えました。
 考察するよりも、生きるということと時間経過の意味を感じる方が良さそうです。
 1点だけ。魔法とはなにか?魔力感知とは?魔族は?そこのアナロジーは嫌でも考えてしまいます。

 そして、やっぱり面白くはないです。エンタメとして評価するなら退屈です。それでも「いい作品」だと言えます。3回目ですけど全然OKです。
 ストーリーもテーマもキャラも抜き出してしまえばありきたりです。過大評価、期待過多、そして何よりも他人の意見。見方は人それぞれですから、こういったものは排除した方がいいと思います。向くか向かないか。まず自分でそれを判断しないと苦行になる可能性があります。
 特に情報として作品を観賞する「タイパ」重視の見方をする人は早々に退散した方がいいと思います。

 アニメ版、ちょっとフリーレンの顔が丸くて笑ってしまいますが、時間の経過の感覚はゆったりしていてけど、場面のテンポは速くて上手く原作を表現しています。
 音楽や声優さんの声質、演技。効果音、色、何より動きなどアニメならではの情報量の増加しているのが下手をすればノイズになります。(1例を挙げると30分単位の2話。岩を魔法で打ち抜く修行をしているところのシーンが顕著です)
 また、制作者の解釈が分かりやす過ぎて、原作より文学性は落ちている気がします。

 ただ、この作品は視聴中は頭を使わず受動的に見て、後から味わった方が良い気もしますので、そこはアニメのアドバンテージでしょう。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 32
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

魔法使いフリーレンの人を知ろうとする旅路(2期制作決定!!)

[2024.9.28追記]
やったー!!ついに2期制作決定したみたいです♪
https://www.youtube.com/watch?v=DknvOzqQCTo

たぶん2期も2クールだと思うから(黄金郷編やるし)、実際の配信は2年後とかになるかもだけど、とにかく嬉しいし、とても楽しみです!!

[2024.3.24見終わって]
ほんとうに、本当に素晴らしい作品でした!!
小説やコミックなどの原作からアニメ化をするに当たって、作品の雰囲気、キャラのイメージなどを損なわずに作品化するということは、当たり前と思われるかもですけど、尺の関係などもあって制作者の方々にとってはとても大変なお仕事なんだと思います。
そんな中、この作品はある意味作品を超えたような演出・表現がちりばめられていて、制作者の原作への深い解釈・理解があることが伺えました。
例えば第27話。リヒターが店先でフェルンたちとばったり合うシーン。
あのアニオリシーンを入れることで、その後のフェルンとゼーリエのシーンがさらに味わい深くなっています。最終話の、フリーレンが老婆が果物をこぼすのを見てるシーンも改変されてましたけど、さらに良くなっていました。
原作の最新話は127話ですが、アニメはちょうど60話まで。
ストックは充分だし人気も出たので2期はほぼ確定かもですけど、この素晴らしいクォリティを同じスタッフを維持して制作・・となるとなかなか大変で、時間がかかっても良いのでまた素晴らしいアニメを私たちに魅せていただけることを楽しみにしたいです。

[初回感想]
魔王を倒し平和をもたらした勇者一行。
パーティの魔法使いフリーレンは勇者ヒンメルの死をきっかけに、人を知ろうとする旅路が始まる。。

原作は少年サンデー連載中のコミックで、11巻まで発刊。
原作は読んでて、とても好きな作品です。
普通は魔王を倒してめでたし、で終わるところをこの物語はその後のエピローグを描いています。
人とエルフの寿命の違いによる感覚の違いを壮大なスケールで描かれる世界観も面白いし、いい意味で淡々とした雰囲気とドライなフリーレンをはじめとしたキャラの魅力も感じる作品でした。

第1話が2時間スペシャルだったのもびっくりです。(厳密には4話までをつなげたみたいです)
制作側の力の入れようが伝わってくるし、かなり期待しながら視聴しました。

作画良いです!
雰囲気もすごくいい!
良く書き込まれてるしよく動いてるし、音楽も雰囲気にあってて◎です♬
キャラの声もあってると思いました。
ドライなフリーレンも、優しそうなヒンメルも、茶目っ気のあるハイターも、渋いアイゼンも、原作のイメージのままでした。

原作ではセリフがない細かいコマが結構あって、それが作品の味にもなってたんだけど、アニメではその雰囲気をどう表現するんだろうと思ってたら・・すごい、作品の雰囲気そのまんまの再現してていい意味でびっくりでした。

作中のセリフも味があっていいんですよね。

これは今期アニメではかなり期待できそうで、とても楽しみです♡

アニメは連続2クール全28話ということで、原作最新巻まで行きそうかなと思ってたけど、8話で原作2巻のペースだとどうやら7巻あたりで終わりそう。でも1級試験編楽しみです♪

以下、印象に残った話の感想です。

6話「村の英雄」
{netabare}必要なものは覚悟だけ。必死に積み上げてきたものは裏切らない。
フェルンの言葉だけど、これって私たちの普段の仕事とかにも言えることだなぁって。
覚悟ってのは大げさかもだけど、仕事に対する気持ちとか心構えって大事なのは同じなのかなって。
ジャンボパフェのシュタルクとマスターのやりとりが好きです♪
ギャグにしようと過剰な演出とかしなくて、会話と音楽などの雰囲気だけでクスっと笑えたり。こういう演出好き。
会話の間もいい。フェルンとシュタルクのやりとりも好き。{/netabare}

9話「断頭台のアウラ」
{netabare}すごい!
これ原作超えてると思う。
漫画だと止め絵の連続を読んでる読者が脳内補完しているわけだけど、それ以上の演出・動きが素晴らしいです。
「ヒンメルはもういないじゃない」
魔族と人族が決して分かり合えないことがわかる、原作でも印象に残るアウラのセリフでした。
「戦士は最後まで立ってたやつが勝つんだ」
アイゼン相変わらず渋いし、震えながらも決める時は決めるシュタルクもかっこいい。
フェルンも天才の片鱗見せましたね。
次回はゼーリエ初登場になるのかな?どんな声なのかちょっと楽しみです。{/netabare}

11話「北側諸国の冬」
{netabare}前回感想で、次回ゼーリエ初登場とか書きましたけど、勘違いしててまだ先みたいですね。
9話みたいなアクションシーンすごいのもいいですけど、今回みたいに止め絵を効果的に使ったりするところも緩急あって良い演出だと思います。
自分の"偉業"を覚えてくれている人が誰もいないから、女神さまに褒めてもらうんだと話すクラフト。
でもフリーレンは昔同じようなやりとりでハイターに褒めてもらったから大丈夫と返すんです。
フリーレンの中でハイターもヒンメルも生き続けている・・
私が葬送のフレーレンという作品が好きなところはこういうところなんですよね。
自分の偉業を語らず、静かに別れていくクラフトの描写も味わいを感じます。
あと、何かとジャンボパフェが回想に出てくるシュタルクが可笑しいw{/netabare}

17話「じゃあ元気で」
{netabare}今回から第2クールに入ってOPがヨルシカに変わりましたね。
シュタルクとフェルンのやりとりが自然で微笑ましくて好き。
12話で雪の中倒れたフリーレンを抱きかかえようとするシュタルクを嫌がって自分がおんぶするフェルンとか。
些細なことで喧嘩する二人。その原因も仲直りの感じも見ててあるあるーって思ったw
ザインのもう付き合っちゃえよ!!に笑った。。でもいいお兄ちゃんキャラだなザインって。
あっさりしたお別れだったけど、また再会もあるような気がします。
ED変わらないといいなって思ってたけど、そのままで良かった。絵もだけど歌も2番に変わっててこちらもなかなか良いです🎵
次回からいよいよ一級魔法試験編がはじまります。原作読んでたときも好きな話だったのでとても楽しみです!!{/netabare}

18話「一級魔法使い選抜試験」
{netabare}この話から一気に登場キャラが増えるんですけど、魅力的なキャラが多いので動いてるところと声優さんがどんな演技をしてくれるのかとても楽しみです♡
すごい魔法使いの証だった「聖杖の証」を知っている人がほとんどいなくなってしまった時代。
「でもフリーレンがすごい魔法使いだったことは僕たちが知っている・・」
ヒンメルからの言葉に「でもすぐ死んじゃうじゃん」と返したフリーレンだけど、同じ言葉をフェルンから言われて「そうだね」と頭を撫でながら返したところにフリーレンの気持ちの変化がわかる、いいシーンでした。
ラヴィーネとカンネがいつも喧嘩してるのに、息がぴったりあった魔法の連携ができている、その意味もフリーレンは学んでいくんでしょうね。{/netabare}

21話「魔法の世界」
{netabare}ゼーリエ登場!!
声は思ってたより低い感じでしたけど、聞いてくうちに慣れるんでしょうね。
今回も原作に沿った展開ではあるけど、バトルシーンや結界を破るシーンなどなど、アニメならではの演出がとても良くて、デンケンの殴り合いじゃぁぁぁ!!の名シーンもとても良かったです。
私も原作でデンケンのこのシーン読んで、彼が好きになりました。。
次回は2次試験前のつかの間の日常回ですけど、各キャラの交流シーンが良いので楽しみです♪{/netabare}

22話「次からは敵同士」
{netabare}個人的には今回みたいな何気ない日常回の良さがこの作品の醍醐味だと思ってます。
それぞれの登場人物の人柄などが垣間見えたり、キャラ同士のやりとりが面白かったり。。
第一次試験のパーティーって一時的なものではあったけど、そこから生まれた関係がいいですね。
カンネやラヴィーネたちと部屋で女子トークしてるときのフリーレンの嬉しそうな表情がベストショットでした。{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 51

71.9 2 パーティで悪魔なアニメランキング2位
便利屋斎藤さん、異世界に行く(TVアニメ動画)

2023年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (269)
897人が棚に入れました
今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。 運動も、勉強も、そこそこ。決して一番になれない普通の人間……それが、斎藤さん。 職業“便利屋”の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。 そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。 呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいの モーロック。 姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。 斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。 鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。 元の世界で身につけた“便利屋”の経験を異世界で活かす。 異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。 しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。 斎藤さんは充実していた。

声優・キャラクター
サイトウ:木村良平
ラエルザ:ファイルーズあい
ラファンパン:東山奈央
モーロック:チョー
メヴェナ:大橋彩香
ギブングル:相馬康一
リリーザ:花守ゆみり
ギーブル:田所陽向
フランリル:青木瑠璃子
ニニア:田所あずさ
カインズ:松岡禎丞
ライチ:芹澤優
モンプイ:本多力
キスルギ:笠間淳
プリマス:井澤詩織
ラーヴェラ:斎藤千和
ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

x=v₀t+1/2at^2

2023/06/07 初投稿

最初の印象は『かぐや様』みたい。
かなり短いギャグ寄りのエピソードを積み重ねていく感じ
一見関連性無く,場面や登場人物も次々と変わっていきます。
『かぐや様』のナレーションに相当する者として『斉藤さん』ではテロップが使われています。

そして,なんかビミョーなのです・・・イマイチ面白くない・・・
危なく切る所でした^^;
この回で切ろうと思いながら3話を見ていたら
(3話の)終盤横穴を見つけた当たりからちょっと面白くなってきましたw

視聴を継続すると
なんかドンドン加速度的に面白くなって行くではありませんか!!
4話で主要な登場人物がそろったのでしょうか(たぶん)
5話当たりからストーリーが見え始めます。5話で忍者のストーリーが始まり6話でもーロックさんのストーリーが始まりと言った具合で
意外とシリアス要素も感じさせながら,それぞれのストーリーも平行して描かれていきます。
8話で忍者の{netabare}ストーリーが完結します。思いの外感動的。
序盤単なるギャグアニメと思わせ,中盤以降もギャグに軸足を置きつつ,意外と真面目なストーリーを展開します。{/netabare}

色々突っ込みたくなる自分のような面倒くさい輩でも,ベースにギャグがあるので問答無用で色々納得させられちゃいました。
おかげで,ストーリーに集中できなんやかんやで感動的でした。

OPは1回しか見ませんでしたが。ED「ひだまりの彩度」はだいたい毎回見ました!

最近,評価の基準が狂ってるかも知れませんf^^;

投稿 : 2024/12/28
♥ : 22

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

意外と楽しめる。毎回、ただ「いい話」では絶対に終わらない(笑)。

「便利屋」という商売があります。

鍵を無くした時に開錠道具を使って開けてくれたり、漏水などの応急処置をしてくれたり、簡単な修理を請け負ってくれたり…。

そんな便利屋に勤務している斎藤さんが異世界に転移して、便利屋として身に着けた様々なスキル(ゲーム的な意味ではない)を用いて冒険者パーティーの支援職として自分の存在価値を見出していく、そんなお話ですね。

各話ストーリーとしては基本的にはお笑いの方向に軸足を置いているのですが、恋愛要素があったり、シリアスな展開につながる過去回想があったりといった感じでけっこうバランス良くエピソードが配置されています。

こちらの世界では自分の価値を信じられなかった斎藤さんですが、異世界で徐々に自分のポジションを確立し、自己肯定できるようになってゆく様はこのアニメのグランドストーリーになっています。

そんな笑いとシリアスの両輪で進むこのアニメの脚本が心掛けているのではなかろうかと思う点としては、「各話の最後はシリアスでは締めない」という点が挙げられます。

しんみりさせたり感動的なエピソードが入ってきて尺的に「この話はこのエピソードで終わるのかな?」と思わせても絶対に笑いの要素で締めてきます。

そこに妙な安心感・安定感を感じてなんとなく楽しんで完走してしまう、そんなアニメでしたね。

2023年冬(1~3月)クールは視聴したい作品数に比較的余裕があったので、そんな中ではお勧めできる作品だと思います。

ただ、後から観たいアニメを探すという観点だと「絶対観ておけ!」的な強力なお勧め作品でもないような気がします。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

剣も魔法も使えない。でも――サイトウの代わりはどこにもいない。

この作品の原作は未読ですが、私の中で今期のTOP10入り間違いなしの作品でした。


今までの人生、ずっと平々凡々と生きてきた。
運動も、勉強も、そこそこ。
決して一番になれない普通の人間……
それが、斎藤さん。

職業"便利屋"の斎藤さんは、ある日、異世界に転生する。
そこで出会ったのは、強く美しいツンデレ戦士。ラエルザ。
呪文を忘れる最強魔法使い。で、エロじじいのモーロック。
姿はかわいいが守銭奴の妖精。ラファンパン。

斎藤さんは個性的すぎる仲間たちとダンジョン攻略に挑む。
鍵開けのノウハウで、宝箱を開けたり、
カバン修理のスキルで、仲間の防具を直したり。
元の世界で身につけた"便利屋"の経験を異世界で活かす。

異世界でも斎藤さんは決して「特別」ではない。
しかし、必要とされることを知り「ありがとう」を知る。
斎藤さんは充実していた。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品も異世界転生モノです。
異世界転生って、本来なら有り得ない話なんですが、アニメの世界では既に一般常識レベルで常態化していると思うのは、きっと私だけじゃないはずです。

この作品の最大の魅力は、斎藤のパーティーメンバーによる掛け合いに尽きます。
掛け合いというより、モーロックのボケとラエルザのツッコミがヤバい作品と言う方がしっくりくるかもしれません。

斎藤(CV:木村良平さん):現代日本から転移した盗賊。日本では便利屋さんに勤めていた。
ラエルザ:(CV:ファイちゃん):本作品のヒロインで重戦士。
モーロック(CV:チョーさん):伝説級の魔術師だったが、物忘れが激しいのが難点…
ラファンパン(CV:奈央ぼう):月光妖精の神聖魔術師で主にパーティーの回復役を担当。

起点は殆どモーロックさんから始まります。
ダンジョンでの戦闘中に魔法の詠唱を忘れたり、腰痛が酷いのに女の子とギャンブルが大好きだったり、とかく破天荒なおじいちゃんです。
この破天荒さ故に、緊迫した状況にあまり遭遇しないというか、遭遇していても緊迫感が感じられなかったりと、常にどこかほんわかとした優しい雰囲気が感じられる作品だったと思っています。

そう言えば、wikiをチラ見した際に知ったのですが「モーロック」って本名じゃないみたいです。
きっと、耄碌(もうろく)したおじいちゃんだから「モーロック」と誰かが勝手に付けたのではと想像しています^^;

個人的に大好きだったのは各話の終い方です。
物語は毎話色々あるのですが、ラストは大概「今日も一日お疲れ様でした。また、明日も頑張りましょうね。」的な優しい雰囲気になるんです。

これはきっと性なのかもしれませんが、そこで必ずモーロックさんが何かをやらかすんですよね。
そして間髪開けずにラエルザの激しいツッコミが入ってエンディング…というパターンが堪らないほど大好きでした。
何故ならエンディングのイントロがメッチャ心地良いメロディで、本当に物語を全部包み込んでくれるような感じを強く受けたからです。

このエンディングを迎える度に視聴して良かったと思いながら、終盤は何故かエンディングもイントロを聞いただけで何故か目頭がじーんと熱くなったり…(*ノωノ)
時に自分のチョロさに辟易することもありますが、これはきっと不治の病みたいなモノなんでしょう。
回を重ねるうちにどんどん可愛らしくなるラエルザや、奈央ぼう演じるラファンパンも十分魅力的だったのが個人的には加点要素だと思っています。

気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Teary Planetさんによる「kaleidoscope」
エンディングテーマは、konocoさんによる「ひだまりの彩度」
言わずもがなですがエンディングに軍配です。

1クール全12話の物語でした。
これは続きが見たいでしょう。
斎藤とラエルザの顛末は、誰だって気になると思いますし…
ラエルザはラファンパンに対する警戒だって必要になるかもしれません。
モーロックさんは、これからもずっとマイペースなんだろうなぁ…
そんな温かなひと時を過ごさせて貰った作品でした。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 15

66.0 3 パーティで悪魔なアニメランキング3位
黒の召喚士(TVアニメ動画)

2022年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (222)
722人が棚に入れました
「初めてですよ、神である私に配下になれとおっしゃった方は」 ケルヴィンは目を覚ますと異世界に転生していた。しかも、ガイド役としてその世界の女神を配下に従えて。 前世の記憶を引き換えに、高ランクすぎる召喚スキルと魔法スキルを得たケルヴィンは、冒険者としての生活を始めるが、強敵を求めたがる性格と、新人レベルを遥かに越えたステータスによりすぐに注目を浴びてしまう。 黒のローブに身を包み、戦闘狂な主人公が、仲間を集めてトップ冒険者へと成り上がる、爽快バトルストーリー開幕!
ネタバレ

さばとら さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

異世界系でもTOP3には入るくらい面白い

総評
控えめに言って神アニメ。(異世界系には甘い)
異世界転生系って飽和状態でマンネリ化してるんだよね。
でもこの作品は斬新な展開や設定で飽きが来ない。
それに圧倒的俺TUEEE系で負けそうな描写が全くないのも安心感がある。
続きを原作で読みたいレベル。

1話
{netabare}
主人公は女神を口説いて異世界に連れてきちゃった。某駄女神と一緒だな。
主人公は召喚士でチートらしい。
エルフの奴隷に目をつけた。可愛い奴隷の子を仲間にする展開好きなんだよな〜。
滑り出しとしては良さそう。
{/netabare}

2話
{netabare}
確信した。このアニメ面白いわ。
新人狩りは噛ませだったな。
戦士長との戦闘シーンはCGがすごかった。
スピード出世にも程があるw
この調子でどんどん契約して仲間を増やす流れか。いいね。
{/netabare}

3話
{netabare}
ギルド長が只者ではない。声優も。
呪い持ちの奴隷を仲間に。結構可愛い。
{/netabare}

4話
{netabare}
奴隷とギルドの人とデート。二人とも華があるな。
悪魔が封印されてて、S級モンスターが強そう。
{/netabare}

5話
{netabare}
S級モンスター討伐。でも、回想によると凄く優しいキャラだったから悲しい。
魔王の娘を仲間にした。どんどん仲間が増えて賑やかになってるね。
{/netabare}

6話
{netabare}
セラの海でのシーンが綺麗で感動した。
勇者と戦うために、わざと敵になりすます作戦は面白いな。
主人公一行がもはや悪魔じゃんw
{/netabare}

7話
{netabare}
主人公vs勇者一行
向こうも強かったけど、主人公やっぱチートだわ
戦闘中に魔術作成とか狂ってる
こういうのが見たかったんだよ!
{/netabare}

8話
{netabare}
勇者育成・お米
A級冒険者が勇者一行を指導とか面白いな
外国行くときに和食が恋しくなる感覚だよな
{/netabare}

9話
{netabare}
マイホーム購入・女神召喚・勇者召喚
女神は期待以上の美人だった
主人公が勇者召喚とか新鮮で面白いな
その勇者が僕っ子でいいわ〜
メイドエルフ、魔王令嬢、女神、美人親子、妹勇者
夢見たいなパーティーで羨ましい限りだ
{/netabare}

10話
{netabare}
妹勇者と使用人親子の育成
経験値共有とか強すぎでしょw
自宅の警備が勇者とかセコムよりも安心だわ
なんか隣国が戦争始めるのか
主人公にボコボコにされる未来が想像できて待ちきれないな
{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

ダリア さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

飢えている 手に汗握る、命を賭した強者との戦いを渇望している

かなり前になろうで読んだ作品がアニメ化されていて驚きました
時代やね……
『黒の召喚士』は玉石混交のなろう産の中でも原作が面白い方の作品なので、商業的な成功を密かに祈っている
売れるといいね

以下、PRIME VIDEOで2話まで視聴後の感想

☆商業的に本気
内山昂輝君に上田麗奈という本気キャスティングもさることながら、作画も悪くないです
悪くない、というのは手の抜き所が分かっているという事
常に素晴らしい作画である必要はなくて、最低水準を維持しながら、戦闘や重要なシーンではしっかりと枚数を重ねて凝った演出で魅せる、という事ができているな、という印象があります、テンポも良いし
枚数を重ねる、というか戦闘パート入ったら主人公もCGモデルで動き始めてめちゃビビった ガンダムじゃないんだからさ
昔は手描き背景にCGモデルを配置すると画的にどうしても浮いてしまうから、アニメとしての作画に拘るなら新海誠ばりに労力を割くか、諦めて手描きで描くか、という時代だったんですよ、本当に
今のアニメってこんなにCG使って戦闘シーン描くものなの?
モデルのライティングもそれ程違和感ないし、驚いちゃった
老人なので、、、

☆主題歌良すぎ問題
OP、かいりきベアで驚きました
変なリフの曲ばっか投稿してたから、作家仕事の時はこんなキーボードマシマシの曲描くんだ……と思う等
EDも鈴木みのりだし、フライングドッグが劇伴の版権握ってるアニメなので、多分コネじゃなくてコンペ勝ち上がって採用された曲っぽい
ボカロで名を馳せた人間が作家としても幅を利かせ始めるの、嫌いではないです
実力で才能を証明して欲しい

OPの映像についての話を少しすると、なろう産原作の量産クソアニメを期待して視聴すると想像より中々お洒落で驚くと思います
多分この監督、岸誠二作品好きなんだろうな……という、神様ドォルズやペルソナシリーズに影響受けまくりのアートワークですが嫌いじゃないです
少なくともなろう産アニメ、という言葉から受ける印象よりは大分垢抜けている

ED、鈴木みのりですがしっとりしたシティーポップ(?)でびっくり
h-wonderや北川勝利等のフライングドッグ系の作家じゃない曲は新鮮
こういう曲って意外とワルキューレでもなかったかもしれない
昨今流行りのニューレトロ、ヴェイパーウェイヴ的雰囲気漂う良い曲です

楽曲の強みを最大限生かした雰囲気重視の映像も丁寧
キャラ画とCG処理の背景を掛け合わせた、弧を描くような軌道で動くカメラワークも工夫を感じます(この演出って何かの作品で既出だったりしますか、有識者教えて下さい、、、)


総じて、なろう産、と馬鹿にはさせんぞ、とスタッフが各々心血を注いで丁寧に仕事を重ねているアニメです
主人公に変な嫌味がなくて、原作も割と面白いのでなろう産作品に抵抗がなければ拝読をお勧めしますよ
Webで無料で読めるし是非

投稿 : 2024/12/28
♥ : 6
ネタバレ

しろにゃま さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

あなた様

アニメ勢。
ゆる~~く見られる感じが大好きですね。

アニメって集中して見るのって一回くらいで、サブスク系で何度もBGV的に流しています。そんな時は隠し要素・伏線とかは要らないんですよね。もちろん周回してるから内容は分かっているんですがなにせ現代のアニメ放送数って膨大で、見直しがいがあります。
なので太郎も次郎も好きですよ。見易くて。『まるで将棋だな』も「へ~将棋なんだぁ」くらいには受け入れてます。


黒の召喚士も突っ込みどころは多いです。
急に「バトルジャンキー」が仲間内で認知されていたり、、凄く違和感感じましたね。急に作画が落ちる、でも良いんです!予算が時間が無かったんでしょう?
数多あるなろう作品群からアニメ化されるんです!面白くないわけがない。
制作チームが予算、時間が限られたなか精一杯作ったんです。
監督が誠実に向き合えさえしていれば、アニメ化してくれて感謝!しかありません。
あとは個人的嗜好に合う萌要素があれば、私にとっていい作品ですね。
そんな要素
{netabare}
・うえしゃまの「あなた様、、、」、、、ありがてぇありがてぇ
・ビクトールは良い奴だった
・召喚巫女~くぎゅ 和国の女王~伊藤静、分かってる配役
・石見ちゃんは頑張った、、、うん、、、
・EDは至高、毎回飛ばさずに聴くこと。声優が声優として歌ってるEDではない。
・4人の召喚勇者PTの行方も気になるねぇ{/netabare}

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

74.8 4 パーティで悪魔なアニメランキング4位
この素晴らしい世界に祝福を!3(TVアニメ動画)

2024年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (305)
1050人が棚に入れました
交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだったゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)は、ひょんなことから、女神・アクアを道連れに異世界転生することに。 「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、魔王軍幹部を討伐したり、たまに死んだり……。 そんなある日、紅魔の里から帰還したカズマたちのもとに、手紙が届く。 その内容は、王女アイリスが、魔王軍幹部を倒したカズマ達の冒険譚を聞きたいというもの。護衛兼教育係のクレアとレインを伴い、アクセルの街を訪れた王女アイリスは、カズマ達パーティとの対面を穏やかに終えたと思いきや――― 「また私に、冒険話をしてくれるって言ったじゃない?」 王女アイリスが、カズマに懐いてしまった!? カズマが目を開けると、そこはなんと王都! アイリスに乞われて滞在するうちに、王城でのセレブ生活に味を占め、これ幸いと居座ることを決めるカズマ。 しかし、ちょうど同じころ、王都では義賊が暗躍する事件が起きていて――!?

声優・キャラクター
カズマ:福島潤
アクア:雨宮天
めぐみん:高橋李依
ダクネス:茅野愛衣
ルナ:原紗友里
荒くれ者:稲田徹
クリス:諏訪彩花
ウィズ:堀江由衣
バニル:西田雅一
ゆんゆん:豊崎愛生
ミツルギ:江口拓也
アイリス:高尾奏音
クレア:矢作紗友里
レイン:上田麗奈
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ララティーーーナ!

原作未読 全11話

この素晴らしい世界に祝福を!の3期です。関係性から1・2期、『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』を事前に観ることをオススメします。

本編は約7年ぶり劇場版からでも5年ぶりの3期となります。

ただ、2023年にスピンオフ作品の『この素晴らしい世界に爆焔を!』がありましたのでそこまで懐かしさはありませんでしたね。

でも、この作品はカズマ・アクア・めぐみん・ダグネスの4人が揃わないと面白くないですね。

今回は、大きく前半後半と分かれていますが、両方ともダクネス(ダスティネス・フォード・ララティーナ) が物語のキーとなっております。

ダクネス役の茅野愛衣さんになんてことを言わせるんだ!というシーンがこれまで以上にありますw

お調子者のカズマ、普段は駄女神ですが結構凄い事をしているアクア、猪突猛進のめぐみんw、肝心な時にドMな本性が出てしまうダグネスと相変わらずのメンバーです。

楽しく観させてもらいました。最後はスッキリした終わり方をしていますね。

また、続きがあるといいですね。

OPはMachicoさん、EDはアクア役の雨宮天さん・めぐみん役の高橋李依さん・ダクネス役の茅野愛衣さんが歌っています。

最後に、「安楽少女」というモンスターが出てきますが、CVは小清水亜美さんでオーデションの時にあるアドリブをいれて受かったそうです。
本編を観ると確かにアドリブ{netabare}(舌打ち){/netabare}は見事なものでしたw(何回もさせられたそうですw)

投稿 : 2024/12/28
♥ : 20

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

そうだ、冒険に出よう。

この作品の原作は未読ですが、TVアニメ第1期~第2期、スピンオフ作品と劇場版は視聴済です。
個人的には第2期と第3期の間にスピンオフ作品である「この素晴らしい世界に爆焔を!」が挟まれたことでより理解度が増した上、一層の愛着が持てるようになったと思っています。


交通事故(!?)によりあっけなく人生の幕を閉じるはずだった
ゲームを愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)
ひょんなことから、女神・アクアを道連れに異世界転生することに。
「RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!

めざせ勇者!」と舞い上がったのも束の間、転生したカズマには厄介なことばかり降りかかる。
トラブルメーカーの駄女神・アクア、中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、
妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、
能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになったり、
借金で首が回らなくなったり、国家転覆罪の容疑で裁判にかけられたり、
魔王軍幹部を討伐したり、たまに死んだり……。

そんなある日、紅魔の里から帰還したカズマたちのもとに、手紙が届く。
その内容は、王女アイリスが、魔王軍幹部を倒したカズマ達の
冒険譚を聞きたいというもの。
護衛兼教育係のクレアとレインを伴い、アクセルの街を訪れた王女アイリスは、
カズマ達パーティとの対面を穏やかに終えたと思いきや―――

「また私に、冒険話をしてくれるって言ったじゃない?」

王女アイリスが、カズマに懐いてしまった!?カズマが目を開けると、
そこはなんと王都!
アイリスに乞われて滞在するうちに、
王城でのセレブ生活に味を占め、これ幸いと居座ることを決めるカズマ。

しかし、ちょうど同じころ、王都では義賊が暗躍する事件が起きていて――!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

これまで、アクア、めぐみん、ダクネスの3すくみ状態でしたが、この均衡が少しずつ崩れて来た様に感じるのは、私だけじゃないと思います。

アクアに対する無茶振りや、めぐみんのエクスプロージョンの空打ちといったこれまでの笑いのツボは少し影を薄めた感じがします。
特にアクア…個人的には天ちゃんの演じるアクアが大好きなので、もっと活躍して欲しいんですけどね。

代わりに存在がとりわけ大きくなったのがダクネスで間違いないでしょう。
今期の作品を視聴して思ったこと…
やっぱりダクネスって、アレなんです??
好きなのかなぁ…
でも、好きじゃなきゃ越えられない一線ってあると思うんですけど、そこを悠々と乗り越えてくるのって、考えてみるとダクネスだけなんですよね。

そして、ダクネスにとって脅威…となるかもしれないキャラも登場してきましたね。
ベルゼルグ王国の第一王女であるアイリス王女…
CVが高尾奏音さんでしたが、イメージがピッタリでしたね。

高尾さんでググってみると、私にとっては新しい発見がありました。
高尾さん、元々アース・スター エンターテイメントに所属されていたんですね。
「てーきゅう」「ヤマノススメ」「世界でいちばん強くなりたい!」などの有名どころを輩出していた会社で、特に「世界でいちばん強くなりたい!」は初の30分枠アニメだったことから、自虐ネタを交えて宣伝していたのを良く覚えています。

そんなアース・スター エンターテイメントさんですが、声優・タレント事業から撤退した上、会社自身も吸収合併により解散していたとは恥ずかしながら知りませんでした。
もう「てーきゅう」の様な尖った作品は放送されないんだろうなぁ…なんて思うと少し寂しい気がします^^;

少し本題から逸れちゃいましたね^^;
今期も安定的な面白さだったので、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニンブテーマは、Machicoさんによる「Growing Up」
このすばのオープニングと、Machicoさんの組み合わせは最早鉄板ですね^^
エンディングテーマは、アクア・めぐみん・ダクネスによる「あの日のままのぼくら」
エンディグの曲風も毎度お馴染みの…という感じが溢れていて良かったと思います。

1クール全11話の物語でした。
これまでずっと全10話だったので、今期ももしや…と思っていましたが、全11話でした。
原作は既に完結していると聞いています。
「冒険に出よう…」と言っておきながら、もしやアクセルの街で完結するんじゃ…と危惧するようになってきました。
まぁ、それはそれで面白いですけどね。
続編の発表、楽しみにしてます。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 18
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

やはりこの4人が中心だと面白い。会社変更がかえって新鮮だったかも。

 あー面白かった、と素直に言える作品でした。制作会社が変わって作画や演出の雰囲気は2期や映画よりも落ちたといえば落ちたかもしれません。

 しかしながら、主人公カズマ+3人のヒロインの揺るぎないキャラ構成で作品そのものに力があります。ですので視聴中は2期までと比べて…のような感覚にはなりませんでした。

 というより、むしろギャグとして飽きが来るのを防ぐ効果があったかもしれません。アクアを中心としてダクネス以外の女性の描き方がよりギャグテイストになりましたが、そこが新鮮で面白かったです。
 その描き方のせいか、ゆんゆん、クリス、ウィズ、アイリスの使い方も出すぎないわりに印象に残ります。

 そして内容そのものですが、2期まではヒロインとしてはめぐみんが中心で、コメディリリーフとしてアクアが不動の地位。その2人と比較してダクネスは何かうっとしいというか、恥ずかしいキャラであまり好きになれませんでした。
 それがダクネスが中心になった3期はちゃんとダクネスに魅力を感じるんですよね。今回はめぐみんがむしろうるさいだけの役回りです。つまり、焦点の当て方がうまいのでしょう。

 前半がカズマのクズっぷり+アイリス、銀髪盗賊団の登場、後半がシリアスな話と構成もバランスがよく11話楽しめました。

 まあ、満点は盛りすぎだと思いますし、作画は4くらいでいいと思いますが、他は4.5つけたいですね。この作品は不思議なことに音楽いいんですよね。特にEDは素晴らしかったです。

 4期早く…というか、もう最後まで作っても採算とれるでしょう???会社作っちゃえばいいじゃないですか。




1話 作画はいいし面白いですが、カズマにちょっと疲れるかも。

{netabare}  やはりこの4人ですね。ひょっとしたら「爆炎」もこの作品と並行して見たら感情移入できて面白いかもしれません。

 原作4作目の映画版の紅魔の里に行く前の部分ですね。非常に独特な魔物が登場です。時系列がおかしくなるのでオリジナル要素を入れています。人気キャラ?なので分からなくはないですが、ちょっと引き延ばしのマインドがないか心配ですが様子見ですね。

 心配していた作画が良くなりすぎないか問題は、がんばって雰囲気を1期に揃えようという努力はちゃんとしているみたいです。

 ただ、1話を見てちょっと疲れました。カズマが絶好調過ぎてノリが強烈なので1期2期を視聴して感覚を合わせないと、きついかもしれませんね。 {/netabare}


2話 このクオリティなら安心して見られそうです。

{netabare} ということで、作画や演出はもちろんテンポもいいので、視聴継続は当然として満足度も高くなりそうです。ダクネスの表情も良かったです。

 ということでアイリス王女様登場ですね。待ちかねました。ちょっと思っていたよりもキャラデザが微妙な気がしなくはないですけど。最後の方だけは作画というか女性たちが妙に美人でした。

 文句があればレビューするかもしれませんが、今のところ良さそうです。楽しめそうです。{/netabare}


3話視聴後に追記 OPEDがいいです。特にEDは最高です。

{netabare} このシリーズ、EDが妙にいいです。余韻ですよね。今回も気に入りました。

 それとキャラデザは微妙に変わっています?3人の女子が妙に顔がかわいい気がします。{/netabare}


5話 放送事故みたいな沈黙がすごい。表情もカットも大胆な演出でした。

{netabare} エリス様との沈黙シーンはちょっと驚く時間でした。表情もいつにまして豊だし、作画もちょっと雰囲気が違いました。場面の転換もかなり思い切ったタイミングだったと思います。このセンスは「このすば」的な感じもするのですが、今までにはなかった新しさを感じました。

 この5話はかなり面白かったと思いますが、アニメのクオリティの高さも感じました。{/netabare}


6話 いいんですけどなんか物足りない回でした。

{netabare}  原作では一番盛り上がる回だし、実際本作アニメ版も悪くはなかったですが、なぜか淡泊な感じでした。
 期待では10に対して、8くらいというか。合格が7だからいいんですけど、もったいないというかなんというか。無難ではあるんですけど…うーん。

 5話は逆に期待以上でしたから、シリーズ全体が悪いというわけではないと思います。今回の演出のレベルなのか次回以降に力を蓄えたのかわかりませんが、今回はサラッと終わっちゃった感がありますね。

 まあ、やっと銀髪盗賊団が登場ということでいいんですけどね。「爆炎」は残念でしたが、こっちのスピンオフはぜひ見たいですね。{/netabare}


7話 アクアの下半身エロくない?声優さんにちょっと違和感。

{netabare} アクアの下半身の描写が妙にエロかった気がするのですが…気のせいじゃないと思います。じっくり見てしまいましたから。3期はかなり抑え気味だったのが7話はちょっと特殊だった気がします。

 それと6話よりよかったと思いますが、しかし、声優さんの演技がちょっと不思議な感じでした。
 「このすば」芸を本人が真似しているという感じというか、ほんの僅か間が悪いというか。監督なのか音響監督なのか知りませんが、ちょっと違和感を感じました。 {/netabare}


8話 ダクネスが可愛くなった半面、重くシリアス化したことの是非。

{netabare} ダクネスというキャラは1,2期は作りすぎというか少し不自然な造形というか、騒がしさがちょっとうっとうしというかで、あまり好きじゃないキャラでした。

 ただ、この3期…まあ、2期の最後の方くらいからアクアよりもキャラが自然な感じになってきて、少しずつ好感が持てるようになってきました。

 その好感が曲者で、キャラとしては非常にいいキャラだし可愛くなってきたんですけど、面白さが減ってきた気がします。貴族としての責任を背負いすぎでシリアス化してますし、カズマへの気持ちも重いです。
 その一方でめぐみんとアクアは、面白さはとんがってきているんですけど「ギャグ要員」なんですよね。

 めぐみんはそれでもまだカズマとの関係性でキャラが成立してるんですけど、アクアは少し形式化してしまった気はします。

 まあ、微妙なバランスの問題なんですけどね。カズマが面白さの中心ですし、エリス・アイリス(銀髪盗賊団)の投入が成功したので、周囲のキャラが少々ズレたところで作品としての面白さは成立していますのでいいんですけど、3人のヒロインたち…特にダクネスの変化はいいのか悪いのか。

 原作ではそれほどキャラの変化は感じませんでしたが、アニメだと結構顕著に感じました。アニメの制作陣の変更で解釈が変化した結果、増幅したのかもしれません。{/netabare}


9話 あと2話かあ。なぜコマ切れにするのかとも思いますが、飽きないうちがいいのかな。

{netabare} まあ以前見たのと同じような話ですけど、この作品なので許されるという感じでしょうね。作画も少し荒れてきた気がしますが、強引に乗り切るのでしょう。それもやっぱりカズマありきですね。爆炎を再挑戦しましたが、やっぱりそれほど面白く感じませんでした。

 噂によると11話らしいのであと2話かあ。なぜヒットする作品だとわかっているのにコマ切れにするんでしょう?ただ、ギャグは飽きがくるのも事実ですので休むのはいいですが、さすがに賞味期限が近い気もします。

 あのタヌキのしっぽって、腰から生えてたんですね。初めてしりました。{/netabare}


10話 ギャグのシリアス化にも耐えうるカズマという奇跡的なキャラ造形

 ギャグのシリアス化現象というのはどんな作品にでも起こりえるものです。本作も例外ではないんでしょう。ただ、この作品はもともとそういう厨2的なカッコつけを含めての作品なので、作風を保っているといえば保っています。

 結果的にやっぱり面白いんですよね、本作は。というよりカズマというキャラが素晴らしいのでしょう。3人のヒロインやその他のサブキャラたちのキャラ性を引き出しつつ、話の中心としてどっしりとした安定感があるキャラ造形は、ひょっとしたら作者の能力の枠を超えて奇跡的に降臨したのか、とも思えます。
 力があるキャラなので、カズマはシリアスをやっても受け入れられるキャラとしての力強さがあります。もちろん、3人のヒロインに支えられてこそ、なんですけど9話のタヌキのお姉さんの話もちゃんと面白いですからね。

 逆に言えば、失礼ながら原作者の他の作品や本作スピンオフと比較して、本作は突出して面白いということなんですけど。

 ということであと1話かな。開始前は不安でしたが楽しませてもらいました。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 15

69.3 5 パーティで悪魔なアニメランキング5位
Lv1魔王とワンルーム勇者(TVアニメ動画)

2023年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (175)
570人が棚に入れました
かつて魔王を倒した英雄にも関わらず、人間社会の繁栄に埋もれて腐ってしまった勇者マックスと、マックスを倒すために蘇った魔王の交流を描く現代風異世界ファンタジー
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

良い意味で予想の斜め上

<2023/10/9 初投稿>
原作は未読。
7月に1話だけ見て、その後録り溜めして今日一気見しました。
"勇者"のその後をコメディタッチで描いた作品です。

これは面白いですね。
設定も先の見えないストーリー展開もしっかりしていて、全話だれることなく没頭できました。

あにこれの評価も高くないし、ネットであまり評判にもなってないようなので隠れた良作、という感じ。

ただ楽しむには越えなければならないハードルが二つありまして。

一つが変なキャラ。
変なのは魔王様とゼニアなのですが。
魔王は性格は至極まともだけど、
{netabare}性別がどっちなのか(もしくは性別の概念がない?){/netabare}よくわからないし、
おそ松さんを彷彿とさせる幼児のようなキャラデザイン、
大人の姿の時の痴女のようなセーラー服
とか情報も多すぎて飲み込んで消化するのが大変です笑

そしてゼニアは服装がJapanese HENTAI寄り笑

二つ目は設定。
ドラクエ的中世ヨーロッパのような世界観の中で勇者御一行が魔王を討伐して10年。一気に文明が進みなぜかほぼ現代日本のような世の中に変容してます。
10年でこうはならんやろ笑
現代日本へ転送されたわけじゃないんだと理解し、ギャップに慣れるのに時間かかりました。

まぁでもこの二つに慣れてしまえば後はストーリーを楽しむだけです。

内容はコメディメインではありますが、
冒頭「はたらく魔王さま」的なノリのように見せて、話が進むにつれ中身が変わっていく感じ。
勇者御一行のその後の関係性に焦点当てているところなんかは寧ろ「葬送のフリーレン」の方が近いかも、とか言ったらフリーレンファンに怒られそう。


あと声優さんが豪華ですね。
主人公の勇者マックスは五条悟他で飛ぶ鳥を落とす勢いの中村悠一さん。イケメンじゃない役が珍しいという声もありますが、ゴブリンスレイヤーではドワーフの爺さん演ってて演技の幅広い方です。
魔王は宇崎ちゃんとかの大空直美さん。
準レギュラーも日笠陽子さん、松岡禎丞さん、下野紘さん、小清水亜美さん、小林ゆうさんなどなど豪華。

他にもそんなに出番多いわけじゃない王国九大臣に、堀内賢雄さん、置鮎龍太郎さん、大塚明夫さん、玄田哲章さん、井上麻里奈さん、草尾毅さん、谷育子さん、土師孝也さん、そして田中真弓さん。
まぁすごいメンツ。

長々と声優さんのこと書いたのは、こういう実力も実績もあるメンバー揃えるとやはり作品は締まるなぁ、と。
一人一人のキャラが立つんですよね。
なのでお話も頭に入りやすい。

クセ強なキャラと設定がヘーキという方にオススメしたい作品です。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 16

原作見ない人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

萌え絵好きには合わないかも

■物語の評価
「まおゆう」や「はたらく魔王さま」とか設定がかぶってる~
とは言われたりしてますが、
物語は毛ほども似ていません。
バックグラウンドのストーリーが進みながら
落ちぶれたオッサン勇者と幼女になった魔王の成長?を見守る感じですね。

■声優の評価
豪華声優陣!と言うかまーた同じような声優陣なので
特に声優さんの遊びが入ってる訳でもないので
安心して見れる以外には特にないです。

■キャラの評価
一番割れる所だと思いますが、かわいいキャラクター、美少年とかを見慣れてしまっている人には絵が古いと感じてそれだけで評価が低くなると思います。
ですが、おっさん達が主人公な上に、紅一点が特に可愛くもない3頭身の幼女
という中 キャラの書き分けがしっかりとしており非常に濃い。
美男美女しか出てこないアニメが多い中、ある意味リアルな感じがします。

■作画の評価
キャラの方でも少し触れたのですが古い感じがする。
と感じる人も多いと思いますが、作画めっちゃいい!
細かい絵でないから簡単なんだろって思うことなかれ、表情・表現の一つ一つが細かい。背景も世界観を崩さない安定さ
シーンやカットごとに違和感が出る事なく統一されていて昨今の
ぶっつけ消費作品とは違うのが非常に気持ちいい!

■音楽の評価
特にここの音楽かっこいい!
とかこのシーンにはこの音楽だよね!
は無いのですが、世界観的に必要ないきもする…

■感想
評価がほぼ感想みたいなものですが
だらっと、安心して見れるアニメを久しぶりに見れた気がします。
知的な物・知ってる人だけが笑えるネタなどを仕込まず
王道の馬鹿展開とおっさんの駄目さと苦悩を楽しめるアニメでした。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 1

dakiramk3 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

意表を突かれた展開

 てっきり本作品のぱっと見の既視感から、出オチに近い日常系かと思ったら、意外とそういった作品群からは距離を置いている独自性が発揮されているとは思った。

 原作者の癖が詰まった……一般的には特殊性癖な腹筋キャラとか異様なまでのケツ推しの部下といい、あれこれ尖ってはいるが、描いているのは必ず存在するであろうが無視されがちな、ヒーローのその後の描写が、作品世界がモロ現代日本なので若干引き付けにくいところはあるものの、描写自体は概ね説得力があった。
 ……ただし個人的に求めているものとはちょっと違ったけど。

投稿 : 2024/12/28
♥ : 8

64.0 6 パーティで悪魔なアニメランキング6位
勇者が死んだ!(TVアニメ動画)

2023年春アニメ
★★★★☆ 3.1 (130)
443人が棚に入れました
剣と魔法、そして人類の敵として悪魔が息づく世界。 ちょっとスケベな農夫の少年トウカは、ある日自作の落とし穴に勇者シオンを落とし、殺してしまう! その事実を隠すため勇者の死体を埋めたが、翌朝トウカの体に異変が…!!? 落とし穴からはじまる、村人と美少女たちのちょっとエッチな冒険ファンタジー開幕!
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