2006年度のパリTVアニメ動画ランキング 1

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63.8 1 2006年度のパリアニメランキング1位
シュヴァリエ(TVアニメ動画)

2006年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (166)
1107人が棚に入れました
真実と忠誠の名において、私はお前に報復するときは18世紀、革命前夜のフランス。国王ルイ15世の御世――ヴェルサイユは栄光に輝き、セーヌ河の偉大な流れとともに、パリは美しくもおぞましい混沌に満ちていた。ある夜明け、一人の女性が亡骸となって、セーヌ河を流れ着く。彼女の名はリア・ド・ボーモン。棺桶の蓋には謎のアルファベット――《PSALMS》(=詩篇)が刻まれていた。その弟、デオン・ド・ボーモンは秘密警察に所属し、パリを騒がす淑女連続失踪事件の謎を追っている。姉もまたその犠牲者の一人だった。やがて、捜査を続けるデオンの前で禁忌の歴史が幕を開けるのだった……。


声優・キャラクター
泰勇気、水野理紗、成田剣、松元惠、佐藤晴男、喜多村英梨、稲田徹、櫻井孝宏、涼風真世

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

女装の先駆けとなった実在する人物が主人公

冲方丁の原作を元にWOWOWで数年前に放送された全24話のアニメ作品。

実在の外交官であるシュヴァリエ・デオンが主人公。
綿密な時代考証に基づく18世紀ヨーロッパの国際情勢など、
歴史的事実をベースに創作も加味され、
錬金術などのオカルトが交錯する世界観は個人的に大好物なので、
すぐに惹き込まれ、放送当時は毎回夢中になって観ていた。

主人公である青年 デオン・ド・ポーモンは、歴史上
美しい女装を武器として成功した外交や女装の騎士の伝説を残しているのだが、
この物語の中では、何者かに殺されてしまった姉 リアの魂が時折自分に憑依し、
その間だけは剣の腕が上がるだけでなく、声や仕草も性格も、リアに変わるという設定。

で、その剣術の強さを武器に、仲間である銃士とともに
姉の死の真相究明をしていく、というお話。

剣術だけでなく、詩篇と呼ばれる書物を利用した魔力的な戦術がなかなか面白く、
EDの音楽も個人的にかなりお気に入り。

登場人物は、サンジェルマン伯爵、ルイ15世、ポンパドール夫人、
カリオストロ、ロシアの女帝エリザヴェータやエカテリーナなど、
ほかにも、史実に残る名前がゾロゾロ登場。
それだけでもすごく楽しかった。

ちなみに制作はProduction I.G。
脚本も深みがあって見応えは充分。
騎士道、世界史、中世ヨーロッパ、ゴシック、錬金術、革命・・
なんてキーワードがお好きな方には特にオススメ。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 43

ソーカー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

真実と忠誠の名において

フランスに忠誠を誓う騎士であるデオン・ド・ボーモンが姉の死の真相を探るべく機密局員として捜査することになる。

Production I.Gの良作群の中でもとりわけ真面目な作品。
緻密な時代考証に練りこまれた脚本が魅力。詩篇と呼ばれる呪文を用いた戦闘はあるものの、本作にはあまり派手さがなく淡々と進むのでじっくりと作品を楽しめる人向け。
史実に忠実というわけではないんですが、実在した人物も多数登場しフランス革命までの道筋を描いた作品として非常に見ごたえのある作品でありました。

機密局員の面々も騎士としての魅力がある。
デオンに姉リアが乗り移って剣を振るう姿は美しい、デオンもまた愚直なまでの忠誠心
騎士としてフランスに忠誠を誓う彼らだがそれぞれに忠誠の形があり、それを貫こうとする様はまさに「騎士」そのものであったと思います。ロビンだけは騎士じゃないけども、彼が騎士に憧れそして騎士に疑問抱き苦悩する様はラストにつながって行く。

ミステリーとしても非常に面白いですが、当時の西洋史に興味がある人ほど楽しめると思います
ただ本作はバッドエンドではないものの、ハッピーエンドとは言いがたいので、その辺は人を選ぶかもしれないですね。
アニメというより小説を読む感覚で視聴できる名作です。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 21
ネタバレ

Britannia さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

真実と忠誠の名において、私はお前に報復する

♠あらすじ
時は18世紀、革命前夜のフランス。
国王ルイ15世の御世、ヴェルサイユは栄光に輝きセーヌ河の偉大な流れとともに、パリは美しくもおぞましい混沌に満ちていた。

ある夜明け
一人の女性が亡骸となって、セーヌ河を流れ着く(姉、リア・ド・ボーモン)。
死の原因を調べる為、主人公(デオン・ド・ボーモン)は秘密警察に所属し、パリを騒がす淑女連続失踪事件の謎を追って行く。
後に、大きな歴史の渦に巻き込まれるのであった。
※シュヴァリエ (Chevalier)⇒フランス騎士

♥全24話視聴中の感情
並より良いね(★3.5)⇒ダレて来た切ろうかな(★3.0)⇒再び良くなってくる(★3.5)⇒もう夢中(★4.5)
{netabare}フランス⇒ロシア⇒イギリス
手掛かりが消えては移動って所でダレる、視聴中は詰め込んで1クールにまとめた方が良かったんじゃないかと思っていた、しかしそこを乗り越えると夢中になる、断念してたら勿体なかった。{/netabare}
レビューを見ると、結構視聴してるのに切ってる方が居るのはこの辺りだと思う。
後半の伸びが素晴らしいので中盤まで見れた方は切らないで欲しい。
原因の究明・好奇心・歴史・真実とは?
シリアスなシナリオが好きな人にはオススメです。

♦ネタばれ{netabare} {netabare}
♣良かった点
主要キャラの行く末、結末が素晴らしい。
(デュラン、ロビン、テラゴリー、マクシミリアン・ロベスピエール他)
物語を通してそれぞれが成長し相応しい結末を辿る
特にロビン、その後で2期を製作して欲しい。

♤涙
アンナ死後のくちづけ
長い年月アンナに愛され続けた、デオン・ド・ボーモンの余生
その年月以上に思い続ける姿には感動しました。

♡王家の詩
書物の姿をしており、選ばれた者しか開くことが出来ず手に持つことさえ出来ない
王家の秘密や繁栄のための予言が書かれている王家に伝わる未来の預言書。
真実ってのは興奮します。

♢個人的に気に入らない点
1番に、ファンタジー(錬金術・詩人)これマジ要らない
(強すぎる・バランスが壊れる・理解困難意味不明)ロミオ×ジュリエットも同様。
折角物語がシリアスで、作り込まれていて良いのに冷めるし幼稚になる
今作品を作成する上でエンタメとして必要なのだろうが極論を言えば乗り移りさえ要らない。
実在の人物は女装してたらしいし、ファンタジー削ればもっと深みが出たと思う(名作、★5だったかもしれない) {/netabare}{/netabare}

♧総括
見て良かった、とてもおもしろい作品です❤

投稿 : 2024/11/23
♥ : 16
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