バケモノで時代劇なTVアニメ動画ランキング 2

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65.4 1 バケモノで時代劇なアニメランキング1位
シグルイ(TVアニメ動画)

2007年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (160)
739人が棚に入れました
シグルイ HALF-BOX 虎 【期間限定生産】 寛永6年9月24日、駿河大納言・徳川忠長の一意により、駿府城内で御前試合の十一番勝負が行われた。
通常、御前試合は、無益に剣士の生命を失わせないために、慣例として木剣にて行うこととなっているが、周囲の諌めにも拘らず、今回の御前試合は真剣を用いる事が決定され、二十二名の達人らによる凄惨な殺し合いが幕を開ける。
左腕を缺損している隻腕の剣士・藤木源之助の前に現れた相手は、両目が真横一文字に切り裂かれた盲目・跛足の剣士、伊良子清玄であった。対峙する隻腕と盲目の剣士。両剣士には浅からぬ因縁があった…。

声優・キャラクター
浪川大輔、佐々木望、桑島法子、篠原恵美、加藤精三、堀江美都子、屋良有作、稲葉実、島田敏、小山力也、大林隆介、チョー
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「試合は死に合いに通じる。」

【本作の紹介】
本作は、南條範夫の時代小説『駿河城御前試合』の第一話「無明逆流れ」を原作とする山口貴由の漫画が原作。原作は未読。『無限の住人-IMMORTAL-』の浜崎博嗣監督つながりで視聴を開始。

あらすじは、時の将軍秀忠の弟である徳川忠長の命で、真剣を用いた御前試合が行われることとなった(※これ自体はフィクションだが、忠長は奇行が多く28歳で自刃させられている。)。その第一試合は、かつて「濃尾無双」と謳われた剣豪・岩本虎眼が開いた「虎眼流」で同門であった隻腕の剣士・藤木源之助と盲目・跛足の剣士・伊良子清玄であった。

この試合に至るまでの経緯を2話以降で描いていくわけですが、他のレビュアーさんも指摘する通り、途中で終わってます。
また、エログロ注意です。あと、ストーリーを追いかけるのが大変なくらい、視聴者を置き去りにしてどんどん進んでいきます。

ただ、私は武道をやってたんで、秘剣とかいわれるとワクワクしちゃうんですよね。あと、秘剣「無明逆流れ」は、相手との間(距離)が特に重要な技です。武道において間の取り方が重要なので、間を取れないことを「間抜け」というのですが、本作の間の取り方は好きです。そこは間違いなく見せ場。

そして、なんといっても岩本虎眼、他にも山崎九郎右衛門など、とにかくキャラが濃い。色々な意味で必見です(笑)。

江戸時代初期、まだ剣に纏わる戦国時代の狂気がリアルに感じられた頃、その狂気にとりつかれた者たちのお話でしょうか。


【「試合は死に合いに通じる。」】
試合という互いに切磋琢磨するはずの場で、殺し合いになるような激しい感情や行動を導き出すには、江戸時代初期、時代劇という設定が必要だったと思うのです。

合気道の開祖である植芝盛平(1883~1969)は、「試合は死に合いに通じる」(試合をすると殺し合いになりかねない)として、合気道で試合をすることを禁じています。

私は諸先輩方から事あるごとに、口酸っぱくこの話をされて戒めらたのですが、おそらく現代では、解説しないと伝わらない。

どういうことかというと、真面目に日々鍛錬している者ほど、自分の強さにプライドを持っている。しかし、試合で負けると、そのプライドをへし折られることになる。

そして、プライドが高い者ほど、潔く負けを認めない傾向がある。
「試合にはルールがあったから、あいつはルールに助けられただけだ。ルールなしの実戦なら俺の方が強いにきまっている」とか、「あいつはたまたま運が良かっただけだ」とか…
まだ言い訳ですめばいいのですが、挙句の果てには、自分に勝った相手を恨み始め、試合で勝てないもんだから、陰でいじめたり闇討ちしようとしたりする。

試合をすることで恨みや嫉妬が生じ、高いプライドを持つ人ほど、常軌を逸した感情や行動につながる。

ということが特に昔はよくあったので、気軽に試合をするなと戒めているのだと私は解釈しています。

今もそういった感情や行動がなくなったわけではないですが、江戸時代、特に剣の時代であった戦国時代が終わったばかりの頃の人間の剣術にかける意気込みは、現代人のソレとは大きく異なり、怨念ともいうべき常軌を逸した感情を生み出しても不思議ではない。

本作の岩本虎眼は、{netabare}徳川家剣術指南役であった柳生宗矩と試合をして勝ちを譲った。譲られた宗矩は、一計を案じて虎眼が指南役になる道をふさぎ、虎眼はそのことを終生恨むことになる。そのことが、彼の武芸者として高いプライドによって、怨念ともいうべき常軌を逸した感情を生み出したと思うわけです。

また、藤木源之助と伊良子清玄も、道場破りに来た伊良子が藤木と試合したことから始まり、同じ流派の跡取りとしてのライバル関係があって、体の一部を欠損してまで殺し合いを続けている。それは、彼らの武芸者としての高いプライドが、怨念ともいうべき常軌を逸した行動につながっている。

現代から見れば、その怨念は異常でしょうから、それが説得力を持つ江戸時代初期に時代を設定する必要があったと思うわけです。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

ワドルディ隊員 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

非常に狂気的な作風であるが、最後はあっけない

この作品は、南條範夫氏が手掛けた時代小説
『駿河城御前試合』の第一話「無明逆流れ」を、
漫画家である山口貴由氏が独自のアレンジを加えた漫画
がベースとなっている。
視聴後に、原作の存在を知ったため、原作に
関してのコメントはできない。

内容を一行で言い表すと、隻腕の剣士・藤木源之助と
盲目・跛足の剣士、伊良子清玄による
壮絶な果し合いである。

全体を通した感想だが、想像以上に濃い作品であった。
作品のテンポはごゆるりとしている故に、中だるみ
しているのではと感じる場面はあったものの、ここぞ
という時の見せ場はきちんと用意されているため
最後まで完走することが出来た。

特にグロテスクな描写は群を抜いており、耐性のない人
が見ると確実に吐き気を催すレベル。常に勢いよく飛び出すと
いうよりは、緩急がついているものであるため、一般的な
グロアニメとは少しばかし違う。
他の作品で事前に耐性を付けてからの視聴を推奨。

主人公を含む主要メンバーそれぞれに明確な役割が
与えられており、このキャラは不要だと感じたことは
ほとんどなかったように思う。

中でも私が印象に残っているキャラクターはやはり、岩本虎眼。
主人公藤木源之助が所属する道場「虎眼流」の創始者であり、
作中屈指の強キャラ。

中でも特筆すべき点は、精神が不安定なため正気を
保っている状態と、正気でない「曖昧な」状態の2種類を
行ったり来たりしているという生活様式。

正気の状態でも、厳列な性格が目立つ正に暴君。部下の口
を裂いたり、裏切り者には両目を潰すなど容赦ない。
そんな彼が一度曖昧な状態へと変貌したら手の付けようがない。
目が朦朧としている上に、言葉を碌に話せるような状況ではない為
真意をくみ取るのに一苦労。

虎眼で印象に残っているシーンは主に二つ。
一つ目は自らの娘、三重に高弟達が大勢いる中で男女の契りを
無理やり結ばせようとする回。
その際発した台詞「種~~!!」は嫌でも彼女の耳に残ったに
違いない。色々と悟った美恵が自害しようするのは当然
の結果だと言える。鬼畜ここに極まれりといった所か。

二つ目は、伊良子の策略により、正気でも曖昧でもない
「魔神」と化した回。完全に敵味方の区別がついておらず、
近づいた者を排除する殺人マシーンへと変貌していた。
対峙する伊良子もこれにはゾッとする。私もゾッとした。
そこからしばらくして始まる伊良子と魔神虎眼の死闘は圧巻。
演出の良さも相まって完全に見とれていた。機会があれば
また見てみたいものだ。

一番のネックは、最後が中途半端な所で終わったことだろうか。
あの展開から、どうすれば1話に続いていくのかが明らかに
されていないのは致命的だ。まあ、原作を読むための配慮と考えれば
理解はできるが、納得することはできなかった。
言い換えれば、その部分以外に大きな不満はなかったので
惜しい作品だと感じた。

余りにも強烈な作風であったため、気になってしまい、
色々調べていたのだが、どうやらかなりの脚色が
なされていたようだ。見ていて、癖の強いアニメだなーとは
薄々感じていたのだが、これではっきりした。
駿河城御前試合を読むときは、そういった部分に配慮しなければ。

流石に誰にでも勧められる作品ではないが、こういった作風を
好む方、グロテスクな描写を好む方には一度視聴してみては
いかがだろうか。個人的には良作だと思う。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

物語の体裁が整っていない事を除けば名作だと思う

面白かっただけに、ラストが残念です。
{netabare}
 正直、ラストは御前試合のシーンへ戻るのかなと予想してたんですよね。
私的には藤木と伊良子の因縁を描き切っての御前試合へ場面が戻るのであるならば、別に御前試合の決着は表現しなくても名作足り得ると思いながら観てたもんで。そういう昔の映画みたいな作りもアリだったとは思うんです。
物語としては似てないけど大菩薩峠なんて1作目そんな感じでしたしね。
 かなり好意的にこの作品観てたもんで、流石に藤木の腕と伊良子の脚が落ちた件が描かれずに終わっちゃうのは流石に物語としては駄目かなと。

 ただそこを除けけば、描き方によっては滑稽にもなりかねない"秘剣"という超人的な技への開眼とかも「おぉ」と思わせるものも有りますし。伊良子のあの首を傾げた珍妙な構えもソレに至った経緯が描かれてましたし。
虎眼という魔神の如き剣客の異常さもミステリアスでとても魅力的。
正直、三重が伊良子に心変わりしたトコは ん? とは一瞬思いましたけど女性にとっての貞操というものの部分に関わる感情は無粋なオッサンの私には判らないですしね。
{/netabare}

個人的には一話から最終話までゾクゾクしっぱなしで、1クールの中身的には私は中弛みは全く感じませんでした。

ただ他のレビュワーの方も描かれている通り、やはりこの終わり方は無いと思う。
直近の作品で言えば"ギャングスタ"の最終話と同じと思って頂いていいかと(汗)
まぁあれは訳アリなんですが・・・

 ですが、この映像美は見て損は無いんじゃないかと。
エロスとグロテスクをR15指定とは言えTVアニメとしてここまで表現してる事は良し悪しは別として価値あるモノと思うし、私は魅せられましたです。
直接的に見せずとも、ある意味AVよりも煽情的だし演出の下手なゴア映画よりはるかに強烈な印象を抱かせるこの作品は日本のアニメの方向性の一つかなと。

 エログロが大丈夫な方は、物語としての完成度は別として観た方がいいと思います。ヌルくは無いので要注意ですが・・・
私的には最終話で物語の一つの終着点が示されていたならば、4.5以上付けたかった作品でした。

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最期まで観て精神的に来るテクノライズとはちと違う路線ですが、画面から臭い立つ嫌な感じは同レベルすね。まだ2話までしか観てないですが堪らず書いてしまいました。スイマセン(滝汗)
こんなアニメも有ったんだと言う不思議な感覚です。

お勧めはしませんw

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

60.7 2 バケモノで時代劇なアニメランキング2位
天保異聞 妖奇士(TVアニメ動画)

2006年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (77)
448人が棚に入れました
時は天保14年。マシュー・ペリー提督の黒船が来る10年前。江戸の町には、異界から来たと思われる、骨肉を持った獣「妖夷」(ようい)が人々を襲っていた。それに立ち向かうは「蛮社改所」(ばんしゃあらためしょ)と呼ばれる組織のメンバー達、コードネーム「奇士」(あやし)と呼ばれる者だった。

声優・キャラクター
藤原啓治、川島得愛、三木眞一郎、新野美知、小山力也、折笠富美子、うえだゆうじ、若本規夫
ネタバレ

銀くじら船ブリキ丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

異界でいいじゃない

江戸時代。年号は天保。
人々は貧しさや差別などで現世を悲観し、異界に憧れを持ちます。
異界とは突如現れる異次元空間です。
人々の苦悩が異界を呼び寄せるのか、彼らは別世界へ引き込まれます。
主人公・往壓(ゆきあつ)が彼らを悟します。言葉は響き、彼らは正気に戻ったりします。

往壓は40のオッサンで、仲間は数名。侍、 {netabare}身分の低い人、性別怪しい人、 {/netabare}美少女も数名居ます。
彼の仲間も同様に、 {netabare}異界にひかれたりします。理由は人それぞれです。
彼らを連れ戻す {/netabare}エピソードも数話あったりします。この辺が作品の見所でしょうか。

また異界には妖夷(ようい)という怪物が居てバトルになります。
往壓が漢字を唱えて武器にするとか、巨大な怪物が不気味に動いたりします。
バトルは正直かっこ悪いんですが、映像的な迫力はあるかもしれません。

それから異界の中を入ってみると、幻想的な光景で美しいです。
もちろん一人で行っちゃ駄目です!!! (^_^)
という感じで、おもしろい作品じゃないでしょうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

gkc さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ゴーストバスターズ江戸時代版

時代物が好きで、のんびりした性格の方にはおすすめ。

お話の内容的な事はタイトル通りでもいいと思います。
ただ、お笑い系ではないのですが、決して殺伐とした感じだけではないです。

お侍さんたちが多数でてきますので、刀や様々な武器を用いての戦闘シーンは中心的にありますが、グロテスクというものではないですよ。普通に見れます。

お侍さんもお目目がくりっと大きくまつ毛が長い方もおられます。

退治するモンスターはちょいグロテスクなのもいました。

物語の内容にちょい戻りますと、僕は無駄に長く感じました。この内容なら12~13話位でも充分と感じました。

あと、愉快だったのはこの主人公と仲間たちの「食」に関してです。ドン引きしつつ笑えました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

土6枠にしては人気がない

江戸時代の妖夷と呼ばれるバケモノ退治の話だが、バトルメインではなく、
漢字からその本質を取り出し武器にする主人公の心情がメインになっている。
漢字の成り立ちの話は興味が湧くし、そんなに退屈な話でもない。
ただ、妖夷がデカすぎてアクションが今ひとつだったのと、時代設定が悪いのか、
ジミな印象を与える作品になってしまっている。
なぜ妖夷が現れるのかを表現すればもう少し深い話になっていただろう。
OPに「いきものがかり」や「ポルノグラフィティ」を使っていただけにこの知名度は残念。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
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