ハードボイルドで戦闘機なおすすめアニメランキング 5

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのハードボイルドで戦闘機な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月09日の時点で一番のハードボイルドで戦闘機なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

88.9 1 ハードボイルドで戦闘機なアニメランキング1位
ヨルムンガンド(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (2884)
15489人が棚に入れました
―――僕は、武器商人と旅をした。
両親を戦争で失い、武器に関する一切を憎む主人公の元少年兵ヨナは、神の悪戯か、若き女性ウェポンディーラー、ココ・ヘクマティアルと、その部下である「ヒトクセもフタクセもあるが優秀な」私兵8人と世界各地を旅する事になる。

声優・キャラクター
伊藤静、田村睦心、石塚運昇、大原さやか、乃村健次、小西克幸、四宮豪、勝沼紀義、羽多野渉、箭内仁、松風雅也、冬馬由美、小山剛志、神田朱未、土師孝也、加藤沙織、高島雅羅、堀内賢雄、高梁碧、松本大、藤原啓治、阿澄佳奈、小柳良寛、保村真、磯部勉

takumi@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

それぞれの持ち味 それぞれの魅力

1期が最終回を迎え、少し寂しい気もするが秋には2期放送。
ラストシーンに2期への伏線があったので、今から楽しみ。

とにかくこの作品、武器商人がこんなにも戦闘するのか?
ってところが面白いし、斬新な切り口ではあるなと思った。
そして凛々しいながらもユーモアと少女っぽさを残し、頭が相当にキレる
女性ボス、ココ・へクマティアルの魅力が満載。

彼女を好きになれるかどうかで、きっとこの作品の評価が
大きく変わるんじゃないだろうか。
はじめのうちは、その青白い外見が気になっていたけれど
観ていくうち、逆にカリスマ性の高い彼女らしい雰囲気だなと。

男性たちも地味ながら、それぞれにいい持ち味があり、魅力的だった。
また、ココを慕うバルメもいい味を出していたし、
無口ながらも、みるみる成長を遂げたヨナの機転も素晴らしかった。

悪人同士が戦闘してると思ってしまえば、もうそこには勝敗しか残らない。
どれほど残虐な殺し合いがあって、血しぶきが飛び散っても、
どれほど本当は世の中を不幸にするはずの武器を使っていても
国と国の戦争ではないことと、殺しあうのは当事者達だけであって
どこかの国の罪もない一般人がテロなどの影響で
大量に殺されてしまうのとは違うので
なんとなく安堵めいたものがあるせいか、
単純にガンアクションを楽しんでしまっている自分がいた。

兵器、銃器、戦闘機などが好きなくせに、世界平和を願っている自分と
ココたちの中の矛盾はほんの少しだけ似ている気もする。
------------------------------------------

<7話まで視聴中>

武器商人の一団と1人の少年のロードムービーという感じで
北から南へあちこちへ旅をしながら、ヨナ少年の表情がどんどん豊かに
変化するようになったことと、彼の大人顔負けな頭脳的戦略が
なかなか的を得ていて、面白い!
子どものうちって本当に、成長スピード早いよね。

ココをはじめ、登場人物それぞれのエピソードも増え
ようやく厚みを増してきた感のある7話。
1期の折り返しはどう展開していくのか、楽しみにしながらも
待ちきれずにとうとう原作を読み始めてしまってる。

白っぽい眉毛やまつげはちょっと気になるものの、
全体的にキャラデザは好みだし、鈍い輝きを放つ薬莢が
スローモーションで宙に舞い落ちるシーンは、何度見てもワクワクする。

(以下は第1話を観た直後の感想)
=============================================

武器を作る者、武器を売る者、使う者。そして戦争。
両親を戦争で失い、武器に対して深い憎しみを持つ元少年兵 ヨナが
皮肉なことに武器商人と出会い、世界各地を旅することになる
ガンアクション中心の物語になっていくらしい。

今のところ、1話視聴済み、原作は未読。

1話の隅から隅まで、テンポの良いセリフ運びと展開で
迫力ある銃撃戦や、女性ウェポンディーラーであるココの
少しコミカルな側面を、緊張感漂う空気の中、
うまい具合に取り込んでいて楽しかった。

青白い顔にロングボブ銀髪、色素の薄い碧眼のココは、
知的でシャープな雰囲気ながら、さらなる奥にたくさんの顔を
見せてくれそうで、その多面体的な魅力は個人的にすごく好み。

対して・・・瞳の奥に哀しみを携えつつ、
本人自身が武器のひとつになってしまったかのようなヨナ少年の、
これから変化していくであろう意識と、戦闘能力も見逃せない。

また、それぞれ個性豊かな私兵8人の優秀なチームプレーや、
銃器商人としてのビジネスでのクールな駆け引き、
実在する銃器のリアルなシーンなども、とても楽しみだ。

作画も音楽も、黒田洋介氏の脚本も予想以上に良かったし、
今後の展開に期待度は急上昇。
それに何より、原作が読みたくなってしまった。

情報によれば、分割2期ということが決定しているとのこと。
じっくり味わいたいなと思う。

ちなみに、川田まみの歌うOP「Borderland」
やなぎなぎの歌うED「Ambivalentidea」
2曲とも、とても良かった。

というわけで、もちろん今後も視聴は継続。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 102
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

予想外の安心感と、眼力<●><●>

原作未読。

武器によって両親を失い、武器を憎む少年ヨナ。
彼はココという女性に拾われる。
しかし、皮肉なことに、ココは武器商人の一団のリーダーだった。


設定を見るかぎり、シリアスで重苦しい雰囲気だと思っていました。
しかし、実際見てみるとそうではありませんでした。
銃撃戦が多く、死人も出る話なのに、妙な安心感があります。

・毎回のように入るギャグやツッコミ(ドリフのコントばりにずっこけてくれます)
・独特な絵柄

この辺がポイントになっていると思います。
特に、目の描き方に特徴がありますね。
穏やかさと鋭さが同居した、不思議な絵柄です。
目に陰影を付けるだけでイメージががらっと変わります。


銃撃戦は丁寧な印象。
弾丸に重みを感じますし、ナイフなどを使った肉弾戦もスタイリッシュ。
ガンアクションものとしては十分だと思います。
まあ、メインメンバーになかなか弾が当たらないのはご愛敬。


キャラクターは、主人公の少年ヨナより、リーダーのココが目立っていますね。
あどけなく、かわいらしさがあるのですが、眼力のせいか、どうにもキツネにつままれているような感覚になります。
こう、常に何かを隠している感じ。

ヨナの成長にも焦点が当てられているようなのですが、余り目立っていません。


また、出てくる敵対者も、唐突に現れ、唐突に去っていきます。
単に話を盛り上げるためだけに現れている感じがしますね。
{netabare}
特にオーケストラは何のためにいたのか分かりません。
あとで何かやらかしそうな雰囲気を醸し出していたのに、あっさり退場。

・武器商人と殺人集団は敵対関係にある
・ココは容赦がない

ただその事実を説明するためだけに出したキャラクターたちなのでしょうか、うーむ……。
{/netabare}

悪人はいかにも悪人らしく描かれています。
良くいえば分かりやすく悪く言えばひねりがない。

単調な話ですが、テンポの良さと、ギャグのおかげで、比較的見やすいアニメです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 79
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

武器商人との旅のはじまり

原作未読 全12話。

お話は、武器商人の主人公 ココ・ヘクマティアルのところに身辺警護の私兵として元少年兵 ジョナサン・マル(ヨナ)が加わることからお話が始まります。

武器商人という職業柄、色々な駆け引きがあります。もちろん危ないことに遭遇するのもいっぱいあり、そこでの銃撃戦や格闘技戦、カーアクションなども迫力があっていいですね。

魅力的なキャラもいっぱいです。
口数が少ないですが、時折子供っぽいところを見せるヨナ、格闘技戦には無類の強さを誇る屈強な女性、でもココが大好きで可愛いところがあるバルメ、冷静沈着でココの相談役で私兵を束ねるレーム、他にも武器商人の商売敵やCIAのメンバー、テロリスト、殺し屋、軍人など超個性的な面々が多くて面白いですね。

もちろん、主人公 ココの魅力が一番ですね。わがまま奔放でどんな状況でも笑顔が絶やさなくて、でも武器商人としての冷静さは失わないそのたたずまいは、みんながついていくのも納得です。

このココの奔放さはヨナの心を惑わせますね。

人が残酷にいっぱい死にます。武器商人がこんなに戦っていいのかwというぐらいの勢いで戦っていますね。
{netabare}
心に残った言葉は、
「僕は、武器商人と旅をした」
「ココは何故武器を売る?世界平和のために」
もう一つヨナに全員で「注射嫌いって子供かよ‥‥子供だ」w
{/netabare}
キャラデザが個性的なので苦手な方もいるかもしれません。私は全然気になりませんでした。ただレンタルのジャケット見たとき、ココは最初男性だと思いましたが、よく見るとスカートを履いていることに気づいて納得しましたw

OP カッコいいオープニングと曲ですね。すぐにこの世界に引き込まれました。
ED OPとは一転静かな曲です。物語の余韻に浸れますね。

お話のテンポも良く飽きさせない作品で見応え十分な作品でした。ガンアクションやブラグラ好きな方には、オススメです。
みなさんも武器商人と一緒に旅をしてみませんか?

それでは私は旅の続きの2期を見てみます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45

92.2 2 ハードボイルドで戦闘機なアニメランキング2位
COWBOY BEBOP - カウボーイビバップ(TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★★ 4.2 (3208)
15453人が棚に入れました
時は2071年、いっこうに減らない犯罪者達を捕らえるために「バウンティー・ハンター制度」が生まれた。賞金稼ぎのスパイクとジェットの2人が乗るビバップ号は、太陽系全域にまで拡大した人類の生活圏の中で、火星周辺を中心に活動している自家用宇宙船である。だが捕らえ方が荒っぽいために、捕り物後に巻き込まれた一般人からの訴訟も多く賠償させられてばかり。飛び込んでくる賞金首の情報に選り好みするほどの余裕も無く、日々を行き当たりばったりに過ごしていた…。

声優・キャラクター
山寺宏一、石塚運昇、林原めぐみ、多田葵、高島雅羅、若本規夫

suggest@休止 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

hard-boiledな生き方!

2070年代が舞台となっております。
内容は犯罪者を捕まえてお金に変えるといういわゆるカウボーイ業を行っている主人公スパイクと彼の相棒ジェットが貧乏旅をしているところから始まります!

話が進むにつれて仲間もできていき、みんな仲が良いわけではないのですが、いつもつるんでるような存在になっていきます。(^^)そのメンバーたちの過去にも時折触れていき物語の中枢を担っています。


一話間完結なのに観て行くにつれて物語が進んでいくのがわかります。
そして何よりこの作品の良さはキャラたちの格好良さにあると思います。ベタな格好良さがうりの作品ですがこの作画や音楽にはとても合っていてより一層深みが出てます!

私はエドが好きなんですが、その中でも『byebye』を書き残してビバップ号を降りた時は鳥肌やばかったです^ ^

皆んなそれぞれの生き方があり皆んなが己の意思を通そうして真っ直ぐ生きていこうとするのが良かった^ ^

このアニメを観ないでオシャレアニメは語れません!家族みんなで楽しめるのも特徴の一つだとおもいます。

最後に、観終えたあとの虚無感はすごいです(^∇^)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 92

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

センスの良さに酔いしれました(´ー*`)キラーン

●3つの魅力が詰まっているハードボイルドの最高傑作!!
 
<魅力①:音楽>
この作品を語るのに避けては通れないのが、「音楽」ですよねー!
タイトルにもある通り「ビバップ」という言葉はこの作品を象徴する単語なんだなぁって感じました!
そもそも「ビバップ」ってジャズのジャンルみたいなものなのですよ♪
どんな音楽性かと言いますと、最低限の規則性の中、自由気ままに演奏する即興演奏なのです。
 
余談ですけど・・・私の大好きなジャズピアニスト「バド・パウエル(Bud Powell)」もBebopを代表する
ジャズニストの一人なので、もし興味があれば一度聴いてみてくださいね♪
 
それで、今回音楽担当されている菅野よう子さんも即興ピアニストと言う肩書きを持ってらっしゃる
のですよ!
ただ、菅野さんの場合、音楽のジャンルを分け隔てることなく、幅広い活動をされていた方なので、
菅野さんの抜群のインスピレーションとセンスの良い楽曲が、ストーリー毎にジャズ調であったり、
ブルース調であったり、はたまたロック調であったりと、変幻自在にその雰囲気を作り出していると
ころが、魅力的でまさにビバップですね♪
 
<魅力②:作風・作画>
カウボーイと聞くと、「ガンマンが出てくる西部劇の取っ付きにくいアニメ」ってイメージを抱いて
しまいそうですけど、COWBOY =「賞金稼ぎ」を題材にして、70年台・80年代のレトロな雰囲気と、
太陽系の各惑星をテラフォーミングした近未来的なSF作品の雰囲気を見事に融合させた作風はまさに
必見ですね!
そんな作風もまさにビバップです♪
 
しかも映像にCGも多く取り入れているのですが、CG特有の無機質感や不自然さが感じられないので、
丁寧に作品を作り込んだスタッフの姿勢が伝わってくるような最高にクオリティの高い作品には拍手
を送りたいです""ハ(^▽^*) パチパチ♪♪
 
<魅力③:キャラの相関関係>
ある男は、昔のライバルと唯一好きになった女の事を・・・
ある男は、昔の相棒と過去の出来事に・・・
ある女は、昔の自分と居場所を求めて・・・
ある女は、自分の帰るべき場所を求めて・・・
ある一匹は、解り合える仲間を求めて・・・
 
宇宙船ビバップ号に集う仲間、スパイク、ジェット、フェイ、エド、アイン、それぞれ過去のしがら
みを抱えていて、お互いの距離感が近すぎず、遠からずな関係なのです。
そして多くを語らない台詞回しからも、距離感や雰囲気を感じ取れるのですよ♪
 
自由気ままに出会い、お互いが主張し合って、後先考えずに出て行き、なんとなく帰って来る・・・
自分勝手なやつらなのだけど、一緒にいて嫌じゃない気の合う仲間!
いつのまにか彼らの帰る場所になっていったビバップ号♪
そんな関係もまさにビバップです♪
 
 
■総評
序盤の1~2話位までは特に面白みは無いかもしれませんけど、それ以降は観れば観るほど面白くな
って、「カウボーイビバップ」の魅力にどんどん惹き込まれて行きますよ♪
この作品のストーリー自体は特別秀逸なものでは無かったと思います。
ただ、キャラクターの個々の魅力と最高に盛り上げてくれた音楽と近未来の中のレトロ感がうまくま
とまって、心地よさを感じるようなアダルティーな雰囲気に浸ることが出来るとってもクールでカッ
コいい作品です♪
こういう雰囲気に浸れる作品は今後も大切にしていきたいですね♪
 
 
2011.08.06・第一の手記

投稿 : 2024/11/09
♥ : 78

にゃっき♪ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

foot loose and fancy free

地球の大地がほぼ水没して、人類は火星や木星など、太陽系のあちこちに移住している近未来。
住居も兼ねた宇宙船ビバップ号に乗る、賞金稼ぎのスパイクとジェットの暮らす世界を描くSci-Fi作品です。

最初は二人だったビバップ号ですが、後から居着いてしまう連中が増えていきます。
メンバーはみな人間味溢れ(犬が一匹混ざってますけど)、普段は互いに何の拘束もないクールな関係ですが、何かあったら助けあったりする、つかず離れずの絶妙な距離感が魅力です。なにか目的があって一致団結して努力するような連中ではなく、それぞれがやや重ための過去を引きずりながら、グダグダとその日暮らしをしているような状況なので、誰にでも受け入れられる作品とはとても思えませんが、作品世界独特の空気感は代わりになる作品がちょっと思いつきません。

OPED、BGMも含め、ジャズっぽい音楽は斬新で、サウンドトラックだけでも充分に楽しめる素晴らしい出来映えです。
エピソードの出来不出来にかなり差があるのは、一話完結タイプの作品の宿命ですね。人気があり過ぎて同じようなエピソードでマンネリ化するよりは、この長さに納まった事が、結果的には良かったのかもしれません。ルパン三世のように、いくらでも話を広げられる可能性を持っていた作品ですが、主要メンバーの4人と1匹が揃うのにちょっと時間がかかるので、勢揃いしたメンバーたちが活躍するのをもう少し見ていたかったのは、私だけではないと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 66

77.5 3 ハードボイルドで戦闘機なアニメランキング3位
カウボーイビバップ 天国の扉-COWBOY BEBOP(アニメ映画)

2001年9月1日
★★★★★ 4.1 (585)
3328人が棚に入れました
時は2071年。一向に減る気配のない犯罪者、太陽系全域にまで拡大した行動範囲に警察組織が対応しきれなくなったため、賞金首制度(通称:カウボーイ法)が制定された。スパイクとジェットの2人は賞金首を捕まえることで生計を立てる賞金稼ぎ、いわゆる「カウボーイ」であり、漁船を改造した宇宙船ビバップ号が彼らの移動手段兼住み処となっている。数百万ウーロンの大物を捕まえることもある一方、その荒っぽいやり方に巻き込んだ一般市民からの賠償請求も多い彼らに余裕はなく、日々賞金首を求めて太陽系を東奔西走していた。

声優・キャラクター
山寺宏一、石塚運昇、林原めぐみ、多田葵、磯部勉、小林愛、ミッキー・カーチス、石橋蓮司
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ランタンに祈りを託す

ボンズ制作、SF×探偵物語。
大人も楽しめる重厚な物語とお洒落な音楽、
演出に酔えますね、その意気込みや良し。

2071年、火星。
ハロウィンを目前にしたアルバシティで、
{netabare}正体不明の爆破テロ事件が起こる。
史上最高額の懸賞金が懸けられた犯人を追って、
ビバップ号の面々が動き始める。
不穏な動きを見せる陸軍部隊、浮かび上がる真相、{/netabare}
これは哀しい過去を持つ亡霊の仕業なのか!?

TVシリーズ全26話を通じて、
数多くの人種が登場し多様な文化が描かれている。
ここでも情報収集にイスラムのスラムが登場、
この雑多でまとまりのない世界観が好きです。
音楽が馬鹿げた力を発揮していますね。
サントラは映画版に軍配を上げたい。
OPの「ASK DNA」最高でしょう。

古代ケルト人が秋の収穫を祝い、
悪霊を追い払う宗教的儀式だったハロウィン。
{netabare}黒装束の哀しい男が見たものは、
夢なのか、幻なのか、
収穫祭の始まり、燻り続ける火種の終幕。{/netabare}

ジャックオーランタンに祈りを託す。
唇を噛み締めています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 48
ネタバレ

ポロム さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

カウボーイビバップ 天国の扉

Knockin’on heaven’s door
カウボーイビバップ22話-23話くらいのストーリー

ビパップ観てなくても見れそうだけど
いくつかアニメ見てからの方が更に楽しく見れます。
私は15話くらいまで観てから視聴しました。

劇場版なのでTVアニメよりアクションが多く
{netabare} スパイクがモップ使ったりほぼ殴り合いに近いけれどw {/netabare}
その部分だけ巻き戻して観たいくらい画面が華やかでした。

TVアニメ版のようなビバップ号クルーがクローズアップではなく
史上最高の3億ウーロンという巨額の懸賞金がかかった
劇場版の新キャラのヴィンセントや色んなキャラが出てきます。
もう一度スパイクの格好良い姿が観たい!という方にオススメです。

個人的にOPの「Ask DNA」がお気に入りで
これが聴きたいがために録画残していた程です。
Amazonで探してもデジタルミュージックストアに無い・・!
CDを買わないと・・と迷いました(笑)

ただの感想↓
{netabare} とにかくアクションシーンがなめらか(*´▽`*)
スパイクのかっこよさと気風の良さが見事に表現されていました。
ストーリーはちょっと物足りないというか長いけど
途中辺りから夢中になりました(*゚▽゚*)

ヴィンセントに捕まったフェイが縛り付けられて
特殊なウイルス的ガス(・・忘れちゃったw)が部屋に満ちて
死にそうなフェイに自分の免疫を渡そうと
ヴィンセントがキスするシーンが官能的すぎて
テーブルに思わずガンッと頭を打ちましたw
ヴィンセントさん色っぽいよ・・(〃ω〃)
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 39

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

いつもどおりのビバップ。

アニメーション制作:ボンズ
2001年9月に公開されたアニメ映画。

Session#22 - 23の間のストーリー。
舞台は2071年の火星。
ハロウィンを目の前にしてバイオテロ事件を起こそうとする謎の男。
そして、その首にかけられた史上最高3億ウーロンの懸賞金目当てに、
スパイクたちが調査し追跡するというお話。

ハードボイルドなセリフの数々。
事件の真相を探っていくストーリー。
明らかになる犯人の過去と事情。
ジークンドーを使ったカンフーアクション。
ガンアクション。
ドッグファイト。

本当に、いつもどおりのビバップ!
というよりかは様式美の領域ですね。

ストーリーについてはさておき、この映画で印象に残ったのが、
まるでアメリカ映画みたいな街並みと群衆。
通行人に黒人やらアラブ系が多くて、
日本で出歩いていてもなかなか味わえない感覚を、
この作品から味わったということでしょうか?

とりあえず、カッコいアニメを観たい人にはオススメ。
主演の山寺宏一さんの演技が良いです。
菅野よう子さんによるBGMも洋楽をイメージしてて、
ボーカルが多くて素晴らしい感じでした。


短いですが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 33

73.7 4 ハードボイルドで戦闘機なアニメランキング4位
装甲騎兵ボトムズ(TVアニメ動画)

1983年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (208)
1141人が棚に入れました
アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形成し、もはや開戦の理由など誰もわからなくなった銀河規模の戦争を100年間継続していた。その“百年戦争”の末期、ギルガメス軍の一兵士だった主人公「キリコ・キュービィー」は、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。作戦中、キリコは「素体」と呼ばれるギルガメス軍最高機密を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、星から星へと幾多の「戦場」を放浪する。その逃走と戦いの中で、陰謀の闇を突きとめ、やがては自身の出生に関わる更なる謎の核心に迫っていく。

声優・キャラクター
郷田ほづみ、富田耕生、千葉繁、川浪葉子、銀河万丈、戸谷公次、玄田哲章、広瀬正志、郷里大輔、速水奨、政宗一成、麦人、上恭ノ介、緒方賢一
ネタバレ

シス子 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

こ~きりこ~の~た~け~はし~ちすんご~ぶじゃ~まどのさんさも・・・ホレ・・・?・・・デデレコデンだよ、あ○にゃんw・・・なんかよく分かんないけどロボ物:第9弾

視聴するアニメ作品を選択するにあたり
いつも本サイトのレビューを読み
吟味させていただいているのですが
この作品はちょっとばかり違ってました

情報元は「あにこれ掲示板」です・・・

とあるスレッドに貼り付けられていた
主人公「キリコ・キュービィー」の画像を見て

おぉっ!なんかイイ男^^(あえて”イケメン”なんていう野暮な表現はしない)

って
わりとどうでもいいような
側から見るといかにも不純な動機で
視聴を開始しました

そして
レンタルDVD1枚目(4話)であえなくギブアップ(理由は後述)

でも
あるレビュアーさんのレビューを読ませていただき
再度視聴を決意しました

やっぱりレビューは参考になりますね~^^


視聴して最初に
というか終始気になったのは
映像の粗さですね

作画がかなり雑で
しまいには作画崩壊してるのでは?と思うほど
(っていうか明らかに崩壊してる)

特に肝心のキリコの顔がやたらと変化して
お話ごとに
ひどいときにはシーンごとに
顔の角度が変わるたびに
どれが本当のキリコの顔なのか分からなくなるくらいです

キリコ目当てで観てる私にとっては非常に残念でした

古い作品だと
こういうのって仕方のないことなのかな?


さて
この作品
一番の見所は
やっぱりロボット

作中ではAT(アーマード・トルーパー)と呼ばれ
当然キリコも兵士として搭乗するのですが
そのATの扱いがとにかくハンパない

どこかに落ちているのを修理して再使用したり
肩やら脇やら背中などに武装を施して
自分好みの仕様に改造したりと

ATを特別扱いしているという感じが全くしません

自分の持ってる銃火器など武装の中の一つ
っていう感じでしょうか

だから
壊れたときなんかは躊躇なく
捨てる
破壊する
相手にぶつけて葬り去る

さらには
相手のATを奪う
脅し盗る^^
パクる^^

そして
作中でのそんな扱いを考慮してか
ATが
とても現実的で実用性のある仕様で描かれています

高さは約4メートルほどでかなり小さめ

上から・・・
頭があって
腕が二つ
足が二つ・・・

まあ普通の人型ロボットです

特徴として

頭部にはカメラが装備されていて
どのATにも照準や広角などの機能別に
2~3つついている

腕には飛ばないロケットパンチを装備し
火薬の爆発力で相手を殴り攻撃する(殴ったとき薬莢が飛び出ます)

足にはローラースケート
新型ATになるとホバーみたいなものがついていて
ローラーが回転することで
高速移動する

膝や腰の部分に手すりがあり
搭乗者はそれに手や足をかけて乗り込む

操縦するときは専用のゴーグルを装着

コックピットがやたら狭い

モノによっては水に潜ると溺れる

などなど

そのほか
背中にいろいろなオプションが装着出来るようになっていて
パラシュートでの降下や
宇宙空間での運用も可能

足を小さく折りたたんでコンパクトに収納
{netabare}そのままお買い物にもお出かけできて
とっても便利・・・{/netabare}

多分
実際に見てみないと
とんでもないブツを想像してしまいそう^^

見た目はロボロボしていますが
動きはとても人間臭く描かれていてとてもリアルです

操縦は
足のペダルと手のハンドル
そしてカメラが映しだす限られた視界だけ
それなのに
走ったり
殴ったり
しまいには山をよじ登ったり

よくよく考えると
普通では信じられないような動作を
いとも簡単にこなしている
でも
そこがロボットアニメのいいところなんですね^^


お話についてですが
簡単に書くと
キリコにまつわるとても理不尽(?)なお話です^^

謎の女性「フィアナ」との衝撃的な出会いから
そのフィアナを巡る軍と謎の組織の争いに巻き込まれていくという展開

全体的に暗い雰囲気で
特に最初の「ウド」編は作画の暗さも相まって
心が折れてしまいそうです
(だから一度断念したのです^^!)

ただ
キリコのキャラを生かすという意味では
むしろこれくらいの演出のほうが
いいのかも知れません

ストーリー展開は
いい言い方をすれば
そんなに難しくない

悪い言い方をすれば
工夫や捻りが感じられない
といった感じ

はっきり言ってお話自体はあまり面白くない

中盤あたりまでは
フィアナの謎やキリコのキャラ
そして
ATの戦闘シーンで
そこそこの盛り上がりはあるのですが
終盤は
軍や謎の組織の構図が表に出すぎてしまって
内容が重くなってきます

さらには
「天○の○ラ○ュタ」を彷彿とさせる
ファンタジー的な展開もあったりと
全部を観終わっても
しばらくは
「???」でした

ヒロインのフィアナも
「PS」(パーフェクトソルジャー)という
とんでもなく強力な兵士というキャラ設定で
{netabare}「プロト・ワン」や「素体」や「あれ」
「ファンタムレディ」などなど
いろいろな”呼び名”が付いて
特別な存在だったのに
終わりのほうでは
全くなりを潜めてしまいます{/netabare}

当初はキリコとフィアナの
バトル&ラブロマンス的展開で終始するかと
期待していたのですが
そもそもキリコのキャラがそっち方面に向いていない

特に「サンサ」編でのキリコのヘタレっぷりには同情すら覚えるほどです

それを裏付けるお話がこちら

{netabare}謎の宇宙船に意味も分からず乗せられたキリコとフィアナ

「私たち二人だけw」
こんな状況でも不敵に微笑むフィアナ

あからさまな“私を好きにして~w”アピール痛み入ります^^

なのに
そんなフィアナの大サービス発言があったにもかかわらず
無粋なキリコは知らん顔

気がきかね~野郎だ~(怒

と思いきや
キリコが
おもむろに酒瓶とグラスを手に
「やるかいw」

キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!
女酔わせてなにするの~(怒

{netabare}ナニをするの~(笑{/netabare}

がしかし
{netabare}お酒を口にした瞬間
撃沈しました{/netabare}

{netabare}「ゲホっゲホっ(オエェェェ)」(吐いてないよ){/netabare}

{netabare}むせてやがる^^!{/netabare}

{netabare}キリコにとっては
初めてのお酒なのでした~^^{/netabare}

このヘタレ野郎っ!
最低野郎っ!
カッコ悪っ!{/netabare}


話をもどして
良かったと思えたのは
ATでの戦闘
市街地やジャングルや砂漠など
それぞれの舞台にあわせた戦闘シーンは見ものです

ただ
これもお話の展開の煽りというべきか
終盤は
大量のAT(しかも同じ種類のATばかり)の
物量戦がほとんど

まるで
どこかの国の人○解○軍のノリ

大量のATと派手な破壊シーンで
盛り上げようとしているのはわかるのですが
これでは
キリコやフィアナの個人技が
逆に目立たなくなってしまってます

最後は一応丸く収まった感じでしたが
なんだか
とってつけたような終わり方で
正直
消化不良気味でした


さて
いろいろ文句を書き連ねてしまいましたが
全てを通して印象的だったのは「音」「セリフ」へのこだわり

効果音・・・
BGM・・・
声優さん・・・

聴覚にうったえかける演出


まず
いろいろな動きに細かい効果音が付いてます

弾が当たったときの音
当たった後のビリビリする音
ATが吹き飛ばされる音

さらには
ATの蓋(コックピットの扉)がしまる音
ゴーグルを上げ下げする音まで・・・

ゴーグルを動かすだけで
なんであんな電子音(“キュィ”みたいな)が発するのかは最後まで謎でしたが・・・

そして
シーンに合わせたBGM

戦闘シーンのBGMがとてもハマっていて
(っていうかほとんど戦闘シーンばっか)
良かったのですが

一方で数少ない悲しい(?)シーンで流れる
OP曲のピアノソロのインストがとてもいい感じでした

あのダサダサのOP曲が
キリコとフィアナの三文芝居じみたシーンを
こんなに盛り上げてくれるなんて・・・

あんまり感動的でもないシーンでも
この曲が流れると
迂闊にもホロリとしてしまいます

ちなみに
OP曲の「炎のさだめ」
歌っている「TETSU」さんの正体が
「織田哲郎」さんだと知り
こちらもなぜだかホロリとしてしまいました^^

さらに特筆なのが
声優さんが豪華なこと

「クメン」編での
ロッチナ役の「銀河万丈」さんと
ゴン・ヌー役の「玄田哲章」さんの会話は
聞いてたら
まるで洋画の吹き替え版みたい^^

さらには
銀河万丈さんの”次回予告”の「語り」がすばらしい^^

声もさることながら
ポエムのような予告は
それだけでも聞き応えがあります

その次回予告で
とても印象に残ったものを一つ

目を瞑って
銀河万丈さんの声を想像しながら読んでみてください
(あ~目を瞑ったら読めないか^^!)

 {netabare}何故にと問う
 故にと応える
 だが人が言葉を得てより以来
 問いに見合う答えなどないのだ
 問いが剣が
 答えが盾か
 果てしない撃ち合いに散る火花
 その瞬間に刻まれる陰にこそ
 真実が潜む
 次回”イプシロン”
 飢えたるものは常に問い
 答えの中にはいつも罠{/netabare}

続けて
エンディング曲

 {netabare}さみしいときも
 かなしいときも
 いつもあなたがめにうかぶ・・・♪{/netabare}


かっけ~
「なん○も鑑○団」でもこの語りでやってほし~^^


最後に
作品タイトルについてですが
「ボトムズ」っていうのはロボットの固有の名前ではなく
作中では
AT
あるいは
ATに乗る兵士のことを指すスラングのようなものだそうで
「VOTOMS(Vertical One-man Tank for Offence & Maneuver-S):攻撃と機動のための直立一人乗り戦車」(wikiよりコピペ)や
「Bottoms:最低の奴(ら)」(wikiよりコピペ)の意味と紹介されてます

でも
作中では最初のほうで何度か「“ボトムズ”乗り」という呼称が出てきましたが
ほとんどが「AT」で統一されてました

参考までに
「装甲騎兵ボトムズ」のサイトでは
そのタイトルを冠した
日本酒「最低野郎」と
キリコが所属していた部隊「レッドショルダー」を冠した
梅酒「赤肩」が紹介されています

興味のある方は一度試してみては^^

余談で
全く参考にならないけど
{netabare}私
日本酒入ると暴れます~^^
てへ (*≧∀≦*)b{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27
ネタバレ

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

来週もキリコと地獄に付き合ってもらう

本作のレビューは文章の構成上、フルメタル・パニックの一部ネタバレを含みます。その点に留意して読んで頂ければと思います。

{netabare}リアルロボット系では富野監督と並び称される高橋亮輔監督の手掛けたロボットアニメ。同監督の前作ダグラムと比べると、エンターテイメントを意識した作品になっている。雰囲気からすれば、重厚で一見さんお断りな玄人向けのアニメと誤解されがちだが、ストーリーはよく練られているし、キリコとパーティを組むメンバーはそれぞれ癖はあるものの、基本的には明るく優しい人達なので、彼らとキリコの微妙に噛み合ってない絡みも中々楽しい。全52話と4クールものだが、それぞれ4つの惑星を舞台にしたエピソードに区切られていて、その惑星ごとの世界観を楽しめるようになっている。マンネリ感を防ぐ、視聴者に配慮した作りになっているので、かなり評価できるポイントではあるけども、実質最初の2つの惑星は舞台も話も違っていて、オムニバスのようなイメージで楽しめるが、後半の2つの惑星についてはキリコの宿命に関するテーマを前面に押し出してしまっているので、そこまで違いを感じないのが勿体無くもある。若干完結に向けて駆け足になってしまっている空気があるのも、そう思わせてしまう原因だ。この点は少しマイナスかもしれない。

さて、この作品に出てくるロボットは通称アーマードトルーパー(AT)と呼ばれる独特のフォルムが特徴の人型機動兵器である。全高4メートルという、ロボットにしては非常に小型サイズの機動性と汎用性を重視した作りで、パーツを組み込む事で多様な戦闘状況に対応できる他、大量生産を可能とする機体構成のコストパフォーマンスの高さがウリとなっている。勿論この性質は全ての機体に適用されるわけではないが、主人公キリコを初めとして多くのパイロットが愛用するスコープドッグと呼ばれるタイプの機体は総じてこの特徴を備えており、使い捨てロボットと揶揄されながらも、ボトムズの顔ともいうべき存在感を放っている。あくまで汎用機に過ぎない機体をメインに抜擢してきたのは、実際の戦争においても、戦場の主役は一兵士が使用する汎用武器であるというリアリティに基づいた思想から閃いたのではないかと思う。勿論単独の戦力も戦場においては微々たるものである。某SRPGのように改造すれば、それだけで戦場の空気を一変させてしまうものでは毛頭ないということを私は強調したい。某SRPGにおける鬼神の如き強さは私からすれば非常に納得のいかない仕様であるw

主人公であるキリコは完全無欠の兵士という設定で、生身での単独行動によるサボタージュやATの操縦・整備技術を備えた戦闘のスペシャリストである。性格は無口で人付き合いを好まない孤独を愛する男ではあるが、ウドでゴウト・ココナ・バニラと出会ってからは少しずつ心を開いていき、後にクメンでは仲間との再会時に僅かながら笑みを見せるシーンもあった。ボトムズはキリコのこうした内面的な変化の過程を見せる作品でもある。ゴウト達との友情、フィアナとの愛情、そしてイプシロンとの因縁において時折見せる憎悪にも同情にも意地にも似た複雑な感情といい、当初失われつつあったキリコの感情が展開を追うごとに視聴者に伝わっていき、共感を呼び起こしてくれる。圧倒的な戦闘力・剛健質実で無口なハードボイルドな部分ではなく、こうした人間臭さも持ち合わせている所がギャップとしてキリコを魅力的に見せており、そこに惹かれるファンが多いのである。

ここでポイントとして挙げておきたいのは、キリコがスコープドッグを簡単に乗り捨てる様を見て、コイツは機体に愛着が無い人間だ!というレッテルを貼る輩がいる。ネット上の感想でたまに見かけるが、これは大いなる勘違いであり、キリコほど自分の乗ってきた機体を愛するキャラはいないだろうと私は考えている。本作を見てもらえれば分かるが、キリコは少しでも暇が出来ると熱心に機体を整備しているシーンが結構あるのだ。話の展開上、専属メカニックがいない状況が多い中、自分の機体は自分で面倒を見なければならないという不文律に渋々従っているかもしれないが、それでもそこまで念入りに整備するものなのか?と思ってしまう。前述したが、そもそも大量生産・乗り捨てを前提としたインスタント兵器という概念が普通な世界なので、キリコでなくとも、ロボットを使い捨てにするという兵士は割と多かったのである。使い捨て前提の機体を熱心に整備するという心は、自身の命を助ける近道という考え方はあるかもしれない。しかしクメン編でゴウトに新型の機体の融通されるも、キリコは「俺は使い慣れた機体がいい」とあっさりそれを断るのである。戦闘のことしか頭にない冷血な性格であれば、それは自身の命を高確率で生かす手段故の発言・行動と捉えられるが、ゴウト達との関係を見る限りでは、キリコにも機体に対する特別な愛着があると考えて良いだろう。

さて、本作の大ファンとして知られる著名人といえば、フルメタシリーズの原作者である賀東氏であろう。キリコを自身の理想のキャラとして掲げる氏は、相良宗介というキリコに似たタイプの主人公を生み出している。戦闘のスペシャリスト・無口で感情表現に乏しい・ヒロインが危険、若しくは事件に巻き込まれた時に冷静な判断力を失い、戦闘力が低下するといった性質までソックリであるw

そして極めつけとして、アニメフルメタ1期のキャッチコピーが「宗介と地獄に付き合ってもらう!」なのである。このコピーは私がタイトルに冠しているが、ボトムズの1話の有名な次回予告のフレーズであり、この文だけでボトムズを表現しているといっても過言のない名文句である。言い過ぎかもしれないが、ある意味この作品がなければ、フルメタは生まれなかったのではないだろうか。フルメタファンでボトムズを見ていない諸君は是非ともレンタルビデオ屋に足を運んで頂き、キリコと一緒に地獄へ旅立って貰いたい。損は絶対にさせない。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

特殊部隊上がりのキリコ君が、俺TUEEEしてモテまくる大勝利アニメ!?

「むせるアニメ」という評判から、きっと、むっさいオッサンがいっぱい登場するダサいロボット・アニメだろう、と思って見始めたら、イケメンPS(パーフェクト・ソルジャー)のキリコ君が俺TUEEEE!してモテまくる作品だった。

・・・何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何を見たのかわからなかった…イデの発動だとかニュータイプだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ。(AA略)

「俺TUEEEEアニメ」の代表作といえば、『ソードアートオンライン』(2012年(第1期))ですが、その30年近くも前に、こんな大先輩がいたとは!
・・・って、単に主人公の名前が、SAOのキリト君に似ているだけなんですが。
{netabare}
キリコ    → キリト
フィアナ   → アスナ
ゴウト    → エギル
バニラ    → クライン
ココナ    → リズ
カンユー大尉 → キバオウ
ワイズマン  → 茅場晶彦{/netabare}

・・・と考えれば、だいたい合ってる気がしないでもない(責任とりませんから)。

次のような「一般人の認識」という有名コピペまであるようですし、『ボトムズ』は、きっとアニメファン必見の名作なのでしょう。

--------------------------------------------------- 引用開始 ----
■一般人の認識■
{netabare}
◎ガンダム:安室とシャーがたたかう話
◎エヴァ:パチンコ
◎マクロス:歌う
◎ギアス:知らん
◎ボトムズ:アストラギウス銀河を二分するギルガメスとバララントの陣営は互いに軍を形成し、もはや開戦の理由など誰もわからなくなった銀河規模の戦争を100年間継続していた。
その“百年戦争”の末期、ギルガメス軍の一兵士だった主人公「キリコ・キュービィー」は、味方の基地を強襲するという不可解な作戦に参加させられる。
作戦中、キリコは「素体」と呼ばれるギルガメス軍最高機密を目にしたため軍から追われる身となり、町から町へ、星から星へと幾多の「戦場」を放浪する。
その逃走と戦いの中で、陰謀の闇を突きとめ、やがては自身の出生に関わる更なる謎の核心に迫っていく。{/netabare}
-------------------------------------------------- 引用終わり ---

一般人の認識とは上記のコピペである。
アニヲタの間では有名なロボットアニメに対する一般人のイメージを分かりやすく表したものである…とされている。
http://dic.nicovideo.jp/a/%E4%B8%80%E8%88%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E8%AA%8D%E8%AD%98

・・・『ガンダム』とか『イデオン』(※ともに富田由悠季監督作品)といった、評判ばかり高くて実際に視聴してみたら結構アレな作品を我慢して見続けるくらいだったら、同じサンライズ制作でも、『太陽の牙ダグラム』、『ガサラキ』と併せて、「ロボットアニメの真の名作」といっても過言ではないこの『ボトムズ』(※この3作は全て高橋良輔監督作品です)を試しに視聴してみる、という選択肢もある、ということで、簡単ながら作品紹介レビューを書いておきます。


◆視聴メモ
{netabare}
・第1部(ウド編)は、ロンリー・ソルジャーの格好良さに感嘆して、作画の古さはマイナスながら、★ 4.0 と評価が高くなる。
・第2部(クメン編)も、東南アジア某国をモデルとした舞台設定に面白味を感じるものの、流石に今度はシナリオの冗長さに飽きてきて、☆ 3.9 と若干評価を下げる。
・第3部(サンサ編)、第4部(クエント編)は、それぞれ特殊な惑星を舞台とした展開に。特に終盤は意外な展開の連続で目が離せなくなる。{/netabare}


◆制作情報
{netabare}
原作・監督       高橋良輔
脚本           五武冬史、高橋良輔、吉川惣司、鳥海尽三
キャラクターデザイン 塩山紀生
メカニックデザイン  大河原邦男
音楽           乾裕樹
アニメーション制作  日本サンライズ{/netabare}


◆パート別評価

(1) ウド編   (第1-13話)  計13話 ★ 4.0
(2) クメン編  (第14-28話) 計15話 ☆ 3.9
(3) サンサ編 (第29-40話) 計12話 ☆ 3.9
(4) クエント編 (第41-52話) 計12話 ★ 4.2
-----------------------------------------------
  総合              計52話 ★ 4.1


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 装甲騎兵ボトムズ (1983年4月-1984年3月) ==========

 - - - - - - - - ウド編 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
  ※百年戦争の戦災で出来たクレーター内に造られたヂヂリウム採掘の街ウドが舞台(聖書にある悪徳の街ゴモラがモデル)
{netabare}
第1話 終戦 ☆ 百年戦争終結、キリコ曹長の災難(目的不明の作戦、素体との遭遇、捕囚、拷問、脱走)、ビーコン監視
第2話 ウド ☆ 惑星メルキア、ウドの町、酸の雨、暴走族ブーンファミリー、ヂヂリウム集め、脱走
第3話 出会い ★ 三人組(ゴウト、ココナ、バニラ)との出遭い、装甲騎兵ボトムズ修復・起動、暴走族との交戦、治安警察の介入
第4話 バトリング ★ バトリング契約、AT(Armored Trooper)リアルバトル、コニー少尉殺害、キリコ拿捕 
第5話 罠 ☆ キリコ尋問・拷問、三人組のキリコ救出、オリア大尉隊との市街戦
第6話 素体 ★ キリコが追われる理由、治安警察基地侵入、素体との再会
第7話 襲撃 ☆ キリトと三人組のヂヂリウム略奪
第8話 取引 ★ ゴートと署長のヂヂリウム売買交渉、キリコ搭乗ATvs.謎の赤いAT、キリコ敗北
第9話 救出 ★ 三人組の仁義、キリコ救出失敗、金貨空中散布、市内騒乱、救出成功、仲間意識の発生
第10話 レッド・ショルダー ★ 監視者、集中砲火からの脱出、メルキア戦略装甲騎兵団特殊任務班X1(吸血部隊) ※ラストにキリコの内面独白
第11話 逆襲 ★ PS(パーフェクト・ソルジャー)、キリコ単騎治安警察本部急襲、キリコ機vs.プロト・ワン機、プロト・ワン捕縛 ※同上
第12話 絆 ★ キリコとプロト・ワンの意思疎通、二人の包囲網突破作戦、「フィアナ」奪わる、監視者(軍)の介入
第13話 脱出 ★ フィアナの逃亡拒否、軍vs.治安警察(素体争奪戦、署長死亡、ボロー司祭フィアナを連れての逃走成功)、ウドの街壊滅{/netabare}{/netabare}

 - - - - - - - - クメン編 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
   ※ウドの町を離れて3ヶ月後、内乱のクメン王国が舞台(クメール=カンボジア王国がモデル)
{netabare}
第14話 アッセンブルEX-10 ★ 傭兵初日、ビーコン除去、三人組との再会、ビーラーゲリラの夜襲、PSとの遭遇戦
第15話 疑惑 ★ ココナの店爆破未遂、キリコへのスパイ嫌疑、対PSプログラムの成果
第16話 掃討 ★ ゾンム村奇襲(カン・ユー大尉隊)、村民への尋問、ロシアンルーレット、新たなPS(イプシロン(プロト・ツー))
第17話 再会 ★ キリコ置き去りの撤収命令、キリコ敵拠点へ単身乗り込み、フィアナとモニカのキリコ脱走幇助
第18話 急変 ☆ キリコ帰還、クメン王国とメルキアの停戦協定発効、敵襲
第19話 思惑 ☆ 基地防衛成功、キリコとロッチナ大尉の再会、ムナメラ河遡行作戦開始
第20話 フィアナ × ※総集編1、新規シーンほぼ無し
第21話 溯行 ★ ラモー寺院の捜索・戦闘、バニラの合流
第22話 触発 ★ ゲリラ戦車隊との遭遇戦・撃破、河中の対イプシロン戦、フィアナの捨て身の妨害
第23話 錯綜 ☆ カン・ユー大尉vs.キリコ、フィアナ解放
第24話 横断 ☆ キリコ指揮下の特殊部隊、前後の敵
第25話 潜入 ★ ゲリラへの撤退命令、特殊部隊サンジェルマン宮殿突入、ミニカ死亡
第26話 肉迫 ★ 宮殿攻防戦、政府軍AT部隊降下、カンジェルマン第3王子死亡
第27話 暗転 ★ キリコのボロー司祭尋問、キデーラ戦死、イプシロンVS.キリコ、メルキア軍AT大量降下、宮殿壊滅、ゴン・ヌー死亡、ボロー司祭死亡、カン・ユー大尉死亡、キリコ&フィアナ脱出
第28話 運命(さだめ) × ※総集編2、新規シーン特になく見なくてよい回{/netabare}{/netabare}

 - - - - - - - - サンサ編 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
   ※クメン王国からの脱出後、謎の宇宙航行船に取り込まれたキリコ&フィアナ2人だけの宇宙空間~惑星サンサでの戦い
{netabare}
第29話 二人 ☆ 謎の宇宙航行艦、レッドショルダー(特殊部隊)記録映像、休戦協定侵犯、バララント来襲
第30話 幻影 ★ ロッチナ大尉更迭、キリコ・フィアナ各々の戦う理由
第31話 不可侵宙域 ☆ 艦内戦闘、バララント軍撤退、キリコの様態悪化
第32話 イプシロン ★ フィアナの投降申込み、キリコを狂わせた船(テルタイン)接近、・キリコ助命嘆願
第33話 対決 ☆ イプシロン撃退、惑星サンサ漂着、キリコ回復・離艦
第34話 惑星サンサ ★ ゴウト達との再会、キリコの異常戦闘・回復能力、キリコ捜索AT部隊来襲、レッドショルダーへの恨み(ゾフィー)
第35話 死線 ★ フィアナの様態悪化(液体ヂヂリウム切れによる身体硬直)
第36話 恩讐 ★ ゾフィー&バララント軍の執拗なキリコ追跡、酸素枯渇の危機、補給基地到達
第37話 虜 ★ フィアナ回復、キリコ囚わる、バララント軍指揮官ロッチナ、イプシロン隊来襲・応戦
第38話 暗闇 ★ イプシロンとキリコの対話、三人組の解放
第39話 パーフェクト・ソルジャー ★ キリコVS.イプシロン最後の戦い、PSの同類、イプシロンの敗北宣言・死、クエント星への孤独な出発
第40話 仲間 × ※総集編3、新規シーン特になく見なくてよい回{/netabare}{/netabare}

 - - - - - - - - クエント編 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
 ※ロッチナ大尉に示唆された惑星クエントへ渡り、PSと自らの秘密を探るキリコ
{netabare}
第41話 クエント ☆ 傭兵の町ゴモル、ル・シャッコとの再会
第42話 砂漠 ☆ 3000年前に文明を捨てた星、谷底のクエント人の村へ
第43話 遺産 ★ 長老との対話、手を加えられた者(PS)、神?、シュミッテル兄弟(双子科学者)の追跡、瞬間転移
第44話 禁断 ★ クエントを守る謎の力、シュミッテル隊のゴモル進駐、キリコ&シャッコ瞬間転移、交戦
第45話 遭遇 ★ 再度の瞬間転移、驚異の古代クエント文明(謎の支配者のメッセージ)、フィアナ&ロッチナ大佐との再会
第46話 予感 ☆ バララント&ギルガメス両軍代表会談、フィアナ引き渡し決定、キリコのフィアナ救出作戦
第47話 異変 ★ ロッチナ艦キロコ収容・エネルギー停止、バララント&ギルガメス両軍艦全滅、謎の軍艦接近、キリィとロッチナの再会、ワイズマン(賢者)の意思
第48話 後継者 ☆ 人工星到着、神殿へ、ワイズマンの依頼・キリコの受諾、キリィ死亡
第49話 異能者 ★★ バララント&ギルガメス両軍同盟成立・「神の子達」撃滅作戦開始、包囲網突破戦、キリコの非情命令、生まれながらのPS・異能者キリコの宣言
第50話 乱雲 ★ 惑星クエント帰還、キリコVS.シャッコ、迫るパララント&ギルガメス同盟軍
第51話 修羅 ★ 同盟軍のキリコ追撃、キリコ最後の試練(ワイズマン本拠へ)、ワイズマンとの直接対話 
第52話 流星 ★ キリコの反逆、仕組まれたキリコの旅(ワイズマンの種明かし)、神殺し、惑星クエント爆発、1年後(エピローグ、2人の冬眠){/netabare}{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)33、☆(並回)15、×(疑問回)3 ※個人評価 ★ 4.1

OP 「炎のさだめ」
ED 「いつもあなたが」
挿入歌 「たのまれグッバイ」

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

64.9 5 ハードボイルドで戦闘機なアニメランキング5位
戦闘妖精雪風(OVA)

2003年9月1日
★★★★☆ 3.6 (142)
606人が棚に入れました
『戦闘妖精・雪風』(せんとうようせい・ゆきかぜ)は、神林長平によるSF小説。これを原作としてラジオドラマ・OVA・漫画化された。
南極大陸の一角に突如出現した巨大な霧の柱。それは異星体ジャムの地球侵略用超空間通路だった。地球防衛機構は「通路」の向こう側、惑星フェアリイ上でジャムの侵攻を食い止めるために、フェアリイ空軍を設立し、前哨基地を置いた。30年以上に及ぶ人類とジャムの戦いに、今だ終わりは見えなかった…。
人間を信頼するより機械である戦術戦闘電子偵察機「雪風」を信頼する青年、深井零が愛機に乗り戦闘情報を収集するうちにジャムと接触する。ジャムは零と雪風に興味を示す一方、人間に対してあるゆる手段を使い戦いを挑んでくる。この戦いは何のための戦いなのか。
やがてジャムはフェアリイ空軍に総攻撃を開始する…。

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

雪風が…敵だと言っている・・・  彼女の声を聞いて下さい。

SF小説が原作です。筋金入りのSFもの。
私、自慢ではありませんがロボット物、メカ物はほとんど観ません。ですがこの作品、そんな私から観てもとても楽しめました。も~純粋にメカがカッコ良い! 戦闘機がカッコ良い! 雪風に惚れる!
機械である戦闘機に惚れるというのも変な表現ですが、言葉にするなら正にそんなイメージなのです。


南極に突如出現した超空間通路なる別の惑星(惑星フェアリィ)に繋がる空間。そしてそこから地球に進行してきた謎の異星体ジャム(JAM)。
ジャム(JAM)に対し、人類は逆に彼らの惑星に攻め込み、そこに基地を築きます。その基地に所属するパイロットの深井零少尉と、愛機である完全自律制御のスーパー戦闘機であるスーパーシルフ、コードネーム”雪風”の活躍を描く作品です。


先ず何がすごいかと言うと”戦闘機の描写”! なんだかアニメで描写される戦闘機って、現実ではあり得ない挙動を取ったりして覚めてしまうのですが、本作で描かれる戦闘機はとにかくリアル。戦闘機の挙動、その一挙動×2が現実的で、それでいてスピード感、緊張感というものを全く失っていません。

そしてその機体の美しい事・・・・。特に主人公の乗る”雪風”のカッコ良さは格別! 無駄のないフォルム、まるで女性のようななまめかしいライン。そして時には恐ろしいまでの戦闘能力を発揮する・・・。正に電子の妖精と呼ぶに相応しい機体です。


戦闘の描写も素晴らしいです。自衛隊の協力を得ているそうで、登場する兵器は非常にリアル。計器や武装の描写も素晴らしいです。そして英語で行われる戦闘指示は否が応でも雰囲気を盛り上げてくれます。
戦闘機のドッグファイト(空中戦)は手に汗握ります。特に渓谷の中でのスピード感溢れる戦闘は見応え有り!目にも止まらない高速での戦闘を本当に上手く表現しています。目の前に迫る渓谷。そして後ろから迫り来るミサイル。その緊張感たるや凄まじい物があります。


戦闘やメカにばかり目がいきがちですが、ストーリも目を見張るものがあります。
他人に感心を示さない深井零少尉の唯一の友人であるジェイムズ・ブッカー少佐。友人で有りながらも上官である彼は非情な命令を深井零少尉に下さなければなりません。いつも零少尉を気遣う彼が唯一出来る事は見守ること。「必ず無事に帰還しろ。これは命令だ」。彼らの男の友情をその目で確かめて!


機械の塊である”雪風”にだけは心を開く深井零少尉。そして彼は意志を持たない筈である”雪風”といつしか心を通わせ、”彼女”と1つになっていく・・・。
”雪風”は時折人であるかの様な行動を取ります。ある時はパイロットである深井零少尉を気遣い、そしてある時は戦闘に恐怖する。言葉は話せず、唯一意志を伝える手段は戦闘ディスプレィに表示される味気ないコマンドのみ。しかし深井零少尉は”彼女”の言葉を感じ取ります。彼女の意志を受け止めます。
私は”雪風”がまるで人間の女性の様に思えました。
深井零少尉は”彼女”を求め、そして”雪風”は”彼”を求める。機械と人間、決して交わることの無い線上で彼らは交わっていくのです。2人の恋?とも言えない微妙な心理描写も見所です。


謎の異星体であるジャム(JAM)とは何なのか?そして彼らの目的はなんなのか? 
想像を超える能力を持つジャム(JAM)に対し、人類はどの様な決断を行うのか? そして彼と彼女、深井零少尉と雪風はどうなっていくのか!?


「行こう・・・・・雪風・・・。」 戦闘の妖精が今、飛び立ちます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 16

しゅりー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

戦闘機の好きな方にオススメ

EMOTION20周年作品ということで2002~2005年にGONZOが制作した全5話(合計約3時間)のOVA。
神林長平さん著作の小説の一部エピソードに多少オリジナル要素を加えたというSF戦闘機アニメ。


南極大陸の一角に突如として現れた巨大な雲のような超空間通路。
通路の先から現れる「ジャム」と呼ばれる異星体との戦争が33年続く世界。
地球上での幾度かの戦いの後に人類がジャムを追い込んだ通路の先、
緑色の空の惑星フェアリィを舞台に味方を見捨ててでも必ずジャムとの戦闘情報を
持ち帰ることを任務としている特殊戦第5飛行隊のパイロット深井零(ふかい れい)と
その上官のジェイムズ・ブッカー、そして零の搭乗する戦闘機に搭載されている
戦闘知性体「雪風」を中心に描かれる物語になっています。


個人的には何年も前から戦闘機ヲタの知人に「観ろ。とにかく観ろ。」と
薦められていたのですが、何か拒否感が働いてしまい今回初視聴。
本作の持つ独特のキャラクターデザインやジャムの存在感が受け入れ難かったようです。


本作、戦闘描写やコクピット内部の雰囲気などの手の込みようが異様です。
マクロスシリーズのような変態的カメラワークのミサイル描写とかは
それほどありませんが、戦闘機の旋回の様子や機銃発射時のレティクルの動きなどを、
固定アングルや飛行物を中心に捉えた追跡視点の中で重量感を
持って描いているイメージが強いです。

コクピットの静けさや通信の雰囲気もどこかリアルなように感じ、
同じ戦場を飛ぶ特殊戦の戦闘機に乗っている気分になる映像が多いです。
そのあたりはさすが航空自衛隊の協力があったからでしょうか。
そういえばフライトシューティングのリプレイ映像にも近い雰囲気がありますね。


先程も少し触れましたが、多田由美さんのキャラクターデザインは
ちょっと特徴的で観る人を選ぶ印象があります。
このキャラクターデザインと零役の俳優、堺雅人さんの演技、
BGMの少ない本編内で重要なシーンに流れる曲のピアノの音色などが合わさり
零の普段静かながら激情も併せ持つ独特の存在感を醸し出している気がします。

また、雪風が起動音を発する時の無機質な雰囲気は、機械らしさを強く印象に残します。
しかし、私はこれが雪風が本編で行う様々な意志表示、行動との間にギャップを作って
雪風の強烈な個性を表現しているように感じました。
そんな独特の雰囲気を持つ零と雪風も興味深いですが、
私は中田譲治さんの演じるブッカーの人間味溢れる姿が気に入ってます。


SF作品の持つ独特な世界観、メイヴを初め洗練されたデザインの戦闘機が飛行する情景、
先述の戦闘描写などを好きな方はとことんハマれそうな要素を持ったアニメだと思います。

ただ理不尽な言いがかりになりますが、私はちょっと好きになれない部分のあるアニメでした。
キャラクターデザインには慣れましたし、説明不足な話作りも5話で描ききれない情報量の多さから
仕方なしと思いますが、惑星フェアリィの空や建造物内、ジャムの作り出した空間などの
緑色系の配色からだんだんと生理的嫌悪が強くなってしまったのです。
途中で何度か地球側のシーンがあり、地球の空が描かれたせいもあったのか、
5話の光景を目の当たりにし「蒼い空がみたいよぉ…」と呟いてしまうくらい心理的にやられていました。


そんな訳で私にとってはちょっとトラウマになりそうな本作ですが、
最近の戦闘シーンが落ち着かないアニメに辟易している方には一見の価値ありではないでしょうか。
本作を気に入った人の中にはACE COMBATなどのゲームをやりたくなる人もいるのかなと思います。
本作を薦めた知人が以前、OVER Gというゲームで空母にプガチョフ・コブラで着艦する練習を
執拗に繰り返していたのもきっとそんな衝動からなのでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14

ソーカー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

GONZO厨の墓標

GONZOの輝かしき時代に作られたサブカル厨御用達アニメ。
本格的にアニメに嵌り始めた頃に丁度OVA化されてたので、その影響からか大分嗜好が偏ってるわけですが、ともかく私にとって思い出深いアニメであることには違いないです。最近またGONZO見るようになったけど復権は遠いですね。悲しいです。

さっくり言うとAI戦闘機とそれに溺愛するパイロットが意思疎通を図るセカイ系じみたSFだったかな。異星人がどうたらは結局どうだったのか思い出せない。
機械と人間の関係を描くという点だけ見ればSFの定番ですが、「ソラリス」にむっちゃよく似てた記憶があります。オススメするとしたら古いタイプのハードSFに興味ある人だけですね。あとは押井作品にもよく似てるので押井ファンならストライクゾーンに入ってきそうです。

まぁ、このサイトのタグで疑問に思う点があって、主人公の深井零の中身が割と若いので「ハードボイルド」とは少し違うんじゃないかな。wikiによると「ハードボイルド」は、感傷や恐怖などの感情に流されない、冷酷非情 、精神的肉体的に強靭、妥協しないなどの人間の性格を表す言葉、らしいけど・・・・

むしろアダルトチルドレン?っつーぐらい非常にナイーブなキャラクター像ではなかったか・・・?今考えると声優が「倍返しだ!」で今話題(2013年9月現在)の堺雅人だったせいかもしれない。でもかなり役には合ってたとは思う・・・ともかく私にはミステリアスでナイーブなキャラというイメージがあります。

内容はともかくそのハイクオリティな映像には説得力がありました。
もの凄い戦闘機の描写とか人物描写もリアルで細かい、そういうとこ萌えポイントです。
なんとなく雰囲気だけでここまで書いちゃったけど、いつもに増して中身がない(笑)

まぁ要するに格好良ければそれでいいだろってことだね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 14
ページの先頭へ