2022年度のハロウィンおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2022年度のハロウィン成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月26日の時点で一番の2022年度のハロウィンおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

80.9 1 2022年度のハロウィンアニメランキング1位
パリピ孔明(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (570)
1856人が棚に入れました
2019年漫画アプリ&コミック配信サイト「コミックDAYS」で誕生。2021年11月「ヤングマガジン」連載まで勢力を拡大している、いま最も熱いマンガ!「パリピ孔明」が待望のアニメ化! アニメーションスタジオ「P.A.WORKS」が、初めてコミック原作のアニメーション制作を手掛ける。三国志の英雄にして天才軍師「諸葛孔明が渋谷に転生!」歌手を目指す英子の歌に心打たれた諸葛孔明は、自ら軍師になることを申し出る……。2人の音楽と物語が、ここから始まる。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

終わりは良かった。孔明の機能は計略ではなくショートカット。

 終わりよければすべて良し…でいいかどうか。いいでしょう。アザリエのPまで含めての救済は正直いい方向での予想外でした。

 SNSで評価が決まるというのはちょっとスカウター的な考え方で「いいね」の数値主義でいいのか?までは踏み込めなかったのでそこはちょっと不満は残りました。現場のストリートの感動ですらSNSでしか計れない現代的ではあるんでしょうけど。現場の感動をもうちょっと表現してほしかったなあ。

 それと「アイドルの存在」については、好意的に評価すればアザリエのやりたい事とのズレの問題で処理していたので、必ずしもアイドル否定ではないですが、アイドルとしての顔で売れたわけですから、ももうちょっと大切にしてほしかったかと思います。

 やっぱり、アザリエサイドのPを含めた人物の深掘りはもっと早く、尺をとってほしかったとは思います。
 とにかく、アザリエの9話の飛行船のシーンですね。暗い夜空を派手でデカいだけのフワフワした飛行船が漂う=行く先の見えない名前だけが大きくなった華やかなアイドルという虚構…というあの感じが非常に良かった。それだけにアザリエの深掘りが駆け足だったのは残念です。

 孔明が機能していない問題ですが、本作のご都合主義的な展開をカバーする役割は果たしていました。ショートカットキーみたいな機能でした。ポンポン話を展開させるため、孔明ならしょうがない、孔明ならできるよね、という役割だった気がします。これが孔明が単なる優秀なPだったら、見てられなかったかもしれません。
 そもそもアイドルVS売れないシンガーの話ならここまで人気がでなかったかもしれませんので、パリピ孔明という題名と設定で見始める人も多かったと思います。メタ的にいえば孔明である必要はあったということでしょう。

 世評は孔明が機能していない、もっと孔明の計略を見たかった、になっている面もありますが、私はどちらかといえばアザリエサイドをもっと見たかった、7話以降が面白い派です。

 作画は十分だし、演出もエフェクトもなかなかパリピ感はありました。なにより曲…OPEDは楽しませてもらいました。エイコのバカっぽいところからシリアスなところまで演技も良かったと思います。


 総評すると、7話以降は興味深くみられましたし七海に感情移入できました。話として1話3話も良かったので、全体として面白かったと思います。歌も映像も楽しめました。

 よく考えてみれば、孔明の計略を取り込んだギャグ的な方向よりもアニメ作品としていい出来だったと思います。私の好みとはズレましたがその差異のモヤモヤも含めての作品ですので、評価したいと思います。
 そもそもこれだけレビューを書くんだから私にとってはかなりいい作品でした。ただ、やっぱりラップは駄目だなあ…



以下 視聴時のレビューです。

1話 孔明とシンガーの組み合わせ。センスオブワンダーですね。
 {netabare} いや、発想がいいですね。孔明とシンガーですか。もう、最高ですね。経緯は滅茶苦茶だし、転生もの、バディものでテンプレですが、センスオブワンダーは組み合わせで生まれる好例でしょう。

 そしてヒロインのキャラがいい。可愛いですね。ふざけているだけでなく、ちゃんと悩めるヒロインがいて、その成長を諸葛孔明が後押しするって…これはのめり込みます。視聴後にコミック多分ポチリますね。
 私もあのオーナーの気持ちがわかります。諸葛孔明にあったら聞きたい事沢山あります。

 アニメの質が高いのはもちろんですが、歌がいいです。うますぎだろうとおもったら96猫さんでしたね。ニコニコ知ってる人なら分かると思いますが相変わらずのスゲー歌唱力でした。声優さんと分けたんですね。

 三国志は吉川英治版を高校生の時に読んだんですけど、曖昧になってますね。これを機会に読み直します。

 今期覇権の可能性ありですね。 {/netabare}

2期 あれ?計略の使い方はどうなの??1話の出落ち感が…

{netabare}  うーん。まあ確かに歌を聞く機会がないと歌の良さはわからないです。が、孔明の故事を使ってはいますけど…何といいますか代替が効くというか、ストーリー展開に説得力がないといいますか。
 貰った機会に乗っかったわけですけど「機会を作る」ところに計略とか人心掌握が欲しいです。イベントの内容を事前に知っていて、MIAの懐に入るところで孔明の計略を使った上で、今回の話なら素晴らしいし、納得性もあったと思います。

 楽屋に行ったらいきなり誘われてって何?MIAという歌手を悪者にして物語を作るのって、ちょっと計略として底が浅いですし、ストーリーとしても不自然です。ボイトレしてくれよ…というモノローグも「ええ…何それ」という感じで明らかにステレオタイプの悪物を置いただけでした。

 ヒューマンドラマとしてもEIKOが道具になってしまっています。1話出落ちで過大評価だった気がしてきました。今後、ですね。

 あと潮時の誤用が気になります。潮時は「あきらめ時」ではなく、「チャンスの時」です。やめるにしても積極的なニュアンスになります。他の話なら目くじら立てませんけど、知略の話ですので。{/netabare}



3話 2話に比べて格段にいい。計略に説得力があります。キャラ萌えできる天才性が重要でしょう。

{netabare}  いいですね。今週の話。仕込みから情報収集、計略、人相学、そして酒宴。これでこそ孔明の名に恥じない展開です。

 別に内容はぶっ飛んでていいと思います。リアリティも求めないです。もともと三国志の計略そのものがお話ですからね。そうではなくて孔明らしさ、つまりキャラ萌えできる天才性をちゃんと表現してもらえればいいと思います。
 行き当たりばったりとか偶然を入れすぎると駄目でしょう。先回り…ですね。

 冒頭の先週のまとめも先週の本編よりもわかりやすかったですね。最後の薬は笑いますが。これで味方を増やす?人心掌握ですね。

 先週の出来がちょっとなあだったんで過小評価してましたが、今週は非常に良かったです。視聴継続でよさそうですね。 {/netabare}


4話 ここまで来てクオリティが分からない。天才性に驚きが無いです。

{netabare}  うーん。3話は面白かったのに、また、だめですね。孔明の天才性の表現がイマイチなんですよね。孔明スゲーというキャラ萌えになりづらいというか。

 天才の秘密主義は推理小説の探偵でなれていますし、本作の場合、孔明の天才は前提なので何かをやらかすのはわかっています。つまり信長が転生するとかと同様に既にキャラが出来ています。孔明の奇行も計略の一部だという前提でみると、得られる結果のスケールにあまり驚きがないというか…。大物プロデューサー登場もストーリー展開もテンプレですし。

 いまのところ冒頭の説明が面白いのと、エイコの膨れた顔が可愛いのでまだ見てますけど、こじつけで故事に牽強付会で孔明だからスゲーと言われても全然すごく見えません。

 後はエイコの家族の因縁話がセリフでの説明なんですよね。これをストーリーに組み込めるか説明になってしまうかが良作か駄作かの境界だと思いますので、本作はちょっと怪しくなってきました。

 視聴は継続しますが、次のレビューはもう数話見てですね。もし、エイコの歌で10万良いねを取れるならいいですけど、大物DJを見つけてエイコとの2ショットで10万いいねだったらがっかりですね。しかも勧誘で三顧の礼とか出てきたら驚きが無さすぎです。

 それに聖徳太子に及ばないって…聖徳太子に負けちゃ駄目でしょう。大帝国漢の大天才と古代日本、しかも近畿地方程度の飛鳥時代の天才ではスケールが全く違います。どういう基準で比べてるんでしょうか。謙遜?{/netabare}


5話 ごめんなさい。ラップバトルって、見てるだけで恥ずかしくて

{netabare} ラップって韻のルールがあるから、漢詩と似ているとは思ってました。絶句とか律詩的なものですね。ただこういうのは唐だから孔明は知らないはず。孔明の年代なら楚辞あたりでしょうか。
 この辺は詳しく知りませんが、韻の概念は古代から漢詩にはあるみたいですから、孔明がラップというのは不自然じゃない気もします。

 ただ、ラップバトル…あれって何なんでしょうね。フリースタイルラップとか…ライムとかリリックとか…ディベートの歌版?あれ見てるとなぜか恥ずかしくなっちゃって、見てられないんですよね。共感性羞恥…というにはやってる本人たちは真面目にカッコ良くやってるみたいなんですけど…

 完全に私の主観です。ラップ回は私の性癖でどうしても見られませんでした。ということは次回もだめかあ。{/netabare}


7話 孔明…いる?

{netabare} ラップバトル聞くのが恥ずかしくて苦痛なので、なんとか6話の結末は確認しました。そして7話を見て思いました。
 エイコがカベを頼って10万イイねなら相当しらけますけど、そういう展開ではなさそうですね。まだわかりませんが。

 エイコが自分自身の音楽と向き合うのはいいと思います。ですけど、この展開って孔明がノイズになっている気が…というより孔明の優秀性がかなりスケールダウンしているので話として成立していない気がします。

 もちろん興味を引く要素として、孔明の設定はいいと思います。いいんですけど、普通に優秀なプロデューサーですよね?それと、エイコが人に頼ってばかりなのがちょっとイライラしてきます。

 今回、エイコが自分で共感できる娘を見つけたのはいいと思います。うーん。面白い部分はありますが、面白さの方向が違っている気が…{/netabare}


8話 エイコの成長を描くなら孔明を傍観者にせざるを得ない矛盾をどうする?

{netabare}  アイドルの娘ってベビーメタルみたいなイメージ?アイドルという記号については、掘り下げれば非常に深い話になると思います。今後期待ですね。ただ、ステレオタイプにアイドルをネガティブに描くのはどうかなあという気がします。
 ただいずれの主張を取るににせよ久遠七海ちゃんのキャラはいいですね。

 エイコの歌の能力に疑問があるなら、今のエピソードからスタートしたほうがエイコの成長物語として良かった気がします。エイコは実力がないけど自分を持っている。アイドルの娘は実力を持っているけど自分がない。この2話だけ切り取れば非常に高いポテンシャルを感じます。

 ただ、原作の人気の理由が孔明だとしたら、それをいってもしょうがないですけど。
 ですが、孔明設定がよじれてきましたねえ。知恵がプリンってお土産だし、薬配ってるだけかあ。

 ここは矛盾ですよね。孔明の能力をフルに見せたいなら、エイコの実力や内面があると駄目でしょう。
 エイコをあくまで孔明の能力を見せる人形にしないと話が成立しないですよね。エイコの内面を描いてエイコそれ自身の成長物語にするには、結局は孔明を傍観者にしてエイコの自立のストーリーにしないと難しいですよね。

 テーマとかストーリー以前にどういうプロットにするか、が4話までで行き詰って、5,6話で新キャラで濁して、7話で何かを見つけたんでしょうか。7話以降とそれより前だと違うマンガですね。{/netabare}



9話 やっぱりそうなりますよね。エイコと七海に集中したい。

{netabare}  そう。エイコの物語を突き詰めて行くとこういう話にならざるを得ないでしょうね。エピソードとして7話以降はやっぱり別モノですね。
 あの飛行船の演出はいいですね。「大きくて派手な物」=アザリエ、「フワフワ浮かんでいる」=自分との乖離、「暗闇を進む」=方向性が見えないというところまでの含意があるなら相当なものですね。原作でもこれを絵で見せたんでしょうか。ちょっと気になります。
 ただ、これだけのキャンペーンが張れるグループは10万いいね程度のレベルじゃないですよね。もう単独でドーム球場とかアリーナで大晦日でライブが出来るレベルではないでしょうか。

 さて、なかなか面白い展開になってきたので気になる点です。
「アイドルが悪いのか」の落としどころですね。みんなの望んでいるものを届ける。歌いたいものを歌う。これをストリートの自分が本当の自分を結論とすると、いい話ではありますが、表現をテーマにした話としてはあまりにテンプレです。
 ここをどう相対化して行くか。アザリエと上手く両立できないのか。プロデューサーから見た場合の正義は?などが入ると奥深くなりそうです。

 民草という言葉は衆愚、つまり放っておけば増えるだけ増える雑草のイメージです。この使いかたでいうと、アイドルを喜んで聞いている大衆に本当の歌を聞かせてやる、という展開にならないか。
 エイコにしても七海にしても、頭を使ってない人間に本当の歌を聞かせてやる、自分の歌が分からないやつは衆愚だ、という傲慢にならないかですね。
 
 芸術ではつきまとう、本質の追及と商売になるか、ですね。商売は金の追及だけではありません。沢山売れる=多数の人間に伝わることをどうとらえるか、という問題があります。その辺が描き切れるか、が楽しみですね。

 まあ、テンプレのアイドル否定でも悪い話ではないですけど。

 で、やっぱりラッパーと孔明が邪魔だなあ…冒頭の関羽の話とか孔明の智謀と関係ないじゃん。あとでまとまって大団円になるのかもしれませんけど。


 なお、川崎駅の地下モールが「アゼリエ」ですぐ間違えます。ロゴもちょっと似てるし。
 どうも同じ花の別の呼び方らしいですね。「アザレア」とも呼ぶみたいです。 {/netabare}


10話 面白さは人それぞれ。私は7話以降が面白い。七海のスピンオフが見たい。

{netabare} もうちょっと七海のプロデューサーの優秀さをステレオタイプの人気至上主義の悪役から価値観を相対化させて、アイドルのパワーに命をかける、それこそ民草に力を与えるみたいな信念があったほうが話が深くなった気がします。

 私はアイドルの中に自分を見出す方向性が見たかったんですけど、これはどうも違いそうですね。それでも、七海サイドで何かの成長があると思いますので、ここから先は原作者とアニメ脚本がどう仕上げてくるかを見たいですね。

 とにかく七海とエイコを等価で見たい。もう7話以降はまったく別の話でここからスタートする話が見たいところです。が、本作がここまで人気がでてアニメ化されて、この七海というキャラまでたどり着いたのは「パリピ孔明」という作品です。なので、本筋はいいのでスピンオフとかで七海の話が見たいなあ。

 その為にも本作の七海のプロデューサーはすごい人であって欲しかった。七海の仲間ももう少し深みが欲しかった。

 本作の不思議は、音楽と映像がなくても人気がでたってことですよね?アニメはいい音楽があるから視聴継続できましたけど。
 だとすると、出落ちグタグタだった6話までのどこが面白かったのかはちょっと不思議です。ただ、一部の評価では孔明が活躍する初めの方が面白かったという意見もあったので、人それぞれだなあとつくづく思います。

 私はもともと孔明は智謀とか計略とかいう面がみたかったのでそちらに行ってくれればそれでも良かったですが、あのままだと取って付けたような話になってしまっていました。今の展開で良かったと思います。 {/netabare}


11話 結果でプロセスは正当化されるか?「パリピ孔明」そのものです。

{netabare}  超見せ場のアザリエのライブの作画が手抜きすぎです。次回にカタルシスを持ってゆくためにそっちに全振りなんでしょうけど、アザリエのアイドルとしての凄さを見せないと…

 カベはアレのためにいるの?だとするとうーん。5,6話って何だったんでしょう?一応伏線と言えなくはないですけど、使われ方が…

 孔明の計略ですからね。汚いことをやるのはいいでしょう。恐らくエイコの覚悟は、七海に本当の自分を見せろというメッセージになっているのだと思います。そして、七海覚醒なんでしょう。

 結果で孔明の計略の中身が正当化される、と。なんか民草という言葉が示すとおり、完全に観客を馬鹿にしている気もしますが。観客に主体性がなく「感動するべきもの」に感動させられる流れになってしまっています。

 ここを回避するには、アイドルとしての七海を取るか、シンガーとしての七海を取るかで、描かれ方が変わってきますが、同じ方向性に全員が感動する流れなら、正直気持ち悪いです。

 七海とエイコの覚醒を見せたくてこういう流れにしたんでしょう。
 が、意図しない自然発生的なテーマとして、大衆は感動すべき最大公約数を与えておけば、勝手に感動する、というSNSによるステルスマーケティング社会のカリカチュアになっています。ここに批判が入るならいいですけど、どうでしょう?

 で、2人で最高のライブをやって、最後は一緒にストリートライブの歌で締め?かなあ。だとすると、大衆は自身の感動ですらステマに乗せられる消費するだけのブタだ、と言っている気がします。

 このアザリエというバンドのプロデュ―サーと孔明になんの違いが?結果のためにプロセスが正当化される?それは表現者としての七海とエイコを世に出すために、騙しがあってもいいんだ、という開き直りですよね?本人たちの意向はあるでしょうけど、七海と分断した2人の仲間は?2人も覚醒するの?だとするとご都合主義すぎるなあ…まあ、実際来週見ないとわかりませんが。

 メタ的にいえば「パリピ孔明」そのものですね。「孔明」という看板で釣っておいて、中身は七海とエイコの感動ストーリー…感動があるから正当化される?

 あるいは「スパイファミリー」を面白くないと言っている人への叩きにも通じてきます。全員が感動すべき創作物が存在する、という流れになってませんか?SNSやサイトの叩きならまだ、批判的に見ることもできますが、それこそ作品の中にストーリーとして織り込まれると、非常に危険な気もします。多様性という言葉がふっとんで、全員が同じものに感動して終わり?

 ストリートがいいのは、自分の歌に感動してくれる人がどれだけ集まるか?です。アイドルとしてのアザリエに集まった人をどう扱うかで、本作の考え方が決まるでしょう。9割帰ってしまったけど、本当に応援してくれる人が残るのか、全員がワーっとなるか…
 そして10万人企画そのものを否定して、それを10万人企画のPが見ていて…なら、納得します。

 私としては9話の飛行船のシーンから完全にヒロインは七海です。次回、七海というかなりいい素材を活かせるか、ですね。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 43

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

エイベックスの功罪

アニメーション制作:P.A.WORKS
原作:四葉夕卜・小川亮(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:本間 修、シリーズ構成:米内山陽子、
キャラクターデザイン:関口可奈味、音楽:彦田元気、
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ

五丈原の戦いのときに病死した諸葛亮孔明。
彼が死の直後に記憶を保ったまま渋谷の街に転生。
そこで出会った月見英子を主君と仰ぎ、
軍師として奮闘する物語。

OPの音楽とアニメーションに魅了される。
ハンガリーのジョリーというシンガーによる
2013年に発表されたパーティソングを
2020年8月にエイベックスが日本で配信リリース。
それをスペシャルユニット「QUEENDOM」によって
カバーした曲をP.AWORKSがCGを駆使して
ダンスを交えたアニメーションとして完成させている。

動きは決して良いとはいえないが、
リズムに合わせてそれなりに動いているし、
アニメーションそのものが踊りも含めて面白くてカッコいい。
オリジナルも聴いてみたが、
こちらのカバー曲のほうがいいかもと思わせるほど、
楽曲そのものが完成されているしキャッチーだ。
始めてこの作品を観たとき、OPだけで引き込まれてしまい、
それで最後まで観てしまったといえるかもしれない。

物語としては、諸葛亮孔明が三国志の出来事に
なぞらえて、シンガーを志している月見英子を
成功に導くというもの。
発想はとても斬新なのだが、
これは三国志好きには響くものなのだろうか。
私は三国志を良く知らないので、分からない。

では、何を目当てに観ていたかというと、
英子のサクセスストーリーと、96猫という
シンガー&楽曲に期待してのことだった。
しかし、その部分については期待外れだった。
96猫のシンガーとしての資質は、
ここで売り出そうとしているだけあって
確かな実力だし、声も悪くない。
EDを聴くと、凄くいいなと思う。
しかし、劇中曲においては、目指している音楽が
何とも中途半端に聴こえてしまった。
音楽というのは、最終的に個人の趣味かどうかが
大きいものだが、エイベックスの
いつもリリースしている無味乾燥の面白味のない
劇中曲に全く興味を持てなかった。

昔の歌謡曲のように聴こえてしまう。
新しいことを全くやろうとしていない。
そういう意味ではOPとEDはどちらもカバーながら
頑張っていたと思うし、これは両方ともとても良かった。

そして劇中曲が大したことがなかったように、
物語もあまりにも普通に流れていってしまった。
原作付きの作品なので、そういう意味では
原作が良くないのかもしれないが、
普通に面白いと思えるところはあまりなかった。

私がこの作品でいちばん面白いと思ったのは
KABE太人にまつわる物語だった。
そもそもこの作品でいちばんリアリティがあるのは、
ラッパー絡みの部分だったような気がする。
それは、英子の働いている場所が
渋谷のヒップホップの聖地ヴエノスのあった場所に
そのままの佇まいで使われていることや、
声優の千葉翔也が自らラップしているのに、
ほとんど違和感を覚えなかったことから、
ラップには相当力を入れていたことが分かる。
しかも、仲間うちでのサイファーや、
ラップバトルの大会を行うシーンまであるなど、
原作でどこまでフォローしていたのかは知らないが、
かなりボリュームをもたせて展開している。

これは、やはりエイベックスが絡んだことで、
より前面に出てきたのではないかと勝手に想像した。
というのも、ラッパーの部分のストーリーが、
本編の英子の話とはほとんど関係がないからだ。
私は、当初、英子とKABEがコンビを組んで、
楽曲をやるのかと思って楽しみにしていたのだが、
ふたりが絡む部分がなかったのは残念だった。
そもそもエイベックスは昔からメジャーとしては、
ヒップホップに最も力を入れていたレーベルだった(最近は知らないが)。
NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの面子が
ソロアルバムを出していたのはエイベックスだったし、
ダンススクールの主催は現在も行っているようで、
いろいろな試みとして今回のアニメの全面協力ということに
つながったのだろう。
今回のアニメにはそれがマイナスになった部分もある。

もうかなり前のことになるが、
個人的にヴエノスの界隈はよく訪れていたこともあり、
とても懐かしい気持ちで観ていた。
とは言え、私はヴエノス自体には数回しか訪れたことがない。
ただ、すぐ近くにあるHARLEMにはよく足を運んでいた。
ヴエノスと並ぶヒップホップ好きが集まるクラブで、
ここにも多くの有名人が登場していた。

いちばん印象に残っているのは
絶頂期のTOKONA-XのライヴをHARLEMで観たことだった。
現在のラッパーで有名なのは、
ZEEBRAとKREVAが筆頭になるのだろうが、
もし、TOKONA-Xが生きていたら、
このふたりを凌駕する存在になっていたかもしれない。

2004年頃のラップは、世の中ではかなり勢いのあった時期で、
多くのアーティストがメジャー&マイナーで作品を発表していたが、
いかんせん、日本語のラップは、まだ発展途上の状況だった。
もちろん、ひと握りの上手いラッパーたちはいたが、
そもそも日本語とラップは相性が悪い。
それは、言葉のもつイントネーションと
発音の流れの部分での問題が大きいからだ。
英語のラップと日本語のラップを聴き比べれば、
その違いは一目瞭然。今では解消されつつあるが、
その頃は特にスムースにフロウするのは、
日本語ではかなり困難だと思われていた。
TOKONA-Xは、そういう問題を名古屋弁の駆使と、
持って生まれた才能で見事に解消した。
しかも、全く新しい日本語ラップを生み出したといっても
過言ではなかった。それまでもCDでは聴いたことはあったが、
生で聴いたときの衝撃度は半端なかった。
「これはモノが違う」と感じたのは今でも忘れられない。

おそらくある時期の渋谷の円山町近辺は、
日本のラップとR&Bの中心地だったと思う。
六本木がVIPの集まる場所なら、
渋谷は草の根的な活動をする場所だった。
そういう意味では、この作品の舞台としては適している。

話が脱線してしまったが、エイベックスが監修していることもあり、
かなりリアリティのある部分もあるのだが、
いかんせん、アニメの物語と音楽がチグハグな印象を受けた。
例えば『キャロル&チューズデイ』などの作品と比べると、
大きな差異があったといえる。
あちらは、制作陣に音楽に詳しい渡辺監督が舵を取っていたのだが、
P.A.WORKSでは、エイベックスにほぼ任せきりに
なってしまったのだろう。
物語と音楽そのものが噛み合っていないのだ。
音楽もののアニメを制作することの難しさが
露呈してしまった作品といえる。

とはいえ、物語の発想とアニメーション自体の完成度は、
十分に楽しませてくれる部分はあった。
特にOPアニメーションは良くできている。
アニメ表現に対する幅を見せてくれた作品だった。
(2022年7月9日初投稿)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 50
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

隙間風五丈原の向こう側

原作未読

五丈原で没した天才軍師がハロウィン真っ最中の渋谷に転生し、そこで知り合った駆け出しシンガーの天下取りをお助けするという内容。
横山光輝『三国志』最終巻タイトル“秋風五丈原”は覚えておりまして、季節を合わせての秋イベント“ハロウィン”そしてハロウィンといえば渋谷の交差点だよん、が垣間見える出だしは心憎い。
その秋風五丈原の元ネタ『星落秋風五丈原』を残した土井晩翠の代表作『荒城の月』と、三国志宣伝では貢献度大の『KOEI』さんをトリビュートしたかのような主役月見英子(CV本渡楓)のネーミングセンス。はい、こじつけです。

 第一:孔明というパワーワードを咀嚼した三国志ネタを楽しめるか?
 第二:無名の歌い手が成り上がっていく立志伝を楽しめるか?
 第三:あわよくばその両者のシナジー(三国立志伝)が発揮されるのか?

孔明×パリピの突拍子もない組み合わせに期待するのはこんなとこでしょう。
結果。上記3点悪くなかったんじゃないでしょうか?


第一:三国志ネタ
いくら俺TUEEEしようがご都合展開だろうが、その名を借りればつい納得してしまう諸葛亮孔明という人。役得です。
少々強引でも理由が後付けでも万事うまくいく展開は織り込み済みなんですよね。
三国志好きのこわもて店長小林(CV福島潤)が良き狂言師の立ち位置でして、三国志それほど興味ない層への説明役と知ってるけど忘れてる層へのおさらい担当として機能してました。計略の類は知ってるものからマイナーなものまで原典を彷彿させるネタを散りばめてましたが、後述の第二の時間帯が増すにつれやや影を潜めてたと思います。

{netabare}なお「いいね10万票」と聞いてなにかを察するくらいには知ってる三国志ですが、第一弾ネタ“石兵八陣”はツカミとしてはややマニアックだった気もします。赤壁ネタでごっそり回収したものの序盤でインパクト残しておけばその貯金で引っ張れたと思うのでもったいない。{/netabare}


第二:無名歌手の立志伝
孔明を前面に出していた頃、筋肉ディーヴァとスリーピースバンドは良い刺身のつまとしての役割を全うしてました。中盤以降のとあるキーキャラと英子の絡みはこれ単品でも食える内容。

{netabare}AZALEAの久遠七海(CV山村響)のことです。一般論。圧倒的個性があってさらにそれを磨く術を知らないとヴィジュアルで押していくプロモーションは正解なのが葛藤しどころですよね。{/netabare}


第三:あわよくばのシナジー
ここ薄めに感じました。三国志ネタと無名歌手立志伝ネタ両者の収まりが悪い。それゆえにどっちかに力点置いたほうが良かったんじゃないの?と思われても仕方ないのです。

{netabare}例えばキャラ。ときおり孔明は英子に在りし日の劉備の姿をダブらせてましたがそんなにハマらない。なんならプロデューサーに収まる前に今度は孔明が英子に三度頭を下げるとかしても良かったのではないかと思う。また疑似○○みたいに例えばAZALEAプロデューサー唐澤(CV真殿光昭)を司馬懿仲達風味に仕立てれば三国志感が増したでしょう。まあ唐澤にも救いのある結末を用意してたので無理な話かもしれませんが…{/netabare}


かように諸葛亮孔明が現代渋谷に転生して無名歌手の天下取りをお手伝いする物語は、発想の面白さと個々のエピソードの良さであっさり完走可能です。ただなんとなく収まりが悪い。
CHINESEから見れば日本人が餃子と白飯を一緒に食べるのに仰天するようなのと同じかもしれません。東の人間からするとお好み焼き定食に疑問符つくのと一緒。各々の食材が独立してそれなりのものに仕上がっているからそれはそれで別でいーじゃんって感覚にさせられる一品です。



※ネタバレ所感

■第四ファクターとしての“渋谷”

本題に見せかけた雑談です。白飯に合わない中華型水餃子をおうしょ…日本型焼き餃子に変換すれば今度は逆に白飯が手放せなくなる。当方の真の評価はこちらです。変換因子は“渋谷”。
渋谷は渋谷でも定番のスクランブル交差点よりさらに踏み入ったところが良く描かれてるんですよね。個人的にはツボで前段第一~第三のもやっとした部分を補って余りある評価となってます。

{netabare}「VUENOS」懐かしーと思ってたら閉店してたのですね。10年くらい前に行ったきりです。作中主人公が働いてるB.Bラウンジの外観がまんまそれ。老舗『clubasia 』の近くです。丸山町ホテル街の隣筋なのでまあ欲望も渦巻いてるエリアです。
そして渋谷六本木そう思春期も早々に街に繰り出してる東京生まれHIPHOP育ちの子達が集う街。アナログレコード屋が多いからか西麻布六本木よりもHIPHOP色強いので、ラップバトルのKABE太人みたいな子が登場するのが極めて自然と感じます。
HIPHOPだけに限らずEDMみたいにクラブシーンを意識した選曲は劇中歌やOP&EDに反映されてました。で大事なのはリズムライン。具体的にはベースギターのことですね。裏主役とも言える七海がベース使いだったのが分かってるなーって感じです。渋谷に集う子がアイドル嫌いってことは決してありませんが、主戦場はアイドルとは別のところにあるのです。{/netabare}

これが新宿や池袋はたまた秋葉原だったら違う印象であったことは想像に難くないところ。


■R246そのまま山手線内側六本木方面へ

一方西麻布六本木はやや大人の香り。HIPHOP色薄まり芸能人や遊び慣れた方がこちらに流れてました。
それで渋谷主戦場である英子の旗艦曲『六本木うどん屋(仮)』のなんで六本木なん?に繋がるかも。

{netabare}電車のない時間まで六本木でクラブ活動して一息つく時、とりわけ女子をエスコートしてる時に外せないのが『つるとんたん(うどん屋)』というのはあるあるです。
別に夜遊びしてる方でなくとも大人の思惑うず巻くエリアであることに異論はないでしょう。作品に戻りましてAZALEAが事務所内でひと悶着して出てきたシーンで映っていたのがどう見ても『Hardrockcafe六本木』でした。もうおわかりですね。『つるとんたん』の近くです。

英子から七海へのエール。不本意な売り出し戦略の震源地のアイコン『六本木うどん屋(仮)』をチェンジして『DREAMER』として羽ばたくのよ、と。{/netabare}


昔の知識で話してるので現状は違うとは思います。風営法のせいで深夜営業できなくなって閉店が相次いだこととライフステージの変化で自分も足が遠のきました。2016年の再改正で一部深夜営業もできるようになったのは良いことだと思います。
閉店ラッシュの前年にリリースされたのがED曲『気分上々↑↑』ですね。流行の周期は20年サイクルといいます。親が聴いてたとか、制作の中枢に入る年代の方が青春時代を思い出してとかいろいろ理由はあります。2000年代初頭のカバー曲はこれからもお目にかかれそうですね。



※余談

■R246そのまま山手線外側へ

渋谷起点に六本木とは逆方向。渋谷から二駅かつ幹線道路沿いの立地。タクシー深夜料金でも1000円札一枚で足りる好条件。
三度頭を下げて意気投合した時の強力なツールとなり、相手にも言い訳が立つことを指してこう言う。

 {netabare}“三茶のせい”{/netabare}

ネタだから本気にしないでね。


■ゾンサガ対抗戦

よく見たらP.A.worksさんなんですよね。歌もので色モノかけ合わせといえばMAPPAさんの『ゾンビランドサガ』が有名です。
主人公が本渡楓さんで共通してるのは偶然です。三国志の小説を書いた北方謙三さんは佐賀県唐津市の出身というのも偶然です。ゾンサガスタッフが別枠で制作した『体操ザムライ』で主題歌が『上海ハニー』と2000年代初頭曲だったのももちろんたまさかです。




視聴時期:2022年4月~2022年6月 リアタイ

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2022.06.25 初稿

投稿 : 2024/12/21
♥ : 46

73.3 2 2022年度のハロウィンアニメランキング2位
名探偵コナン ハロウィンの花嫁(アニメ映画)

2022年4月15日
★★★★☆ 3.9 (76)
334人が棚に入れました
渋谷ヒカリエでとある結婚式が執り行われていた。そこには、ウェディングドレスに身を包んだ警視庁・佐藤刑事の花嫁姿が。コナン達招待客が見守る中、突然乱入してきた暴漢が襲い掛かり、守ろうとした高木刑事の身に危機が─!?。事態は収束し高木は無事だったが、佐藤の瞳には、3年前の連続爆破事件で、想いを寄せていた松田刑事が殉職してしまった際に見えた死神のイメージが、高木に重なって見えていた。
時を同じくして、その連続爆破事件の犯人が脱獄。果たしてこれは偶然なのか?安警察の降谷零(安室透)が、松田を葬った犯人を追い詰める。だが、突然現れた謎の人物によって首輪型の爆弾をつけられてしまう。爆弾解除のため安室と会ったコナンは、仮装爆弾犯「プラーミャ」との間で起こった過去の事件の話を聞く。やがて、捜査を進めるコナンたちを狙う不穏な影が─。

ねごしエイタ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

勝利のカギは、サッカーボールだ!

 前作はクエンチと呼ばれる煙だったけどまたもや、爆発が起きる劇場アニメに戻った展開が起きるです。今回は悪い奴の罠から始まり、警視庁前、渋谷を舞台とする連続爆破が起き、とんでもない方法で行われようとする爆破を阻止するコナン達の活躍を描いたお話だったです。
 降谷零(安室さん)や同期の他三人を中心に、以前のTV放送にあった爆破事件のつながりでさらに一方においても、表ざたにしなかった事件の絡みを見せてくれたです。佐藤刑事、高木刑事の活躍も見逃せないです。
 また降谷の同期の一人が、コナンと接点があったことが爆破を阻止した大きなカギとなったのです。やや、スリリングな展開だったけど、私には不自然な点から犯人が誰だか想像し、その通りであったことが意外性に欠けたようにも見えたです。

 祝辞と思われた光景がやっぱりこうだったかと一転したり、その一方で罠にはめられる降谷零、事件に巻き込まれるコナン、どうなることやら次々と展開が大きくなっていったように見えたです。

 二種類の液体を混ぜることで起動する手口の爆弾が、最後まで付けまわることになるのです。渋谷でそんなことが可能なのか?驚きの仕掛けを見たです。それをどうやって切り抜けたのか?見に行ってのお楽しみです。
 渋谷のハロウィン、かぼちゃの仮面が、誰にでも印象に残った光景を見たです。相変わらず劇場版コナンは、派手な演出が施されていると感じたです。降谷零の同期が、佐藤刑事、コナンにどうリンクしているのかが?面白みの一つかもしれないです。

 やや、心残りがあったとすれば私の都合上、渋谷で本当は見たかったけど、今回最寄りの劇場で見るしかなかったことでしたです。
 渋谷の建物が、リアルに再現されていたと思ったです。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

最近のコナン映画の中では面白い方

{netabare}
最近ずっと酷いのが続いてたけど今年は結構よかった。
良かった点として今回は特定のキャラごり押しに感じなかったところ。最近は安室・赤井・京極とか一部の腐女子受けのいいキャラに活躍させて...みたいなキャラ重視の作品が多かった印象だけど、今回の作品は安室に出番があるとはいえあくまで1キャラとしての立ち位置だし、全員まんべんなく出番があって良かった。
今回の映画、膨大なキャラ全員に見せ場を作るのが上手かった気がする。通常のコナンのキャラ+で映画オリジナルのキャラにもしっかりと見せ場や掘り下げが合って、最後のエレニカのシーンとかも感動できた。

それと今回の映画が良かった理由として犯人が無駄に強いというのもあると思う。安室を出し抜いたり、大規模テロを仕掛けたり、一人なのにもかかわらず下手したら黒の組織レベルで規模の大きなことをやっていた気がする。相手が強かったのでアクションシーンや最後の戦闘が面白かったかな。

一方微妙だった点は、ミステリー要素が少ない。この点だけは最近の他のコナン映画と同じ。そろそろもっとミステリー要素強めでやってくれないことか...。
あの渋谷の道路の図の奴も異次元の狙撃手の劣化焼き増しに感じた。

もう一個、最後のあれはやりすぎ。あの大規模な爆弾をそもそもどうやって仕掛けたんだってのはまあいいとして、あれを阻止する方法が少し...。
どう考えても隙間とか下水道で爆発する。サッカーボールで空から中和剤振らせるとかの方がまだマシだった気もする。

ミステリーとしてはそこまでだけど、クライムサスペンスとしては完璧な映画だったかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

現実寄りのコナン

渋谷ヒカリエを舞台にした一作。
コナンの流儀(大人の事情)を鑑みれば、物語は予想を超えない範囲で動いていく。
実在の組織団体の掘り下げ方の深さと、敵キャラやコナンのファンタジー感が織り混じって、現実世界にコナンがいるような、化け物じみたコナンや安室のスペックが増長されているような不思議な感覚に囚われた。
正直クサイ演出感はあるが、それを吉と見るか凶と見るかで評価は変わると思う。
序盤からメタ発言を飛ばしていて、反骨精神が見えたのは面白かった。
作画の良さが際立っていた事もあって、エンタメとしての見応えは充分にあり。
個人的にはゼロの執行人より全然好きだな。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0

65.1 3 2022年度のハロウィンアニメランキング3位
名探偵コナン ゼロの日常(TVアニメ動画)

2022年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (39)
177人が棚に入れました
ある時は名探偵毛利小五郎の弟子、安室透。ある時は日本を守る公安警察、降谷零。 またある時は、黒ずくめの一員、バーボン。三つの顔(トリプルフェイス)を持つ男のプライベートは誰も知らない……はずだった。 光と影をまとう安室透のなんでもない日常(ティータイム)が今、明かされる

レオン博士 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

事件を追うならゴールデンタイム

15分アニメかつ全6話であっと言う間に終わりました
ゼロの日常の日常は「ティータイム」と読むらしいです
本編のEDテーマの後に流れるCパートみたいな話で特に面白くないですが、クオリティは高い
こんな贅沢な予算の使い方している15分アニメなかなかないです
安室さんファンのためのアニメでしょう

なんで深夜にこっそりやっていたのでしょうか?
コナン本編のCパートでやればいいと思う
でもゴールデンタイムに放送したら毎週殺人事件が起きてティータイムどころではなくなってしまいますから仕方ないですかね

投稿 : 2024/12/21
♥ : 12
ネタバレ

CiRk さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ファンなら見て損はない

{netabare}
名探偵コナンのスピンオフ。
深夜帯にコナンを見ることになるとは。
明らかに腐女子向けアニメなので絶対楽しめないだろうなと思いつつも、コナンは好きなので一応視聴したけど、思ったよりは面白かった。
やっぱり、たとえ腐女子向けだとしても好きな作品のスピンオフは面白いという。

話は基本あってないようなもので、本当に安室さんの日常を描いた感じ。
まあ、短い尺ながらも、組織、ポアロの店員、警察、一一般人としての立場を各エピソードに分けてバランスよく配分で来ていたと思う。
コナン視点だと時折しか出てこない上に基本的に一話につき一つ、あって二つの立場が重視されるから、安室の日常というものは捉え辛いのに対し、本作は安室視点で複数の立場をこなす姿を描くことで複数の顔を持つ大変さがより伝わってきてスピンオフとしてやっただけの価値があったと思う。
赤井やFBI絡みの話や、本編出のパロ台詞とか、コナンファンに向けたネタも多くて、原作勢ならたぶん楽しめるはず。
あと、安室さんの優しさを表現するためだけの存在であると思っていた猫が、実は安室の過去と重ねられてたというのは良かったかな。
安室とエレーナ、猫と過去の安室を絡みつけて描くのは上手かった。

あと、EDが神。あの歌唱力で歌ってる人13歳ってすごすぎる。今期一好きな曲。
それに、曲自体もいいけど、映像がいいんだよね。
OPは普段の明るく振る舞ってる安室さんなのに対して、EDは本当の心境や孤独さが表現されていて、対比が上手い。
屋上を一人で歩くところや、スコッチが撃たれ階段を駆け上がっていく場面など物悲しさを醸し出すのが上手かった。
ギターを弾いているシーンで画面が一時停止させることであの頃はもう戻ってこないという表現をするのも良き。
最後に太陽の日と反対側を向き、歩むところもまさに安室透の人生が表現できていて、ほんとに細かいところまで作りこまれているEDだなと。
曲も最高、映像も最高、で、歌詞も本編に非常にマッチしていて、EDだけで泣いたという人がいても驚きはしない。

半分曲の感想になってしまった()

↓一話毎メモ(3話は録画ミスってたので視聴出来てません...独占辛い。)
{netabare}
1話 ☆6
開幕腐女子枠ですよって言ってくれてるw
てか深夜なんだな。コナン好きだけどちょいきつい。
なんで工藤新一は腐女子人気なくて安室や赤井、京極は人気あるの? 深夜にコナンを見る違和感。
推理ってほどでもない。梓さんじゃなくてベルモットかコナン君か赤井を出してくれ、そうすればまだ見られるようになる。 
安室って警察に普通に通ってるの絶対組織にばれるよな。ホモみたいなセリフやめろ。名曲ED。映像も神。今期いい曲多すぎない?

2話 ☆7
いつものコンビ。ベルモット流石に声がそろそろきついな。
殴っとるやんけ!w 赤井のこと考えすぎだろ。
これほんとに平和な日常だけなのね。
安室の普段の仕事と言う意味での日常と思っていたけど。
どこで特訓してるんだw 申し訳程度の本編要素。名曲ED

3話
見逃し。

4話 ☆7
沖野ヨーコw SASUKEかな? 犯人さん。自然な流れ。
草、そうはならんやろ。追いかけろや。たらこくちびる。
なんだよこの子w
宮野エレーナにしてもらったように、か。自転車あるある。

5話 ☆9
キャメルすこ。いつ見ても犯人顔。
出ていってくれませんかね、僕のポアロから。
食レポするなw どのみち運転で渋滞無理矢理すり抜けそう。
何だこの道路。本編要素。犬と重ねてるのは上手いな。

6話 ☆7
驚きの黒さ。音痴。前回最終回でもよかったな。

曲評価(好み)
OP「Shooting Star」☆7
ED「Find the truth」☆10
{/netabare}
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

大重 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

名探偵コナンの人気キャラ…らしいですね

名探偵コナンといえば言わずとしれた大人気作なわけですが…
いい加減長すぎてもうサンデーでも流し見になってしまっています。
斜陽のサンデーを唯一支えている屋台骨ですけれどね…

というわけでいつのまにやらこのゼロが大人気になっていまたらしいですが、こちらはまあ、ふーん、という感じにそこまで感心もないです。
そのスピンオフがアニメ化しても…
まあ私は特には。彼のファンには嬉しいのでは無いでしょうか。

声が古めかしく感じましたがアムロの古谷徹さんで、彼の名前の元ネタになった人が演じている、という話を聞いたらほー、とは思いました。

まあ好きな人が楽しめると良いですね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 0
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