2024年度のハッピーエンドおすすめアニメランキング 6

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメの2024年度のハッピーエンド成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月19日の時点で一番の2024年度のハッピーエンドおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

62.4 1 2024年度のハッピーエンドアニメランキング1位
魔法使いになれなかった女の子の話(TVアニメ動画)

2024年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (63)
166人が棚に入れました
原案公募企画「Project ANIMA」から生まれたオリジナルTVアニメーション 「魔法使いさん、わたし、約束守れませんでした……」 魔法使いに憧れる天然少女クルミ=ミライと、代々魔法使いを輩出する名家の令嬢ユズ=エーデル。 レットラン魔法学校<国家魔法師養成専門学科(通称・マ組)>への進学は魔法使いになるための必須条件。なのに、まさかの受験失敗………と思っていたら!? 一見、子どものような国家魔法師ミナミ=スズキが担任として現れ、学園生活は急転! 訳ありげなクラスメイトに、怪しそうな同好会…… この学校に隠された秘密って何!? 魔法使いさん、わたし<普通科一組>で、魔法使いになれる、の、カナ……? 夢に破れた正反対なふたりの少女の青春*魔法学園ファンタジー!
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

作画・画面は素晴らしかった。内容はテンプレ・模倣で深味が感じられません。

 作画…広義の作画ですね。キャラデザ、美術、色彩など画面作りは本当に良かったと思います。この点ではこの数年で見た作品の中でもトップクラスで好きでした。

 キャラで言えばユズはいいキャラを配置したなあと思います。本来、この子がヒロインでもおかしくないと思います。コンプレックスや成長したいという思いが強く描かれていました。

 一方で、ミライですね。最終話になって初めて、冒頭の魔法使いの言葉に「何がやりたいか」が付け加わります。これは悪手でした。それをはじめに提示して、ミライが何をやりたいかを模索しつつ、古代魔法との出会いが彼女の夢に繋がってゆくならテンプレですが、物語にはなったと思います。ところが「魔法使いはもういい」と葛藤するわけでもなく、すぐにあきらめました。この点でストーリーがものすごく受け身で場当たり的になってしまいました。

 また、魔素とミナミ先生、古代魔法と現代魔法の関係です。なんとなく説明がありましたが、ここに自然と科学、伝統と効率化、学校の成績至上主義などをもっと盛り込めればなあと思います。ただ、それだけだとそれこそパターンですので、そこに原作者あるいはこの作品に魂を込める立場の制作者が自分が何をこの作品で発したいかを込めるべきでした。そういうこの作品を描きたいと思った動機・モチベーションが見えてこないので、非常に浅く感じました。

 別にメッセージが表に出てこなくてもいいんです。ただ、問題意識を持って何かを普段から考えていれば、自然とそれが作品に入り込むはずだと思います。その辺がこちらに伝わってこないということは、ただ、作品が作りたいから作った…どまりかなあという気がしました。

 冒頭の導入、舞台とキャラ構造が本作とそっくりな「リトルウィッチアカデミア」においてはエンタメを強く表に出していました。そんな中で成長課題を描けていたと思います。まあ、この作品も深みはそれほどないですが、エンタメとして作品のストーリーそのものの出来が非常に良かったです。

 また「魔法科高校の劣等生」と同じ構造の設定でしたが、模倣で終わりました。それは魔法や魔素を使って「何をやりたいか」=「何を描きたいか」が不明瞭だからだと思います。
 「劣等生」はSF設定として「3つの魔法の課題」として魔法による核融合=魔法使いを経済に組み込むことで戦闘員からの解放という大きな設定がありました。また、魔法の測定方法の不十分なところな現代の学校批判につながるものを描いていました。
 そういうところにちゃんとしたSF設定の上にテーマを乗っけているなあと感心しました。本作はそういうところが手抜きというか、何もなくスタートしてしまったため深味に乏しい気がします。

 ユズ、ミナミ先生がいるのと、作画・画面がいいので最後まで見られました。話もテンプレに乗っかっているので話にはなっています。でも、咀嚼するもの、ひっかっかるものがない、サラリと終わってしまいました。2クール後には忘れられている気がします。





1話 作画と色彩が素晴らしい。類似が気になりますが面白かった。

{netabare} この中間色で柔らかい着採はなかなか気に入りました。キャラデザ、作画など絵作りはかなり好きな部類と言っていいでしょう。表情の作り方とか、構図とかの作りこみが良くて「アニメならでは」がものすごく好感が持てます。話の導入も落ちこぼれの逆転劇的な話は好きなので面白かったです。

 引っ掛かるのは「リトルウィッチアカデミア」との類似性ですね。キャラの配置とか、魔法へのあこがれとか、先生の素性が得体がしれないとか、昔会った魔女の素性が分からないとか、いろいろです。
 ただ「リトルウィッチアカデミア」ってアニメーターの習作みたいな位置づけもあった作品だと思います。本作も新しい才能が新しい挑戦をしているならそれは素晴らしいと思います。

 それとエブリスタに原作があるみたいですね。エブリスタ…「サクガン」のトラウマが…まあ、それは考えすぎでしょうけど。

 とにかく良い方にも悪い方にも偏見を持たずに見ると、素直に非常に面白い1話でした。「アニメーション」としては素晴らしいと思います。かなりレベルが高い作品になる…という期待は充分持てました。まあ、期待は外れることも多いですけどね。 {/netabare}


2話 「魔法学校の劣等生」?演出と脚本が子供向けの意味が不明。

{netabare}  1話の期待が100だとすると、2話で37くらいになった気がします。話はいいんです。ただ、演出と展開がなあ…誰向けかわからない、演出が日朝女児向けアニメよりも低年齢な感じがします。

 これは本当にわかりません。作画で女児向け的テイストを出しながらも、内容は大人の鑑賞に堪える演出になるのかなと思っていましたが、そこが最大の期待外れですね。作画のレベルも2話ということで落ちている気がしますし。別に演出と脚本の問題なのでお金は関係ないと思います。

 気になるところとしては、数学の定義や幾何学の歴史と結びつけながら魔法を描いていますが、その意味するところがヒロインの初回の魔法の発動の挑戦に繋がっているのかわかりません。

 1話は「リトルウイッチアカデミア」との類似性が気になりましたが、むしろ設定と話は「魔法科高校の劣等生」をやろうとしているのかな?
 魔法の作中の定義を科学的(もちろん疑似科学。本作は数学、劣等生はコンピュータ言語とか物理)に行いそれを理解できる人間というのが達也そのものです。で、劣等生と優等生の逆転劇ですね。魔法を国家が管理しているのもそうですし。

 類似性を非難したいわけではなく、そういうテーマを込めるなら演出と脚本の年齢層のレベルは間違ったんじゃないのかな?という気がします。{/netabare}


3話 2話で評価爆下げでしたが、3話で爆上げです。面白かった。

{netabare} 今回は作画もエフェクトや演出も展開・エピソードも良かったです。非常に面白かったです。やっぱりこの作品はちゃんと動くと本当に絵がいいなあと思います。
 それと、魔素と魔人(神?)で話が展開するんですね。なるほどそれで普通科を魔法使いにする必要があると。

 マ研という設定もクルミの居る場として面白いと思います。こういう特別感がワクワクさせてくれます。ミナミ先生が可愛いのもまたいいです。

 苦言を呈するとすれば、ユズが部活紹介のときに「本当は自分は…」みたいなことをつぶやきます。それは表情でわかるし、秘めたる気持ちで意地でも口にしないのが彼女のキャラ造形になると思いますし、このセリフを入れると安っぽくなります。
 やっぱりこの作品、このユズがいるかどうかでストーリーの厚みが変わってきそうです。彼女はぜひキャラを考え抜いて丁寧に描いてほしいです。

 それと、マ研って顧問がいるなら部室もらえるんじゃね?とか思ったりしました。あとは彼女たちが魔法をこっそり研究するきっかけが描かれなかったのはちょっともったいないかな。これからあるかもしれませんけど。

 ということで2話の出来が良くなくて、切る寸前でしたが3話で評価は大きく上がりました。2話は後で手直しした方がいいかもしれませんね。{/netabare}


4話 対立構造に深みは感じない。ユズに期待。

{netabare} 話の構造はよくあると言えばよくある古代VS現代の対立軸がそのまま普通科(マ研)VS魔組(魔研)になる感じです。それと魔人(神?)みたいですね。マ研の素性について若干説明がありました。

 一見すると古代の自然からのパワーというのと現代の科学あるいはマニュアルからのパワーという話で意味がありそうです。ですが、テーマというより自然(古い)VS科学(新しい)という創作のデータベース化された要素を使っているだけに見えます。

 展開としては非常にありきたりです。それでも面白いのはキャラだと思います。ミナミ先生が一時退場してしまいましたので、期待できるのはやはりユズのキャラかなあと思います。その他で意外性はない気がします。

 それとありきたりではありますが、アニメの基礎みたいな展開なのでちょっと懐かしい気分で見ています。基礎ということはしっかりしているということでもありますし。

 作画については今のところ奇数話が良くて偶数話が物足りない感じです。偶数話は大木良一さんという方が総作画監督で共通していますのでこの人の絵作りが…なのかもしれませんなのかもしれません。「総」が付く人が関係するのかわかりませんけど。{/netabare}


5話 低年齢向けっぽくあっても中身があるから面白い。

{netabare} レースのルールや途中の描写など短絡的な内容で、それだけ拾うと女児向けというかせいぜい中学生向けっぽいとは思います。演出もキャラの演技もエピソードも低年齢向け感はあります。

 ですが、中身がある話なので面白いです。ちゃんと話になっているのはやはりユズの存在です。ユズのコンプレックスと置かれた状況の中で頑張ろうとするところだと思います。夢をあきらめた少女が希望が見えることで考え方や行動がかわりました。

 やはりユズのキャラ造形が素晴らしいです。ユズが話に深くかかわるだろうなと思っていたら、やはり目立ってきましたね。彼女の性格というか意志が描けていて良い回だと思います。

 もちろんヒロインの魔法を使える、使えないということがあります。ここに何かが乗っかってくるのでしょう。そこも注目点ですね。

 また、ジャージをあえて負け組に着せた演出の意図もいいと思います。一見カッコ悪いですが、努力する彼らを見ているとそんな事を忘れてしまいます。
 ジャージを嘆いていた彼を使って上手くそこを強調しました。そしてサブキャラはこの程度の深堀りでいいと思います。1エピソード使ってサブキャラを全部深掘りするのではなく、こういう感じで見せるのがいいんでしょうね。

 それとやっぱり奇数話は人物の作画がいいです。姿勢や構図の変化がちゃんとあって、アニメーションを見ている気がします。{/netabare}


6話 内容があるだけに期末試験云々のエピソードの出来がもったいなかった。

{netabare} クルミが魔法使いになりたいの部分に「何故」「何に」「何のため」が抜け落ちていること、ユズの親や家族の手前あるいはエリート一家だからという理由で魔法使いを目指していた。そして、アニクの落ちこぼれと、キャラたちのそれぞれの悩みとしては面白いと思います。

 が、ちょっと不自然だったかなあ…特にクルミの考えの変遷が不自然に感じました。魔法使いにどうしてもなりたいと何故思っていたんだっけ?と魔法使いになるには実力が不足しているかも…が混在している気がしました。そもそも期末試験がエピソードとしては不自然だった気もします。

 クルミ=ミライって多分「来未=未来」ですよね。将来の自分を悩む少女だけにこの5話がポイントなんでしょうけど、ちょっとエピソードの出来に不満が残るかな。内容があるだけにもったいない回でしたね。やっぱり偶数回の出来が悪いなあ…

 それと類似例を挙げるときりがないんですけど今回ちょっと「水星の魔女」を思い出しました。「リトルウィッチアカデミア」「魔法科高校の劣等生」とミックスている感じですね。それぞれ名作と言っていい出来の作品です。
 ですので今見えているテーマが表面を撫でるだけの単なる物まねで終わるのか、自分なりのメッセージを込められるかです。{/netabare}


7話 展開が遅くて期待よりも話のスケールが小さそう。悩みはいいんですけどね。

{netabare} どうでしょうね。このままだと話のスケールがこじんまりと終わりそうです。もうちょっと大きな話に展開していくのを期待していたんですけど。学園内の魔素の問題だけで終わってしまう感じで、それで終わるなら「面白かった」で終わりそうです。

 古代魔法、成長、世の中の魔法の仕組み…なにかそういうものは描き切れない気がします。生まれの問題にするにしても、何かもうちょっと冒険とか謎解きが欲しかったなあ…

 ここで足踏みしたり疑問をもったり、ライバルであり良い友達であるユズとの関係性の変化は悪いとは思いません。2クールならかなり期待できるんですけどねえ… {/netabare}


8話 クルミの話とキャラ造形に違和感を強く感じる展開。もったいない。

{netabare} クルミの葛藤が弱すぎてなんとも言えません。入学時にはあきらめていたのが魔法少女になれるかもという希望を持たされて、でも先生も消えちゃうしなれそうもない…この振り出しに戻るのに意味があまり感じられません。だったら入学時からなれるかも、でもなれないという葛藤があればいいだけの話です。

 ユズを巻き込んでユズがヒロインの座になるならまだわかるのですが、その辺物語性というかキャラ造形に違和感を感じています。どうするつもりでしょうか?子供向けであっても子供だましではいけません。

 せっかく絵作りはアーティで頑張ったアニメなのに、脚本がこれだともったいない感じになりそうです。{/netabare}


9話 テーマやメッセージ自体がテンプレの型になってしまったかな

{netabare} 残念ながらクルミミライの描き方は失敗しましたね。外部から働きかけだけで意思決定して自分の想いが感じられません。魔法に対する執着、あきらめざるを得なかったときもあっさりしていて、劣等感や未練、葛藤、ルサンチマンなどの人間の内面に渦巻くドロドロをみじんも感じません。

 ユズもなかなかなところまで行きましたが、なかなかどまりかなあ。変な恋愛感情とか入ってきましたし。

 全体の流れは興味深いところもありますが、テンプレと言えばテンプレです。テーマやメッセージがありそうで、その肝心の芯の部分が何かの物まねでしかないように感じます。{/netabare}


10話 この展開が見たかったです。6から9話をもっと上手く使えていれば…

 10話がああ、これが見たかったという展開ですね。謎が姿を現す、陰謀の存在が明確化してくる、先生の復活、ヒロインの覚醒や過去が明らかになってゆく。
 要するにこの10話が見たかった起承転結の転の部分なので、作品の構成それ自体は上手くできていると思います。既視感は強いですけどね。

 ただ、6話から9話が弱いですね。ミライとユズの内面描写と成長、2人の葛藤と和解そして信頼がもっと丁寧にできていれば、優れた作品になったのにという気がします。謎の提示の仕方は悪くなかったかもしれませんが、マ研のキャラがふざけすぎて、イマイチ入り込めなかったのもマイナス要素です。

 本作のボディ…つまり、キャラそのもの大きな物語、設定はしっかりしているので、もし原作と違うのであれば、それは脚本、シリーズ構成が失敗したということです。中盤のダレは作品評価にとってかなりのダメージになっている気がします。

11話 いいんですけど、テーマが借り物で物語がなくなっている。

 なんでしょうね。魔素という要素に意味性が付加できれば、テーマが生まれたと思うのですが、そこが弱いのかも。つまり、ノーザンが何を目指してに意味が生じれば、話の厚みが出来たと思います。魔法手帳はスマホのアナロジーになってますし、学校批判にもなっています。

 なぜ、古代魔法を否定して選民思想的な管理社会にしたかったのか。ミライがなぜ魔法使いになりたかったのか、何を成し遂げたかったのか。それを語れなかったので、何かの模倣、型にはまった話になってしまいました。

 大きな意味で資本主義批判にはなっていますけど、それを言うなら社会の問題を描いた話はすべて、資本主義批判ですかね。魔素が自然な古代の良きやり方、エネルギーは人間からもれでるものですから欲望・悪意などダークサイドの象徴ともとれます。ですが、そこまで描けているというのは明らかに牽強付会だし、読み取れなければ意味がないです。10話、11話は話としては悪くないのですが、そこが弱いので何を言ってるんだ?という感覚が付いて回ります。


 本作のテーマやメッセージに借り物感、つまり言いたいことではなく話のネタとしてそれっぽいテーマ的な何かを置いているだけ、という感じがあるのはその辺かなと思います。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 8

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

私、魔法使い?それとも普通の人?

原作未読 全12話

昔は自然に誰もが魔法使える世界だったが、現在では魔法使いとしての資質とデバイスである手帳が必要となった世界。

幼い頃、魔法使いに助けられた主人公のクルミ=ミライは魔法使いに憧れて、唯一魔法使いになるための魔法学校の国家魔法師養成専門学科(通称・マ組)に入るために受験する。

しかし、マ組に入ることは叶わず、同じ魔法学校の普通科に入ることになります。その普通科の新たな親任教師が、魔法使いを目指す!と宣言して、魔法使いになることを諦めかけてたクルミに一つの希望が輝いて行きます。そんな魔法の名門校・レットラン魔法学校での様々な出来事を描いた作品です。

様々行事やレットラン七不思議といわれる現象をクラスメイトや怪しい部と共に解決していくことで、この世界の魔法使いについての真理に迫っていきます。

色々なことが分かり一区切りというところで終わりましたが、伏線は全然回収されていません。

もう少し続きを観たい作品でした。

OPは、PUFFYとついでにTOOBOEさん、EDはhalcaさんが歌っています。

最後に、パステル調に描かれた世界は、「灰と幻想のグリムガル」を思い出しましたね。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 10

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

学校という理不尽な存在に甘えた作品

 最終話(12話)まで観ました。2024.12.29

 物語の舞台として学校という組織はとても優秀です。学校は教育のためという大義名分のために、かなり理不尽なことをしても許されますし、構成員の学生も、モラトリアム期の生き物なので、必ずしも合理的な行動をしなくても良いため、キャラや物語を転がしやすいです。ただ、そうした便利な舞台装置に甘え過ぎています。

 本作品の問題点は、古代魔法と現代魔法、魔法科と普通科という対立構造があるのですが、設定として上手く機能していない所です。

 普通科が何のためにあるのか、ラスト近くで明らかになりますが、どうも釈然としません。魔法科に合格出来なかった生徒が普通科へ行く意味が不明なので、面白くなりそうでならないのです。

 誰でも使える現代魔法と古代魔法も、差がよくわかりません。古代魔法を復活させたいミナミ先生は、本作品の現代魔法を使用する秩序側勢力からすれば、かなり反社会的な人物のはずですが、学校内の先生同士のライバル関係に集約してしまっています。

 学校という聖域内でのゴタゴタに終始するので、主人公もその他のキャラクター達も印象が薄いです。学校ものの宿痾と言っても良いほど、物語に社会的な広がりがありません。

 本作品は、パステル調のアニメで、色々やってみようと言う姿勢は感じますが、以上の問題点から、印象が薄く、先も気にならず、手放しに面白いと称賛出来る代物ではありませんでした。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 2

59.3 2 2024年度のハッピーエンドアニメランキング2位
多数欠(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★☆☆ 2.8 (146)
159人が棚に入れました
多数派が失われる---- 過酷な生き残りゲーム『多数欠』。命運を捻じ曲げる絶大な力を前に、意志をつなぎ立ち向かう少年少女の物語。大人気WEBコミックがついにアニメ化

鬼戦車 t89 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

単なる能力バトルに!得体のしれない力を行使してイキるヤツばかりに…。

 最終話(24話)まで観ました。2025.01.03

 結局、命令権頼みかぁ…。後半のバチバチな能力戦も命令権の取り合いのためでした。

 一応物語のオチはついたので、まぁまぁ良かったのかなぁとは思いますが、いくら何でも命令権、何であり過ぎる気がします。

 時空や空間も超越出来るし、人間の使いこなせる力ではありません。他の特権利なんて要らんやろ…。

 どうも、キャラクター達は能力の検証無しに思いつきで使って、結果的に上手くいったを繰り返しており、ご都合主義が過ぎる気がします。1期から貫徹しています。

 そして、ご都合主義をキャラの頭が良いからで誤魔化しています。味方陣営に頭の良いキャラが4人もいて、常に読み通りだぜ!を繰り返していますが、そんなに上手くいくかいな?世の中トライアンドエラーじゃろ?

 ご都合主義全開能力バトルで、後半テンポは良かったですが、死んでもどうせ復活するんだろ感が強すぎて緊張感を欠いていました。

 ラストも、24話も付き合ってこんな茶番かいな…と、寛容な視聴者じゃないと怒りそうです。こんなセカイ系ご都合主義アニメは、おこちゃま向けで日アサにやった方が良かった気がします。デスゲームと言うジャンル自体が古臭いんでしょうね。

 ラスト、敵味方みんな改心して良い子ちゃんになるなら、そもそもバトルすら要りませんでしたね。最期まで登場人物が人間っぽくありませんでした。友情・勝利・努力で騙せるのは小学生までやぞ!(●`ε´●)
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 14話まで観ました。2024.10.16

 多数欠のせいで人口が激減し、食料を奪い合う北斗の拳状態の世界で、特権利をもった少数のキャラ同士でバトルをするアニメになってしまいました。

 特権利って、特権、権利合わせても60位しか無いハズなのに、やたら持っているキャラが密集しています。一般には情報も無いのに、どうやって特権利を見つけているんでしょうか?

 そして、女王はその貴重な特権利をチェンジ出来るそうです。マジでウザッ!新しい敵対勢力が絡んできても、特権利は生産性がまるで無い能力なので、人類殲滅君みたいに、人類を皆殺しにするくらいしか出来ることがありません。

 そして、皇帝との戦いで自爆し、ここ死ぬとこ?と視聴者を驚愕させた親友もシレッと生きていました。特権利の性質のせいで、物語が既に死に体なのに、まだ戦うんか?大したことの無い物理現象しか起こせない能力で、これからどうするのよ?

 大風呂敷を広げたのは良いけれど、誰も事態を収集出来ない感じです。行き着く先は宇宙の真理とのバトルか、全滅エンド以外無さそうです。
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 13話まで観ました。2024.10.15

 何と言うか…、言語化出来ない感じの違和感がつきまとうアニメです。何かが根本的におかしい…。視聴を続けていると、その正体に気がつきます。

 5話で玉無し弾有先輩が死亡します。1話で死んでるから、4話ぶり2回めの死亡です。そして、長々と回想をぶっこんできます。これで退場なら単純に尺の無駄と言う…。どう考えてもシレッと生き返る伏線としか思えません。

 そして、物語はガンガン進みます。今まで信用出来ないとか、準最強の特権、拒否権を巡って対立したりしていましたが、何故か雑に協力する流れになります。

 お互いガチで殺しあってませんでした?主人公とヒロインは良いとしても、微妙な感じの関係だった先生やら先輩も固い絆で結ばれた仲間だと言う事にいつの間にかなっています。

 皆で協力して皇帝を倒す流れになるのですが、何か展開に納得がいきません。多数欠の方法も、ポスト投函方式を辞めて、パソコン争奪にしたのは良いですが、皇帝に全くメリットがありません。何故、ルールを変えたのかな?

 そして、皇帝との戦いで、登場人物達が実にあっさり死にます。相続権がどうこう言っていたヤツも気まぐれであっさり殺されました。

 味方キャラも、ちょっと自己犠牲の精神が暴走し過ぎで、重要施設の破壊のために、躊躇なく自爆したり、めちゃくちゃです。作戦とか無いのでしょうか?最初から自爆前提の様なのですが、一切伏線も説明も無いので、唖然とします。

 本当にキャラクターの行動と思考が不自然です。武器とか爆弾を用意すれば良いのでは?何故、素手に近い状態で戦いに挑むのでしょう?主人公は頭が良いそうなのに、あまりに準備不足です。皇帝には物理攻撃が効かないかもしれませんが、取り巻きのゾンビには効くだろ?

 最強の特権の命令権も、回りクドい使い方をします。そもそも人類殲滅君が気まぐれに話を持って来たので皇帝との戦いに使うことにしたのですが、実験も無しにいきなり使えるのか不明です。人類殲滅君が嘘をついている可能性もあります。

 この物語は、モブが居ないのが売りらしいですが、むしろ全員モブの様な気がします。次々と新キャラや新しい設定をぶち込んできます。皇帝との戦いで仲間になったぽっと出のキャラも、いつの間にか重要人物になっていたり、得体のしれない特権利を保持しており、暗躍したりします。

 そして11話で新章突入で、主人公がチェンジします。ここまで観ると、最初に感じた違和感の正体が明らかになります。このアニメは、頭脳戦をしている様に見せかけて、後出しの設定や裏設定に合わせて登場人物を動かしているだけです。

 作者が知っていることを、登場人物達が何故か知っており、これから出てくる後出し設定を前提に行動してしまっているのです。ただ、視聴者にはその情報は一切説明しないので、キャラの行動がものすごく不自然かつ不条理に感じます。
 
 キャラが死亡退場しても、作者が生き返らせる気満々なのが、見え見えです。コレではデスゲームの緊張感もありません。どうせ、蘇生権とかあるんでしょ?

 こんな行き当たりばったりのアニメを良く2クールもやるなぁ…。その度胸は評価したいと思いますが、現時点では糞アニメの範疇を出ておりません。

 今後、コレだけ人を殺しておいて、セカイ系みたいな胸糞展開になるらしいので、とても楽しみです。
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 3話まて観ました。2024.07.18

 このアニメ、特権、権利保持者の異能力バトルと多数欠の理不尽なデスゲームの二本柱なんですが、見事に噛み合っていません。

 異能力バトル物にするにしては、舞台が日本全国規模(少なくても首都圏規模)なので、主人公達が特権、権利(異能力)を獲得する過程に無理があります。

 なんで主人公の周りの人物しか貴重な特権を獲得出来ないの?まだ、100万人規模で生き残りがいるのに、おかしいでしょ…。

 このクソみたいな設定は、理不尽なデスゲームでお話を回したいだけのご都合主義です。

 特権、権利は合計で65しかなく、ひとつずつ重複して持てるので、異能力者はすごく少数になります。

 こうなると、少数異能力者で徒党を組んだらあっという間にゲーム終了ですが、理不尽な二択が投票される可能を担保するためだけに、他のモブ生き残りが存在します。

 ほとんどのモブ生き残りは、交通機関が停止している中、23区にしか投票ポストや特権封筒が出現しないので、マジで家で死ぬのを待つだけです。

 ただ、話が詰まったら、このモブ生き残りを使いたいと言う作者の都合が見え隠れします。

 異能力者同士の行き過ぎた協力態勢を阻むための撹乱要因としての多数欠なのです。話が行き詰まったら、モブがとんでも無い二択投票したよ〜的な逃げをうつつもりなのが見え見えです。

 ある程度、特権能力者を集めないと、あっさり多数欠で退場して話が終わっちゃうけど、協力されてポストと二択投票を独占、コントロールされたら話が動かなくなっちゃう…。

 こんな当然の様に破綻する設定で、当時流行ったとは言え、デスゲーム物を良く作ったなぁ〜としか思えません。

 登場人物達が全員、親兄弟が死亡しても少しも動揺しないサイコパスなので、感情移入も阻んできます。

 正直、3話でこれでは後何話やっても面白くならないでしょう。損切りラインかもですね。
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 2話まで観ました。2024.07.10

 多数欠で死亡しても、復活出来る選択肢がある様です。死んだメンバーも無事復活!とても納得いきません。

 nyaroさんも書かれていますが、多数欠のルール的に生き返る可能性なんてゼロじゃね?何か反転して生き返ったとか言っているけど、タイトル詐欺でしょ…。

 しかも、一つ前の選択で…という選択肢の範囲を限定する文句が無いので、生き返る側の範囲が不明です。委員長やもう一人の親友は生き返ったの?

 デスゲームで、言葉の解釈や範囲に曖昧さがあっちゃ、頭脳戦もクソも無いじゃん。生存者数が50万人から、220万人になっているので、どこまでの選択肢の死者が生き返ったの?最初から?超適当です。

 後、特権と権利の数が少なすぎ。ポストも24区にしか出現しないし、多摩地区の人間は東京人では無い様です。

 学校内でのデスゲームにすれば良いのに、風呂敷広げ過ぎです。そもそも、皇帝がルールを把握してない可能性が…とかキャラが言っちゃってますが、だったら、俺or他人という選択肢を皇帝が何も考えずに採用する可能性もあるってこと?

 死者も選択肢に入るなら、今まで産まれてきたけど現在は生きていない人類or今生きている人類とかの選択肢が採用されたら、どこまでの人類が復活するの?そもそも人類の定義とは?

 携帯小説みたいに、長文読解力が無い、段落が変わると別の話だと捉える、長期的記憶が維持出来ない様な人間を視聴者に想定してるの?馬鹿にしてんのか!(●`ε´●)

 これから、どんな馬鹿バトルが始まるのか、とても楽しみです。アニメ制作スタッフの方々の精神の健康状態が心配になりますが…。
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 初回観てのレビューです。2024.07.03

 全知全能の神に等しい存在が無茶振りしてくる物語です。デスゲームなのかすら怪しいです。

 質問事項の多数派が死亡するのですが、1話で既に日本の人口は50万人切った様です。

 こんなの生き残るの不可能でしょうよ…。ちょっと考えれば分かります。なのに登場人物達は極めて冷静です。

 とりあえず、童貞で死にたく無いので、2問目から隣の女子を襲うのが最適解ですね。

 学校内とかの狭い範囲で多数派死亡のデスゲームなら駆け引きも出来ますが、どんな属性の奴が生き残っているのか不明で、東京全域に生き残りが散らばっている状況では、運以外の要素は皆無です。

 相当なオチが用意されてないと、単なる馬鹿話です。3話くらいで物語としても死に体となりそうですが、大丈夫なんですかね?

 こんな馬鹿な設定のアニメを作った勇気はすごいと思います。ようやりますなぁ…。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 4

大重 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

なんだこりゃ。つまらなそうだが、よくわからなくて気にはなる

う、ううーん…。
正直微妙です。

とはいえ、何か変なノリで、意味不明なところが気になる面もあるのは確かですね。

ええと…。
ルールをいまいちちゃんと把握していないんですが、この問題って、『どちらを答えるか』、という話じゃなくて、『事実でどちらか』で決まるんですかね?
男か女か、だったら男の人数と女の人数をカウントして、単に多い方が全滅する、という話なんですよね。

多く答えるのはどちらかを予想して少数を選ぶ、という方が駆け引きの余地もあったと思いましたが、これじゃどうにもならない。

じゃあ山田太郎さんが『私は山田太郎だ YES NO』という問題を出せば、即座に1人だけ残って勝ち抜けじゃないですか。
同姓同名の人も残るのが嫌なら住所や誕生日などさらに個人を特定できる情報を追加すれば良い。
ユーザーが問題を出せたらその時点で終わりというゲームは、全く成立していないように思いますが…。

現状でもただバタバタ死ぬだけで駆け引きもなにもなく、
何かこれで面白くなる気が全然しないのですが…

ただキャラのテンションが変で、全体的に雰囲気がおかしく、一体このつまらなそうなゲームで一体どう収拾をつけるのか、という変な興味は湧いたので…。
もし暇だったら、見たい気もしました。

でもなぁ…。多分切ると思いますが… 見るかもしれません。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 1
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

3話 吉田さん1号かあ…どこから突っ込めばいいんだろうか?

1話 これがステルヴィア・ナデシコの佐藤監督なの?びっくりしました。

{netabare} これが「ナデシコ」「ステルヴァア」「モーレツ宇宙海賊」の佐藤竜雄氏の作品なの?とびっくりして腰が抜けそうになりました。ぺらっぺらの作画とテンプレの設定、理不尽・デスゲーム・サバイバル系…とでもいうのでしょうか。XEBECのスタッフが優秀だっただけ?

 作画も設定もガワの問題ですのでキャラに魅力があって話が面白ければ…とも思いましたが、キャラの言動が極めて不自然です。本当に身の回りが死に絶えてそういう行動になる?1回1人で家に帰って一泊してこれます?男女2人がいきなりそんなに仲良くなるの?など、もう場面毎におかしな場所が見つかる感じです。ちょっと韓国系の話かと思いましたが、違うみたいですね。

 原作付きとはいえ、好きな作品の監督もこれでは…と思い、やめようかなと思ったら、最後がそう来ましたか…これで来週次第となりましたね。彼が主人公…なの?期待をしないで一応見ます。{/netabare}

2話 日本語OK?謎は謎でいいですがセリフも状況も全然わからない。

{netabare} もう何をやっているかわかりません。サーヤが号泣しているのがなぜそこまで?という気もしますが、そこはおいて置きましょう。問題は {netabare} 「多数欠で生じた生者OR死者」なら、死者の方が多いはずですが…なぜ生き返るの? ルールは多数が「死ぬ」なら死んでいる人が多いなら死んだままでしょ?{/netabare}

 その時点で何が言いたいの?日本語OK?となりました。まあ、その後そこが論点になるみたいですけど、いきなりルールが1話の説明と違うじゃん、とポカーンとなりました。 {netabare}それと死者が復活したなら、全員生き返ったということ?その上でPC見てない人以外は死んだの?11時58分に読み上げというルールは?東京以外の人は全員生きているということになりません?まあ、あのオッサンが死んだところがポイントなんでしょうけど。 {/netabare}別にルールの説明は話のポイントなので謎のままでもわかりますが、状況を絵で見せてくれないので全くわかりませんし、頭を働かせる気になりません。

 拳銃問答も正直理解しづらいです。あまり説得力を持たない気がするのですが…
 あとあの特権封筒なんですけど、1300万都市…昼間人口は1600万人以上だそうですけど65通だけなんでしょ?なんであんなものが見つけられるの?しかも性格が悪くて、何か企んでいる人だけが見つけられるの?さらにポストやPCを1日で見つける方が無理そうですけど。
 そもそも裏切りって何を裏切っているの?対皇帝連合みたいなイメージ?全然話が頭に入ってきません。

 あとあの小さい子は女性ということ?特権もちということ?鉄パイプのところだと攻撃が当たらないとかそういう感じかなあ。でも、いろいろ矛盾もありますよね?そこが話の本筋?ですが、そういうところも詰め込みすぎです。あと鉄パイプもって転ぶと動脈を切るの?もう全然わかりません。

 話の内容より、何がどうなっているのかわからないし、何より人の言動や状況が理解不能で考察する気になりません。次でよほど改善しなければ、3話切りでしょう。{/netabare}

3話 吉田さん1号かあ…どこから突っ込めばいいんだろうか?

 実篤って、いつ権利の封筒をもらってピンクの子に奪われてたんだっけ?

 なんで満40歳未満OR以上で2択以外っていうことになるの?言葉としてYESorNOじゃなくても、2択になってるじゃんって思うけど形式的なこと?AorB形式はOKだったと思うのですが…そもそも有効な質問を採用するんじゃなかったっけ?後ろで「断る」っていう拒否権で発動しなかったととればいいの?拒否権は個人だって言っていましたけど…
(追記 この質問て有効だったの?うーん…読み取れませんでした。せめて全部の質問で残り人数がどうなったってテロップ入れてくれるだけで全然違うのに…)

 埼玉の教師の「今年、赴任」云々って、このゲームってずっと前から始まってたってこと?この人たちは何をしゃべっているの?

 ただ、まあそういう分からない部分は前回まででもありましたけど「よーし吉田さん1号…やれ」「ふざけんな!」に全部持っていかれました。「ふざけんな!」はこっちのセリフです。
 吉田さん1号?って…この作品ってオカルトありなの?って初めからオカルトかあ…うーん。ゲーム世界にダイブしたわけじゃないんですよね?いや、いろいろ突っ込みどころはありますけど、もう、どこから突っ込めばいいのやら…

 で、ここから後ろの各キャラの問答が全然頭に入ってこなくて、理解しようと努めたのですが、これ理解できている人がいるの?自分が馬鹿になった気分です。

 時系列シャッフルじゃないんですよね?

 いや、もうね。どこまでぶっ飛んでるか気になって、切るに切れないんですけど…しかし、時間の無駄な気も…めったにやらないですが、WIKIとか見たくなってきました。過酷な生き残りゲーム…うーん、このアニメ最後まで生き残る人(つまり見続けられる人)いるんでしょうか?

 
追記 やっぱり断念します。WIKIを読んでも書いてあることがまったく理解できません。ちょっとついて行く自信がありません。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 5

66.9 3 2024年度のハッピーエンドアニメランキング3位
戦国妖狐 千魔混沌編(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (33)
107人が棚に入れました
時は永禄七年。 その戦国の世に人があり、闇があり、人を喰う闇があり、闇を狩る人があり、 手を取り合う、人と闇があった—— 人間好きの妖狐・たまと、人嫌いな仙道・迅火の"義姉弟"が、「精霊転化」の力で、闇(かたわら)と戦い、乱世にはびこる巨悪を討つ!! 第一部「戦国妖狐 世直し姉弟編」 第二部「戦国妖狐 千魔混沌編」 迅火とたま、二人の旅の先にあるものとは…!? 疾風怒濤の戦国バトルファンタジー、ここに開幕!
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

拳も含めて語り尽くす変則3クール構成

引き続き原作未読で視聴継続。

【物語 3.5点】
前シーズン第一部「世直し姉妹編」は1クール。
本作・第二部「千魔混沌編」は2クール。
一風変わった分割3クール放送となった本シリーズ。

単純に前後半で分割2クール構成にしたら、
中途半端な折り返し地点で、主人公が山戸迅火(やまとじんか)から千夜(せんや)に交代してしまう。
これらの懸念も解消するための変則分割3クール。

「千魔混沌編」は1クール目にて、千夜が8年歳を重ねる区切りもあり。
2クール目は、“無の民”らとの最終決戦を中心にひたすらバトル回が続く。
平凡な企画だと、「千魔混沌編」を1クールに押し込んで、
訳が分からないシナリオだったけど、戦闘シーンの派手さで強引に押し切った凡作に終わる所。

本作は最終決戦に入っても、戦いに参加する一人ひとりの人生をしっかりと踏まえつつ拳で語り尽くす。
本作も結局は、戦いばかりじゃ全て解決しないよね。
というありがちな結論にたどり着くわけですが、
バトルに話数を費やしているからこそ、そろそろ話し合おうかという流れも納得度が高い。

正直、BDも各部・上下巻BOX展開で販売数が計測不能に終わるなど、
商業的には成功とは言えない本作。
ですが、創作者サイドにアニメ化を待望されていたという本作は、
端から大きな人気獲得よりも、スタッフたちが納得行くアニメ化を目指した企画だったのかもしれません。

その意欲、人間も闇(かたわら)と呼ばれる妖怪の類も人生丸呑みする
大河ファンタジーのスケール感は存分に伝わって来る好感できるアニメ化でした。

理想を言えば連続3クールなら、私もよりドップリと世界観に浸れたのでしょうが。
企画都合に追われるように奇妙な所で話をぶった切る凡百の分割クール作品よりは、
シリーズ構成も工夫して作品の良さを引き出そうとする愛を感じました。


一方で、過去の水上 悟志氏関連のアニメ作品のように、
本作が、私の心の糧となるような芯を残していった作品だったかと言われれば、やや微妙。
もちろん、{netabare} 真介と灼岩の数年越しの再会や、神雲VS道錬の龍虎の拳の語り合い{/netabare} など、
各登場人物の矜持が示されるエピソードには心を揺さぶられるものはありました。

が、無の民が言う“運命力”の“特異点”となり得る千本妖狐奪取など、
シナリオの核心となる要素については、
{netabare} “運命力”の濫用による調整が、無の民破滅の過去を招いた{/netabare}
などの理屈は分かりましたが、イマイチ共感できない部分も。

これも視聴時の私の心境やタイミングもあるでしょうし、
見る角度を変えて、再見すればまた違った感動もあるのかもしれません。


【作画 4.0点】
アニメーション制作・WHITE FOX

良好。

戦国時代に、巨大からくりロボのレーザービーム、
千手観音じみたバトル形態、
液体みたいに形状変化する、なうetc……。

戦闘シーン作画は、カロリー、対応力共にかなりの物が求められましたが、
同スタジオは質量共にクリアし、
水準以上のバトルアニメーションを常時供給し続けてくれました。

野暮な要望で恐縮ですが、私は、このスタジオに『惑星のさみだれ』を再アニメ化して欲しいくらいですw


上述の通り、8年経過するポイントでは、各キャラの成長した姿の新規デザインも求められましたが、
膨大なデザイン量にも応えられる兵力も有していました。
{netabare} 純粋な少女だった月湖ちゃんも、やがて日本酒でほろ酔いするお姉さんに成長するのですw{/netabare}


【キャラ 4.0点】
弱い人間から強い闇(かたわら)になりたかった第一部主人公・山戸迅火(やまとじんか)
千本妖狐に成り果てた迅火を、闇から人間になりたい第二部主人公・千夜が殴りに行く。
メインキャラの交錯で一本軸を通す構図。

ムドなど、殴り合った強敵(とも)が、後年、憎まれ口を叩きながらも、
力になってくれる辺りも王道展開。


液体動物状の闇(かたわら)なう。
機械的な喋り方(CV.豊崎 愛生さん)で語尾を“なう”で締める姿を見ていて、
私もTwitterで“〇〇なう”とかツイートしていたの、
もう随分昔の話だな~とたそがれてみたりw

その他、闇(かたわら)では緑のドングリみたいな形状で色んな修羅場に出没し、
悪知恵を働き損ねるタゴの小物感が地味に好きw
シリアスな中で、コメディリリーフで、ガス抜きするキャラ要素があったのも、
長期バトル完走を支えてくれました。


こんな漫画な戦国時代に、史実など絡んでこないだろうと高をくくっていたら、
足利義輝の永禄の変がガッツリ関わって来て尊氏、狂喜なうw

しかも義輝を格好良く描いた大河ドラマ『麒麟がくる』よりも、
さらに雲の上を目指す高潔な理想を持った漢として美化した上に、
{netabare} 横死の回では特殊ED・BGMまで頂いちゃって。{/netabare}

『逃げ上手の若君』でも尊氏が暴れていますし、
令和の世に、いよいよ足利の時代が来てますね♪(どこにw)


【声優 4.5点】
第二部主人公・千夜役の七海 ひろきさんは元宝塚歌劇団・男役スター。
性別、年齢の枠を越える演技ならお手の物という特性で近年、声優として出演作を増やしています。

本作の千夜については、単に外見10歳から16歳程度に成長するだけなら、
幼少期と少年期で別のキャストを立てる手立ても考えられますが。
千夜は、成長後も、“幽界干渉”により精神世界に潜入する際は、幼少期の姿に戻ったりする設定。
これを一人一役で整合性を保って演技できる。
七海さんは、キャラ作りの面でも本当に重宝する“男役”だと思います。

そんな千夜に対する“トップ娘役”となったヒロイン・月湖役には内田 真礼さんで盤石。
ラスト、{netabare} 戦いの後、50年千夜と添い遂げた所まで、{/netabare} 人生を表現しきった演技お見事でした。

その他、己の身に人と闇(かたわら)両方の人格を宿した灼岩役の黒沢 ともよさんなど、
シリーズ通じて、スケール感の中で登場人物の生き様を体現する声優さんの妙演の数々が堪能できます。


【音楽 4.0点】
劇伴担当はエバン・コール氏。
私が名前を発見しただけで視聴動機となるくらい溺愛している作曲家。
心情が昂ぶる際の、オーケストラは相変わらず一級品です。

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で和風対応も実証済みの同氏ですが、
本作はバンドサウンドもアレンジした、和風シンフォニックロックで戦国時代のバトルを盛り上げる。


OP主題歌はSTEREO DIVE FOUNDATION「KATAWARA」
アップテンポなバンドナンバーですが、
曲名以外は横文字を使わない、純日本語歌詞で主人公・千夜を謳った、
こちらも作品愛を感じる主題歌。

EDは1クール目が主演・千夜役・七海 ひろきさんが「夜の隨」で歌劇の実力も示す。

ED2クール目はRainy。「万里一空」
13歳でプロ歌手デビューし、現在は16歳の女性アーティスト。
時代は移り変わり、また凄い歌い手が次々と台頭して来ます。

ED両曲とも、千夜と月湖の関係を踏まえた上で聴くと味わいが滲み出てくる良バラードです。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 10

ミュラー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

キャラの動かし方がうまい

1期からしばらく経過したところから始まる。
敵だった龍の弟子が仲間となり、冴えない侍と一緒に旅をする。
将軍様の話とか、感動的で大変面白い。
長い話であるものの、キャラクターは絞られているために分かりやすい。
時代背景をこの時代にしているのが良いのだろう。
現代ではこうはいかないから。
描きたいエピソードに素直に持っていける、
フレキシブルな状況にしているのが良い。
非常にうまくキャラを動かしていると思う。
敵と味方というはっきりした線引きは無いものの、
それぞれが苦悩しながら進む様を見ることができて、大変面白い。
連続して次クールも放送が続く。

12/29
千魔混沌編もおわり。
感動の連続で素晴らしい。
無の民と言われる別世界の住人との闘いが描かれる。
そして強くなった千夜と共に、我を失った迅火を正気に戻しに行く。
これまで描いてきたエピソードが一つに繋がるクライマックスは感動ものである。
あまり作画が良いとは言えないが、勢いで押し通すような感じで描いてくる。
そこがまた、このアニメの特徴と言えるだろう。
最後は後日談のような感じで、かなり年代を経過した後を描いていた。
こういう描き方も良いと思いました。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 6

snow さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

どうにもなりませんでした<51>

顔だけは崩れない顔アニメレベルでアニメ化での援護がなく。
バトルアクションシーンに描写が足らず、見せ場が退屈めの展開待ちとなってはどうしようもないですねぇ。
今の時代にこれでは辛いという印象に終始。

物語は次世代へ<59>
1話視聴
1期でお荷物だった真介が師匠格になり、若く未熟な同行者という入れ替えで時間は連続しているが面子は次世代に移行。
また初回ということですこし力の入った作画だったけど、1期ではクライマックス辺りでリソースの不足を感じたのねん。
当たり前だけど急に特に太いパパがついたということもないようなので、連続シリーズでスタッフがこなれたことでなんとかなってればいいんだけど。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 0

66.3 4 2024年度のハッピーエンドアニメランキング4位
FAIRY TAIL 100年クエスト(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (14)
77人が棚に入れました
フィオーレ王国随一で、お騒がせ魔導士ギルドとしても有名な「妖精の尻尾(フェアリーテイル)」。 そこに所属するナツ・ルーシィ・ハッピー・グレイ・エルザ・ウェンディ・シャルルの最強パーティーは、旅立ちの時を迎えようとしていた。 目指す先は遥か北の大地・ギルティナにあるという世界最古の魔導士ギルド「魔陣の竜(マギア・ドラゴン)」。 黒魔導士ゼレフや黒竜アクノロギアとの死闘を乗り越えたナツたちに、<S級クエスト>の更に上級である<100 年クエスト>に挑む許可が特別に下りたのだ。 <100年クエスト>は、「魔陣の竜」が創設されてから百余年、誰一人として達成できていない伝説級の難関依頼。 初めての大陸の“不可思議な街”、初めて出会う“不可解な神”、そして動き出す“不気味な敵”…。 心躍るナツたち「妖精の尻尾」の新たな大冒険が、幕を開ける!

コーヒー豆 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

フェアリーテイルの続編の位置づけ。楽しめています。

フェアリーテイルは全話見終えているので、
期待して視聴開始。

話のテンポや王道バトルはそのままの楽しさです。
ストーリーは、ゼレフとアクノロギア戦の後の続きです。
ジュビアとグレイの恋模様など、それぞれのキャラのその後も
気になるところですね。
漫画はまだ連載中のようなのですが、完結まで
時間がかかっても制作してくれると嬉しいかな。

音楽も前作同様、いろいろな曲を堪能できます。
OPとEDはよく作られていると思います。

ワンピースは完結したら、漫画かアニメで視聴を再開しようと思っている
のですが、ワンピースよりも自分はやはり好きですね。

アニメ化してくれて、制作関係者には感謝です。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 2

あと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

本編クリア後のやりこみ要素的新章

 本作は小学生の頃毎週楽しみにしていて、一週間で一番楽しい時間がFAIRYTAILの放送時間だったぐらい大好きな作品です。そんな作品の新章。制作会社が今までのA-1 PicturesからJ.C.STAFFに変わりさあどうだといった感じでしたが、久しぶりに会うフェアリーテイルの魔導士たちの冒険珍道中魔法ファンタジー。そして本編で登場してきた懐かしい要素も拾いつつ新たな強敵との戦いに絆と仲間たちの共闘によって打ち破るこの感じ。なかなか面白かったです。流石に、敵キャラに関してはちょっと本編に比べてキャラが弱めには感じますが。キャラデザも平坦になってキャラの可愛さに関してはだいぶ魅力は薄くなったかな…。本編後半のウェンディシャルルの可愛さはそんなに感じられなかったけど、まあそこはJ.C.STAFFクオリティでもあるし、今や引く手数多のCloverWorksで作れるわけもないし、制作スタッフも変わっているのでアニメが作られる事自体に感謝しなければいけないなとも思います。続きが気になるみたいなことは正直なかったんですけど毎週楽しかったです。2期来てほしいけど、また会うときはすぐにではなく、忘れた頃くらいに会いたいですね。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 0

まっきー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

フェアリーテイルのファンの為の続編だね!

作画は落ちてるし内容は今までよりギャグ路線で色々と深みは薄れてるけど今までのストーリーを使って面白くしてる感じだったかな!
逆に言えばこの作品から見出したら内容が意味不明な人しかいないと思う。
このアニメが好きな人へのその後のスピンオフ的な感じで観た方がいいと思う!
個人的にはこのアニメ好きなので面白かったです!
続編ありがとう!
内容や作画のクオリティはこのままでいいのでまた続編を期待していますと願います!

投稿 : 2025/02/15
♥ : 0

計測不能 5 2024年度のハッピーエンドアニメランキング5位
パリピ孔明 Road to Summer Sonia(アニメ映画)

2024年3月1日
★★★★☆ 3.1 (6)
43人が棚に入れました
TVアニメ1期総集編に新規ライブシーンのカットを加えた劇場版となる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

KABE太人やラップの必要性も再認識できるアゲアゲ↑↑な劇場版総集編

TVアニメ『パリピ孔明』全12話を再編集し、
新規ライブシーンカットを加えた劇場版総集編。

【物語 4.0点】
TVアニメ版と視聴者のキャッチボールについて。
『パリピ孔明』が不幸だったのは、作品自体は王道音楽アニメでありながら、
放送序盤、現代の渋谷に転生した諸葛孔明が音楽プロデューサーとして計略を仕掛けて、
ヒロインをスターダムに押し上げていくという奇抜な外面がひとり歩きしてしまった点。

音楽アニメが消費し尽くされた中で、マンネリ化を感じていた一部の層に、
孔明が新機軸を打ち出してくれるのではないか?
という現状打破の期待が想定外に膨らんでしまったこと。

少なからぬ視聴者が孔明による新たな魔球を要求する中、
中盤から終盤にかけて、ますますド直球の音楽アニメを投げつけられれば、
捕逸(パスボール)必至。

この辺りがTVアニメ版が音楽アニメとしては終始加速しながら、
中盤以降失速したとの感想が出て来る一因なのでしょう。


今回の劇場版総集編は『パリピ孔明』が王道音楽アニメであることを再認識させられる構成。

総集編で特にピックアップされたのが、泣いて馬謖(ばしょく)を斬るのエピソードに象徴される、
三国時代の諸葛孔明が天下泰平の大望を抱き、劉備の軍師になりながら、
采配を振えば振るう程、犠牲者が増えていった自己矛盾の葛藤。

だからこそ、孔明が転生した渋谷の第一印象は前世、策に溺れた自分は地獄に落ちたでしたし、
計略よりも英子の歌で今度こそ天下泰平を目指すという決意だった。

私もTVアニメ終盤、孔明が策より歌に託すことを選んだ展開に物足りなさも感じた口でしたが、
こうして孔明にとっての英子の歌とは何か?を整理された劇場版では納得度が上がりました。


【作画 3.5点】
アニメーション制作・P.A.WORKS

新規ライブシーンカットで一番際立ったのが、
ラストの{netabare} 「気分上々↑↑」{/netabare} 4人歌唱による大団円。
キャラクターも良く動く楽しいライブシーンでしたが、
位置づけとしては総集編観に来てくれたファンへのオマケのご褒美程度。

新規カットでよく動かされると、TVアニメ版では許容できた既存ライブシーンでの止め絵などが、
劇場版クオリティを求めると物足りなく感じたのでこの評点。

ただファンとしては大スクリーンであの音楽映像をもう一度体感する価値は確実にありました。


【キャラ 4.0点】
TVアニメ版で中盤登場するラッパーのKABE太人。
終盤も煽りラップで喧嘩を売ったくらいで、
本当にこのラッパー必要だったの?との疑問の声が出るのも致し方なし。

けれど一本の映画の中で振り返ると、
KABE太人もまた自分を偽って来た中で、もう一度自分の道を歩み直した一人。
中盤ラップバトルで自分を曝け出した彼が、
{netabare} AZALEAの偽りの仮面を指弾し引き剥がす{/netabare} 先制パンチを放つ終盤の流れは極めて自然な構成に感じました。
KABE太人もまた自分を取り戻す青春群像劇には欠かせない存在であったことを再認識させられました。


全12話分を120分に押し込んだ煽りを受けて、
フェスで対峙した3人組男性ロックバンド・JET JACKETなど、
孔明の計略に翻弄されるライバルキャラのヤラレ芸などが、
ナレーションで流される憂き目に遭う。
あいつらも憎めない敵キャラだったのでチョッピリ寂しかったり。

孔明の罠にハメる痛快さより、王道青春音楽ドラマとしての振り返り。
キャラの取捨選択からも魔球より直球を投げたいスタッフの意志が滲んでいると感じました。


【声優 3.0点】
演者と歌い手を分離している本シリーズ。
新規カットも音楽シーン中心とあって、特に目立ったキャスト陣の収録追加はなしと判断して評点は基準点。

TVアニメ版レビューにて、孔明の工作担当“英子のファン1号”にCV.花江 夏樹さんはちょっと贅沢過ぎる使い方かも?との趣旨の感想も述べましたが、
密偵としての暗躍ぶりを一本で振り返ると、このキャスティングも釣り合うかなと認識が改まりました。


【音楽 4.5点】
再編集でカットされるシーンもある中、
中盤、物議も醸した諸葛孔明とKABE太人のラップによるMCバトルは16小節3ターン+延長戦完全ノーカット上映した上で、把握しやすいように新たに字幕歌詞も表示。
これについても、孔明の葛藤と、青春音楽群像劇を強調された劇場版の構成で再見すると、
互いの本心を魂のラップに籠めてぶつけ合ったこのバトルの歌詞は、
一つもカットできない重要なセリフであったと納得できます。
(字幕なしのTVアニメ版では私が聴き取れていなかっただけという説もありw)

そして、ラップバトルの歌詞の一つひとつが終盤「DREAMER」の歌詞ともリンクすることで、
自分を取り戻す物語として作品を俯瞰できる。
ここも一本の映画で振り返る利点を享受できたと感じた部分。


ED主題歌は英子(歌唱・96 猫)と七海(歌唱・Lezel)がバラードナンバー「Resonance」でデュエット。
この構成が象徴する通り、二人の友情物語を復習する需要にも、この劇場版総集編は応えてくれます。


【余談】
孔明の罠・特別料金の計により?各種割引サービス&クーポンが無効化される本劇場版。
私も久々に定価で映画を観ましたが2000円ってべらぼうに高いですねw
鑑賞料金もアゲアゲ↑↑なら所得もアゲアゲ↑↑でお願い致しますw

投稿 : 2025/02/15
♥ : 15

saitama さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ベタすぎるけど、1クールよりずっとまとまりが良かった

編集の妙とも言えるし、ベタすぎるけどいい映画だった。
普通に音楽が好きになれる映画。

正直、パリピ孔明は1クールの最初はすごく面白かったのに、途中からどんどん冷めたというか、面白みが欠けていったのだけど、この映画版はうまく纏まったというか、面白かった。映画版に編集したことで駆け足だけど色々と削ぎ落として、追加してまとめた2時間になると1クール版の中弛みが消えて印象が大きく変わった。

EDM路線の主人公と、バンド路線の対抗馬。ラップというスパイス。
それぞれの音楽の良さを追いかけているのも良かった。

ただ、映画館でみる作品かと言われるかと言われると、うーん、ちょっと違うかも。
とはいえ、音響の良い環境で見た方が良いのは確か。PCを通しても、ちょっと良いスピーカーをセッティングしている環境だと、明かに音にこだわって作ったのはわかるから。
たぶん、スタジオとかで100〜200インチ映像で見たら最高によく見える感じかも。

個人的には、そうだな、映画「セッション」の真逆にあるかのような音楽映画だと感じた。
あっちは苦しさしかない中の先にある光だけど、ぶっちゃけしんどい。
対するこちらはエイベックスらしいアニメ映画にだったと思う。
小難しいことは忘れたハッピーエンドな音楽アニメ映画。

蛇足的なことを言えば、
この設定、ストーリー、音楽路線をまんま生かした
ケロロ軍曹による完全パロディ版作ったら尚更面白そう・・・。
エンドロール曲はもちろんダンス⭐︎マンで。

投稿 : 2025/02/15
♥ : 2

71.0 6 2024年度のハッピーエンドアニメランキング6位
がんばっていきまっしょい(アニメ映画)

2024年10月25日
★★★★☆ 3.7 (12)
36人が棚に入れました
敷村良子氏による同名私小説を題材にした劇場アニメ化作品となる。
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

頑張るってなんですか?(CV.雨宮 天アンニュイモード)

愛媛県松山市。高校の女子ボート部5人+男子部員1人らの青春を描いた、
敷村 良子氏の同名原作小説(未読)の劇場アニメ化作品(95分)
実写映画、テレビドラマ版も未見。

【物語 3.5点】
淡々とした青春作品の佳作。

特に“泣ける”とか、カタルシスなどは狙わず、
後から振り返った時、心に大切な何かを残す志向の作品。
いわゆる“つまらない邦画”の良い部分が滲み出た渋い一本。

主人公“悦ネエ”は小学校の頃は発育で先行し、何でもトップ取れる、クラスのリーダー格として活躍。
が、中学以降は周囲に追いつき追い抜かれ、凡才化。
以後、何事に対しても諦め癖が付き、怠惰な高校生活を送っている。

そこへ埼玉から転校してきた同級生女子が立ち上げたボート部に、
巻き込まれるように入部し、ボートに打ち込む内に、
徐々に負けた時の悔しさとか、頑張る意義を思い出したり。
ちょっとした思い込みから、ボタンの掛け違いが生じて、仲間とのリズムが合わなくなったりして、
やっぱり自分はダメなんだと思い悩んだり。

主人公の葛藤がドラマチックというより等身大。
ヒロインの心情を我が事として糧にできる。
五人の心を一つにできなければボートが前に進まない「一艇ありて一人なし」の精神が好表現されている。
この辺りが、本原作及びメディアミックスが30年近く語り継がれている由縁なのだろうなとは思いました。

最初、伊予の青空や海を全面に強調したビジュアルから、
何で夏公開にしなかったのだろうと不思議に思いましたが、
結局、本作は感動の夏!というより、
じっくりと青春を味わう読書の秋といった風情の文芸作品なのだと感じました。


構成は1時間半の中に、復活したボート部女子5人+元々活動していた男子部員1人の約1年間を粛々と押し込む。
とは言え、序盤、{netabare} “ダッコ”と“イモッチ”が前触れもなく教室に押しかけて来て、{/netabare} 秒で部員集結イベが終了しちゃった時は、
えらいハイテンポだなと、吹き出してしまいましたw


【作画 4.5点】
アニメーション制作・萌&レイルズ共作による3DCG作品。

複雑な水の表現はCGならでは。
水面に映る艇と人物の揺らめき、艇のオールの動きに合わせた波紋の動きなどにリアリティがありました。

後は、伊予の海岸の夕暮れは綺麗でしたね。
“海の見える駅”梅津寺駅の踏切は絵になります。
ただ終盤の重要局面で、松山市駅の観覧車にまで乗っちゃうのは、
ちょっと聖地巡礼狙い過ぎな感もありましたがw

それ以上に私が評価したいのが人物の表情描写による心情の掘り下げ。
ボートに打ち込むに連れ、瞳の輝きのレベルから、
吹っ切れた良い表情になっていく悦ネエはベタですが心地良かったです。
私はライバル校のエース・寺尾 梅子の、こっちを気にしている感じの表情が好きでした。
で、やっぱり{netabare} 主人公が挫折した時、キッカケとなる忠言をもたらしてくれました。{/netabare}

最初はバラバラだったオールの動きが、どんどん一体になっていくなど、
映像から言葉以上に、ボート部員たちの成長の手応えを感じられる。
こういうアニメーションには、つい加点したくなってしまいます。


【キャラ 3.5点】
原作から“悦ネエ”などのニックネームは継承するものの、
姓名は一新しているという劇場アニメ版。

原作でも“悦ネエ”以外は掘り下げも少なく、
実写映画、テレビドラマ共に他のボート部員など
主人公以外は比較的自由に改変されて来たという本コンテンツ。

地元の有力企業の令嬢として設定された、兵頭 妙子こと“ダッコ”と井本 真優美こと“イモッチ”は、
仲良く喧嘩する、財力をバックに夏休みは合宿場所を提供するなど、
深夜アニメでもよく出没するカップリング造形。

顧問のじっちゃんにしても、ずっと黙ってボート部員の練習を見守り続けて、
終盤に決定的なアドバイスをする。で、{netabare} かつて国体チーム指導経験のあるスゲー奴だった。{/netabare}
という如何にもスポーツアニメ物でありがちなコーチキャラ。

そして美少女5人に囲まれる爆発必至なポジションにも関わらず、
ボート一筋で鈍感力全開な男子部員・二宮くんw

主人公こそ悩みを口に出して相談しない、
真意についても、表情から推し量る必要があるなど、
文芸作品ならではの繊細な乙女心を体現しますが。

キャラクター全体で見ると、部活アニメ物の一式揃ってますって感じで、
意外と私のような深夜アニメ脳でも付いていけました。

だからと言って、エロいシーンとか期待しちゃダメですw
本作は水着回も温泉回もない真面目な部活物ですから。

とは言え、『ラブライブ!』などの西田 亜沙子さんがデザインしたJKは、
やっぱり艶めかしいです。


【声優 4.5点】
三津東高校ボート部員
艇の先頭から順に、

コックス・佐伯姫“ヒメ”……伊藤 美来
ストローク・村上悦子“悦ネエ”……雨宮 天
3番・高橋梨衣奈“リー” ……高橋 李依
2番・兵頭 妙子“ダッコ” ……鬼頭 明里
バウ・井本 真優美“イモッチ”……長谷川 育美
(以上敬称略)

ナチュラルな演技もできる声優を追求してオーディション選出した結果、
結構な豪華声優陣に。

主演の雨宮 天さんの、心のモヤモヤを言葉にできない感じなども伝わって来ました。
クドいようですが私は、“ナチュラルな演技”くらい、俳優やタレントじゃなくても、今のアニメ声優ならばできると思うんですよね。

アフレコ初心者がよく躓くという、飲む息の中に心情を込める芸当も、この布陣ならば容易い。
それでいて“イモッチ”役・長谷川さんの語尾「~ですわ」のセレブな言葉遣いなど、
濃い目のキャラ作りにも対応する。
何より、コックス・ヒメ役・みっくの「キャッチ、ロー」などの掛け声。
声を張り慣れたキャストの指示は、部員にも心にも良く響きます。

拡大を続けるアニメと実写の中間領域においても、
演技面におけるアニメ声優の優位性が着実に高まっていることを実感する作品でした。

ただ、初日初回の劇場内、私含めて観客3人だけでしたがw
有名タレント起用して宣伝してもコケる。人気声優で固めてもコケる。
アニメ映画興行はごく一部の大ヒット作以外は閑古鳥な難しい企画です(苦笑)


【音楽 4.0点】
劇伴担当は林イグネル小百合氏。
ベースとなる北欧音楽の優しい音色を軸に、
時に女性ボーカルバラードも交えつつ、伊予の風情を演出。
一方でボート競技シーンでは疾走感のあるストリングスで押して来る、
攻守にバランスの取れたBGM。

意外性は「野球拳」のフレーズが随所に挿入されたこと。
私も本作で聴いて調べて初めて知りましたが、
そもそも「野球拳」とは愛媛県松山市の伝統芸能が本元の踊り芸とのことで。
お馴染みのメロディが流れても誰も脱いだりしませんのでご安心?下さいw


主題歌は、僕が見たかった青空「空色の水しぶき」
個人的にプロデュースするアイドルのメンバーがピチピチ(死語w)の10代の内は、
作詞の筆も走る印象の秋元 康氏。
本曲も、オールや“がんばっていきまっしょい”を歌詞に入れて来るなど作品解像度もまずまず。
そんなに宇宙的に歌詞を捻らなくても、ベタな言葉で良い青春曲は書けるという感じの佳作。

秋元氏は、眩しいJKの青春劇に、さらに興が乗ったというわけでもないでしょうが、
同グループによる挿入歌「マイフレンズ」も作詞提供。


ところで脱線しますが、乃木坂の“公式ライバル”として昨年デビューしたという僕青。
乃木坂がAKBの公式ライバルという設定は一体どこへw(別に無くなったわけでもなくライバル設定は共存しているらしいですが)
私も、2.5次元ばかりに入り浸ってないで、3次元アイドルの方も、そろそろアップデートしとかないとと、ほんのり危機感を覚えましたw

投稿 : 2025/02/15
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