ノスタルジーで三角関係なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのノスタルジーで三角関係な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月06日の時点で一番のノスタルジーで三角関係なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

87.3 1 ノスタルジーで三角関係なアニメランキング1位
ハイスコアガール(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 4.0 (798)
3327人が棚に入れました
「ポリゴン」って何?食えんの?そんな2D全盛期だった古き良き格ゲーブーム到来の1991年。
ヤンキーとオタクとリーマンが蔓延る場末のゲーセンに、彼女は凛として座していた──。
主人公ハルオを通して描かれる’90年代アーケードラブコメディー!

声優・キャラクター
天﨑滉平、広瀬ゆうき、興津和幸、山下大輝、御堂ダリア、新井里美、伊藤静、チョー、赤﨑千夏、杉田智和、植田佳奈、武虎、大塚芳忠
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

1話だけ観て勘違いしないでね!

1話だけ観れば、90年代の懐かしのゲーム画面がリアルに再現され、当時、数々の登場ゲームにハマった中高年が主に楽しめる作品?と思うかもしれません。
確かにそこも楽しめますが、この作品の真の見どころは、コメディタッチではあるものの結構本格的な恋物語にあります。
ゲームで繋がる登場人物たちですが、恋愛ドラマのポイントであるキャラの魅力と好きになっていく過程や理由がしっかりと描かれ、恋愛物がお好きなら年配者から若い方までしっかりと見応えを感じれると思います。

既読の原作で一番秀逸なのは、まるで無声映画に出てくるような言葉を発さないサイレントヒロイン「大野アキラ」の描写。
アニメ1話では暴力的で高慢チキな天才ゲーマーに見えるお嬢様ですが実は・・・
しゃべれない訳ではなさそうな彼女の心の声は、主人公「矢口ハルオ」の字幕がわりの代弁と彼女の表情仕草で読者に伝えるんですが、それが何ともいじらしく映るんです。このユニークなヒロイン描写だけでも一見の価値があります。

また主人公ハルオも、最初はただのゲームバカの小学生に見えますが、自分自身とヒロイン達と向き合う事で着実に成長していく姿が描かれ好感が持てます。

あとから登場のもう1人のヒロイン「日高コハル」。アキラとは対照的な庶民派の娘ですが、これまた一途でいじらしい!

この3人で繰り広げるゲームより熱く切ない恋のバトルが見ものです!

灰汁の強い絵柄で受け付けられないのは仕方ないですが、暴力的なところはこの作品のギャグテイストなので軽く受け流してくださいね。観てるうちにハルオへの愛情表現に見えてきますから♪(毎度のじいやの車轢きもね♪)

既に4年以上前にアニメ化発表までされた原作漫画ですが、発表直後のゲーム会社からの著作権侵害訴訟により一時は原作の出版差し止め、連載再開の目処もたたない状況が続き、和解まで2年ほどかかりました。
この件は出版社だけでなく作者の押切蓮介氏も著作権に関する認識の甘さがあったのかもしれませんが、氏の心のダメージはハンパなく相当落ち込まれたようです(同氏の単刊「HaHa」参照)。
氏の執筆意欲喪失を危ぶみましたが、よくぞ奮起し続きを再描してくれたものです。
原作のファンである自分はそれだけでも嬉しかったのですがアニメ化まで叶いました。
アニメ1話を観て、原作の持つ独特な絵柄とレトロな世界観の再現率の高さに驚きつつ期待大になりました。
おそらくアニメの制作スタッフも、過去の不幸を払拭すべく並々ならぬ意欲を注いでるものと感じた次第です。
原作漫画、アニメ共に最後まで完成度の高さを願っています。
以上2018/7/17記

《最終話視聴後の感想》

うわ~、えらいところで終わりましたね~(汗)
原作既読者としては、アニメのペース配分からこのクールの閉め方は途中である程度予想出来ましたが、アニメしかご覧になってない方には、物凄い寸止め感でストレスが溜まるかも・・・
しかしながら今クールのアニメとしての出来映えは素晴らしかった!!
アニメ制作スタッフの原作への愛情を感じ、原作ファンとして大満足です。
原作continue版(休載前の初版漫画を僅かだけ改変しオマケエピソードが付録追加されてます)のシナリオに忠実に沿いながらも、各話の構成や演出が見事で、先のストーリーを知ってても毎週続きが楽しみで仕方ありませんでした。

《ストーリー》
{netabare}
原作漫画全10巻(最終巻は来年3月刊行予定)のうち4巻までのエピソードを丁寧に再現しており、アニメの脚本は手を加える必要がなかったのではと思えるほどです。
ゲーム好きの原作者押切先生の妄執と呼べるような「ゲーム好きの可愛い女の子」との交流は、多くのゲーム好き少年の憧れのシチュエーション。
懐かしいゲームを巧妙に絡めながら登場人物達の出会いから恋への進展をコミカルかつドラマチックにテンポよく見せてくれました。

《作画》

ゲームセンター内のゲーム機とゲーム画面を再現するために採用した全編3D映像。
技術的な事は詳しくありませんがメイキング動画を見ると、かなり手間が掛かっているそうで作画の効率化にはなっていないとの事。
人物は、動きこそ3D特有のぎこちなさを感じますが、原作よりマイルドなキャラ画は初見の方も受け入れやすく、細やかな表情や仕草はしっかりと感情表現ができていて、特に大野アキラの心情は原作より分かりやすく伝えてくれました。
(でも原作のヒロイン画は繊細な目元のタッチと肉感のあるラインが独特で魅力的です!)

背景は、ゲームセンターや駄菓子屋内の実写と変わらないリアルでレトロな雰囲気を再現し、ドット画のゲームキャラが登場人物に寄り添うさまはアニメならではの親和性で違和感無く馴染み、淡い夕景や夜景も情感たっぷりで登場人物と視聴者双方をヒートアップしてくれました。

視聴者の体感した現実とアニメという虚構を絶妙に融合させる事でレトロなノスタルジーに浸れる見事な映像化だったと思います。

《キャラ》

二人のヒロインを全く違う手法で描く事で魅力を引き出し合う相乗効果は原作者の妙案ですが、アニメではそれが際立っていました。

「矢口ハルオ」

ゲームバカなのに二人のヒロインから想いを寄せられる羨ましさですが、ママの育て方がイイのか優しい気配りができて納得の好感度。
アニメでは細かな気の利く所作を加え、さらにイケメンに見えました。
(2話のメンチカツや7話のミルクティのシーンなど。)
そう言ったヒロイン達の前でさりげなく見せる優しさは、好かれようと意識してやってないのがいいんですよね。
しかしイケメンぶりを自ら発揮するのはアキラに対してだけです。
原作者がファンブックの中で「アキラがいるから(コハルと)無意識に距離を置いている。ハルオは女たらしではないから。コハルの事はどこか突き放している。」と述べられてるとおり、基本、アキラにゾッコンでまったくブレない。
同級生女子のゲームプレイに魅せられた以上に、学校での劣等感を忘れさせて欲しい自分と家庭で抑圧され逃げ場を求めているアキラが、互いにゲームだけを心の拠り所としている共通点に強烈なシンパシーを感じてしまう。
だから、アキラの為だけに自ら行動を起こし、アキラの為だけに自分を変える努力をする。
この優柔不断のなさがハーレム主人公とは違う魅力を出してるんです。

「大野アキラ」

天才ゲーマー、才色兼備、財閥御令嬢とフィクションならではファンタジー設定は少年漫画らしいヒロイン 。

親から才能を嘱望され過密な英才教育を受けるアキラは寡黙ゆえにストレスを溜め込みやすい。
そんな中、見つけた唯一の息抜きがゲームセンターのアーケードゲーム。
帰宅前のわずかな時間だけが、周囲からの押し付けられた自分を壊して、望む自分になれる彼女にとっての放課後ディストラクション。
その時間さえも危うくなり増える重圧に押し潰されそうになってしまう。
そんな時に逃げ場所になってやると言ってくれたのがハルオ。
その時から彼女にとってゲーム以上にハルオが救いの王子様になります。
ペロペロキャンディをよくほおばるのは彼から初めてもらったお菓子だからであり、初めてもらったプレゼントのオモチャの指輪を肌身離さず持つ事でつらさを我慢します。
この一連のリアクションはアキラのハルオへの一途さをよく表し、川原でのケンカ時やベッドの中で指輪を握りしめるアニメのオリジナル描写は小粋な演出でした!

また、しゃべらない彼女からの意思表示をゲームプレイで表現させるのは作品ならではの面白さで、ハルオとのファイナルファイトでは嬉しさや苛立ちが、コハルと初対面時のバスケやガンシューティングでは動揺と熱意がコミカルに伝わります。
そして無口な分、直接感情を露出した時のインパクトが凄い。
1話からの普段の暴力チックな感情表現はコメディタッチにする事でアキラを重く見せないようにしてるんですが、3話の空港でのハルオの見送りに号泣するアキラの感情爆発は、原作でも最初に心を掴まれる屈指の名シーン。
アニメで初めて聞く彼女のハッキリとした声は原作以上に痛切に私の心に響きました!
また9話で、自分と同じ高校を目指してくれると知った時のハルオの手を握りしめるシーンも、押さえきれない嬉しさがしみじみと伝わり、しとやかな情緒を醸す見事な描写でした!

「日高コハル」

話しかけもモノローグも多く、
「それでもこの気持ちは曲げたくない。」
「勝ち続ける事で私に関心を持ってくれるのであれば、私は絶対に負けない!」
ハルオへの募る想いが痛いほど伝わる描き方はまさに少女漫画の主人公。

狭い視野で漫然と生きてきた自分に、殻から飛び出し自由な空気を感じる醍醐味を伝えてくれるハルオにたちまち虜になってしまう。
受動的だった女の子が恋をすることで能動的になり見た目も垢抜けていく。
アキラと違い明らかな成長が見えるのもコハルの魅力です。
ハルオとアキラが惹かれ合っている事に気付いても、二人のはっきりしない態度に諦めきれないのは仕方ない。
そんな二人への遠慮がちな接し方もいじらしく、アキラを貶めるような事をせず自分を磨く事でハルオを振り向かせようとする真っ直ぐなひた向きさは、嫌味を全く感じさせない誠実なイイ娘です。
でもハルオは微塵もブレず全くコハルに見向きもしてくれない・・・
コハルにとってハルオを落とすのは、攻略ルート皆無の無理ゲーなんですよね。
そんな勝ち目のない恋のゲームに果敢に挑む姿が健気で、観てるコッチは不憫で不憫で仕方ない~( ´△`)
こんな設定にした原作者は何て罪作りなんだ~~(`Δ´)
私は、アキラの笑顔も見たいけど最後までコハルも応援しちゃいます!

《声優さん》

主演の3人の方は私、存じ上げない方ばかりでしたがそつなく演じられてたと思います。
中でも広瀬ゆうきさんの声は原作のコハルの魅力を数倍増しにしてたのでは?
ラストの涙まじりの告白は熱かった!
(ひきかえ、アキラ役の鈴代紗弓さんは折角射止めたメインヒロイン役なのに演技をあまり披露できないのがコハルより不憫~)

サブではハルオのママ役の新井里見さんが個性の光る名演技でした!

《音楽》

8ビット音でしょうか?ゲームらしい音を取り入れたOP曲は作品にマッチしてました。
(でも曲より背景画が毎度気になってました~コハルが不憫で・・)

やくしまるえつこさんのEDは毎話の引きとの合わせ方が絶妙で切ない余韻が堪りません。
(特に11話は上手い!)

劇判曲もバッチリで非の打ち所はありません。

《最後に》

先日、最終話が掲載された原作漫画ですが、コハルの告白以降テンポはやや減速感を感じるものの、切ないシーンはまだまだ訪れます。
アニメの続きは配信とOVAってのは個人的にビミョーですが、制作してくれるのは嬉しい限り。
このクオリティならお布施も厭いません~(^^;{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 42
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

そんな私はロースコアボーイ

2018.10.06記

原作未読

当初ノーマークだったが、同僚の薦めで視聴決定。
どうやら、昔懐かしのゲームを扱った回顧ものくらいの前情報で視聴スタートです。

さっそく結論。

 懐かしくて涙出るわ~

これはオモテ。並行して、

 なんじゃこのラブコメ泣けるわ~

一作で二度美味しい作品になってます。懐かしのゲーム見たろ、ぐらいでかまえて思わぬカウンターパンチを食らっちゃいました、といったところでしょうか。

主人公の矢口春雄が1979年生まれ。本作の時代設定が1991年(小学六年生)から1995年(高校一年生)までとなります。
これはリサーチの勝利と言って構わないと思いますが、誇張されることない等身大の90年代が描かれているため、おおむね1970年~1985年生まれの方は取り扱っているゲームや時代の空気感の再現具合に感嘆するんじゃないでしょうか。

{netabare}・緑の電話ボックスにピンクチラシが貼ってる
・当たり前のように灰皿が置いてあるゲーム台
・パネルでめくられる新幹線ホームの発着案内板(現在は電光掲示板)
・溝の口(川崎)駅降りたとこ南武線沿い小道の汚い飲み屋街の古本屋 ※住んでた私が保証しよう
・取り扱うアーケードゲームと家庭用ゲーム機のラインナップ
といった見た目のあるあると

・対戦でのお作法(ハメ技かけると喧嘩になる等)
・教室でソニックブームを繰り出すこの解放感
・もういいわよ。録画してた「家なき子」観るから♪
・ミスチルを聴きなさい!ミスチルを!
・取り扱うアーケードゲームと家庭用ゲーム機にその当時みんなが感じてたこと
といった空気感{/netabare}

単なるゲーム回顧録ではない、時代の空気の見事な切り取りっぷりに切なさを感じるほどです。ワクワクするつもりがきゅんきゅんしてしまうのです。

若い皆さんにとっては、このピンポイントで切り取られた時代の追体験が可能ですので、ぜひ面白がって観てほしいですね。
ついでに、だいたいアラフォーの男性が大なり小なり通ってきてる道でもありますから、雑談のネタとしてビジネスにも活用できるかもしれません。

自分はハルオよりちょい上くらいのドストライク世代にあたります。回顧トークしたくなるところですが、脱線が止まらなさそうなのでここでは泣く泣くあきらめますよ。ただ一点、同年代非オタの知人にハイスコアガールを勧めたら、ちゃっかり視聴してました。その後酒の席でのあるあるトークに華を咲かせましたよ、ということは申し添えておきます。



そして、ゲームと並行しての恋愛の世界。
ゲームで繋がる恋愛ってなんのこっちゃ? そもそもこのキャラデザインは、恋愛仕様のそれではないような。。。
{netabare}とナメてたら3話で不意打ちを食らうことになります。{/netabare}

2話からラブコメの波動が感じられ、12話終わる頃にはきゅんきゅんしてることでしょう、たぶん。

大野晶と日高小春のダブルヒロインというのは、ぱっと見で王道の配置です。

大野晶:ゲームは社会との接点を持つためのもの/純粋にゲーム好き/{netabare}ハルオが好きそう{/netabare}
日高小春:ゲームはハルオとの接点を持つためのもの/ゲーム好きは二次的なもの/{netabare}ハルオが好き{/netabare}
ハルオ:馬鹿で優しくてあったかいやつ。すがすがしいほどにゲームのことで頭の中がいっぱい。

そんなベクトルは物語の進行に合わせてゆっくりと変化していき、最終12話{netabare}(小春の告白という大きな転換点を迎えること){/netabare}で本作の恋愛の波動がピークに達します。
きゅんきゅんする理由、、、二人ともホントいい子だから(語彙力)。
そしてハルオもなんだかんだいいやつだから(もっと語彙力)。
二人ともきっかけは違えど、徐々にハルオに惹かれていく様子がもどかしくも純な感じがして擦れた大人にはまぶしく映りました。
ヒロインにとってはゲームバカが恋愛対象のため、コミュニケーションがゲームを通じてということも多いです。対戦プレイや協力プレイのシーンに潜む恋のやり取りを見過ごしてはいけません。{netabare}晶と小春ですらゲーム機を通しての会話と、わりと徹底してます。{/netabare}なんかもう「拳で語り合う」世界観ですね。

これほど無口なヒロインで物語が成立するんだ、と面白がって観てたわけですが、結局セリフがゼロでしたね。大野晶役の鈴代紗弓さん、「あ」「う」「ぐふぅ」に感情を込める難役お疲れ様でした。
小春の鼻腔を抜ける呼気の音すら聴こえそうなささやき声は役に合ってたかどうかを超えて心地よかったですね。広瀬ゆうきさんですか?また別の作品でお会いしましょう。

{netabare}晶にとって、もともとは大野家とは違う世界への扉であり、さらにその世界を広げてくれたハルオへの好意。ハルオは激つよの晶を目標と捉えてました。
小春にとって、唯一自分に目を向けてくれる瞬間がゲームで対峙する時だったというハルオへの好意。ハルオはフルボッコ負けを機に小春をライバルみたいに捉え始めました。
後半は、

 “目標を降りたかった晶と目標になり替わりたかった小春”

ミスマッチがなんとも切ない物語でした。{/netabare}



ノスタルジーにあてられて不器用な恋の行方にせつなさを感じたのか、
良質なラブコメにほだされて在りし日の思い出がきれいに見えたのか、

恐らく両方。きゅんきゅん×きゅんきゅんは単に2倍ではなく、2乗と感じる稀有な経験なのでした。
続き3話はOVAで!と商売臭わかりやすいラストに賛否両論出そうですが、そこはご愛敬(;^ω^)
薦めてくれた同僚よ、ありがとう!



以下、その他の四方山話。


■作画
まずは、権利処理に奔走してくれた裏方さんには賛辞を送りたいと思います。感謝!
3DCGということでしたがかなり普通のアニメっぽい自然にみられる処理をしてました。私の目利きが甘いかもですがあまりCGっぽさを感じません。そして核となるゲーム画面の再限度が極めて高い印象です。元画像をはめ込めばよかろう、というものではけっしてなく、ブラウン管と現在のデジタル規格との突合作業、コマ数の調整、エフェクトの修正、その他視聴者からみれば『そのまんまゲーム画面』に見えた本作の絵は相当の処理を施して再現されたものだそうです。
私が普段は気にしない技術的な面にも良い意味で関心を起こさせる製作陣の仕事でした。


■華を添える愛すべきイカレキャラ達
わりと主人公たち以外は行動・言動が変なのが多いのですが、第一話で矢継ぎ早3枚のカードを切ってきて視聴者の引き込みに成功しました。
・癇癪カップル:声は松岡&日笠と無駄に豪華
・小学担任:「卑劣」と書いてお前のことだ、と主人公に容赦ないが悪意もない。
・じいや:黒塗り高級車で主人公を轢いても歯牙にもかけず。
目立たぬファインプレーだったように思えます。


■10カウントで消えるはずだった世界が色づく
OPEDともに作品に寄り添った良曲。ED「放課後ディストラクション」はお気に入りでDLしてます。
{netabare}プレステとサターンの発売により自分はアーケードから距離を置きました。当時は鉄拳派(プレステ)とヴァーチャファイター派(サターン)と棲み分けがされてた気がします。
それはさておき、10話Aパートでサターンにうつつを抜かしアーケードから遠ざかってたハルオが小春にフルボッコされたのを機にゲーセンに戻ってくる描写があります。
逡巡しているハルオのバックにはストⅡゲームオーバー時のコンティニュー画面。ガイルさん(CV安元洋貴ww)がハルオを焚きつける中無情に10カウント刻まれていってました。
アーケードゲームが家庭でできるインパクトは強く、この時期から徐々にゲーセンから足が遠のいていったのは私だけではないでしょう。対照的にコンティニューして戻っていったハルオには個人的に感動しました。(えっ!そこ?)

どれくらいのインパクトか? JUDY AND MARYの楽曲に「まるでヴァーチャファイターのゾーン2」という歌詞が出てくるくらい。男ならともかくあまりゲームをしない女の子でも家にプレステとか普通に置いてありましたよ。{/netabare}


■余談
我が家では作中登場したニューファミコンが現役です。タイトルは70本以上。スーマリ、ドラクエシリーズ(要ふっかつのじゅもん)、じゃじゃ丸くんといった有名どころから、シティコネ、影伝、燃えプロその他家族でたまにゲーム大会を開催。
スターフォースでラリオスを撃破したり、ボンバーマンでリモコン無し状態からのリカバーをしたり、グラディウスで↑↑↓↓←→←→BAを披歴したりと父親の威厳を保つのに一役買ってたりします。
この前、ウチの子供たちが伝家の宝刀『カセットに息をフー』してるの見て爆笑しました。曰く「つば飛んじゃダメなんだよ」と。
なんかしらんが、受け継がれる伝承みたいなもんでしょうか。25年前も今も楽しいものを前にした子供の気持ちってそうそう変わるものではないんです。



視聴時期:2018年7月~9月 リアタイ視聴 ※EXTRA3話は2019年3月視聴

-----
2019.04.03追記 ★EXTRA STAGE(ROUND13~15)追加視聴★


Netflixの配信にて。TV放送(ROUND1~12)の続きの3話分が解禁です。

{netabare}変わらぬOPとEDにふいにキュンとしてしまった。なんだこの破壊力。
内容には触れません。本編にも増して、ハルオ母が素敵で、晶と小春に身悶えし、ハルオはしっかり男の子してました。{/netabare}

ファンの皆様におかれましては、視聴は義務と言って差し支えない出来映えです。

※視聴日:2019.03.30



-------
2019.10.23追記


2019年秋期に2期放送。先だって、EXTRA3話を地上波で放送しました。
濃厚な3話だったのでこれを放送する決断をしてくれたスタッフの皆さまには感謝です。

{netabare}さて、そのEXTRAのクライマックスといえる花火シーンは二子玉川河川敷の花火大会です。ハルオたちが乗ってる電車は田園都市線。

こたびの台風でまさに氾濫したピンポイントの場所でした。{/netabare}

春先には普通に感動しただけでしたが、あらためて半年後に再視聴して別の思いが生じます。迅速な復旧をお祈り申し上げます。



2018.10.06 初稿
2019.04.03 EXTRA視聴後追記
2019.10.23 追記
2020.07.28 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 100
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

自分で生き方を選ばなければ、自分が想像できないところに行き着くことができる。 byマツコ・デラックス

[文量→大盛り・内容→雑談系]

【総括】
遅ればせながら視聴。当時はスルーしたんだけど、あにこれで高評価の嵐。いつか観たいと思っていたが、

あー、これ、当時を知るおっさん(40代)にはたまらんわな、高評価には頷ける。

本作の魅力は、90年代の小学生の雰囲気を忠実に再現しつつも、ラブコメの波動をきちんと感じさせること。懐ゲーのネタに共感し、挟み込まれるギャグに笑い、可愛らしい恋愛にニヤリとする良作。

古くも新しい作品。

私はこのアニメの世界より、やや下の世代なので、懐かしいような、少し、憧れのような。

レビューでは、実体験を踏まえながら、本作で感じた、今の若者に伝えたいことを。やや懐古レビューですが。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
実は私は、スト2にはそこまでハマっていない。一応、スーファミとソフトは家にあってやってはいたが。

私がまずハマったのは、「餓狼伝説」だ。テリーとアンディ、ジョーを使っていた。一番得意なのはジョーだったかな。

次いで、「龍虎の拳」。最初はキングを使っていたのだが、例の「ブラジャー見せ」で女と分かり、使うのをやめた。なんか、小学生当時の私は、男が女性キャラを使うのを恥ずかしいと思ってたんだよね(笑)

ただ、龍虎にはそんなに長期間ハマらなかった。すぐに「サムライスピリッツ」にハマったからだ。当時、剣道に一生懸命だったこともあり、サムスピはかなりやった。特に千両狂死郎。後先忘れたが、幽々白書の飛影とか、ああいうキャラ好きなんだよね(笑)

そして、その後永きに渡ってハマり続ける、「ザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)」が登場。あれは衝撃だったな~。だって、これまで自分が好きで使ってたキャラクター達が、ゲームの枠を超えて対戦、共闘できるなんて、胸熱でしかなかった。

使っていたキャラは「キム・カッファン」「ラルフ・ジョーンズ」「レオナ」「八神庵」「草薙京」等、他にも多数。当時、KOFはノベライズ版がよく出ていて、私の場合「小説好き」「設定好き」なので、「強い、弱い」以上に、キャラの背景から「好き」なキャラを選んでいた気がする。特に、ブラジルチームが好きで、ハイデルンがたまに見せる親バカっぽさと、レオナの塩対応、ラルフとクラークのフォローが絶妙で。投げキャラ苦手だから使いこなせなかったけど、技やキャラの格好よさなら、七枷社が好きだった。

さて、ここまでの感想で、多少ゲームを知っていれば、私が、「カプコン」ではなく「ネオジオ(SNK)」のゲームばかりやっていることにお気づきと思います。それはなぜか?

うちの(クソ田舎)町の、近所に1台(1対)だけあったアーケードゲーム機が、ネオジオだっただけのこと(笑)

さて、本作で感じたことの1つが「制限下で楽しめない奴は、自由下では本質的に楽しめていない」ということだ。

私がKOFにハマったのは、内的動機付けがあったからではなく、外的要因が大きい。もし、カプコンのゲームを、もっといえば、ゲーム以外のありとあらゆることを楽しめる環境にあったら、きっとKOFをこんなに好きになれなかっただろうと思うと、「不自由」に感謝したい気持ちにもなる。

先日、「マツコ会議」で、マツコ・デラックスさんが、若くして成功したYouTuberさん達に、こんなことを言っていた。

「皆さんは、自分の意思で、自分のやりたいことをきちんと突き詰めて成功されていて、とっても素晴らしいと思うの。でも、私はどちらかというと、自分のやりたいことが出来ないで、周りに流されてきた弱い人間だからね、また別のことを感じていて。それは、周りに流されて、興味も全然ないようなことをやっていると、当たり前に生きていては絶対に見られない景色を見られるということもあるということ。だって、自分が好きなことばかりやっていると、自分が好きな世界しか見られないじゃない。だからね、今の若い子にはね、自分がやりたいことをできなかったら、自分らしい人生を生きられなかった、それで人生終わりとか全部ダメなんだとは思ってほしくないのね。逆側にはね、それはそれでちゃんと面白い世界もあると思うのね。」

今回、レビュータイトルに使わせてもらった言葉だ。なるほど、良い言葉だと思った。

以下、オジサンによる懐古的な呟きです(笑)

私達の世代は、ゲームにしても音楽にしてもアニメにしても、選べるパイが少なかった故に、わりと共通言語として同じものにハマっていた。また、変化が少なく、1つのゲームを長期間遊ぶ習慣もあった。

今の子を観ていると、まず、経済的な制限がない(と思い込んでいる)。スマホゲームの大半は、無課金でそこそこ遊べる仕様になっている(とはいえ、スマホの基本料金やWi-Fiの料金含めれば、自分達が小中学生の時の小遣いを軽く超えているけどね)。

それに、新しいゲームはいくらでもあり、飽きたら違うゲームをやれば良い。

自分達の時(スーファミとか)は、ゲームソフトを買ってもらえるのは、誕生日とクリスマスの年2回。あとは、小遣いを貯めて、数ヵ月に1つ。当然、何を買うかは吟味するし、買った以上は遊び尽くす。たまに、「早くクリアしたくないから、あえて1日1時間」とかにしてたしね(笑) 

それに、当時はネットなんてなかったから、どんなゲームが面白いかという情報は圧倒的に不足していた。立ち読みでファミ通読んで必死に覚えたけど、それでもクソゲーをつかむことはあって、大事な小遣いを失った悲しみと言ったら(でも、買ったからには一応最後までやって、なんだかんだ、クソゲーなりに愛着わいちゃたりねw)

このような煩わしさのない、現在のスマホゲームの環境下において、じゃあどんなゲームを選ぶかと言われれば、そりゃ、「好きなゲーム」「良いゲーム」ばかりになるだろう。自分に合わなければ、即座にアンインストールだ。

でも、それじゃあ、いつまでも自分は、自分のままで、自分以上、あるいは、自分以外にはなれない。

以前、林先生が、高学歴ニートに説教する番組があった。その中で、早稲田卒業のあるニートが、「好きなこと以外仕事にしたくない」と言うのに対し、「まず、好きというのは、外的要因が大きい。もし君は、ゲームが開発されてない世界に生きていたら、ゲームが好きになれたかな? 結局人間は、自分が出会ったモノから好きなものを選んでいるに過ぎない。だから、今はまだ出会っていないモノも、突き詰めることで好きになれるかもしれない」と言っていた(この人は個人的に好きになれないが、たまに良いことは言う)。

マツコさんと林先生が言っているのはつまり、「自分の可能性に蓋をするな」ということだろう。

私達の世代は、選択肢が少ないからこそ、新しいものにだったら何でも飛び付く習性、つまり、「餓え」があった。現在は、自分の好きなものだけ味わっても食べきれないほど、選択肢に溢れている時代。人はバイキングでは好きなものしか手に取らない。YouTubeを観れば勝手にオススメ動画をあげてきやがる。

60、70になっても好きなモノは増えるのに、「個性」という聞こえの良い言葉に惑わされ、「私はこういう人間だ」と決め付けてほしくない。特に若い人には。

本作のノスタルジーに当てられ、若者から嫌われそうなことばかり書いてしまったが、昔だって、昔なりに良い時代だったんだよという、負け惜しみです(笑)
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
ゲーセンの情景描写、少年の心情描写、よく出来ている。待ちガイル、懐かしい(笑)

2話目 ☆4
FF4(笑) 氷枕(笑) お母さんの隙間覗き、久々に声だして笑ったわw ホラーだろ(笑) PCエンジン、桃太郎RPGやったな~。あと、ビーボールとか(笑) ジャーマンからコブラ(笑) 都市伝説。ノスタルジーで、ラブコメ。

3話目 ☆4
デート。ラブコメの波動。パチンコ中毒(笑) そうそう、ゲーム知らない女子はキャラの見た目に突っ込むんだよね(笑)

4話目 ☆3
ラブコメ全振りはなんか違うと思うが、まあ、負けヒロインだろうね(笑)

5話目 ☆4
分かる(笑) 私もソニックブームは、「カニプーン」に聞こえていた(笑) サムスピ、懐かしいな~。陰険(笑)

6話目 ☆4
ガイルに必殺技追加なし(笑) ただだだ性格が悪い(笑) ネットがない世界だからな。大野さんの嫉妬心(笑) 

7話目 ☆4
貸してくれ(笑) ファイターズヒストリーダイナマイト、ワールドヒーローズ、懐かしいな(笑) 目の上のたんこぶ(笑) 

8話目 ☆5
ここでテストに結びつけるのはよい。マウント取られながら、ボコられる男子(笑) ラブコメとして、かなり優秀だし、お風呂セットからペアルックの伏線回収が素晴らしい。

9話目 ☆4
サターン派、、、負け組確定じゃないか(笑) ヴァンパイアは確かに、衝撃だったよな。まあ、この作品なら不合格はありえるよな。

10話目 ☆4
にしても、ユルいわりに展開早いよな。そして、KOFは、ユリがリョウを倒すだけか。まあ、「出藍の誉れ」の比喩かな。

11話目 ☆4
ロードの長さ(笑)  そこでサラッと負け、サラッと飯に誘うのが、イケメンだな~(笑)

12話目 ☆4
ちょっと新婚(笑) 二期は、三角関係かな。初代PSのスタート画面、懐かしいな。キング、俺も使っていたな~。サターンでフルスイングは、効くよな(笑) 
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 29

76.5 2 ノスタルジーで三角関係なアニメランキング2位
イエスタデイをうたって(TVアニメ動画)

2020年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (481)
1745人が棚に入れました
大学卒業後、定職には就かずにコンビニでアルバイトをしている"リクオ"。特に目標もないまま、将来に対する焦燥感を抱えながら生きるリクオの前に、ある日、カラスを連れたミステリアスな少女―“ハル"が現れる。彼女の破天荒な振る舞いに戸惑う中、リクオはかつて憧れていた同級生“榀子"が東京に戻ってきたことを知る。

声優・キャラクター
小林親弘、宮本侑芽、花澤香菜、花江夏樹、鈴木達央、坂本真綾、寺島拓篤、洲崎綾、名塚佳織、堀江瞬、小野友樹、喜多村英梨、前川涼子、遠藤大智、大塚明夫、小形満、川島得愛、小林千晃、田中宏樹、西山宏太朗、藤原夏海、本田貴子、諸星すみれ、天海由梨奈、村井美里
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ゆらぎ(※配信限定エピソードを再視聴して)

アニメーション制作:動画工房、
監督・シリーズ構成・脚本:藤原佳幸、
副監督:伊藤良太、脚本:田中仁、
キャラクターデザイン・総作画監督:谷口淳一郎、
総作画監督:吉川真帆、原作:冬目景

作品タイトルと同じ、10話からのED主題歌が印象的だ。
ブルージーなギターからは60~70年代の薫り。
調べてみるとRCサクセションの
初期の曲のカバーだった。
発売はやはり1970年。
『イエスタデイをうたって』は、
ビートルズの『イエスタデイ』を歌って欲しいと
せがむ少女についての曲だ。
ちなみにビートルズの『イエスタデイ』は、
母を失ってしまった今の自分は、
失ってしまう前の昨日の自分とは
全く変わってしまったという深い哀しみの曲。
『イエスタデイをうたって』という作品のタイトルは、
原作の冬目景が最初に考案したものを
編集者にダメ出しされて思いついたものだった。

主人公は、大学を卒業しても自分探しのために、
モラトリアムな状況を続けている魚住陸生。
いかにも、ひと昔前の人物像だ。
ある日、鴉を連れた少女・野中晴(ハル)と
アルバイト先のコンビニで出会ったことで物語が始まる。

1話ずつの完成度がとても高い。
感情の機微を丁寧に掬い上げていく。
まるでオムニバス形式に感じるほど、
序盤は余韻を残しつつ完結し、次の物語へと続いていく。

ひと昔前の年代を感じさせる時代背景。
携帯電話がなく、黒電話やカセットテープなどの
グッズが懐かしい。コンビニに外人がいない。
若者の思考にも時代性を感じさせる。
自分自身が青春時代を過ごしたころなので、
余計に感慨深くなる。
視聴すると昔の感情が呼び覚まされる。

振り返ってみると、舞台となっている02年ごろは、
バブルがはじけたといえど、
経済的にはまだ安定していて生き方の自由度が広がり、
価値観がより多様化した時代だった。
私たちは自分に正直に生きることを望み、
本当に大切なものを手に入れようとあがき続ける。
自身の心に問いかけ続けるあまり、何もできなくなる。
でも、欲しいものが必ず手に入るとは限らない。
人はどこかで、その望みに折り合いをつけて
いかなければいけないが、それをできる人と
できない人にはっきりと分かれていく。
なぜかと言うと、いつまでも追い続けることが
可能なほど自由度が高いから。
だから、動き出しても、またすぐに
立ち止まってしまうことになる。

そんななかでも人は年を取るごとに
何かを得て、何かを失いながら変わっていく。
2度と戻ってこないものもある。
懸命に生きているときはそれに気づかない。
何かが終わっても、ただ寂寥感だけが積もっていく。
でも、私たちは進み続けていくしかない。

主要人物はほぼ4人だけ。
彼らは皆、長い時間をかけた行き場のない心を抱えている。
物語が動かないため、退屈だと感じる人も多いだろう。
しかし、停滞しているようでも
登場人物の心は、いつもゆらいでいる。

空気感の演出が抜群に優れている。
桜の儚い美しさ。一方通行の想い。
「死」を身近に感じる状況。
哀しみがこみ上げる瞬間。
二度とは戻ってこない日々。
そのときのシーンに応じた劇伴も効果的で、
観ている者の心を動かす。
繊細で大切なものが零れ落ちていく。
目や手の動き、仕種、ちょっとした沈黙。
心を映しているような描写だ。

彼ら4人はずっとゆらいでいるが、
周囲の人々は、決意して前に進みだす。
ハルの同級生の湊航一や陸生の元恋人の柚原チカ。
決着をつけて自身のなかに何かを見出す。
陸生自身も少しずつではあるが前進しようとする。

軸は4人のラブストーリー。
とはいえ、この作品の核の部分は、
陸生と榀子の心情のゆらぎにある。
自分の心の在りかをずっと探っている。
似たもの同士、受け身気質のふたりが
歩んでいく方向を見つけるために
真剣に迷い続ける物語といえるだろう。
そう考えると、納得感のあるラストだった。

陸生の気持ちのゆらぎは、
世田谷線の車内での独白に集約されている。
自分で自分の心が分からない。
正直さ、誠実さを突き詰めようとすると、
自分の本質がゆらいでいくように感じる。
それでは、どうしたらいいのか。
物事を論理的に考えるのではなく、
感覚的に捉えることだ。
自分の心がどこにあるのか。
もっとシンプルに考えるべきだ。

{netabare}ひとつ残念だったのは榀子の心の動きを
描き切れていないこと。
2話からずっと榀子の心模様を
繊細な描写で追ってきたのに、
最後の段階では、井の頭公園での陸生の言葉に
全て任せきりになってしまっている。
アニメを観ているだけだと、榀子がどのように
自分自身に決着を付けたのかが理解できない。
もちろん、想像することはできるが描写不足は否めない。
だから榀子だけが身勝手な女性に見えてしまうが、
個人的にはとてもリアリティがあるし、
現実の人物像もひとりふたりは思い浮かぶ。
作者がどのように捉えているのかは関係なく、
情の深いキャラクターだと思う。
原作は未読なので分からないが、
単純に尺が足りなかった可能性もある。
ラストに向けては、2話分くらいかけて
ふたりのやり取りを突っ込んで欲しかった。{/netabare}

タイトル面から作品を考えると、
ハルが主人公のようにも思える。
そもそも作者が最初に考案していたのは
「ハル」というタイトル。
{netabare}ハルは陸生に近づいたことで、
以前よりも臆病になってしまい、
自分が変わってしまったことを自覚する。
これは『イエスタデイをうたって』の詩にもつながる。
だとすると、この作品はハルや浪の変化を
目の当たりにした陸生と榀子が
それに押し出されるようにして
一歩踏み出そうとする物語とも言えるだろう。{/netabare}

原作の量からすると、1クールでは厳しかった感はある。
ショートアニメ&ラジオドラマで補完しているが、
若干の消化不良感は残った。
ただ、作品は全話を通して、とても丁寧な仕上がり。
それぞれの動きや言葉にリアルを感じる。
懸命に生きている人間の息遣いが聞こえる。

4人が歩み出す先にささやかな幸あれ。
(2020年7月4日初投稿)

原作を読了して(2020年8月9日追記)
{netabare}ここのレビュアーさんから、アニメとは大きな違いがあり、
とても良い作品であることを聞いて原作購入。
つい先日、読了した。

漫画を読んで再認識したのは、
アニメの完成度がとても高いことだった。
漫画を読んだ後に自分のレビューを再読したのだが、
この作品に対して感じたことは、
原作読了後も基本的には変わっていないし、
大切な部分は、ほとんどアニメでも
表現しているのではないかと改めて思った。
もちろん、漫画とアニメとは表現方法が違うため、
コマで感じることのできる微妙な「間」や
心情のゆらぎは、圧倒的に漫画のほうが優れている。
11巻も巻数があるので、登場人物も多いし、
人間関係も複雑になっている。
最初のレビューで書いたように榀子の心情について、
アニメでは圧倒的に描写不足。
しかし、それにも関わらず、私のアニメに対する感想は、
漫画を読んだ後でもほとんど変わりはなかった。
それは、凄いことではないだろうか。
アニメでは、漫画で登場する重要なふたりの人物を
完全にカットして物語を短くしているにも関わらずだ。

例えば同じように原作を短くしたアニメを視聴してから、
原作を購入した『はねバド』という作品がある。
放映時には原作が未完だったので、
全く同じ状況ではないが、原作を大幅にカットして
物語を再構築したことは同じだ。
こちらもアニメは、なかなか面白かったが、
作品としては全くの別物といっていいほど
原作とは違ってしまっていた。
再構築とは普通はそういうものだろう。
しかし『イエスタデイをうたって』は、変わっていないのだ。
作品をじっくり咀嚼して大切な部分だけを残して
アニメとして作り上げている。
スタッフの多くは原作のファンという話を
どこかで読んだが、それは原作とアニメを
両方味わってみれば、とても納得できる。

漫画とアニメにおける大きな違いは「時間の流れ」だ。
この物語のひとつの軸は、陸生と榀子が出会って
別れていくまでの話になる。
長年、片思いしていた陸生が榀子を手に入れながら、
そこで葛藤して別れを決意するまでには、
劇的な出来事でもない限り、それなりの時間や葛藤が必要だ。
ところがアニメでは、付き合ってから、
大した理由もないのにすぐに別れてしまう印象。
じっくり物事を考える陸生の性格からすると、
あり得ない展開ともいえる。
それは榀子についても同様だ。
榀子は、自分の感情と理性の間でずっとゆらいでいるわけだが、
アニメを観ていると、それまでのスローな時間が
最後になって急加速して自身も納得するという
どう考えても受け入れがたい流れになっている。
ただ、これは尺の問題であって、
限られた時間のなかで、スタッフは最良の仕事をしたと
漫画を読んで感じた。

それでは漫画はどうなのか。
アニメ同様、繊細な心情描写を
時おりオーバーアクションを挟みながら独特のリズムで
紡いでいく。バックボーンとして私が感じたのは、
冬目景が大ファンだったという高橋留美子だ。
高橋留美子は、80年代に女性漫画家が少年誌に
連載するという画期的な立ち位置を確立した人物。
同じ女性漫画家として目指す人だったようで、
冬目景も当初はギャグ漫画を描いていたそうだ。
だから、この作品でも若い巻数のころは、
ギャグテイストに共通点のようなものを感じさせる。
それと、何人かの人も指摘していたが、
榀子=響子さんというのは、影響しているだろう。
私が感じたのはハル=ラムだった。
作者は意識していないかもしれないが、
やはり自分の好きな作品の影響は
どこかに出てくるものだ。

また、これは私の勝手な想像だが、
高橋留美子が自身を投影していたのは、
しのぶであり、響子さんであり、あかねであり、
かごめであるのだが、『イエスタデイをうたって』でも
自身を投影して、思い入れが深いのは、
榀子ではないだろうか。
作者自身はインタビューで榀子を「毒」と呼んでいるが、
これはある意味、自虐だから言えるコメントであって、
自分のなかにある「面倒臭い」部分を
抽出した人物像ではないかと思っている。

榀子の「純粋な無自覚」が相手を傷つけるのは、
多かれ少なかれ、人間関係のひとつの形だ。
榀子は世話焼き女房のような性格で、
自分の近しい人の部屋を掃除したり、
料理を作ってあげることを全く厭わない。
それが浪の父親にいつまでも頼られる
原因にもなっているが、
無意識に人の世話をすることで、
相手から好意を持たれてしまう。
しかし、その気持ちに最終的に応えることはない。
確かに考えるとなかなか厄介だ。
陸生が榀子を好きになった銀杏のエピソードも
そういう榀子らしさがよく出ている。

漫画とアニメとの最大の違いは、
陸生と榀子が関係を解消することになった
心情描写だ。漫画のほうが積み上げる
エピソードが長いので、
読者の心にも同じように積もっていく。
陸生がハルを想う気持ち。
榀子の場合は、ライバルの莉緒が登場してからだが、
その複雑な心情は繰り返し描かれる。
しかも、その対比として雨宮とみもりという
幼馴染の関係性もクローズアップされる。
徐々に焦点が合ってくる感覚がある。

決定的な出来事は、陸生の兄の結婚祝いに
まつわる部分で、陸生がキスをしようしたとき。
陸生の手が紙切れにふれることで
ハルに対する気持ちのゆらぎが表現される。
榀子は、表情や仕種によって
我慢のようなものが描かれる。
そういう意味では、陸生の決断は納得できるものだった。
そして、リアクションや表情、
自宅に戻った後の描写によって
榀子の気持ちも明らかになる。
このシーンはよくできているが、
時間的な理由でアニメでの表現は難しかっただろう。

ここまで、ハルのことをほとんど書いてこなかったが、
私が思うに、ハルはラムであってファンタジーなのだ。
どちらかと言うと、こういう子がいたら可愛いなと
思わせるキャラクターで、あまり実在感はない。
高橋留美子は最後までラムのことを
自分では理解できないキャラクターだったと語っている。
それは冬目景にとってのハルと
似たようなものではなかっただろうか。

表向きの主人公はハルだが、
やはり真の主人公は榀子だったのだろうというのが
漫画を読了したときの感想だった。
漫画本編のラストは、榀子が桜を眺めながら
穏やかな表情で歩く姿なのだから。{/netabare}

配信限定エピソードを再視聴して(2023年4月16日追記)

{netabare}放映当時にアニメを補完する物語として
配信限定で観ることのできたエピソードが
改めてdアニメストアで再配信された。
それを観ていて感じたことがあったので追記したいと思う。

この作品のアニメ本編は、分かりやすくするために
原作とは違ってほぼ4人の登場人物に絞っており、
いろいろなことを内省することをメインに構成されている。
私は、この作品を観ていて、
時代背景などから懐かしさを感じていたのだが、
別の側面から捉えると、多くの人々が「常識」と考える
男女関係の在り方そのものが
硬直化していた時代でもあったのだと思った。

この作品の時代背景は2002年ごろだと先のレビューで記したが、
それは作者がインタビューで答えていたもので、
実際にこの作品に通底している時代は、
70年代から80年代ごろではないかと感じる。
そもそも『イエスタデイをうたって』という
古い曲をタイトルにしていることだけ考えても
作者の心のなかにある時代が想像できる。

だとすると、この作品に対する見方も少し変わる。
陸生と榀子は、お互いのことが好きだと思って
付き合い始めるのだが、それは陸生がハルという
年下の少女のことを好きだという感情を
封印するためだったと考えることもできる。
榀子の場合は死んだ恋人の弟で、学校の生徒でもある浪に
特別な感情を抱くことは、社会の常識から外れた行為だと思ったために
陸生からの告白を受け入れたともいえる。
ふたりの男女が「時代の常識」に囚われた結果、
最初から「愛」というものを勘違いしていたのかもしれない。
個人的には、これが2002年という年代なら納得ができないが、
70年代~80年代の時代背景なら妙にしっくりくる。

そのことを象徴しているといえる
配信限定エピソード内にある陸生の独白を紹介しよう。

男女の友情は存在するのか。
そんな答えのない永遠の謎に
大人になれないオレは、自分の感情を誤魔化しながら
自分の都合のいいように生きてきた。

これはオレの悪い癖だ。
自分の好きなカメラだって、諦めるわけでもなく、
ただその欲求をずっと抱えていた。
答えを出すのが怖くて、答えが出るのが怖くて、
結末が怖くて、ずっとこのままでいいと、
いつか忘れてしまうことを待っていたんだ。
それは居心地がいいようで、息苦しい空気が漂っていて。

何かに変化を求めていた。
何かに期待していた。
変化を求めながら、自分から変われない自分が情けなくて、
そんな後ろ向きな動機でしか頑張れない自分を変えようとした。
その結果、自分のことしか考えていなかった結果、
傷つけてしまった。

失ってから気づくような愚か者で、
これからも同じような過ちを繰り返すかもしれないけど、
オレにできる限り大事にしますので、
これからもよろしくお願いします。

ハル:60点。
陸生;え!?
ハル:前半、榀子先生とのことじゃん。
言い訳ばっかじゃん。
大事な私と具体的にどうなりたいかが明確じゃない。
やり直し!

先ほどの独白は、陸生のラブレターなわけだが、
アニメオリジナルの部分。
しかし、このアニメをとても上手く表現している。
今さらこんなことをまた書いてしまう私は、
やはり、この作品のことが好きなのだと思う。
これまで、お気に入りの棚に入れるのは、
自分の総合点が4.6点以上の作品と決めていたが、
この作品は、例外としてお気に入り作品にすることにした。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 87
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

(音無響子+関口さとみ)÷2ってどう?

原作未読 18年かけて完結した名作らしい


つくづく携帯電話というツールが青少年の恋愛模様に与えた影響は計り知れないものがあると思う。
コミュニケーションの取り方が今とまるで違う。

 『ポケベルが鳴らなくて』とその主題歌のヒットが93年
 初期費用10万円越えだが携帯電話が小型化したのが94年
 PHSのサービス開始が95年
 それに引きずられて携帯初期費用の下落が起きたのが96年
 契約台数200万台から一気に10倍規模へと拡大した97年
 99年に11桁化へ

私の場合、世の女子はポケベルかピッチ(PHSのこと)かなにも持ってないかみたいな時期に大学入学し卒業年次には皆さんおおかた携帯電話を持ってたかなぁという過渡期に学生生活を送ってます。振り返ってみると移動端末を持ってない女子には独り暮らしでもしてない限りアタックすることは無かったような… 逆もしかりで「携帯持ってない」はひとつの断り文句として通用するようになりもしました。

 “チャンスが失われる”

若者にとっては死活問題。端末が手に入れやすい価格帯になってあっという間に10倍以上の規模となった裏には下心あり。かようにわずかニ、三年で恋愛のルールに大転換が起きたのです。


本作の連載開始が98年1月。構想期間などリアルタイム反映は難しいにしてもすでにNO携帯な恋愛劇はやや時代遅れ感なきにしもあらずなタイミングです。
作者冬目景の生年は1970年。物語の主役が大卒直後のフリーターであって作者とリンクさせるなら92~93年頃と携帯端末勃興前夜の計算になります。原作者が自信をもって世に送り出せる恋愛劇に携帯というガジェットは辞書に載っておりません。単純に消化して落とし込むことができなかったのではないかと思われます。
ディスりではなくて、なんとはなしに肌感覚でNO携帯な恋愛劇を描いた最終世代の作品として貴重なのでは?と思いながらの鑑賞でした。推定'96大卒くらいまでがリアルに感じる恋愛物語と言えましょう。

現在でもやってやれないことはないでしょうが20年も経てば、当時を知る若者は中年/壮年になり恋愛する感覚が追いついていかない部分あるだろうし、リアル若者は取材した上で落とし込む作業が必要なんだろうなあとぼんやり考えてました。
肌感覚でイメージしづらい若人の皆さんでも手っ取り早くどんなものか知る方法はございます。動画とかで『JR東海 X'MAS EXPRESS』のCMをいくつか見てみたらいかがかと。60秒でNO携帯時代の恋愛のクライマックスを垣間見ることができると思います。


時代背景の前フリが長くなりました。作品に戻ります。

 『49%うしろ向き、51%まえ向き』

水前寺○子がニコニコしながら歩いてきそうな大きなテーマがまずはそこにあります。
繰り広げられるのは主要メンバー男2名女2名計4人の恋愛劇で登場人物はこちら↓

魚住陸生(CV小林親弘)
野中晴(CV宮本侑芽)
森ノ目榀子(CV花澤香菜)
早川浪(CV花江夏樹)

主役は大卒フリーター魚住陸生(リクオ)♂。その同級生、新卒で高校教諭の榀子(シナコ)♀。シナコの教え子だったが高校中退した晴(ハル)♀。シナコの実家金沢からの縁、浪(ロウ)♂。で、この狭いコップの中でいろいろやり合うわけでございます。
主役はなんとはなしに“陸に住み生きる魚”よろしく居場所がなく所在もなさげな青年。それでも“野”中や“森”ノ目と陸の上に安住の地を求めてるからなのか苦しんでしまう。そんな印象を受けた序盤です。
{netabare}※早“川”ならラクじゃんと腐女子が鼻血出しそうな展開を想像しかけたがあえてスルーしとく。{/netabare}

作品のキャッチコピーから
主役名からの類推(妄想)から
そして作品タイトル“イエスタディ”から

すっきりせず停滞しそうな物語を約束されたようなものであり、事実そんな感じの全12話でした。12話分を俯瞰するとやや途中の説明不足や強引な終幕を残念に感じる一方で、

{netabare}よくもまぁこの短尺で“恋愛の停滞感”を出せたなぁ…{/netabare}

むしろポジティブに受け止めたい。感心することしきりでした。約束された“停滞”はおそらく原作でも鍵になってるんでしょう。そのへんをアニメスタッフが大事に扱っていることを伺わせるような作り方をされてたと思います。

この褒め言葉としての“停滞”を生んだのは明らかに二点。
7割方は主人公らのパーソナリティ。これはネタバレで各人個別に後述します。こっちがやきもきするような優柔不断な二人が中軸なので話が進みません。
残り3割はツールの不備。先述の携帯端末がないことに起因してます。即時そして直接のやりとりが減るためすれ違いが生じやすくなり、当人らの性格もあいまって話が進みません。


 2%前に進んだ(かもしれない)恋愛群像劇


“即断即決”の2020年代を生き抜く私たちにとって、“すれ違い”や“空白”。行ったと思ったら戻ったりのもどかしさを楽しむタイプの作品です。
現実においてはアニメ作品も放送延期が連発したこの時期。
立ち止まって一呼吸したのは作品や業界だけでなく我々もでした。
奇しくもそんな2020年春クールにて、視覚に頼れず音と想像で空白部分を埋めるラジオという媒体を扱った作品だったり、本作だったりが生き残ったのは偶然ではないのかもしれませんね。
例えば空白部分。画面にも映らなかった会えない時間に彼女らがどんなこと考えてたんだろう?とかを想像しながら、深まってく想いだったり徐々にズレてく想いを堪能できる良作だったと思います。



※ネタバレ所感
以下、当方ゲスモード全開でいきます。Wヒロイン評いってみよー!
不快な表現があるやもなので純粋レビュー止まりならここでブラウザバックすることを推奨します。


■(音無響子+関口さとみ)÷2

誰のことかすぐ頭に浮かんだあなたは立派な大人です。そう榀子センセですね。

{netabare}想い人を亡くしたことが重しになってこじれちゃってるのが共通項。気立てが良くて恋愛経験少ないのも似てるかしら。めんどくさいけどかわいいのが響子さんで鬱陶しいのがシナコさんです。{/netabare}
{netabare}そのかわいいと鬱陶しいを分かつものは関口さとみ成分の有無でしょう。関口さとみ自体の説明は割愛。どうぞ『東京ラブストーリー』をご覧くださいませ。シナコは天然というか自分に素直なだけなんですが、リクオを完全にキープ扱いしてますよね。外形だけみると地雷女以外の形容詞が浮かばない彼女の特徴は以下↓

・過去を引きずり過ぎ
 ⇒まだなにも始まってない相手への一方的な恋心だぜ?
・浪を甘やかしすぎ
 ⇒自分の居場所確保のために彼に言うべきことを言わない
・リクオを都合よく利用し過ぎ
 ⇒そのくせ「私が甘えてるだけなのよ」と本人に言ったりする
・自分からフッたのに怒る
 ⇒そのくせ「私たちそんな関係じゃないから別に」と言わずにいられない
・自分から告ったのに優柔不断
 ⇒なんだかなぁ{/netabare}

この上なく強烈な印象を残すキャラクターさんとなってしまいました。ロクなもんではありません。
…と言いながらかくいう私だったらホイホイついていくと思います。

{netabare}そして、「そんなつもりじゃないの…」とフラれる未来を想像して打ちひしがれるまでがワンセット。
普通の男…と言っても自分基準ですがなんといいますか口説けそうだと勘違いしてアタックしかけるでしょう。作中でも複数回チャンスありました(キリッ)。そこを全く行動を起こさないリクオだから良かったかと思いきやところがどっこい。断言してもいいですが「冗談、ゴメン忘れて」という態度をこちらが取ることができればリセット可能とふんでます。そしてこのテの方々は“まだ脈はある”と匂わせる行動を繰り返します。理由は

 考えてそうでなにも考えてないから

前後の行動の因果関係や会話で投げかけられた言葉の意味を理解できていません。他者への想像力の不足。これまで言い寄ってきた男もいたでしょうが亡者バリアが発動し見切りをつけられたいていの男は彼女の元を去っていって久しい。そのくせ異性の気配がないのはそれはそれで淋しいというのが露骨であり、その感情を整理なり処理できてるようには見えません。バリアをくぐり抜けた親族ロウと優柔仲間リクオくらいしかストックがない。逆にくぐり抜けさえしてしまえば言葉悪いけどちょろいです。あとは「こんなに思われてるんだからしゃーない」と自分を納得させたいだけでしょう。

要は“一線越えて上書きしてしまえばいーじゃん”という思想です。作中でもシナコ本人が自分で決断する怖さから判断をリクオに委ねる意思表示をしてましたがそこに乗ることのできないリクオというのがまた作品の味となってました。

と、これまでボロクソに言いつつされど惹かれてしまうやっかいな女性だと思われます。原作者の方女性と聞いて納得したのですが、シナコは女性のめんどくさい部分を詰め込んだような人。そこが良く描かれてます。このめんどくささってそのまんまめんどくさいんですけど一方でめんどくさいのが好きな人もいるでしょう。私なんかそのうちの一人ですよ。
そんな「いいですよね~めんどくさいの」と言い切れちゃうような某アニメに言わせれば南極向きな性格をしている男性陣はおおいに楽しんだらいいと思います。{/netabare}


■少女漫画に描かれた文脈でしか男を知らない人

誰のことかすぐ頭に浮かんだ人は残念なことに私と思考回路が似通ってるかもしれません。
そう晴ちゃんのことですね。

{netabare}まだJK年代だからいいけど早いうちに軌道修正してねという娘さん。カラスを手籠めにしている女性は古今東西、魔女しか私は知りません。{/netabare}
{netabare}家庭環境から妄想する偏見ですけど男女交際のロールモデルを想像できてないんだと思います。自分の“好き”という感情に直面した時に、まがりなりにも次の段階を想像できているのがシナコだとして、ハルにはそれがありません。
それでいて臆病なシナコとは対極的にハルは行動的です。想像してみてください。イメトレなしで試合に臨んだ時の惨状を。もしくはゴールや落としどころを描けずに商談に臨んだらどうなるかを。ハルのやってるのがまんまこれ。下手に行動力のある分ズレたらズレたであさっての方向に行ったまま帰ってこれない怖さがあります。

 一緒にいるだけで幸せ

彼女の好きになった理由が希薄なこともあるかもしれません。高校中退理由もなんだかよくわかりません。シナコに輪をかけてなにも考えてなさそうなのが彼女の危なさ。地雷臭しかしないでしょ?普通。

と、同じくボロクソに言いつつされどこちらも惹かれてしまうやっかいな女性だと思われます。
ただし理由はしょうもないところ。

 {netabare}好意もたれて嫌いになれるわけねーじゃん{/netabare}

ストレートな愛情表現を“素直”であると好意的な勘違いをしかけますが、彼女と一緒に描く未来が見えません。でも見ため可愛い子に好意もたれたらホイホイついていくスケベ心を私は隠さないですよ。
そんな抗えない下心を是とされる男性陣はおおいに楽しんだらいいと思います。{/netabare}



男二名のめんどくささも書くつもりでしたが息切れしました。野郎二人は中学生です。学校で教師を呼び捨てにしてマウント取ろうなんて高校三年生としては稚拙。黙って○○へ行け! …以上です。

ということでもう一度戻って女子二人。要は二人ともめんどくさくて二人とも魅力的なのです。
出来れば両方ともおつきあいしたいとゲスの極みなことを考えているのは私だけでしょうか。皆さんどの子がいいなぁという視点で観てるんでしょうか。その場合誰が人気あるんだろう?
最後に本作で自分だったらこの娘さんが一番いいなぁと思った人と理由をネタバレで挙げときます。
ズバリ当てたらすごいかも(笑)


{netabare}その子はリクオと4か月付き合ったという同級生の子{/netabare}

{netabare}迷わないですね。キタエリさんが声あてしてた娘です。次点はハルのバイト先のお姉さん。理由は↓

・言い寄られると弱いという自分の弱みを理解している
・そしておそらく経験を踏んで対処の仕方も心得ている(はず)
・育ちが良いので本人が遵守してるかはともかく社会常識の判断基準に世間とのズレはなさそう
・職能を理解しなんだかんだ生活するための目途をつけている
・例えばピアノできるのよ、のドヤ感が一切ない。わきまえてる
・居候先にリクオを選んだ選球眼と行動に移せるメンタリティ
・シナコやハルの様子を瞬時に察してフォローにまわれる観察力
・そしておそらく「一線越えてから考えよう」の割り切りの良さに聡明さを感じる


たぶん付き合ってて退屈しないし、結婚したらしたでしっかりするであろうと思われる。{/netabare}



この物語を鑑賞して思ったのは女のめんどくさいはかわいくて男のそれはどうでもいいということ。
次に主役四人組以外の登場人物はわりとまともだったこと。
あと言い忘れてたけど榀子センセなんかの比じゃないくらいこいつはダメだと思ったキャラがおります。さっき最後と言っといてすみません。断トツでした。

{netabare}そいつは早川父。

「いい加減解放してやれよ」

突き放してあげるのも大人の役割です。

携帯電話のない恋愛劇を懐かしむことのできた方々はこの父親と同年代くらいではないでしょうか。
どこかしら欠落した四人組にあーだこーだとマウントを取ろうとする前に、はたして自分がこんな早川父みたいな大人になってはいないか自省してみるのもよいのかもしれません。{/netabare}



視聴時期:2020年4月~6月 

-----


2020.07.04 初稿
2021.03.07 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 68
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな by与謝野晶子

[文量→大盛り・内容→(大きな愛ゆえの)酷評系]

【総括】
ジャンルは恋愛。青春群像劇。

レビュータイトルの短歌は、「何となく、君が待っているような気がして出掛けたら、花畑に夕方の月がかかっていました」という意味で、このアニメの魅力を的確に表していると思います。

この短歌のように、すれ違って、もどかしくて、ふるくさくて、でも、美しくて、切ない。それが、「イエスタデイをうたって」です。

私はこのアニメの原作漫画が大好きで(多分10周くら読んでるw)、原作に評価つけるなら☆5。だから、「原作の魅力をきちんと出せれば」アニメの評価も☆5になるわけです。

ただ、、、最終話がねぇ。原作好きの私的には、「12話は存在しない」が、正解です(苦笑) 私、11話までこの作品を、「☆5お気に入り棚」に入れてたんですよ?

よって、今からこのアニメを観る方には、次のような視聴方法をオススメします。

①アニメの1話~11話までを観る。②原作を読んで完結させる(出来れば1巻から観てほしいけど、9巻くらいからでも良いです)。③アニメの最終回は一生観ない。

マジこれ、オススメです(笑)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
大事なことなので最初に言いますが、「私は榀子派」です(笑) 地雷女だ全ての元凶だのメンヘラだの言われようが、私は、メンドクサイ榀子が好きですw

でも、だからといってハルには不幸になって欲しくない。最終回、ハルの恋が叶ったことは素直に嬉しい。あのキスシーン(タバコ臭い)は、漫画史に残したくなる名シーンです。

それはつまり、「とてもレベルの高いダブルヒロインもの」ってことです。榀子もハルも悪くない。そう、悪いのはリクオだけですw

というか、私が榀子派なのは多分、「ハルも榀子も幸せになるためには、リクオと榀子がくっつくしかないんじゃないか」って思うからです。

ハルは多分、リクオじゃなくても大丈夫。それこそ、湊ならハルを幸せに出来ると思う(雨宮には無理)。リクオは、ハルでも榀子でも大丈夫。つか、ハルにも榀子にもフラれても、それなりに生きていける。

でも、榀子にはリクオしかいなんじゃないかって思うんですよね。申し訳ないけど、浪くんじゃあ、力不足です。

個人的には、榀子が浪くんと結ばれる未来は全く想像できない(湧くんのことがあるから、逆に浪くんとだけは絶対に無理だと思ってる)。さりとて、どこかの馬の骨にかっさわれるのも納得できない。

ハルにはリクオとくっついてほしい。榀子には幸せになってほしい。そんな矛盾する願いを叶える、私的な解決策は1つ。

「リクオが榀子と一線越えてから、別れて、ハルと付き合う」

これですな。

ハルの幸せは、=リクオと付き合う、なんですが、榀子の幸せは、=前進する、なんですよね。榀子はハルより年上だけど、精神的には、ハルよりずっと幼い。んで、榀子が子供なのはやっぱり、「男性経験がない」ってのも大きいと思うんですよね。変な幻想があるというか、無駄にびびってるっていうか。

かの北方謙三先生は、「童貞は風俗にいけ」という言葉を残しました。かなり乱暴だけど、一部、真理は突いているとも思ってて、「とりあえず榀子は男とちゃんと付き合え」ですよ。心の枷というか、変なプライドみたいなのを捨てた方が、多分うまくいくと思う(現に榀子は、初めての男女交際をリクオとすることで、最終話、少しだけ前進できた)。

ちなみに、この最終話、かなり不評のようで、それはよく分かります。序盤~中盤をかなり丁寧に描いたことで、明らかに尺不足。原作未読組には厳しかったでしょう。

大体、1巻~6巻までの内容を10.5話くらい使っているのに、7巻~11巻をラストの1.5話くらいに押し込むなんて、無理な構成でしょうに。

本来は、(原作ネタバレ){netabare}就職した後のリクオはもっとミルクホールに通い、ハルとの関係も深めていたし、榀子の拒否り具合や二人がギクシャクする感じも、ちゃんと描かれている。その上で、ハルを狙う雨宮という優しい男がいて、リクオにフラれたハルはちょっと流されそうになる。そんな状態が嫌なハルは、岐阜だったに逃げる。それを追いかけるリクオ。{/netabare}

そういう過程を経ての、ラストの駅のシーンに至るわけですよ。しかも、

(原作ネタバレ){netabare} 浪は浪で、莉緒という年上のモデルと頽廃的な逃避行があり、榀子と付き合うなんてことはないです。榀子に関しては、リクオと別れた後、寂しげに笑うカットがあるだけで、その後は不明です。アニメ最終回のように、浪の家に行くなんてシーンはない。{/netabare}

冒頭書いたように、私は榀子の幸せを心から願いますが、アニメの最終回の展開は、絶対にアリエナイ。あの改変はダメでしょ。冬目さんも、榀子の扱いに困ってた(てか、あんまり榀子を好きじゃない)から、許可とれたのかもしれないし、監督の勝手かもしれない(この監督が原作を愛していて、熱量を持って作ってくれているのは感じてて、だから、四人それぞれに結論をだしたかったのだろう)けど、とにかく、「ないわ~」と思った。

私の評価、1話から順に追っていくと、5→5→5→4→5→5→5→5→5→4→5→1ですよ? 最終回でここまで評価下げる作品なんて、過去で一番かもしれません。

いや、実は原作のラストも、自分的には100点ではないんですよ。でも、アニメのラストよりかなりマシ。

アニメ制作陣の皆様、この度は私の好きな「イエスタデイをうたって」という、すでに完結から4年以上経つ作品をアニメ化して下さり、本当に感謝しています。しかも、美しい作画と、素晴らしく原作のイメージに近い声優陣、何の文句もありませんでした。ただ、最終回。色んな思いや事情の上でしょうが、アレはないです。本当に、「画竜点睛を欠く」惜しいアニメだったと思います。
{/netabare}

【余談~ 原作漫画について ~】
{netabare}
本作、「作画」と「声優」に関しては、満点だと思います。

まず作画は、「動画工房、こんなにすげぇんだ」と思いました。原作の冬目先生は、画集を出すほど絵にはこだわる漫画家。ていうか、漫画家というより、絵描きだから、あの人(笑) それを、きらら系や萌えアニメのイメージが強い動画工房が、ここまで描ききるのかと、かなりビックリしました。


声優陣ですが、「自分の中での」イメージは、

リクオ→もう少し低い感じ。
ハル→大体イメージ通り。
木下さん→めっちゃイメージ通り。
福田→もうちょい高い感じ。
榀子→かなりイメージ通り。
浪→もう少し高いイメージ。
杏子さん→イメージ以上。

てな感じ。私はあまり、原作→アニメっていかないんだけど、先に原作を読んだ作品としては、歴代1位の納得感でした。

ストーリーに関しては、11巻を12話だから、そんなに難易度は高くないと思うけど、「原作の空気感」を大切にしているため、「間」をたっぷりとっていました。その分、「ハル×雨宮」「雨宮×みもり」「浪×莉緒」「木ノ下妹×深町」「滝下×葛原」「杏子×クマ」というサブキャラの恋愛(ていうか存在自体)をカットし、メインキャラ四人の恋愛話にしていた。

これも、12話って尺を考えると、英断だったと思う。

これだけ、「間違えずに、原作を表現してきた」のに、なんで最終回で、あんなに間違ったのかなぁ?

本作、2クールでアニメするような作品ではないけど、1クールにまとめられるような作品でもないと思います。許されるのなら、「ReLIFE」のように、「後編」をつけて、15,6話くらいでアニメ化するか、アニメの11話までを12話で描き、「みもりと雨宮、莉緒が登場するところから最後まで」を劇場版でやれれば、名作になったと思います。勿体ない。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆5
作画、素晴らしいね。声も、概ねハマっている。原作の大ファンなんだけど、めっちゃ良かった。空気感が、原作を上手く表現できてる。ただちょっと、ギャグパートの演出がくどいかな。まあ、原作好きはあの地味で暗く変化の少ない空気感が好きだけど、アニメで入る人にはややハードルが高いから、ちょうど良いのかもしれない。

2話目 ☆5
基本的に、シナコが子供で、ハルが大人だからな。内面的には。

3話目 ☆5
半周遅れのランナー。愛とはなんぞや。印象的な言葉だよか。この回のハル、可愛いよな~。

4話目 ☆4
滝下の声も、概ねイメージ通り。この盛り上がりに欠ける回、原作好き以外は楽しめてるのだろうか?(笑)

5話目 ☆5
リクオのカメラ好きは、ここまでにもう少し推しておいた方が良かったかな。なんか、ちょっと作品のテンポが早くなってきたな、この作品の場合、あまり褒め言葉ではないんだけど。ハル、ビールじゃなくてオレンジジュース飲んでる(笑) エンゲージリングのくだりのハル、可愛いよな(笑) 湊、1話で退場か。結構好きなキャラなんだけどな。

6話目 ☆5
ユズハラ、好きなキャラなんだよな。「文化系の妙な色気」は、結構自分の好みを変えた言葉だな。この回の榀子は可愛いんだよな。この二人、怒り方が対照的なんだよな(笑)

7話目 ☆5
ゆっくり、ゆっくり、皆が進んでいく。この作品の醍醐味。

8話目 ☆5
チャンスをモノにできない男(苦笑) まあこの作品、意図的に携帯を排してるかならな。男は働いて、自信を持つことが大事。ハルの言葉に、魚住の理解度という点で負けていることを悔しく思う榀子。無理してって、リクオはダメだな~。ハル、めっちゃ理解力あって、可哀想。

9話目 ☆5
そう、どうなったって壊れないんだよ。そもそもあの発言が重い女(笑) 京子さんは大人だからな~。ハルサンタ可愛い♪ 鉄壁のシナコ(苦笑)

10話目 ☆4
福田嫁、出来る女だな~。これが本当の女子力(笑) クマさんと京子さんの恋愛話も好きなんだよな~。ムーンストーンは「恋愛成就の石」。石言葉は「純粋な愛」「母性本能」「永遠の愛」で、「恋が叶うまで自分を磨き待つ」という意味ももつ。ぴったりですな。深い意味はないし、何で連絡ないのよ? シナコさん、難しい(笑) いけ、リクオ、チャンスだ! 逃すな(勢いでヤッちまえ)! 、、、って、逃すの知ってるけど(笑) ただこれ、最終話までに、まとまるか?

11話目 ☆5
知らない天井(笑) ハルは本当は、謎料理が得意だけどね(笑) 榀子は、男をダメにするな~。小学生だよな(笑) 荷物を落としそうになって、握り直す描写、好きだな。ハルの本音と正論。完全に榀子が悪者なんだよな(苦笑) まあ、カットされてるけど、リクオも結構ミルクホール行ってたからな~。リクオ、ダメだな~。そういうことじゃない。シナコをちゃんと叱らないと。

12話目 ☆1
いや、やって良い改変と、ダメな改変があるでしょ。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 39

82.1 3 ノスタルジーで三角関係なアニメランキング3位
ハイスコアガール II(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (421)
1704人が棚に入れました
少年は好きだった、ゲームが。少女は出会ってしまった、ゲームと。勝利への渇望と、技術の探求心と、個人の自尊心が渦巻くゲームセンターで生まれ、育まれていく友情と恋。友人や家族、そしてゲームキャラクターに支えられ、少年少女たちは強く、大きく成長していった。あきらめなければ無限コンティニュー?ハルオ、晶、小春が挑むファイナルステージの行方は!?

声優・キャラクター
天﨑滉平、鈴代紗弓、広瀬ゆうき、赤﨑千夏、新井里美、興津和幸、山下大輝、伊藤静、チョー、御堂ダリア、中村悠一、植田佳奈、井澤詩織、鈴村健一、寺島拓篤、諏訪部順一、小野賢章、安元洋貴、三宅健太、武虎
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

今観てる

14話までの感想{netabare}
原作未読、アニメ1期は評価高し。
二期スタートだやったー、と思ったら15話だか16話までは1期終了直後に配信されてたもの、らしい。
あれ?じゃあその感想どこに書けば良いんだ?と迷ったけどこちらに書きますね。

13話、相変わらず登場キャラが良いヤツばかりで泣ける、爺やお前両親以上に親してないか?
ゲーセンパートでは奇ゲー推ししてたのにデータイーストが無かったのが気になる、見落としただけ?、
なんでもこの作品は権利関係でグレーな部分を行ったり来たりしてたらしいのだけど…。
14話、うっはw夜ゲーかよ、大丈夫これ、時代は1985以降だよね?
ゲーセンってのはパチンコ店なんかと同じ風営法の対象で、深夜12時以降は営業しちゃイカンとかなんとか(更に東京だと開店は10時から)。
夜ゲーはあくまで友人宅での夜通しゲームの延長って扱い…になるのかな?とりあえずめっちゃグレーゾーン。
参加するには基本一見さんお断りで、もし紹介があったとしても…18未満かぁ、こええなぁ。
作中では上手いことスルーしてるけど無断外泊でしょ、アレ。
実は今までで一番アブない表現だったのかも?


余談
当時はまだ台がネットに繋がってるワケもなく、時限式の隠し要素なんてのは基盤一枚一枚に仕掛けられてた(調べたら「タイムリリース」って呼ぶらしい)。
中には「○時間起動して電源を落とすと一日としてカウント、それで△日カウントすると隠しキャラが出現」なんて数え方のものがあって、上記の風営法に当たるゲーセンでは問題無いのだけど、これが24時間営業のドライブインのゲームコーナってなると話が違う。
まぁ、いつまで経っても隠しキャラが出ないw
逆に内部日数を早回ししていち早く隠しキャラを使えるようにしたゲーセンなんてのもあって、そういうところを探すのがまた大変だったなぁ…という昔話。

余談2
首領蜂はボムを使えば使うほど上限値が増えるというヘンなシステムで、クリア優先だけなら回復ポイントを抑えつつ敢えてボムを使う方が良い。
そうはいってもやっぱスコア気にしちゃうんだよねーw{/netabare}

15話感想{netabare}
ゲーセンが思い切り登り調子でそろそろピークを迎える時期、逆に言えばそれを超えた後の蔭りの予感がチラホラと見え出す時期…。
東亜プランが倒産したのってこの頃じゃなかったっけ。
この後の凋落っぷりを知ってれば知ってるほど切ないというかノスタルジー感が増すんじゃないかな。
実際AOUショーで紹介されたソウルエッジもファイティングバイパーズも「予算かかってそう」系だったり、「家庭用ゲームがどんどん進化していくが、まだまだアーゲードゲームも負けてねーぜ」とヒヤっとする台詞が飛び出したり。
そこに反応する自分が過敏なだけ?
原作未読ですので、本編がそこら辺触れるのかどうか知らないけど…どうなんだろ?
楽しいところばかり追い続けるのも良いけど、だったら1期で止めとくべきだとも思ったり…。{/netabare}

17話までの感想{netabare}
前回の感想が言葉足らずだったのでそのフォローから。
15話まで内容は非常に良かったのだけど、自分だけかも知れないけど作中の時期的に不穏な予感を感じてしまって…正しい意味での二期(16話以降)は大丈夫かなぁ?と余計な心配が湧き上がってしまいまして。
「これだったら1期だけで終わらせといたほうが良かった」ってことにならないでくれよー、と祈るような気持ちだったり。
と、不安が先走って妙な文章になってしまいました。

で、肝心の二期、不安は杞憂に終わった?大丈夫かな??
OPに映るゲームが殆ど格ゲーで、確かに格ゲーに絞る分にはまだ暫くは(新声社が潰れる1999まで?)アーケード業界は安泰…かと。
けどなー、自分は格ゲー全然知らないんだよなー。
なんてことを思ってたら17話、ちょw渋谷会館ww頭と指先が鍛えられるwww
店内の描写がかなり正確(あの暗い階段とか特に)で笑える。
自分がギャラクティックストームが稼動してるのを見たことあるのはここだけですね。
カイザーナックルのジェネラルはbiimの動画でも扱ってるので有名かと、ミカドの動画でも特集やってなかったっけ?こっちが先なんかね?
ダラ外は連射付きかどうかで難易度が段違い、渋谷会館はどうだったっけ…ってなんでキングフォッスルで稼いでるんだw
ABDGLQVが一番簡単だと思う、パズルボブル2は死ぬほどやったなぁ。
というかこの回は妙にタイトー推し。
エレベーターアクションリターンズ・ルナーク・ダラ外・プリルラが並んでるのはある意味壮観。
もうちょっとしたらサイキックフォースでも扱うんだろうか。

先生のリングアウト描写は正にポリゴンゲーのアレ。
フワフワっというかぬるぬるっというか、お前重力と摩擦どうなってんだよとツッコミたくなるアレ。
まさか!これをやるために3Dアニメにした!?
なんて長い伏線なんだー!!!って冗談は置いとくにしても、再現度の高さに爆笑w{/netabare}

18話感想{netabare}
ずんずん教じゃねーか!
一期のピストル大名といい、メーカーが黒歴史にしたがるのをぶっ込むなぁ…それでいてやっぱしゲームdisは一切しないところが凄い。
ジェネラルがラスボスの風格?いやいや単なる設定ミスだよwテストプレイ不十分だっただけだよ?
アルゴリズムのスキを突いた攻略がたまたま「発見」されただけで、当時はクリア不能のクソゲー呼ばわりですよ、タイトーの汚点といってもいい(タイトー汚点多いんだけど)。
で、自分も詳しくないのだけど、ジェネラル倒せる可能性があるのはキャラも限定されてて、作中アキラは不可能とされてるキャラで倒したってことなのかな?
ここら辺ちょっとワカラン、解説あった方が良かったような?
でもって、これは2人で渋谷で夜を明かしたってことでいい…のか?
どうしてもね、色々と思うことがあって愚痴愚痴した話になってしまうのだけど…ってことで畳んでおきます、ただのオッサンの愚痴です。
{netabare}
最近“PSO2ジアニメーション”の感想書いて、「いま一つパンチが足りない」ってことで思い当たることを書いたんだけど愚痴が過ぎるかな?と思ってボツにした文章。

SAOのキリト的行為を現実のネトゲでやったら大問題で…ってか実際にそれで迷惑被った人も多いんじゃないかな?
判断能力の薄い中学生が18禁サイトの年齢認証を通過して「こんなん意味ねーぜw」「余裕だったぜw」とドヤる(※)のと同じノリでキリトごっこをするのが一時大量に居たのも事実、今は知らん。
少なくとも自分がネトゲ廃人してた頃はSAOの登場時人物をキャラ名で使ってる奴とは関わらないほうが良いというのが暗黙の了解で…今は知らん。
良い悪いは置いといてSAOにそれだけの影響力があったのは事実で。
そこら辺考えると、ちょっとハメを外す描写さえも描くことはできなかったのかなー、とつい思ってしまう。

↑ここまでがPOS2ボツ文章、以下がハイスコアガールについて↓

その一方でハイスコアガールが結構そこら辺攻めた内容になってて…マンガ原作の強み?
店からしたら台バン勘弁してくれ・台を蹴るなんてもっての外・夜ゲーは黙っててくれ…または16才未満は夜何時以降は保護者同伴じゃないとゲーセン居ちゃダメだとか、グレーゾーンに迫る描写が多くてヒヤっとする。
原作自体が元々著作権関係でモメただけのことはあるんだろうけど…ヤバいこと描いてあるから面白いとまでは言わないけど、なんだ攻めようと思えば出来るんじゃないか、とは思って。
それと同時に思うのは「まぁあの時代は大らかだったし」と、あくまで過去の世界だから許されてるのかなぁ、とも(JOJOがノーヘルでバイクに乗れてたのもそのおかげ?)。
なんつーかね、もしそういう理由だったら、現代を舞台にした作品がほんっと息苦しいモノしか無くなっちゃいそうでイヤ~なカンジ。


実際に遭遇したことがあるんですけどね。
その場で説教しない自分も大したことない大人だけど、「いやいやそれはあんたのためにあるんじゃなくて、親御さんに向けてのパフォーマンスだから」とは思って。
もしくは「何かあった時は責任そっち持ちな」という保険みたいなもので、その保険がどれだけ効力あるかは不明だけど実際に「何か起きるまで」はその(年齢認証の)存在理由は表に顕れないというか。
(「アニメを見るときは部屋を明るくして離れて見てね」ってのも、あれも保険だぞ?万が一ポケモンショックが再び起きた時に「注意喚起してたしー」とTV局側が言い逃れするための)
詳しくは伊織事件でググれと言いたかったけど…言えないよねー、現実に目の前で起きたら。
まぁぶっちゃけ、やっても構わんけど大きな声で話すな、と。
因みに“俺妹”について調べてみたら、どうやら作品世界は伊織事件より前と設定されてるみたいね、分かっててやってるわコレ、ホント悪質だわ…。{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

TM360 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

グランドマスターチャレンジ

1期からの続き。
大野のねーちゃんのうつけ者っぷりがとても魅力的。
ハルオのかーちゃんも竹を割ったような豪傑で魅力的。
この2人のコンビは良いね。

1期は「ゲームを通じてラブコメ進行」が主な流れだったと思うが
2期に入ると「ラブコメを通じてゲーム史実を重ねる」という逆転が起きてたと思う。
だからといってゲーム部分の描写が疎かになってるという訳ではないから問題無し。

舞台も溝の口に移ったり渋谷会館が出てきたり実在したゲーセンも出てきたね。
あの96年当時の渋谷を描写しててドリンクサーバーがあって寝っ転がりながらマンガ読める漫画喫茶の描写が入ったけどそんなのあったかなぁ?という所が気になった。
カラオケはシダックスというチェーン店があったけどマンガは今のようなチェーン店形態の店舗は無かったような気がする。ネットカフェなんか当然無かったし。
マンガだとどちらかと言うと貸し本屋という形態がまだ残ってたような年代だったかと。
史実を元に描写してるから気になってしまいます。

関西滞在時に登場した10円ゲーセンも本当にあった場所ですね。
確かフェラーリって名前のゲーセンだったと思います。
当時遠征先のゲーセンの場所を知るには伝聞か、タウンページを必死に探すかしか無かったと思うんだけど、ゲーメストの付録で「全国ゲーセンマップ」という冊子を付けた事があってあれはとても有能だったと思います。


気になると言えば唐突に出てきた「そーだよそーだよソースだよ」というセリフ。
これは80年代に流行った言葉で「旨い焼きそばソースだよ」まで続いて1セットになるセリフ。90年代に再ブームが起きたというわけでもないのにどういう意図で差し込んできたんだろう。

物語は終盤の3回くらいは駆け足になっちゃったね。
でも最後は色んなゲームのキャラを画面中に散りばめたり煌びやかで版権の垣根を越えてオールスターが揃った感じが良かった。

物語はここで終わったけどゲームの史実として96年は業界の最盛期だったろうね。99年頃になると格闘ゲームのブームは一度静まり2000年台初頭にギルティギアがカプコン格闘と肩を並べて第三次格闘ブームが始動したという感じ。
続編を描くとしたらどういう切り口になるんだろう。今後があるなら期待。



↓↓↓ 以下おまけコラム ↓↓↓



・90年代のゲーセンに大野さんや小春みたいな女の子は居たのか?問題。

クレーンゲームとかプリクラのアミューズメントを除いて純粋なビデオゲームを遊ぶゲーセンという場に女の子のお客さんが本当に居たのかどうか。
感覚的には100:1どころか200:1くらいの割合だったと思う。
ゲーセンに女の子が居た時点で二度見して開口一番「なんで?」って言葉が出るような時代だったと思う。
だからといって女子供は出ていけ!というヘイトが飛ぶような環境でもないんだけど、大抵はゲーセンのルールを把握しておらずに後ろに人が並んでるのに連コインとかしちゃってそこで嫌われる人が心折れてもう来なくなっちゃうとかそういったパターンがあったのかなぁと。

それと大抵のゲーセンは常に薄暗くてタバコの副流煙が滞留してるのを目視出来るくらい空気も悪いし、そもそもトイレが男女分かれてるなんてゲーセンもなかなか無かったですからね。
女がトイレ行くには男が小便器に用を足してる所の後ろを通って男の“大”用の個室を使うしかないという環境を強いられる場でした。

そりゃゲーセンに女が居るわけないんですよ。

でも女性ゲーマーがゼロだったというわけじゃなく女性ゲーマーはネオジオの方に多かったです。家庭でゲーセンと同じものが遊べるというネオジオは女性ゲーマーにとっての救世主だったろうし、当時のSNKはキャラや演出に関する表現が特に秀でていたのでこれも女性の心を掴みやすかったというのもあると思います。

そんな時代背景なのに当時ゲーセンにキャミィのコスプレをした女の人が来たのを強烈に記憶してて…。メーカー広報の販促かなとも考えたんだけどどうやら一般のお客さんのようで、いざ対戦に座ると何故か春麗を使用して「えっ?」となった感じがとにかく忘れられなくて。(特に上手くは無かった)
だからよっぽど強靭なメンタル持ってる場合そういう人も居た。
今だったらそういうのはすぐスマホで撮られて晒されるだろうから逆に今の時代ほど無いよね。
あの人今どうしてるんだろう…。本当に謎。



・スト2Xである理由

ハイスコアガールの作中でもメインに取り上げられた94年稼働のストリートファイター2X。やっぱりこのゲームが格闘ゲームの頂点だと思います。
操作やシステムが軽快である事もあるが、プレイを見る側もゲーム内で「今何が起きているのか」がしっかりと伝わるゲームだと思う。
それが稼働から30年近く経とうとして、今でも現役でプレイされてるゲームの持つ力です。
あまりゲームを知らない人がこのアニメを見てもちゃんと伝わるものだと思います。

そんなスト2Xも計算し尽されて出されたタイトルではなく時間の無い突貫工事で出されたタイトルであるというのが非常に面白い。

というのも遡って前作のスーパースト2が満を持して登場したが、正直実際の評判というものがそこまでのものではなく、瞬間風速的にライバルのSNK格闘ゲームが人気を追い抜いてしまったという事態になってしまいました。
当時挙がった第一の不満はゲームスピードの低下。初心者に向けて遊びやすくゲームスピードを落としたらそれが大衆の不評を受けて仇になってしまった事。
ライバルSNKのゲームが「龍虎の拳」より採用し始めた一発逆転の大技「超必殺技」に大衆が大ウケしてカプコンのゲームが地味に見え始めていた。
主にこの2点がスーパースト2に足りなかったものとして認識されました。
この問題点を至上命題として可能な限り最速のタイミングで改善版を市場投入する事がカプコンの生命線となり登場したのがスト2Xとなります。
その投入までの期間はおおよそ半年。
そんな余裕の無い突貫工事でそこから30年遊ばれるゲームは誕生しました。

これは開発陣のセンス、意地、そして運にとても恵まれたものだと言えます。
SNKゲームの多くは研究が進む事によってゲームシステムが破綻してしまうタイトルが多かったです。本当にキャラコンテンツや演出が上手くてあの当時の勢いで乗り切ってた感じ。
それに対してスト2Xは研究が進んだ上でバグも見つかったりするけど、ゲームの面白さに作用する前向きなバグになる結果が多く発見されてそれがスパイスになって更に遊ばれるという感じでここまで研ぎ澄まされたという感じ。
これはまさに運です。
製作者の手から離れて一人歩きを始めても未だに製作者が意図したゲーム性の範囲内で楽しく遊べるというのはもう金字塔というべきもので囲碁とか将棋とか、そういったものに一番近い格闘ゲーム。もはやスト2Xも学問のひとつであるという領域まで昇華しそうなくらいです。

そういったゲームがこのようなゲーセンを題材にしたアニメ作品のメインで登場する事はやはり納得という感じです。

ここから「このアニメを見てスト2X始めてみました」って人も出てくるんでしょうか?そういう人が居たらぜひ対戦してみたいですね。そして完膚なきまで叩きのめして欲しいです。そこでやっと次の世代にバトンが渡せます。
今からこのゲームやってみたいという人は「ストリートファイター30th アニバーサリーコレクション」のSteam版を購入するのが良いと思います。オンライン対戦が料金不要で楽しめますしね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ゲームから始まる純愛ラブコメ完結編

第1期からの続きの第2期です。なので、第1期を見ていないと話がよくわからないと思います。
初見の方は第1期(1話~12話)とOVA(13話~15話)の視聴をおすすめします。
OVAのレビューは1期に書かせていただきました。

ゲームが詳しくなくても充分面白く見れてるので、ゲーム好きの方が見るとさらに面白いんでしょうね。
16話のアキラ視点からの導入はうまいなーと思いました。
OP変わったけど、雰囲気似てるから悪くない感じです。
最終話、見終わりました!ラストも原作通りで、すっきりした感じで終わりましたね。でもその後の話もちょっと見たかったなあ、という思いもあって、ネットでつらつらと検索してたら・・
「ハイスコアガールDASH」発表の記事が(゜o゜)な、なんですって!
しかも舞台はあれから10年後で主人公は中学教師になったコハルとか!
コハルびいきの私にとっては朗報でした(*^_^*)
各話のレビューは以下のとおりです。

16話
{netabare}まずは1期の頃のアキラ視点の話から始まったけど、これはこれでアキラに感情移入しやすくなって良いと思います。
奔放な姉の代わりにゴウダから容赦ない指導をされて身も心も疲れ果てるアキラ。
たまらず家から逃げだして街を歩いてるとそこには気になっていたゲームセンターが!
ゲームで不遇な扱いをされてるキャラに自分を重ねたのかな、そういうキャラを使いこなすアキラ。
あ、ここで1期1話につながるんだー。こういう導入いいな。アキラの心の応援キャラはザンギエフなんだね。
いちゃいちゃって何するんだ?って真顔で聞くハルオに笑った。。
コハルは色々あってご機嫌ナナメ。でもハルオの家に誘われて一緒に行くけど・・
そこにはアキラもいて、微妙な空気になるけど鈍感なハルオはお菓子食べてて平気な感じ(-_-;)次回どうなる?{/netabare}
17話
{netabare}重苦しい空気の中、突然始まったアキラとコハルの対戦!
密かにコハルを応援してる私。。コハルが恋敵としてだけじゃなくて対戦相手として純粋に勝ちたいと思ってるとこはいいなと思った。コハルがハルオに対してイライラしちゃう気持ちもなんとなくわかるなー。
コハルとの対戦から、ハルオを目の敵にしてる溝口勢が嫌で、渋谷のゲーセンに来るハルオ。
ハルオの腕が認められて渋谷勢に入っちゃうけど。。コハルとの再戦もある?
ガングロとか懐かしすぎる。。eggとかまだあるのかな?{/netabare}
18話
{netabare}ずんずん教の野望ってすごい名前のゲームだと思って調べたら、本当にあるゲームでびっくり(゜o゜)
渋谷に来たアキラ姉に怒られるハルオ。
でもアキラが寂しい思いをしてるって言われてるのに、ハルオはアキラのしているゲームと対戦することしか考えてないし(-_-;)
渋谷勢と溝口勢の対戦。コハルはすごく強くて、最後にハルオと戦うけど、あっさりコハルが勝っちゃって。。
コハルってホントにハルオが好きなんだね。こんなに思われてるハルオは自分が幸せ者だって気づけよ(-_-メ)
大雨で電車が動かなくなって、お泊りしたいコハルと、タクシーで帰りたいハルオはとりあえずファミレスへ。
コップの水滴を指でなぞったり、足を絡ませたり。こういう演出はコハルの気持ちを表してていいな。
コハルの話をごまかそうと必死にゲームの話をしようとしてるハルオくんかわいい(*^_^*)
朝になって・・コハルの感じだと上手くいかなかったのかな。
ぎゅっとしてと抱き着くコハル。でも目の前にアキラが立っていて(゜o゜)次回修羅場?{/netabare}
19話
{netabare}どうなることかと思ったけど、泣いて立ち去ろうとするコハルをアキラが引きとめて。
帰りの電車でハルオとコハルにアメを渡すアキラ。アキラは夜通しでハルオを探してくれてたんだね。
ハルオと一緒に過ごしたいと思ったアキラは黒服にハルオを拉致させてアキラの自宅に(-_-;)
アキラもコハルと一緒のハルオを見てヤキモチ焼いたのかな。。
じぃの買ってきた大量のゲームをプレイする二人。
お菓子が取れなくなってるアキラに、トレイをさりげなく回してあげるハルオ(*^_^*)優しいなあ。
次の日。コハルを訪ねるアキラ。なぜか一緒にゲーセンに行くけど、対戦ゲーじゃなくて普通に遊ぶアキラ。
次回、二人の再戦ある?{/netabare}
20話
{netabare}アキラと対戦するコハル。
コハルはすごく闘志を燃やしてるけど、アキラはちょっとわからない感じ。
なんとなく、アキラはコハルと勝負というよりも、一緒に遊びたかっただけなんじゃないかな。
ハルオママのホットケーキ食べたい(*^_^*)イチゴトッピングとか美味しそう。
なにこのおじさんのグラビア映像?で笑った(^○^)確かにそう思うよねー。
そしてラストのアキラの表情。。原作読んでるからちょっとせつない。。{/netabare}
21話
{netabare}アキラの思いつめた表情が気になって、なんとなく憂鬱なハルオ。
それをきっかけに、アキラのことが好きなんだとやっと自覚して。
ハルオは大阪のストⅡ大会でアキラに告白しようと思う。
でも・・アキラは今月末にロスに移住してもう日本に戻ってこない・・
古典的恋愛ものの展開ではあるんだけど、こういうストレートなのって最近あまり見ないから心にきますね。{/netabare}
22話
{netabare}新幹線の中の二人。アキラってほんとしゃべらないんだね(-_-;)
こんなアキラと楽しそうに動物数えてるハルオって優しいな。
表情としぐさだけでアキラが何言ってるか解読してくれるし(*^_^*)
ホテルの絵の裏のお札って本当にあるの?でもめくって確認するのは怖いかも(>_<)
結局一緒にシングルベッドで寝る二人・・これ寝れないでしょ(>_<){/netabare}
23話
{netabare}ベッドの中でハルオを見つめるアキラ。
手を握ってきたり、くすぐったり、ハルオを噛んだり。。もうハルオくん好き好きモードでしょ。
でもアキラに何もしないハルオくんって純粋というか何というか(-_-;)せめてキスくらいしてあげなよ。
寝不足だけど、アキラとの対戦を目指して勝ち進むハルオ。
でも・・アキラはなぜか1回戦で敗退・・しかし敗者復活戦で勝ちあがって決勝トーナメントに!
そして準決勝。ついにアキラとハルオの対戦に!{/netabare}
24話
{netabare}試合は僅差でアキラが勝利!
でも、勝って告白しようと思ってたハルオはがっかり・・
大会の後もずっと元気がないハルオ。アキラが遠くに行ってしまうと分かったのもあるのかな。
好きなんだったらうじうじしないで告白すればいいのにって思うけど。。
アキラからあの指輪がハルオに返されて、自分たちの関係は終わりなんだと思い込んでしまって・・
でも、コハルに会って、コハルに背中を押されて、アキラに会いに行くハルオ。
そんなハルオを見送って泣いちゃうコハル。。ここでちょっとうるっとしちゃいました・・
なんとか間に合って、アキラに告白して。。抱き合って涙を流す二人・・{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

68.6 4 ノスタルジーで三角関係なアニメランキング4位
海がきこえる(OVA)

1993年5月5日
★★★★☆ 3.6 (275)
1277人が棚に入れました
高知の進学校から東京の大学に入学した杜崎拓は、吉祥寺駅のホームで武藤里伽子に似た女性を見かける。その後、はじめての夏休みに同窓会のために故郷・高知へと帰省する道中、拓はその高校時代を思い起こす。季節外れに東京から転校して来た里伽子との出会い、ハワイへの修学旅行、里伽子と2人だけの東京旅行、親友と喧嘩別れした文化祭。ほろ苦い記憶をたどりながら、拓は里伽子の存在を振り返っていく。

声優・キャラクター
坂本洋子、飛田展男、関俊彦
ネタバレ

とまときんぎょ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

揺れる十代とバブルの香り

先だって観た「ポルフィの長い旅」の望月 智充監督の作品が気になったので観てみました。

なに?十代の飲酒喫煙シーンがあって再放送の障害となったそうな。そいつはタイヘンだっ!?
高校生がタクシー飛ばしたり飛行機乗ったりと、背伸びした行動ですね。氷室冴子原作で。十代の子が読んで背伸びした気持ちになってワクワクするための原作小説だったのかな?色々とバブルの残り香を感じました。

高知から、お父さんに会いに行く女の子にふりまわされて東京へ。その時の空気でなんとなく大学も東京に決めちゃう。自分たちのいる世界から飛び出て、振り返って見えてくるものを描く恋愛模様と成長劇。

背伸びしている反面、冒頭の学校への抗議のやり取りなどは一昔前の感覚を感じました。コクリコ坂とそう変わらない。
修学旅行中止なら、みんなで夏休み旅行すればいいじゃん〜、とはならないんですね。管理される抑圧への青年の主張になり、その時の気持ちを共有できたのが親友。
親友の気にかけるりかこは自分の抱えた悩み事に精いっぱい。
{netabare}告白されても「あなたみたいに方言しゃべってる人好きにならないわ」なんて。
どういう気持ちなんでしょう。“そんな風に身に馴染んだ自分の居場所があるくせに、私なんかを気にかけるって、同情してんじゃないわよ!わかるもんか!”…ってことかな?
いい語りがあればこの子の魅力はもっと引き出たんじゃないかな。

色々、え?それ、なんで?どういう意味?と一人で物語の肩を掴んで追いかけてみたのですが、返ってくる答えは「何故なら、青春ラブストーリーだから。」という風でした…。素直に爽やかな青春恋愛物語を感じ取れる人には良い作品かもしれません。
例えばよくわからないのが「腹いせに無防備なりかこの水着写真を買ってやった」という…
…今、文字にしたら何となく表現したい感覚がわかった気もするんですが、ジブリテイストに妙に爽やかでスマートな語り口でやられると、え?それ、なんで?っていう気持ちにさせられました。土佐弁はよかったと思います。



高校生の頃、この作品をやたらと熱く語っていた同級生男子がいました。「よし、コレは彼の聖域って事で、別に感動を共にしたくはないな。」という気持ちから観てこなかったのでした。今思うと別段何にも悪い子じゃなかったのですが。
彼にとってこの作品は、自分のいる場所では無いどこかへの憧れ、所属(故郷)のはっきりした場所からの成長への憧れの気持ちを膨らませてくれるものだったのかな、などと今更考えてみました。東京の高校でしたがこの作品にあるようなものはそういえばなにひとつ無かったような。東京に集まってる子供の大半が既に根無し草ですからね。{/netabare}

当時の自分が観ていたらどうだったかとも考えると、もっと近視眼的なことしか興味なかったので、やはり共感できなかったと思います。

この作品の中でも高校生達はみんな近視眼的で、修学旅行の問題も真面目におおごとで、やってきた転校生の意味深な身元も真面目におおごとで、高校生のうちは身近な事がとてもおおごとで…それはわかります。
しかし、時代のチョイスと、会話のニュアンス…ノリがスマートすぎて(方言なのにね。)何か気持が入っていけませんでした。
時間が短い(72分)ので駆け足だから、というせいもあるかもしれません。

現実的な描写なので、そこから排除されている現実にある不具合な要素や、自分の知っている記憶との差が気になって、入り込めないんだと思います。
実際にこの人がいたらどうだろう、この人の選択はどうだろうというすり合わせで観てしまうので、没頭できないのでした。
アニメで感情移入できるかは、リアルな描写であるかには依らないな、というのが不思議なところです。デフォルメされたものでも生々しい感情を触発されることがありますね。
あと、現実的なわりに、大人の存在がおざなりだった気がします。大人のやってる事に影響される十代だけど、近視眼的だから大人の事を捉え切れない、という意味なのかな。



“こういう時女の子はこういうもんでしょ!わからずや!パシーン!なんなんだアイツは!おまえ、なにもわかってないな!ボカッ!”

なにやら、そっけない割に、ラテンの血の気配がするぶつかり合いでした。
すごい喧嘩したあとで熱烈に抱き合いそうな。
(高知はカラッとしてそうだものな)
バブル期の社会自体、ラテンなイメージがつきまといますね。
作品中、主人公はちゃんと髪の毛センター分けで白いTシャツでジーンズに裾いれてる栄作スタイルだし、女の子は女子大生になったら前髪カールさせてタイトスカートをはいてました。うーむ、バブルテイストッ。いや、そんな時代は私は子供でしたよ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 46
ネタバレ

シェリー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

穏やかな海でした。

舞台は高知。大学生になった主人公が(付き合っていたわけではないが)喧嘩別れした一人の女の子を見かけてそれから高校時代を振り返るお話。
少しお人好しだけど芯のある青年「杜崎」、ある一件を境に親友になった「松野」、東京から引っ越してきた人付き合いの苦手な女の子「武藤」。
この3人を中心とする思春期特有の浅はかさや不器用さが描かれた青春物語。


例えば男と女が同じホテルの部屋に泊まった事実というのは
いくら弁解しようとも逆に立場を悪化させる一方で払拭できず、あるはずのない事実を広めることになる。
あったのかもしれないという振り払うことのできない疑念は
人によくない幻想をそそのかすと同時に第三者の胸の内で期待を膨らませます。
あいつは誰が好きで、誰が嫌いで、そんなことを一言言うだけで波紋を起こすような「大人」になれない彼らのもどかしさはすごく身近に感じられました。
「こどもは残酷だ」なんて言われるのと同じように振り返って考えられるときにこのころの偏狭な精神やわだかまりというのは自分を理解する上で、また進み続ける時間の中に存在する僕らにとって反省と馬鹿馬鹿しさあまりの笑いをもたらしてくれます。
とても大切なものです。

この映画はいつまでも大きな盛り上がりを見せることない常に平熱な映画です。
ですが、画や音楽がその構成にマッチしていてとてもいい雰囲気を出していますし、途中で飽きることもありませんでした。

海が聴こえたのかどうかは別としても僕の好きな映画の一つです。

{netabare}

本作では原作の一部分をカットして映像化されました。(他にも少し違うところはいくつかあった)
その一部分というのは、ちょっときつすぎる武藤の内面を、杜崎が他の人を通して知るといったところです。
(上の表現が正確かどうかはちょっと自信がないですw)
だから映像作品だけだと武藤のことは少し嫌な奴にしか見れないかもしれませんね。
でも僕は、他の人にも言えることだけどそういう彼女の人として未熟なところをこの作品では表現されていてそれによってもたさられる共感と教訓がなによりもの魅力だと思います。

「海が聴こえる」に対しどう応えるかはあなた次第。そんなの原作読んだってピンとはこなかったw
ただおそらくで申し上げるならば、僕はこの「海が聴こえる」の「海」は杜崎が武藤に恋している気持ち、
つまるところの実際には聞こえない、聴くことのできない心の声のようなもののメタファーだったのではないかと思いました。
なぜそう思うのかというと、海というのは僕たちが目にしていないときでも絶えず動き続け波を起こし続けます。
それは岩を削り、砂を運び、ときには手紙の入った瓶を乗せて、
またあるときには使いようの無い流木を死に場所へと運びます。僕たちが知らないうちに。
ずーっと前から鳴っていたはずの汽笛に気付くことができず、目の前の列車を何度も見送ってきてしまったように、
自分の本当の気持ちを、その波の音を正しく聴くことはできなかった。どうしても素直になれなかった。
上記にも書いたようにそういった若さゆえに上手く生きることのできないもどかしさのようなものが彼らを通して描かれ、
その上で成長することの意味とひとつ大人になることをこの本で語っていたのではないかと思います。
少し前に読んだのでうろ覚えではありますがこんな感じです。(言い訳w)

そんな中で映像作品では実際に海に行ってしまっていて、可視化されているんですね。
これはどうなんだろう(笑) でもほんとうに海のシーンを一回も出さずにこれを作ったらそれはそれで問題になりますねw
夢や非現実を通せばと思ったけれどもこの作品には合わないし、と考えるとこれで良かったのかもしれません。
腑に落ちたわけではないけれどw
良い作品でした。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

明日になればなんとかなるさが青春。そんな明日は来ないことが分かるのが大人。

この作品は、子供の頃に観たことがありますが内容は全然覚えていませんでした。
たぶん、登場人物よりも年齢が低かったせいか全然響かなかったのだと思います。

今回観返して当時思いもしなかった感情が詰まっている作品だと分かりました。
つまり、青春です。

青春を題材にした作品は、観る年齢によって感じ方が違います。
幼ければ、子供の頃の自分のようにまだよく分からないで終わってしまいます。
青春まっただ中であれば、そんなの普通のことだよって感じるでしょう。
しかし、青春って時期がとても貴重なものだったと気づいてしまった今、
なんとも切なくなります。

青春の恋っていろいろな形がありますよね。
とにかくその人しか見えない一直線の恋。
好きなんだけど、一歩踏み出す勇気がなくて、結局終わってしまう恋。
当時は、自分の気持ちにも、相手の気持ちにも気づかない友達止まりの恋。
振り返って初めて恋だったと気づく、友達でも恋人でもない微妙な関係性です。
そんな二人の間に起きた出来事は、特別な何かって感じで記憶に残ります。
この話もそんな感じです。

この話は、大学生になった主人公が当時のことを回想しながら進んでいきます。
主人公が高校2年の夏、可愛い女の子が転校してきます。
しかし、その子は、クラスのまわりの子と馴染めません。
主人公とも特に接点はありませんでした。
そんな中、修学旅行先で主人公は、その子からある相談を持ち掛けられました。
これをきっかけに二人の話が恋愛ではない方向に急展開していきます。

主人公は回想の中で、その子と一緒に他愛もない会話や景色を観ることを
「したかったんだ・・・」と気づいていきます。
と、同時に、当時のその子との多くはない会話が頭に浮かんでは消えていきます。
主人公は、それが青春だったと気づき始めます。
そして、ちょっとずつ大人になっていく、そんな時期のお話です。

主人公は、当時、友達とも喧嘩をしてしまいます。
でも親友なので、きっと明日にはいつも通りに戻ると思っていました。
でも、実際は、そんな明日は来ませんでした。

きっと青春って、実現したいことの多くは、
早ければ明日にも、遅くてもそのうち実現するものと思っていたことでしょう。

明日になればなんとかなるさ。そう深く考えないのが青春です。
でも実際は、そんな明日は来ないことが分かるのが大人です。

そう思うと、青春って時期は、良くも悪くも
その一瞬一瞬を一生懸命生きていた幸せな時期だったんだとつくづく思います。
大人になると、変に先々のことばかり考えてしまいます。
今を楽しめていない自分に気付きなんともやるせない気持ちにもなったりします。

よく「青春を謳歌せよ」と聞きます。
しかし、青春まっただ中の子には、正直、それは響かないと思います。
だって青春って終わって初めて、それが青春だったと気づくのですから。

この作品も大人になってしまったからこそわかる、そんな気がするのです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ページの先頭へ