ドリフトでハチロクなおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのドリフトでハチロクな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月27日の時点で一番のドリフトでハチロクなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

76.7 1 ドリフトでハチロクなアニメランキング1位
頭文字D [イニシャルディー](TVアニメ動画)

1998年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (497)
2730人が棚に入れました
北関東の名立たる峠道を舞台に、本来ならば「若葉マーク」である筈の主人公、藤原拓海が父親の愛車、AE86型(ハチロク)スプリンタートレノを駆り、誰の目にも圧倒的に速いと思える車を相手に対等な勝負を繰り広げ、“公道最速”を目指す。

声優・キャラクター
三木眞一郎、石塚運昇、岩田光央、川澄綾子、西村知道、矢尾一樹、高木渉、子安武人、関智一、檜山修之、藤原啓治

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

【アニメにおける自動車の表現を根本から変えた歴史的大傑作!!!】

日本のアニメやマンガとモータースポーツの相性は実は結構良くて、古くは『マッハGoGoGo』『よろメカ』『F』『サイバーフォーミュラー』『レッツ&ゴー』・・・とまあ歴史を辿るだけでも数々の名作が生まれてます
ところがこの作品が当時手間ばかり掛かると限界が見えてきていたセルアニメにおけるモータースポーツの表現を根本から覆すことになるんです
かくいうオイラもこの作品には人生観そのものを大きく変えられた一人です


原作は『バリ伝』でお馴染みの“しげの秀一”が1995年から週刊ヤングマガジンで連載していたマンガ
本来なら若葉マークであるはずの高校三年生の主人公が父親から受けた非合法な特訓で天才的なドライビングテクニックを開花させる
そして当時既に15年落ちだった旧型車、通称「ハチロク」を駆って夜の峠道で最新鋭スポーツカーを相手に公道バトルを繰り広げるという俗に言う【走り屋モノ】
後々続く長編シリーズの第1期が今作、通称『First(1st)Stage』です


複雑なカメラワークや流れる沿道の背景を毎週のテレビアニメで表現可能にしたのはずばり【自動車の走行シーンをフル3DCGで表現】するというかつてない試み
当時、連続テレビシリーズで3DCGなんてあまりにも贅沢・・・いや無謀とも言える挑戦でしたがこの作品は見事にそれをやってのけました
そして疾走する自動車の表現=3DCGという今日のアニメ界では常識とも言える構図を完成させるまでに至ったエポックメイキングな記念碑的傑作と呼べるでしょう


また音楽レーベルのavexがアニメ事業へ参入した記念すべき第1作目でもあり、同社のダンスコンピレーションアルバム「SUPER EURO BEAT」シリーズの楽曲を劇中BGMに採用するという試みも斬新でした
当時パラパラブームを目前に控えていたものの、ユーロビートという世界的に観れば実にマイナーなジャンルの音楽の知名度を押し上げたのは今作の力もあってのものです
特に第5話のバトル決着直前に流れる「HEART BEAT」のイントロによる演出は必見
後のシリーズでもGT-Rの象徴として使われる「BACK ON THE ROCKS」や庄治慎吾のテーマこと「DANCING」のような強烈なインパクトを残す演出も素晴らしい
第1話の最初と最終話の最後は必ずDAVE ROGERSの楽曲が来るというシリーズを通して観るとよくわかるセオリーが既に築かれているのにも注目してほしいですね
主題歌を手掛けたm.o.v.e=アニソンという構図も今作が始まりです


ちなみに今ではあまり話題になりませんが2000年の『はじめの一歩』に破られるまでは最高視聴率3.8%という深夜アニメとしての記録を持っていました
この事からも今作が当時どれだけ注目されていたかがわかると思います


それにモータースポーツモノ、青春モノとしてのストーリーの完成度もシリーズ中屈指の出来栄えでして、基本的に5話で1つのエピソードが完結するようなキレイな構成になっています
1~5話 VS FD3S編
6~10話 VS R32編
11~15話 VS EG6編
16~20話 VS シルエイティ編
21~26話 VS FC3S編(+妙義遠征編)
合間合間に恋愛や笑いを挟みつつ全26話
後のシリーズでは原作の細部をカットするような“マイナスの構成”をとっているのに対し、この第1期だけはアニメオリジナルエピソードを加えるなど“プラスの構成”をしているのも特徴
自動車に興味の無い方にも、この第1期に関してはオススメできますb


お話そのものの特徴としましては、「走り屋」と呼ばれる非合法公道バトルを繰り広げる若者達の姿を【究極まで美化してる世界観】が本作特有のポイントといえます
この手の「走り屋モノ」では、少なからず非合法であることをチラつかせて走り屋とはあくまでアウトローな存在であるってことを提示するものなんです
『サーキットの狼』の“池沢さとし”ですらやってます
ですが今作はそーゆーの一切やってないのです(笑)
こんなにも走り屋が受け入れられる世界があるわけ無いのですが、今作では本当のモータースポーツならば成立し得ない【自動車の異種格闘技戦】を実現させるということに注力しているので、公道バトル=無差別級レースとして誰もが黙認
だから走り屋を否定する人なんてのも出て来んのです


それと今では当たり前になりましたけど徹底したロケハン、というのも当時のアニメとしては珍しかったですね
物語の主な舞台となる群馬県渋川市の伊香保温泉街などは原作でもかなり細かく描写されている為、アニメも其れに習っています


さて、やはり3DCGというのは日進月歩の技術でして、残念ながら特に今作のバトルシーンは今観るとツッコミどころが満載だったりします
(セルDVD化の際に音響面などはだいぶ修正されましたが・・・)
そもそも3DCG以外の作画や手描き背景がアナログだったため、人物と自動車の合成が出来なかったという問題点もありました
2002年に発売された『BATTLE STAGE』という総集編では3DCGを一から全てリメイクするなど今作への思い入れはスタッフも大きかったようですね

投稿 : 2024/11/23
♥ : 22

まーぽん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

秋名最速!

現在のCG技術からすると背景と車の合成の未熟さに
かなりビックリしますが、けっこう熱くなれる作品。
私は車の事がまり詳しくないのでどうしても
人間模様に目がいってしまいがち、印象に残っている話は
池谷先輩と真子ちゃんの峠のシーンですかね。
池谷!逃がした魚は大きいぞ!!勿体無い。
それと、拓海がエンジンブロウしてしまって
おやじが迎えに来るシーンはグッときたなぁ~
文太かっこエ~。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 9
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

あの夏を駆け抜けた、秋名の下り最速伝説!

しげの秀一氏の原作コミック(完結)は40巻辺りまで読了。

愛車で峠を攻める走り屋の無謀な生き様をとことん美化し、
多くの若者を峠へ、そして{netabare}板金7万円コース(笑){/netabare}へと誘った金字塔。

アニメ版一期の本作もレースシーンにて、3Dグラフィックで構築された車を走らせ、
アニメにおけるCGの地位向上に大いに貢献しました。

加えて〝聴き"逃せないのは、バトルで多用された、
ユーロビート等のダンスミュージックの数々。

制作に関わった音楽会社エイベックスはダンスミュージック等で
90年代の音楽シーンを席巻し、一見、成功したかに見えます。

けれどクラブやイビサ島で踊り狂う欧米のダンス音楽文化の
日本での定着を狙った活動は必ずしも振るわず…。
エイベックスが手がけた、或いは輸入したダンスミュージックは
ロックのような永続的市民権は獲得していないように私は思います。

それだけに、エイベックスが本作サントラの一定の成功を通じて、
アニメファンにもダンスミュージックを広める
土台を開拓したことは大きな出来事だったと思います。

その後も、日本のダンス音楽シーンは
日本人は笛吹けどろくに踊らない有様なのに、
トランス等は二次元世界でしぶとく生き残るという、特異な発展を遂げますが、
本作はこうした音楽史を語る上でも欠かせない作品だと思います。

ウンチクはさておき、本作のユーロビートとレースバトルの融合は圧巻の一言。
さらにそこに交錯するエンジン音、ブレーキ音、スキール音。
そして…キンコン音!
そして…{netabare}なりゆきでハチロクの後部座席にて、
即席バランサーに仕立てられたイツキの絶叫!!(笑){/netabare}

くぅぅぅぅーーー!シビレるぜ!!(≧∇≦)b

ライバルを演じたキャスト陣も高橋涼介役の子安武人さんを筆頭に、
ボイス、セリフ共にキザ度マックスでバトルを盛り上げます(笑)

原作者が休載しがちになり、バトルが間延びした後年とは異なり、
この頃はスキール音だけでなく人間ドラマもしっかり楽しめます。
特に{netabare}池谷先輩の失恋の件は、ろくに恋愛物を見ない私にとっては、
とても印象的な失恋シーンとして深く脳裏に刻まれていますw(苦笑) {/netabare}

私にも、溝があったら落としたくなるなど
多くの〝悪影響"をもたらした忘れ難い一作。

一期目は特に暑い季節に多くの人にオススメしたい鉄板作品。
但し…{netabare}失恋したばかりの人は観ない方がいいと思いますw{/netabare}

投稿 : 2024/11/23
♥ : 15

61.8 2 ドリフトでハチロクなアニメランキング2位
新劇場版『頭文字D Legend1-覚醒-』(アニメ映画)

2014年8月23日
★★★★☆ 3.6 (71)
379人が棚に入れました
「頭文字D」は天性のドライビングテクニックを持つ藤原拓海を主人公に、公道最速を目指す走り屋の若者たちを描く物語。新劇場版は3部作として制作され、監督を日高政光、脚本を関島眞頼、音楽を土橋安騎夫、アニメーション制作は3DCGに定評のあるサンジゲン×ライデンフィルムが手がける。

声優・キャラクター
宮野真守、中村悠一、小野大輔、白石稔、内田真礼、平田広明、土田大、諏訪部順一

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

「土曜の夜、あのクルマで赤城最速とかほざいてるガキを軽くひねってこい」 19年の時を経て遂に完全なアニメ化! 名作の再誕である!

いわゆる「公道バトル」を題材にした作品としては最も知名度が高く、かくいうオイラも中学生の時にこの作品に出会い“根本的な人生観そのもの”を変貌させてくれた作品です
度重なるアニメ化、そして2013年の原作完結
しかし超人気シリーズの肩書きに恥じることない【完全なアニメ化、究極のリブート】を成し遂げてみせた“新劇場版三部作”の第一部です


改めてこのシリーズの人気ぶりが伺えるのが、観客の実に半分が40代以上の男性
普段アニメ映画等まじまじと観ることも無いであろうオジサンだったことです


原作で言えば95年連載開始当初のコミックス第1~2巻
アニメで言えば98年放送の通称『1stSTAGE』の第1~5話
所謂『VS FD3S』編だけを最新の映像技術と新しい解釈で見事に62分の映画にしております
基本構成や大まかなセリフ等は原作通りですが時代背景を少しだけ現代寄りに修正して携帯電話が頻繁に登場していたり、登場人物のファッションもお洒落に直されています
(それと3部作がシリーズ後半を描かないことを示すかのように「なつきパパ」がオミットされました)


アニメ化される度に入れ替わるスタッフについては、初代『ポケモン』の監督で知られる日高政光が起用され、トゥーンシェードやコマ抜き等でCGアニメのアンチハイテク化を第一線で実践してきたスタジオであるサンジゲン&ライデンフィルムが制作しております
また、自動車の音の収録などに携わっていたプロドライバーの土屋圭一と氏が編集長を勤めるホットバージョンが抜けて初音ミクGTなどのグッドスマイルレーシングが監修に携わっています


今回とにかくこのCGが凄い
これまでのアニメ化では無機質な自動車が当然の如くCGで描かれることで“メカっぽさ”が強調されていて、それがまたこの作品の味でもあったのです
が、しかし!
今作のトゥーンシェードの技術はこれまでとは全く別次元の代物であり、完全に作画に溶け込んでいて「手描きなのか?」と疑うレベルの完成度です


コレに加え原作者、しげの秀一の作風でもある走行する自動車の微振動や気迫を伝える無数の小さな効果線
空気中に漂う塵を示すインク汚れのような無数の点
それとドリフトする駆動輪から後方に放射される白煙や時間差で地面から噴き出す衝撃波


これらエフェクト類を見事再現することによって15年以上続くアニメシリーズの歴史においても今回初めて“まんましげ秀の絵が動いている”という感動的快挙を達成しています
オイラがしげ秀が同ジャンルの他の漫画家と一線を画す理由は何よりその【圧倒的画力】にあると思っているのでこれは素晴らしいことだと思いますね
(ちなみにしげ秀と楠みちはるの二人は絶対にアシにクルマを描かせないらしい、自分で描かないと気が済まない漫画家はこの二人だけ)


スタッフと一緒に今回初めてキャストが一新されたのが大きな話題となっておりますね
(中村悠一さんと勝杏里さんは別役で出演されたこともありますが)
全体的に“若返り”が図られており、同時に放映当時から作品のファンだった世代へと橋渡しがなされたようです


これに関してはぶっちゃけオイラも前キャストの声が耳に染み付いております
それに前キャストになんの断りもなく、秘密裏にオーディションが進められたという新キャストのキャスティングは、正直やり口がよろしくないと思っておりました
そんなオイラの心配も他所に新キャストは独自の世界を形成していき、特に拓海役の宮野守、文太役の平田広明は素晴らしい
そしてなつき役の内田真礼、エロい!w
いくらなんでもこのなつきはエロ過ぎる!w
具体的なエロ描写は無いのにまーやタソの演技だけで完全なエロキャラに回帰してるなつき!必聴ですよw


そして何よりも拍手を送りたいのが音楽と音響です
旧シリーズではバトルシーンに『SUPER EURO BEAT』が挿入されるのが特徴でしたが、今作ではCLUTCHOをはじめとするミクスチャーロック系のバンドサウンドが随所に使用されており、どちらかといえば2005年に香港スタッフで制作された実写版に近いバトルシーンになっています
今となってはユーロビートに新鮮さは感じませんし、疾走感溢れる選曲にこの選択は大正解だったと確信しましたね


新たに収録がし直された自動車の走行音は劇場の音響で堪能すると迫力あってこれまた素晴らしい
旧シリーズもその点は頑張ってましたが今回は特にアツい拘りを感じました
FDがゼロ発進する際の「ぶぉん、ぶぁらららら・・・」って音が!ロータリーサウンドが!すげぇ!ホントにFDだ!とw







でも河村隆一のEDは要らない気がするんですがね(爆)


ついでにこのスタッフで是非『湾岸ミッドナイト』もリブートしてくれないすかね???(´・ω・`)

投稿 : 2024/11/23
♥ : 23

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

聖域のカルナバル

原作と先行作は未見。


何とも懐かしい気分にさせるアニメだ。

懐かしさの源は、登場する旧車に由来するものではない。四輪に興味なく過ごしてきた者にとっては、これらの車さえ「最近の」車種に感じるくらいなのだから。

原作マンガの連載が開始されたころには、このような「ハイスピードで車やオートバイを走行させる」ことが自己実現に直結して疑いをもたれないマンガやアニメ作品が多数あったな、と思い起こさせるからだ。

経済誌などで「若者の車離れ」といった記事が時折見受けられるが、高性能車の生産数や売れ行きからすると、その種のマンガの衰退にも一定の根拠があるかもしれない。
その意味では、高速走行の「価値」について自明のものとして疑問を持たない「走り屋」に対して、今一つ納得がいっていない主人公の序盤の立ち位置は、現代では、導入として有効に作用しているようだ。

彼等の信じる高速走行の「価値」は、限界のスピードを求めて究極には死へと行きつくだろう危険な領域へ不可避に引き寄せられる、精神分析的な「享楽」や「死の欲動」と関係づけて見られることが多いようだ。
それは「若い者は危ないことが好きだから」といったドクサと重ねられて納得しやすく感じられるが、幾多の「走り屋」もののフィクションが大量の読者に支持されていた理由としては、少し不十分に感じられる。

確かに、かつての「走り屋」ものの背景には、高性能車が一定数売り上げていた事実があるかもしれないが、それでも当時の読者のすべてが高速走行を実践していたわけではない。

現実にはファミリーカーで安全運転する、さらには免許を持たない年少の多数の読者が、それでも「走り屋」ものの作品を支持していたのは、「高速走行の享楽」以前に、さらに根源的な欲望、乃至は志向を、広く共有していたためではないかと思える。

そう、車やオートバイを、手足のように「自在に操る」、という志向が老若男女を問わず共有されていたのではないか。
特に若年の男子にとっては「運転が上手」というのは異性への大きなアピールポイントであったように記憶しているが、これは女子にとっても「自在に操る」志向が共有されていたからこそアピールとして有効であった為だろう。

本作のようにハイスピードでのバトルが主として主題になるのは、「自在に操る」という要素が、高速走行という領域ではより先鋭に現れてくるためだ。

この志向は、自動車の「力」を自分のものとして一体化したい、という欲望に根拠づけられている。
高速度で長距離を移動する「力」は、移動する行動の「力」であり、思うままに移動する時間的な「力」でもある。
これらの力を取り込むことによる、「自由」の拡大への欲望が、車への欲望の原点だ。

例えばオートバイに乗り始めた高校生は、行動範囲が劇的に拡大する。成人から見ればなお小規模な範囲とはいえ、通学経路とその周辺という生活圏とは無縁の場所へ容易に到達することができる「力」は、乗る者と乗らない者で、可能な行動圏に100km単位での差を生み出す。

四輪ともなれば「誰かと共に」移動する「力」がさらに加わるだろう。

主人公が、同級生の少女と海へ出かける事で車の「力」をぼんやり自覚するエピソードは、やがてハイスピードのバトルへ向かうであろう決断が同根源的だと暗示する、実に巧妙な描写となっている。

晴れ舞台ともいえるバトルのステージが「峠」であるのも、二重三重の意味で暗示的だ。

終幕、激しいダウンヒルの最中、主人公は集まったギャラリーの熱狂ぶりを見て「走り屋」の世界へ踏み込むことをぼんやりと受け入れる。
傍目には限界ギリギリに見える高速走行の中、ミラーに映るギャラリーに視線を止めて物思いにふける描写は、主人公の余裕とその天才性を巧みに表現するものだが、それだけにとどまらない。

通常、「通過する」場所である峠は、そこを目的地として公共交通機関を使って到達することが困難な場合が多い。
不可能ではないだろうが、極度に時間的な制約を受けるのは間違いないし、場所によってはやはりどうにもならないことさえある。
まして、夜中ともなれば。

そう、主人公が目にするギャラリーがそこにいるためには、彼ら彼女らもまた、車に乗っていることが必要なのだ。
車という移動の「力」を持つ=行動の「自由」への志向を持つ者でなければ、その場に立つことはできない。

こうして「ハイスピードで車を操作する」者たちを中心に、同根源である志向を共有する者が、いや、共有する者「だけ」が選別されて集うことのできる真夜中の「峠」という場は、一種の聖性を帯びることになる。
客観的には単なる違法走行会である「バトル」は、この「聖域」においてタブーを侵犯する「祝祭」として昇華され、集った者たちの情熱が蕩尽されてゆく。

この聖域の祝祭としてのバトルが共有されていたからこそ、かつての「走り屋」は高速走行で自己実現し得ていると疑わなかったのだろう。

本作は二重三重の暗示を重ね、その「祝祭」性を巧妙に表現しているといえる。



若者の車離れといった記事がどれほど妥当なものかはわからないが、現代でこのような「祝祭」は共感されるのだろうか。
それとも違法走行会に過ぎないと、その志向は理解されずに醒めた視線が向けられるのだろうか。

いずれにせよ、まずは多くの視聴がなされなければ判る事ではないだろう。

当代の人気声優たちの吸引力に期待したい。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

新規ファンも増やすチャンス

 攻殻機動隊ARISEシリーズでも同じ問題がありましたが、個人的には今作も頑張っていたと思います。もちろん前の声優さんへの思い入れはかなりありますが、ほぼスムーズに交代が果たせていると思います。「あのキャラクターはあの声優さん以外ありえない」と思っていた登場人物でも、案外受け入れることができました。

 その声優陣の中では、高橋啓介役の中村悠一さんの演技がダントツで素晴らしかったです。前任の関智一さんによる細かい感情の揺れ動きも半端ないものがありましたが、それに匹敵していると思います。あと内田真礼さんも、茂木なつきのウザさ(笑)を上手く醸し出すことに成功していると思います。

 そしてこの作品最大の関心事である車の描写ですが、非常に面白いものになっていました。今まで以上に2次元との馴染み度が増していると共に、原作漫画独特の表現が上手く使われているなと感じました。少しジョジョアニメっぽい(笑)!?

 あと地味に気が付いたことは、スマートフォンが出てこないことです。これは多分、スマホでバトルを動画撮影できてしまうと、頭文字Dという作品の根本的なバトル演出が変わってしまうからなのでしょう。あくまでバトル状況は、携帯電話の音声情報のみで把握するというわけです。

 Legend2以降も期待が持てそうです。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

67.7 3 ドリフトでハチロクなアニメランキング3位
頭文字D Fourth Stage(TVアニメ動画)

2004年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (203)
1202人が棚に入れました
『頭文字D Fourth Stage』 は、「頭文字D」シリーズの第4期作品。
公道において自動車を高速で走行させることを目的とする走り屋の若者たちを描いた作品である。1995年の半ばから、「週刊ヤングマガジン」(講談社)にて連載。
【ストーリー】北関東の名立たる峠道を舞台に、本来ならば「若葉マーク」である筈の主人公、藤原拓海が父親の愛車、AE86型(ハチロク)スプリンタートレノを駆り、誰の目にも圧倒的に速いと思える車を相手に対等な勝負を繰り広げ、“公道最速”を目指す。

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

プロジェクトDが始動。少し詰め込みすぎた?

いよいよ、群馬最速チーム
(と言ってもレッドサンズに拓海が入っただけ)
プロジェクトDが始動。
最初からレースシーンを持ってきたかった為か、
そのアプローチ(拓海のプロジェクトD加入)シーンなど、
涼介と拓海の心も葛藤部分などが
はしょられているのが少し残念だった。
このステージはガチガチの藤堂塾を皮切りに
藤堂塾の卒業生でプロレーサーとのバトル。
そして、普通の走り屋の域を超えた
中年二人「ゴッドハンド」「ゴッドフット」とのバトルと
見所十分。

個人的には少々バトルを詰め込みすぎた感がある。
これだけの内容なら、そこまで詰めすぎなくても
藤堂塾ヴァージョンだけでも十分だったのでは、、、
事実、啓介パートのバトルは削られているし
製作側は何を焦ったのか?
もしくはスポンサーの意向?

投稿 : 2024/11/23
♥ : 3

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

FD3Sは美しい!!

頭文字D第四期。シリーズ第二部。

1995年"しげの秀一"による日本の漫画を原作に作られた。
「エイベックス」の"アニメ制作事業"新規参入第一弾作品。
今のところ1期の1998年から2013年5月10日"5th"

第一部。
第一期。1998年放送開始のTV版アニメシリーズ。全26話。
第二期。テレビシリーズ「頭文字D Second Stage」全13話。
第三期。2001年劇場版映画「頭文字D Third Stage」103分

第二部。
OVA「頭文字D Battle Stage」
OVA「頭文字D Extra Stage」
第四期。テレビシリーズ「頭文字D Fourth Stage」全24話
OVA「頭文字D BATTLE STAGE 2」
OVA「頭文字D Extra Stage 2」
アニマックスPPV「頭文字D Fifth Stage」
実写版。キャストは日本/香港/台湾等若手俳優を起用。

Third Stageの続編。

藤原 拓海(声-三木眞一郎)は走る事の意味・・漠然とだけど
プロのドライバーを目指す。

その為高校卒業後は運送会社で働きつつ「赤城レッドサンズ」
の"高橋 涼介"と共に、各地の峠で遠征バトルを繰り広げる
チーム「プロジェクト.D」の本格的な活動を開始する。

ホームページで公募して挑戦を募る大胆な「プロジェクト.D」
ヒルクライムは"高橋 啓介"(声 - 関智一)FD3S RX-7 Type R
ダウンヒルは"拓海"のAE86パンダトレノ藤原豆腐店仕様SP。
2台の車に3台のサポート用ワゴン車でプロ顔負けの体制。


セブンスターリーフが参戦!先ずはダウンヒルバトル。

末次 トオル(声 - 中村大樹)
NA6CE ユーノス・ロードスター S-Special

「一番大事なのは車の運転を楽しむこと」という信念。
コーナーを慣性ドリフト抜ける「カミカゼ・ダウンヒラー」
彼女から借金してまで車に金を注ぎ込む。引退を賭け勝負。

パワー勝負のヒルクライムには高橋 啓介が挑戦を受ける。

川井 淳郎(声 - 佐々木誠二)
ER34 スカイライン クーペ 25GT-TURBO


※基本勝気で言葉や素行が荒い傾向のある人も出るけど・・
徐々に"走り屋"と"族"の雰囲気の違いも明確になってくる。

車が好きで好きで!という車弄りや運転が好きでたまらない
人が視てもう~ん!という楽しみ方のできる内容に感じる。

東堂(声-土師孝也)「東堂塾塾長」ショップ「東堂商会社長」
東堂塾=ホームコースは塩那道路。この辺もそういう匂い。
チューニングショップの社長、東堂が車好きの若い顧客を
集めて開校した、ドライビングテクニックの特訓教室。
速さだけを追求する走り屋集団で、プロレーサーも輩出。

二宮 大輝(声 - 森川智之)
EK9 シビック TYPE R(後期型・98spec)

スマイリー酒井(声 - 高瀬右光)
DC2 インテグラ TYPE R(前期型・96spec)

舘 智幸(声 - 中田和宏)
EK9 シビック TYPE R SPOON仕様(東堂商会デモカー)
「東堂塾」OBのプロレーシングドライバー。


何度も要所で只者ではない所業を見せ謎の多い拓海の父親。
藤原 文太(声 - 石塚運昇)藤原豆腐店店主。
GC8 インプレッサ WRX STi Version V

武内 樹(声 - 岩田光央)高校時代からの拓海の親友。
血液型 O型(作中唯一血液型の設定がなされている人物)
AE85 カローラレビン SR"改"(ボルトオンターボ)


東京から来た2人組。S15 シルビア Spec-R

デブ(声 - 石井康嗣)メガネ(声 - 肥後誠)

秋山延彦のチーム。埼玉北西エリア連合チーム

岩瀬 恭子(声 - 豊口めぐみ)
搭乗車種…FD3S RX-7 Type R"改"シングルターボ。

秋山 延彦(声 - 堀川仁)
搭乗車種…SXE10 アルテッツァ RS200 TRD仕様

坂本(声 - 吉野裕行)
搭乗車種…EA11R カプチーノ

秋山 渉(声 - 松本保典)
搭乗車種…AE86 カローラレビン GT-APEX(前期型)
ボルトオンターボ→4A-GZELUに換装して再登場。


土坂のランエボチーム(名称不明)

会川"ランエボVの男"(声 - 天田益男)
CP9A ランサーエボリューションV GSR
粗暴な性格でプロジェクトD、特に高橋啓介に対し挑発的。
道路にオイルを蒔くなど極悪非道な事を平気で行う。

一条(ランエボVIの男)(声 - 真殿光昭)
CP9A ランサーエボリューションⅥ GSR T.M.E
※Tommi.Makinen Edition ※通称“エボ6.5”

走り屋といえど・・暴走族と完全分離していない側面とか?
元続上がりとか・・

チームパープルシャドウ

城島 俊也(声 - 江原正士)
搭乗車種…AP1 S2000
峠の神様「ゴッドアーム」と呼ばれる頭脳派の完璧主義者。
「ワンハンドステア」の追求をしている。

星野 好造(声 - 大友龍三郎)
搭乗車種…BNR34 スカイラインGT-R V-specII Nür
神業的なアクセルワークで峠の神様「ゴッドフット」
太り気味な建設会社社長。


そういえば車体3Dの描写が、より滑らかになった気がする。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 1

totehi さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

これからだぜっ

このアニメは1期から見るとどんどん変わっていく部分を楽しめる。グラフィック等





感動
実際トヨタ86(トレノ、レビンの方)は遅い。どれぐらい遅いかというとちょっといじくった軽といい勝負な程。それでもこれに乗って連勝する藤原。様々な強敵と戦っていく。ただ普通のバトルにも飽きてきた頃だと思う。だから面白みも薄れてきたと思いきやそうでもない。プロジェクトDはどんな秘密があってどうなるのか。

投稿 : 2024/11/23
♥ : 8

64.7 4 ドリフトでハチロクなアニメランキング4位
頭文字D Final Stage(Webアニメ)

2014年5月16日
★★★★☆ 3.9 (88)
504人が棚に入れました
神奈川連合チームとのラストバトル、サイドワインダーとプロジェクトD最後の戦い! 高橋啓介vs北条豪のヒルクライムバトルが決着した次のダウンヒルは、藤原拓海vs乾信司 のハチロクvsハチロクの壮絶ラストバトル! 拓海よりも年下の信司はミラクルボーイと呼ばれ、その過去は母の代わりに小学校高学年からハチロクを運転してきたという脅威のドラテクの持ち主。果たしてプロジェクトDの全勝記録は!? 拓海との対決の行方は!?

ヌンサ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

Dの意味が、思ってた以上に普通だった(笑)

 毎度のことですが、バトル系の作品にありがちな"強さのインフレ"が、ついに頂点に達しています。拓海と同等あるいは上回るドラテクを持つには、拓海よりも幼い年齢からハンドルを握っていなければいけない、というわけです(笑)。

 最終回なので(?)特別新しい技術もありませんし、映像的にも新しい試みは見た限りはありません。しかし、やっぱり燃えますね。

 m.o.v.eが解散してしまっているので、主題歌には既存の曲しか使えていないのですが、むしろ知っている曲なだけに、イントロだけでテンションが爆上がりするので逆に良かったかもしれません。このシリーズの集大成的な演出にも一役買っているように感じました。

 キャストを一新した新シリーズは、まだ未見です。そちらはそちらで楽しめたらなと思っています。

投稿 : 2024/11/23
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