ドッペルゲンガーで先輩なおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月12日の時点で一番のドッペルゲンガーで先輩なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

95.2 1 ドッペルゲンガーで先輩なアニメランキング1位
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1844)
7806人が棚に入れました
思春期症候群―― 多感で不安定な思春期だけに起こると噂される、不思議な現象。 たとえばそれは、 梓川咲太の目の前に現れた野生のバニーガール。 彼女の正体は、高校の上級生にして活動休止中の女優、桜島麻衣先輩だった。 魅惑的な彼女の姿は、何故か周囲の人間の目には映らない。 謎の解決に乗り出した咲太は、 麻衣と過ごす時間の中で、彼女の秘める想いを知って...... 次々と咲太の周囲に現れる、“思春期症候群”を抱えたヒロインたち。 空と海が輝く町で、心揺れる不思議な物語が始まる。


声優・キャラクター
石川界人、瀬戸麻沙美、東山奈央、種﨑敦美、内田真礼、久保ユリカ、水瀬いのり
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

「もてあましてるフラストレーション」の具象化 

2019.01.05記


原作未読


You've got an easy day …と直ぐ脳裏に浮かんだ方は立派な“かつての青少年”です。

前評判の高さが視聴動機。
ラノベってもう少しタイトルなんとかなりません?家族共有HDDに2018年秋期に並んだタイトル…
「青春ブタ野郎・・・」
「エロマンガ先生(地上波再放送)」
「幼女戦記(同じく地上波再放送)」
言い訳するのがたいへんなのです。


峰ヶ原高校に通う2年生、梓川咲太(CV石川界人)が目を覚まし、自分では見覚えのない一冊のノートに目を向けると、そこには信じられない事が記されていた――。
「5月6日、野生のバニーガールに出会った。」

で始まる本編。思春期特有の不安定な精神状態が引き起こす不思議な現象“思春期症候群”が引き起こすトラブルを巡り繰り広げられる青春ドラマです。
『思春期症候群』もちろん架空の現象です。クラスメイトや家族など人間関係のひび割れ、本人の内なる心の葛藤、確かに思春期にぶつかりそうな問題を引用してヘンテコな現象を仕立てあげてます。その理論的支柱役を咲太の同級生リケジョ双葉理央(CV種崎敦美)が担います。支柱といってもTHE中二感を出すための柱。「人と話すのが嫌い。性格も暗いし、中学の頃は友達もできなくて、一人でずっといた」ような子ですが、彼女の口から「ブタ野郎」と言われるとご褒美以外のなにものでもないですね。
そして先述の野生のバニーガールが本作のヒロイン桜島麻衣(CV瀬戸麻沙美)さん。「桜島麻衣の桜島に、桜島麻衣の麻衣」と自己紹介するくらい自分に自信をもってますが、けっこうな頻度で咲太に赤面したり恥じらったりする典型的!?ツンデレさん。年不相応・年相応な振る舞い、両面性ある魅力的な女子です。なにより咲太をすごい好きなのが良い。

鴨志田一原作で手堅く、数話ひとまとまりのオムニバスで進むストーリーはテンポもよく見易いです。原作1巻につき数話を使い、、、こんな感じ↓

{netabare}1-3話  第1巻「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」
4-6話  第2巻「青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない」
7-8話  第3巻「青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない」
9-10話  第4巻「青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない」
11-13話 第5巻「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」{/netabare}

各エピソード毎に別のヒロインを立てる仕様となっており各々これがまた魅力的です。手堅い作風はなにかしら既視感を生むようですが、ベタなものとはそんなもんでしょう。
どのエピソードも、当番ヒロインの魅力とほどよくエモい脚本で飽きません。むしろいい話ばかりなり。ED「不可思議のカルテ」を当番ヒロインが務めたりとこのへんも鉄板でありベタな演出です。
ベタについて、その昔『くりぃむ○ちゅーのたりらリラ~ン』という番組で“クイズよくあるパターン ベタの世界”という名物コーナーがありました。アンケートに基づいて作られたベタなドラマを観ながら次の展開を予想するクイズコーナーです。
そのドラマの完成度がこれまた高くて、ベタとはわかりつつ涙腺が緩む回答者多数。TVの向こう側のこちらも似たようなものでした。私の既視感を挙げるとしたらこんな感じです。


本作が好感なのは、野生のバニーガールが物語の進行上必然性があって“タイトル詐欺”になってないこと。それに咲太と麻衣のカップリングの柱に揺るぎがなく安易なハーレムになってないこと。当番ヒロインに流れることなく作太は麻衣さんが好きで、麻衣さんも埋没せずに要所で顔を出してきます。
ベタな中にも筋を通していることで、数多の類似作品より頭一つ抜けてる感がします。変態的なタイトルは置いといて、サクッと観ることができる良作です。
なんやかんやで桜島麻衣のヒロイン力の高さを満喫した全13話でした。


■余談
{netabare}お前とこのグラウンドで高校生が大声で叫ぶアニメだぞ、とモデルとなった七里ヶ浜高校出身の知人に{/netabare}

{netabare}お前とこが毎度破壊されるアニメだぞ、とグリッドマンでのモデルとなった都立井草高校出身の知人に{/netabare}

このクールは知人の出身高が相次いで登場しました。ウチの母校もそのうち出ないかしら。敷地の広さと雰囲気なら「やがて君になる」の舞台とそう変わらないと自負しとります。



視聴時期:2018年10月~12月 リアタイ視聴

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2020.03.27
《配点を修正》+0.1 麻衣先輩が最強だから(リピート視聴後修正)

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2020.09.22追記
劇場版視聴済み。TV版を気に入った方はわりと必見だと思われる。


2019.01.05 初稿
2020.03.27 配点修正
2020.09.22 追記

投稿 : 2024/11/09
♥ : 118
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

君のせいで

「さくら荘」の鴨志田一、
CLOVERWORKS制作。

思春期症候群なる不思議な現象に、
心揺れる少年少女の青春ファンタジー。

抜群に面白いです。
美少女アニメと見せかけて、
初回は量子論の思考実験が骨子になっている。
{netabare}シュレディンガーの猫は私ですら聞く、
生きていると同時に、死んでもいる猫。
重なり合った世界、存在の話、
観測者によって、変化する世界。{/netabare}
どこかサスペンスフルで好印象です。

キャラ良し、音楽良し、構成良し。
心に傷を抱えた女の子たちの葛藤と、
咲太と麻衣の甘酸っぱいラブストーリー。
もちろんブタ野郎としても楽しめるのだ。

最終話視聴追記。
物理法則を逸脱した思春期症候群を軸に、
設定がどこか変化球な青春恋愛物語でしょう。
{netabare}七里ヶ浜の少女翔子や咲太の傷跡、
大きな謎を残したまま映画へと続いていきます。{/netabare}

見える世界は人の数だけ存在している。
世界とは「現象」そのものなのでしょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 113

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

何でこんな避けられそうなタイトルにしたかと思っていましたが…。(「おるすばん妹」の破壊力、原作既読でもヤバい…。劇場版も楽しみです!)

原作がシリーズを重ねていくうちに「まあ、これで良かったのかも」と思えてくる、そんなタイトルですよね。

OP主題歌で、いくつかの原作タイトルに使用されている文字の組み合わせがランダムっぽくチカチカと入れ替わって表示された上で最終的にアニメとしてのタイトル『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』となります。

ということで、ここでタイトルの使われた原作は全部アニメ化されるのかもしれません。
(↑え、マジで…!?)

アニメでは、「バニーガール先輩」以外のシリーズのヒロインも早めにわりと多く画面には出していく感じに見えます。

……と、2話まで観たところでこの後は2話くらい放送時には観られない予定なので取り急ぎ書いておきます。このアニメ化には期待しています!

2018.10.26追記:
第3話目まで視聴完了。原作でいうと1巻目の終わりだったのと話数から考えると、原作1巻に対して3話のペースで1クール=原作4巻分のアニメ化でしょうか。

劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』のアナウンスもありましたね。こちらも楽しみです。

2018.10.29追記:
劇場版のタイトルと円盤の収録話数も踏まえて、おそらく下記のようなシリーズ構成になるっぽいです。

※話数が進んだので対応する原作の全タイトルをを記載
青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない: 1~3話(先輩:桜島麻衣)
青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない: 4~6話(後輩:古賀朋絵)
青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない: 7~8話(ウィッチ:双葉理央)
青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない: 9~10話
青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない: 11~13話

なお、劇場版『青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない』は原作シリーズ6、7作目の内容になることは公式にアナウンスされていますね。原作は以降も続いていますが内容的にもここでひと区切りという感じなので、シリーズ構成的には妥当だと思います。

2018.12.10追記:
第9、10話でシスコンアイドル編終了。づっきー(広川卯月(ひろかわ うづき))役に雨宮天さんがキャスティングされてました。

公開予定の劇場版以降がさらにアニメ化された場合、そこそこ重要なサブキャラになるはずなのであんまりいい加減なキャスティングはできないとは思いましたが、天ちゃんでしたか…。

残る「おるすばん妹」編は原作でもかなり好きなエピソードなので、楽しみです!

2018.12.23追記:
原作既読であの展開を知っていてももヤバかった、12話ラストのシーン。視聴者(読者)も、ここまで時を積み重ねてあのキャラクターへの愛着が生まれていますからね。

思春期症候群的なエピソードは抑え気味でも、原作の『青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない』は、読んでて終盤はけっこう泣きそうになってました。

…ということで、最終回を待て(笑)!

2018.12.30追記:
第13話(最終回)まで視聴終了。これまた本編からシームレスに劇場版の予告があったのですが、この作品については劇場版まで込みのシリーズ構成だったと思うので、まあこれもアリだな。モハメド・アリだ。(邪神ちゃん並感)

咲太くんは高校生としてはかなり大人で良い人なんですけど、その咲太くんも麻衣さんの助け、支えがないと誰も救えないんですよ。そして翔子さんも…。

原作通りなら劇場版で翔子さんの正体について衝撃の事実が明らかになりますので、こちらについても乞う、ご期待!

しかし、1クールで良くここまでアニメ化しましたね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 100

76.8 2 ドッペルゲンガーで先輩なアニメランキング2位
劇場版 オーバーロード 聖王国編(アニメ映画)

2024年9月20日
★★★★★ 4.2 (33)
149人が棚に入れました
国土を長大な城壁に守られ平和な時代を謳歌してきた、聖王女カルカを元首とするローブル聖王国。だが突如現れた魔皇ヤルダバオトと亜人連合軍の侵攻により、その安寧はいともたやすく崩れ去ってしまう。聖騎士団長レメディオス、神官団長ケラルトをはじめ、聖王国は戦力を結集し迎え撃つも、ヤルダバオトとの圧倒的な力の差に為すすべもなく、国家は崩壊の危機に直面。そんななか、レメディオスはヤルダバオトに対抗しうる力を求め、自らの聖騎士団と従者ネイアを伴い、とある国へと助けを請いに向かう。その国の名はアインズ・ウール・ゴウン魔導国。そこは、聖王国の人々が忌み嫌うアンデッドが統べる異形の国家であった。
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

大いなる茶番

原作未読 135分

冒頭に「ぷれぷれぷれあです」キャラのアインズ・アルベド・デミウルゴスがらしい上映中の注意があって本編が始まりました。

第4期第7話と第8話の間に当たるエピソード「聖王国編」を描く作品です。この作品だけ観ても分かりにくいかと思いますので、事前に1〜4期を観ることをオススメします。
ローブル聖王国をアインズの部下であるデミウルゴス主導で攻略していくお話です。
デミウルゴスのもう一つ顔ヤルダバオトとして亜人たちとローブル聖王国に制圧しようとするところから物語が始まります。
そして、聖王国は太刀打ちできすアインズ率いる魔導国に救援を求め、アインズ自らヤルダバオトと対していきます。
もちろん、これはアインズの名声を高めて聖王国を属国にする茶番ですが、それをやられる聖王国は大変でしたね。

酷いシーンも結構ありました。流石PG12ですね。{netabare}(早見さんも戸松さんも冒頭で退場でしたねw){/netabare}
アインズはもちろん、デミウルゴスと聖王国の新キャラそしてプレアデスの一人が目立っていましたね。

アインズは相変わらず聞いていないよう〜みたいなシーンやとまどうシーンも結構ありました。

最後まで抜け目がないデミウルゴスでしたねw{netabare}(まさかのドッペルゲンガー登場w){/netabare}

主題歌はテレビ版と同じくOxTさんが歌っています。

最後に、観ているとスクリーン上に点(滲み?)みたいのがあってそれがゆっくりズレていくのが気になって何か作品の演出かと思いましたが、上映後係員の方から虫が進入してスクリーンか映写機に前にいたらしいですw 帰り際にお詫びで無料で観れる招待券をいただけました。ラッキーw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

心酔が最凶の正義を作り出す

引き続き原作未読でIMAXレーザー先行上映を鑑賞。

【物語 3.5点】
パターンは近作と同様。

アインズ様が世界征服等による名声獲得により存在を誇示し、
自身と同様、ワールドアイテムを有する元MMOプレイヤーとの交信を目論む。

その一環として、配下のデミウルゴスことヤルダバオトが書いた“台本”などに則って、
支配を目指す領域に自作自演も含めた壮大な“茶番劇”を仕掛け、
アインズ・ウール・ゴウン魔導国に積極的に屈服せざるを得ない状況を作り出す。

そして今回も、俎上(そじょう)に置かれたローブル聖王国の弱者が、
強者の理不尽に翻弄される。

すなわち(※核心的ネタバレ){netabare} 南北問題を抱える聖王国を分断し、自主的にアインズ様に救済と統治を求めざるを得ない状況を作り上げる{/netabare} のが此度の“台本”

またぞろ多くの犠牲者が出たにも関わらず、
他の元MMOプレイヤーの存在や、サービス終了したMMO「ユグドラシル」が異世界転生し存続した経緯など、
核心部分の進捗が乏しかった徒労感ゆえに、物語評点は3.5点にとどまりましたが、
興味深い視点も多いシナリオでもありました。

中でも、今回、魔導国の支配領域拡大のために最重要視されたのが、
聖王国を精神的に支える聖王女信仰の解体だったという点に私は惹きつけられました。

信仰対象である聖王女への直接攻撃はもちろん、
ターゲットは、聖王女は民に一人の犠牲も出さないのだという高潔な理想にも及ぶ。
例えば、聖王国にけしかけた亜人連合に、“人間の盾”作戦を実行させ、
人質一人を見捨て、多数を救う冷徹な戦場の現実を突きつけることで、
皆を救う聖王女の理想論など、戦場では通用しない空論などと、
聖王女信仰を理念の上でもボロボロにしていく過程がえげつなかったです。

その末に、{netabare} 聖王女信仰の“対案”として用意された絶対的強者アインズ様への崇拝と共に、忘却されゆく聖王女信仰。{/netabare}
あれを目撃した瞬間、私の脳裏で、これまで問題を抱えつつも何とかまとまってきた、聖王国の精神的支柱がポキリと折れる音がした気がしました。

本作は部位欠損、ゴア表現など肉体的にハードな描写が目立つPG12指定ですが、
私には一連の国家への精神攻撃が何よりトラウマとなりました。

共同体を支える理念、伝統があるのであれば大事にせねばならない。
安易に手放せば、残るのは滅亡か服従のみと認識を新たにした一作でもありました。


【作画 4.0点】
アニメーション制作は1期から続投中のマッドハウス。

TVアニメで続いて来た本シリーズ。できれば本エピソードも連続アニメで。
との願望も正直ありました。

が、3期終盤、大規模戦闘(鏖殺)シーンにて、同スタジオらしからぬ、
厳しいクオリティの作画を見せられて。
聖王国と亜人連合の戦争が繰り広げられる今回のようなシナリオは、
品質が担保される劇場版じゃないと難しいのかなとも感じていて。

実際、城壁に亜人の大群が押し寄せるカットなどにはTVアニメ版にない迫力がありました。
CGの軍勢に、もう少し、“揺らぎ”による個性出しは欲しかったとの要望は残りましたが。

ただ、IMAXレーザー追加料金払ってまで観る価値があった作画かというと……。
強いて言えば、黒、赤の濃淡が鮮明なIMAX規格だとゴア表現は詳細に観察できますよw
地上波では放送が難しそうな部位欠損も劇場なら遠慮なく出来ますし。


【キャラ 4.0点】
アインズと並ぶ、本エピソードのもう一人の主役と言ってよい聖騎士団従者・ネイア・バラハ。
重装甲冑剣士による正義の正面突撃ばかり重んじる聖騎士団にあって、
弓を得意とするネイアは、自身の本当の特技も発揮できない自己肯定感の低さも相まって、
隅の方で、騎士団の伝統に疑問を持ちつつも、思いやりを欠いた騎士団長らに恐縮してばかり。

が、そんなネイアがアインズと交流する中で、騎士団とは違う別の正義。
弱者に正義なし。だからと言って強ければ正義というわけでもない。
強さの中に思いやりの心も備えたアインズ様こそ正義。
などとアインズ様も預かり知らぬ内にw正義を見出して、
そこに希望を抱き、狂気もはらんだ前向き思考へと成長を遂げる。
ついには(※核心的ネタバレ){netabare} アインズ様崇拝を布教し、5万の信徒を獲得する伝道者となり、
聖王女信仰を“死体蹴り”し、魔導国による聖王国支配の礎となる。{/netabare}

聖王女を狂信する女騎士団長・レミディオス。
融通の効かない激情型の性格だが、崩れゆく聖王女信仰を最後まで貫き続ける“正義心”は強い最強騎士。
アインズも当初はレミディオスを改心させ魔導国に引き込むプランも画策していたようですが、
頑固すぎて早々に諦めて、ネイアに思い入れた模様w

ネイアとレミディオスの個人崇拝に立脚した正義への盲信ぶりを示すのが行方不明者情報に対する反応。
(※核心的ネタバレ){netabare} 聖王女カルカは胴体ちぎれ飛んで明らかに絶命しているのに、生存を信じ続けるレミディオス。
キレイな状態で遺体奪還できれば復活の見込みもまだあるとは言え、ちょっと諦めが悪すぎます。
一方で、レミディオス団長は、亜人領域へと落ちて行ったアインズの生存を信じるネイアに対しては、
アインズはもう助からないだろうと決めつける。{/netabare}
思い入れの強弱に左右され、客観的に見て、バグった生死判断のブレを披露してしまう。

正義に心酔する想いの強さは、時に事実認識をも捻じ曲げてしまう。
MMOゲームを異世界転生させたのは、こうした狂気に満ちた想いの力なのかもしれない。
原作未読組でアレコレ憶測しても仕方がないですが、
想いが事実を曲げる力についてはひとつ念頭に置いておこうと思いました。


レミディオス団長を始め、妹ケラルトに聖王女カルカらが絶望的なくらいの亜人の大群と対峙する。
所謂“くっころ”こそないものの、残虐な亜人首長たちの女戦士への罵詈雑言の口上や、それに対する団長の不屈の口撃もあって、
女騎士、女神官フェチにとっては劇場鑑賞はマストでしょうw


上記の通りデミウルゴス活躍回でもあります。
アインズが理解できない内にデミウルゴスの“台本”に乗せられて、
台本から脱線して、思わぬ副産物を獲得し、
デミウルゴスが流石アインズ様と感激しますます心酔する。
この光景もお約束です。

もっとも今回アインズ様のもう一つの目的である{netabare} ルーン武器販売ビジネス拡大{/netabare} の目論見は、
空振りに終わった模様ですが、ちゃんと失敗されると何だか私も安心しますw


【声優 4.5点】
従者・ネイア役の青山 吉能さん。
最初オドオドしていた声色が、アインズ様に正義を見出して、
狂信的な方向に自信を得ていく異様を好演。
この辺り『ぼざろ』の後藤ひとり役とはまた違ったベクトルでの覚醒演技でしたが、
改めて、よっぴー『ぼざろ』当たって良かったな~と思えたキャスティングでした。

レミディオス団長役の生天目(なばため)仁美さん。
亜人に屈しない強い女戦士が、拠り所にしていた聖王女信仰を圧し折られ発狂していく。
終盤、(※核心的ネタバレ){netabare} バラバラになった聖王女の亡骸をかき集めて号泣する{/netabare} 鬼気迫る演技。
私のトラウマも深めた怪演でした。

それにしても(※核心的ネタバレ){netabare} 女神官団長ケラルト役の戸松 遥さんに、
聖王女・カルカ役の早見 沙織さん{/netabare} と
ネームバリューのあるキャストを無下もなく退場させるの、
贅沢すぎて笑いますw


アインズ役の日野 聡さん。
引き続き表側の威厳ある王のボイスと、
裏側で本音を心中で吐露する可愛い系ボイスの使い分けが妙味。
ですが、今回は裏側の声があまり聞かれない構成。
従者・ネイア視点の外面のアインズ様を重視した演出なのだと思います。
まぁ、シリーズ観てきた方が聞けば、
あっ、今、アインズ様、虚勢を張って知ったかぶったとか、すぐに分かっちゃいますけどねw

アインズ様の可愛い心の声の代わりに癒やしとなったのが、
メイド悪魔・シズ役の瀬戸 麻沙美さんの感情希薄ボイス。
“妹分”を得てはしゃいでいる?演技も含めて「がんばりました」


【音楽 4.0点】
劇伴担当はお馴染みのTeam-MAX片山 修司氏。
私は1期劇場版総集編は未見だったので、
ギターとコーラスがこだまする氏のサウンドを劇場音響で浴びるのも鑑賞動機に。
魔法による隕石落下や爆発もあるので、SEも派手でした。

ED主題歌はOxT「WHEELER-DEALER 」
今回作曲はメンバーの大石 昌良氏やTom-H@ck氏ではなく、
4期主題歌で編曲を務めたeba氏が作編曲を担当。
より狂宴パーティー色が強いバラード曲で締めくくる。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

元毛玉 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

映画館を貸し切っての茶番劇

原作既読。

お話のざっくり概要

聖王国が魔王ヤルダバオトに攻め込まれる。
非常にピンチになって、魔導国に助けを求める。
流石、アインズ様!

だいたいそんな感じ。

大スクリーン&大音響で見るアインズ様の茶番。
それ以上の感想が出て来ない。

基本的に原作ファンや1期~4期のファンは楽しめる。
そうじゃない人には「何がなんだか…」だと思います。

戦闘が雑にカットされているのは、まぁTVアニメからそうなので良いのですが…
尺の都合か、細かい描写が少なくあっさりしているので、より茶番感がマシマシになっています。

なんというか劇場版にした事で、原作でもこれ以降は聖王国関連は出て来ないんだろうなーと予測がついてしまったのは残念。
伏線なげっぱなし放置にならなきゃいいなぁと思う今日この頃です。

うん、ほとんど感想でてこないな。
茶番でしたw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10
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