2017年度のドジっ娘おすすめアニメランキング 1

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67.3 1 2017年度のドジっ娘アニメランキング1位
メアリと魔女の花(アニメ映画)

2017年7月1日
★★★★☆ 3.5 (149)
667人が棚に入れました
「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」の米林宏昌による新作アニメーション映画。

イギリスの女流作家メアリー・スチュアートによる1971年の児童文学「The Little Broomstick」を原作に、11歳の平凡な少女メアリの奇想天外な冒険を描き出す。

声優・キャラクター
杉咲花、神木隆之介、天海祐希、小日向文世、満島ひかり、佐藤二朗、遠藤憲一、渡辺えり、大竹しのぶ

gazabata さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ポストジブリジブリ

長い間見るのを引き延ばしてきた映画です。引き延ばしていた理由は特にありません。

ストーリー:
ちょっと良くてちょっと残念な内容。
なんとなーく面白いが、何かが足りない。結局は同じようなストーリーをもっと面白く伝えている映画や本を知っているからあまり衝撃や影響を受けることはなかった。

キャラ:
あんまりよくないかな。
キャラの個性が基本的に薄くて声優があまり上手でないのがそれを強調してしまってる。
セリフは結構ジブリっぽいのだが残念ながら声優が本当にへたくそ。特に佐藤二朗がひどい。本当にひどい。これは宮崎駿がいたからできたことで他の監督にはできないのかなと思う。

アニメーション:
部分的にはジブリの過去作品を超えていると思う。色がはっきりしているのも好きだった。オープニングの三分はなかなか素敵だと思った。全体的に素晴らしい。
一つだけちょっと残念だったのが見せ場が少し似通っていたことだった。うにょうにょ液体のアニメーションがたくさんでもう少しバリエーションがあっても良かったかなと思う。

避けては通れないジブリと比べるセクション:
まず全体的にストーリーが多数のジブリ作品に似通っているところから。
この過去作品に似ているのを理由にこの映画がノスタルジアとコマーシャリズムの塊であるという見方をするのは非常に容易いことだが、個人的にそれは、まず第一間違っていると思うし、第二に結構意地悪で悲観的な見方であると思うのでそのようなことはしない。(これはノスタルジアやコマーシャリズムを利用している部分がないと言っているわけではなくこの映画の中心がそれではないという意味)
それではなぜここまで似ているのか。個人的にこれはジブリ及び宮崎駿に対する反抗のような、独立宣言のようなものだと思う。自分のほうが良いものが作れると。(それに成功したかどうかは置いといて)
話が似ているのはジブリ間を出すためではなくその真逆で、ジブリでなくなったジブリがどう違うか見せつけようとしたのではないかと思う。ただここで発生する大きな問題がさっきのノスタルジアとコマーシャリズムだ。これが色々なところにちりばめられているせいでこの映画の意味や目的を勘違いされる。映画のキャッチコピーが「魔女、ふたたび。」だと勘違いされるのも仕方がない。耳をすませばの「やなやつ」に似通ったセリフを入れたり、千と千尋の有名な食事シーンに出てくる食べ物を背景に出したりするとこれはもうあからさまなノスタルジアではないかということになる。このようなものをスタッフが入れたのはノスタルジアが目的ではなくではなく、ジブリに対するリスペクトの証のだったかもしれないがそれは自分たちとジブリの違い(変化や進化)を表すために作った映画に入れるのは大きな間違いだったと思う。

好きだった部分:
思ったよりネガティブなレビューになってしまっているので(結構好きな映画なのに)バランスをとるために好きな部分を書いていく。
とにかく最初の三分は素敵。
動物の反乱シーンはすごく好きだった。多分一番好きなシーン。とても素敵。
クリーチャーデザインがぶっ飛んでいてすごく好き。想像力いっぱいで素敵。最後の化け物はピクミン3のラスボスみたいで楽しかった。
建物のデザインもすごく好き。素敵。
色づかいが凄く好き。

まとめ:
もう少しいじればすごく良い映画が作れたと思う。惜しい。キャラクターは全体的に残念。
最後に言いたいのは、これは宮崎駿がいなくなったジブリ(正式にはジブリではないが)の一作目にしては大健闘だということだ。もう少し頑張って自分らしさを見つければとても良い映画を作る日が来るかもしれない。少なくとも自分はそう願いたい。


点数:7/10

投稿 : 2025/03/01
♥ : 5
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

GHIBLI NO OWARI

【概要】
 2017年夏公開の劇場長編。イギリスの児童文学が原作の魔法ファンタジー。監督は「思い出のマーニー」「借りぐらしのアリエッティ」などジブリ作品でお馴染みの米林宏昌。制作したスタジオポノックはジブリの元スタッフが多く、本作も「ジブリっぽさ」があちこちに感じられるものになっています。

【感想】
 映画評論家の小野寺さんがRealSoundの記事で「絶望的なまでにつまらない」とケチョンケチョンに貶していたので一体どんだけヤバいんだ・・・と身構えてしまいましたが、案外普通に見れてしまいました。

 いや、確かに宮崎駿作品と比べると厳しいものがありますよ!でも深夜アニメにはこの数段しょうもないものがゴマンとあるし、劇場アニメに限定しても少なくとも僕は「ひるね姫」「打ち上げ花火」「未来のミライ」より楽しめたのでこのくらいの点数は付けておきたいかな。キモかわいいキャラが色々と出てきて、視覚的には面白い。こういうキッチュな感じはわりと好みだったりするのです。本作に関しては金曜ロードショーでタダ見させていただいた身分なので、劇場で見た人よりやや評価が甘くなってしまうのかもしれません。

 ただまぁ、世間の評判が芳しくないように、確かに色々と問題点はあるように思います。細かな欠点を書き出すとキリがないので2点だけ言及しておきますね。

ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/03/01
♥ : 34
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

【評価辛目】私にはまだまだ……もっと魔法が必要です

原作児童文学は未読。

『アリエッティ』以来の“動”のアニメへの再挑戦となった米林宏昌監督の独立後初長編作品。

『マーニー』のように“静”の繊細な心情表現を得意とする監督が、
動いて楽しいアニメーションを追及、奮闘したことがよく伝わってくる映像構成。
豊富なイマジネーションを詰め込み表現された魔法ファンタジー世界には、
芸術性を感じさせ、劇場鑑賞する価値を有した作画が並んでいたと思います。

ただ、私としては、もう一つ、楽しさが突き抜けなかった印象。
もっとオテンバで飛ばして欲しい所で、今ひとつ無茶しきれてない感じでした。

私がひとつ象徴的だなと思ったのは、
ネタバレレビューを読む

こうしたリアリティから飛翔しても飛び切れていない。
勿体ないと感じる場面がちょくちょく目につきました。

もちろん監督もヒロインに危なっかしさを出す必要性は十分認識していたはず。
それは冒頭メアリのドジっ娘属性?の強調という形で決意表明?もされてはいました。

オーバーアクションのエンタメ性についても理解されていて、
登場キャラの奇妙なステップやドクターの奇抜な移動手段や、
その他、変顔の生物たちによって楽しさの構築が図られています。

けれど、これらの点でも、今一歩、逸脱できてない感じ。
観ていて、その動きオカシイだろう(笑)とか、危ないwとか、
一緒に手に汗握るシーンがもっと欲しかったです。


例えばメアリが ネタバレレビューを読む
浅いヘコみ演出から、クライマックスへ一緒にジャンプアップするには、
鑑賞者側に想像力の飛躍が必要になるとも感じました。


その上で渋いテーマを提示されても、
魔法に酔い切れてない私には理解できても、今ひとつ共感はしきれませんでした。

要するにネタバレレビューを読む

良い主題だったとは思いますが、私としては受容する前に、魔法でもう一暴れしたかったです。


とは言え、新たなファンタジーにチャレンジした監督の意欲は買いたい一作。
本作が、課題は見えている上で、進化の途上にある作品だったと信じつつ、
引き続き、米林監督とスタジオポノックの今後に注目していきたいと思います♪

投稿 : 2025/03/01
♥ : 26
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