Dkn さんの感想・評価
3.6
ジェームズ・キャメロン版、銃夢。『アリータ:バトル・エンジェル』2018年12月21日公開(予定)
ジェームズ・キャメロンとロバート・ロドリゲスの『Alita: Battle Angel』夏公開!なんて言われてたのに
制作は遅れ気味。構想は十数年前から既にあったらしいですがキャメロンは如何せん売れっ子なので仕方ないw
サイバーパンク・アクション漫画でも代表的な一作。
攻殻機動隊シリーズに比べると地味なので注目されないですが、大の日本贔屓であるギレルモ・デル・トロが
目をつけて、ジェームズ・キャメロンが脚本を書いてくれたことにより、世界での認知度も上がるかもしれない。
今年公開された予告映像を見ていただかないとダメですが、ファンの間で論争が行われているキャメロン版銃夢。
主人公の『ガリィ(Gally)』(海外版のコミックでは「アリタ(Alita)」)の目がおっきくて賛否両論です。
不気味の谷現象なんてのを近年CGが克服しだして、そんな中キャラクターデザインを漫画的表現へと寄せたのは
主人公がサイボーグであることも加味すれば理解はできますが、実写作品だとやっぱり不気味ですよね。
それこそ人間そっくりにCGを作ることも可能なのに何故?と思います。いや“少し前まで”そう思っていました。
ネット上のアバターが活躍する「レディ・プレイヤー1(Ready Player One)」を観て理解できた気がするんです。
レディ・プレイヤー1のアバターも目がデカイデカイ(笑)日本的というより、海外のカートゥーン文化に近く
実際にネットゲームで使用するようなデフォルメ感で、区別がつかないリアルなCGの仮想空間と現実世界との差を
上手く分けて映像的に表したのだと思います。説明なしの一目瞭然で人間以外の人型だと理解させることが可能で
デザインの段階で計算し視覚的に伝える方法だと、個人的には落とし所が見つかりました。
『Alita: Battle Angel』の予告にも出てきますが、銃夢にはサイボーグと人との恋模様もあります。
アバターとサイボーグでは意味合いも変わるかもしれないけれど、アリタと青年が見つめ合うシーンで
自分の想像が大きく間違ってはいないかもと感じましたね。成功するか失敗するか、どっちにしろ楽しみです。
そんな『銃夢』のアニメ版なんですが、このアニメは原作ファン以外はちょっとオススメし難いOVA。
いや、むしろ原作読んでるとダメなのかもしれないですね。ファンの理想が高いのもあるのでしょうけど、
このアニメ版に関してはそこを省いてもあまり出来はよろしくありません。
人物の声がかなり印象と違います。主人公のガリィも幼い感じ。背も想像より低くて驚きましたがこんなもん?
ガリィの恋のお相手、ユーゴのビジュアルに寄せたのかもしれません。映画の印象のほうが近いですね。
作画は綺麗なんですけど、デザインに凝りすぎてあまり動かせないのが、監督「りんたろう」らしいです。
逆にドラマをしっかり見せるシーンは秀逸ですね。2話の雨が降る窓辺での会話は、原作ファンも納得の出来!
残念なのは作中の舞台「くず鉄街」の描写も俯瞰や引きの画を使ってしっかり見せて欲しかった・・雑だよぉ。
原作の抜粋でオリジナルも挟みつつ話を作っていて、以降も製作予定はあったようですが2話で完結します。
この頃はOVA化が流行っていて、アニメ化することに意味があった為、このタイプの作り方は多い気がする。
そんなに腐すほど出来が悪い訳でなく、原作との違いを見ながら動かない作画の美麗さを眺めるアニメです。
オリジナル展開でまとまりを出そうとしてますが、重要な設定を大幅カットしてまでやらなくてもいいよなぁ。
{netabare}登場するオリジナルキャラクターは、原作で殺せないキャラの為にやられ役をつくったのか?と思いきや
原作で重要なキャラも死んでしまって、今観るとめちゃくちゃ。オリジナルのキャラも殺すというナゾの展開に、
一体なんの意味があるのだろう?血なまぐさい西部劇をやりたかったのかな。どこか世紀末感もある‥。{/netabare}
不満はありますがOVAとしては十分。
原作者は複雑でしょうが、ファンとしてはifストーリーとして楽しめるので良いですよね。
(※前に書いたのを大幅加筆で映画の紹介もしてみました。12月が楽しみだなー!観に行くぞ~!)