2019年度のトラウマTVアニメ動画ランキング 10

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画の2019年度のトラウマ成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番の2019年度のトラウマTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

75.9 1 2019年度のトラウマアニメランキング1位
フルーツバスケット [トムス・エンタテインメント版](TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (346)
1415人が棚に入れました
高校生の本田 透は、唯一の家族だった母親を亡くしてから一人でテント暮らしをしていた。ところが、テントを張ったその場所は由緒正しい『草摩家』の敷地内だった!草摩紫呉に家事の腕を買われた透は、学校の王子様的存在の草摩由希、そして由希を敵視する草摩 夾と一緒に住むことに。しかし、透はまだ知らない。『草摩家』が何百年も前から忌まわしき呪いに縛られていることを……。

声優・キャラクター
石見舞菜香、島﨑信長、内田雄馬、中村悠一、釘宮理恵、潘めぐみ、興津和幸、古川慎、櫻井孝宏、坂本真綾、種﨑敦美、佐藤聡美、沢城みゆき
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

痛みを知っているから、優しくなれる。

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ヒーリングミュージックのような、アニメでした。

ジャンルは、学園・恋愛・ファンタジー。

原作は、「もっとも売れた少女マンガ」として、2007年にギネスブックに認定された名作、らしいです。

2001年に「スタジオディーン(監督 大地丙太郎)」で1度アニメ化している、らしいです。

ということで、原作も前アニメも未視聴です。よって、色々な比較はできません。

なんとなく、原作はもっと「闇」的なものもあるのかもしれませんが、本作は至極平和な作風に仕上がっていて、かなり観やすかったですね。

男でもオッサンでも、普通に観られる、良アニメですよ♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
もし、自分に子供がいて、その子供が道で転び、「痛いよ~!」と泣き始めたら、皆さんならどういう声掛けをしますか?

「大丈夫! ○○ちゃんは強い子でしょ?(激励)」

ですか? それとも、

「痛くない、痛くないよ(否定)」

ですか? 「痛いの痛いの飛んでけ~(まじない)」もあるかもしれないし、「だから走るなって言ったでしょ!(叱咤)」かもしれませんね。

(勿論、ケースバイケースでしょうが)一応、教育学的に「正しい」と「されている」のは、

「そっか。痛かったよね~。分かる分かる。」

らしいです。つまりは、「肯定」と「受容」。

そうすると子供は、安心するとか。「大丈夫なのか」を決めるも、「反省すべきか」を決めるのも、それは転んだ子供自身であり、大人が大人の物差しだけで計るものではない。子供はただ、「分かってほしいだけ」で、後は自分で、ちゃんと考えるんです。

さて、本作に登場するキャラクター、特に「本田透」の特筆すべき点としては、この「肯定」と「受容」にあるようなに思います。

由希や夾、紅葉や杞紗など、草摩の家に生まれた者は多かれ少なかれ、傷を負っています。魚ちゃんや電波も。それに対して透は、共に心を傷め、共に泣きます。そして笑って、明日への道標となります。

相手の辛さを否定したり、卑下したり、偉そうに講釈を述べることはありません。控え目に、自分の考えを述べる程度です。

それは多分、透自身が、「母の死」という大きな痛みを抱えていて、相手の痛みに敏感だからでしょう。全てを包み込むような優しさ。

この点は、17話(魚ちゃんが今日子に助けられる話)で、今日子がはっきりと言っています。「痛い目見て、迷惑かけないと、分からない気持ちだってある」「痛みには優しさが必要。どっちも無駄じゃない」。こんな今日子に育てられたから、透も自然と、そう育ったのでしょう。

一見すると、「良い子過ぎる」透に、違和感を感じてしまうこともあると思います。私も最初は、透がちょっと苦手でした。

でも、24話(キョウが本当の姿をさらけ出す話)で思ったんだけど、我々視聴者が透に抱く不信感と、十二支が透に抱く不信感(コイツ、どこまでマジなんだ?)は同じものかもしれません。そして、最後には結局、透に籠絡されてしまう点も(笑) 「他人の風邪は気にするくせに、自分の風邪には無頓着」なのが、透という少女の本質なんですよね。

さらに、ちょっとしたことでへこんだり、意外と抜けてたり、勉強で赤点とったりする透が可愛かったです。やっぱり、基本的には強い(精一杯強がっている)透の弱さ、ダメさがみえると、萌えに繋がりますよね。

歌も良かったです。特に、2期のOPは、まさかの大塚愛さんでびっくり。久しぶりに聴いたわ(笑) 昔のような高音は出てないけど、逆に味が出てきてきて、かなり好きでした。雨上がりの感じ、よく表現できていましたよ。EDの、これ以上ないほど優しい曲も、作風に合ってました。

ちなみに、一番好きなキャラは、サブキャラですが、透の祖父。5話の 「こいつらを許してやってくれ。根が嫌な奴等なだけなんじゃ」は、最高w 今クールでNo.1の名言だと思いました(笑)

あと、みっちゃん、可愛いなと♪ ああいう不器用で真っ直ぐなキャラ、好きだな~。

男性陣も良かったです。ユキもキョウも可愛い(笑) ギャップ萌えというか、少女漫画ならではのキャラですが、人気あるの分かる気がします。あと、綾女が安定して笑えましたw

すでに完結している原作を、しかもリメイクを、2クールかけてゆっくりしっかり、クオリティも維持して作った、制作陣の心意気に拍手! 毎週癒されました♪ セカンドシーズン、楽しみにしていますね♪
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
なんか、めちゃめちゃ良い子だな。らんま1/2みたいな?

2話目 ☆3
じゃあ男子校に進学すれば? と思わなくもないけど。

3話目 ☆3
優しさは手作り、なるほど。背中の梅干、上手いような、そうでもないような。

4話目 ☆2
新キャラ。いわゆるボコデレですが、暴力描写が長いかな?

5話目 ☆5
お爺ちゃん、最高(笑) 「根が嫌な奴等なだけなんじゃ」w 予想外だ、お爺ちゃんも悪い人、もしくは、日和見主義かと思っていたわ。

6話目 ☆3
服装、紫のロングコートって(笑) なんで家を知ってるんだ、という恐怖心の方がw

7話目 ☆4
はとり の恋愛話は、しんみりした。ただ、片目が見えなくなったことで、そこまで病むかなとは思うけど。作画、なかなか綺麗だったな。

8話目 ☆4
良い子が良い子とは限らないしね。透の弱さが良い。泣いてるのがバレた後の透の動揺が可愛いね。お? なんか、黒いな。

透の「あけましておめでとうございます」は、アニメならではの、美しさ。風景、キャラ、声。二次元の強さを感じたな。

9話目 ☆3
なんか普通に良い話でしたね。普通に。

10話目 ☆3
時雨、少し色を出してきたな。みっちゃん、可愛いな~(笑)

11話目 ☆4
その「バカな旅人」って、「幸福な王子」だよね、元ネタ。あの昔話は、幼心に、なんだか胸に刺さったんだよな~。「僕が一番欲しかったもの(槙原敬之さん)」にも近いよな。遺影を持ち込んで、、、泣ける。あの笑いには、そしてプレゼントには、惚れるよな(笑) 何を重点に驚けば良いやら(笑)

12話目 ☆3
ドタバタしてて、明るくて楽しいな。下の毛(笑)

13話目 ☆4
忘れてはいけないのは、子供の時のこと。良い話だよな~。アニキ、ナイスキャラでかなり好き♪

14話目 ☆4
かなりシリアスだな。母親と紅葉のエピソードは、かなりツラい。後半は、親友二人のやりとりが良かったな。OPもEDも良いね。

15話目 ☆3
ケンカを観た時の透の笑い、良いな~。大人3人組のやりとり、好きだな~。

16話目☆3
大塚愛さん、高音厳しくなったな~。まあ、前から機械でいじってるっぽい感じだったが。

透のスクミズ(笑) 確かに、ピンクだな。でも、青よりはオレンジだよな。

以後気を付けます(ザザー)w

後半は魚ちゃん。来週、気になるわ。

17話目 ☆4
痛い目見て、迷惑かけないと、分からない気持ちだってある。痛みには優しさが必要。どっちも無駄じゃない。本作のメインテーマかな。今日子さんの私論。透の親友になりたい、、、なんか、心に響いたな。随分と厚みがある1話だな。

18話目 ☆4
田園調布の駅前だね~。トオル、シンプルに表現するな~。いじめだね、リアルな。その担任、センスなさすぎだろ。自分を好きになれば、受け入れられるんじゃなく、誰かに受け入れられれば、自分を少し好きになれる。確かにな~。

19話目 ☆3
ハイテンションなギャグ回。りっちゃん、叫び声がちと苦手。鬼滅の刃を思い出す。みっちゃん、可愛いな~。

20話目 ☆3


21話目 ☆3
電波回。静かに進んだな。

22話目 ☆4
花ちゃん、辛い過去。心理描写が実に素晴らしかた。

23話目 ☆4
透、赤点とる頭なの?(笑) 他人の風邪は気にするくせに、自分の風邪には無頓着、って、凄く分かりやすい表現で、透らしさだな。弱っている透のアホ顔が可愛かった。ナイス励まし、男ツンデレ、キョウもかわいいな~。くぎみー、生き生きしてるな♪

24話目 ☆5
キョウくん、可愛いな~。師匠、良い人だな~。透に全てを任せてしてしまう、あなたまで。透の負担、という観点もあるわな。嫉妬もあるかも。本来の姿。いや、あの距離飛ばされたら、死ぬぞ(汗) トラウマってるな~。こじらせてるな~。ダブル主人公といして、質が高いな。透無双だな~。

ある意味で、十二支が透に抱く不信感と、我々視聴者が透に抱く不信感は、同じものかもしれない。そして、最後には透に負けてしまう点も(笑)

25話目 ☆4
父と息子になったことを喜ぶ透が良いね。夏も好きになられるのですね。壁ドン(笑) やけに肉食系に(笑) ユキの笑顔で終わる、素敵な最終回。これ、2クール目あるんだよね。楽しみ♪
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

もはや天使...圧倒的ヒロイン力 2019年のマイベスト作品

☆☆物語と感想☆☆

内容のあらすじ等は省きます。
物語の中身は最小限で、ネタバレ無しの個人的な感想です。

まず、自分は視聴前にこの作品の事はタイトル名だけ聞いたことが有る程度で、
何一つ知らなかった。
どうやら少女漫画が原作らしい...
という事だが穿った見方をせずにフラットな気持ちで、
何気に1話を視聴してみたのだが、見事に掴みで持って行かれ、
話数が進むにつれて、どんどん引き込まれていった。

それから現在まで2期を待ちきれなかった間に、
恐らく4、5回はリピートして観るほどハマってしまっている笑
過去に所謂深夜系のアニメを観るようになってから、
これだけリピートして観た作品は数本しか無いけど、
本当に何度観ても笑って泣ける感動的で素晴らしい作品だ。

もし「少女漫画」というカテゴリーだけで視聴を敬遠しているなら、非常に勿体無い。
確かに作中には明らかに女性向けの、いわゆるイケメン無罪な描写や、
男同士のイチャつきも有るには有るのだが、
笑って流せる程度の些細なものであり、
当然ながら作品の本質はそんなところにあるわけではない。

それと、純粋に男視点から見ても出てくる女性キャラたちが魅力的で、
この作品に関しては国内で一番売れた少女漫画の「花より男子」のように、
少女漫画だから女性だけが楽しめる、といった内容にはなっていない。
自分は幸運にも何の知識もなく1話を観ることが出来たのが、今思えば幸いだった。

まだ物語の途中ではあるが、作品を通じて作者が伝えたいことは、
他者への理解、共感、感謝、優しさや思いやりであることは、
トオルやキョウコの言葉からもよく解る。
人がみな生きていく上で忘れてはいけない大事なことを教えてくれるし、
観ているこちら側が浄化されるような気持ちにもなれる。
単純に物語が凝っていて面白い、というだけの作品だとこうはいかない。

トオルと関わりを持った登場人物たちが、
徐々にコンプレックスや心の枷を解き放たれ、
癒されたり救われていく様は感動的だが、
物語そのものが1期ではそこまで大きく動いたというわけではなく、
学園、日常、コメディ、ドラマの要素をバランスよく配分し、
キャラクターそのものを過去の背景から、
とにかく丁寧に時間を掛けて描いたという印象だ。

物語自体の展開として派手さは無いし、スローペースで来たので、
この辺りの好みは有るだろうと思うが、
2期以降に繋がる伏線は十分に描かれていて、この辺りは旧作とは大きく異なる。
作品としての物語の評価は結末まで観てからにはなるが、
1期だけでも自分の中では既に十分傑作に値すると思っている。
というか、どうやら完結までにはセカンドシーズンでも終わらない?っぽい。。
これは個人的には嬉しいけど。

因みに1期を観ている最中から、
旧作ファンの間であれこれ言われているのを知っていたので、
2期が始まるまでの間に旧作の方も視聴してみた。
印象としては新作よりも全体的にコメディ色が強かったように思えるが、
旧作の出来も良く、何より当時ならではの空気感があり、
旧作を愛する人達の気持ちも良く解るものだった。

しかしながら、思い出補正のない、
フラットな状態で視聴した自分の感想としては、
新作は旧作愛も感じられるし、
何より原作者が総監修し原作に忠実に作っているという面で、
改変が無く旧作で大幅にカットされた、
感涙必至の重要回もしっかり描かれているのが大きい。
そして、何より新作の方が3倍は泣ける、これだけは間違いなかった。
どちらが上とかではなくどちらも良い作品には違いない。

☆☆声優☆☆

本作は各キャラクターの単独での長い語りも多く、
かなり声優の実力、演技力が試される内容だと思うが、
まず、よくこれだけの実力者を揃えたなと思うし、
旧作を参考にしつつ熟慮したのであろう、
キャスティングに関してはとても良く考えられている。
また声優陣も旧作を自分なりに研究し解釈して演じているというのが良く判るし、
各々素晴らしい演技が堪能できた。

個人的な好みとしては、
経験豊富な中村悠一、佐藤聡美、釘宮理恵、
森川智之辺りはハマり具合が特に気に入っている。
そして、若手としてヒロインに大抜擢されたとも言える石見舞菜香さん、
製作陣はよくこの人を選んだなとつくづく思う。
旧作当時新人だった堀江由衣の演技に比べても、
声の透明感や表現力に於いて、よりトオルのイメージに合っていると思うし、
何より感情の込もった泣きの演技が本当に上手かった。

ただ、唯一ハトリに関しては、
通常の演技に関しては特に気にはならなかったが、
回想の語りの所がやや抑揚に掛けたように聞こえたのが少し勿体なかった。
とは言え、全体としてみれば殆ど5点を付けても良いかなと思えるほど満足している。

☆☆キャラ☆☆

これに関しては減点できる要素が無い。
登場人物はやや多いものの、殆ど全てのキャラが個性的であり、
十二支の設定もユニークで、各々の魅力が存分に楽しめる。
コメディ&シリアスの両面で透との関わりを通じて、十分な掘り下げがなされており、
1期は言ってみれば2クール使って、
ひたすらキャラの背景とトオルとの関わりを丁寧に描いたとも言える。
(まだ殆ど出てきてない十二支や謎を秘めたアキトも居るが)

そして、やはり何よりトオルとキョウコの優しさ、
思いやりに溢れたセリフの数々が本当に尊い。
トオルはこれまで観てきた色々な作品の中でも、
もしかしたら自分にとっては最高のヒロインかもしれない。
ほんまにエエ子すぎる...少々現実離れしているかもしれないが、
それも理想だから良いのだ。トオルの性格ありきの物語でもあることだし。。

個人的なお気に入りは、男性キャラではシグレ 女性キャラではカグラと花島さん。
中村悠一の水を得た魚のように活き活きとした笑
シグレの演技に加えて、ちょっと変態っぽい所も最高だ。
釘宮節を思う存分堪能できるカグラ、
コメディ要員かと思いつつ壮絶な過去を乗り越えてきた花島さん、
佐藤聡美の落ち着いた声のトーンとも相性抜群だと思う。
メインな役柄ではない、プリユキのモトコや編集のミツなんかも何気に自分は気に入っている。

☆☆作画☆☆

キャラデザインは旧作に比べて、原作に寄せないようにと原作者から要望があったようで、
この点に関しては、やはり新作はより洗練され見やすくなった印象を持った。
(旧作も時代を考えると健闘しているが、透の目がデカ過ぎて自分には若干違和感を感じた)

背景に関しては手の込んだ作品の多い昨今としてみれば、特筆するほど迄ではないと思うが、
人物の造形と表情の変化がよく描けており、最後まで安定感があった。
この作画の安定感があったからこそ、思う存分キャラクターに感情移入できるというもの。
世の中が大変な時期ではあるが、2期もなるべくこのクオリティを保って頂きたいと願うばかり。
点数としては3.5と4.0の間くらいにしたいところだけど、無いので少しおまけの4.0


☆☆音楽☆☆

1クール目のOPに関しては、当初何故こんなEDみたいなバラードを持ってくるのか?
と疑問を持ったが、後から旧作を意識したものだったんだなと納得。
トオルとキョウコ以外のキャラがうつむきがちだったり、
遠くを見て物思いに耽っている様が、
物語の先行きとキャラの抱える闇を暗示しているようで興味深く、
曲調ともよく合っている。

2クール目のOPは一転曲調が明るくなり、雨上がりに空を見上げる様が、
十二支のメンバーとトオルとの関わりによる変化をよく表している。
EDに関しても曲自体は悪くない。
特に1期のクライマックスである24話、
キョウの語りからのEDの入りは涙なしに観れない。

しかしながら、旧作と比べてしまうとOP、ED共にややインパクトに欠けるのは確かだ。
これだけの作品であれば、曲単体で悪くない、
というレベルでは満足できないのは贅沢だろうか。
エイベックス絡みなので仕方ないところではあるが、
やはりこの作品のためだけに、作品の内容とよりリンクした歌詞と曲、
インパクトが欲しかった。
旧作のOP、EDは正直歌自体はそんなに上手いと思わないが、
インパクトが有り、何より作品への愛情が感じられる。
それに対して本作では挿入歌の「生まれる願い」が一番感動的で気に入ったのだが、
作曲が劇伴を制作した人のよるものだと知って納得した。

作中の音楽については本当に素晴らしい楽曲ばかりで印象深い。
サントラを聴きながら書いているが、数々の感動のシーンが蘇ってくる。
作品に与える音楽の演出力が如何に重要かという事が良く解るものだが、
シリアスな場面以外にもコミカルなシーンや日常に用いられる楽曲もよく出来ている。
作品を気に入った方には是非このサントラもチェックしてみてはどうだろうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「人の素敵というものがオニギリの梅干しのようなものだとしたら、その梅干しは背中についているのかもしれません。」

1998年から2006年にかけて「花とゆめ」で連載され、
2001年に一度アニメ化された作品。

そんな作品が再びアニメ化!

私は2001年のアニメは観ていませんが、
原作はすべて既読です。

名シーンの数々に再び会うことができて、感無量です…(´;ω;`)

2001年のアニメでは原作が完結していなかったため、
最終話までアニメ化されなかったそうなのですが、
今回はラストまでやってくれるのかな?

1期は全25話です。


● ストーリー
女子高生の本田透(ほんだ とおる)。

彼女は両親を亡くし、
今は訳あってテントで暮らしていた。

透がテントを張っていた場所は、
クラスメイトの草摩由希(そうま ゆき)が暮らす家の敷地だった。

家主の紫呉(しぐれ)から家事を行うことを条件に家に住むことを提案され、しばらくの間、紫呉と由希と一緒に暮らすことになった。

しかし、草摩家には十二支に関わる秘密があり、
透はその秘密を知ってしまったことで、草摩家と深く関わることになる。


ストーリーは原作通りだと思います。

十二支の動物に憑かれた草摩家の人たちと、
その秘密を、草摩の人間以外で知ってしまった透の物語。

十二支に憑かれた人間は、異性に抱きつかれると、
動物に変身してしまうという体質を持つのです。

設定だけ聞いていると可愛い感じがしますが、この体質や草摩家の空気によって、それぞれが苦しい過去や悲しみと今も戦っているという、重く辛い雰囲気があります。

そんな苦しみや悲しみに対して、
透と一緒に過ごしたり話をしたりすることによって救われるという展開が多く、

透と出会ったことで草摩の人たちが変わっていくような、
心が溶かされていくような、そんなお話です。

透自身も母を亡くし、家もない、
居場所のない悲しさや寂しさを抱えていますが、

その悲しさや寂しさから救ってくれるのも、
草摩の人たちや友人たち。

共に支え合う優しさが温かい作品でした。


● キャラクター
この作品の鍵となるのは、やはり本田透という人間でしょう。

ちょっと天然でドジなところもあって、
周りの人を気遣い、どんな相手も笑顔で受け入れる。

そんな優しい彼女に、
これまで苦しんでいた人たちがどれほど救われたか。

気が付けば、
彼女の周りには彼女を慕う人たちが集まっていますね^^

タイトルにも引用した透の梅干し理論大好きです♪

「人の素敵というものがオニギリの梅干しのようなものだとしたら、
 その梅干しは背中についているのかもしれません。」

背中にあるから自分では自分の良いところには気付きにくくて、
他の人の良いところにはいくらでも気が付いて羨ましくて。

あなたの素敵なところ、私にはちゃんと見えていますよ^^と。

この語り、原作を読んだときから印象的でしたが、
改めてアニメで見て、大好きだなと思いました(*´ω`*)


十二支の面々も個性が豊かで、
しかもイケメンが多くて良い(*´Д`)

この作品はハーレムを狙っているわけではないので、
恋愛色は強くありません。

それぞれが、惹かれる人に惹かれる、という感じ。

透に関わる恋愛色は、由希くんと夾(きょう)くんが、
三角関係をにおわせているぐらいかな。

タイプの違うイケメンと三角関係とかもういくらでも観てられる(*´Д`)ハァハァ

私は昔から夾くん推しですが、
今回も可愛かったー(*´Д`)

素直じゃないところとか、単純なところとか、
びっくりすると猫耳が出ちゃうところとか、すべてが尊い(*´Д`)ハァハァ

だけど時に積極的になる由希くんがマジで王子すぎて揺らぐこともありましたw

王子属性は伊達じゃない…笑顔もかわいいし…。


動物姿があんまり私には刺さらなかったのが残念。

もうちょっと可愛い動物姿だったら嬉しかったのだけど…。


新しいアニメ化ということで、
声優さんも一新です。

私は前作のアニメを見ていないので違和感なく、
新鮮に聞いていました。

重い雰囲気とは切り離せませんが、
にぎやかで、なんだかんだ仲の良い十二支の皆さんのキャラクター、
楽しかったです^^

まだ十二支全員はそろわなかったので(あと二人)、
先の展開も楽しみにしています。


● 音楽
2001年アニメの主題歌が名曲すぎたので、
それによるハードルが高すぎて。笑

どの曲も単体で聞くと良い曲ばかりなのですが、
フルバの曲として聴くと、私の中ではいまいちハマりませんでした。


【 前半OP「Again」/ Beverly 】

2001年のOPを意識したのかな?と思わせる、しっとり感動系のOP。

いい曲だけど、どうしても2001年OPには適わないという考えがよぎってしまう…。


【 後半OP「Chime」/ 大塚愛 】

前半OPとはガラッと雰囲気が変わった明るい曲。

こんな雰囲気の曲も悪くないですね^^


【 前半ED「Lucky Ending」/ ビッケブランカ 】
【 後半ED「One Step Closer」/ INTERSECTION 】

こちらはどちらもしっとり系。

どちらもよく似ている雰囲気です。

いい話の後によく合っていました。


● まとめ
最近過去の名作のリメイクが多くて、個人的には嬉しいような、今さらリメイクする必要ある?と思う複雑な気持ちが入り混じって、なんとも言えない気持ちがあったのですが、

こうして実際にリメイク版を見てみると、
名作はいつ見てもやはり名作だなあと感じられます^^

時代を越えて再び出会える嬉しさがあるんですね♪

この作品の登場人物に重くのしかかる辛さ。
しかし、それがあるから感じられる優しさや温かさ。

透や草摩の人たちのそんな姿は、
気が付けば見ている人たちの心も優しく救ってくれているのだと思います。

2期も楽しみです♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

92.6 2 2019年度のトラウマアニメランキング2位
約束のネバーランド(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.9 (1128)
5448人が棚に入れました
母と慕う彼女は親ではない。共に暮らす彼らは兄弟ではない。ここグレイス=フィールドハウスは親がいない子ども達が住むところ。至って平穏なこのハウスでささやかながらも幸せな毎日を送る三人の主人公エマ、ノーマン、レイ。しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

声優・キャラクター
諸星すみれ、内田真礼、伊瀬茉莉也、甲斐田裕子、藤田奈央、植木慎英、Lynn、河野ひより、石上静香、茅野愛衣、日野まり、森優子、小澤亜李
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

心臓バクバク

{netabare}忘れ物のぬいぐるみを届けに行ったらコニーが死んでいて{/netabare}びっくりした。鬼ごっこは遊びでしかしていなかったのに、急に命をかけるはめになるのはしんどそう。{netabare}頭が良い子の出荷を先延ばしにするのは知能が高い子供の脳が美味しいかららしいけど、知能が高いと秘め事がばれる確率は高いよね。ばれても今までは制御できてたんやろうな。{/netabare}ノーマン天才すぎ。{netabare}完全にレイ騙されてるし、自分がいなくなった後のことまで考えてる。{/netabare}でも、レイも中々策士。{netabare}生まれた直後の記憶を持ち合わせているからずっと計略を練っていたし、自分を燃やそうとするなんてクレイジー。エマも耳を切り落として発信機を外すのはクレイジー。諦めたふりで幼い子供に計画を吹き込んでいたのはさすが。フィルは無邪気なふりして全てを悟る天才少年。心強い。{/netabare}

原作未読だから演出と相まっていちいち心臓に悪い。ドキドキしながら見てた。期待以上の面白さだった。
クローネ悪い奴とばかり思ってたけど、可哀想。{netabare}生存し続けて選別されただけあった{/netabare}イザベラも賢いし、強い。大人にパワーは勝てん。{netabare}エマの足をいとも簡単に折ってしまうのはびっくり。彼女自身もただの悪人ではなく、幼少時はエマと同じ境遇にいたわけで好きだった男の娘は出荷されるし、そのことがきっかけで脱獄を試みたこともあったけど、当時は壁の向こうの崖に絶望し、生き残るためにママになっていた。衝撃を受けたのはレイが実の息子だったこと!!父親は明かされるのかな。エマがしんがりで崖を渡った後に髪をほどいて寂しげな表情になったのを見るとこっちまで切なくなった。恐らく、子供の頃を思い出してた。そして、逃げた子供たちを見送るときには完全に子供の幸せを願う親の顔でした。イザベラのことは胸糞悪い不幸になれとずっと思ってたのに、ロープを回収して、残された子供たちの元に戻ってきて寝かしつけるまでの表情を見てたら、彼女にも幸せになってほしいなんて思えてきた。{/netabare}

2期も見るぞ。

OP
Touch off 歌 UVERworld
UVERworldって結構アニソン歌ってらっしゃる。これからもお願いします。
ED
絶体絶命 歌 Cö shu Nie
Lamp 歌 Cö shu Nie
くしゅにえと読むらしい。知らなかった。

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
突然終わりを告げた、グレイス=フィールドハウスの幸せな日常。ハウスは農園。子どもたちは、鬼に飼われる食用人間。大好きだったママは子どもたちの監視役。「これ以上、家族が死ぬのは嫌だ…!」そう願ったエマ達は、日常に潜んでいたあらゆる意図を解き明かしていく。鬼vs子ども、命をかけた脱獄計画が始まる

EPISODE.01 121045
グレイス=フィールドハウスは親の居ない子供たちが住むところ。血の繋がりはなくても、ママと38人の兄弟はささやかながら幸せな日々を送っている。11歳のエマ・ノーマン・レイはハウスの年長者であり、毎朝のテストでそろって満点をとる優秀さをほこる。 ある夜、里親のもとへ旅立つコニーを見送った子供たちだが、忘れ物に気付いたエマとノーマンは近づくことが禁じられている門へ向かう。そこで2人は衝撃の真実を目撃する---

EPISODE.02 131045
子供たちは鬼に食べられるために育てられている。大好きなハウスは農園。優しかったママは敵。ハウスに隠された真実を知ったエマとノーマンは、脱獄を計画する。だが、イザベラはコニー出荷の夜に子供2人が門に来たことに気付いているようで……。

EPISODE.03 181045
新たな大人、シスター・クローネが現れ、監視の目が増えたハウス。レイも加わり3人で脱獄の方法を模索するなか、エマは自分たちの身体に埋められている発信器の場所を特定する。そして全員での脱獄に向けた訓練のため、全力の「鬼ごっこ」を始めるが、そこにクローネが鬼役として参加する。

EPISODE.04 291045
子供たちの中に内通者がいる。それは誰なのか、兄弟の動向を気にするエマたち。内通者を特定するため、ノーマンはあることを仕掛ける。一方で、外に出てからのことを考え、ドンとギルダには事情を話すことにする。残酷すぎる真実。そのすべてをありのまま話すことはできなかったものの、新たな協力者2人を引き入れることに成功し、また脱獄計画は進んだと思われたのだが……?

EPISODE.05 301045
内通者がレイであることを突き止めたノーマンは、二重スパイになるよう提案する。レイは脱獄の準備をするために自ら志願して内通者になったことを明かし、全員での脱獄を諦めること、そのためにエマを騙すことを協力の条件とする。翌日、レイが内通者だったことを知り、改めて全員での脱獄を決意するエマ。そしてイザベラの隠し部屋を見つけたことを報告するが、ドンとギルダはエマ達には告げずその部屋に侵入しようとする。

EPISODE.06 311045
ウィリアム・ミネルヴァという人物から贈られた本にはモールス符号で子供たちへのメッセージが隠されていた。ハウスの外に味方がいるかもしれないと希望を持つエマたち。一方、イザベラの隠し部屋に侵入成功したドンとギルダは、エマたちのついた嘘に気付いてしまう。今度こそ真実を語った彼らに怒りをぶつけるドンだったが、自らの無力さを嘆くその姿に、エマは兄弟を信じようと思い直す。しかし翌日、そのやりとりを見ていたクローネが手を組むことを持ちかけてきて……?

EPISODE.07 011145
イザベラからママの座を奪いたいという目的とともに、ハウスの管理システムについてクローネから聞かされたエマたちは、彼女と手を組むことにする。その夜、情報収集のためクローネの部屋を訪れたエマとノーマンだったが、逆に発信器の場所や壊し方に気付いていたことを知られてしまう。子供たちの脱獄計画を本部に訴えるための証拠として、発信器を壊す道具を探すクローネだったが、そんなクローネにイザベラは本部からの通達を突きつける。

EPISODE.08 021145
イザベラに見送られたクローネは、グランマに彼女のミスを訴える。しかしグランマはそのことを全く意に介さず、クローネは鬼に殺されてしまう。その日の午後、エマとノーマンを塀の外の下見へと向かわせたレイは、偽の情報を流しイザベラの注意をひこうとするが、それに気付いていたイザベラはレイを部屋に閉じ込めてしまう。そしてエマとノーマンに対峙したイザベラは、ノーマンの出荷が明日に決まったことを告げるのだった---

EPISODE.09 031145
ノーマンの出荷を阻止するため、逃げたふりをしてハウスの敷地内に潜伏するよう提案するエマとレイ。自分が逃げることでエマたちの脱獄が失敗してしまうと拒否するノーマンだったが、二人の必死の説得を受け入れる。 出荷当日である翌日、逃げるために塀へと向かったはずのノーマンだったが、計画に反して夕方にはハウスに戻ってきてしまった。戻ってきたノーマンから明かされた真実に、エマとレイは驚愕する。

EPISODE.10 130146
ノーマンが塀の上から見た景色によって農園全体の構造が明らかになった。 しかし彼は、自分は逃げることはしないと出荷の覚悟を決めていた。必死で引き止めるエマとレイだったが、ノーマンはトランクに糸電話だけを入れて旅立ってしまう。 ノーマンを失い絶望するエマとレイ。遂に脱獄計画を諦めたかに見えたが……?

EPISODE.11 140146
諦めたふりをしながら、脱獄の準備を進めていたエマとレイ。レイは出荷前夜、用意していた道具で火事を起こし、その隙に逃げ出すことを提案するが、それはレイ自身を火の中に残すことまでも組み込んだ計画だった。しかしすんでのところでそれを阻止したエマは、レイの行動を予期していたノーマンからの手紙のこと、そしてハウスの子供たちと進めてきた準備のことを明かすのだった。イザベラを出し抜き、炎に包まれるハウスを背に塀に向かうエマたち。脱獄は成功するのか---!

EPISODE.12 150146
必ず迎えに来ると約束し、4歳以下の子供たちを残していくことを決意したエマ。そして5歳以上の子供たちは訓練の成果を発揮し、ぞくぞくと崖を渡っていく。一方イザベラは本部に通報し脱獄を阻止しようとするが、崖の向こうにいるエマたちを目にし、ついに追うことを諦める。自分もかつてハウスで育った子供であったイザベラは、遠ざかっていく子供たちの背中を静かに見送るのだった---。脱獄が成功し崖を渡ったエマたちは対岸の森を駆ける。自由を手にした喜びとこれから生きていくことへの決意を胸にしたエマが森を抜けると、そこには彼らを祝福するような朝陽が輝いていた。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

生きていくんだ それでいいんだ

それは田園 こちらは農園 ・・・ふっ

・・・あ、ちょっと待って、{netabare}いやっ、行かないで~、、、{/netabare}な全12話。


原作も未読であれば、ジャンプももう何年も読んでませんね。週刊少年ジャンプの人気連載作品ということで、子供とTV前で待機。
第1話を観終えて彼らは静かに去っていきました。お子様と一緒に視聴するにはご注意ください。我が家でR12指定となった “ほんとに少年向けなんかいな?” な世界観です。


いやぁ毎週面白かったですね。なにせ間髪入れずもう一周しましたから。
導入良し→つなぎも良し→締め最高、、、と1話1話退屈せず、連載継続中ながら12話の尺で綺麗にまとめたことも好感です。結末を知って価値に気づきがちな序盤~中盤を面白く仕上げてもらってほんとにありがとう。2018年冬期の作品群の中でもトップクラスの出来でありました。
続きのある物語に対し早々に2期が決まったことで、今後の楽しみが一つ増えた幸福感もあります。


幕明けの舞台はグレイスフィールド(GF)ハウスと呼ばれる孤児院から。ママ・イザベラのもとで上は11歳までの子供たち30余名が一緒に暮らしてました。
ロケーションは大草原の小さな家。孤児院と聞けばあしながおじさんや若草物語のようなものを事前には想像してました。違うんだけどね。
そこの子供たちのうちエマ(CV諸星すみれ)、ノーマン(CV内田真礼)、レイ(CV伊瀬茉莉也)の3人が物語の主役。・・・それと彼らのみならずハウスの子供たち全員が主役の物語だったのでは?と思えるお話。
6歳から12歳までの間に里子に出されるとママから聞かされている子供たち。うち一人コニーとのお別れの日。別れを済ませた後、ぬいぐるみを忘れてることに気づいたエマとノーマンがコニーに届けようと後を追って。。。

そこから物語は一転。第1話ラストから最終12話までノンストップな子供と大人の心理戦?サスペンス?スリラー?またはホラー?が展開されます。
詳しくは本編で。農園の意味は早々にわかりますので、そこからハラハラドキドキを楽しみましょう。私的今期(2019年冬)のベストでした。


以下、思ったことを五月雨に。※ネタバレ

■ホラーやスリラーではなく心理戦でした
猟奇的な世界観で色濃く印象的だったのは、エマら子供たちとママ・イザベラ(CV甲斐田裕子)、シスター・クローネ(CV藤田奈央)の大人らとの駆け引きです。この腹の探り合いに集中できたのは不要なホラー演出を削いだからなんじゃないかと思ってます。
{netabare}例えば、子供らが謀議している最中に物陰からニュッとママやシスターが登場するような演出は皆無でした。双方に企みを盗み聞きしたり直接知るような描写がありません。状況証拠や間接的な言動からの探り合いに絞ってました。{/netabare}
{netabare}ママもシスターも元はと言えばフルスコア。さらにトレーニングを積んで派遣され実地で鍛えられた猛者です。直接でなくてもなんでもお見通し、一筋縄ではいかないラスボス感を十二分に引き出す効果がありました。{/netabare}


■絶望からの分岐
絶望を知った後にどう分岐していったか?の対比が好きです。
{netabare}言うまでもなくエマ、シスター・クローネ、ママ・イザベラの3名です。
エマ:抗う人。もちろんそこは主人公。けっこう身も蓋もない世界なのにエライよこの子!
シスター:堪えられなかった人。躁鬱の躁。壊れてましたね。選ばざるをえなかった道もイバラの道。自分♂ですがシスターやママやってたら正気を保てる自信がありません。
ママ:受け入れた人。ってまんまですが、シスタークローネが壊れてた分余計に底の知れぬ深い絶望を受け入れたことがわかり、そのことが最終盤効いてきましたね。{/netabare}
{netabare}一周めはノーマン、レイ、エマの3人を中心に観てました。最終回を見届けて今度はエマ、クローネ、イザベラの3人に焦点をあてて。けっしてクローネはネタキャラではないのです。{/netabare}


■イザベラ
{netabare}マンドリンの少年(レスリー)の曲が印象的な本作。イザベラにとってどういった意味を持つのか?
第1話コニーを門まで送る時の鼻歌が初出。第10話ノーマンとの別離。第11話でレイが火をつけた時。せめてもの手向けなのかレスリーの記憶を留めておきたかったからなのか。
ハウスで過ごした記憶の欠片を手離してなかったことに意味があったんじゃなかろうかと思います。{/netabare}

{netabare}「絶望に苦しまずに済む一番の方法は諦めることよ。抗うから辛い。受け入れるの。楽になれるわ。簡単よ。」

{netabare}かつてのイザベラが現在のエマだっていうのが、これまた切ないのでした(語彙力)。頼れる仲間がいたかどうかの差なんです。{/netabare}{/netabare}


■声優さんの演技
あらためてやっぱり声優さん凄いな~と思いました。
ノーマン役の内田真礼さん。ギルダ役のLynnさん。演技の幅って無限に広がるんですね。
それと短いセリフに込められ感情の豊かさでしょうか。※特定シーンのため閉じます。

{netabare}・「うん」エマ
ノーマンと別れの際、絞り出した「うん」その数8回。その短い言葉一つ一つどれも違っていて、ないまぜの感情が伝わってきた名演です。{/netabare}

{netabare}・「いってらっしゃい 気をつけてね」イザベラ
絵と音の力ではないと思うんだよな~。憑き物が取れた嘘偽りない「私のかわいい子供たち」に聞こえました。ダメねこういうの(T_T){/netabare}



次が気になる展開、裏をかいてまたその裏をかいての緊張感の続く化かし合い。
その根底で「絶望」との向き合い方で道の別れた3人に強いメッセージ性も感じました。
OPEDも作品に合った良いチョイスですね。


{netabare}・識別番号は連番ってことはなさそう。意味はあるのか?
・2期は頭脳戦からサバイバルみたいになるんだろうね。趣きはだいぶ変わりそう。
・イザベラ処分されるんだろうな。
・てかノーマン{/netabare}

きちんと謎や伏線は残したまま2期へと繋がるわけですが、もやっとした感情は無く、終わり方含めなんともすっきりした全12話でした。


それにしても、、、
{netabare}ヒーロー願望というか、男は死にたがるというか諦めが早いというか自意識が強いというか。女性の胆力の強さをまざまざと見せつけられた気分になりました。{/netabare}



視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴

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2019.09.17追記
《配点を修正》 +0.1

その後他のレビュアーさんとのやりとりでもやっとしたとこが解消しました。あざまーす!
2期前提ではあるものの、そこへの繋ぎ方と一作品としてのまとまり具合に嫌みがないこと。他の作品とのバランスを考慮し加点しておきます。



2019.04.13 初稿
2019.09.17 追記/配点修正
2022.01.30 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 83

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

抗え。この世界の運命に。

この作品の原作漫画は未読です。
最初の視聴の理由はノイタミナ作品だったから…
ですが気が付いてみると2019年冬アニメの中でもトップクラスの面白さだったと思います。

母と慕う彼女は親ではない。
共に暮らす彼らは兄弟ではない。
グレイス・フィールドハウスは、親の居ない子どもたちが住むところ。
血の繋がりはなくても、ママと38人の兄妹が幸せな毎日をすごす、かけがえのない家。
しかし、彼らの日常はある日突然終わりを告げた…

公式HPのintroductionを引用させて頂きました。
本当は2ページに渡ってこの作品の概要が記されているのですが、2ページ目はネタバレ要素を含むので1ページ目の紹介にとどめておきます。

レビューのタイトルは公式HPのトップページに記載されている文言なので、きっとキャッチコピーなんだと思います。
このキャッチコピーとintroductionを踏まえると、何等かの事情でこれまでの幸せが無くなってしまう事に対して38人の兄妹が運命に抗おうとする物語…と読むことができます。

言葉を額面通りに受け取ると物事の本質に辿り着けない…そんなミスリードが含まれています。
これもアニメ本編を盛り上げる作り手の配慮なんだと思いますけれど…

確かに、子供たちが背負った運命は過酷という台詞が陳腐に感じるほど、絶望にまみれています。
でも、その絶望は昨日今日に始まった話じゃないとしたら…?
でもXデーは何の前触れもなく突然訪れるんです。

誰もが信じて疑わなかった…
里子としてこのハウスを出たら幸せになれるんだと…
だから手紙の返事が来ないのも幸せ過ぎる日々を過ごしているからだと…
それは本作品の主人公で、ハウス最年長の一人であるエマも一緒…

このハウスには最年長者…11歳の子どもが3人住んでいます。
抜群の運動神経と高い学習能力を持ったムードメーカーのエマ(CV:諸星すみれさん)
優れた分析力と冷静な判断力を備えたハウス1の天才のノーマン(CV:まややん)
ハウスの子どもたちの中で唯一ノーマンと渡り合える知恵者のレイ(CV:伊瀬茉莉也さん)
この3人の学習能力は高く、毎日のテストで度々フルスコアを叩き出している逸材です。

ハウスから里子に出されるのは年功序列という訳ではありません。
もし、年功序列だったら導き出される結末は全く異なっていたと思います。
その日はコニーが里子に出る日でした。
可愛い服でおめかしして、肌身離さず持っている兎のぬいぐるみ…リトルバーニーを抱きしめて明るくみんなとお別れの挨拶を交わしています。

そりゃそうです…
これからのコニーの人生は幸せで満ち溢れているのですから…
きっとこれからの期待で小さな胸を膨らませていたからなのか、コニーはリトルバーニーを忘れてママと一緒にハウスを出て行ってしまったんです。

いつも肌身離さず持っていた大切なぬいぐるみです。
追いかけて届けたいと普通思いますよね。
きっとこれがなきゃ、コニーが困ることもあると思うから…
エマとノーマンが走ってぬいぐるみを届けようとして偶然目にしたのは衝撃の事実…
思えばこれが運命に抗おうと決意した起点…
そしてここから様相が一変しながら物語が動いていきます。

エマたちはフルスコアを叩き出しているとはいえ未だ11歳。
我々の世界では小学5年生という年端のいかない子どもたちでしかありません。
そんな子どもだけの集団において、大人の存在は一際大きいと言えます。
事実、38人もの子どもの面倒を見ているママの存在は絶大でしたから…

でもママは大人…というだけではありません。
頭が切れ、とても慎重…やること全てにおいてソツがなく決して手を抜かない…
加えて幼い子どもたちはママに対して全幅の信頼を置いていますから…
しかもこのハウスがどこにあるか…それすら子どもたちは知らないんです。

この様な四面楚歌の中で、子どもたちはどのような一手を打ってくるのか…
辿り着いた答えは「奇跡の綱渡り」みたいでしたけれど…
正に「神の一手」と言っても過言ではありません。

ここで大切なのは、そこに至るプロセスです。
子どもたちは何を乗り越えてその思考に至ったのか…
勇気、優しさ、信頼に厳しさ…どれかが一つ欠けても神の一手には至らなかったでしょう。

物語ラストのママの顔が印象的です。
ママだってハウス育ち…
幼い頃に思い願ったことに接点の無い筈がありません。
そこに立ちすくんでいたのが幼い頃のママ一人じゃなかったら…
なんて考えてしまいますけれどね^^;
感覚の全てを注ぎ込んで視聴できる作品です。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、UVERworldさんの「Touch off」
エンディングテーマは、Cö shu Nieさんの「絶体絶命」と「Lamp」
どの曲も痺れ要素満載なんですけど…
今期のアニソンBEST10のどこまで上位に食い込むかが楽しみです。

1クール全12話の物語でした。
性別・年齢関係なく堪能できる作品だと思います。
でも物語は一つとても大きく大事な伏線を残していますよね。
来年放送される続編でその伏線がどこまで明らかになるのか、正直気になって仕方ありません。
原作を…とも思いましたが、続編の視聴に余計な雑念を入れたくないので我慢…
と思っていたら、いつの間にか我が家に原作全巻揃っているじゃありませんか!
直ぐ手に取れる場所に無いから我慢できると思っていたのに…
まぁ、これも試練なんでしょうね^^;
続編の放送を超楽しみにしています!

だから願わくば原作により忠実であって欲しいと思いますし、極力端折ることなく描き切って欲しいと願っています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

72.6 3 2019年度のトラウマアニメランキング3位
俺を好きなのはお前だけかよ(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (482)
1929人が棚に入れました
ここで質問。もしも、気になる子からデートに誘われたらどうする? しかもお相手は一人じゃなく、クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼なじみ・ひまわりの二大美少女!! もちろん、意気揚々と待ち合わせに向かうよね。そしてそこで告げれれた「想い」とは――……「俺じゃないヤツが好き」っていう「恋愛相談」だった。ハハハ。……やめだ! やめやめ! 「鈍感系無害キャラ」から、つい本来の俺に戻ってしまった。でも、俺はここでへこたれない。恋愛相談に乗れば、俺を好きになってくれるかもしれないからな! そんな俺の悲しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。三つ編みメガネの陰気な少女・パンジーこと三色院菫子。俺はコイツが嫌いです。なのに……俺を好きなのはお前だけかよ!! 自分がモブだと気づけなかった主人公と個性的な華々しい女の子たちのちょっと刺激的な学園青春(?)コメディー、ここに始まる!?

声優・キャラクター
山下大輝、戸松遥、白石晴香、三澤紗千香、内田雄馬、三上枝織、東山奈央、斉藤朱夏
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

惰性で最後見たけど、別に悪くない

確かに3話で区切って終わらせても良いくらいではあった。
{netabare}兎に角、地区大会決勝が特異点になってるのは草。東口と西口でエースが負けて隠れて泣く様を見て惚れるひまわりとコスモス。そんで主人公にエースの太陽とくっつけてくれるようそれぞれ頼む。肝心なところであり得ないくらい緊張するし、安易に主人公に抱き着いたり、二人きりでデートしたり。ワンチャンスあるかもと主人公に期待させておいて地の底に突き落とす。
そんな主人公を好きなのがパンジー。僕もあんな娘が好きだけどね。主人公いい子ぶってるのは少々ムカつく。
そして、エースはパンジーが好きでこれまた主人公に手伝ってほしいと頼む。これまた、地区大会だし、例の白いベンチ登場。地区大会決勝で励まされたのが好きになった理由らしいけど、後で実はパンジーではないと明かされる。
断るとエースはひまわりとコスモスのあからさまな好意を利用して主人公に関することをあることないこと言う。好きな男の言うことしか彼女は信じないものだから、主人公は孤立していじめられる。
いじめかたが少しおしゃれ。机にゴルフコースできてたらむしろ嬉しいかもしれない。
パンジーだけは味方でエースのクズさを明らかにしつつ、主人公が下衆な面もあるけど、エースを親友と信じて串カツを大量に買って待つ良い男でそれが好きになった理由と語る。
{/netabare}
とりあえずスカッとした。ずっと主人公が可哀想で感情移入してもやもやしていた。普通のラブコメじゃないぞ。面白いぞ。

ニックネームが洒落ているところは好き。みんな花の名前とかだもんな。こんなあだ名で呼ばれたい。

残りは惰性で見てたけど、別に嫌いではない。通常ハーレムになってしまって残念な人多そうだ。
ただあんな仕打ちをしておいて、どの面さげて好きと言えるのかその心境は謎。
ホースは蛇足だったかも。とりあえず最後どうなるかに期待。


OP
パパパ 斉藤朱夏
ED
ハナコトバ ヒロイン、パンジー(戸松遥)・ひまわり(白石晴香)・コスモス(三澤紗千香)
斉藤朱夏のソロ活動を応援していきたい。


ここで質問。もしも、気になる子からデートに誘われたらどうする?しかもお相手は一人じゃなく、クール系美人・コスモス先輩と可愛い系幼なじみ・ひまわりの二大美少女!!もちろん、意気揚々と待ち合わせに向かうよね。そしてそこで告げられた『想い』とは---……「俺じゃないヤツが好き」っていう『恋愛相談』だった。ハハハ。……やめだ!やめやめ!『鈍感系無害キャラ』から、つい本来の俺に戻ってしまった。でも、俺はここでへこたれない。恋愛相談に乗れば、俺を好きになってくれるかもしれないからな!そんな俺の悲しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。三つ編みメガネの陰気な少女・パンジーこと三色院董子。俺はコイツが嫌いです。なのに……俺を好きなのはお前だけかよ!!

1. 第1話 僕ってほんと、どこにでもいる平凡な高校生なんだ
元気いっぱい笑顔がまぶしい幼馴染・ひまわりと、オトナっぽくて才色兼備な生徒会長・コスモス。そんな二大美少女からデートに誘われた超ラッキーな男子。……はい! それが僕、ジョーロこと如月雨露です! どこにでもいる平凡な高校生に、こんな素敵な幸運が訪れるなんて! よぉ~し、二人と素敵な時を……って、なんで僕、二人から恋愛相談されてるの!? ああ、僕の美少女ハーレムラブコメ計画がもろくも崩れ去っていく。ク、ククク……いいぜ! なら別の手段をとるだけだ! さぁ、準備はいいか? ここからは、平凡なラブコメの時間は終わりだ。

2. 第2話 俺に襲い掛かる負のスパイラル
まさかの『ダブル告白』によって、夢の高校生活が茨の道へと早変わりしてしまった……。あ、どうも。『俺』ことジョーロです。しかーし! そんなことでハーレム高校生活を諦める俺じゃねえ。ひまわりとコスモスの二大美少女の恋の手助けをしながら、おこぼれをもらう作戦を決行中よ。……にしても、目の前にいるこの毒舌ストーカー女はいったいなんなの? いやがらせひどくない? 名前もパンジーとかいうわりに可愛らしさゼロ。挙句の果てには、なぜか俺の大親友・サンちゃんからは、『パンジーとの恋を手伝ってくれ』とお願いされ……!

3. 第3話 俺はお前と会っていた
終わった、完全に終わったよ。誤解が誤解を呼んで、ひまわり&コスモスに愛想を尽かされちまった。それだけじゃねえ。パンジーの呼び出しで向かった図書室で、絶対に嫌われたくなかった親友・サンちゃんからも絶縁状を叩きつけられちまったんだ……。おまけで、俺の愚かで浅はかな『悪行』のウワサは瞬く間に広まっちまって、正真正銘、俺は何もかも失ってしまった。ハハハ……。けど、これでいいのかもな。俺みたいなクズには分相応の状況だよ。って、ちょっと待てよ、パンジー。……嘘だろ? 『そいつ』が俺を欺き、全てを裏で操ってた黒幕だったのか?

4. 第4話 俺がガンバった結果
『黒幕』の正体が発覚し、学校中を駆け巡った『俺の悪行』の誤解は解けて平和な日常を取り戻した。けど、まだ取り戻せてないものがある! それは、俺にとって大切な、サンちゃん、ひまわり、コスモスとの絆。そう、仲直りがしたい! 俺はみんなと仲直りがしたいんだ! でもどうしてもその方法が……あん? 何だよ、パンジー? いつもはムカつく毒舌ばっか行ってくる癖に、こういう時だけ優しい言葉で背中を押しやがって……。わーったよ。自分の素直な気持ちを正面からぶつけることにするよ。それでいいんだろ、パンジー?

5. 第5話「俺にしては、うまくいきすぎてると思ったんだよ……」
ときめけ青春! きらめけラブコメ! いやぁ~、いけちゃうよぉ~! 美少女達とキャッキャウフフだよぉ~! 今度こそ、素敵極まりないラブコメを……ってなんじゃこりゃぁぁぁぁ! ちょっと新聞部のあすなろさん! 俺が、ひまわり、コスモス、パンジーに三股をかけている『女の敵』ですって!? 違うよ! それは将来的な話で……え? その疑惑の真偽を確かめるために、百花祭まで俺に密着取材をすると? よーし! やってやろうじゃねぇか! 疑惑払しょくのために、徹底的にラブコメイベントを避けてやるよ! ……ぢぐじょう……。

6. 第6話「俺は、言う時は言う」
俺は不都合主義に愛されてる! ちょっとした手違いで、まだ真偽不明だった『ジョーロ君三股記事』が学校中に配布されちゃいました! そんな絶望的な状況の俺を助けてくれたのは、なんと記事制作者である新聞部のあすなろ。あいつのおかげで、どうにか状況を鎮静化することができた……のだが、これ以上誤解を重ねないために、俺はコスモス達三人と距離をおくことになっちまったんだ……。おかげで、百花祭でやるダンス練習もままならない毎日。そして迎えた百花祭当日、波乱につぐ波乱ってのはまさにこのことで……!はぁぁぁ!?

7. 第7話「俺は意外な一面を知る」
遂に来たぜ、この時が! 花舞展をやり遂げた俺達に訪れた束の間の休日。行く場所なんて一つしかねぇ! そう、プールだ! いつもはKYなパンジーも、今回ばかしはしっかりと空気を読んだしな! 煌めく肢体! 物理法則を無視した素敵な水着! 勝った奴が俺を煮るなり焼くなり好きにできる勝負! ……ねぇ、最後のおかしくない? どうして、平和に過ごさせてくれないの? ま、いっかぁ! だって、女の子達が俺のために色々とやってくれるんだもん! つうわけで、素敵極まりない水着回の始まりだぜ! もちろん、ボロリもあるよ!

8. 第8話「俺の悲劇は気づくと始まってる」
「これから、誠心誠意尽くさせてもらうよ」。突如現れた転校生が俺にそう宣言した! いやぁ~、遂にこんな俺にも優しい女の子が……って、んなわけあるかぁ! 知ってんだよ! どうせロクでもない企みがあるがあるんだろ! クケケケ! そう簡単に俺を利用できると思うな! 貴様の本性を暴き、完膚なきまでに潰してくれるわ! ……ん? なんだよ、パンジー? 俺と共通の話題が欲しいから、自分の大好きな本を読んでほしいだぁ? ……へいへい、分かったよ。んじゃ、家でゆっくりと……はて? なぜ、俺は借りた本を僅か一日でなくすんだ?

9. 第9話「俺なりに考えた結果」
パンジーの本を買い戻すため、ツバキの店でアルバイトを始めた俺! なれない仕事に苦戦したが、この調子ならどうにか……あ、あぁぁぁぁ!! とんでもない大失敗をやらかしちまった! しかも、俺がひた隠しにしてた秘密をパンジーに暴かれて、大喧嘩までしちまったよ……。く、くぅぅぅ! こうなったら、せめてパンジーの本だけは買い戻して……って、俺が買う直前で売り切れだぁ!? 誰だ、そんな空気を読めないことをしやがったのは!なんで俺は肝心なところでいつも失敗するんだ! ……ん? あの天然系ビッチは帰り道で一体何を?

10. 第10話「俺だってたまには活躍する」
さて、このアホはなんだろう? 突如として、俺を理科準備室に引き連れていった女は、野球部のマネージャー、蒲田公英……通称『たんぽぽ』。ややこしい花のあだ名を持つ女なんだから、可愛い女の子だと思うだろう? 確かにその通りだ。たんぽぽは可愛い。……だが、だがしかしだ! いかんせん、アホすぎる! こんなアホとかかわるのは時間の無駄だし、とっとと教室に……うっげぇ! な、なんで……なんで理科準備室に……ヤツが現れてるんだよぉぉぉぉぉ!!

11. 第11話「俺はいらないかもしれない」
大ピンチだ! 利用者が少なすぎるからって図書室が閉鎖されることが決まっちまったよ! コスモスがどうにかしてくれようとしたみたいだが、そいつも失敗。……だが、利用者を増やせれば閉鎖は免れるらしい! よっしゃぁ! こうなったら、俺が……すっげぇ都合のいい頼れる味方に手伝ってもらって、閉鎖を阻止してやろうじゃねぇか! つうわけで、頼むぜ葉月! かつて図書室の閉鎖を阻止した実力を俺達のために全力で振るって……おい、どうしたんだよ、パンジー? なんで、葉月を見てそんなに怯えてるんだ?

12. 第12話「俺が好きなのは……」
やるしかねぇ……。ホースによる『善意の呪い』からパンジーを解放するために、俺がパンジーに告白をしてやるよ! 俺達が恋人同士になっちまえば……は? どういうことだよ、パンジー? もう、恋人になる約束をしている人がいる? しかも、その相手は……サンちゃんだって! だから、俺はもう必要ない、図書室にしばらく来なくていいって。……分かったよ、俺は用済みってことか。コスモス、ひまわり、あすなろ、悪いが後は任せた。俺じゃホースに勝つことはできねぇ……、そんな俺はいたって無駄だよな……。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

観終わった

2話までの感想{netabare}
あれ?面白い?
八方美人を演じてたら窮地に陥ったって話…になるのかな?
今後、他人(主人公)を利用するだけ利用して、自分に都合が悪くなると責任を他人(主人公)に押し付ける連中を見返す展開になるのなら結構良いかも?

とりあえず2話での主人公の言い訳は、「オレもサンにパンジーは不釣合いだと思ってたんだ」「『パンジーなんかよりお前の方が良い』と振り向かせられると思った」じゃダメだったんかなー?
と思うが、あくまで俯瞰で見てるから言えることで当事者だと一杯一杯で難しいか。
まぁそれ言ったらラブコメが成立しなくなっちゃうけどね。
ぶっちゃけ「他の女より私の方が良いと分からせてやる・振り向かせてみせる」ってガッツの無いヤツが踏み台に利用した主人公に責任追及するのは身勝手だなぁとは思わなくもない。
他人を責められるほどお前はそんなに偉いのか?と。
ってことで復讐(カタルシス)に対する溜め(フラストレーション)パートだと思ってるんだけど、そうじゃなかったら単なる胸糞なワケで…いやぁどうなるんだろう?という意味では結構次回が楽しみな作品。
とはいえまだ2話なので、これから更に絡み合う話になってくのだとしたら…胸焼け起こすかもw{/netabare}

3話感想{netabare}
良い最終回だった。
2話で懸念してた「これ以上人間関係こじれるようだとさすがに胸焼け起こしそう」も杞憂に終わり、スキっと解決してホントに良い最終回だった。
但しあくまで問題が長引かなかったのが良かっただけで、その内容自体は「?」。
パンジーが実は巨乳の美人で…そこは「おいおい」と呆れ気味だけどまだいい。
巨乳は良くて貧乳はダメってのもよくワカランところではあるけど、問題は「そこまで嫌う?」のがイマイチ共感できない。
そうだなぁ、パンジーは折角ストーカーってことなので、もっと重篤で「期待に背く行動をしたらミザリーされかねない(こんなの私の好きなジョウロじゃない!、と殺されそう)」みたいな、なんか「この人と付き合うのは身の危険を感じる」という所を見せてくれないとあそこまで性格を嫌う理由が分からない。
または虚言癖で「レイプされました妊娠しました責任とってください」なんて言い出しそう、ってことなら関わらないようにする・図書館に行くのを避けるのも納得なんだけど、そうでもない。
これだったら“変態だけど可愛ければ~”のキャラの方がよっぽど付き合いたくないw
ってかそこまで嫌うならそれこそ2話でサンから相談受けた時「アイツだけは止めとけ」と言うでしょー、親友を第一に考えてることの説得力にも関わらない?
なんかトラウマでもあって「他の人は平気かも知れないがオレはどうしてもこういう性格はダメなんだ」って話でも今後あるのかなぁ?

と、自分の2話までの感想を読み返してみて気付いた。
この作品のキャラ達は「心変わりを許容する・期待する」価値観なのかそうじゃないのかがよく分からない。
恐らく物語の最後は「パンジーいいよな」になると思うので、作者は許容する精神でありながらキャラにはそれが無い前提で話を作ってる?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
うん、まぁ…こんなだよね。
ジョーロが3話までに迷惑かけられた連中を許したことについては、下心があるんだしまぁって感じ。
そうはいっても…新聞部の言うことを一方的に信じるって、そんなことあるんかいな?
いやあるんだけど…新聞部の言ったことだから間違い無いだろうと思考が止まってるヤツ、そういうヤツが大半であるなら人を陥れ放題だなぁとは思ってて。
ってことで6話は案の定ソレだったってオチで。
そこまではいい、そこまではいいんだ。
ただ…なんでジョーロを良いヤツみたいに演出したがるんだろう。
自分を悪者にして背中を押した?いやいや、普通にガチ怒りしたでいいんじゃね?
記事を無批判に信用させられる新聞部という「権威」を傘に着たというか、その権威に傷がつくというか、場合よっては廃部にまで追い込めそうじゃん、女子ネットワークとはワケが違う。
パンジーに友達作るよう仕向けたのは感謝のお返し?いやいや、体は好みだけど性格が嫌いって話だったじゃん?
今までボッチだったので友達作れば性格変わるかも?と自分好みに仕立て上げようと画策した、でいいじゃん。

なんでそんなにジョーロを良いヤツにしたがるのかちょっと意図が分からない、これは3話の「親友思い」でも引っかかってたことなんだけど。
下心アリアリの下衆野郎だから気にしないで居たのに、良いヤツだとスルーした部分にケチが付くというか…う~ん…。{/netabare}

9話までの感想{netabare}
何やってるんだか分からなくなってきた。
なんかこう、イマイチ考え方に共感どころか理解すらできない。
ジョーロはハーレム目指しておきながら他人(他の女性)が何か下心ある素振り見せたらビッチ呼ばわりなの?
本絡みの一件は、キッズアニメでよくある「一人で抱えないで仲間を頼れ」って前提の元、そうでない行動をした主人公が責められてた…のか?
どうでもいいプライドにしがみついた結果誰かを傷つけたのなら責められても仕方ないけど、誰か傷つけたっけ?
まぁ本絡みに関してはまだ続くのかな?探すのを手伝ってくれた二人はこの後出てくる?{/netabare}

最終回?までの感想{netabare}
ありゃー、参ったね。
最終回の終わり方についてあれこれ下書き書いてたのだけど、そうしてる間に同期放送作品の“星合の空”の最終回が放送されて、そっちのがもっとアレだったらしい。
そっちの作品は私は1話で視聴切っちゃってたんだけどね…見続ければ良かった?
ってことでゴチャゴチャ書いてた下書きもどーでもよくなっちゃったw
それにしても今期ちょっとヤバいの多くない?
これまた他の作品の感想で触れたけど「ちゃんと締めてるだけマシなのかも?」という、我ながら基準がもう訳ワカラン。

と、とりあえずこの作品に関して言えば、3話まで見れば良いんじゃないかな?
そこから先は見ても見なくてもいい。
個人的に一番期待してたのは、前半パンジーが余裕ぶっこいてるポジションだったので、それが吠え面かく展開来ないかな~と思ってたのだけど…実際それに近い展開にはなったのだけど、その一方で今度はツバキという余裕ぶっこいてるポジが登場しちゃって。
じゃあ次はツバキが吠え面かく展開を…となるだけで、キャラの役割が変わっただけで構成は一緒なのを繰り返してる様に感じてしまった。
表現が辛辣すぎるかもだけど、引き出しが少なすぎじゃね?と。
主人公の心変わり自体はそれがテーマだろうからいいとしても、他のキャラの心変わりっぷりはなかなかついてくのが難しかった。
でも最後の恋敵を蹴落とすための裏切り投票は「ですよねーw」って感じで笑えた…のだけど、それがよりにもよって「続く」でウラがあるような無いようなで素直に受け止められない。
なんでこんな作りにしちゃったんだろう…それでも“星合の空”に比べればマシなのかなぁ?と思うと…う~ん…。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

「俺は、すべてのすべてのラブコメを過去にする」

この作品の原作は未読ですが、キャラデザがブリキさんと知り視聴を決めた作品です。
それにハルカス、白石晴香さん、三澤紗千香さんに奈央ぼうと、これだけ役者が揃ったら視聴しない道理はありません。
この作品も期待値MAXで視聴に臨みました。


ここで質問。もしも、気になる子からデートに誘われたらどうする?
しかもお相手は一人じゃなく、クール系美人・コスモス先輩と
可愛い系幼なじみ・ひまわりの二大美少女!!
もちろん、意気揚々と待ち合わせ場所に向かうよね。
そしてそこで告げられた「想い」とは…

…「俺じゃないヤツが好き」っていう「恋愛相談」だった。ハハハ。
…やめだ!やめやめ!「鈍感系無害キャラ」から、つい本来の俺に戻ってしまった。
でも、俺はここでへこたれない。恋愛相談に乗れば、俺を好きになってくれるかも
しれないからな!

そんな俺の悲しい孤軍奮闘っぷりを、傍で見つめる少女がいた。
三つ編みメガネの陰気な少女・パンジーこと三色院菫子。
俺はコイツが嫌いです。なのに…
俺をすきなのはお前だけかよ!!
自分がモブだと気づけなかった主人公と個性的な華々しい女の子達の
ちょっと刺激的な学園青春ラブ(?)コメディー、ここに始まる!?


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品…登場する女の子の可愛らしさが半端ありません。
キャラデザがブリキさん、という影響も多分にあるのですが、ちょっとした仕草など細やかな部分も配慮しているのが伝わってきます。

そして何より声優さんの演技が堪らないんです。
今回序盤から色々持って行かれたのはパンジーこと三色院菫子役のハルカスの演技でした。
今まで聞いたことの無い声質…
あの声質で「寂しいわ…」とかジョーロみたいに傍で囁かれたら、卒倒してしまうかもしれません^^;

私は専門家じゃないので詳しいことは分かりませんが、声優さんの完璧な演技って、きっとこういう作品の事を言うんだろうなぁ…とか思ったり。

今、公式HPのトップページを見ながらこのレビューを書いているのですが、物語の中での彼女たちの言動が、頭の中でフラッシュバックの様に蘇ってくるんです。
ジョーロへのアプローチの仕方は人それぞれ…
だけどどのキャラも素直に愛おしく感じれるんです。
パンジーさんには色々持っていかれたので推しキャラとしては頭一つ分抜きん出ていますけれど…

そういえば、先ほどこの作品のwikiをチラ見した時に、面白いことが書いてあるのを見つけました。
「本作はラブコメディ系のライトノベルではあるが、本作はライトノベルでありがちな主人公が複数のヒロインに好意を持たれる(落ちもの・ハーレムもの)という設定は否定的に描かれている。」

「落ちもの」って何かな…と思って調べたら、「ストーリーの導入部分において、平凡な主人公のもとに魅力的な異性が突然現れるところから物語が始まるというもの。」なんだそうです。登場する女の子は次第に増えていき、殆どの出会いはいつも突然だったように記憶していますが、確かに誰も空からは落ちてきてはいませんね。

ついでに「ハーレムもの」についても調べてみました。
主人公である1人の男性(女性)キャラクターに対して多数の異性キャラクターが対置され、多くの場合は大勢の異性が1人の男性(女性)に対して好意を抱く。
また、主人公はハーレムを構成する異性に対して好意を持っていて平等に接することも多い。

…この作品の作風とハーレムものとの違いが分からないです^^;
確かに「ハーレムを構成する異性に対して好意を持っていて平等に接する」という部分では違いがあるかもしれません。
でも疑念が残ります…
この違いがフェイクという路線がどうしても捨てきれません。
というより、捨てちゃいけない気がします。
何故なら、その展開を一番望んでいるからです。

主人公が誰の事も好きにならず、誰も選ばないのだとしたらハーレムの構図は不成立となります。
でもジョーロがこれを選択するでしょうか…そもそもの目的から完全に逸脱してしまいますよ。
個人的にはハーレムものは嫌いじゃないので、その違いへの拘りが理解できないんでしょうね。
これらを差し引いても十分魅力的な作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、斉藤朱夏さんの「パパパ」
エンディングテーマは、パンジー、ひまわり、コスモスによる「ハナコトバ」
エンディングの発売が12/25って遅くありませんか?
エンディングはまだちゃんと聴けていないので評価は止めておきたいと思います。
オープニングのノリは好きでしたよ。

1クール全12話の物語でした。
全体的に面白かったと思います。
後半登場したホースには登場キャラ同様に違和感を感じましたし…
唯一残念なのは幕の引き方でしょうか。
最終回のラストに「あともうちょっと続く」と言うのは、発売日未定のOVAの前振りだったんですよね?
これをOVAにしちゃいますか…というのが率直な感想です。
確かに「TVシリーズの完結編、ジョーロ(モブ)とホース(主人公)の決着を描くOVA」らしいので、気にもなりますし売上枚数もきっと伸びると思います。
でもできるなら気持ちの熱いうちに全13話として描き切って欲しかったのが本音です。
まぁ、後日発表される詳細に期待しましょう。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

80.5 4 2019年度のトラウマアニメランキング4位
どろろ(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.8 (532)
2194人が棚に入れました
時は戦国時代、武⼠の醍醐景光は、天下を取るという野望をかなえるために、⽣まれて来るわが⼦の体を⻤神に与えてしまう。そうして⽣まれた⼦供は、命以外すべての⾝体を奪われており、川に流され捨てられてしまう。時は流れ、戦の世を旅する少年・百⻤丸。実は彼こそが、魔物に体を奪われた⾚ん坊の、成⻑した姿であった…。

声優・キャラクター
鈴木拡樹、鈴木梨央、佐々木睦、内田直哉、千葉翔也、大塚明夫、中村千絵、麦人
ネタバレ

青龍 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

和風ダークファンタジーの良作

云わずと知れた手塚治虫による原作漫画は、『週刊少年サンデー』(小学館)などでの連載は終了(全4巻、原作未読)。
アニメは、全24話(2019年)。監督は、『将国のアルタイル』、『SPY×FAMILY』などの古橋一浩。シリーズ構成は、『クレイモア』、『進撃の巨人』などの小林靖子。アニメ制作は、『呪術廻戦』、『地獄楽』などのMAPPAと『ブラック・ジャック』、『アンダーニンジャ』などの手塚プロダクションの共同制作。
(2024.8.24投稿、8.27余談追加、10.2推敲)

本作は、ちょうど50年前の1969年に制作された白黒アニメ版のリメイク。

当時、既にカラー技術がありながら1969年版が白黒になった理由は、お茶の間に真っ赤な血しぶきが飛ぶ描写はグロテスクすぎるというスポンサーの意向から(Wikipedia『どろろ』参照)。
ここからもわかるように、1969年版は、アニメは子供向けという意識が強い時代において、比較的大人向けである恐怖や絶望を前面に描くダークファンタジーの先駆けとなった作品です。

もっとも、本作は、1969年版が時代を先取りして世間に受け入れられなかった「ダークファンタジー色」を一層強めた内容で、物語、キャラクターデザインなども1969年版と比べて大きく改変されています(※ちなみに、1969年版は途中で路線変更を余儀なくされる。)。


【あらすじ】
加賀守護の富樫政親(※室町時代後期の実在の人物)の下、醍醐の国(石川)の領主であった醍醐景光(だいごかげみつ:CV.内田直哉)は、領地が長らく日照りや疫病などの厄災に見舞われていたことから、神仏にすがることを諦め地獄堂に祀られる十二柱の鬼神に領地の安寧と自らの天下取りを願う。

鬼神は、その約定を果たす代わりとして生まれたばかりの景光の息子(後の「百鬼丸」(CV.鈴木拡樹))の命を奪おうとする。しかし、百鬼丸は、母親である縫の方(CV.中村千絵)が信仰していた観音菩薩の犠牲で一命を取り留めたものの、十一柱の鬼神に11か所の身体の部位を奪われ、あまりの見た目の恐ろしさから川に流されてしまう(おいおい…)。

その16年後、醍醐の国が鬼神との約定通り繁栄を謳歌する中、百鬼丸は、医師の寿海(CV.大塚明夫)に保護され、百鬼丸という名と義手義足などを与えられて育ち、鬼神に奪われた体を取り戻す旅に出ることに。その途上、義手に仕込まれた刀で鬼神の一柱を宿した妖(あやかし)を倒し皮膚を取り戻したところで、盗みを生計として乱世をしぶとく生き抜いてきた孤児の「どろろ」(CV.鈴木梨央)と出会う。

どろろは、妖を倒す強さを持ちながら話すこともままならず生きることも覚束なそうな百鬼丸が心配になり、自らの身体を取り戻す百鬼丸の旅に同行するのだった…


【和風ダークファンタジーの良作】
本作と1969年版との一番の違いは、放送された時代でしょうか。
本作では、もっぱら子供が観ることを前提とされていたことから避けられていた「テーマ」や「描写」を中心に据えることができるようになった。


まず、本作の大きな「テーマ」は、古来から自然災害などに対して生贄が捧げられてきましたが、「国の安寧を維持するためなら個人を犠牲にしてもよいのか」というもの。

戦国時代が始まろうとする不安定な治安、科学も医学も未発達という人の命が極めて軽い時代において、景光が治める醍醐の国の安寧を鬼神にすがることは仕方のないことなのかもしれません。しかし、その代償として、彼の息子である百鬼丸(の身体)が犠牲になります。

しかも、百鬼丸が自分の身体を取り戻すほど、その分だけ醍醐の国の安寧が奪われるというトレードオフの関係になっている。したがって、国の安寧を求める景光と、その実の息子である百鬼丸は対立していくことになります。

確かに、景光の行為は、「最大多数の最大幸福」という功利主義的な観点からは肯定されるでしょう(なぜなら、一人の命の犠牲で多くの人の命が助かるから)。しかし、哲学的には、公平なくじで選ばれた一人の健康な人を犠牲にして、その人の臓器を移植することでより多くの人の命を助けることの是非、いわゆる「臓器くじ」の問題が近いでしょうか。

これは一種のジレンマ状況ですし、迷信ではなく本当にそういう恩恵を受けられるなら、むしろ為政者としてすべき決断とも思えるので、単純な解決の難しい子供向けとはいいがたい「テーマ」だと思います。
個人的には、百鬼丸の母親である縫の方が「百鬼丸の生みの親であること」(私的な立場)と「為政者の妻であること」(公的な立場)という二つの立場の板挟みになっているところに、すごく人間臭さを感じました。

また、本作のテーマを補完するようなエピソードとして、人と妖との「食うか食われるか」(弱肉強食)だけではない様々な関係性が描かれています。
例えば、妖は人を食べるが、人を食べようとするので人間から殺されるリスクがある。そこで、自分たち以外の人を犠牲にすることで、人と妖が共生する姿などが描かれています(他人の犠牲の上に成り立つ日々の平穏)。

もっとも、本作は、寡黙な百鬼丸に代わって、どろろがコミカルに話を盛り上げるかと思えば、ちょっとほっこりするようなエピソードもあるので、ダークファンタジーといっても終始深刻な話が続くわけでもありません。


次に、今では、すっかりダークファンタジーというジャンルが世間に受け入れられているので、1969年版で白黒アニメになった理由である、いわゆる「残酷描写」が解禁されています。

本作では、血しぶきどころか、矢が脳天貫通するわ、手足も余裕で切り飛ばされてます。また、それが、世の中の恐怖や絶望といった雰囲気を醸し出し、妖のおどろおどろしさなんかをうまく表現していると思いました。

特に百鬼丸と妖、百鬼丸と景光たちとの戦闘シーンは、本作の見所の一つ。


ということで、本作は、その「テーマ」と「描写」から、「和風ダークファンタジーの良作」といえる内容になっていると思います。


【声優】
本作の百鬼丸とどろろの声優については、俳優が本業のため賛否両論あるところ。

おそらく本作がリメイクということで、1969年版当時の主に舞台俳優が声優を担っていたころの雰囲気を再現したかったんじゃないかと思っています。

個人的には、アニメは見た目が絵というフィクションなため、そこから出て来る音がリアルすぎる自然な声だとかえって違和感があると思っているので、声もフィクションっぽい方が合うと思っています。

もっとも、百鬼丸はほとんど喋らないし、どろろ役の鈴木梨央さんは、物話の進行とともに違和感がなくなっていきます。


【音楽】
オープニングは、前半が女王蜂による「火炎(FIRE)」、後半がASIAN KUNG-FU GENERATIONによる「Dororo」。
エンディングは、前半がamazarashiによる「さよならごっこ」、後半がEveによる「闇夜」。

特に女王蜂の「火炎」は、本作の雰囲気に合っているし、個人的に一時期ヘビロテしてました。


【百鬼丸が自分の身体を取り戻そうとすることは「わがまま」なのか?(※ネタばれ有りの感想)】
{netabare}さて、上で書いた本作の「テーマ」について考えてみようと思います。

作中で、景光は、兄の百鬼丸を殺すことに反発する弟の多宝丸に対して、「兄のため国を差し出すか。何の痛みも背負わず、ただ己の善良さのために再び民を地獄に突き落とすか。」と言って諭そうとします。
この言葉をかみしめた多宝丸は、為政者の息子として、国の安寧を優先して肉親である兄・百鬼丸と対決することを選択します。

これは、侍という為政者としての「エリート主義」(※資産・知識・特別な訓練・経験やその他の属性などによって区別される個人の集団(エリート層)に対する信頼や態度であり、彼らが社会の中でより重要な役割を持ち、建設的な行動を行い、統治するに適した卓越した技術や能力や見識を持っている、と考える。(引用:Wikipedia))、支配者としての覚悟の表れとみることができます(※侍のもつ高潔さは、エリート主義によっているところがあると思うので単純にそれが悪だとは思いません。)。

では、百鬼丸は、為政者の息子として運命を受け入れ多くの民のために犠牲となるべきなので、彼が自分の身体を取り戻そうとすることは彼の「わがまま」なのでしょうか。


本作と上で書いた「臓器くじ」との違いは、そういう社会であることを本人が了解しているかどうか。百鬼丸は、生まれた直後に体の一部を有無を言わさず奪われているので、それを判断する猶予も能力もなかった(※弟の多宝丸は、上で書いたように父から考える猶予を与えられています。)。

また、景光は「痛み」といっているものの、息子とはいえ他人である百鬼丸を犠牲にしているので、自身はリスクを負わずリターンだけ受けています。
しかも、跡継ぎは、彼にとって代えが利くように思えた(現に多宝丸が誕生している)。まして景光には、生まれたばかりの赤ん坊への愛着は未だなく、縫の方と違って自ら腹を痛めたわけでもないので、息子を失うことへの深刻な「痛み」があったかどうかも疑わしい。

為政者の息子という理由だけで、本人の了解なく犠牲を強いて、他の人がノーリスクで恩恵だけ受け取ってもいいのかという問題提起はできそうです(少なくとも「臓器くじ」では、くじに当たるリスクを平等に負う。)。


また、第23話で、縫の方が、醍醐の国の繁栄は鬼神によって与えられたもので、自ら勝ち取ったものではない。そして、自ら勝ち取ったものではないので、我々は、それをどうやって守るかの術を知らない。だから、誰かを犠牲にするのではなく、自分たちの努力によって自国の繁栄を得るべきだったんじゃないかという趣旨のことを言っています。

しかも、百鬼丸は鬼神が「護国の代替となる価値がある」(=国の安寧と等価)と判断した器の持ち主なので、景光が百鬼丸を跡継ぎにしていれば、自分たちの努力によって明るい未来を手に入れる可能性があったことになる。

その可能性を一時の国の安寧を得るという誘惑から自ら手放してしまうという景光の判断もまた人間らしいといえば人間らしいのですが…
百鬼丸が景光にとどめをささなかったのは、その判断を後悔しながら生きていけ!というのが、景光にとって一番の罰になるということなのでしょう。

確かに、景光は、一人ではどうしようもないと思ってしまうような残酷な現実に直面しているので同情の余地はあります。しかし、すがる対象を神仏から鬼神に変えただけで、結局のところ為政者として自分の力でどうにかしようとしなかった。鬼神にすがって得た繁栄は、自ら勝ち取ったものではないので、国の末永い発展に繋がらないと批判することはできるかもしれません(もっとも、この辺りは現代人の感覚だとも思います。)。{/netabare}


【国家と個人の関係における欧米と日本の違い(※余談)】
{netabare}17世紀のイギリスの思想家トマス・ホッブズの社会契約説は、人の身体・生命の安全(自己保存)に至上の価値を認め、それを危うくする「万人の万人による闘争」を避けるため国家に圧倒的な暴力(「リヴァイアサン」)を与えるという社会契約を正当化しました(より単純にいうなら、圧倒的な力を持つジャイアンがいれば、ジャイアンからの報復を恐れて、ジャイアン以外の人たちの間で喧嘩は起こらなくなるということ)。
したがって、国家は個人の安全を保障するために存在するのであるから、国家のために個人の安全を犠牲にしてもよいという発想自体がここからは出てきません(ちなみに、これが「臓器くじ」が否定される理由の一つ)。

まあ、この辺が欧米と日本との発想の根本的な違いでしょうね。西洋思想が正しいとは思いませんが、太平洋戦争の例をあげるまでもなく、国家を維持することに至上の価値をおいて個を犠牲にすることを厭わない社会もまた生きにくい。何事もバランスが大事だと思います。{/netabare}


【どろろがいっていた「侍によらない国」は実現したのか?(※考察)】
{netabare}本作の舞台となった加賀は、景光の主君に当たる守護の富樫政親の治世の後、織田信長に滅ぼされるまで、「侍ではない一向宗による支配」が100年弱にわたって続きます(いわゆる「加賀の一向一揆」)。 

そうすると、「加賀の一向一揆」が、どろろがいっていた「侍によらない国」を実現したということなんでしょうかね。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10
ネタバレ

kororin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

何故に今頃リメイクか分からないけど、とにかくホゲホゲタラタラホゲタラポン!(ひょっとして作品登場後、半世紀記念?)

2019.01.23 初見印象◎

東京オリンピックも終わった翌年の1965年(昭和40年)以降、水木しげる御大の「墓場鬼太郎」が「ゲゲゲの鬼太郎」に改題連載され、人に害をなす妖怪を退治する鬼太郎のブームがジワジワ浸透してきた頃、
戦後コミック・アニメの先駆者&神様と言われつつも同業漫画家の才能に何かと嫉妬深い手塚先生。(楳図かずお先生や石ノ森章太郎先生とか、他にも色々の方々に対しても)
「ボクにだってね、コレぐらいの事はやれるんですよ!」と対抗して生み出されたのが『どろろ』ではなかろうかという『噂』も最近では囁かれてます。(あくまで『噂』です)
そして1967年(昭和42年)、少年サンデーにて漫画「どろろ」連載開始。でも暗いストーリーに不評だったらしいです。 ああ、あれから半世紀。(ホント、50年も経ったんだ!)
言わずと知れた手塚先生の異色作で、何かと主人公を逆境に追い込み追い詰め、どん底から這い上がる「生命力の強さ・尊さ・美しさ」を謳(うた)う『手塚テイスト』作品の一つ。(ホント手塚漫画って作品により読んでて何度心が折れそうになったやら)。

・1969年(昭和44年)には白黒アニメ。劇中の男性コーラス(「ん~ん~ん~ん~・・・」っていう暗いコーラスのアレ)も相まって、子供向けTV漫画(アニメ)なのに「物凄く暗い」仕上がりでやや不評。
・2004年(平成16年)のプレステ2では「無限の住人」の沙村広明先生がキャラデザしたゲームが出たり、
・2007年(平成19年)には妻夫木くん主演の実写映画になったり、
・2000年以降から、たま~に舞台演劇にもなったり、
・成長した「どろろ」が「ドロロンえん魔くん」と一緒に「百鬼丸」を探す旅をする永井先生の漫画が出たり、
未だ何かしら『尾を引く』作品。(白黒アニメは一応完結した〆方にしたものの原作漫画や映画は未完で終わっており、何かしらモヤモヤした感じが作品にふれた人それぞれの妄想を掻き立てるのでしょうか?)

そんな「どろろ」が2019年1月から放送。アニメーション制作は「MAPPA」と「手塚プロダクション」。製作は「ツインエンジン」と『質』が高そうです。
リメイクにあたって色々改変(改正)&ディティール設定なんかもあり、原作で不明瞭だったところが付加したストーリーで描かれて見応えありそうですネ。

身体部位を奪った妖怪を倒して取り戻す百鬼丸の物語ですが、勧善懲悪色がやや濃いめの鬼太郎と違い「人の業」の深さを描いているので今回も暗そうです。

三話まで見て、{netabare}
・原作と違い今回の百鬼丸は、序盤「会話に近い意思疎通(テレパス)」が出来ず「魂の色」を感じて敵味方を判別することしかできないので、声も出せずコミュニケーションはかなり不憫。少しづつ『人の心』を創り出すような今後の成長が注目。
・原作ではゲスト扱いだった盲目の琵琶法師で居合いも嗜む琵琶丸が準レギュラー?でもスートリー進行を助けるような役回りは好感。
・原作で百鬼丸が恋した(愛した)戦災孤児の世話をしている未央(みお)。OPやPVで意味ありげに出てるので彼女の登場に見る前から心が痛みます。(若い頃、原作読んだ時に軽いトラウマになったもんです)
・百鬼丸の育ての父・寿海が何故『侍』を辞めて医者になったかというエピソードが熱い!しかもCVは医者だけにブラック・ジャック(大塚明夫)と何か嬉しい。(笑)
・残酷な戦乱描写もさることながら、戦災で手足を無くした子供の描写もあり、今回何故「地上波放送」されないのか納得。(暇な「クレーマー趣味」の輩を煽らない対応策?)
・百鬼丸の両腕の仕込み刀。長さが収まりきらないのか、肘からハミ出ている感じがちょっとリアルで面白い。
などなど。{/netabare}
「ヘタな仕事」はしたくない意気込みが感じられるますし今後も期待出来そうです。

幼少時は子供特有の憧憬で仕込み刀の百鬼丸がカッコよく見えたもんですが、年を経た今では生まれながらに親の業を背負い、身体部位が戻る度に激痛でのたうち回り、そうまでして「人」になろうとする姿を見ていると色んな意味で心苦しいです。

さて、
・PVにも出てた「妖刀・似蛭(ニヒルって・・・)」にとり憑かれ、凶剣鬼となった仁木田之介(にき たのすけ)と百鬼丸との対決。
・「どろろ」は何故{netabare}女の子なのに「男の子(生意気なクソガキ)」のフリ{/netabare}をしなければならなったのか?(大体皆さんご存知でしょう?)
・どろろの両親、盗賊集団の頭だった火袋(ひぶくろ:手塚スターシステムのブーン)とその妻・お自夜(おじや)の末路。
・OPにも出てた盗賊集団の裏切り者・イタチ(手塚スターシステムのハム・エッグ)の策謀(野望)。
・実の兄弟と知らずに邂逅、そして敵対してしまう百鬼丸と弟・多宝丸(たほうまる:蟹頭)の行く末。
・因縁の実父・醍醐景光(だいごかげみつ)と実母・縫の方(ぬいのかた)と百鬼丸の運命は?
・百鬼丸は果たして『人』に成ることが出来るのか?(何か「ダーク・ピノキオ」みたいに思えてきた)

と、色々ドラマイベントはありますが、どんな風に味付け調理した仕上がりになるか今後も楽しみです。



2019.07.15
【感想あにこれ・・・じゃなかった。あれこれ】
現代風解釈と創意工夫を盛り込んで良作の部類であったと思います。自分は満足です。 ただ、キャラたちの「物分かりが良過ぎる」展開がチョット不自然すぎたように思えます。なので予想して身構える程『鬱』な感じはしなかったです。

自分で言っててなんですが「ピノキオ」的ファクターも少しありましたね。
百鬼丸→ピノキオ
どろろ→コオロギの幽霊・ジミニイ(ジェミニ)
寿海→ゼペット爺さん
{netabare}
[百鬼丸]
これまでの百鬼丸と違い、「ニヒルで物憂げで危ないお兄ちゃん」ではなく「本能に生きる無垢なモノ」というようなキャラ設定。当初は声も出せず、声を取り戻しても「言葉」を知らないのでカタコトで少ししか話せないまどろっこしさが「リアル」でイイ。
対人、対物の識別を『魂の色』で感じるというアイデアはよかったですネ。敵意あるモノに対しては視聴者側にも解るように小さな「赤い炎の数」で判るという、まさに『人間ドミネーター(サイコパスガ規定値ヲ超エテイマス。執行対象デス)』(笑) 人体欠損部位も48カ所から12カ所に変更されてるのも何となく納得いく設定(そら、48カ所もなかったら生きてられないって!)。
様々な経験で取り戻していく「体」、育まれていく「心」。本来あるべき「人」になっていく百鬼丸。しかし最後の試練は・・・鬼気的なもので、一歩間違えれば「闇堕ち」でした。
声は2019年の舞台版・百鬼丸と同じ鈴木拡樹さん。セリフ殆ど無いですが悪くはないです。

[どろろ]
もう大体ネタバレされてる様に「女の子」です。父母を死に追いやった「侍社会」を憎み、無鉄砲・啖呵と威勢だけは一人前で天涯孤独。女々しさで生きられるほど世間は甘くなく、男装で悪業(コソ泥稼業)をしてまで生き抜こうとするバイタリティー。原作では「バカなクソガキ」でしたが、今回は小さいながらも百鬼丸を気遣う母性(女性?)的な面や、社会体制(民百姓の暮らしなど)を真剣に想い悩み考える「賢さ」がステキ!
声は鈴木梨央さん。本業は子役からの俳優・タレント業ですが、それほど悪くはなく良かったと思います。「下手クソなのに無理くり入れたアイドル」よりは!「滑舌悪いのに採用されるタレント」よりはっっ!!!(笑)

[寿海・琵琶丸]
かつては武士だった寿海。戦さ(殺傷)に無常を感じ、武士を辞めて大陸(朝鮮か中国?)に渡航して医術を学び、「白」一族からはからくり人形の技術を習得。(ココは嘘です。でも時代的に白銀・金兄弟が西欧目指したのもこの時期かも。)(笑)
帰国後は戦場で「かたわ(身体を切り落とされた)」の遺体に義手義足を取り付け五体満足の「人の姿」にして供養したり。戦傷で無くした手足を義手義足で補う治療医師を行い戦没者に対しての贖罪のような生活・・・う~ん、業が深いような・・・
原作では、この頃の医術って「薬湯」が主流なのに対し、寿海は「外科」をを行う「異端医師」なので、人里離れたところに居を構えてたんだけどね。

気がついたら何故かいる琵琶丸。困った時に現れる琵琶丸。出てくる度に禅問答みたいな「道」を示す名バイプレーヤー。(笑) 全盲なので視界が百鬼丸と「同じ」というのも面白い。

[未央]
「相愛同士は結ばれず、悲運を乗り越えてこそ人間賛歌」という手塚トラウマの一つ。(苦笑) 幼少時、原作読んでび未央が百鬼丸に「汚れた女」という告白の意味が良くわからなかったのですが、大人になって察しがつき、今回気を引き締めてみましたが・・・やはり辛かった~~。(泣)
劇中歌「赤い花白い花」は昭和童謡なので作品(時代的)に合っていたかたというと・・・私個人としては△デス。

醍醐家の人々
[醍醐景光]
原作では野心の強い憎たらしい「外道暴君」でした。今回は領地の君主としてやや人間味ある感じに思えます。作中寡黙なシーンになると、ヤってしまった事(生まれたばかりの息子を鬼神に貢いだ)への後悔やら、贖罪やら、無かった事にしようと払拭する思いやらが、普段の固い表情からジワジワ伝わってきそうでした。毎度作品によってオチが違う景光。今回は・・・コレでもアリかなと思います。

[縫の方]
悲しい程典型的な普通の女(ひと)。身を痛めて産んだ我が子が人の姿をしてなくても慈しみ、しかし家長・景光の命で泣く泣く手放した事への後悔と懺悔。
運命の再開で叫んだセリフ。「百鬼丸!許してください!わたくしは・・・わたくしは!・・・そなたを・・・救えませぬ!」。コレは心底身につまされる思いです。それでもなお、「母」の愛は強かった(?) 終盤は結構立ち回ってくれました。

[多宝丸]
どろろに次いで準々主役。原作では武家社会にふんぞり返った憎らしい若き暴君でしたが、真っ当に次期・醍醐家当主になるべく日々研鑽し、国(領地)と領民を思い、歳の近い戦災孤児・陸奥、兵庫の姉弟を幼少時から従者に付けて人間味ある若様ぶりに成長してきました。が、ただ気になるのは頑張っても母・縫の方が自分を気にかけてくれないこと。その原因となる百鬼丸が現れると・・・兄が居たことに嬉しかったのもつかの間、
・百鬼丸が鬼神を倒して体を取り戻す度に醍醐の土地は疲弊していく。
・母の憂いの原因は実兄・百鬼丸への愛のみにあった。
という事実に、
・領主としての使命感20%
・母の愛を独り占めされてるような嫉妬感80%
ぐらいの比率(笑)で執拗に百鬼丸と対立。いろいろガンバッたんだけど・・・ものすごく不憫で可哀想な役まわりでした。

でも城下町でお団子喰ったら、ちゃんと銭は払おうね。(笑)

[オリジナル・エピソード]
幾話かアニオリがありましたが、
第七話「絡新婦」
女性型人外と若者(男)のなれそめ話ってケッコウ好き!

第十九話「天邪鬼」
終盤間際なのに、イキナリの手塚ギャグ・テイストの投入!ヒョウタンツギにスパイダー(オムカエデゴンス)まで出てくるとは!!(笑)
{/netabare}
厳密にツッコめば甘々なトコロも多少ありますが、リメイク物として設定や時代考証など割と丁寧に作り込んでた部類だったと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

This is Japanimation

[文量→中盛り・内容→考察系]

【総括】
日本で、近年に制作されたアニメの中で、「外国人にオススメしたいアニメ」と言われたら、本作を勧めます。

それは、「最近のアニメで一番面白い」というのではなく、「外国人が喜びそう」という観点です(やや安易ですが)。

例えば私は、食べ物の中でラーメンが一番好きで、日本のラーメンはもはや日本食と言って良いレベルに昇華されているとは思うものの、やはり、「外国人にいきなりラーメン屋を勧めるか」といえば、その勇気はなく。もっとベーシックな和食(の中で旨い店)を勧めるでしょう。

そないな感じです。

作画は、ディズニーやピクサーのようなポップさや、ジブリのような幻想的な美しさがあるわけではありません。が、日本のアニメ独特の格好良さがありました。世界観など、やはり外国人にウケるものに感じます。

原作漫画は、多分大昔(小学校低学年の時)に1度読んでいるはずですが、内容はほぼ忘れています。薄い記憶頼りですが、多分、アニメ化にあたり、かなり簡略化し、現代風にしているように思います。この辺は、賛否あるでしょうね(私はまた別物として楽しめました)。

もし、視聴のポイントを言うなら、「部屋を暗くして近づいて観てね」ですかねw(画面をいっぱいに感じてほしい)

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
「人になることは、人として生きることは、不幸なことなのか?」

そんな問題提起を感じました。

百鬼丸が体を取り戻す瞬間に、初めて得た感覚は大抵、「苦痛」であった。感覚が戻れば、切られた痛み。聴覚が戻れば、雨音に啜り泣きの声。嗅覚が戻れば、硫黄の悪臭。両手が戻れば、血に濡れた武器を持つ。

それでも、それでも百鬼丸は、自身の体を取り戻そうとする。それは、利便性や復讐などではなく、もはや、「性(さが)」。本人にも分からない、どうにもコントロールできない、「熱いなにか」が、百鬼丸を突き動かしていた。

それは、生物として根元的な、「生きる」という意志。最後に目(全身)を取り戻した時、見たものは、母の姿に夕景に、どろろ。全て、美しいものだった。わずかな、救い。

そういう意味では、圧倒的なまでの、「生命讃歌」だった。

原作をちゃんと読んでいないので、手塚先生がこの作品に何を込めたかは分からない。でも、アニメを観た限り、そう感じた。

他にも、考えるべき事柄は多過ぎて、1回観た程度ではまとめきれない。

例えば母親。多宝丸の件に関しては、明らかに母親の愛情不足なのだが、もしかして、百鬼丸は「愛した男の子供」であり、多宝丸は「もはや愛していない男の子供」なのかな? だとしたら、母親もだいぶ、業が深い。

例えば、多宝丸。彼はたくさんの「宝」を持っていたが、最も大切な「愛」をもっていなかった。それは不幸ではあるが、百鬼丸からすれば、また一般の庶民からすれば、「金持ちの無いものねだり」にも感じられる。結局、人間とは、どこまでいっても「足りない」ものなのだろうか。だとしたら、業が深い。

他にも、イタチの死に様、というより生き様は、たんなる悪役と切り捨てられ無いだけの印象を残してくれた。善人も悪行を成すし、悪人も善行を成す。そんな人間の矛盾を感じさせてくれた。

みよ姉も、たんなるゲストキャラとは言えないだけの印象を残してくれた。最後まで汚れずに死んだお自夜(どろろの母)も立派だし、汚れながらも生きようとしたみよも立派だった。この辺は、簡単に良し悪しで語れるものではないだろう。

この色々と五月蝿いご時世に、よくこの原作をアニメ化したなと、感心。勿論、身体に障害を抱えた方にとっては、心が痛む内容であり、許せない部分も多分にあるのではないかと心配する。でも、やはり「表現する」という部分において、力がある原作であることは間違いなく、清濁併せ飲む覚悟で、後世に残すべき作品だろうと思った。

まあ、「人として生きる上で追求すべき普遍的なテーマ」ならまだしも、「アニメ」という「娯楽」において、あまりに「尖った主張」をすること自体は、好きじゃないんだけどさ。
{/netabare}

【余談~ 作品における原作者の影響 ~】
{netabare}
以前、私の大好きな小説家が覚醒剤で逮捕された。そして、本屋から彼の本が消えた。

勿論、覚醒剤は悪いことだ。覚醒剤をやった彼も悪い。きちんと罪を償うべきで、いくらファンだからといって、擁護する気は1㎜もない。

でも、彼の生み出してきた作品に罪があるかと言われたら、私は「ない」と思っている。

勿論、「クソみたいな彼が書いた本はクソだから読みたくない」と思うのも、自由。本屋も商売だから、彼の本を置かないのも、自由。

でも、それ言い始めたら、芥川や太宰の本なんか1冊も置けないでしょ。なんで、芥川や太宰は許されて、彼は許されないんだろうか?

それは勿論、「格」が違うから。

芥川や太宰なんかは、なんていうかもう、「絶対的な是」なんだろうね、国民の中で。芥川や太宰は、もう、「芥川龍之介」や「太宰治」という「存在、ジャンル」であり、「人」としての枠組、常識に当てはめる必要もない。

であるならば、同じように、「手塚治虫」もまた、「絶対的な是」と言える格があるだろう。だからこそ、このような「問題作」もスルーされる。

私が何を言いたいかと言うと、「それで良い」ということ。

芥川や太宰の小説も、手塚治虫の漫画も、全てが道徳的というわけではない。中には、差別的なもの、犯罪まがいのものもあるだろう。でも、それを「臭いものに蓋をする」ように、全てを「無かったこと」にするのが正しいとは、どうにも思えない。

小さい子に読んで聞かせる絵本や童話を、全て「良い話」にするより、「恐い話」や「悲しい話」を混ぜた方が、豊かな情操が育まれるとも聞く。保育園の角という角の全てに柔らかいスポンジを取り付ければ、確かに保育園では怪我はしないが、無闇に走ると痛い思いをするという学びは得られなくなる(勿論、それで死んでしまったら最悪だし、幼い内から汚いモノに触れすぎ、他人を平気で傷付けるようになってもいけない。この辺のバランスは難しいところではあるのだが)。

話を初めに戻すと、私は、芥川の作品も太宰の作品も手塚治虫の作品も、もっといえば、過ちを犯したの彼の作品も、生み出されたモノ(作品)は出来る限り後世に残すべき、伝えていくべきだと思っているということ。

あくまで、フィクションはフィクション。それ自体に人を傷付ける力はない。

人を傷付けるとしたら、そういうものに影響された、人だ。常に。

それが毒なのか薬なのか、それは個人が、あるいは後世の人が判断すれば良い。私たちは、正しく取捨選択するだけの価値観や倫理観、知性を磨けば、それで良い。かめはめ波で人は殺せるが、かめはめ波を実際に撃とうと思う、人を殺そうと思うバカを育てなければ、それで良い。

どろろ のアニメ1作目は、「大人の事情」により、ほとんど再放送されないと聞いた。そんな「問題作」を、これほど高いクオリティで再アニメ化した制作陣に、拍手を送りたい。
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
スタートからいきなり深いな。仏への疑心が生まれる前に死ねるのが救い、って、もう疑心は生まれているわけね。

戦闘シーンは、よく動くな~。

前期のグリッドマンでも感じたが、やはり、「ガチの熱量」で作るアニメは、面白い。

2話目 ☆3
焼き魚に驚く、つまり、命が見える。魂の色。話の筋としてはよくある話。自らの身体を取り戻す話。

3話目 ☆4
かなりグロいんだけど、なぜだろう、グロさを感じないのは。古典的な話しがきっちりハマってるんだよな。まあ、そもそも古いんだけど。大陸で学んだという設定がな、オーバーテクノロジーだよな。二組の親子の対比。

化け物が人の器官や感覚を欲しがる理由。痛覚戻りは、この段階では不利だろうな。

4話目 ☆4
聴覚を取り戻し、最初に聞いたのが、雨音と啜り泣きか。

5話目 ☆4
みよ姉、川でナニを新って洗っていたか、だよな。身体を売っていても、魂は綺麗なんだな。歌も美しい。みよ姉、死亡フラグだよな~。得るものがあれば、失うものもある。

6話目 ☆5
痣? 性病? 田んぼを持つのが、夢、か。死んでも身体を売らなかったおっ母ちゃんも偉いけど、身体を売ってまでも生きるみよ姉も同じくらい偉い。

足、戻るもんなの?

心は取り戻したの? それとも元からあって、身体を取り戻したことで復活したの?

性善説、性悪説、そんなところかな?

7話目 ☆4
愛を知り、魂が浄化されるアヤカシ。ますます、性悪説だな。最後の蜘蛛といい、一話目の羅生門感といい、このへんは芥川オマージュなのかな?

8話目 ☆3
なんか前向き過ぎるが、サルは、死というものを身近に感じてきてたかな? と思わせての、夜泣き。緩急が上手い。初めて人間の感覚が役に立ったな。ただ、あの高さから落ちたら死ぬよね。初めてかいだ臭いが硫黄、悪臭か。

9話目 ☆4
どろろの過去。母の強さ。餓死、か。厳しいな。なぜか、ラブコメの波動が(笑)

10話目 ☆4
多宝丸、お坊ちゃんだけど、なかなか優秀。

11話目 ☆4
百鬼丸も、赤くなる。生きていくことは、汚れていくこと。

12話目 ☆4
確かに、言い分としては、分かるんだよな。因果だね~。

13話目 ☆3
新OPも格好良いね。EDは一期の方が好き。 背中に地図。ストーリーが動くかな?

14話目 ☆4
金があれば、余裕ができ、未来を考えられる。その通りだな。

15話目 ☆4
平和な村の様子は、コミカルで、どこか浮世離れしている。作り物の世界のよう。妖怪か、神か。背骨が戻ったか。

16話目☆4
イタチのキャラは、なんだか難しいな。基本的に悪役だが、それだけでもなく。正直、というところかな。

17話目 ☆4
狼狽するどろろ。いよいよ、真実に近づく?

18話目 ☆5
イタチの生きざま、死にざま。良し悪しではなく、ひとつの真実。敵キャラとして、かなり記憶に残るキャラとなった。

19話目 ☆4
珍しい、コメディタッチ。オチまで含めて、素敵な話だったな。こんなんも、箸休めには良いな。

20話目☆3
作画力、落ちてきたな~。

21話目☆4
シリアス、シリアス。らしくはなってきた。

22話目☆4
魔神の力に手を出したらね。壮絶な最後。執着。人とはなんだ? おいらが、手足になる、目になる、だから鬼になるな。母親がな、多宝丸に愛情を注がなかったから、こうなる。でも、もしかして百鬼丸は、「愛した男の子供」であり、多宝丸は、「もはや愛していない男の子供」なのかな? だとしたら、母親もだいぶ、業が深い。あってもなくても、足りない。思えば、鬼神も人間になりたかっただけ。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 29

68.2 5 2019年度のトラウマアニメランキング5位
魔法少女特殊戦あすか(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (229)
932人が棚に入れました
21世紀。人類は遂に他の知的生命体との接触を果たす。しかし、その出会いは幸福なものではなかった。地冥界より侵攻する化け物は、現用兵器の多くを無効化し、人類の運命は風前の灯火と思われた。だが同じく地冥界に苦しめられていた、精霊環境条約機構の助けにより、人類は起死回生の一手を手にする。魔法少女である。強大な魔力を手にした少女たちは、心身に多くの傷を負いながらも、人類を勝利に導き、ついに大戦を終結させる。しかし、それさえも、新たな戦いの始まりに過ぎなかった。国際犯罪、無差別テロ、内戦、紛争……。魔法少女の戦いは終わらない――

声優・キャラクター
洲崎綾、関根明良、松井恵理子、竹達彩奈、高橋李依、橋本ちなみ、M・A・O、日笠陽子、乃村健次、菊池こころ
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

マジカル☆バイオレンスアニメ

 3年前。地冥界(ディスアス)の化け物たちの侵略により人類の運命は風前の灯火と思われた。だが地冥界と敵対関係にあった精霊たちは人類に手助けする。精霊の力によって魔法少女が誕生し、強大な魔力を手にした少女たちは心身に多くの傷を負いながら冥獣王を倒し、大戦を終結させる。しかしそれさえも、新たな戦いの始まりに過ぎなかった。国際犯罪、無差別テロ、内戦、紛争……。魔法少女の戦いは終わらない――

 「魔法少女特殊戦あすか」はかつて世界を救った伝説の魔法少女の生き残り、「マジカルファイブ」の少女が各国の特殊部隊メンバーとして戦場に舞い戻り、グローバルテロ組織「バベル旅団」と激突するというお話です。ベトナム戦争後、「ランボー」が代表されるように帰還兵を主人公にした映画がアメリカで大量に制作されたそうですが、邪道魔法少女ものの枠組みで同じような退役軍人が主人公の作品を作ったような感じです。

 最初に断っておくと、本作は容赦ない暴力表現が特徴です。毎回のように血しぶきが飛ぶシーンがあり、部位欠損も満載。過激な拷問シーンまで搭載。原作者のどうしようもないリョナ好きが遺憾なく反映されていて、ゴア度は高し。この手のアニメのお約束通り、不条理な設定で少女たちが可哀想な目に合います。原作コミックの帯で虚淵先生から「魔法少女にこんな残酷な運命を背負わせるなんてひどいよ! あんまりだよ!」というお褒めの言葉を頂いたくらいですからね。苦手な人はまず耐えられないと思うので、手を出さない方が良いでしょう。

 さて、タイトルに「魔法少女」と冠するアニメなのですが「邪道魔法少女もの」というよりも「戦闘美少女もの」というカテゴリーに入れる方がしっくりくる作品ですね。魔法は身体能力を高めるエネルギーであり、魔法少女たちはマジカル・カランビット(※ただの暗器にしか見えない)などの魔法武器を使った物理攻撃で敵と戦います。また魔力の消耗を抑えるため、彼女たちは銃の扱いや軍隊格闘術に習熟しており通常戦闘の能力も極めて高い。それゆえにテロリストとの戦闘の場面は激しいものになる。肉弾戦になることすらあります。魔法少女がトレーニングルームで汗を流す場面はなかなかシュール。視聴していても魔法少女ものを観ている感覚はあまりなくて、力と力のぶつかり合いが描かれる格闘漫画に近い作風になっています。

 荒唐無稽な設定のB級娯楽アニメらしく、エンタメ要素はやたら充実していて僕は楽しく観ることができました。特にこのアニメのマジカル〇〇ネタは面白い。美少女×ミリタリーは深夜アニメで人気の組み合わせですが、そもそもの組み合わせが歪であるためどうしてもシチュエーション的に無理のある場面が出てきます。「魔法少女特殊戦あすか」の上手い所は、ミスマッチな感じをあえて強調し、ネタとして笑いを取っている所ですね。魔法少女たちの武器にしろ必殺技にしろアイテムにしろ、設定上は魔力で強化されているということですがどう見たって魔法少女らしくない。それを「マジカル自白剤!」だの「マジカルスパンキング!」だの何でもマジカルをつけるバカバカしい演出で「それただの自白剤じゃん!スパンキングじゃん!こんなの絶対おかしいよ!」と観ている方の突っ込みを誘ってくる。これはなかなか楽しい。

 「マジカルファイブ」のリーダー、大鳥居あすかは良い主人公でした。あすかは過去の戦いで仲間(もともとはマジカルイレブンで6人が戦死した)と肉親を失い、PTSDを患っていて取り乱すこともあるのだけど、メンタルが弱いという魔法少女としての欠点であると同時に、人との繋がりを大切にする優しさがあるからこそ仲間たちから慕われ信頼もされている、という長所の両面からきちんと描けていました。それ程作画が良いアニメではないのですが、たまにマジカル作画カロリーロールアップ!が起こり要所要所であすかが凄くいい表情をしていたと思う。普段はクールでやや表情が硬いキャラなので、顔つきが変わる場面は印象に残りました。他の3人の魔法少女(アニメ化された範囲でペイペイはほとんど出番がありませんでしたが)もエロ格好よくてナイス。

 そして魔法少女といえば使い魔がつきもの。本作はサッチュウという黒いネズミ型の妖精が登場します。こいつがまたナイスなキャラなんですよね。魔法少女のサポート専用に生み出された妖精なだけあって極めて有能。基本は魔法少女の戦闘補助が役割なのだけど、小型の冥獣なら、どこから拾ってきたのかよく分からない武器を使い、自分でやっつけてドヤ顔をするくらい殺る気まんまん。サッチュウは殺チュウだったのだ!突然始まる「魔法少女まめちしき」コーナーも楽しかったし、ブサ可愛い見た目もお気に入り。笑いが取れるキャラはやはり魅力的ですよね。

 脚本に関しても、僕は悪いとは思わない。あすかが復帰するまでの流れは丁寧だったし、その心境を第9話で{netabare}「人は誰もが、自分だけの仕事を背負って生まれてくる。私は運よく…あるいは不運にも、それと巡り合ってここにいるんだ。他のみんなもな」{/netabare}とミアに代弁させたのはうまい。他にも例をあげると、{netabare}第5話であすかは敵の魔法少女アビゲイルに「指を落とされたくらいですごい顔するんだな」と煽り文句を放つのですが、後の第11話で片腕を失ってからも痛みに耐えながら戦う場面で有言実行してみせたり、同11話で「君は少女と思えないほど悲しい目をするんだな」という台詞と「あなた…本当に悲しい顔をするのね」という台詞のリフレインであすかとちさと、守るべきものがある者と無い者の差を表現するなど{/netabare}台詞を効果的に使って魔法少女の格好良さを引き出せていたと思います。

 あと地味なことだけど本作はモブの描き方が良い。軍人は魔法少女たちの絶大な力を認め畏敬の念を抱きながらも、年端もいかない少女を最前線に立たせることへ罪悪感を感じ、魔法少女に頼り切りになるまいと魔法戦への対処能力を上げようと努力をしている。そういった描写をすることで無茶苦茶な設定のフィクションにある程度のリアリティを与え、安っぽくなりすぎないように工夫していた点は評価できます。

 俗っぽいエログロバイオレンスアニメで正直言うと欠点も多いのですが、原作を最新刊まで読むくらいにはハマってしまいました。ただ暴力的な表現の数々はどうしても人を選んでしまう。ポリコレにやかましい最近の風潮に辟易している方も多いだろうけど、公安や自衛隊が捕虜に拷問を加えるなど、さすがに擁護できない場面もあって残念ながら他人にはお勧めできないかな。好きな人だけでこっそり楽しめばいい作品でしょうね。

・・・間違ってもコレを自衛官募集ポスターに使ってはいけませんよ!マジカル炎上なんてネタはもういいですから!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

魔法少女の戦いは終わらない…

この作品の原作漫画は未読です。
この作品の視聴を決めたのは、声優さんもさることながら監督が山本秀世さんだったから…
これまで様々な作品を手掛けてこられた監督ですが、私が一番印象に残っていて今でも大好きな「ストライク・ザ・ブラッド」の監督だったからです。

そして視聴したのは大当たり…良い意味でストブラ臭がプンプンするではありませんか…
きっとこれから山本監督の名前を見たら無条件で食い付いてしまいそうですけれど…^^;


伝説。神話。魔法…。科学の発展とともに忘れられた、もう一つの世界と、人類はついに邂逅を果たす。
だがその再開は幸福なものではなかった。
地冥界より侵攻する化け物は、現用兵器の多くを無効化し、人類の運命は風前の灯火と思われた。
だが同じく地冥界に苦しめられていた、精霊環境条約機構の助けにより、人類は起死回生の一手を手にする。
魔法少女である。
強大な魔力を手にした少女たちは、心身に多くの傷を負いながらも、人類を勝利に導き、ついに大戦を終結させる。
しかし、それさえも、新たな戦いの始まりに過ぎなかった。国際犯罪、無差別テロ、内戦、紛争…
魔法少女の戦いは終わらない…


公式HPのintroductionを引用させて頂きました。
この作品の設定が好きです。
普通なら大戦で奮闘する少女を取り上げるのが常套だと思うんですけど、この作品は大戦の終わりが物語の始まりなんです。
恋愛作品で例えると、お互いが好き同士になり付き合い始めが物語のゴールが常套なら、付き合い始めてからがこの作品と同じ立ち位置になります。
一段落付いたから物語はそれでお終い…あとは平和な世の中に、なんてならないのが世の常…

この作品で活躍する魔法少女はマジカル・ファイブと呼ばれる5人の魔法少女たち…
けれど、本当は魔法少女って大戦前はもっと大勢いたんです。
大戦でボロボロになって5人に未来を託した魔法少女たちの上に、物語の世界が成り立っていると言っても過言ではありません。

作品でも触れられていましたが、かつての大戦は相当酷かったようなので…
だから、彼女たちに託されたこの世界を汚す奴は絶対に許せない…
この様に思考が巡るのも理解できますし、正義の味方の考えそうなことだと思います。

この物語の主人公は、大鳥居 あすか…大戦終結時のマジカル・ファイブのリーダーでしたが、物語が始まった時、彼女は魔法少女を引退していました。

彼女は「ラプチャー☆あすか」という近接戦闘においては他の追随を許さない程極めて高い戦闘能力の持ち主だったんです。
でも、それが魔法少女で有り続けなければいけない理由にはなりません。
魔法少女である前に一人の高校生の女の子なんですから…

どんなに戦闘に強くても心まで強い訳じゃないから…
きっと心だって普通の女の子よりは相当強いはず…
じゃないとかの大戦を生き延びることなんて出来なかったから…
でも、彼女に降りかかった厄災は、心をポッキリ折るには十分過ぎました。
もし自分が魔法少女じゃなかったら、きっと厄災なんて無関係だった…
自分が魔法少女に選ばれたから…

でも自分でいくら魔法少女を引退したとしても、彼女の潜在能力が無くなった訳ではありません。
ですから、彼女を煙たいと思う人間は少なからず存在するんです。
そういう輩が考えそうなこと…
彼女をどこまでも追い詰め、彼女の周りから切り崩していく事…

自分が魔法少女だから…
友達を巻き込みたくないから…
こうしてあすかは再び魔法少女として立ち上がり…物語が動いていきます。

まず、山本監督の仕事が凄いです…
強くて格好良い女の子の描き方を熟知されているのでしょう…
魔法少女の戦いは圧巻の一言でした。
作画も展開に合わせてしっかり付いてくるのでこちらも文句なしです。

キャラデザには若干のクセはありますが直ぐに慣れます。
ストブラと違い、どの魔法少女も未だ幼さが抜けきっていません。
最初はそこにクセを感じましたが、完走して振り返ってみると年端のいかない少女たちが世界を守るためにボロボロになりながらも戦っている感がとても出ていたと思います。
そう考えると、このキャラデザにも納得です。

ここで少し魔法少女を紹介しておきます。
まず、魔法少女には2通りの存在が確認されています。

精霊条約機構の正当な力を手にしたマジカル・ファイブの様な魔法少女と、非合法で魔法少女になった少女です。
お互い相反する存在ですが、どちらも悲しい運命を背負っていることには変わりません。

どうして魔力を手に入れられるのが少女ばかりなんだろう…と考えたこともありました。
もっと屈強な男でもいいじゃん…と考えたこともありますが、そうしたら魔法少女物語が軒並み「魔法少女 俺」物語になってしまう事を考えると、商業的に成功しないのが理由なんじゃないか…と思う様になりました。
個人的にも屈強な男バージョンは敬遠したいかも…^^;

魔法少女を翻弄する戦いは熾烈を極めていました。
個々の戦闘能力は高いものの、数で攻められたらジリ貧ですから…
それでも彼女たちの前に立ちはだかるのは、暴力としか思えない程の圧倒的な戦力差なんですけどね…
そんな状況の中、人類の未来のために彼女たちがどの様に立ち振る舞うのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、nonocさんの「KODO」
エンディングテーマは、GARNiDELiAさんの「REBEL FLAG」
どちらの曲も痺れるほど格好良かったと思います。
勿論、どちらも即買いして今も通勤中に聞いています。

1クール全12話の物語でした。
てっきり2クールの作品だとばかり思っていました。
途中から絶対物語が集結しない確信がありましたから…
でも、最終回の纏め方は続編を意識させる構成だったと思います。
新たな布石もいくつか打たれましたし、何より回収されていない伏線が残っていますから…

続編はストブラの様にOVAではなく、テレビ放送を希望したいところですが、この作品の持つ残酷さや猟奇的な一面を表現しようとすると、OVAも止む無しなのかもしれません。
だからこの作品においてはどちらでも構わないので、続編が制作されることだけを願っています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 20
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

このままでは、魔法少女は、子供がなりたくない職業1位になるぞ(苦笑)

[文量→小盛り・内容→余談が本論系]

【総括】
グロ、鬱ありの、新しい時代の魔法少女モノの定番。

全体としては悪くなく、平均すれば☆3くらいには楽しめた感じもするんだけど、、、どうにも私とは相容れないモノがあるというか。。。胸くそ悪い、いくつかのシーンで大きく評価を下げさせて頂きました。

ただ、クオリティ的にはそんなに悪くはないので、こういう作風が好きな方だったら、まずまず楽しめるアニメかと。


《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
9話や10話(沖縄防衛戦)のように、きちんとバトルしている時は、標準以上に楽しめた。

「魔法少女の辛さや、背負った業」を表現するために、グロが必要というのも分からなくはないので、最低評価はしません。が、やはり「焼けたトングに皮膚がはりつく」とか「脳に直接注射して感覚を強め、お胸をモミモミ」とか、贔屓目に見てもやり過ぎな描写が多く、手放しには誉められない。

う~む、評価が難しい。
{/netabare}

【余談~私にとっての味噌ラーメンと魔法少女~】
{netabare}
これは、極々個人的な話なのですが、私にとっての味噌ラーメンって、「白味噌 卵麺 野菜たっぷり」の甘いラーメンなんすよ。北東北は、それがスタンダートだと思います(少なくともウチの地域はそうでした)。

例えば仙台に行って、初めて「辛味噌ラーメン」なるものを食べた時、「これも味噌ラーメンなのか!?」という衝撃を受けました。でも、メチャクチャ美味しくて、今でも時々食べたくなる味です。

とはいえ、やはり(私にとっては)味噌ラーメンといえば、白味噌であり、野菜の甘味が感じられるやさしいものであり、他は、亜流に過ぎません。もし、店のメニューに「辛味噌」や「赤味噌」と表記がなく、ただ「味噌ラーメン」と書いてあるのに、辛い味噌ラーメンが出てきたら、ちょっとガッカリします(まあでも、美味しく完食しますがw)。

でも、東京に行って分かったのは、「白味噌 卵麺 野菜たっぷり」の甘い味噌ラーメンって、むしろ少数派なんですよね。なんか、寂しかったです。

魔法少女モノもそうです。

私にとっての魔法少女モノとは、「魔法使いサリー」を出発点にし、「美少女戦士セーラームーン」や「魔法騎士レイアース」を経由し、「カードキャプターさくら」くらいまでを指します。さくら なんかは少し現代に近づいていますが、基本的には、「勧善懲悪」で「ヒーロー的な」、優しく強い存在でした。

それが、初めて「魔法少女まどか☆マギカ」を観たとき、「これも魔法少女なのか!?」という衝撃を受けました。でもメチャクチャ面白くて、今でも記憶に残っている作品です。

ただ、それがスタンダートかと言われれば、やっぱりなんか違う気はする。

本作なんかも、ガッツリ激辛の、蒙古タンメン系味噌ラーメン的な魔法少女モノです。正直、やや食傷気味です。

本作や、マギカ以降の魔法少女モノもあって良いんですが、やはりベースは、人々を幸せにし、自らも幸せなる、魔法少女モノを観たい。そんな気持ちを込めたのが、このレビュータイトルです。

セーラームーンに憧れる少女はいても、あすか に憧れる少女はいないんじゃないかと思うわけですよ(まあ、そっち方面はプリキュアがカバーしてるから大丈夫という説もありますが)。

ただ、勿論出身地が違えばベースになる味噌ラーメンも違うわけで、本作のような魔法少女モノこそ本流で、他は亜流だという方もいて当然だと思います。

あくまで、「私は」という話です。(って書いてたら、深夜にラーメン食いたくなった)w
{/netabare}


【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆3
大戦後の魔法少女。これ、グロに流れていくなら、ノゾミやらサヤコやら、死んじゃうかもな~、惨たらしく。いや、出血多量で死ぬだろう。ストーリーを売りにするなら観られるし、グロを売りにするなら、途中離脱かな。

2話目 ☆3
ノゾミの父、拷問官か。女キャラ全員、半端ない巨乳だな。ナース、正論だな。

3話目 ☆3
ナースも、病んでるの、か。わりと平和な日常系見せたか。作風的に、次は更なるグロ、かな。。。

4話目 ☆1
焼肉トングに、皮膚の張り付き。BPO、大丈夫か?

5話目 ☆2
魔術斧は回収して使おうよ、特殊部隊の良い武器になるよ。記憶消去で解決ね。まあ、1週間くらいなら、良しとしないと。

6話目 ☆2
まあ、死んだと思われた魔術少女の誰かだろうけど。あんな都合よく、ピンポイントで落ちるか?

7話目 ☆2
とりあえず、腕を切り落としがち。

8話目 ☆3
マジでクソだな、あの親父。宜野湾、、、内村さま~ずのイメージ(笑) ゴーナース、汚れ仕事担当なのか。マジカルスパンキング、は、ギャグなのか? 無駄なサービスシーンに、ドン引き。スゲェ、魔法少女試験だな。

9話目 ☆4
タマラ、お前も変なのか(笑) なんかちゃんと組織戦をしてるな、相手も味方も。

10話目 ☆4
まあ、足が折れてても走るよな、普通は。ミアは、ハロウィン3体くらいでやられるの? これは、タビラ将軍が弱いのか、敵が強いのか。

11話目 ☆3
どした?? ああ、やっぱり斧は回収してたのね。

12話目 ☆2
拷問シーンはやはり胸くそ。ただ、後半の説教は、良い話、、、なのかな? よくワカラン。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30

74.8 6 2019年度のトラウマアニメランキング6位
炎炎ノ消防隊(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (506)
2258人が棚に入れました
全人類は怯えていた──。何の変哲もない人が突如燃え出し、炎の怪物“焔ビト"となって、破壊の限りを尽くす“人体発火現象"。炎の恐怖に立ち向かう特殊消防隊は、現象の謎を解明し、人類を救うことが使命。とある理由から“悪魔"と呼ばれる、新入隊員の少年・森羅 日下部(シンラ クサカベ)は、“ヒーロー"を目指し、仲間たちと共に、“?ビト"との戦いの日々に身を投じる!!

声優・キャラクター
梶原岳人、小林裕介、中井和哉、鈴村健一、上條沙恵子、M・A・O、楠大典、興津和幸、日野聡、関智一、悠木碧、小西克幸、Lynn、河西健吾、宮野真守、前野智昭、津田健次郎、阪口大助
ネタバレ

RUSHIKA꙳★* さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

『この世にヒーローがいねぇから!!俺がヒーローになるって言ってんだよ!!』

ヒーローか悪魔か !!

人が突如燃え出し、怪物“焔ビト"となって、
破壊の限りを尽くす“人体発火現象"。
炎の恐怖に立ち向かう特殊消防隊は、
現象の謎を解明し、人類を救うことが使命。
とある理由から“悪魔"と呼ばれる
新入隊員・森羅 日下部は、
“ヒーロー"を目指し、仲間たちと共に、
戦いの日々に身を投じる!!

原作__大久保篤 少年週刊マガジン


とにかく、筋肉かっこいい。
あとキャラが魅力的。
服装も消防服のデザインが
青の蛍光色が光って綺麗。
ヒロインたちも髪型や性格、
一人一人異なり、全員が好き!
茉希ちゃんの髪型かわええし、
アイリスはシスターの服が似合う!
あと、紅丸!戦いのとき銀時みたいに
片袖だけ脱いでるのセクシーすぎる。
若の筋肉触りたい。
{netabare} 14話の最後、オーバーヒートで森羅にお姫様抱っこされてるの見て
惚れた。(一応、腐ってませんよw)
ババアの死に光りうめぇとか
素直に言えないとこもかわいいから!
何なんもう →テンション爆上げ
{/netabare}

☆主な登場人物☆
森羅 日下部(CV梶原岳人)
アーサー・ボイル(CV小林裕介)
樽 桜備 大隊長(CV中井和哉)
武久 火縄 中隊長(CV鈴村健一)
茉希 尾瀬(CV上條沙恵子)
アイリス(CVM・A・O)
新門紅丸(CV宮野真守)

☆音楽☆
OP : Mrs. GREEN APPLE 「インフェルノ」
ED : 須田景凪 「veil」

15話~
OP : coldrain 「MAYDAY」
(feat. Ryo from Crystal Lake)
ED : Lenny code fiction 「脳内」

OPもEDもかっこよく心地よい。
特にMrs. GREEN APPLE、かっこいい。
知名度も高くなる。歌詞もイントロも魅力的。



映画館のように耳に重低音が響く。
すごい音量です。
面白いと感じても深く心に響く感銘を
受けるものではないです。
少年漫画らしく、熱血、戦闘、正義という
テーマが主です。(笑いも)
気づいたら応援してしまうような
真っ直ぐなキャラクター達です。
年齢層は若い人かな。。
あ、でも、15話あたりから
物語の本題にせまってきて
面白いのでそこからは誰もが楽しめると思う。
少年漫画が好きで、新しい世界観を
堪能したい方にお勧めです。


たぶんきっと原作に忠実だからだと思うけど
首にある横の線気になる。。
ので、作画は4.0にしました。
{netabare}
あ、レビュー関係ないけど
関智一さん、クズだけどかっこいい!!
どうしようもないクズも似合うよ♡(褒め言葉)
鈴村健一さん、沖田総悟もはまり役だったけど
茶髪役もいい!!夫婦共演おめでとう!
てかな、中井和哉さんと組むと、
土方と沖田の再来で感動するわ 泣
宮野真守さん、一瞬マモさんって
分からないくらい声が別人で
プロ根性感じた(震)
14話の鬼退治、主人公 紅丸だと思ったよ…
酒入ると愉快王とかめっちゃ可愛いじゃん
{/netabare}



『兄の 意地』は神回だった。
そこまでに向けての終盤の8話くらいが
良かった。
最初は優しい少年向けの正義ものかぁ
って感じで見てたけど
弟のために何度も立ち上がる姿は
鈍い涙腺にもきた。
ちょっと最初の数話が、
どんな展開を見せるのかっていう
物語の方向性が消防隊の説明が多く、
見えなくて、入り込めなかった
そんな欠点も多分、誌面で読むと
世界観や設定の説明が
丁寧だという印象になり、
楽しめる作品なんだろうな。。
てか、最初の数話見たとき、
我の中ではここまで評価上がるとは
思わんかったぞ
ちょっと感動しちまったじゃないか。
{netabare}
最終回は結局お母さんが、鬼になってたから何やねん、ここからじゃんけと思ったけど、弟の心が戻りそうな兆しが見えたから良しとしよう。
{/netabare}
それにしても 森羅 万 象って
センスありすぎw
あとさりげなく、キャラクターの苗字と名前が全員逆で呼ばれるのがなぜかきになる。

あとさ、何といっても、消防士と宗教組み合わせたのがすごい。
近代宗教の捉え方で描かれていて
宗教という偶像にすがるのではなく
人の為の宗教という考え方。
あくまで宗教は人の成仏のため。
だけど、特殊消防隊という組織自体が
太陽皇という宗教に基づいて出来ている
ため、そこがどうストーリーに影響してくるのか見所だ。
{netabare} 桜備大隊長がドクター に言ったように伝道者と太陽皇の違いが
人を殺すか人のためか なのか
それとも伝道者の目的は他にあるのか
2期が楽しみ。1期では匂わせぶりなことを語っていたので気になる〜 {netabare}

にしても、梶原岳人さん、
ブラッククローバーのアスタ役から
またまた異例の抜擢。
個人的に嫌いではないけど、
声の表情のレパートリーが
まだまだ少ないと感じてしまう。
Googleでも 炎炎ノ消防隊 声優 下手
が検索キーワードに出てきてしまっていて気の毒だが、定評のある主役声優にした方が無難だった。場面に合わない底抜けの明るい声がたまに聞こえて気になった。口の形が変わったキャラなだけに不気味さが少し足りなく少年ぽい青臭さが響く。2期では気にならないといいなぁ。
新門紅丸が出てくると真守さんの声の色彩に引き込まれて存在感が薄れてしまう。森羅、頑張って‼︎‼︎



週刊少年マガジンに載ってるくらいだし、奥深く設定が練り込まれてる予感がする。2クールで放送したことによりいいところでラストを迎えた。
2期に期待。

ラーモス!!!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

人体発火現象「焔(ほむら)ビト」による脅威から一般市民を守り、人体発火現象の原因と解決策を究明する「特殊消防隊」の物語…

この作品の原作は未読ですが、碧ちゃん、M・A・Oさん、Lynnさんが出演されると知り視聴を決めた作品です。
週刊少年マガジンで連載しているのもポイントでしたけれど…


全人類は怯えていた―――。

何の変哲もない人が突如燃え出し、炎を操る怪物“焰ビト”となって、
破壊の限りを尽くす“人体発火現象”。
炎の恐怖に立ち向かう特殊消防隊は、現象の謎を解明し、人類を救うことが使命!
とある理由から“悪魔”と呼ばれる、新入隊員の少年・シンラは、
“ヒーロー”を目指し、仲間たちと共に、“焰ビト”との戦いの日々に身を投じる!!


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

本作品が決して悪い訳じゃありません。
ですが、7月18日に発生した「京都アニメーション放火殺人事件」があまりにも凄惨な事件だったからでしょう。
7月20日に放送予定であった第3話の放送を見送り、当初の編集・演出を一部変更しての放送となりました。
私はこの作品の作り手の皆さまの英断だったと思います。

原作者はソウルイーターを執筆した大久保篤さん
アニメーション制作は、ジョジョの奇妙な冒険シリーズや、はたらく細胞を手掛けたdavid production
惹かれる組み合わせだと思います。
原作1巻の腰帯には、「ソウルイーター」の登場人物であるマカ、ソウルのイラストも描かれているんだそうです。
ソウルイーターは、2008年~2009年にかけて全51話で放送された作品です。
この作品も「ソウルイーター」同様、腰を据えて制作される作品になると嬉しいです。

そういえば、「ソウルイーター」には「ソウルイーターノット」という外伝がありましたよね。
3人の女の子が活躍するお話でしたが、その中の1人「多々音 めめ」のCVも碧ちゃんでしたっけ。
こういう繋がりに気付けると嬉しかったりするんですよね…^^

すっかり脱線してしまいました^^;

まず、物語の設定が独特です。
突然人間が燃え出す人体発火現象…通称「焔(ほむら)ビト」
「自身の体から発火した者は瞬く間に全身が炎に包まれ、自我を失い命が尽きるまで周囲を焼きつくす」という設定をどうしたら考え出せるんでしょう…
そして更に苦しさを助長するのが、「自我を失う」のには個人差があるということです。
自我を失ったらもう誰も止めることはできません。
その人に待つのは「特殊消防隊」による安らかな死だけです。

でも自我を失うまでは、ちゃんと人としての理性を保ち続けるんです。
全身が炎に包まれているんです。いつパニックを起こしてもおかしくありません。
寧ろ炎に包まれた瞬間にパニックに陥るのが当たり前かも…
当たり前ですが、物凄く熱いし苦しいと思うんです。
でも、自分が動けば炎があちこちに燃え移って周りに…家族に迷惑をかけてしまう。
だから微動だにせず「特殊消防隊」の到着を待つんです。
その先にあるのが安らかな死だけだと知っていても…

だからこんな悲しい連鎖は絶対に止めなきゃいけない…
そのためにも早く原因を究明しなきゃいけない…
そのはずなのに、物語がきな臭い方向に逸れていくんです。

特殊消防隊には全部で8つの部隊が存在し、それぞれの管轄を持っています。
主人公の森羅 日下部が入隊した第8特殊消防隊は、新設されたばかりですが焔ビトの秘密について追うことを目的とした全うな組織です。

第1特殊消防隊は、聖陽教会を母体とし特殊消防隊の中でもエリートと称される部隊。
第2特殊消防隊は、東京皇国軍直属の特殊消防隊。
第3特殊消防隊は、特殊消防隊の装備の開発を担っている灰島重工をバックに持つ消防隊。
第4特殊消防隊は、消防庁が管轄する特殊消防隊。
第5特殊消防隊は、第3同様に灰島重工をバックに持つ特殊消防隊。
第6特殊消防隊は、特殊消防隊で唯一の医療部隊。
第7特殊消防隊は、元々は自警団『浅草火消し』で、浅草地区を管轄する特殊消防隊。

この様に、特殊消防隊は生まれも背景も異なっているんです。
当然中には大人の事情を山ほど抱えている部隊だって存在するでしょうし…
あまり多くは言えませんが、特殊消防隊だからといって所期の目的を愚直に遂行しているとは限らないということです。
この辺りは、物語の進展に伴って明らかになっていきます。

今ハッキリしているのは、森羅が本懐を遂げるためには強さが足りないということ…
それは個人としても然り、組織としても然りです。
それに、これまでは各消防隊が独自に活動を行ってきましたが、どうやらそんな事を言っている場合じゃなくなってきた…ということです。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、Mrs. GREEN APPLEさんの「インフェルノ」と、coldrainさんの「MAYDAY feat. Ryo from Crystal Lake」
エンディングテーマは、須田景凪さんの「veil」と、Lenny code fictionさんの「脳内」
前半クールの楽曲はオープニング、エンディングともに秀逸です。
特にオープニングアニメとの融合は格好良くて心が震えました。
エンディングのアイリスも魅力的ですけどね。
後半クールはエンディングが印象に残っています。

2クール全24話の物語でした。
そして嬉しいのが続編となる「炎炎ノ消防隊 弐ノ章」の放送が2020年夏に予定されていることです。
やっぱり腰を据えて作って貰える作品だったんだと思うと、喜びもひとしおです。
物語はだいぶ盛り上がってきています。
この熱を切らさず続編に繋いでいきたいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

次シリーズへ持ち越し

7話までの感想{netabare}
原作どっちが先か知らないけど“ブラッククローバー”に凄く似てるような?
ちょいと調べたところ連載開始時期は大体同じ?
主人公の声が一緒だからってことじゃなく…別に珍しい話じゃないので被るのはありがちなんだろうけど、スタッフ狙って声優同じにしたんじゃないだろうなァ?
ブラクロでは主人公がはみ出し者の集まる黒の暴牛団に入った辺りの序盤「今後は国や他の騎士団の不正を暴く方向に行くのかな?」と予想したことはあって、まぁ実際はそっちの方向へは行かなかったけど、アイデアの根幹・出発点は同じにして別の展開に進んだパラレル作品みたいな、そんな感覚を覚える。
け、決して主人公の声が同じだからってことではない(二回目)。
あれだ、ワンピースに対するフェアリーテイルみたいな感じ、あくまで偶然の類似で責める意図は無い。
とはいえ、シスターに一途で周囲からは(筋肉)バカ呼ばわりされてる魔法騎士のアスタ(梶原岳人)が、こっちではシスターを姫に見立てて騎士王を自称するアーサーをバカ呼ばわりしてるのは、なーんか「ふふっ」と来ちゃいますけどね。

それにしてもこっちは展開はええw
第五がアヤシイと睨んで「じゃあ勘付かれない様に証拠集めするのかな?」と思ったらあからさまに敵対するわ殴り込みするわ。
そもそも主人公は新人なのに即戦力すぎるわ。
1話でチームワークが大事と言ってたのに単独で解決しちゃうわ、6話で「中隊長のシゴキに比べればこんな攻撃大したこと無い」と言うが肝心のキツいシゴキとやらのシーンが無いわ。
あくまで話数の少ない深夜アニメとして話を詰め詰めにした結果(ついでにリアルのあの事件の影響)だろうと好意的に見てるけど、やっぱブラクロと比べると…早い早いw
そして7話でようやくインターバル入ったって感じかな?
前回の第五へのカチコミを大ゴトにしないためのアリバイ作りで食事会&次にアヤシイと睨んだ第一連中の紹介。
ふう、やっとひと息つけた感じ。
ブラクロは間延びが果てしないけど、こっちの詰め詰めもなかなか目まぐるしい。{/netabare}

8話感想{netabare}
ドラゴンボールでビーデルがボコボコにされる回を原作で事前に知ってて、3倍じゃなくて標準でビデオ録画待機してアニメ放送に臨んだ人って結構居るんじゃない?
(その回作画大して良くなくてスゲーガッカリしたってオチ付き)
そんな懐かしい記憶を呼び起こす展開だったけど、自分は炎炎の原作知らんが展開早くて「え、この回でもうそれやるの?」ってことにはなってない?大丈夫?
いやぁ~、犯人探しはもっと話数かけると思ってたので「まさかアイツが犯人だったなんて!」ではなく、展開早くてビックリです。
しっかし空飛べるのはアドバンテージでっかいよなぁ。{/netabare}

最終回までの感想(これだけ読めばいいかも){netabare}
別にパクリだなんだいう訳ではなく、なにか“ブラッククローバー”(以下ブラクロ)とリンクしてるような気がしてならないこの作品。
主人公の声がブラクロの主人公と一緒だったり、その役ドコロがブラクロではシスターに惚れてる騎士志望(本編では騎士になったが)の筋肉馬鹿だったのが、こっちではシスターに惚れてる?騎士志望のキャラをバカ呼ばわりしてたり、な~んか関連というか因縁めいたのおを感じてしまって…。
深なる部分に悪魔的なナニカを飼ってそうなところとか…これはよくあるネタなのでわざわざあげつらう程でもない?

で、内容だけど…結局これ、「他の部隊が敵か味方か探りを入れて、敵の正体分かりましたー」ってだけで…あれ?敵そのものは全然やっつけてなくない?
「やっつける」なんていう子供っぽい表現を敢えてしてるけど、清濁噛み締めるビターな話って訳でもあるまい。
内容的には所詮少年誌で、それにしてはエンタメ性がなーんか一歩足りない感じ。
ってか敵がニヤついた奴らばっかり、やっつけられないにしろせめて冷や汗かかせたりぐぬぬくらいはさせてくれないとホント消化不良、炎扱ってるクセに。
作画は頑張ってるんです、だけどイマイチスカっとしない、高笑いのベルクカッツェを捕り逃すガッチャマンを最後まで見せられたみたい。
…。
ま、まぁいいや、次のシリーズで吠え面かかせたりやっつけてくれるんでしょう。
思い切りブツ切りだったり続きはOVAでだったり、あまつさえ打ち切りなんて作品が同期にあったせいかそこら辺は寛容。
だけど次シリーズへの引きが、ホムラビトになった母を人間に戻すとか言い出して…あれ?これもつい最近似た話を見たぞ?
何だっけー何だっけーと必死に思い出したら“アサシンズプライド”だwあっちもランカンスロープを人間に戻すとか言って話を締めてたっけ。
これもよくあるネタとはいえ「原作が続いてて、アニメはひとまずの決着はつけつつも話の引きは残しとく」の部分が被っちゃった感じ、いやぁこの作品ホントよく被るね、別にパクりだなんだいう訳じゃなくて。

総評としては、悪くはないのだけど飛び抜けて面白いという部分も無い。
せめて痛快に敵をやっつけるシーンがあれば良いのだけどそれは次シリーズへお預け、多分。
これで次シリーズも「敵をやっつける」が無いと困っちゃうんだけど…だ、大丈夫だよね?{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

71.9 7 2019年度のトラウマアニメランキング7位
戦姫絶唱シンフォギアXV (第5期)(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (105)
527人が棚に入れました
神の力を以ってして、神そのものを討ち斃さんとした原初のヒトガタ、アダム・ヴァイスハウプトは、サンジェルマンたちの理想の源パワーソースであるラピス・フィロソフィカスにて黄金錬成されたシンフォギアによって撃槍される。暗躍してきたパヴァリア光明結社はここに瓦解し、その残党は、各国機関の活躍によって追い詰められていくのであった。そして――追い詰められているのはパヴァリア光明結社だけではない。かつての超大国アメリカもまた、日本に向けた反応兵器の発射事実を非難・追及され、国際社会からの孤立を招いていた。閉塞した状況は、新たな世界規模闘争の火種にもなりかねないため、速やかなる政治的解決が望まれているが、複雑に絡む国家間の思惑は軋みをあげるばかりで、遅々として進んでいない。当該国である日本も、アメリカとの協調政策を打ち出して関係修復をアピールしているものの、どこかうすら寒い表面的なムードに終始して、局面打開には至っていない。いまだ見えない世界の行く末。さらに、張りつめた空気はここにも。都内ランドマーク各所が一望できる、デートスポットとしても人気の大観覧車のゴンドラに乗っているのは、私立リディアン音楽院に通う高校生、立花 響と小日向 未来。ふたりが手にした鯛焼きは白玉入りであり、絶品。甘すぎず、まるでぜんざいもかくやという口当たりの餡は申し分が無かった。それでも、ふたりの間に緊張が走るのは、何の気なしに未来が響に発した、問い掛けに始まるものであった。返答に窮した響の胸の奥にあるものは、果たして。過去から現在に向けて紡がれたいくつもの物語は、XVに集束していく。聖骸を巡る攻防は、どこまでも真夏の只中。はじける湖面を舞台に、少女たちの歌声が輝きを放つ。

声優・キャラクター
悠木碧、水樹奈々、高垣彩陽、日笠陽子、南條愛乃、茅野愛衣、井口裕香、久野美咲、石川英郎、保志総一朗、赤羽根健治、瀬戸麻沙美、M・A・O、愛美、市ノ瀬加那、山路和弘、麦人
ネタバレ

鰺鱒 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

踏破・回収

[2020/03/24 v1 踏破・回収]
[2020/03/24 v1.1 修正・追記]

歌って戦う女の子たちの熱くハチャメチャなノリを楽しむアニメ、シンフォギア・シリーズの5期目。余裕があるなら1期から通してご覧いただいたほうが楽しめると思う。「手っ取り早く」をお求めでも、3期以降は見ておいたほうがよさそう。

2期以降の第一話を見て、なんとなく入っていけそうならそのまま(できれば1期から)ご覧になってほしい作品群。熱く、激しく、カッコよく頭を空っぽにしてくれるものと思う。

5期にして最終期の本作を観終わって、ふっと頭に浮かんだ言葉は「回収」。
その実が1期の段階から練り込まれていた布石だったのか、後から巻き込むように付け足されていった後付けなのかはわからないが、形の上では回収できたかな、と。すべてとは言わないが、その多くは「布石」だったのだろうと解釈しておく。

個人的な1~5期の順位付けは

 1: シンフォギア(1期)
--絶望的に大きな乗り越えられない壁--
 2: シンフォギアXV(本作・5期)
 3: シンフォギアG(2期)、シンフォギアAXZ(4期)
--そこそこ超え難い壁--
 5: シンフォギアGX(3期)

という感じ。1期のとびぬけ感からすると、のこり4作は誤差範囲ともいえる。

(追)1期の衝撃を負い求め続けた結果、2期以降に物足りなさを感じてしまったのは疑いようがない。2期以降に対する感想が必要以上に批判的になってしまったことも反省している(直す気はない)。それでも、シリーズ全体を通してそれなり以上に楽しめる作品群であることは間違いない。設定がばがば、ストーリー自体は少年誌的であることも否定しない。だとしても「女の子たちが魅せてくれるカッコよさ」を堪能できるものと思う。

(追)後になって「シンフォギア実況まとめ」的なTogetter記事を見つけた。なかなか楽しい。それによると、公式WEBサイト、公式予告などを合わせてみておくことでいろいろな楽しみ方ができるようになっていたようだ。個人的にアニメはアニメだけで完結してほしいと思うので、こういう手法を否定はしないが、参加することはない。が、本作に限っては、ちょっと惜しいことをしたかもしれないと思っている。


以下、思うこと。
すべて僕個人の基準に基づく、主観であることを先にお断りしておきます。

―― 主に5期・本作に対して ――

― XV、エクシブってなによ?{netabare}

XVはエクシブと読ませるらしい。そもそも英単語に「エクシブ」ってないんだよな・・・Excluciveをもじった、会員制なんちゃらエクシブってのはあるけど、それ日本産のはず。そしてExivもしくはXIVと表記する。

Youtubeの投稿にちらっとみたのだけど、未来さん→393→3+9+3=15→XV(ローマ数字)ってのは本当なのだろうか。未来さん大展開の第八話のサブタイトルがこれ(XV)なので、そうなのかもね。{/netabare}

― 最も出来の悪い「第12話の引き」、平均的な「13話のFinal Blow」{netabare}

・第12話の引き{netabare}
シンフォギア1~4はシリーズを通して第12話(いずれも13話構成)構成に特徴がある。多少の揺らぎはあるものの大枠としてはこの通り。

‐OPをカットして、ED曲を冒頭・11話の最終盤のCliffHanger RecapにBGMとして流す。
‐12話サブタイトルがデカい(シリーズサブタイトルを持ってくる、あるいは、物語そのものを示すKeyword単体とする)
‐12話後半にかけて主人公たちの大ピンチ、再終盤で大展開(主人公たちの新たな力獲得等)
‐OP曲 Fade in、響のシャウト+ゴージャス止め絵({netabare}3期・GXは除く:響きのシャウトはED直結ではなく、また、ED前カットはエルフナインで止め絵なし{/netabare})、スタッフロールとOP曲突入
→「(僕絶叫)」

1期屈指の名場面ともされる「シンフォギァァアアア」は典型的にこのパターン。そして最高にかっこいい。1期12話の引きでは、僕は泣きました(ただしくは、引き前で泣いてましたがね)。これまでのシリーズの中ではあまり評価していない3期も、12話の引きにはグッときた。

5期XVもこの形を踏襲していた。
サブタイトルが「戦姫絶唱」。奏者全員での絶唱→(ピンチ?)響の叫び「そして~」→X-drive Modeで大地に立つ奏者たち→止め絵→OP曲。

奏者の立ち絵は、作画のクオリティもあり、それぞれかっこよかったと思う。また、5期OP曲はかなりかっこいいと思う。それぞれは。

だが、ED入りの流れがブツッと斬られていて、本編での盛り上がりをそのままOP曲に持ち越すことに失敗しているように思う。これは、5期OP曲のイントロがこれまでのOP曲とは大きく違っているせいもあると思う。特徴的な重いギターから入る曲であり、フェードインするイントロに仕立てるのが難しかったのかもしれない。そのため、引きにかけての劇伴はいろいろな工夫をしてはいるのだが、僕としては本編最後のカットとOP曲の入りに「完全なる断絶」を感じる。劇伴以外のSE(奏者6人のきめポーズに合わせて鳴らしているSE)余計だったのではないだろうか({netabare}楽曲提供もアニメスタッフなのだから、その時点で失敗といえば失敗。12話のことを考えずに作曲したのだろうか。13話とのTrade Offだったのだろうか。{/netabare})。

結局、1期12話を超える「第12話」は見られなかったなぁ・・・・{/netabare}

・13話のFinal Blow
{netabare}同様に、13話の展開も大枠ではシリーズを通して共通だった。
敵ラスボスに対して、OP曲をバックに、OP曲のタイトルを冠したFinal Blowを叩き込む(3期は、OP曲ではなく挿入歌のタイトル)という展開。5期のOP曲はMETANOIA。ギリシャ語で改心を意味するらしい。。。誰の?
さておき、本作13話のFinal Blowシーンは、そこそこよかったと思う。だがやはり1期には遠く及ばない。{/netabare}
{/netabare}

― もっとReady Goできたでしょ・・・
{netabare}調の「Ready Go」すらも、調理しきれなかったか。。。
第4話の調&切歌VSミラアルク戦、第8話の終盤と第11話の翼&マリアVSヴァネッサ戦では、僕がシンフォギアに欲してやまない「音楽と映像の調和」がほんの少し見られた。度合いとして少し。数は1期に3,4シーンで十分なのです。でも度合いが足りない。

音楽と映像の調和、音と光のコントラストという意味では、1期13話「Synchrogazer」を放つ直前のシーンが最もかっこよく、それに並びうるシーンもすべて1期の中にある。{/netabare}

― テーマの回収
{netabare}響の口癖、あるいは、響の口を通して語られるテーマが各期に設定されていた。
「呪われてる」、「平気、へっちゃら」、「だとしても」など。それに、第3期でお茶を濁した「親子」の物語。
5期全体を通して、回収していったかな。多少無理やり感は感じつつも。風鳴家はこの後どうなるんだろうね。

シンフォギアシリーズ全体を通してのテーマが揺らいだこと、回収しきれなかったように感じる点が少々残念。
大きめなテーマとして、シリーズを通していろいろなものに手を出し過ぎた感じがする。「手をつなぐ」「それでも歌がある」「相互理解」は本作で回収できたようにも思う。しかし、全ての始まりにあたる「生きるのをあきらめない(originally by 奏)」が今期は影を潜めたように思う。終盤の人類全体の闘いがそれにあたるのかもしれないが、弱かった。
{/netabare}

― キャロル再臨
{netabare}3期の終わり方が腑に落ちなかった理由が何となく感じられた。無論、ただの邪推であるが。少なくとも3期を始める時点で、5期までのラフスケッチは出来上がっていたのだろうと推論する。3期に対する感想で「キャロルの消失に対してなにも言わない・思わない響たち」に違和感を感じると書いたのだが、「いずれ再臨する」ことが分かっていた制作陣だからこそ、「キャロルの消失」に対する配慮を入れ忘れたのではないだろうか。あるいは、あえて入れなかったのか(その合理的な理由は見えないが)。

それはさておき、キャロルの再臨はとてもよかった。なにより、4機のオートスコアラー達をほんの少しでも復活させ、かつ、「こちら側」に迎え入れてくれたことはよかった。正直、ミカの最後のシーンにはだいぶ喰らった。{/netabare}

― 絶望的に無意味に強い大人たち
{netabare}いわずもがな。不動の爺様もなかなかカッコよかったが、最後しょっ引かれるときに妙に素直なのがちょっとおかしかった。
緒川さん、ついに「現代忍術」の域に達する。車分身も凄いが、その直前の車エルロンロールもすでに謎。チキチキマシンみたいなギミックもなしに、なぜ車が跳ね上がる(笑)。
でも、緒川ファミリーのくだりは蛇足だったな本当。なぜやった、あんなの。設定とか公式WEBに名称が上がっていたのはわかるのだけど。{/netabare}

― 11話のミラアルク・月に代わって超人タッグマッチ
{netabare}セーラームーンオマージュに始まり、おそらくはキン肉マンオマージュの「タッグ技」。笑ってしまった。{/netabare}


―― シリーズを通して思うこと・適当に ――
― すべての始まり、そして終わり「フリューゲル」
泣かせてくれる。ここだけは揺らがずにいてくれたことに感謝する。

― 最期は善玉
{netabare}上述のキャロル+オートスコアラーの話も含めて、結局最期は善玉化するのがこのシリーズの基本姿勢。
訃堂の爺様と、アダムだけかな?{/netabare}

― 八千八声
これ必要だったのかな、というのが正直な感想。1期の出だしに採用してしまった&1期の締めでスルーしたがために無理やり持ってきたような印象を持っている。あたかも「あ、このwhile{ ループ閉じてないじゃん!?」のよう。

― 変身バンク
{netabare}コンセプトとしては1期に既に完成していたと思われるが、2期以降のアニメーションとしては全体として期が下るほど好印象。描かれる動作も、メカメカしさも右肩上がりだった。各奏者について簡単に。
・響
{netabare}ガングニール・空手の型モチーフ
5期もよいのだが、4期の変身バンクがお気に入り。比較的クロースに描かれている分、響の繰り出す型の力強さが感じられる。
{/netabare}
・翼
{netabare}天羽々斬・剣道、居合モチーフ
5期。圧倒的に5期。特に、一瞬魅せる横顔の表情が美しい。全変身バンクを通して、最高の一瞬だと思っている。
{/netabare}
・クリス
{netabare}イチイバル・Gun-fuモチーフ
基本的に2~5期と、期を下るほどカッコよくなっている。ちょっと5期はやり過ぎかな。だが2期ではじめて「ばーん」された時の衝撃に勝るものはない。「ばーん」。
{/netabare}
・マリア
{netabare}アガートラーム・(5期にしてようやく)新体操モチーフ
5期にしてようやくモチーフ安定か。ガングニール時代も含めて、彼女の変身バンクは今一つ印象が薄い。
{/netabare}
・切歌
{netabare}イガリマ・ポールダンスモチーフ
っていうか、最年少奏者たちにエロ担当させちゃダメだろ。いや、確かにエロイんだけど。っていうことで、まだ控えめな3期を推しておく。「ですですでーす」。
{/netabare}
・調
{netabare}シュルシャガナ・フィギュアスケート+ヨーヨーモチーフ
切歌同様、最年少なのにお色気枠の変身バンク。むしろこちらのほうが、女性の持つ恥じらいを表現しているようで余計に・・・3期の「めっ」っとでも言ってくれそうなポーズと目線、5期のヨーヨーの駆けあがり、「きり」と「よし」。。。どちらも捨てがたい。危険人物。
{/netabare}
{/netabare}

― 音環境、大事。
{netabare}別に本作に限ったことではないが、アニメ視聴に音環境は大事。僕はほぼPC+ヘッドフォンで視聴しているのだが、最近、およそ7年ぶりにDACを新しくした。

PC視聴の場合、USBで接続するDAC(デジアナコンバータ)の利用をお薦めする。{netabare}本体直結の端子にヘッドフォン・イヤフォンを接続すると、内部の電圧変化に起因するノイズがどうしても乗ってしまう。最近は減ってきたとはいえ、HDD(SSDではないやつ)を積んだ機械だと、HDDアクセスと一緒にいろんな音が聞こえてくると思う。SSD搭載機でも、内部ファンのノイズが恒常的に乗っているいことが多い。{/netabare}

で、そのDACにもいろんなものがあり、最近は比較的廉価のものでもVirtual Surroundにしてくれるものがあったりする。それなりのを手に入れれば、映画、MV、ゲーム等にパラメータを調整してくれるソフトが付いてくるものもある(もちろん、自分好みに調整可能)。同じヘッドフォンでも、まったく違った音が出てくるので結構楽しい。

さておき、シンフォギアシリーズの4期を見始めるあたりでDACを変えたのだが、試しに1期を見てみると、以前は知覚しなかった音がこれでもかと聞こえてきた。結果、1期に対する評価がさらに上がってしまった。

音環境、大事。
{/netabare}

― 改めて観てみた
なんだかんだ、最後の戦い~核での絶唱は。。。いい。すごくいい。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

繋ぐこの手には…神を殺す力がある。

2012年の冬アニメとして1期が放送されてから約7年半…いよいよ物語は5期に突入しました。
最初に視聴した時は、まさかこんなにも長丁場のシリーズものになるとは思いもよりませんでした。
これもしっかりと物語を繋いできた結果なんでしょうね。


神の力を以ってして、
神そのものを討ち斃さんとした原初のヒトガタ、アダム・ヴァイスハウプトは、
サンジェルマンたちの理想の源パワーソースである
ラピス・フィロソフィカスにて黄金錬成されたシンフォギアによって撃槍される。

暗躍してきたパヴァリア光明結社はここに瓦解し、
その残党は、各国機関の活躍によって追い詰められていくのであった。

そして――
追い詰められているのはパヴァリア光明結社だけではない。

かつての超大国アメリカもまた、
日本に向けた反応兵器の発射事実を非難・追及され、国際社会からの孤立を招いていた。

閉塞した状況は、新たな世界規模闘争の火種にもなりかねないため、
速やかなる政治的解決が望まれているが、
複雑に絡む国家間の思惑は軋みをあげるばかりで、遅々として進んでいない。

当該国である日本も、アメリカとの協調政策を打ち出して関係修復をアピールしているものの、
どこかうすら寒い表面的なムードに終始して、局面打開には至っていない。
いまだ見えない世界の行く末。

さらに、張りつめた空気はここにも。
都内ランドマーク各所が一望できる、
デートスポットとしても人気の大観覧車のゴンドラに乗っているのは、
私立リディアン音楽院に通う高校生、立花 響と小日向 未来。
ふたりが手にした鯛焼きは白玉入りであり、絶品。
甘すぎず、まるでぜんざいもかくやという口当たりの餡は申し分が無かった。

それでも、ふたりの間に緊張が走るのは、
何の気なしに未来が響に発した、問い掛けに始まるものであった。
返答に窮した響の胸の奥にあるものは、果たして。

過去から現在に向けて紡がれたいくつもの物語は、XVに集束していく。
聖骸を巡る攻防は、どこまでも真夏の只中。
はじける湖面を舞台に、少女たちの歌声が輝きを放つ。


公式HPのPrologueを引用させて頂きました。

最初の奏者は天羽奏と風鳴翼の二人だけ…
しかも片翼である天羽奏は、逃げ遅れた本作の主人公である立花響を救うため、自らの命と引き換えに絶唱を歌いました。
1期のしかも序盤で奏者がいなくなるなんて…
どれだけ救いの無い作品なんだろうと思ったのを記憶しています。

そこからは、数々の死闘を経て少しずつ仲間が増えていきました。
1期で雪音クリスが、2期でマリア、月読調と暁切歌が加わり現在の奏者6人体制となりました。
でも3期でエルフナインが加わたのが最後でした。
個人的には今期死闘を繰り広げたヴァネッサ、ミラアルク、エルザは仲間に加わって欲しかったですけどね。
奏者じゃなきゃ志しは一緒でも仲間になれないのかな…?
まぁ、そんなことが考えられる展開でも無かったのは百も承知なんですけどね。
でも、出来ることなら彼女たちの願いは叶えられたら良かったのに…

この様に登場したキャラのことは良く覚えているのですが、肝心の物語の方はパヴァリア光明結社以降が少し難しかったような気がしました。
色んな国や組織が複雑に絡み合っているので、頭がついていけなかったのだと思います。
ですが、目の前で起きている惨劇のレベルがこれまで以上であることは容易に理解できました。

しかし…これまでは少なくても敵と呼べる人物が存在していましたが、今期は悪として憎むべき相手が難しいんですよね。
確かにとんでも無い外道が横からしゃしゃり出てきたのは認識しています。
予想外…というか、絶対に選択肢として存在してはいけない展開でしたので…

奏者を直接苦しめたのは、パヴァリア光明結社の残党であるノーブルレッドだったかもしれません。
でも彼女たちが戦っていたのは、その先にある大切な目的のためです。
もちろん、目的があれば何をしたって良い訳ではありません。
ですが情状酌量の余地はあったのではないでしょうか。
少なくても私はそう思います。

こうして物語はラスボスを迎える訳ですが…
このラスボスにも正直相当胸が痛みました。
世の中の超えてはいけない一線を全く無視した結果の産物なのですから…
しかし…とんでも無い外道が横からしゃしゃり出てきましたよね。
こういう大人にはなっちゃいけません。
理想的な反面教師だと思いました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、奈々様の「METANOIA」
エンディングテーマは、高垣彩陽さんの「Lasting Song」
どちらも鉄板です。
今期は本編からエンディングの入りが自分好みでした。

1クール全13話の物語でした。
視聴していて自然と体に力が入るのは、魅入っている証拠なんだと思います。
特に碧ちゃんの鬼気迫る演技は半端ありませんでした。
もう、何度も鳥肌が立ちましたよ。
シリーズの集大成として制作された今回の物語…
しっかり堪能させて頂きました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

プクミン さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

熱くならないシンフォギア

シンフォギアシリーズの5期目。
なので、この5期を見るには1期~4期を見ていないと、良く分からないままストーリーだけが進むので、それまでのシリーズを見ていないといけません。

【あらすじ】
1期~4期があらすじです。

【内容】
明らかに、後付け設定が盛りだくさん。
かなり1期を意識したような感じで、1期のシーンと重なる部分あり、1期の話を持ち出す事も多々あり、全員で戦っている感を出している演出もある。
だが、1期とはまるで違う!!

【感想】
変身シーンに力を入れていて、その回数が多い!長い!
違うでしょぉ~、シンフォギアってそういう作品じゃないでしょ~…。

相変わらず敵が現れたから戦うっていう、オーソドックスな内容なんだけど、今回の敵はかなり極悪。
シンフォギアの1期でも、モブに厳しいというのはあったけど、あれは炭化して死ぬっていうだけで、残虐感はあまり感じないし、そもそもノイズにどこまでの思考や意思があるか分からないけど、今回の敵は意識的にやってるから全く好きになれない。
というか、ただのサイボーグがここまで強いなら、国連もサイボーグ作って対抗すれば良くない?

そんなサイボーグを裏で操るアイツ!!
アイツ何したかったの?神になりたかったとか?小者感が凄いよね。
今までもボス的存在が多数いたけど、今回のは一番劣る感じ。
ウェル博士の方が格段に良かったっ!!

正直これでシリーズが終わるというのに、微妙な感じでした。

【違和感やら何やら】
{netabare}
4期で頑張って練習した「誰と組んでも戦えるユニゾン」が活躍の場を見せる間も無く、結局好きな人同士組んで戦う感じ。

期を重ねる毎に、アームドギアによる特性の差が無くなっていると感じた。
例えば1期の場合、空飛ぶノイズ相手に響や翼は近接攻撃なので苦戦していたが、クリスは飛び道具なので、そこら辺の役割みたいなのがあったが、今回はどの武器で戦っても差が無かった。

終盤月に行くんだけど、そこの施設、よく無事だったね。
1期ではフィーネのカ・ディンギルで月にかなりダメージ与えてたよね。
2期ではウェル博士がフロンティアの力で「どっこいしょ~!」やって月にかなりダメージ与えてたよね。
それでも施設は無傷とか!!

結局『防人』って何だったの?
{/netabare}

【総評】
話を繋げているようで、何となく繋がってない感が凄かった。
特に5期の内容をやるにあたって、4期の必要性を全く感じなかった。
1期で活躍していた響の友人達(アニメちゃん達)に活躍して欲しかった(3期まではしてた)。
総力戦っぽく、緒川(忍者)の兄と弟も、一瞬映ったけどただそれだけだった。
そんな感じで、物足りなさや違和感バリバリで、とてもシリーズの最後を飾る内容には思えませんでした。

そしてまだシンフォギアシリーズを見てない人は、無理に5期まで見る必要は無いかなと思いました。
3期がちょうど視聴継続かどうかの分岐点なので、そこでつまらないと思ったらそこで終わるのもありだと思っています。

【おまけ】
5期全部見終わってから、1期の最後とか見直すと、やっぱり1期が凄いなぁ~って思いました。
今までのシリーズの続編という事を考慮した結果、物語の評価を大きく下げました。
同じ理由で、今回の敵に魅力を感じなかったので、キャラ評価も下げました。

【!?】
1期から時々出ていた、響の過去シーン(いじめ)『人殺し』『金どろぼう』とか、あれ結局放置のまま終わっていた事に気付いた!!
あれ、ずっと謎だったのに、謎のまま終わってしまった!?
未来との繋がりに大きな関係があったようにも思えたり、家族関係に大きく影響していそうで、いつ解明するかと思っていたら、まさかの未解明!!
なんてことだっ!!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13

70.6 8 2019年度のトラウマアニメランキング8位
私、能力は平均値でって言ったよね!(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (444)
1702人が棚に入れました
とある事故をきっかけに異世界へ転生してしまった人よりちょっとだけ「できる子」だった女子高生・栗原海里(くりはらみさと)彼女がその新しい世界で望んだものは…「わたし、普通に友達をつくって、普通の生活を送りたい―」

声優・キャラクター
和氣あず未、徳井青空、内村史子、田澤茉純、羽多野渉、河野ひより
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

観終わった

2話までの感想{netabare}
原作未読。
原作にあるのかどうか知らんがいきなり“MAZE☆爆熱時空”ネタが飛び出して来たのはビビった。
スレイヤーズパロは実は最近多い。
…。
そりゃシリ構のあおしまたかしはSATZ所属(旧あかほり事務所、花田も所属)なので良く言えばホンモノ、悪く言えば手前味噌…ってか許可が下りやすいとかあるのかね?
ひょっとして今後もあかほり作品ネタが続いたりして?
というかパロについての所見は“けだまのゴンじろー”の24話感想で書いておいたので気が向いたら一読して頂けると幸い。

2話、一刀彫りでねんどろいど作成の上にタミヤカラーw
父ちゃん情けなくて涙が出てくらぁと思わせたところで鋼鉄ジーグだかガキーンだか。
あっこれ年齢言い逃れできないw転生前は女子高生…女子高生!?

パロネタは置いといて内容だけど、なろう転生系でよく見かけることに「転生者を持ち上げるために原住民の知能を下げまくる」があるが、これはそこら辺気にしてたりする?
主人公は能力の出所を隠し通せた気でいるけど原住民はお見通し、みたいな。
そこら辺のバランスを上手く保ってる限りは楽しく見られそう…スタッフ的に安心して大丈夫、かな?{/netabare}

3話感想{netabare}
4人で桃園の誓い回。
個人的に貧胸好きの女性キャラってどうにも“アキハバラ電脳組”を思い起こしてしまうのだけど、前期放送作品が妙にアキ電を想起させるスタッフ(“まちカド~”の監督が劇場版の監督、“異世界チート~”の監督が劇場版の制作進行でデビューっぽい(情報不十分))が居たせいで、たまたまそっちに頭が行ってしまうだけ…だと思う。
まさかアキ電が再評価されてるとかそんなことは無いだろう、劇場版LD出てないんだぜ。
(ついでに言うとあかほりは直接は関わってないハズ、ことぶき→セイバーマリオネット、長谷川&ふじもと→ラムネ40でカン違いされやすいけど。どっちかというと川嶋恵子(シュガー)→コゲどんぼ→坂Q(ぴたテン)の方が個人的には紛らわしい)
フィギュア販売ネタは“えんどろ~”でも見た気ががが。
これはパロじゃないよね、あおしま繋がりでネタ被りって…良いのか?
確かドラクエパロ作品の“ビキニウォリアーズ”のシリ構の玉井☆豪が“ぱすてるメモリーズ”もシリ構やってて、そっちでもドラクエパロ回があるのだけどその回の脚本は別の人を宛ててネタ被り(アイデア被り?)を避けてた気がする、確証は無いけど。
こっちでもそういう気遣いはしてるのかな?ちと調べが甘くてよく分からん。
あとワンフェス(立体物販売)とコミケ(同人誌頒布)は性質が違ってて…と細かいこと言ってもしょうがない気がするけど、ヲタ向け作品なのだから気になる人は気になるんじゃね?と思ったり。
とりあえず型取って量産と言ってたので、あの世界ではレジンキャストみたいなのがあるのかね?石膏??

被りといえば、ナノちゃんはどう見ても釘宮ボイスが鉄板だと思うのだが、同期放送にフェアリーテイルはまだしも“グランブルーファンタジー”があるので慌てて避けたんじゃないか?と思ったり思わなかったり。
{/netabare}

4話感想{netabare}
見た目ジーグで名前がガッキーンもといガッコーン…。
自分は一切やったこと無いのだけどゲームのスパロボや、これまた見たことないけどアニメのロボットガールズとか知ってれば御馴染みのネタなんですかね?
まぁ確かに光子力バリアをATフィールド呼びしたらイラっとしたと思うので正しいとは思うのだけど…。
とはいえヤマト2199と2202観たけど真田さんの「こんなこともあろうかと」はそんなに炸裂しなかった記憶が。
今の若い世代にはポケモンのシトロンの方が馴染みがありそう。
そして引きは修羅の門…は考えすぎ?
と思ったらこの回のシナリオやまだやすのりじゃねーか!

スタッフも新人じゃないんだし、それこそ“チアフルーツ”の荒川稔久みたいに自分が手がけた作品のパロでもやればもっとキレのある出来になると思うのだけど、やっぱ難しいんですかね?著作権的に。
妙に古いのが多いのは…ひょっとして、あくまでひょっとしてだけど“ぱすてるメモリーズ”の一件が絡んでたりして?
なんか凄く精彩を欠くというか、勢いが無いというか…。{/netabare}

5話感想{netabare}
これ、あかほりさとるが書いたんじゃないの?{/netabare}

6話感想{netabare}
前回から気にはなってたんだけど、商人の爺ちゃんの声が永井一郎に聞こえて仕方無い、ってか狙ってそう演技してるよね?
丸山智行…調べてみてもピンと来る役が殆ど無く、辛うじて“一人之下”の田晋中(車椅子の長老)がうっすら分かる程度…確かにその時から永井一郎っぽさはあったかな?
ほほう、今後永井一郎の代役この人で良いんじゃない?ってかそうしよう!(といいつつ更に調べたら映画の吹き替えを結構やってるみたい、既に永井の代役的なことはやってたりして?)
ヘタしたらこの件がこのアニメ見て一番の収穫になるかも知れない。

まぁ、その、やっぱり内容が…ねぇ…。
教えた新技で盗賊を殺戮してその殺傷力の高さにビビるとか、「こんなことするために教えたんじゃない」とかする展開ちゃうんかい。
盗賊(に扮した軍人)の首を帝国にお届けするとかしないんかい。
ドロンで撤退ってなんだよ…バインド魔法とかサクっと使えそうなのに(※)。
そして、なんで最後護送車と別行動かのような素振りで「王都へ戻りましょう」で〆るんだ?
輸送先は多分ティルス王国の王都…かどうかまでは知らんけど、それなりの権力のある場所だよね?裁かなきゃいかんとなると。
途中まで同行すりゃいいのに。
ヘタしたら口封じでまーた盗賊に扮した帝国の者に護送車襲われて皆殺しされかねなくね?数分前にあった出来事だろうに。
ってか村人も囚人に石投げようとしないんかい(※)。
帝国の者と分かった段階で帝国の誰の指令なのか、はたまたあの隊が勝手にやったことなのかどうかくらいは確認取って欲しかった(※)、ってか興味持とうよ。
普通に外交問題なので、この件で目立ちたくない主人公が更に目立たざるをえない立場に追い込まれるって展開なんでしょ?原作知らんけど。

あとやっぱ、転生前と転生後でどう違うのかワカラン。
転生前は能力が高くて近寄りがたくてぼっちになって、だから平均値を望んだハズで。
だけど修学旅行だとはしゃいでて、その行為内容はぼっちでも出来る程度で…あれ?
「前世はこんなに修学旅行(気分)を楽しむことはできなかった」ってのを見せて欲しかった(※)、今後あるのかね?


なーんかどうにもこうにもあかほりさとる臭いんだよね。
展開の都合に合わせて出来ること/出来ないことのラインがコロコロ変わったり、描写のひとつひとつの追求が足りてない感じが(それで話数稼ぐのがあかほりクオリティ)。
あと変なところででシリアスぶるのも長谷川勝己みたい。
冒頭でMAZEのパロがあったせいで自分の頭がそっちに固まっちゃってるだけなのかなぁ?{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
「今のはメラではないメラゾーマだ」もガックリだし戦闘のクライマックスを締める技まで幽白なのはかなりガックリ、禁則事項はもう…。
主役がこれだけオッサン臭い理由も弱い、「実家が喫茶店でそこに置いてある本が80~90年代のマンガばかり」ってことでもない(モンストネタ)。
先史文明ネタは枚挙に暇がないので「あの作品か」って特定には至らないけど、先人の作品に比べたらヌルいというか劣化コピー。
本家のドラクエですら転生したら転生されたボディの前人格がピンチを救ったりしてるのに…。

パロディの多い作品は幾つもあって中には自分の好きな作品もあり、じゃあこれとは何が違うんだろう?と考えてみたけど、結局はオリジナリティの無さになるのかな。
パロをするにしても上っ面だけ、本来パロとは呼べない小ネタ程度のものをメインに据えちゃってる違和感というか。
岩石オープンと口では言っても車や原始人は出ない、とか「わかってるねぇ」とニヤリとするものが無いのも辛い。

これだったら「作者が創造した世界」にした方がよっぽど…「どの作品もそうじゃん」ってことではなく、作中にそれを明かすって話で。
…と自分で書いてて気付いたけど、メタネタにもなってないパロがアカンってことかもしれない、詳しくは“ヘボット”を見よう。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

神様の勘違いからはじまる異世界転生ハンターライフ!

この作品の原作は未読ですが、一つ思い切り勘違いをしながら視聴していたことを、物語を完走してレビューを書くためにwikiをチラ見した時に初めて知りました。

実はこの作品のオープニング…特に「ワッハワッハ」のフレーズの合いの手が堪らなく大好きで毎回欠かさず見ていたのですが、兎に角夢中でキャラを追っていたのでテロップが目に入ってこなかったんですよね。
そんな中、強く記憶に残っていたのが「アース・スター エンターテイメント」の社名でした。

だからてっきりアニメーション制作もアース・スター エンターテイメントさんだとばかり思っていたんです。
アース・スター エンターテイメントと言えば「てーきゅう」が有名ですが、個人的に印象が残っているのが「世界でいちばん強くなりたい!」です。
何故なら「せかつよ」が初の30分枠アニメとして制作された作品で、当時「本当にできるのか?」という自虐ネタで作品を宣伝していたからです。

それが今じゃこんなにも面白い作品を…「アース・スター エンターテイメント! 凄いじゃん…」と思っていたら、アニメーション制作は「project No.9」さんだったみたいですね。
お恥ずかしい限りです^^;

project No.9さんと言えば、2019年秋アニメで「超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!」も制作されていました。
1社で同時期にフルサイズの作品を2本も制作するなんて凄いとしか言いようがありません。
しかも制作の遅れとかもなくちゃんと放送されましたしね…

監督とシリーズ構成・脚本は「ゆるゆり」「干物妹!うまるちゃん」を手掛けられた太田雅彦監督とあおしまたかしさん、アニメーション制作は、「ロウきゅーぶ」「りゅうおうのおしごと!」を手掛けられたproject No.9さんの組み合わせ…
これが面白くない訳…ありませんよね。


人よりちょっとだけ「できる子」だったため、
孤独で思う様に生きられなかった女子高生・栗原海里
とある事故をきっかけに、異世界に転生することになった彼女は

普通に友達をつくって、普通の生活を送りたい…
そう願って、神様にひとつお願いをする。

「能力は、その世界の平均値でお願いします!」

しかし、神様に授けられたのは「平均的な能力」などではなく…
魔法が存在する世界に生まれ変わった少女が
「普通の幸せ」を求めて大奮闘!

魔術師のレーナ、剣士を目指すメーヴィス、
そして商家の娘ポーリンとの出会いにより
少女・マイルの新たな異世界生活が始まる!


公式HPのあらすじを引用させて頂きました。

この作品を視聴して思ったことが二つあります。
一つは、「知らない」ということがどれほど恐ろしいことか、ということ。
そしてもう一つは、「能ある鷹は爪を隠し続けられない」ということです。

一つ目については序盤から如実に感じることになります。
そう、マイルはこの世界に住む人間の「普通」を知らないんです。
だから本人が控えめだと思っていても、やっていることが桁外れだったり…

そして二つ目ですが、これも割と序盤から明らかになります。
私はあまり気になりませんが、マイルはやたら胸の凹凸を気にする節があります。
「赤き誓い」のメンバーであるメーヴィスと、暴力的とも言えるポーリンのスタイルが抜群なのも少なからず影響しているようですけれど…

だからマイルの前で胸の話はご法度です。
何も知らず地雷を踏んで、餌食になった人間をこれまで山ほど見てきましたから…
マイルは逆上すると力の加減ができなくなっちゃうんです。
加減を知らない力が他人にどう映るか…もう言わなくても分かると思います。

そう、これは「実家の秘伝」だそうですから…
正直かなり無理を感じましたが、マイルはこれの一点張りでしたね。
これはこれで面白かったですけれど…

マイルを含む「赤き誓い」のメンバーは全部で4人…
それぞれのキャラに対してスポットが当てられている展開は良かったと思います。
それぞれに感情移入できるだけじゃなく、お互いの絆の深まりも感じましたから…

Cランクの冒険者ハンターとしての「赤き誓い」の物語は、笑いあり涙ありの
しっかり堪能できる構成になっています。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、赤き誓いによる「スマイルスキル=スキスキル!」
エンディングテーマは、マイル(和氣あず未さん)の「ゲンザイ↑バンザイ↑」
こういうオープニングのノリは大好きです。
楽曲とアニメの相性もバッチリだったと思います。

1クール全12話の物語でした。
ラストの方でやたら聞こえてきた「禁則事項」が気になります。
物語の中の禁則事項は止む無しですが、ラストのナノちゃんの禁則事項は意味合いが違いますから…
ですがキャラデザも可愛いし、パロネタもしっかり織り込んであったし、個人的には十分に楽しませて貰った作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

おっさんホイホイ(第6話: うーん。これ、あかん奴や…。)

== [下記は第1話視聴時レビュー: 以下、追記あり。] ==
「小説家になろう」掲載 → 書籍化という流れの原作のアニメ化です。実は「小説家になろう」での更新もまだ続いています。

ということで、第1話を観ました。とりあえず第1話を観ればタイトル回収されますので、能力は平均値でうんぬんという話にはこのレビューでは触れません。

原作では栗原海里(くりはら みさと)→アデル・フォン・アスカム(ブランデル王国の子爵令嬢)へ転生→王都にあるエクランド学園を出奔してマイルを名乗りハンター資格を取得という流れを経ています。

しかし、アニメ第1話ではこの辺りをすっ飛ばして優秀な新人ハンターを育てる目的のハンター養成学校への入学のために、ティルス王国の王都にやってきたところからのスタートとなっていました。

ED主題歌ではエクランド学園時代の同級生3人の姿も見られたので、ハンター養成学校入学までの過去については作中でもそのうち何らかの形で触れられることにはなると思います。

原作ではマイルとメーヴィス、レーナ、ポーリンたちとの出会いは学校の寮でしたが、入寮前に出会う形にしてアニメオリジナルの事件によりそれぞれの人となりが分かるように改変されたようですね。

おそらくハンター養成学校卒業までは巻き気味にストーリーが進むものと思われます。

作画は、まあ良かったんじゃないでしょうか。

そこかしこにパロディー、小ネタが挟まれているのは原作由来と言えますね。「ドラまた」とか、とても古いネタもあって転生前は高校生だったはずの海里はいったいどのように育ったのか疑問です。原作でもはっきりとそのような記述はなかった(匂わす程度)と思いますが、もしかして親から英才教育を受けている可能性が…(笑)。
(原作を読んでいると、作者は50代以上なんじゃないかと思うことも…。)

※第1話の映画『ローマの休日』ネタは、きっとアニメオリジナルですね。
== [第1話視聴時レビュー、ここまで。] ==

2019.10.29追記:
想定通り第3話で早めにハンター養成学校を卒業してからの第4話。

原作では「格子力バリアー」と書かれていたけど、アニメでは読みだけなので「光子力バリアー」と区別がつかず。マイル、恐ろしい子…。

合体ゴーレム「ゴ・キーン」は『鋼鉄ジーグ』のジーグの外見と『マグネロボ ガ・キーン』の名前が元ネタ。マイルの「チェンジ、サイボーグ!」のポーズまで出てきましたが、あんな物は原作には出てこないんじゃよ…。

というか原作の世界観準拠ならあんなものを魔術師が操れてはいけません。第3話までは「原作改変」のレベルにとどまっていましたが、この第4話で本作の原作からの大幅乖離が決定的になりましたね。

もう、これは「原作とは別物」として観ないといけないです。

2019.11.5追記:
第5話まで視聴終了。メーヴィスはさておき、レーナ、ポーリン、マイルの面倒な過去語りをよくぞこの1話に押し込んだ(笑)!

第4話のゴーレムと魔術師は未だに納得していませんが、大幅に下げた評価はちょっとだけですが戻したいです。

2019.11.12追記:
第6話まで視聴終了。再び評価大幅下げです。

原作ではマイルはついうっかりなだけで頭は悪くなく日本の高校の優等生並みの社会・歴史・経済・科学の知識はありますし、メーヴィスもお人好しなだけで貴族だけに政治・経済・軍事の知識レベルは高いです。

それに4人とも「依頼達成や仲間を守るためにどうしようもなければ躊躇なく人を殺すけど、殺さないですむくらいに己の力量を高めよう」という姿勢でした。

戦闘自体も戦闘後の処理も、原作の『赤き誓い』から考えると知能レベルが大幅劣化しています。

私は原作改変にそれほど口うるさくしようとは思っていないつもりですが、本作の原作理念を大きく変える脚本・演出には異論が多々あります。いや、一応今後も観ますけどどうしたものかな…。

2019.12.24追記:
最終話まで視聴終了。ラスト2話で、なぜか原作エピソードに帰ってきました。ということでウェンス、シェララ、ベレデテスが登場!

それまで散々オリジナルエピソードでつないでいたんですけどね。このラスト2話をやるなら、やっぱりアニメ第4話はやっちゃダメな奴だった。なぜダメかというと(禁則事項です)。

あ、キャラの評価はアニメに対してのもので、原作のキャラは大好きですよ。あと、CMにも使われていた戦闘時などにかかるBGMは好きでした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 49

66.2 9 2019年度のトラウマアニメランキング9位
歌舞伎町シャーロック(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.2 (215)
755人が棚に入れました
新宿區イーストサイド・・・・・・混沌を極めたその街の中心には、ネオン瞬く歌舞伎町が広がっていた。光が強けりゃ影も濃い。悪人どもの潜む暗がりの、そのまた奥に探偵長屋の明かりが灯る。ハドソン夫人の営むその長屋は、なくて七癖、曲者ぞろい。野心満々のケッペキ探偵に、男を化かす姉妹探偵。はたまた刑事くずれのオッサン探偵がいるかと思えば、ヤクザを破門されたアンチャン探偵・・・・・・そして真打は、落語をこよなく愛する天才探偵シャーロック・ホームズ。切り裂きジャックによる猟奇殺人が起きたその夜、舞台の幕は上がった。探偵どもの化かし合いを横糸に、シャーロック、ワトソン、モリアーティ、三つどもえの友情を縦糸に・・・・・・ミステリー? いやさコメディ?なんともはや、判別不能ドラマのはじまりはじまり~。

声優・キャラクター
小西克幸、中村悠一、山下誠一郎、斉藤壮馬、東山奈央、東内マリ子、青山穣、橘龍丸、諏訪部順一

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

探偵どもの謎解き合戦、開幕! 変人づくしのコメディミステリー

この作品はオリジナルだったみたいですね。
アニメーション制作はProduction I.Gさんなのでクオリティも抜群…
しかも奈央ぼう、坂本真綾さんが出演されるとなると視聴しない訳にはいきません。


新宿區イーストサイド…混沌を極めたその街の中心には、
ネオンが瞬く歌舞伎町が広がっていた。

光が強けりゃ影も濃い。
悪人どもの潜む暗がりのそのまた奥に探偵長屋の明かりが灯る。

ハドソン夫人の営むその長屋は、なくて七癖、曲者ぞろい。
野心満々のケッペキ探偵に、男を化かす姉妹探偵。
はたまた刑事くずれのオッサン探偵がいるかと思えば、
ヤクザを破門されたアンチャン探偵…
そして真打は、落語をこよなく愛する天才探偵シャーロック・ホームズ。

切り裂きジャックによる猟奇殺人が起きたその夜、舞台の幕は上がった。
探偵どもの化かし合いを横糸に、シャーロック、ワトソン、モリアーティ、
三つどもえの友情を縦糸に…
ミステリー? いやさコメディ?
なんともはや、判別不能ドラマのはじまりはじまり~。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品…諏訪部順一さん演じるハドソン夫人を好きになれるか否かで視聴の良し悪しが決まるのでは(笑)?
何故夫人なんだろ…見た目はとても夫人には見えませんけどね^^;

物語の流れとしては、だいたい以下のような感じです。
・「BARパイプキャット」に探偵の依頼が転がり込んでくる
・事件の難易度に応じて「S級特盛」や「A級」などの賞金ランクが設定される
・事件への参加は自由で、一番最初に依頼を達成した人が報酬を貰える

物語は、ウエストサイドにある大学病院の法医解剖医であるワトソンが、近頃周囲で不穏な出来事が起きるようになり、その捜査を依頼すべくイーストサイドに渡ってきたところから始まります。
正直言ってこの設定はすっかり忘れていました^^;
そう、ワトソンはシャーロックに捜査を依頼しにきたんです。
それがいつの間にかすっかりうやむやになって、気が付いたらシャーロックのサポート役の座に居座って…物語が動いていきます。

細かい事件はちょいちょい入りますが、物語の大きな幹は2つ…
INTRODUCTIONに記載してあった「切り裂きジャック」事件と、その事件に纏わるその後の顛末を描いた物語です。

切り裂きジャックの事件は相当悪質で、決して許されない行為を犯していました。
そう、ジャッキはただ人を殺すだけじゃな飽き足りず、殺した人間の尊厳までをも平気で奪い続けてきたんです。
どうしてそこまで人間は歪むことができるんだろう…
そう思える事件だったのですが、個人的にはその後の顛末の方が辛かったかな。

全く想像しない方向に物語が流れていくんです。
そして一度走り出した暴走列車を再び止める術は、もう列車を壊す以外の選択肢はありませんでした。
きっと、ここに辿り着く前に立ち止まれるタイミングはあったんだと思います。
もしかすると、サインだって出ていたのかもしれません。
でも、それらに気付くことができなかった…

本当は同じ…
同じであることが嬉しかった…
それなのに少しずつ変わってしまったら、違和感だけじゃなく、孤独、焦燥、といった感情が渦巻いてもおかしくありません。
そうして気付いたら二度と戻れないなれの果て…
そう思うとこの顛末はあまりにも寂し過ぎます…
せめて香菜ちゃん演じるアレクサンドラが居てくれさえしたら、本当に世界が変わっていたんじゃないかと思うと悔しくて堪りません。
自分の存在理由を知らないのは自分だけ…
自分は自分の知ってることしか知らない…
本当はもっと違う自分だってちゃんとあるのに…
こんなことを如実に感じさせる物語だったと思います。

オープニングテーマは、EGO-WRAPPIN'さんの「CAPTURE」
エンディングテーマは、ロザリーナさんの「百億光年」と、石﨑ひゅーいさんの「パレード」
相変わらずロザリーナさんの楽曲が格好良い…
この楽曲も発売後に即ゲットしちゃいましたよ^^

2クール全24話の物語でした。
事件と落語の組み合わせ…
一見すると違和感しか感じませんが、中々良い味が出ていたのではないでしょうか。
特にラストの落語は、人を思う気持ちが言葉一つ一つに込められていて胸が熱くなりました。
2クールで見応えもありましたし、私はしっかり堪能させて貰いました^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

ossan_2014 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

オチと推理とエクスカリバー

シャーロック・ホームズは、最もパロディ化、パスティーシュ化された探偵かもしれない。

本作の放送と同期に、同じく『シャーロック』を冠する実写ドラマが放送されているが、競作関係などはないものの、どちらの「シャーロック」も奇人変人である設定は共通しているようだ。
ドイルのホームズ連作の、本格探偵小説が「本格」としてジャンル的に確立する前のプロトタイプ的な性格が、ホームズがキャラクター的な強烈な特徴を持つところに現れているのだろう。

あまたのパスティーシュも、若いころのホームズ、異世界に紛れ込んだホームズはもとより、ホームズの姪っ子や、精神を病んだ夏目漱石が自分をホームズと妄想している、などなど、キャラクター性を強調したものが多い。

その中にあって、本作の歌舞伎町に住む落語家もどきの「シャーロック」も、奇抜さで負けてはいない。
いや、あの髭面の「ハドソン夫人」には勝てないかもしれないが。


シャーロック・ホームズが強力で特異な性格設定を持つのは、一種の文化英雄という性質が要請するからだろう。

「勇者」が聖剣で竜を倒して「世界」を恢復させるように、垂れ込める「謎」を吹き払い「世界」に秩序を回復する「英雄」としての探偵。

歴戦の武勇伝を持つ勇者が特権的な武器として「聖剣」を手にするように、「謎」を切り払う探偵の特権的な武器として与えられるのが、頭脳=論理=「推理」だ。
特異な頭脳=発想の象徴として、特異な性格が要請される。


ところで、別作品の感想で、探偵小説の探偵の推理は論理的な唯一の真理とは限らない、といった意味のことを書きこんだことがある。

エクスカリバーが竜を斃せるのは、数々の「伝説」によって「聖剣」である特権性を保証されるからだ。
探偵の推理=「論理」もまた、「伝説」に類比的な特権性の「保証」が付与される。

オーギュスト・デュパンであれば「アナリシス」、ファイロ・ヴァンスなら心理学的必然、エラリィ・クイーンなら因数分解的数学性、などなど。
ホームズならば、実験科学的な自然科学の論理性、という事になる。

これら「論理」の特権性の「保証」要素は、しかし推理が導く「真相」の論理的正しさを保証するものではない。

「聖剣」にまつわる「伝説」が、その物語内で聖剣の威力を保証するための装置であって、物語外では意味がないのと同様に、実験科学の論理性も、物語内で「論理」の特権性を保証するだけの装置に過ぎない。
デュパンのアナリシスもヴァンスの心理学もエラリィの「数学的」論理も、物語外では何の論理性も保証しはしない。

物語内での探偵の推理が「真相」となるためには、「物語世界内で」の論理性=説得力だけが問題なのだ。
物語内の作中人物全員が「唯一の真相」を導いた「論理的」な推理だと納得しさえすればいい。
そう、これが物語内で最後にたどり着いた「真実」であると、最後に締めくくる「オチ」だと納得しさえすれば。



落語で「真相」の「推理」を語る本作の設定は、「探偵小説的」論理性を巧妙に反映している。

一見は荒唐無稽な「推理落語」だが、語られた物語を象徴し、まとめ上げ、引き受けて、幕を閉じるものとしての落語の「オチ」の一言は、探偵小説の「論理的」推理と全く同型的な役割を果たすものだ。

しかし、それは、どんなデタラメでもおどけて語れば良いという事にはならない。
論理=筋が通っているでも、地口のように連想的な関係性でも、なんでもよい。それまで語られた物語をまとめ上げて「オチ」が付いたと観客に直観させなければ、オチとして機能しない。

落語の『あたま山』のオチは、論理的にはおかしい、不条理でシュールなものだが、練達の噺家が語ることによって、観客に「オチ」を直観させて笑いに巻き込む。

不出来な噺であれば、観客は白けてブーイングが起きるだろう。
不出来な探偵小説が、作者と作中人物だけが納得する「推理」で、読者を説得できずに怒らせるように。

はたして本作の「落語推理」は切れ味良い「聖剣」のような「オチ」をつけられただろうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 2.0

1クールでCOOLにまとめる方が良かった気がする。

[文量→中盛り・内容→酷評系]

【総括】
アニオリの推理モノ。しかも、連続2クールという力の入れ具合。

映像など、クオリティはしっかりしていたと思う。

でも、肝心の推理(トリック)がな~。面白くない。

本作はかなりライトな作風だが、トリックまでライトにして、どうする? 91DAYSの脚本を務めた岸本さんがシリーズ構成だから期待はしてたんすけどね。

あと、本作には、ホモホモしい要素もあるので、そこが苦手なら、しんどいかもしれません。


《以下ネタバレ》

【視聴断念(4話まで)】
{netabare}
総括にも書いたけど、とにかく推理が面白くない。

まず、1話目でビックリしたのが、推理のキモに「におい」を使ったこと。

いやいや、視聴者に考えさせる気がないやん。まあ、「世界初、においがするアニメ」を開発したなら別として(苦笑)

他の事件もそうだけど、多くの情報が後出しで、「実はこうでした」だから、興が削がれる。本来、推理モノって、視聴者にもキチンとヒントを出し、推理をさせた上で、その上をいく謎解きをやられちまう、快感。1本取られた感。

それが推理アニメでないの?

まあ、エンタメ的には悪くないので、1クールだったら付き合っても良かったけど、2クール付き合う気にはなれないな~。落語の演出も、わりとどうでも良かった。
{/netabare}


【1話ごとの感想】
1話目「はじめまして探偵諸君」☆3
{netabare}
アニオリらしいメチャクチャさというのは、好印象。ミステリーの深さとしては、まだ感じない。爪とか身長とか、証拠をもっとちゃんと見せてくれないと、追い付けなくて当然。臭いとか、アニメだと反則。本格推理ではなく、エンタメ推理だな、こりゃ。

おそらく、かなりの量の「推理モノパロディ」が混ざっているのだろうが、推理小説はほぼ読まないので、全くワカラン。

《今後の展望》
歌舞伎町の裏のボスとか出てきそうだな。
{/netabare}

2話目「泣きぼくろ見つめ隊はいかが」☆3
{netabare}
歌舞伎町、こえぇな(笑) 花に興味ないバイトだっていてもおかしくないし、コブラとキタがライバルで、質屋をマネーロンダリングに使っていることは、後だしだよな。どっかで伏線として出しとかないとね。

《今後の展望》
てか、この作風(1話完結)で2クール? ダレそうだけど。1クールでCOOLに終わってた方が、良かった、ということにならなけりゃ良いけど。2クールで面白味が増すとしたら、縦軸となるストーリーがちゃんとしてるか、序盤に出てきたサブキャラ(例えば今回の花屋の人)達が、後半の事件にもからんでくるかだな。
{/netabare}

3話目「エース・京極冬人の夢は」☆2
{netabare}
完全に永ちゃんだな。ナイフだと警察は言ってない。いやいや、なんの推理にもなってないな。いくら黒焦げでも、歯形とかDNAとか、いくらでも特定出来るんじゃかいか? 大したことないミステリーに、すでに飽きてきた。

《今後の展望》
制作会社が、永ちゃんに怒られる(笑)
{/netabare}

4話目「お湯は基本熱め」☆2
{netabare}
この銭湯に、桃太郎は来ていない、、、だと!? そんなん、バカでも分かる推理(苦笑) この、落語風の謎解きもつまんないし。面白かったの、金隠しだけじゃ?

《今後の展望》
1クールならまだしも、2クールも付き合える自信がないので、自分はここで途中断念します。けどまあ、映像等のクオリティは低くないので、楽しみにしている視聴者のためにも、維持してほしいっすね。
{/netabare}

監督 吉村愛(やはり俺の青春ラブコメはまちっている・アオハライド・チア男子)

シリーズ構成 岸本卓(うさぎドロップ・銀の匙・ハイキュー!!・僕だけがいない街・ジョーカーゲーム・91DAYS・フルーツバスケット)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

61.9 10 2019年度のトラウマアニメランキング10位
アズールレーン(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.1 (195)
684人が棚に入れました
物語の舞台は、我々の知らない、地表の71%が水で覆われた青き星。異世界より突如現れた、異形の敵「セイレーン」。圧倒的な力を有する外敵に対抗するべく、人類は4大陣営を中心に世界的な連合組織「アズールレーン」を結成した。自由を敬う「ユニオン」栄光を重んじる「ロイヤル」結束を讃える「鉄血」羈絆を尊ぶ「重桜」そんな人々の英知を結集した「キューブ」を用いて誕生されたのは、鋼鉄の艨艟(もうどう)たちの力を有する少女たち。時に勇壮、時に美しく、時にダイナミック――陣営の垣根をも乗り越えた彼女たちの活躍により、セイレーンの侵攻が食い止められ、その勢力がほぼ撃退されたように見えた。しかし「セイレーンの力を用いるべきか否か」という理念の違いからか、はたまたフネではなく、ヒトとしての彼女たちの思いからか――「重桜」と「鉄血」に代表された一部の勢力が「アズールレーン」から離脱し、「レッドアクシズ」として活動を開始した。そんな「レッドアクシズ」の動向を監視するため、「アズールレーン」は大洋の中で新たな基地を新設し戦力を集結。状況は一触即発。少女たちの運命はまだ誰も知らない……

声優・キャラクター
石川由依、堀江由衣、中原麻衣、大地葉、長縄まりあ、山根希美
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

観終わった

8話までの感想{netabare}
2話で視聴止まってて…武器破損して「しまった」「もらった」「まてい」「なにい」って終わり方で爆笑しつつもめっさ脱力してしまってのう。
で、おっと見とかないとなぁと3話を見始めたけど挫けそうw

意味が分からん

人型だけど船という体で進めたいのか、船と人型は明確に別のものなのか、そこからもう分からん。
なんでサメに襲われてヒーヒー言ってるんだろ?コイツら首切り落としても生きてるor修理できるんじゃないの?
艦コレみたいにヘタ打つとバイド化するってことも無さそうだし。
キャラが多くてもはや説明するつもりも無さそうながら、“タクティカルロア”では広報担当としてあんなに頑張ってた中原麻衣があんな役やってるってのはちょっと感慨深い。

とダラダラと見続けての6話、やっと楽しみ方が分かってきた気分。
幼稚園児風な駆逐艦達が登場して加賀にぶつかってどうこうって話なのだけど…いや待って、コイツら死ぬまで幼稚園児?
まず不思議に思ってるのはこれなんだ、5話にしてもエンタープライズの登場で撤退したワケだけど、艦のクラス=強さだとして、それは変化することはあるの?
駆逐艦をなだめた赤城にしても「私も幼い時はああだった」みたいなこと…言いそうにないじゃん?
駆逐艦も「将来空母になりたい」って…言えなさそうじゃん?
生まれた時から空母は空母、駆逐艦は駆逐艦として変化しないと思うんだ。
成長しても変化しない、というか生物学的な成長は無いんじゃない?、要は過去も未来もない今現在の姿をずっと維持するだけの存在なんじゃないの?と。

まずお前らの生活史(生物)を教えろ

これが分からん限りとても人間だとは思えないワケで。
…。
けどこれ、ワザとやってる気がするんだよなぁ~、ツッコミ入れさせることで注目集める、みたいな。
その一方でベルファストが人間たらん振る舞いがどうたらとご高説垂れてて、これがそういうツッコミを誘ってる気がしてならない。
ポケモンやけもフレ世界で「あー肉が食いたい」と言わせちゃう様な危なっかしさを感じる。
また、重桜の大本営?らしきシーンもあって赤城が中央にお伺い立てるようなことをするのだけど、そこにいる連中も結局は艦娘という…。
人間がどうこう言ってるけど人間が出ない、命令下す人間どこ?
でもって6話後半は風呂シーンでどうたらこうたら言うのだけど、皆それぞれ違うと量産型を否定してひどい矛盾を感じたのだけど…これもツッコミ待ちなんじゃないかなぁ、と思ってしまったり。

それとラフィーの存在、これも計算して…じゃないかなぁ?
起源説を語る気は無いけど“エヴァ”の綾波レイってキャラは当時一大ブームになって、その後それの類似キャラは次々と作られた。
寡黙ジト目ロリってことになるかな?
“ナデシコ”の星野ルリは散々綾波綾波言われたし“アキハバラ電脳組”の大鳥居つばめは散々ルリルリ言われたし(中の人綾波なのにw)、“ゼロ魔”のタバサは“ハルヒ”の長門長門言われたし。
そんなことを経て現在ではすっかり綾波系ってのは一ジャンルとして確立して…アレンジが加えられ続けてバリエーションの違いは多少あるけどね。
で、ラフィーは“閃乱カグラ”の柳生か“バトガ”のあんこをロリにしたような見た目で中身は“メイドラゴン”のカンナ…が近いんじゃないかな?中の人同じだし。
いわゆる綾波レイの系譜で、それがよりにもよって重桜の綾波(艦これの島風似)と「仲良くなりたい」って…あはは、なにこの原点回帰w
メタ的にはラフィーにとって綾波は母親みたいなものじゃん?
これはやっぱ狙ってやってるんじゃないかなー?結構ふふっとなっちゃいます、「お前が綾波なンだよ」って感じで。
艦娘ってことで違和感無く綾波って名前のキャラを出せることを最大限利用した、みたいな。

ということで長くなっちゃったのでまとめると、
・テメーら人間じゃねえ、だって成長しないじゃん、そうでないなら幼い頃の思い出言ってみて
・綾波キャラが綾波と仲良くなろうとしてるw
の2点を突っ込みながら見ると結構面白い。
参ったね、面白いのか…正しい楽しみ方かどうかは知らんけど。
ここら辺の見方が分からない段階の3話くらいまでが鬼門かと。


あ、ストーリー?ストーリは凄い簡単、他の方も指摘してたけど6話までが総集編15分で説明収まっちゃう程度。
艦娘の最終目標「セイレーンを倒す」は一致しつつもその「手段」の違いから勢力がアズールレーンとレッドアクシズとで二分。
バイドを倒せるのはバイドのみってノリでセイレーンを利用する道を選んだのが重桜を含むレッドアクシズってことなので、単純に重桜が悪役って判断は拙速な気がする。
ま、まぁアズレン側がキレイ事ばかり言ってるので対比すると悪者に見えちゃうんだろうけどさ。
ただ、セイレーンのテクノロジーを利用するだけじゃなくて内通までしちゃってるのが赤城で、それにより立案?されたオロチ計画にはなにやらウラがありそう(姉貴の復活?)。
まぁその…赤城はセイレーンにまんまと利用されてましたってオチになるんじゃないかな?
また、ラフィー達は敵対勢力に属す綾波と仲良くなりたがってる、と。
そんな折、軍事機密だったセイレーンとの内通現場を目撃してしまった明石が口封じされそうになり、スパイで潜入してたメイド組と共にオロチ計画で重要なパーツらしきメンタルキューブを持ち出して逃亡。
追っ手を振り払ってなんとかアズレン陣営に着けました、ってところまでで6話。

7話からは持ち出されたメンタルキューブを巡ってアズレンとアクシズで戦闘。
と思ったら赤城がマクー空間へ引きずり込んで、かと思ったら赤城も知らない更なる別空間へ転送。
被弾したエンタープライズがなにやら暴走だかダーカー因子だかに飲まれた模様。
赤城も被弾して死んだと思わせといてーの、まだ利用価値があるとセイレーンに捕まってーの。
でもってラフィー達は綾波と仲良くなれました、ってところまでが8話。
一応エンタープライズは過去になにかあって、それで捨て鉢な性格になって、それじゃイカンもっと人間らしくなれとベルファストがメイドに付いたって話ではあるのだけど、あんまりキャラ立ってないような?

明石は捕虜扱いなの?にしては待遇良くて、メンタルキューブを手土産にした亡命扱いなのかね、おちゃらけた性格で国への帰属意識は薄い模様。
その前に救助した東煌のニンハイ・ピンハイを自由に遊ばせてるし、アズレンは割かしオープンなのかね?
それ言ったらあっさりメイド隊の潜入を許した重桜も重桜なんだけどさ。
ここら辺、明石をもっとガチガチの日本帝国軍人みたいなキャラにして赤城の企みに葛藤する方が自分好みだった気がするが、それやっちゃうと色々マズいと判断したのかな。{/netabare}

10話までの感想{netabare}
9話、「更に謎空間に吸い込まれて戦闘は続く」で8話を〆たと思ってたら、どうやらあの裂け目は元の空間に戻るものだったらしい。
ってことで戦闘終了~、暴走したと思ったエンタープライズも素に戻って、結果的には赤城が落ちた重桜の方がダメージデカいっぽい。
でもって捕虜扱いの綾波が待遇の良さに困惑して…と、それより以前にアズレン陣営へ逃げ延びた明石が自由気ままに暮らしてるのを見て「なにやってるの?」と、そりゃそうだw
ってかよう、こういう系の作品だったらよう、身体検査のシーン無いのかよと、円盤の特典か?買わんぞ?
10話、「私ヤバいかも」と思いつめてたエンタープライズにベルファーストが発破をかけーの、そんな折セイレーンの襲撃でメンタルキューブ奪われーの。
一方重桜では赤城を失った加賀が先帝の無念を晴らすとばかりにオロチ計画を強行しーの。
オロチ計画なるもの(※)の存在自体は知られてるけどその中身を知る者は重桜の者でもそんなに居ないっぽく、同盟の鉄血も知らないっぽい。
ってことで実際どんなんなの?と思ってたら…本当にオロチ(大蛇)じゃねーかw
作戦名は比喩みたいなもので(そうだなぁ、「空母赤城」と言って群馬県の赤城山な見た目なワケないじゃん?)、まさか見た目そのまんまを出してくるとは思わなかったwww
ただでさえ人か船かよくワカラン世界観で、そこにオロチ号だけ名前通りなのは…これはウケを狙ったんじゃないかな?実際爆笑しちゃった。


言わない様にしてたけどさ、これって“ストパン”のウォーロック計画みたいなもんちゃう?
コアコントロールシステムの重要パーツがメンタルキューブとかそんなんじゃない?
ただストパンよりもネウロイもといセイレーンは精神干渉してくるみたいで、ストパンとは違う決着のつけ方をどう見せてくれるだろう?と結構楽しみにしてたら…放送延期wwwwww
予想では赤城か加賀がオロチに取り込まれて…ストパン2の坂本やポケモンXYZのハリさんやクエイサー2のツバサや星刻のナントカのエーコやデジモンテイマーズの加藤さんや初代ゾイドのフィーネみたいになりそう。
…この例えで通じてるか不安、もっと最近の有名な作品でもあった気がするけどパっと出てこないや、余りにもありすぎていちいち気に留めてないせいで。
ってことでそんなベッタベタで手垢でヌルヌルしてそうな展開が来そうで爆笑する準備してたのに、来春までお預けかぁ~…PSO2に先越されちゃうぞ?{/netabare}

最終回までの感想{netabare}
アマギの復活?を目指してセイレーンと密約を交わしたアカギが倒れて、アカギを信奉してたカガがオロチ計画を強行するも、それまで対立してたアズレン・レッドアクシズが手を組んで阻止。
カガ自身、アカギが自分を可愛がってくれるのはパーツにアマギを使ってるからという負い目があって、その負い目のせいでアカギへの信奉っぷりが強固だった、らしい。
確か実際の軍艦の加賀も改装が多かったんだっけ?そのエピを落とし込んだんだろう。
一方のセイレーン、予測演算で未来の兵器…ICBM?をこさえてて、オロチ計画ってのはそれ撃って敵地を焦土にすることだったらしい。
あいや、アカギ的にはミサイル撃つつもりだったかは不明、本命はその未来のテクノロジーで防衛するつもりだったっぽい、アマギを救う(復元技術を期待した?)のもそれに含まれてる感じか?
「オロチ計画って具体的に何?」は気になってたし、それを明かしてくれて内容もガッカリするものでなかったのは有難い。
とはいえ…え、そっち行っちゃうの?
今現在は置いといて兵器開発の沿革としてはSDI構想が入って「お船」からは大きく離れてしまうような…ディフェシブハーフ(セガのSDI)でもするのか?
やろうと思えばもっと超未来兵器を出して艦娘を殲滅できそうだし、セイレーンはワザと手加減してる?ってかワザと戦争させてる?
「未来の兵器ありまっせ」と言われたらコロっと靡いちゃう艦娘はアカギに限らず多かろう。
ここら辺はゲームをゲームとして成立させるために騒乱を用意しないといけない原作への皮肉…なのかなぁ?

って、エンタープライズ!お前戦闘機に乗って良いのか!?これは爆笑ポイント?未来兵器よりよっぽど未来未来してない?もしくは艦娘の居る世界は分岐世界線なの?
とビックリドッキリシーンはあったものの、結局最後は対セイレーンの名目を元にアズレンとレッドアクシズが和平結んでお終い。
いやそれで和平結べるなら反目しないだろ。
もっとこう、セイレーンって何?艦娘って何?そもそも人類は居るの?まさか艦娘って人類滅亡後に指令を律儀に守ってるだけの存在だったりして?とかその辺の掘り下げ期待したんだけどなぁ。{/netabare}

総評(これだけ読めばいいかも){netabare}
1話の段階で「ナンダコレ」、その感想が3話くらいまで続いて途中から「あれ?実は面白いかも?」と思わせて、最後は「悪くはないけどこんなもんかな」で終わった感じ。
TV版しか見てないけど“艦これ”がアニメ化する際「そこはおかしい」ってポイントに気付かない振りをして突き通したのに対し、こっちは「ですよねー、おかしいですよねー」と認めた上で作り上げた、そんな印象。
で、どこがおかしいかと言えば、コイツら成長しないじゃん、生まれた時からその姿形でしょ。
成長しないというのは幼少期が無いということも意味する。
それでいて本作品は「昔なにかあった」を匂わすシーンがちょくちょくあって…エンタープライズがトラウマ持ったらしい過去やら、重桜の3姉妹の思い出やら。
当然その回想では幼くなってないし、一方で幼稚園児のような見た目のキャラが混在していて妙に混乱して…その混乱も意図的なものじゃないかと邪推してしまう。
普通だったら触りたがらない「腫れ物」をわざわざ触りに行ってる様で、そのマゾっ気に魅かれたというか、じゃあどこまでその腫れ物をいじり倒すか見物だなぁ、と。

と、制作者の実際の意図は知らないけど私はそう感じてしまって「実は面白いかも?」と思うようになったものの…最後はああやっぱりって感じ。
「強大な第三勢力の登場でそれまでいがみ合ってた二勢力が手を組む」って物語は多いものの、そういった王道に対して余りにお粗末。
そもそもそんなことでアズールレーンとレッドアクシズが手を組むなら最初から袂を分かつことも無たっかんじゃないの?
なんで対立してたの?その解決はされたの?が、無い。
ここでいう解決とはセイレーンのテクノロジーを使うの?使わないの?、使うのを許容できるの?辺り。
許容する限りは「それはアカン」と判断した核だか弾道ミサイルだかが配備されるのも時間の問題かと。
どちらかというとアズールレーンとレッドアクシズの対立はセイレーンの甘言にほだされた(ああ、だからセイレーンなのか)「一時の気の迷い」レベルで、本編はそれが元の鞘に戻っただけ。
じゃあもう誘惑に惑わされないぞと決意を新たにしたかと言えば…ビスマルクとか危なそうw
結局は何をしようがセイレーンの掌の上感が拭えない。
「なにか脅威が存在しないと人間(人間じゃないけど)はお互い殺し合いを始める戦争が大好きなクソ連中」ってことを描いた作品もこれまた多いけど、そういった皮肉めいたメッセージは感じられない、ストパン未満。

なによりホンモノの人間が一切登場しない。
艦娘達は人間の生活を守るために戦ってるらしいのだが、じゃあ人間側から労われたり横断幕で見送られるというシーンがあるかというと、無い。
これも意図的なんだろうけど、じゃあその意図の中身は何なんだろう?
捻らずに考えればセイレーンはゲーム感覚で艦娘に戦闘させるために人間がこしらえたアクティブモンスター、つまりは人間が一番の黒幕(人類の兵器をマネた兵器を使うのもこれで説明がつくかと)って設定。
これまたホントによくある話だけど、先人のそういった作品に比べるとやっぱり描写が弱い。
ってかセイレーンにベラベラ喋らせるなよw「得体の知れなさ」が最後には消し飛んじゃったぞ。

以下自分語り{netabare}
“ストライクウィッチーズ”ってアニメがありまして、これがまた強大な第三勢力たるネウロイが人類の兵器をマネた兵器で人類を襲って、対抗すべく各国が手を結んで~って話でして。
が、いつまで経ってもネウロイを撃退なり殲滅なり共生なりすることなくダラダラとシリーズが続いてて「いい加減ネウロイ関連を解決して」と個人的には思ってるのだけど、ファンのリア友は「ネウロイが居なくなったら今度は人類同士が戦争始めるだけだし」と言ってまして。
うん、そんなことは分かってるんだ。
製作がお金を回収できる限り「解決」させる気が無いというのも分かってる。
それでも作中のキャラが「ネウロイって一体何だろう」と興味を示すことが無くなった(一期はあった)のがどうにももどかしくて。
嫌いじゃない、むしろ好きなんだ、好きだからこそ完結して(結末を見せて)欲しいのだが、作ってる側は締めるつもりは無さそう。
完全解決でなくても、キャラと一緒に「一体何なんだろう」と考えるヒントを残しつつ引っ張ったっていいじゃんと思うんだけどねぇ。
と、そんな愚痴を別のリア友に話したら「解決させたってその方法はどうせモスピーダのインビットみたいなモンだろ」と吐き捨てるように言われました…。

身 も 蓋 も ね ぇ !

希望は無いんですか?
確かにモスピーダのオチは「は?それでいいの?」ってヤツで、あんな終わり方をするのなら未完結のままダラダラ続く方がマシ…なのか?そうなのか??
と、そんなことが最近ありまして、そう考えるとアズレンも「結局セイレーンって何だよ?」を考えるのは虚しいだけのような気がしてきたり…。
ああ、こうやって大人はアニメから卒業していくのか?{/netabare}

総評としては、最初ムチャクチャ、途中期待させといて最後はよくある凡作止まり。
「次期には記憶に残らない」と予言した人が居るけどその通りだと思う。
いや、それでも話のネタとして今後使うことはあるかもしれない。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14

神谷 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

感想!

 アズールレーン レビュー

 これは感想になります。

 まず一言いうと、中国でもオタク文化というものがあり、これは艦隊コレクションの影響もあり、その影響でこういった中国版のアニメもできるようになったということがある。
 では、中国ではアニメ事情はどうなってるかというと表現規制が進み、ONE PIECEや PSYCHO-PASSなどが見れなくなっているというのが現状で思想一致機構というものが存在しているというのが現状です。
 なのでこういった作品というのは、主に言えばお隣の国ではあまりよろしくないという風潮になっているということながら、日本に輸出されているという現状になります。
 また中国で放送のビリビリ動画では初音ミクが人気になり、日本から初音ミクが輸出されているが、中国では児童ポルノという扱いではなく、初音ミクは受け入れられているということになっています。
 ただ向こうではONE PIECEやPSYCHO-PASSも規制されていて萌えに対して寛容なものの向こうの国ではそういうものが進んでいるので、こういった美少女といったものの矢先立たされるのは時間の問題では?と筆者は感じています。

 そんな中で中国は日本のコンテンツに似たコンテンツをもう既に作ろうとしている。そうなりますが、その中でもう既に、中国はシャドウバース、第五人格、原神などでもう既にゲーム市場を席巻しており、ソーシャルゲームでは優位に立っています。
 アメリカではtiktokが規制されており、安全保障上の問題からこれらのゲームも日本で規制される可能性があります。

 はい、でここからになりますが、日本のアニメ業界としてはいくらこういう作品を作っても基本的にファン向けで、キャラクターを知ってる人が躍動感の溢れる作画を見たいためにこういうアニメを観て、それでファン内のみで楽しむというのが主な楽しみ方であり、キャラクターは知ってる前提で作られるものが多いです。
 無論、そうでない作品も存在してますが全体的に日常描写が多い傾向にあります。
 それでどれだけ教育上宜しくても、やはりこういったテーマ性を持たせる表現を発展させるのは、自由な市場で制限しないことが発展に必要不可欠であり、今現在の閉鎖的な中国の体制では中国でアニメが流行るのは難しいと感じています。全体的にレベルが低いです。
 無論、原神であるように、日本のコンテンツにとって金のある中国というのはやはり魅力的で、中でも原神は開発に十億円をかけたというくらい金がある。チャイナマネー。
 なので経済的な合理性を考えれば金の出る中国と衰退気味のアメリカとでは中国に媚を売った方がいい思いができるというのは考え方の一つとしてあり得るでしょう。
 なので日本の会社なのが、中国の会社などに合併をされ、アニメーターたちが刈り取られるというのはあります。まあとにかくそれでいいと思いますが、ここで政治的なことは書きませんが、日本アニメ業界がこれを見習うところはあるでしょう。

 表現規制派の肩を持つわけではありませんが、日本のアニメを世界に受け入れるにはある程度その民族にあった価値観や通俗など、勉強して売り出すことが必要不可欠であり、その土壌がないと日本の作品は受け入れられないでしょう。
 私が学生の時に目にした評論ではけいおんを制作した京都アニメーションのことを批判していた人がいるのですが、その内容が萌えアニメは国内でしか受け入れられずガラパゴス化しているという内容でした。
 主に批判の対象になっていたのがらきすたなどの京都アニメーションの作品であります。
 その批判とは違いますが、現在の萌えアニメというのはガラパゴス化、詳しく書くと島国特有の大陸と一切関わらなかった文化とされており、日本独特の価値観が滲み出ているといっても過言ではないでしょう。
 もちろん、それが悪いこととは書きませんが、中国やアメリカなどに輸出しようと思ったらその青少年の通俗が崩れると言われ、否定されるのは目に見えており伝統的な倫理観に従った批判がなされることでしょう。
 そういったことを避けるべきに、まず私が提言したいことがあります。
 
 まずワンピースが規制された理由を考えてみます。まずワンピースというのは海賊が、仲間を作り敵を倒していくという内容です。
 これを海軍出身だと変えてしまい、共産党を賛美する内容に変えてしまうなどのことをしてみます。

 これは一案ですが、完全にアニメ、漫画、ゲームから隔離してしまうよりかは、ある程度コネクションのような物を持っていた方が、コミュニティの形成に大きく関わってきますので後々有利になります。

 では、続きの話をします。
 まずそもそもアニメを広めるといっても世界的な流れで言えば、表現規制の流れは顕著であり、その流れは変えられません。
 しかし初音ミクはビリビリ動画で人気とあるとおり、中国でもファンはいるわけです。
 原神の絵柄を見れば分かる通り、原神は萌えの絵柄で中国で配信されています。つまりその通り、向こうにも分かる人がいるということになります。

 向こうでアニメが好きな人が増えるということは体制の崩壊につながるために、危機意識を持って回収すべきでしょう。
 今することはアニメが好きな人、大人でもアニメを見る人を増やすことが大事になってきます。
 これは私が考えた造語になりますが、アニメ大人主義で、これからの時代はアニメは大人が見るという価値観になります。
 サウジアラビアの王子になりますが、あの人もアニメが好きで無論萌えアニメのことではないですが、アニメを導入しようとしています。
 
 そこでまずは文学のアニメを先行して行います。これは反対意見もあると思いますが、文学的な物、世界の児童文学や文学というもので、ライトノベルを浸透させるということになります。

 なぜその方針を掲げるかというと、絵をかけても小説を書ける人はいないのでラノベの概念さえできてしまえば、あとなんとかなります。

 そうして増やす、何らかという言葉でその人々呼称を固定化するという感じが必要になります。それがオタクです。

 もちろん、オタクというの差別用語になりますがそういった人々がいること。そして、とにかくその国の漫画やアニメ量を増やしていくことが必要になります。
 それができた時に、世界は変わると思います。

 ステップとしてはこうです
 その体制にあった、通俗にあったアニメを作る
 そしてその人々を固定化する呼称を変える
 
そして最後はそのコネクションを活かして、その人々を全員日本に連れて行けばゲームクリアです。そのための方法論として挙げるのは、ヴァーチャル日本構想になります。

 ヴァーチャル日本構想とは?どういうものかというと、

 ヴァーチャル世界に国家を作り出して、そこにアニメや漫画、ラノベ、Vtuberノベルゲームなどオタク的な物を集めます。それを移民する人々には無料にして、それを与えます。そして人を集めます。

 ここまでが私が提言する指針になります。



 そのためにアニメ浸透させるには、世界的な名作をアニメ化することが必要になっています。もちろん遠回りになってきますが、そうすることで国外に進出させることになります。
 そして重要なのはアニメによる経済効果があることと、それを海外に輸出して、各国でとにかくジャンプでもいいからアニメ好き作り出すことになります。そうすることで自分の国でもこういうのを作りたいという人が増えるからです。

 ヴァーチャル国家を建設することでアニメやゲーム、漫画、ラノベ、Vtuberが人を集めるものだと認知されればなかなか規制できないです。奴隷解放のように、人を集められるものだと認識させるのがゲームクリアまでの道筋です

 私の感想は以上になります。よろしくお願いします。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 2

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

碧き航路に祝福を…

この作品の原作がゲームであることは知っていましたが未プレイです。
昨年の秋頃に秋葉原に行った際、この作品が様々な場所でPRされていたのを見て「これがこの作品への期待の表れなんだろうなぁ…」と思ったのを覚えています。
正直、艦これの2番煎じ感は否めませんでしたが、監督が天衝さんと知り視聴意欲が俄然高まりました。

でも、艦これの2番煎じ感を感じたのは私だけじゃないはず…と思いましたが、完走してwikiをチラ見してみると、やはり「艦これ」のことも記載されていました。

以下はドワンゴ取締役の栗田穣崇さんのコメントです。
「艦これで泣くことはあってもアズールレーンで泣くことはなさそう」
「アズールレーンは艦これをよく研究して作られているだけに楽しいことは間違いないが、艦これが持つ悲壮感は全く持ち合わせておらず、単なる艦隊モチーフのアイドルアクションゲームだと思った。
艦これの持つ最大の魅力は日本海軍の悲哀なんだよなあ」
なるほど、この様な視点で見ると両者の違いを見い出すことが出来るんですね。
その感覚はありませんでしたが、何となく腑に落ちた気がしました。


物語の舞台は、我々の知らない、地表の71%が水で覆われた青き星。
異世界より突如現れた、異形の敵「セイレーン」。圧倒的な力を有する外敵に対抗するべく、
人類は4大陣営を中心に世界的な連合組織「アズールレーン」を結成した。

自由を敬う「ユニオン」
栄光を重んじる「ロイヤル」
結束を讃える「鉄血」
羈絆を尊ぶ「重桜」

そんな人々の英知を結集した「キューブ」を用いて誕生されたのは、
鋼鉄の艨艟(もうどう)たちの力を有する少女たち。
時に勇壮、時に美しく、時にダイナミック――陣営の垣根をも乗り越えた彼女たちの活躍により、
セイレーンの侵攻が食い止められ、その勢力がほぼ撃退されたように見えた。

しかし「セイレーンの力を用いるべきか否か」という理念の違いからか、はたまたフネではなく、
ヒトとしての彼女たちの思いからか――
「重桜」と「鉄血」に代表された一部の勢力が「アズールレーン」から離脱し、
「レッドアクシズ」として活動を開始した。

そんな「レッドアクシズ」の動向を監視するため、
「アズールレーン」は大洋の中で新たな基地を新設し戦力を集結。
状況は一触即発。少女たちの運命はまだ誰も知らない……

「アズールレーン」の少女たちは、
世界の外より訪れた謎の敵「セイレーン」の大攻勢を退けた。

しかし、戦いはいつの世も変わることはない。

かつて人類が海の覇権を争ったのと同じように、
理念の違いから「アズールレーン」と「レッドアクシズ」は対立。

そして時は流れ――


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

この作品は2019年の秋アニメとして放送されましたが、第11話と第12話の放送がそれぞれ2020年3月13日(金)、3月20日(金)に変更されました。

視聴を楽しみにしていただけに放送の延期は残念に思いましたが、第11話と第12話の放送を見て遅れたのにも納得しました。

きっと目指していた高みは遥か彼方だったんだと思います。
ですが、物語を見ていたらそれがどんなに困難な道程であったかは一目瞭然です。
あの数のキャラをぬるぬる動かすのは限界への挑戦以外のナニモノでもありませんよ。
だから時折刺さり込んでいた止め絵についてのコメントは差し控えたいと思います。

もし、これがNETFLIX作品だったとしたら…?
もしかすると怒涛の如くキャラの動き回る史上稀に見る作品に昇華していたかもしれません。
でも作り手の精一杯がしっかり感じ取れた作品だったと私は思っています。

この作品を完走して思ったこと…
やっぱり良い意味で「艦これ」の2番煎じだと思いました。
確かに艦これは日本海軍の悲哀を魅力にしているのかもしれません。

ですが、エンタープライズを始めとする海外の艦船にだって悲哀はあるでしょう…
それに、日本の艦船だって山ほど出てくるんですから、そもそも悲哀とは切っても切れる筈がないんです。
でも、私は「艦これ」の2番煎じであることは悪いことでも劣っていることでも無いと思っています。
世の中に輩出された順番がたまたま艦これの方が早かった…
ただそれだけのことだと思います。

そして嬉しいのは、どちらの作品も登場する艦船をとても大切にしていること…
きっとゲーム・アニメ作り手もプレイヤーも…そしてアニメの視聴者だって、自分なりの思い入れや拘りを持ってそれぞれの作品に接すれば良いのだと思いました。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、May'nさんの「graphite/diamond」
エンディングテーマは、鹿乃さんの「光の道標」
加えて、この作品を下支えしているのがたくさんのキャラソンです。
キャラクターソングシングルがVol.1~10まで、バディキャラクターソングシングルがVol.1~5まで存在するようですので…
(レビューを書いた3月21日時点でバディキャラクターソングシングルのVol.4とVol.5は未発売です)

1クール全12話の物語でした。
序盤から中盤まで物語が難解だと思っていましたが、完走するまでにほぼ謎は解き明かされるので、見終わったあと、妙にすっきりした感が味わえたのは良かったと思います。
何にせよ、無事に完走することが出来て良かったと思いました。
しかも、続編に繋がりそうな意味深な場面もチラホラ見えたり…
これは続報からも目が離せませんね♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 18
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