テーマパークでコメディなおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのテーマパークでコメディな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月22日の時点で一番のテーマパークでコメディなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.0 1 テーマパークでコメディなアニメランキング1位
ズートピア(アニメ映画)

2016年4月23日
★★★★☆ 4.0 (189)
1102人が棚に入れました
体の大小や、肉食か草食かに関わらず、動物たちが平和に共存する大都会ズートピアを舞台に、夢を信じる新米警官のウサギ・ジュディが、夢を忘れた詐欺師のキツネ・ニックと共に、ズートピアに隠された驚くべき事件に挑んでいく姿が描かれる。

声優・キャラクター
上戸彩、森川智之、三宅健太、玄田哲章、竹内順子、高橋茂雄

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

子供向け?ケモナー向け?いいえ大人向け!僕らには思い付かんだろうシュールで皮肉の効いた痛快爆笑劇!!ピクサーじゃねぇよ!!!ディズニーだよ!!!!

ピクサーではなく“ディズニー”の最新作です
『ラプンツェル』のバイロン・ハワード監督と『シュガーラッシュ』のリッチ・ムーア監督、今のディズニーが持てる最強の二人が遂にタッグを組んだファンタジックコメディ
2D、字幕版で観ました


かつて世界は草食動物とソレを捕食する肉食動物に二分されていた
しかし二足歩行と文明を確立するまでに進化した哺乳類はやがて手を取り合う関係にまで発展、世界は一つとなった
ソレを象徴する大都会「ズートピア」
ズートピアではありとあらゆる哺乳類が暮らしており、まさにソコは動物達の楽園と呼ばれいていた
田舎の町で生まれ育った正義感の強いウサギのジュディは警察官になる夢を抱いていた
が、身体は小さく力も弱いウサギに警察官は無理と馬鹿にされ、両親からも反対されていた
負けず嫌いのジュディは並大抵ならぬ努力と知恵を活かし、遂に警察学校を首席で卒業、念願のズートピアでの警察官の任に就いた
が、一部を除いて上司や住民達は“ウサギの警察官”を信用しておらずジュディには冷たかった
一方ズートピアでは肉食動物が次々と失踪する怪事件が起きていた
失踪事件の捜査へ参加を懇願したジュディに、僅かながらではあるが時間の猶予が与えられる
ジュディが手掛かりとして捉えたのはウサギの天敵であるキツネ、それも詐欺を生業としているニックであった・・・


二足歩行する動物による擬人化ファンタジー
所謂ケモナーものです


まず注目して欲しいのが世界観描写ですね
『くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ』でも書きましたが、何種類もの動物がいっぺんに暮らせばまぁこぉなるよな、ってズートピアの街並みに注目して欲しい
砂漠、ツンドラ、熱帯雨林、そして全てがネズミ用のミニチュアサイズの街等など
エリアで区切られたズートピアの街並みとそのハイテクっぷりはワクワクせずにはいられません


次に逆境に負けず、ただただ直向きなジュディの姿
田舎から夢見た大都会へ来たはいいが、理想と現実のギャップに強く打ちのめされる
それでもなお立ち向かうジュディの姿は、全ての社会人、新生活を送る人々に向けてエールを送るかのよう
とても美しいですb


そしてバディもの、カップルものとしてドラマ
コレも『アーネストおじさんとセレスティーヌ』でも書きました
ウサギとキツネ、警察官と詐欺師、メスとオス、真逆の二人が困難を一つ乗り越えるたびに織り成していくハーモニー
カプ厨にはタマりませんw
ジュディとニックは各エリアを転々と巡り捜査を進めていくのですが、その様は実にスリリングでもありました
ドキドキする映画お好きな方にもオススメ出来ますb


そしてシュールなギャグ
次から次へとテンポよく繰り出されるギャグにさりげなく挟まれる皮肉がイイ!
陸運局の職員が全員“ナマケモノ”ってのは毒づき過ぎだろwって思いました


そして表面的なギャグに隠されつつも、今作の深遠には深いメッセージ性があるのが、今作の最も評価したいポイントです
動物の理想郷たるズートピア、しかし沢山の動物が集まれば集まるほど深刻化する“ある問題”が今作のキーになっているのですが・・・コレはまさに現代の【多民族国家アメリカが抱える問題】をそのまま訴えているかのようです
よくこんな映画を大統領選挙前にぶっ込んで来ましたね(笑)
(笑いのベールで包まれているものの)あまりのド直球ぶりに良い意味で【ディズニーらしくない作品】に仕上がったと思います


また、ピクサー作品群との最大の差異ですが、ピクサーは露骨に泣かせに来ると言うか、彼らは“お涙頂戴こそが最高の感動”と信じきっている節があります
もちろんオイラも『インサイドヘッド』とかで素直に泣いてたんですが、今作は爽やかな感動を呼ぶシークエンスこそあれど、涙も乾くほどの笑いでソレをぶっ飛ばしてしまうんです
湿っぽいのはイヤ!面白いか否か!でしょ!?そー言ってるのかようでした
根本的にコメディなのですし、全体のベクトルがとてもしっかりと取れてる作品だと思いました


最後になりましたがテーマソングとして最初から最後まで絡むSHAKIRAが演じるガゼル美しすぎですwありゃ惚れるわw
オイラは原語版で観ましたが日本語版のキャストの演技はどのようになっているか気になるところではありますが声優の評価は少し抑え気味にしておきますね
あ、ちなみに原語か日本語かで(正確には公開地域毎に)劇中で流れるニュースのキャスターがキャラクターごと変わるそうですよ
原語版はヘラジカ、日本語版は芋洗坂係長が演じる狸(たぶん『平成狸合戦ぽんぽこ』のイメージなんでしょうw)
芸が細かいなぁ
3D、4Dも残念ながら未視聴です;
子供にでも、ケモナーにでもなく、立派な大人にこそ観てもらいたい1本でした!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

これが本当の《意識高い系・社会派アニメ》。やるなディズニー!

本作については、一時あにこれの2016年春シーズン作品ランキング1位になっていたことから、個人的に結構気になっていたのですが、わざわざ映画館に足を運んで鑑賞するに至らないまま、いつの間にか上映期間が終わってしまいました。

それが先日、たまたま視聴する機会があり、これが私の事前の期待を遥かに超えて興味深い内容だったので、これは早速、紹介レビュー書かなくちゃな、と思った次第です。

さすがのディズニー作品・・・というよりも、むしろこれ、アメリカじゃないと到底、発想が生まれないし企画も制作も通らない種類の作品だったんですね。

幾ら金が掛かっているのか分からないフル CG技術は勿論秀逸だと思いますが、それよりも本作の場合は、シナリオが実に見事で、見ていて何回も「う~ん、そう来たか」と唸ってしまいました。

だいたい、CG技術だけなら『アナと雪の女王』で既に同等なものを見ていますし、私の場合は、以前書いたレビューのとおりアナ雪のシナリオは実は大して評価していません(・・・というより字幕版と日本語吹替版の2回も鑑賞したにも係わらず、アナ雪は私の頭の中ではとっくの昔に風化した作品になってしまっています)。

だけど本作は、たった一回視聴しただけなのに、かなり鮮明というか、今後もきっと長く忘れられないだろうな・・・と今から確信できる程の強い印象が残りました。

それは、アナ雪に代表される「安心できるけど詰まらない」印象(私だけ?)のディズニー作品というよりは、アメリカという国と社会が現実に地上に存在し、そしてそこへの“問題意識“と、しかしそれでも、それを努力して乗り越えようとする制作者側の“希望”とが滲み出ているようなコンセプチュアルな作品、“日本という国と社会”があってこそ生まれる見事なアニメ作品(*1)があるのとパラレル(平行)な関係で、現代の“アメリカという国と社会”があってこそ生み出された作品・・・という風に私には見えたわけで、そういう意味で、本作こそ正真正銘の《一見の価値がある作品》と個人的に捉えたいわけです。


◆「被害者ビジネス」「弱者利権」「ポリティカル・コレクトネス」「ソーシャル・ジャスティス」

要は、こういう言葉に少しばかり関心がある人にとって、見応えのある作品ではないか、と私には思えたわけです。

そういう意味で本作は、日本のアニメ作品の中でも《社会派アニメ》とか《意識高い系》と一部で評されており、私も実は以前に少しばかりの期待をもって視聴してみたものの、結局「何だコレ?こんな浅い内容で終わっちゃうの?ガッカリだなあ・・」という感想にしかならなかった作品群(あえて具体名は出しませんが)とは、完全に一線を画す作品に個人的には見えたわけです。

ちょっと解説すると、「被害者ビジネス」とか「弱者利権」というのは、読んで字の如くですが、“自分が被害者だ・弱者だ”ということを(それが事実かどうかはともかく)殊更に強調し感情的に捲くし立てることによって、相手側のまっとうな理屈に基づく異論反論までをも遮断して、自分の都合を押し通すタイプの問題行為であり、とくにアメリカでは、1960-70年代のいわゆる「それまで差別され抑圧されていた人々」の「解放の時代」が一段落したあと、1980年代に入って以降に、今度はそのやり過ぎの反動として顕在化してきた問題で、政治的あるいは社会的に「ポリティカル・コレクトネス(政治的適正さ)」とか「ソーシャル・ジャスティス(社会的正義)」とは何か?ということを巡って、長々と真剣な議論が続けられ、司法的ないし政治的な判断が時に示されたり、双方の部分的な合意がこれまで積み重ねられ続けている重要かつセンシティブな事柄です。

そういう点で、アメリカとは国や社会の成り立ちや在り方に違いのある我が国の場合は、問題意識そのものが、アメリカに比べるとどうしても浅く甘い感じになってしまい、問題の片方の側だけ(つまり自称「弱者」の側の主張だけ)をやたらに扇情的に強調するだけのタイプの作品がこれまで目立っていた(今も目立っている)ような印象が個人的にはあり、前述のような《社会派アニメ》とか《意識高い系》とされる作品について、これまで視聴済みだけれども特に評価すべきほどの感想も持てず、かといって別に酷評するほどの感想もないので、そのまま放置してきた作品が幾つかあるわけです。

その点、本作は、私にとってほぼ初めて、肯定的な意味で《社会派アニメ》として高く評価したい作品となったわけで、そういう意味では、自分がこれまで高評価を付けてきた、自分が何度も見たくなる《大好きな作品》というわけではないので、個人的な評価点数をそうした種類の作品の限界と決めている4.4としました。

公式サイトによれば、8/24にBD/DVDがリリースされるそうで、それを機会に、より多くの方に視聴していただきたい個人的な《お勧め作品》となりました。

(*1)日本ならではの作品・・・それは主に、世界基準だと異常なくらいに“感情描写が繊細な”作品群と個人的には考えています

投稿 : 2024/12/21
♥ : 37

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

新・伏線の教科書

2D吹き替え版を劇場鑑賞。


物語における伏線の張り方は二種類に大別されると思います。

一つはバチン!バチン!と音が聞こえるくらい、
これ見よがしに伏線を張り、受け手にもろに意識させるパターン。
ホラーや泣きゲーなどに多い伏線です。

もう一つは受け手に伏線と意識させないようにヒタヒタと伏線を張って、
受け手のガードがら空きになった脳天に向けて伏線を起爆させ、
心の奥深くにテーマやメッセージを食い込ませるステルス(隠密)型の伏線です。


“ウサギ初”の新米女性警官の奮闘記であるこのディズニー映画はどちらかと言うと後者。
ステルス伏線の巧妙な使い方で鑑賞者を魅了し、楽しませる逸品です。

元より、本作はそれぞれの動物らしさという世間の先入観で、
外見や行動パターンが構築されたアニマルキャラたち。
○○らしさ、ありのままという固定観念。
それらを何にだってなれるというズートピアの理想や、
主人公ウサギ警官による夢パワーで、揺さぶったり、乗り越えたりするのがテーマ。

そのため、伏線を秘匿するための化けの皮は街中にいくらでも転がっています。
大体、ウサギ警官の相棒からして、キツネの詐欺師w
ステルス伏線にとってはズートピアは圧倒的なホームグラウンドなのであります。


が、それ以上に、伏線を張るスタッフの技術が老獪過ぎて素晴らしいです。

単なるアメリカンジョークかと思いきや物語の重要な鍵だった。
この程度なら特にハリウッド等ではよくある伏線技術。

ですが、本作ではさらに、伏線回収されたと思ったら、実は回収こそが次の伏線でもあった。
あるいは回収された伏線は一本に過ぎず、実はあの場面にはまだ伏線が隠されていた。
その他、小物を活用した伏線の刷り込みも多彩。
サバンナの生態系並に多種多様な伏線技術が
小気味よいテンポで披露され飽きさせません。

伏線回収のタイミングも上手いの一言。
例えばジョークのネタに偽装した伏線。
それを場面の印象を忘れかけた頃に、コツンと伏線回収して、
ノーガードのハートに喜怒哀楽や社会風刺を突き刺してくる。

こうした手練手管の限りを尽くしたエンタメ精神が実にお見事。
伏線回収で私がこんなに舌を巻くのは、
私的伏線のバイブル『ダイ・ハード』一作目以来かもしれません。


ちょっとした詐欺が横行するストーリーだったからなのか、
伏線を張るのって、何だか詐術に似ているな。
という着想も得てしまいましたw

でもこういう詐欺だったら大歓迎♪
振り込め詐欺は多くの人を騙して、金品を奪い、泣かせます。
でもズートピアの詐術の如き鮮やかな伏線技術は、
せいぜい私の心と主題歌ソングのダウンロード料金をかっさらうくらいw
実に気持ちよくキツネにつままれ大満足な劇場映画鑑賞。

スタッフには万感の想いを込めてこの“詐欺師”め!という謝辞を贈りたいと思います♪

投稿 : 2024/12/21
♥ : 29

74.7 2 テーマパークでコメディなアニメランキング2位
クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険(アニメ映画)

1996年4月13日
★★★★☆ 3.9 (263)
1631人が棚に入れました
しんのすけたちは幼稚園の春の遠足で、新しくできたテーマパーク“群馬ヘンダーランド"へ出掛けた。ふとした拍子にみんなとはぐれたしんのすけは、サーカス小屋のテントに迷い込み、そこで檻に入れられた可愛い女の子を見つける。彼女はメモリ・ミモリという異次元王国ヘンダーランドの王女で、オカマ魔女のマカオとジョマによって閉じ込められてしまったのだった。王女を助けようとしたしんのすけだったが、オカマ魔女の手下クレイ・G・マッドとチョキリーヌ・ベスタの妨害にあい、人形のトッペマ・マペットの助けを借りてその場から逃げ帰るのが精一杯だった。トッペマは魔女の魔法のトランプをしんのすけに託し、ヘンダーランドを救ってほしいと助けを求める。
ネタバレ

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

変だ変だよ、ヘンダーランド!ウソだと、思うなら、ちょいとおいでぇ~~♪

1996年公開の劇場版クレヨンしんちゃん・第4作目の作品。

クレヨンしんちゃん大好きな友人が
「これは完璧なクレしん映画!」と絶賛していました。

私はこれまで「オトナ帝国」しか見たことがないのですが、

「オトナ帝国」は大人の方が受けがよさそうなのに対し、
こちらは大人も子どもも楽しめそう。

ただ、この作品の魅力はそれだけではありません♪
なるほど、友人が絶賛するのも納得でした。

90分ほどの作品です。


● ストーリー
群馬県に新しくできた遊園地、“ヘンダーランド”。

幼稚園の遠足でヘンダーランドに行ったしんのすけは、
みんなからはぐれ、テントに迷い込む。

女の子の人形、トッペマ・マペットと出会い、
ヘンダーランドの正体は、オカマ魔女の城であることを知る。

オカマ魔女はトッペマの故郷を征服し、
次は地球の征服を企んでいた。

「スゲーナ・スゴイデス」と唱えると何でも願いが叶う魔法のトランプを使って、
オカマ魔女の野望を阻止してほしいと頼まれるしんのすけ。

しかし、怖さからそれを断り、
トッペマと決別してしまう。

トッペマが去った後、
しんのすけの手元には魔法のトランプが残されていた。


あらすじから察するように、
ゴールはオカマ魔女をやっつけることなんだけど、

しんのすけが協力を断るなど、
本題に入るまでの伏線や寄り道がなかなか面白いです。

ひとつの展開をダラダラ続けないので、
見ている方も飽きませんでした。
 

≪ クレヨンしんちゃんの面白さ ≫

たくさん見てきたわけではないので、
あくまで個人的な印象ですけれど。

・しんちゃん個人のハチャメチャさとギャグ。
・幼稚園の友だちの幼稚園児らしくない可愛げのなさ。
・時々年相応さを見せるしんちゃんの可愛さ
・野原一家への親近感と、いざという時には腹をくくるかっこよさ。
・しんちゃんに振り回されたり影響を受けたりしたキャラの、キャラ崩壊。

こんな魅力があるのがクレヨンしんちゃんという作品なのかなと、
この作品を見ながら考えていました。

そしてもちろん、
この作品ではどれもしっかりと味わえます♪

ちゃんとしんちゃんの魅力を詰め込んでいるからこそ、
しんちゃんファンからの支持も厚いのでしょう^^


≪ 見事!な伏線たち ≫

どの作品でも仕掛けはあるものですが、
この作品の伏線は見事でした!

「ああ、あれが伏線になっていたんだ。」と気付くと同時に、
「なんてきれいな伏線!」と感心させられるものばかりだったのですよ。

例えば…
{netabare}
オカマ魔女が「クールな男になりなさい。」とかけられた呪いで、
王子は雪だるまになっていた。確かにクール!
{/netabare}

{netabare}
「いつまでも幸せに暮らすなんてありえない。」
「おとぎ話なんて子供だましだ。」と騒ぐしんちゃんたち。

だけどそれが一番のハッピーエンドであることに、
文句のつけようがなくなるオチ。
{/netabare}

などなど…。

私は夢を感じられたので、
オチへの伏線が一番好きでした♪


● 作画
ラストシーンの、
オカマ魔女と野原一家の追いかけっこは名シーンだと思います。

追いつかれたらどうしよう!なドキドキなシーンのはずなのに、
面白くて笑えるってどういうことww

野原一家の常人離れした動きもだけど、
細かなギャグが散りばめられていて、笑いっぱなしw

作画がきれいだとか、動きが滑らかだというわけではないけれど、
このシーンは魅了されました。

ああ、あとは野原一家の阿波踊りの情熱にも魅了されましたw


● 音楽
【 OP「パカッポでGO!」/ 野原しんのすけ(矢島晶子)】

久しぶりにこの曲聴きましたが、
今聴くとすごく好きなんだけど。笑

歌詞のぶっ飛び具合は、
子ども向けとしてNGと言われてしまうのも納得ww

しんちゃん声で歌う矢島さんのすごさに脱帽しました。
しかもうまいし。改めて、すごいわ。

OPのクレイアニメもすごかった!


● まとめ
しんちゃんファンの友人が絶賛してたから見てみましたが、
確かに脚本が完璧だというのは納得でした。

間延びさせずに時間を展開に有効に使う。
ファンタジーあり。
キャラの個性をちゃんと見せる。
シリアスな場面もシリアスすぎない。
一つの場面の緩急のつけ方が完璧。

そして、大人も子どもも楽しめる!
しんちゃんシリーズが長年愛される理由がわかりました。

今のところ、劇場版クレしん全部楽しめているので、
このまま他の劇場版も楽しみたいと思います^^

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

『この馬鹿ブタ……、脳みそあるのか…。』『…少し………。。。』

劇場版クレヨンしんちゃんの第4作。
1996年公開。


【前置き】

「ヘンダヘンダよ~~♪、ヘェエンダ~~ランドォ~~♪」

本作をよく覚えていなくても、このフレーズは記憶にある方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。

劇場版第4作は、前作の戦国時代を描いたものから一変、シリーズ屈指のファンタジーをド直球に描いた作品となっております。

ちなみに、第1作から監督を務め脚本にも手をくわえていた本郷みつるさんは、本作以降は監督を降板。
(16作のみ再び監督をされますが。)
次回作以降は、これまで脚本を務めていた原恵一さんに監督をバトンタッチするのでした。


本作の魅力としては、しんちゃんらしい笑いも勿論なのですが、直球なファンタジー性に隠れた『敵が忍び寄る恐怖』の描き方もまた良いんですよね。

あと、個人的に大好きな「ぶりぶりざえもん」が、シリーズ内でも一番彼らしい快演をするという点に置いても、イチオシです。



【あらすじ】

しんちゃん達ふたば幼稚園のメンバーが、群馬に新しく出来た「ヘンダーランド」という遊園地に遠足で向かいます。

しかし実はそのヘンダーランドは、異世界に住む2人のオカマ魔女『マカオ』と『ジョマ』が潜む城であり、元いたヘンダーランドの住民を支配した彼ら……(汗)いや彼女らは、この現実世界をも支配しようとしているのでした、というストーリー。



【論じてみる】
{netabare}
冒頭は、ふたば幼稚園のいつものメンバーで遊園地を楽しむシーンが続きますが、考えてみればふたば幼稚園のメンバーが映画でこれだけ絡むのは本作が初めてでしたね。

本作では、いつものメンバーにさりげなく一緒にいるバラ組のチーター君が良い味を出してました。
運動能力抜群で高飛車な言動が目立つ彼ですが、風間君にも冷静なツッコミを入れられる園内でも一番の常識人な気がしました。

先生達も皆、本編以上に良い味を出して笑わせてくれます。
特に好きなシーンは、アトラクションで檻に入れられた園長先生に対し、よしなが先生がうっかり

「園長先生、よくお似合いですわ。」

というところですね、酷い言い草ですwww

あと、まつざか先生がそのグラマラスを全面に出した格好で、園内の『猿』を虜にして、冷やかされるシーンも好きでした。
ここでも、よしなが先生が

「お猿さんの電話番号聞いた?」

と、いじり倒します。
ここで

「うっかりしてて聞きそびれたわ(怒)」

と返す辺り、まつざか先生もシャレが利いてますね。
仲のよろしいことで。



本作は、(個人的に見てですが)笑いの質がシリーズ中でも高く、「笑いたいなら本作を!」と押したくなるのですが。
もう一つの魅力として、私は敵キャラの雪だるま

『ス・ノーマン・パー』

の、異質で不気味な存在感を押したいですね。

遠足の途中、園内で偶然出会う人形「トッペマ・マペット」から、ヘンダーランドの真実と、魔法のカード「スゲーナスゴイデス」を受け取るのですが、これを取り返しに来るのが、この「ス・ノーマン・パー」なのです。

見た目は、誰でも描けそうなぐらいの、まさに絵に描いたような雪だるま。
江戸っ子染みた言葉遣いと、明朗活発な応対で他者に取り入るのが非常に上手く、不審に気付いたしんちゃんを尻目にドンドンと周りの信頼を勝ち取っていき、しんちゃんに忍び寄ってきます。

そして、いざ本性を見せるとシリアスかつドスの効いた声色で、しんちゃんを脅しつけてくるのです。

これは、声を担当された古川登志夫さん(うる星やつらの諸星あたる等)の絶妙な使い分けが、凄まじいギャップを醸し出すことに成功しているのだと思いますね。
加えて、顔がシンプルで表情に乏しいのが、余計に相まって恐いのでした。


しかし、そこに現れたのが、カードの力で登場した「アクション仮面」「カンタムロボ」、そして救いのヒーロー「ぶりぶりざえもん」。
彼らが出てきたことで、妙な安堵感を憶えました。

家が壊れたり火事になるのをお構いなしに攻撃を繰り広げる2人。
そして、それを尻目に寝返る、ぶりぶりざえもん。

その目に余る行動から袋にされ、あげくヒーローである2人から

「このバカ豚……」
「脳みそあるのか……」

などと、およそヒーローらしからぬ暴言を吐かれるも、

「少し……。。。」

と返すしか出来ない、ぶりぶりざえもん。
やはり、ぶりぶりざえもんがいると笑いのクオリティが飛躍的に上がりますね。
他にも定番の、

「私は常に、強い者の味方だ。」

「救い料1億万円、ローンも可。」

こういった彼の言動や行動、そして渋さと情けなさを兼ね備えた声。

「ぶりぶりざえもん」は、私がクレヨンしんちゃんを大好きたらしめた要因だと言っても過言ではないです。
{/netabare}



【しんちゃんの成長が見える終盤】
{netabare}
終盤、これまた不気味なマリオネット人形と、両親を入れ替えられたしんちゃん。
2人を救う為一人で、埼玉から群馬のヘンダーランドに向かいます。

ここでのしんちゃんは、とても5才児とは思えない一面を見せ、最後にトラックで送ってもらったオジサンからは

「しっかりしてるねぇ…。」

と言われるほど。
いつも呆けているしんちゃんですが、実はちゃんと出来る子なんですよね。

負傷を負ったトッペマとの一連のシーンでも、それを横で見ていたひろしはこう言います。

「みさえ…、今俺達の息子が少し大人になったところだ……。」

大人になって見返すと、しんちゃんの視点から見ていた本作が、いつの間にかひろしとみさえの視点になっていて、しんちゃんの成長になんかちょっとホロッときちゃいました……。


ただ、やっぱり最後はクレヨンしんちゃん。
最終戦の、JOKERのカードを奪い合う

『野原一家VSマカオとジョマの追いかけっこ』

は、劇場版屈指の面白さでした。

特に、ひろしが投げたカードを必死に追いかけたマカオが手にしたのが、実はひろしの名刺だったとところは爆笑しちゃいました。

360度の如くグルングルン回る勢いのある作画も、非常に見映えがあり凝ってるなぁ~と思わせてくれますしね。
{/netabare}




【総評】

シナリオとしては正直、いつも以上にご都合主義が見える点は残念なところ。
魔法を使えるカードはトランプ分の枚数ありチートレベルだし、対してヘンダーランドを根城にしているマカオとジョマは城の中では魔法を使えない謎設定。
その倒し方も含めて、首を傾げてしまう点は多いです。

子供向けだからと逃げるのは簡単ですが、大人が見ても面白いと評価される初期しんちゃんシリーズなので、そこは厳しめに……。。。

しかし、見た目の強烈なマカオとジョマと、見た目とは裏腹に圧倒的な存在感を放つ「ス・ノーマン・パー」の印象値。
そして、ぶりぶりざえもんを始めとした室の高いギャグは、それを差し引いても十分に余りアリ!!


あと、雛形あきこさんが歌う「SIX COLORS BOY」という主題歌は、シリーズの中でも大好きな曲で、今でも聞いています。
実は作中でもイチイチ本人登場してますしね。
(毎回言うプロフィールのせいで、お雛が「A型の水瓶座」って覚えちゃったよwww)


あぁ…、総評と言いながら語りたいことが溢れ出ちゃいますね。
笑いのクオリティと、密かに迫る恐怖が魅力な、そんな作品がヘンダーランドです。


ではでは最後は、ヘンダーランドのCMにちなんで、

『嘘だとっ♪ 思うなら♪ ちょぃと見ておいでぇ~えぇ~えぇ♪』

読んでいただき、ありがとうございました。


次回作は、第5作「暗黒タマタマ大追跡」です。


◆一番好きなキャラクター◆
『ス・ノーマン・パー』声 - 古川登志夫さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『トッペマ・マペット』声 - 渕崎ゆり子さん



以下、低俗な駄文なので〆ます。
{netabare}
作中に登場する、これまた劇場版キャラで高い人気を誇るヒロイン、トッペマ・マペット。

愛らしい見た目と声や意外と勝ち気な面も含めて、魅力たっぷりなキャラクターです。


なにより、ゼンマイで動く人形である彼女は、動きが止まると…なんと


『ケツにゼンマイを差し込み、捻り込む』


という手法で、復活するのです。


久しぶり本作を見返した私の、新しいお気に入りのシーンとなりました。

本当にありがとうございました。


コレは……、初心者は真似しちゃいけないぜ…(*´Д`)ハァハァ
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 21

さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

エンターテイメントの金字塔

群馬県に新たなテーマパークがオープンした。
ヘンダーランドという。
だが、どこか怪しげなヘンダーランドにはある秘密が・・・
しんちゃんはひょんなことから、ヘンダーランドの秘密に巻き込まれ、そこの主であるおかま魔女と対峙することになる。
登場する人物の誰ものキャラが立っており、面白い。

生き方に美学があるおかま・ホラーでコミカルなスノーマン・しんちゃん
カンタムロボ・ぶりぶりざえもん・アクション仮面

しんちゃん映画の中では、勢いで押し切ってないところがあり、無音の描写、敵の正体のわからないおどろおどろしさなど小さい頃見たら若干トラウマになるかもしれない。。


最初の都会のカットバックから、埼玉の平凡な住宅街へのカット、
下から見上げるような子どもの視線まで落としたアングル、そのどれもが秀逸。

最後の15分のババ抜きと追いかけっこは必見。

湯浅政明氏による作画、物語ともに最高。

何回も見たくなるし、何度でも元気になれる。


そんなしんちゃん映画の原点。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5
ページの先頭へ