shino さんの感想・評価
3.7
ジェノサイドの匂い
伊藤計劃原作、PROJECT第3弾。
ゼロ年代SFベスト国内篇第1位。
核の炎がサラエボの街を焼いた。
テロの脅威に対抗すべく先進国では、
科学技術により監視の網の目が張り巡らされ、
一方発展途上国では内戦と民族対立により、
無数のジェノサイドが頻発していた。
虐殺の陰に常に存在が囁かれるジョンポール。
ジョンポールとは何者か!?
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頻発する内戦と彼との因果関係は!?
内戦の混乱の中、主人公クラヴィスを中心に、
アメリカ軍によるジョンポール捕獲作戦が開始される。
伊藤PROJECTでは最も理解が容易い作品です。
ジョンポールの目的は明確でした。
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戦場の少年兵を平易に殺戮するクラヴィスは、
感情を最適化された現代人の象徴でしょうか。
極めて理性的で空虚な人物たちの物語。
皆様にもぜひ触れて頂きたい。