タイムリープで友情なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのタイムリープで友情な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月27日の時点で一番のタイムリープで友情なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

91.6 1 タイムリープで友情なアニメランキング1位
僕だけがいない街(TVアニメ動画)

2016年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (3382)
15618人が棚に入れました
漫画家としてデビューするも、いまひとつ結果を出せず毎日を過ごす青年・藤沼悟。
彼は、彼の身にしか起こらない、ある不可思議な現象に不満を感じていた。
「再上映(リバイバル)」。
何か「悪い事」が起こる直前まで時が巻き戻される現象。
それは、その原因が取り除かれるまで何度でも繰り返される。
……まるで、誰かに「お前が防げ」と強制されているかのように。

しかし、ある日起きた事件をきっかけに、その現象に大きな変化が訪れる。

自らの過去に向き合う時、悟が目撃する真実とは?
そして、悟の未来は――?

声優・キャラクター
土屋太鳳、満島真之介、悠木碧、赤﨑千夏、大地葉、鬼頭明里、七瀬彩夏、菊池幸利、水島大宙、高山みなみ、宮本充
ネタバレ

scandalsho さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

名〇偵コナンのヒロインは灰原ではなく蘭ちゃんだと言いたいのかな?

原作未読。

タイムリープとサスペンスをかけ合わせた作品。

ストーリーはわりと面白かったし、最後まで飽きずに一気見できた。
声優さんも良かったと思う。
作画は好みが分かれるかな?

ただし、{netabare}わりと早い段階で犯人の目星がついてしまう{/netabare}演出はマイナス評価。
{netabare}もう少し怪しげな登場人物がいないと、3話の終わりの演出がスケープゴートとしても成立せず、{/netabare}サスペンス感が薄れてしまう。

あと、{netabare}加代と弘美{/netabare}の件は、正直言って不快にさえ感じた。
{netabare}『加代に家族を持たせる』ために『幸せな結婚』を描きたかったのだろうが、相手が弘美である理由が全く見当たらない。
むしろ親友と結ばれることで略奪感が際立ってしまい、{/netabare}わざわざ主人公を深く傷付けるための演出なのかとさえ感じた。
ダブルヒロインにしてしまった代償としては大きすぎる、この作品の欠点だ。

ところで、このレビューのタイトルについて
{netabare}1.体は子供、頭脳は大人という設定から『名探偵コナン』感を感じてしまったせいか、
2.初めの頃の加代のつっけんどんな態度が灰原に似ているように感じてしまい、
3.その結果、主人公を自宅にかくまった愛梨=蘭ちゃんに似てる!
{/netabare}って、名探偵コナン好きの戯言でした・・・。
そう言えば、主人公の母親役が高山みなみさんだったのも影響あるかも!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 94
ネタバレ

mio♡美桜 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

毎回ドキドキ!

.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+

原作は漫画みたい。
私は全くの予備知識無しでの視聴開始。

主人公の淡々とした喋り方と普通っぽい声。
細部まで細かくて丁寧で普通に見やすい作画。
映し出される普通の日常の生活のシーン。

えっ、僕街って結構話題になってたよね?
結構シンプル。
最初はそんな感じでした。
最初はね!最初はですよ!

だけどじわじわとくるサスペンス感。
時折入るフラッシュバックみたいなカット。
シーンを盛り上げるBGM。
気付いたら目と耳と心が釘付けになってました。

リバイバル(再上映)という特殊能力を持った主人公が、
自分の過去にタイムリープ。
自分の忘れていた過去の真実に向き合い運命と闘う、
そんなサスペンスドラマみたいな感じかな。

色んな物が普通っぽい演出だからこそ滲み出てくる様な
緊張感。
ちょっと私、こういうの好きかも…

制作はA-1 Picturesさん。
そして監督はソードアートオンラインでお馴染みの
伊藤智彦さん。
なるほど…うん、うんってヒトリゴト。

ちょっと展開が早くて原作を知らない私には細かい描写
が少なく感じましたけれど、それでも自分なりに推理した
りして、次!次!って確実に続きが気になる作品でした。

声優さんでは赤崎千夏さんがメインキャラの1人として
出演されているのが私的に嬉しい。
そしてなんと言っても悠木 碧さんの演技。
最大の見所の一つでもあるくらい凄いです。
色んな意味でも声優さんの演技が凄く楽しめた作品でも
ありました。

丁寧な作画とスリリングな展開のストーリーを盛り上げる
BGM。
次回への期待が膨らむシーンを「引き」に持ってくる上手
さ。
心が痛くなるシーンもあるけれど、涙が出ちゃうくらい
心が温まるシーンも沢山ある作品。

スリリングなサスペンス感と心に染み入る温かさ。
両方楽しみたい方、そして悠木碧さん大好きな方には是非
ともオススメしちゃいたい作品です♡


.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+


【mio's café】

ここからはネタばれですので
視聴済みの方だけ見てね♪
{netabare}

〈総評〉
{netabare}
私は原作漫画は読んでないのですけれど、特に原作を既読
されている皆さんのレビューを拝見してかなり削られてい
る描写が結構あったみたいですね。

こんなに素敵なシーンもあったんだー!
アニメでも見たかったなぁーって。

加代がおばあちゃんに引き取られてからも美琴小学校に通
うようになり、悟との感動の再会シーン。
加代と悟のクリスマスツリー、再会後に再び2人で見に行き
加代が悟にお礼を言うシーン。
悟が車で落とされた場所の木の下で佇むセーラー服の女の
子のシーン(おそらく加代。)などなど…。

1クールじゃ仕方ないしね。

でもアニメOnlyで視聴した私でもスリリングな展開、心に
突き刺さる様な切ないシーン、涙が溢れそうな温かいシーン
などなどそれほど違和感なく楽しめました。
特に次回への期待が膨らむところを上手く終わりにもって
行くところが本当にドラマを見ているようでドキドキしま
した。

俗に言う「引き」ってヤツですね!

一部の方がおっしゃいますように私も主人公のセリフが
棒読みっぽく聞こえましたけれど、私的にはそれだけに
なんだか本当に普通の人っぽく感じて、日常の生活が一変
していく緊張感を与えてくれた様な気がします。
これも演出の1つなのかな?
(そう思うようにしてます…笑)

そして音楽、特にBGM。
BGMが凄く良くて感動したりワクワクするシーンがとって
も盛り上がったと思う。
特に冬の北海道のシーンとか凄く雰囲気にマッチしていたなぁって。

途中からは自分なりに真犯人を予想しちゃったりして。
見事に外れちゃいましたけれど、そういう楽しみ方も出来
たのは良かったかな。

そしてこの作品で1番興味深かったのが良くも悪くも声優
さんの演技。
悠木碧さんは朝食のシーンをはじめとして全編にわたって
もう本当、凄く魅力的でした。
悟に対する淡い恋心とか…もう…ね。

また悟母の高山みなみさん、先生八代学の宮本充さんの
演技がなんだかとっても濃厚なデミソースって感じで本当
にこの作品を美味しく頂けました♪

俳優さんお2人の演技に関しては私はよく分からないけれ
ど、私的にはあの普通っぽさが意外にも良い味を出してた
という事で…OK?

最近の作品では本当に次話が楽しみと思える数少ない作品
の1つでした。
原作はもっと面白いんだろうなぁ。
機会がありましたら、是非読んでみたい作品です。

{/netabare}

このお話し、伏線とか多くて内容を書いてないと訳わから
なくなりそうなので個人用メモ的な感じになってます。
ごめんなさい。
興味のある方は見てね♪
〈第1話感想〉
{netabare}
ピザ屋さんのバイトと副業で漫画家をしながら生計を
立てている悟。見た目も普通な青年。
助けなきゃって思った時、リバイバルという特殊能力が
発動。自分でもあんまり自覚してないみたい。

最後の母親殺害までかなり急展開でお話が進展。
ところどころ???と思いながらも凄く続きが気になり
ました。ていうか引き込まれました。

18年前の連続児童殺害事件の真犯人に気付いた為殺害
された悟の母親。
それを防ぐ為には、自ら18年前に戻り加代の殺害、
ユウキさんの逮捕を防ぐ事で母親の殺害も防げる。
そんな強い思いが引き起こしたリバイバルなのかな?

悟が母親殺害の容疑者にされる経緯がえっ〜って思うくら
いちょっとあっさりだったので納得いかなかったかも。

あの赤い目の男真犯人なのかな?
リバイバルしてからどうやって帰ってくるんだろう?
色々謎が引っかかる第1話でした。

愛梨ちゃんCVの赤崎千夏さんが私的に嬉しかったかな。
病院でのシーンお家でカレーを食べるシーン凄く良かった
{/netabare}

〈第2話感想〉
{netabare}
18年前にリバイバルした悟の友人関係の説明、キーマン
となる加代との接触を持つお話しみたいな感じかな。

気になったのがヒロミ君。
女の子かと思っちゃった。中性的で可愛い。

そしてケンヤ君。
頭が良くて優しいのはいいんだけど妙に大人びていて
ちょっと(怪しい)雰囲気を感じちゃった。
考えすぎかもしれないけれど。

そして加代。
悠木碧さんの声にゾクゾクします。
「バカなの?」
テンションは違うけれど、アスカの
「あんたバカァ?」に匹敵するくらいのインパクト!
悠木碧さんやっぱりいいですね。

でもカーテン越しの虐待のシーンが少しだけあったけれ
ど、見ていて心が痛かったです。
アニメってわかっていても許せない怒りが込み上げます。
辛いですね。

「藤沼ってさ、なんかふりをしてるでしょ…」
からの加代との会話は心にジンときました。
誕生パーティーに加代を誘う悟。
手と手を合わせる加代と悟。
「おい、29歳しっかりしろ。何照れてんだよ…」
には少しだけ笑っちゃいましたけれど。
ちょっとだけホッコリした時間。
加代にもっとこういう時間をあげたいなぁって。

でもやっぱりケンヤは気になります。
文集から加代の事を悟と同じ様に気にしているみたい。
文集から読み取れるSOS。
ケンヤは事件のなんらかの鍵を握っている可能性がある?
うーん。わからない…
悟がなぜ自分の作文を見なかったのか、悟の手袋はどこに
いったのか、気になる事ばかりです。

「したっけ!」最後の駆け出す加代が印象的でした。
{/netabare}

〈第3話感想〉
{netabare}
悟が同級生とアイススケートでの競走。
しかも相手はアイスホッケー部。
北海道って授業でスケートがあるんですね。
ちょっとビックリ。それだけ寒いって事なのかな。
競走の方は悟が勝ちそうになるけど一瞬手を抜いて敗北。
だけれどそれを加代は見抜いていてちょっと悟と嫌な
雰囲気に。
一緒に滑った同級生も悟に激怒。
18年前と同じ事をしてしまったと思う悟。
これも何かの伏線かな?

八代先生から雛月の誕生日を聞きだす悟。
悟と同じ3月2日。
八代先生とてもいい先生なんだろうけど、なんでだろう
凄く表情が引っかかるのは。

虐待を受けて倉庫に肌着1枚で倒れてる加代が痛々しい…
悠木碧さんの演技が凄いですね。
虐待をしながらも世間体は気にする母親とその横で昼間っ
からお酒飲んでる内縁の夫みたいな人。
こういうシーンでよくある光景でしょうか。
本当に腹が立ちます。

八代先生から加代の虐待について聞く悟。
動こうにも動けない学校側。イライラが募ります。
そんな中教室での給食費盗難騒動。
リアルに描くのはわかるけれど、もう本当心が痛いです。
こういうシーンは。
加代を正面からかばう悟。
八代先生のフォローもよかった。やっぱりいい先生
なのかな?
でも今度は美里の事が気になります。
イジメがイジメを生まなければいいのだけれど…

最後のクリスマスツリーのシーンは凄く良かった。
作画凄い!本当に綺麗…
声に出して微笑む加代。
そして「バカなの?」
色々中身の濃い第3話でした。

最後の職員室の描写。八代先生とケンヤ?
えっ、何?
またまた気になります。
{/netabare}

〈第4話感想〉
{netabare}
いよいよ歴史の改変に向けて動き出す悟。
Xデーまで加代を1人にしちゃいけない!
そんな思いからまず土曜日に科学センターに加代を誘おう
と計画。
母の誘導に引っかかるもお小遣いゲット。嬉しそうな悟。
ここの母と悟のやり取り凄く良かった。

学校では美里が給食費騒動の件で少し孤立気味。
そんな美里に悟が声をかけるも裏目に…

加代を土曜日に科学センターに連れて行きたいと悟が加代
の母親に直接交渉。
思わず虐待を連想させる様な言葉を口走り、加代の母から
反対されしかも殴られそうに。
そんな時悟の母親が登場。無事、場を収め加代との約束を
取り付ける悟。ここでの悟のお母さん良かったですね。

土曜日、科学センターで加代とのデート。
リバイバルする前の記憶と近いことに気づく悟。
そして友達がやってきて改めて歴史を改変している事に
気付く悟。
加代を自宅に送り届け大きな声で
「明日も迎えに来るから!」と悟。

誕生日当日、悟と加代が買い物して帰ると自宅では
サプライズ誕生日パーティ!
加代の本当に楽しそうな笑顔。恐らく彼女には今まで、
あまりこういう機会はなかったのでしょうね。
悟に「プレゼント間に合わなくてゴメン」という加代の
表情がなんとも…切ない…
「明日、渡すから…」

第3話の最後の職員室の描写は八代先生とケンヤが今日の
サプライズを計画していた様子だったんですね!恐らく…

加代を自宅に送り届け、Xデーを乗り切った、歴史を変えた
と喜ぶ悟。
そんな彼に衝撃の展開。

翌日、加代は学校にこなかった…

もぉー、なんなんでしょうか!
そう簡単に事が進むとは思ってないけどこの展開!
気になり過ぎます!

本当、メモ的な感じになってゴメンなさい…
{/netabare}

〈第5話感想〉
{netabare}
翌日学校に来なかった加代。
悟の母親と話し、誘拐事件を知る母親の元同僚。
悟は加代を探しに加代の自宅を訪れるも手掛かりは倉庫の
前に残された大人の足跡のみ。
加代の母親と同居の男は動かない体を見て、
「どうする、これ」
これ、明らかに加代なんですよね。心が締め付けられ
ました。

自分を責め学校を2日休む悟。
「後から自分のせいと思うのは、思い上がり。1人1人の
人間に出来る事は限られている。」
母親に諭され学校に行く悟。

児童には家庭の事情で転校したと告げる八代先生。
励ます悟の友人達。
勘のいいケンヤは連続誘拐事件ではと悟に告げる。

学校の帰り悟は加代の母がゴミを捨てる姿を目撃。
不気味な笑み。
ゴミ袋の中にあったのは行方不明になってまだ10日という
のに加代の服と悟に渡すはずだった編みかけの手袋。
あまりのショックに叫びながら走り出す悟。
と同時にリバイバル終了。

どういう条件でリバイバルが終了するのかイマイチ分かり
ませんでしたが再び2006年。

2006年で悟はすでに重要参考人であり逃亡者。
ピザ屋の高橋店長を頼るもアッサリ裏切られる。
この高橋店長って人、第1話から愛梨を見る目が気持ち悪く
てまぁ信用出来ない人だとは思っていましたがまんまでし
たね。

逃げる悟の前に現れたのは愛梨。
「バカなの?」
加代と同じセリフにちょっとビックリ。
これも何かの伏線かな?
愛梨の部屋に匿われている間、事件の中身が改変されてい
る事に気付く悟。
「変えられるんだ。もう一度あっちに行けたら…」

ピザ屋で男性と話す高橋店長。
西園先生って呼ばれてる。
愛梨を見てデレる高橋店長マジキモいんですけど!
なんかイライラしてきちゃった。
にしてもこの西園先生って呼ばれてる男性の後ろ姿。
メガネといいあの男に似てるんですけれど。
愛梨を遠くから眺める姿も不気味…
警察に通報しようとしてる高橋店長に携帯をヘシ折り
愛梨の鉄拳!
ちょっとスッキリしました。でも愛梨の気持ちが痛いほど
よくわかるシーンでした。

橋の下で悟に自分の過去を話す愛梨。
またしても「バカなの?」
そのバカなの?って止めてくれないかと悟。
うーん、やっぱりこの「バカなの?」が引っかかりますね

悟の着替えを自宅に取りに行く愛梨。
そんな愛梨の携帯に悟の母親からのメール。
犯人からだと気付いた瞬間火の手が上がり炎と煙に包まれ
る愛梨…

なんていう…もうどうなるんでしょう…

ハラハラドキドキの第5話でした。
にしてもあの西園先生と呼ばれていた男性が気になります。
{/netabare}

〈第6話感想・真犯人予想中間発表〉
{netabare}
炎に包まれた愛梨を助けようと建物に飛び込む悟。
抱えられた愛梨が悟のポケットに自分の携帯をしのばす。
どこから現れたか高橋店長。
救助を手伝ったかと思ったら、
「手柄は俺のもんだぜ。」
本当嫌な男です。救助には感謝しますけれど。
っていうか自分で火をつけたんじゃないの?

母の残したメモから母の元同僚澤田さんの電話番号を入手
しコンタクトを取る悟。
一連の事件の真犯人の存在について悟に話す澤田さん。
澤田さんの話からとヒロミを殺したのは顔見知りの犯行
と判断する悟。

愛梨の入院している病院を訪ねる澤田さん。
ベッドに寝ていたのは愛梨では無く愛梨の母親。

病院を抜け出した愛梨は悟と再会するも警察に尾行されて
いて悟は逮捕されてしまう結果に。
連行される間、悟は次のリバイバルを予感。
その時、真犯人と思える例の男の姿を見る。

こんな感じでしたがやっぱり西園議員の存在が気になりま
すね。
で例の謎の男なんですが悟が逮捕されるあんな現場にいた
という事は、警察関係者?

んーますます分からなくなちゃった。
再びリバイバルするであろう次回に気になりますね。

一応、ここでmioの真犯人大予想中間発表!ドンドン!

◎西園議員
○加代の母親と彼氏
▲八代先生
△ケンヤ
×警察関係者
大穴 美里

〈理由〉
◎西園議員- まずあの現場によく現れる男の風貌が似てい
る。こんな簡単な理由で申し訳ないのですが、匂うんです。
女の勘ってヤツですぜ、旦那。
悟の犯行に見せかけて明らかに愛梨を狙った放火が気にな
りますね。ピザ屋に出入りしていたのも。愛梨に何かを見
られたとか。

○加代の母親と恋人- 加代殺害だけに関してならかなり確率
は高いと思うけど、あのダラシない恋人と2006年まで知能
的な犯罪を繰り返すとは思えず…
あるいは誰かに依頼した?

▲八代先生- 唯一加代の家庭の事情と誕生パーティーなど
加代の行動予定を知ってる人。
優しいの裏にある何かが匂うんです…クンクン。
この手の犯人って平然と表と裏の顔があるから。

△ケンヤ- 現時点で私にとって最大の謎の人物。
天使にも悪魔にもなれる要素を持った少年。
私の中では彼もリバイバルしているのではという、根拠の
無い妄想が膨らんでいます。

×警察関係者- 愛梨や悟の情報を入手しやすい。
何よりも悟が逮捕されたあの場所に普通の人はいないと思
うのですが…だんだん苦しくなってきました。

大穴 美里- 1番は加代を含めた悟たちとの確執。
あんな少女にできる犯行では無いと思いますが、美里の
お家ってクリスマスツリーや普段の着ている服持ち物など
からそこそこのお金持ちの様な気がする。
親に告げ口して他の人物が犯行に及んだ…
ていうか、美里の父親が西園議員?なんて考えちゃいます。

どうでしょうか?実際のところ全く分かりません…
見た目は大人、頭脳は子供の私にはこれくらいしか思いつ
きません。
{/netabare}

〈第7話感想〉
{netabare}
1988年に再リバイバルした悟。
舞台は科学センター。横にいる加代を見て涙を流す悟。
それを見た加代
「バカなの?」
私もなんだか安心しました。

「ラストゲーム!」
悟の言葉に力が入ります。

ケンヤに「貸した本は読んだ?」と聞かれる悟。
覚えていない悟は「まだ読んでない」と答える。
その後探りを入れるかの様なケンヤの質問。
難しい言葉を使いながら悟に加代保護の協力を申し出る
ケンヤ。
んー、前から思ってたんですけれど、ケンヤって何者?
ひょっとして悟と同じリバイバル能力者?
中身は大人にしか見えないんですけれど…
普通の小学生ではないですよね。

加代と友達になった事を喜んでくれるユウキさん。
何気にユウキさんの父親の部屋の場所を聞く悟。

児童館に加代、ケンヤ、ヒロミを迎えに行ったらやっていた
のはバスケ。
前回のリバイバルでは確かオセロだったはず。
その変化を見て急激な変化を避けないと予想がつかなくな
ると思う悟。

前回と同様の誕生日パーティ。
途中で抜け出してユウキさんの家の車をパンクさせて
窓に「殺す」と書いた紙を石とともに投げ込む悟。
警察が来てユウキさんが自宅にいるアリバイを作る為。
なかなか考えましたね。

加代に虐待を加える加代の母親を直接自分の手で排除しよ
うとする悟をケンヤが寸前で制止。
ケンヤはこの2日間、加代を助けることに必死になり過ぎて
いるな悟を危ないと思い尾行していたみたい。

誕生パーティーの帰り道、加代が虐待を受けない様に
「今からお前のこと誘拐するけどいい?」と提案する悟。
「バカなの?」
と言うものの承諾する加代。
なんだか愛の逃避行みたいでいいですね。

加代を廃バスに匿う悟とケンヤ。
加代「ありがとう。悟、ケンヤ君」
ケンヤ「礼はいいよ。友達だろ、加代ちゃん」
悟「俺たちが必ず加代を守るから」
お互いの呼び方が変わりましたね。
ぽぉーってなる加代の表情が…

翌日バスの中でトランプをする悟、ケンヤ、ヒロミ、加代。
加代の母親が動く様に仕掛けると言う悟。
「結末はどうするの?」と訪ねるヒロミ。
「大丈夫、俺が責任とるから」と悟。

「バカなの。私が言い出しっぺで、皆んなが協力してくれ
たって事なら…誰もお咎めないっしょ。はい、あがり」
誰も考えつかなかった答えを加代が提案。

バスの中で眠りにつく加代。
扉を開ける音。
「悟…かな?」
バスの中に入り込む人影。

えっー、もうかなり心臓にも悪いんですけれど!
誰なのかな?大人の男っぽかったけど…
八代先生?それとも勘付いて様子を見に来た悟の母親?
もう、こういう終わり方気になり過ぎです!

本当、メモ書きみたいな感じでゴメンなさい。
{/netabare}

〈第8話感想〉
{netabare}
第7話で最後に登場した謎の人物。
明らかに成人男性ですね。
もう本当にドキドキしました。加代が無事で良かった。
これで私の予想していたケンヤ、美里といった子供達の線は
消えたかな?
いやっ、唆して共犯って事もあるし…
でも実行犯は確実に大人だと思うし、学校の廃バスに道具
を置きに来たというのは違う学校とはいえ八代先生かなり
私的に怪しくなりました。
第8話を見て◎西園議員、○八代先生、▲澤田さん、
と順位変更。
澤田さんいきなりのランクインです。

ユウキさん真犯人説も浮上したけど、愛梨の家に放火する
のは無理だし、第一ユウキさん真犯人だったら本当笑っち
ゃいますよね。

予想は置いといて、加代保護の為に本格的に動き出しまし
た。
悟母、妖怪呼ばわりされているけれど、本当いいお母さん
加代と悟と悟母。本当の家族みたい。

忘れかけていた温もりを感じて流した加代の涙。
今まで辛かったね…
私まで涙出ちゃいました。
本当は母親とこういう関係に戻るのが一番なんだけど、
良かったね、加代ちゃん。

これで一応、加代殺害は回避できたのかな?
またまた続きが気になります!
{/netabare}

〈第9話感想〉
{netabare}
悟、悟母と共に自宅に帰る加代。
八代先生、児童相談課の職員、そして加代の祖母。
「女手ひとつで子供を育てる大変さはこの私がよく知って
いるよ。私が助けてやるべきだったのに、おまえときちん
と向き合ってやれなかったから」と加代の祖母。
加代のお母さんも辛い過去があったのですね。
だからといって加代への行為が許されるものでは無いです
けど、これからの時間が修復してくれるといいな。

八代先生が悟に「我々を動かしたのはお前だ、悟。」
「勇気ある行動の結末が悲劇でいいわけがないだろう。」
嬉しい言葉ですね。

もうこれで加代の保護は無事済んだのかな?
お別れの車の中での加代の表情が切ない。
私も思いっきり加代ロスです…
加代の作文が以前とは違う感じに聞こえてちょっと涙が
出ちゃいました。悠木碧さんも有難う。

学校に来るも加代が居なくなってヘコんでいる様に見える
悟。

職員室で悟に「加代はずっとお前の家に居たのか?」と
尋ねる八代先生。
「泉小ホッケー部の使わなくなったバスの中に加代を隠し
てた。」と悟。
「へぇー、来るのはお前達誘拐犯だけって訳だ。」
この会話凄く引っかかります!わざわざ「来るのは」って
言ってるのが気になります!

そして八代先生の車の中での悟との会話での
「まず警戒心を解くことだな」
そしてそして大量の飴。
「悟、見てしまったたんだね…」
もう、なんでしょうかこのドキドキ展開!
八代先生怪しい演出だらけ!私の中で八代先生本命候補に
かなり近づいてるので、もし違ったら演出にまんまとして
やられたって感じですね。

ヒロミがひとりぼっちにならないように気にかける悟。
被害者は1人だけじゃないですものね。
そして執拗に悟に探りを入れるケンヤがやっぱり気になり
ます。
「俺もお前みたい踏み出したい。正義の味方になりたいん
だ。」
本心なのかな…?

そして最後のシーン、忘れていた頃に出て来ました。
私の大穴候補の美里。表情が気になります!
ていうか犯人とかでは無くて1人ぼっちの美里の身が心配に
なって来ました。

良い人なんだけど怪しい演出だらけの八代先生。
天使なの?悪魔なの?なケンヤ。
1人ぼっちで表情も気になる美里。
愛梨のセリフと被る言葉の数々。
愛梨の存在って何?

ここにきて「僕だけがいない街」のタイトルが凄く気にな
ります。
みんなを助ける代わりに、最後は悟が…って事は無いです
よね…
それなりのハッピーエンドで終わって欲しいけど。

お話も終盤、どうなっていくんだろう…

{/netabare}

〈第10話感想〉
{netabare}
殺害予定の中西彩を助けようとアプローチをかける悟と
ケンヤとヒロミ。
どんな展開が待っているのかな?って思っていたら、驚き
のカズ&中西彩のリア充展開!もう!
でもなんだか微笑ましくて良いですね。

でも手がかりを無くした今真犯人を見つけられるのか不安
になる悟。
クラスで浮いている美里が気になり尾行するも着いた先は
若葉体育館。
2006年の時点で悟母は澤田さんに真犯人が判ったと言って
いたので、おそらく今この時点で母が知っている人間が
犯人である事を思い出す悟。

美里がトイレに席を起つが帰りが遅いので様子を見に行く
悟。

非常口が空いていて走り去ったのは白鳥食品の車。
そこにちょうど通りかかった八代先生。
また怪しいタイミングでの登場ですね。

先生に協力して欲しいと悟。
第9話と同じ様なシチュエーションの車の中で助手席のコン
ソールから飴を取り出そうとする悟。
でも中に入っていたのは下剤。

同じ様なシチュエーションで2回目では違う展開を持ってく
るという、ある意味サスペンスの常套手段でもうここから
のシーンはドキドキして鳥肌たっちゃいました。

これは自分の車ではないと言う八代先生。
悟が「誘拐犯がいると確信して行動している」と言い、
悟と悟母を車で送った日は中西彩殺害計画を実行する予定
であるも、まんまと阻止された形に。
悟に計画を阻止されたのは2度目でこれは偶然ではないの
ではと疑問を持ち、悟が自分の思考を先読みする存在で
あるという事の確証を得る為に色々仕掛けてたのかな。
そして悟が体育館に来たことで、自分の敵であると確信し
たみたい。

外すことが出来ないシートベルト。
「君はまるで未来でも見て来たかのようだ」と八代。
車に細工をして悟ごと冬の冷たい川に突っ込み、そのまま
水没する悟。

もう絶体絶命の悟。
どうなっちゃうのかな…もう一度リバイバル発動して!
そんな思いでした。

にしてもやはり彼が犯人だったのですね。
西園議員=八代先生は同一人物?
西園議員と愛梨の関係、2006年で加代は存在するの?
はたまた愛梨と加代の関係などなど気になる事がまだまだ
いっぱい。

お話しもいよいよ大詰め。楽しみです。
{/netabare}

〈第11話感想〉
{netabare}
八代学が少年時代に飼っていたハムスターを水に落として
殺そうとしたした時、1匹だけ生き残ったハムスターを
「スパイス」と名づけて飼育したお話。
その時から見える様になったという蜘蛛の糸。

悟母がコンビニでパート?
えっ、どうなってるの?
部屋のベッドで生命維持装置みたいなので生きながらえて
いる悟。
奇跡を信じて世話をする悟母の姿に胸が痛くなります。
15年もの間、眠り続けていたみたい。
原作未読の私にはちょっと戸惑う展開でしたけれど、原作
の方ではこの15年間の描写とかあるのかな?
ちょっと気になりました。

意識を取り戻した悟の前に現れたケンヤとヒロミ。
ケンヤは弁護士、ヒロミは医師になっていました。
ヒロミの変わりっぷりにちょっと笑っちゃったけど、
ケンヤは弁護士、正義の味方に一歩近づいてたのですね。
もう私、ケンヤに本当謝らなければいけないです!
前はあんなに疑ったりして、ケンヤの気持ちは本物だった
んですね。
ケンヤ、本当にごめんなさい…。

「悟…」
二ヵ月後、悟の前に現れた加代。
ヒロミと結婚して子供を授かったみたい。
正直これは意外な組み合わせでしたけれど、悟が救った
2つの命。
そしてその2人が授かった新しい命。
「悟と過ごした時間があったからあたしは幸せになれた」
と語る加代。
涙を流して喜ぶ悟。私も涙が溢れました。
色々な想いはあるけれど、本当に良かったね加代ちゃん。

リハビリで頑張る悟を見つめる久美ちゃんという女の子。
ここにきて新たな伏線の予感?

悟の前に現れた八代こと西園議員。
やっぱり八代先生=西園議員だったんですね!
第5話をもう一度見たんですけど、西園議員の喋り方が八代
とそっくり!
でもEDのクレジットでの声優さんの名前が八代と西園議員
で違うんです。まんまとしてやられた感じです。

「君とは色々あったからな。」
再会するも記憶を失っていると悟。

久美ちゃんの病室で携帯に細工をする西園議員。
新たな犯行を企てようとしてるのでしょうか…
久美ちゃんの面会に来た悟に別な場所で話そうと言う
西園議員。業務用エレベーターで向かう先は屋上。
あの時と同じように手袋をして車椅子のハンドルを指で
トントンする姿に胸がドキドキします。

病院の屋上に辿り着いた悟。
あいにくの雨だがここで話そうという西園議員。

「八代、お前の事を覚えているぞ!」と悟。

最後に映し出される1本の蜘蛛の糸。
改めて確認したんですけれど、第1話の悟母が澤田さんに
電話をかけるシーン、第5話の愛梨がピザ屋からピザを
持って帰るシーン、2人の頭上に薄っすらと蜘蛛の糸が
描かれているんですね!
いづれも犯人か西園議員の視点で。
あとで気づいてなんだかゾクゾクしちゃいました。
細かすぎますっ!

もう本当にあと1話ですよね。
どうなるんでしょうか?原作既読の方は分かってるのな?
気になり過ぎる最終話です。

ここまで来てやっとタイトルの意味がわかった様な気がし
ます。
加代とヒロミが生存して成長していく世界で、15年間
悟だけがいない、これがタイトルの意味だったのかな?
本来いたはずの悟だけがいない街。
11話OPの映像から大人の悟と子供の悟が両方とも消えてた
のが印象的でした。
刑務所の独房にいたユウキさんも消えてたからユウキさん
も助ける事が出来たって事?

悟の行動によって3人の子供のが命を奪われずに済んだ事、
ユウキさんが犯罪者にならなくて済んだ事。
この事実、悟以外にはわからないと言うのがなんとも…

せめて愛梨だけでも悟のそばにって思うけれど、この世界
ではもう接点は無いのかなぁ…
{/netabare}

〈第12話感想〉
{netabare}
八代vs悟のバトルは最終決戦。
もう本当に最後までドキドキ。

そしてキャラそれぞれのセリフが本当に一言一言心に
染みて…。
加代然り悟母然り。

特に私が心に響いたのが

悟「信じるって変な言葉だよなぁ。」
ケンヤ「えっ?」
悟「だって本当に心から信じてたら信じるって言葉は要ら
ないだろ。」
「空気があると信じてるとかさ。」
ケンヤ「疑ってるから信じるって事か?」
悟「だからって信じている事が嘘っぽいってなんて言いた
いわけじゃ無いんだ。
信じるっていうのは信じたいって希望の言葉なんだって
事。」

悟「僕だけがいない街。僕だけが居ない時間。それこそが僕の宝物だ。」

最後の悟の文集の回顧。
橋脚のコンクリートの壁に描かれた「Re.Re」の文字。

再び現れる蝶。そして再び現れる愛梨。

もう涙が止まりません。
良かったね、悟。

私は原作を読んで無いのでこの後どうなるのか分かりませ
んが、いっぱいいっぱい幸せになってね!

今度は君が幸せになって欲しいと…。
そしてそれがお母さんの幸せだから。

本当にただ、ただ、それだけ。

{/netabare}

【作品DATE】
{netabare}
《staff》
{netabare}
原作 - 三部けい
監督 - 伊藤智彦
シリーズ構成 - 岸本卓
キャラクターデザイン - 佐々木啓悟
プロップデザイン - 横田匡史
監督助手 - 石井俊匡
美術監督 - 佐藤勝
美術設定 - 長谷川弘行
色彩設計 - 佐々木梓
撮影監督 - 青嶋俊明
CG監督 - 那須信司
編集 - 西山茂
音響監督 - 岩浪美和
音楽 - 梶浦由記
音楽制作 -アニプレックス、フジパシフィックミュージック
アニメーション制作 - A-1 Pictures
製作 - アニメ「僕街」製作委員会
{/netabare}

《cast》
{netabare}
【主要登場人物・出演者】

藤沼 悟(10歳) - CV:土屋太鳳
藤沼 悟(29歳) - CV:満島真之介
雛月加代 - CV:悠木 碧
片桐愛梨 - CV:赤﨑千夏
ケンヤ - CV:大地 葉
ヒロミ - CV:鬼頭明里
オサム - CV:七瀬彩夏
カズ - CV:菊池幸利
白鳥 潤 - CV:水島大宙
藤沼佐知子 - CV:高山みなみ
八代 学 - CV:宮本 充
{/netabare}

《music》
{netabare}
【主題歌】
オープニング・テーマ
「Re:Re:」
作詞 - 後藤正文 / 作曲 - 後藤正文・山田貴洋 /
編曲・歌 - ASIAN KUNG-FU GENERATION

エンディング・テーマ
「それは小さな光のような」
作詞・作曲 - 梶浦由記 / 編曲 - 江口亮 / 歌 - さユり
{/netabare}
{/netabare}{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 95
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

踏み込まなければ道はない

「僕だけがいない街」
このタイトルに込めた意味はそうだったのか。
{netabare}僕だけが不在の時間こそが宝物なんだ。{/netabare}

秀逸なサスペンスとして名高い作品ですが、
容疑者が少なく絞られている為、
犯人当ては容易かもしれません。
加点要素なだけにここだけは残念。
ただスタッフはそこに重きを置いてないようだ。
素晴らしい構成と演出で、
ヒューマンドラマとして物語に焦点を当て、
緊張感が薄れる事もなく最後まで目が離せません。

舞台はある事件がきっかけで、
{netabare}現代から昭和63年へ。{/netabare}
主人公が記憶の奥底に沈ませていたあの冬の惨劇。
過去と向き合い救わなければいけない大切なもの。

勇敢にも踏み込まなければ道はないのだ。

健闘を祈る。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 99

87.5 2 タイムリープで友情なアニメランキング2位
色づく世界の明日から(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (1142)
4896人が棚に入れました
物語の始まりは数⼗後の⻑崎。⽇常の中に⼩さな魔法が残るちょっと不思議な世界。主⼈公の⽉白瞳美は17歳。魔法使い⼀族の末裔。幼い頃に⾊覚を失い、感情の乏しい⼦になった。そんな瞳美の将来を憂えた⼤魔法使いの祖⺟・⽉白琥珀は魔法で瞳美を2018年へ送り出す。突然、⾒知らぬ場所に現れとまどう瞳美の視界に鮮烈な⾊彩が⾶び込んでくる…。

声優・キャラクター
石原夏織、本渡楓、千葉翔也、市ノ瀬加那、東山奈央、前田誠ニ、村瀬歩

お茶 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

もし既視感があったとしても

率直な感想は綺麗でPAらしい作品で観て良かったです。
ただ、本作は青春らしさを感じさせるには少し恰好付けすぎな部分も否めませんが、
これがPAの作風だと構えていたのでそれはそれでアリなんではないかと思います。

本来このような物語はもう少し均等にキャラを描写したり、思いのたけを青春らしく真っ直ぐ伝える作風が好ましいのではないか、とも思いますが、観ている最中はそこまで気になりませんでした。それは本作の登場人物がとても繊細である意味奥ゆかしいというか、まあ陰キャラなわけです。そのようなキャラ設定から生じる陰にこもってしまうかぜも、本作の味なんだと思います。

グラスリップでのSF要素は中途半端に放置されていたので、あまり好印象ではありませんが、今回のそれはしっかりと物語に汲みされていたので、私は概ね満足ですし、魔法などといった要素は物語のアイテムにすぎないPA風といったところで、観る前の視聴情報で本作の受け取り方が大きく変わってくるとすごく思います。それが観た時に良しとなるか、どうかは作品次第になりますが、最近は特にPAだけに限らず、アニメ会社を意識して観るようになっていますが、観る前に情報を入れなくても、ああこの会社か、と分かるくらいに、アニメーション会社の作風が固まってきている気がします。それと同時に似たような作品になってきてしまっている感が、私の中では否めません。

それでも新しい作品は次々と生まれているのは実感しますし、似ているからといって、それを悪いことだとは思いません。0から1を作れる時代ではありませんし、1´や2を創造し視聴者に魅せることも容易いことではないと感じます。アニメ単体の話題から逸れてしまいましたが、本作の色づきの受け取り方は、キャラクターの性格から鑑みれば妥当な行動で、それが求めていたものと少し違っても、他の作画なりの項目で多くの人が完走できたと考えると、色づく世界であったのだと感じます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 44
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

こぼれたあの色

P.A.WORKS制作。

色彩を知覚できずモノクロの世界で生きる少女。
彼女は自分に魔法をかけた、
{netabare}わたしは幸せになってはいけないと。
17歳の未来の少女が、
時の魔法で17歳の祖母に出会う、{/netabare}
魔法が日常に存在する青春ファンタジー。

この物語には、小さな魔法があり、
心のサプリや探し物を見つけたりと、
日常にそっと寄り添う形で存在しています。
{netabare}少女はなぜ色彩を失ったのか、
少女に色をもたらした絵を描く少年との出会い。{/netabare}

夕焼け、朝露、夜空の花火と、
色彩の世界を描くだけに風景は美しい。
美しいものを美しいままに描く、
こぼれたことば、こぼれたあの色。
色の溢れる世界を取り戻す、
世界を肯定する物語になればと思います。

最終話視聴追記。
言葉より絵や色彩で魅了する作品です。
{netabare}テーマに沿って上手くまとめたのでは思う。
ただこの主題と絵の表現力があれば、
劇場版の尺で良かったのではと思ったり、
映画なら傑作に成り得たかも知れません。{/netabare}

美麗なOPが記憶に残りますね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 93
ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

アズライト

色が見えない少女がタイムスリップするお話。

1話
{netabare}
主人公の月白 瞳美は色覚異常で周囲と馴染めません。
周囲が夢中になれる風景であったりを共有できない。
人と馴染めない分、周囲のイメージと違って、瞳美は純粋。
本作がテーマとして扱っている「色」について、
色が見えないから、哀しい、と言うわけではなく、
哀しいから、色が見えないように感じました。
母親との別離、年数の経過、友人の欠如、そういったことから色が見えないのかな。

瞳美は魔法なんて大嫌いという。魔法使いという自分の家系に対するものか、「一人でも大丈夫」という魔法を使ってしまう、自分の心の弱さに入り込むからだろうか。
葵 唯翔の絵(デジタルで・・・)により、瞳美の世界に色が戻る。

今作が瞳美の色を取り戻すためには、何が必要であるのか、それを追っていくことは必要でしょうね。
その中で、心が純粋で脆い瞳美の、細やかでいじらしい感情の動きを期待しています。

サブのポイントとしては、自分の元々持つ、魔法使いと言う血筋や、一人でも大丈夫となってしまった現状で友人の存在について、どのように肯定していくのか、と言う部分を重視してます。

それにしても、瞳美の髪が銀色なのは外人の血でも入ったのだろうか。琥珀ばあちゃんもしくは瞳美の親は外人と結婚したのかな(笑)
キービジュでは、色はそんなに銀色じゃなかったから、アニメ的表現だろうか。
{/netabare}

2話【モノクロ】
{netabare}
二話で多用された瞳美のモノクロの世界と色のある世界の一瞬の切り替え。

モノクロ写真は、色、という情報が抜け落ちて、過去の事象(写真の中に収めた物)をみています。
その時、私は、写真を取った時の時間の流れよりも、自分の生きている時間の流れが、はやいような気がするのです。
なので、瞳美の世界は、私の生きる時間とは少し時間の流れが違うような、そういう錯覚を覚える印象を受けました。

また、色のある世界から、モノクロの世界に変わるシーンは、私の感じる世界がこう見えて、瞳美の世界がこう見えてしまうのか、そういうショッキングさが感じられて、瞳美の抱える色覚障害というものが、瞳美に与える影響の大きさを納得してしまいましたね。

{/netabare}

3話【暗示】
{netabare}

今回は瞳美に対して暗示によってどうなるか、というアプローチがなされていましたね。
ポッキーを杖代わりにした時も(ポポッキーとかいってたかな?)、
曾祖母である瑠璃が「初心者はこういうものをつかったほうがやりやすい」
という事を言っていましたね。
つまり、魔法使いのオールドなイメージ、大きな帽子に杖を携えたような、そんなイメージで、なりきった気分になったほうが使えるということかもしれません。
それは、私は魔法が使える、という思い込み、自己暗示を掛けやすくなるための一つの手助けでしょうね。

そのほかにも、水色の星砂を撒いたので水の上を歩けると思い込んだ瞳美の思い込み、
人に色が見えないことを隠す理由にある、他人への思い込み、
モノクロ写真なら自分にもできるかもしれないという、希望のような思い込み、自己暗示。

彼女が色が見えないことや魔法が使えないことは、彼女自身が自分にアレができるコレができると思い込めるような自己肯定によって、解決されるのかもしれません1ね。


{/netabare}

【魔法が解けるとき】
{netabare}
二話で瞳美が「魔法なんて大キライ」という言葉を、前篇と後編で使い、その心境の変化を、表情や声色で表しましたね。
この言葉を自己暗示のように繰り返していた瞳美。
「一人でも大丈夫」という言葉の小さな魔法、思い込みのように、この言葉も小さな魔法なのかもしれません。
それが二話の後半で言った「魔法なんて大キライ」という言葉はどこか魔法が解けかけたような…そんな印象になりました。
{/netabare} 

4話【世界】

{netabare}
一人のか弱い少女のお話と見ていましたが、世界との向き合い方、セカイ系っぽいお話をするかもしれません。
「魔法の力を与えてくれたこの世界に恩返しがしたいの」
そういった60年前のババ…(ゲフンゲフン)琥珀は、瞳美からみて、大人に見える、もしくは先を見ているように見えたでしょう。

琥珀が作品中で悩みであったりとかを抱えるかどうかは、作品の最終回に深く関わってくるでしょうね。

琥珀は世界を肯定しており、作品世界の理の一部である「魔法」を肯定しています。
つまり、瞳美は、世界の理である魔法の力を有していながらにして、否定していることが、色が見えない原因になっているのだと、今回感じました。
潜在的な瞳美の魔法の力が琥珀の魔法によって引き出されたことからも、彼女の心によって色が見えないことを、彼女の中に内在する魔法が作り出しているのでしょう。
でもそれって…少しおせっかいな世界かなと、思いもするんですよね。

また、写真部の皆の恋や物語も平行して進んで言っていますが、一つ一つの物語に意義があり、それぞれの物語が最終的に帰結する場所へ意味があることを期待させて頂きます。

{/netabare}

5話【魚】
{netabare}

今週は写真部の女性メンバーのあさぎの恋を回収する話も絡めてましたね。
あさぎの恋が、あさぎを成長させる要因として作用する方向に持っていったのは素晴らしいと思います。
ただ、主人公である瞳美をあさぎの成長の間接的な原因としたポジションにおいたままだったため、瞳美とあさぎの距離は縮まっていないことが気がかりです。

さて、今回は瞳美が葵に渡した星砂(懐かしい思い出の星砂)、それをつかうことによってあおいが金色の魚を見るという展開がありました。
ひとみが魚をみたときは、あおいのデジタル絵を見たときです。
つまり、星砂が魔法の類であるならば、あおいのデジタル絵は、別の魔法がかかっているのかもしれません。それは、あおいが絵に込めた思いが、魔法として絵にかかっているということであってほしいですね。


{/netabare}

6話【写真】

{netabare}
今回は色々転換点になりそうですね。

まずはあさぎの恋ですが、部長との関係を「小学生時代の関係のままで良い」から、変えたいと思ってあのように部長の手を振り払った。あさぎの拙さが残るコミュニケーション方法にとても青春を覚えますね。

次に、あおいの絵の中に瞳美が入ってしまったことについて。
情報が多いので整理しましょう。
①絵の中に入る時、アズライトがモノクロの世界で光っているように見えた
②絵の中の奥には、死んだ金色の小魚、死んだ大きな金色の魚がいた。
③瞳美が絵の中の奥で立っていた場所は瞳美曰く「荒れた場所」
④絵の中には渦まきが中心にあるような湖(もしくは海)があって魚はそこにながれた。
⑤渦巻きの中心に行こうとする魚を、網のような物を持って捕まえようとしていた人がいた。
⑥絵の中の事を聞かされたあおいは、なにか思うことがありそうだった。

では、内容を考えてみましょう。
まず①については、絵に入ったのは瞳美の魔法によるものであるという事の裏づけでしょうね。アズライトは魔法の力を増幅させるような意味合いを持ち、それを描いたものです。
②について、これについての疑問点は誰の心の内を描いたものであるのかという事。
これはあおいの心の内を描いたものであるのか、それとも瞳美の中なのか。
というのも、⑥のようにあおいは自分の絵に対しての迷いを描いているように見えつつ、後半で瞳美に色が見えるようになるとき、彼女の心の変化によって大きい魚の状態が変化することがあることが、この描写の疑問点です。
この疑問点については保留しておきたいですね。④と⑤を理由として解釈すると、小魚はあおいの心のもの、大魚は瞳美の心のものであるかもしれません。

③番についてですが、瞳美があおいに、瞳美のために絵を描くから見てほしいという言葉で、荒れた場所に色がついたことから、瞳美のポジションを表現したように見えます。

さて、絵の中についてはこれくらいにして、瞳美の世界に色がもどったことについて考えます。
あおいの干渉によって瞳美の心が変化したために色が見えるようになった、ということは、誰が見ても間違いないでしょう。
なぜ色が見えるようになったかについては、色が見えるようになったとき魚が登場したため、色の見える見えないは魔法の関係していることは明らかかと思われます。
色が見えるようになったときに死んだ大魚が金色になり蘇った事については、瞳美の心の中での変化をえがいたものでしょう。
あおいの干渉というのが、「君のために絵を描くから、君に完成した絵を見てほしい」というのですが、魔法を作り出しているのは瞳美であるために、瞳美の心の内がいまどうなっているのか、という事が重要なのです。
色が見えないのは瞳美が世界を肯定できないせい、と以前書きましたが、
あおいの干渉で、瞳美が世界に肯定できるものが出来た、と考えると、
おのずと今後の展開が見えて来るような気がします。

それと、魔法写真美術部が仮装をして写真を取りにいったとき、瞳美が道のブロックの写真を取っていることが非常に印象的に見えました。
その残った写真は他の人が見ればただブロックを取っている物にしか見えないかもしれない。ですが、写真を取った瞳美がその写真を見れば、この時どういう思いで写真を取ったのか、他に心躍るような景色はそこにあったのに、ブロックを取った理由。写真という映像を保存する媒体が、人の記憶や感情を呼び出す装置になるというのが、とても面白い描写でした。

{/netabare}

7話【好き】
{netabare}
今回は胡桃回でしたね。個人的には胡桃に共感をもてた良回のだけれど、進路の話と捉えるととたんに面白くないと感じる方もいるかもしれません。
私は今回は、「好き」を強く意識させられる回だったと感じています。
その「好き」とは恋愛感情におけるものではなく、物事に対しての「好き」ということ。

物語を考える前に、少し胡桃の状況を整理しましょう。
①胡桃は人生をかけるほどの好きなものが無いことに悩んでいる。
②胡桃の姉が好きなものを仕事にしたことをすごいと思いつつ、①の自分と比較して、劣等感を感じている。
③劣等感を感じていた胡桃であったが、千草によって自分の好きをあせらずに見つけることを気付かされた。


私が共感を感じたのは、胡桃の姉への感情。姉へ尊敬を見せていると同時に劣等感にさいなまれている彼女に、未発達な高校生としての悩みとして適当であることを感じました。
物語としてのこの悩みへの解決について、千草という部内でも胡桃に近い存在であり、お調子者的な性格である事が、よい解決を迎えた理由だと思います。

私なんかは胡桃に対し、自分は自分、他人(姉)と自分を比べるな、と、彼女の好きが見つからないことに対する回答とは別の頓珍漢なことを言いたかったのですが(まあそれは、胡桃の姉に対する劣等感に対しての意見なのですが)、千草は、ひとによって好きの度合いは違う、好きなものはいつか見つかる、あせることはないと、いつもの調子で言い、胡桃を救い上げました。これが胡桃の側にいて、そして高校生であり、お調子者である千草の考え方であり、登場人物の性格の提示がとても上手くいっている回だと思われました。


ちなみに「ヴィーナスの重荷」というタイトルから、荷物を置いて、走りだす胡桃や千草のシーンを考えると、ヴィーナス=胡桃であり、胡桃にとって、好きなものがなければならないというような、足かせのような考え方を重荷と考え、それを置いて走り出すことが、胡桃の悩みの解決シーンとしてさわやかさを演出していましたね。

{/netabare}


8話【光】
{netabare}
さて、いよいよ来ましたね。今まで世界を祝福してきた琥珀のアイデンティティを脅かそうとする展開が。

瞳美の「(未来に)帰りたくないなあ、ここにいたいなあ」という発言が琥珀の気持ちを大きく揺り動かしました。

では、琥珀がなぜその発言で動揺してしまったか。
琥珀は、世界を自分に魔法を与えたことを肯定しており、感謝しており、恩返ししたいと考えています。
その恩返しの手法として、魔法で人を幸せにしたいということで、人の願いを魔法で叶えるために、魔法の勉強にまい進してきたわけです。
瞳美に対しても、いつか帰りたくなるだろうと思い、自分が未来から送ったこともあり、その願いを叶えるために、時間遡行魔法の練習を積み上げていたわけです。
しかし、瞳美の今の思いは異なりました。この時間にいたいという瞳美の願いに対して、モノローグとして「私は魔法で人を幸せにしたい、でも魔法で人を幸せにするのは本当に難しい」と語ります。
琥珀の中に流れた感情を整理しましょう。
①瞳美が幸せだと思うことを叶えてあげたい。
②未来に帰すことは瞳美の幸せだと勝手に思っていた(瞳美は未来に帰りたい?という琥珀の問いは、琥珀自身なら帰りたいと思うエゴイスト的質問だった)
③瞳美のここにいたいという気持ちを、全肯定できない。
④瞳美のこの世界に留まらせることは、瞳美のためになるのか、それとも、幸せになるのか
つまり、琥珀は瞳美は元気になったら帰りたいだろうという、琥珀視点で考えていたのですが、そうではなかったため、瞳美を幸せにする方向性が見えなくなってしまったことが、動揺した理由だと見ています。

この状態に入ったことで、琥珀は瞳美の幸せにすることがどういうことか、自分が魔法で人を幸せにしたいと思っていたがその具体的方法を考えるようになるのはかもしれませんね。
その過程の中で、現状魔法写真美術部のグループの中で誰に支えられることなかった琥珀が、グループの中でのやり取りを通して変化していく展開が見られるんじゃないかと期待しています。

そして、その問いの中に、琥珀が上手くいっていない時間遡行魔法に必要なものが存在しているんじゃないかなと、考えるばかりです。


さて、本筋以外の話から読み解きますが、今回では瞳美の取る写真が雰囲気が変わった事を部内の皆に指摘されていましたね。光の意識が出てきたと。
この作品は色づきを大事にすると共に、光による煌きが重要視されていますが、それを強調するのと同時に、光の当たらない闇の部分を見ることもあるということです。

以前の瞳美は、「光なんていらないという写真が多かった」と部内の人間から言われています。では、瞳美がどこを見ているか、という視点で考えると、部内の人に色が見えないことを告白していない時は、彼女は闇を見ていました。それが告白後は、光を見ている。

つまり、瞳美が今の時間にいることで、色が見えるという希望の光に囚われているならば、光の当たらない闇の部分は、瞳美の目に入っていないもの、魔法写真美術部に依存し、彼女の自立という部分の視点が、瞳美には見えていないという指摘が、琥珀の動揺のシーンにはあるのかもしれません。



追記です。ここからは、琥珀という登場人物について、やはり考えなければだめだろうということを感じています。
私の琥珀に対するイメージは、本音をぶちまければ酷いものですが、
瞳美に対する、私は経験あるからわかるよ感
琥珀の大人びた仕草についているニセモノ感
思春期を経験していないかのような家族との関係
まあ、他にもいろいろ言いたいのですが、それは上記のものと類似事項になりそうなので控えます。
上記のものからもわかるように、琥珀を非常に大人びて見せていますが、素人目にもわかる、うそ臭さ。
この感情を悪いように考えるのではなく、製作者の意図するものだとしたら?
現に8話、あの冒頭で琥珀が「世界にありがとうといいたい、世界に恩返しすることに決めた」なんて、普通の人ならありえないほど世界を最初から肯定するわけです。意図して一般人と乖離、もしくは他の登場人物との差を示しているようにしか見えません。
つまり、この8話から、琥珀の性格が、周りの高校生と乖離しているように見せきったところから、いやいや、彼女にも、弱くて、同年代の子に支えてもらいたい事や変わる事ができるんですよって事を示してくれるんだと、期待しています。
{/netabare}

9話【時間】
{netabare}
今週を告白回と捉えるか、ショウ回と捉えるかそれが問題だ!
はい、ということで、今回はショウ(部長)という人に焦点を向けた回だと思っております。
一番印象深いシーンはあさぎと一緒にショウが撮った写真を見ながら会話するシーンで、ショウが写真で取ったその時間について語っているときです。
日々流れていく人の営みを眺めて、その日常を肯定、愛おしいと思っているのではないかと感じさせてくれます。
同時に、その写真が瞳美と一緒に行きとったものであり、ショウが瞳美を意識していることからも、未来に帰ってしまう瞳美に対する、今一緒にすごしている時間が一瞬かもしれないという辛さを含んでいることも伺えるのかもしれませんね。
{/netabare}


10話【友達】
{netabare}
意外にもあさぎと瞳美のすれ違いはすぐに終わりましたね。
あさぎと瞳美の距離感が埋まっていないことは以前の回に書きましたが、今回の事でかなり近づいた事から、方向性は間違っていません。ただ、物語の構成として、重大なことに見せかけて次の回であっさり解決させてしまうのは、正しいのか、少し疑問です。

さて、今回瞳美の親について、触れられました。
瞳美がショッキングな出来事により色が見えなくなったことは、1話で書いたときにも触れましたし、作品内で瞳美自身が色が見える時期があった事は匂わせていました。
幼少期の瞳美を置いて出て行ってしまった瞳美の母親、ようはネグレクトというものですが、この出来事は母親だけが問題ではないことは、あおいが瞳美を励ます時にいったとおりです。瞳美の母親がネグレクトした原因は、様々な原因に寄るものです。
今回のネグレクトの事案について、琥珀自身はどう考えているでしょうか?
魔法の力を与えてくれた世界に感謝したい琥珀、その琥珀の子供は魔法の力を有さない。という事は、琥珀の子育ては、容易ではなかったはず。
世界に祝福された人間が、祝福されていない人間を育てるようなものです。
どこかで琥珀とその子供の歯車が食い違い、子供の性格に影響を与えたと考えます。瞳美という子供が母親に自分の魔法の力を見てもらい喜んでもらおうとすることに、喜びの感情を得られなかったとするなら、それは瞳美の母親の人格を形成した環境に原因があります。
正しく、いや、100%正しいなんて事象は存在しませんが、もし魔法が使えない母親が、魔法が使える子供が喜んで使う姿を見たときに、その母親が経験してきた、魔法が使えなくて苦しんだ経験を、子供は経験しなくて済むんだと、安堵と喜びを覚えるのが、ゆがんでいない人間です。
そのゆがみがこの瞳美の母親には存在し、周囲の環境、親である琥珀を含め、そういったところからネグレクトの芽は生まれているのだと感じました。
瞳美が色が見えなくなったのが母親のネグレクトだけが原因とするなら、ネグレクトするような母親を作ったのは、琥珀だという事が言えますね。

そしてその話題について、作品内で琥珀に自分の子がネグレクトをする未来が打ち明けられるか?という疑問が出てきます。
シュタインズゲート曰く、世界線の収束により、そのことが伝えられても、琥珀は瞳美へのネグレクトの発生を止めることは出来ないでしょうね。
もしくは、タイムパラドックスの回避のために、そのこと自体が伝えることが出来ないという事になるかもしれません。伝えたらネグレクトが発生しなくなるので、瞳美が過去に来る未来がなくなり、過去にいる瞳美は消滅もしくは帰還するかもしれません。

ラストシーンに瞳美が過去に来た理由を考え始める描写があります。
瞳美は自発的に過去に来ていないという事を含めると、過去の琥珀にその理由を尋ねるところから始まるかもしれません。
しかし、未来の琥珀は「いけばわかるわ」という言葉から、誰かに教えてもらうようなことではないことであるのは明確です。
個人的な考えですが、写真部の人間との会話の中から考えると、この写真の時はこんな事があったよねということを思い出せる、だとか、非常に仲間内での出来事を重要視している事が伺えます。
瞳美が写真部の友達たちと共有した時間の中から、過去に来た答えは瞳美自身により導かれるのではないかな。

それと、今回の見所は、瞳美が泣きじゃくりながら、自分に怒っているシーンですね。ないている内容についてはいいとして、悲しんだり怒ったりする感情の爆発が、瞳美には必要なんだと表現してくれたシーンでした。
つまり様々な感情が彼女の世界の色付きを形成してくれるということなのかもしれませんね。
{/netabare}

11話【琥珀】
{netabare}
他のレビュワーさんのレビューを見る限りでも、良い印象ではない回であることは確かです。
私も、この回について、違和感が感じた事があるのでそれを整理します。

まず、前回までに何も触れていない時間魔法に対する世界の修正力がいきなり出てくる。これは単純にダメですね。
つぎに、前回で過去に来た意味を瞳美が考え始める描写があったが、今回はそれに全く連続性が無い。
これは個人的な感想に入るかもしれませんが、琥珀のおしつけがまさMAX。世界が瞳美を消しちゃうんだからしょうがないといって、グループの意見を納得させることを1話の中で消化するという、急ぎ足で無理やり話をまとめた感を出しています。瞳美の意思と、琥珀の意思がまだ反している演出があるところは、まだ琥珀に期待したいですね。

そして、瞳美とあおいの恋愛については、紙飛行機を追いかけていったら、二人が出会うのはまだわかるけれども(あおいの元へという魔法がかかっているため)、あった瞬間抱き合う、そんな関係まで発展していたっけ?という、物語の急変ぶりにショックを受けました。

この11話で残念なのは、やはり琥珀について、舞台装置化してしまいそうな不安が残ります。
今回の琥珀は、時間魔法が成功させることができるかどうかについてばかり不安にしていて、瞳美の心に気づけていない、瞳美がここに来させた意味を考えていないという描写であればいいのですが。つまりこの回を、琥珀の失敗回と捉えて、来週が琥珀の成長回と期待できなくはないわけです。
もし、本当に琥珀が時間魔法をするだけの存在であり、瞳美の心を考える友達のポジションを持っていないなら、琥珀は物語の舞台装置であるという、残念な役回りしか与えていなかったという評価になってしまうでしょうね。


前回の感想で、タイムパラドックス回避のために、瞳美が消滅・もしくは帰還するかもしれないということは書いたけど、今回とは全く文脈が違います。琥珀がネグレクトを発生させないようにしたら、瞳美が過去にくるか?という文脈で話しました。

今回出てきた世界の修正力は、二つの発生の理由が考えられます。(作り手のご都合というものを排除した場合)

まず、琥珀が過去に行かなくて済む未来になったから働いた、というのが物語を良心的に見た場合の感想になります。

次に、琥珀の言ったとおり、本当に世界が元通りの世界にしようと修正するために発生したという理由。こちらが本当になると、魔法という力に向き合って、変化してきた瞳美の成長を描いてきた物語が、なかったことにすべきという力であるわけですが、この方向で本当に物語を進めるか不安ですね。
好意的に見れば、瞳美の取り巻く世界は瞳美を祝福しているようには見えないわけです。しかし、琥珀は自分に力を与えた世界を感謝しており、瞳美に対してあまりにも残酷な運命を突きつける世界に対して、世界を愛する琥珀が、世界に何を思うのか、それが気になりますね。


{/netabare}

【幸せ】
{netabare}

瞳美の色が戻った時、母親と見たときの花火や、過去に行く直前に見た花火を思い起こさせて、とても色彩のあるシーンでした。

琥珀については魔法の神様に瞳美がもう少しこの時間にいることを神頼みしたり、未来に変える直前に瞳美に謝っていたりと、琥珀の無力感が際立ったいました。
同時に、瞳美の心に生まれた気持ちを、「それって幸せってことなんじゃない?」と、言い当ててしまう辺り、琥珀は大人なのか、それとも若者なのか、微妙なポジションに立っています。

今回、「幸せ」が宿ることで、瞳美は色が見えるようになったような、そういう印象を受けました。母親と一緒に見た花火の時は、瞳美のなかに幸せがあったのでしょう。1話に瞳美が「誰かと見ても楽しめない」といった沈んだ気持ちを吐露する場面を拾ってきたのが幸せを強調していました。
その為、やはりストーリーの中で、瞳美の変化を出した表現というのは、作品を見る人に大きな感動を与えてくれたと思います。

最終回への次回予告が「私の色は何色なんだろう」という一言で、アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」を思い出して、空気も読めずクスリとしてしまいました。

それと、先週から引き続いた瞳美とあおいのハグについて、今週見ればわかるとおり、まだ瞳美もあおいも自分の好意を伝え切れていないように見えました。あのような熱いハグをしておいて恋人関係まで発展しない所が、この二人らしいですね。

最終回を前に少しおさらいといいますか、拾われているかわからなかった描写について。
あおいについて。最初に瞳美があおいの絵の中に入った時、大きな渦の中心に導かれる魚と、それを捕まえようとする影。この描写はあおいの悩みを含んでいたと考えるのが良いでしょうね。あおいの悩みが解決されたと同時に、この描写が示していたことは提示されたのだと思います。
あの金色の魚は、あおいが幼い頃に書いた絵ですが、瞳美との関係は、最終回、明らかにされるのでしょうか?楽しみですね。

それと私がずっとイメージしてきたこの作品の作品像について。
OPの映像で、魔法写真美術部のメンバーが揃って同じ方向を見て並んでいるシーンがあります。同じ時間を共有し、様々な悩みや青春を共に助け合い語り合い経験し、そして繋がりが強くなった友達を得ることが、この作品に求めていたことでした。
だから、琥珀だけが、その輪の中に入りきれていないのが、はがゆかった。
私は、琥珀がもっと魔法写真美術部に、精神的に心をおいてほしかったのだと思います。魔法がうまくいくように、部の皆の協力を得る、ではなく、琥珀自身のメンタルに仲間の存在があって欲しいと思い続けていました。

最終回、どのような物語になっても、私はこの作品を好きでいられると思います。

{/netabare}

13話 【色】
{netabare}
ほぼすべての伏線の回収回なので、非常にすっきりした部分が多いですね。
まず、色について。今作品は陰影による表現を活かしていましたね。光によって照らし出される明るい色と、その光によって生まれる暗い色。明るい色も暗い色も、どちらも併せ持って自分を好きになってほしいと、あおいは瞳美に言い残しました。それは、色とは、瞳美の持つ様々な感情の部分であり、それを肯定することで、瞳美は自分を好きになれる、もしくは母との離別に対する後悔や自責の念に向き合うことができるのだと感じました。

次ですが、未来の琥珀が人生の後悔について語ります。彼女が近くの人を幸せに出来なかったこと、このことについては、琥珀の娘について、魔法が使えないことについて、親族からの目から守ることが出来なかったことや、そして瞳美についてもそれによって色を見えなくしてしまったこと、その後悔が含まれていましたね。
つまり、作品内で17歳の琥珀という人間が成長しない理由は、
60年後にようやく過去の後悔を吐露する未来が決まっていたからでしょうね。
つまり、琥珀が家族に対して省みる力は、60年前の琥珀にはなかった。琥珀が60年前の時点でただの青年であった事を示したのではないでしょうか。

以下、最終話で気になった事。
魔法写真美術のお別れの言葉を言い合うシーンがリアルすぎる。
あおいの絵だけ色が見えることの理由。ずっと好きだった絵本だから、ということなのかな。世界を肯定しているか、の話と絡めると、あおいの絵、または絵本の中の世界が瞳美は幼い頃から好きだったから、色が見えたのかな。

色が見えるようになった理由。これは瞳美の気持ち、世界に色が溢れているという、世界に対して好きになれること、この辺りの問題提起を解決してくれたと思う。
60年後の琥珀が仕掛けた魔法が、琥珀の気持ちを汲み取る魔法であった事。今の琥珀には気持ちを汲み取る力が欠けているので技術的に無理というより人間的に無理なのだろう(ちょっと琥珀に厳しすぎる見方かな?)。



{/netabare}

まとめ
{netabare}
技術的なことや芸術的なことはわかりません。わかりませんというのは、人によって美しいと感じるものは人それぞれだと考えているためです。
特定の色に弱い色覚障害を持った人に、その色を美しいよねといっても、共感が得られない疑問にぶつかってきました。華やかだよね、という言葉ひとつとっても、それぞれの華やかへの定義が違う事に悩んでいました。

この作品において私は、モノクロによって強調された世界であったり、日の当たり方、世界の時間の流れによって作り出された美しいワンシーンであったり、人の感情が抑えきれない時の姿を、直感的に美しいと感じることは出来たと思います。(ただ、私は作品内で色鮮やか、といわれるシーンの一部が、何が素晴らしいのか、よくわかりませんでした。それが人と私の違いだと思います。)
どうやったらこの作品の作画を述べることができるのか、ずっと考えてきました。
ですが、私はアニメの技術的なことは素人であり、直感的に感じた事を、何かしらの言葉にするしかないという考えになりました。それは、美しいと感じた時の感情、喜び、ときめき、わくわく、そういった私の中から生まれる1次的な感情を、性格の違う他人にロスなく伝え、共有したいと考えました。それらの感情を得た時に初めて、作画が良いと、言うことができるのだと私の中での定義ができました。時には、感情が異なりぶつかり合うこともあるけれども、その事象ですら、私はこの作品では悪いものだとは思わなかったです。それは押し付け合いではなく、相互の感情への理解によって生まれるのだと感じています。

この作品は、仲間と共有する時間、時間そのものは世界にある物として、その時間の中で共有した感情の愛おしさを、感じさせてくれる作品でした。

{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 60

84.3 3 タイムリープで友情なアニメランキング3位
リトルバスターズ! 〜Refrain〜(TVアニメ動画)

2013年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1527)
7992人が棚に入れました
深く、どこまでも深く――。
理樹の意識は暗い闇へと沈んでいった。
壮絶な事態が進行する中で、理樹は何もすることができない無力感に苛まれた。
―なぜこんなことになってしまったのだろう―理樹は自問自答し、自分の弱さを乗り越えるために現実に抗うことを決意する。
「この世界の秘密」の真意、願いに応えるために、未来を笑顔に変えるために──。

声優・キャラクター
堀江由衣、たみやすともえ、緑川光、神奈延年、織田優成、やなせなつみ、すずきけいこ、若林直美、田中涼子、河原木志穂
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

1期からの伏線の先に~

原作未プレイ 全13話

リトルバスターズの2期です。1期から観ることをオススメします。
前回は主要キャラのそれぞれのお話がメインでしたが、今回は主人公の直枝 理樹(なおえ りき)とヒロインの棗 鈴(なつめ りん)がお話がメインですね。

最初は、1期ではなかった来ヶ谷さんのお話でスタートしますが、何がどうなっているのか分からないまま終わりました。でもせつないですね。{netabare}(嫌がらせを受ける小毬とクドリャフカを守るため嫌がらせをしている相手に蹴りで脅すシーンはドキドキしましたねw){/netabare}

だんだん意味が分かるようになって来たのは後半に入ってからですね。

後半はハラハラドキドキ、どういうふうに終わるのか毎週待ち遠しかったです。
{netabare}恭介の涙にこちらも思わず泣いてしまいました。{/netabare}

作画も1期より丁寧な感じがしますね。
理樹と鈴の心の葛藤も丁寧に描いてました。

1期ではこの先どうなるのか不安で、ファンタジーなので分からない要素があるのは仕方がない部分はありますが、ある程度伏線が回収された感じで良かったですね。

1期は明るくコミカルな部分も多かったのですが、2期はコミカルな部分を抑えてシリアス展開なので、好き嫌い分かれそうな作品です。私的にはこちらの方が好きですね。

OP 切ない雰囲気が作画と曲にマッチしてましたね^^
ED OPとは逆に明るい曲ですね〜

最後に、どうして野球だったのかよく分かりませんでしたw

投稿 : 2024/12/21
♥ : 37
ネタバレ

ぴの@ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

チーム名は…リトルバスターズだっ!!

2013年秋、放送開始。全13話。
リトバスの続編ということで、いよいよ物語の核心へと迫るみたいですね。
Key作品なので、どのように感動させられるのか期待してしまいます。

個人的には、京アニに作ってほしかったですが…

見たらレビュー更新します\(^o^)/
---------------------------------------------
めちゃくちゃOP、ED、ともに好きです。すごくうれしいですね。評価はまだまだ変えるつもりです。


感想
【第1話】「それは突然やってきた」
{netabare}ついに待ちに待った2期放送開始。期待を裏切らない出来で、本当によかったです。戦慄が走りました。作画も崩壊してないし、JC、グッジョブです。今後も期待して見続けます。

今週の名言 来ヶ谷>この、クソがぁーーーーー!!!{/netabare}

【第2話】「そのときも雨が降っていた」
{netabare}来ヶ谷編、第2話。
来ヶ谷が理樹のことを好き!? なんか急展開ですね。
そこで、恭介はオペレーション・リトルラブラブハンターズというものを始めました。アニメだと、よくある展開です。花火以外は… とても花火はきれいでした。作画に力入ってます。
あれ、ラスト同じ日にちを繰り返してる???{/netabare}

【第3話】「ずっとここにいたかった」
{netabare}来ヶ谷編、最終回。
6月20日が繰り返されている。それは来ヶ谷が願ったから… ここからリトバスの核心に迫っていきますね。
ただ、願うだけで日にちをループできるのはどうかと思いましたが、それはこの後の物語につながる伏線だと思いましょう。
後半部分、ほんとによかったです。曲の入り方…絵の演出…、JC完璧です\(^o^)/ また、あのEDの音楽も大好きですね。この回は名作回ではないでしょうか。{/netabare}

【第4話】「理樹と鈴」
{netabare}待望の鈴編、第1話。
鈴編がはじまったみたいですが、来ヶ谷がいないような…
そして、いきなり理樹と鈴が付き合い始めましたね。なんかお似合いです(笑)
そして、猫が世界の秘密を教えるための最後のミッションを持ってきました。クラスで立候補って何にだろう…{/netabare}

【第5話】「最後の課題」
{netabare}鈴編、第2話。
県議会の人に選ばれることになるとは…
鈴が頑張って学校案内をしている姿がなんかかわいいです♪で、なぜ鈴が併設校に行くことになるんだ??
県議会の人は間違えてしまっているんじゃないか?と1人思うめんまであった… {/netabare}

【第6話】「逃亡の果てに」
{netabare}
鈴編第3話。
話がだんだん重くなってきました… あんなに鈴はつらそうなのになぜ恭介は助けに行ってはだめというのでしょうか…
なにか事情ありのようです。
そして、理樹と鈴はついに逃亡しちゃいました。ラスト、警察のひとに見つかって終わってしまいましたが、どうなるのでしょうか…{/netabare}

【第7話】「5月13日」
{netabare}!? いきなり話がとびましたね… なんで、いきなり恭介が引きこもりに!? 話についていけません… 原作やっている人ならわかるのでしょうが…
なにやら理樹と鈴が中心となってリトルバスターズを作るみたいですね。おもしろそうです♪{/netabare}

【第8話】「最強の証明」
{netabare}真人編。
理樹と鈴がリトルバスターズに真人を誘うのになぜか断ってしまっています…
それどころか、暴走してますね…
トラップの方法はうまかったですが、まさか石像をもって歩いてしまうとは… さすがいつも鍛えてるだけはある…
最後の理樹が真人を倒すところが、昔の恭介とかぶったシーン、感動しました。
EDも卑怯だぁーーーー…(笑){/netabare}

【第9話】「親友の涙(とものなみだ)」
{netabare}謙吾編。
謙吾はなにかと理樹がリトルバスターズを作ることをやめさせようとしてきますね。そして、自分が理樹や鈴を守るという使命感もあるようです。
そして、理樹は謙吾を仲間にするために、恭介と同じように力で勝負しようと野球の試合をしました。
理樹がホームランをうち、謙吾が泣き崩れるところに感動です(:_;) そこでの卑怯なsong for frinds… 泣かないわけにはいきません!
そして、次回はついに恭介です♪{/netabare}

【第10話】「そして俺は繰り返す」
{netabare}恭介編。
今回はどちらかというと過去を振り返る話でしたね。理樹と鈴を救うためにメンバーのみんなが協力してくれたこと、どれだけの時間を理樹が絶望しないよう成長するために使ってきたかを恭介が思い返す回でした。
なんだか切なくなります…
そして、恭介が血の中をはっている場面がまだこの回だとよくわかりませんでしたが…
そして、最後についに恭介が理樹の手をとりました!ここからどうなっていってしまうのか…
EDにBoys be smileが使われていたのが印象的でした。{/netabare}

【第11話】「世界の終わり」
{netabare}この話はリトルバスターズで一番泣ける話だと思います… この回を初めて見たとき、大泣きしてしまいました(:_;)
恭介や謙吾、真人が消えていくお話です。
この世界は、鈴や理樹を成長させ絶望をさせないために他のみんなが作った… すごいことだと思いましたw でも、それに全てをかけてリトバスのみんなはこの世界を作ったんですよね… なんて友情が深いんだろう、すごくいい仲間ですね♪
最初に真人がボールを理樹に渡して消え…次に謙吾が未練を残しながらもありがとうと消えていく…そして最後の恭介の「俺だってもっとみんなと遊んでいたかったんだ!!」と泣きながらついに想いを口にする場面… さらにそこでの挿入歌の遥か彼方…
まさしくここで大泣きしなければどこで感動するんだっという感じでした。
この話はレビューを見るよりも実際にアニメを見てもらったほうがいいと思います!(じゃあなんでめんまは感想レビュー書いてるんだよっw)
ちなみにすべての秘密がわかる回です!(それを最初に言えよっw)
とりあえず、見て損はないです♪)^o^(
{/netabare}

【第12話】「お願いごとひとつ」
{netabare}すべての世界の秘密を知った理樹と鈴… もう後戻りすることはできません進んでいくしか道はもうない… 襲いかかる絶望感のなか、必死になって理樹と鈴は進みます
そして、物語は最終回「リトルバスターズ」へ…
まさかEDにboys be smileを持ってくるとはw{/netabare}

【第13話】「リトルバスターズ」(最終回)
{netabare}1期から続いてきたリトバスもついに最終回。長かった…
絶望感をおさえ、未来を信じて理樹と鈴は必死にバスの中から恭介や仲間たちを救いだそうとします! ここでのガソリン漏れを抑えていた恭介…男です!
しかし、最後の1人となった恭介を救いだしバスから少し離れた瞬間、爆発が起こります… まあ結局助かって最悪の結末はまぬがれるんですがw
とにもかくにもみんな助かってよかったです(≧∇≦)
そして、クライマックスの修学旅行に行くぞっ的な終わり方!みんなすごく楽しそうでしたね! ホントハッピーエンドになってよかったです!
なんだか清々しい気持ちになれました♪( ´▽`){/netabare}


全39話、リトルバスターズという物語を駆け抜けていきましたが、本当にいい話でした。いま自分は高校生ですが、こんな学校生活送れたらなみたいな…
もちろん、あり得ませんがねw
1期だけを見たときには、楽しい学校生活にkey特有の感動シーンをつけているだけとか思ってましたが、そんな自分がバカでした…
まさか1期すべてが2期の伏線になっていたとはね…w
そんなわけで2期の伏線回収は半端ないですw

この作品は、どちらかというと大人よりも若い世代に愛される作品だと思います。
大人のひとたちはCLANNADのほうが良く感じてしまうのではないでしょうか?
そんな気がしますね♪( ´▽`)
自分はどちらも大好きですが、しいていうならリトバスをとります。

リトバスはめちゃくちゃオススメできるアニメです!
1期でこれツマラナイやと切ったそこのあなた!是非2期を見てください!
たぶん8割以上の方が評価変わるでしょうw
もし、このレビューを読んでいただけてリトバス見て好きになってくれる方が1人でもいたなら幸いです。良ければメッセにて観た感想くださいなw

ではとても長い長文、失礼いたしましたm(_ _)m



円盤売上表(1期&2期)
○リトルバスターズ! 【全9巻】
巻数   初動    累計    発売日
    BD(DVD)  BD(DVD)
01巻 8,358(1,757) 9,852(*,***) 12.12.26 ※合計 11,609枚
02巻 8,280(1,768) 9,302(*,***) 13.01.30 ※合計 11,070枚
03巻 8,047(1,622) 8,975(*,***) 13.02.27 ※合計 10,597枚
04巻 7,762(1,575) 8,723(*,***) 13.03.27 ※合計 10,298枚
05巻 7,289(1,438) 8,555(*,***) 13.04.24 ※合計 *9,993枚
06巻 7,536(1,505) 8,353(*,***) 13.05.29 ※合計 *9,858枚
07巻 7,344(1,488) 8,176(*,***) 13.06.26 ※合計 *9,664枚
08巻 7,262(1,480) 8,170(*,***) 13.07.31 ※合計 *9,650枚
09巻 7,535(1,514) 8,476(*,***) 13.08.28 ※合計 *9,990枚


○リトルバスターズ!~Refrain~ 【全7巻】
巻数   初動    累計    発売日
   BD(DVD)  BD(DVD)
01巻 8,140(1,561) 9,004(*,***) 14.01.29 ※合計 10,565枚
02巻 7,666(1,440) 8,359(*,***) 14.02.26 ※合計 *9,799枚
03巻 7,406(1,380) 8,308(*,***) 14.03.26 ※合計 *9,688枚
04巻 6,732(1,246) 7,910(*,***) 14.04.23 ※合計 *9,156枚
05巻 *,***(*,***) *,***(*,***) 14.05.28 ※合計 **,***枚
06巻 *,***(*,***) *,***(*,***) 14.06.25 ※合計 **,***枚
07巻 *,***(*,***) *,***(*,***) 14.07.30 ※合計 **,***枚

投稿 : 2024/12/21
♥ : 55

ストライク さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

クラナド越えは難しい・・・(。-`ω´-)

原作:Keyの恋愛アドベンチャーゲーム 未プレイ

第2期目

1期 26話
2期 13話



感想としては、見て損はなかった。

でも・・・
中盤以降は、ず~っと暗い展開で、見てるこっちも気分が沈みました。
それにタイムループのあるファンタジーと解ってからは、
あれ?
またKeyお決まりのパターンなの?
でした。^^;

終盤でタイムループの訳が解った時は、スッキリもしたし、
あのバスの出来事を知ったら、泣けたけど・・・

原作ゲームを やってないからなのかもですが、
何だか この終盤の為に 1期26話、2期13話も作った割には、引っ張りすぎたようにも感じました。
(長くない?)
ってか、終盤の、あの超展開に持って行くのが上手くないと言うか・・・なんて言うか・・・
ウーー( ̄、 ̄*)ーーン… 上手く言えませんが・・・

クラナド作ったKeyだから・・・と、ハードル上げて見てしまったからなのか・・・
イマイチ「感動」「泣き」に関しては、期待ハズレでした。

原作ゲームでは、もっと良かったのかな? 



感動したい!泣きたい!人は、ハードル下げて見る事をオススメします。
(=^・ω・^)キリ


OP: 「Boys be Smile」/ 歌 - 鈴湯

ED:「君とのなくしもの」/ 歌 - 北沢綾香
  「Song for friends」(第3話、第8話 - 第9話) / 歌 - Rita
  「Hanabi」(第6話)/ 歌 - Lia
  「遥か彼方」(第11話)/ 歌 - Rita
「Little Busters! -Little Jumper Ver.-」(第13)/ 歌 - Rita

OP&EDは流石!素晴らしいです。


最後に一言
Keyのギャグって、なんであんなに寒いんだろう・・・
そう感じるの自分だけかな? わふー(/≧◇≦\)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 58

74.4 4 タイムリープで友情なアニメランキング4位
東京リベンジャーズ(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (398)
1495人が棚に入れました
人生どん底のダメフリーター花垣武道(タケミチ)。中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人・橘日向(ヒナタ)が、最凶最悪の悪党連合"東京卍會"に殺されたことを知る。事件を知った翌日、駅のホームにいたタケミチは何者かに背中を押され線路に転落し死を覚悟したが、目を開けると何故か12年前にタイムリープしていた。人生のピークだった12年前の中学時代にタイムリープし、恋人を救うため、逃げ続けた自分を変えるため、人生のリベンジを開始する!

声優・キャラクター
新祐樹、和氣あず未、逢坂良太、林勇、鈴木達央

種馬 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

つまらなさに驚愕する(21話現在)

何が面白いのかサッパリわからない。
現代にヤンキーものがないからなのか?
しかし、世間ではウケている…
どこが面白いのか自分にはまったく理解できず、
それが悔しいが為に継続視聴している(21話)

私は、主観としての評価とは別に客観的な目線も人より持てている自負がある。だがこれに関しては現状完全敗北。
鬼滅の刃も同様に何が面白いの?の心持ちで我慢して観てたが、多少、理解出来るところはあった。

ヤンキーものは嫌いではない。漫画だけど、
「今日から俺は」「カメレオン」あたりは大好き。
タイムリープ的な要素でいえば「カフス」なんかも当時めちゃくちゃハマった。
原作を見ていない上で言うのでフェアではないが、それらと比べるとハッキリ言って超駄作。
面白いって言ってる人の頭の中を覗きたい。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 6
ネタバレ

mimories さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

放送の基準って何なんだろ?

 
原作未読。

(全話視聴後)

いったん脱落してたが機会があったので最後まで視聴。
…て、2クールやったくせに中途半端にぶった切って終了。まあ続き観たいわけじゃないんでいいけど。

視聴者というか読者?の裏をかこうと頑張ってるのは理解するけど、相変わらずキャラが不自然な言動になってるのがツライ。
そのへん不問にできるなら楽しく感じるのかも、最後まで雑な話だったが、思考が必要ない分ある意味ストレスが無いし。

にしても、よくこんなの放送できるな~と不思議に思う。エロい部分に修正入れるアニメがあるけど、このアニメこそ修正入れたほうがよくね? そう感じるオレのがオカシイのかな?

まあ、仮に続編があってもスルー確定の評価。
殺しときゃ刺激的でしょ?みたいなアニメからは刺激を感じないので。

__________

(13話視聴後)

序盤からハードル下げ気味で眺めてたが、その後も断続的にハードルを下げ、生温かい目で視聴中。

気に入らないのは、キャラがストーリーに操られてブレた行動をしてるところ。ソレ絶対不自然でしょ?って行動では感情移入などできないし、制作側が狙った展開に持ち込む意図が透けちゃうから萎える。

おそらく今後もキャラは不自然思考のままだろうし、個人的にはかなり期待値が下がってるが…脱落ラインが近づいてる。

あと、ここまでガバガバな内容は珍しくて苦笑い。{netabare}タイムリープ{/netabare}は基本的に穴があるんで普段わざわざ言わないんだけど、これはなかなか酷くて面白い。というか面白がってる。

__________

(3話視聴後)

いろいろと粗い部分が目立つ。{netabare}例えば…
冒頭のニュースは、7/1の死亡事件を7/2に伝える内容だと思うが、ニュースの前の天気予報が7/2に流すには不自然な内容。それは作品的にどうでもいいんだけど、書いてるとき何も思わないのかな?

その後も結構こまかく粗があるのは残念。周囲に4~5人いる駅の医務室で「君はタイムリープしたんです!」って大声で言っちゃう?とか。特別な能力って描写もあるのに。{/netabare}
すごく評価高い作品ってそういう部分もキッチリしてるんで、これは壁が越えられない作品になりそう…という不安はある。

ただ、少しハードルを下げれば問題なく観れると思うんで視聴継続。
{netabare}主人公の記憶力低すぎる気もするけど、ずっと過去を思い出さないよう忘れるよう努めてたなら分からないでもないかな?みたいに。{/netabare}

結局、作者が思う「カッコイイ不良」を描きたい作品なんだろう。{netabare}授業破壊するようなのがカッコイイとか全然思わんけど。普段ワルぶってるのが少し優しくするギャップ萌えとか嫌いなんで。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 2

scandalsho さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4

力入ってるなぁとは思いましたけど・・・。

原作は週刊少年マガジンで連載中で、アニメ化以外にも、実写映画化と舞台化って凄いなぁって。
力入ってるなぁって。
原作未読の私のハードルが上がっちゃっても仕方ないですよね。

だけど、「タイムリープもの」特有のアラが目立っちゃって・・・。
いや、タイムリープが悪い訳じゃなくて、きちんとしてさえいればむしろOKなんだけど・・・。

12年前にタイムリープして過去改変して12年後に戻る。
当然、タイムリープする前とは異なる12年間の歴史を持つ12年後に・・・。

その場合、その12年間の記憶というのは、どうなるのが正解なのか?
①元の時間軸の記憶はあるけど、改変以降の12年間の歴史は全く知らない。
②元の時間軸の記憶はなくなり、改変以降の12年間の歴史しか知らない。
③元の時間軸の記憶も、改変以降の12年間の歴史も、どちらも知っている。
④元の時間軸の記憶も、改変以降の12年間の歴史も、どちらも知らない。

まあ、実際にタイムリープしたこと無いので、どれが正解かどうかは知らない(笑)。
まあ、どれが正解でもいいと思います。
問題は、『統一感』

本作において、タケミチは①っぽいです。
まあ、これでは改変後の新たな時間軸ではいろいろ苦労しそうだなぁって。
そんなことが気になっちゃって。
まあ、別にいいんですけど・・・。

タケミチ以外の人は当然②っぽいです。
まあ、当然ですよね。

問題はナオト。
元の時間軸の記憶も、改変以降の新たな時間軸の記憶も、どちらも持ち合わせてしまっている。
これって、さすがにおかしくありませんか?
しかも、何度もタイムリープを繰り返すのに・・・。
何通りもの12年間の記憶って(笑)。

あと、別な作品のレビューでも書いたけど、タイムリープは必要最小回数じゃないと、さすがに萎えます。
何度も何度もでは、さすがにチート過ぎる気がする。


作画やキャラデザは好みの問題だから、何も言うまい。(笑)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27

69.7 5 タイムリープで友情なアニメランキング5位
天体のメソッド(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (964)
4744人が棚に入れました
「この町の空には、いつも円盤が共にあった――」
「願いをかなえるために、ここにいる――」

霧弥湖上空に現れた謎の円盤。
出現当時は世界中を大混乱に陥れたが、そこに留まるだけの円盤への恐怖心は消え、次第に観光地となり、徐々に人々の興味も薄れて行った・・・

二人の少女が出会うとき、それは止まっていた時間が動き出す兆し。
想いが人を変えて行き新しい物語を刻む。

中学校生活最後の年。それは一生忘れられない時間(とき)。

声優・キャラクター
夏川椎菜、豊崎愛生、佳村はるか、小松未可子、水瀬いのり、石川界人

ato00 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

美しい風景の中での納得のいかない物語

申し訳ありません。
最初に謝っておきます。
萌絵につられたのが運のつき。
アニメの視聴選定を誤りました。

謎の円盤が浮かぶ観光地が舞台。
4人の女子と1人の男子。
それに、一人の謎の幼女の友情物語です。

最大の問題が、ヘッドホーンの娘。
いきなり「何しに・・・」はないでしょう。
でも、EDの腰振り後ろ姿は、可笑しかった。
それに、不思議幼女は何で生計をたてているのやら。
普通に考えるとおかしいでしょう。
トドメは、何?何?何?のラスト三段攻撃でした。

何故最後まで観たかって?
それは風景が美しかったからです。
聖地は洞爺湖温泉。
火山オタク憧れの地、有珠山へ数年前に行きました。
洞爺湖はもとより、ホテルから見る花火が綺麗でした。
生きている大地を感じられる稀有な場所。
皆さんも一度訪れてはいかがでしょう。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 63

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

能動的な視聴と受動的な視聴と

keyの大ヒット作品「kanon」を手掛けた久弥直樹氏が原案、脚本を担当する
オリジナルアニメ(全13話)。

本作は、演出が非常に繊細で、表情や仕草だけでなく、
背景だったり、さらには何気なく出てくるアイテムを使って
キャラの心情を表現しています。

じゃあ、具体的にどの場面が?と言われると
視聴時には「あっこの演出上手いな」とか思った場面も
今ではもう何となくしか思い出せませんw(役立たず)

なんでこんなことになってしまったのかというと
本作の視聴時、萌え絵然としたキャラデザということもあってか、
ゆる~いアニメを観るような、
ただ漫然と眺めているといった極めて受動的な視聴姿勢だったからでしょう。

今になって思うのは、こういう受動的な視聴をしていては、
本作の良さというのになかなか気付きづらいと思います。

観終わった後に、
「ノエルが可愛いだけのアニメだった」とか
「訳が分からない切れ方をするヒステリックなやり取りがうざかった」とか
そんな感想になるのではないでしょうか。

訳が分からない切れ方というのも、そこにはちゃんと理由があって、
本作ではそれを逐一説明していないから分かりづらいのだと思います。
説明を求めるのでなく、自ら探っていくという能動的な視聴をしなければ、
その理由にも辿り着くことができないままということもあるでしょう。

アニメなんて娯楽なんだからだら~と眺めていたいというのは当然の要求だと思いますが、
1つ言えるのは、娯楽=受動的快楽ということではないということです。
ミステリーのように自ら犯人やトリックを推理していくという
能動的な楽しみ方をする娯楽だってあるわけですからね。
あと、劇場作品なんかは能動的な視聴をする人が多いですよね。お金払っているからですかねw
だから劇場作品の評価は比較的高めになるのだと思います。

私見ですが、オリジナルアニメには、
視聴者に能動的な視聴を求めてくる作品が多いと思います。
例えば「グラスリップ」。 私は観てませんけど(おい)。
ここでいくつかのレビューを読ませてもらいましたが、
「理解不能」という声が圧倒的に多かったですw
能動的な視聴をしなければ、その魅力に触れられないという作りなのでしょうし、
製作側は視聴者に挑戦状を叩きつけているのかもしれませんねw
オリジナルアニメという場で、何か新しいことをしたいという
高い志だったり、モチベーションだったりが、
そうした作品を作り上げていったのかもしれません。

私たち視聴者はその作品を視聴するかどうかを選べるわけですから、
制作側から真剣勝負を挑まれても、
疲れるから付き合いたくないということであれば、
それを回避することだってできるわけです。

自分が視聴している作品が、
能動的な視聴をこちらに求めているのかどうかを見極めることによって、
作品の観方も、そして評価も変わってくると思いますよ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 52
ネタバレ

徳寿丸 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

もうね、100%ノエルちゃんだけの作品

オリジナル。
雰囲気は「あの花」とか「夏色キセキ」的な感じですかね(私感)。
もうね、1話の主人公のベッド脇で正座で待ってるノエルを見てから見ると決めました(笑)。
申し訳ないですが個人的にこの作品はノエルを愛でるだけの作品と化しました。評価もノエルのみの評価です。{netabare}とにかくいなくなるな、帰ってこい{/netabare}それだけしか感じませんでした。
一応、友達とか約束とかキーワードもありますがそんなもの全てひっくるめてノエルがいればいいんです。
逆に私にそれだけでいいと思わせるキャラの存在が驚きです(笑)


私のツボ:矢澤純一/著


OVA‣ONA視聴済(2020.4)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 9

68.2 6 タイムリープで友情なアニメランキング6位
バディ・コンプレックス(TVアニメ動画)

2014年冬アニメ
★★★★☆ 3.6 (719)
3743人が棚に入れました
何気ない日常を送っていた高校生・渡瀬青葉は夏休み明けの始業式の日に、隼鷹・ディオ・ウェインバーグという少年と出会う。2人の出会いは、世界の運命を大きく変えることに……。


声優・キャラクター
松岡禎丞、内山昂輝、早見沙織、速水奨、藤村歩、杉田智和、吉野裕行、佐藤利奈、花澤香菜、井上麻里奈、森川智之、櫻井孝宏、島﨑信長、田村睦心、内山夕実、木村良平、ランズベリー・アーサー、宮下栄治、白石稔、こぶしのぶゆき
ネタバレ

Etzali さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

青葉萌ゆる季節に鳴くヒナ鳥

(2014.1/12 1話)
{netabare}去年のヴァルヴレイヴに引き続き今季もサンライズはロボアニメがあるのか!何て思って観ていると、タイムパラドックスを取り入れた展開なので面白そうです。けど、メカのデザインは可もなく不可なくと言った所ですね^^; 変形・合体なんか有ると良いかも。最近の作品だとあまり観ないので…

バディ・コンプレックス、「この出会いは運命さえ変える!」というキャッチフレーズは革命機ヴァルヴレイヴと被ります。{/netabare}

(2014.1/18 2話)
{netabare}敵が機体の鹵獲を行う作戦、サンライズだからなんでしょうが序盤でそれを見せられるとどうしてもガンダムしかイメージできないんですよね^^;
未来に来てしまった少年が戦争に巻き込まれていく中で何を見つけ何を知るのか?と言った感じで進んでいくのかな?

推測ですけど、ヒナは自由条約連合軍(自条連)のスパイで青葉を連れてきたのはディオの力を引き出す為でありその青葉はディオの祖先だから、カップリングが成立したとか?

兎にも角にもまだまだ、これからなので引き続き観ていきます。スラーバゾギリア!( ̄^ ̄ゞ ケイレイ!!{/netabare}


(2014.1/25 3話) 
{netabare}カップリング・システムは資源獲得の為に造られたものだった。もし、それが非人道的な措置を施した者の間でしか作動しなかったら? より良い生活環境を望む一部の者たちのエゴでしかなかったとしたら?
それは、利害の一致でのカップリングでしかない。そんな事も露知らず、戦闘に駆り出される少年たち。


それにしても、カップリングしたヴァリアンサーの速度は異常ですね。まだ序盤なのに、OO(ダブルオー)の量子化みたいな事もできるなんて^^;
こうなったら敵さんもCS(カップリング・システム)と似たシステムの開発・データの強奪なんかを行い新兵器を送り込んで、ヒナ&アルフリードもしくはヒナ&ビゾンでカップリングして攻めてくるのかな。

今の世界(未来)へと導いてくれたヒナが居たのはゾギリアだった。そんな事実を知った青葉は、自条連を去るのか・残るのか? 彼の決断はいかに!?{/netabare}

(2014.1/30 4話)
{netabare}傷つけたくないと思いながらも、結果として傷つける形になってしまった。 そんな自分に嫌気が差して艦を降りた青葉だったが、行くあてもある訳がなく…

ヴァリアンサーにもう一度乗る資格があるのか?などの葛藤がある中、「決断した」というよりは「決断させられた」気がしてならないです。
大人の口車に乗せられて、その先に自らが望む形の道筋はあるのか!?

それにしても、ディオと青葉のカップリング指数が高い事は分かったけど感情がそのシステムの起動に大きく関わるのなら何故2度もカップリングが成功したのでしょうか^^;{/netabare}


(2014.2/6 5話)
{netabare}ヴァリアンサーを操縦できるパイロットがディオと青葉しかいない為、また青葉の身の安全を確保する為に軍属にした自条連。

ディオは責任感の強さから、心の支えである妹とすら距離を置こうとする。ホントは会いたいはずなのに…
そんな2人の間を取り持った青葉は、初めてディオと共通の意志を持って戦闘へと赴く。

ヒナが特務大尉から目をつけられているのは、元・自由条約連合軍の軍人で洗脳によってゾギリアに支配されている?そのためのOPで、ヒナが青葉に手を伸ばすと鎖が壊れるシーンだったりして…

戦闘は四面楚歌な状況から、まさかの正面突破だと(゚д゚;)!? 少々、強引じゃないか?
青葉とディオの関係は今回の戦闘のように強引に引き寄せられるものではないですが、少しずつ距離を縮めてベスト・カップラーになってほしいです。
それにしても、カップラーって^^; そのカップラーは男しかなれないものなのか疑問ですが、それだとカップラー「メン」になるかwww{/netabare}

(2014.2/15 6話)
{netabare}ハワイ基地に向かう為に、軍人らしからぬ事までやってのけないといけない状況なのは分かったけれども「軍人になったら楽ができる!」みたいな理由で軍に来られても…どこぞの艦長じゃあるまいしwww

カップラーは、1人では限界のある戦況下において2人なら確実に打開できる方法の1つとして生み出されたのがカップリングシステムであり、その適応者のカップラーという訳か?

青葉がディオとだけでなく初めてにしてフロムともカップリングできたのは、70年も前の過去から来た青葉はそのカップリングシステムの生みの親とか?

カップラーが1人増えましたが、死亡フラグが立ちまくってるのは気のせいじゃないと思いたいですね…{/netabare}

(2014.2/20 7話)
{netabare}最新鋭艦なのに、ハワイ基地からの支援を受けられないってよほどシグナスがトップシークレット扱いなのか。それとも、何か関わりたくない事情でもあるのか?

リー大尉が出てくると緊張感のあるなしに関わらず、観ている側からしたら場の雰囲気が緩むのは気のせいかな^^;

カップリングに必要なエンファティアレベルの基準値通りの相手とカップリングを行うと、もう1人のカップラーのエンファティアレベルが下がるという結果がシステム開発当初の理想とは程遠いものとなってしまっている状況を鑑みると、やはり青葉は…システムのプロトタイプになる?

「目には目を、歯には歯を」ではないけれども「新型には、新型を」な展開には、少し不安があります。これから、最新兵器の大安売り状態にならなければいいんですけど(-_-;)
それと、今の所戦闘シーンにおいてカップリング後のヴァリアンサーがスターマリオ状態なワンパターンで押し切っている感じなのでもう少しバリエーションがあると面白いとは思います。{/netabare}

(2014.3/6 8話)
{netabare}墜落した先が孤島でしかも、機体は動かずヒナの機体も同じような状態だった。ヒナと青葉の関係が急速に接近する事になり、ヒナが青葉の時代に来たヒナなのかが判明しそうな展開。

青葉かヒナのどちらかが捕虜となって物語が動き出すかと思いきや、そのどちらでもなく無事に2人とも味方に助けられるとは。今まで、敵として見ていたものが敵として見られなくなったら軍人としては失格だろうに。

過去から来た青葉とこの時代のヒナの邂逅がもたらすものは戦争ではなく共生か!?{/netabare}

(2014.3/6 9話)
{netabare}カップリングシステムの開発リーダーであるフェルミなる博士が登場。なんですが、カマっぽい^^;

戦場での意思疎通の遅延を解消したのがカップリングシステム(CS)で青葉がその為にこの時代にタイムワープさせられたとしたら?『STEINS;GATE』や『ノエイン』のように異なる世界線の人間が関わっていたなら世界の破滅を防ぐ救世主が青葉ということになる。

CSの限界稼働時間が300秒から429秒に伸びた事は希望となるのか?それとも、2人の脳に何かしらの影響(記憶喪失)が起こる事で諸刃の剣へと逆戻りしてしまう?{/netabare}

(2014.3/20 10話)
{netabare}ようやくハワイ基地にたどり着いたが、その代償として失ったものは大きい。しかし、悲しんでばかりもいられない生きている以上は前に進めるのだから…

父に対する重圧と自らの強い責任感で必要以上に押しつぶされそうになっているディオ。あまり考えすぎるのも良くないとは思うけど^^; そんなディオの事を思っているからこそ、家族を守りたいと願い軍人になったディオに厳しく接する父親。

今回は、戦闘シーンはなかったですけど青葉を通じてディオとその父親の距離が縮まったので悪くはないです。{/netabare}

(2014.3/20 11話)
{netabare}ヒナのいるゾギリア御一行は、また懲りずにヴァリアンサー強奪作戦を決行しようとハワイに降り立った。ゾギリア側のハーン博士は「機体フレームは我々の方が性能は高い」と言っていたのでコックピットまるまるを手に入れる事ができれば、ついにゾギリアにもCS搭載のヴァリアンサーが!?

しかし、ルクシオンやブラディオンにはパイロット本人でなければ動かせない仕組みが施されてるのでそれを何らかのデバイスを使って解除して奪うのでしょうか?

それはそうとヒナ、あの一件があってから青葉に心を許し過ぎじゃないでしょうか?まぁ、軍人とはいってもまだ高校生ぐらいの年齢なのでしょうがない気はしますけど。

ゾギリアの手に渡ってしまったルクシオンとブラディオン。とはいえまさか、プロトタイプのCSヴァリアンサーで出撃するとは…しかし、このカップリングが意識の共有だけでなく記憶の共有までも可能にしたのならそれはどんな意味があるのでしょうね。{/netabare}

(2014.4/9 12話)
{netabare}ビゾンのヒナに対する想いは届かず…まさに格好の良い容姿とは裏腹に「美損」って感じですねwww
何て事はどうでもいいとして/(-_-/)(\-_-)\オイトイテ…

青葉だけではなくヒナも最初から高いカップラーとしての適性を持っていた。過去から来たという共通点なのかただ単に主人公・ヒロイン補正なのかは分かりませんが^^;

ビゾンは幼い頃に出会ったヒナを今の今まで見つづけてきたから、愛という想いが募るのも分からないでもないですがヒナはヒナで事実を突き付けられ、これまでの自身の記憶が正しいものなのか?と疑心暗鬼になってしまっている状態でのビゾンのあの行為は完全に裏目に出てるとしか言いようがないです。

一方、ディオと青葉はプロトタイプのカップリング搭載ヴァリアンサーに搭乗してから思考だけでなく記憶の共有も可能にしてしまったのでこちらの絆はゾギリアの2人と比べると瓦解ではなく、より一層確立されたものになっていると思われます。

絆、それは結びつきか柵(しがらみ)か?{/netabare}

(2014.4/9 13話)
{netabare}ガラプーシカ、なんだかチェ○ラーシカみたいなネーミングとは似ても似つかないぐらい超強力な兵器をゾギリアは秘密裏に開発を進めていた。
しかし、一長一短な面もあるのでまだ自条連にも付け入る隙はあるだろう。

やっぱり新型の機体で危機を乗り越えた!?かに思えましたが、まさかの特異点出現によりヒナの役割と青葉への想いが明らかに…

ヒナ、同じ時空を行き来しながら大切な人を守るために何度も生まれたての雛鳥のような生き方をする者。
対して青葉は、ヒナの想いは露知らず時空ごとの環境で盛んに成長する存在。

ヒナの行動がなければ青葉は存在しなかったかもしれない。だからこそ、青葉とヒナのアクセプションは意味のあるものだと思います。

互いを思う心が次第に結びつき、それが絆へと変わってゆく…{/netabare}



いやぁ~1クールだとはとても思いませんでしたwww ですが、良くまとまっているので見方を変えればアリな作品ではないかと。しかし、カップリングシステムと青葉の適性関係などまだまだ明かされていない?部分と最終話のCパートは意味深なのでもう1クールほしい所です^^;

投稿 : 2024/12/21
♥ : 19
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

身も心も繋げるアクセプション

ごく普通の高校生、渡瀬青葉は未来から来た謎のパイロットから襲撃を受ける。
しかしクラスメイトで実は未来人の弓原雛に命を救われ混乱のまま争いに巻き込まれてゆく。

今期のロボット枠です。
ロボデザは余り好みではないですが
色々と含みのあるストーリー展開には期待出来そうです。
少々ターミネーターチックではありましたが
全てを悟ったような雛の言動にどう繋がるか興味深く
これにタイトル通り『相棒』が絡んでくると思われこの先どう進むのか楽しみになりました。

※2話感想{netabare}
今回はロボットアニメのスタートとしてありがちなストーリー&アクションでした。
ただ普通の高校生がいきなり戦地で何の恨みも縁もない相手を殺害し、
その後も意に介さずなのは引っかかってしまいます。

ロボットのカップリングだかプロポージングだかも軍事兵器なのに
相性占いみたいな不確実な要素を採用してるのは腑に落ちません。
変形やら出力アップやら既に技術的にロボットに盛り込まれたものを
なぜ相性という要素でON/OFFしなければならないんでしょうか?
設計以上の予想外の力が出るならまだ良いんですけど、
ここまで見る限り、こうなる様に作っていて設計の範囲内の仕様に思われます。
こちらに関しては今後堀り下げがなされる…のかな?
まぁストーリーとしては面白味がありますし、
雛って何者?と言うのも気になりますので楽しみではありますけどね。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
前回疑問だったロボット(バリアンサー)については説明があり
機体技術以上の力が出る様です。
…でもウィングやブースターとか技術的に設計したんじゃないの?
って気持ちもあるんですがここは飲むこととします。

ストーリーはやはり良いですね。
前回カップリングが切れたらろくに操縦出来なかった青葉を戦場に送り出したり
パイロットとして急成長しちゃってるとかかなり無茶もありますが
ヒナを敵で登場させるとは面白い展開です。
どうやら一話で登場した雛はもう少し未来から来た様です。
そして襲撃してきたパイロットは【予想】{netabare}ビゾン{/netabare}と推測されます。
先に一話になっていく展開を知っているだけにどうしてそういうルートを辿るのか
色々と憶測を交え興味深く観られます。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
自分の居場所を探し葛藤し決断しました。
こんな状況でも冷静に的確な判断が出来る青葉の強い精神力が伺い知れました。
敵パイロットを逡巡なく倒してしまう点はまだ多少引っかかりますが
敵艦船が沈む姿に思う所があるようですし適応力が高いという事で納得しておきます。

偶然にしては出来過ぎな気もしましたが
ディオの家族が登場し次回はこちらの掘り下げでしょうか。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
前回も思いましたが連合の防空網ザル過ぎです。どれだけ奇襲受けてるんだか…。
今まで戦って来れたのが不思議です。
それに戦況としてはかなりマズいのにその割には軍人さん達に緊張感が無い様に感じます。
一般人が艦内に入れちゃうのもおかしな話しですし。

今回シグナスだけは脱出したけど千歳や小樽の味方壊滅だろうから
妹の「ディオが守ってくれたのよ」という言葉が虚しすぎます。
ゾギリアが民間機攻撃しなかっただけの事なのに…。
(なら拿捕しようとしたり民家にも爆撃すんなよゾギリア!…とも思うけど)
逃げるにしても味方引き連れて脱出とかにならなかったのかな?

言ってる事とやってる事が合って居らず「何だコレ?」
と思う場面がちょくちょく出て来るのが気になってしまっています。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
ゾギリアは一枚岩でなく行政局と軍部で軋轢がある模様。
色々と含みが出てきてシナリオとしては興味深くなってきました。
戦闘シーンもしっかり作っていて安定して楽しめています。

しかし今話も「なんでだよ!」と思うポイントが多数。
・被害多数で千歳基地陥落にも気にせずノリの軽いシグナスクルー
・エンジン不調なハズなのになぜか本土に戻らずハワイ直行&PV撮影の命令
・危険空域なのに撮影隊呼んじゃうし合流も早すぎない?
・バリアンサー操縦シーンは顔映らないんだから青葉とディオでいいじゃん
等。

わざわざハワイ行ってゾギリアの「行政局」と戦わせたり
他のカップラーを登場させたのですから今後大きな意味合いが出てくるとは思いますが
次のシーンや展開への繋ぎの強引さが気になってしまいました。
{/netabare}

※7話感想 {netabare}
今回はそんなにツッコミも入れず楽しみました。
・大村基地って言うけど民家ばっかりだったじゃん
・ドルジエフ閣下前回は慎重で有能な指揮官ぷりだったけど今回は雑
・コードD2ライズ強すぎ!スターマリオじゃん
って位かな。(え?…ツッコんでるか!?)

ヒナの暴走は予兆を匂わせたりして強引には感じさせず◎でした。

青葉が基準波形になってたりとまた謎が出てきたので
また予想も絡めて観て行こうかなと思っています。

タグで隠す程の予想ではないですが
今回のハワイ行きで青葉のバスケ友達・隆太郎の子孫かなんかに
会うんじゃないかなっと思っています。
一話でハワイに行った話をしてたのでそれと掛かってくるとは思います。
まぁ、もう既に誰かしらの子孫とは会っている可能性はあるのですが。

とりあえず次回はロボアニメのお約束『無人島で敵兵と二人きり』になりそうです。
二人の話がどう進むのか注目です。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
あ~はいはい。…と言う感じで今回は観ないでも分かる様なお約束の展開。

ヒナは自分を必死になって助けてくれる青葉を目の当たりにし思う所はある様子。
この必死さは1話目の雛の必死さともダブり
お互い似た者同士で相手への思いの強さも伺えました。
お約束とはいえ入れておくべきシーンでもあったと思います。

これで信頼へ繋がる下地も出来ましたし、ヘアピンも渡せましたね。
…このヘアピン元々何処から生まれたのか?とかつい思ってしまうんですけど
時間旅行にツッコミ入れても切りが無いので止めておきます。
次はハワイに着くのかな?
{/netabare}

※9話感想{netabare}
ハワイまで時間掛かり過ぎだし
フェルミ博士はわざわざ死にに来たような気はしましたが
更にヒントがばらまかれ物語は興味深くなってきました。
どうもエルヴィラの祖父が鍵を握っていそうです。

それにしても青葉達は強い強い。
シグナス落ちる気がしなくてハラハラ出来なくなってます。
これを見過ごす連合上層部無能すぎますけどね。

敵ながらマルガレタは忠義に厚く気に入っています。
作戦も悪く無かったと思うけどもう少し持久戦に持っていかないとね。
更迭からまた這い上がって来て欲しいのだけど
無茶して死んじゃう可能性高いかな…。

次回はリャザン少佐も加わり手強くなりそうなのでハラハラ出来るかな?
{/netabare}

※10話感想{netabare}
父と子に焦点を当てた面白い構成でした。
それぞれが「家族や皆を守りたい」気持ちを抱え戦地へ赴いているのですよね…。

ヒナの父は厳しい中にも優しさが覗け愛情の深さが伺えました。
ビゾンとは幼馴染で積み重ねた時間もありこの後の展開で感慨深くなりそう。
更に幼少の頃が含みになっていて気を引きます。

ディオ親子の溝はまだまだ深そうですが一歩だけ歩み寄った感じ。
それでもきっと大きな一歩だったと思います。
まぁこれに関しては悲しみや悔しさを消化しきれない親父さんの八つ当たりな気も
しちゃってますけどね。

青葉に関してはちょっと描写不足で中途半端でした。
尺不足ならシンプルに父である消防士の志を受け継いでいる事を
もっと前面に出してに表現して良かったんじゃないかな。
{/netabare}

※11,12話感想{netabare}
ソギリアの強襲によりカップリング機の二機が奪われ
ヒナ&ビゾンがパイロットとなり青葉の前に立ち塞がって来るという流れ。

リャザン少佐が死ぬ間際に父ではない事を明かし滅茶苦茶に動揺するヒナ。
…言うタイミング逃し続けて来たんだろうけど、ここで言って冷静さを失わせたら死んじゃうよ普通。
運良く遭った敵が青葉だったりで生還したから良かったけどさ。

それ以降も自分が何者なのか考えていたヒナだったけど変なお薬打たれて我を失ってしまいました。
これ、ビゾンだってオカシイって気付いてるだろうに
ちゃんと向き合わないから後の展開になってしまうんでしょうね。
ヒナのどんな所が好きなのかとか全然関係なしに自分に向いてくれれば何でも良しになって
哀れになってきました。
これでは絆深まらないよね。

一方ディオと青葉は一部記憶も共有してますます絆が深まった様子。
次回はまた無双が観られそうです。

バトルなんかは相変わらず面白いんだけど、やはり連合軍脆弱すぎ。
輸送も最前線で合流とか無茶が過ぎますが慣れのせいか前ほどツッコむ気が和らいだかも…。
{/netabare}

※13話感想{netabare}
何でヒナだけ若返って記憶飛んでタイムスリップしてんだろう?
とか最終話もツッコミながらも意外と楽しんで観てしまいました。

不満や謎が残っていて細かい点は色々と言いたい事もあるけど
一話へと繋がるストーリー自体は成る程面白いと思わせてくれましたし
ヒナの言動も感動的でした。
ディオと青葉の記憶の共有はイレギュラーだった様で
時の囚われ人になっていたヒナを今回は過去に送る事無く未来に向かえるようです。
ビゾンに関しては歯車が狂った愛が哀れに映りましたがしぶとく生き残り
二期に繋がっていく感じで
彼を含めた未来は気になりますので楽しみに待っていようと思います。
それとマルガレタさんの無事も気になっちゃってます。多分無事だよね。
{/netabare}

【総評】
ツッコミ所が多く緻密さに欠けてまいますが結構楽しんで観てしまった作品でした。

一話目で先の展開を見せているので話が進むにつれてそこに向けてどうやって繋がっていくのが
気にさせるストーリーはなかなか面白味がありました。
ただタイムスリップものなのでどうしても矛盾に感じる所はありますし
最後まで観ても活かされなかった設定があったり回収しきれない多くの謎もあるので
スッキリ納得と言うわけには行かなかったです。
(青葉の過去の設定(友や妹等)を生かさず切り離してしまっていたり
なぜ青葉がカップリングの基準波形になっているのか不明のままだったり他)
二期があるならこの辺り少しでも回収して全体通しての完成度を高めて欲しいです。

戦闘シーンもはかなり良く出来ていてスピード感や迫力があります。
主人公達の活躍が凄まじく無双による爽快感は味わえますが
圧倒的すぎて戦術的な楽しみは無くなっていますので好みの別れる所かも知れません。
個人的には僅差の戦力を戦術で打開するような戦いを好みますので
一般機の紙切れのような弱さが気になってしまいましたが…。

キャラは掘り下げ不足気味で心理描写などが甘く描き切れていないのが残念。
重要なヒナの青葉への懐き具合も少々急いでしまった印象でした。
やはり1クールものでこの人数や各エピソードを捌くのは厳しかったのかな…。
それとシグナスクルーのノリが軽く前線で多くの兵が亡くなっている状況とアンバランスな
感じがどうしても引っかかってしまいました。

ストーリーに見所はあるものの雑な所も目に付き完成度が低く感じてしまいました。
ロボットアクションがお好きならコチラを主軸に観て楽しめそうですが
それ以外の方には現状オススメいたしません。
ただし二期がありそうなのでトータルで観ればオススメしても
良いレベルになる可能性はある作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 33
ネタバレ

ketano さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

いがいとおもしろい。

全話みた感想です。


{netabare}
ロボットのバトル物だったけど、以外とおもしろかったかな。
ただ、なぜ、渡瀬青葉が、未来にいって活躍するのか詳細が不明なため、あまり考えずに見た方が良いような気がします。

ちょっと、ターミネータを思い出したけど、まぁそれでも、面白かったと思います。次はどうなるのか気になりながら、見ることができました。

続編がちょっと、あるみたいなので、見てみるつもりです。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

59.4 7 タイムリープで友情なアニメランキング7位
パンチライン(TVアニメ動画)

2015年春アニメ
★★★★☆ 3.3 (440)
1979人が棚に入れました
「パンツを見たら人類滅亡!?」
とある事件をキッカケに幽体離脱してしまった高校生の伊里達遊太。
自分が住んでいるアパート、古来館で目覚めた遊太は、
突如現れた猫の幽霊、チラ之助から「肉体を取り戻したかったら、
古来館のどこかにある聖典を見つけるのら~」と告げられる。
かくして館内の捜索を始める遊太だったが、
そこで住人である女子のおパンツ様を目撃した瞬間、地球にトンデモナイ災いが…!!
遊太は特殊な霊力を使って住人達の暮らしに干渉。
ときに秘められた謎を解き明かしていったりしながら、人類滅亡の運命に立ち向かっていくことになる。
はたして彼らは最高にハッピーでピースフルな未来を迎えることができるのだろうか!?

声優・キャラクター
井上麻里奈、雨宮天、寿美菜子、釘宮理恵、戸松遥、吉田有里
ネタバレ

素塔 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

宮沢賢治(?)礼讃

ノイタミナ枠のオリジナルアニメ。2015年制作。
監督は知られざる名作「ダンタリアンの書架」の上村泰。
両作品とも丁寧につくられた、全体にクオリティーの高いものだ。
ただしこちらには、「無駄に」という付け足しが加えられてしまうだろう。
ランキングを見ても一目瞭然、驚異的な低評価アニメである。

「パンツを見たら、人類滅亡!?」
このぶっ飛んだキャッチコピーそのままの暴走感で前半部は突っ走る。
冒頭いきなりのバスジャックに、バス暴走に、謎のヒーローの登場。
説明もなしに現れた奇妙な猫から謎のミッションが与えられ、
唐突に人類が滅亡する(!)。かと思えば、いつのまにやら
怪しいアパートの、怪しげな住人たちによる日常パートが始まっていたり…。
この勢いに振り落とされ、早々にかなりの数の脱落者が出ることになる。

その先もまさしく、ありとあらゆる設定のてんこ盛り。
小惑星の落下による人類滅亡の危機を回避するために、タイムリープで過去に戻るSF設定。
そこに、何度でもセーブポイントからやり直す、ゲーム的要素が加わり、
幽体離脱やら憑依やらといった、オカルト的要素に、ネット上の殺人予告からはじまる
サスペンス風の展開に、アパートの住人たちの人情ドラマ風の交流があり、
天才博士が造ったロボットがいたり、悪と戦う正義のヒーローがいたり、
ど派手な戦闘シーンやらチャンバラが繰り広げられ、心に沁みる再会の物語があったり…。
これだけでも目まいを起こしそうなのに、さらにこれを二倍、あるいは二乗して
ややこしくする仕掛けまでが組み込まれている。

さすがにここまで来ると、何も考えずに詰め込んだ挙句、
うっかり招いてしまったカオスとは到底思えない。明らかにこれは確信犯だ。
思うにこれは、今までにない新しい物語世界を生み出すチャレンジだったのではないだろうか。
コメディーとシリアスを本格的に融合させた、笑いあり涙あり、
歌に踊りに、パロディーにお色気、娯楽成分をたっぷり加えた
賑やかで心躍る、極上のエンターテインメント作品の新たな創造。
破綻の危険を冒してでも、あえて限界に挑戦しようとする、
クリエイターたちの冒険心のようなものがここには感じられないだろうか。

おそらく誤算だったのは、制作者の想定以上に視聴者が保守的だったことだろう。
規格外の遊び心は、彼らにはただのおふざけと感じられ、不興を買った。
さらに構成上の問題として、このアニメの前半6話がすべて後半の布石になっており、
ストーリーの本筋が始まるのはこの折り返し点を通過してからという決定的な難点があった。
このアニメの真価は後半にこそあるのだが、結局それはほとんど理解されず、
訳の分からない前半部の、消化不良の印象ばかりが残るという不幸な結果になった。

参考までに、後半のストーリーに関するやや考察風の覚書を以下に記そう。

{netabare}
著名なゲームクリエイター、打越鋼太郎が練り上げた本作の特徴として、
タイムリープに幽体離脱を掛け合わせるという、独創的なアイデアの他にも、
通常なら平面的なネットワークで表せるような登場人物の関係図が何と三通り、
重層的に相関し合って存在し、それぞれが異なった固有のフェーズを形成するという
このアニメ特有の複雑な構造を指摘できる。

第一に主人公の遊太とチラ之助、これは物語に対してメタレベルの機能を担った部分。
第二がストーリーの軸になっている、遊太と古来館の住人たち。
そして第三が、運命的な再会を果たす三人の子供たちの関係。

この第三のフェーズこそが、物語の核心部である。
後半のシリアス展開は、第1話冒頭からすでに暗示され、伏線を張られてきた
このフェーズが本格的に前面にせり上がってきた結果であり、
前半には見られなかった繊細な心理描写を中心に、徐々に迫真の度を加えつつ
物語はクライマックスをめがけて一気に加速してゆく。

正義のお助けマン、その名も「宮沢賢治」。
前半、見るからに怪しいキャラクターとしてネタ風に描かれていた彼が、
その本来の「記号」としての意味を表すのも、このフェーズの文脈の中である。
悲壮感を帯びて、絶望の底から立ち上がる彼の姿には、本作のテーマのひとつ、
真のヒーローとは何かという問いへの答えが、おそらく託されている。

なぜ「宮沢賢治」なのか。その答えは、最後に遊太が選択した行為にある。
星空の彼方に消えてゆく彼の姿にそれははっきりと集約され、象徴されている。
みかたんのために、ごく自然に、ためらうことなく自分を投げ出す彼の「自己犠牲」。
賢治作品を貫く精神へのオマージュともいえるものが、確かにここには認められる。
宇宙が浄化されてゆくような、壮大なラストがもたらす感動は神アニメ級と言ってよい。
{/netabare}


タイトルの「パンチライン」は、ジョークやコメディーの「落ち」の意味だそうだ。
最終話のサブタイトルにもなっているから、そこにオチがつけられているのだろうが、
今一つ判然としない。最後まで謎のままだったチラ之助の正体と結びつけると、
一つの仮説らしきものが思い浮かぶが、長くなるので次の点だけを指摘しておく。

本作を構成する三つのフェーズのそれぞれに対応した三通りの結末があるとする。
第三のフェーズ、すなわちシリアスパートに対応するラストは上に記した通りなので、
当然「オチ」は、残るコメディーパートに対応した結末の中にある。
シリアスなラストと、コミカルなエンドとが、最後の最後まで絡み合っているわけだ。
やれやれ、とにかくこのアニメは救いようもなく、ややこしく出来ている。

わざわざおパンツを真正面に掲げて世間の顰蹙を買いに行くあたりにも
下品さからは逆に程遠い、上質な韜晦の精神を自分は認める。
カオスであるよりは、真にアナーキーなものの刻印がそこにはある。
これほどまでに野心的な快(怪)作は滅多にあるものではない。
自分のお気に入り棚の、不動の一点である。

(・・・ですのでどうか、公式のヴィジュアルを使ったまともなサムネにして下さい。
 ロゴだけって、運営はこのアニメに何か怨みでもあるのか…?)

(初投稿 : 2019/07/15)

投稿 : 2024/12/21
♥ : 7

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

ever17は問題点こそ多かったけれど、紛れもなく傑作だった。ではこの作品は・・・?

視聴開始時レビュー

『パンツを見たら人類滅亡!?』というわけのわからないキャッチコピーのパンチラアニメ
いわゆるお色気アニメ枠だと思ってっ気楽に観ている分にはいいですが
正座してじっくり見ようとするといろいろカオスすぎてちょっと疲れます
というのが3話まで見た上での雑感です
スタッフを知らずに見ていたら多分もう切ってますね

しかし

脚本:打越鋼太郎

となればゲームオタクとしてはチェックしないわけにはいかないですよね?
打越鋼太郎と言えば経営難で潰れてしまったKID時代の
代表作Ever17などのinfinityシリーズや
チュンソフト(現スパイク・チュンソフト)移籍後の極限脱出シリーズなど
良作のAVGを輩出してきた人気シナリオライターです

最近エロ・非エロ問わずゲーム業界で名の通ったライターが
オリジナルアニメに携わることが増えています
やはり虚淵玄がまどかで大成功したのが転機だったように思います
それ以前にもABの麻枝准や。犬日々の都築真紀(なのははオリアニに含めるのか微妙)などがありましたが
虚淵以降はシンフォギアの金子彰史。ズヴィズダーで星空めてお。ゆゆゆのタカヒロなど
パッと思いつくだけでもこれだけのシナリオライターが
人気を博した自身のゲーム作品のアニメ化ではなく
完全なオリジナルアニメに原案や脚本などで関わって
アニメ業界に参入してきています

3話まで見た限り
馬鹿馬鹿しいノリのお色気ギャグアニメと見せつつも
何やらこそこそ伏線っぽいものを撒いてみたり
時系列を弄ってみたりと
後半に向けていろいろ仕込んでいるように見えなくもないです
特に時間に関するトリックは打越鋼太郎の18番ですから
これは後半化ける可能性もあるんじゃないかな?
なんて思っています

なので頭使わずにぼーっと見てればいいアニメ
だと思っていると痛い目見るかもしれないです

しかし一年くらい前には「星空めてお」だし!と
きっとそのうち面白くなると信じて観ていたら
面白くなる前に終わってしまったアニメもあったので
このまま視聴者を置いてけぼりのまま
明後日の方向にゴールする可能性も否定できません(・x・;

視聴後レビュー

手放しに面白かったと言えるレベルには達していませんが
つまらないとか駄作だとは決して思いません
というか尻上がりに面白くなっていったと思うし
序盤から撒き続けてきた伏線を一気に回収して迎えた
終盤の怒涛の展開はまさに打越作品らしい出来栄えです

大小様々な伏線を丁寧に撒いていき
それらが少しずつ紐解かれていって
最終的にはジグソーパズルが組みあがるように
壮大な一つの絵を描き出す
冷静になって細かい粗をあげつらえばきりがないが
プレイ中はそんなものどうだっていいと思えるくらいに
ぐっと引き込まれるのが彼の作品の魅力だと思います

パンチラインにおいても緻密に幾重にも折り重なった伏線
要所要所で予想だにしないどんでん返し
視聴者を楽しませるための仕掛けはきっちり用意してありました
しかし残念ながらそれらがうまく機能していませんでした

理由はいくつか考えられると思います

まず第一にこれがゲームではなくアニメだったこと
前にどこか別のレビューでも書きましたが
ADVゲームで自分で考えながら手に入れた情報と
アニメの画面から自動的に垂れ流される情報では
意識の定着度がまるで違います
しかも全体像が見えないままただ伏線ばかり撒き続ける作業が
前半6話分に渡ってだらだらと続けられているうえ
そこまででも時系列が飛んだりとかなりわかりづらい部分が多いです
脚本が打越だと知っていたから我慢してみようという気になったものの
中盤までははっきり言って観ていて疲れるだけのアニメでした

次に問題だった点は
何回も人類を滅亡させながら
時間を巻き戻しループさせていく設定が
最初から明示されているおかげで
物語の中で死の持つ意味を薄めてしまっている点
死人が出てもああそのうち生き返るんだねって具合に
ドラゴンボール並に死という概念が軽いので
盛り上げなきゃいけないところでいまいち盛り上がらないんですね

第三に、伏線を撒いていく間視聴者を牽引するガジェットとして
何を血迷ったかパンチラを選んだこと
このパンチラに喜んで飛びつく層は
難解なループものの謎解きになんか興味を持ってくれません
逆に本来ならばこの作品を楽しめるはずの層は
無意味にパンチラを連発してもちっとも牽引できないか
あるいは逆に敬遠して離れていってしまう気がします

っていうかそもそもあれパンチラじゃねぇよパンモロだよ
チラリズムってのは本来
見えないのが普通で意識もしないものを
わずかにチラ見せする事で強く意識させ
想像力を増幅し喚起させることによって
見えそうで見えないシーンを引き立たせる手法なのであって
ごくわずかな見えているシーンを使って
見えていないシーンをいかに際立たせて魅せるかが勝負なの
この作品の下着描写にはチラリズムの美学なんか全く存在しないわけ
ただ単に女の子の下着が観たいなら
みんなノイタミナじゃなくてAT-X観に行きますよってお話

まぁそれはさておき
途中までは正直面白くないんだけど
そこで切ってしまうのは勿体ない作品だなぁと思います
途中で脱落してしまった人も
長編映画でも見る気分で全話一気観してみたら
それなりに楽しめるかもしれませんよ?

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32
ネタバレ

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

フジテレビの良心ともいえる教育的パンチラアニメ。テレ東とは違うのだよ、テレ東とはw。

2015年放送のオリジナルテレビアニメ 全12話 ノイタミナ枠

監督 上村泰 脚本 打越鋼太郎 キャラデザ 岩崎将大 音楽 小室哲哉
制作 MAPPA

原作の打越鋼太郎がゲーム企画していたものをテレビアニメと同時制作。
キャッチコピーは「パンツを見たら人類滅亡!?」

「パンチライン」とはコメディのオチを指す言葉で「パンチラ」とかけたもの。

ゲーム企画らしく、セーブポイントへの巻き戻しという発想で出来た作品でして、
ゲーム作家の得意な分野の作品です。

「ひぐらしのなく頃に」「魔法少女まどか☆マギカ」「シュタインズ・ゲート」「シャーロット」「REゼロから始める異世界生活」
などと同様の発想の作品です。

伊里達遊太 CV井上麻里奈
成木野みかたん CV雨宮天
曳尾谷愛 CV寿美菜子
台初明香 CV釘宮理恵
秩父ラブラ CV戸松遥

以上5人で「パンチラレンジャー」かな

まあ、90年代以降の主要アニメの要素を全部ぶっ込んだような、
ごった煮スラップスティックエロSFコメディアパート住人ものアニメです。
声優に関しても、なんでこんな取り合わせ?と思いましたが、
役柄にあった良く考えた人選だと思いました。

小惑星激突による人類滅亡を回避するために主人公遊太が戦う。
というのが根幹ですが、あまりにもアイディアを詰め込み過ぎて、
伏線と伏線が絡み合い、キャラの会話がかみ合っていないように見えたりして、
物語と言うよりパズルのような様相を呈しています。

ただ、最初からアニメ用として練られた物語と言うことでは、
上記過去作品では「まどマギ」に近く、理想的な構成で破綻無くラストへ向かって突き進みます。

これ、当時は数話観て意味が分からず切ったんですが一気見なら問題なく楽しめますよ。
某5chではワーストアニメ扱いですが、どこがワーストなのか理解に苦しみます。

主人公はアニメとしては非常に珍しい{netabare}女の漢{/netabare}です。

不遇な小室哲哉氏の抜擢など、フジテレビの良心と言ってもいいような良作でした。

目玉となるパンチラですが、エロと言うよりはコメディタッチに統一されて、
女性が見ても楽しめそうな図柄で、流石は女性向けとして始まったノイタミナ枠だと感心しました。
ラストシーンのとあるパンチラなど女性が見てもグッとくるような物語性を感じました。(たぶん)
その子のファッションが最高に可愛いですしね。

バトルなども必要性が感じられ、無駄な部分の非常に少ない作品でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31

68.3 8 タイムリープで友情なアニメランキング8位
ひぐらしのなく頃に卒(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (309)
966人が棚に入れました
2021年7月放送開始
ネタバレ

やぎゃあ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5

「ひぐらし」としては駄作、「うみねこ」としてはまぁ・・・

※前半は業/卒の全話完走後に書いたまとめレビュー、後半はリアルタイム視聴時に書いていた各話レビューになっています。
※「うみねこのなく頃に」の内容にも触れますので、その話は聞きたくないという方はBack
※私は思ったことを全て書ききりたい超長文体質です。読んでいただける方はセクションを開き始める前にざっと一通り眺めて、気になるところだけ読むのをお勧めします。

※最終話のレビューの後に、「うみねこ」の設定も踏まえた考察も書いてみました。当たっているかはわかりませんのであしからず。(考察部分は何か思いついたら ちょこちょこ書き足します)


【完走後のまとめレビュー】
業/卒を総括するとこんな感じでしたね。

①リアルタイム視聴者に対しては、放送前のプロモーション(番宣など)から既に失敗していた
②「旧作ひぐらし」は必修、できれば「うみねこのなく頃に」も履修しておくが吉
③「ひぐらしの世界観」をぶっ壊しすぎ

ーーーーーーーーーーーーー
① プロモーション(番宣など)については細かく愚痴りたいです。

ひぐらし業の「マニュアル」的な情報・・・例えば旧作と新作との関係性、業のコンセプトや楽しみ方などを、放送前からしっかり広報すべきだったんじゃないかと思います。少なくとも私は、制作側が仕掛けたサプライズのせいで、この作品との向き合い方を見誤りました。

どういうことかと言うと、{netabare}業の放送開始当初、制作側は「リメイク」なのか「続編」なのかを曖昧にしていました。タイトルも放送開始当初は『ひぐらしのなく頃に』とだけで、『業』を冠したのは話数が進んでからでした。これは制作サイドからしたら『サプライズ効果(ドッキリ)』を狙っていたのでしょう。

ゆえに放送開始当初は、多くの方が『リメイク』だと思っていたはずです。

しかし、そうすると視聴者はどう考えるか・・・?

まず、新規勢は「旧作を観てなくてもリメイクから入れば良いんだ」と誤解します。また古参勢にしても「リメイクなら、新たなミステリー作品として 3要素(誰が/どうやって/なぜ) を解き直す必要はないんだな」と誤解します。

一応 察しの良い古参勢なら、「鬼騙し編」のラストで展開が変わったことで、この作品との向き合い方を考え直せたかもしれません。しかし、私は『単に これも あったかもしれないカケラの1つってことでしょ?』と解釈して進んでしまいました。

よもや「黒幕も 手段も 動機も、何もかもが異なる惨劇」だとは思い至れず、『新たなミステリー作品として挑戦する』という発想自体を持てませんでした。(私は この情報はちゃんと広報すべきだったんじゃないか? と思っています)

そして新規勢も古参勢も ある程度話が進んだ頃に『絶対的な違和感』を感じますが、新規勢は『ここまで継続視聴したのにふざけんな!続編って知ってたら旧作から観ていたわ!』と思うでしょう。古参勢は『ここまで見進めちゃって、今更 謎解き目線で細かい描写を1話から確認し直すなんて面倒すぎるわ!』ってなるでしょう。私は初めから「新作ミステリーに挑戦するスタンス」で観始めたかったです。

短期戦略(PR)としての『ドッキリ要素』に何の意味があったのでしょうか?? 確かにドッキリはしましたよ?ただ、それ以上にムカつきました。急に続編ヅラしだしたことに。そのせいで「新たな謎解き」という視点を持てなかったのですから、憤らずにはいられません。しかもこのサプライズ効果は半年も保たないのですから。今となっては『旧作の続編』『業と卒のワンセット』という情報は出回っているのですから。

中長期戦略(PR)として『惨劇の世界を抜けた先で新たな惨劇に囚われてしまった梨花。どうかその真相をもう一度暴いてください(私はキャッチフレーズのセンスないので誰か考えてw)』とプロモーションした方が、新規/古参の全員が納得した上で視聴開始できたでしょう。

※最近の人にわかりやすく例えるなら・・・

ゲームのFF7リメイクにて、もし『原作はRPGでしたが、リメイクではアクションRPG化します!!』という情報を一切伏せたままプロモーションしていたら、どうなっていたと思います?

リメイクと聞いて “原作RPGを現代技術でまた楽しめるんだ♪” と期待して買った人々が、『フタを開けてみたらアクションRPGでした』と知って、どういう反応をみせると思いますか?・・・“わぁドッキリだよ〜w” と和やかな空気で済むと思います?

実際は制作サイドが前もって入念に『アクションRPG化する』という広報をしていたから、買う側もそれを納得の上でアクションRPGを買ったんです。この『作品に関する広報(周知)』と『ユーザー側の納得』が重要なんです。

それと対比させてみてください。

新作ひぐらしの放送に際し、『旧作ひぐらしの続編である』『旧作とは異なる3要素で描いた新作ミステリーである』という情報を伏せたことでどんな事態を引き起こしたか・・・。ちゃんとこのプロモーションの『デメリット』と向き合ったのか、小一時間問い詰めたいです。{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーー
② これまでの各話レビューで「うみねこのなく頃に」の名前は伏せるようにしてましたが、もう伏せない方が良いと判断しました。「ひぐらし」と「うみねこ」の関連性を知っていた方が、よくわからない描写や思わせぶりな描写でいちいちモヤモヤせずに済むと思います。

{netabare}特に最終話にあった数々の描写は、明らかに「うみねこのなく頃に」の世界観に繋げるための描写でした。(私的には嬉しいサプライズでしたが、うみねこを知らない人にとっては・・・)

正直、思わせぶりな描写をしておきながら本作内でその関連性を描く気がないのなら、余計な描写を交えない方が良いのでは?と思っていました。こんなの「うみねこ」を知らない勢からしたら余計な混乱、無駄な推理を招くだけでしょうに、と。(まさか最終話で畳み掛けてくるとは思いませんでしたがw)

竜騎士07氏はインタビューで「うみねこを知らなくても楽しめるようになっています」とは言っていましたが、私が感じた印象はちょっと違いましたね。私は「余計な情報を交えたせいで、うみねこを知らない勢は話がよく見えずに憤りを感じたのではないか?」と心配になりました。

むしろ本作は「うみねこを知らなければ 納得できない作品」とさえ言えると感じました。

両方を知っている人は『この描写は本作の推理として必要な情報だな、この描写はうみねこにつなげる情報だな』と分別できますが、旧作ひぐらししか知らない人は『本作の全ての描写』をひぐらしの世界観で説明しようと試みるんですから・・・。①の話にも通じますが、だからこそ「この作品の楽しみ方(作品の位置付けなど)」をちゃんと広報すべきだったと思います。

でもなんだろう・・・「うみねこを知らない勢」を心配している自分と、うみねこに繋がる情報を求めている自分もいて、葛藤しながら観ていましたw

本作は「ひぐらし」単体の視点で観る分には率直に言って駄作な気がしますが、「ひぐらし」と「うみねこ」の繋がりを考察するためのアニメと考えれば、やや楽しめる部分はあると感じました。
{/netabare}

ーーーーーーーーーーーーー

(1)まず、「新作ひぐらし」の惨劇は、そこに至る経緯(動機)があまりにも稚拙です。「旧作ひぐらし」や「うみねこ」で描かれた経緯とは比べ物にならないほどにお粗末。

理由・・・ {netabare}「旧作ひぐらし」の黒幕には壮絶な過去があり、特に「うみねこ」はそれを凌駕するほど壮大な悲劇が起きており、感情移入しすぎて辛くなったものです。

しかし「新作ひぐらし」の動機は「梨花と離れたくないから聖ルチーアについて行く」、あるいは「梨花と離れたくないから雛見沢に縛り付けたい」、あるいは「沙都子と離れたくないから一緒について来て」・・・何にせよ ただの「わがまま」から生じているんですよ。

普通なら 納得いくまで話し合うなり 喧嘩するなりで流れて行く青春の1ページを、何とかして無理やり「大量殺人」や「凶悪テロ」に仕立て上げただけ・・・話の作り方が強引すぎです。{/netabare}

(2)また、ひぐらしにおける奇跡が『何でもありの安物』になってしまった気がします。

理由・・・ {netabare}旧作で起きた数々の奇跡は、積み上げた惨劇と後悔の末に垣間見える「解決の糸口」のようなものだったと思います。それはあくまで「きっかけ」であり、奇跡を起こして「ハイ 解決♪」とはいかないものでした。

しかし、新作で起きた数々の奇跡はもう「直接的解決手段」になっています。奇跡を起こして何でも解決しちゃうのは「御都合主義」というものです(詳細は最終話のレビューに書きました)。

「旧作ひぐらし」で起きた数々の奇跡のうち、「直接的解決」をしたのはおそらく1度だけ。最後の最後、{netabare}鷹野が羽入に向けて撃った銃弾を、時が止まった世界で梨花が取り除いた時だけ。ただし、それは鷹野が終末作戦を失敗して逃走した後・・・つまり梨花を捕らえ続けた惨劇に決着がついた後の話。

羽入がオヤシロサマとして鷹野の前に現れ、鷹野の罪を許そうとしたことで起きた描写であり、そこは梨花の物語の幕引きとして必要だったのではなく、鷹野の物語の幕引きにとって必要だったこと。梨花の惨劇自体はもう解決{/netabare}したエピローグ的な部分なので、そういうのは許容します。後味を良くするための飾り付け程度の「ご都合」は全然あり。{/netabare}

(3)世界観をぶっ壊したなぁと感じた点は他にもいくつかあります。

理由・・・ {netabare}「梨花は死の直前の記憶を保持できない」という大原則を 奇跡という建前でなし崩したり、数々のキャラクターを大した背景を描かずに惨劇の実行犯に仕立て上げたり、ドラゴンボールさながらのどっかんバトルに発展したり・・・{/netabare}


「旧作ひぐらし」のファンとして、また 特に“心”を大事に描いていた「うみねこ」のファンとして、なんだか裏切られた気分になりました。


あ、ちなみにドラゴンボールのような超常バトル展開になったのは、おそらく「うみねこ」成分を取り入れたせいだと思います。

ーーーーーーーーーーーーー
(超脱線:うみねこの世界観について)興味のある方だけどうぞ
 {netabare}うみねこは、自分の存在を認めさせたい「魔女 ベアトリーチェ」と、魔女や魔法の存在を否定したい「人間 バトラ(探偵役)」の、ミステリーに準じた謎解きバトルを描いた物語です(ただし ミステリーとも ファンタジーとも言い切れません)。

※主人公が否定したいのは「この世すべて」の魔女と魔法の存在ではなく、「自分の目の前で起きている惨劇において」の魔女による魔法殺人説を否定したいだけです。

まず魔女側は「人間には到底不可能であろう殺人事件」を次々に起こしていきます。探偵役である主人公は当然 殺害シーンを直接見ることはできません。主人公は探偵が行う一般的な調査手段と、犯人である魔女との直接問答から情報を得ることになります。

その際、魔女はその殺人シーンを幻想的な描写で再現してみせ「わらわが魔法で殺害した」と主張します(だいぶ語弊がありますが、知らない人への説明としてはこれで十分)。

一方、主人公(探偵役)は魔女と魔法の存在を否定したいので、魔女に見せられた幻想を拒絶し、人が死んでいるという「事件の結果」だけを信じ、殺人事件のすべてを「人間の手による殺人トリックとして立証を試みる」という物語です。

で、この世界は『主人公が殺人トリックの立証を諦めないうちはミステリーに、推理を諦めて魔女に屈服したらファンタジーになる』という、かなり独特な謎解き物語です。

ちなみに、魔女に殺されているのは主人公の親族一同とそれに仕える従者たちです。そして ひぐらしの梨花と同様、主人公が真相にたどり着けない限り惨劇のループに囚われ続け、無限に殺され続けます。{/netabare}
ーーーーーーーーーーーーー


なので「うみねこ」はひぐらし卒14話で繰り広げたドラゴンボール展開が霞むほどの「超常バトル(魔法バトル)」が展開します。でも「うみねこ」なら良いんです。うみねこの場合は {netabare}『これが魔法ではなく殺人トリックだと主張するなら立証してみろよぉおw できねぇだるぅぉお?w』という魔女ベアトリーチェからの挑発(宣戦布告){/netabare} と解釈できるので。

ただ、この世界観を「ひぐらし」に持ってきたのはかなりの悪手だと思います。この描写は「ひぐらしの世界観」をぶっ壊しています。「うみねこ」の世界観を受け入れた私でも、「ひぐらし」で同じことをされたら拒否反応が出ます。・・・特に『うみねこを知らない勢』からしたら、共感できる余地なんて一切ないでしょう。

(ちなみに、うみねこに興味を持った方はマンガかゲームをおすすめします。アニメは出題編までは制作されましたが、解答編の制作は頓挫しています)

ーーーーーーーーーーーーー



※ここからはリアルタイム時に書いていた各話レビュー(不定期)です。

【9話までの感想】====================

{netabare}ひぐらし業の後半・・・具体的にはエウアが登場してからずっと不安に感じていたのですが、ひょっとしてこの作品・・・「ひぐらしの世界観」だけでは全ての真相にはたどり着けないのでは?

いや、業で起きた「事件の裏側」は卒ですべて明かしてくれるんでしょうけど・・・『なぜ沙都子をこんなクズ人間として描かなければならなかったのか?』という部分が、ひぐらしの世界観だけで納得のいく説明がつくのか・・・。

もし・・・ もしもこれが『沙都子の意思ではない』という結末に持っていこうとしているのなら、いよいよ竜騎士07氏(原作者)の別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の話をしなければならなくなるかも?・・・そうならないことを願っています。( “ひぐらしのなく頃に” は、あくまでひぐらしの世界観で完結して欲しいので)
{/netabare}

【12話の感想】=======================

{netabare}「業」の時点でものすごく不満を抱いたものの、最終話と同時に「卒」が制作発表された時点で評価を保留していたことがあったのですが・・・「卒」を踏まえても結局その不満点は最悪なままでした。

ーーーーーーーーーーーーー
何が不満だったかと言うと・・・{netabare} 赤坂と 茜さんと 公由のじいさんを 使い捨てにしたことです(圭一はもともと別のカケラで何度も発症した経緯があるのでさほど気になりません)。

いや、茜さんと公由のじいさんは物語上そこまで重要な役ではないのでまだ許容できなくはないですが、「赤坂」はあんな使い捨てにして良いキャラじゃないでしょ・・・。

なぜかって(旧作のネタバレあり→)・・・{netabare}旧作の暇潰し編は1編まるまる梨花と赤坂のエピソードでしたよね? そのエピソードの賜物(反動)があってこそ、祭囃子編(最終章)の結果につながったはずですよね?めちゃくちゃ重要なキャラじゃないですか。

旧作アニメでは尺の都合で詳しく描かれませんでしたが、赤坂が山狗の小此木の軍隊格闘に対抗できるほどに鍛錬を積んだのは、暇潰し編における誘拐事件での戦いと後悔があったから。赤坂が皆殺し編と祭囃子編で雛見沢に帰ってくるのは、暇潰し編での梨花からの「助言」と「ヘルプサイン」を信じたから。普通の赤坂なら ほぼ全てのカケラで梨花の言葉を信じず、惨劇が起きたのちに梨花の死を知り、激しい後悔に苛まれるのが常でした(つまり、赤坂にも圭一と同じような奇跡が起きています)。{/netabare}

部活メンバーはもちろんのこととして、「赤坂」「大石」「富竹」「入江」は絶対に使い捨てにしてはならないキャラだと思っています。

なぜなら(旧作のネタバレあり→)・・・{netabare}鷹野の『終末作戦』を表舞台で阻止したのは部活メンバーですが(山狗たちとの徹底抗戦)、裏舞台で「山狗の一時撤退→仕切り直し」という選択肢を潰したのが「赤坂」「大石」「富竹」「入江」なんですから。(赤坂は表でも大活躍。あとキーマンとまでは言えないかもしれませんが、裏の功労者に「詩音」と「葛西」も加えてあげたい)

たとえ部活メンバーが山狗部隊を退けたとしても、重火器を持って再戦を挑まれたらどうなっていたかわかりません(この戦闘は日中かつ棉流し当日で人が多いため、山狗部隊は拳銃使用は認められていません。人目がつかない裏チーム側では銃撃戦しまくりですが)。

その『撤退後の選択肢』を潰してくれたのが大人たちでしょう。

赤坂はかつて「梨花の予言」を聞かされていた者として、大石に詳細を告げて真相究明のための仲間に引き入れ、なぜこんな予言ができたのか 改めて二人で梨花の話を聞きに赴きました。時を同じくして、梨花は入江から「自分が死ぬことで終末作戦(雛見沢大災害)が決行されること」を聞き出せており、入江と二人で「鷹野に殺される可能性がある」と富竹に警告しています。そして大石・赤坂がその話を立ち聞きできたことで、ようやく警察側と入江機関側が腹を割って情報共有できるようになりました。

梨花が暇つぶし編で告げたオヤシロ様の祟りの予言を、『赤坂が信じなければ』この舞台は整いません。

入江は、入江機関所長として把握していた「終末作戦(雛見沢大災害)」の詳細を全員と共有し、特に大石に対しては「オヤシロ様の祟りの真相を全て入江機関要因で説明できる」とも告げました。梨花は、部活メンバーと相談できたことで導き出せた「仮説」を披露します。

一通りの情報を共有したことで、富竹は「本当に自分が殺される可能性がある」と信じて警戒するようになり、また大石は長年園崎家が黒幕だと思っていたことが誤解だと知って和解できました(園崎家の協力が得られるようになる)。大石は「終末作戦」に対して「48時間作戦」という罠を仕掛け、警察内で“東京”の息がかかった諜報員をあぶり出して園崎県議に引き渡し、富竹は入江機関と“東京”の連絡員として機密管理などのための『番犬部隊』を招集してくれました。{/netabare}

祭囃子編の結末にたどり着くためには、必ずこの4人が『真の肩書き』として出会わなければなりません。この4人それぞれが持っている情報と人脈が、本当の意味で惨劇を終わらせたのですから。そのきっかけを作ったのが『赤坂に起きた奇跡』でしょう。

このキーマンたちを惨劇の首謀者に仕立て上げるなら、相応のエピソードがないと納得...というか満足できないです。

大石刑事の惨劇はしっかり描かれて満足できたのですが、赤坂だってあれくらいの物語はあって欲しい重要なキャラだと思うのですが・・・。卒で付け足された要素なんて『沙都子の仕業でした。以上』だけって・・・。そんなの業でわかっていることなんだから、もうちょっと何かあって欲しかったです。 {/netabare}
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話は飛びますが、羽入の角のヒビの意味、それが12話で修復された意味、羽入とエウアとの関係性・・・この辺の設定って結構昔の竜騎士07氏のインタビューを聞いたことがある人じゃないと意味がわからないのでは?

いや本作中でも「あれは○○の出来損ない」とかは言ってましたけど・・・。そもそもエウアがどういう存在で、どういう立場でこの物語に関わっているのかってのは、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知らないと訳がわからないんじゃないでしょうかね?

私は両方のファンだから別に混乱していないですけど、ひぐらししか知らない人は話ついていけているんでしょうかね?
{/netabare}

【13話の感想】=======================

{netabare}もう何もかもが御都合主義に感じて来ました・・・。特に今回は「そこだけは設定変えちゃダメでしょ!」って所を、奇跡という建前で変えてきましたね。まぁ12話で羽入に起きた変化からして、こうなることは覚悟していましたけど。御都合主義はその変化からすでに始まってますね。

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私が納得いかなかった点は・・・{netabare}奇跡によって「梨花が死の直前の記憶を保持できるようになったこと」です。

「そうは言っても、旧作でも何度か同じような奇跡が起きたじゃん」と思われるかもしれませんが、明確に違う点があります。

例えば旧作の罪滅し編でも、圭一が「別のカケラの記憶を垣間見る奇跡」が起きていますよね。そして魅音に謝罪する一幕が。

圭一に起きた「奇跡」については、私がその発想に至らなかったというだけのことで、物語のルール上禁止していないのだから、いつそんな奇跡が起きてもOKなんです。

圭一以外でも「部活メンバーや大石・赤坂・富竹・入江たちが、別のカケラの記憶を垣間見ることなんてあり得ません」なんて一言も言っていないのだから、いつどんな奇跡が起きてもOKなんです。

しかし、梨花だけは違います。梨花だけは物語上『絶対的な制限』がかけられていたはずです。

ひぐらしの世界すべてを通して『梨花は死の直前の記憶を保持できない』という大原則ですべての物語が作られていました。それは羽入が不完全な存在だから(詳細割愛)。ゆえに『自分(梨花)を殺した犯人だけは絶対にわからない』はずでした。その大原則だけは普遍であって欲しかったのですが、今回そこをぶっ壊してきたということです。

ならばこう考えられませんか。・・・その奇跡を起こして「犯人当て」をして良いのなら、旧作の惨劇ループなんて1回で十分じゃないですか?と。いや、1回はさすがに少ないか。

ただ100年も1000年も惨劇を繰り返す必要なんてないんじゃないですか?あの人(黒幕)が直接手を下す惨劇のカケラを引ければ、その記憶を保持すればもう「犯人当て」は即終了ですよね。そこからは対策を講じるために何回かループし、数手でチェックメイトじゃないですか?

「超常的な能力で犯人を当てる」って、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の中で散々説明してくれた、ミステリーで絶対にやってはいけないことに抵触していますよね(ノックス十戒とヴァンダイン二十則)。

もちろん、ひぐらし卒の時点ではもうミステリーではありませんが、だからってこんな酷い犯人当てがあって良いんですかって・・・(ひぐらし業まではミステリーと言えますが、業の時点ですでに犯人は明かされているので)。

旧作での序盤のコンセプトにしたって『これは “オヤシロ様の祟り(ファンタジー)” なのか “殺人事件(ミステリー)” なのか』を問うており、圭一が「どうか真相を暴いてください」と出題しているのですから、旧作もミステリー要素はあったはずなんです。旧作は皆殺し編で大石を味方に引き入れたことで、ちゃんとロジカルに黒幕を究明したんです。

だから本作もなるべくならミステリーの原則に準じ、「ひぐらしの世界観」をちゃんと保って欲しかったです。

ちなみに強いてひぐらし卒をミステリーで例えるなら、刑事コロンボや古畑任三郎スタイルですかね。冒頭であえて犯人も犯行方法もバラした状態で、『どうやって探偵役がその犯人に迫っていくのか』を描くスタイル。

なのに『古畑任三郎が捜査中に突然超能力に目覚め、唐突に犯人を言い当ててしまう』なんてことになったら・・・駄作にもほどがありますよね。この13話のシナリオはまさにこういう内容なんですよね。{/netabare}
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<余談:原作と脚本について>
{netabare}業の頃からなんとなく違和感を感じていたのですが、これ・・・よくよく考えたら竜騎士07氏は新作ストーリーにほとんど関わっていないんでしょうかね?

原作者として名前がクレジットされていたので、てっきり竜騎士07氏がストーリーを描いているのかと思い込んでいましたが・・・よくよく考えればそもそも「業/卒そのものの原作」は無いですもんね。このクレジットの意味は、本当の原作(無印のPCゲーム)のこと・・・ですかね?

なので新作のストーリーを描いたのは別人なのかも?・・・きっと。そう考えれば、やっと合点がいきます。

別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』で、ノックス十戒や ヴァンダイン二十則を組み込んだ緻密な物語を描き、その作中で「事件を起こす動機(心)」の大事さを熱く語り、登場キャラが「(推理において) 心をないがしろにするんじゃねぇ」と何度も口にしていました。実際、それに見合うだけの壮大なストーリー(心)がちゃんと用意されていました。

旧作ひぐらしにしたって、数々の惨劇を誘発させていた黒幕には、その凶行に駆り立てるだけの動機がちゃんとありました。そして、それを少なくない話数をかけてしっかり描いてくれました。

竜騎士07氏の作品は、ちゃんと『心の機微』が克明に描かれていたんですよ。少なくともこれまでの作品では。そんな原作者が、本作のような「心をないがしろにしまくった 精神崩壊ストーリー」を描くとは思えませんからね。別人が描いたストーリーなのであれば腑に落ちます。

本作は『凶行の動機』がまったくもって意味不明なんですよ。動機は『沙都子が梨花と雛見沢でいつまでも楽しく暮らしたい』と・・・。全然納得はいかないですが、一旦それで理解しましょうか。

しかしそこをスルーしても『何故そこまでの執着を見せるのか?』すらもさっぱりわからない。仲間を再び惨劇に突き落とし、それどころか仲間が凶行に及ぶよう企て、時には自らの手で殺しもする。それらの行為に対して何も思わないほどの『狂気』を発揮する理由がまったく描けていないと思います。

じゃあ、例えば梨花が結婚して沙都子にかまう時間がなくなった時、それすらも沙都子は許さないのでしょうかね??遅かれ早かれ、いつかは『それぞれの人生を歩み出す時』が必ずくるはずですが。

それが惨劇の出発点となった最初のカケラでは『聖ルチーアへの進学』だったのでしょう。そして普通に考えれば、沙都子が聖ルチーアへの進学を諦め、それぞれの道に進むことを受け入れるべき事でしょう。しかし、沙都子はそれだけは受け入れられなかったんですよね?なぜかは知りませんが。大量殺人をもいとわないほどに。その愛すべき梨花を無限に殺しても構わないほどに。

ならば『梨花に対する常軌を逸した執着』にそれ相応の理由が無いと、物語としてめちゃくちゃ不自然なんですよ。遅かれ早かれ必ず別々の人生を歩む将来が来るのに、『大量殺人』を犯してでも『凶悪テロ』を起こしてでもそれを拒むだけの理由が。

私がこの物語に抱いた評価を上方修正するとしたら、『沙都子があれほどまでに梨花に執着する理由』をちゃんと描いてくれたら、もう少しマシになるかもですね。まだ納得いく理由を聞いていないので。・・・まさか聖ルチーア編だけで描き切ったつもりなら、「心をないがしろにすんじゃねぇ」と言わせてもらいましょうかね。

まぁ、もう動機の掘り下げについては「シナリオライターのエゴに巻き込まれ、沙都子がただのクズに成り果てたから」という事で諦めていますが・・・。{/netabare}

さてさて残りあと・・・2話ですかね? いろいろ書いてしまいましたが最後まで事の顛末を見届けたいと思います。
{/netabare}

【14話の感想】=======================

{netabare}これは完全にやらかしましたね・・・もう落胆を通り越して笑えてきました。もう理屈抜きの勢い任せのアニメになっちゃいましたね。

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今回の不満点はもはや致命的・・・
{netabare}
何これ、急にドラゴンボールでも始まったんですか? いや衣装チェンジがあったから魔法少女モノですかね? あの超常バトルはどうしちゃったんですか?ww

これが別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』だったら、魔法バトルの演出は許してましたよ。でもこれ、『ひぐらしのなく頃に』ですからね?ちょっとおイタが過ぎるのでは?

しかもバトル中にコロコロ場面転換しましたが・・・あれ、何を意味していますか?勢い任せで見過ごせる描写じゃないですよ。

時代も年齢も服装もコロコロ変わってましたよね? 指パッチンの描写も何度かありましたよね?まさかとは思いますが・・・そのたびに「死に戻り」してますか??

よもや『新作で追加した設定』は忘れてはいないですよね?

『沙都子は梨花が死んだ後に自分が死ぬことで、梨花の意識の飛び先のカケラまで追いかけることができる』んでしたよね?? 沙都子の慢心をたしなめるように、エウアが何度か釘を刺して説明しましたよね?

ということは、突如始まったあの超常&連戦バトルは
①『必ず毎回 沙都子が勝利し、梨花を殺し続け、沙都子が追いかけ続けた』

しかも鬼狩柳桜(おにがりのりゅうおう)を奪い合っているにも関わらず、
②『毎回 鬼狩柳桜を使わずに普通の凶器で梨花を殺し続けた』

という描写として解釈しろということでしょうか。もしあの場面転換中、1度でも沙都子が先に死んでいたら、ありえない光景ですからね。

ということは、あんな接戦しているようでいて、その実「梨花はクソザコ。あれは一方的な殺戮ショー」って脚本ですか?えぇ・・・。

もしくは、二人とも「死なずにカケラを飛び越える力」すら手に入れちゃってます?

っていうか、エウアが釘を刺した設定が結末の肝になると思っていたのに、いつ活きてくるんでしょうか?最終話?・・・実はこの設定どうでも良かった????

ちなみに、私はてっきり沙都子が先に死んでしまい、梨花の上位世界の意識を見失い、梨花は沙都子から永遠に逃げ続け、沙都子は梨花を永遠に追い続けるという愛憎劇を妄想し、

それが別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の『{netabare}奇跡の魔女 フレデリカ=ベルンカステル{/netabare}』と『{netabare}絶対の魔女 ラムダデルタ{/netabare}』の2人の関係に繋がっていくのかなぁ・・・なんて予想していたのに。

で、もちろんエウアは『{netabare}観劇の魔女 フェザリーヌ=アウグストゥス=アウローラ{/netabare}』と同一人物なんだろうなぁって想像してたのに。

今回「ひょっとしてその辺のクロスオーバーしている世界観に切り込んでいくのか!?」と、ちょっと期待してしまいましたが、このままだと匂わせすらないまま終わりそう・・・w
{/netabare}
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<余談:原作と脚本について> (※大幅修正しました)
{netabare}私が最初に書いた内容に誤解があったので訂正しました。訂正前のコメントを読んだ方、申し訳ございません。この項目は改めて書き直しています。

[シリーズ構成(脚本の総責任者)]
 ハヤシナオキ(久弥直樹)

[各話脚本]
 鬼騙し編1〜4 ハヤシナオキ
 綿騙し編5〜8 川口敬一郎
 祟騙し編9〜13 ハヤシナオキ
 猫騙し編14〜17 ハヤシナオキ
 郷壊し編18〜24 ハヤシナオキ

 鬼明し編1〜3 ハヤシナオキ
 綿明し編4〜6 ハヤシナオキ
 祟明し編7〜11 ハヤシナオキ
 神楽し編12〜15 ハヤシナオキ


(訂正)
原作と脚本の関係について、竜騎士07氏が業の終了後にインタビューを受けていたようです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
記者
「アニメ制作についてですが、竜騎士07さんが書いたプロットをアニメスタッフに預ける形で制作しているんですよね。」

竜騎士07
「そうです。(中略)もちろん、私も監修という形でシナリオやコンテに関わらせていただきましたけど、“ちょこっとセリフを修正する程度” でした。

(中略)
私自身の感覚としては、魚市場から200キロのマグロを仕入れて、それをアニメスタッフの方々にドーンとお渡ししただけという感じなんです。それを川口監督が見事に解体して、さらに脚本のハヤシナオキさんがキレイに三枚におろしてくださったというか。

(中略)
私はアニメに関しては素人同然ですし、プロットもそれを意識したものではないので、うまく捌いていただけたなと思います。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ということで、物語の「骨組み」自体は竜騎士07氏が組み立てて、

キャラの心情・行動・セリフや、各シーンの描写、どこに時間をかけるかなど、細かい話の「肉付け」をしていったのが前述の作家さん2人という感じみたいですね。(もちろん そこに演出家なども加わってくるのでしょう)

ミステリーで言うところの「who:沙都子、why:梨花と雛見沢で暮らしたい、how:死に戻りの力で梨花の心をくじく」という大筋を描いていたのは、竜騎士07氏ということでしょうね。

ということは「沙都子をクズに仕立て上げる」という方向性を決めたのも、竜騎士07氏本人ということになりそうですね。脚本家は、どれくらいのクズにするかの「さじ加減」を考えて脚本を用意した・・・ということですかね?

そしてインタビューの中で、竜騎士07氏が猫騙し編(聖ルチーア編)の脚本で「沙都子の内面をちゃんと描けた」と満足していることが、何よりもショックでした。私はあそこが一番不満に思っていたので。どこが描けているんだよって。

ひょっとして竜騎士07氏や脚本家陣的には、沙都子と梨花の言い分(正当性)は50:50だと思っているんでしょうかね?? 私的には梨花100:沙都子0、いや譲歩しても95:5くらいだと感じていますが。あれじゃ沙都子がただクズなだけですよ・・・。

そもそも「沙都子は勉強ができない」「梨花と離れたくない」という前提に則った上で、沙都子の内面に対して2点つっこんでも良いでしょうか。

沙都子の内面に関するツッコミ①
{netabare}沙都子は少なくとも2度は聖ルチーアでの学園生活を送っていますよね? 沙都子は2度目以降で何を変えようと努力したんですか?? アニメの中でこの流れを完全に省きましたが、沙都子が「2度目以降にどんな努力をしたのか」は非常に重要なことだと私は考えています。

旧作の梨花の場合、常にみんなが生還する幸せな結末を迎えるための「奇跡」にたどりこうと、努力し続けましたよね。それが旧作のすべてのカケラに共通していた梨花の心情。

じゃあ新作の沙都子は?・・・梨花のセリフから推察できるように、どの世界でも「沙都子は梨花のせいにし続けただけ」じゃないのでしょうか?しかも「みんなのため」ではなく、「自分のため」のループですからね。

1度目で勉強ができなくて落ちこぼれたなら、なぜ2度目以降で素直に「梨花の助け舟」を受け入れなかったのでしょうか?

そもそも大前提として、梨花の助けを借りて受験も乗り越えたんでしょう? 梨花は同情しているわけでも、見下しているわけでもなく、沙都子と進学したかったから手を取り合ったわけで。沙都子も梨花の気持ちと助け舟を受け入れて一緒に進学したはずなのに、なぜ今さら意地を張るのでしょうか?(・・・それは梨花が学園に順応していく様を僻んだからですよね?つまり ただの逆恨み)

1度目で学園で孤立したことを悔いているのなら、なぜ2度目以降で「梨花の招き」を受け入れなかったのでしょうか?

これは単純に沙都子が友達作り、あるいは高校デビューに失敗しただけのこと(ただし、進学して友達作りに失敗することはよくあることなので、この点だけは同情します)。しかし、それを梨花のせいにするのは沙都子の性格が歪んでいると思います。しかもせっかくループする力を得たのに、同じことを繰り返したのならそれはもう沙都子の問題です。

どちらにも共通して言えますが、1度目と同じことをすれば「何度だって同じ結末を迎える」のは当然でしょう。だから「沙都子が何を努力したのか」は重要なんですよ。このストーリーはそこを軽視していると思います。

さらに、これが致命的。

1度目で『どうやっても自分は梨花のようには変われない』と悟ったのなら、なぜ2度目以降も『聖ルチーアへ進学しよう』と思ったのでしょうか?普通に考えれば、そこが2人の人生の「最初の分岐点」でしょう。・・・ここに関して『沙都子が梨花に妄執する理由』が何1つ描けていません。

ゆえに私の印象では、聖ルチーアに順応すべく自分を変えていこうとする梨花に対し、沙都子がそれを僻んだだけのことだと解釈しています。だからいくら沙都子が梨花を糾弾しようと、『沙都子が僻み根性丸出しにして噛み付いている』ようにしか感じません。ゆえに動機が恐ろしくチープだと感じています。

梨花と沙都子の正当性を50:50のつもりで描いているのだとしたら、もう意味不明です。
{/netabare}

沙都子の内面に関するツッコミ②
{netabare}たかが神経衰弱(ゲーム大会)で完封勝利する演出のために「死に戻り」するような人間が、そして現にそれを丸暗記できてしまう人間が、何で「テストの答案」ごときを丸暗記できないんですか。神経衰弱の盤面を丸暗記するより、テストの答案を丸暗記する方がはるかに楽ですよ。

しかも、ただの一夜漬けによる丸暗記ではないですよね? あれって勢い任せでスルーできる描写じゃないですよ。

沙都子と梨花は「たった1日だけ」をループしているわけではないはずなので。沙都子は梨花の死後を追いかけながら、時には「数年間」巻き戻ってからゲーム大会の日を迎えているわけで、長い月日の中のたった1日、その中のゲーム大会の盤面を、「巻き戻った分の月日を過ごしながら記憶を保ち続けている」んですよね。・・・ただ事じゃないですよ。

それとも、あの指パッチンの描写は・・・「梨花を殺さずに沙都子だけが自殺し、梨花がそのカケラを離れる前に戻ってこれて、沙都子の自殺の数分前から再スタートできる」ような使い勝手のいい能力だったんでしたっけ?この場合は『沙都子が先に死んでいる』としてもその事実は都合よくスルーできるんでしたっけ? それだったらあの記憶力は「一夜漬けや瞬間記憶程度のものにすぎない」と認めますけど・・・そんな設定は聞いた覚えないですよ?

ならば「テストの答案」だけを記憶できない道理がない。勉強なんかできなくたっていい。神経衰弱と同じように「丸暗記」すれば良いだけなのだから。それなら聖ルチーアでも「勉学」で落ちこぼれることはないですよね。

まぁテストをやり直すために、どうしても死に戻り(梨花との心中)が条件にはなってしまいますが、「梨花や仲間たちを無限に殺し続ける」よりもよっぽど楽な覚悟で済むはずでは?

あ・・・、というか「梨花を屈服させる」という思惑が生じてしまったから梨花の死後を追いかける必要があるだけで、単に「自分がやりなおしたいだけ」なら梨花の意識を追いかける必要はないから、沙都子は一人で死んでも構わないですよね。なら余計に「梨花を屈服させようと思った正当な動機」が欲しいところですね。正当ってのは逆恨みや僻み根性丸出しの動機以外で、という意味で。{/netabare}
{/netabare}

あぁ・・・次が最終話か・・・どう収拾つけるのでしょう。 {/netabare}

【最終話の感想】======================

{netabare}呆れた・・・もう呆れるしかないです。

私がこれまで散々文句を言ってきたこと・・・というか誰しもがそう感じていたであろうことが・・・まさか「最終話の結論に持ってくる想定」だったから、こんなにも無茶苦茶で回りくどいシナリオになっていたなんて。

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何が回りくどいって・・・

{netabare}まず、私は業の聖ルチーア編の時から一貫して『沙都子が聖ルチーアに順応できないのなら、梨花は梨花の道を、沙都子は沙都子の道を歩むのが当然の摂理だ』と指摘してきました。「自分の進路は自分で決めるもの」ですし、「親友と進路を違える」なんてごくごく普通のこと・・・誰しもが経験することなのだから、と。「親友と離れたくない」なんて稚拙な動機で大量殺人や凶悪テロなんてされたらたまったもんじゃないですよ。

また卒に入ってからは『大量殺人や凶悪テロを起こしてでも梨花との別離を拒むのなら、その凶行に見合うだけの動機が必要だ。梨花に対する妄執の背景を描かないと物語として不自然だ。』とも指摘してきました。それこそ旧作のあの人に匹敵するか、それを超えるような動機を描いてもらわないと誰も納得できませんよ。

なのに・・・えぇ・・・。『超常バトルの末に、ようやく “別離” という結論に至る』って何?w

いや・・・だからそれ・・・視聴者のほぼ全員が『聖ルチーア編で即答していた結論』だと思うのですが。普通の人間同士なら「殺し合い」ではなく「話し合い」で解決できることですよ??この当たり前の結論に至るまでに、私はいったい何を見せつけられていたのでしょうか?

この惨劇の解決手段(別離)は・・・言うなれば「1+1は?」と聞かれて全員が「2」と即答する程度の結論。

それを回りくどく『1でもなく、3でもなく・・・4、5、6でもなく・・・というかこんな大きな数字にはたぶんならないよなぁ・・・それに奇数と奇数を足しているんだから偶数のはずだ。ということは、きっと2に違いない!どうだ!?』なんて問答を見せつけられたら、

さすがに『君の頭の中ではいったい何が起こっていたんだ??』と、じゃっかんの苛立ちを込めて突っ込みたくなりませんか?こんなん相手すんのメチャクチャしんどいでしょうよ。

しかし『ひぐらし業/卒』はこれに匹敵するしんどいシナリオ構成になっていたようですね。相手するのがしんどくなるような・・・ね。

『ひぐらし業/卒』とは、誰もが即答するであろう「当たり前の結論」に至るために、『常人には到底共感できないような遠回り』を描いた作品だったようですね。{/netabare}

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ついでに もう1つ不満点を・・・

{netabare}羽入 vs エウアについては・・・う〜ん。個人的には『奇跡』は数々の行いを積み重ねた上で導かれる『最後の一押し』という概念であって欲しかったです。

数々の惨劇と後悔を積み重ねた上で「別のカケラの記憶を垣間見れた奇跡(罪滅し編など)」、運命は変えられると信じなかった最後の一人が それを信じたことで訪れた「羽入顕現の奇跡(祭囃子編)」、いずれの奇跡も「直接的解決手段」ではなかったと思うんですよね。

一方、「羽入のもとに鬼狩柳桜(おにがりのりゅうおう)が届く」って・・・それもう直接的解決手段じゃないですか。これまでのカケラとの脈絡もあまり感じませんし・・・。

言うなれば「アンパ○マン新しい顔よ〜! ア○パ〜ンチ! バイバ○キーン」の流れと同じでしょう(この作品をバカにしているわけじゃないです。「ひぐらし」がこれをやるのはどうなの?という話です)。

これだけじゃない。梨花が死の直前の記憶を保持できるようになって「犯人当て」しちゃった時もそう。そんなのミステリーの探偵役が急に超能力に目覚めて犯人を特定しちゃうようなもの。

ん〜、それならもう梨花惨殺シーンを見た羽入がブチ切れてスーパーサ○ヤ人化し、かめ○め波を撃ってエウアを蹴散らすって展開でも良いんじゃないですか?奇跡の力で直接解決しちゃいましょう!w

何だろう?・・・私が抱いていた『ひぐらしにおける奇跡の価値』がちょっと下がりましたw{/netabare}

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あと細かいところで気になったのですが、『聖ルチーア学園』って・・・

{netabare}どこにあるんでしたっけ? どこかで語っていたのを聞き逃したかも?

詩音が通っていた学校ってのは覚えていたので、てっきり詩音がいる興宮だと思っていたのですが・・・『新幹線』で行き来するほどの距離だったんですか?興宮署の大石刑事や 興宮在住の詩音は、新幹線で行き来するような距離を移動して雛見沢に来ている・・・?

あるいは 興宮とは関係ない遥か遠くにあるんでしたっけ?(ググっても聖ルチーアの所在地情報がヒットしませんでした)

ちなみに郷壊し編の1話で、二人は『合格発表』の日に聖ルチーアに直接見に行ってますよね?新幹線でわざわざ見に行ったの?w

(追記)急いで旧作ひぐらし(マンガ)を読み直して見たところ、少し記憶違いがありました。

聖ルチーアは園崎お魎が詩音を幽閉する意図で入学させたものの、詩音があまりの『上品さ』と『陰湿さ』に息苦しくなって脱走してしまった学校でしたね。目明し編で詩音が聖ルチーアを酷評していたことを忘れてました。その後、詩音は悟史の事件を機に園崎家に居場所がバレ、ケジメをつけたのち興宮での生活を許され、「別の学校」に通い直していましたね。

ただ、やはり聖ルチーアの所在地情報は無かったですね。

ちなみに目明し編の経緯があるなら、沙都子のねーねーとして進学を引き止めてあげなさいw
{/netabare}

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と、ここまで批判ばかり書いてしまいましたが、一応ちゃんと良かった部分もありますね。

例えば、EDにあの名曲のアレンジ『YOU-卒業-』を持ってきたのは素直に『おぉ!』って驚きました。まさかあのイメージソングを公式EDに採用してくるとは・・・良い意味でゾワッとしました。

あとは えっと・・・うん、それよ それ(震え声)

いや、まじめに言うともう1点あるんですが、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知らない人にとってはどうでも良いことなんですよね・・・。ここが何というか・・・ん〜、もったいない。知っていればゾワっとする描写はいくつかありました。

最終話での・・・
「エウアの角にヒビが入り、エウアが子供化した描写」
「新幹線での別れ際で、赤い瞳になった梨花と沙都子の一連の会話」
「“そろそろ追いかけますわよ...梨花” のセリフ」
「“もういいわ、北条沙都子。あんたにあんたを返すわ” のセリフ(この口調は重要)」

これらは一見謎めいた描写に見えますが、別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』を知っていると、いろいろ思い当たることがあるんですよね。特に最後のセリフ。この情報によって『なぜ沙都子があんなにもクズになったのか』について1つの仮説が思い浮かびました(当たっているかはわかりませんが)。

また、あっちの作品でもハッキリとは明言されなかった「裏設定」に対する原作者からのアンサーとも受け取れそうな描写もありましたね。

でもこれ、『ひぐらししか知らない勢』にとってはこういう楽しみ方はできないと思います・・・。エウアが出てきた頃からクロスオーバー的な要素が濃くなるのではと心配していましたが、まさか最終話で畳み掛けてくるとはw

私的には新作ひぐらしは全然楽しめたものではありませんでしたが、最後の最後でクロスオーバーしている「裏設定」に関する情報が得られたので、結果的に最後まで諦めずに観て良かったです。最後にちょっとしたご褒美をもらえたことが、せめてもの救いになりましたw{/netabare}


【考察】==========================

ちなみに別作品『{netabare}うみねこのなく頃に{/netabare}』の方のネタバレをしても良ければ、私の想像できる範囲で考察を書いておきます。そっちの作品をご存知の方は「脱線」部分は飛ばしちゃってください。

かなりの長文なので、先に結論を書きます。「うみねこ」の世界観がわからない場合は、詳細の方を読まないと理解不能です。

結論=>{netabare}
沙都子がクズムーブする羽目になった本当の理由は『本作に一度も姿を現していない魔女たち』のせい。

ひぐらしの世界観で作られた『ゲーム盤(惨劇の舞台)』にて、
 『奇跡の魔女:フレデリカ=ベルンカステル』と
 『絶対の魔女:ラムダデルタ』が対局している。
その『盤上の駒』としてベルンが梨花を、ラムダが沙都子を動かしている。

『観劇の魔女:フェザリーヌ=アウグストゥス=アウローラ(エウア)』は、
沙都子に“繰り返しの力”は与えたものの、それ以上の干渉はしていない。

魔女たちの戦いに「駒の感情」なんて不要なので、心をないがしろにした惨劇が繰り広げられている。

・・・これが私の予想です。{/netabare}

ーーーーー以下、詳細ーーーーーーー
{netabare}新幹線での一連の会話は、うみねこのEpisode5とEpisode8にて「奇跡の魔女:フレデリカ=ベルンカステル(ベルン)」と「絶対の魔女:ラムダデルタ(ラムダ)」が別れを惜しんでいた時の会話との共通点が多々ありました。

「うみねこ」の序盤は主人公バトラと 惨劇の元凶ベアトリーチェとの戦いなのですが、裏では「ベルン」がバトラを、「ラムダ」がベアトを応援し、二人の戦いを散々引っかき回す役どころでした(徐々にこの対立構造も変わっていきます)。

この2人の魔女は、「お互いに愛し合いながら 憎みあってもいる」「誰よりもお互いのことをわかり合っている自負がある」という複雑な愛憎関係で、特にラムダは異常なまでにベルンに執着しています。一時の別れを済ましても、ベルンの姿が見えなくなった途端また会いたくなって探し始めるほどに。

つまり、本作の梨花と沙都子の関係に酷似しています(旧作ではなく本作の2人の関係に、です)。

つまり、新作ひぐらしの世界は「ベルン・ラムダ・エウア(フェザリーヌ)」の3人の魔女が積極的に干渉してきている可能性がありそうです。

そして“そろそろ追いかけますわよ....梨花” のセリフは、口調こそ沙都子のものですが「ラムダがベルンに抱いている感情」を表している気がしますし、何より「うみねこ」の世界でラムダがベルンに同じような主旨の発言をしています。

〜〜〜(脱線:マンガ版Episode5のセリフから引用)〜〜〜
ゲームが決着しかけた時の別れ(未遂)の挨拶

{netabare}ベルン「最後にはベアトも剥製にしてやりたいわ。そして大広間に高々と飾ってやるの」
ラムダ「銀河鉄道?」
ベルン「夜じゃない方」
2人 「・・・・・」
ラムダ「それで?あんたも鉄道に乗ってこのカケラから旅立つのかしら?」
ベルン「ええ。このカケラにはもう遊べるものはないみたいだし。また退屈を埋めに旅立つつもりよ」
ラムダ「次はどこへ行く? どうせ旅立ちはお互い背中を向けてでしょ?」
ベルン「あなたに退屈したくないからよ」
2人 「・・・・・」
ラムダ「ありがとう、ベルン。でも私はきっと百を数えたらまたあなたを探し始めるわよ」
ベルン「退屈させない子ね。だから好きよ、愛しているわ。またどこかで会いましょう。もっとも、百年先か千年先か、未来永劫 再会しないかもわからないけれど」
ラムダ「大丈夫よ。愛し合う二人にカケラの海は狭いわ」{/netabare}

〜〜〜(脱線:マンガ版Episode8のセリフから引用)〜〜〜
全てのゲームが決着した後の別れの挨拶
(?となっているのはコマ割的にどっちが言っているのかはっきりしないセリフ)

{netabare}ラムダ「今度はどこへ行く?」
ベルン「あんたが北なら私は南へ」
ラムダ「ベルンが東なら私は西へ行くわ。次の物語ではベルンが**役じゃないと良いわね」
ベルン「あら。**役も楽しかったわよ」
2人 「・・・・・」

ラムダ?「次はどんな物語を見つけられるかしらね」
ベルン?「そしてどんな物語で再会できるのかしら」
ラムダ?「愛し合う二人にカケラの海は狭いわ」
ベルン?「天井桟敷。カケラの海は広大だわ」
ベルン?「殻の中の幽霊」
ベルン「いつか会えるわよ。また何かのなく頃に」
ラムダ「良いじゃない。それにしましょ」

2人 「いつか会えるわ。また何かのなく頃に」{/netabare}


ちなみに うみねこに登場する魔女は何人もいますが、ひぐらしと密接な関係がある魔女が3人います。
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(脱線:うみねこに登場する魔女と ひぐらしとの関係について)
 =>{netabare}
「うみねこ」の考察が盛んだった頃、魔女のモチーフの最有力説は下記の通りでした。

 フレデリカ(古手梨花)=ベルンカステル、
 ラムダ(30)デルタ(4)・・・34・・・鷹野三四(田無美代子)
 フェザリーヌ(羽入)=アウグストゥス=アウローラ(羽入、あぅあぅ)

 ベルンは『可能性が0ではない限り、その“奇跡”を手繰り寄せる』性質を持ち、
 ラムダは『“絶対の意思”によって望む未来を手繰り寄せる』性質を持っています。
 観劇の魔女フェザリーヌの設定は多すぎるので、要所要所で説明します。

(※フェザリーヌはおそらく本作のエウアと同一人物だと思いますが、なぜエウアと名乗らせたのかは私の知識ではわかりません)

ただし、ラムダデルタだけは「鷹野ではなく 沙都子がモチーフなのでは?」という声もわずかながらありました。理由は、ベルンとラムダは憎み合ってもいるが「仲良し」でもあり、その仲良しの描写が梨花と鷹野がモチーフではしっくりこないからです。また、新作ひぐらしが放送されてからは、ラムダ=沙都子説がやや強くなってきています(ただ私は今回の物語を経てかなり悩みましたが、やっぱり鷹野がモデルかなぁ?と思いました)。

また詳細には描かれませんが、ラムダはかつてベルンを手籠めにすべく「絶対の意思」で惨劇の輪に捕えようとするも、ベルンの「奇跡」の力によって破れたことがある、と述べられています。おそらく、これは「旧作ひぐらし」か あるいは「新作ひぐらし」との繋がりを示唆していると思います。

作品順的に旧作ひぐらしの中では語られませんが、旧作ひぐらしの背後でも梨花側にはベルンが、鷹野側にはラムダが何らかの形で支援していたのではないか、と想像しています。

マンガ版うみねこのEpisode8にて、ラムダが『この私に期待させてくれたのは、私に“神になる”と誓ったあの子以来よ。気に入ったわ。あんたも、あんたの魔法体系も』と述べるシーンがあります。おそらく「神になると誓ったあの子」とは、旧作ひぐらしの作中で「神になる」と言い放った鷹野のことだと思います。

(追記)旧作ひぐらし(マンガ)を読み直して見たら、そもそもベルンは「皆殺し編」の冒頭で梨花と対話していましたね。ベルンは旧作ひぐらしの時点で登場しているので、この時点でラムダも存在していると考えられそうですね。

そして観劇の魔女フェザリーヌが鑑賞役の駒として投じたのが、自身の分身体である羽入(完全体)なのかなぁと思っています(ここは干渉ではなく鑑賞)。

ただし観劇の魔女フェザリーヌ(エウア)の設定として、フェザリーヌは人間が想像もできないほどの歳月を生き、全てのカケラなどを鑑賞し記憶するためには 記憶補助具(後頭部の輪っか)が無いと記憶を保てなくなっているという欠点があるそうです。

そして分身体に想定外のことが起こり、その記憶補助具が欠損し「不完全な存在」になってしまった姿が羽入なんだと思います(その際に記憶補助具が「角」としてデフォルメされているのはご愛嬌かと)。ゆえに駒としての自覚やフェザリーヌとの接点を見失い、自律行動をとるようになっているのだと思います。新作の中で、エウアが羽入に対し『我の出来損ない』と何度か言っていたのはこういうことだと思います。{/netabare}
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新作での死に戻りの際に、梨花は記憶を保持できず 沙都子だけが保持できるのは、上記の通り 羽入(不完全)とエウア(完全)の力の差かと思います。終盤あたりで羽入の角のヒビが修復されたこと、梨花が記憶を保持できるようになったこと、エウアの補助具に傷が入り角化や子供化のようにデフォルメされたことなどは、すべて『フェザリーヌ(エウア)と羽入が有している裏設定』から来ていると思います。



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(また脱線:「うみねこ」の世界からみた「ひぐらし」の世界について)
 =>{netabare}
うみねこは、ひぐらしの世界観のさらに上層にある「俯瞰視点」のような世界観です。

まず、ひぐらしの雛見沢村と同じように「現実世界での惨劇の舞台(六軒島)」があります。魔女と呼ばれる存在達は、その惨劇で閉ざされた舞台を「ゲーム盤」とみなし、上層世界からそのゲーム(惨劇)を覗き見しています。また、その惨劇の舞台を作り上げた存在を「ゲームマスター」と称します。

うみねこの魔女達は、ゲームマスターが繰り広げるゲームを鑑賞したり、ゲームマスターが対局から降りた場合はマスターの代行としてその世界の駒(登場人物)を動かしたりすることができます。盤上の駒を動かせるのは、ゲームマスター(黒幕の駒)と 対戦相手(探偵役の駒)のみ。

また、繰り返される世界(並行世界)を「カケラ」と呼んでいます。

うみねこの魔女たち視点からは、旧作ひぐらしの世界も「数あるゲーム盤のうちの1つ」なのかと思います。さしずめゲームマスター鷹野三四が作り上げたゲーム盤ということか・・・。そして、鬼隠し編も 綿流し編も「数あるカケラのうちの1つ」ということかと(なお鷹野自身にはゲーム盤だのマスターだのカケラだのという認識は無いはず...?)。

Who:鷹野三四が
Why:学会に虐げられてしまった「最愛の祖父」の研究を世に知らしめることを目的に
How:大量の雛見沢症候群(雛見沢大災害)を引き起こして研究成果を証明する
   (そのためには女王感染者の殺害が必須条件)

ルールX:不特定の誰かが疑心暗鬼に取り憑かれ、凶行に誘われる
ルールY:誰が凶行に走ろうが関係なく、鷹野と富竹は殺されてしまう
ルールZ:雛見沢で起きる事件のすべては園崎家の仕業、と誰もがそう信じている

マスターの勝利条件:雛見沢大災害の誘発(梨花殺害)
対戦相手の勝利条件:雛見沢大災害の阻止(梨花生存)

という「ゲーム盤」に見えているのだと思います。


鷹野は『絶対の意思』をもってこの計画を完遂すると決めており、登場人物(すべての駒)がどんな動きを見せようが、誰かしらが疑心暗鬼に囚われるように様々な仕込み(スクラップ帳)を用意しています。この絶対の意思と全てに対応する計画性が「ゲームマスター」たる所以ですね。


ちなみに脱線のさらに脱線になりますが、前述で羽入のことを「フェザリーヌが観賞役に投じた“駒”ではないか」と述べましたが、そうではなく実は羽入も“ゲームマスター”だった可能性もあります。梨花には梨花のゲーム(惨劇)が、鷹野には鷹野のゲーム(惨劇)が強いられていた説が。うみねこEpisode8も「2人のゲームマスターが、たまたま同時にゲーム盤を開いてしまった」というイレギュラー展開で開幕しますので・・・あり得なくもないかと。

〜〜(脱線:マンガ版うみねこEp.6の ラムダと あるキャラの会話にて)〜〜

{netabare}エリカ『ラムダデルタ卿も かつてどこかの大魔女のゲーム盤で駒と弄ばれ、無限地獄に閉じ込められた経験がおありとか・・・』
ラムダ『あるわ。私は何年閉じ込められたかしらね・・・。でもベルンみたいに律儀に数えなくて正解だったわ・・・』
エリカ『我が主も魔女の駒で・・・ロジックエラーの地獄に落ちたことがあるというのですか・・・?』
ラムダ『そうよ。そしてベルンは数えてしまったから、壊れてしまった』

ラムダ『あの子の“主”がこれはまた酷いヤツでね。自分で作ったゲームのはずだったのに、途中でゴールがわからなくなって、スタートとゴールが繋がった壊れたスゴロクを作ってしまったのよ・・・つまりロジックエラーね。ならば自分一人で悩んでロジックを考えて出せば良いのに、“そいつ”はあろうことか、その考えることさえもベルンに任せっきりにしたの』

(この会話中、発狂している“梨花と思しき”影絵と、メビウスの輪の横でサイコロを降っている“羽入と思しき”影絵が描かれている)

(中略)
ラムダ『あの子は奇跡に愛され、見事に奇跡を打ち出し、魔女となってあの地獄を生還したわ。でもその地獄にいたのがあまりにも長すぎて、過酷すぎて、あの子の心は壊れ、あんなにも**で**な魔女になってしまった』

・・・この会話から、ラムダは鷹野の幼少期(田無美代子)、ベルンは梨花との繋がりを匂わしているのだと思います。また、旧作ひぐらしのゲームマスターは2人だった可能性も匂わされています。羽入がゲームマスターの1人だったのに、その途中で羽入が記憶補助具を欠損して不完全体になってしまい、梨花にとってのゴールがわからなくなってしまった、という意味かと想像しています。{/netabare}
{/netabare}
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旧作ひぐらしの結末をうみねこ風に置き換えると、鷹野の『絶対の意思』によって作られたゲーム盤は、梨花の『奇跡』によって突破され、ゲームマスター鷹野三四は最終的に敗北してゲーム(惨劇)の幕は閉じられたということ・・・。

あるいは羽入(完全体)が作ったゲーム盤、かつ羽入(不完全体)のせいでゴールがわからなくなってしまったゲームで、梨花が「奇跡」によってゴールを見つけ出したということか・・・。

いずれにしても「うみねこ」の世界では、魔女たちが永遠にゲームを鑑賞したり遊んだりできるように「優秀なゲーム盤は保存されている(原文は忘れました)」と語られています。

とすると新作ひぐらしの物語は、ゲームマスターが不在となったゲーム盤にて、ベルンとラムダがプレイヤーとして直々に対局をおっ始め、その盤上の駒として沙都子や梨花が動かされていた、ということなのかもしれません(ラムダがどうやってベルンをゲームに巻き込んだかはともかく)。

ゲームマスター代行がラムダで、ラムダが沙都子を動かして惨劇を次々に起こし、ベルンが梨花を動かしながらどうにか惨劇回避の糸口を探っていたとか・・・?

そしてゲームマスターが交代しているからこそ、本来のゲームマスターの目的を無視した異なる惨劇が展開されているのかなぁと。実は「うみねこ」にも似たような展開があります(うみねこキャラのロノウェ風にいうと「愛がない、義理が通らないゲーム」が繰り広げられているのかと)。


あるいは ここまでの考察からぶっ飛びますが、・・・この物語、あの新幹線の別れ際が「ベルンとラムダの誕生の瞬間」だったのかも?・・・いや、この説は多分違うかな?
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(考察の脱線:竜騎士07氏はType-Moon作品のファンなので・・・)

※「Fate」と「月姫」の内容に触れても良いよという方だけどうぞ
=>{netabare}ベルンは古手梨花から、ラムダは鷹野三四(田無美代子)から「生まれ出でた魔女」か、(ラムダ 旧作由来 説)

あるいは、繰り返す力を手に入れてしまった「梨花と沙都子の成れの果て」かな?と想像しています。(ラムダ 新作由来 説)

どちらにしろ、それだと『古手梨花が人間として奮闘している最中なのに、何で “その成れの果て” やら “自分がやがて生み出す魔女” やらが同時に存在しているんだよ?』という疑問も湧きますよね。でもこれを成立させる仮説も1つあります。

それは竜騎士07氏はType-Moon作品のファンで、「ひぐらし」の中にも数々のオマージュを散りばめているからです。例えば、{netabare}カレー好きで青髪の知恵留美先生は、「月姫」のシエルに由来しています。名前も当て字ですし、キャラデザもほぼ寄せていますし、チョークを投げる時の持ち方が シエルの黒鍵(武器)の持ち方と同じです。キャラデザは全然別ですが、魅音と詩音も「月姫」の琥珀と翡翠の“あるエピソード”に由来していると思います。

「ひぐらし(アニメ)」のスタッフクレジットSpecial Thanks欄に「Type-Moon」の名前が(常に?)あるのは、Type-Moonのオマージュを明言しているからだと思います(これは予想)。{/netabare}

話を戻しますが、この『魔女』の概念は、Type-Moon作品の -Fate/stay night- の『英霊召喚システム』から着想を得ているのかもしれません。『英霊になる運命が確定している者』は過去・現在・未来を問わず、いつの時代の聖杯戦争にも召喚されます。つまり『未来に誕生する英霊を、現代の戦争でも召喚できてしまう』ということです。

ベルンやラムダもここから着想を得て、『未来に誕生する魔女が、自分の出生起源であった過去のゲーム盤(ひぐらしの世界)に囚われていた』ということなのかもしれません。

作品順は 月姫(2000年)、ひぐらし(2002年)、Fate stay night(2004年)、うみねこ(2007年)で、ベルンとラムダの詳細設定を作り込んだのは「うみねこ」のはず(ひぐらしに出ないラムダの方は特に)だと思うので、一応矛盾しないと思います。{/netabare}

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いずれにしても、沙都子があんなクズムーブをしていたのは ラムダの仕業の可能性が高そうですね。最後に「もういいわ、北条沙都子。あんたにあんたを返すわ」と言ったのも、おそらくラムダということなんでしょうね。

この物語にはエウア(観劇の魔女:フェザリーヌ)しか姿を現していませんが、あれはエウアの口調ではないですからね。もしエウアの発言だったなら「もうよい、北条沙都子。そなたに そなたを 返そうぞ」のはずなので。

他に沙都子を駒として動かしそうなのは、ラムダデルタくらいしか考えられません。

「Who:この惨劇の黒幕は沙都子」「How:沙都子が繰り返す力を手に入れていた」「Why:沙都子の梨花に対する執着を利用した」ということがバレた時点で、もうベルンとラムダの勝負に決着がついたようなものだから、ベルンを解放し、ラムダもこのゲーム盤からは立ち去ったということかな・・・?

そもそも観劇の魔女フェザリーヌは、人間が奮闘する様や、嘆き もがき 苦しむ様など、人間が見せる「ありのままの姿、ありのままの物語」を鑑賞して愉悦に浸っている魔女でした。ゆえに物語がどう転ぼうが「自らが直接介入すること」はありませんでした。

その背景を知っていると、「エウアが沙都子を操っている」とは考え難いんですよね。うみねこの感覚で捉えると「沙都子に繰り返す力を授けたこと」すら かなりイレギュラーな行動に見えました。まぁでも、羽入が梨花にそれをした以上、エウアが沙都子に同じことをするのはある意味フェアとも言えますが・・・。

ということで、『うみねこを知らない勢』からしたら納得いかないでしょうが、おそらく沙都子にクズムーブをさせていたのは、この物語には一切 姿を現していない「絶対の魔女:ラムダデルタ」だと推察しました。

強いていうなら、何話だったか忘れましたが、エウアと沙都子が会話している世界で、沙都子からもう一人の沙都子が出ていく描写がありましたよね。どういうセリフだったかも忘れましたが、沙都子の口から「魔女」という単語も出てましたよね。

あれらの描写が「沙都子とは別の存在(絶対の魔女:ラムダデルタ)」がいることを示唆していたのかもしれませんね。

ん〜、ここまで書いてはみたものの・・・まったく自信がないw いつか竜騎士07氏に答え合わせしてもらえると良いな。{/netabare}




【冷静になってからの感想追記】===============

梨花と沙都子の正当性について100:0だと書きましたが、冷静になって、いろんな人の意見も聞いてみて、梨花にも多少の悪い部分はあったなぁとは思いました。ただ私が思うに「梨花の悪かった部分」がうまく描けてないような気がしました。

50:50くらいに描くなら・・・ {netabare}まず聖ルチーアでの「梨花からの助け舟」は描かなくてよかったかと。勉強の面倒をみようとしたり、友達グループの輪に誘おうとしたり・・・の描写は無い方が良かったかも。

梨花は「助け舟」を出したのに、沙都子の意地っ張りのせいで避けられて、その上でなお梨花がどうすべきだったかってのは・・・正直「視聴者の価値観」によるところが大きくなってしまうと思います。

沙都子の境遇に近い人は『それでも無理にでも助けようとしてよ!私のことだけ考えてよ!』って思うかもしれませんし、梨花の境遇に近い人は『自分でなんとかするって言ったんだし、これ以上の無理強いしても余計避けられちゃうかも』と思うかもしれません。

ここの流れは、誰の目にも「梨花が沙都子を放ったらかしにした」と見えるようにすべきだったかなぁ・・・。私の目には「梨花が放ったらかしにした」ようには見えていなかったですし、むしろ「沙都子が自分から孤立していった」ように見えていたので。「視聴者の価値観」に委ねている以上、私には梨花が悪いとは思えませんでした。

あとは出発点となったカケラ、進学の誘いのシーンにて、あそこでもっと「梨花のしつこさ」と「沙都子の拒否反応」を念入りに描いた方が良かったかな。あの描写だけだと、梨花がそこまで執拗に食い下がっているとは感じなかったです。だって人生をかけた「二人の進路相談」をしている場面なのだから。多少の食い下がり程度では「しつこい」とまでは感じないですよ。『梨花の醜さ』を出しきるぐらい執拗に描いた方が良かったかも。

あとこの主張はブレませんが、そもそもその最初の進学相談の場面で、お互いの気の済むまで腹割って話し合うなり、なんならその時にこそ「取っ組み合いの喧嘩」でもしてれば良かったこと。特に、失敗と後悔の記憶を持っていた「2巡目の沙都子」ね。2巡目の沙都子は、本当に何がしたかったのかよくわからないです。

惨劇を始めてから「超常バトル」に突入する必要なんかありません。そもそも惨劇を始める前に解決できることです。{/netabare}


【最後に】=========================

こんな酷い役回り、えげつない憎まれ役を演じきった「かないみか さん(沙都子)」と、それを最後まで捌ききった「田村ゆかり さん(梨花)」に敬意を表します。お二人の演技は本当に凄かったと思います。


(余談)
あにこれの採点仕様を改善してほしいです・・・。本作の「声優」「作画」「音楽」の項目はもっと評価したいのですが、そうすると総合2.5点超えちゃうんですよ。

5点満点で2.5点以上になったら、その作品に「どちらかといえば満足」したことになっちゃうじゃないですか・・・。「物語」と「キャラ」を最低点にしているにも関わらずにですよ?せめて「物語」の配点は圧倒的に多くしておかないとおかしいでしょ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ひぐらしで泣く羽目に

旧作知りません


話数多かったりシリーズラインナップ複数あるとどんな順でいきゃいいのか路頭に迷います。私も迷子の一人かもしれませんが立ち位置というか遍歴は明示しときたいと思います。

1.名作の誉れ高い旧シリーズを未経験です
2.10何年ぶりの新作『業』視聴しそこそこ満足してます
3.その『業』を補完する役割と聞いて『卒』を観るためここにいます

白状すると旧作を3話くらい観て、並行して新作『業』も3話くらい観てあんま変わらんと思って『業』に専念。完走後にあにこれで答え合わせしてみたら旧作の内容と途中分岐する新作だったと判明。その後、貪欲に旧作を貪る気にもならず今日に至る。以上です。

 普通でした

普通よりちょっと面白いかなってくらい。クール平均の中上位層ぐらいのポジションです。ベテラン声優さんの“転調”演技が素晴らしくて引き込まれます。声優さん続投してるし旧作ファンは同窓会みたいでニワカな僕よりもっと楽しめそうな気がします。
それとやっとこからくりが見えてきた『業』を受けて、その『業』を別人物の視点から辿るのが本作『卒』でした。答え合わせしてる面白さがあります。本編と同時間帯を別人物の視点で追うスピンオフみたいなもん。
できれば『業』『卒』は一気に3クール分駆け抜けるのが吉かもしれません。
名作の誉れ高い本作ですが、ところどころ片鱗は感じることができる佳作といったところでした。

旧作必須かどうかはよくわかりません。…がしかし新規で59話分を追いかけるのは負担に感じますね。
こちら新シリーズも3クール費やしたわりには満腹感には欠ける。
少なくとも『業』『卒』をもって「ぜひ旧作を!」という気は起きなかったです。


※ネタバレ所感

■沙都子あれっ!?

“繰り返す者”堪能しました。
{netabare}だがしかし、梨花にバレた時点で即ゲームオーバーとなる仕様でしたよね。沙都子にやられる前にやってしまえば解決。
結局ロリお社様のテレパシーみたいなのでループ地獄の綻びが生じたわけですが、なんか思っていたよりあっさりで肩透かし食らった気にさせられて消化不良でした。田村さんとかないさんの熱演でお釣りがくるのかもしれませんが、この設定なら“梨花にバレたら最後”の緊張感があっても良かった。梨花の絶望に比べて沙都子がワンサイドすぎましたね。
梨花VS沙都子のどっちに転ぶかシーソーゲームとワンサイドゲームどちらが盛り上がるかといえば一部例外を除き前者でしょう。本作は徹底して後者でした。では後者で盛り上がる“一部例外”はどんなか?といえば胸のすく一発逆転以外考えられません。{/netabare}


■沙都子と梨花の二人ともあれっ!?

“繰り返す者”同士の決着や如何に?
{netabare}これ不満でしたね。ワンサイドゲームからの一発逆転みたいな展開ではなくちょい残念。さらに閉鎖的農村社会でのホラーという作風もぶちこわ…超越しちゃった感のある最終盤でした。
バレたら最後なんですけどバレてから2話費やしてやったことが

 {netabare}拳で語り合おうぞ!{/netabare}

前田慶次と奥村助右衛門みたいなことになってました。実際“拳”より異能バトルでしたけど旧作ファンの方はあれでいいのかしら?
余韻もへったくれもないのでこれでテンションだだ下がりでした。{/netabare}


■総論

{netabare}近くにいる親友を囲いたくなる感情なんて成長と共に薄れていくもんなんですけどそこに固執し100年というのは凄いですね。凄惨な1か月を1200回繰り返したわけです。
それを「ありえない」と思うのはあくまで常人の感覚であって、そうじゃないからホラーとして成立してたわけです。秀逸でした。だからこそホラーらしくホラーのままにっていうホラーのお作法に沿った結末だったら良かったのに~って思います。あるでしょ?惨劇継続の匂わせみたいなやつ。{/netabare}


※オマケ

■1983年

年表見たら戸塚ヨットスクール事件をなぜか覚えてるくらい。
沙都子/梨花より年下と気づきちょっぴりテンション上がりました。まだ若い



視聴時期:2021年7月~9月 リアタイ   

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2021.10.12 初稿

投稿 : 2024/12/21
♥ : 31

アニメ記録用垢 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

沙都子レイプ作品

第一声にこれは酷いと言わせていただこう

何が酷いというのはタイトルにした通り、沙都子というキャラクターをレイプしている点
レイプというのは文字通りの意味ではなく、無印で出来上がっていた沙都子というキャラクター性を歪め改悪し
仲間達を平気で殺せるような――雛見沢症候群ではなく――サイコパスにしてしまっていることだ
これをレイプと言わずなんと言えるだろうか

業で沙都子と梨花、両者の確執は描かれていたが、それでも仲間達を平気で殺せるように至るとは思えない
それは無印、解と観てきたであろう視聴者が誰よりも肌身で感じている筈


解せない点は他にもある
〈14話でまるでドラゴンボール顔負けの超人バトルを繰り広げたり〉

〈沙都子が梨花を追いかける制約に先に梨花を殺す必要がある
よって接戦した殺し合いの中で毎回梨花を――演出であっても――先に殺せる訳がないので矛盾している〉


ここまで悪い点のみを挙げてきたが良かった点もある
それは綺麗な鉄平を観れたことだ
今まで沙都子に対し、暴力と暴言で虐め抜いてきたチンピラ崩れの男に過ぎなかった彼が
沙都子の為に身を挺して守る、良き叔父に変わったこと
これだけが唯一無二の改良点と言えるだろう


【導き出される結論は……】
結局のところ、今作は遅過ぎたというのが形容する言葉の中で最も相応しい表現だろう
無印→解で既に最適解とも言える完結を迎えたのに際し、14年という長い歳月を空けて
沙都子を上記で書いたようなキャラクターに堕としてしまったのだから
批判が多々出て、評価も著しく低くなるのも納得である

これが無印→解→業→卒と間隔を空けず制作放映されていたのであれば
沙都子は元々こういう要素を含んだキャラクターだとなり
レイプのように感じなかっただろう

結局、名作と呼ばれる作品は現代でもドル箱として機能する為
ドラゴンボール、STEINS;GATE、コードギアス然り
続編が制作され、その全てが蛇足以外の何物でもないモノへと成ってしまっている

私達消費者は生産者による搾取がある以上は、掌の上転がされる――決して❶以外出ない――サイコロに過ぎないのであろう

投稿 : 2024/12/21
♥ : 10

68.8 9 タイムリープで友情なアニメランキング9位
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?(アニメ映画)

2017年8月18日
★★★★☆ 3.3 (463)
1789人が棚に入れました
物語の舞台は、夏休みのある一日。花火大会をまえに「花火は横から見たら丸いのか?平たいのか?」の答えを求め、町の灯台から花火を見ようと計画する少年たち。一方、クラスのアイドル的存在・なずなに想い寄せる典道は、時間が巻き戻る不思議な体験のなかで、なずなから「かけおち」に誘われることに……。何度も繰り返す一日のなか、なずなと典道を待ち受ける運命は? そして、果たして花火は下から見ても、横から見ても丸いのか?

声優・キャラクター
広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、松たか子、花澤香菜、浅沼晋太郎、豊永利行、梶裕貴
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

夏の日の少年少女

繰り返す、夏のある一日。
とある海辺の町。
花火大会を前に盛り上がる典道と友人たち。
花火って横から見ると丸いの!?平べったいの!?

90年代、新進気鋭の映像作家として名を上げた、
岩井俊二監督の同名実写映画にして出世作。

人生の選択の分岐点をテーマに、
1つの物語で2つの結末を描いています。
{netabare}「なぜ時間が巻き戻るのか」{/netabare}
これは物語を成功へ導く最も重要なファクターだ。

舞台は茂下町、風力発電機が立ち並び、
渡り鳥が羽を休める憩いの渚。
幻想的な夕景と海の上を走る電車。
美しい景観に圧倒されます。
上手く表現できない好きと言う感情。
思春期の少年少女に突きつけられる厳しい現実。
{netabare}「もう1度やり直せれば」と願った先に、
時間の巻き戻しという幻想的な奇跡が起こる。{/netabare}

これは典道が望んだ世界でしょうか?
僕にはヒロインなずなの世界にも思えます。

自転車で駆け下りる海辺の坂道。
飛び込んだプールの水飛沫と夜空に咲く花火。
数々の夏の風物詩が眩しい、
美しくも切ない余韻を残す夏の物語。

これは恋の物語ではなく、
思春期の試練と決別を描いたのではなかろうか。

花火が上がるとき、恋の奇跡が起きる。
涼やかな夏の物語、楽しんで下さい。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 91
ネタバレ

YwJje43950 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

打ち上げ花火 ”もしも玉”

{netabare}”もしも玉”というものが時系列的に一番最初に確認されたのは、なずなの、死んだ父が海で手に持っていたところだったと思うんです。
取り敢えず1回観ただけなんだけど、この”もしも玉”とは何だったのか、というのが掴めない。メタファー的な意味でね。
それがあると、最後の方の、歪んだ、されど理想的なあの空間と、その崩壊・消失に意味を持たせられる気がするんだけれど。
頭良い人に何かしら、良い感じのをこじつけて貰いたいところだ。皮肉じゃないよ。
より良い解釈を示して欲しいという、頭の良い他人の頭で感動したいという、楽したいという気持ちです。いちから解釈するには、少々難解な部分の多い作品だからね。

岩井俊二が脚本の会議段階で提案した”もしも玉”というアイデアは、元々のオムニバステレビドラマにおいて前提とされた『If もしも』という、物語の基礎の説明という役割を担わせるという目的があったようだ。
パンフレット内の”もしも玉”に関しての言及といえば
『いろんな人たちの”もしも”っていう思いが凝縮された何かなんだろうっていうところに固まっていって、玉ということで花火と対極としてひとつのシンボルにもなる...』
というものと、他には劇中のあらゆるキーワードの紹介をしているページ。
私としては、最終的に2人が行き着いた閉鎖されている感のある例の歪んだ世界では、まるで”もしも玉”の中にいるかのようではなかったか?と思ってたんですけど、その【キーワード集】を読むと、制作側もやはり、なずなと典道の行き着いた歪んだ空間のデザインは、”もしも玉”の中に居るようなイメージでコンテを描いたとのことだ。
ただ、『(そうすると)きれいかなと思って、...』という、文脈なんですけど。
花火と対極的な玉の形をもって、”もしも”という思いが凝縮された、”もしも玉”。
なずなの父は、生前使っていたのかな。
それとも、父の思念的なものが生んだのかな。
劇中、これに関してヒントはあったのだろうか。
ここまで書いておいてなんだけど、1回観て分かるほど私は頭よくないよ?


ところで、あの歪んだ空間は、まるで”もしも玉”の中であるかのようだったけど、あの町を囲うドーム状の歪んだ壁は、典道の空想・妄想の限界なのではなかろうか。
言い換えれば、典道の”もしも”の限界だったのではなかろうか。
町の外の事を、子供の彼らはまだ何も知らないからね。
そういうふうに意味付けるとどうだろう。
出来事の順番を忘れたけど、どこかのタイミングでドーム状の歪んだ壁は消失した。
彼は、周りより一歩先に大人に近づいたという事かな?
だから最後のシーン、クラスに典道は居なかったのかもしれない。
追記:海中のシーンで、2人の顔が大人になってるというツイートを見まして、確かめたい気持ちが強まりますよ〜。
あと、コレうろ覚えだったもんで書かなかったんですけど、劇中、電車に乗って、海の上を走って、結果何処へ行きましたっけ?
何処にも行けずに戻ってきたと記憶しているのですけれども...。
これってやはり、上で書いた”もしも”の限界によるものではないかなと思うのです。
”もしも玉”が砕けて、彼らに降り注ぐのは外へ飛び出していった彼らの可能性。
やっぱりあの夜って、彼らが大人になる劇的な瞬間だったのでは?
あぁ、記憶力よ。もどかしい。
追記2:”打ち上げ花火”と同じくシャフトの作品である、”まどかマギカ”の、劇場版、”叛逆の物語”ってあるでしょう?
{netabare}劇中の、ほむらの生んだ魔女空間と、”もしも玉”の空間とは似てるっていうレビューを読んで、正直、あまりピンときてなかったんですけどね、コレの意味が遅ればせながらようやく分かりました。
そういえばアレも、バスに乗って街の外へ行こうと試みて、行けなかったんですよねぇ。
何故なら、ほむらはその行き先の街並みを知らないから、再現のしようもないという。
たしかに、”もしも玉”空間とそこは同じですよね。
{/netabare}

打ち上がった”もしも玉”が花火のように破裂して、その欠片に、選択によってはあり得た”もしも”の世界が映り込む。
その一欠片を手にした事で生じるのは何だったか。
海の中での一連の出来事の意味は?
今作品の最初のほうのシーンで、なずなが玉を拾ったのと、歪んだ空間内のラストとが同じ場所であることは何を意味するか。
あの脱ぎ捨てた服だって、思い返すと最初のほうに伏線があった気がするぞ?
いやぁ、うろ覚えだ!1回観て語れるようなものではないわ!

追記:あにこれのレビューを改めて読んでいたら、ストライクさんの、今作のラスト、典道がクラスに居ない事についての解釈、良いなぁなんて思いました。
”男の典道は、願望の世界に浸るロマンチストなのかもしれない。”
でも、それだとハッピーエンドでは無いよなぁ...
典道のほうはその夏の恋に囚われちゃうって事でしょう?
"秒速5cm"的な関係でしょう?言いたいこと分かります?
やはり私としては、”もしも玉”空間の壁が砕けて外の世界へ飛び出していった彼らの可能性が降り注ぐあの演出を思い出すと...
でもね、いずれにせよ私の中で正直、未だに完全に納得いく解釈は得られてないんですよね〜。
まぁ、このよく分からない感じも好きですけどね、夢見心地で。

グダグダと書きましたが、この作品について簡単な感想としては、
シャフトには向かない題材ではないか、という事。
これは正直観る前から思っていた。
だからある程度、滑る覚悟はしていたりもした。
実際、賞賛するようなものでは、たしかに無かったと思う。
話が難しい以前に、例えば不自然なCG。冒頭の自転車等の動きなんか気になってしまった。
元の作品の人気、アニメとしての粗もところどころ見えてたし、また、分かりやすい感動!の物語を求めていた、脳の動かない人の多さも、大衆に向けた広告があっては仕方なく。
批判の多さも妥当かと思う。
でもね、ネット上のこの作品に対する批判はどうも(この作品に限らないけど)誠実でないものが多い。
後半の展開が原作と違うという点がお気に召さず、ただ叩きたいだけの価値のない批判をしてるブログが、少なくとも今、私がこの文を書いている時は検索上位にあったりして、嘆かわしい限り。{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 13
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

視聴者をタイムリープさせる映画

[文量→大盛り・内容→考察系]

【総括】
中学生の恋愛をテーマにしている。青春アニメって感じ。

原作は、1993年にフジテレビで放送されたドラマで、その後1995年に実写映画化。そして本作は、2017年にシャフトによってアニメ映画化。米津玄師さんの作った歌が、かなり耳に残ります。

シャフトらしさは残しながら、一般受けするように演出は控えめにしている印象。作画は流石の劇場版クオリティ。

私は本作の評価を☆3(普通)にしましたが、☆3の中でもやや低評価です。良さもある作品だと思うので、レビューでは、その両面に触れたいと思います。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
つまり、「可能性はたくさんあり、自分の行動、言葉選び、そういう選択によって変化する可能性があるのが、未来」であることと、「それでもどうしようのないこと、変えられないことはあって、その現実の中でどんなかたちであって前に進んでいくこと」を表現したかったのだろう。

それは、相反することではあるけれど、人生というものは、そういう矛盾を孕んでいる。

それを、少年少女が実感し、体得するための装置が、あの丸い球。

人が、なぜこれほどまでに花火を愛するかというと、花火には華やかさと儚さがあるから。パッと咲いてサッと散る。その美しさが心の中に残るから、また観たい、また感じたいと思う。求める。

でもそれは、完全なかたちでは叶わない。

同じ様な花火はまた見られるけれど、全く同じ花火はもう二度と見られない。それは、青春時代(思春期)にも似ている。

美しくて、儚くて、もどかしい。「あの時ああしていれば、ああしなければ、今、どうなっていただろう」というある種の後悔はつきものである。丸い球が砕け散ったとき、様々な「あったかもしれない未来」を見ることで、ようやく一歩を踏み出した少年少女。ある者は長年伝えられなかった愛を叫び、ある者は海の中でキスをして別れを伝える。

アニメという美しい世界の中で、そんな眩しい青春時代を擬似的に追体験できるのは楽しい。

でも、どんなに美しい花火も、常夜灯のようにそのまま一年中夜空に開きっぱなしなら、逆にウザくなってくる。クソ、眩しいんだよ、と。だから多分、実際は思春期なんて、大人が回顧するほど美しいものではないのだろう。アニメで懐かしむくらいでちょうど良い。

「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」という印象的なタイトルは、「恋」の捉え方なのだろうか。

美しい「花火」=「恋愛」を、「下から見る(見上げる)」のは、「恋に恋する」状態を指す。ようは、1周目の状態。好きだけど、素直に言えない。好きだ好きだと言いながら、いざ実際に付き合うことになると、ビビって逃げてしまう。駆け落ちとか無謀なことを言う。「横から見る」は、恋を自分の現実として受け止めている状態。最後はみんなこの状態になった。うまくいかないことも含めて、相手との付き合い方を考えられる。

少年少女達は、下から見上げるだけではその正体を掴めなかった花火を、高い位置から見る(自分が成長する)ことで、その全貌を掴んだのだ。

シャフトの幻想的な演出、美しい映像、米津玄師の印象的な歌によって、こういう切なさを表現したかったのだろう。それは、ある程度は成功していて、挑戦的だ。

と、ここまであえて、詩的で難しい言葉を連発しながらも、あまり中身のない、「この作品のような」誉め言葉レビューを書いてみたが、要約すると、「綺麗だけどつまらない」(苦笑)

クオリティ的には悪くなかったが、作品全体を俯瞰すると、やはり失敗している部分が目立つ。

まず第一に、この物語には「ドラマ」がない。

シャフトの演出を抜き、タイムリープという装置を取っ払うと、ただ単に、「好きな人が転校しちゃう」というだけの話だ。中身が空っぽなのを、どれだけ華美に装おうと、かえって虚しく見えてしまうものだ。

中身、というのは例えば、二人がお互いを好きになる過程や理由だ。二人は小学生からの付き合いのようなので、まあ、きっとなんか色々あったのだろう。でも、映画の中だけで分かることは、典道はナズナの「顔」が好きだということくらい(まあ男子中学生なんてそんなものだが)。ナズナに関していえば、典道のどこをそんなに好きなのかが全く分からない。他の男友達に比べ、典道が何か特出しているわけでもないし。あれだと、「母親への反抗」の為に、「好きでもないのに好きになった」感じすらする。(実際は純愛なのだろうが)そう感じさせてしまうこと、視聴者が典道を好きになれないことが、この作品の「無理矢理盛り上げてます感」に繋がっているように感じる。

てか、両思いで、ただ転校するだけなら、LINEでもテレビ電話でも、毎日繋がれる。90年代の中学生なら、転校なんて「永久の別れ」に近いものを感じたかもしれないが、今時の学生なら、「そんなにおおごとか?」と思うのではないだろうか。

また、映画のターゲットが誰なのかも不明。

主役の2人に、旬の若手俳優を使う時点で、我々のようなアニメ好きに照準を合わしたわけではなく、一般受けを狙ったのだろうが、だとしたら世界観が複雑で、演出も(シャフトにしてはシンプルだとしてもまだ)クドすぎる。あれなら、小学生には理解できず、中高生なら中身の空っぽさに気付く。親子で見るにしては、ちょいエロもあって、気まずい。

ちなみに主役の2人は、俳優の中ではマシな方で、特に広瀬すずさんは頑張ってた(菅田将暉さんは微妙)と思うが、当然、プロの声優には及ばない。普通に、花澤香菜さんと宮野真守さん(か、梶 裕貴さん)がやってれば、これだけアニメ好きに叩かれはしなかっただろう。

あと、走って電車に追い付く中学生集団には噴飯し、ちょっと絡まれたくらいでよく知らない中学生に顔面パンチし放置して帰る、ナズナの義父と、それを咎めない母親にはドン引きした。あんなクソ親の下で過ごすなら、そりゃナズナも家出したくなるわな。むしろ、あのクズ義父と暮らすナズナの身を案じてしまう。

本作、私は正直、3回寝落ちして、その都度巻き戻した。もしこれが「視聴者をタイムリープさせる演出」だとしたら、脱帽する(笑)
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 26
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