ようす さんの感想・評価
3.4
ちょっとした奇跡がつながってつながって、今の私達がいる。
『バケモノの子』に続く、
細田守監督の長編作品。
細田監督の作品の中では、
『時をかける少女』が一番好きです。
8月ごろに劇場で見てきました。
(レビューは書いていたのに、投稿が遅くなりました^^;)
大きくない会場でしたが、満員でした。
少し遅めの時間帯だったからかもしれませんが、
大人しかいませんでした。(年齢層はバラバラ。)
もっと子どもが多いかと予想していましたけれど。
でも内容は確かに子ども向けではないかな。笑
100分ほどの作品です。
● ストーリー
4歳のくんちゃん(♂)に妹ができた。
妹・未来(みらい)の世話に追われる両親に対し、
くんちゃんは寂しさを感じる。
むしゃくしゃする気持ちから、
わがままを言ったり、未来に意地悪をしたり。
そんな気持ちで中庭を通ると、
不思議な世界と不思議な人たちに出会った。
細田監督の作品には
現実世界に溶け込んだファンタジー設定が多い気がします。
今回もそうですね。
くんちゃんは中庭を通して、
家族の未来や過去に触れます。
そんなこと、
現実世界ではありえないファンタジーですが、
出会った人たちから教わったことを自分の行動に活かしていく様子は、
ただの4歳児にも見えます。成長だねえ。
ただ、これまでの作品で感じた
“どうなるかわからないドキドキ”という点からは
遠かったように思います。
むしろ、刺激を期待せず、
日常系作品だと捉えたほうがいいぐらいですw
育児に奔走する両親と、
両親の愛が欲しいくんちゃんの、
ちょっと慌ただしいけれど、
振り返ってみると、幸せと奇跡が詰まった日常。
そんな中に、少しのファンタジーを織り交ぜて…
という物語でした。
≪ 脚本ではなく、絵で魅せようとしていた? ≫
だけどごめんなさい、
私には物足りませんでした。
それはドキドキな冒険を期待していたから、
というのもあると思うのですが…。
くんちゃんは不思議な体験を、
日を置いて何度も体験するので、
短編集のようにも受け取れる作品です。
ひな人形のエピソードは、
嫌いではないのですが、
やたらと時間がかけられていたような。
飽きてきたなーと思い始めたところに、
{netabare} 無駄に緊張感を持たせた、だるまさんが転んだのような、スローモーション。 {/netabare}
それほど重要でも見せ場となるシーンでもないのに、
「私達は大きなスクリーンで何を見せられているの?」と
なんだかあきれてしまいました^^;
しかし、作画はきれいだったしこだわりも感じられたし、
全体的に力が入れられているのが、よく伝わってきました。
キャラの表情も豊かというか、顔芸というかw
今回の作品では、脚本よりも、
こうした絵で魅せようとしていたのかな?
描きたかったシーンやキャラの表情を、
楽しんで描く。
それがこの作品の源なのだとして、
こちらもそれをわかった上での鑑賞であれば、
もうちょっと楽しめたかも。笑
● キャラクター
甘えん坊の4歳児、くんちゃん。
いやーこの年頃の男の子はかわいいですね(*´Д`)ハァハァ
だけど、わがまま全開、駄々っ子全開。笑
愛するには、
難しいキャラですw
お母さんもお父さんもたくさん出番がありますが、
よくある両親キャラだし…。
未来ちゃんはかわいかったですが、
かわいいというだけで、特別なインパクトもないし…。
キャラで評価できるのは、
ひいじいちゃんぐらいかしら?
馬もバイクも乗りこなすひいじいちゃん、かっこよかったわー!
彼の起こした奇跡も素敵♪
cv.福山雅治なのは、気付きませんでした。
エンドロールで驚いたw
● 音楽
【 OP「ミライのテーマ」/ 山下達郎 】
【 主題歌「うたのきしゃ」/ 山下達郎 】
どちらも、なんだか懐かしさを感じるメロディ。
穏やかな2曲で、
この作品にも合っていたと思います♪
私は主題歌の方が好みかな^^
● まとめ
つまらなさや怒りを感じるほどではないですが、
全体的に平和なストーリーでした。
少なくとも、
「よし、観るぞ!」と意気込んで見るタイプの作品ではありません。
この作品を観終わった頃には、
子どもの成長を大らかに受け止められる気がする…そんな作品でした^^