セカイ系でSFなおすすめアニメランキング 8

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのセカイ系でSFな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年12月23日の時点で一番のセカイ系でSFなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.0 1 セカイ系でSFなアニメランキング1位
ZEGAPAIN ゼーガペイン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1102)
6617人が棚に入れました
未来的にデザインされた街・舞浜市に住み、近郊の高校に通う普通の学生、キョウ。たった1人で水泳部を切り盛りする彼は、中学以来の因縁を持ち難癖をつけてくる宿敵達とのいざこざも意に介せず、練習と水泳部への勧誘の為、学校の室内プールへと向かう毎日。
ある日、幼なじみのリョーコに頼まれ、映画研究部作品の撮影中、やる気の無いキョウはNGを出し撮影は中断。ふと、窓の外を見るとそこで彼は飛び込み台の最上段に立つ、1人の見知らぬ美少女・シズノを見つける。
水泳部入部希望者と察したキョウは、慌ててプールへと急ぐが、シズノは声にならない謎の言葉を残し、華麗な飛び込みを見せ忽然と姿を消す。シズノの事が忘れられないキョウだったが、程無くして彼女はキョウの自室に瞬間移動したかの如く唐突に現れる。
シズノはキョウに「ゲーム」の始まりを宣言。彼女の導きのままにキョウは異空間へ転送され、美しい光の装甲をまとった巨大ロボット「ゼーガペイン・アルティール」に乗り込み、敵と目されるキャラクターをシズノと共に倒していく。
だがしばらくして、キョウは様々な疑問に対峙していく事になる…。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、花澤香菜、川澄綾子、朴璐美、牧野由依、渡辺明乃、坪井智浩、井上麻里奈、吉野裕行、加藤将之、神谷浩史、ゆかな、家中宏、久川綾

ニコフスキー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

過大評価

なんか「もっと評価されるべき」みたいな位置づけされてるんですけど全然そんなことないよね

このアニメは2つの要素から構成されていて、1つはSFロボットもの。もう1つは人間ドラマみたいな面だと思うんですけど、まぁどっちつかずで中途半端

まずロボットアニメとしてはコレ酷いよね
魅力がないんですよね機体にも技にも。スパロボに出ても使いたくないもんww

恋愛要素もあるわけだけど、恋愛って分野は一本であるべきなんですよ。決してロボアニメの付属であってはならない。SFに恋愛を交えたって現実の恋愛をテーマにした学園モノに恋愛要素で勝てるわけがないんですよ。劇中のキャラ達にとってならともかく僕達にとってはあまりにもフィクションで現実味に欠けるから

いっそのことロボットバトルアクションをなくしてべつの形にできたなら他の描写が生きてこれたんじゃないかって思います。命の尊さとかを感じながら主人公の成長を描くことを軸にストーリーをっ持っていけたなら、もっといい
作品になったはず



誤解して欲しくないのは面白くないわけじゃないんです
ただ素材の使い方しだいでは・・・っておもってしまうんですよね。つまり「もっと評価されるべき」ではぜんぜんありませーーーんwwwwそこまでいいアニメじゃなかったぞと

あとこの頃の花澤香菜さん
演技下手すぎやろwwwwwwww酷いwww
逆を言えば花澤さんの成長がわかる作品でもあります。もしかして花澤ファンにはこれだけでも視聴の価値はあるかも

投稿 : 2024/12/21
♥ : 14

ガバ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

SFアニメとしては好みだが

16話で断念。断念した理由を主にレビューしていくことになる。

まず、良かった所はやはりその世界観である。6話以降世界観が開示されるところは面白かった。また、朴璐美さんなど脇を固める声優さんは上手かったと思う。

次に、視聴を断念した理由は主人公、ヒロインの声があってなかったためである。イマイチ二人の物語に入りきれなかった。序盤時間をかけて日常パートでキャラの掘り下げを行うのだが、その時間が丸ごと演技のひどさで無駄になってしまった気がする。そのため世界観の開示があらかた終わり二人の物語へと回帰していく16話で視聴を断念。
もちろん私個人の意見なので気にならない人もいると思うが、私には合わなかった。たぶん私好みに声を寄せすぎるとアニメアニメしてしまって、それもまた作品に合わないからここら辺の塩梅は難しい。

総評としては、SFアニメとしては良し。ロボットアニメとしては平凡。恋愛物(?)としてはイマイチという(個人的な)印象である。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 4

yosshi____ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最近見た中で1番鳥肌が立った作品。

ずっと見よう見ようと思ってたのですが、今更ながら視聴しました。
まず初めに6話までは頑張って見て下さい。

この作品は映画のマトリックスの世界と同じと言ってしまえば簡単ですが、そうではなく、もっと深く濃い内容となってます。

かなりスピリチュアルな話になりますが、ふとたまに、そもそも自分というのは、体という実態のことなのか、脳という意識のことなのかと考えたことがあります。自分の体に他人の意識が入って、他人の体に自分の意識が入った時、果たしてどっちが本当の自分なのかと。
誰でも一度くらいは考えたことがあるのではないでしょうか。

ゼーガペインで伝えたいことはここにあると私は感じました。

意識さえあれば、実態などなくとも生きている。と考えるもの(ガルズオルム)と、実態がなければ生きているとはいえない。と考えるもの。(セレブレム)

これはその両者の戦いであり、26話を通して描かれました。

見終わって、説明不足なところは多々ありましたし、ラストのところも複雑にしすぎた感じはありましたが、それでも今まで見てきたアニメの中でもかなり素晴らしい作品だったと思います。
特にEDの入りは今まで見てきたどの作品よりも素晴らしかったです。

難しい内容が好きな方、考察しながら楽しみたい方におすすめしたい作品です。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 5

84.9 2 セカイ系でSFなアニメランキング2位
SSSS.GRIDMAN(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1000)
4053人が棚に入れました
1993年から放送されたTVシリーズ「電光超人グリッドマン」。
まだパソコンが一般家庭に普及する前に制作された作品にも関わらず、 現代における「インターネット」「コンピューターウイルス」といった概念を先取りした内容で人気を集めた。

そして2018年秋「SSSS.GRIDMAN」が放送決定!
アニメーション制作は、2015年日本アニメ(ーター)見本市で公開された 「電光超人グリッドマン boys invent great hero」を制作したTRIGGERが担当する。
監督は、同作でも監督を務めた雨宮哲。
あの時の未来が現実になった2018年、グリッドマンがアニメーションの世界で蘇る――。

声優・キャラクター
広瀬裕也、緑川光、斉藤壮馬、宮本侑芽、上田麗奈、高橋良輔、小西克幸、悠木碧、松風雅也、鈴村健一、稲田徹、新谷真弓、三森すずこ、鬼頭明里

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『電光超人グリッドマン』は1993年当時には新しすぎた(笑)! (第12話: まごころを君に(笑))

※↓以下を書いた時点でアニメ作品は始まってもいないので、未見でした。視聴終了後追記あり。

「あらすじ」にある通り、『電光超人グリッドマン』という円谷プロ製作の特撮作品(以下、「原作」)がありまして、当時の情報科学・コンピュータ関連の研究者や業界人の間では有名な作品でした。

原作では敵であるカーンデジファーがコンピュータワールドに「怪獣」を送り込み、その怪獣の破壊行為が実行プログラムの破壊、不具合として顕現するというお話になっています。

そしてカーンデジファーを追ってきたハイパーエージェントが、少年少女たちがパーツから組み上げた自作コンピュータとそこで実行されるプログラムと一体化することによって「グリッドマン」として怪獣と戦うことで地球の平和が守られるというストーリーになっています。

そしてカーンデジファー側にも協力者の少年がいて、「悪意あるクラッカーと戦うハッカー」という構図が怪獣特撮物としてビジュアライズされているという異色の作品でした。

根っこの着想は映画『ウォー・ゲーム(WarGames)』(←こっちは背景に冷戦がある実世界でのお話でストーリー自体は全く違う)あたりから得たような気もしますけど、こんなん当時子供にウケると思って企画したやつアホやろ。(← 褒めている)

また「怪獣やグリッドマンは通信回線を通していろいろなコンピュータに入り込める」とか、「怪獣とグリッドマンの戦闘は手元のコンピュータでモニタ出来る」とか、「グリッドマンの支援メカ(?: プログラムというかデータなのですが…)も通信回線を通して送り込める」とかいった設定があって、当時の若めのコンピュータ関係者の心を(もしかしたら本来の視聴対象のはずの子供たちよりも)掴んだのでした。

また15年ほど前でしょうか、安価なコンピュータを多数高速ネットワークで接続して高速計算させる「グリッド・コンピューティング」という技術が業界トピックとなり、「グリッド」という言葉が本作を想起させることでリバイバル・ブーム的なものもありました。

なので今50~60代くらいのコンピュータ関係者の間では『電光超人グリッドマン』はそこそこの知名度があると思います。

というところで個人的にはこのアニメがどんな作品になるか期待大ではあるのですが、現代に需要があるのかとか何でいまさらグリッドマンなのかとかはさっぱりわかりません(笑)。

2018.10.7追記:
第1話、観ました! ジャンクやグリッドマンのデザインは旧作準拠。ジャンクへの過負荷時の演出なんかはアニメっぽいです。いきなり謎を残しての引きで、期待を持たせる1話目でした!

2018.10.14追記:
第2話を視聴終了。視聴を続けるかどうかを判断するで必要そうな世界観の説明は2話でだいたい片付きました。シリーズ構成、有能…。

2018.10.28追記:
第4話、「Arcadia」のグループとメンバー4人の名前が玩具メーカー由来で笑ってしまいました。

2018.11.12追記:
第6話を視聴終了。旧作を観ていた人にはわかる「先代」とイヤホンで聞かされていた旧作楽曲「夢のヒーロー」のアレンジバージョンの旧作ネタがありました。ということは、一応旧作『電光超人グリッドマン』とのつながりもあるってことなのかな?

2018.11.18追記:
第7話目まで視聴終了。「不安定な神様」(笑)。

UFOが糸で吊られていたのって、あれもしかして特撮メタネタ(昔は空中戦の撮影時には糸で模型を吊っていた)なの?

2018.12.23追記:
第12話(最終話)視聴終了。いや、TRIGGERがGAINAXの末裔だとして、何もあんな形で示さなくても…(笑)。

あれがアカネだなどとは絶対に認めん、だがという視聴者もわりといそうだが、案外あれは円谷プロサイドにはウケているかもしれない…。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 76
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

このシンウルトラマンがすごい

TRIGGER×円谷プロ制作。
特撮「電光超人グリッドマン」リメイク。

予想通り制作チーム抜群に相性が良い。
キャラクターもポップで女の子がかわいい。
敵役の子も味があって素晴らしいです。

旧型のパソコンから声がする、
ハイパーエージェントグリッドマン。
地球を怪獣の侵攻から救えと、
記憶喪失の主人公は、
グリッドマンに導かれるまま彼と融合する。

シンゴジラ第二形態の進撃、
迫力ある市街地戦、スペシウム光線炸裂。
記憶喪失の謎、世界の謎。
日常風景も多く青春しています。
世代なんて関係なく楽しいですね。
青春ヒーローものとしても秀逸でしょう。

最終話視聴追記。
優れたデザイン性もアクションも心が躍った。
{netabare}実写での幕切れは予想を超えましたが、
現実世界にバトンを繋いだように思う。
自閉世界からの解放とでも言おうか、
これからが日常との戦いなのだろう。{/netabare}

どこか爽快で希望の萌芽を感じる幕切れだ。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 96
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

特撮好きでないマン in N.Y

2018.12.28記


「電光超人グリッドマン」未視聴


レビュータイトルはSTING往年の名曲から。

前評判が高く、放送中も事前の好評価そのままに走りきった感のある良作です。が、なんかしっくりこない。
1993~1994年に放送された「電光超人グリッドマン」という特撮ヒーローものを母体とした新作アニメで、“円谷プロ”“TRIGGER"“音楽:鷺巣詩郎”そしてあの“グリッドマン”か!のワードが期待を寄せる根拠となってました。
主人公響裕太がクラスメイト宝多六花の家の前で倒れて、目覚めたら記憶を失っていた、という冒頭。六花の家が営むジャンクショップに置いてある古いPCから「自分の使命を思いだせ」と呼びかける声。声の主はハイパーエージェント『グリッドマン』。ほどなくして、街に怪獣が現れて破壊の限りを尽くす。どうする?どうする?裕太くん、という導入でした。

そしてこの私。電光超人を未視聴もさることながら、そもそもウルトラマンや仮面ライダー、戦隊ものをわくわくしながら観た記憶がありません。宇宙刑事シリーズも観てました。嫌いなわけではなく、ただ“わくわくした記憶がない”だけです。
おそらくこのわくわくした経験の有無が本作を捉える上でのスタート位置の差となって表れちゃったんじゃないかという感覚があります。もちろんスタート位置が後ろでも追いつき追いぬいた方もいると思います。特撮好きマンはすーっと本作に入り込みやすかったでしょう。
ちょっと煮え切らない感じですが、これは、前評判に裏切られながらも、自分なりの結論を探し続ける男の取るに足らぬ感想、と思って以下読んでいただければ幸いです。


なお結論は、“とはいえおもしろい”です。
理由は明確、日常パートが魅力的だから。
Aパート、Bパートのくくりが正しいかは微妙ですが、だいたい1話のなかで前半の日常パートと後半の戦闘パートに別れており、この系統の作品の流儀を守ってますね。

作品評価に与える分岐点は2つあると思ってます。
1.特撮作品との相性
2.主に日常パートで展開される物語の解釈

1.特撮作品との相性
アニメなのに特撮? アニメ作品ながら特撮作品の演出技法が散見されます。この、アニメなのに?がポイントで、良く出来た作画と合わせて見どころになります。さらに、グリッドマンのみならず旧作名作のあれやこれやを彷彿させるシーンがさり気なく描かれているため、これもわかる人には胸アツでしょう。
スタッフの特撮作品に対する愛情を感じることができることは好感ですが、{netabare}物語の展開上、闘う目的があるようなないような{/netabare}戦闘シーンの連続は、私にとっての付加価値にはなりませんでした。

2.主に日常パートで展開される物語の解釈
良し悪し以前に、例えば戦隊ヒーローもので展開される日常パートはほぼ蛇足です。ウルトラセブン等の例外を除いては、特撮ヒーローものの前半にしょぼい印象しか持ってない私ですが、本作にはそのしょぼさがない。
裕太、六花、内海将の3人組に新条アカネら人間たちと、グリッドマンと4人のアシストウェポン(新世紀中学生)、そしてアンチくん、アレクシスの人外さんらが絡む物語は濃厚です。全体的に暗いというか“不穏”な雰囲気を醸し出しながら進行する展開は私好み。
ただ演出の妙が冴える考察好きにはたまらん展開のため、シンプルに観てると、なんだかよくわからんなぁ、になりそうな感じでした。

これ1.と2.の相乗効果で天井知らずになったかもわからんです。そういった意味では残念でしたね。私は1.が欠落してます。
日常シーンと戦闘シーンそれぞれ高いレベルにありつつも有機的に絡み合っているかは微妙。1個で2度美味しいになるか、水と油だなとなるか、私は後者です。
{netabare}・アカネにスイッチ入って怪獣作ってドーン!の前後に繋がりがあるようでない。
・必殺技や合体技はあくまで戦闘特化というか説明がないためこちらも繋がりが・・・
・となると作画と特撮オマージュを堪能するしかなさそう{/netabare}


OPはTHEヒーローものと呼べるワクワクする曲ですこぶる良いです。EDだって負けてない。イントロのギターリフが好きですね。
「これ、お前の母校が何回も破壊されるアニメだで」と、都立井草高校出身の知人へネタふりも可能(実話)。
充分満足する一品でしたが、周囲の熱狂とはちょっと引いた場所にいるかなーっていう良作でした。



■良く出来た物語
※視聴済みの方向け

{netabare}第一話アバン、新条アカネのカットで始まり、ラストは見ての通り。一貫してアカネの物語でした。その視点での二周目(特に9話)はやばいですね。
SSSS.ってなんの略? スーパーヒューマン・サムライ・サイバー・スクワッド(Superhuman Samurai Syber Squad)と聞いて、超平和バ○ターズばりのネーミングセンスだな、おいと思ってましたが、案の定“フリ”でしたね。
グリッドマンへのアクセスコード『Special Signature to Save a Soul』。そしてフィクサービーム!見事なタイトル回収でした。{/netabare}

{netabare}「私の先代が君にお世話になった」と少女怪獣さん(6話)
こういったところは元ネタ知ってたら楽しかったんだろうなーと思います。{/netabare}

{netabare}アカネのバランスが崩れ始める第7話は隠れた良回。
裕太と中華料理屋の中で「(ここの娘を)あたしが殺したの」と言うアカネ。遡ることAパート。アンチくんとの一悶着の際、スペシャルドッグを踏んでたアカネ。このへんの自己矛盾描写は秀逸。{/netabare}


それと物語がいま一つと感じた人が二周目行くことはないと思うものの、二周目が面白い作品でもあります。


■(オマケ)けっきょく設計主義って
ルールを設計してその通りにすれば万事OK!・・・って少しでも考えれば無理難題。人間には自我というものがあります。
無理してこれをやろうとしたのが、{netabare}新条アカネであり、{/netabare}大失敗に終わった20世紀の社会実験であるのでしょう。

{netabare}本作は、不完全なるもの(アンチくんやグリッドマン同盟のみんな)が不安定な神様を救う物語でもありました。{/netabare}
{netabare}子供じみた設計主義はとっとと捨てて、早く大人になりなさい。てゆーか外に出なさい。人を知りなさい。{/netabare}

完全とは理論や対物には求めてもいいとは思いますが、対人間、社会に求めたり、統治の仕組みとして取り入れるのは無理がある、を再確認した次第です。



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2019.06.12追記
《配点を修正》


その後、『電光超人グリッドマン』も飛び飛びながら視聴。地上波で再放送をやっていたのです。

SSSSのほうはロボ好き特撮好きでなくても日常パートが良いし、六花とアカネのWヒロインも魅力的で、私のような“特撮好きでないマン”でも楽しめましたが、たしかに原題の電光超人おさえてるとニヤっとできる場面多数。

本作SSSSを気に入ったのならこっちに手を出して良いと思います。


追伸
『色づく世界の明日から』のOPとED同様、こちらのOPとEDは秋から冬にかけてヘビーローテーションで聴いてました。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 80

84.1 3 セカイ系でSFなアニメランキング3位
シン・エヴァンゲリオン劇場版:||(アニメ映画)

2021年3月8日
★★★★★ 4.2 (442)
2036人が棚に入れました
 エヴァがついに完結する。2007年から『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズとして再起動し、『:序』『:破』『:Q』の3作を公開してきた。その最新作、第4部『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の劇場公開が決定。人の本質とは何か? 人は何のために生きるのか? エヴァのテーマは、いつの時代にも通じる普遍的な核を持っている。
 シンジ、レイ、アスカ、マリ、個性にあふれたキャラクターたちが、人造人間エヴァンゲリオンに搭乗し、それぞれの生き方を模索する。人と世界の再生を視野に入れた壮大な世界観と細部まで作り込まれた緻密な設定、デジタル技術を駆使した最新映像が次々と登場し、美しいデザインと色彩、情感あふれる表現が心に刺さる。
スピーディーで濃密、一度観たら病みつきになるその語り口は、興行収入80億円超えの大作『シン・ゴジラ』も記憶に新しい庵野秀明総監督による独特の境地。その庵野総監督がアニメーションのフィールドで創作の原点に立ち返り、新たな構想と心境によって2012年の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』以後、封印されてきた物語の続きを語る。
 1995年にTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』でアニメファンのみならず、アーティストや学者までを巻き込んで社会現象を起こした初出から、実に25年――その間、常にエポックメイキングであり続けたエヴァの、新たな姿を見届けよう。

声優・キャラクター
緒方恵美、林原めぐみ、宮村優子、坂本真綾、三石琴乃、山口由里子、立木文彦、清川元夢

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

「否定」ではなく、「肯定」する生き方

ネタバレを極力避けて話したい。

25年前の庵野監督は明らかに「オタク」であることに対して「否定」的な立場から作品を作っていた。

アニメとか漫画とか映画とかゲームとかどうでもいいから、街に出てコミュ二ケーションしなさいと。。。

「書を捨てよ、町に出よう」ということである。

しかし、この25年間で社会は様変わりした。アニメを見ることに対しての偏見は愚か、アカデミー賞や歴代の興行収入を支えているのはアニメや漫画だし、ハリウッド製作の映画やドラマまでもが今やアニメや漫画の実写化がほとんどである。

そういった状況において、本作はそういった「多様的」な生き方を「肯定的」に捉えている。

僕の周りには本当にいろんな人間がいる。サッカーが好きな人間もいれば、ギターや音楽が好きな人もいるし、漫画でもキワモノが大好きな女性もいっぱい知っている。

はたまた、性に対してもゲイやバイセクシャルな人だっているだろうし、興味がない人だっているだろう。

そう、その全てが全て「存在」していいのである。

確かに、それぞれは言葉が通じなくお互いを傷つき合うかも知れない。

あるいは全く引き合うことすらないかもしれない。

しかし、そういう社会でお互い理解し合おうとすることがなにより大切なのだ。

それがこのシン・エヴァにとって、いや全人類にとって「大人」になる。ということであると「結論」が出ている。

確かに現実ではなく「理想論」に過ぎないが、それでも人はあの25年前に比べれば、偏見や差別と向き合う人が増えた。

そういう意味では「進歩」しているのである。

個人的には今回の「シン・エヴァ」のラストより、漫画版の「エヴァンゲリオン」の方が好きだが、そういったことはこの際どうでもいい。

庵野監督とこの作品を全力で作ったスタッフの皆さんに何よりの感謝と尊敬を。。あなた方の「伝えたい想い」は伝わりました。

お疲れ様です。そしてありがとう「エヴァンゲリオン」

人生においてここまで晴れ晴れした気持ちになったのは久しぶりでした。



追記

ラストのある「ゲスト声優」が時代を象徴していると思うし、
なにより今度の「シン・ウルトラマン」がまさにド王道の物語になることも必然だと思う。

良い意味で垢抜けた傑作になることを期待してます。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 42
ネタバレ

sumiyaki さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

エヴァの世界はどういう世界だったのだろうか?

2020年8月末に序破Qを観たのが最初のエヴァンゲリオン。
まだ半年くらいの新参者です。序破Qくらいしかちゃんと観ていませんが、シン・エヴァはとても楽しみに待っていました。

自分はコアのファンの皆様とは時代・世代・年齢も違っていて、エヴァに触れてからの時間もまるで短く、ファンの方々とは感動を共有できなかったかもしれません。
ただ、庵野監督をはじめ制作に関わった皆様にはお疲れ様と言いたいです。ありがとうございました。

「庵野秀明スペシャル」 - プロフェッショナル 仕事の流儀 - 3月22日19時30分からNHK総合
https://www.nhk.jp/p/professional/ts/8X88ZVMGV5/episode/te/YV62MRRW35/
>番組は総監督・庵野秀明(60)に4年にわたって独占密着。これまで長期取材が決して許されなかった庵野の制作現場を、シリーズ完結編となる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』で初めて余すところなく記録した。

というお知らせ、シン・エヴァをもう一度観に行くよりも、NHKの庵野特集が観たくなった私です。

アバンについて。{netabare}ここは上映前からYouTube, Amazon Primeで公表されていて、前からいろいろと妄想してしまった部分。メタフィクション的な解釈に私も傾倒しました。まるで仮想現実であるかのようなパリ市街の復活、マリが「待ってろ、ワンコ君」というときの背景の建物が実はコア化しているかのようにみえる描写。
しかしそういう解釈は後のパートでは続かず、メタフィクション的なものというより、使徒の世界とリリンの世界の重ねあわせとしてのL結界密度のようななにか、と考えるしかありませんでした。「アンチLシステム」の技術があとでも活躍しました。
そして、マリの特殊能力?が示されました。
{/netabare}
最終結末について。{netabare}世界はどのレベルに戻ったのでしょうか? この駅が東京駅だったりしたら、エヴァンゲリオン自体がなかった世界に戻ったことになる。第三村が有った辺りの駅なら、第三村がどうなったのか、そこで暮らしていた人たちはどうなったのか心配になってくる。山口県宇部の辺りだから、第三村その他も無事に復興しているだろうと推測できる。
まるで浦島太郎が玉手箱を開けたように、シンジは大人になってしまって、チョーカーもつけたままだったり。スーツを着ているのはマリと婚約の報告か何かでしょうか。
マリの印象ですが、私には何かゾッとする感覚、「悪魔」みたいな感じがしました。シンジはちょっと魂を抜かれたような感じ、いままでと違いすぎるからか。
実写の風景は結末の世界が見かけは似ているけど、視聴者の世界とは異なるものなのに同じだと思わせているのではないかとふと思います。
人類に文明を与えてくれたゼーレはどうなったのだろう。
{/netabare}
マリとは誰なのか?{netabare}
極めて重要な登場人物(綾波ユイと碇シンジ)と深く絡んでいる。
年齢の不思議。
私には「悪魔」的な印象があった。使徒が人類を滅ぼす存在ならば、「悪魔」は実は「神」のようなもの。
とすると、マリは天使か神のような存在なのでしょうか? 実は黒幕なのでは?
メタフィクション的にエヴァンゲリオンの世界をある種のゲームの世界のようなものだとすると、マリこそゲームのプレイヤーで、その他は程度の違いはあっても、ノンプレイヤーキャラクターの要素が強くなる、というように私には感じられました。
{/netabare}
エヴァの世界はどういう世界だったのだろうか?{netabare}
使徒が虚構の世界の生き物で人類(リリン)は現実の存在、そして虚構 vs 現実 の闘い、みたいな印象をもっていたこともありますが、その2つの世界はL結界を境に同時に存在、あるいは重ねあわさっていることがシン・エヴァを観て強く感じました。ちょっと量子論っぽいですね。
これは視聴者や制作側が3.11の東日本大震災の影響を強く受けたことに関係していそう。
マリがメタフィクション的な存在であるとするならば、エヴァはフィクションの世界を脱して、現実に着地し完結した。ある種のゲームのような世界だったのでは?
その辺りのことはシン・エヴァ公開直前にこちらにコメントさせていただきました。
https://gyahunkoubou.com/sin-eva-mystery-4.html#comment-33119
{/netabare}
私の受け取ったメッセージ。{netabare}
いつまでも子供でいるな、大人になれ、みたいな普遍的なメッセージが受け取れることは確かですが、私は悪く言えば少し古さを感じました。
どちらかというと、現実はそれに従うしかない面もあるけれども、フィクションのように「書き換えていく」こともあるいはできるのだ、というように受け取りました。
アニメ「正解するカド」を個人的ですが、連想というか思い出しました。(「正解するカド」のネタバレあり){netabare}
エヴァQ (2012) --> 正解するカド(2017)
Qに対するAnaswer
エヴァ(大人になれ) --> 正解するカド(私たちはみんな途中)
正解するカド(交渉でなく結局暴力) --> シン・エヴァ(暴力ではなく結局コミュニケーション)
まあ、両者には関係はありません。私の妄想です。
{/netabare}{/netabare}
その他とまとめ。{netabare}
QからVRゴーグルのようなものをしていたゲンドウ。VRあるいはMRで現実世界に別の世界を重ねて見ている、と思っていたけど、そうではなかった。

使徒は災害・伝染病・政治的攻撃(洗脳とか)の象徴なのだろうけど、「エヴァンゲリオン」の世界はキリスト教の信者からはどのように捉えられているのだろうか。

エヴァからも他作品からも引用につぐ引用をしていてそれでいてすごい独自の世界を創っている。今後はエヴァを消化吸収した新たなテーマの作品が観たい、楽しみだ。

映画館で最後まで皆は真剣にみていたのだろう、拍手をしようと思ったがためらってしまった。私のような新参者にはいまひとつ「感極まる」ところまで至らなかった。長い間ファンの皆様には長く心に残ることだろう。
{/netabare}

投稿 : 2024/12/21
♥ : 16

takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

いやぁ〜全然面白くねぇな!。ただ、庵野先生とカラーの次回作にご期待ください。

 ネタバレになるので例え話でのツッコミになりますが、「思い出ぽろぽろ」か!、スターウォーズep9か!な作品です。言わんこっちゃないとは思いましたが、スターウォーズと同じで前作でグチャグチャになった風呂敷を大急ぎで畳んでるだけだから、ドラマやエモーショナルな盛り上げにも、物語という形での上手なテーマの展開にも、キャラの描き込みにも失敗してます。


 あるポイントでわかりきってる愁嘆場みたいなのが始まった時には頭を抱えそうになったし、ゲンドウの件りでは「それ前から知ってた!」とツッコミを画面に入れたくなった。


 ロボバトルの描写としてもCGばっかで手描きの最高峰だった旧劇のような色気も艶もないし、重量感や上がるロマン描写もなし。軽そうなエヴァがチャカチャカと動くばかりで何が起こってるのかよくわかりづらい(これは本作だけに限ったことじゃないが)。


 アナクロニズムと言われようが、やはりロボは手描きの方が向いている。テレビだと今は色々あるのかもだが、映画では手描きの方がねぇ…。そりゃあ手描きじゃあ表現は無理という場合もあるが、CGだからこそのロボ表現で本当に痺れたことは今んところあんまりないかな。


 じゃあ面白くもなんともないかと言うと、ある意味で面白いところはある。それは庵野監督の大人になりっぷりである。結婚して多くの人の仕事を指揮するより大きな立場になって、もうあんな昔みたいに中二丸出しでグズグズ悩んでらんねぇよ!って庵野さんの心は確かに伝わってくる(それを物語の中で上手く消化できてるとは言い難いが)。


 絵作り的にも、CGを殆ど使ってない庵野さんのロマン溢れる部分のパートでは流石の冴えを感じたし、あのキャラが☓☓☓な件にも「あぁ…、本当に大人になったんだなぁ…」と染み染み感じ入った。


 その辺の描き方が「思い出ぽろぽろ」と同じで、少々懐古主義的、或いは理想化され過ぎな気もするが、宮台さんの動画を見たりして共同体の大切さや共同身体性の重要さについて考えさせられていた私としては言いたいことはわかる、という感じではあった。しかし、昔には戻せないから、テックを使ってアップデートは必要だが新しい形の共同体の作っていくのは急務だろう。


 それにしても、やはり映画一本に詰め込むには無理があった気がする。どうせなら決戦前の物語をテレビで1クールやるくらい必要だったかも。


 ここまで大人ぶりを見せられると、やはりエヴァから開放させれた庵野さんとカラーの次回作に期待したい。庵野さんはナウシカはやって欲しいが、あとはフリーハンドで作って欲しい。


 カラーにはTVアニメにも参戦しないとジブリの二の舞になるから、優秀なスタッフたちの才能を活かせるオリジナルでも原作付きでも年一くらいでは新作を制作して欲しい。あぁ〜やっとネタバレを心配しないでネットを見れるという安堵の気持ちのみ!。


 作品としてのエヴァは、やはりスターウォーズにおけるep4、5、6みたいに旧劇までで終わりで良かった、という新劇が作られる当初から思ってたことなので別に大きなショックも無し!(破の時点では正直期待しちゃいましたがね)。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 34

81.9 4 セカイ系でSFなアニメランキング4位
ぼくらの(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1889)
9824人が棚に入れました
政財界の権力者たちは、「子供たちの契約を解く鍵を探す」という建前の元に、ジアースの技術を研究して産業や軍事に利用しようとする。子供の親たちは、子供を救う方向に世論を動かす為に、ジアースの情報公開を目指して協力し合う。しかしその企ても権力者の陰謀によりつぶされ、子供たちはこの地球からも孤立してゆく。

声優・キャラクター
皆川純子、阿澄佳奈、野島健児、三瓶由布子、牧野由依、能登麻美子、浅沼晋太郎、比嘉久美子、宮田幸季、高梁碧、織田圭祐、井口裕香、杉田智和、保志総一朗、阪口大助、東地宏樹、石田彰

IraIra さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

アンインストール

鬱アニメ作品で検索すると殆どのQ&Aに名がでる鬱作品。
途中で諦めないで最後まで見て欲しい作品です。
私はこの作品をすべて見終わった後、2,3ヶ月はこの作品が頭から離れませんでした。しかし1話からの戦いが最終的に無かったことになるようなアニメだったら頭からすぐ離れていったでしょう。そこが鬱アニメ好きにはたまらないのですが…
鬱アニメが好きな傾向の方は平気かと…、見る人によっては結構重いかと思いますので、あまりお奨めできないです。
勝手にジャンル付けするならばロボットものですが、ストーリー自体が独特の世界観に重点しているので、バトルものの様なアクション性は少ないです。OPだけ見るのもありかと。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 18
ネタバレ

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

解釈することが、できないことのこわさ

■意図的な「雑な死」の表現

 「死」の表現が雑な話には二種類ある。
 単に「人が死ねば悲しいだろう」と思ってあざとい感動エピソードとセットにされて、どかどかと人が死ぬ話と、そもそも「死の瞬間」というのが雑な形でしか到来しないという無意味さを描こうとする話だ。
 「あざとい死」がただの泣かせの安っぽい方法論であるのに対して、「乱暴でちゅうぶらりんな死」というのは死そのものを描くことが話の目的になる。死の表現の雑さ、という点においては両者は同様なのだけれども、「死」に対して物語上の意味が与えられていれば前者のような表現になるし、物語上の意味が意図的に放棄されていれば後者のような表現になる。
 この表現は、決してわかりやすいものではない。
 正確にいうと「わかること」ができない。
 人が死ぬ瞬間、というのは、だいたい、たいした理由はない、というそれ自体を描こうとしているわけだから。

■ちゅうぶらりんな死

 いろいろな思いをかかえていた人間があっけなく、なんの理由もなく、理不尽に、ランダムに死んでしまう。そういうかたちで、多くの場合、死は突然にやってくる。「世界をすくうための崇高な犠牲として死を自覚的に選択できる」などというようなことはまず、ない。「ループする世界のはてから脱出するために死を選択する」とか、そういうことも、およそ幸福で稀な事態であると言ってよいだろう。

 鬼頭 莫宏という漫画家は、そういう、理不尽で偶発的な事件が、突如として悲劇としてあらわれてくるような。そういう事態を繰り返し、繰り返し描いている。そこには、巨大な情熱も、巨大な失望も、抱く間が無い。間抜けな形で到来する。


 鬼頭作品は、そもそもそういうタイプの世界の乱暴さを描く話だった。そういう世界の乱暴さばかりを描いてきた作家の仕事としては、『ぼくらの』はやや丁寧に属する部類の仕事だ。設定がこっていて、「死」を迎えるまでの時間が、ほんの短い時間ではあるけれども、ゆるされている。
 だけれども、やはり、その時間は「ほんの少し」だ。しかも、人生で何かをなしとげた人間の時間ではなくて、まだ何もなしとげていない少年少女たちの時間だ。
 死の前の少しの時間の暮らし方は、やはりどう転んでもぶざまだ。ぶざまで、感情移入をするまでには、時間が足らない。時間が足らない、その時間の足らなさ、こそが不気味な表現になっている。
 彼ら/彼女らのなかにある十分な物語を知る時間もあたえられず、ちゅうぶらりんなまま、人がぼろぼろと死んでいく、そういう乱暴な風景こそが、『ぼくらの』の醸し出す物語の怖さだろう。

 エンターテインメントとしてみてみれば、なるほど、描写は不十分ともいえるかもしれない。映画でいえば、絶対にアカデミー賞はとれないだろう。エンターテインメントとしては、ぎりぎりのバランスで成り立っている。わかりやすくないから。
 だけれども、わかりにくいもの、ばかりが世界にはたくさんごろがっていて、そのわかりにくさの、違和感のようなものを、ごろっと露呈させてみせる、その違和感があらわれる瞬間。そこに何かを感じ取ることが可能かどうか、ということが、鬼頭の書く物語を良いと思うか、悪いと思うかということの評価へと直結するだろう。ある人は、その違和感にたじろぎ、ある人は単に雑なものだと感じるかもしれない。


■セカイの生き死に自体がちゅうぶらりん

 ただ、こうした死の乱暴さそのものは、は実は決して知られていなかったものではない。世界の名作文学でも映画でもいい。あるいは、高名な哲学者の議論でもいい。戦争にいったことがない我々でも、そういう乱暴な死が世界中によこたえていることは知っていた。

{netabare} 『ぼくらの』の特殊性は「個人の死」が乱暴で、いいかげんで、ちゅうぶらりんに訪れるというだけでなく、「セカイの死」自体も、いいかげんで、乱暴で、ちゅうぶらりんな形でしか訪れない、ということだろう。
 この話は、「凡庸なぼくたち」が、セカイを救う物語であると同時に、セカイを滅ぼす話でもある。セカイを滅ぼす理由も、救う理由も、これといって明確な理由はない。サイコロを転がして決めているのといっしょだ。ただ、その過程に、たたかいを挟むから、じゃっかん本人たちの努力が可能なだけで、たたかいをする巨大ロボットが強いかどうか、ということはサイコロを転がすのと何もかわりはない。

 「セカイの成立」自体が乱暴で適当だという想像力は、「生命」自体が乱暴で、適当だという想像力の、さらに先にある、おそろしさをもっている。

■セカイ系作品としての異質性

 いわゆる「セカイ系」作品は、少年少女の憂鬱や、情熱の程度によって世界が救われたり滅びたりする。ハルヒしかり、エヴァしかり、エウレカしかり。
 「ぼくらの」もセカイ系の一種だと考えることはできる。滅びるべき世界/救われるべき世界は、「頑張らなければ世界がほろびる」。だが、そうは言っても、異世界の少年/少女たちもまったく同じ状況におかれているという点で、ロシアンルーレットの弾をこめるような意味においてしか、少年少女の憂鬱や情熱には意味がない。

 「セカイ系」においては、世界の救済や滅亡と、少年少女の情熱が、ダイレクトにつながる、ということが少年少女の「わたしには価値がある」という承認欲求を満たすものとして機能していた。
 しかしながら、『ぼくらの』はそういった構造を完全に逆転している。「わたし」ががんばろうが、がんばるまいが、どこかでセカイは滅び、どこかでセカイは残る。わたしの努力は「このセカイ」に対してこそ、一定の有効性はもつが、努力や情熱はごくむなしいものとしてしか、与えられない。少年少女は、みなロシアンルーレットの弾丸、としてしか役割を与えられていない。

 セカイ系の設定をかりながら、<「わたし」の承認欲求を否定するセカイ系>というごく、無残でみじめな世界を示すことを、あえて提示してみせる。
 鬼頭的な、世界の乱暴さをつきつけるという仕業、セカイ系という少年少女の逃げ場を否定することで、どうしようもなく、成立している。
 おまえらに、逃げ場なんてねぇんだぞ、と。
{/netabare}

■作品比較:『イキガミ』『バトルロワイヤル』

 なお、本作とある程度ちかい設定をもった作品としては、『イキガミ』『バトルロワイヤル』などがあるだろうが、いずれも世界の乱暴さを描くという点においては、『ぼくらの』の足元にも及んでいない。

 たとえば、『イキガミ』は、死にいたるまでの、当人たちの「物語」があまりにもきっちりと完結しすぎており、世界はあまりにも残酷ではなさすぎる。死にはきっちりとした意味があたえられ、物語世界はあまりにも簡単に解釈をゆるしてしまう、安易な「いい話」以上のものにはなりえていない。(そもそも心理描写の水準のだめさや、人間観のバラエティがステレオタイプに満ち満ちていて、論外なあたまのわるさ……ということはあるが、それをさておいても、そうだ。)

 また、『ぼくらの』がもし、失敗しているとすれば、やはりエンターテイメントとして作品をみる、という作法以外に作品を見る方法を知らない読者や視聴者層を大量に相手にするマーケットで作品をリリースしているということだろう。そういう視聴者層には、この表現は単に物足りない表現としてしか届かないケースが多い。つまり、『ぼくらの』は失敗している。作品の内容において、ではなく、売り出し方において失敗している。
 その意味では、エンターテイメントとして暴力表現を前面に押し出した『バトルロワイヤル』のほうが、大勢の人への伝わりやすさという点では、『ぼくらの』よりも世間的なインパクトは獲得できている
 しかし、『ぼくらの』の描く死はどうしようもなく中途半端であるゆえに、『バトルロワイヤル』などよりもはるかに残酷な風景を描いている。我々は、恍惚のうちに死ぬことができない。


■漫画版と比較して

 漫画のほうは、まだ全部はよみおわっていないのだけれども、おおむねアニメ版のほうが、見やすかった印象がある。一話完結である程度、はなしの起伏をつけているので。アニメの方がエンタテインメントとしては優れているだろう。
 エンターテインメントとしてではない、評価としては漫画のほうがすぐれているという人も多いかもしれない。
 わたしは、アニメのほうがやや気に入った。単純に映像もきれいだったのいうのもある。

■関連推奨作品:『パルプ・フィクション』『いのちの食べかた』

 なお、アニメでも漫画でもないが、本作が好きな人にすすめたい作品としては、
 まず映画ではもはや、古典ともいえる地位を獲得しているタランティーノの『パルプ・フィクション』は高い確率でハマるだろう。人が乱暴にしんでいく作品としては、まず多くの人が挙げるものだろうと思う。
 また、私個人のおすすめとしては、ドキュメンタリー映画『いのちの食べかた』をぜひおすすめしたい。『ぼくらの』に続けて、このドキュメンタリーをみたひとは、確実にゾッとする体験をあじわえるのではないか、と思う。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32
ネタバレ

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

鬱と言うより泣かせメインの作品。昭和の戦争映画的かも。

点数上方修正します。
いい作品だと思ったし不満もそれほどないので、平均4.0では低すぎかなと思いまして。
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観終えましたので追記

 どうも後半のアニメとしてのアレンジが評判悪いみたいですが、私はそれほど気にはならなかったですね。
私が観たのが休日だったのも有りますが、飽きずに一気に観れましたです。
原作未読の私なんぞは、こういうお話なんですと言われれば素直に受け入れられましたです。原作に比べるとかなりソフトにアレンジされてるとの事ですが、充分救いの無い世界ですね(汗)
もう基本シチュエーションだけで残酷な上に、個々の子供たちの身の上まで不幸な訳でちょっとツラい作品なのは間違いないです。
私的には特にダイチの回とマキの回は泣いちゃいましたね。これは私が親だからってのもあるでしょう。赤ん坊・幼児が絡むとオッサンとしては涙腺がユルユルになってしまうもんで(汗)
 確かに重い話ではありますけど僅かながらも光明射す終わり方する作品でもありますので、それほど鬱だ鬱だと臆することなく観てもイイんではないかと。客引きのネタとして子供たちの死を利用した悪趣味な作品とは私は感じなかったですね。
 但し、個人的には女の子持つ男親は観ない方がいいかなと。
チズの件がちと、ね。
うちは息子だからまだ良かったです(汗)

 ただ、やはり契約してしまった子供達の姿には私は若干の違和感感じましたです。
{netabare}
 勝っても負けても死しかないと言う状況下で、あそこまで狼狽しないなんて達観しすぎじゃないかなと(汗)
ワクとコダマは自らの置かれた状況を把握することなく死んでますから別として、どうも皆13歳らしくない腹の括り方に見えるというか・・・。
ここら辺は個々のシーンをどう観たかと言う個人的な差異はあると思いますけども。
個々の心情描写にムラがあるというか、バックボーンは丁寧に見せる割には戦闘前後の姿の見せ方がアッサリ目な気がします。
13歳の子供が我を失って醜い姿を晒すなんてシーンばかりでは、流石にTV的絵面では無いと言う判断だったんでしょうか?
ここ最近はそういう心理面の描写が巧み且つ生臭いアニメも多い気がするので、今コレをアニメ化したら違ったイメージの作品になるのかもですね。
裏を返せば2007年制作のこの作品には、チズのエピソード以降に関しては散り際の潔さと儚さによる美談として概ね纏めようとしてる作り手側の意図が感じられる気がします。
世間で言われるほど鬱な作品では無いとの感想抱く方居るのも納得です。
私も視聴前は、死を前に泣いてわめいて命乞いをして自暴自棄になる子供達の生き地獄を延々と見せられる強烈な作品と思ってました。
完全に勘違いでしたw
まぁそんなドSな世界にカナちゃん放り込まれた姿は見たくないので、アニメ版位で良かったんだと思います。私的には彼女とダイチの妹が成長した姿だけがこの世界の救いのビジュアルでした(汗)
{/netabare}

人物の細かい描写の不満点とか時系列で?なところが僅かに気になりましたが、アニメ版も単独の作品としての話の収め方も悪くは無いと思います。
子供達主体の中盤までとタモツさんが出てくる辺りの終盤ではなんか別作品みたいな印象も受けるけど、チグハグな印象は無いです。
因みにこの作品も主人公たちの物語は完結するけど、世界の謎の全容は明かされないタイプの奴なので、そういうのがお嫌いな方はスルーした方が良いかも。

どうやら死に対するスタンスが随分と違う様子ですので、機会が有れば原作も読んでみたいですね。

//////////////////////////////////////////////////////
 以前から観たいと思いつつも、期待していた故に出来に失望したら嫌だなという事で手を付けず。盆の連休だから鬱々するのもいいかなと観始めてみました。
話の骨子は知っているつもりなので、もうしょっぱなから心が苦しいですね。こんな良く言えば悲しい、悪く言えば悪趣味な作品よくも考えたと思います。うちの子はまだ小学校にも上がってませんが、自分の子が・・・と思うとちと抵抗はあるんですよね。
だったら観なけりゃいいじゃんとも思いますが、残酷でも素晴らしい作品なのか否かは自分で感じたいなと思いまして。

 まだ2話しか見てませんが、確かに感情に纏わる描写に違和感有るかもですね。子供でも判るであろう異常なシチュエーションでも異常な程の感情の昂りが有る訳でも無く、ワクの転落に対する狼狽の無さも然り。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 15

73.8 5 セカイ系でSFなアニメランキング5位
最終兵器彼女(TVアニメ動画)

2002年夏アニメ
★★★★☆ 3.5 (761)
4695人が棚に入れました
北海道の田舎町で暮らすシュウジとちせ。
ちせは以前から興味を持っていたシュウジに度胸試しとして告白、そのぎこちない交際は交換日記から始まった。
そんなある日、謎の敵に札幌市が空襲される。攻撃から逃げるシュウジが見た物、それは腕を巨大な武器に変え、背から鋼鉄の羽根を生やした兵器と化して敵と戦うちせの姿であった。
国籍不明の軍隊との戦争が激化していくにつれちせは兵器としての性能が向上していくが、故障をきっかけに肉体も精神も人間とは程遠いものとなってしまった。
二人のクラスメイトのアツシは、以前から想いを寄せていたアケミを守る為に自衛隊に入隊。戦場へ赴いていた。
TVアニメオリジナルエピソードで、ちせの親友四人組の一人のゆかりは自警団の白人兵狩りに参加。銃を持ってタケの仇を討つ為、山狩りへ向かう。
そんな中、アケミは大地震に巻き込まれて大怪我をし、シュウジの目の前で死んでしまう。歪んでいく日常。シュウジは再度姿を見せたちせを連れて町を出るが…。

声優・キャラクター
石母田史朗、折笠富美子、三木眞一郎、伊藤美紀

阿紫カービィ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

何もかもが曖昧でも 何もかも 正しい

鬱アニメとして
必ずあがるこの作品。


はるか前に、漫画で読んだのですが、

その頃の私は…心が爛れていたのでしょうか?(笑)
特に何も感じなかった…ので

ずっとスルーしてました。


縁あって視聴。

…びっくりしました。


ファンタジー(AI)、戦争、高校生の恋愛、生死観。


異なる要素が
巧く絡み合って、もうひとつの『現実』を見た気がします。

(某、東京大震災のアニメがありますが、この作品の方がよっぽどリアルだと感じました。)



どんどん兵器化していく、ちせちゃん。

その姿に
恐怖を感じてゆく、シュウジ。

その恐怖から逃れたいためか、他の女性に安息を求め、余計に罪悪を感じる、

誰にでもある、現実からの逃避、負の連鎖。



自分に
何ができるのか、何をしたら良いのか、解らず苦悩するシュウジ。


一方、親友のアツシは、『好きな人を護るため』軍に入ることを志願します。


その時
シュウジがアツシに言った言葉は、とても重く、心に残りました。

戦争は
死にに行くのではない、人を殺しにいく事だ…



恥ずかしながら私にはない考えだったので。



戦争で、震災で、最期をむかえる人達
無念を残して 涙を流しながら…



どうも、ひっかかったのは
ちせちゃんの親友の アケミの行動。

彼女はズルい と思う私は、間違ってるのかな?


私は
拗れた(?)女性の気持ちに鈍感なんですよ…



ラストに向かっての流れはとても好きでした。

最愛の人と
二人だけの生活。。憧れます。

ちせちゃんとシュウジの蜜月は
とても短く…切なくて切なくて。




観て本当に良かった。
一人でも多くの方に観て頂きたい作品です。

きっと何かを得られるはずです





観るきっかけをくれた、貴方に、感謝とお礼を。



ありがとう。



後日

原作読み直しました。
素晴らしい、の一言に尽きる!

ぜひ、原作も読んでください。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 48
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

世界スケールの「主観体験」

原作既読。

バトル……ではなく、恋愛ものです。
世界観は地球規模と、とてつもなく大きいです。

それだけスケールの大きな話なのに、わかるのは、自分の恋人のことだけ。
それも断片的なものです。

何か大変なことが起こっているのはわかる。
いつの間にか、どこか遠く、見えないところで変わっていく恋人。
しかし主人公にできるのは、そんな彼女を見守り、声をかけ続けることだけ。

つまり、主人公が見えている世界≒視聴者が見えている世界、主人公ができること≒視聴者ができること、というわけです。

そういう「主観体験」ができるお話です。
そこが最終兵器彼女の最大の魅力だと思っています。


その魅力を引き出す替わりに捨てたのが、世界観の説明や事件の解決。
よく「セカイ系」とカテゴライズされますが、誰にもどうしようもない、ほとんど選択肢のない状況であるため、主人公や身の回りの人間の行動が世界の運命を左右する「セカイ系」とは少し違う気がします。

残された少ない時間の中で、少しずつはぐくんでいく、「純愛ストーリー」として捉えるのがいいのではないでしょうか。

したがって、大きくストーリーを追ったり謎を解明しようとするのではなく、シュウジ≒自分と、ヒロインちせ、サブキャラクターの感情変化に注目して視聴すると楽しめると思います。

正直、サブキャラクターも出さなくてよかった気がするんですが……そこは、視聴者の分身の一部だと考えましょう。

{netabare}
気になる結末。
最終的にどうなったのか、それは視聴者の想像におまかせといったところ……{netabare}と言いたいのですが、実は世界は滅びていないんです。
生き残った人々の話を描いた「スター★チャイルド」という読み切りの漫画が存在します。
「地球はもうだめ」と言い切ったちせは、最後の最後まで、「かわいいけど……ノロい」だったんですね。{/netabare}
{/netabare}

……あ、実写映画版は正直全然違う話なので、原作やアニメと切り離して考えてください。

趣旨をはき違えている気がします。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 59

blackwolf さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

タイトルなし

作画に少々不満点がありましたが、
見ているうちに気にならなくなりました。
ストーリーは非常に現実離れしていて主題はいまいちよくわかりませんが、内容自体は非常に面白かったです。
特に作品後半、脇役が次から次へと死んでいく描写は非常に写実的で心に響きました。
また、全般的に涙を誘う部分が多くありましたが、そこまで感動した部分はありませんでした。

因みにこの作品は実写映画化されています。
しかし作品が作品なので明らかにアニメより描写力が落ちています。
また、かなり内容が変わってしまっていて最後の大切なクライマックスの部分が大きく変更されていました。
少し残念です。
実写版はおすすめできません。

人の心の温かさ戦争の残酷さと同時に映画にはないアニメの描写力に気付いた作品でした。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 3

72.0 6 セカイ系でSFなアニメランキング6位
雲のむこう、約束の場所(アニメ映画)

2004年11月20日
★★★★☆ 3.7 (852)
4708人が棚に入れました
日本が津軽海峡を挟んで南北に分割占領された、別の戦後の世界が舞台。
1996年、北海道は「ユニオン」に占領され、「蝦夷」(えぞ)と名前を変えていた。ユニオンは蝦夷に天高くそびえ立つ、謎の「ユニオンの塔」と呼ばれる塔を建設し、その存在はアメリカとユニオンの間に軍事的緊張をもたらしていた。
青森に住む中学3年生の藤沢浩紀と白川拓也は、津軽海峡の向こうにそびえ立つ塔にあこがれ、「ヴェラシーラ(白い翼の意)」と名づけた真っ白な飛行機を自力で組立て、いつかそれに乗って塔まで飛ぶことを夢見ていた。また2人は同級生の沢渡佐由理に恋心を抱いており、飛行機作りに興味を持った彼女にヴェラシーラを見せ、いつの日にか自分たちの作った飛行機で、佐由理を塔まで連れて行くことを約束する。
しかし、突然佐由理は何の連絡も無いまま2人の前から姿を消してしまう。

声優・キャラクター
吉岡秀隆、萩原聖人、南里侑香、石塚運昇、井上和彦、水野理紗

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

宇宙も夢を見るのだそうでございます。

本作品は語ります。宇宙も夢を見るのだそうでございます。宇宙の見る夢は様々な可能性を表した別世界。これを並行世界と呼ぶのだそうです。そしてその並行世界を人は無意識の内に夢等の形で見ているのかも知れないと・・・。とてもロマンチックなお話でございますね。


本作品は”新海誠”様の3作目の監督作品でございます。4作目が「秒速5センチメートル」になりますので、1作品前と言う事になります。「秒速5センチメートル」がどなたにでもお勧め出来る作品なのに対し、本作品は残念ながら少々人を選ぶ作品かと思われます。それ故、冒頭にて少しだけお断りをさせていただきたいと存じます。

先ずパッケージ絵の印象に反し、舞台はリアルな現代では無く、仮想世界の物語となっております。但し荒唐無稽なSF世界と言う事ではなく、日本を舞台とした別の世界と言う設定でございます。
ワタクシの物語に対する評価は☆3.5。少々厳しめでございます。これは壮大なストーリーで有るが故に、世界設定に対する説明、登場人物の感情の変化、心情の描写が少々足りていないと感じたからでございます。また全体時間も長すぎました。良い作品ではございますが、中だるみ感を感じてしまった点が大変残念でございます。これら残念な点を見事に克服し、そして”新海誠”様の本当に描きたかった主題を描いた作品が「秒速5センチメートル」では無いかとワタクシは”勝手”に思っております。

ワタクシ個人の意見で大変恐縮ではございますが、この作品における最大の問題点はOPでの回想描写かと思われます。小説に忠実であるが故の描写かと思われますが、正直この描写は小説を読んでいない方には混乱を招く要因でしかございません。よって、これが有る故にエンディングの解釈をあやふやにしてしまう可能性があると思われます。この点、本当に残念でございます。少々辛口な事を申し上げましたが、ワタクシはこの作品が大好きでございます。それ故にこの作品が酷評を受ける機会を少しでも少なくいたしたく、先にお断りをさせていただきました次第でございます。


それでは本題に参りましょう。
2004年の作品でございますが、今でも十分にトップレベルの作画クオリティーを持っております。さすがに次作品である「秒速5センチメートル」には一歩及びませんが、それでも息を呑むほどの突出した背景描写の美しさ。正に芸術の域では無いかと思うほどでございます。
「秒速5センチメートル」でも印象的でしたが、本作でも”駅の描写”、”電車の中の風景描写”、”草原と風の描写”等がとても印象深く、そして幻想的に描かれておりました。又、本作では飛行機が空を舞う描写が特に素敵でした。静寂な空間を滑るように飛ぶ浮遊感・・・。本当にお見事と言うしかございません。美しい風景描写の中で、3人の青年の追い求める夢と揺れ動く心情を背景に見事に重ね合わせ、とてもファンタジックな作品に仕上がっております。音楽も素敵でございますね。要所×2で掛かるBGMは大変作画にマッチしており、雰囲気を盛り上げてくれます。ED曲の『きみのこえ』も大変印象的な曲でございました。


冒頭で宇宙の夢についてお話させていただきましたが、本作では3人の青年達の叶えたい夢と、人が眠りの中で見る夢をかけている様でございます。
主人公の”藤沢 浩紀”様と”ヒロインの”沢渡 佐由理”はお互いが惹かれあい、そしてその思いはいつしか恋心へと変わっていきます。しかし無情にも2人は引き裂かれてしまう。”藤沢 浩紀”様が”沢渡 佐由理”様を思い、心を詰まらせていく描写。正に「秒速5センチメートル」の主人公を彷彿とさせます。

離ればなれになった2人はお互いを眠りの中で夢見続けます。現実世界では逢う事が叶わない2人。でもお互いが探し合い、激しく求め合うことでいつしか2人の夢はシンクロしていくのです・・・。
2人が交わしたあの日の約束。叶えることの出来なかった夢。
主人公は決意をします。一度は破れた夢だけど、一度は果たすことが出来なかった約束だけど。夢を現実にしようと。あの日の約束を叶えようと・・・。


「雲の向こうのあの場所にいこう。あの日交わした約束を果たしにいこう」 物語は大きく動き出します。
どうぞ2人の夢を、2人の恋を・・・応援してあげて下さい。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 20

るすぃー さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.7

THE セカイ系でエヴァンゲリオン症候群

●これから見る人へ
まず最初に、君の名は。から入った人は覚悟してくれ。
むしろ、覚悟がなければみなくていいぞ。

2004年という年代を考えると、当時の映像としては頭一つ抜けた美麗なグラフィックだったな!
しかし、2016年という今、さすがに古臭さが否めない。
そして何より残念な、エヴァンゲリオン症候群(エヴァっぽい作品)として完成してしまっている。
正直曲くらいしか、印象に残らない作品だ!
久々に見た私も、あーこれはつまんねーな!と20回ほど心の中で思ってしまったぜ!
ただ、新海誠が2004年にやりたかったこと、それがでている作品だとは思うぜ!
今はもう古臭いが、セカイ系を見たければ、これを見るのもいいかもな!
ただし、おすすめはしない!
おすすめはしないぞ!

投稿 : 2024/12/21
♥ : 1

しょうすけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

新海監督らしい名作系な作品かな(*´∇`*)

正直、序盤はチョット睡魔に襲われましたがw
ファンタジックな感じでとても良かったです^^
絵のコントラストやピント使いはいつも通り写実的というかとてもアニメって感じじゃない凝った芸術的作品ですね^^
キャラはまぁ何ですがw
EDやバイオリン演奏等音楽的には良かったです^^
物語上では1996年の出来事ですが戦後、日本が津軽海峡を挟んで南北に分割占領された、別のパラレルワールドでオーバーテクノロジーな舞台となってます。
チョット難解な点もありイマイチ印象に残らなそうな感はありますが作品的には良かったと思います^^

投稿 : 2024/12/21
♥ : 8

81.6 7 セカイ系でSFなアニメランキング7位
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(アニメ映画)

2007年9月1日
★★★★★ 4.1 (1766)
10539人が棚に入れました
かつて地球を襲った大災害・セカンドインパクトにより、人類はその半分が死に至った。幾ばくかの年月が流れ、その大惨事より復興しつつあった人類に、突如として使徒と呼称される謎の生命体が攻撃を仕掛けてきた。
国連の下部組織である特務機関NERV(ネルフ)は、極秘に開発されていた汎用ヒト型兵器人造人間エヴァンゲリオンによって襲来する使徒を迎え撃つ作戦を開始する。NERVの司令官である碇ゲンドウは、14歳の息子「碇シンジ」にエヴァンゲリオン初号機のパイロットになることを強いる。

声優・キャラクター
緒方恵美、林原めぐみ、三石琴乃、山口由里子、立木文彦、清川元夢

だんちょー さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

まさかのリメイク・リテイク?

10年の時を経てまさかの再製作。

新劇場版3(4?)部作の『序』・『破』・『Q』・『?』の1作目です。

『序』はTV版1~6話とほぼ同じ流れで話が進んで行きます。

しかしながらTV版にはなかった宇宙空間での描写。アダム発掘?、まるで予定調和なのかと思うがごとく空けられている第1~4の少年少女の棺?そこから出てくる早々のカオル君の登場。

旧作に詳しい方ほどたまらないサービスですね☆

またラミエル(劇場版では名前出てないけど)との戦闘シーンは圧巻の一言でした。

やはりエヴァは面白い。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

σ(・・*)アタシ的エヴァ補完計画発令!!

■(≧∇≦)ъ ナイスリメイクです!!
かなり作画が綺麗になって細かいところまで描かれている印象ですね♪
出来ることならば、TVアニメ版を未視聴な場合はTVアニメ版を視聴した上でご覧になられることをお薦めしたいですね!!
もちろん、「序」だけでも十分エヴァの魅力は感じられますよ♪
ただ、ストーリー的にはTV版を凝縮して微調整してこの「序」が制作されているのです。
その「微調整」こそが新劇場版の魅力の部分だと思っていますので、新劇場版とTV版の両方を視聴するとより一層エヴァの世界観を満喫できるはずですよ♪
 
 
■「微調整」の魅力って(*゚・゚)ンッ?
まずは、CGを使った細部までこだわって描かれている第3新東京市のギミックの描写なと必見です!
もちろん戦闘シーンの描写にも反映されていますね。
もともと他のロボットアニメとは違ってスピード感あふれる戦闘シーンは無く、戦闘時の緊迫感、恐怖感、息使い、表情など、搭乗者の心理状況をうまく描いている息を飲むような戦闘シーンがエヴァの良さなのですけど、エヴァや使徒の動きがスムーズになった事で、特に第5使徒ラミエルとの戦闘はシーン圧巻でした♪
ラミエルの生体意識がかなりレベルアップされていて、攻守において最適な形に変形するさまは観ている人に恐怖感と絶望感を与えてくれました!
 
それと、もう一つ注目は登場人物の性格や状況が微妙に違ってきています。
シンジもちょっとだけ積極的になっているように感じます。
父ゲンドウに対する気持ちをクローズアップしている発言もありまたね!
ミサトさんの立ち位置もちょこっと変化があるので、そんなところに注目してみてもらっても面白いと思いますよ♪
 
 
■総評
ストーリーに新しい展開が見え隠れするのが「序」の魅力ではないでしょうか?
ただのTV版のダイジェスト版ではなく、まったく新しいエヴァの始まりこそが「序」だと私は思っているのです♪
リリスやカヲルの描写からもそれは感じられますね!
それと、コミカルな部分が大幅カットされていますけど、ミサトさんの( ̄▽ ̄)=3 プハァー がまた見れたのは個人的に嬉しかったです♪
 
新劇場版は「破」までしか公開されていませんけど、「Q」⇒「FINAL?」とどんな結末になるのかとっても気になりますし楽しみでしょうがないです((o(^-^)o))ワクワク♪
σ(・・*)アタシのエヴァ補完計画はここから始まりました♪
 
 
2011.08.21・第一の手記

投稿 : 2024/12/21
♥ : 32

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「帰ってきたウルトラマンって知っていますか?コレは帰ってきたウルトラマンの6話までなんですよ」

当時、公開直前のインタビューでそう発言したのはあの大月Pでした
まず庵野監督が熱烈な『帰ってきたウルトラマン』ファンであることとは別にし、『帰ってきたウルトラマン』という作品に対して少し・・・


『帰ってきた~』という作品の前章となった『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』といったシリーズは子供向け番組とは思えないほど本格的なSFドラマだったんですね
『社会風刺や想定科学などテーマ性をハッキリさせたお話』と『冒険心をくすぐるミステリアスな雰囲気の演出』でどちらかと言えば『大人のおとぎ話』的なイメージが強かったんです
ところが『帰ってきた~』では主人公の心理描写や周辺人物を絡めたドラマ性にスポットを当てた作品に路線変更したんです
主人公の挫折や苦悩を乗り越える様、力を持つことへの慢心や仲間との軋轢、ヒーローとしての隙の無い人物像よりもプライベートでの素顔などが中心に描かれたのです


その面たる様子が顕著なのが第6話までなのです
「初代ウルトラマンで培われた『ヒーローは無敵』というイメージをあっさり破り、いきなりウルトラマンが怪獣に敗北↓
そこからスポ根モノばりに主人公の努力と葛藤の日々、そして仲間との友情によってウルトラマンが復活↓
見事怪獣を撃破する」
ここまでで『帰ってきた~』全体のパターンが、ある程度確立されるんです
ソレ以降はほとんど予定調和の繰り返しで、大袈裟に言うと第6話までで『帰ってきた~』の半分以上は完結した。と言っても良いです


さて、もし『エヴァ序』をご視聴済みの方でこのレビューを読んで頂いてる方がいらっしゃったらもうお解りいただけたかと思います
『帰ってきた~』の第6話まで、とはまんま『エヴァ序』の内容なんですよね


主人公、碇シンジの苦悩と挫折からの葛藤、そして復活、勝利
それこそ、旧シリーズ序盤のエンターティメント性を最大限に盛り上げて解き放った「娯楽作品」としてのリビルドでした


そうそう、新劇場版制作に当たってのキャッチコピーであるこの「リビルド」と言う言葉
リメイクでもリバイバルでもないこの「リビルド」とはすなわち「再構築」の意
古くなった物を直して新品同様にするという意味合いで用いられるのですが、これを新劇場版の代名詞とする理由には
【古くなってしまった作品を現代の技術と価値観で蘇らせる】
という意味を込めたのだとオイラは思っています


あにこれのレビューなんかでもチラホラと年齢層の低めな方からの投稿で「旧シリーズは難解で何処が面白かったのかよくわからない」というものを目にします
いや、もちろん旧シリーズ当時からそういう話題は絶えなかったんですね
オイラも放映当時は小学校低学年で意味サッパリでしたしw


エヴァブームも全盛期からすればだいぶ沈静化してきていて、特にあにこれユーザーのような第1線で戦う優秀なアニヲタの皆様には『過去の偉大な名作だけど正直そんなの聞き飽きた』って方も多々いらっしゃることでしょう
そういったマーケットニーズの変化に対応すべく、『エヴァ序』は【現代の大衆娯楽へリビルドされた】のだとオイラは思いました


そしてこれはオイラが旧シリーズ時代のファンであることを踏まえた上での結論ですが・・・
「『エヴァ序』を旧エヴァと比較することは出来ないです」


一本の娯楽映画として大変優れた作品であると同時に、旧テレビシリーズの持っていたキャラクター一人ひとりのセンシティブな心情の描写が薄っぺらくなり、セリフの一つひとつもオイラには軽々しく聞こえてしまいました
旧シリーズ当時のエヴァという作品が醸し出していたあの心のダークサイドを描かんとする姿勢、それまでのメインストリームを外しながらも人々の心を掴むという他に類を見ない様な特別性
これらが格段に弱くなっていて『素晴らしい出来栄えだがありがちな感じのする一本』という印象です


だから旧エヴァと新劇場版を同じ作品、同じエヴァとして見ることはとてもじゃないですがオイラには【不可能】だと感じました
だから「エヴァとは違う、なんか別のアニメだよ」と自分に言い聞かせながらも今後Q以降の展開に期待をしたい、と今は思っています

投稿 : 2024/12/21
♥ : 22

63.9 8 セカイ系でSFなアニメランキング8位
イリヤの空、UFOの夏(OVA)

2005年2月25日
★★★★☆ 3.5 (256)
1401人が棚に入れました
浅羽直之は園原中学校の二年生。
夏休みの間中、裏山にてUFOを探す日々を送っていたがUFOについては結局何の成果も得られなかったため、せめてもの思い出にと浅羽は学校のプールへと忍び込む。が、そこには伊里野加奈と名乗る、見慣れぬ不思議な少女がいた。状況が飲み込めないままに浅羽は伊里野と触れ合うが、すぐに伊里野の兄貴分と自称する謎の男が現れて、その夜はそれでお開きとなった。
そして翌日の始業式の日、浅羽のクラスに伊里野が転校生として編入してきた。ささいな事件がきっかけでクラスから孤立してしまった伊里野と、そんな伊里野のことが気にかかる浅羽と、伊里野の周囲に垣間見える幾つもの奇妙な謎。そんな風にして、浅羽直之のUFOの夏は、その終焉に向けて静かに動き出したのだった――。
ネタバレ

ニワカオヤジ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

気持ち悪い原作をアニメ化しても気持ち悪さは消えない。

原作は当時話題になっていたので読みましたが、
・ラノベ特有の自分に陶酔した文章およびタイトル。
・SF的背景をわざと説明不足にすることにより奥の深い感じを出そうとしているけど結構浅い(誰でも想像できる)設定
・主人公とヒロインの性格の気持ち悪さ
・表紙イラストで、イリヤの体のラインがくっきり出過ぎ。お尻の形が丸わかりのスカートとか、あり得ない。
など、どこを取っても中途半端かつ気持ち悪い作品でした。

まあそういう時代なので仕方がないのでしょうか。
この2年後に出た涼宮ハルヒは同じように謎設定のSFラノベなのに、浅さを感じさせないどころか作者のSFに対する造詣の深さがよく分かります。

で、アニメ。
原作のイメージをほぼ忠実に再現できていたので、原作が好きな人には満足できたのではないでしょうか。

イリヤの乗っている{netabare}戦闘機が動いているのを見て、普通の戦闘機とは違うからイリヤが特別なんだなと分かるようになったのは良かったと思います。しかし、学校で激しく動いただけで鼻血ブーのイリヤが、あの戦闘機の動きでかかる重力に耐えられるとは思えません。SFというつもりで作製したのであれば、体感重力を減じさせる方法とかの説明はして欲しかったです。{/netabare}


あと、この作品を著しく残念なものにしたと感じたところは、イリヤが{netabare}逃亡先の学校で襲われかけた後。

イリヤが「何にもされてない」と強調しますが、そもそもイリヤがその「何か」という行為を知っていたことに違和感がありました。性教育とか受けてなさそうで、男の子に会っただけで好きになったりするくらい無垢なのに、そういうことは知ってるんかい!とツッコミたくなりました。

そして浅羽の対応のクズっぷりが際立っており、後で謝って済むレベルでは絶対にないですね。それなのに後からイリヤがあっさり浅羽を受け入れているところも気持ち悪いし、浅羽が好きだと告白するのも、「あ、イリヤに許してもらえてる!こりゃワンチャンありやな」と体目当てに叫んでるっぽくて絶対に無理。{/netabare}
エピローグでも、 {netabare}イリヤが戻って来ないのに満ち足りた顔をしている浅羽が本当に気持ち悪いです。すぐにアキホと付き合いそう。{/netabare}

しかし、元々が中学生向けのちょっとエッチな淡い恋愛物語だと思うので、自分も中学生の時に読んでいたら名作と思ったでしょうね。

投稿 : 2024/12/21
♥ : 17

けみかけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

世に言う【三大セカイ系作品】の一つ 良く言えば王道 悪く言えばアリガチ なSFラブストーリー

ゼロ年代が生み出した「セカイ系」と呼ばれるジャンルの一大ムーブメント

その代表作となる漫画「最終兵器彼女」、アニメ「ほしのこえ」
そしてラノベ代表がこの「イリヤの空、UFOの夏」


転校生の少女イリヤとUFOが目撃される空軍基地の謎を追う主人公


そしてイリヤとUFOに関わる秘密を知ってしまう主人公・・・


正直、なにか目新しいものを追ってこの作品を見るのであればオススメはしません
現代となっては原作の古さを隠しきれないし、特別に郡を抜いてクオリティが高いというわけでもない


その辺りを理解されたうえであくまで「セカイ系」の原点を追うという探究心を持った方だけ見ればいいと思います

投稿 : 2024/12/21
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

ひと夏の切ない恋物語でした^^;

この作品を視聴する前情報として「最終兵器彼女」に近い世界観を持った作品だと教えて貰いました^^
「最終兵器彼女」は、お気に入りの棚に入れているとても感動的・・・というか、私にとって完全な涙腺崩壊作品だったので、この作品の視聴をとても楽しみにしていて・・・ようやく視聴する事ができました^^

物語の舞台は、UFO出現の噂で有名な空軍基地のある園原。
主人公は園原中学に通う2年生の浅羽 直之(あさば なおゆき)。
彼は夏休みを通してUFOの研究をしていましたが、思ったような成果が得られませんでした^^;
夏休み最後の夜、思い出作りにと学校のプールに忍び込んだところ、見知らぬ女の子・・・ヒロインの伊里野 加奈(いりや かな)に出会い、夏休み明けに彼女が主人公と同じクラスに転入してきて・・・物語が動き始めます。

OVA全6話なので、視聴はあっという間でした^^
そして、「最終兵器彼女」に近い世界観についても納得でした^^
でも、私の作品の印象として「最終兵器彼女」はとにかく「悲しい」でしたが、この作品は「切ない」という感じを受けました。

主人公とヒロインの距離が近づく度に、彼女のちょっと不可解な行動だったり、良く鼻血をだしたりする理由が少しずつ明らかになっていくのですが、ゆっくり・・・だけど確実に「終焉」に向かっているんです・・・^^;

二人が決して望んでいる訳じゃありません・・・
けれど、方法が一つしかないとしたら・・・?
「受け入れる勇気の大切さ」を感じさせてくれる作品でした。
私だったら同じ選択肢を選べるか、正直自信がありませんけど・・・^^;

でも、もっと違う形で出会えたら間違いなく違ったエンディングが迎えられるのに・・・と思うと、二人に対する切なさが倍増してしまいました。^^;

物語は、綺麗に伏線を回収して終幕します・・・
でも内容から考えると、6話では尺が短かったように思います。もう少し、丁寧な説明や登場人物の心理を掘り下げて描写すると、より一層感動できる作品になっていたと思えただけに、少し勿体無かったような気がします・・・^^;
でも、全体的には良く纏まっている作品だと思いました^^

投稿 : 2024/12/21
♥ : 27
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