スペースコロニーで戦いなTVアニメ動画ランキング 3

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のスペースコロニーで戦いな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年02月24日の時点で一番のスペースコロニーで戦いなTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.1 1 スペースコロニーで戦いなアニメランキング1位
機動新世紀ガンダムX [エックス](TVアニメ動画)

1996年春アニメ
★★★★☆ 3.6 (339)
1850人が棚に入れました
アフターウォー (A.W.) 15年。人類と地球に壊滅的な打撃を与えた勝者無き大戦争、第7次宇宙戦争後の荒廃した地球が舞台。戦争で孤児となった主人公ガロード・ランは、ジャンク屋やモビルスーツ狩りを生業として逞しく生きていた。そこにある依頼が来る。内容はバルチャー艦「フリーデン」に誘拐されたティファ・アディールという少女を取り戻してほしいというものだった。しかしティファに一目惚れしたガロードは、依頼者を見て激しく怯えたティファをつれて逃走。そしてティファに導かれたガロードは、幻のモビルスーツ「ガンダムX」を発見する。紆余曲折を経て二人は、フリーデン艦長ジャミル・ニートと共に、「ニュータイプ」と呼ばれる人々を探す旅に出るのだった。
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

私にとって最初のガンダム作品

1996年4月~12月放送のテレビアニメ。全39話。

私が全話きちんと視聴した最初のガンダム。ほぼリアタイでした。
ガンダムについて詳しく知る前にこれを見ちゃったのは「設問を見る前に解答例見ちゃった」感があるなあw
BDBOX発売が近いので再視聴しました。


高松信司監督が「ガンダムを考えるガンダム」と語った通り本作はファーストガンダムをオマージュしていますが、きちんとまとまった内容なので初代を知らなくとも問題ないと思います。私は本作がほぼ初のガンダム作品だった(Wを何話か見ていたくらい)ので何も知らずに子ども心に楽しみました。

本作は作画スタッフの少なさが弱点ではありますが、コンテ・演出に作画がしっかり噛み合っていることは大きな美点です。また楽曲のクオリティが高く演出としても上手に使われています。無駄なキャラクターもおらずテーマと物語の一貫性も保たれていました。
スロースターターながらフォートセバーン編からテーマが見え始め、メタ要素はあるにせよ決して難解ではない点も評価に値します。

また、純粋にキャラものとして見てもなかなか楽しめる作品。
客観的に考えると本作の世界観はかなり重くシビアですが、主人公であるガロードのバイタリティやティファとの関係性、フリーデンの和やかな人間関係が作風を明るくしてくれます。


【テーマについて】ネタバレレビューを読む


【作画・演出】ネタバレレビューを読む


【音楽】ネタバレレビューを読む


【キャラクターについて】
地に足の着いた印象のキャラクターが多いですね。
キャラそのものも好きですが、フリーデンクルーは厳しい世界で助け合って生きていて、娯楽室や食堂などでクルーの関係性を知るシーンが多かったのが良かったです。テクス先生の活躍は一見の価値あり。
ただ終盤にウィッツの活躍が無かったのは残念でした。サテリコンの掘り下げももう少し見たかったですが、放送期間短縮と連続性の強い展開でちょっと難しかったのかな。
みんな好きだけど、今回見直して特に色々考えたキャラについて少し。

ネタバレレビューを読む


まとまりが良く全体的な質は高いと言えると思います。誠実な作品作りが形になった好例ではないでしょうか。
地味な作風ですが、肌に合えば年齢性別問わず楽しめると思います。(2018.3.8)


【ガンダムチャンネルにて一部無料公開中】
改めて見ても音楽の使い方が素晴らしいです。
HDリマスターを公開しているので色味もとても綺麗です。背景の空などは色選びも新鮮ですし。BDそのままの色を見ることができますよ。

第1話前半だけでも雰囲気は掴めるので、興味があればどうぞ。
(2020.2.9)

【ガンダムチャンネルにて第14話以降を期間限定で配信開始】
ガンダムXでは珍しい単発回の第15話が公開されてます。この話数だけでも面白いと思いますよ。
良い回なので是非ー。
(2021.2.23)

投稿 : 2025/02/22
♥ : 23
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ガンダムのフォーマットを借りた少年・少女の初恋ストーリー

視聴率が余り取れなくて、ガンダムシリーズとしては珍しく放送期間が短縮されてしまった不人気作ですが、実際に視聴してみると、その「ガンダムらしくなさ」が逆に個人的には次第に好もしく思えてくる作品となりました。

監督の高松信司氏は、前年(1995年4月-1996年3月)に制作・放送された『新機動戦記ガンダムW』で、本来の監督(池田成氏)が突然途中降板した後、監督代行を本作の放送直前まで務めており、本作のシナリオについては、前作『ガンダムW』と同じく複数ガンダム・複数パイロットとする等の大枠を示した後は、川崎ヒロユキ氏にほぼ丸投げだったそうです。

そして、そういう経緯から本作のシリーズ構成&脚本を一人で担当することになった川崎ヒロユキ氏の方は、その後2005-6年に制作・放送された『ツバサ・クロニクル』(CLAMP原作)の第1-2期の脚本も一人で全話担当している方、ということで、そうした日常系ではない特殊な世界観設定のある「少年・少女の初恋もの」の脚本家として高い適性のある方なのではないか、と思いました。

※つまり本作は、《イベント牽引型》作品の代表格である「ガンダム」向けのシナリオではなく、登場キャラクターたちの細やかな心情推移をゆっくりと描き出す《感情描写型》のシナリオになっている。
→それが、本作が「ガンダム」としては不人気作となってしまった一方で、私には好ましい作品に思われた原因と思います。

なお、《感情描写型》作品ということの補足説明として、本作は、
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・・・等をそれぞれ確り描出しており、視聴者がそうした細かい描写に気付くかどうか、で本作全体への評価も微妙に変わってくる作品かも知れません。


◆制作情報
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◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

============= 機動新世紀ガンダムX (1996年4-12月) ============

 - - - - - OP「DREAMS」、ED「HUMAN TOUCH(英語版)」 - - - -
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 - - - - OP「DREAMS」、ED「HUMAN TOUCH(日本語版)」 - - - -
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 - - - - - - - - OP「Resolution」、ED「銀色Horizon」 - - - - - - - -
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--------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)1、★(良回)21、☆(並回)17、×(疑問回)0 個人評価 ★ 4.0


◆富野氏の作品は「叙事文学」的、それに対して本作は「叙情文学」的?

そもそも「ニュータイプ」という「只の超能力者」に関する勿体ぶった(その実、何の内容もない)言説には余り興味が涌かない自分には、本作のような《感情描写系》で「叙情文学的」な作品の方がしっくりくる感じです。

なお、私の個人的意見として、ガンダムシリーズは「文学的」ではあっても全然「哲学的」ではない、と考えています(物語-story-としての面白さはあるが、論理考究的な面白さはない)。

※この点については、現在視聴中の『銀河英雄伝説』が、「哲学的」な面白さも兼ね備えた作品と思うので、そちらのレビューの方で比較考察したいと考えています。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 26

ブリキ男 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

幽玄の中の新人類(ニュータイプ)

※1劇場版「機動戦士ガンダム」公開からおよそ15年後に製作された、テレビシリーズとしては7作目のガンダム作品。全39話。

ガンダム平成3部作(アナザーガンダム3部作)と呼ばれる作品群の中では、G、Wに続く最後の作品あたり、監督を務めた高松信司さんの言によると、作品のテーマは「ガンダムを考えるガンダム」との事。

スペースコロニーの独立運動に端を発する大戦争の末、人類の99%以上が死滅し、文明の名残も僅かとなった広漠とした世界が舞台のお話。

※2バルチャーの少年ガロードは、運命に導かれるまま(成り行きのままにとも言う笑)に、ニュータイプの少女ティファ、かつてニュータイプと呼ばれていた男ジャミル、その仲間達と共に、放浪の旅へと繰り出します。

従来(あるいはそれ以後の)のガンダム作品とは異なり、物語の中心に据えられているのは戦争ではなく、あくまでも探求の旅。上で引用させてもらった高松監督の示唆する通り、メタフィクション的な視点からガンダム、あるいはニュータイプを再評価した、珍作「Gガンダム」に負けず劣らず(方向性は全く違うけど笑)の冒険的な試みを断行した、シリーズ中屈指の異色作品になっていると思います。

戦争に駆り立てられる訳でもなく、使命を帯びる訳でもなく、ただただ、個人的な想いをつてに人探しの旅を続けるジャミルおよびバルチャー一行の織り成すドラマは、やや冗長で緩慢。

ガンダム作品ではお約束となっている擬似家族ドラマや恋愛物語としての魅力は充分にあるものの、基本的には人探しと戦闘(小競り合い)の繰り返しの構成となっており、最後半になってやっとの登場となる「D.O.M.E.」なる存在が物語に影を落とすまでは、山場と言える様な大きな展開がありません。心地良い退屈感を覚えてしまいました(笑)

主人公のガロードにしても、言わば地を足で行く努力型。ガンダムシリーズの主人公にはありがちな、※3特別な力を持った存在としてではなく、むしろ生粋の※4オールドタイプの少年として描かれているので、ヒーロー性が弱いと言いましょうか、格好良さや華々しさとは縁遠い印象を受けます。元気印で天真爛漫な姿は見ていて痛快ですが、主役としての覇気に欠け、やや頼りなく、物語を牽引する役割についても脇を固めるティファとジャミルにそっくり譲ってしまっている様にさえ思えました。(二人のお供の立ち位置なので仕方無しですけど)

作品全体を俯瞰して見ると、このヒーローらしくないヒーローであるガロードという少年の人物像は、物語のテーマにしっかりと絡み付いておりまして、その意義は"敢えて特別ではないキャラを主役に据える事"そのものにあったのではないかと思われます。言葉に毒されぬ直感型、頭でっかちにならず体を動かす行動派である彼は「ニュータイプ」と言う言葉で理想化された"進化した人類"という概念の破壊と再構築を担う役回りとして、最適なキャスティングだったのではないでしょうか。

人は理想を求めて生きる動物ですが、あくまでも理想は絵に描いたモチ、それ以上でも以下でもなく^^。理想と現実を混同し、もしそれを自身に強いれば、必ずひずみが生じ、病み、もしそれを他者に強いれば、それはエゴとなり、争いの種となる。幼子が博識な大人を見る時、恋する人が想い人を見る時、それがその瞬間幻となるのと同じように。

ニュータイプ(アニメキャラ)という理想に魅せられた少年少女が大人になる通過儀礼としての一面も備えた本作は、裏を返せば、そんな理想に捉われた人々の心の歪みが紡ぐ青春群像劇と言い変える事が出来るのかも知れません。

ニュータイプなんて関係ねぇ!のポーズをとり続ける自由なガロード、ニュータイプとしての力を求められ戸惑いながらも信念を曲げない強い子ティファ、ニュータイプであった過去から逃れられず苦悩する探求者ジャミル、ニュータイプになりたかった献身の人、高潔な魂のカリス、ニュータイプを憎み、滅ぼさんとするフロスト兄弟。

言霊に縛られた人々が白い闇を抜けて、それぞれの道を歩むまでの姿を描いた「機動新世紀ガンダムX」。これはそんな人たちの物語。心を平らかにしてお楽しみ下さい。

最後に、申し訳程度の説明になりますが、ガロードとティファの繊細で優しさに満ちた恋愛描写につきましては、シリーズ屈指、いやむしろ、恋愛を扱ったアニメ全般をひっくるめても突出した微笑ましさと愛くるしさがあったと評価したいです^^

前途ある二人に祝福あれ!


※1:本作のタイトルは劇場版「機動戦士ガンダム」公開直前に、新宿駅前で行われたイベント「2.22アニメ新世紀宣言」を踏まえているそう。劇中の年号「A.W.(アフターウォー)15年」もこれに因んでいるとの事。

※2:ハゲタカの名の通り、廃墟を漁り、使えるものや金になるものをかっぱらい、自分達で利用したり、売り捌いたりして生計を立てているジャンク屋みたいなもの。いくつもの派閥があり、中には傭兵や追い剥ぎまがいの行為をする連中もいる。

※3:あくまでも設定として。バルチャーとして年齢不相応の抜け目無さと逞しさがあり、モビルスーツ乗りとしての天性にもスペシャルと形容していい程に恵まれている。

※4:ニュータイプの対義語。精神感応や未来予知など超能力に類する能力を全く持っていない人。つまり普通の人。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 27

76.8 2 スペースコロニーで戦いなアニメランキング2位
∀-ターンエーガンダム(TVアニメ動画)

1999年春アニメ
★★★★☆ 4.0 (495)
2577人が棚に入れました
正暦2343年、月の民(ムーンレィス)の少年 ロラン・セアックは、「地球帰還作戦」の潜入調査員として北アメリア大陸に降下した。旅の途中、川で溺れているところをキエルとソシエのハイム姉妹に助けられた。鉱山を経営するハイム家は新興富裕階級に属し、当主の長女キエルはロランが憧れる月の女王ディアナ・ソレルにそっくりだった。ロランは姉妹の力添えでハイム家に雇われ、のちに機械好きを買われて自家用車の運転手に起用されるなど、地球人として平穏な日々を重ねた。2年後、ロランとソシエは、マウンテンサイクルでの成人式の儀式に参加していた。同じ頃、地球と月との2年間にわたる秘密交渉が決裂し、月の女王の軍(ディアナ・カウンター)が「地球帰還作戦」を開始。巨大MSで威圧するようなディアナ・カウンターに対し、地球のアメリア市民軍(ミリシャ)は複葉機や高射砲などの旧式装備で、果敢に郷土防衛戦をはじめた。この戦力差を理解していないミリシャの攻撃にいらだつディアナ・カウンターの一機(ポゥ少尉)は、発砲を禁じられていたにもかかわらず、強力な対艦ビーム砲を発射し、マウンテンサイクルに封印されている“黒歴史”の遺物「∀ガンダム」を目覚めさせてしまう。ロランはなりゆきから∀ガンダムのパイロットになり、地球と月の共存のために活躍する。

声優・キャラクター
朴璐美、高橋理恵子、村田秋乃、青羽剛、福山潤、渡辺久美子、稲田徹、小山剛志、子安武人、石丸博也

ヒロトシ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

私的ガンダム最高傑作

∀を初めて見た人はきっとこう思うに違いない。このMSのデザインは一体何なんだ?これ本当にガンダムなのか?それにこの世界名作劇場みたいなタッチは何なんだ?なんでこんな牧歌的な雰囲気なんだ?という風に。それ故に未見の人から何かと敬遠されがちな作品という印象が強いが、私的には未だにこれを超えるロボットアニメに出会っておらず、強い抵抗がないなら是非とも未見の人に見て欲しい作品である。合う・合わないは勿論あるだろうが、それでも当初抱いていたイメージはいくらか払拭されてはいるのではないだろうかと思う。

Vガンダム以降、しばらくガンダムから離れていた、富野監督の表現する『新世代のガンダム』。それが∀である。Vガンダムで一旦退場宣言をした富野監督が再びガンダムに手を出す気になったのは、年月を経て、生まれた精神的余裕としがらみから離れた事で生まれた考え方の変化が大きいだろう。かつて俺のガンダムをぶっ壊してくれ!と願った新世代のガンダムはバトンを受け継いだ今川監督が、自身の才能を大いに活かす事で、Gガンダムという名作を誕生させるに至った。そして、その成功を受けて、新世代のガンダムは様々なイメージに形を変えて、幅広いファンを獲得するようになっていく。富野監督も例外ではなく、自身、この新世代の描くガンダムに新たなインスピレーションを感じたのかもしれない。そして自らが作り出したガンダムに再度向き合い得たインスピレーションから、自分なりの新世代のガンダムを再構築していく事を選んだのだと、そう思う。

その再構築は、まずガンダムに対して抱かれる普遍的なイメージの払拭から行われた。かっこいい・洗練されたフォルムとガンダムの概念を覆すべく、世界的デザイナーであるシド・ミード氏をメカデザイン原案に起用し、あの強烈な主人公機∀ガンダムを生み出した。

∀を初めとするこの作品に出てくるMSは悉く格好悪い。しかし格好悪さを逆手にとって、動きをコミカルにする事で、MSに対する愛らしさを視聴者に印象付けてしまった。そして今までのようにガンダムを戦争の代用として描くのではなく、人間の生活の一部としてMSを運用するといったシーンを付け加える事で、MSの新しいイメージを模索していった。親しみやすさと格好良さは残念ながらイコールではない。格好悪いデザインというのは富野監督を制作陣も重々承知ではあったと当然思う。しかし制作側がそうやって率先して働きかける事で、ガンダムに対するイメージが再び凝り固まりつつあった視聴者への『ガンダムはまだまだ色々な可能性があるんだよ』と言う一種のメッセージではなかったのだろうかと個人的には思う。

これは機体だけではなく、人物にも反映されている。今までの富野ガンダムでは子供が大人のエゴに良い様に振り回される面が目立ち、その過程で大人に対する嫌悪感・そして失望をどのキャラクターも得ていった。しかし今作の主人公ロランからはそういったものは一切感じられない。周りの状況に振り回されながらも、戦争に対する向き合い方を早々に確立し、最後までそれを貫き通した青年として描かれている。愛らしいロボットと愛される素養を持った主人公。そして何処か喉かな雰囲気を持つ世界観。非常に魅力に溢れる作品なのである。

ガンダムとは伝統でありながら革命の象徴でもある。そして革命とは常に新しい世界を見せる事を常とする。今までそれを行っていたのはテレビの中のキャラクター達だけだった。しかし90年代も終わりを向かえ、新たな時代00年代、そして21世紀を迎えるにあたって、富野監督がどうしてもやりたかったのは
自分が生み出した作品を自分の手で破壊し、そして新たな作品に仕上げることだった。それを他人の手に委ねたままというのは、本人にはどうしても心残りだったのではないかと思う。

色々と見るにあたり、勇気がいる作品だとは思うが、是非とも恐れずに飛び込んで欲しい。そしてこんな拙い意見が、貴方の背中を押した原因の一端になってくれれば幸いである。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 15
ネタバレ

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

人を選びますが4クールモノのお手本的作品 

白富野の代表作。

舞台は遥か未来の地球、アルマゲドンから2千数百年。生き延びた地球人の末裔のところに、遥か昔に月へ移住した人々が帰還したいと申し出るとことからはじまります。そこで起こる異文化同士の摩擦を描いた物語。
ガンダム作品では異例の政治劇、群像劇が主。MSは完全に作品を彩る小道具です。

ガンダム20周年作品で菅野よう子、シドミード、あきまん、といったスタッフがありえないくらい豪華。
しかし予算はSEEDに遠く及ばず・・・

ターンエーのデザインが苦手?大丈夫です。劇中でも突っ込まれてますから。あと動くとかっこいいんです。

G,W,Xのアナザーガンダムの登場、製作の補助等で富野監督が生み出した結論です。


∀(すべてを含む)そしてAガンダム(ファーストにかえる)というダブルミーニング。
ファーストがファンタジーにリアリティを求めたものならば、今度はそれをファンタジーへと返す。そんなテーマ。
設定、演出でもTV作品ではファーストと同じく主役機交代がない。
そして当時の夕方ロボットアニメの呪縛からやっと解き放たれ1話でガンダムが登場しない。
富野ガンダムではじめてのプロ(軍属)の主人公。MSの操縦がうまくてあたりまえ。
監督作品で必ずでるNTですが設定上は月の人間はすべてそうなんですがいままでのお約束の表現はほとんどない。
この作品上では戦争をしないNTとなった人々は、去勢された人類とモジャモジャ頭の人気キャラに語られる始末。

ストーリーはよく言われるように『かぐや姫』『とりかえばや物語』『宇宙戦争』『月は無慈悲な夜の女王』などなど古典、古典SF、スチームパンクの様相が非常に強い。
産業革命の起こりはじめた未来の地球でMSが発掘されてしまうという。
そういったことから従来の我々の世界の延長上にあるSFという従来のもととはまったくの別物。個人的には世界観と雰囲気だけで満足。ガンダムじゃなくていいじゃん・・ってそれこそいいたい。ああ・・だから『機動戦士』ないんだっけ。
そもそも本作品、ガンダム、アニメ好きじゃなくて『ファースト世代』へ向けたメッセージだそうです。


V終了後から富野監督が長年仕込んだだけあって脚本、演出、世界設定、キャスティングすべてが最高峰。
構想の段階でロラン役を探していたときに若き朴璐美を実娘の劇団で発掘したのが決定的な製作の発端らしい。

低い予算の関係で画の乱れやセルの少なさが目立ちます。しかし相変わらず動かすところはなんとしても動かすその伝統の技法、、時間経過の表し方はまさに古い映画のよう。それが世界設定とあいまって、名作劇場といわれる所以かと。


ネタバレレビューを読む
多数の個性豊かな登場人物たちが物語を盛り上げます。大人になったファースト世代の方は食わず嫌いをせず見ていただきたい作品です。長いですけど・・。


ガンダムシリーズの公式的な最終回であり、『黒歴史』という名言でこれからも生まれ続けるすべてのガンダムや当時バンダイやら角川、講談社やらがとっちらかした設定をまとめあげてしましました。

∀の世界を『現在』にすることで、過去の出来事は異聞譚、あったかどうかもわからない物語ってことにしてしまった。
メタフィクションとして受け取るなら、あなたの好きな通りに解釈しなさい。遊びなさいと。
この発想はまさに目から鱗。
劇中とおなじく神話の世界へ当時半ば宗教化していたガンダム業界を封じ込め、開放してしまった。

『ひげは死すとも黒歴史は死せず』
そもそもこの黒歴史なる造語。作品以前の問題、日本語として最大級の発明品。語源を知らないで使ってる人間があまりに多い。


これを製作された以上、未来永劫新しいガンダムをどんなに作る、語ろうと原作者である富野監督の手のひらの上で遊んでいるにすぎないようだ。それはエゴだよ!って言われてもそもそも原作者なんだし、アラ60のじーちゃんが考えてしまったんだから・・天晴れじゃないでしょうか。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 24
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

食わず嫌いは、ちと勿体ない!

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ガンダムです。ちゃんと、ガンダムです。

富野さんのガンダムが好きなら、キャラデザ&メカデザに負けず、視聴してみて下さい♪

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/02/22
♥ : 31

63.0 3 スペースコロニーで戦いなアニメランキング3位
BLUE GENDER [ブルージェンダー](TVアニメ動画)

1999年秋アニメ
★★★★☆ 3.3 (77)
405人が棚に入れました
「バブルガムクライシス」のAICが制作したハードアクションSF。種の存亡を賭けた壮絶な戦いの中で、主人公の葛藤と成長を描く。現代では治せない新種の奇病に侵された海堂祐司は、未来の医療技術の発展に賭けて冷凍冬眠者“スリーパー”となった。だが、西暦2031年に冬眠から目覚めた海堂が見たものは、謎の生命体“BLUE”の繁殖によって絶滅の危機に瀕した人類だった。絶望の中で、海堂の“生きる”ための戦いが始まる。
ネタバレ

藤浪サトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

深夜アニメ黎明期の傑作

注:弊ブログより一部抜粋

随所で露骨なエロシーンが展開されていたり、ブルーの内臓や血液などのグロシーンが修正なしで頻繁に登場する点など、深夜アニメ黎明期特有の雰囲気がある。お色気シーンの数々だが、いつ死ぬか分からない世界観を踏まえると、かけがえない生の輝きの表現に昇華されていると言える。エロシーンが単なる視聴者サービスではない、作品のテーマとも関わる非常に深い表現となっているのは大変珍しい。

作画

作画全体の雰囲気は、80年代末のOVAを彷彿とさせる。しかしながら、際立った作画崩壊は見られず全体的なレベルは結構高い。通常の虫以外にも、カニやタコといった虫を含む漢字で表される水棲生物がモデルのブルーもおり、ブルーのデザインはよく考えられている。また、マリーンのキャラデザが異様なくらい美人である。

音楽

次回予告の際に流れる軽快なBGMが非常に良い。次回へのワクワク感を高めてくれる。劇中のBGMも良く、特に物語序盤で流れる曲のクオリティが凄まじく高い。

オープニング曲も盛り上がる良い曲。特に、「一筋の光を求め ひたすらどこまでもただ彷徨う」という入りが最高。絶望的な状況と不屈の精神を一文で表しており文学性すら感じる。

制作に東芝EMIというレコード会社が参加しているため、音楽のクオリティは全体的に高い。

ストーリー

ネタバレレビューを読む

人物

各キャラの心情はそれなりに掘り下げられていた。しかし、規律の厳しい軍ゆえか、登場人物のキャラが全体的に薄い印象である。ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/02/22
♥ : 2
ネタバレ

生来必殺 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

待て、しかして・・・

まず本作に少しでも興味を持った人はネタバレに【厳重注意】
ここのレヴューゾーン微妙にネタバレの雰囲気が・・・
それと進撃の巨人2期を楽しみに待ってる人も警戒が必要。
本作→ガンパレード→進撃 という微妙な関係性があるので
間接的にネタバレしてしまう可能性も(もしかしたら?)あり。

さて、本作とは如何なるジャンルに属し、どういう作品であるかについて
考えた時、説明するのが非常に難しいという問題にぶち当たる。
それはある意味『高いハードル』であるかもしれない。

SF的ロボットアクションもの?
機動戦士ガンダムとエヴァを足して2で割ったような作品?
そう言われてみればそうかもしれないし、そういう要素も確かにあるだろう。

しかしだからと言って、王道的ロボットアクションを期待して本作を見た人は
恐らく期待ハズレだったという感想を抱くかも。

メカデザインは無駄にカッコイイ(というかカッコよすぎる)し
スピード感と臨場感溢れる見せ場の戦闘シーンも確かにあるのだが、
戦闘シーンの数が不足気味で、高性能戦闘メカの性能を最大限に生かしたシーンは
限りなくゼロに近い。
(もの凄いの潜在能力を持ったパイロットはいるのに何故?と訝しがる人もいるだろう)

本作を敢えてジャンル分けするならエヴァ進化系に属し、エウレカにも似た要素を持つ。
(グロシーンがあるのもその理由のひとつ)
一つ例を挙げるとエヴァ第9話「瞬間、心、重ねて」の戦闘シーンよりも
二人のパイロットの奇妙な共同生活に力点を置いているような感じのタイプ。

本作には様々な『高いハードル』が山積している。
視聴者にとってのそれは、主人公が文字通り『お荷物』であり
ヘンなヘアースタイルの『猿』みたいな存在に思えてしまうことであり
『カイ・シデン』のように人の感情を逆なでする要素と『碇シンジ』のような
軟弱さを同時に併せ持ち、かつ田名部愛のようにうざったい台詞を吐くという
厄介な人間性を持っていることである。

そしてそのことは未来人であるヒロインにとってはより強烈で鮮明なリアリティーであり、
成り行き上の任務とはいえ、無駄口叩くこの『お荷物』、『旧世代』の『猿』を
なんとか目的地まで届けるというのはヤレヤレな気分であると言えよう。

とまぁ、そういう方向性で物語は進行していくわけだが、
本作の最大の魅力、見所とはまさにそういう要素であり。

ロボットバトルよりも自分たちの足で大地を踏みしめ
世界を流離うことであり、目的地の前に聳え立つ文字通り『険しい山』に挑むことである。

世界を流離うことが本作の最終目的でもなく、次のステージもちゃんと用意されているのだが、
一見無駄とも思えるプロセスやキャラの言動を丁寧に描いているのにはそれなりに
意味があり、それを飛ばしてしまったら本作はもっと味気ないものになっただろう。

だから結局あんな『猿』にも存在理由はあって、
そんな彼ネタバレレビューを読むにも大いに意味があったりする。

早い話が主人公はヘタレ系で、ヘタレ系主人公が好きな人には本作はかなりお薦め。
ヘタレ系ストーリーには当然の如く物語の進行をサポートする役目が
つまりその辺はヒロインが十分すぎるくらいに穴埋めするので安心して視聴できる。

ここからは少し踏み込んだネタバレにつき本作未視聴の方にはご法度で。
ネタバレレビューを読む

投稿 : 2025/02/22
♥ : 6

石ころ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

敵は巨人でもBETAでもない、BLUEだ!

放映時期を確認して正直驚きました。20世紀末に地球が怪物によって侵食される設定のアニメが、放映されているとは思っていませんでした。2000年以降に発売されるゲームのガンパレ―ドやマブラヴに設定・世界観が近く、後のセカイ系と称される作品群にも風合いの一部である「終末・破滅」といった要素の先駆けたるのが、このBLUE GENDERではないかと思えるほど、ストーリーがよく練られています。
ざっとあらすじだけ書きますと、BLUEと称される怪物に蹂躙される地球は、スリーパーと呼ばれる冷凍睡眠患者の主人公と、BLUEに追われた人たちが、宇宙上に建設したセカンドアースからスリーパー救出任務で来た兵士のヒロインとが、地球上で邂逅し様々な苦難や悲惨な戦線を乗り越えていくボーイミーツガールの王道たる入りで、物語は始まる。
前半はとにかく絶望的で、グロテスクな表現が多く中々重い。後半は葛藤や人間同士のいざこざで、ややドロドロした展開が続きます。グロに耐性がある方には薦めたいのが本作品です。

投稿 : 2025/02/22
♥ : 2
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