スチームパンクで戦争なおすすめアニメランキング 4

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのスチームパンクで戦争な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月04日の時点で一番のスチームパンクで戦争なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

77.9 1 スチームパンクで戦争なアニメランキング1位
LAST EXILE ラストエグザイル(TVアニメ動画)

2003年春アニメ
★★★★☆ 3.9 (1030)
5958人が棚に入れました
『アナトレー』と『デュシス』の2国が戦争を行い、それを超技術組織『ギルド』が調停することで成り立っている世界プレステール。
アナトレーに住むクラウスとラヴィは自分たちの父親が残した「ヴァンシップ」と呼ばれる小型飛行艇を駆使し、空の運び屋を営みながら父親たちが超えることの出来なかったグランドストリームと呼ばれる大きな嵐をいつか越えることを夢見ていた。
そんなある日、前線で戦う空中戦艦に家族からの手紙を届ける仕事を引き受けたことから、世界を揺るがす戦いに巻き込まれて行く…。

声優・キャラクター
浅野まゆみ、斎藤千和、白木杏奈、森川智之、山崎和佳奈、喜多村英梨、桑谷夏子、野田順子、半場友恵、三木眞一郎

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

完全にラピュタ&ナディア…ですが、それなりに面白いです。

 正直いって、第一印象はなんだこりゃ?です。完全にラピュタ&ナディアの設定だし、ジブリ演出でキャラの演技が過剰です。絵柄とキャラデザが違いますけど、機械も街も嵐も空飛ぶ文明も完全にラピュタです。水とか仕事のとり方とかいちいち不思議っぽく見せていますが、くどいです。
 ナウシカとか紅の豚も入っていますが、主なフレームはラピュタ&ナディアです。

 ほとんどキャラの説明も裏付けもないまま話が進んでゆきます。ここは1995年のエヴァ的な世界系(世界観や敵の正体を説明しなくていいという意味の世界系)の影響で、説明をしないでもOKというのを雰囲気づくりに使っている気がしました。クラウスとラヴィの空で何が起きているか知りたいという欲求に感情を寄せているのかもしれませんけど…

 たぶん、ゼロ年代のレンタルDVDの時代でなければ3話切りだと思います。アニメは全巻借りる癖だったので、この時代は最後まで見ることが多かったです。
 この作品8話のカジノの部分が終わったくらいから少しづつ面白くなります。それは一応誰が何をやっているのか、世界観どうなってるの?が、やっと見えてくるからかもしれません。

 エグザイルという単語が出てきて、過酷な自然環境が原因で国同士が生き残りをかけた戦ているなどなど、おぼろげながらアウトラインが見えてきます。その他いろいろ見えてきて、やっと8話くらいでストーリーが始まるからかもしれません。
 タチアナのデレとラヴィの乙女心も良かったですねえ。タチアナにソフィアが聞いた「優しかった?」はドキリとします。タチアナがクラウスの服きてましたねえ。エロいですねえと妄想が膨らみます。

 最後まで見ると、エグザイルの秘密が何となく読み解けるし、主人公の2人の冒険譚として成立しています。


 ストーリーですが、大枠はSFものですし、移民船エグザイルが自分を守るためだと思いますが、嵐を起こしている。それがグランドストームだそうで。エグザイルをアルというキーで起動すると、無敵の力が手に入ります。
 また、この惑星の自然環境ですが、あえて過酷な環境をエグザイルが作っているのか、事故なのかは分かりません。テラフォーミングの失敗とかそういう説明はないと思います。エグザイルが起動してないから?という解釈もできますが、よくわかりません。

 ここで一番分からないのが、ギルドの力の理由です。科学力を温存してたから?コナンのように科学力を温存していたという設定でしょうか。地上世界との科学技術の差の説明が全くなかった気がします。
 戦争のルールを決めているのも、デルフィーネの狂人設定のせいだとすると、それ必要な設定?と思ってしまいます。つまり、肝心の敵であるギルドの存在理由と行動原理が不明なことです。

 なんとなく移民国家が生存するのに、エグザイル、ギルドの設定は不自然な気がするのですが、この辺をSFとして、もうすこし公開してほしかった。

 冒頭の戦艦同士の戦闘も、艦隊の砲撃戦の前に銃兵の撃ち合い?それは何のための戦闘行為?デルフィーネの狂人の犠牲っていうこと?それと高度制限のルール破りにしても、本来同じ高度で戦う前提なのに、なんで下向きに砲がついているの?とか作り込みが甘い気がします。

 キャラについても、アルの設定はなんとなくわかります。生体キーですから遺伝子的な何かの仕掛けなんでしょうけど、さて、アルがキーであることのSF的な意味が不明です。四つの詩が口伝であるのは、ギルドの支配階級と合わせて…だとは思いますが、しかし、合言葉ですか。ここは本当にラピュタ設定にしか見えませんでした。
 そして、アルの内面が見えてきませんし、マスコットとしての役割しか果たしません。

 主人公2人。クラウスとラヴィ…この2人で何が描けたか、ですね。活躍はします。親の意思とか夢とかあります。が、終わってみると、印象が薄いんですよね。それは結局親の到達したグランドストームを乗り越えた…で終わってしまったからだと思います。

 また艦長がまあ完全にナディアのネモ船長ですよね。初めから結末までずっとです。副長・副艦長との関係性も何となく重なります。うーん…そもそも、ソフィの皇帝就任がなんか取って付けた感じだし…

 モランとかホリーといったモブキャラで、初めの方と最後の方でドラマを作ることで一本筋が通ったように感じますが、ほとんど本筋に関係ないです。その話、いる?と感じます。
 
 シルヴァーナの整備クルーは鬱陶しいし、ラピュタ感が凄いですし。

 もう少しキャラを絞って、ヒューマンドラマを分厚くしてほしいという印象です。更にいえば、テーマ性はほぼありません。環境?ノブレスオブリージュ?恋愛?反戦?親の意志?生き方の選択?人類の存亡をかけた総力戦?どれも中途半端です。

 アニメの作画やCGは大したものですが、しかし、肝心の艦隊戦の迫力が今一つです。ゴチャゴチャと分かりづらい構図で言葉で叫んでいるだけに感じます。

 ただ、作品全体で見たとき、上で批評しているほど、つまらなくないのが不思議です。
 理由ですが、一つはSF的な謎があったからだと思います。説明不足が興味の持続に効果があったと思います。世界観の全容が知りたいと思う気持ちは確かにありました。ギルドとエグザイルの最後の見せ方に不満はありますが、そこまで良く引っ張りました。

 後は多分撮って出しみたいな感じではなく、話の構成はちゃんと作り込まれていたと思います。
 不用なキャラは多いですが、味付けとしてラノベ的な面白さには貢献していた気がします。

 あと、タチアナのキャラがいいです。このキャラは唯一ジブリにはあり得ないキャラですね。タチアナがいないと面白くなかったと思います。

 OPはいいですね。謎感とワクワクと迫力がありました。


 ということで、冷めた分析的目で見るとアラが多いですが、しかし、フレームとなるSF世界観はそれなりに良かったと思います。そして作品としての作り込みは丁寧です。ラノベ的冒険譚として成立しているし、サブキャラのエピソードは余計ともいえる一方いい味付けとも言えます。

 26話分、久しぶりに再視聴しました。一気見というわけにはいきませんが、1週間くらい少しずつ見る分には十分面白く見られました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

もっと磨けばより輝いたのにって印象です(-ω☆)キラリ

■「LAST EXILE」ってこんなアニメなんです(*^0゚)☆彡
アニメ制作会社のGONZOの10周年記念作品として2003年にオリジナルアニメーション「LAST EXIL」が放送されてたのです♪
さすが記念作品だけに、作品に込められた熱い思いを感じる出来栄えになってましたね♪
壮大な世界観で展開される物語なので、簡単なあらすじだけでも掴んでから視聴した方が楽しめるような気がします(o^∇^o)ノ… もっと見る
 
なので、簡単なあらすじをちょっとだけ紹介なのです。 \_(*゚▽゚) チャントリカイシテクダサイネ♪
 
かつて人類が地球から安住の地を求め降り立った地「プレステール」。( ̄ー『+』)安住の惑星発見!!
「プレステール」にはグランストリームといわれる巨大なサイクロンが「プレステール」の地を真っ二つにしていたのです∑( ̄ロ ̄|||)なんと!?
2つに分けられた地には「アナトレー」と「デュシス」って国が発展していて、平和に!?暮らしていたのです。
その2国を禁欲精神で古くから統制管理している存在があったのですけど、それが合議制国家の「ギルド」なのです。 パチッ☆-(^ー'*)bナルホド
 
ある時「デュシス」という国では、"気象制御装置"が壊れてしまった為に寒冷化が進み、グランストリームで分けられた反対の国の「アナトレー」に移民すべく侵攻しはじめたのです。
一方、「プレステール」を管理する立場の「ギルド」でも不穏な動きが・・・
合議制国家から独裁国家となっていたのですね!(゚ロ゚;)エェッ!?
 
またそんな時代に『ヴァンシップ』という小型飛行艇で運び屋をしていた主人公のクラウスとラヴィは、亡き父親達が超えられなかったグランストリーム越えを夢見て努力する日々を過ごしていたのですけど、この激動の歴史の波に飲み込まれようとしていたのです・・・∑(゚ロ゚〃)
 
 
■総評
本作品の魅力はなんと言っても壮大な世界観だと思ってるのですけど、その世界観を支えているのがスチームパンクと詳細な設定が魅力となっているんじゃないかなぁって思うのです。
スチームパンクといえば『蒸気』を動力源としてるので、巨大な蒸気機関や石炭の時代で感じる「扱い辛さ」などレトロな雰囲気を連想させてくれるのと、極限まで蒸気技術を発展させた近未来的な発想や要素が融合した作風が魅力ですよね♪
私が観た作品の中での代表作は「スチームボーイ」って印象だったのですけど、それよりも前に本作品が制作されていたことに改めて驚かされました♪
 
また作中では、通信手段として真鍮管やライトの点滅によるモールス信号を使っている描写があるのですけど、レトロな雰囲気を壊さないようにしている配慮が随所で見られるで、制作会社GONZOの意気込みを感じられて好印象でした(*^o^*)
また、『クラウディア溶液』という燃料を高温高圧で循環させて浮力と推力を得ている発想がうまく生かされているなぁとも思いました!
ヴァンシップがクラウディア溶液不足で動かなかった時に循環パイプを切断して少量の燃料でも、循環させられるようにして動かした場面では、まさに感心させられましたよ(゚∇^d) グッ!!
 
そんな世界観を放送当時では最高ランクと思えるほどの映像美とBGMの選曲のセンスの良さが更に盛り上げていましたね(*゚▽゚)ノ
 
キャラも個性的でそれぞれの心情変化がうまく表現出来ているので、キャラの特徴を把握するのには時間は掛からないです。
ただし、ストーリー的に2クールという枠は短かった印象ですね(/□≦、)
特に物語の後半は視聴者に連想させるような区切り方でちょっとでも頭の中で整理出来ないとと理解不能に陥る危険性があったような気がします(^▽^;)
個人的にもっと掘り下げて欲しかった関係・・・
・エラクレア家(デルフィーネ)・バシアヌス家(マリウス)・ダゴベール家(レシウス)・ハミルトン家(アルヴィス)
・マウリス⇔ユーリス⇔ソフィア
・ヴィンセント⇔ソフィア⇔アレックス
・モラン⇔ドューニャ
ストーリーを構成する上でも結構重要な関係でもあると思ってるのですけど・・・
作中ではかなりあっさりと触れられただけで、ヾ(゚0゚*)ノアレアレー?って感じですw
 
観終わった率直な感想は、かっこ良い作品って印象です♪
物語はちょっと物足りなさを感じるのですけど、3クールもしくは4クールで構成していればもう少し違った印象になったかも知れませんね♪
 
 
■MUSIC#
OP曲『Cloud Age Symphony』
 【作詞・作曲・編曲】沖野俊太郎【歌】OKINO,SHUNTARO
 沖野俊太郎の疾走感溢れるテクノサウンドと抑揚を利かせたゆるりとした歌い方が見事に融合してますね♪
 とってもハイセンスでアニメの世界観を壊すことのない名曲だと思います(゚ー゚☆キラッ

ED曲『Over The Sky』
 【作詞・作曲・編曲】黒石ひとみ【歌】Hitomi
 優しく包み込むようなウィスパーボイスが特徴で、エスニックかつ神秘的な雰囲気の黒石ひとみさん!
 コードギアスでもお馴染みですよね♪
 とっても良い余韻に浸らせてくれる優雅で独特なリズムが心に響くナンバーです♪
 
挿入歌『Prayer for Love』10・17話   
 【作詞・作曲・編曲】黒石ひとみ【歌】Hitomi
 ハープの音色が神秘的で優しく子守唄を聴いているようなナンバーです♪
 
挿入歌『Rays of hope』21話
 【作詞・作曲・編曲】黒石ひとみ【歌】Hitomi
 エスニックな雰囲気で力強いナンバーです♪

挿入歌『skywriting』14話 『I can see a heart』16話
 【作詞】Damian Broomhead【作曲・編曲 】沖野俊太郎【歌】OKINO,SHUNTARO
 ビートルズやビーチボーイズといった1960年~70年代のミュージックシーンを彷彿させるナンバーです♪
  

2011.11.13・第一の手記
2011.11.20・第二の手記(追記:■MUSIC#)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 64

ようす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

この空で何が起こっているのか。それを知るために空を飛ぶことを決めた少年の物語。

2003年に放送されたGONZO制作のオリジナルアニメ作品。

ストーリーが難しいので、
完走するにはすこし我慢が必要になるかもしれません。

結局私も最終回までこの作品の全体像を把握することができず、
よくわからないなーと首を傾げながら見ていました。笑

でも雰囲気はいいし、全体像がつかめると、よくできたストーリーだったなと思えるようになりました。

全26話です。


● ストーリー
小型の複座飛行艇“ヴァンシップ”乗りのクラウス(♂)とラヴィ(♀)。

運び屋として依頼を引き受け、
報酬を得ながら暮らしている。

クラウスたちが暮らす国・アナトレーと、
もうひとつの大国・デュシスは戦争状態にあった。

二人は、二つの大国を隔てる大嵐“グランドストリーム”を越えることを夢見ていた。

ノルキア杯(ヴァンシップのレース)に出場している最中に、
女の子を運んでいるヴァンシップが襲われているのを見つけた。

代わりに仕事を引き継いだクラウスたちは、その女の子・アルヴィスを、不穏な噂の絶えない無敵艦・シルヴァーナへ届けることになる。


↑ざっくりとしたあらすじですが、
ここまでがだいたい4話までの内容です。

最初はヴァンシップ乗りのコンビの話なんだなーぐらいしかわからず、
この物語が何を目指しているのか、
ここは一体どういう世界なのか、

とにかくわからないことだらけでした。

あまり豊かな暮らしができる国ではなく、
貴族以外はきれいな水を飲むことさえままならないことは
わかったんだけど…。

その後も、なんとなくの展開はわかるものの、
なぜクラウスがその行動をとるのか、
この世界で何が起こっているのか、

とにかくわからないことだらけで、
話が難解すぎてついていけませんでした^^;

ヴァンシップのことになるとアツくなるクラウスの思考が、
私には理解できなかったのも原因だと思います。

でもこの世界で何が起こっているのかわからないのはクラウス達も同じで、
それを知るために戦いに踏み込んでいくことになるのだから、
今考えると、わからなくて当然なのですが。

半分ほど見てみてもやっぱり話の内容はよくわからなくて、
正直つまらないとも思っていました。

全体的な雰囲気は悪くなくて、
どことなく洒落た感じもあって、

「好きなアニメは、ラストエグザイルです。」と答えると、なんかかっこいい感じがするなあとは考えていましたw

作画はいいし、隠れた名作的な雰囲気はあったし。

「よくわからない!つまらない!」と切り捨てることはできない、
何かしら惹きつけられる部分はありました。

全話見終わってなんとなく世界観がつかめた今となっては、
「あの時の話はこういうことだったのね。」とわかるのですが、

観進めている時は、謎だけがどかどか積み上げられて、わからないことだらけだったのが辛かったです。

でもいろんな謎が後からわかる仕様の物語なので、
今思うと、それも仕方がなかったことなのでした。

全体のストーリーを簡単につかんでから、もう一回見直すと、
ちゃんと話を理解できて楽しめそうです。

そう、全体的に振り返ると、よくできたストーリーなのですよ。
でも30分ずつの構成じゃ全体の話を捉えるのが難しすぎました。


● キャラクター
キャラが多くて名前を覚えるのは半分あきらめていましたが、
ストーリーよりは把握できました。笑


クラウスは、普段はぼけーっとしているけれど、
ヴァンシップに乗っている時はきりっとしていてかっこいい♪

一度決めたことはなかなか曲げない頑固者ですが。笑

浅野まゆみさんの少年声が好きでした^^


ラヴィはしっかり者で、
思ったことは何でも口に出してしまうところが好きでしたw

誰よりもクラウスを大事に思っていて、
たまに弱気になってしまうところも等身大の少女らしくて良かったです。


アルの謎は最後の方までよくわかりませんでしたが、
みんなを和ませるアイドル的存在でした^^

「メェ~」と鳴くヤギ人形、
アルに似合っていて、何気にアル×ヤギのコンビ好きでしたw


ちなみに、喜多村英梨さん(タチアナ役)と花澤香菜さん(ホリー役)は、
この作品が声優デビュー作だそうです。


● 音楽
【 OP「Cloud Age Symphony」/ OKINO,SHUNTARO 】
【 ED「Over The Sky」/ Hitomi 】

どちらもこの作品の雰囲気によく合っている曲でした♪

OPはかっこよく、EDはミステリアスな感じ。

私はどちらかというと、EDの方が好みでした^^


● まとめ
よくできた作品だとは思う。
見てよかったとも思う。

だけど話は最後までよくわからなかったです^^;

全体のストーリーは悪くないのだけど、
1話1話のストーリーが私には難しかったです。

雰囲気は悪くなかったし、
世界観はどちらかというと好み。

じっくりひとつひとつのシーンを解釈していかないと
本当に理解できたとは言えない作品なのだろうな。

1回目を観終わってなんとなく全体像がつかめた今、
もう一度見直すと、より楽しめそうな気がしています。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 24

67.1 2 スチームパンクで戦争なアニメランキング2位
ラストエグザイル-銀翼のファム-(TVアニメ動画)

2011年秋アニメ
★★★★☆ 3.6 (676)
3438人が棚に入れました
「決めた!私はあの戦艦を盗む!」 全ての命の源-グラン・レイク。その聖なる湖で、アデス連邦とトゥラン王国が砲撃戦を開始する。圧倒的な艦隊戦力で全世界の制圧を目指すアデス連邦を前に、壊滅寸前に陥るトゥラン。トゥランの王女たちが見たのは、小型ヴァンシップ“ヴェスパ”に乗った空族の少女・ファムだった。「これより貴殿の旗艦を、この戦場より盗み出さん!」対空砲火が飛び交う中、ファムのヴェスパは大空を舞う。侵略を続ける連邦総統ルスキニアの目的は? そして、謎の力「エグザイル」とは? 今、激動の大航空冒険活劇が幕を開ける!!

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

タチアナさんも言ってたよ「ぎりぎり及第」ってね♪ ∑('◇'*)

■ラストエグザイル-銀翼のファム-ってこんなアニメです☆彡
2003年に前作「LAST EXILE」から8年の時を経て2011年に「ラストエグザイル-銀翼のファム-」というタイトルで続編がスタートしたのですね♪
壮大な世界観と圧倒的な作画を更にパワーアップしたと言う事で否応なしにも期待しちゃいますね
(*・ω・)ノ
キャストについては前作以上に主要キャラも増えた事もあって豪華な顔ぶれで、アニメファンであれば聞いた事のある人ばかりなのですよ♪

ストーリーの方は前作から数年先の話となっているのですけど、関連性は大きくないので「-銀翼のファム-」から観始めても十分楽しめるのではないでしょうか(*^o^*)
とはいっても前作から引き続き登場するキャラがどんな過去を送ってきたのか、またアナトレーという帝国がどんな国であったかなど、知っているだけで楽しさが倍増すると思うので、やっぱり前作を観てからの視聴をお薦めしたいですね♪

今回の舞台となっているのは「アデス連邦」が「トゥラン王国」に侵攻してくる場面から物語がはじまるのです!
ことの始まりは・・・はるか昔にエグザイルで移民してきた「トゥラン王国」やその他移民国が「アデス連邦」の土地に移り住んで来たのが原因みたいですね(・0・*)ホー
「アデス連邦」は、移民すべてを受け入れるだけの国力が無いのと、移民国に土地を追われる形となった現地民族からその土地を奪い返すべく各地に一個大隊を向かわせ侵攻を始めたようなのです!
そんな戦乱の世に「アデス連邦」の侵攻で故郷を追われた者が集まった『空族』という集団があったのですね♪
連邦の空中戦艦を鹵獲して生計を立ててる『空族』の一つ『カルタッファル』と名乗る集団に、本作品の主人公の「ファム」とファムのナビを努める「ジゼ」が所属しているのです♪
愛機の小型ヴァンシップ<ヴェスパ>とその腕前で数々の艦船を鹵獲してきた「ファム」と「ジゼ」はとっても可愛い女の子なんですよ♪
そんな彼女らが「アデス連邦」と「トゥラン王国」の戦闘に巻き込まれていく事になるのでした・・・


■銀翼のファムに出逢った日の日記 φ(^∇^ )
5話まで観終わった時点での感想を書かせていただきたいと思います♪
前作から8年経った続編という事もあって、現在の技術力でラストエグザイルを制作したらどんな凄い映像を見せてくれるのかなぁってとっても期待して視聴することになったのです!
かなりの期待過剰状態で第1話を視聴する事約30分・・・
前もって「1話テイクオフ直前スペシャル」を観ていたにも関わらずその作画のできに驚かされました♪
ヴァンシップが雲を掻き分けて疾走していく描写はとっても爽快で、艦隊戦のシーンはまさに海を泳ぐ「クジラ」そのものです♪
またそんな「クジラ」を鹵獲するシーンは圧巻の一言ですよ(*゚o゚*)
地デジ化して本当に良かったと思えたのは初めてだったかもしれませんw

ストーリーの方は、前作のクラウスとラヴィは戦乱に巻き込まれていったのに対して、ファムの困ってる人を見たら放っておけない性格からか、自ら戦乱に首を突っ込んでいく展開になって行きましたね♪
そんなファム達と「トゥラン王国」復興を目指すトゥラン王国第二王女のミリアにどんな展開が待ち受けているのでしょうね!
とっても楽しみです(*^o^*)
また、前作から引き続き登場のディーオやタチアナ&アリスティアコンビのアナトレーの戦艦「シルヴィウス 」がどう絡んでいくのかも今後の楽しみですね(*・ω・)
ディーオのルシオラへの思いや、素敵な女性艦長になっていたタチアナが赤いヴァンシップに乗りこむシーンなど、前作からのファンにとっても嬉しい演出が所々出てくるのも好印象ですね♪
ただ、ちょっと難しい専門用語や耳慣れない国の名前が度々登場してくるので、結構把握するのに手間取るかもしれませんね(^ー^* )フフ♪
そこのところは公式ホームページで前作同様に用語集のリンクがあるので補完しながら見ると良いかも知れません♪
しかも、各国の相関図のリンクもあって毎話更新されているので、アタシσ(゚-^*)は結構利用させてもらってますw


■総評
前作「LASTEXILE」の続編としてファンの期待が大きかった本作品ですが、果たしてその期待に 応え得ることが出来たのでしょうか?
期待が大きかったぶん厳しい意見もあったようですけど、個人的には及第点を与えられる内容になっていたと思っています。
前作よりもスチームパンク色が落ち着いたものの、気になっていたキャラの表情・動きといった人形っぽさが無くなっていたので3Dと2Dの融合感は圧倒的に今作の方が上ですね♪
また、ファムを主人公においた事もあってか全体的に明るいイメージで、それにあわせて彩度を上げて全体的な映像の印象も明るい印象に仕上げてましたね(*^^)v
それとヴァンシップもデザインが豊富で前作よりも個性があって楽しめました!
ファムが乗るヴェスパは機体が小さい分キャラの表情が映えてファムにピッタリの機体ですよね☆彡
ストーリーに関しても概ね前作よりもわかり易かったような気がします、前作を視聴していない人には難しいかもしれませんけどね!
全体的な作品の仕上がりは前作よりもマニア向けから大衆一般へ歩み寄った作品といえるんじゃないかなぁーって思います。

ただ、手を上げて大満足と言えないのは、GONZOイズムなのでしょうかw
前作でも思ったんですけど…「磨けばもっと輝けたのに!」ってね ゞ(^o^ゞ))))アラアラ
どんな点が今一歩(GONZOイズム)だったのかちょっと振り返ってみようと思います。

そもそもファムを主人公に設定したこと自体が間違いだったような気がしてならないのです…∑('◇'*)エェッソコ!?
『銀翼のファム』では、人類の永遠のテーマでもある「世界平和」を目指して国家ごとの思想や、その要人たちの信条を絡めて物語が進んでいくわけです。
そんな中、政治的重責のないファムを平和の象徴のグランレースと結びつけてファム目線でストーリーを進めていくには限界があったと思うのです。

『銀翼のファム』が続編という位置付けであるならば、やっぱりアナトレー視点のストーリーを見てみたかったなぁって思うのです∑('=';)
個人的には色んなとこに顔をだしながら、それでいて不思議と不自然じゃなくなっちゃう機動力のあるディーオを主人公に推したかったかなぁw
ルスキニアやアラウダはディーオと同族っぽいしね!
とにかくディーオ、タチアナ&アリスティア等、前作のキャラを登場させているのであればしっかりストーリーに組み込んで欲しかったです☆ミ
特にアルの扱いはひどいですw 追いかけっこしてただけですよww
愛着のあるキャラ達をまた見ることが出来たのは嬉しいんですけどファンサービス止まりなので・・・
結局「銀翼のファム」の評価を落とす結果となっている気がしました(ToT)

また、前作の内容から切り離してまったく新しいストーリで作るっていうのでも良かった気がします。
であればミリアを主人公としてストーリーを組上げていけばよかったのでは?って思うのです。
本作品で色んな表情を見せてくれていてたし、作品を通してもっとも成長したのがミリアだったからね!(^-^)
唐突な展開が多かったので、前作のキャラを削る事で、リリアーナ&ルスキニアの心情の変化やミリア&ディアンの掛け合い等々、もっと深く掘り下げるべき場面や伏線を丁寧に回収するなど深味のあるストーリーをつくり上げることも出来たはずなんですよね!

ファムの人格だけ見れば主人公たるポテンシャルは十分満たしているとは思うのですけど、この物語の内容にはね…
スピンオフのキャラから主人公に抜擢されて文句言われているファムがとっても可哀相に思えてならないのです。
「わたしが あなたの翼になる」と言ってたようにミリヤの良き理解者という立ち位置だけでも充分輝けるキャラだと思うんですけど背伸びさせ過ぎちゃった感じかなのなぁ(^▽^;)

なんだかんだと色んな事を書いてきましたけど、それでもやっぱりこの作品は大好きです♪
ファムもジゼルもミリアもみ~んな好き♪
「おいしいってときにはね、おいしいって顔、しなきゃ。」って事だよねーディーオ(*^^)v

「ラストエグザイル-砂時計の旅人-」のアニメ化ないのかなー♪
やっぱりクラウスの活躍がまたみたいです( ̄∇ ̄+) キラキラキラ~♪


■MUSIC♫
OP曲『Buddy』
 【作曲・編曲】School Food Punishment/江口亮【歌】坂本真綾
 なんといっても注目は大好きなスクパニが曲を提供しているって事です!
 疾走感あふれる複雑な楽曲とお馴染みの坂本真綾さんの素敵な歌声はとっても気持ちいいですね♪
 でも残念な事にスクパニはこの曲を最期に活動を休止なのです…(。>0<。)ビェェン

ED曲『Starboard』
 【作曲・編曲】黒石ひとみ【歌】Hitomi
 風を感じる流麗な楽曲とウィスパーボイスで優しく包み込んでくれます♪
 「銀翼のファム」の世界観を見事に表現してますね♪
 さすが黒石ひとみさんです(*^^*)
 

2011.11.20・第一の手記
2012.05.12・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC♫)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 47
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

空に想いをはせる(80点)

事前SP+全21話+総集編2回。
アニメオリジナル作品。

個人的満足点:80点
アニメ系統:SF(スチームパンク風)

前作、ラストエグザイルの続編。
前作未視聴でもなんとかならないこともないが
前作視聴済ならより熱くなれるので前作視聴してから視聴するのがお勧め。

そして、舞台設定が1話ではほとんど語られないので
できれば0話の「1話テイクオフ直前スペシャル!」を視聴されることをお勧めする。
簡単な舞台設定やキャラ設定が紹介されているので1話にすんなり入れると思う。

世界観は前作を引き継ぎスチームパンク風の世界でロマンあふれる作り。
大空を飛ぶシーンだけで満足してしまう自分がいる。

物語の大筋は世界統一しようとするアデス連邦とそれをとりまく国との衝突を描いている。
しかしながら、物語は中盤あたりで少々定まりが悪い。
途中経過がはしょられたり、物語が急に方向展開するような印象を受ける。
それも後になって理解が深まってはくるのだけれども。

また、キャラに萌え要素が入っているのも個人的には少々疑問。
この世界観にはミスマッチかなと思われる。
もう少し硬派な作りでもいいんじゃないかなと思う。
(商売を考えると仕方ないのかなあと思ったりもするのだけれども)

なんだか悪いようなことばかり書いているが個人的には大好き。
しかも最終話では胸が熱くなって涙腺がやられていた。
なんだろうか?
やはり音楽がいいという部分があると思う。
数多くの挿入歌を効果的に使っている。
それぞれのシーンでの音楽が各シーンを盛り上げる。

そしてOP曲 坂本真綾さんの「Buddy」は大空をかける疾走感を
曲から感じることができ、曲を聴くだけで物語への期待感が高まる。

兎に角、ロマンを感じるっていうのが好みならお勧めの作品。
そして、音楽だけでも1度聴いてみて欲しい作品。


と、まあ色々書いてきたが
つまり、何が言いたいかというと

1番熱かったのは総集編2だったw


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以下、各話の感想。
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}

1話視聴。
前作に比べやや軽い感じになったかな。
ヒロイン「ファム」が天真爛漫な感じなので
そう思わせるのかもしれない。
キャラも前作に比べやや柔らかくなったかな。
前作に比べやや萌え要素が加わった感じはする。

映像は、やはり空を飛ぶ疾走感がすばらしい。
前作を上回るクオリティ。
2Dと3Dの融合がすばらしい。
空戦の作画が半端ない。
このクオリティで2クールもつのかねw

何にしても今後が楽しみで仕方ない。

最後に「すごいとおもわなーい」がまどかに聞こえたw
この瞬間まで悠木さんが出ていることを忘れていたw

2話視聴。
今週のが序章となるのかな。
OP曲が最後に流れたことから考えても、そんな流れと思われる。
前作までと違い意外と目的などはっきりしてきそう。
ファムとジゼルもいいコンビぽい。
とくにジゼルはかなり優秀なナビのように感じた。
来週からの盛り上がりに期待したい。

3話視聴。
あおちゃんと千和さんのからみだw
一人で歓喜してたお^q^

雰囲気だけでもっていかれている自分がいる。
映像だけで満足してるとか、ダメな俺。
ロマンを感じるんだよね。
ファムも主人公らしくなってきた。
来週も楽しみ。

4話視聴。
タチアナキター
赤いヴァンシップきたよきたよ。
1期視聴済の私にとっては鳥肌ポイント。

そしてシルヴィウスかっこいい。
もしかしてと思ったが、潜った\(^O^)/
さてさて来週からどうなるのかな。

5話視聴。
星から自分のいる位置をずばり当てるジゼルいいねえ。
こういうちょっとしたシーンが何か好きだわ。
そして、戦闘なしで戦艦1隻ゲット。
ジゼルの戦略が冴えていた。
戦略のシーンはあまりないけどね。
そしてファムが全然活躍してないw
完全にジゼルのすごさを見せ付ける回だった。

そしてミリアw
なんという戦略www
メイド姿で男を落とそうとかwww
さすがに無理すぎるwww
俺なら落ちるかもしれんが・・・・
それでも厨房を占拠したのには笑ったw

6話視聴。
物語は飛んで戦艦を半分まで集めた段階へ。
1話で1隻ずつ集めたんじゃ終わらないしねw

展開が加速しだした。
トゥラン再建に向け動き始めたファム達。
同時にアデス連邦もさらなる動きに。
ルスキニアのやり方がえげつない。
ルスキニアはいったい何をやろうとしているのか。
ここまで若干軽いのりだったが、やや重めなのりになってきたかな。

そしてレースが熱い。
物語の展開上、勝つとは思っていながらもドキドキした。
最後は魅せ方には胸が熱くなって痺れた。


7,8話視聴。
最後のくじら狩りに向ったファム達だが、ピンチに。
何とかピンチを脱するも更なるピンチに。

シルビウスがやばい。
しかし、タチアナかけえ。
「ぅってええ」とかしびれる。

でも、ジゼルが心配だなあ。
かなりショックを受けていたようだし、
もうヴァンシップに乗らないとか言わないかな?
来週からの展開が気になるところ。


9話視聴。
予想通りの展開キター
ジゼルの葛藤がいい感じ。
あおちゃんは相変わらずいい演技するねえ。

個人的にはもうちょっと引っ張って欲しかったが、こういう友情ものには弱い。
ファムとジゼルの友情にミリアが加わり、なんともいえない良回だった。

来週からいよいよ国を取り戻す展開に入っていくのかな。
益々の盛り上がりに期待したい。


10話総集編視聴。
総集編だが、最後だけちょっと話がある。
そこだけでも観よう。


11話視聴。
盛り上がってまいりました。
アル来たー。
これはやはり1期を見ていた方が楽しめるね。
そして、ディーオカッコイイ。
このあたりは完全に1期見てないと分からないね。

今回はちょっと作画がおかしく感じた。
何か顔とか変だった気がする。

まあ、盛り上がってきたから別にいいけどね。


15話視聴。
いよいよクライマックスに向けて動き出したかな。
ファムとミリアが熱かった。
こういう熱い思いは個人的に好み。
ここから最後の巻き返しに期待したいところ。


17話(総集編2)視聴。
なんと1期の総集編に2期をからめてきた。
あらためて観ると1期ってこんなに良かったのかと思ってしまったw
そして、なんとクラウスとラヴィが出てきたよ。
来週からんでくるのかな?
俄然来週が楽しみになってきた。


19話視聴。
なかなか熱い展開だった。
そして、最高のところで出てくるシルビウス。
来るぞ、来るぞ、キターーーーーーーって感じだったw

あっさりしていた感じはしたものの
何かぐっとくるものがあった。
ここから最後に向けてどう展開していくのだろうか。
最後の盛り上がりに期待したいところ。


20話視聴。
いよいよ、クライマックスかな。
核心にせまって話が展開しそう。
しかし、今一盛り上がりに欠ける気はする。
正直1期を超えるのは無理かなあと感じてはいる。
まあ、でも好きだけどw

あと、どうでもいい話だが、ドレスのファム可愛い^^


21話(24話)視聴。
結局は皆、平和な世の中を作りたいだけなんだよね。
その方向性が違うだけ。
ルスキニアの最後の笑顔が印象的だった。

そして、ファムが無事帰還した時に胸が熱くなった。
別にどうってことないシーンのはずなのに
無事戻ってくるって分かっていたはずなのに不思議と涙腺をやられた。

{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 46
ネタバレ

buon さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

100年後とかにすれば良かったのに

二つのアニメを一緒にしちゃイカンでしょ。
ラストエグザイルを冠するアニメではあるが、方向性は同じではない。
というか、同じだとまた中途半端になるからそれは避けなければならないのだが・・・

◆アニメオリジナル
◆全21話かな、総集編を除くと
◆LAST EXILE という作品が既に出ていて、舞台はその世界と同じ

☆LAST EXILEの感想 → http://www.anikore.jp/review/661668/

※ネタバレ感想


{netabare}
ブームに流された中途半端な作品。

1話か、2話で初めてOPを見て、
イントロの後に主要キャラが謎の全裸シーンというOPが作品を表しているかな。これに期待感をかなり削ぎ落とされた。後の方での落ちるミリアを助けるファムのシーンも。

物語は、
空族でヴェスパのドライバーのファム、ナビのジゼルが仕事の過程で王女のミリアに出会う。
そんで自ら積極的に関わったり巻き込まれたり、と今回も巻き込まれる系のストーリー。
また「エグザイル」が重要な役割を果たすということも同じ。

最初にこの作品の特徴というか、前作?との大きな違いを挙げると、
◇主人公の主要飛行機がヴァンシップ(「紅の豚」の飛行機の両翼とプロペラを取った感じ)からヴェスパ(空飛ぶビッグスクーター)に変更
◇主要キャラ(主人公かな)は3人で全員少女(前作も一応3人かな、少年、少女、ちびっこ女)
◇うち主人公2人は空族(前作は運び屋)
◇キャラデザが前作(「世界名作劇場」寄り)っぽいのと萌えっぽい(眼がクリッと大きく、キャラによっては少年漫画みたいな髪型)のが混在
などなど。

このまま流れで微妙な点を3つ挙げるが、
●ヴェスパとヴァンシップがスピードを争うとか外見だけであり得ない
●戦争アニメに日常系アニメキャラがいるような違和感
●ギルド人、白兵戦無双
と、前作の微妙さに上積みする微妙な点が満載。
スポーツカーと50ccのスクーターが争うような様は、滑稽とかよりも、あまりにも機能美からかけ離れたデザインで、理不尽過ぎて悲しくなるレベル。100ノット(54ノットで約100km/hらしい、詳しくはググって♪)を超える世界なのに。前作でも、ゴーグルやヘルメット付けたり付けなかったりが気になったのに。
せめて、使い分けして欲しかった。

オシャレ軍人さんですらギリギリなのに、バンダナかヘアバンド巻いてる少年と落ち着いたオッサンキャラがいるシーンとか切なくなる。
眼や顔の形ぐらいある程度は統一して欲しかった。ギルド人、他の前作キャラ(リニューアルされたりされてなかったり)、今作からの少年少女、ちょっとクリッとした目のおっさん・・・とか、違い過ぎるにもほどがある。
声優もごっちゃ。

ギルド人の人力ビームサーベル・・・

前作に増して、いらないシーンやキャラが豊富。
単純にキャラが多過ぎる。キャラが多かろうと少なかろうと別に構わないのだが、意味のないキャラはちゃんとモブっぽくして、出番減らさないと。
ミリア様の付き人とか出すぐらいなら、他の主要キャラを掘り下げたり物語を丁寧に作り上げればいいのに。

ミリア様は、最終戦が指揮を執る初陣なのになんとかやってるとか、そんなムチャブリに対応しなくていいのに。

「アヒルやろう」は「上手く飛べもしねえヤツラは地べたに這いつくばってろ」って意味でいいのかな? この言葉使い過ぎ。
と、ここら辺にしとくか。けど、もう1つだけ言わせてもらう。

●前作キャラの扱いが色んな意味でひどい

この作品での良い点を3つ挙げると、
○前作を上回る映像美
○戦闘規模が拡大し派手になった
○萌え要素大増量、サービス回サービスシーン(OPが1番だが)はある
と、前者2つは同じようなもんだが、映像美や戦闘シーンは壮観である。
萌えやサービスシーンは人によっては喜ばれるんじゃないかな。オレは全然求めてなかったが。

ジゼルがいなかったら相当つらかったな。ジゼルがいなかったら最後まで観れなかったかも。


物語は前作と比べ最大悪が居らず、より複雑かもね。眼帯男がどうしたかったのか結局よくわからんかったし。
ファムは悪いやつじゃないけど、完全に異世界人。お偉いさんたちの会議、会合での場違い感。ミリアの関係者がいないとはいえ。
キャラとして魅力があったのはジゼルとサラ様(ちびっこ王女)かな。他は・・・前作キャラも・・・
シルヴァーナなしの空中戦とか、ほとんど戦略皆無の数の勝負だし。けどシルヴァーナが輝いたのは最初の一回だけ・・・

うーん、何がしたかったんだろ、どんな作品にしたかったんだろ?
萌えっぽくするにしても、前作っぽくするにしても、違うようにしたかったのであれば、
100年後ぐらいの話にするか、違う世界で作って欲しかったな。別の大陸とか、この際、前作の世界観(飛行機とか)だけで引き継いで、世界地図を作り変えてもよかったかも。
産みの難しさは分かるから完全オリジナルじゃなくていいけど、同じ名前を冠するのであれば大事なところは守って欲しい。

観る側にとっての大事ってのは面白さであって、同じ(ような)人間やシナリオではない。ましてやつまらない点ではない。おもしろい点では映像美だけに限って引き継がれてたかもね。
要するに、ロープレの続編でよくある全く違う世界が良かった。ドラクエみたいな。同じ舞台でいいから。


と酷評になってしまったが、ただ1つだけ明確に言いたいことがある。他の感想をチラッと見て、声優がどうのとか書かれていたが、そんなことはどうでもいい。

ジゼル、かわええ~☆☆☆☆☆
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 8

66.6 3 スチームパンクで戦争なアニメランキング3位
サクラ大戦 TV(TVアニメ動画)

2000年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (216)
1448人が棚に入れました
人気TVゲーム作品サクラ大戦シリーズのTVアニメ。太正12年春、真宮寺さくらは、仙台から上京した少女・真宮寺さくら。文明の利器に驚きながらも、手紙を頼りに米田一基を訪ねる。帝都の平和を守るため秘密部隊「帝国華撃団」に入団したさくらは、個性的な団員たちと共に黒之巣会と降魔に立ち向かう。


声優・キャラクター
横山智佐、富沢美智恵、高乃麗、西原久美子、渕崎ゆり子、田中真弓、陶山章央、折笠愛、池田勝、家中宏、岡村明美、氷上恭子、岡本麻弥、伊倉一恵

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

これは太正12年~13年(1923~24年)にかけて起こった、黒之巣会と降魔による一連の帝都防衛戦の記録である。

この作品の原作ゲームは未プレイです。
今から20年前の作品になるので、作画はそれなりの歴史を感じる作りではありますが、暫くすれば慣れて気にならなくなる程度のレベルです。

因みに第1期OVAである「サクラ大戦 桜華絢爛」と第2期OVAである「サクラ大戦 轟華絢爛」は視聴済です。
OVAではサクラが上京するまでの物語が描かれていましたが、このテレビシリーズではさくらが仙台から帝都・東京にやってくるところから始まります。

初めにサクラの所属する「帝国歌劇団」について説明します。

霊力による帝都防衛を任務とし、帝国陸軍にも海軍にも所属しない秘密部隊である。
総司令長官は米田一基陸軍中将。
副司令は藤枝あやめ陸軍中尉。
その銀座本部は大帝国劇場(通称・帝劇)にあり、主力部隊は対降魔迎撃部隊・花組で、隊長・大神一郎以下、 真宮寺さくら、神崎すみれ、マリア・タチバナ、アイリス、李紅蘭、桐島カンナ、 というメンバー。
普段は表向き帝国歌劇団としてメンバーは活躍しています。

何故帝国歌劇団が設立されたのかは、本編で確認頂きたいと思いますが、真宮寺サクラが帝国歌劇団に入団したのは宿命であったということです。

それは、サクラの父である真宮寺一馬は帝国華撃団の前身である帝国陸軍対降魔部隊に所属していたためです。
そして巨大な降魔を封じるべく、代々真宮寺家に流れる血によって退け、その代償として真宮寺一馬は殉職したんです。
父の形見である霊剣・荒鷹を帯同し、父の意志を継ぎたいと思うのは決して不思議な事ではありません。

彼女たちは時に生身で戦うこともありますが、多くの戦闘が霊子甲冑「光武」で行われます。
光武とは、太正11年(1921年)、神崎重工と帝国華撃団工房が共同開発した人間の霊力を引き出し、増幅する人型蒸気なのですが、男性と霊子甲冑との相性は良く無く、必然的に帝国華撃団は女性中心のメンバーで構成されることとなりました。

最初に光武を見た時には、随分ずんぐりむっくりしたロボットだなぁ…
と思いましたが、視聴を続けているうちに段々と愛着が湧いてくるから不思議です。
光武は搭乗者の能力値や特性に合わせて個別に調整されている点などは魅力の一つかと思います。

何より花組を構成する隊員たちが素晴らしい…
主人公である真宮寺さくらはもちろんですが、神崎すみれやアイリスなど魅力溢れる個性的な面子で構成されているんです。
花組のトップスターである神崎すみれの堂々とした立ち振る舞い…
齢9歳のアイリスが親元を離れ、何故こんな異国の地で暮らしているのか…
流石2クール作品だけあって、キャラの深掘りにも余念がありません。

花組が歌劇団としてどの様に成長を遂げていくのか…
そしてその変化に団員はどの様に向き合っていくのか…
見どころ満載の作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、横山智佐さん&帝国歌劇団による「ゲキテイ(檄! 帝国華撃団)」
エンディングテーマは、横山智佐さん&帝国歌劇団による「夢見ていよう」と、田中真弓さんの「ゲキテイ音頭」

2クール全25話の物語でした。
新サクラ大戦を視聴する前に完走したいと思っていましたが、視聴に随分時間が掛かってしまいました。
新サクラ大戦はこれより10年後の世界が舞台になっているそうなので、直接的な繋がりはないのかもしれませんが、可能な限り新サクラ大戦視聴前に過去作を見ておきたいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

ichinana さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

太正桜に浪曼の嵐!!!!! 言ってみたい・・・・

第一作のゲームが発売されてから今年で20周年ですか。
いやはや時が過ぎ去るのは早いですね。

90年代後半から00年代前半のセガの人気を支えた同シリーズ。ゲームのみならず、アニメ、劇場版、舞台、さらには専門喫茶店(今で言うガンダムカフェみたいなもの)など幅広く展開し、絶大な人気を獲得しました。これも広井王子×田中公平コンビの手腕によるところでしょう。

原作ゲームはいわば恋愛戦略シュミレーションです。プレイヤーは主人公、大神一郎となって魔物から帝都を守るとともに、帝国華(歌)劇団の面々との恋愛を育む王道なストーリー構成です。
一方で本アニメは、ヒロインの一人(原作では実質メインですが・・・)である真宮寺さくらが主人公。第一作のゲームでは大神さんが帝劇に赴任するところから始まりますが、アニメはさくらが帝劇メンバーに加入するところから始まります。

本作品、生粋の原作ゲーム・・・というかさくらファンにはかなり辛い展開が続きます。ゲームとのギャップが凄まじく、もうこれ以上ちーちゃん苛めないでよ~広井さん!!と何度思ったことか。
しかし変に大神さんとの恋愛を描くことなく、破邪の血を受け継ぐ者の末裔として成長していく姿を丹念に描写したことは、ゲーム性ではなくストーリ性を重視するアニメーションという媒体では至極当然であったと思います。また歌劇団の新人に厳しく接するという描写も非常にリアリティがありました。一話一話でみると、どうしても鬱展開に見えてしまいがちですが、全25話を通してみると充分良作の部類に入ると思います。

原作ゲームも古めで、演じられている声優さんも中堅~ベテランクラスのお方ばかり。田中真弓といえば・・・○フィ!!ではなく・・・○ズー!!、クリ○ン!!な世代の作品ですし。特に出演声優陣が一同に会して行われる豪華「歌謡ショウ」は必見です。「中の人が演じる」というだけで、作中のキャラとのギャップから嫌悪感を抱かれかねない中で、非常に勇気のある挑戦だったと思います。しかし、歌謡ショウは10年間という長期間に渡って人気を博し、声優によるミュージカルの礎となりました。特に歌謡ショウ5周年記念の「海神別荘」は出色のでき。本当にちーと麗さんのデュエットはよく合います。「愛・ゆえに」も名曲ですね。また各キャラ登場シーンの口上がいちいち格好いいんですよね~。厨二魂がキュンキュンします。

本当にこの20年間で多くのものを積み続けてきた本シリーズ。代名詞が「ゲキテイ」であることに異論はありませんが、原作ファンとしてサクラ大戦「シリーズ」の魅力を是非とも皆さんに感じ取って欲しく思います。

P.S.
シリーズ三作目以降の大神さんの最終必殺技はマジチートだわ~
しかも演出がなんかイラッとくる。このすけこましのジゴロめーーーーー!!!!!私にも一人分けてくれーーーーー(←プライド全くなし・・・・)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5

ゆうき。 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

15年も流行に乗り遅れたことが何よりもつらい

カレイドスターとアイドルマスターゼノグラシアを足して2で割ったようなアニメでした。
時代は大正、大戦や蒸気機関、帝都・帝国というワードに浪漫を感じずにはいられない。
本編よりも日常回がおもしろくてよかったです(小並感)
田中真弓さんが女性キャラを演じている作品で珍しかった。
ジャンポールかわいい。


この作品でなにより評価できるのはOP「檄!帝国華撃団(ゲキテイ)」です。
https://www.youtube.com/watch?v=HH-LBqRwZng
普段は神という言葉を使うのは控えていますが、これは神と言わざるを得ない。
原作未プレイの私がこのアニメを今更見ようと思ったのは、14年前に聞いたOPが忘れられなかったというのもあります。(なぜか実家にサクラ大戦シリーズのOVA化第2弾のビデオテープだけあった。しかも1話しか入ってなかったです)

サクラ大戦シリーズの花組は舞台をアニメ放送以前から10年間に渡って行っていて、ゲキテイのアレンジVerも非常に多いです。舞台では声優陣がそのキャラの衣装で歌って踊って、劇をやったり大喜利をやったりと今では企画が難しいのではないでしょうか。


ゲキテイももちろん歌いますが、声優陣の歌唱力がすっごい!ゲキテイはこのアニメの声優以外の声優も歌っていますが、聴き比べるとその違いがはっきりとわかります。
歌だけでなくその振り付けもクオリティが高くいつも鳥肌が立ちます。端役までもが歌と振り付けを覚えていることに感動しました。また、ゲキテイではサビだけは観客の手拍子がパタリと無くなるのが恒例です。サビだけは観客も一緒に躍ることができるのはすごいことです。
合いの手は決まった言葉が入るわけではないのに、会場の統一感は半端ではなく、なぜあと数年早く生まれなかったのかと後悔するほどです。

ゲキテイの振り付けは和服がとても映えます。サクラも和服で踊っていて袖がヒラヒラとなびいてとても綺麗です。これを集団でやられたらもう堪らないと思います。


舞台動画ではアニメでは出てこないキャラがたくさん出演していて、少なからず疎外感があって寂しい。もうゲームやるしかないね!
ゲキテイの歌詞の中のセリフがアニメでは扱われなかったというのも気になるところです。

舞台の動画を見るならアニメだけでなく、ゲームもやらないと楽しむことができません。もっと言えば内容がアニメだけを見た人用のものではありません。


アニメの内容だけではゲキテイの魅力を持て余している感があるのでゲームのプレイをオススメしておきます。
サクラ大戦シリーズの他のアニメはゲームのエンディング後を描いているものばかりなので、ゲームやらないと見てもわからないのがつらいところです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4

69.5 4 スチームパンクで戦争なアニメランキング4位
Levius -レビウス-(Webアニメ)

2020年1月1日
★★★★☆ 3.6 (74)
267人が棚に入れました
新生歴19世紀。アガルタ・ウォーター採掘の領有権を争ったフォサニア紛争が終結して5年。あらゆる動力に“蒸気"を用いるこの時代では人体に機械を融合させて戦う機関拳闘なる格闘技が隆盛を極めていた。戦争によって父親と自分の右腕を失い、母親も植物状態となった孤独な少年レビウスは、伯父・ザックの元で運命に引き寄せられるかのように機関拳闘に没頭し、才能を開花させていく。そして、機関拳闘Grade-Ⅲで強敵を乗り越えていくレビウスを不敵な笑みで見つめる謎の男・Dr.クラウン。レビウスの脳裏にフラッシュバックする戦争の記憶――。

声優・キャラクター
島﨑信長、諏訪部順一、櫻井孝宏、佐倉綾音、大塚芳忠、小野大輔、早見沙織、宮野真守
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

機会不均等な機関拳闘

原作未読

スタンダードになりつつあるネトフリお下がりもの。これまでもいくつか観てきましたが

 1.円盤頼みの一本足打法では出会えない作品が拝める
 2.万策尽きた!に遭遇しにくい制作体制が組める(かも)

一定水準は期待できるよねとの信頼が醸成されつつある昨今です。

“機関拳闘(きかんけんとう)”と呼ばれる機械と生身の肉体とをがっちゃんこさせた人間同士が殴り合うスポーツ!?が人気を博している世界のお話。
大きな戦争の傷跡がくすぶってる情勢で登場人物各々がなにかしら抱えております。主人公レビウス(CV島﨑信長)もそんな一人。闘う背景が悲劇に基づいてるのは『あしたのジョー』から脈々と続く系譜といえましょう。少なくとも『バキ』みたいな能天気さはありません。
戦争で亡くしたものと言うべきか答えの出なさそうな何かを見つけたくて拳闘の世界に身を委ねているテイストは好きです。『あしたのジョー』の他にもボクシングといえば『ロッキー』なんて名作もありまして、そのシリーズ4つめ“炎の友情”みたいな展開っす、でオールド映画ファンには通じそうな仕上がりでした。ドラゴに該当する役を早見沙織さんがやっとります、と言うと混乱が加速しそうですね。

比較したら怒られそうですが最近であれば、戦争で傷ついた心を何かの仕事を通して恢復を図っていく『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とも物語の親和性がありそうです。
あっちは帰還兵。こっちはなすすべもなかった少年だとの差はありますが、戦争のPTSDへの向き合いっぷりでいえばとても真摯なように見受けられました。ここだけに限れば率直にエヴァガより真面目です。既視感ありだとか王道だとかの前置きしつつも“真面目”でしたよ。この一点で買いです。



※ネタバレ所感

■機関拳闘との矛盾

作中の拳闘場はローマのコロッセウムみたいな外観でした。古今東西、肉体のぶつかり合いが人々の熱狂を誘うのはよくわかります。

{netabare}ただし本作みたいにドロイド化させるのは単にドーピングなのでは?と思う私です。
生身の拳なら肉体が耐え得る閾値をそうそう超えないから競技が成立するわけです。そこに異常に発達した“義手”をもって殺傷力増す競技が機関拳闘ですからね。古代ローマでの猛獣出して一部ショー化した見世物だったらわかるんですが、一応、競技の体裁を保ちたいのならなんか違う気がします。
HP100・攻撃力20でやりあえば殴り合いの応酬を楽しめるのに、ナイフや拳銃装備して攻撃力100超えてると言えば妥当でしょうか。

 応酬より一撃必殺の居合い

これを楽しむ前提でしたらなんとかぎりぎり理解可能な機関拳闘のレギュレーションでした。
それなのに繰り広げられたのは“殴り合いの応酬”なのですよ。違和感は拭えぬままです。{/netabare}

{netabare}そして肉体と関係ないとこで生じるアンバランス(不均等)というかフェアネスの欠落。
開発費用(資金力)の多寡で機会の不均等が生じてます。そのへん『あしたのジョー』というより『下町ロケット』に近かったかもしれませんね。
戦争で片腕木っ端みじんになれば生活のために義手というのはわかるし、戦後なんだから片腕片足無い人もわんさかいるのもわかるとして、競技そのものとして見たらほとほと魅力がありません。
道具で左右される肉体のぶつかり合いに人々が熱狂するのってどうなんでしょう?
そんなんみんな嫌で、グローブに変なの仕込んだり、ドーピングしてみたり、ボディがヌルヌルしてたりしたら「ふざけんなっ!」ってなるわけですから。{/netabare}

{netabare}フォローしとくと、『ロッキー』のドラゴも肉体改造ソ連人の設定でした。完璧な敵役に不完全な主人公が立ち向かう構図はいいですよね。大好きです。ドロイド化しての殴り合いもドーピングのマウント合戦にしてみた、と捉えればよいのかもしれません。{/netabare}


とどのつまりこねくりまわさずボクシングでいーじゃん!
ここ気にならないか、目を瞑っちゃえばわりかし面白がれることでしょう。



視聴時期:2021年1月~3月 地上波リアタイ視聴

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2021.03.28 初稿
2022.01.03 配点修正 -0.1

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

NETFLIXにおけるこの作品へのコメントは「心温まるエキサイティング」

この作品の原作は未読です。
NETFLIXのオリジナル作品という点で、前情報が一つも無い状況で視聴した作品です。

第一印象は、「メガロボクス」にボクシングスタイルが似ていると思いました。
身体能力を向上させる強化外骨格ギアを身に着けたメガロボクサーたちによる、ボクシング以上に激しい格闘技メガロボクス…
「あしたのジョー」の連載開始から50周年を迎えたことを記念して制作された作品です。

本作品では義手など身体の一部を機械化しているので、ギアの装着とは設定が若干異なりますが、スタイルはほぼ一緒です。
因みに本作品はR12だそうです。
やっぱり激しく殴り合うシーンが多いからなんでしょうか。

ですが、視聴を始めた瞬間に感じたのは安心感です。
何故なら、キャストは何度も声を聴かせて貰っている声優さんばかりだから…
主要な登場人物は以下の通りです。

レビウス=クロムウェル(CV:島崎信長さん)
ザックス=クロムウェル(CV:諏訪部順一さん)
ビル=ウェインバーグ(CV:櫻井孝宏さん)
ナタリア・ガーネット(CV:あやねる)
A.J.ラングドン(CV:はやみん)
Dr.クラウン ジャック=プディング(CV:宮野真守さん)

超一流どころの声優さんがズラリ勢揃い…
どこをどう切っても見知った声ばかり耳に入ってくるんです。
これで滾らない筈がありません。

物語の展開も「あしたのジョー」チックでした。
弱小ジムから成り上がる物語…
体格は決してボクシング向きではない華奢な身体…
だけど、天性のセンスを武器に勝ち星を増やしながら、強豪と呼ばれる強者に勝負を挑んでいく…
ありきたありですが、この展開が一番盛り上がると思うので、王道ど真ん中の物語で逆に良かったと思っています。

面白いのが、本作品で描かれている究極の格闘技「機関拳闘」は、男女分け隔てなく試合する点です。
主人公のレビウスは若き闘士なのですが、あやねるやはやみん演じるキャラも若き闘士なんです。
あやねる演じるナタリアは最初レビウスよりも強かったですし、はやみん演じるA.J.ラングトンも大事な場面で登場する闘士でした。
だから女の子だからって甘く見ていると痛い目を見ることになるんです^^

ここまでレビューを書いて頭に浮かびましたが、R12指定になったもう一つの理由は、非人道的シーンが描かれているからだと思います。

グレードが上がるとファイトマネーも桁違いに跳ね上がるこの世界…
ですが強くなるためなら何をしても良い訳ではありません。
徹底的に身体を鍛え上げるまでなら問題ありませんが、人の道を外しちゃいけません。
でも、実際いるんですよね…
勝つためなら人の道を平気で踏み外せる人が…

本作品でもそんなシーンがゼロではありません。
見ていて胸が痛みましたけれど…

オープニングテーマは、「wit and love」
エンディングテーマは、「child dancer」
どちらも「謎女(なぞめ)」さんが歌っています。
この2曲でメジャーデビューされたそうですが、声質がムッチャ好みだったんです。
楽曲の雰囲気も良いし…
名前通り全貌が謎に包まれているとか…
ネットの噂通り只の新人という感じのしない方です。

1クール全12話の物語でした。
アニメーション制作は、ポリゴン・ピクチュアズさんなので、「空挺ドラゴンズ」並みのフルCGアニメが楽しめると思います。
原作の連載の方は未だ続いているみたいです。
こちらも続編が制作されるなら是非視聴したいと思えた作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 14
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

冴え渡る、ポリピクCG!!!!

ネトフリのアカウントを休止中なので、
地上波放送の第1話、リアタイで観終えました。

ポリゴン・ピクチュアズさんのCG作画が素晴らしいですね!

みなさんのご指摘のとおり、「メガロボクス」にちょっと似てるけど、
「メガロボクス」が強化外骨格を使う、近未来っぽいSF設定なのに比べて、
{netabare}こっちは機械文明や風景は20世紀前半頃の雰囲気で、
義手製造技術だけが異常に発達した、
ちょうど、「鋼の錬金術師」みたいな感じの、ヨーロッパっぽい世界。
それで、義手操作の動力源に蒸気機関を使っていて、
レビウスをはじめとして、戦士は義手での「機関拳闘」を戦うんですけど、
この義手の描き方をスチームパンクっぽい感じにしてるのが、{/netabare}
作品世界でのリアリティ、凄く強く感じられて、とにかく格好いい!


作品に影を落としている世界観の奥行きがありそうな感じとか、
キャラクターが声優さんとピタリとハマったキャラ立ちのよさとか、
それぞれの人物の過去や、人間関係が微妙にデリケートな感じとか、
とてもしっかり作りこまれている感じがして、
全部、凄く、いいです!

なにより、ポリゴン・ピクチュアズさんのCG作画が、
「亜人」の頃と比べて格段の進歩!
アクションの切れ味はいつも通りすごくいいんだけど、
日常シーンでも作画のクォリティが高くて、すごく綺麗です!
このあたりの蓄積が「空挺ドラゴンズ」での作画にも効いているのかも?
(制作時期は、レビウスの方が2019年で、先だったということです)


アクションも楽しめそうだし、
ストーリー展開も面白そうで、
次回の放送がすごく待ち遠しい・・・っていうか、
ネトフリを再アカウントして、一気視聴しちゃうかも!?です!!


視聴終了。
{netabare}戦争とか、科学と人類の距離とか、複雑な問題はあったけど、
そういうのは全部スルーしちゃって、
シンプルな友情と熱血のストーリーでした。
みなさんのレビュー拝読してて、「単純すぎる」というご意見が多かったの、その通りだと思います。

でも、
この作品って、
レビウスのキャラクターと、作画の美しさを、
ただひたすら堪能できれば、
それで十分だなって思うし、
そういう期待には100%こたえてくれていたと、
思うんです。
戦争の惨禍のせいで義手の人が増えてしまって、
でもそういう人たちがアスリートとして活躍する場が、
ちゃんとあるって、パラスポーツの精神ですよね?
それだけで、
私は十分おっけーだと思ってしまいました。

レビウスも、レビウスを取り巻く人たちも、とても素敵だったって思います!

お気に入りは、寡黙なレビウスらしく、
毎日早朝、ロードワークをし続けるすがた。
まんまアスリート、格好よかったなって、
そう思っています。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 19
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