スイーツで学園なTVアニメ動画ランキング 4

あにこれの全ユーザーがTVアニメ動画のスイーツで学園な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月19日の時点で一番のスイーツで学園なTVアニメ動画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

68.5 1 スイーツで学園なアニメランキング1位
小市民シリーズ(TVアニメ動画)

2024年夏アニメ
★★★★☆ 3.4 (190)
523人が棚に入れました
“たがいに助け合い、完全な小市民を目指そう。” かつて“知恵働き”と称する推理活動により苦い経験をした小鳩くんは、清く慎ましい小市民を目指そうと決意していた。 同じ志を立てた同級生の小佐内さんとたがいに助け合う“互恵(ごけい)関係”を密かに結び、小市民としての高校デビューを飾り平穏な日々を送るつもりでいたのだ。ところがふたりの学園生活に、なぜか不可解な事件や災難が次々と舞い込んでくる。 はたして小鳩くんと小佐内さんは、小市民としての穏やかな日々を手に入れることができるのだろうか。
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

追記 日常の推理では無いと思います。春から変装していた意味は?

追記 この作品はジャンルとして「日常の推理」ではないです。いや日常の推理なんですけど、本当の構造が隠れているといった方がいいです。これが逆転すると日常の推理としては…と言う評価になります。
 そっちではなく、小佐内さんは高校に入る前から「夏」の結末をある程度計画していたはずです。その証拠が変装です。それがこの作品の推理としての「構造」です。

{netabare} あるいは変装をしても危険な食べ歩きの安全保障のための小鳩だったのかもしれません。スイーツは本当は小佐内は一人で楽しむものだったんでしょう。スイーツを食べるとき小鳩にまったく興味を示していません。

 したがって「小市民」は小鳩をうまく巻き込むためのガワだったと思います。小鳩に男としての興味はないです。だから、中学校時代からの宿題が終わった瞬間、解散を申し出たと取れます。
 ですので、私はこの作品は小鳩に語らせた叙述トリック{/netabare}と定義しました。そこを「騙された」と視聴者として喜べるか。それが推理作品の味わいでしょう。


小佐内のキャラ造形が見事な作品。私は奴が大嫌いですけど。

 なんと10話で終わってしまいましたね。ラストの車が燃えるシーンをはじめいろいろについて言っておくとあれは「秋限定栗きんとん事件」です。なんだその中途半端な感じは…と思ったら2期やるみたいですね。25年4月から?なるほど…

 演出についてです。川を使った心象風景の使い方が正しかったのか?ですね。川に象徴するものがあったとしても宗教とか集団的無意識の共通基盤になっていなければ意味がありません。そこは効果的だったのかな?とは思いました。
動きがないアニメにしづらい作品なので動きを入れたのか、ご当地ものとしてそうしなけば風景の使いようが無かったのか。そこはやりすぎ感はありました。ただ、1話ほどの違和感は10話では感じなかったので見直せばそうでもないのかもしれません。

 作画は動きは少ないですけど良かったです。特に小佐内と小鳩の表情の作り方は小説の意図を上手く見せたと思います。キャラデザに関しては小佐内の目が赤いのも悪魔的で良かったです。全体がリアリティがある色彩のキャラデザの中で面白い工夫でした。

 作品の総評です。この「春・夏」までで一番出来が良くなかったのは「春」つまり教習所の事件の小鳩の動きです。小佐内の悪魔性も小鳩が推理する理由も弱すぎました。小佐内がピンチなはずなのに延々と行われた会話劇に違和感が残りました。
 ココア事件で見せた堂島の行為も姉の暴走による結果論ですが、小佐内と表裏になりました。小鳩の自己顕示欲を確認することができましたが、そこも「春」だけですと単発の出来がイマイチなエピソードとなり活きてきませんでした。

「夏」のシャルロット事件で小鳩と小佐内の関係性が明らかになったおかげで、誘拐事件における小佐内のキャラ性とか小鳩のラストの感情とかが非常に鮮やかになったし、推理としての完成度が上がりました。夏祭りのときの伏線の張り方も見事でした。変装の意味も春からの伏線だったことがわかり、なるほど計算はあったんだなとわかります。ですので「夏」があって初めて「春」の意味があるという構造でした。それは推理小説としてはどうよ?という感じはしました。

 アニメ版では当然この前半までの印象は同じですし、さらに冒頭の自転車盗難の時系列や状況を変えたことで不自然になりました。ですので前半の評価はやはり低く感じました。

「夏」は原作の出来が良いのはもちろんなんですけど、これだけの悪魔的なキャラを日常系の推理で出すこと自体が壮大な仕掛けになっています。

 日常系推理の始祖ともいえる北村薫氏はもちろんですが、似鳥鶏氏、坂木司氏、初野晴(ハルチカの原作者)氏などで小佐内に似たキャラはいたでしょうか?この点においてこの作品は評価せざるを得ません。三上延(ビブリア古書堂の事件手帖)のヒロインはちょっと同じ雰囲気はありますけど内面は全然違います。そしてアニメ勢だと米澤穂信氏の「氷菓」の千反田を先に知っているだけに、その衝撃は結構なものだと思います。原作でも「夏限定」は「クドリャフカの順番」の後だったと思います。

 推理の構造は{netabare}騙された小鳩が視聴者の代弁者となる「他人が語る叙述トリック」と私は捉えています。叙述トリックとは1人称の推理物語の語り部が実は犯人でしたというジャンルです。要するに「メタWHOダニット」なんですけどね。 {/netabare}これが見事だと思います。

 ただ、私はキャラ萌え派なんですよね。ポワロとかエラリークイーンとか外国勢はそうではないですけど、御手洗潔とか<私さん>とか、火村とか、有栖川とか、伊神とか、古くは栗本薫とか…そう見たときにこの2人…いや小佐内ですよね。推理の構造故に内面が見せられないという最大の欠点を抱えてしまいました。これはキャラ萌え勢からするといただけません。

 そして何と言っても私は本作をラノベ的に原作を読んでおり、主要キャラは善人であるという前提を欲していたんだと思います。少年のマインドで読んでいたといってもいいでしょう。いや死ぬかと思いましたよ。小佐内=幼いで、これも原作者の仕掛けた名前遊びなんでしょうか?そこに潜在意識的に仕掛けられた気もします。

 それが本作が嫌いな理由でした。あまりに読む気が起きなくて、「秋」を読んだのは買ってから10年以上たってから「巴里」が発売されると聞いてやっと読みました。結構なトラウマだった記憶があります。

 長くなりましたのでこれくらいにしますが、「夏」の出来は出色です。アニメ版も良かったです。ただ、やっぱり小佐内は嫌いです。なお「秋」にはもっと本領を発揮してくれます。







1話 【悲報】小佐内さん≠千反田える 「夏」で切るのは最悪では?

{netabare} まさかこのシリーズがアニメ化されると思っていなかったので、アニメ化発表のときに驚きました。このシリーズ、春・夏の読後感がちょっとなあ…という感じだからです。

 氷菓の千反田えるのようなキャラを望んでいる人には【悲報】ですが、小佐内さんに萌えられる人はそうはいないと思います。私は、推理小説は大好きですがキャラ萌えとして楽しむところがあるので、本作は「夏」まで読んで「秋」は買うだけ買って積ん読で手が出ませんでした。確か「巴里」が出るタイミングでやっと「秋」を読んだので10年以上放っておいた感じです。

 それくらい心が離れていました。結果的に「秋」を読むと展開に仕掛けがあるのか…と思いましたが、しかし「秋」はこのペースだと多分アニメ化できないでしょう。「夏」までで大丈夫か?と心配です。そこもネタバレになるので言いませんけどね。

 アニメ本編ですが、キャラや雰囲気の再現性は…うーん、ちょっと綺麗に描きすぎというか、無駄に心象表現をしすぎというか、冗長というか…そんな感じです。
 なお、主人公の家は和菓子屋設定なのでしょうか?これは原作ではなかったと思います。小佐内さんって和菓子苦手だっけ?と思いました。もう1回読み返さないと思い出しません。あとは時代的にスマホがあるとラブレターのニュアンスとか20年前と違うよね?など、細かいところは気になりました。

 追記 ああ何か事件の日の2人の動きに違和感があると思ったら、原作読み返したら、当日の目的はクレープ屋さんで、イチゴタルトは違う日なんですね。そこはちょっとアニメ版は行動として無理があったかなあ?{/netabare}


2話 日常系推理のエンタメとしての難しさと不自然さがモロに出ました。

{netabare} いくらなんでも…という回でした。わずか35ページの原作を1話にしましたか…さすがに眠くなるようなテンポの悪さです。

 そもそも、シンクにスプーンの謎かけはいくらなんでも無理があるのは、小説からでした。無理があるというのは、堂島というキャラからいって、その謎を仕掛けるのが不自然だからです。
 ヒントを要素に分解して、謎に気が付くように、解けるように、ただし簡単になりすぎないように難易度の調整をしながら仕掛けるには、常悟朗と同程度以上の頭の使い方が必要です。それは堂島のキャラ造形や言動から言って不自然です。

 そして、日常の中の謎というのはこの無理の連続です。そして、これは本格派推理のジレンマで、パズルを作ろうと思うと、話は不自然になります。ですが、それは本格派小説のマナーみたいなもので、小説ならこういう不自然な話も「そういうものだ」として楽しめます。

 まあ、これは「たまたま堂島のずぼらが作った意図しない謎」という話ととるんでしょう。今度は姉がそこに謎を見出したという不自然さは残ります。堂島のキャラをよく知っているはずですし、一般人にそんな気づきは普通ないでしょう。けど不自然さはマイルドにはなります。

 そして、堂島の意図でないとすると次に別の不自然さが発生します。わざわざ2人を呼び出してココアをふるまった意味がなくなるし、ココアの作り方をレクチャーする意味がメタ的に考えて意味を喪失します。
 推理小説に「無駄はない」の法則から言って、ココアの作り方をわざわざ説明した流れからは謎かけととるべきだと思います。ですので通常なら読み取るならやはり「意図した謎」ととるのが自然でしょう。

 ただ「あんのずぼらが!」のセリフがありますので「意図しない」方にはアニメの解釈は寄せています。そしてそうなるとこの1話が丸々不自然な1話になります。堂島は本当に常悟朗と小佐内を呼んで話がしたかっただけ?


 追記と修正 ここはさっき改めて原作を読んでから件のシーンを見返しました。今回は「ココアの解き方のようなつまらない話を延々と聞かせて反応を見た」という読み方が正解な気がします。ここは私の読み間違いがあった気がします。
 ただ、その行動自体が人間として不自然だし、堂島というキャラの性質上「ココアの入れ方」という話題をチョイスし、反応をうかがうようなことをするのがキャラに合っていない気もしますけど。むしろ単刀直入に聞くでしょう。

 で、これは別の視点なのですが、小学校のころの友人と高校で再会して、キャラが変わった。大きな何かがあったのか?と思う感覚です。普通中学時代の変化は大きいでしょう。変わらない方がおかしな年ごろです。
 むしろ再読してこっちの方が不自然には感じましたが、それだけ常悟朗がインパクトがある少年だったという意味だとは思いますので、この辺は計算があるのでしょう。
 日曜日に家に呼び出して問いただすというのは普通ではありません。つまり「ココアの作り方」の謎を作るためのちょっと無理があるシチュエーションな気はしますが。

 それと小佐内さんを一緒に呼び出す理由は弱い気はします。こういう話をする際、同行者は邪魔なんじゃないかと思います。その点では原作と構成を変えて、小佐内さんが堂島の持ちかけた謎を問いたという話を飛ばした故の不自然さでした。

 いずれにせよ、人間の一般的な言動からは無理があることに間違いはないでしょう。それが日常系推理の不自然さで、今回は見ていて推理のための舞台装置感が非常に強かったです。故にいくら作画が良くても、何を見せられているんだろう?という感覚が強く出ました。

 これは本作に限ったことではありません。ただでさえ日常の謎の推理ものには不自然さがあります。
 ですが、それは小説故に読めるのであって、アニメにしたときのなんと無意味で冗長なこと…その点でやっぱり「氷菓」の出来は良かったんだなあとあらためて思います。

 まあ、小佐内さんの本質が見たいので、そこのポイントはチェックすると思いますが、どうしようかなあ…視聴断念のボーダーライン以下ですが、そこが気になるので、飛ばし飛ばしの視聴継続でしょうか。{/netabare}


3話 制作の解釈と演出は?小佐内さんの本性をちゃんと描けているのか。

{netabare} なるほど、小佐内さんのダークサイドをそう描きましたか…テストの件と連続させたのは、スイーツにかこつけて常悟朗を呼び出す。小佐内さんに推理力はなく常悟朗に推理させる。スイーツをたらふく食べることで自分を押さえる…ということでしょう…か?ここが原作からの疑問でした。

 スマホ(原作だとケータイ)を忘れてきた…というくだりですが、小佐内さんがもし常悟朗に推理をさせようと意図したのだとしたら、ここはちょっと不自然です。常悟朗が学校に戻り現場検証するのが偶然になってしまいます。少し違和感があることろです。

 メールの内容が「話がある」から始まっているなら、小佐内さんの計算ととれるんですけど「ケーキ食べたい」から始まるこのメールの流れだと本当に小佐内さんはやけ食いを意図していたことになります。偶然の流れととるべきか、意図ととるべきかで随分解釈は違います。ただ、2人の約束に縛られて「ケーキ食べたい」がつまり話があるという意味なんでしょうけど。つまり、スマホを忘れて学校に戻る部分はどうやっても不自然にならざるを得ません。

 結局、小佐内さんは常悟朗に対して未必の故意で、推理することをかなりの蓋然性で見込んでいたのでしょう。そうじゃないと、場合によってはテストの件でも復讐するという緊迫感がなくなってしまいますので、そこはいずれにせよ小佐内さんは推理をさせたし、常悟朗は推理をした、ととるのが正解なんだと思います。

 前半でのちょっとした出来事は、小佐内さんは我慢が出来ないことに対しては復讐する、ということですね。

 で、本作のターニングポイント…小佐内さんの笑顔です。いままで無表情だったことの意味を我々はここで知ることになります。もっと素直な笑顔でもよかった気がしますが、そこは解釈ですから少し狂気をはらんだ笑顔というのも理解はできます。

 ただ、ここが大事ですが小佐内さんの本性はむしろ復讐にある、ということが表現できていたかどうかです。あのシーンで一番大事なのはスイーツのときよりも嬉しそうに笑うことではないか、と思ったんですけどどうでしょう?そうなると前半のケーキバイキングのシーンで笑顔が全くないのは演出としていただけません。小佐内さんの狂気が表現できているか?初めての笑顔と、笑顔の違い…演出はどちらが正解なのでしょう?


 そして、原作だと「私有財産の保全」のセリフのところで笑顔を消しているんですよね。復讐のネタを見つけたことに喜び笑顔になって、それを止めようとする常悟朗に対して真顔になることで自分の中にある怒りを再度認識して真顔になる、ということだと解釈しました。ですから本作の「私有財産の保全」のときの小佐内さんの心の動きはちょっと解釈が違うんじゃないかな、と思わなくはないです。


 瓶が落ちる話のトリックですけど、確かに原作では氷やドライアイスの可能性に言及していましたが、特にトリックの明示はありませんでした。本作のあのトリックは証拠を残しています。そこで「濡れ衣」という原作にはないキーワードをアニオリでつけました。原作は純粋にカンニングのため、本作は教室内に悪意があることを示唆しました。この違いに意味があるのでしょうか?

 あと細かいところですが、前半の2人がケーキバイキングの店で並んで座っているのを外から見たシーンで、4分15秒くらいのところは2人のつながりが画面的におかしい気がしました。まるで省略があって何メートルも離れているみたいに見えました。それが本作の演出だと心象なのかともとれるのがややこしいですけど。

 今回は省略もあり随分テンポ良く進みましたが、全体的に小佐内さんの心の動きと本性をちゃんと描けていたか?が、非常に気になります。画面は非常に綺麗なのですが、推理小説ではありますが…特に心理…いや小佐内さんの本質が大事なこのシリーズの前半の根幹ですから、そこは監督・シリーズ構成・演出の人たちはどう考えたのでしょう?OPで狼と狐の絵を見せるだけ?

 それと橋…川の演出はどうなんでしょうね?心象で意味を込めるにしても、ちょっと読み取りづらいかなあ。{/netabare}


4話 この作品の最大のトリックは何か?

{netabare} 本格推理的な雰囲気でありながら、すべて状況証拠の積み上げなので推理としてどうなのか?という点については氷菓も一緒です。ただ、その状況の提示の仕方が、すべて小佐内さんの自転車だよりになってしまったので、非常に不自然になりました。タルトの件、空き巣事件で都合よくナンバーを目撃された件(しかも印鑑が盗まれた…といろいろ調べられたりする)、そして教習所が特定できた件です。

 ただ、重ねて言いますが日常系の人が死なない推理小説は、えてしてそんなものです。捜査ができない以上はそうなざるを得ません。ですので、そこは保留でいいでしょう。小佐内さんのヘイトをためるにも必要だったでしょうから。

 ただ「春限定」の最大のトリックは何か?それは小佐内さんの見た目と内面のギャップです。スイーツの題名でふんわり甘いものを想像して小説を手に取ると、常悟朗の推理ものとして見ていると、最後は実はキャラの性格造形でだまされるというのが本作が読者に仕掛けたトリックです。

 そう考えたとき「春」の不自然なのは推理ではありません。常悟朗が「小佐内さんが危機に陥っているかも」と焦るというところが不自然なのです。小佐内さんが狼と言い切れるほど、狐の常悟朗は「本性」を知っているのに、復讐において小佐内さんがドジするという心配をするというのが作品のカタルシスを減らしたなあと思います。

 ここは小佐内さんの怒りや高校という年齢から言って、どれだけ悲惨な復讐が成し遂げられるか、を心配するくらいでちょうどよかったと思います。本来2人は頼られたら何とかする同盟であって、心のつながりが希薄という前提まで崩してしまいます。
 これは堂島を相手に推理を語らせないと推理として成立させられないからだとは思いますけど。

 それと小佐内さんの復讐に「わからせ」がないです。題名に冠したいちごタルトと自転車泥棒の報いだ、というのが坂上は知ることができません。これを復讐の完遂と呼んでいいかどうかです。

 自転車にまつわる事件を連続させた工夫は感じます。が、最終的には「小佐内さんの内面の恐ろしさに驚愕するミステリ」が本作「春」段階ではそこの描写が弱いので出来損ないの「氷菓」に見えるのでしょう。「氷菓」は各事件の解決の下に潜む人間性・隠れた動機が実は最大のトリックで、さらに作品を通じて主人公が覚醒する話です。その氷菓における隠れた動機に対応する「小佐内さんの本性」の描き方が「春」だけですと非常に弱く、故に面白さが中途半端です。

 それをアニメにしたから、まあ、こうグダグダになったのでしょう。特に3話の小佐内さんの描き方が弱すぎるなあと思いました。ただでさえ短い「春」の話を削った影響もあるかもしれません。

「夏」の方がその意味では本番です。1クールで4話しか「春」に使わないのは当然、主軸は「夏」ということです。推理小説ものなので最後まで見ますけど、やっぱりアニメ化に向かない上に、制作が見せ方をちょっと間違えたのかなあ…という気がしなくはないです。{/netabare}


5話 シリーズの中で出来が良い作品。冬服に戸惑わない方がいいです。

{netabare} この「伯林あげぱん」の話は日常系推理としての出来が良く、与えられた素材から推理される内容もその推理が必要で小鳩が巻き込まれる過程も、自然に描けていたかなと思います。「氷菓」の面白さに匹敵するコミカルな感じも良かったと思います。

 そして、小佐内ゆきというキャラの性格というか行動原理が適格に表現されていて、そこの使い方が見事です。話の導入として読者の疑問を掻き立てるのが非常に上手かったです。加えて堂島が新聞部ということも活用できています。

 ただ、少し画面から違和感を感じないでしょうか?5月の設定なのにどう見ても冬の印象を持つ作画、美術、色彩になってませんか?
 直接推理にも話の面白さにも引っ掛からないのでネタバレすると、本話は「巴里マカロンの謎」に収録されていて、時間軸でいえば1年生の冬になります。(追記 さっきまで2年の冬だと思ってましたが、原作確認したら間違っていました)

 この話は本来原作では1年生の年末に近い時期の話で、「春季限定」と「夏季限定」の間の話になります。それがアニメだと小鳩はいきなり2年A組になっています。春と夏の間という時間軸は変わらないのですが、部室のホワイトボードは「5月」と表示されています。つまり、無理やり2年生の5月の話だと改変しています。
(追記 そうそう、なぜ仲良くなさそうな新聞部でこんなことをしたかと言えば、原作では年末の取材の一環でした。ベルリーナー・プファンクーヘンはドイツでは大晦日または2月の謝肉祭に食べられることが多いそうです。それは調べないとわからないのでまあいいでしょう)
 
 話そのものに影響はないのです。ですが、5月なのに画面が寒々しく全員がきっちり制服を着ています。部室の窓もしまっています。午後4時45分なのに夕日になっています。つまり、冬のつもりで作っている人、5月のつもりで作っている人が混在しているような不思議な画面になっています。これは何か事情があるのでしょうか?

 その画面上の不自然さはおいて置いて、これを説明というか何もなくいきなりここに差し込むのは、アニメとして効果的かどうかは疑問です。まあ、これから「夏季限定」が始まるので2年生にいきなりなっていると戸惑うので、無理やりここにいれたのでしょう。ただ、アニメとして説明が不十分すぎます。

 と、アニメの画面の印象と、シリーズとしての説明の工夫にちょっと疑問は感じますが、そうは言ってもこの1話は大変面白い話でした。キャラたちの性格が悪すぎるのは相変わらずですけどね。{/netabare}


6話 この話は面白いですが、単なる小休止のエピソードでしょうか?

{netabare} 冒頭のお祭りのシーンは原作でもわかりづらいというかはっきりとは確定できないのですが、「会いたくない人」に意味深長なものを感じたのですが、その辺は伏線だと思います。あえて自転車で来たと嘘をついたのは{netabare}「自分は見られたくないけど、相手の顔が見たい」 {/netabare}という小佐内さんの事情が原作では小鳩によって推理されますが、アニメではありませんでした。綿あめも本当に食べたいのもあるでしょうが、 {netabare} 顔を隠す {/netabare}という意図もありました。
 ですが、本作アニメではそこをサラリと流しました。推理としてフェアかどうかはアニメ制作者は考えた方がいいと思います。

 それとこの祭りのシーンで「春」では表現しきれなかった、小佐内さんの本質ですね。小悪魔的ではなく悪魔的に、完全に小鳩の内面を翻弄しコントロールしている感じを描くシーンだと思うのですが、そこがちょっと弱かったかなと。

 そして原作で明確でないのがこの時点で小鳩は小佐内さんをどう思っているか?なんですよね。「春」の教習所の件から、互恵関係と言っている割に小鳩は小佐内さんに甘い感じです。そこに恋愛を見出すことはできますが、それはミスリードでしょう。

 このシャルロットで言いたいのは、小鳩の側でも本当は推理を披露する機会が欲しくて、小佐内さんを利用しているということでしょう。小佐内さんがほぼ唯一のその性癖の理解者です。ですが、小佐内さんはそれが分かって小鳩を利用し支配しているというのが、この祭りとシャルロットで描かれたのかな、と。

 それとまあ、これはネタバレですから隠しますが、 {netabare} この構造が「夏」の大きな仕掛けになります。この6話は「5話と同じく出来がいいちょっとしたショートストーリー」…では無く「夏」事件のキャラ造形としての伏線になります。{/netabare}
 こういうところが「春」に比べて「夏」の方が話としては進化したかな、という部分です。

 演出について。シャルロットのパートなんですけど「何やってるの、小鳩くん」は、心象風景ですね。こういう演出が分かりやすいかどうかはちょっと考えた方がいいかもしれません。
 あと、ネタバレになるので詳しく書きませんが、箱の中のレイアウトはちょっと原作と違うニュアンスになっています。{/netabare}


7話 小鳩と小佐内の表情をどう読み取ったかを覚えておきましょう。

{netabare} ハンバーガーショップの地図の件は、原作だと謎になっていたんですけど、画面でみると成立してなかったですね。どう描くかをちょっと楽しみにしていたんですけど、演出が付いて行ってなかった気がします。
 一方今回の小佐内さんの変装は笑ってしまいました。ついでに、なぜいつも変装しているのかも明言はされてないですが、そこを考えても面白い気がします。

 1話で小佐内の好みを「和菓子ではなくバターとブランデーが効いた濃厚な甘さ」的なものと言ってしまったが故に、鋭い人は小佐内のスイーツに綿菓子とかリンゴ飴が含まれることに、何かの仕掛けか?というアニメ独自の読み方ができてしまいますね。制作スタッフが意図的に入れたのか、何となく入れたのかが良くわからないセリフでした。

 あと、7話の小鳩の表情はそれでいいのか?という気がしなくはないです。ちょっと私の解釈とは違います。一方で小佐内の表情は私と同じ解釈かな、という気もします。小鳩の表情を本作アニメ版のように捉えると、結末がもっと楽しくなると思うのでそこはなるほどな、と思いました。

 この表情についてはアニメでは意図的にかなり丁寧に作画していたと思います。6話の構造と合わせてしっかりとチェックしておきましょう。そして7話の印象を最後まで忘れないようにしましょう。{/netabare}


8話 さて、前提が終わりました。ここからが最大の山場です。

{netabare} かなりあっさりと誘拐事件を描きましたね。原作からして薄めの本ですので、描き方のテンポとしては悪くない気もします。もうちょっとヒリヒリさせるよう、ここは引き延ばしても面白かったかもしれません。

 で、誘拐事件の本編はこれからです。楽しみに待ちましょう。私はこの作品が大嫌いですが「夏期限定トロピカルパフェ」という作品の出来の良さは認めています。夏祭りとシャルロットの味わいが活きてきて、見事な推理小説的な展開と構成でした。

 トリックの種類は ※ネタバレ注意※ {netabare} 他人(小鳩)が語る(小佐内)さんの叙述トリックという感じです。小鳩が8話で行ったことは、そういうガワで見えているという表面上のものだけで、これに視聴者はだまされます。

 注意。具体的内容。{netabare}事件そのものは犯人が引き起こしたものですが、それを事前に察知しその事件を監禁・暴力事件から営利目的の誘拐事件という非常に重い罪に見せかける復讐を小佐内さんが仕掛けます。
 その仕掛けの片棒を担ぐことを小鳩が誘導されて意図せずに行ってしまいます。最大の犯人が小佐内さんだということです。その意味で「春」事件のときの小佐内の描き方が弱いので夏のカタルシスが弱くなるなあ、と思っていました。

 変装の意味、なぜ夏祭りのとき顔を見られたくない相手の顔を見たかったのか、シャルロットのときの小鳩の事件を解決したい心理を小佐内さんが確認したこと、小佐内さんとの関係性に顔を緩める小鳩の表情、逆にそれを知った小佐内さんの悪魔的な表情、なぜ事前に地図の場所を把握できていたのか、小鳩に地図を事前に見せたのか、なにより最大のトリック「小市民」という単語の我々のこざかしいイメージの回収。

 つまり、本作は小鳩VS小佐内であり、小鳩が小佐内の手のひらの上で踊る話です。さらに言えば小市民という人を馬鹿にしたような自分たちの小賢しい考えに気づき、関係が破綻する話です。ですので、6話で小鳩がまるで小佐内のことが好きなような表情を見せたことが効いてきます。苗字に小が付くのも原作者の悪意を感じます。この辺、本当に素晴らしい仕掛けでした。{/netabare}

{/netabare}

 こういう感じですので、肝心なのは次回です。事件の説明の中に潜むいろんなものを理解してこの作品の「味わい」を拾いましょう。何度も言いますが、私はこの小説が大嫌いです。

 これが、この作品の1話でレビューした小佐内≠千反田えるの意味です。今のペースだと9話か少しじっくりやって10話くらいで終わる感じですが…それともいろいろアニメだと私が本作原作を嫌いになる理由に何かアニオリが付いて意味を変えてくる可能性がある尺ですね。

 以上のような話です。せっかくここまで見た人は、最後まで見ることをお勧めします。 {/netabare}



9話 出来はいいですが、小説の面白さとキャラの魅力のバランス問題。

 というわけで、この展開は素晴らしいと思います。一方で推理小説に関してはキャラ萌え派の私にとっては最大の裏切りでした。だから、この作品の出来の良さは認めても、嫌いな小説ということです。

 今回アニメ化にあったって、小佐内さんの内面が見えないことが最大の面白さになるわけですが、そこは小鳩を語り部にすることで結構うまく機能したかなとは思います。しかし、それゆえに本作の魅力、キャラの魅力という点で物足りない部分になっていました。
 特に「春」においては「それだけ?」という感覚が強いので引きが非常に弱かったです。ただ、この9話までの部分を仕掛けた「夏」は推理というより小説の展開として高く評価したいと思います。

 小鳩常悟朗って結構不自然な名前ですよね…多分結構悪意があると思います。「小さな鳩で、常に悟る」です。「朗」の意味はいろいろですけど、ほがらか、明るい、声が高らか。つまり「さかしい小さな鳩がさえずっている」とも取れますから。

 そして、小説の小佐内は大っ嫌いですけど、今回小鳩の描き方が賢しさとか、にやけた表情とかが上手かったので、小佐内のキャラが結構魅力的に思えました。その点ではアニメ化の意味はあったかなと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 21
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

小市民の星

ラパントラック制作。

清く慎ましい小市民を目指す小鳩と小佐内、
平穏な高校生活を望むも、推理の得意な、
小鳩の元には様々な事件や災難が舞い込んでくる。

涼やかで綺麗な映像描写とちょっとした推理劇、
実写ドラマを意識しているそんな印象も受けますが、
静かなメインキャラは疲れないので良いです。

少年と少女、不思議な関係ですね。
{netabare}穏やかな時間を享受し、互いに助け合い、
完全な小市民を目指そうって!?
ここらあたりは、善意に解釈しましょう。{/netabare}

季節感溢れる青春×学園ミステリー、
素敵な作品になればと期待しています。

5話視聴追記。
新聞部部室での伯林あげぱんの謎解き、
{netabare}冒頭の小佐内の描写に見事に落ちもついて、
良くまとまった楽しめる回となっています。{/netabare}
 
最終話視聴追記。
娯楽性は乏しいのかも知れませんが、
文学的な会話劇、最後はお見事でした。

{netabare}水面下で遂行される過去の因縁への報復、
誘拐されることにより相手を罰し社会的に葬る、
用意周到なおそるべし少女の思惑が完遂する。

これで2人の関係は解消されたのでしょうか、
小鳩が選んだポップコーンの味は甘くない塩味。{/netabare}

続編を楽しみに待ちたいと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 34

はろい さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.4

このアニメの原作は氷菓と比べるものではありません。

どちらも面白いところがあり大好きです。

ただ、氷菓はアニメが成功しましたが、
小市民は今のところ受け入れられません。


観るつもり無かったのですが、挑戦もしないで否定するのが嫌なのと、
観た人に遅れをとってしまうのが嫌なので観てみました。

箇条書きです。
・小佐内さんの声がイメージと違い過ぎる
・キャラデザが好きではない
・OP・EDやSNSでの告知、アニメの雰囲気がバラ色過ぎる
・PVで観た小佐内さんに違和感がある


淡々とした世界に小鳩君と小佐内さんとスイーツが並んでいるのを求めていたので、一度断念して時間が経ったらまた挑戦してみます。


原作は原作、アニメはアニメとして考えるなら、キャラ、音楽、雰囲気の時点で観ても無いです。
特にPVの「一番大切なものって」の部分の雰囲気が気持ち悪くて無理です。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 2

74.3 2 スイーツで学園なアニメランキング2位
食戟のソーマ 餐ノ皿(TVアニメ動画)

2017年秋アニメ
★★★★☆ 3.7 (392)
2053人が棚に入れました
実家の定食屋「ゆきひら」を手伝いながら料理の腕を磨いてきた幸平創真は、
超エリート料理学校「遠月茶寮料理學園」へと入学する。
創真は学園で様々な料理人たちと出会い、成長を続けるなかで
「自分だけの料理」を模索し始めていた。

実際の料理の現場へ赴き実戦を学ぶ
カリキュラム「実地研修(スタジエール)」で
さらなる経験を積んだ創真は、
“これまでの自分(ゆきひら)”を破ることで、
新たな“「ゆきひら」の料理”へと辿り着く。
実地研修の課題もクリアし、また一つ成長を遂げたのだった。

実地研修を終え、食戟でさらなる研鑽を重ねる日々を送る創真は
「紅葉狩り会」の場で、ついに相見えた
学園の頂点、遠月十傑にも勝負を挑む。

創真が十傑と勝負するために目をつけたのは、
遠月恒例行事である学園祭――その名も「月饗祭」。
毎年50万人が訪れる怪物イベントで、彼は何を起こすのか!?

一方、その裏ではある人物による計画が動き始め――?
創真の新たな戦いが幕を開ける!

声優・キャラクター
松岡禎丞、石田彰、伊藤静、釘宮理恵、花澤香菜、梶裕貴

Dkn さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

なんだ?音がついた紙芝居か?

4話「若き獅子たちの群れ」

この話で集まるメンバーにはトキメキました…。

集まったのが創真に影響を受け
変わることの出来たメンバーなのですよね。
各人のドラマの蓄積が爆発する回。

食戟のソーマでは脚本のセオリーを用いた組み立てや、
人物のストレートな性格付けをやることが多い。
予測が立ちやすいが、見合うだけの感動や高揚を
与えてくれる心地よさがある。そう考えてます。

少年誌最前線でバトルや恋愛を軸とせず
人間ドラマやジャンル特有のお約束で戦う食戟のソーマが、
シーズン3のような話の筋へ向かった事は納得してます。

惜しむらくはカタルシスへの準備段階が長すぎるのと
群像劇に新キャラクターたちの敵対勢力が出たことで
ゴチャ付いた状態で分割2クール後編へとなった事。
多少の不満はあれど面白いのに変わりはなく、
後半も楽しみにしてました。


“それよりも”気になる部分があって、

一見すると気づきにくい問題が起きていました。

1期の頃はたとえキャラクターデザインや一枚画の
崩れがあろうと動かそうという気概や臨場感があった。
引きの画やバックショットに、細かいカメラワークを用いて
画面を構成する工夫や動きの芝居が見られたのです。

「餐ノ皿」は、比べないと気にならない程度でしょうが、
カットの省略と止め画の多さが目立ってしまいます。

表情を際だたせるために顔をアップにする時、
止めたまま動かさず数秒そのままにしたり。
動きの間を補完するカットを少なくしたり、
固定撮影、バストショットを多用し口パクや
PAN(画面スライド)で誤魔化す部分も2期より多い。

スタッフが殆ど変わらないのに何故かと思いましたが
原画に拘り、丁寧に見せる分のツケなんでしょうか?
分割2クールなのも何か関係があるかもしれませんね。

料理アニメのセオリーと美麗な絵を再現出来てれば
他はいいのだと“味をしめた”ようにも見えます。

料理作画監督なる限定的な役職があるのですけど、
その点に関しては分けてあるだけあって良いです。
というより止めの画は全部綺麗でした。だから分かり難い。

予算組が決まっているので、止めたぶん他で動かしたり、
一枚画でも湯気や飛び散る汗など人物意外の動きを使い
画面を構成するような、工夫だとみられる部分は
TVアニメーションにおいて重要だと思います。
寧ろ感心する部分・・・。でも・・・

客をだます為の演出の放棄で、デザインに拘った末の
“妥協”なんだとしたら少し気になりますね。

よく動くやら動かないの問題では無く、
ドラマの構築で重要な演技を削ぐのはいけない。


なんて言いましたが好きなんで、今期も楽しむぞ!

投稿 : 2024/11/16
♥ : 15

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

田所恵(たどころ めぐみ)の嫁力炸裂。

週刊少年ジャンプ掲載の『食戟のソーマ』が原作。第3期目ということで、「餐ノ皿(さんのさら)」。

第2期目まで薙切えりな(なきり えりな)役が種田梨沙さんでしたが、今期はOVAでも起用された金元寿子さんに変更となっています。収録時の種田さんの体調不良によるものでしょうが、キャスト再交替はないかもしれませんね。

現在、第2話まで視聴済み。

父親に課された料理修行のために遠月茶寮料理學園(とおつきさりょうりょうりがくえん: 通称「遠月学園」)に入学することになった幸平創真(ゆきひら そうま: 通称「ソーマ」)と学園の生徒たちによるお話です。

食戟の設定が「料理バトル」そのものであるせいもあってか、相変わらずOP主題歌がバトルものみたいになっています。

料理を食べた人間のリアクションこそエロかったり人間離れしてたりしますが、料理自体は意外と穏当でものによっては「作ってみようかな」と思える感じです。

創真(そうま)くんの料理人としてのバックグラウンドが「大衆食堂」っていうあたりとも関係があるかもしれません。

・遠月学園では料理が上手いものが偉い
・学園内で揉め事は「食戟(しょくげき)」と呼ばれる料理対決で解決
・その他、遠月学園の料理人育成プログラムとしての課題やコンテスト

といった要素で安定のストーリー運び。今期は月饗祭という学園祭的な行事での模擬店出店における売り上げバトルでスタートです。

タイトルの「嫁力」については、ぜひ本編をご覧ください。

2017.12.20追記:
事実上の分割2クール構成でしたね。次が4月からということなら、一息入れて立て直しといったところでしょうか。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 30

四畳半愛好家 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

魅力的なキャラ達が織りなす 料理『バトル』アニメ第3期!

 料理バトルアニメと聞けば、最終回が悪い意味(主観)で印象に残ってしまった「焼きたて!!ジャぱん」が真っ先に思い浮かぶ世代の自分ですが、未だに「ミスター味っ子」が一番有名でしょうか。「飯の時間」を描いた漫画やアニメがトレンドになっている昨今でも、案外料理バトルアニメって多くない気がします…。

 そんな料理バトル作品の中でも、本作「食戟のソーマ」は屈指のレベルの作品と言えそうです。

 飽きさせない変化の富んだ展開、定期的に訪れる熱いシーン、魅力的すぎるキャラクターたち…。絵柄のクオリティーも高く、凝りすぎて味が想像しづらい料理も多いですが、なかなか美味しそうに見えます。料理学校という特性を活かし、スパイスや薫製など、様々なジャンルの料理を描けている点も良いです。

 今後「料理バトル」で、本作を越える作品は出てこないのでは?なんて思えるほどに、レベルの高い作品だと個人的に思っています。最後までこの勢いを保てたら、間違いなく名作と言えるでしょう!
(「焼きたて!!ジャぱん」の失速と投げやりなラストが若干トラウマとして残っています…。)

 特にキャラクターの魅力は随一です!主人公の格好いいシーンも多いし、ヒロイン達も可愛すぎて一人を選べないレベルです。えりな、田所、アリス、緋沙子…誰が人気なんでしょう?
 男性陣だと、一式先輩が特に好きです。声は櫻井さんだし…懐が深くて、どこかミステリアスな感じがあるところが良いです。 
 やはり「料理の出来る男」は格好いいし、「料理の出来る女」は天使ということか…。
 (ただ、リアルだと、出来すぎる人は面倒くさいですけどね…)


 ただ、本作について敢えて苦言を呈すと、料理シーンががっつり入っている回ほど退屈に感じてしまった点が残念と言えば残念。
 結局、戦いまでの熱い展開や、魅力的なキャラ達の掛け合いが楽しい作品なんですよね…。

 ともかく、男女問わず万人にオススメ出来る良作シリーズなので、1期から観てみたら良いと思います!!
 「焼きたて!!ジャぱん」と異なり、最後までぶれずに最終回まで駆け抜けてくれ!(しつこい)

投稿 : 2024/11/16
♥ : 10

67.6 3 スイーツで学園なアニメランキング3位
夢色パティシエール(TVアニメ動画)

2009年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (134)
656人が棚に入れました
ケーキを食べること以外、何のとりえもないと思っていた14歳の女の子・天野いちご。やりたいことさえ見つからない毎日の中、聖マリー学園の講師・アンリ先生との出会いが、いちごの運命を変える。\n『おばあちゃんの味を再現したい!』\n初めて見つけた夢――それを叶える為に聖マリー学園へ転入したいちごに、伝説のスイーツ精霊との出会いが訪れる!\n腕はまだまだ初心者で失敗の連続だけど、いちごはお菓子作りへの想いと努力で一歩ずつ階段を登っていく。

声優・キャラクター
悠木碧、竹達彩奈、岡本信彦、山岡ゆり、浜添伸也、飯野茉優、代永翼、三澤紗千香、岸尾だいすけ

シャベール大佐 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

お菓子とイケメンに囲まれる主人公

スイーツが大好きな中学生の少女・天野いちごが、菓子作りの専門学校に転入してパティシエールを目指す物語。全50話。
日曜朝に放映されていた女児向けアニメですが、とても面白かったです。
主人公のいちごは、ドジでおっちょこちょいだけれど、あかるく前向きな頑張り屋。お菓子作りの経験は少ないけれど、豊かな発想力や繊細な味覚などの素質は持っているという、まあ王道の主人公といったキャラです。また、いかにも女児アニメらしく、「スイーツスピリッツ」という小さな精霊たちも出てきて、これがとてもかわいらしいです。ちょっと変わっている点としては、親友の女の子キャラのポジションが影が薄く、普段いちごと一緒に行動するのは「スイーツ王子」と呼ばれるイケメン同級生3人で、逆ハーレムのような組み合わせになっています。本格的な恋愛とまではいきませんが、主人公以外の部分も含めて意外と男女の関係が物語の筋に絡んでくるので、少女漫画色もそこそこ強い作品かもしれません。
物語的には、パリ行きを賭けたトーナメント形式の大会などもあり、中には卑怯な手を使って主人公たちを苦しめる相手などもいて、なかなか熱い展開になったりもします。また、当然ですが毎回いろいろなスイーツが登場して、その作り方やちょっとした薀蓄なども描かれますので、スイーツ好きな方にはそちらも魅力だと思います。
個人的に好きだったキャラは、キャラメルというスイーツスピリッツ。喋り方や性格がとにかくかわいくて大好きでした。また、世界的な製菓会社の社長令嬢で、いちおう主人公のライバル的なキャラである小城美夜も、かなり弾けたキャラでとても良かったです。
音楽はOP、EDともに作品の雰囲気に合っていて良かったです。OPの合いの手やEDのスピリッツが踊る映像は印象に残ります。
基本的には子供向け作品なので、細かい部分などで大雑把なところはありますし、キャラデザも子供っぽいので誰にでもお勧めというわけにもいきませんが、全50話を飽きずに楽しめる良い作品だったと思います。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

ななりす さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

女の子の夢・憧れが一杯詰まったアニメですぅ~

全50話
ジャンル:料理 友情

主人公の(天野 いちご)が一流のパティシエールを目指し、仲間達やスイーツスピリッツという精霊と共に奮闘する物語。基本的に女の子の子供向けの作品なんですけど、大人でも十分観れて面白いです。少しドジでスイーツ作りも初心者、ダメな主人公の成長物語ということで王道的なストーリーだと思います。その中で努力して成長していく主人公と、それを支える仲間達との心の交流やその友情が凄く良かったです。

アイデアや店の経営のノウハウなど「なるほど!」と感心させられることもあって、凄く勉強になりました。スイーツ作りは一生懸命に頑張って楽しんでやらないといけないんですけど、人を喜ばせるためには作り手も笑顔で楽しんでやらないといけないなど、そういう大事なものが描かれているように思えました。その後のお客さんの笑顔に観ているこちらも思わず嬉しくなります。スイーツで人を幸せにするって素敵な事ですし夢のあるアニメです。

主人公は健気で明るい性格で努力する、そんな姿に私も頑張らなきゃ!と元気を貰えました。それに、バニラ、ショコラ、キャラメルといったスイーツスピリッツ(精霊)さん達はとっても可愛いキャラが揃ってます。その精霊さんとの絆も暖かみがあって良かったです。私はキャラメル役の声優さんが可愛い声でツボでした。他にはバニラ役に竹達さんなんですけど、普段は「たまゆら」の楓ちゃんの声で、笑い声の時だけ「俺妹」の桐乃そっくりで笑えます。竹達さんファンの人は必見かも。

また、家族の絆も描かれていて、その中での子の自立。これは子供にも見せたいと思いました。他に見所があるとするとスイーツ作りの対決が面白いです。「ちはやふる」みたいにチーム戦が楽しめます。この対決はドキドキ、ワクワク感がありました。後半での伏線の回収は少し感動的です。

それに美味しそうなスイーツが一杯出てきて、食べたくなります。やっぱり、何といってもこのアニメを観るとスイーツを自分で作ってみたくなりますね。私も時間があるときに作ってみたいと思います。でも、太らないように気をつけないといけませんね(笑)。

50話と少し長いんですけど、あまり難しくない内容ですしサクサク観れて楽しめました。とっても甘~くセボンなアニメは如何ですか。結構面白いです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

@さっくん@ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

やっぱり 少女漫画ぁ~

 少し前ですが 毎週 楽しんで見てました!!

 お菓子が好きな天野いちごが ひょんなことから聖マリー学園に編入することになる。 お菓子作りは 全然ないちごと 同じチームになったのは スイーツ作りが上手な「スイーツ王子」 樫野誠(かしのまこと) 安堂千乃介(あんどうせんのすけ) 花房五月(はなぶささつき)と 共に
パティシエールを目指していく!!!
 
天野いちご = 悠木碧
樫野誠 = 岡本信彦
安堂千乃介 = 浜添伸也
花房五月 = 代永翼

 スイーツスピリッツも一緒に!可愛かったです♥
オープニング&エンディングも 可愛らしいかったです♥

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

64.0 4 スイーツで学園なアニメランキング4位
夢色パティシエールSP プロフェッショナル(TVアニメ動画)

2010年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (71)
327人が棚に入れました
松本夏実の漫画『夢色パティシエール』を原作としたスイーツアニメの第二期シリーズ。高校生となった主人公達の姿を描く。制作は「魔法の天使クリィミーマミ」をはじめとする一連の魔法少女シリーズを作り上げたスタジオぴえろ。パティシエの青木貞治氏が監修し、社団法人日本洋菓子協会連合会が協力している。二年間のパリ留学を終えて日本へ帰ってきた天野いちご。しかしかつてのチームメイト達は自分の夢に向かってそれぞれ別の道を歩んでいた。そんな折、いちごはアンリ先生に呼び出される。それは“スイーツを中心とした町づくり”プロジェクトで建設中の“マリーズ・ガーデン”のメインストリートにあるショップの経営を自分達でやることだった。

声優・キャラクター
悠木碧、竹達彩奈、岡本信彦、山岡ゆり、伊瀬茉莉也、小倉唯、陶山章央、茅原実里、代永翼、三澤紗千香、浜添伸也、飯野茉優、矢作紗友里、喜多村英梨、岸尾だいすけ
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