てけ さんの感想・評価
4.5
最高級の演出に彩られたラブストーリー
原作は未プレイです。
「麻生蓮治、新藤千尋」
「広野紘、堤京介、新藤景、宮村みやこ」
この2グループに分かれ、同時並行でラブストーリーが展開されていきます。
同時並行なので状況をつかみにくいです。
しかし、並行していることが、重要な意味をもっている本作。
理由はこの作品の続きである「ef - a tale of melodies.」で分かります。
この作品のテーマは、「記憶」と「夢」。
【記憶について】
「記憶」とひとくちでいうのは簡単です。
しかし、どういうものか言葉で説明するのは難しいもの。
頭の中に蓄えたデータ? 映像? 文字? それとも音?
人によってどうとらえるか異なる、そんなあやふやなものです。
記憶に関しては女性陣が深く関わっています。
▽新藤千尋にとっての記憶
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▽新藤景にとっての記憶
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▽宮村みやこにとっての記憶
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【夢について】
「夢」とは何か。
男性陣は女性陣の記憶と関わりつつも、自分の夢を見つめ直していきます。
▽広野紘にとっての夢
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▽麻生蓮治にとっての夢
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▽堤京介にとっての夢
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さて、この作品の一番の魅力は「演出」です。
単に目をひくためにしか見えないような映像が、大事な伏線になっていることに気付きます。
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・人と人との距離で心の距離感を表す
・絵のタッチで現実味を表す
・海や雲の描写で時間の移り変わりを表す
・カメラの位置で空気感を表す
細かいメッセージが、演出や背景の中に隠されています。
セリフを背景や演出に語らせる。
意味に気付いたときには鳥肌が立ちました。
各話のタイトルも凝っています。
1.eve
2.upon a time
3.paradox
4.honesty
5.outline
6.rain
7.I...
8.clear colour
9.forget me not
10.I'm here
11.ever forever
12.love
coda.dream
頭文字を取ると「euphoric field」。
OPテーマソングのタイトルになります。
直訳すると「幸福の領域」ってとこでしょうか。
さらに、
テーマソングの「euphoric field」の頭文字は「ef」です。
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また、
回を追うごとにEDの曲が変わっていきます。
同じ曲でも歌詞が内容に応じて変化します。
これでもかといわんばかりの徹底した演出へのこだわり。
それを伏線にしてしまう本作。
そして、この物語と伏線は、2期の「ef - a tale of melodies.」へと引き継がれていきます。
・速いペースでの群像劇
・抽象的な会話
・頻繁に入る独特な演出。
1度見ただけでは、ただのシリアスで小難しい恋愛アニメに感じるかもしれません。
しかし、そこで評価してしまうのはもったいない!
本番は2周目以降から。
内容を知ったうえで視聴をすると隠れたメッセージが、山ほど見えてきます。
それが2期「ef - a tale of melodies.」での感動につながります。
ぜひ見ていただきたいオススメの作品です。