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86.3 1 コーヒーで友情なアニメランキング1位
東京喰種(TVアニメ動画)

2014年夏アニメ
★★★★☆ 3.9 (2776)
15672人が棚に入れました
人間世界に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人・喰種が蔓延る東京。ある青年「カネキ」は喰種に襲われ瀕死となるが、喰種の臓器を移植されたことで、半喰種となってしまう。それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることになる―――・

監督に本年度米アカデミー賞ノミネートの森田修平を迎え、前代未聞のスタッフ陣によって彩られる「東京喰種」の新たな世界に乞うご期待!

声優・キャラクター
花江夏樹、雨宮天、花澤香菜、宮野真守、菅生隆之、諸星すみれ、小西克幸、中村悠一、豊永利行、浅沼晋太郎、櫻井孝宏、伊藤健太郎、梶裕貴、浪川大輔、速水奨、立花慎之介、津田健次郎、土井美加、仲野裕、釘宮理恵
ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

おし…え…てよ おしぃえ…てよ…、この…魅力を…。。。

2014年7月放送。
全12話。


【前置き】

ヤングジャンプで連載されている人気漫画のアニメ化ということで、放送前から話題になっていた作品でしたね。
原作未読の私としては、知名度の高い人気漫画なだけに差異の生じかねないうメディアミックスから入ることに少々躊躇いはあったものの、
「アニメだし、実写よりはキッチリ原作再現してくれるでしょ!」
という淡い期待の元、視聴しました。

さて、結果としてこの選択は正しかったのでしょうか…。
おし…え…てよ、おしぃえ…てよ…。



【あらすじ】

人間世界に紛れ込み、人を喰らう正体不明の怪人『喰種(グール)』が蔓延る東京。

平凡な大学生『金木 研(かねき けん)』は、好意を寄せていた少女『リゼ』との初デートで、彼女が喰種であることを知ります。
襲われ瀕死の重傷を負った金木ですが、直後にリゼが鉄骨落下事故に巻き込まれ即死状態となるのでした。

病院に搬送された後、医師の判断で金木に喰種であるリゼの臓器を移植したことで、彼は『半喰種』となってしまいます。
それ以来、金木の人間と喰種との間で揺れ動く苦悩と恐怖に満ちた日々が始まります…。


※※※
『カニバリズム(食肉の風習)』を表現する作品は、どうしても内容を説明するに辺り視覚的なグロテスク描写を含みます。
こちらに関しては、ホント人それぞれの許容量の問題なので、見る前に御自身で御判断下さい。



【語ってみる】
{netabare}
まず、見る前と見た後では内容のギャップに驚きましたね。
『半喰種』という主人公の立ち位置も魅力的でしたが、喰種の持つ「赫子(かぐね)」と呼ばれる背中から出る捕食器官に関しては、異能バトルをする上での特殊能力そのものに思えましたので。
しっかり、ヤングジャンプの層をとらえた、バトルを想定した作品だったわけですね。
徹底的に人を喰う葛藤を重厚に描き抜いてくれるのかと思っていたので、そこは少~し残念な気もしましたが…、まぁ売れないよねそれじゃ…。


まず第一話での、その衝撃的展開を彩る作画の気合いの入りようには驚きましたね。
中盤のバトルは、前半と終盤に比べると少し息切れした感もありましたが、それでも常に一定以上のクオリティーを維持したように思います。
ただ、その内容からTV放送にあたっては黒塗りで表現された部分が圧倒的に多く、内容ありきのグロが魅力の一つであろう本作にとっては、残念で仕方ありませんでしたね。
絶妙な隠し具合で、何がどうなっているかは理解出来ない程ではないので、話についていけなくなることはありませんでしたが。

演出面において記憶に残ったのは、オープニング曲「unravel」の絶妙なかかり具合でしたね。
第1話の終わり、そして最終話での終わりでもそうでしたが、あの「おし…え…てよ、おしぃえ…てよ…」から始まる歌詞は勿論、凛として時雨ボーカルのか細い声色の演出が、作中の金木君の内心と非常にマッチングしており、まさに主題歌と呼ぶに相応しい曲だったのではないでしょうか。
曲としてはエンディング曲の「聖者たち」の方が好きですが、アニメ版「東京喰種トーキョーグール」と言えば、この「unravel」ナシでは語れないとさえ思いました。



ただ、そのストーリー展開としては、まさに目まぐるしいと表現するのが一番正しかったように思います。
原作ファンの方は特に声を大にして訴えていたようでしたが、原作の丁寧な感情描写をスッパ抜いて展開が早過ぎるといった具合だったようで…。

原作未読の私からすると、毎回衝撃的な展開が続きヒキも非常に上手いので、毎週見たくはなりました。
ですが、最終話まで見て結果的に面白かったかと問われると、少し疑問が残ります。
なんというか、キャラクターを好きになるタイミングが掴みづらかったといった感じでしょうか…。

本作に限っては、原作漫画を先に見た方が良かったのもしれませんね…。
だとするとアニメ版の本作に、更に不満を言いたくなったのかもしれませんが…。
ストーリーとしては、ある程度魅力的なのは自分の中では間違いなく、それぞれのキャラクターの葛藤も片手間では見れない吸引力がありましたので、いつかゆっくり原作を熟読したいと思います。


人物の葛藤の中でも、とりわけ記憶に焼きついたのは、喰種でありながら平和に暮らしていた母娘

『笛口(ふえぐち) リョーコ』(←美人)と『笛口 雛実(ふえぐち ひなみ)』(←可愛い)

でしたね。
いや…決して双方見映えが良いからとか、そういう邪な気持ちが働いたワケではなく…。

喰種だからと言って、誰もが好きで人を襲って食しているわけじゃないんですね…。
ただ…人間の言う美味しいものを食べても、全く喉を通らない…、吐き出してしまう…。
そういう風に生まれてしまったばっかりに人目を避けなければならず、娘(←可愛い)を小学校にも行かせてやれない母親(←美人)の気持ち。
何も悪いことをしていないその彼女達(←美人母娘)は、人間が組織した喰種対策局により、一方的な制裁を受けることになります。

社会としては喰種は全員駆逐すべきという考えが一般的なようですが、それでもそういった喰種もいるのだと世論が学んだ時、この社会が考えを改める機会がくると良いですね。
決して邪な気持ちによる同情とかではなく。

作中でも、人間と喰種の対比の表現として、ヒロインの『霧嶋 董香(きりしま とうか)』がこう言う場面がありました。

『ねぇ、ケーキっと本当はどんな味なの?

 吐くほど不味いから分かんないんだけどさ、アレ…人間は美味しそうに食べるじゃない。』

「自分がもしそうなってしまったらどうする?」という問題提起を孕んだ本作。
この状況で主人公のように、目の前にある食肉に手を伸ばす自分を律せられるような『人を見失わない人』は、果たしてどれくらいいるのでしょうか…。
平和に暮らしても殺されるかもしれない、この世界で………。



作中で金木は、「あんていく」と呼ばれる初老の喰種が営む喫茶店に身をおき、以降生活をしていきます。
自殺者等を回収し、比較的罪を犯さず食肉を得られる環境を整えた本店は、この区での喰種の生活の支えとなっていたんですね。
当初は「自殺者の数だけで何人も十分に養えるの?」なんて考えておりましたが、日本の自殺者数や行方不明者数を換算して都心部の人口で割り当てた場合、結構まかり通る数なのだそうで…。
日本コワイ…。

金木はそこで、臓器を移植した大喰いの喰種『リゼ』の片鱗を見せながらも、喰種として少しずつ生活に馴染みをみせ始めるのですが…。
喰種対策局や別の区の喰種が、その生活を脅かします。

そして最終話、カタの外れた喰種による度重なる拷問で、『人を見失わない人』であった金木も、遂に『リゼ』の心に耳を傾けるのです。


『間違っているのは僕じゃない、

 間違っているのは…、この世界だ!』


『それでいいのよ金木君…、生きるというのは他者を喰らうこと…。』


ここから白髮と化した金木が魅せた、これまたカタの外れた…というより足首の骨を外した圧倒的な戦闘能力は、気合十分の作画も含めて物語のターニングポイントに感じ惹きつけられましたね。
そこから何の後日談も予告も無く終わってしまうのもこれまた衝撃的でしたが、まぁ…2期はしてくれるでしょうし、ゆっくり通知を待とうと思います。
{/netabare}



【人を喰ったような発言を繰り返す、美食家月山の魅力】
{netabare}
さて、急速な場面展開からも今ひとつ心象に欠けるキャラクターが多い中、それでもやはり異彩を放つ奴が一人。
それが、喰種対策局から「美食家(グルメ)」と呼称される『月山 習(つきやま しゅう)』でしたね。
はぁ…どーしてまたこういうキャラ好きになっちゃうかなぁ…。。。
でも、原作者の石田スイ先生も彼がお気に入りだとか…。
ですよねぇ、キャラの当て方に愛が感じられますもの。

はてさて、そんな月山という男。
見た感じはモデルを思わせる端正な顔立ちで、言葉の節々に英語や音楽用語を用い艶めかしく話すキャラクターです。
呼称としては他にも「20区の厄介モン」「気持ち悪いキザ野郎」「(ストレートに)変態」等多数。
うん、やっぱり愛を感じます。(愛の表し方は、人それぞれです。)


実際、彼は金木君に共通の話題である本を用いて近付くのですが、その本心はまさに彼を食すことであり、彼の血が付いたハンカチーフを鼻に擦りつけて


『柔らかな甘みと、芳醇なハーモニー。

 ああああああぁぁぁ、新しいごちそうの発見はっ!

 人の幸福にとって、星の発見以上のものだ!!!』


と迷言を吐き散らす、まさに変態野郎でしたね。
声を担当された「宮野真守さん」はまさにハマリ役で、「DEATH NOTEの夜神月」等の冷静沈着タイプから「STEINS;GATEの鳳凰院 凶真」といった厨二病キャラまで突き抜けてこなせる宮野さんだからこそ、存分に魅力を見出せたように感じました。


第5話で月山は、金木君をどうやって食べようかと試行錯誤した末、

『金木くぅんンがっ!! 食べながら

 金木くぅんうおっ!! 食べたい!!!』

という奇想天外な発想に辿り着き、人質をとって彼に迫ります。
ここで金木君から「変態」発言が飛び出るのですが、彼は侵害だと返しながらも「そうさせたのは君なのだから責任をとれ」と責任転嫁する天晴ぶり。
中の人繋がりで言うと、まさに「駄目だこいつ…、早くなんとかしないと…」状態でしたね。

ただ、実際に董香が割って入り彼を制止するも、「美食家」を名乗るだけあって良い物ばかりを食してきた月山は、食事が戦闘能力に直結する喰種の中でも、抜群の実力を持っていました。
そこで奇策として、董香が金木を食すことになるのですが、それを見た月山の

『僕のだぞっっ!!!』

発言には、シリアスな場面展開にもかかわらず笑ってしまいましたよ。
きっとそういう方も多いのではないでしょうか。


そんな彼も、金木くんが攫われた終盤では、

『アモーレ!! heartbreak…。

 無二の友人である金木君が…、ワケの分からない連中の手によって危険な目にあってるなんて…

 No kidding!!』

と言い放ち、「あんていく」と共に、彼を助けに?向かいます。
この月山が本作において、こういう味方とも敵とも呼べない立ち位置のキャラになったわけですね、にくい構成でした。
彼の言動を全て「お前が言うな!」で収めてしまうのは簡単ですが、皆さんもどうか彼を温かい目で見て愛でてみませんか?


そうそう、少し余談となりますが。
TV放送のCMを飛ばさない方はご存知かと思いますが、金木君と月山が行なうBlu-rayの販促CMは面白かったですね。

金木「月山さん、イベント抽選券付きBlu-rayが発売ですよ!」

月山「チュレェヴィアアアアァン!!

   イベントと言うことは、皆に祝福されながら、僕達が一緒になる日が遂にやってくるんだね!!?」

金木「人を喰ったような発言はやめて下さい…。」

最期の金木君の冷静なツッコミが良いですね。
これが聴きたくてCMは毎回飛ばしませんでしたよ、私は。
{/netabare}



【総評】

作品として魅力に感じる部分は大いにありましたが、その原作をアニメで100%活かしきれなかったように感じます。
原作未読の私から見ても、全12話で表現しようとするシナリオ構成の幅に、若干無理が掛かったように見受けられました。

それでも、内容として手を抜いた作品では決して無く、演出面にも秀でておりグイグイ見させるだけの吸引力はしっかり兼ね備えておりました。
全般的にシリアスな内容ではありますが、その分Cパートで小ネタを挟み楽しませてくれますしね。
次に見る機会があれは、ちょっと恐いですが黒塗りが無い完全版で是非見たいですね。

2期はやるのか…いつになるのか…。
今現在まだ噂の粋を出た情報はありませんが、どうせなら熱が冷めない内に放送してほしいですね。
展開が早かった分、視聴者の熱が冷めるのも早い気がしますし。

その時は、また作中にハマったを主題歌だと尚嬉しいですね。


ではでは、読んでいただきありがとうございました。


◆一番好きなキャラクター◆
『月山 習』声 - 宮野真守さん

◇一番可愛いキャラクター◇
『笛口 雛実』声 - 諸星すみれさん



以下、カニバリズム(食肉文化)について。
(途中から妄想に突入してしまったので、〆ます。)
{netabare}

ちなみに私は恥ずかしながら、正直なところまだ一度もカニバリズムを体験したことがありません。
偏見を持たず多種多様な食文化に触れることは、人生観を広げる意味でも重要だと私は感じておりますので、ここは偏食なぞせずに、いつか体験しなければいけないなと考えております。

しかし、現代の日本において、そんな「ハンニバル•レクター」みたいな真似が出来る状況は早々ありません。
やはりここでも、『東京喰種トーキョーグール』の世界に妄想を抱くことで、脳内体験するのが社会人として果たすべき選択となるでしょう。


まぁ…どーせ喰べるなら、私好みの『チュレェヴィアアアアァン!!』な人間を捜すことにしましょう。

おっ、かなり好みの人間を発見!!
早速、声をかけてみましょう。


「あっ、お嬢ちゃん可愛いねぇ。

 ヒナミちゃんって言うんだぁ…。

 うんうん、髪型が(私好みな)ショートカットで似合うねぇ。(グヘヘ)

 へぇ、字のお勉強してるんだ、偉いなぁ。

 それならお兄さんが、こっちで詳しく教えてあげるよ。

 さぁ、おいでおいで!!(ゴクリ)」



……さて、数分後。
細切れになった私は、彼女の胃の中にいたワケですが…。

こんな可愛い美少女になら、喰われる側というのもまた乙なものでした。

でも、ちゃんと「ごちそうさま」って言おうね、ヒナミちゃん。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 61
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

喰べたら「ごちそうさま」するまでが作品なのに

人を喰らう正体不明の怪人・喰種。
主人公カネキは喰種に襲われ瀕死となるが
喰種の臓器を移植されたことで半喰種となってしまう。
それ以来、カネキは苦悩と恐怖に満ちた日々を送ることに…。


凄惨な食事現場で始まり、凄惨な食事現場で終わった一話だったが
その課程には実に多彩だった。
Aパート開始時は安らぎや暖かさを感じさせつつも
黄色い道をゆっくりと歩む美女の姿が「迫る注意」「迫る非日常」を感じさせ
そこから緩急を織り交ぜ喜びから恐怖、救済に戸惑い、葛藤に絶望と
「赤い日常」へと変貌する様を流れるように観せてくれた。
この一話だけでジェットコースター一周分の感情を体感できる様な内容で
すぐにおかわりが欲しくなってしまった。
掴みとしては今期一番良いかも。今後も期待が高まってしまう。

考え過ぎかも知れないが、カネキが半喰種になる課程も単なる偶然とは思えず
どこか作為めいたものも感じている。
医者もグル(グール)かな?…とか、ミステリー好きの血も少々騒ぐ。

またこの世界での半喰種の存在意義がどうなるかにも注目している。
既存のグールなら自我を持っていないので、
その間に当たる半喰種には無条件で価値が生まれるが
この作品の喰種は既に自我や規律すら持ち合わせている模様で
半喰種との違いがどう現れるか気になる。
カネキの葛藤は半喰種ならではのものでずっと続いてしまうのだろうか?

※2話感想{netabare}
ヒデを救うためグールの力を借りグールの力に飲まれヒデを襲う衝動に駆られる…。
泥沼の葛藤が更なる深みへとハマっています。

それでも「人」の事「グール」の事、そして「自分」の事を知ろうとして
向き合う姿は立派でした。
ヒデも勘がいいので判っているご様子。良い友達じゃないか。
血の臭いだけでなく感動の匂いもしてきました。

あと触手を絡めた戦闘シーンもかなり上等で衝撃的でした。
そしてこの作品「目力」がハンパない! 夢に出そう…。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
アンティークを中心に活動するグールの生活が覗けた回。
どうやら安定区と掛けてあるようでグールの中でも穏やかに
生活する者が集まっている様子。
食事も自殺者を確保している様で納得できた。…ここまでは。

でも、他の区に多数の凶暴なグールが居るとなると
描かれている平穏無事で危機感の無い人間社会に疑問が湧く。
グールの数が多すぎる。

設定通り、毎月グールの人数と同じだけの人間が殺されるとなると相当な被害で
もはや警察が事件としてどうこうでは無く
軍が出来て対応していたり半分以上グールとの戦争の状態に成っていておかしくない。
…というか成っていて普通、それくらいの危機だと思える。
面白そうな作品なだけにバランスも考えて練って欲しかったと思ってしまう。

ちょっとケチが付いたが今後の展開で
グールの繁殖方法やジェイソンみたいな奴の素性や存在意義が明かされれば
もう少しは納得行くかも知れない。
【予想】{netabare}グールは元々政府が作り出しているが隠蔽されている{/netabare}
みたいな話なら判らなくもない。期待はしている。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
美食家、月山の裏の顔が見られた回。

人と仲良くしようとして無理矢理不味いモノを食べる霧嶋さんとは対照的に
美食を謳歌する月山。
狂った様に映るけどグールとしてはこちらが正常なのかな。
グールの味覚に着目したこの作品ならではの存在は面白く、次回以降も注目です。
{/netabare}

※5話感想{netabare}
早くも月山の食指がカネキに迫り、錦の切ない過去も露わに。

前回に続き月山の個性が圧倒的。颯爽登場!宮野真守無双。
狂気の中、生き生きしていてキャラ的にはみんなを喰ってたと思う。

錦もイイ話で単なる憎まれ役から脇役レギュラーへと躍進したかな。
でも、錦自身は内蔵の九割方破損した所から復帰したのに
姉さんは一般人相手に呆気なく死亡。(詳細不明)
そう言えば路地裏でカネキと最初に会ったグールも蹴り一発で死んでたし、
グールの耐久力に差がありすぎてご都合感が出ている。

美味しく質の良い餌を食べると即効でパワーアップ!
ってキノコマリオみたいな事を急に言い出してるし
話が進むにつれ、設定の詰めの甘さが見えて来てちょっと残念にも感じる。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
何とか危機を脱したカネキ達。そして改めて浮き彫りになったグールと人との距離。

グールも人と同様に心があり愛があり家族があり。
「お母さん!」と言うヒナミの叫びがとても痛々しく突き刺さる。
同情できる話で何とかしてやりたいのだが、
「人喰い」…いや「人しか喰えない」と言う生態は致命的で
言葉や理屈が通じ心があるとしても相容れない存在になってしまうよなぁ…。

カネキの存在がグールと人との心の橋渡しになるかも知れないけど心が繋がったとして
約定作って「人を襲わない代わりに故人の体を提供する」って訳にも行かないし…。
設定上では既に詰んでいる…と言える落とし所のない問題にどう挑むのか
見物だと思うけど、ホントどうするんだろう?
バトルで何となく解決した風には成らないで欲しいけどな。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
人にもグールにも義はある。それ故に復讐と憎しみの連鎖は止まらない。

カネキが到着するもヒナミのお母さんを助けられず悲しい結末になりました。
ヒナミにとっては本当に最悪の結末。
でも、母の表情から察するに復讐は望んではいない筈。
それは幼いヒナミに伝わっているのか?理解できるのか?
葛藤の中、芳村さんの道か薫香の道か何を選択するのか
この作品の肝になりそうで興味深いです。

真戸さんはグールにとって脅威だけど人側から観ると逞しい。
彼処まで出来る様になるには相当な修羅場と仲間や知人の死を経験しているのだろう。
グールに情をかけて殺された者もいそうだし、少々壊れてなきゃ務まらない。
悪っぽく描かれているけど背景を察していくと憎めないキャラだと思う。

一人殺されたとはいえ亜門達は何とかクインケ無しで対抗してましたが
身体能力考えると全員瞬殺されて当然なレベルで無理がある気がします。
せめて刃物弾くって設定無くしてくれないと人に勝ち目がなくないかな?
グールって設定自体矛盾だらけなので小さい事は寛容には観てるけど、
バランス感覚がちょっと悪いなって気がします。

次回は真戸と薫香の戦いが更に激しくなりそうで、
そして復讐に走る薫香をカネキはどう見るのかも楽しみです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
真戸さん亡くなってしまいました…。
良い悪役だっただけにちょっと寂しくもありますが復讐に囚われた者の末路として
意義を投げかけてくれました。

一方ヒナミは復讐に囚われず深い悲しみの中から「生きる」ことを決意。
溢れる涙が心に響きます。強く生きて欲しいですね。

カネキは不戦を貫き悲しみと復讐の連鎖を断ち
グールと人とを繋ぐ希望になって行きそうですが6話感想の懸念が個人的に引っかかる。
共生目指すならグール用の食料開発出来ないものかな?
{/netabare}

※9.10話感想{netabare}
悲しみを乗り越え日常を取り戻そうとするアンティークの面々、
そして新体制でグール対策に当たる捜査官達。

近隣の11区が騒がしく嫌な予感がしていたらやっぱり飛び火です。
捜査官も絡んできてなんだか仁義なき抗争モノの雰囲気が強くなってきましたね。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
人とグールが入り乱れた抗争、そして拷問と血生臭く暴力の砦と化しています。
覚醒しつつある亜門くんをいつの間にやら応援しちゃってます。
現状アンティークの敵ですが何れ手を組む事もありそうですよね。

カネキくんから新たなカネキくんが生まれそうですし、
屋上には何やら怪物が…ってあれまさかマスターなのか!?
次回も気になります。
{/netabare}

※12話感想{netabare}
心身共に死よりも凄惨な地獄の様な苦しみ中、今までの全て否定し
生まれてしまったダークカネキくん。
これからこの作品はドコへ向かうのか?…って所で最終回!

せめて…せめて外での戦いにケリ付けてくれないと投げっぱなしにも程があるし
痛々しい拷問が最終回ってのも後味が悪すぎる。
この終わりならアニメ化しなくても良いんじゃない?って気さえします。
{/netabare}


【総評】
心理描写や戦闘描写は良く描けているしキャラも立っている。
そして設定上袋小路になっている人とグールの関係がどうなって行くのか
どういう結末になるのか期待と興味を持って観てこれたがとにかく後味が最悪でした。

人として生まれそしてグールとして再生して価値観や感性などを培い
積み上げたモノを最終回に全否定させて結論出さずにハイ退場!!

結局、1話で身体を失い、最終話で心を失った可哀想な青年の怪談のような話で終幕。
闇芝居なら三分で終わるわッ!
中身は投げっぱなしでブッツリ終わるアニメの中でも指折りの作品になってしまいました。
続きやるのですかね? やらない事には話にならないし観る意味もない作品です。
事情があるにせよ、この終わりを平気で観せる制作側の神経を疑います。
期待と観て来た時間までも全否定されるこの終わり方は許容できません。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 64
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

嫌われたっていいじゃないか 人喰いだもの

2018.08.17記


原作既読。いや、アニメ観てから原作揃えた人。
もともと職場の子から原作を薦められてたんだけど、その時スルーしてたのを後悔するはめに・・・


マンガはけっこうな売れ行きで、アニメも海外含め評価が高く、そのあと実写化までした大ヒット作です。
なにせ人を喰うおどろおどろしいバケモノの話なので、実写映画版では出演女優さんの一人が良心の呵責を覚えてなのか出家してしまうという騒ぎを起こしたほどです。
タイトルだけ見たら、人間視点でバケモノとの闘いを描いたバトルものか、グロ主体のホラーみたいなのを想像しがちです。そう、頑張れ人間!

 嫌われたっていいじゃないか 人喰いだもの

はいこれミスリードです。
ん?みんなもう知ってるって?

スプラッタホラーか超絶バトルものはちょっと、、、という先入観で本作を避けてしまうのはもったいないと思われ、むしろその先入観、この際棄ててもらってかまいません。

人間と喰種を分かつもの、それはたまたま人しか喰えない種族としてこの世に生を受けたか?そうではないか? 細かいところを除けば一点それだけ、この作品の基本設定です。

時には人間、時には喰種側の視点で
何が正しくて、何が間違っていて
勝利も敗北もないまま 孤独なレースは続いていきます

{netabare}8話戦闘シーンでの言葉の応酬に端的に表れてます。

亜門VS金木戦での亜門
『罪のない人々を平気で殺め…己の欲望のまま喰らう』『親を殺された子供たち…残された者の悲しみ…孤独…』『貴様はそれを考えた事があるか?』

真戸VS董香戦での董香
『訳もなく命を狙われる恐怖 あんたにわかる?』『大切な人が虫けらのように殺される あんたにこの気持ちわかる?』{/netabare}

単純に視点をどちらか一方のサイドに寄せて、というわけではない極めてドラマ性の高い作品といってよいでしょう。グロやバトルは作品を飾る要素として欠かせませんが、メインはあくまで人間?ドラマです。


そして人間でも喰種でも多少の個体差はあれ自分サイドの視点しか持ち合わせてません。
そこに{netabare}「もとは人間、今は半分人間半分喰種の」{/netabare}主人公金木研くんがどう割って入っていくかが作品の見どころとなってます。

{netabare}『自分の意思と無関係に、自身の体に改造がなされる。』
このへんは初代仮面ライダーみたいです。世の少年少女たちが心躍らせる伝統芸と言えるでしょう。
昭和の本郷猛はいかついあんちゃんでしたが、平成の金木研はナイーヴ優男である、というのも時代の流れでしょうか。{/netabare}


OP『unravel』は物語にドはまりしてる秀曲です。ムービー含めてインパクトがあり、カラオケのアニソンランクでも上位に食い込んでます。ただし、これ原キーで歌いきれる人っているんだろうか??
OPに隠れてますが、EDもクールダウンにちょうど良い曲です。ED後の巻末4コマ的なショートアニメもほっこりできますよ。


キャラは喰種も人間も多士多彩で登場人物多めです。
1期1クール12話で全員掘り下げきれるわけにもいきません。2期待ちか必要最低限か、私は掘り下げ不足を理由に感情移入できないといったことはありませんでした。

声優さんもキャラの多さに合わせて人数多めです。回によってはEDクレジットで3カット分使うほど用意してました。そして無駄に豪華です(褒め言葉)。
{netabare}
※印象深い演者さん
■金木研:花江夏樹
悲鳴に近い絶叫を担当するのに適任でした。梶さん(今回はアヤトの役)の絶叫も捨てがたいがよりナイーヴな感じを出すには花江さんじゃなきゃ無理かな。
■ウタ;櫻井孝宏、月山習:宮野真守
ハマってることはハマってるんだけど逆も見てみたい。
■エト:坂本真綾
ただ私が好きなだけです。
■真戸呉緒:大川透
マジキチぶりが伝わる好演。 病気からの復帰おめでとうございます。(2018年8月現在)
■鈴屋什造:釘宮理恵
意外な組み合わせ。什造を女性声優でというのはすごいアリ。什造の「見た目は青年中身は子供」感がよく出てました。
{/netabare}


※以下ネタバレタグは本当にネタバレ

引き込み充分な第一話。
{netabare}リゼを媒介におどろおどろしい喰種をまずは視聴者に印象づけます。そうですよね、人を喰うんですから我々人類の敵ですよ。
それで喰種の生態やら人間と喰種の関係性など適度にレクチャーが入るので初見殺しにはならない設計。Bパートからは半喰種になってしまったカネキ君の苦悩です。そしてクール通じてカネキ君は悩みに悩みます。{/netabare}
第二話アバンで物語のコア部分に触れるので、ノリが合わなさそうなら撤退を視野に入れてOK!
{netabare}
金木「僕は人間だ。お前らバケモンとは違うんだ。」
董香「どう?あたしがバケモノならあんたはなんなんだよ?」
金木「お願いします。教えてください。僕はどうしたらいいんですか?あの日から全てが最悪なんです。」
董香「最悪か?あたしだって教えてほしいよ。」
  「ねぇ?ケーキって本当はどんな味なの?吐くほど不味いから分かんないんだけどさ、あれ、人間がおいしそうに食べるじゃない?」
  「平和な生活はどうだった?CCGやグールに怯える必要のない日々は?
全てが最悪?ざけんなよ!」
  「だったらあたしは生まれた時から最悪ってわけ?なああんた!教えろよぉぉぉ!!」

・・・からの『おっしぃえってよっ』unravelインですからねぇ。カッコよすぎです。
{/netabare}
序盤に世界観の提示がなされるので、そこに抵抗がないなら最終話までいけるでしょう。無駄回無かったと思いますよ。1期の区切りもあの箇所までだったら納得です。


グロですか?

カレー食べながら観ることができましたので平気です。
そのへんは所詮アニメーションということで実物の映像とは違いますし、規制も効いてることから血しぶき+α程度のグロです。
{netabare}ただし画よりも音が嫌だということはあると思います。11話12話の拷問シーンでの悲鳴絶叫はきつい人にはきついでしょう。画はそうでもありません。{/netabare}
受け入れる視聴者側も、進撃の巨人あたりがこのへん切り拓いてくれたおかげで、出来上がった土台に乗りやすかったかもしれません。


さてさて金木くんは葛藤の末、どういった結論を出していくんでしょうか?

 しあ○せはいつも じぶんのこ○ろがきめる

最後に一つの結論を出します。共感するもしないもそういう物語なのでね。


続きは2期で!



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2019.06.28追記
《配点を修正》


視聴時期:2017年11月

シリーズは2018年秋クールまでの全48話をもって完結しました。
金木くんやトーカちゃんをはじめ、1期ではまだ子供っぽさの残る登場人物らが次第に深みを増していきます。
残念なことにあにこれでは期を重ねるごとに評価を落としていきましたが、私は好きですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

78.5 2 コーヒーで友情なアニメランキング2位
シャドーハウス(TVアニメ動画)

2021年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (490)
1671人が棚に入れました
この館には秘密がある──断崖に佇む大きな館「シャドーハウス」で貴族の真似事をする、顔のない一族「シャドー」。その“顔"としてシャドーに仕える世話係の「生き人形」。ある日、“シャドー"一族の少女・ケイトのもとに一人の“生き人形"が訪れ、“影"と“人形"の不思議な日常が始まる。

声優・キャラクター
鬼頭明里、篠原侑、酒井広大、佐倉綾音、川島零士、下地紫野、羽多野渉
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

一風変わったミステリー

原作未読
面白い世界観
ミステリー

{netabare}生き人形は本物の人間で影は寄生する物体ということくらいが明かされた。コーヒーで洗脳しているの怖い。{/netabare}

影自体も一枚岩ではないし、おじいさまもどういった存在なのか非常に気になる終わり方。続きが気になる。
ケイトとエミリコはどうするのだろう。ジョンとの間に愛は生まれる?シャーリーの存在はこの後の話にどう影響していくのか。


OP
a hollow shadow 末廣健一郎作曲・編曲
ED
ないない ReoNa
私の完璧な世界 萩森英明 末廣健一郎作曲・編曲
ReoNaの歌声がこのミステリーにはぴったりだったような気がする。


以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
この館には秘密がある──断崖に佇む大きな館「シャドーハウス」で貴族の真似事をする、顔のない一族「シャドー」。その“顔”としてシャドーに仕える世話係の「生き人形」。ある日、“シャドー”一族の少女・ケイトのもとに一人の“生き人形”が訪れ、“影”と“人形”の不思議な日常が始まる。世にも奇妙なゴシックミステリー、ついにアニメ化!

第1話 シャドーと生き人形
“シャドーハウス”--そこには多くの“シャドー”とその世話係である“生き人形”たちが暮らしていた。“シャドー”一族の少女・ケイトのもとに一人の“生き人形”がやってくる。最初はぎこちなかった二人だったが一緒に過ごすうちに距離が近づく。そしてケイトは“生き人形”に“エミリコ”と名付けた。

第2話 部屋の外には
ケイトに仕えることも慣れた頃、エミリコは他の“生き人形”たち同様に屋敷内の掃除をすることになった。ローズマリーの班に配属され、ミア、ルウと共に掃除に勤しむ。さらにミアが仕えるシャドー・サラにも出会うが、主のケイトよりも先に話すエミリコは「失敗作」と言われてしまう。

第3話 すすによる病
“シャドーハウス”のことを学ぶ『授業』に参加したエミリコ。屋敷内をローズマリーに案内してもらいながら、『お披露目』のことを聞こうとするが、「生き人形はシャドー家に対して忠誠以外の心を持ってはいけない」と詳細は教えてもらえなかった。その時、掃除用具の間に“こびりつき”が現れて…。

第4話 深夜の見回り
先日の騒動の原因について“星つき”の“生き人形”・バービーによる取り調べが行われた。その中で一方的に犯人扱いされたラム。バービーに口答えをしたエミリコとショーンはラムと共に原因を究明することになり、深夜に屋敷内の見回りを始める。三人は果たして原因をつきとめることが出来るのか…?

第5話 ”お披露目”
ケイト、ジョン、ルイーズ、パトリック、シャーリーとそれぞれの“生き人形”たち5組は、それぞれの想いや決意を胸に『お披露目』に挑む。『おじい様と共にある棟』に住む特別な“生き人形”・エドワードの主導でいよいよ『お披露目』が開始--!

第6話 庭園迷路
合格への道を模索しながら『お披露目』に挑む5組。生き人形たちは、すす時計が落ち切る約2時間以内に、庭園に広がる迷路のどこかにいる主人を見つけ出し共に出口にたどり着くようにと試験官のエドワードから指示を受ける。時に協力しながら主人を探すエミリコ達。一方、ケイトは『お披露目』が何者かに監視されていることに気づき…。

第7話 不完全な地図
手渡された地図や道具を頼りに囚われた主人の元に急ぐ“生き人形”5人。しかし、庭園には様々な仕掛けが施されておりその行く手を阻む。5人はそれぞれの主人と再会し時間内に出口にたどり着き、無事『お披露目』に合格することが出来るのか…

第8話 手のひらの上
主人と再会する“生き人形”も出始める中、エミリコに勇気づけられたラムは互いに合格してまた会うことを誓い、主人の元へ向かうのであった。全員が順調に合格に近づいている展開は『お披露目』で、誰かを落とさなければならないエドワードにとっては想定外であるにもかかわらず、彼は動揺もせずピアノを弾き悦に浸るのであった。

第9話 鳥籠と花
各々の状況が刻一刻と変化しながら『お披露目』は終幕に近づいていく。エミリコがたどり着いた先に居たのは鳥籠型の檻に囚われたケイトだった。すすに反応して段々と外れる鳥籠を支える鎖。下には棘だらけの木が待ち受けている。エミリコはケイトを助けられるのだろうか…

第10話 最後の一対
持ち前の気転と丈夫さを活かしてなんとかケイトを助け出したエミリコ。再会の喜びに浸る間もなく、すす時計は『お披露目』時間が残りわずかだということを示していた。果たしてふたりは時間内に出口までたどり着き『お披露目』に合格することはできるのか、……そして、明らかになるシャドー家の目的とは一体…?

第11話 黒い飲み物
お披露目会場で”特別な珈琲”を飲み、シャドー家への忠誠心で満たされるエミリコ。その様子にショックを受けるケイトはエミリコの部屋にあった考えないノートをもとに洗脳を和らげることに成功する。そして、ケイトは横たわるエミリコの手に自分の手を重ね、ふたりだけの秘密の話を打ち明けるのだった。

第12話 おじい様と共にある棟へ
何者かに連れ去られたエミリコ。ケイトはジョン達と相談し犯人に目星をつけ、おじい様と共にある棟へ侵入し助け出すことを決める。お披露目を乗り越えた皆に協力してもらい、ケイトは栄光の廊下へと足を踏み出すのであった。

第13話 シャドー家のために
エミリコの元にたどり着いたケイトだが、すべてはエドワードの思惑通りに事が運んでいた。捕らえられたふたりはこのまま朝になれば、反乱分子としての処分は免れられない。絶望とも思える状況の中、怪し動く”影”がふたつ……果たしてふたりはエドワードの手から逃れることが出来るのか--!?

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16
ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

13話 え、終わり?アニメ業界終わるんじゃね?

 最終話を見て。一応作中の事件の結末はありましたけどね。雰囲気的にそうかな、とは思ってましたどね。ここで終わりかい!?でしたね。

 まあ、シャドウという発生源はなんとなく説明がありましたが、ケイトとエミリコだけでなく、エドワードまで現状維持だと、何も進んでねー、っていう感じでしたね。
 ここまで本当に面白かったから、非常に残念です。85点の水準できてたのが、最終話のせいで60点くらいの満足度になったという感じですね。

 製作委員会制、アニメ会社乱立、人材不足、アニメ作りすぎ、原作が不足気味などでアニメのクオリティが昨今心配です。
 ネットオリジナルの作品もほとんど満足行くのがないですし、どうなっていくんでしょうか。
 まず、ちゃんと終わらせろ、話はそれからだ、と言いたいです。
 
 原作中途半端だけど、ためしに1クール作る、12、3話で取り敢えず終わらせる。ソロバンはじいて次を考える、人気あったら時間稼ぎしてスピンオフする、メディアミックスする、作画だけやたら良くて内容も意味もない映画を作る、みたいな作り方がアニメを殺している気がします。
 構成も、エピソードの取捨選択もベストな選択ができるわけありません。2期作っても作品の質は絶対に落ちます。この傾向がこの2,3年で急激に進んでませんか?

 こんな優良なコンテンツですらこれでは、誰もアニメ見なくなっちゃいます。

 ぜひ、視聴者に対する責任とクリエーターとしての矜持を忘れないでほしいと思います。
 商売だからソロバンはじくのは仕方ありません。ですが、ドラッガーの「マネジメント」を思い出してください。顧客満足を忘れた商売は結果的に淘汰されます。

 

以下 視聴中のレビューです。

{netabare}

原作読んでなくてよかった。

4話までの感想です。面白過ぎます。
ローゼンメイデンとかゴシックの今風という感じでとても雰囲気が出ています。

 黒いキャラクターに表情とか感情を感じるのは、すごいと思います。作画は本当に奇麗。画面が暗いのに見やすいので、相当計算してるんだと思います。

 謎の展開が素晴らしい。引き込まれます。早く知りたくて、原作をポチりたい衝動を抑えるのが大変です。やっぱりこれはアニメで最後まで見たいですね。ですので他の方のレビューも見たくないです。

 声優も良いのですが、最後のクレジットでエミリコ、ケイトの順番ではなく、ケイト、エミリコの順番なのがすごく気になります。やはり影が主題なので、2人が…と想像してしまいます。

 1話冒頭の汽車のシーンに絡んで石炭と影からでるススの類似性も気になるし、舞台の上でケイトとエミリコが並んでいる場面とか、エンディング最後の置物みたいな屋敷とか、ちょっと謎解きしたくなりますが、まあ、この話は舞台に引き込まれて、素直に驚くのが楽しそうです。

5話見ました。
 相変わらず美しい作画ですね。
 声優のクレジットの件は考えすぎだったみたいです。
  {netabare} お仕置きのシーン含めて、お影さま-生き人形の組み合わせにいろんな形があるのが分かる回でした。クレジットもこの組み合わせでした。
 あの審査している生き人形の動きがアニメ的に何か不自然なのと、優秀だと言っている組み合わせが優秀に見えないのが、残念ポイントでした。彼らのいる世界の作り物っぱさを意識した演出の可能性もありますが。{/netabare}

 そういった気になることろを補って余りある謎がまだ続いています。

6話見ました。
 少し謎のスケールが小さくなった感がありましたね。本質的にはなんの解決も提示されていないので謎は謎なんですが。解決編がこじつけにならないよう、期待します。

7話見ました。
 エミリコの無邪気最強、という方向性?館の謎は最後なんですかね。謎めいた雰囲気がちょっと薄れたので、視点を館とかシャドーに戻してほしいんですが、まあ、当然そっちにつながっていくんでしょう。1クール通じて最高のアニメってやぱり難しいですね。でもまだまだ面白いので楽しんでます。

8話みました。
 優秀な人間とは、奢らない、臨機応変である、先入観を持たない…エドワードは反対ですよね。
 うーん。エドワードですべての緊張感がなくなってしまったような。「3階」はそれを含めて楽しんでるというどんでん返し?エドワードが排除されるとか?やっぱりエミリコが天然パワーでがんばって、「3階」が「あの娘面白いわ」とか言って救われる?
 ここが帰路でしょね。名作か、凡作か。
 にしてもそろそろ迷路は決着してほしいですね。

9話みました。
おお、シャドウと生き人形って…なるほど…でも、あの蝶々的なのはなに?とかまだまだ秘密はありますね。

10話みました。
秘密が簡単に暴露されて、おや、となりましたが、なんか、意外な方向に話が進みだしましたね。意外性大歓迎です。ケイトが活躍するんでしょうか。

12話までみました。
ケイト様活躍ですね。話の方向が謎解きからサスペンス的な方向になってきました。これ1クールなんでしょうか。ラストが楽しみです。

一つ疑問が。確か大掃除のときに、お披露目が終わった生き人形はもっと意思があったし、目もあのホニョホニョじゃなかったですよね?時間が経つとまた意思が戻るってことでしょうか。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

余計なことは考えないのが大人になるということなのか……

断崖にそびえる不気味な洋館「シャドーハウス」。
そこに暮らす貴族じみた顔なしの一族「シャドー」と彼らの「顔」役として仕える「生き人形」。
日常と徐々に明らかになる館の秘密を描いた同名コミック(未読)の連続アニメ化作品の1クール目。

【物語 4.0点】
普段、考えないようにしている余計な事を、より鮮明に考えさせられてしまうゴシック&ミステリー。

例えば心を顔に出せないシャドー家の面々は"すす”を通じて悪感情を発露するが、
こうて露骨に外部化されると、ついつい謎解きの手がかりに参照した現実社会の諸要素を
より強く意識させられてしまいます。

利益のためなら倫理は捨てられるんだなとか、教育って怖いなとか、
{netabare}“余計なことは考えない~♪”{/netabare}などとブラック社歌?が流れる職場で幸せを噛みしめる集団心理ってヤバいよなとか。
主より中間管理職や取り巻きの方が闇を感じる組織あるあるとか。
シンプルに部屋そうじしなきゃ心に澱(おり)が溜まる一方だなとか。

道中、ちょっと“お披露目”の試験が長くて退屈かも?とも感じましたが、
コーヒー飲みながら苦い思索に耽る視聴時間には奇妙な充実感があり、
館の深層に迫るということは、人の心とは何かに深入りすること。
との興味から来る中毒性が完走の源に。

最終話は謎の多くを積み残した故のお預け感もありましたが、
今は、この夏放送予定の2期を早く摂取したい心境です。

【作画 4.0点】
アニメーション制作・CloverWorks

冒頭、影を強調したビジュアルに惹き込まれる。
私もお人形さんみたいに可愛らしいエミリコたんに萌えてみるか~と適当に眺め始めたら、
いきなり圧倒され、思わず巻き戻して見返してしまいました。
最初の映像は、1期で明かされた内容を受けた上で再見すると、良く出来てるな~と改めて感心します。

すすが悪感情として館にこべりつくため、生き人形たちは常に掃除に追われる。
連れて、制作スタッフの方も、背景、衣装に至るまですす塗れにする、“こべりつき”が暴れるなど、
この上なく面倒くさそうな作業に挑む羽目になるが、同スタジオは果敢なすす描写を通じて、
作品の個性を引き出すことに成功している。

シャドーは顔が見えないけど、ちゃんと気持ちが現れている?と思わせる描写も○。
個体によって形が違うすすの噴煙?の描き分けも良好。

ランプや強烈な朝日などの撮影処理も影を際立たせる好演出。

【キャラ 4.0点】
主人公の生き人形・エミリコ。旺盛な好奇心が謎に分け入ってしまう原動力。
余計なことノートを付けて忘れてしまおうと励みますが、
そんなことしたら、ますます余計なことを考えてしまいますw
身体が頑丈なだけでなく、ちょっと鬱陶しいくらいポジティブなメンタルに、ラム同様に励まされることあり。

エミリコの主人のシャドー・ケイト。
気ままにすすを噴き出すツンデレ?かとも思っていましたが、
終盤には{netabare}館の秩序に含む所がある{/netabare}と分かり最後までお仕えするに値するお方なのだと再認識。


最初に遭遇するエミリコ以外の生き人形・ミアから始まる、
多様な性格、主従関係を通じた、館の側面を映し出す誘導も巧み。
“お披露目”にて一緒になるシャドー&生き人形の絡み合いも、
人間の感情を管理する難儀を感じさせ、視聴者と“3階の住人”に“娯楽”を提供。

その3階への野心によりアンフェアな試験官で中間管理職のエドワードが1期の煽り役。

【声優 4.0点】
シャドー&生き人形のペアは、基本ひとり二役。
主従で性格も違う、だがシャドーの顔として表情や感情を捧げる異様に幅広い演技で好対応。

それだけにケイト(CV.鬼頭 明里さん)/エミリコ(CV.篠原 侑さん)
主従でキャスティングを分ける当たり前が、
館の異分子として台風の目となる予感を際立たせる。


“こどもたちの棟”にてマウントを取ってくるバービー役の釘宮 理恵さんの暴言も良い感じで憎たらしいです。
役を兼任する主人バーバラの丁寧な言葉遣いの憎まれ口もグッド。
冒頭映像にて、すすを大量噴出して表現された心の闇の所以。
円熟味を増した、くぎゅボイスで是非とも覗いてみたいです。

【音楽 4.0点】
劇伴担当は末廣 健一郎氏。
狂ったサーカスをテーマに明るくて不穏なチェンバロやバンドネオンの音色を散りばめムードを演出。
OP曲「a hollow shadow」をインスト曲にしたのも世界観に引きずり込む好判断。
あと{netabare}8話のエドワードの自己陶酔がダダ漏れになったピアノ曲「私の完璧な世界」{/netabare}も強烈でしたw

EDはReoNa「ないない」
自己否定歌詞を破れかぶれに連発する絶望系シンガーの極致だが、
すす量多めな作品の空気に不思議とマッチ。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 37

81.5 3 コーヒーで友情なアニメランキング3位
恋は雨上がりのように(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (717)
3187人が棚に入れました
ある事件がきっかけで走ることを諦めた元陸上部エースの女子高生・橘あきらと、彼女のバイト先のファミレス店長であるさえない45歳男性・近藤正己の恋物語が描かれる。

声優・キャラクター
渡部紗弓、平田広明、宮島えみ、福原遥
ネタバレ

ostrich さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

恋はことの始まり

「女子高生が中年男性に恋心を抱く」という程度のあらすじだけ流し読みしてから視聴した。

■近藤店長の造形

あらすじを読んだ際、もっとも気になったのは中年(近藤店長)のキャラクターデザインだった。こういう物語は中年がイケメンじゃ絶対にだめだが、最低限、「女性に惚れられる可能性はある」程度の容姿でもなければならない。どういうバランスなのかという関心を持って臨んだのだけど、なるほど後藤隊長(機動警察パトレイバー)か。

もちろん、たまたま本作とデザインが似通った可能性も否定できないが、原作者の年齢的にパトレイバーはギリ引っかかる。加えて後藤隊長は近藤店長とデザインだけでなく、職場での立ち位置や二面性を持ったキャラクター像も似通っているので、ほぼほぼ、元ネタだと思う。

話は若干それるが、私は小学生のころ、パトレイバーに熱中していて、後藤隊長は一番好きなキャラクターだった。私は後藤隊長と同性(つまり男性)なので、彼のキャラクター像は自分が大人になった時の理想像のようなものになったのだが(そして、ある面においてはその通りになってしまったのだが)、異性(女性)からみた場合、恋愛の対象になるのかもしれない。なお、ご存知の方も多いと思うが、原作者は女性だ。

私が小学生のころはパトレイバーを観ている女子なんて周囲にいなかったが、どこかにはいたのだろうし、今でもいるだろう。原作者もそういう女子の一人で、私とは違うベクトルだが、同じキャラクターに魅力を感じていたんじゃないかと想像し、視聴のかなり早い段階から親近感を覚えた。

■自分との約束

パトレイバーあたりを引き合いに出せば、最早、明白なことだが、私自身は近藤店長に親近感を覚える年齢で、それゆえ、彼の諦観や閉塞感は息苦しいほど身近に感じる。特に、「寝かせたままの自分との約束」という言葉は非常に重かった。私にもそういうものは確かにある。

だから、 {netabare}本作が物語の進行とともにそちらのテーマに向かっていったのは、私としては非常にありがたかった。ていうか、すべての「寝かせた約束」を持つ中年を代表して言わせてもらえば、こんなことを描いた挙句、そこに決着をつけずに女子高生とイチャイチャして終わらせ{/netabare}たら、マジ許さん。

われわれ(前述の特定の中年)は生きていくために{netabare}「約束を寝かせている」わけだが、時間の経過とともに自力で「約束を起こす」ことが困難になるし、だからと言って、そこを他人に触れられるのも困る、{/netabare}という状態にある。
だが、本作は{netabare}「約束」に触れてくる。そういう意味では主人公あきらは作品そのものだ。グイグイ来られるのは困るが、だからと言って、拒むこともまた難しい。
私には作中、近藤店長があきらを拒めない理由がよくわかる。それは彼女が女子高生で美人だからとかそんな理由では断じてない。彼の中で「約束」が死んでいないからだ。彼女に触れると「約束」が蠢くからだ。{/netabare}

本作は、正直なところ、原作ものの宿命か、すべてのキャラクターが掘り下げられて、決着がつくシナリオにはなっていない。
でも、少なくとも私にとってもっとも肝要なテーマはきっちり描いて決着をつけてくれた。おじさんは安心したよ。{netabare}私の「約束」が蠢いてちょっと困ってもいるが。{/netabare}

■恋愛

映画評論家の町山智浩さんが「本当に恋愛映画と呼べるのは『恋愛について』の映画だ」というようなことを言っていた。加えて、イケメン男女がイチャイチャするだけの映画は「恋愛ポルノ」だ、とも言っている。

で、本作がどちらに該当するかといえば間違いなく「恋愛映画」だろう。もちろん、映画じゃないから「恋愛アニメ」ということになるが、呼び方はどうでもいい。「恋愛について」の作品であることが肝心なことだ。

本作は当然、恋愛的な状況を何度か描くけれど、かなり控えめ、かつ、店長とあきらには一定の距離感があって、多少の間合いの変化はあるが、{netabare}最後まで消えることはない。何しろ、店長からあきらに何かを持ちかけることはほとんどないのだ。{/netabare}

しかし、主人公2人の中では大きな変化が起きている。この変化が性別と年齢差を超えて相似しており、{netabare}2人とも恋愛を通じて「寝かせていた約束」が蠢き、結果、店長は小説、あきらは陸上に向き合いなおすことになる。
そして、2人は同じ変化を共有した強い「点」で結びつくことになるが、おそらく物理的には離れていくことが{/netabare}暗示されて物語が終わる。

この点の関係を何と呼べばいいのかよくわからないが、私の感覚でいえば、「戦友」が最も近い。語義的にはおかしい部分もあるとは思うが、いわゆる「友達」では括れない、人生の大きな変化や特異な状況を共有したが、今は離れている存在という意味で当たらずとも遠からずかな、とも思う。そういう人は私にも何人かいる。

さて、2人は恋愛を通じて{netabare}変化して、最後は「戦友」{/netabare}になった。

これは恋愛の一つの側面を端的に描いている。恋愛は人を動かし、変化をもたらすものなのだ。たとえば、その帰結として、恋人になり、結婚して家庭を持ったりすることもあるだろう。いわゆる「成就」と呼ばれるものだが、しかし、それらは恋愛がもたらす結果のいくつかに過ぎない。本作のように{netabare}「成就」せずとも、「寝かせていた約束」と向き合うことになったり、「戦友」を得ることもある。{/netabare}
そして、それらの結果よりも肝心なのは、先に書いたとおり、恋愛により衝動と衝突が生まれ、動きが生まれることだ。

主人公2人が出会う前、{netabare}彼らは閉塞的な状況にあった。あきらは怪我により陸上を奪われ淡々とした学校生活を送っていたし、店長は小説家になる夢のために家庭を失い、長く小説をまともに書くことができずにいた。

それがファミレスでの出会いで生じたあきらの恋心によって動き出す。
出会いのシーンの手品が象徴している。恋はマジック。
動かないと思っていたものが、あら不思議、動き出す。
あるいは、雨上がりの晴天のように人を内から外へ突き動かす。{/netabare}

もちろん、恋愛の結果としてひどく傷つくこともあるし、作中のあきらのように{netabare}胸が苦しい{/netabare}こともある。でも、どんな結果になろうとも、動くこと、動けること、それ自体がとても貴重なことなのだ。私は店長寄りなのでよくわかるが、どうしたって、年齢を重ねるごとに動機や衝動を失っていく。
{netabare}そこに衝動を持ったあきらがぶつかって、店長も動き出す。{/netabare}
私自身は正直なところ、恋愛とかもう面倒だなあ、と思ってはいるのだが、それでも、店長の状況はちょっとうらやましいとも思った。
これまた、相手が女子高生だからでも美人だからでもない。自分を突き動かしてくれる、変化をもたらしてくれる存在がいることがうらやましい、ということだ。
もっとも、そういう相手は恋愛じゃなくても存在しうるとは思うけど、恋愛のマジックは強力だから。

もしかしたら、人がいくつになっても、程度の差こそあれ、恋愛を(あるいは恋愛をしていた時代を)忘れないのは、それが何かが動き出す始点だってことを知っているからかもしれない。

本作はこういったことを考えさせてくれる作品で、「ポルノ」じゃない。「恋愛について」の作品だ。


■年齢差

あらすじを読んだときに、ちょっとコメディタッチなのかな、と思った。
年齢に限らないけれど、立場や性別など様々な「差」を使ったコメディは多い。

実際は、たしかに多少、コメディっぽい部分もあるけれど、そこは添え物みたいなもので、年齢差は上記の「恋愛について」の諸々をより明示的に描くために活かされていたと思う。

本作を端的にいえば、{netabare}時間の重みで動けなくなったおじさんと、怪我によって動けない(走れない)女子高生が出会うことで、2人が動き、変化していく{/netabare}物語ということになるのだけれど、実はこの話は「おじさんとおばさん」でも、高校生同士でも全然成立する。
ていうか、恋愛物は一言で言ってしまえば「誰かと誰かが出会って恋をして変化する」フォーマットになるので、それだけに登場人物の設定と関係性にいかに特色を出すかが肝になる。

本作は年齢差を設けることで、{netabare}年齢とは反対に女子高生がけん引役になったり、年齢通り子弟的な関係になったりする状況を生み出していて、もちろん、これらは大きな魅力になってはいるけれど、最終的に2人は「約束を果たす」ことを誓い合った「戦友」として、同列になっている。少し乱暴かもしれないが、「恋愛(と、それがもたらすもの)には年齢差はない」{/netabare}という着地だ。
ちなみに、これは「だから、どんな相手でも恋愛しようぜ」みたいなことではない(もちろん、そう思う人がいてもいいけれど)。
実際、物語の終盤になると{netabare}恋愛色はどんどん薄まって、主人公2人は各々、自分の「約束」のために動き出して、恋愛は{/netabare}ことの始まりに過ぎなくなっている。
つまり、先の言葉をより正確に言うなら、「恋愛がことの始まり」であることに年齢差はないということになる。

年齢差によって様々なシチュエーションを生み出しつつ、最終的には{netabare}それを超えた普遍に至る構成には、ラストで2人が「戦友」となったこととも相まって、{/netabare}とても清々しい印象を持った。
これもひとつの成就のかたちだと思う。

※蛇足

本レビューを書いているうちに思い出した恋愛ものの作品を挙げてみました。
関心があれば、ぜひ、ご覧くださいませ。

・年齢差恋愛

「ハロルドとモード」
アメリカ映画。親子どころではなく、祖母と孫ほどの年齢差の恋愛もの。
本作との共通点はあまりない。というか、部分的には正反対のベクトル。

・「おじさんとおばさん」の恋愛

「恋愛ものはおじさんとおばさんでも成立する」みたいなことを書いているときに思い出した作品。若い人には想像が難しいかもしれないが、自分がおじさんになると、きっちり、おばさんが恋愛対象になってくるから不思議。

「コキーユ」
日本映画。おじさんとおばさんの恋愛もの、かつ、不倫ものでもある。
と書くと嫌悪感を抱く人もいるのかな。
私はそれなりに若い時に当時の彼女と観た。彼女は「浮気、ダメ絶対」な人だったが(まあ、普通はそうだと思うが)、号泣していた。
少なくともそういう作品ではある。とても切ない純愛もの。

「レスラー」
アメリカ映画。落ちぶれたプロレスラーが再起をかける話で、恋愛が中心ではないが、恋愛要素はある。もちろん、おじさんとおばさんの恋愛。
おじさんとはもちろん、再起をかけたプロレスラーなのだが、メンタル的には近藤店長(と後藤隊長と、認めたくはないが私)と共通したものを持っている。
「恋雨」とも「コキーユ」とも違うのはおばさんもまた、似たようなメンタルを持っていることで、そんな2人が出会うとどうなるかが見所といえば見所。想像できると思うが亀よりも遅い発展速度。残念ながら個人的には本レビューに挙げた作品の中でもっともリアリティがあった。
最後にこんなことを言うのもなんだが、あきらのようにグイグイ来てくれるのは、男としては楽だよな、とちょっと思う。こういう場合に「嬉しい」よりも「楽」が先に立つのが(一部の、だが、それなりの数の)おじさんのメンタルである。女子のみなさまは覚えておくといつか役に立つかもしれない。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

るるかん さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

夢への扉を開く鍵

 女子高生とおっさんがどういう恋愛を展開していくのだろう・・・?という興味からこの作品を見始めたわけですが、最終話に近くなるにつれて、これってそういう話じゃないのか・・・?{netabare}と感じてきたのです。・・・で結局付き合うとか、そういう結末には至ってないと思うのですが・・・。だめだね~俺のような下衆なおじさんはモテないわけですねw
 
 『あきらめかけていた夢の扉』をもう一度開けるための鍵みたいな存在としてアキラと店長の恋(?)が描かれていました。だから当然、恋人同士というわけじゃない終わり方でしたが、二人にとって『夢』の扉を開いてくれた大切な存在として、潜在的な恋が成就したとみるべきなのでしょう。悪くない話でした。{/netabare}
 もちろん、続きがあるのでしょう。原作ファンの方はこの終わり方をどのように捉えているのか、みなさんのレビューを拝見したいと思います。
 
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11話~12話{netabare}
11話のお話を見た後に、これって・・・恋の話が決着する話じゃないのかな?・・・という疑問が湧いて、11話を見た後に最終話を見てからレビューをまとめようと思いました。12話を見て、アキラの恋を通じて、店長とアキラ双方があきらめかけていた自分の夢を追いかける決心をする。お互いの距離が詰まっていくのは、自分がやり遂げたと感じた後になるようですね。その決心をするのに、親友の大切さを11話に加えて、揺らいでいた気持ちに区切りをつけ、12話でお互いの道を進んでいこうと励まし合って終了。原作は続きがあるのでしょう。ここで終わりだったらあまりにも中途半端ですからね!!・・・ってことで、なんともしっくりしないまま終わってしまいましたが、恋が進展したのはユイと吉澤君でしたねw あきらめかけていた夢への扉を開くような恋ってことですね~。悪くない話です。{/netabare}
10話{netabare}
あきらと店長の共通項が、『道半ばで夢をあきらめざるえなかった』ということみたいですね。自分の夢の為に家庭を壊してしまった店長のトラウマをあきらが払拭できるかどうか・・・。
二人は今、同じ土壌に立ち、無意識にお互いの言って欲しい言葉のやり取りを繰り返す。『こんな俺の・・・』に対し、『そんな店長だから・・・』で返す言葉のやりとりは強烈に店長の胸に響いたでしょう。よく分かります。恋が成就するには必要な心理的高揚を促す言葉のやりとりで、とてもいいシナリオでした。これなら店長もあきらのことを好きになるかな・・・って思えるシナリオがやっときたって感じです。いい話でした!!
はるかとの関係はどうするんだろう・・・?このままだと友情より恋の方が重要ってことですが・・・それでも構わないんだけど・・・。今のままだと中途半端すぎると思うのです。{/netabare}
9話{netabare}
退屈でありきたりな『いい話』でした。この回の必然性が今一つ分からないが、最後の店長の一言であきらの気持ちが軽くなり・・・店長ありがとう~大好きよ~的な余韻を残すということなのかな?九条ちひろって男の同級生だったのね。原作読んでないから、てっきり奥さんだと思ってた・・・w話の辻褄は合ってるし、必要っちゃ~必要な話なのかもしれないけど、それほど大切なエピソードには思えなかった。{/netabare}
8話{netabare}
店長とお友達関係になってメアドもゲットしウキウキな感じでしたが、内容としては一頓挫って感じで、恋の進展は一休みって感じでした。
アキラにとって大切な友人はるかを夏祭りに誘い、離れかけていた友情関係を引き戻そうとした行動はアキラのはるかに対する優しさと謝罪の表れでしょう。それほどの内容ではなかった回でした。でもやっぱり、EDはいいよね!{/netabare}
7話{netabare}
『・・・・この感情に名前をつけるのはあまりに軽薄だ。それでも今彼女が抱えている不安を取り払って救ってやりたい。たとえ自分にそんな資格があるとは思えなくても・・・この感情を・・・この感情を・・・この感情を恋と呼ぶにはあまりにも軽薄だ。・・・・・』純文学が好きな店長らしい思いの丈で素敵でした。相手が女子高生だから、『この感情を恋と呼ぶにはあまりに軽薄だ・・・』と思いたい店長の気持ちも分かる。しかし、店長はもう恋だと意識していることの証しともとれる。ハグの場面と店長の感情を表す心のつぶやきは、なかなかいい場面でした。さて、これからどうなるのか楽しみです。{/netabare}
6話{netabare}
今回の話は後半への繋ぎかな・・・。何らかの意図を感じるストーリーで次回以降にどう繋がりを持たせるのか楽しみです。{/netabare}
5話 {netabare}
好きという気持ちだけで突進してくる女子高生を、離婚して子供と離れて一人暮らしをしている店長がどう受け入れて、自分を納得させていくのか、その辺の心理描写があるかどうかが私の期待する所です。今後のシナリオ・展開がこの作品の質に関わる部分だと思うので楽しみにしたいと思います。{/netabare}
4話{netabare}
加瀬みたいな男は反吐が出るくらい嫌いだ。ぶん殴るくらいして良かったと思うが・・・。店長の『俺が傷付きたくないだけだ・・・』という気持ちは分かるね。デートといっても実感は湧かない感じが出ていてお互いの想いの強さの違いが鮮明に出ていた。あまり見所のない回だった。{/netabare}
3話{netabare}
あきらの告白は直球だが、年齢差を考えると『真剣さ』を伝えるには直球しかないだろう。強引なくらいの押しやリードもあきらくらいじゃないと店長は動かなかっただろう。でもまぁ、あきらにとっては、第1段階突破ってとこですかね?真剣さが伝わればあとは店長次第だし・・・。これからお付き合いが始まるのかな?次回も楽しみです!!{/netabare}
2話{netabare}
女子高生に『好き』って言われたら、店長の年齢なら恋愛ごととは思わないよな。単刀直入に『好きです』って言ってしまうあたりが若さと勢いって感じで初々しくていいと思う。店長を好きになった理由は1話が全てなんでしょうか?まぁ、今後どんどんその想いが膨らんでいくのでしょうね。ただ、この年齢差で女子高生がおっさんを好きになる理由としては1話だけでは重みが無い感じがします。あきらがしっかりして落ち着いた女の子だから尚更不可解に感じます。面白そうなシナリオだし、そこだけちょっと残念ですけど、あまりこだわらず続きを楽しみたいと思います。店長はいつマジになるんだろう・・・。ED曲はいい曲ですね。買いたくなっちゃいます!!{/netabare}
1話{netabare}
あきらの雰囲気は割と好きだな~。女子高生らしい可愛らしさは表現されていると思う。だけど、シャツの匂いまで嗅ぐかな?そのあたりの描写は謎です。女性陣のレビューに書いてもらいたいところですw
バツ1子持ちの店長の哀愁の中にある優しさに惹かれるのでしょうかね?謎です。あきらがどうして店長に惹かれたのか、もう少し説得力のある理由がないとシックリこないなぁ・・・。これから分かることなのかな?
1話目は微妙な感じですが、気になるので見ていこうと思います。謎が多くて逆に面白かったしねw{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

演出&構成の妙、ただひたすらに美しい 

☆物語&感想☆

女子高生が45歳の冴えない中年男性に恋をする、ジャンルとしては恋愛になるんでしょうが、
この作品は純粋な恋愛モノかと言われれば、そうとも言えるし少し違うとも言えるかもしれません。
よくある恋愛作品では、その多くが告白をクライマックスに持ってくるものが多いものの、
本作ではそこまでの過程はあまり描かれず、むしろ告白してからの物語。
恋が成就する、しない、と言った結果に重きを置いて本作を観るなら肩透かしを食らうかもしれません。

設定として店長と従業員、女子高生と45歳でバツイチ、子供有りという立場上、
その想いにどう向き合っていくのか、グイグイと来る橘さんに対する店長の行動は、
常に思慮深く理性的でしたが、揺れ動く心情はとても繊細に描かれていて、
本作の象徴的なシーンとして、7話台風の日の場面は最大の魅せ場だったと思います。
まぁ自分だったら絶対抱いてしまうでしょう、犯罪やけど笑

店長に想いを寄せる橘さんの恋、という序盤からの流れでは、
{netabare}7話の店長が橘さんをハグして「友達」として、と伝えたところで一旦落ち着いて、
それ以降橘さんもある程度それを受け入れたのかな、とも思えました。{/netabare}
で、お互いの関わり合いの中で自分の中に仕舞っていた、忘れていた思いを呼び覚まし、
一歩歩き出す。。ラストは少々唐突かなとも感じましたが、
将来的な可能性に含みを持たせた想像の余地を残す終わり方で、タイトルも回収、綺麗でした。
この物語は毎話と言っていいほど雨の描写が有りましたが、
店長と橘さんの関係、二人の胸に押し留めていた想いは、
言ってみれば降り続く雨の中の雨宿りだったんでしょう。

後半の店長と旧友の友情、描かれ方もノスタルジックで味わい深く、
また橘さんとハルカの関係も瑞々しく青臭い青春を感じさせる、こちらも同様に上手く描かれていたので、
純粋な恋愛だけじゃない、もう一つのアナザーストーリーとしても楽しめ、
結果的に上手くまとまっており良かったと思います。

☆声優☆

この作品が成功するかどうかは、ぶっちゃけ店長のキャスティングと演技に掛かっている、
と言えるぐらい重要だったと思いますが、平田広明氏は見事期待に応えてくれましたね。
冴えない間抜けな中年男性の一面と、逆に含みを持たせじっくりと聞かせる演技は圧巻。
最近観た「B:THE BEGINING」では圧倒的な凄みと渋さでしたが、
今回は演じ分けが凄い、またしても名優の演技を堪能させてもらいました。

橘さん役の方もイメージ通りで良かったですが、
それ以上に意外な発見として驚いたのは、西田さん役の福原遥さん。
初めて久野美咲さんの声を聴いた時くらいの、特徴的な萌えボイスが衝撃的でした笑
ノイタミナによくある芸能人のゴリ押しキャスティングながら、
普段女優メインでも子役からやっていて声優経験もあるだけあって演技も全く違和感なく良かったです。
あの声は今の声優界でもなかなかの逸材だと思うので、今後声優としても是非活動してもらいたいですね。

☆キャラ☆

店長の台詞がとにかく平田広明氏の演技によって抜群の説得力を持って響いてきました。
作者は女性ながらヒロインの橘さん以上に、中年男性の店長の描写が優れていたのは驚きました。
橘さんとハルカは店長とは対照的に自身の独白は殆どありませんでしたが、
キャラの思いを汲ませるには充分。
橘さんの店長への想いが一点の曇り無く真っ直ぐで純粋で美しい...ほんま店長裏山過ぎる。。
脇役ながら西田さんが癒しの存在で好印象、彼女の涙には思わずもらい泣き。

☆作画☆

まずキャラデザインが今風のアニメにありがちな感じじゃなく、
どことなく昭和っぽいところに惹かれましたね~橘さん何頭身?...スタイル良すぎ。
WIT STUDIOの安定感は最後まで保たれ、1カット1カットの見せ方が印象的なシーンが随所に見られました。
橘さん、ハルカ、西田さんの表情、横顔が何とも美しかった。

☆音楽☆

OPはそんなに好みでもなかったですが、
底抜けに明るくファンシーかつポップなアニメーションとの相性は良かったと思います。
対照的にしっとりと聴かせるAimerのEDが抜群で毎話素晴らしい余韻を与えてくれました。
そして何と言っても作中BGMが良い仕事してましたね、曲数はそこまで多くはなかったようにも思いますが、
とても印象的で胸に響く良い曲だったと思います。


最後に...物語の展開や出来事だけを見ていくと、
恋愛作品としては単純に劇的さや面白さはそこまで無いかもしれませんが、
この作品は各キャラクターの心の機微の描き方や演出面が見事で美しかった。
雨の背景、表情の見せ方、間の取り方、聴かせるBGM、
そこに重なる平田広明氏の圧倒的な演技と含蓄のある台詞の数々...
情感の豊かさ、趣きは芸術性すら感じさせる、大人の感性に訴えかけるノイタミナらしい秀作だったと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

76.3 4 コーヒーで友情なアニメランキング4位
ヤマノススメ サードシーズン(TVアニメ動画)

2018年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (389)
1486人が棚に入れました
この夏、あおいが、ひなたが、かえでが、ここなが、そしてほのかがTVアニメに帰ってくる!
そして新しい友達との出会いも……。
今度はどの山に登ろうかな?

声優・キャラクター
井口裕香、阿澄佳奈、日笠陽子、小倉唯、東山奈央、牧野由依、儀武ゆう子、七瀬彩夏、高尾奏音、山本亜衣
ネタバレ

はあつ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

山は人を素直にさせる

自分の中での「自然+萌えキャラ」3大コラボアニメ
「のんのんびより」「ゆるキャン」「ヤマノススメ」

「田舎」「キャンプ」「登山」とそれぞれのツールを通して自然を楽しむ可愛い女の子達を眺めていると、新鮮な空気に包まれてる気分になって癒される。
ここは共通するコラボの醍醐味♪

その中で本作「ヤマノススメ」の特徴はシリアス成分の多さにあります。
あとの2作品が、のんびり、ゆるいコメディ寄りのストーリーなのに対して、登山に伴う自然の厳しさと登場人物の心の成長に伴うもどかしさが加味された物語になっています。
そこが好みの別れるところかも知れませんが、私は、キャラ達が楽しむ姿とシリアスな心情描写のどちらもが好みで、その緩急のついたストーリーにショートアニメとは思えない見応えを感じました。

3期作中で、{netabare}主人公が山上でビターテイストのコーヒーに挑戦するくだり{/netabare}は作品の楽しみ方を示唆しているよう~
自然の中で味わう青春のほろ苦さもまた格別ではないでしょうか~♪

以下は1期から3期まで通してのネタバレ感想です~
{netabare}
題材からして、高校時代、登山部員だった私が本作にハマるのは必然なんでしょうけど、登山のシリアス描写だけじゃなく、ここまで人物の関係性に踏み込んで主人公の成長を描いてくれるとは!
つい親目線で見てしまって娘の頼もしくなった姿に感無量でした。

《二人のストーリー》

人付き合いが苦手でインドア派の主人公「あおい」。
小学生の頃の友達ひなたと高校で再会し、登山をしていく事で友達が増え、外でバイトも始める。
あおいの成長ストーリーとしては王道展開なんですが、2期終了時まではひなたという良い友人に引っ張られた側面も強く、あおい自身は受け身で自信のなさもまだまだ感じてました。
それが3期では、ひなたに頼らずクラスメートと出掛け、バイト先ではしっかり接客もこなせるようになる。
一人で過ごすより社交的な方がいいと言うつもりはありませんが、苦手だと思っていた事に自らチャレンジして克服するのは感心しました。
(お父さんは誉めてあげたい!よく頑張ったね♪)

一方、もう一人の主人公と言ってもいい「ひなた」。
あおいと違い誰にでも気さくな彼女は社交性には問題なく安心して見ていられる。
一人でいる事の多いあおいに対して、何かと気にかけ、登山もリードしてやる優しい子です。
でも、2期まではイイ子ちゃん過ぎるようにも感じてました。
そんな彼女が3期後半では繊細で我が儘な一面を見せます。
すれ違いが続き、モヤモヤが爆発。
その時に見せてくれた、縦走初日の自分勝手に登る不貞腐れたような子供っぽさ。
見ててイライラされた方が多いかも知れませんが、私はリアルな人間味を感じてとっても可愛いく見えました♪

この3期のクライマックスである縦走エピソードは、それまで友達というより姉妹っぽくもあった二人の関係においても大きなステップになりました。

いつまでたっても不機嫌なひなたに、めげずに優しく声をかけ続け、ひなたのケガを知って真っ先に同行下山を名乗り出る。
それだけであおいがひなたを大切に思っている事は伝わるんですが、その後の二人の会話が最高に温かい!

ひなたは、ただすれ違いと焼きもちだけで拗ねていた訳じゃなく、引っ越しで離れた時の寂しさを思い出しナイーブになっていた心境を明かします。
(繊細な乙女心が可愛いくて萌える~*^^*)
「バッカじゃないの!・・・」即座にあおいは、今までのひなたへの感謝を伝え一番の親友だと告げます。
(「恥ずかしい事言わせないでよ!」照れるとこが可愛くて更に萌える~*^^*)

普段なかなか口に出してまでは言えない友達への感謝と親愛の情。
「山は人を素直にさせる」
飾らない自然が心の虚飾を取り払ってくれる、本作のシチュエーションならではの素晴らしいシーンでした!

最終話、二人でナイショ話をする場面。
もう気のおけない親友となった二人の関係が微笑ましかったです。
(視聴者に聞こえないようにしてるのが憎い♪)

《キャラ》

登場メンバーの年齢は高2から中2までバラバラですが、山登りを通して親しくなったので部活動のような上下関係がないのがリラックスできますね。

自分の属性的に気になったのが「ひなたの父親」
スマートな物腰で娘と良好な関係を築き、娘の友人だけでなくその美人ママまで一緒に登山を楽しむデキル親父。
あやかりたいものです~

《作画》

スタッフが実際に登山をしてロケハンしたんでしょうか?
私、行ったことない山ばかりですが手書きの風景画は新緑から紅葉まで風薫る美しさを感じました。

あと、天覧山などの自宅付近の山並みや名所、二人の通学路の用水路?を挟んだ公園や河原の景色もキレイで、聖地巡礼に行ってみたいと思わせてくれました。
協力の飯能市の良い町起こしになったのでは~

《音楽》

主題歌は、ほとんどがキャラクター達の歌声で雰囲気にマッチしており楽しげです。
私は特に、カワイイ歌詞と出掛けたくなる曲調の2期OP「夏色プレゼント」と、あおいとひなたの微笑ましい関係が伝わる3期ED「色違いの翼」が好き。
「色違いの翼」のジャケット絵が最初の頃の二人の立ち位置と逆転してるのも洒落てます♪

《声優さん》

出演の方々は皆さん実績のある人気声優さんなので安定してました。
本作の中で特に好きなのはひなた役の阿澄佳奈さん。
他に演じられたキャラでは、のんのんびよりのコマちゃんの弄られっぷりが堪りません♪

《登山に関して》

日常の中の非日常体験。
雲海が広がるパノラマなど高地になるほど絶景が広がるんですが、たどり着くまでに厳しい自然とも向き合う事になります。
そのシビアさを描いた2期の富士登山。
アニメだから体力作りをろくにしなくても3000m級の山に行けるんだなと思って見てたらガチでダウンさせるとは!
シリアスな描写が私には痛烈で一気に見応えを感じました。

私、富士山は未踏なんですが、あおいと同い年の時に所属していた登山部の夏山縦走で、北岳(日本で2番目に高い山)に登った時に高山病になったんです。
だから、あおいが富士登山であくびをしだした時点で当時の状態を思い出し悪寒が走りました。
自分は頂上には登ったものの酷い頭痛でその後の行程は断念。
憔悴して下山するあおいを見てると、当時私に付き添って先に下山した顧問の先生に申し訳ない気持ちで一杯になったのを思い出しました。
3期であおいが行ってた歩荷訓練は、私も入部当初から当然やってて、それなりに体力はついてたんですが、当時の行きのリクライニングのない夜行列車で全然眠れず睡眠不足のまま登ったのが原因でした。
だから3期で、よく眠ってない事をひなたが怒るのを聞いて耳が痛かった~(汗)
高2の時も同じ原因で軽い高山病になりましたが、幸い早めのテント泊で全回復して先輩のメンツは保つ事が出来ました。
是非あおいにも次の富士登山は笑顔で御来光を見てほしいです~(^^{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

ヘラチオ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

山登りよりもひなたとあおいの関係性に主眼

山登りはあるけれど、ひなたが不貞腐れたところに持っていかれた感じ。関係がすぐに元通りになると思いきや、意外と面倒くさい性格だったようだ。集団で登山するときに身勝手な行動は本当に迷惑。山舐めてるんじゃないのと言っておきながら、自分が山舐めてるという。ちょっと、いらっときた。{netabare}あおいが自分以外の子と仲良しなことに妬いたのかしら。遊ぶときに予定が合わなかったのは映画の予定を勘違いしてたひなた自身のせいだってのに。{/netabare}他はそれなりに面白かった。

あおいが群馬に行って、ほのかに会うとき、{netabare}登場したほのか兄が完全に頭文字Dを意識した感じ。やっぱり群馬エリアだからかな。音楽もそれっぽいし、車も。{/netabare}

今作での登山お役立ち知識は登山靴と解けにくい紐の結び方くらい。次回作に期待したい。あおいの富士山再チャレンジ見たい。

OPは地平線ストライド。山登りの振り返りあり。
EDは色違いの翼。あおいとひなたが歌う。映像の葉がぶわーっとなるところ好き。
ヤマノススメの楽曲はメロディは結構良いので、すごく頭に残る。

以下はアマゾンプライムから引用のあらすじ。
1. 『筑波山で初デート!?』
夏休みが終わり、新学期が始まった。高校1年生のあおいは、夏休みに登った富士山で、幼なじみのひなたがプレゼントしてくれた人形のお礼をしたいと考えていた。アルバイト先の先輩・ひかりからアドバイスをもらったあおいは、ひなたに筑波山への登山を提案する。

2. 『登山靴ってすごいの?』
富士山登山に再チャレンジすることを決意したあおい。だが、山登りの先輩・かえでから、そろそろちゃんとした登山靴を買ってはどうかと勧められる。高額な金額を聞いて尻込みするあおい。放課後、なけなしの貯金を手にしたあおいは、ひなた、かえでと登山用品店へ向かう。

3. 『飯能にアルプス!?』
富士山登山再挑戦に向けて体力をつけるため、新品の登山靴を履いて「飯能アルプス」踏破をすることにしたあおい。今回はひとりでの登山だ。飯能アルプス最初の山・天覚山を登り始めたころは鼻歌交じりで快調だったあおいの足取り。だが次第にバテてしまい……。

4. 『クラスメイトと遊ぼう!』
10月になり、衣替えの季節。しかしあおいはいまだにクラスに馴染めず、クラスの中に友だちはひなただけだと思っていた。休み時間、ひとりで編み物をしているとき、ふとクラスメイトのみおに話しかけられる。それをきっかけにふたりで話をするうちに、放課後、同じクラスメイトのゆりやかすみ、そしてひなたも一緒にカラオケへ出かけることに。

5. 『思い出を写そう!』
ひなたの父の取材に便乗して、群馬県にあるロックハート城を訪れたあおいとひなた。高尾山で出会った友人のここな。谷川岳の登山で出会い、群馬に住むほのかも一緒だ。城内を散策し、おいしいカレーを食べたり、写真を撮ったりして楽しむ4人。そのうちに『プリンセス体験』の看板を見つけた4人は……。

6. 『コーヒーってなんの味?』
ひなたの家のウッドデッキでお茶をごちそうになっていたあおい。ふとひなたを見ると、コーヒーを飲んでいる。山頂でコーヒーを飲む「山コーヒー」のおいしさを勧められたおあいは、自分もやってみたいと思うものの、コーヒーの苦さがまだ苦手。ひなたと山コーヒーをするために、あおいは豆選び&ドリップの練習を始める。

7. 『働かざるもの、登るべからず!?』
ひなたがあおいに、今度の休みに池袋まで遊びに行こうと誘うものの、あおいはアルバイトがあるからと断る。アルバイトの当日、その日はクラスメイトやお母さんの退院祝いを買いに来た女の子など、様々な人たちがやってくるが、あおいは熱心に接客をするのだった。その様子を見たひかりは、あおいの成長に目を細める。

8. 『ふたつの約束』
「あおいでも登れそう」ということで、ひなたは群馬の赤城山登山にあおいを誘おうとするが、連絡がつかない。そのころ、あおいはほのかと群馬の伊香保温泉に遊びに行く約束をしていたのだ。翌日、あおいからほのかとの約束を告げられ、一緒に行こうと誘われたひなただったが、断ってしまう。あおいはひなたのそんな様子をいぶかしがる。

9. 『それぞれの景色』
伊香保温泉の階段を登りきり、伊香保神社や展望台を歩き回るあおいとほのか。さらにほのかはせっかく来たのだから、露天風呂に入っていこうとあおいを誘う。友達とお風呂に入ることがちょっぴり苦手なあおいだったが、覚悟を決めて露天風呂に向かう。一方、ひなたは、あおいのことを案じながら、ここなと一緒に赤城山を登りきる。

10. 『すれちがう季節』
同級生のみおたちに池袋へ遊びに行かないかと誘われたあおい。ひなたにはすでに予定があって一緒に行けないと知り、あおいは遊びに行くかためらうが、みおたちと出かけることに。当日、あおいからの楽しそうなメールを受け取ったひなたは、あおいの楽しそうな様子を見て一抹の寂しさを感じていた。

11. 『ぎこちない縦走』
あおいが池袋で買ってきたおみやげをひなたに渡したものの、ひなたはどこか浮かない様子。そんななか、かえでが「週末にテント泊しながら瑞牆山と金峰山に登ろう」と誘う。出発の前日、あおいは自宅に泊まりに来たここなと一緒に翌日の夕食の準備をしていた。ところがその準備に思いのほか手間がかかってしまい……。

12. 『ともだち』
前日に準備してきた晩御飯を振る舞うあおいとここな。そのおいしさにひなたも少し喜んでくれた様子で、あおいは胸をなでおろす。翌日、早朝から金峰山へアタックを開始するが、ひなたの様子がおかしい。すると、ひなたにあるトラブルが発生し、心配になったあおいはひなたに寄り添うのだった。

13. 『秘密だよ?』
季節はめぐり、もう11月。富士山登山に向けて体力をつけるため、あおいはペットボトルを入れた荷物を担いで、天覧山に登っていた。そこで偶然ここなと会ったあおいは、そこでひなたの誕生日が近いことを知らされる。ひなたへのプレゼントは何がいいのか、あおいはいろいろと考えを巡らせるが、なかなか思いつかずにいて……。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

会いに行こう…かけがえのないともだちとステキな景色に

アニメ視聴の中でも続編の視聴は楽しみがひとしおです。
だって、これまで決して溶けなかった封印が開き、物語の一歩奥に踏み込めるのですから…
今回2018年の夏アニメで3期が放送された訳ですが、2期が放送されたのは2014年なんです。
4年も経った気がしないんですけど…

完走してレビューを書くためにwikiをチラ見して知りました。
ロケハンも大変であり、第2期の終盤が綺麗な終わり方をしていたことから続編の計画がなかなか立たなかったが、第3期を待望するファンの声により話が進んだそうです(wikiより)
この記事を見た時、思わず胸が熱くなってしまいました。

昨今、大人の事情やら何やらで、様々な改変が行われながらアニメ化が進められています。
中には、一旦TVアニメ化発表され歓喜したのも束の間…劇場版になった上、尺が思い切り短くなりその作品の持つ本来の良さが見出せない作品がありました。
こういう現状を目の当たりにするたび、そもそも基盤となっているべき視聴者、読者の声が反映されない事に対して寂しさを通り越して憤りを覚えていました。

でも…やっぱりそれが全てじゃないんですよね。
この作品の様に、作り手に私たち視聴者の声が届いて企画が前に進むこともあることを知れたのは精神的に大きいです。
大好きな作品を応援するのは、決して無駄じゃないという事の裏付けなのですから…

2期では挑戦して…決して甘くない現実を突きつけられ英断を迫られられた4人でしたが、今回はもう一度夢に挑戦するため、改めて自分たちを俯瞰した上での言動が揺れ動く心と共にとても丁寧に描かれています。
季節は夏から秋に変わり、夏の登山をきっかけに交友関係も広がって、もう独りぼっちで部屋に閉じ籠っていたころとは別世界の景色を見ています。

夏の挑戦は本当に大変でした。
だからこそ、お互いの絆の結びつきはより一層強くなったと言っても過言ではないでしょう。
強くなるだけじゃない…お互いの距離だって縮まったと思います。
たくさん笑って、たくさん泣いたから…

そしてこの世界はあおいとひなた、そして4人で築き上げたモノ…
でも夏休みが終わり新学期が始まると、否が応でも第3者が介入してきます。
だって当たり前です、クラスメイトは二人だけではないのだから…

次にぶつかる壁は距離感に対するギャップ…
縮まった距離感でしか知り得ないギャップ…
きっかけは些細なことでしたが、相当デリケートな事だと思います。

立場も見える景色も…何もかもが一緒だったはずなのに感じるギャップ…
これって、状況によっては結構辛いんですよね。
でも親友なら一緒に超えていかなきゃいけない壁だと思います。
もう、その壁の乗り越え方なんて、とっくに知っているんですけどね。
彼女たちが導き出す答えは…
気になる方は、是非本編でご確認頂ければと思います。
溢れんばかりの眩しい笑顔が温かく視聴者を迎えてくれることでしょう。

オープニングテーマは、あおい、ひなた、かえで、ここなの「地平線ストライド」
エンディングテーマは、あおい、ひなたの「色違いの翼」
期を重ねる事にテーマソングがレベルアップしているように感じているのは私だけでしょうか?
今回のテーマソングも素晴らしいです。
個人的にツボに入ったのはエンディング…このフレーズとアニメーションを見ていると、何故だか泣けてきます。
今期のアニソンBEST10の上位に入る作品だと思っています。

1クール全13話の物語でした。
今期の内容自体もしっかり堪能させて貰いましtが、何より嬉しいのが4人にでっかい目標ができたこと…
この目標に対する行動と顛末はきっとアニメ化されると信じています。
(今のままでは綺麗な終わり方とも言えませんし…)

投稿 : 2024/11/02
♥ : 36

75.8 5 コーヒーで友情なアニメランキング5位
東京喰種√A(TVアニメ動画)

2015年冬アニメ
★★★★☆ 3.7 (1517)
8667人が棚に入れました
「 悲劇、2周目。」人間の死肉を喰らう怪人"喰種"が潜む街――東京。大学生のカネキは、ある事故がきっかけで"喰種"の内臓を移植され、半"喰種"となる。人を喰らわば生きていけない、だが喰べたくはない。人間と"喰種"の狭間で、もがき苦しむカネキ。どちらの世界にも「居場所」が無い、そんな彼を受け入れたのは"喰種"芳村が経営する喫茶店「あんていく」だった。そしてカネキは自らが"喰種"と人間、ふたつの世界に「居場所」を持てる唯一人の存在であると知る。互いが歪めた世界を正すため、カネキは"喰種"と人間の想いが交錯する迷宮へと立ち入るが…。――僕は"喰種"だ――全てを守れる「強さ」を欲したカネキが取った究極の選択は、

声優・キャラクター
花江夏樹、雨宮天、宮野真守、菅生隆之、諸星すみれ、浅沼晋太郎、梶裕貴、小西克幸、釘宮理恵、豊永利行、遊佐浩二、下野紘、悠木碧、戸松遥、井上和彦、瀬戸麻沙美、近藤孝行
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

√Aの歩き方

2018.08.19記


原作既読。1期から続けて視聴。

※1期ネタバレ含む。以下、1期視聴前提です。

1期から3か月空けての2期。時差がそれほどありません。実質分割2クールです。
本作2期√aはアニメオリジナル展開となることから、少し時間を空けたことで良いハーフタイムとなりました。

そうです。アニメオリジナル展開です。
結末は原作とほぼ変わらないので、そこに至るプロセスの違いをどう受け止めるか?は原作組の楽しみになるのではと思います。
あわせてアニメ作品として、作画やストーリーなどアニメ1期からの継続作品として原作とは分けてどう評価するか?がアニメ組原作組双方にとって楽しみになるのではと思います。

私は原作組になるかと思いますが、アニオリ展開を充分楽しめました。


ただ、なかなか好意的に受け止められてないようで、はじめにイマイチポイントを整理します。
・説明不足など伏線の回収が間に合わない

{netabare} ナシロとクロナの登場とか{/netabare}
{netabare} なんで金木君アオギリの樹に入ったの?とかね{/netabare}

尺不足を理由にするのは安易でしょうが、ストーリーを展開する上での演出には、技術的な粗さが散見されます。
アナザーストーリーを受け入れる土壌は確かにあったものの結果としてあまり好感をもたれてない。
原作組もなにがなんでも原作に忠実に、という方は少数でしょうが、〈原作の改悪〉と受け止められた向きがあります。

・作品の雰囲気が変わっている

1期は喰種と人間との間に挟まれた半喰種カネキ君の葛藤が物語の軸としてわかりやすく提示されてましたが、2期は葛藤度合いが薄めです。笛口家の悲劇のような象徴的なエピソードもなく、淡々と不穏な空気を孕みながら話数を重ねる感じですね。
{netabare}ひとつ例として、劇伴でしょうか。ピアノが主でたまにアコギ入れるみたいな抑え目で抒情的なつくり。詩的な印象づけを意図的に演出していると思われます。{/netabare}
要所要所での物語の盛り上がりに欠けるためエンタメ要素が少なく、アート寄りな作りと受け止められ、こういったところにとまどうかもしれません。


これから観られる方、もしくは再視聴される方向けに
こういったマイナス評価がある中で、前向きに捉えられるものはあるか。
見逃せない√aの要所があります。マイナスを補って余りある視点があります。

それは、

 ~~喪失の物語~~ 

前述のカネキ君の葛藤は、1期8話で人間と喰種の架け橋になることを自覚し、同じく1期11話で力をつけて大事なものを守ると覚悟を決めたことで、一定の結論を出してます。
「我太平洋の架け橋とならん」新渡戸稲造と「正しいことをしたければ偉くなれ」和久さんとの掛け合わせ的な結論です。
軸の定まったカネキ君は以降こちらを礎に行動に移していきます。並行して1期の見所であったカネキ君の葛藤は表向きには鳴りを潜めます。

 『この世の不利益はすべて当人の能力不足』

それが正しいか正しくないかは当の本人もわかってないでしょう。選択肢はなくそれを選ばらざるを得なかったのです。
1期終盤で覚醒した白カネキ君が原作とは違うアオギリの樹加入というルートを辿ってどこへ向かうのか?
哀しみの戦士カネキ君だけではない、あんていくの面々、CCGの捜査員たちも何かを得る以上に何かを失っており、そんな多くの登場人物の抱えた想いが交差しながら物語は進んでいきます。
成長する、勝利する、溜飲を下げるなどの描写はほとんどありません。
それがいいんですけどね。

積み上げていくもの 失っていくもの
生まれくるもの 亡くなっていくもの

東京喰種本筋の楽しみである人間と喰種の果てなき闘争に『喪失の物語』要素が加わり、物語はある結末に向かっていくのです。

ここまで観るとピアノ主体の劇伴の意図もわかりそうです。
結末がバッドエンドかハッピーエンドか自身で確かめてみてください。

多少の粗さに目を瞑り、作品が伝えたかったことに共感するかたちでの視聴となった私です。1期から継続視聴されてる方で違和感を感じられた場合は、視点を少しずらしてみると楽しめるかもしれません。良作です。

{netabare}例えば会津戦争の白虎隊が好きでしたら親和性ある気がします。最終話EDは堀内孝雄の「愛しき日々」でも良かったくらいです(嘘){/netabare}



※以下、がっつりネタバレ注意

■ボタンの掛け違い
各々が良かれと思ってとった行動が裏目に出ることはままありますが、そこが描かれていることも私にとっての作品の魅力のひとつです。

{netabare}カネキ君の場合
カネキ君のアオギリ加入は身近な人を守るため。アヤトと似たような動機かと思います。ただ、眼帯のグールがCCGに認知されて足がつき、そこをエトらに利用されて、と大きな流れには逆らえませんでした。原作でも結末は似たような感じだったので、カネキ君がどんなルートを辿っても行き着く先は変わらない、というのがアニオリで製作側が訴えたかったことなのかもしれません。

CCGの場合
20区の喰種に秩序をもたらしていた存在を潰したことになります。その先には、混沌かさらにたちの悪い連中による支配のどちらかでしょう。警備コストは増えることになり、良い手だったとは到底思えません。

どちらにとっても結果としては良手ではありませんでした。しかしながら局面の判断としては間違っていたとは言えない。
なんともやるせない話です。
{/netabare}

■私の大好きな第8話
ボタンを掛け違った結果の第8話です。
1期も2期も第8話は好きな回です。そういえば某吹奏楽部アニメ1期の8話もなかなかでした。1クールもので終盤に向けて加速するのに頃合いがいいのかもです。

{netabare}芳村店長と篠原特等があんていくのカウンターで珈琲を一緒に飲むシーン。
2018年8月現在、3期まで観終わりましたが全期通じて一番好きな描写です。
一言でかたずけると、二人の人生が詰まっています。

避けられない対決を前にしての一時の邂逅。あれくらいの歳の男にしか出せない渋みをぜひご堪能くださいませ。{/netabare}



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2019.06.29追記
《配点を修正》


視聴時期:2017年11月(無印とセットで)

8話を観るためにという理由だけでも価値のある2期。
マンガですが、『花の慶次』幸村と砂霧の茶会シーンに匹敵する名シーンだと個人的には思うわけであります。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26
ネタバレ

ゆう。 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

最終回が一番良くわからなかった。

カネキなんでああなった?

1話感想
{netabare}
1話目から凄まじい戦闘シーンと言う怒涛の展開だったのだがカネキの変貌振りがいきなり過ぎて少しついていけなかった。

1話の最後ではカネキがアオギリに入ると言う1話目にしては展開が早いなと感じる流れでした。
今後どうなる?
{/netabare}

2話感想
{netabare}
今回はCCGの話がメインでした。

亜門さんの新しいパートナーとして紹介されたのは真戸さんの娘の暁(あきら)。
父に似て癖の強いキャラでしたね。

今後現場でこのコンビがどう立ち回っていくのか楽しみなところ。
{/netabare}

3話感想
{netabare}
3話ではヒナミが会った作家の先生がカネキのことを知っていることや碧眼の少女二人が登場したりなど謎が深まる回でした。

謎がいくつも重なる感じで少しわからなくなってくる部分が多いかなとも感じたかな。
{/netabare}

4話感想
{netabare}
コクリアグール収容施設での話しだったんですが今回は今までと打って変わって戦闘ばかりの話でした。

しかしグールは二期になってから話がごちゃごちゃしすぎている、これが戦闘になると正直ストーリー(主な内容)的な物が色々飛ばされる形で戦闘ばかりになるので何故この様なことになっているのかなどわからない場面などが多かったです。

かつて亜門がいた養護施設の神父が何かあると言うのはわかったのですが金木の戦闘が良くわからなかった。
その謎は来週に持ち越しってことでしょうか。
{/netabare}

5話感想
{netabare}
金木の様子がおかしかったけれどあれはリゼに侵食されてたのかな?

こんかいはバトルが多い中人間が押し気味でアオギリを倒しかけてはいたがあの双子のグールは元人間で亜門の教え子か何かなのかな?
亜門も見た時に覚えている様だったけれどどんな経緯でグールになったんだろうか。

狂った金木は亜門によって止められ正気に戻っていたようだったけど回収されてしまった。
食べたくないと言っているのに何故アオギリに入る道を選んだのかな?
{/netabare}

6話感想
{netabare}
前半は主にジューゾーの話、後半は亜門とアキラの話という回でした。

ジューゾーは明らかにおかしいというのは知っていましたがグールに育てられた人間だったんですね、純粋な人間だけどグールに育てられ、調教されて身体能力が異常な数値になったようです。

人間の親の感覚と言うのがわからない感じでしたがパートナーである篠原さんに少し親に近い感情を抱いてるんですかね?篠原さんも我が子のように接しているようにも思えるかな。

亜門さんはやはり凄いタフで良い男だと思ったけど「部下の自宅で筋力トレーニングに励む変態捜査官」だったとは・・・

普通腕立て7000回とかできんわw

アキラも少しずつ心を開いてきたようですね。
{/netabare}

7話感想
{netabare}
とうとうはとにあんていくの事がバレてしまうという回、バレると言っても攻撃を受けるとか言うものではなくお互いわかってはいるがあえて口に出さないといった状況かな。

高槻泉によって話が動き始めたという感じですがジューゾーは取材の時勘みたいなので何か嫌な予感みたいなのはしてたのかな?

金木がアオギリに入った理由って皆を守りたかっただけなの?皆を守るため強くなりたいからアオギリに入ったのか。
もう少し複雑な理由かと思ってた。
{/netabare}

8話感想
{netabare}
あんていくの店長による昔の話があったがフクロウはどうやら店長の息子のよう、グールと人間の間に出来た子だが普通であれば生むことは無理だがウキナが愛ゆえに人間でありながら人を喰らい生むことが出来たようです。

あんていくからはトーカとヒナミは何も知らせず避難させるような形になったようです。

お店の物も処分し残ったのは店長と最後まで付き合うといった店員2人、店長はやはり気づいていたようですね。

来週あたりから戦いが始まりそうです、20区の中でも平和な方だったあんていくはどうなるのでしょうか?
{/netabare}

9話感想
{netabare}
戦いが始まったのですがあんていくの店員だった2人も有名なグールだったみたいですね。

なんかすごい数の部下みたいのを連れてきたし。

お互い過去の因縁などもある間などもいるみたいで、戦いが激しくなりそうです。

店長かなり強いな、とても同一人物には見えなかった。
{/netabare}

10話感想
{netabare}
あんていく側のグール達は過去に過ちを犯したかもしれない、でも今回CCGとの抗争はなくてもよかったのでは?と思わせるような部分が多かったです。

人との共存を選び平穏に過ごしていたのに人間がそれを崩してしまった、どちらが正しいのかわからない。

人間が人間を巻き添えにしようとしグールがそれをかばうという場面もありました、それだけあんていくのグール達は共存を望んでいたのかと思います。

人間によってそれが崩されました。

金木とのバトルはどうなるのでしょうか。
{/netabare}

11話感想
{netabare}
今回も沢山のバトルがありました。

正直意味があるバトルなのか?と思う部分がありました、完全にCCGはフクロウを勘違いしていたんですね。

亜門さんも出会い方が違かったらと金木とはお互い戦いたくないと言う気持ちはあるようでしたがそういうわけにもいかなく本気でぶつかり合うことに。

一番驚いたのはフクロウの正体があの小説家だったこと、彼女は何を考えているのか?

金木はあんていくで目覚めることになりましたがそこには永近がいて久しぶりの再開、次回どうなるのか?
{/netabare}

12話感想
{netabare}
今回が最終回。

金木が苦しんでる中永近は永近なりに金木のために何かしてやれないかと頑張っていたんですね。

トーカの知らないところで色々事が進み大切な場所あんていくが燃えて無くなり大切な人達までも失うと言う事が一気に起きました。

正直、話自体は金木と永近がほとんど進めてあとはよくわからない状態だったかな。

トーカは立ち直って自分で喫茶店を営業していたけどヒナミはどこ行ったんだろう?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 9
ネタバレ

ぽんちぃ さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

2期決定。予想通りだったけど、ほっとした。

10月11日のイベントで、2期の発表があったらしいです。
予想どうりでしたが、ちょっと心配だったので、ひとまずほっとしました。
中途半端でもやもやしてた方、よかったですね。
(情報のみなので、サンキューは不要です。)

TVアニメの第2期は、2015年1月よりスタート
石田スイのオリジナル原案によるアニメーション
花江夏樹、雨宮天、花澤香菜、宮野真守らキャスト陣が続投。
監督は、森田修平監督が引き続き担当

森田監督コメント
「東京喰種2期! 皆さまに発表できる日が来たことをうれしく思います。
僕たちの使命は、1期以上にみなさんが楽しめるアニメ東京喰種にする事です。
是非、アニメ東京喰種をお楽しみにしていただければと思います!」


▼以下は、配信記事
===================================
「東京喰種」ファンイベントでアニメ2期&「東京喰種;re」連載開始発表!
[映画.com ニュース]2014年10月11日 21:50 より
{netabare}
石田スイ氏の人気漫画「東京喰種」のファンイベント「東京喰種 24区 SECRET RECEPTION」が10月11日、都内で開催され、アニメ版の声優を務めた花江夏樹(金木研役)、雨宮天(霧嶋董香役)、森田修平監督、本作の大ファンというタレントの小島瑠璃子がトークショーに出席した。

「東京喰種」は、人を食べる化け物・喰種(グール)がはびこる東京を舞台に、半喰種として生きることを余儀なくされた普通の大学生・金木研が真実を追い求める姿を描く。9月18日発売の「週刊ヤングジャンプ」(集英社刊)で唐突な最終回を迎えており、ファンの多くは今後の展開に大きな期待を寄せていた。

そんななか、イベントでは特報ムービーでアニメ版第2期の制作が発表。さらに、同誌編集部「東京喰種」担当編集の松尾淳平氏から、続編である「東京喰種;re」の連載開始が公にされると、客席から割れんばかりの歓声があがる。石田氏からもファンに向けた感謝のメッセージが寄せられており、会場のそこかしこから喝さいが沸き起こっていた。

この発表に、単行本全巻を大人買いしたという小島は「やったー!」と大興奮。アニメ第2期には「“白”カネキくんが動く姿が見たかったので、本当にうれしいです」と目を輝かせ、新連載については「PVの中でかなり謎があって、それも伏線になっていくんだろうな。ドキドキしています!」と胸おどる様子だった。

この日の会場は作品の世界観を忠実に再現した都内某所の施設で、ファンのテンションはのっけから最高潮。壇上では喰種が人間とコーヒー以外の物を口にすると吐しゃ物のような味に感じてしまう設定にちなみ、小島と森田監督に「激マズサンドイッチ」がふるまわれたほか、静止画MADコンテスト表彰式や特別プレゼント抽選会が催され、100倍を超える倍率をくぐり抜け集結したファンは大盛り上がりだった。

「東京喰種」アニメ版第2期は2015年1月放送開始予定。
「東京喰種;re」は10月16日発売の「週刊ヤングジャンプ」第46号から新連載。
{/netabare}

===================================
『東京喰種』主人公を一新した新章連載が決定、アニメ第2期は2015年1月開始
マイナビニュース 10月11日(土)21時31分配信 より
{netabare}
先日公式サイトで「:re」「石田スイ」「…始動。」という予告がアナウンスされ話題となっていた、石田スイによる人気漫画『東京喰種トーキョーグール』の続編連載が11日、明らかになった。また、TVアニメの第2期も2015年1月より放送がスタートする。

続編のタイトルは『東京喰種トーキョーグール:re』。10月16日発売の『週刊ヤングジャンプ』46号から連載を開始する。主人公を一新した新章になるという。

そして、2015年1月よりスタートするTVアニメの第2期は、石田スイのオリジナル原案によるアニメーションとなり、花江夏樹、雨宮天、花澤香菜、宮野真守らキャスト陣が続投。監督は、2013年度米アカデミー賞短編アニメ賞にオムニバス映画『SHORT PEACE』の「九十九」がノミネートされた森田修平監督が引き続き担当する。森田監督は「東京喰種2期! 皆さまに発表できる日が来たことをうれしく思います。僕たちの使命は、1期以上にみなさんが楽しめるアニメ東京喰種にする事です。是非、アニメ東京喰種をお楽しみにしていただければと思います!」とコメントを寄せている。

『東京喰種トーキョーグール』は、漫画誌『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で2011年より連載がスタートし、9月18日発売の42号にて連載を終了。人を喰らう怪人"喰種(グール)"が跋扈する東京が舞台で、喰種に襲われ瀕死となった平凡な大学生の金木研が、喰種の臓器を移植されたことでその能力を受け継ぐ半喰種に。人間でありたいと願いながら、人を喰いたい衝動に耐える金木研が、自分の存在に疑問と葛藤を抱きつつ、喰種と捜査官、そして謎の組織との過酷なバトルに身を投じていく姿が描かれた。

コミックスは現在13巻まで発売され、累計発行部数は720万部を突破。巻数を重ねるたびに人気を獲得していき、9月の突然の連載終了から続編を求める声が多く上がっていた。TVアニメ化も果たし、2014年7月より9月までTOKYO MXほかにて放送。なお、10月17日にはコミックス14巻とフルカラーイラスト集『東京喰種トーキョーグール【zakki】』の発売が予定されている。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 16

68.5 6 コーヒーで友情なアニメランキング6位
しろくまカフェ(TVアニメ動画)

2012年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (493)
2674人が棚に入れました
カフェを営むしろくまと常連客のパンダが繰り広げるほのぼの系アニメ。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、福山潤、神谷浩史、森川智之、遠藤綾、羽多野渉、小野大輔、小西克幸、谷山紀章、矢作紗友里、近藤孝行、伊藤陽佑、藤原祐規、宮田幸季

kazunyanzu さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

しろくまくん! カフェモカおかわり(*´ω`)oU~♪

【アニメ しろくまカフェ】 全50話 ('12年4月~'13年3月) 1年間放送!

動物の「しろくま」さんが営んでいるカフェでその名の通り

"しろくまカフェ"

に集まる常連さん、「ペンギン」さん「パンダ」くんと
しろくまカフェで働いていて、今作品ゆういつ?の女のコキャラ「笹子」さん
たちが繰り広げる、ギャグやダジャレの飛び交うまったり会話(o´艸`)ヌフフで
楽しい時間を一緒に過ごすほっこり動物癒しコメディーアニメ♪


他にもたくさんのキャラもとい、動物さんたちが出てきます!!

ラマさん、グリズリーくん、半田さん、リンリン、ナマケモノさん、
ゾウガメさん、カワウソくん、マンドリルさん、パンダママ、
常勤パンダさん、コアリクイさん、レッサーパンダくん、メイメイ、
ちっちゃいペンギン(シュシュぽぽ) オオカミ、トラ、ライオン、他にもいっぱい…


何なに?動物? コスプレとか着ぐるみ?の類ですか?

いえいえ違います! 他ならぬ正真正銘の"動物"さんです!!

この作品の世界では人間と動物が共生している社会♪

普通にそこら辺をペンギンさんが恋悩みにうつつを抜かしながら歩いてますし
パンダくんがダルがりながらも、動物園でバイトしてたり(当たり前か)
エゾリスママやパンダママはスーパーのセールとその後のママ友会♪*゚
しろくまくんはカフェのマスターでいつもみんなを暖かく迎えてくれる♪

ごくあたり前の人々が暮らす日常に動物さんたちも普通に暮らしていて、
和気あいあいと楽しい日常を演出してくれる~

そんな楽しい動物たちに囲まれてほんわかゆるくて癒される~そんな世界観♪

あ、人間さんも出てきますよー!! 
でもキャラ構成比 動物:9 人間:1 くらいですかね*・ω・)w

たくさんのキャラが出てきます!! 30人、(匹、頭、羽) くらいでしょうか?
演じられる声優さんたちは人気の方々がしっかりと好演されていますね☆

シロクマくん CV:櫻井孝宏  パンダくん CV:福山潤
ペンギンさん CV:神谷浩史  ラマさん CV:小野大輔  
                      有名ドコロ抜粋_((Ф(・ω・*)♪

あと花澤香菜さんも実は出演されてますね|ョω・)♪


ストーリー的には1話ごとに2つのお話があって、
先が気になったり、あつい展開が待っている訳ではないので、

夢中になるというよりは ⇒ まったり楽しむというのが正しいでしょう!!


また1年間放送されていた作品なだけあって四季折々のイベントや風情を
一緒に楽しむというのが通かと思います♪*゚

春にはお花見して~、夏には、七夕や海!!
秋には、運動会やハロウィン★
冬にはクリスマスや一緒に年を越したり~ 冬眠したり(*´д`)σ[枕]w

私達の日常にもリンクする、そういった演出も毎週楽しみに観ておりました☆


いつものごとくちょっと脱線しますが、

ペンギンさんがおもしろいです(*´艸`*)ププ
ペンギンさんが好きなのは同じコウテイペンギンの「ペン子」さん♡
彼女を何とかデートに誘おうと奮闘するのですが

自体は思わぬ方向へ(ノ*´ω`)ノ ―

ペン子さん、ペン美、ペン奈、ペンジョリーナ、あとなんでしたっけ?w

いっぱい出てきましたね(o´艸`) ハーレムですよこれハーレム!!
こんなに微笑ましいハーレムアニメ、他にはないんじゃないですかねぇ(。 ノ∀<)σw

ペンギンさんのキャラソンも最高ですね(ノ∀`*)♪


あとなんと言っても シュシュぽぽ♪

え?何ですと( ;゚Д゚)? シュシュ、シュシュポポ?
電車ゴッコしてるちっちゃいペンギンの子どもたちがこれかぁ~わいいのです(◍’౪`◍)♪w

「ガタンゴトーン♪ ガタンゴトーン♪」

すいません(人д`*)
未視聴の方には意味不明なコトですのでこれくらいにして(人*’ω’*)



まとめて――  ヾ(・ω・`) しろくまくん終わろう

総じて、ジャンルとしては日常コメディー(非日常)
かわいい動物たちとほんわか笑える楽しいカフェの雰囲気♪

動物好きなヒトにはたまらないのではないでしょうか?

週に一度、カフェモカを片手に
和気あいあいと和む動物たちにほっこり癒される時間があってもいいかもしれない♪

投稿 : 2024/11/02
♥ : 27
ネタバレ

たこすね さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

なんだこれ、おもしろすぎる!

ネットで評判を見かけ、既に1クール終わった時点から視聴を開始しました。
そしたらおもしろいこと、おもしろいこと!
そして癒されます。
寝る前に観ると、最高にいい感じに寝付けます(笑)
CMで言っている通り、動物たちのとぼけた会話を楽しむアニメです。

登場動物&人物たちがみんなおもしろいです。
{netabare}クールだけどダジャレをよく言い、無茶振りも得意なシロクマさん。
マジでやる気がなく、呆れるを通り越して尊敬できる域のパンダくん。
常識人ぽくて実はとても残念なペンギンさん。
ペンギンさんの話を適当にあしらう(本人は天然なので、適当な自覚なし)笹子さん。
怖そうで、反面とても世話焼きで振り回されっぱなしのグリズリーさん。
目立たないけれどイケメンボイスで、おいしいところをもっていくラマさん。
ナマケモノくんとゾウガメさんはしゃべるの遅すぎ^^;
他にも魅力的な面々ばかりです。{/netabare}
ちなみに私はペンギンさんが一番好きです。
声優が神谷浩史さんというのがまたいいですね。
いい声なのにかわいい、このギャップが何とも。
他の面々も人気声優でかためています。

雰囲気が他のアニメにはないほのぼのした感じです。
キャラクターが動物ということもあり、みんなしゃべるのがゆっくりということもあり、刺激が少なくて観ていて疲れないです。
とてもゆったりした気分になります。

一方でほとんどデフォルメされていない動物たちが、普通に人間のような日常活動をしているところも見所です。
シュールなのですが、それをあまり感じない不思議があります。
仕事や恋愛も描かれていて、時として実直なドラマの回もあるので見逃せません。

50話あり、動物たちのいろいろな側面が見られて楽しいです。
まだまだシロクマさんたちの日常を観たいので、続編もあったらいいなと思います。

以下、私の好きなシーンなどです。
{netabare}
まず笹子さん。
1話からナマケモノさんを運びながら登場。
何てかっこうや^^;
30話のハロウィンで、シロクマさんが「笹子さん、カボチャ友の会に入ったのかと思ったよ。」と言うのに対し、「どうしてですか?」www
あんまりだ、やめたげてー!!

ペンギンさんは常識人のツッコミ役で通すのかと思ってたら、2話のお花見で早速残念な感じになってましたね。
「ナグラさんでしょー!」

シロクマさんはパンダに変装して動物園に行ったり、女装をしたり、案外無茶をする方ですね。
懲役刑ならぬ職務質問もされちゃいましたし。
「あたし、シロクマ子。」あのときばかりは櫻井孝宏さんの声がキモいと思ってしまいました^^;

オオカミさんの再就職の話や、笹子さんとラマさんの故郷の話などはまっとうなドラマになっていて、しみじみしました。
就職は大変な事だから、迷いながら頑張るオオカミさんの気持ちもわかるし、見守るトラさんが落ち着かなくなる気持ちも迫ってくるものがありました。
また風車にたどり着きたくて1日中歩き続けた笹子さんの話、旅好きにはすごく共感できるものがありました。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

che さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

Le café de l'ours polaire

タイトルのフランス語が間違っていると教えてもらったので、修正しました、takumi@さんありがとうです!

キャッチしてる方から、面白いと薦めていただき、OPの曲聴いて、このセンスは見るべきだなと思い、観ましたw

8話?リンリンさんがパンダ君の家に行く話と、ペンギン君がペン子さんに告白に行く話です。
だけしか、観てないんですがもう予約録に入れてるのでこれから常に見るともいます。

内容は、
喋るシロクマが経営するカフェに来店する、喋る動物たちと人間の日常と言う感じでしようか?
脱力系コメディって感じ?

シロクマくん面白かったですw
僕、シロクマって好きなんです、シロクマは英語でPolar bear(ポーラベアー)て言うんですけどこの名前の響きが好きなんですw
あとバイトの笹子さんかわいかったです!
書く事は、、、それぐらいですww
面白かった位しか書く事ないですww
オススメである事は間違いありません!

説得力ね~な~w

EDがツッパリハイスクールロックロールの替え歌でしたw
其れを聞いてOh!スーパーミルクチャンってアニメを思い出して棚に入れましたw
ミルクちゃんのEDもツッパリハイスクールロックロールなんですw

タイトルは、フランス語で「シロクマカフェ」です。
フランス語なんて解んないし翻訳機かけただけだから間違ってるかもww
カフェっていったらフランスってイメージがあるんでw
ほら、フランス語で書くだけでちょっとオシャレな錯覚にとらわれるでしょ!?

こんな人にオススメ

以下の理由により僕はオススメしません。

追記
なんかこのアニメの原作者、出版社と揉めてるみたいですね、
連載無期限休暇、宣言したみたいです。
出版社と制作会社は原作者となんの契約も結ばず、原作者の意図も汲まず勝手にアニメを制作した、原作者はこのアニメ制作に関してまだ一円ももらっていない。
てきな感じの記事をよみました。
そんなことして、ええ思っとるんかい~~!
ってかこの国はこんなにアニメとか、漫画が莫大な利益を生んでるのに原作者や制作者への還元率がおかしいやろ!
出版社横暴すぎるやろ!
って事でこのアニメは面白かったけど、もうみません!!
こんな事がまかり通るなんて、有っちゃいけない事だよ、こんな事何時までもしてたら、何時かアニメや漫画も廃れるよ、なんにしても、この国が世界に誇れる文化を廃れさせるような事をしてはいけないと僕は思います。
気になる人はググって調べたらいいと思います。
こんな事が有っても、見る見ないは、その人の自由だと思うけど、僕はもう見ません。
それが、出版社が原作者へ行った仕打ちの僕の答えです。
ホント下られねぇよこの国の何時まで経っても変わらない、こう言う所!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 13
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