コンピューターTVアニメ動画ランキング 20

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83.7 1 コンピューターアニメランキング1位
神様のメモ帳(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (2595)
14130人が棚に入れました
「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ。世界を検索し死者の言葉を見つけ出す」路地裏に吹き溜まるニートたちを統べる“ニート探偵”アリスはそう言った。高校一年の冬に僕と同級生の彩夏を巻き込んだ怪事件、都市を蝕む凶悪ドラッグ“エンジェル・フィックス”―すべての謎は、部屋にひきこもる少女探偵アリスの手によって解体されていく。 「真実はきみの平穏を破壊する可能性がある。それでも知りたいかい?」 僕の答えに、普段は不真面目なニートたちが事件解決へと動き出す! 情けなくておかしくて、ほんの少し切ない青春を描くニートティーン・ストーリー。

声優・キャラクター
小倉唯、松岡禎丞、茅野愛衣、生天目仁美、松風雅也、宮田幸季、櫻井孝宏、小野大輔

せもぽぬめ(^^* さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

スズケンの歌声に惚れちゃいました(#⌒∇⌒#)ゞ

■神様のメモ帳の監督さんって誰!?
まず・・・私の思い出の場所『渋谷』が舞台となっている事を知って勝手ながら印象度アップです(゚゚;)
 
エェー、コホンッ!(;-o-)o"
本作品の監督、桜美かつしさんの事は良くわかりませんが、萌えや残酷な描写は好まず、さわやかさ
と、余韻の残る作品作りを心掛けているそうなので、ちょっと期待してみていきたいと思っています♪
 
 
■主要キャラクター
・アリス(声:小倉 唯・・・本作品でヒロイン役抜擢、特徴・・・ちょっと舌たらずなしゃべり方)
 自称NEET探偵。ドクターペッパーを愛飲してる。
 クラッキングで得た情報と鋭い洞察力で事件を解決していく♪
 
・藤島鳴海(声:松岡禎丞・・・本作品で主人公役抜擢、女性が大の苦手という欠点を生かせるのか!?)
 四代目にも物怖じしない言動も、無鉄砲なだけ?子分からはゴットハンドと一目置かれている。
 
・篠崎彩夏(声:茅野愛衣・・・あの花「本間芽衣子」めんまちゃんだ(゚ロ゚;))
 鳴海を園芸部に誘い半ば強引にNEET探偵の一員に誘い込んだ。ラーメンはなまるのアルバイト員。
 
・ミンさん(声:生天目 仁美・・・灼眼のシャナ「マージョリー・ドー」俺妹「沙織」)
 『ラーメンはなまる』のオーナー。巨乳の美人姉さん!
 
・テツ(声:地獄少女「一目連」DEATH NOTE「魅上照」)
 NEET探偵の一員。元ボクサー、ギャンブル好き。特攻隊長的存在?
 
・少佐(声:宮田幸季・・・バカとテストと召喚獣「土屋 康太」)
 NEET探偵の一員。ミリタリーマニアで諜報活動もおてのもの。
 
・ヒロ(声:櫻井孝宏・・・コードギアス 反逆のルルーシュ「枢木スザク」)
 NEET探偵の一員。ホスト風の美青年。色んな女性の「ひも」として生活をしている。
 女友達が街中にいるため、その情報網が色々役に立っている。
 
・四代目(声:小野大輔・・・AIR「国崎往人」黒執事「セバスチャン」デュラララ!!「平和島静雄」他)
 「平坂組」の組長。NEET探偵と深く関わっていく。機械音痴の子分達は鳴海の事を一目置いている。
 
 
■神様のメモ帳と出逢った時の日記φ(*'д'* )
1つの依頼を数話で完結していくタイプなので、私好みのシナリオ構成なので好印象です♪
鳴海以外のキャラクターの役割分担がはっきりしているので、NEET探偵に関わって、これといった特徴の無い鳴海がどう変化していくのか、期待してみていこうと思います♪
また、本作品の主人公とヒロイン役に抜擢された声優さんが、どのようにキャラクターを演じてくれるのかも注目していきたいと思います♪
ミステリー的要素はあまり期待せずに、キャラの使い方で楽しませてもらいたいです♪
 
 
■総評
1話の1時間回は原作とは違った、オリジナルな内容だったのですね♪
まぁ私は原作は未読なのですけど、全体を通して十分アニメだけで楽しめる内容に満足です♪
 
園芸部で藤島中将こと鳴海君は1話では何のとりえも無いキャラで、主人公らしくなかったのですけど、後半にかけて主人公として十分な魅力を放ってましたね♪
声優の松岡さんも頑張って感情の起伏を表現出来ていて、今後の活躍に期待したいと思いました♪
 
キャラの動かし方はとっても良かったと思います。
各キャラの出来る事、出来ない事を明確にした動かし方は、分り易くてストレスを感じるような場面はなかった気がするのです♪
鳴海が徐々にNEET探偵の中心になっていく様子も、鳴海に触発されて黙ってても手を差し伸べてくれる仲間達との関係もうまく描かれていて、こういう関係っていいなぁって思いました♪
 
また、麻薬を題材にした最終話に向けてのストーリーでは、アニメでは描かれていない彩夏ちゃんの隠された想いが痛いほど伝わってくる内容で本当に感動しました(/□≦、)
ちょっと切なく悲しい結末でしたけど、綺麗に最後をまとめた印象ですね♪
オレンジ色の花の「ナガミヒナゲシ」、しっかり覚えましたよ(*^-^)
ちなみに、阿片の原料となるアルカロイドは含んでないのであしからず♪
 
1クールで終わってしまうのが寂しいですね♪
2期が作られる事を期待して待っていたいと思います(*^-^)
 
 
■MISIC
OP曲『カワルミライ』
 歌:ちょうちょ
 アップテンポの軽快な曲に優しい歌声でとっても気持ちの良いナンバーです♪
 
ED曲『あすなろ』
 歌:鈴村健一(平坂錬次)
 錬次役の鈴村さんが歌詞も書いたお気に入りのロックナンバーです♪
 さすが声優さんだけあって、声に深みがあってとってもかっこ良い、歌も上手なのでびっくりです♪
 
ED曲(1話限定)『Colorado Bulldog』
 歌:MR.BIG
 まさかのMR.BIGのエンディングでアメリカンハードロックなナンバーでしたね♪
 洋楽好きの私にとっては嬉しい限りです♪ポール・ギルバート様のギターが聴けただけでd(>_< )Good!!
 
2011.07.25・第一の手記
2011.09.25・第二の手記(追記:■総評、■MUSIC)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 53
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

原作の魅力を表現しきれていないのが残念(原作ファンによる補足付)

はじめに断っておくとこの作品は本格ミステリではありません
そのように書くと「本格的ではない子供騙し」
というような勘違いされる方が出てきそうですが
「本格」ミステリというのは黎明期のミステリのもつ
推理パズル的な要素を前面に押し出した作品のことです
そもそも「本格」という表現で幅を利かせているのは日本だけで
海外では「パズラー」あるいは「フーダニット」という
ミステリのジャンルの一つ程度でしかありません

ミステリの歴史として犯人あてゲームのフーダニットから
トリックの妙にフォーカスをあてたハウダニット
動機や背景に力をいれた社会派のワイダニットと流行が移っていき
最近「新本格」のように原点回帰した作品が評価されたりもしていますが
もはやミステリに疎い方がイメージするミステリ(=「本格」ミステリ)は
ミステリのジャンルの一つに過ぎないということをご理解ください
そしてはじめに述べたようにこれは「本格」ミステリではありません

また、アリスが部屋から動くことなく事件を推理することから
安楽椅子探偵ものと評されることもありますが
これもやや語弊があると思います
安楽椅子探偵はもともと前述の「本格」ミステリにおいて
ドラマ性などを廃し謎解き部分に特化させるための手法です
たしかにアリスが現代版安楽椅子探偵なのは間違いないでしょう
謎が解ければ事件が解決するのが「本格」ミステリですが
現実世界じゃこれっぽっちも謎なんてなくても
簡単に解決しない事件が山ほどあるわけです
この作品はそんな事件の解決のために奔走するナルミとニートたちの物語であり
安易に安楽椅子探偵ものという括りに入れてしまうのは乱暴すぎます

ついでにもう一つ誤解を解いておくと
ニートのもとになった英国におけるNEETの本来の意味は
Not in Education, Employment or Training
教育、雇用、職業訓練に参加していない 16〜18歳の若者というもの
それが捻くれて日本で変な意味で定着しているものですから
日本人がニートと呼んでいるものの大半は
年齢的に、本来NEETではないというのは確かです
そしてその定義を言葉通りにとれば
専業主婦や病気療養者、個人事業主なんかも立派にNEETです
そういう意味でニート探偵というものに何ら矛盾はありません
それでも年齢的に上限か下限を振り切っている作中のニートたちは
本来の意味でNEETを名乗る資格がないので
作中のニートの定義がおかしいと言われると
擁護しきれない部分は確かにありますね
ちなみに原作者の肩書きも「小説家・ニート」です

原作者杉井光は2005年に第12回電撃小説大賞において
デビュー作「火目の巫女」が「狼と香辛料」と並んで銀賞を受賞
その後トントン拍子に2008年のアニメ化までこぎつけた「わっち」とは対照的に
陰鬱で救いのないストーリー展開のデビュー作の続刊をぽつぽつ出すのみ
デビュー作以外でははじめての作品となる
2007年の初めに刊行された神メモ一巻も
間違ってもアニメ化の話が舞い込んでくるような内容ではありませんでした
しかし、その後の神メモ続刊や別シリーズで無駄に暗いだけの作風から脱却
シリアスからコメディまで書けるマルチな作家として
各社から引っ張りだこになりました

その原作者の談によると
アリスのキャラはもともとニートのおっさんだったそうです
それが担当との打ち合わせで読者層を考えて幼女に変わったわけですね
そしてそこに岸田メルが絵をつけた

この作品がアニメ化された最大の理由はおそらく
岸田メルがイラストを担当していたから
アニメやゲームで岸田メルがちょうどブレイク中なので
ブームに乗っかってのアニメ化を考えたのでしょう
だからアニメスタッフはメル絵の女の子を動かすことにしか興味がなかったわけです
原作ではアリスと同程度には活躍している男性陣
そこそこ優遇されていた四代目はともかく
テツ、ヒロ、少佐はそれぞれが主役を張っている3、6、7巻がアニメ化されず
ほかのエピソードでも活躍をいろいろ削られてしまっています
逆に彩夏の出番は原作のエピソードの順番をいじってまで増やしています
男性陣をもっと魅力的に描くことができれば
原作のファンに評価してもらえただけでなく
別の層にも人気が出たと思うのですが・・・
なんにせよ強引に改変した代償は大きく
物語のあちこちにひずみが現れています
ハテナ?とおもったら下記の補足を参考にしてみてください

1話補足
{netabare}
オリジナル回です
原作者が案を出していたようなのですが
ほとんどボツになったとかで
アニメが終盤に差し掛かったところで発売された
8巻に近いエピソードが収録されています

まず、最初に補足しておかなくてはならないのは平坂組について

一巻ヒロとナルミの会話から抜粋
「平坂組って知ってる?」
「暴走族でしたっけ?」
「違う違う。走ってないよ。ただこのへんの喧嘩っ早いのとか騒ぐのが好きな子供が大勢集まってやくざ気取ってるチーム。四代目はそれの頭なんだ」
「四代目の頭だから四代目って呼ばれてたんですね」
「いや、平坂組は初代だよ。あいつが作ったの。あいつ以外にあんな連中全員締められる奴いないよ」
「え、じゃぁなんで四代目なんですか?」
「それはね、関西の方に実家があって、逃げてきたらしいんだけど、そっちの四代目なんだってさ。そっちは本職のヤのつくお仕事」
しかしこれはただの噂話で誤情報
ヤクザではなく商家の四代目だったと
後になって本人の口から明かされます

つまり平坂組は渋谷にたむろしている不良組織の最大派閥で
四代目はそこの頭目というわけですね
アニメだけ見て本職のヤクザだと勘違いしている人がいそう
というか、確実に居ますよね・・・

そんな四代目が1巻でアリスのもとに依頼に来た際
部外者で高校生のナルミを追い出そうとするのを
アリスがそれはボクの助手であると口からでまかせを言って妨害します
そしてそのあとアニメ最終話の事件に巻き込まれたときに
ナルミは真実を知るためアリスに依頼し
その対価として正式にアリスの助手になりました

どちらのエピソードもアニメでは最後まで語られずに
視聴者ほったらかして進んでいきましたが
オリジナルにするならばその一話目の中に
必ず入れておかなければいけない部分だったとおもいます
{/netabare}
2話補足
{netabare}
「メ」の後に微妙な伸ばす音が続き、「オ」は奥に引っ込むような「ウ」に近い付属音で、日本語にはない響きだった。(原作より)
アニメ化されるので生の発音が聴けると期待してたんですが
普通に日本語っぽくメオって発音してるだけじゃないですか!
こういう活字では伝えきれない部分にこだわってこそのアニメだと思うのに

ストーリーも端折って意味わかんないところがありますね
原作ではナルミが地道に探偵しています
メオの住んでいたハローパレスに聞き込みに行って
張り込んでいたヤクザに追いかけられることに
さらに草壁の目撃情報をもとに張り込み開始
二日目にして草壁を発見し尾行潜伏場所を突き止める
そしてそこで草壁の電話を盗み聞きする
しかしそこに先ほどのヤクザが現れ・・・
そんな紆余曲折を経て出てきた推論が
「メオを置いて一人で逃げようとしている」
だったはずなのですが
アニメ版の働かないナルミはなんの裏付けもなく
思いつきだけでメオを傷つける心無い発言
あれじゃナルミはただのイタイ子ですね・・・
{/netabare}
3話補足
{netabare}
まずは兄弟杯について
四代目は一巻でナルミに借りを作ったので
困ったことがあったら助けてやるとナルミに言っています
そのためナルミはメオを匿って欲しいと頼みますが
助けるのは身内とそのダチまで、ヤクザともめてまでメオを助ける義理はない
とにべもなく断られます
そのために杯を交わして身内になってしまおうというのがナルミの作戦
ただし、高校生では親子杯は受けられないので兄弟杯という話になった訳です
ですが1巻の事件もない上に、今回の事件でも全く自分で働いていないナルミを
四代目が認める理由がどこにも無い以上
あの状態では兄弟杯なんて受けてもらえる訳がありません

ハローコーポについて
ハローコーポレーションは人材派遣会社という表向きの看板で
実際はアジアからの出稼ぎ女性に風俗業を高給で斡旋し
給料の海外送金の際に上乗せした分の給料を回収するという
マネーロンダリングのための組織です
草壁はそのマネージャーとして女性たちと
ハローパレスという社宅に住んでいました
しかし、その資金洗浄能力は億単位の金を処理できるほど高くなく
資金はだぶついていくばかり
草壁は資金洗浄が上手くいっていないのが露見し
ハローパレスの女性たちが行き場を失うのを防ぐため
2億を自分が着服した事にして事態の発覚を先延ばしにして
逃亡しながらも別の資金洗浄の方法を探るものの
そこから足がついてヤクザに捕まったというわけです

ラストは草壁を取り返して終わりでしたが
あれでは何も解決していません
ヤクザを襲撃して武力で解決!めでたしめでたし。
なんて、そんないい加減な話通るわけがないでしょう
お金だって結局草壁の講座に振り込んで戻しただけですし
お金を持ち出した経緯に付いても触れていませんから
草壁は一時的にやくざの手から逃げただけ
つまり草壁が逃げ出した作品冒頭の状態に戻っただけで
事件は何一つ解決していないのです
これでは草壁親娘(と出番のなかったハローパレスの女性たち)のお先は真っ暗ですね

原作では実際に草壁に振り込んだのは一千万だけで
アリスの指示した様々な名義の講座へ細かく分散して振り込まれています
それらはアリスがネットで拾い上げた岸和田会の講座
つまり草壁にできなかったマネーロンダリングそのものを
アリスが強引な方法でやってのけた訳ですね
「岸和田会も今頃は横領の真実を知っただろう。だからといって、草壁昌也が背負わされたものは消えない。美河がやったことの落とし前は、彼と会社がつけなきゃいけない。それがやくざの世界の絶対だ。それに、洗浄能力がもはや限界であることも変わりはない。ごくわずか、崩壊までの猶予が伸びただけだ。」
原作ではそんなアリスの科白で事件は締めくくられます

とまぁ真面目な話はここまで
3話で一番納得がいかないのは置き手紙ですね
2巻の冒頭でラーメンはなまるの暖簾が読めず
「ごめんなさい漢字あんまり読めないんです」
漢字は使ってないと告げると
「じゃぁこれはなんて読むんですか」
とナルトの絵を指さす
それはただのナルトの絵だと伝えると
「これでナルトって読むんですか。日本語って難しい」
そんなメオが漢字使った置き手紙なんてできるわけがないじゃないか!
{/netabare}
4話補足
{netabare}
4話は5巻の4話入りの短篇集の中から取られています
そのため今回はカットらしいカットがありません
つまり4分の1巻で30分がちょうどいい消化ペース
逆に言うとほかの話は4話使うべきボリュームを
2話で強引に終わらせているわけですね・・・

補足が必要な部分はほとんどありません
あえて言うなら話の一部は6巻への伏線になっていますが
それは6巻が発行される前に5巻を読んでもわからないわけですから
ここで補足を入れる必要はないでしょう
気になる方は小説版をどうぞ
{/netabare}
5~6話補足
{netabare}
5~8話は原作4巻を4話使って展開しています
無理のないペース配分なのでかなり原作に近い物語になっています
私が一番好きなエピソードもこの4巻なのでこれは嬉しいですね

しかしながら割と重要な人物が一人ざっくりやられています
ナルミを褒めていたデザイナーの女性「美嘉さん」
彼女にワカギ手芸店のヨシキさんを紹介して
バンドのTシャツを発注するシーンがカットされ
路地裏で偽平坂組に襲われたときも
原作では彩夏ではなく彼女が一緒でした
っていうか仕事になんで彩夏連れてくんだよ!
アニメはテツが助けに入るタイミングが早く彩夏は無事でしたが
原作では美嘉さんは一晩入院させられることになります

錬次とチンピラのときもそうですが
流血沙汰の描写がスパっと抜かれていたり
かなりおとなしくなっているのは
公共の電波に乗せる以上仕方ないのでしょうね

仕方ないと言えばもう一つ
カピバラの人形に文句をつけるアリスのシーンですが
原作で彼女が否定していたのは「カピバラさん」です
そのままでは到底使いようもないネタなのは分かりますが
変に歪めるならこういうところこそカットすればいいのに
{/netabare}
7~8話補足
{netabare}
毎回描写が足りなかった話ばかりでしたが
なんと今回は逆なのです
あえて描写しないでおいた部分が
アニメではうまく表現できなかったのですね

今回の主要キャラの一人ヒソン(喜善)は
事件の際にヨシキ(善喜)と名を変え
手切れ金で手芸店を構えたわけですが
ヒソン=ヨシキを匂わせる描写が露骨すぎて台無し
いや・・・そこでお腹を抑える描写はやりすぎだろう

そしてもう一つは終盤の神明裁判
すなわち「タイマンで勝ったほうが正しい」
という錬次が作った組の掟
その最中の錬次と四代目の会話です
アニメはどれが誰の人影かわかる中での殴り合いでしたが
原作ではもっと暗い中ナルミには二人の判別がつかない中での殴り合い
そしてどちらがどちらのセリフかも明示されずに
二人の会話が展開されていきます
勝ったのは関西弁の男、つまりは平坂錬次・・・ではなく
このとき二人はお互いの大切なもの(言葉)を返した状態で
勝ったのは関西弁を話している四代目でした
「お互いの大切なもの(言葉)を交換した」という伏線を
ある種の叙述トリックとして使ったのですね
小説を読んだ時はこのクライマックスの演出に唸らされましたが
まぁアニメで再現するのはちょっと難しかったですね

しかし一方ではいつもどおり足りていない描写もあります
まずは錬次の動機
アニメ版では単純に4代目への怨恨のようでしたが
原作では元々バンドのプロデュースは
柳原会の息のかかった芸能ゴロが請け負っていたものを
ロクに仕事をしなかったことにバンドのリーダーがキレて
柳原会に睨まれながらでも動ける平坂組のところにまわってきました
表立って平坂組とことを構えるのを避けた柳原会は
東京を離れている間に借金で首が回らなくなっていた錬次に目を付け
その債権を手に入れて、飴と鞭を使って錬次を平坂組にけしかけました
そのため、組を潰せなかった錬次は柳原会への負債が残ったままなので
東京にいることができなくなり高飛びすることになりました

また、風俗嬢だったヒソンに関して調べる際に
情報収集のためその道のプロのもとを訪ねています
アジア人女性が勤める水商売の店の元締め
そう、メオの父親である草壁昌也です
草壁昌也に会いに行ったハローパレスで
2話でカットされた風俗嬢の依林(イーリン)が
ヒソンと親しかったことが分かり
その口からヒソンの彼氏は後藤田組組長だと知らされます
このへんのくだりはまとめてカット
2話がアレじゃ仕方ないかなぁ
{/netabare}
9話の補足?
{netabare}
予想通りひどい出来でした

まずはパワレボの選手データに関しての解説から一部抜粋
「どうやらネットに蓄積された何らかのデータをいじくって生成しているらしい。」
「たとえばセナとかプロストとかシューマッハとか入れるとすさまじい俊足選手になる。」
「もちろん野球選手の名前を入れれば、それらしいデータが出てくる。」
「桑田がボールを投げる前にボールに向かってぶつぶつ言ったり、清原がデッドボールを喰らいまくったりするといった細かい癖まで反映されているのも評判を呼んだ」
今回の話で一番大きな伏線ですがえらくいい加減な処理のされ方でしたね

そして今回の話のメインキャラの西村さん
「おどおどした感じの眼鏡のお兄さん」(おい!眼鏡どこいったw)
店のオーナーの息子であり病気で入院中の父親にゲーセンの経営を任されています
「店の前を通るたびにガキどもの野球の知ったかを耳にするのは腹たつ」
というネモさんの最初の要求は「パワレボ」の撤去でしたが、
「パワレボ」を撤去したら店を続ける意味がないとそれを拒んだ西村さん
今回の250%(アニメ版は25%)の賃上げ要求には
何もできずオロオロするばかりでした。
野球で決着をつけると勝手に約束してしまった少佐が
バッティングセンターでゲーセン仲間を対象に入団テストを始めるも
ゲーセン浸りの連中は100km/hの球にキリキリ舞い
しかし、そこに現れた西村さんは140 km/hの球を軽々と打ち込んでいきます
実は彼もかつてはエースピッチャーとして都大会準決勝まで行った元高校球児だったのです
そして「やくざなんかと関わらないでいつもどおり遊んでいってほしい」とお客を解散させ
「やくざと揉めても大丈夫なメンバーだけを集めて欲しい」と少佐に頼むのでした
こうして甲子園勝利投手のネモさんと都大会準優勝の西村さん
二人の元高校球児による投手戦が展開されることに・・・はなりませんでした

「試合は正午からやけど会場は11時からとってあるから11時集合や。ちっとは球場で練習したいやろ」
そんなネモさんの計らいにメンバーたちは11時に到着するも西村さんの姿が見えません
そして西村さんから父の病院に向かっていると連絡が入ります
野球の試合と並行して契約書にハンコを押せと病院までやくざが押しかけていたのでした
試合開始までには戻ると言って電話を切る西村さん
しかし「この場所、昼の1時までしか借りてへんのや。さっさと始めんと時間内に終わらんで」と
12時開始のはずの試合は11時に始まってしまいます
急遽ピッチャーに抜擢される4代目とライトに入る彩夏
ナルミは西村さんを連れ戻すため自転車で疾走することに

病室に駆け込んだナルミの前にはベッドに横たわる老人と4人のヤクザ
そして反対側の椅子に座ってナルミの登場に驚く西村さん
もう試合が始まっていることを告げるとベッドの老人が口を開きます
「……ほんとに野球なんかで決めようとしてたのか。馬鹿かおめえは。あんな店、もうめんどくせえだけじゃねえか。放り出せっつってんだろ」
「親父、頼むよ。やらせてくれよ。俺、あの店続けたいんだよ」
「負けたらどうすんだ、一文ももらえず放りされたら踏んだり蹴ったりじゃねえか」
「親父!頼むよ、負けっぱなしは嫌なんだよ!野球で勝負なんだ、俺それ以外なんの取り柄もないんだ、親父も知ってんだろ。野球だけなんだよ!ど真ん中に絶好球が来たのにバットも振らずに見逃せってのかよ!」
やくざたちが引き剥がそうとする中で、必死に食い下がろうとする西村さん
「負けたらはっ倒すぞォッ」
その熱意が伝わり親父さんは契約書をビリビリに引き裂いてしまいます

二人が戻ると8回裏3-2で負けている中での1アウト1塁
彩夏がバッターボックスに入ろうとしているところに代打西村
そしてそれに呼応しての投手交代ピッチャー根本貴一です
しかしネモさんの剛球に西村さんもミンさんもあえなく三振に切って取られます
続く9回表は西村さんが緩急をつけた地味なピッチングながらきっちりと3人で抑えるものの
9回裏2番バッターから始まる好打順も2番3番と簡単に打ち取られてしまいます
4番の岩男がデッドボールで出塁するも退院明けで8回を投げ抜いてきた5番の4代目は限界
全員の視線がナルミに集まる中、ネモさんの剛速球に腰が引け縮こまって動けないナルミ
そこにアリスが一声
「審判、選手交代!代打、ぼくだ」
慌てて止めようとするナルミ
「なんだい、まさかきみが打席に立つとでも?今の君の萎えた心じゃ十中八九、三振でおしまいだ引っ込んでいたまえ。監督命令は絶対だ!」
そして、なんの冗談だ?と訝しむタコ坊主に
「冗談でもなんでもないよ。ぼくはプレイングマネージャーだ。きみは関西生まれの野球人だったのだから、当然ながら初代ミスタータイガース藤村富美男のこともよく知っているだろう。『代打わし』の恐怖に震えるがいい」
たとえ四球で1,2塁としても逆転は難しい場面が
アリスの機転、振り逃げ偽装で2、3塁と一打逆転のチャンスに
しかしそのまま正規の6番(=電柱)にまわせば敬遠されて満塁策で打ち取られる可能性が高いところ
「封殺の起きない絶好機でタコ坊主が勝負してくれるとしたら、このチームで誰よりも雑魚の僕しかいない」
自分を奮い立たせて打席に立つナルミ
諦めて歩かせる選択を取られないようにとフルカウントを避け
ボール球にも必死に喰い付きファールで望みを繋いでいく
それが実ったのは9球目、セットポジションのネモさんがチラリと2塁のメオを見たのです
「2塁にランナーを背負って決め球のフォークを投げるとき、握りを見られていないか一瞬確認する」
それこそがネモさん、そしてゲームの中の根本貴一が持っている癖でした

こうして辛くも勝利を収めたニート達でしたが
今回の助っ人たちには少佐がお金を払って仕事として依頼していました
そのため少佐が立て替えた分を西村さんに請求することに
ただしそれはお金ではなく現物支給
野球の面白さに目覚めたニートたちのため
西村さんには報酬がわりにコーチをしてもらうことになりました
めでたしめでたし

・・・というわけで、今回の話は
ネモさんの、西村さんの、そしてニートたちの
三者三様の野球への愛がこの話の根底にあるわけで
それを通じて見える著者の野球愛は
端々に散りばめられたプロ野球ネタからも一目瞭然
江夏の二十一球をもじった題名からもはっきり読み取れるでしょう
きっとアニメのスタッフは皆、野球に興味がなかったのでしょうね
まさかこの話から野球バカが一人削られているとは思ってもみませんでした
{/netabare}
10~12話補足
{netabare}
ほとんど補足する必要ありませんでした
ちょいちょい削ってあったり順番いじってありますが
重要な部分はほぼ原作1巻そのままですね
テツと四代目の神明裁判とか削られてたのはまぁ予想通り
アリス以外のニートは相変わらず冷遇されてます

ドラッグの売人つかまえるために
高校生がドラッグをキメるお話

どうも文壇やら芸能界やらは
良い作品を生み出すための必要悪として
薬物に関して寛容な傾向がありますが
ジュニア向けのレーベルで
主人公の高校生がトリップしちゃうのを
まるでそれが最善の選択肢であるかのように描く
というのはいくらなんでもどうなんだ?
と思っていたのですが
アニメの大トリにもってくるくらいのイイ話
というのがアニメ製作者たちの評価なんでしょうか?

アニメ全体としては
原作は良かったけどアニメは・・・
という部分が多かったですが
この話に関しては原作もアニメも問題外
というのが私の評価です

投稿 : 2024/11/09
♥ : 52

エウネル さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

アクティブなニート

この話はニートの話です。と言いたいところですが、ニートにしては学生だったり、ホストだったりなのでちょっと微妙です。ヒロインはニートと言っても良いかな。一応、引きこもりなので。

ヒロインのアリスは天才ハッカーであり、ニート探偵を名乗っています。ニート探偵は依頼を受けた情報を探し出し事件を解決します。彼女はニート探偵を名乗ることを誇りに思っており、ただのニートと呼ばれたりすることを許しません。そういったところは好感を持てました。僕はアニメのキャラクターは何かしらポリシーを持ってるほうがカッコ良く見えるんですよね。

アリスのサポートをする人たちも良いキャラなんですが、そもそもなんでこんなことしてるんだよって思いました。ニートがアクティブなニート生活を送るのに理由はいらないのかもしれませんが、なんか納得できませんでした。

個人的には主人公が微妙でした。高校生である主人公の行動が理解出来ないのと偶然が多すぎる。事件が起きる前から敵と遭遇していたり、たまたま事件を解決する鍵となる情報を手にいれたりしているからです。しかも毎回。嫌いではありませんが、好感は持てませんでした。キャラの薄い主人公でした。もう一人のヒロインである彩香はあまりストーリーに貢献はしません。むしろ被害者です。でもなんか好きなんですよね。ショートヘアの女の子が好きだからかな?よくわかりませんが、口調が独特のアリスより僕は好きです。

少し前述したように主人公が偶然事件を解決する鍵となる情報を見つけたり、行動が理解出来なかったりするので、時々「は?」ってなりますが、面白かったとは思います。

あとOPが素晴らしいです。ChouChoさんのカワルミライという曲です。この作品を見なくても曲は聞くべきです。万人受けする曲だとも思うので是非聞いて下さい。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50

78.0 2 コンピューターアニメランキング2位
ZEGAPAIN ゼーガペイン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1102)
6616人が棚に入れました
未来的にデザインされた街・舞浜市に住み、近郊の高校に通う普通の学生、キョウ。たった1人で水泳部を切り盛りする彼は、中学以来の因縁を持ち難癖をつけてくる宿敵達とのいざこざも意に介せず、練習と水泳部への勧誘の為、学校の室内プールへと向かう毎日。
ある日、幼なじみのリョーコに頼まれ、映画研究部作品の撮影中、やる気の無いキョウはNGを出し撮影は中断。ふと、窓の外を見るとそこで彼は飛び込み台の最上段に立つ、1人の見知らぬ美少女・シズノを見つける。
水泳部入部希望者と察したキョウは、慌ててプールへと急ぐが、シズノは声にならない謎の言葉を残し、華麗な飛び込みを見せ忽然と姿を消す。シズノの事が忘れられないキョウだったが、程無くして彼女はキョウの自室に瞬間移動したかの如く唐突に現れる。
シズノはキョウに「ゲーム」の始まりを宣言。彼女の導きのままにキョウは異空間へ転送され、美しい光の装甲をまとった巨大ロボット「ゼーガペイン・アルティール」に乗り込み、敵と目されるキャラクターをシズノと共に倒していく。
だがしばらくして、キョウは様々な疑問に対峙していく事になる…。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、花澤香菜、川澄綾子、朴璐美、牧野由依、渡辺明乃、坪井智浩、井上麻里奈、吉野裕行、加藤将之、神谷浩史、ゆかな、家中宏、久川綾
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「痛み」を受け止める強さ

制作はサンライズのオリジナルアニメです。
ジャンルはSFロボット・恋愛です。
人によっては鬱と感じるかもしれないシリアス展開なので苦手ならば若干注意です。


高校生のソゴル・キョウは水泳部立て直しのために尽力していた。
ある日突然、彼はミサキ・シズノというミステリアスな女性に連れられてロボットに乗り、敵と戦う。
彼にとってその戦いは「仮想現実のゲーム」だと思っていた…。


斬新な世界観・恋愛を主軸に置いた人間ドラマ・水泳と映画を用いた青春劇・ロボットバトル・「生」についての哲学・シリアス(鬱)展開。
盛り込まれたそれぞれの要素が絡み合って奥行きのあるストーリーになっています。
どれもぼやけておらず、納得のできるストーリー展開になっています。

その中でも前者三つの要素が秀逸。
ロボットアニメ、というか他のアニメでここまで複合ジャンルをまとめたのはあまり見たことないですね。
その要素のどれもが「痛み」を伴っています。


1話見たときにこんなシリアスな話だとは思っていませんでしたw
普通に過ごしていた日常がこうも簡単に崩れ去る恐怖。
「生きていること」とはどういうことかと問う。
主人公に降りかかる数多くの試練。
私はこういう設定の作品は見たことがなかったので、世界の真実が分かったときは結構驚きました。

主人公に起こった試練のまとめ。
{netabare}・一度記憶を消去されている
・この世界が幻だと知る
・自分たちは幻体という存在と知る
・サーバーがリセットされてループする
・リョーコが消滅する
こんなところでしょうか?{/netabare}

とってもシリアスなことが起こっているのですが、主人公の性格でそこまで重く見えない不思議。
主人公が直球野郎で見ていて気持ちがいいのが本作の救いになっています。
加えて彼は意外と物知りであったりするので馬鹿ではないのが良い。


その他のヒューマンドラマについて。
恋愛に関しては主人公とヒロイン二人の三角関係が基本なのでこれまた重め。
設定が設定なだけに、どっちも気持ちは分かるんですよねえ…。
また、ルーシェン、シマ、クリスといったサブキャラの話も結構しっかりしています。
特にクリスの回は感動しちゃいました。

青春劇に関してはこれまた設定のために主人公には非常につらい仕様になっていますw
部活動再建のためにかつての仲間と友情を取り戻していくキョウ。
普通に青春アニメとしても見ることが出来るのが凄い。
正直、細かいSF設定が分からなくなってもヒューマンドラマで楽しめます(私です)。


本作の難点は序盤の訳の分からなさ。
加えて、ロボットアニメですが戦闘シーンがイマイチ面白くないところ。
ロボットアニメと思って視聴すると肩透かしを食らうかもしれません。
加えてよく分からない所があるので、詳しい人に教えてほしいくらいですw

難点かどうかは微妙ですが、結構声優が棒読みです。
気になったのは数人でその他は上手だったのですけどね。
率直に言えば、気になったのは浅沼さんと花澤さんw
浅沼さんは割と前半で慣れましたが、花澤さんはずっと気になりましたw
これが良いって仰る花澤さんファンも意外と多いので、見てみるのもアリかな?
正直、私はにわかだから今の彼女の演技の方が良いと思うんだけどねw


総括して、取っ付きづらさはかなりありますが、前半を乗り切れたら作品にぐいぐい引き込まれるかと思います。
ロボットアニメは後半にならないとイマイチ面白さが分からないので、前半で切らないであげてくださいw
見ごたえのある作品でした。

どうでもいいですが、キャスト紹介で主要キャラが四人ですよね?
キョウ・リョーコ・シズノ・ルーシェン。
何でルーシェンがずっと入っているのとか個人的に思っていたのですが、24話で分かりました。
彼は{netabare}キョウに憧れていたヒロインの一人だった{/netabare}ってことですねえ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

学園SF恋愛ロボットもの

序盤の5~6話は、正直なんかイマイチ面白くなかったですが、そこを過ぎるとどんどん引き込まれました。

ネタバレって程ではないですが、設定とさわりだけ~
{netabare}
主人公のキョウは、舞浜市に住む高校生で、ある日、ミステリアスな雰囲気の女性シズノ先輩に呼ばれ、生徒会長のシマが司令を務める戦艦「オケアノス」へと召喚されます。
そして人型兵器のロボットに乗って敵と戦う事になり・・・

リアルなロボットゲームだと思い、気楽に戦っていたキョウだが、実はその荒廃した世界こそが現実であり、自分が現実と思っていた世界は、量子コンピューターサーバー内で処理されている仮想空間であることを知る。
そして自分たちは「幻体」と呼ばれるデータでしかないという衝撃の事実を告げられます。
{/netabare}

隣に住む幼馴染のリョーコとシズノ先輩と3角関係の展開に・・・

ロボットには男女ペアで乗り込み操縦します。(女性がサポート役)
これは、ロボットものでは今までに無い設定で良かったです。

ロボットのデザイン、戦闘はイマイチ微妙・・・  (-ω-)

心の葛藤、刹那さ、やるせなさを感じさせられます。

途中、ショックで泣けます。
最後は感動でした。 (=´ω`)ノ

結構、鬱作品とか言われてますが、私はそんなにでもなかったです。


OP:「キミヘ ムカウ ヒカリ」
ED:「リトルグッバイ」

2曲とも心に沁みる良い曲で、今でもよく聞いてます。



余談で
ヒロインの守凪 了子(カミナギ・リョーコ)役の声は、花澤香菜さんなんですが、この作品が彼女の初メインヒロイン(レギュラー)役で、今の声とはまたちょっと違ってて、キャラの影響だろうけど、綺麗で優しい透明感のある声です。
(@´▽`@)

なので、花澤さんが好きな人は、彼女の初々しい声目当てに視聴するのもありです!^^

あとは・・・
恋愛や、人間ドラマなど好きな人にもオススメです。
(あ!ロボットには期待しないで下さい)

もうちょっと評価されても良い作品だと思います。

なかなかの良い作品でした。 (っ´ω`c)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ゼーガペイン放送から10週年を迎えて

2006年4月から放送されたサンライズのSFロボットアニメ(全26話)。

私的に2006年というのは、
日本アニメ界において非常に重大な節目となる年だったと思っています。
本作と同時期に放送された「涼宮ハルヒの憂鬱」は、
アニメ好きだけでなく、普段アニメに興味を示さない層の耳目を集めていましたし、
同年10月に放送開始した同じサンライズの作品
「コードギアス」については、もはや説明不要でしょう。
手軽に消費できる娯楽としてアニメが注目され始めた、そんな年だったと思います。
あくまで私感ですけどw
そういう大きな変革期の中で埋没してしまったのが本作「ゼーガペイン」でしょうw
「隠れた名作」、「知る人ぞ知る名作」というような表現がよくされる本作ですが、
一部の間では根強い人気を誇っており、2010年には受注限定でBD-BOXが販売。
そして、放送10週年となる今年(2016年)にはBD-BOXの一般販売が決定。
10月には、新カットも追加した劇場版が公開予定のようです。

ここからはネタバレありで語ります。未視聴の方は読まないでください。
これだけ良く出来ている作品です。
視聴前からネタバレ食らうのは損するどころの話ではないので。


{netabare}まず、ざっとですが本作を振り返ると(只のあらすじなので面倒だったら飛ばしてください)
主人公十凍京(ソゴルキョウ)たちが学園生活を送っていた舞浜市は、
実は虚構の世界(量子コンピューターサーバーに管理されている仮想世界)であり、
ゲームの世界だと思っていた荒廃した世界こそが現実世界であった。
人類はすべて滅亡しており、キョウたちも「幻体」と呼ばれる人格記憶体であり、
コンピューターに保存されたデータだったのである。

そのすべての元凶は超天才科学者のナーガである。
ナーガはかねてより時間の加速した量子サーバー内で人間を進化させる
「無限進化」を提唱しており、それを実現させる為に
致死率98%の「オルム・ウィルス」をばら撒き、人類を強制的に量子サーバー内に押し込む。
その後、ナーガはガルズオルムを組織し、
I.A.L.社のロボットを使い、環境実験空間「デフテラ領域」を世界中に作り始めた。
しかし、ループを観測しサーバーコントロールから離れた存在である
「セレブラント」達は対抗組織「セレブラム」を設立。
彼らはシマが開発した「ゼーガペイン」を始めとする光装甲を纏った「ホロニックアーマー」に乗り、
荒廃した現実世界でガルズオルムと戦い続けていた。(wikipedia「ゼーガペイン」参照、抜粋)


なんでwikiに載っていることを、わざわざここに記載したのかというと、
何故にこんな世界が形成されたのか?
敵は誰で、何の為に戦うのか?
これらの問いに対して、明確に言葉で説明できる素晴らしさを声を大にして言いたいからです。
明確に言葉で説明できるということは、
プロットの段階から設定やシナリオを相当練ってきている証左であると思います。

本作の構成要素を個別に分解していくと、
「どこか(他の作品)で見たことあるような」という、ある意味紋切り型なのかもしれません。
例えば、量子コンピューターの処理能力には限界がある為、
8月31日の午後0時になると4月5日までリセットされてしまう訳ですが、
これは、所謂ループものに内包される事象なのかもしれません。
ですが、本作をループものと言い切ってしまうのは些か乱暴だと思います。
ループものというのは、真の解決に向けてキャラが何度も同じ時間を繰り返すというものですが、
本作はそれを主とする作品ではありません。
ループすることが主ではなく、あくまでループという要素を取り扱っているに過ぎないのです。
そして、ループする原因を明確に言葉で説明できるというのが、
物語に説得力と厚みを持たせています。
こうした明確に言葉で説明できる個別の構成要素をいくつも積み重ねていくことによって、
全体で見ると、他の作品にはない本作独自の世界観が形成されているのだと思います。
例えるならば、誰もが知っている食材を使っているのですが、
それが上手く調理されているので、
出来上がった料理は今までありそうでなかった新しい美味だったと言ったところでしょうか。

本作の楽しみ方やその秘密について、さらに考えていきたいと思います。
通常、我々視聴者は作中の主人公よりも高次元の視点から、
観測者として物語を俯瞰することができます。
本作では、衝撃の事実(物語上の仕掛け)を主人公キョウに提示するのと同じタイミングで
視聴者に提示してきます。
我々視聴者は、衝撃の事実を突きつけられたキョウたちの狼狽、葛藤、
そして、どのように対峙していくのかとキョウたちと同目線で楽しむと同時に、
物語の観測者として、
さらなる仕掛けや物語の結末を予想して楽しむという二重の楽しみ方をしているのですが、
ここでも重要になってくるのが、その仕掛けを明確に言葉で説明できるということなのです。
どの作品がとは言いませんけど、
シーンありきでシナリオを作ったのだろうなという作品は多々存在するのですが、
そのほとんどすべてが設定やシナリオの脆弱性を露呈しています。
視聴者に解釈を委ねていると言えば聞こえはいいんですけどね。
突飛な展開で視聴者置いてけぼり、
真面目に予想していたのがアホらしくなってしまうことが多いんですよ。
それらの作品は、設定や起こった現象に対して
明確に言葉で説明できるということが欠如しているということなんですけど、
その有無は、作品の印象を大きく違えてしまう程重要なのだと思います。

では、これ程の作品が何故に埋もれてしまったのか?
単純に「華」がないからでしょうねw
萌えなど皆無な上、主人公十凍京(ソゴルキョウ)もイケメンという訳ではないしw
中の人と言っても、肝心の主人公十凍京(ソゴルキョウ)役の
浅沼晋太郎さんは、本作がテレビアニメ初出演。
ヒロインの守凪了子(カミナギ・リョーコ)役は当時ド新人のざーさんですからねw
あまりの棒演技に台詞の度にゲラゲラ笑ってしまった程ですw
また、戦闘シーンも迫力不足というのは正直否めません。
ただ、アクションが分かりやすかったというのはよかったと思います。
最近は3DCGの技術が著しく進化していて、迫力も段違いなのですが、
何をやっているのかいまいちよく分からないと感じることがしばしあるので。
あとは、序盤の地味過ぎる展開ですかねw
ファンの間で本作の公然の薦め文句は「取り敢えず6話まで観て」だそうですw
ほぼ同時期の同じサンライズ作品「コードギアス」と比べてしまうと、
圧倒的な華のなさですw {/netabare}


さて、私は冒頭で本作が放送開始された2006年は、
手軽に消費できる娯楽としてアニメが注目され始めた年と言いました。
宮崎駿監督の言葉を借りれば、
ポリポリとポテトチップを食べるように消費されているということなのでしょうけど、
2006年から今日に至るまでに、こういった傾向はより顕在化しているように思えます。
2000年~2011年の期間では、深夜アニメの放送本数は2006年の93本をピークに、
そこから2011年までは減少傾向にあったのですが、
2012年は106本、13年は128本、14年は159本、15年は170本と再び凄まじい勢いで
増加していっています。
もはやすべての作品を網羅することなど不可能と言ってもいいでしょう。
従って、「つまらないから何話で切った」、「よく分からないから何話で切った」
という声が増えていくのは至極当然のことなのかもしれません。

私はこのレビューで明確に言葉で説明できる、
すなわち、練りに練られた作品設定やシナリオの素晴らしさを説いてきたわけですけど、
このような状況下で、それがどれだけの重要性を持つのか、正直言って甚だ疑問です。
論理的な骨子、重厚なバックボーン、
そんなものよりも、たとえ唐突であろうとも、ご都合主義であろうとも、
まるで感動シーンを切り売りしたような、
視聴者にとって口当たりのよい、分かりやすいものの方が歓迎されるのではないでしょうか。
そんな風に思ってしまいます。

偏屈な私の知人はこんなことを言っていました。
「アニメは2000年代前半までだね。
それ以降のは一部を除いて視聴者に媚びているようなものばっかで視聴する価値がない」

こういう意見も分からなくはないですけど、
ただ、私はたとえ萌え豚御用達と揶揄されるような作品でも
素晴らしい作品はいくらでもあると思っています。
視聴者に媚びている作品=くだらない作品だとは露ほども思っていません。
どんな作品にも良い箇所はあるという考えです。
キャラが可愛いだけのアニメ? 
それの何が悪いんですか?

その一方で、本作のような骨太な作品がもっともっと評価されてほしいとも思っています。
そのような土壌の形成を心から望んでいます。
ゼーガペイン放送から10週年を迎えて、
我々アニメ視聴者を取り巻く環境は大きく変容しましたけど、
こんな時代だからこそ、より真摯にアニメ作品と向き合っていきたいとも思えます。
まぁ言っても娯楽なので、気楽に楽しむというのは大前提なんですけどねw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37

85.9 3 コンピューターアニメランキング3位
ソードアート・オンライン アリシゼーション(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (1018)
5252人が棚に入れました
「ここは……どこだ……?」
気づけばキリトは、なぜか壮大なファンタジーテイストの仮想世界にフルダイブしていた。
ログイン直前の記憶があやふやなまま、手がかりを求めて辺りを彷徨う。

そして、漆黒の巨木《ギガスシダー》のもとにたどり着いた彼は、一人の少年と出会う。
「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」
少年は、仮想世界の住人――《NPC》にもかかわらず、人間と同じ《感情の豊かさ》を持ち合わせていた。

ユージオと親交を深めながら、この世界からのログアウトを模索するキリト。そんな彼の脳裏に、ある記憶がよみがえる。
それは、幼少期のキリトとユージオが野山を駆け回る想い出――本来、あるはずのない記憶。
更にその想い出には、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。
名前は、アリス。
絶対に忘れてはいけないはずの、大切な名前――。

声優・キャラクター
松岡禎丞、戸松遥、茅野愛衣、島﨑信長、前田佳織里、近藤玲奈、石原夏織、小林沙苗、森川智之、岩瀬周平、木島隆一、潘めぐみ、村田太志
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

アリス イン ワンダーランド

A-1 Pictures制作。
人気の高いアリシゼーション編開幕。

ラースが開発する新型フルダイブシステムは、
VRワールド内部の記憶を現実に持ち出せない。
極めてリアルな仮想世界アンダーワールド。
相変わらずの音響効果で臨場感が凄い。

これは神への挑戦。
量子脳力学は人の心の光の揺らぎを捉え、
真のAI、人工知性を創ることへ向かうのでしょう。
導入部という点では過去シリーズ最高です。

6話視聴追記。
{netabare}壮大な文明シュミレーション、
システムから逸脱する人工知能。{/netabare}
もう少し仕掛けが早ければと願いますが、
丁寧な展開と好意的に考えましょう。

13話視聴追記。
{netabare}図書室の賢者カーディナルが語る、
仮想世界の秩序「禁忌目録」の成り立ち。{/netabare}
カーディナルの存在は世界観に、
大きな影響を与え物語に深みを生む。

前半最終話視聴追記。
技術的特異点を巡る問題でしょうか。
{netabare}心の痛みこそが人であることを教えてくれる。{/netabare}
後半怒涛の展開に興味は尽きず、
欠点はあるも映像も物語も堪能出来ました。

新世代のグローバルヒストリーへ。
これは次章に期待しましょう。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 84
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハロー『アンダーワールド』

原作未読


そりゃあ観ます。分割4クールの半分24話を視聴完了。
長丁場にはなりますが、1期2期はおさえておきましょう。フェアリィ・ダンス編以降の伝統、アインクラッド起因のこじらせクンが今回もやらかしますし、ファンがアガるポイントも途中からでは掴みづらいでしょう。
SF要素を抜きで考えると、「ランボー」「パイナップルアーミー」みたいなPTSD発症した帰還兵の記録みたいなところありますよね。可能ならSAOサバイバーであるこじらせクンのメンタルケアはきちっとやってあげて欲しいものです。


4クールあるうちの半分ということで期待値抑えめで臨み、終わってみたらやや上回っていたかな、という印象。残り2クールに充分に期待できそうな中締めでしたが、評価は完結するまで据え置きです。

■SAO 1期
 アインクラッド編 フェアリィ・ダンス編
■SAOⅡ 2期
 ファントム・バレット編 キャリバー編 マザーズ・ロザリオ編

仮想と現実を行ったり来たりのSAO。とあるレビュアーさんの「これは異世界ではなくSF作品」とのご指摘が慧眼で、仮想と現実のリンクぶりが本シリーズの魅力に繋がってるんだと思ってます。○○編の各エピソード毎に微妙にずらしを加えて鮮度を保つ工夫もしてきました。
実を言うと、ハーレム、キリト無双あたりの要素ってわりと自分にはどうでもよくて、近しい未来図ってどんなだろう?が楽しみの大部分を占めてたりします。


そして本作『アリシゼーション』。ここでは、仮想世界での記憶を現実に持ち帰れないという新しい題材を持ち込みます。ダイブして戻ってきた後の記憶がない。
これまでは行ったり来たりの中で、どちらが自分の本当の居場所なんだろう?と懊悩する登場人物に共感したりしてたのが、まるであてはまりません。仮想はより独立した世界という位置づけとなるため、目の前で観てるのはSAOながら、「ちょっと何かが違う」違和感を内包したまま進行する展開でした。

・独立性の高い世界を作ったリアルでの目的は?
・独立性の高い世界のユニークキャラクター(アリス、ユージオ)の存在意義は?

{netabare}誕生直後の赤子の精神原型を複製してアンダーワールド内で成長させてどんなシミュレーションをしたいのだろう?副作用はどんなだろう?{/netabare}
全てが完結した時に明らかになるのでしょう。半分時点でどれくらい明らかになっているかは観てのお楽しみってところですね。壮大なお話になりそうです。

さてこの新しい題材。それに伴う変化。私は好意を持って受け止めてます。
エンタメ鮮度を保つこと以上に、仮想世界が行き着くひとつの到達点を提示してくれそうだからです。
マザーズ・ロザリオ編で “メデュキボイド” の思想は、横で綴られたユウキとアスナのストーリーと合わせて終末医療の一つの可能性を示しました。

{netabare}アンダーワールドは臨床試験をノーリスクでできます。これまで不可能だった人の行動心理の精緻なシミュレーションが可能です。

下衆い例えをします。ファンタジー世界を東京に置き換えてみて大地震を起こす。火災、家屋倒壊、備蓄量等事前にパラメータ設定し結果を収集。スパコンでも使えば有用な演算結果をいくらでも集められ、都市防災計画に役立てられます。発生火災の回避行動なんか世帯別で演算できそう。{/netabare}

{netabare}一方でノーリスクながら、倫理の葛藤に苛まれることになります。心を持ったこの仮想東京の住人の阿鼻叫喚を何度も何度もいや一回でも耐えられますか?という問題が付き纏うことになるでしょう。

脱線はこのへんで。
アリスもユージオも実世界には存在しない人格ってことで合ってると思うのですが、だからって切り捨てられるかってところですね。{/netabare}


冗長ないしやや緩慢と言われた展開は評価は分かれるでしょうが、これも悪くはありません。 “天命” “心意” “シンセサイズ” “フラクトライト” “ソウル・トランスレーター” その他もろもろ馴染みのない用語を繰り返し使う時間があって理解の助けになりました。

2019年秋からの続き。終わってみて肩透かしとならないようスタッフの皆さん頑張ってください。応援してます。


■ネタバレ所感
{netabare}それにしてもアドミニストレーターにとどめを刺したのが、チュデルキンの色欲というのが(笑)
仮に二人とも生きてたとして、どんな関係になってるんだろう?アドミンさん許すとは思えません。{/netabare}

実は陰のある神代凛子さんがお気に入りだったりもする。



視聴時期:2018年9月~2019年3月 リアタイ視聴

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2019.04.12 初稿
2019.09.22 追記
2020.08.01 修正
2021.08.04 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 66
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

フラクトライトは電気人形を人間に進化させられるか?

アニメーション製作:A-1 Pictures
監督:小野学、
総作画監督:鈴木 豪、山本由美子
キャラクターデザイン:足立慎吾、鈴木 豪、
西口智也、山本由美子、原作:川原礫

原作小説が全世界で2000万部以上の
売上を誇るSAOシリーズ四度目のアニメ化。
アインクラッド編から数多の困難を乗り越えた
主人公のキリトが、ファントムバレットの残党に
襲撃されたことをきっかけに、
また新たなVRMMORPGの世界に足を踏み入れる。

近未来を想定した緻密な世界観。
ユーザーの脳に直接接続できるギアを装着し、
仮想の五感情報を受けることによって、
よりリアリティのある仮想世界を体感できるゲーム。
それに人工フラクトライトという
誕生からの記憶を蓄積させていく
ボトムアップ型のAIを搭載することで、
より本物の人間が暮らすような世界を構築した。
ゲーム開発の目的は、育てたAIを
無人兵器に搭載して軍事利用することだった。

ゲーム内のアンダーワールドとされる世界には
「人界」と「暗黒界」というふたつの勢力があり、
お互いの力は均衡状態を保っていた。
キリトは村で出会ったユージオとともに
幼いころの記憶として残っている
アリス捕縛の謎を解き明かすために旅立つ。
相対するのは、禁忌目録や整合騎士、
そして人界を統べるアドミニストレーターだ。
少しずつ謎が明らかになる序盤や
大木に挑戦する物語は、楽しませてくれた。
キリトとユージオの友情がメインの
ストーリーになると思っていた。

しかし、中盤以降の展開は、
個人的には残念な出来と感じてしまった。
そもそも、キリトとユージオに友情というものが
成立していたのだろうかとさえ思える。
この作品は、観るたびにある種の気持ち悪さが残る。
キャラクター造形が浅薄で、
作者の欲望をそのまま具現化したのではと
思えてしまうのが原因だ。
それは俺Tueeeeなどの問題ではなく、
物語自体に他者に対する視点が欠けている
のではないかと感じてしまうからだろう。
VRMMORPGの世界で、フラクトライトという
(攻殻機動隊のゴーストと同じようなもの)
壮大な機能まで登場させているにも関わらず、
それを全く活かした話になっておらず、
結局、人間を表現できていないのが、
このシリーズの最大の弱点だ。

正義と悪が完全に分離するのは良いのだが、
悪はどうして悪になるのか、
正義はどうして正義なのかという描写が
あまりにも不足しているのではないだろうか。
そして主人公は完全無欠の英雄で、
人間らしさがほとんど見られない。
これは、外部キャラからの視点なら
まだ納得できるのだが、ほぼ主人公を
中心に展開するストーリーとしては、
大きな問題点に見えてしまう。

是枝裕和監督の『空気人形』という作品がある。
いわゆるダッチワイフ(ラブドール)が、
自我を持つというストーリーなのだが、
それによって「私は空っぽ」だと感じる。
また、色々な感情を獲得することによって、
持ち主から「面倒臭い」と言われてしまう。
心を持つということは、そういうことなのだ。
SAOは、今回は特に「心」をテーマに
しているにも関わらず、そういう「面倒臭さ」は微塵もない。
だから、私は、この作品に空虚さを
感じてしまうのだろう。

{netabare}シリーズはこの後も2クール続き、
完全な人工知能として目覚めたアリスを巡って
暗黒界と戦うことになるようだ。{/netabare}
難点ばかりを挙げたが、緻密な世界観は良いと思う。
アリシゼーション計画は、どこに向かうのか。
引き続き、最後まで見届けたい。
(2019年5月12日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 50

84.8 4 コンピューターアニメランキング4位
PSYCHO-PASS サイコパス2(TVアニメ動画)

2014年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (2438)
13707人が棚に入れました
システムが正義を下し、銃が人を裁く近未来。
銃の射手として犯罪者を追う刑事たち。
システムを逸脱する犯罪に直面したとき、果たして──

人間の心理状態や性格的傾向を計測し、数値化できるようになった近未来。人々はこの測定値を「PSYCHO-PASS (サイコパス)」の俗称で呼び、その数値を指標として「良き人生」をおくろうと躍起になっていた。

犯罪も数値によって対処される。厚生省公安局の刑事たちは、高い犯罪係数を持ち犯罪者の心理に迫る猟犬「執行官」と冷静な判断力で執行官を指揮するエリート「監視官」がチームを組み、包括的生涯福祉支援システム「シビュラシステム」によって解析された犯罪に関する数値「犯罪係数」をもとに、都市の治安を守る。彼らは、数値が規定値を超えた罪を犯す危険性のある犯罪者「潜在犯」を追い、「犯罪係数」を瞬時に測定し断罪する銃「ドミネーター」で執行するのである。

「犯罪係数」が正確に解析できない「免罪体質者」槙島聖護の事件を経て、刑事として成長し、シビュラシステムの真実を知るに至った監視官の常守朱は、人間性と法秩序を信じながらもシステムに従い、新たな刑事課一係を率いて日々犯罪に立ち向かっていた。

システムを揺るがす怪物が、すぐ目の前まで忍び寄っていることを知らずに──

声優・キャラクター
花澤香菜、野島健児、佐倉綾音、藤原啓治、櫻井孝宏、伊藤静、沢城みゆき、浅野真澄、井上麻里奈、木村良平

ゆりなさま さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

たくましくどこまでもクリアな常守朱

サイコパス2。
常守朱ちゃんたくましくなったヽ(*´∪`*)ノ"

が、やはり話が難しい。
私の頭には?だらけです。

私が1番好き(気になる)のが
サイコパス2の雛河翔くん★Vo櫻井孝宏さん
台詞少ないけど存在自体がタイプですっw

ついでに言うと、鹿矛囲桐斗★Vo木村良平さん
も見た目が結構タイプっw

でも、雛河くんて櫻井さんが担当ってことはなにか重要なキャラだったり
しないのかな〜とか勝手に毎週思ってます。(思ってました)
あと常守のことをお姉ちゃんて呼ぶのなんでだろ?


サイコパス2ではだいぶ血を流したなぁって思いました。
人がたくさん死んでしまいした。
なかなかグロイのでやはりグロ苦手な方にはオススメできません;;

10話で幻覚(?)の狡噛さんでてきて常守と会話後
負けるなよって常守の頭パシッてしたシーンよかったな♡
(妄想か幻覚の類いだけどっw)


正直1度じゃ私は内容がちゃんと理解できなかったけど
それでもサイコパスって作品は好きなので
劇場版も観ましたd(・ω・●)☆


相変わらず主題歌いいね♡お気に入りです!!

投稿 : 2024/11/09
♥ : 60
ネタバレ

かげきよ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

新生公安一係

人の個性、感情などを完全に数値化した世界で
執行官(犯罪計数が高く犯人逮捕にのみ世間と関われる者)と
監視官(執行官を監視するもの)がチームとなって事件を解決していくストーリー。
本作は1期から一年半後からのスタート。


今期のストーリー物の本命はコレ。
秋のラインナップを見る限り、他に奥深さを持つ対抗作品も無さそう…かな。
音楽も相変わらず良いし非常に楽しみな超期待作。

あれから一年半の歳月が過ぎ、朱は狡噛イズムを継承し更に成長しているようです。
凛然とし観察力&プロファイル力もUP。デコポン撃った後はかなり決まってました。
シビュラ頼りではなく自分で考えて行動する逞しさも持ち、今や公安のエースです。

王陵事件で親友を殺され涙した霜月ちゃんも立派な社会人。
あの後、色々と決意しここに至っている事が伺えます。
「先輩は間違っている!」
彼女なりの経験から導き出された正義が朱とぶつかっていきそうです。

他にも「訳」と「一癖」をもってそうな二人の新たな執行官が加わった
公安一係の活躍が楽しみです。


注:【考察・予想】というのが時折出ますが、原作を知らない状態で書き込んでいます。
ネタバレとは異なりますが先入観を持ちたくない方はスルーしてください。

※1話感想{netabare}
「表」の事件は朱の判断もあり犯人確保で決着。
さり気なくドミネータの3形態を紹介していたり、
執行官を一係では人として扱い、二係では駒として扱い対比させたりして
導入としては上手い見せ方でした。
冒頭がクスリのCMでしたから今期は薬絡みなのかな?というのも予感させます。

そして成長した朱の裏の裏を突く新たな知能犯、鹿矛囲桐斗の登場で
物語に深みある期待感が漂っています。
どうやら数値以外も完全コピーするヘルメットの強化版の様なものを持っている様子。
うーん、強敵要素満載ですね。
公安一係との戦いを予想を交えながら観て行きたいと思います。
{/netabare}

【予想】メッセージ「VVC?」の第一印象{netabare}
パッと見てトイレ?とか思ったけどね。(笑)
反転や鏡面で見ても何も無さそうです。
最後の「私という色を問う私自身の戦い」
と言う台詞通り、色に関係してそうなんですけどね。
何色にも染まる白色「WhiteColor?」なのか、
WはどうもVが重なったような書き方なので「ViVid Color?」
お前の原色は何だ?と言う問いになってるとか、そういう感じかな。
{/netabare}

※2話感想{netabare}
捜査を進める公安だが次第に深まる謎や違和感。
朧気に共犯者の影にも気付く朱達はホロに隠れた透明人間を見つけられるのか…?

しかし今回のトリックはヘルメット以上の難物ですね。
鹿矛囲はどうやって喜汰沢に近づきどうやって色相を戻したのか?
ホロコーティングで人やカメラの目を騙してよしんば侵入できたとしても
他人の色相変える能力は何だろう?催眠術くらいじゃ無理だろうし…。
またシビュラが欲しがりそうな人材ですね。

喜汰沢は折角前回助かったのに…いや助けてもらったのに結局エリミネーターの餌食。
鹿矛囲は必死に喜汰沢を逃がそうとして叶わず朱を恨んでたみたいだけど
逆恨みじゃん。
お前が余計な手を出さなきゃ少なくとも生きてたし
時間かかっても回復に向かっただろうに…。

今の所、鹿矛囲なりの正義の形が見えないのでこんな感想になってますが
1話の事件起こした時から既に色々あるんでしょうね。
彼の目的が見えてくればガラリと様相が変わりそうなので期待しています。
{/netabare}

※3話感想{netabare}
悪魔の証明=『全く無い』事を証明するのは非常に困難の意。
朱たちは手掛かりを求め奔走するが未だ不明のまま鹿矛囲の存在だけが大きくなる。

鹿矛囲のマッドぶりが怖い。酒々井さんも可哀想に…。
青柳さんも含め今期序盤は二係にとっては試練ですね。
そのうち一係にも降ってきそうですが。

一期で逃亡した執行官は撃たれてたんですね。
公安の内情も知っているし、もう少し深く関わるかと予想してたんですが
意外とあっさり退場の様です。

雑賀さんは隠遁生活かと思ってたら変人施設に収容されてました。
でも意外と快適そうですが。
地味ですけど知的な言葉のやり取りは面白かっです。
自身への問いを敢えて投げかけ確かめている感じのする朱も
彼女らしくて聞き応えあるシーンでした。

鹿矛囲の目的が未だ判らず不気味さがじわじわと広がりを見せていて興味深い展開です。


予想の方は細かなヒントはあるもののまだ範囲が広く
『鹿矛囲は実は居ない(人じゃない)説』、『東金と繋がってる説』
等々、ぐるぐる巡っています。
『鹿矛囲=逃亡執行官説』もあったんですけど今回で可能性低くなりましたかね。
「WC?」=WhatColor?にも更に深い意味が隠されていそうな気もします。
もう少し整理がつき、絞れたらここにも書こうかなと思いますが
予断を許さぬ展開で隙がないんですよね。
{/netabare}

※4話感想{netabare}
「監視官をドミネーターで裁けるのか?」を意図とした鹿矛囲の実験が成功。
まるで犯罪計数養成ゲージと成ったメンタルケア施設での結末は見るも無惨。

前半のドローンどうのこうのってのは中に酒々井さん入れて運んだって事かな?
別の用途もあるのかな?

直接描かれてはいないけど青柳さんと会話していた薬剤師くんが鹿矛囲のホロでしょう。
青柳さんが撃たれるのをしっかりとその目で確認した鹿矛囲の思うがままの事件。
何れは朱や公安、その先のシビュラにも牙が向きそうです。

でも、シビュラの意志(ドミネーターの判断)を無視してまで
市民を守り正義を執行しようとした青柳さんの刑事魂は天晴れでした。
結果として何一つ叶わなかったのが哀れで悔し過ぎますが…。
シビュラの判断のままその市民にまで引き金を引いた三係の執行と対照的で
どちらが正義なのか印象に残る事件でした。

その構図は一係の朱と霜月にも投影されていて、
何れはコチラも交錯しそうな匂いが強くなってきました。
霜月の銃口の向く先にも注目しないといけなくなりそうです。

1話の冒頭が『ラクーゼ』という薬のCMだったので今期は薬が絡むなとは思いましたが、
『Uストレス欠乏症』と言うのが物語の底にある様です。
自分の色を抑えてまでシビュラの社会に合わせる必要があるのか?
1期と似たような命題が突きつけられています。

※小メモ:鹿矛囲ホロの区別は雛河クンor水場近くでのノイズ
{/netabare}

※5話感想{netabare}
またしても鹿矛囲による公安を狙った罠が仕掛けられ
朱達が埠頭に集まった時、無人の軍事ドローンが暴走を始める。

雑賀さんがいつの間にやら分析官に召集されていました。
優秀で向いていそうなので活躍して行きそう。
おじさん不足だったし好きなキャラでもあるので結構嬉しい人事。

若さ故もあるんだろうけど霜月さんは相変わらずとんがっていて痛い。
禾生さんの「あれは食われるな」には即同意してしまいました。
近々やらかすでしょうね…。
1期からの流れを見ると買える所もあったはずなんだけど
一人空回りしてどんどん株が下がってしまってます。
公安への志望動機も王稜事件の後、正義に目覚めたんじゃないかと想像してたけど
六合塚さんへの憧れの方が強いのかも。

鹿矛囲の方はどうやらシビュラと昔関わりがあった模様。
正確にはシビュラの内の一人との関わりかな?
今回禾生さんに降りてきた人物とは旧知の仲な雰囲気でした。
個人的に引っかかっているのは
【予想】{netabare}ホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の飛行機事故。{/netabare}
ここで関わったんじゃないかと思っています。
埠頭にあった皮膚や臓器、手足も気になります。
ホロだけでなく人を作ろうとでもしてたのかな?
増田議員は作品なのかな?謎が深まります。

そして東金さん…朱の事を良く見てるな…とは思ったけどここまでとは。
犯罪係数レコードホルダーだっただけの事はありますねやはり普通じゃない。
写真は東金少年と祖母? 
赤ペンチェックしてたけど朱と目元口元とか似てるのかな? 
こちらの謎も深まります。

祖母といえば気がかりはのが朱の祖母。
朱の色相を濁らすのに利用され巻き込まれやしないかハラハラしています。
まぁ次回は朱本人がピンチなのですけどね。
{/netabare}

5話時点で色々と【予想】{netabare}
3話感想で少し触れましたが、
ここまでで私の中で出ている説や疑問を書き留めると共に簡単に紹介しておきます。

『鹿矛囲はいない(人じゃ無い)説』
鹿矛囲自体がホロや機械人形で犯人は別の所にいるのではないか?
という疑念があったのですが、涙や血の描写も出てきたので
少なくとも「中の人」はいる模様。
酒々井さんの眼を奪ったり埠頭に生体標本があったりするので
色々な人間のパーツの継ぎ接ぎで構成された者なのかも。

『鹿矛囲=逃亡執行官説』
公安の内情に明るいですし1期で逃亡した執行官が犯人なのかと疑いましたが、
3話で撃たれた事が判明し可能性は低くなりました。
青柳さんも鹿矛囲とグルって事は無さそうですし、
情をかけて引き金を引かずに逃がしたとなれば色相濁るのでそれも無さそうです。
あるとすれば青柳さんや検死、シビュラの目を完全に欺いたという事になるけど
ハードル高すぎる。

『鹿矛囲は東金と繋がってる説』
元セラピスト、親族が薬品会社経営、過去最高の犯罪係数と怪しさの三拍子が揃い、
5話では朱のストーカーなのも判明。
鹿矛囲の協力者や寧ろこちらが本当の黒幕の可能性もあります。
4話まではこの線が一番怪しく思えていました…が、
5話があからさまだっので直感的にはミスリードっぽく見えていて、
東金の本意は朱を守ろうとしている様に思えて来ています。
祖母か狡噛の絡みで『朱と繋がってる説』が生まれつつあります。
ただ「朔夜」という名前ですし月と太陽が表裏一体…つまりは二重人格で
裏の顔が鹿矛囲と繋がっている可能性はあると思います。

『飛行機事故怨恨説』
最初の事件のホロ元の少女(染水槇)が亡くなった15年前の事故が絡んでいる説。
鹿矛囲は事故の生き残り(顔の傷はその事故のものかも)または遺族で
飛行機を落とした犯人が今のシビュラを担う一人になっているとか、
乗客の中にシビュラのめぼしい人物がいて飛行機を落として手に入れようとして巻き込まれ
それに対して復讐しようとしている。
鹿矛囲が作るホロの元は全員乗客だった者かも。
怨恨ではなくとも
この事故が鹿矛囲、東金、シビュラの接点や引き金、起点の様なものになってはいそうです。

『名前から予想』
1期も「常守朱=サイコパスが平常を守りレッドゾーンに行かない」
「槙島(maximum:最大の)『聖護』」等、名前遊びがあった様に思うのでその観点から。
「鹿矛囲」にはシビュラの目をかい潜る神の衣、
「朔夜」には光と闇の二面性の意があるような気がしていますが他にも
今回、鹿矛囲の周りで目に付くのが『水』に関わる名前。
監視官の酒々井水絵やホロ元の染水、爆弾魔の喜汰沢も。
増田議員は無理あるけど「水増」や「水田」でなんとなく連想…。(笑)
今後、二係の蓮池クンや一係では雛河クンが鹿矛囲に関係してくるやも!?
『WC?』もWater Cleanup(水を浄化)みたいな意味もかかっているのかも。
公園にも増田の講演会場にも噴水があり、
メンタルケア施設にも池があり、下水道も埠頭も水場なんですよね。
強引な気はするけど無色透明なこの『水』をちょっと気にかけています。

『鹿矛囲複数説』
「鹿矛囲とは個人名ではなく神の衣(カムイ)を纏った者達の総称」なのでは?という考え。
鹿矛囲とは飛行機事故の被害者や遺族達が作った組織で有能な者が知識を共有する集団。
シビュラシステムに対して言うならカムイシステム。
シビュラの実行隊長が禾生さんならカムイは桐斗。セラピストや東金もカムイの一員。
ホロや生体移植、ハッキング、心理療法等を駆使してシビュラに対抗しようとしている。

今の所考えつくのはこんな感じかな。
まだ色々な可能性があってコレだ!っていう太い線は掴めてないです。
ちょいちょい掠っているとは思うんですが…。
何れにしても東金がどちらに転ぶかによって風景が大きく変わりそうです。
後は六合塚の親友リナやレジスタンスの動向が絡む余地があるのかな?って事と
朧気ながら朱がもう一人出て来そうな気がしてるんですけどね。
6話以降もどうなるのか楽しみつつまた何かあれば予想していこうと思います。
{/netabare}

※6話感想{netabare}
三係に大きな犠牲を出しつつもチームワークと朱の活躍で生き残った一係。
鹿矛囲との対面を果たすが捕らえられず、未だ主導権は鹿矛囲に。

また死者が出るだろうな…と思っていましたが案の定。
三係はほぼ全滅。(パラライザで撃たれた奴は生きてる?)
前回に続き無能過ぎて流石に何しに出てきてんだよ!っと言いたくなります。
まがりなりにもシビュラ判定くぐってきた筈なんですけどね。
サブキャラが屑だと物語が安っぽくなってしまいます。

一係は須郷も含めそれぞれ活躍。特に朱のアクションヒロインぶりはスゴかった。
暗黒面が見えてきた東金と
雛河クンの「おねえちゃん」発言はちょっと引っかかりますけどまぁ無事で何より。
あ、言うまでもなく霜月ちゃんは安定の無能ぶりでした。
嫌いじゃないキャラだけど流石に良い所なさ過ぎ…
みんなに当てられて覚醒する気配も今の所無いし不憫な子。

しかしながらどれもこれも鹿矛囲の想定内。
エリアストレスも折り込み済みとは恐れ入ります。
みたらし(見たら死)ラーメンはキツイ皮肉でニヤッとしてしまいました。
甘じょっぱそうですが美味しいんでしょうか?
眼は移植してた様ですし、眼帯が似合う水絵ちゃんも完全に支配下。
躊躇無く元部下を抹殺して清々しい気分になるとはね…。
『WC?』にはWorldCreate=世界の創造って意味もあるのかな。
着々とドミネータを我が物としシビュラへの一撃を企てている様で次回も気になります。
(奪われたドミネータはOFFに出来ないの?って疑問はあるのですけどね。)
{/netabare}

鹿矛囲をドミネータが認識しない理由【予想】{netabare}
①『居ない者説』
鹿矛囲は飛行機事故で死亡扱いになった人物の可能性があり、
実際は命を取り留めましたが記録上では居ない(データに無い)事になっている。

②『ツギハギ説』
酒々井の眼だけでなく多くの者(Uストレス患者含む)の部位を繋ぎ合わせているので
「個人」として認識できない。

他にもハッキングや機械人形とか禾生さんの様な複数の人物の器だとか考えられたけど
どれも穴があって没りました。
{/netabare}

※7話感想{netabare}
鹿矛囲の存在が確定しその正体に迫っていく一係。

朱のおばあちゃん登場…似てて可愛い。
ドローン暴走の報には流石の朱もやや取り乱し、大切な存在なのが伝わります。
『朱←→葵』補色の関係にもあるし色相を黒くするのに関係しそうでやはり気がかりです。
今期はキャラの扱い乱暴だけどおばあちゃんに関しては人質程度で死なないで欲しいな。

事件はやはり飛行機事故と大きく関わってきました。
シビュラも噛んでいそうですし、
東金も元執行官と判り15年前に犯罪計数跳ね上がった事とも関係していそう。
諸々の予想もなかなか良い所突いていて考察の甲斐が出てきて楽しめています。
ドミネータを集めた鹿矛囲の次の行動にも注目が集まります。
{/netabare}

[番外~2期の不満を少々]{netabare}
楽しみながらも1期に比べちゃうと色々と雑で安っぽく不満な所もある2期。
ここらで不満も纏めておきます。期待の裏返しでもありますが…。

・殺戮のインフレ
殺戮や暴力は衝撃的だけど要所要所で決めて欲しい。
折角1話では民間人を巻き込まない犯行だったのに段々と無差別に。
一歩譲ってストレスケア施設は仕方なかったとしても港は完全に無意味な民間人殺戮。
鹿矛囲の訴えの正当性も弱まってしまわないか?

・霜月ちゃん貶めすぎ
1期では学生ながら勘の良さと正義感を持ち、
そして軽率な言動で友達を失った後悔もある中で意を決して監視官の道を歩み始めた彼女。
良い返事&活きた眼をしていた彼女がこんな残念なキャラになるとは
信じられないし信じたくない。
そりゃ鼻っ柱は強かったけど良い娘だったんだよ!?
既に時遅しなんだけどそれでも覚醒して欲しいキャラです。

・二係、三係無能すぎ(青柳以外)
監視官も執行官もシビュラ判定で適正がないと成れない筈なんですが心身共に脆弱すぎる。
安物のアクション映画みたいになるので大概にして欲しい。
散るなら散るで気骨が見えないと意味がない。
1期はサブキャラも含め有能な者同士の凌ぎ合いでハラハラさせ
作品を高尚なものに引き上げてたのですけどね…。

・多くの臓器移植はサイコパス移植に等しい?
シビュラ判定は思考とその傾向から判定してる…つまり脳を見ているので
他の臓器は関係ない筈なんだけどね。
泉宮寺も全身機械に変わってたけど数値はちゃんと反映されていたし。
移植は一応自分でも予想してたけど、この辺の事は引っかかってて腑に落ちなかった点。
もう一押し説得力ある描写が欲しいです。
{/netabare}

※8話感想{netabare}
ついに鹿矛囲の透明人間化の謎に到達、そしてシビュラと東金の関係も…。

鹿矛囲のツギハギには注目してたけど
まさか脳7人分、体をを184人分とは恐れ入りました。
医療の進歩と言っても生きているのが不思議で怖い。
でも多脳移植以外では辻褄合わないなと思っていたのでその点はまぁ納得。
それにしても増田達の替え玉が密入国した者ってのは、もの凄い裏技。
でも宜野座の言う通りなぜなんだろう?
鹿矛囲に心酔する要素が無いし日本語も堪能ではない筈なのに…。
脳の部位を用途に合わせて組み合わせて移植しているのかな?

5話で禾生さんに降臨したのが東金ママでしたか。
老けてるから祖母とか言っちゃってましたが…。
これで一気に繋がって来ました。
交通分野で成果を上げていたパノプティコンに取って代わる為に
シビュラが干渉し飛行機の墜落も巻き起こしていたのでしょうね。

霜月ちゃんは今回、彼女なりにいい仕事してたんですがね。
脳移植技術はシビュラの種の一つですから…パンドラの箱開けちゃいましたね。
次回は彼女が墜落してしまう様です…。
{/netabare}

※9話感想{netabare}
シビュラの秘密を受け入れた霜月。
霜月をも取り込んだシビュラとその申し子東金は
朱を黒く染めようと動き出す、鹿矛囲を葬るために。
一方、鹿矛囲は「地獄の季節」を黙認した役人達を粛正し、いよいよ対決の時が近づく。

東金は完全に暗黒化。出自の謎も大分明らかになってきました。
東金ママとは血縁関係では無い感じかな?生みの親なのは確かですが…。

そして、やはり気がかりだったおばあちゃんが…。
無事…とは言え無くなってしまいましたが解放を願ってやまない気持ちです。
親友を目の前で殺されても色相が変わらなかった朱が
この件で変わるのか疑問もありますが興味も高まってきました。
今回の拉致、東金が鹿矛囲側に情報リークして起こさせたと思いましたが
「朱を試したい」東金と桑島の共謀の様です。
鹿矛囲と桑島では朱に対する考えが違うようですが
桑島と通して間接的には東金も鹿矛囲と繋がりがある事が判り、もう一波乱ありそうです。

霜月ちゃん、色相が濁るかと思ったけど
良いのか悪いのか全てを受け入れ抵抗せず流されてしまいました。
シビュラの元で育った世代ですからね、ゆとりならぬシビュラ世代と言うことでしょうか。
ここまで自分の意志・自我を捨てられたら大した者かも。
感情的で尖った性格の割には…っと、オカシくも感じましたが
全てに於いてシビュラ絶対主義者なら言いなりもありえるのかな。
(1期の彼女の印象とは違ってきていますが…)
それでも朱のおばあちゃんを助けられる可能性があるとすれば彼女なので
覚醒を期待してしまいます。
{/netabare}

※10話感想{netabare}
東金の魔の手により黒く染まり掛かる朱だったが
彼女の経験や信念、心で息吹く狡噛の存在により回避。
思考を巡らせ辿り着いた結論へ向かい歩み出す。

懸念だったおばあちゃんが…ううっ。
何かのトリックであって欲しいけどそれは無理な様子。
2期の殺伐とした雰囲気の中、ここだけはホッとした展開になって欲しかったんだけどな…。

そんな状況でも自分を保ち己で考え動く朱がカッコ良く
悟りを開いた全能感すら感じてしまいます。もう狡噛さん越えてる!?
全てを見通し独りでシビュラに問いかける存在にまで成長するとは!
…まぁ、やりすぎな気もするけどね。

朱、鹿矛囲、東金と三つ巴の状況で気になる佳境へ向かっています。
あぁ霜月ちゃんが蚊帳の外すぎる。
{/netabare}

※11話感想{netabare}
いよいよ審判の時。
シュビラは集合体である鹿矛囲、そして己自身の存在を認識する事となる。

自分自身が消える事も含め鹿矛囲の計画通りという感じの幕引き。
184人の生きた証・生き様を感じる事もできましたが、
無駄な血が多く流れ過ぎていて大義が薄く同情は出来ないです。
「地獄の季節」の役人の粛正と公安の数名の犠牲は仕方ないとしても
一般人をターゲットにした殺戮は過剰。
これだけの計画遂行能力があるなら被害を少なくする事も出来た筈。
人の命を大切にする努力の跡や描写があれば彼の死にも感動でき
余韻に浸れた気がするだけに勿体無く思います。
殺戮の衝撃を入れたいあまり、人の心の琴線に触れるのを放棄してしまった様です。
感激より刺激を優先したツケが最後に回ってきたという所でしょうか。

また、鹿矛囲が東金美沙子を撃った所も少し違和感がありました。
ココで引き金を引けたのはシビュラ自身が「集合的サイコパス」を認めたからで
東金美沙子個人を裁いた訳ではない(個人は免罪体質者)のだけど、
「これがお前の色か、東金美沙子」など台詞や言動が個人を裁いた様に見えました。

東金に関しては自身も暗黒に染まり
知的で有能な部下から愚直なマザコン殺人鬼への墜ちぶりが衝撃と共に描けていたと思います。
憎たらしさ満点で許しがたい存在という役割を十二分に果たしていました。

朱は後半から特にスーパーウーマンぶりに拍車が掛かり過ぎていて
(考えて行動できる)人間代表というキャラの位置を飛び越え全能なる審判者の様に。
最終話でも全てお見通しで体術でも東金を圧倒(2話でその体術に朱自身が驚いた相手)
狡噛が居ない分、全てを背負わされてしまっておかしな事に。
アクションなら宜野座や六合塚、知識なら唐之杜や雑賀など一係のメンバーで
負担し合うべきだったと思います。
朱だけが打って投げて守って大活躍で他メンバーが外野で見せ場も無いのでは不満も残ります。
(唯一雑賀はキャッチャーしてましたが)
一期では素晴らしかったチームワークが薄れていたのは残念です。

(考えない人間代表の)霜月さんへの不満の詳細は既出なので省略しますが
一期には確かにあった意志や個性が見る影もなく…
彼女はシビュラに流されて公安を選んだ訳ではなく、己の意志でこの道を選んだ筈なのに。
最後にフラグめいたものも立ち【予想】{netabare}いずれは大好きな六合塚さんに殺されそう{/netabare}な気がします。

邪魔者が全て消え、後腐れのない終わりでしたので改めて3期を楽しみにしようと思います。
{/netabare}

【総評】
内容的なものは毎話感想に書いてしまったので割愛。
鹿矛囲の正体を中心に予想を絡め1クールで観られるサスペンスとしては楽しめましたが、
サイコパスのファンである自分としては不満も残る内容でした。

映像作品に関しては「2」は「1」を越えないのは宿命なのでしょうけど
もう少しやれた様に思いますし、
前作のキャラを過分にイジってしまうと(朱は昇華させ過ぎ、霜月貶め過ぎ)
前作にもキズが付くのでもう少し初期設定を大切にして欲しかったです。
まぁ、過剰に期待しなければ楽しめる出来ではありますが
サイコパスが好きなら期待してしまいますよね…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 59
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

常守 朱 覚醒

全11話

PSYCHO-PASSの2期です。1期から観ることをオススメします。

シビラシステムという人々を数値化し管理するシステムが支配されている近未来、「犯罪係数」といわれる数値の規定値を超えたものを犯罪者として取り締まる公安刑事一課のメンバーを描く作品です。

1期で公安刑事一課の新人だった常守 朱が、この2期では独り立ちして、しっかりしていましたね。

1期もそうでしたが、2期でもこの世界の矛盾を突き詰めていくお話です。

映画版のつなぎような印象がありました。{netabare}(劇場版に出てくるか分かりませんが、狡噛 慎也が出ていない時点でそう思いました){/netabare}

でも、予想できない展開もあって面白かったですね。

話数も1期(22話)と違い1クール弱だったので速かった印象ですが、飽きることなく最後まで観れましたのでちょうど良かったのかもしれません。

1期と同様凄惨なシーンが多々ありますので苦手な方は注意して視聴してくださいね。

OP/ED は1期同様、凛として時雨・EGOISTが担当してます。この世界にピッタリの曲です。

最後に、声優の榊原良子さんが出演されています。私の大好きな作品の一つである銀河英雄伝説に出演されているので、キャラは全然違いますがw 嬉しいですね^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 55

81.2 5 コンピューターアニメランキング5位
機動戦士ガンダム00[ダブルオー](TVアニメ動画)

2007年秋アニメ
★★★★☆ 4.0 (1543)
7928人が棚に入れました
西暦2307年。世界はアメリカを中心とした「ユニオン」。ロシア、中国、インドの3つの国家を中心とした「人類革新連盟」。ヨーロッパ諸国を中心とした「AEU」の三大超大国に別れていた。枯渇してしまった化石燃料の代わりに、3基の軌道エレベーターと太陽光発電システムを巡り、各超大国群は己の威信と繁栄のため、大いなるゼロサム・ゲームの中、熾烈な戦争を続ける日々にあった。そんな終わりのない戦いの世界に謎の私設武装組織「ソレスタルビーイング」(CB)が現れる。「武力による戦争の根絶」を掲げるこの組織は、世界から戦争をなくすため人型機動兵器「ガンダム」による武力介入を始める。果たして、平和の為の武力行使という矛盾の先には、何があるのか――破壊による再生が今、始まる…。

声優・キャラクター
宮野真守、三木眞一郎、吉野裕行、神谷浩史、本名陽子、松本保典、真堂圭、高橋研二、東地宏樹、高垣彩陽、佐藤有世、我妻正崇、小笠原亜里沙、うえだゆうじ、中村悠一、浜田賢二、入野自由、遠藤綾、斎藤千和、恒松あゆみ、石塚運昇、大塚周夫、古谷徹

えんな さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

感想

宇宙世紀物とは違う新世代のガンダム、中々の作品だと思います

シリアスな展開、政治的な動き、ガンダムマイスターそれぞれの過去
SEEDとはまた一味違うガンダムで宇宙世紀シリーズが好きな人でも楽しめると思います

序盤は圧倒的なガンダムが徐々に差を詰められていく様は何とも形容しがたいですが
タイトルの「OO」1期ではまったくわかりませんね

しかし、ラスボスがあの人とは・・・
セカンドシーズンで展開がどうなるか楽しみです

ゲストでいいから池田秀一さんもどこかで使って欲しかったな~

投稿 : 2024/11/09
♥ : 59

アトランティス さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

初のガンダム作品

ガンダム系作品初の視聴

2013年4月7日に深夜放送されたものをリアルタイムにて視聴しました。
次の日学校だったので徹夜で宿題に取り組んでいた時にふとテレビの番組欄を見るとこの作品があったので
宿題やりながらバックにかけとくか~
という感じでBGM的な感じでつけてました。

ストーリーは刹那という主人公がELSという謎の生命体達と戦う(適当ですいません)って感じでこの映画のキーワードは「相互理解」かなと思いました

ロボットものと言われればガンダム!
といわれるように戦闘シーンの作画とか機体はカッコよくて迫力がありました、

キャラの名前は刹那しか覚えられなかったけれど声優はとても豪華だったと思います。
僕の好きな声優さんがたくさん出演されてました
というか登場キャラが多すぎで声優がすごい数出ていましたw

おかげで宿題は朝のギリギリまでやるハメになりましたが見て良かったと思える作品でした☆
映画だけ見てアニメ版は見ていないので
いつか機会があればアニメ版の方も視聴してみたいと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 31
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ガンダムシリーズでは随一の《頭脳バトルもの》

1st.シーズンを視聴していたときは、「"恋愛と戦争は何でもアリ"とはいうけれど、感情論で戦争を描かれてもなあ・・・」と割と批判的に見ていたのですが、2nd.シーズンに入ってからは息もつかせぬ面白さで、特に第13話(1stから通算すると38話目)の「メメントモリ攻略戦」は、あくまで私個人の基準ですが、これぞ《神回》と呼びたくなるような凄い展開。

作品舞台が西暦24世紀(西暦2307年)の世界、ということでガンダム・シリーズでは珍しく現在の世界からの延長の物語となっている。
→ガンダムというよりは、コードギアスの世界観に近い。


◆作品別評価

1st.シーズン   ★   4.1
2nd.シーズン   ★   4.1
劇場版      ★   4.1 
---------------------------------------------
総合       ★   4.1


◆総評

私は、各話や作品全体を評価する場合、脚本・シナリオだけでなく作画・演出も必ず考慮することにしているので、制作時期の古い作品の場合は、幾ら脚本が良くてもなかなか《神回》認定には至りません(例えば無印ガンダムの最終回でも★★評価)。
→ですが、ここ最近ガンダム・シリーズを色々と視聴してきて、本作でようやく★★★評価の回に巡り合うことが出来ました。

本作は、劇場版まで全話・全作を見終わって改めて振り返ると、特段強く印象に残るキャラクターとか、凄く感動するシナリオ・・・というのは無かったと思うのですが、とくに2nd.シーズンに入ってからは、単純なモビルスーツ&軍艦の戦闘アニメではなく、敵味方に分かれた{netabare}エリート戦術予報官マネキンvs.スメラギの壮絶な頭脳戦{/netabare}を描いた作品という印象が増してきて、もしかしたら本作とほぼ同時期に同じサイランズの制作で大人気となっていた「コード・ギアス」の影響が、この2nd.シーズンのシナリオには入っているのかも?と思ってしまうくらいでした。
また、2nd.シーズンのその後を描いた完全新作の劇場版も文句のない面白作でした。

まとめると本作は、ガンダム・シリーズ随一の「頭脳バトルもの」として楽しめる作品ではないでしょうか。


◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回


======== 機動戦士ガンダム00 1st.シーズン (2007年10月-2008年3月) ========

 - - - - - - OP「DAYBREAK'S BELL」、ED「罠」 - - - - - -
{netabare}
第1話 ソレスタルビーイング ★ 冒頭クルディス争乱、西暦2307年、私設武装組織「ソレスタルビーイング(CB)」活動開始(AEU軍事演習・人革連記念式典テロ攻撃への介入、戦争根絶宣言)
第2話 ガンダムマイスター ★ セイロン島紛争へのCB武力介入 ※作品世界の説明回(軌道エレベーターと三大国家群)、ラストでユニオンMS(グラハム機)待ち伏せ
第3話 変わる世界 ☆ 続き、各陣営のG研究・対策開始、北アイルランド紛争へのCB介入
第4話 対外折衝 ★ CB介入を前提とした南米タリビア共和国の茶番、中東アザディスタン王国第一皇女(マリナ・イスマイール)の使命
第5話 限界離脱領域 ★★ 超兵ソーマ(人革連)暴走、セルゲイ中佐&CBのステーション破片救助
第6話 セブンソード ★ 南欧の小国モラリアのAEU軍事演習阻止任務、傭兵サーシェス機vs.刹那機
第7話 報われぬ魂 ☆ 続き、モラリア降伏、CBの秘匿義務、世界7大都市同時無差別テロ(実行犯ラ・イディンラ)
第8話 無差別報復 ☆ 刹那とマリナの出遭い、ラ・イディンラ壊滅 ※刹那の行動の軽率さは×
第9話 大国の威信 ★★ CB始動より4ヶ月後、CB宇宙輸送艦プトレマイオスへの人革軍襲撃(セルゲイ中佐vsスメラギ) ※戦術バトル回として〇
第10話 G鹵獲作戦 ★ 続き(Gナドレ露出、ハレルヤ出現・暴走) ※終盤グロ展開あり注意×
第11話 アレルヤ ☆ 二重人格、人革連スペースコロニー侵入、超人機関研究施設破壊
第12話 教義の果てに ☆ アザディスタン王国のクーデター騒ぎ(CBとユニオンの介入)
第13話 聖者の帰還 ★ 続き(刹那機vs.サーシェス機、マスード・ラフマディー師解放){/netabare}

 - - - - - - OP「Ash Like Snow」、ED「フレンズ」 - - - - - -
{netabare}
第14話 決意の朝 ★ 三大陣営の合同軍事演習決定、物量投入によるG鹵獲作戦開始、カティ・マネキン大佐登場
第15話 折れた翼 ★ 続き(人革連タクラマカン基地の罠、人革・AEU・ユニオン800機超vs.G4機、Gパイロット疲弊、救援)
第16話 トリニティ ★ 続き(第2幕開始、ガンダム・スローネ(3機)出現、監視者のCB査定) ※展開の都合の良さは×、後半は半総集編
第17話 スローネ強襲 ★ スローネ・マイスターとの対面、トリニティの狙い、米軍基地壊滅、大富豪ラグナ暗躍
第18話 悪意の矛先 ☆ トリニティ暴走・一般人襲撃(ルイス負傷)、量子コンピュータ(ヴェーダ)改竄、刹那機の突進(対トリニティ3機) ※展開が色々唐突な点は×
第19話 絆 ★ G同士の戦い(ティエリア参戦、第3段階への移行、Gナドレの真の能力)、沙慈とルイスの別れ、ロックオンの仇
第20話 変革の刃 ★ 国連軍発足(人革・AEU・ユニオン、GNドライブ配備)、CBの内通者(アレハンドロ・コーナー)、絹江殺害、王留美のトリニティ接触、人革連新MS隊のトリニティ撃退 ※展開が分かり辛い点は×
第21話 滅びの道 ★ アレハンドロのヴェーダ本体ハッキング、国連軍のG掃討作戦開始(ヴェーダダウン・新システム切り替え・ロックオン負傷・GNアームズ参戦・国連軍撃退) ※同上×
第22話 トランザム ★ サーシェスのトリニティ襲撃、イオリア・シュヘンベルグの遺志、刹那機トランザム・システム起動 ※同上×
第23話 世界を止めて ★ 国連軍ラグランジュⅠ来襲(ジンクス隊撃退、サーシェス撃破・ロックオン戦死) ※作画・演出は派手だが脚本いまいち×
第24話 終わりなき詩 ★ 続き(国連軍第二波、巨大MAアルバトーレ出現、リヒティ&クリス戦死) ※同上×
第25話 刹那 ★ 続き(ハレルヤvs.セルゲイ&ソーマ、刹那vs.アレハンドロ、アレハンドロ戦死、グラハムvs.刹那、G各機大破)、4年後(西暦2312年)の世界 ※同上× ED「DAYBREAK'S BELL」{/netabare}
-------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)2、★(良回)17、☆(並回)6、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.1


======== 機動戦士ガンダム00 2nd.シーズン (2008年10月-2009年3月) ========

 - - - - - OP「儚くも永久のカナシ」、ED「Prototype」 - - - -
{netabare}
第1話 天使再臨 ☆ 4年後の世界(続き)、工業コロニー「プラウド」の争乱、Gエクシア再出現、独立治安維持部隊アロウズ ※OPなし、ED「儚くも永久のカナシ」
第2話 ツインドライヴ ★ ロックオン弟スカウト、スメラギ復帰、00(ダブル・オー)ガンダム起動
第3話 アレルヤ奪還作戦 ★ E56(アレルヤ)とマリー(ソーマ)の関わり、マリナ皇女救出、アレルヤ復帰 
第4話 戦う理由 ★ ペリシャ湾口の戦(リント少佐vs.スメラギ、刹那vs.Mr.ブシドー)、シーリン(反政府組織カタロン)とマリナ皇女の再会
第5話 故国燃ゆ ★ アロウズのカタロン拠点襲撃、虐殺、サーシェス再登場
第6話 傷痕 ☆ インド洋の戦(マネキン指揮アロウズMS隊vs.トレミーG隊)
第7話 再会と離別と ★★ アレルヤの過去、マリーの記憶回復・セルゲイ大佐との別れ、リジェネのティオリア接触
第8話 無垢なる歪み ★ イオリア計画第3幕開始、アロウズ・パーティー(リボンズ&ティオリア接触、ルイスと刹那の再会)、サーシェス機待ち伏せ
第9話 拭えぬ過去 ★★ 続き、スメラギvs.カティ・マネキン頭脳戦(プトレマイオス海中より宇宙へ)
第10話 天の光 ☆ イノベーター来襲、ラグランジュ3到着、衛星兵器メメントモリ発射、中東スイル王国首都壊滅
第11話 ダブルオーの声 ★ ヴェーダによって生み出された生体端末(イノベーター)、マネキン隊のトレミー襲撃、沙滋出撃(00ライザー) ※合体機の謎機能は×
第12話 宇宙で待ってる ★ 00ライザー無双・機体量子化、マネキン隊撤退、沙滋・ルイスそれぞれの想い
第13話 メメントモリ攻略戦 ★★★ リント少佐vs.スメラギ、衛星兵器破壊 ※宇宙バトルの神回{/netabare} 

 - - - - - - - OP「泪のムコウ」、ED「trust you」 - - - - - - -
{netabare}
第14話 歌が聴こえる ☆ トレミー地上漂着、リボンズと刹那の対面(11年前のオー・ガンダム搭乗者)、ブリング戦死(対ティエリア) ※ED「TOMORROW」
第15話 反抗の凱歌 ★ マリナと刹那の再会、アロウズ大部隊(マネキン指揮)トレミー襲撃・撤退、ハーキュリー大佐決起(アフリカ・タワー占拠)
第16話 悲劇への序章 ★ 連邦とクーデター派の闘争、00ライザーvs.マスラオ
第17話 散りゆく光の中で ★★ もう一基の衛星兵器、ライザーソード(デヴァノン戦死)、アフリカ・タワー崩壊、CB/反乱軍/連邦軍/アロウズの共同救助活動、セルゲイ大佐死亡 ※意外な展開は◎
第18話 交錯する想い ☆ アロウズの連邦軍掌握、衛星兵器メメントモリ2号機破壊、アロウズのCB追跡、迎撃開始
第19話 イノベイターの影 ☆ リヴァイヴ拿捕、アニュー寝返り、ネーナ反逆
第20話 アニュー・リターン ☆ イノベーターと人間の差、アニュー戦死
第21話 革新の扉 ★ 刹那のイノベーター化、王留美のヴェーダ所在情報提供、刹那vs.Mr.ブシドー、王留美死亡、ネーナ死亡(ルイス復讐成功)
第22話 未来のために ★ アロウズのCB殲滅作戦開始、マネキン隊決起、グッドマン准将(アロウズ№2)戦死
第23話 命の華 ★ リジェネ死亡、コロニー型イノベーター母艦「ソレスタルビーイング」出現、ヴェーダ奪還戦開始
第24話 BEYOND ★ 真のイノベーダー(革新者)覚醒、ヴェーダ奪還(ティエリア再接続)、サーシェス戦死
第25話 再生 ☆ イオリア計画の全貌、リボンズvs.刹那、ヒリング&リヴァイヴ戦死、リボンズ戦死、後日譚 ※ED「DAYBREAK'S BELL」{/netabare}
-------------------------------------------------------------
★★★(神回)1、★★(優秀回)3、★(良回)13、☆(並回)8、×(疑問回)0 ※個人評価 ★ 4.1


== 劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer- (2010年9月) ==

全1話 ★ 4.1 {netabare}2年後、木星からの金属生命体の襲来 ※地球防衛戦が大迫力{/netabare}

OP 「閉ざされた世界」
ED 「クオリア」

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18

84.9 6 コンピューターアニメランキング6位
SSSS.GRIDMAN(TVアニメ動画)

2018年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (997)
4040人が棚に入れました
1993年から放送されたTVシリーズ「電光超人グリッドマン」。
まだパソコンが一般家庭に普及する前に制作された作品にも関わらず、 現代における「インターネット」「コンピューターウイルス」といった概念を先取りした内容で人気を集めた。

そして2018年秋「SSSS.GRIDMAN」が放送決定!
アニメーション制作は、2015年日本アニメ(ーター)見本市で公開された 「電光超人グリッドマン boys invent great hero」を制作したTRIGGERが担当する。
監督は、同作でも監督を務めた雨宮哲。
あの時の未来が現実になった2018年、グリッドマンがアニメーションの世界で蘇る――。

声優・キャラクター
広瀬裕也、緑川光、斉藤壮馬、宮本侑芽、上田麗奈、高橋良輔、小西克幸、悠木碧、松風雅也、鈴村健一、稲田徹、新谷真弓、三森すずこ、鬼頭明里
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

このシンウルトラマンがすごい

TRIGGER×円谷プロ制作。
特撮「電光超人グリッドマン」リメイク。

予想通り制作チーム抜群に相性が良い。
キャラクターもポップで女の子がかわいい。
敵役の子も味があって素晴らしいです。

旧型のパソコンから声がする、
ハイパーエージェントグリッドマン。
地球を怪獣の侵攻から救えと、
記憶喪失の主人公は、
グリッドマンに導かれるまま彼と融合する。

シンゴジラ第二形態の進撃、
迫力ある市街地戦、スペシウム光線炸裂。
記憶喪失の謎、世界の謎。
日常風景も多く青春しています。
世代なんて関係なく楽しいですね。
青春ヒーローものとしても秀逸でしょう。

最終話視聴追記。
優れたデザイン性もアクションも心が躍った。
{netabare}実写での幕切れは予想を超えましたが、
現実世界にバトンを繋いだように思う。
自閉世界からの解放とでも言おうか、
これからが日常との戦いなのだろう。{/netabare}

どこか爽快で希望の萌芽を感じる幕切れだ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 96
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

特撮好きでないマン in N.Y

2018.12.28記


「電光超人グリッドマン」未視聴


レビュータイトルはSTING往年の名曲から。

前評判が高く、放送中も事前の好評価そのままに走りきった感のある良作です。が、なんかしっくりこない。
1993~1994年に放送された「電光超人グリッドマン」という特撮ヒーローものを母体とした新作アニメで、“円谷プロ”“TRIGGER"“音楽:鷺巣詩郎”そしてあの“グリッドマン”か!のワードが期待を寄せる根拠となってました。
主人公響裕太がクラスメイト宝多六花の家の前で倒れて、目覚めたら記憶を失っていた、という冒頭。六花の家が営むジャンクショップに置いてある古いPCから「自分の使命を思いだせ」と呼びかける声。声の主はハイパーエージェント『グリッドマン』。ほどなくして、街に怪獣が現れて破壊の限りを尽くす。どうする?どうする?裕太くん、という導入でした。

そしてこの私。電光超人を未視聴もさることながら、そもそもウルトラマンや仮面ライダー、戦隊ものをわくわくしながら観た記憶がありません。宇宙刑事シリーズも観てました。嫌いなわけではなく、ただ“わくわくした記憶がない”だけです。
おそらくこのわくわくした経験の有無が本作を捉える上でのスタート位置の差となって表れちゃったんじゃないかという感覚があります。もちろんスタート位置が後ろでも追いつき追いぬいた方もいると思います。特撮好きマンはすーっと本作に入り込みやすかったでしょう。
ちょっと煮え切らない感じですが、これは、前評判に裏切られながらも、自分なりの結論を探し続ける男の取るに足らぬ感想、と思って以下読んでいただければ幸いです。


なお結論は、“とはいえおもしろい”です。
理由は明確、日常パートが魅力的だから。
Aパート、Bパートのくくりが正しいかは微妙ですが、だいたい1話のなかで前半の日常パートと後半の戦闘パートに別れており、この系統の作品の流儀を守ってますね。

作品評価に与える分岐点は2つあると思ってます。
1.特撮作品との相性
2.主に日常パートで展開される物語の解釈

1.特撮作品との相性
アニメなのに特撮? アニメ作品ながら特撮作品の演出技法が散見されます。この、アニメなのに?がポイントで、良く出来た作画と合わせて見どころになります。さらに、グリッドマンのみならず旧作名作のあれやこれやを彷彿させるシーンがさり気なく描かれているため、これもわかる人には胸アツでしょう。
スタッフの特撮作品に対する愛情を感じることができることは好感ですが、{netabare}物語の展開上、闘う目的があるようなないような{/netabare}戦闘シーンの連続は、私にとっての付加価値にはなりませんでした。

2.主に日常パートで展開される物語の解釈
良し悪し以前に、例えば戦隊ヒーローもので展開される日常パートはほぼ蛇足です。ウルトラセブン等の例外を除いては、特撮ヒーローものの前半にしょぼい印象しか持ってない私ですが、本作にはそのしょぼさがない。
裕太、六花、内海将の3人組に新条アカネら人間たちと、グリッドマンと4人のアシストウェポン(新世紀中学生)、そしてアンチくん、アレクシスの人外さんらが絡む物語は濃厚です。全体的に暗いというか“不穏”な雰囲気を醸し出しながら進行する展開は私好み。
ただ演出の妙が冴える考察好きにはたまらん展開のため、シンプルに観てると、なんだかよくわからんなぁ、になりそうな感じでした。

これ1.と2.の相乗効果で天井知らずになったかもわからんです。そういった意味では残念でしたね。私は1.が欠落してます。
日常シーンと戦闘シーンそれぞれ高いレベルにありつつも有機的に絡み合っているかは微妙。1個で2度美味しいになるか、水と油だなとなるか、私は後者です。
{netabare}・アカネにスイッチ入って怪獣作ってドーン!の前後に繋がりがあるようでない。
・必殺技や合体技はあくまで戦闘特化というか説明がないためこちらも繋がりが・・・
・となると作画と特撮オマージュを堪能するしかなさそう{/netabare}


OPはTHEヒーローものと呼べるワクワクする曲ですこぶる良いです。EDだって負けてない。イントロのギターリフが好きですね。
「これ、お前の母校が何回も破壊されるアニメだで」と、都立井草高校出身の知人へネタふりも可能(実話)。
充分満足する一品でしたが、周囲の熱狂とはちょっと引いた場所にいるかなーっていう良作でした。



■良く出来た物語
※視聴済みの方向け

{netabare}第一話アバン、新条アカネのカットで始まり、ラストは見ての通り。一貫してアカネの物語でした。その視点での二周目(特に9話)はやばいですね。
SSSS.ってなんの略? スーパーヒューマン・サムライ・サイバー・スクワッド(Superhuman Samurai Syber Squad)と聞いて、超平和バ○ターズばりのネーミングセンスだな、おいと思ってましたが、案の定“フリ”でしたね。
グリッドマンへのアクセスコード『Special Signature to Save a Soul』。そしてフィクサービーム!見事なタイトル回収でした。{/netabare}

{netabare}「私の先代が君にお世話になった」と少女怪獣さん(6話)
こういったところは元ネタ知ってたら楽しかったんだろうなーと思います。{/netabare}

{netabare}アカネのバランスが崩れ始める第7話は隠れた良回。
裕太と中華料理屋の中で「(ここの娘を)あたしが殺したの」と言うアカネ。遡ることAパート。アンチくんとの一悶着の際、スペシャルドッグを踏んでたアカネ。このへんの自己矛盾描写は秀逸。{/netabare}


それと物語がいま一つと感じた人が二周目行くことはないと思うものの、二周目が面白い作品でもあります。


■(オマケ)けっきょく設計主義って
ルールを設計してその通りにすれば万事OK!・・・って少しでも考えれば無理難題。人間には自我というものがあります。
無理してこれをやろうとしたのが、{netabare}新条アカネであり、{/netabare}大失敗に終わった20世紀の社会実験であるのでしょう。

{netabare}本作は、不完全なるもの(アンチくんやグリッドマン同盟のみんな)が不安定な神様を救う物語でもありました。{/netabare}
{netabare}子供じみた設計主義はとっとと捨てて、早く大人になりなさい。てゆーか外に出なさい。人を知りなさい。{/netabare}

完全とは理論や対物には求めてもいいとは思いますが、対人間、社会に求めたり、統治の仕組みとして取り入れるのは無理がある、を再確認した次第です。



-----
2019.06.12追記
《配点を修正》


その後、『電光超人グリッドマン』も飛び飛びながら視聴。地上波で再放送をやっていたのです。

SSSSのほうはロボ好き特撮好きでなくても日常パートが良いし、六花とアカネのWヒロインも魅力的で、私のような“特撮好きでないマン”でも楽しめましたが、たしかに原題の電光超人おさえてるとニヤっとできる場面多数。

本作SSSSを気に入ったのならこっちに手を出して良いと思います。


追伸
『色づく世界の明日から』のOPとED同様、こちらのOPとEDは秋から冬にかけてヘビーローテーションで聴いてました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 80

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

『電光超人グリッドマン』は1993年当時には新しすぎた(笑)! (第12話: まごころを君に(笑))

※↓以下を書いた時点でアニメ作品は始まってもいないので、未見でした。視聴終了後追記あり。

「あらすじ」にある通り、『電光超人グリッドマン』という円谷プロ製作の特撮作品(以下、「原作」)がありまして、当時の情報科学・コンピュータ関連の研究者や業界人の間では有名な作品でした。

原作では敵であるカーンデジファーがコンピュータワールドに「怪獣」を送り込み、その怪獣の破壊行為が実行プログラムの破壊、不具合として顕現するというお話になっています。

そしてカーンデジファーを追ってきたハイパーエージェントが、少年少女たちがパーツから組み上げた自作コンピュータとそこで実行されるプログラムと一体化することによって「グリッドマン」として怪獣と戦うことで地球の平和が守られるというストーリーになっています。

そしてカーンデジファー側にも協力者の少年がいて、「悪意あるクラッカーと戦うハッカー」という構図が怪獣特撮物としてビジュアライズされているという異色の作品でした。

根っこの着想は映画『ウォー・ゲーム(WarGames)』(←こっちは背景に冷戦がある実世界でのお話でストーリー自体は全く違う)あたりから得たような気もしますけど、こんなん当時子供にウケると思って企画したやつアホやろ。(← 褒めている)

また「怪獣やグリッドマンは通信回線を通していろいろなコンピュータに入り込める」とか、「怪獣とグリッドマンの戦闘は手元のコンピュータでモニタ出来る」とか、「グリッドマンの支援メカ(?: プログラムというかデータなのですが…)も通信回線を通して送り込める」とかいった設定があって、当時の若めのコンピュータ関係者の心を(もしかしたら本来の視聴対象のはずの子供たちよりも)掴んだのでした。

また15年ほど前でしょうか、安価なコンピュータを多数高速ネットワークで接続して高速計算させる「グリッド・コンピューティング」という技術が業界トピックとなり、「グリッド」という言葉が本作を想起させることでリバイバル・ブーム的なものもありました。

なので今50~60代くらいのコンピュータ関係者の間では『電光超人グリッドマン』はそこそこの知名度があると思います。

というところで個人的にはこのアニメがどんな作品になるか期待大ではあるのですが、現代に需要があるのかとか何でいまさらグリッドマンなのかとかはさっぱりわかりません(笑)。

2018.10.7追記:
第1話、観ました! ジャンクやグリッドマンのデザインは旧作準拠。ジャンクへの過負荷時の演出なんかはアニメっぽいです。いきなり謎を残しての引きで、期待を持たせる1話目でした!

2018.10.14追記:
第2話を視聴終了。視聴を続けるかどうかを判断するで必要そうな世界観の説明は2話でだいたい片付きました。シリーズ構成、有能…。

2018.10.28追記:
第4話、「Arcadia」のグループとメンバー4人の名前が玩具メーカー由来で笑ってしまいました。

2018.11.12追記:
第6話を視聴終了。旧作を観ていた人にはわかる「先代」とイヤホンで聞かされていた旧作楽曲「夢のヒーロー」のアレンジバージョンの旧作ネタがありました。ということは、一応旧作『電光超人グリッドマン』とのつながりもあるってことなのかな?

2018.11.18追記:
第7話目まで視聴終了。「不安定な神様」(笑)。

UFOが糸で吊られていたのって、あれもしかして特撮メタネタ(昔は空中戦の撮影時には糸で模型を吊っていた)なの?

2018.12.23追記:
第12話(最終話)視聴終了。いや、TRIGGERがGAINAXの末裔だとして、何もあんな形で示さなくても…(笑)。

あれがアカネだなどとは絶対に認めん、だがという視聴者もわりといそうだが、案外あれは円谷プロサイドにはウケているかもしれない…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 76

77.0 7 コンピューターアニメランキング7位
シリアルエクスペリメンツ・レイン[serial experiments lain](TVアニメ動画)

1998年夏アニメ
★★★★☆ 3.7 (882)
3909人が棚に入れました
コミュニケーション用コンピュータネットワーク端末「NAVI」(ナビ)が普及した現代、中学生の岩倉玲音は、死んだはずの四方田千砂からのメールを受け取る。その日以来、玲音は見えないはずのものを見るようになる。四方田千砂のメールの言葉に興味を持ち、大型の「NAVI」を手に入れるが、それ以来更に奇怪な事件に巻き込まれていく。物理世界(リアルワールド)と電脳世界(ワイヤード)、二つの世界・二人の玲音(lain)が混濁し錯綜する果てにあるものは? 「人は誰しも“繋がれて”いる」「私は遍在する」
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

たくさんいる「私」

岩倉玲音の時代である。

ブゥーーン、ブゥーーーン、
幾度となく強調される送電線のノイズ音。
それは「つながり」のメタファー。

90年代末尾を飾る時代が生んだ傑作。
欝々しい展開にカルト的人気で名高い作品、
そこを乗り越えた先の大団円に感動を覚えます。
ここでの問題提起は「攻殻SAC」へと昇華され、
この偉大な「供儀」の物語は幕を閉じる。

絵柄は古く、演出は静かに進行する。
しかし前半に種を撒き、後半に回収する。
物語の基本に忠実な展開、構成だと思う。

主人公は中学生、岩倉玲音。
{netabare}現実世界と仮想世界の「2人の玲音」、
ある日、自殺した同級生からのメールが届く。
会話もない冷たい家庭の食卓、
自宅前に張り付く不気味な黒服たち。{/netabare}

神の不在、集合的無意識。
何かがおかしい!?何かが始まっている!!

難解でしょうか?いいえ。
我々の側が複雑にさせているのでしょう。
しっかり観ていれば、迷子にはならない。
{netabare}私なりの攻略指南を書かせて頂こう。
英利政美の思考を追え、これだけです。{/netabare}

世界は等しく病んでいる。

文化庁メディア芸術祭優秀賞作品。
ご堪能あれ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 74
ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5

私と中の人は同一人物なのだろうか

メディアミックス作品。全13話のアニメ版。
「難しいアニメ」として紹介いただいたことで視聴を決意しました。

Q.難しかったか?
A.難しかったです。

おとなしい中学生、岩倉玲音(いわくられいん)の身の回りで起こる、不可解な現象を追った作品。
「lain」とは何か、世界はどうなっているのか、謎を追っていく。


実験(experiment)的であり、かな~り人を選ぶ作品。
笑いなどかけらもなく、描写も無機質で、大衆受けの真逆を進んでいます。

始まるのは幻覚でも見ているようなサイケデリックな日常(?)風景。
グロい影やら、誇張された人物の姿やら、不快なビープ音やら……頭の中は「?」でいっぱい。
教科書的なナレーションによる、オカルティックな歴史の勉強まで流れ出します。

謎が明かされるのは中盤~終盤です。
それまでは、流れる風景と会話を頭に入れる作業です。

そのため、序盤の退屈さは尋常ではないです。

ということで、ダメそうな予感がする時点でやめたほうがいいです。
「合う人には合う、合わない人には合わない」のひとことです。


ただ、「事実は何か」ということも物語の鍵となっています。
したがって、狙ってわかりにくい表現がされています。

また、ストーリーはきちんと進んでおり、結末までしっかり描かれています。
投げっぱなしのお話ということはありません。


作風が合えば問題ないでしょう。
しかし、合わなくても見どころは見つけられます。

この作品はインターネットのあり方について述べていますが、
1998年当時にしては、非常に先見の明があります。

タブレット端末の普及、ネット内で変わる人格。
ハッカー集団「Anonymous」のような存在(ちょっと違いますが)。
特にネット内での人格描写については深く触れられており、主人公の謎にも関わっています。
{netabare}
乱暴に言えば、「lain」はインターネットの集合意識に人格を与えたものといえるでしょう。
そこにいるのは多数の個なのに、ひとつの人格として扱う風潮があります。
言ってしまえば「おまえら」に名前を付けたものに近いかもしれません。

そのため、人格はひとつではなく、攻撃的なもの、悪意に満ちたものも含まれてきます。
{/netabare}

もう一つ、このアニメを今見ると、多くの作品との共通点が浮かび上がってきます。
有名どころだと、

* 攻殻機動隊でいう{netabare}個と全の境界線{/netabare}
* エヴァンゲリオンでいう{netabare}人類補完計画{/netabare}
* まどか☆マギカでいう{netabare}円環の理{/netabare}や{netabare}キュウべぇの意識について{/netabare}

特にまどマギとはストーリーの結末に関わる出来事が似ています。
lainは{netabare}友達を救うために世界を書き換え、ひとり神のような存在になるまどかと、
端末が複数存在する意識集合体であるキュウべぇを足した存在{/netabare}とも捉えられるかも。

ほかにも色んな作品を意識しました。
それだけ普遍的な内容を扱って、相互に影響しているとも言えます。


ただ、明確なテーマがあるかどうかと言えば微妙です。
「記憶と記録の違い」とか哲学風の発言は多いのですが、ひとつに絞りきれません。
寂しくもちょっと素敵な終わり方といい、やはりストーリーがメインだと思われます。

しかし、前述の普遍性ゆえに、テーマを自分で作って解釈する余地は大いにあると思います。
{netabare}
すべての意識が繋がって肉体が不要になれば、それは便利なことかもしれません。
といっても、肉体から離れてひとつになった精神は、自我を持ち、幸福を感じるのかどうか。
疑問なところですね。
{/netabare}

「雰囲気が好き」という人を除けば、「知ること」「考えること」をとことん求める人に向いているかもしれません。
まず、一番の謎が主人公の正体についてだからです。
また、予備知識があったり、調査を行うと有利になります。
そして、幅広くいつでも通用する命題をいくつも扱っています。


funnyでもexcitingでもamusingでもないのでinterestingが頼り。
「知りたい」という欲求とキャッチーな表現が噛み合えば、きっと神作品になります(ネタバレ)。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 47
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

時代を先取りしすぎたカルトアニメ

制作はトライアングルスタッフのメディアミックス作品です。
ジャンルはSF・サイコサスペンス・ホラーです。
かなり視聴には難があるので注意が必要です。


コミュニケーション用コンピュータネットワーク端末「NAVI」が普及した現代、中学生の岩倉玲音は、死んだはずの四方田千砂からのメールを受け取る。
彼女は「NAVI」に興味を持ち、大型「NAVI」を手に入れ、急速に適応していく。
それ以来、彼女は不思議な事件に巻き込まれていく…。


1998年放送なので結構古い作品ですが、内容は今に通じるものがあります。
一回通して見たときはほぼ理解できなかった作品ですw
本作を見るならば腰を据えて見ないと意味不明になること必至。

話は基本的にシリアス(というか意味不明)で、笑いどころは皆無。
本当に話の流れが分からないとはこの事。
ホラー・サイコ・グロ要素もありますのでそれが好きでないのであれば避けた方が無難でしょう。
愉快な作品ではないのは確か。


結局この作品では何についてみればいいのかというと「レインって何者?」ってことだと思います。
彼女は「NAVI」を使い始めることで覚醒していき、あらゆる世界を覗いていきます。
そこにヒントがあるわけなのですが、脈絡もなく急に場面が飛ぶので意味が分からないw
覗いている世界は現実なのか?
ネット世界なのか?


以下考察。
{netabare}この作品の言いたいことは「現実で自我を保つこととネットの世界で自我を保つこと、はたしてどちらが良いのか」ということでしょう。

現実では肉体が邪魔をするので、肉体を捨ててネットに埋もれこむというのも理論的にはわかります。
極論を言えば有限なものは邪魔にしかならないし、情報は形がないのでとても便利ですからね。
心身二元論の考え方です。

しかし、そこに本当の意味での自我がありうるのか?
肉体があってこそ、初めて自我が生まれるのではないか?
心身一元論の考え方です。

ネットの世界はあいまいに思われますが、果たして対局である現実社会は明確なのでしょうか?
「この世界には私がいる」ことを証明できるのでしょうか?{/netabare}


総括して、いろいろと手が出しにくい要素があるので尋常じゃないほど人を選びます。
ですが、難解な作品を見たい方にはもってこいな作品だと思います。
見て後悔しても、責任は取りませんよw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

66.3 8 コンピューターアニメランキング8位
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER(TVアニメ動画)

2015年秋アニメ
★★★★☆ 3.5 (807)
3512人が棚に入れました
森博嗣の『S&Mシリーズ』が原作。

映像化するのは、「エルフェンリート」の神戸守監督とA-1 Picturesのタッグ!


理系の女子大生の西之園萌絵と工学部建築学科准教授の犀川創平が難事件に挑むサイエンスミステリーとなる。

声優・キャラクター
加瀬康之、種﨑敦美、木戸衣吹
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

感覚の病的な鋭さ

森博嗣メフィスト賞受賞の本格ミステリー。
多くの続編を生んだ傑作シリーズの始まり。

混乱を覚えます。
すべての言葉が意味をなさないのではと。
{netabare}事件を丁寧に描いてくれていますが、
事件の全貌が見えてくると同時に、
犯人の動機がとても繊細で、
観念的な方向へ進むからです。
そして告白しなければいけません。
その動機をどこか「理解できる」のです。{/netabare}
極めて理性的で合理的な方、
真反対に精神薄弱の方にはお勧め出来ません。

ここでは劇中で交わされた、
印象的なある独白をピックアップして、
皆さんの判断を仰ぎたいと思います。
物語の根幹に通じる独白ですので、
少しでも興味のある方は開かないで下さい。

{netabare}子供の頃は誰でも1つの人格ではなかったはずだ。
常に矛盾し今よりもっと多様な考え方をしていた。
それが成長するにつれて矛盾を統合し、
1つの人格になろうとする。
大人になるとは1つの精神、肉体に縛られることだ。
ただ解き放たれたい、その為の儀式である。{/netabare}

問いかけに立ち止まるのが人間だと思う。
束縛と寄り添って歩むのが人生だと思う。

もしどこかで出会えたら、
聞いてみたいことがたくさんあるな。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 78

PPN さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ノイタミナミステリー(o・д・)

愛知県のとある離島で起こる数奇な殺人事件。
巻き込まれた大学助教授とその教え子である
女子大生が謎を解き明かすミステリー作品。
全11話。
原作:森博嗣による推理小説(未読)


ノイタミナ枠、A-1 Pictures制作という事で
丁寧に作られたミステリー作品を期待して視聴。
結果から言うと充分合格点を付けられる出来と
個人的には評価させて頂きました!

事件のストーリーやあらすじは割愛。
本編で楽しんで頂ければと思います。

1つの事件をプロローグからエピローグまで
じっくりと描いて行く展開は個人的に◎です。
本格的なミステリーとあってストーリー、登場人物に
誇張した派手さが見られない点も良かったと思います。
裏を返せば地味展開が続く、地味キャラという事ですが
まぁ、その辺りは人それぞれの好みって事で…(´∀`;)

OP、EDを含めた作画とキャラクター、声優陣や
音楽とどれも作品の世界観に合ったものでした。
アニメという映像を観ているにも関わらず
まるで小説を読んでいる感覚になっちゃいました。


ここ最近、ミステリーものを観ていなかったので
ちと褒め過ぎ・高評価過ぎかも知れませんw
サイコパスなどの方がやはり面白かったような…
そんでもラストまで楽しめるミステリー作品だと
思います(・ω・)ノ

原作は賞を受賞したり、ドラマ化もされている
作品なのでミステリーファンなら抑えておいて
損のない1本だと思います。



《キャスト》

犀川 創平(CV.加瀬康之)
西之園 萌絵(CV.種崎敦美)
真賀田 四季(CV.木戸衣吹)
山根 幸宏(CV.鈴木達央)
弓永 富彦(CV.佐々木敏)
水谷 主税(CV.伊藤健太郎)
島田 文子(CV.日笠陽子)
新藤 清二(CV.咲野俊介)
新藤 裕見子(CV.小林さやか)



《主題歌》

OP
『talking』/-KANA-BOON
ED
『ナナヒツジ』/シナリオアート

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57
ネタバレ

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

簡単そうで難解なパズルを埋めるような

原作未読 全11話

大学助教授の犀川創平(さいかわ そうへい)と犀川の恩師の娘で同じ大学の学生である西之園萌絵(にしのその もえ)は、ある事情で完全密室殺人事件のトリックと事件の真相に迫るお話です。

色々と難しい用語が飛び交いますので、難解なお話になっていますね。

私はなんとなくわかるお話でした。{netabare}(まさかの16進数w){/netabare}

劇的な展開やアクションシーンもなく、お話は最初はゆっくり進行して会話が中心なため、途中で退屈な感じがするかもしれません。

また、最後までみると謎は分かりましたが、現実と幻想が入り混じっていますのでどうなっているのか分からない部分がありましたね。{netabare}(最終話の最後の部分、親子の会話の部分とか、結局、真賀田四季はどこに行ったんでしょうね){/netabare}

独特な作品なので好き嫌いが分かれると思います。推理ものが好きな方には見てもいいかもしれませんね。

OP・EDは歌っている方が違いますが、CD1枚になっていてお財布に優しくなっています。OPのイントロ部分が好きですね。

最後に、犀川の着ているTシャツが妙に気になっていましたw{netabare}(妹さんのセンスや趣味だとしたら何とも言えませんねw){/netabare}あとタバコのシーンも多くて(犀川がヘビースモーカーなので)私は気にならなかったのですが、気になる方は気をつけてくださいね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35

82.6 9 コンピューターアニメランキング9位
デカダンス(TVアニメ動画)

2020年夏アニメ
★★★★☆ 3.8 (633)
2295人が棚に入れました
突如として姿を現した未知の生命体《ガドル》により、人類が滅亡の危機に陥ってから、長い年月が過ぎた。生き残った人々は《ガドル》の脅威から身を護るため、全高3,000Mの巨大な移動要塞《デカダンス》を建造し、日々を暮らしていた。《デカダンス》に住まうのは、日夜《ガドル》と戦う戦士たち《ギア》と、戦う力を持たない《タンカー》たち。ガドルと戦う戦士《ギア》に憧れ、自らも《ギア》になることを夢見る《タンカー》の少女・ナツメは、ある日、無愛想なデカダンスの装甲修理人・カブラギと出会う。夢を諦めない前向きな少女と夢を諦めたリアリストの男。一見正反対のように見える二人の出会いは、やがてこの世界の未来を大きく揺るがすことになる。

声優・キャラクター
小西克幸、楠木ともり、鳥海浩輔、喜多村英梨、柴田芽衣、青山吉能、竹内栄治
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

ソリッドステイトサバイバー

NUT制作。

未知の生命体ガドルの侵攻により、
人類は滅亡の危機に瀕し、
生き残った人々は巨大な移動要塞デカダンスを、
建造し、日々を暮らしている。
戦地に赴く戦士たちに憧れる少女ナツメ。
寡黙な装甲修理人カブラギとの出会いが、
少女の運命を変える。

謎で牽引するお決まりの展開ですが、
{netabare}オキソンで駆動する重厚な要塞のガジェットと、
歩兵用兵装、立体機動装置での戦闘が、{/netabare}
初回の大きな見所であり、まずまず楽しい。

しかしタイトルは退廃的な!?
この世界を逆照射するのでしょうか。

7話視聴追記。
絶滅危惧種としてのヒト、
{netabare}主題は現代社会への警告でもあるのでしょう。
世界の廃棄物のどこかにきっと、
我らを修復する鍵が潜んでいる。{/netabare}

トマスピンチョンで括ろう、
じんるいにひかりをあたえますか?

最終話視聴追記。
{netabare}気持ちの良い爽快な大団円だ。
世界から零れ落ちる不確定要素、
それがあるから世界は楽しいのである。{/netabare}
モノアイのジルが素晴らしいです。

最後まで楽しめる良品だと思います。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 63

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

変形からの必殺技って、それかい(笑)! → まあ、落ち着くべきところに落ち着いたかな?

== [下記は第2話まで視聴時のレビュー: 以下、追記あり。] ==
オリジナルテレビアニメです。第2話まで観終わった時点で、このレビューを書いています。

不味いですやん、人類滅びかけてますやん。いわゆる「終末もの」というジャンルのストーリーですね。

人類にとっては未知の敵であるガドルと戦うための移動要塞デカダンス。全高3000メートル級って、とんでもないデカさですね。山が動いているレベルの大きさ…。

ガドルと戦うのは戦闘員であるギアと呼ばれる人たちで、「かの力(ちから)」と呼ばれる対ガドル戦闘組織に属しています。

それ以外の人たちはタンカーと呼ばれていて、デカダンス内の「タンク」と呼ばれる居住区画で生活しています。で、稀にタンカーから「かの力」に入る人がいて主人公の少女ナツメもそれを目指しますが、幼少時の右手欠損により資格なしということで、デカダンスの装甲修理人として配属が決まります。

果たしてナツメは「かの力」に入ってガドルと戦うことになるのか、そしてナツメの右手欠損時の事件の真相は何なのか、そもそもガドルやそれと戦うギアとは何者なのかといった興味で視聴者を引っ張る感じのお話です。

第2話を観終わってから第1話を観直すと、初見時とは違ったものが見えてくるかも。以降もこういう感じになっていると楽しめそうですが、どうでしょうかね。

今クールの作品の中では、私はかなり面白い方だと思っています。なお、レビュータイトルに「それかい(笑)」と書いておきながら、どのような必殺技かはあえて書きません。悪しからず。

気になる方はとりあえず第1話を観てみてくださいね。
== [第2話まで視聴時のレビュー、ここまで。] ==

最終話まで観終わっていましたが、更新が遅れていました。

人類全体の状況を考えると、バッドエンドではないのでしょうがトゥルーエンドでもない感じ。ナツメたちはそれなりに幸せなんでしょうが、頑張れば後日談的な外伝や2期目も作る余地はありそうです。逆に物語としては「余韻を残した良い終わり方」とも言えますが。

何のためにいたかわからないようなキャラクターはいなかったと思うので、その点は好印象ですね。

本作のサイボーグのデザインは人によっては苦手かもしれないですが、作画面でも安定しており、突飛さこそないものの充分視聴に耐える良作SF作品だったと思います。

2020年夏クールの中から視聴を敢えてお薦めするとしたら本作は充分に候補の一つじゃないでしょうか。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57
ネタバレ

イムラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

咀嚼しづらいけど

<2020/9/24 初投稿>
オリジナルアニメ。
今夏、気がついたらなんとなく毎週観てました。

人類文明が崩壊した未来を舞台とするSF

舞台設定の説明は最初の数話のネタバレになるのでタグで括っておきます。

{netabare}
・文明が崩壊する過程の中で人類は自らをサイボーグ化していき
・さらに世界の管理を自己完結型の『システム』に委ねた人類はもう生身の部分がなくなり、サイボーグというより自我を持ったロボとして生き残っていた
・『システム』が全てを管理する世界で、『システム』の一部として退廃的な生活を送る「元人間のロボ」たち
・デカダンスはそんなロボ達の娯楽施設。人間の容姿をした素体に『ギア』としてログインすればデカダンスでガドルという敵を倒すスリル溢れるゲームに興じることができる。
・さらにデカダンスにはRPGのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)のような立ち位置で、希少な「生身の人間」の『タンカー』を配置している。つまり、デカダンスに行けばロボ達は生身の人間に触れ合える。
(この生身の人間、『システム』がガドルのように培養したんでしょうか)
・ただし、タンカーはデカダンスが娯楽施設であることも、ギアの状態が元人間のロボであることも、自分たちがNPC扱いなことも知らない。
{/netabare}

こんな設定です。
結構、咀嚼しづらい設定。

注意点としては「これらは仮想空間ではなく、全て現実世界でのお話であること」
仮想空間という設定に慣れてしまった我々にはなかなかとっつきにくいところがありますw

物語のテーマは
「社会のルールに外れずさえいたら、無限の命が保証される。それはどんなに退廃的なのだろう」
タイトルがデカダンスですし。
様々なSFで古今東西取り上げられてるモチーフです。

最終回、あれは{netabare}大団円{/netabare}だったのでしょうか?
第1話の状況との違いは{netabare}「タンカーたちがこの世の仕組みを理解し」「ギアとタンカーが区別も差別もなく暮らしている」{/netabare}ことかな?
あの{netabare}大団円{/netabare}の世界は{netabare}「進化した『システム』」{/netabare}ってことなんでしょうか?

うまく(自分が)消化できていない感じです。

でも、映像、演出、キャラクターは好みでした。
音楽も伊東歌詞太郎さんの作詞・作曲・唄のED「記憶の箱舟」は歌詞もメロディも超好み。
ただいまヘビロテ中です。

そして、最終回のエンドカードはじんわりきました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 46

74.7 10 コンピューターアニメランキング10位
神様になった日(TVアニメ動画)

2020年秋アニメ
★★★★☆ 3.4 (754)
2234人が棚に入れました
高校最後の夏休み、大学受験を控えた日々を送る成神 陽太の目の前に、ある日突然「全知の神」を自称する少女・ひなが現れる。「30日後にこの世界は終わる」そう告げるひなに困惑する陽太だったが、神のような予知能力を目の当たりにし、その力が本物だと確信する。超常的な力とは裏腹に天真爛漫であどけないひなは、なぜか陽太の家に居候することが決まり、2人は共同生活を送ることになる。「世界の終わり」に向けて、騒がしいひと夏が始まる。

声優・キャラクター
佐倉綾音、花江夏樹、石川由依、木村良平、桑原由気
ネタバレ

フィリップ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

ひと夏をともに過ごした現代の神様

アニメーション制作:P.A.WORKS
監督:浅井義之、原作・脚本:麻枝准、
キャラクター原案:Na-Ga、
キャラクターデザイン・総作画監督:仁井学、
音楽:MANYO・麻枝准、

麻枝准というゲーム&アニメ脚本家、作曲家について、
私はあまり詳しくないが、世間的な認識では、
「泣かせる」物語で話題になった人物。
ピアノをメインにした作曲も手掛け、
アニメ業界では、いわゆる「天才」と言われるひとりだろうか。
オリジナルアニメ作品としては、『Angel Beats!』、
『Charlotte』に続く3作目として発表され、
ファンからの期待が大きかった。

物語全体の構造としては『Angel Beats!』に近い。
前半部分は、主人公・成神陽太が謎の少女・佐藤ひなや
多くの仲間とともに奇想天外な日常生活を送り、
後半になると謎が明かされ、悲劇のストーリーが展開されていく。

いわゆる「泣きゲー」と呼ばれるゲームのジャンルを
作り出した作者だけに、設定や展開で見せていく
自分の形は持っていると思う。
しかし、今作は前2作と比較しても物語が動くのが遅すぎるし、
さまざまな要素を組み入れているにも関わらず、
それが最終的には、ほとんど本流には関係ないのが
致命的な失敗といえるだろう。
{netabare}ハッカーも量子コンピューターも神様も映画制作も
「難病」のひと言で片付けられてしまう。{/netabare}
ある意味では、『アルジャーノンに花束を』の亜流とも
いえるお話だが、それとは比べものにならないし、
伊座並杏子の母の物語は『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の
手紙の物語をアレンジしただけにしか見えない。
要するに「泣き」の要素に既視感が漂い過ぎて、
感動するに至らないのに加え、物語の展開に
あまりにも無理がある。
{netabare}特に最終回の、ひなが陽太と暮らすことになる流れは、
全く納得することができなかった。{/netabare}

いわゆるゲーム原作の作者なので、
深いところを描くことを期待しているわけではないが、
{netabare}「量子コンピューター」で全てを説明した気になったり、
架空とはいえ、ロゴス症候群という難病に対する描写が浅すぎたり、{/netabare}
キャラの心情描写が不足していたりという部分は引っ掛かる。

この作品は放映前から「原点回帰」という言葉が
キーワードとして使われていたが、要するにそれは、
ギャグを含めた日常回を執拗に描くことで、
ラストにより大きな感動を得られるという
これまでの麻枝准作品の根幹に
よりスポットを当てたという
発言だったのではないかと想像している。
そういう意味では、意図している作品づくりには
なっているのだろうが、前2作に比べると、
最初から陽太とひなに強くフォーカスしている分、
ほかのキャラの存在感が薄すぎて、
モブキャラ化しているのが良くなかった。
ただ、P.A WORKSの作画や麻枝准の音楽は、
アニメ全体の雰囲気を高める効果は十分にあった。

ひと夏の青春。
日常の尊さ。
誰かを大切に想うがゆえの哀しみと喜び。

作者が目指したものは手のうちにあったのだろうが、
指の間から零れ落ちてしまった。
(2020年12月31日初投稿)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 65
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

君には期待してない

ある夏の日。突然「30日後に世界は終わる」と告げる一人の少女が現れてのすったもんだ。
こういったへんてこなツカミは大歓迎。多少アニメを観てる層にはおなじみの『KEY×P.A.WORKS』のゴールデンコンビ。独特なクセの強さにハマるとこのコンビが翼くんと岬くんに見えてくるわりと業界でも成功しているカップリングでございます。
当然のように2020年秋期を牽引することを期待されてた作品だったといえましょう。


さっそくの結論。感想は“つまらない”であり、端的にその理由を述べると主人公がダメ。
その前提で以下長々と失礼します。


keyはわりとプロトコルがきっちりしていて前半のドタバタとおおむね3分の2終わったあたり(8話近辺)での超展開。救いなさげなネタを投じてからのやや前向きな内容で終幕。音楽は独自性ありで映像は綺麗。演出面で秀でてるなと感じるところ。
今回も手順は同様でした。悪い意味ではなく、笑点をマンネリだと眉を上げないのと一緒です。

そのため過去の自身の立ち位置が参考になります。これまでの評価は以下

 クラナド3.9
 アフター4.6
 kanon 3.9
 Air 4.2
 AB 4・0
 シャーロット3.9

面白い/普通の分水嶺を4.0に置いており多くがボーダーライン上なのです。アフターストーリーが突出してプラス。見方を変えればムラがないともいえる実績。
完走し良いほうに転ぶと前半のドタバタ劇は「あの時は平和だったよね」となり、パッケージ全体で落ち着くところに落ち着くのですが今回はそうはいきませんでした。
高い要求レベルを求めるとそもそもクールで一つはある4.3点以上の評価に届かないKey作品群。

 共通する弱みはなにか?

尺不足だと考えます。閉じてない群像スタイルの合う作風でキャラの増加は妥当。超展開を支える骨子の説明に時間を割くのも妥当。
そうするとどうしてもキャラの深掘りはできず説明不足に陥ります。ただしこれは構成上やむを得ない二律背反。超展開止めたらそれこそブーイングの嵐でしょう。工夫は見てとれ、尺を使うキャラの“心情掘り下げ”よりも、キャラの持つ“クセの強さ”でのインパクト狙いにやや軸足置いてますよね。

充分すぎる尺をとった『CLANNAD』や1クールなら登場人物を絞り気味だった『AIR』の評価が高いためより一層そう思ってるところがある私です。


 キャラの心情描写に期待してない
 1クールでそこそこまとめてくるだろう


そんな高すぎない私の期待値すら下回ったのは、ひとえに主人公陽太くんのキャラクター性に負うところが大きい。これは好みではないかと。
私が嫌いなタイプ

 {netabare}やる気のある無能{/netabare}

そのまんまでした。花江さんこういうのやらせるとほんとに上手ですよね。さらにさらに、好き嫌いはしょうがなくても作品評価に直結してしまったのには別の理由があります。

それは大黒柱の性格。好き嫌いじゃないですよ。これまではいくらメイン/サブ問わず歴代ヒロインがぶっ飛んでいても、♂は堅実に狂言回しするタイプを配置してたんだと思います。

【歴代♂】
 岡崎朋也(CV中村悠一)
 国崎往人(CV緑川光)
 相沢祐一(CV杉田智和)
 音無結弦(CV神谷浩史)
 乙坂有宇(CV内山昂輝)

下衆いの一人{netabare}(乙坂くん){/netabare}混ざってますがそんな彼すら当時それほど気にならなかったのは、みんな一歩退いてたり、やや皮肉屋だったりどこか冷めてるところが共通していて既視感があったから。
それが本作では前に出てくるタイプへと変貌を遂げて、バランス崩壊の決定打となりました。

いくら「そう来るか!」のびっくり要素がきても
終盤の泣き要素をかぶせてきても


※ネタバレ
{netabare}ひと夏の恋で廃人の人生を背負うと決意し行動するのが意味不明。{/netabare}
{netabare}ひな父のスタンスが至極真っ当できちんとそういった人も描けているのにどうしちゃったんだろう?{/netabare}


茶番劇にしか見えなかった此度のKEY×P.A.WORKSでした。
プロトコル変にいじっちゃって途端につまらなくなっちゃった例になるのかしら。
おそらく大喜利の特番なんかで座布団運びを山田たかおじゃないアイドルにやらせちゃったことで感じる「コレジャナイ」感に近しいもの。
なんだかんだいつもながらの壮大なマンネリを強く期待してたのは私だったのかもしれません。



※ネタバレ所感

■強く擁護する

腹を抱えて笑いました。牛乳飲んでる途中でなくてほんとよかった。

{netabare}第4話麻雀回。
「二色同順」「ドラ隣」「途中まで通貫」「喰い七対子」で腰を抜かす。
アガられるか?のピンチでスキップとリバース。UNOかよ!
やってることは無茶苦茶でルールを無視したゲームは成り立たないのは承知の上で、「二色同順ドラ隣ドラ隣(2300点)」でドヤられたのが心地よかった第4話でした。{/netabare}


■絆(余談)

10年前に感じた嫌悪感。覚悟無き善意の押しつけと言ったら妥当だろうか。

{netabare}奪還するために施設に乗り込むのは構わないんですけど、普通なら施設で療養を続けるべき事案です。
そんなのを超越する情が芽生えるにはひと夏の恋で説明するには強引と思うのは既述のとおり。
後日譚が描かれることはありませんしできません。単独での介護は不可能で必ず家族を巻き込む未来が見えてます。仕事の選択も限られるし仕事中誰が面倒みるの?とかそもそも高校生は養うための収入がありません。子犬を拾ってきてもおかんに「誰が世話するの?」となるわけだし、おかんに怒られるかもと拾う時に迷うものですが、そんなの描いてたら成立しない物語となってます。

リアリティはないし、ファンタジー路線ですら寓話にもならないんですよね。
キャラクターの弱みがもろに出てました。繰り返しますが“やる気のある無能”なんです。10歳満たない子供が同情心から衝動的に捨て犬を拾うことはあるかもしらんし、「毎日僕(私)が散歩に連れてく!」くらいの言い訳は用意するだろうに、それすら微塵も感じさせない高校生というのが自分には致命的でした。しかも犬ではなく人間だもの。

これは覚悟無き善意の押しつけです。
覚悟の定義にもよりますが、気合だけで思慮のない浅い行動をとることを覚悟とは言いませんよね。考えた形跡がなくヒロイックな気分に浸って酔ってるようにしか見えませんでした。{/netabare}


さらに10年前ということで刃をあなたにも突きつける。


{netabare}「絆」「私たちにできること」という機運が生じた10年前。
震災がれきの受け入れを拒否した人少なくなかったですよね。測定して数値がほぼゼロだったと言おうががれき撤去が進まず復興が進まないと言おうが、測定値が信じられないとか漠たる不安とかやらない理由をあげつらった善意の市民。
当時の東京都知事石原慎太郎が四の五の言わず「受け入れる」と決定したのに反感をもった方々もまあ同じ穴のナントカでしょう。文句言うだけの楽な商売です。某体操選手が言ったように「どうやったらできるかを考えてほしい」の数段前にいながらこういうのに限って似非ヒューマニズムをまき散らす。非を認めず他に責を求める。ついでに感謝の意を示さないと怒る。なんで被災した身ながらお前らの感動ポルノに配慮しなきゃいかんのよと思いましたね。
いまさら掘り返して怒る気もないし、日本全国動揺しまくってた時期だとの情状酌量もあるので「当時私はそう強く思ってた」というそれ以上でも以下でもないです。{/netabare}


同情が欲しいわけではなく関心寄せるなら適切な行動を取ってくれという事案。
身近なものなのに身近なものとして捉えることを拒否したアニメ作品と身近なものになった途端逃走した現実の出来事。
災難だったり不幸を目の前にして当事者意識がないのは一緒なのですよ。


プロトコルの変更(主人公♂)で生じたメッセージ(善意の押しつけ)への非共感で沈んだ一品です。



視聴時期:2020年10月~12月 リアタイ   

------


2021.01.31 初稿
2021.09.28 修正

投稿 : 2024/11/09
♥ : 57
ネタバレ

えりりん908 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5

ギャグアニメでスタートして、、、最後は、、、

どこでスイッチ入れてくれるのか?

麻枝さんの作品だけに、
すごいどんでん返しと、
壮大なカタルシス展開、
すごく期待しています。

1回目だけでも、
ギャグの切れ感がよくて
楽しかったけど、
麻枝さんなのですから、
このままのはずはあり得ないと思うから、
2回目以降が待ち遠しくて。

神様だけに、
神話になるのか
神アニメになるのか?!


ヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナ

今、ちょうど第9話、観終えたところです。{netabare}
おおげさに「世界の終わりまで〇〇日」とクレジットしてた意味は、
想像していたとおり、「この世界が」ってことではなく、
「ヒナの人生が終わる」ということで、特に驚きはなかったですね。
ヒナと世界の結びつくポイントも、ハッカー少年の出現で予測できてたし。

前作シャーロットでも、麻枝さんは前半遊びまくっていたけど、
6話からシリアスに舵を切ってたのに比べると、
今作での大展開は、ちょっと遅すぎですね!
シャーロットのとき、無駄に見えた5話までのフラグを回収したように、
今作でもちゃんと、ラーメンとか麻雀とかピアノ曲とか映画とかのフリを、
何とかできるんでしょうか?{/netabare}

「泣かせ」の準備は整ったみたいだけど、
残りの回数が少なすぎて、お話がきっちりまとまるのか、
少し、すごく、心配です・・・


ヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナヒナ

最終回、観終えました。
{netabare}
結局は、「泣かせ泣かせ」とさんざん宣伝しておいて、
陳腐なお話で、ガッカリです。
今期は出だしの評価と最終評価が、私の中で、
乱高下した作品が多かったんですけど、
これは、残念ながら急降下の代表作品になってしまいました。
よかったのは、P.A.ワークスさんの丁寧な作画と、
声優さんの演技ぐらいでした。
あと、ギャグ、かな?
評判よくないみたいでしたけど、前半延々と続くベタなギャグ、
私は結構好きでした。ですので、麻枝さんは今後は、吉本新喜劇みたいなべったベタなギャグアニメやったらいいんじゃないかって思います。

ダメだなって思ったところは、
まず第一に、「神様」とか、何か訳ありそうな巨大組織の影をチラつかせるとか、大風呂敷広げておいて、ただの難病モノのホームドラマだったこと。
ロゴス症候群とか大げさな架空の難病を設定してるけど、見る限り筋ジストロフィーみたいな描写がちょっとと、自閉症か知的障害みたいな描写だけ。
これで、実の父親が耐え切れずにヒナを捨てたとか、生みの母親が苦悩に苛まれて自殺したとか、設定が狂っているとしか思えません。
それに、死に至る不治の病と言っておいて、専用の療養施設の担当者が「あの子は居場所を見つけたのよ」って言って陽太にヒナを託すなんて、ばかばかしくて話になりません。
第二に、SF的設定をちょっと使っているけど、中身は凄腕のハッカー少年が謎のまま出て来て、謎のままいなくなってしまっただけっていうこと。
実際にそんな組織絡みの犯行なら、ヒナだけでなく、ヒナに関わった人はすべて抹殺するとかして証拠隠滅しておかないと、作中に出てきた「量子コンピューター」のことだって、状況証拠付きでおおやけになってしまいますよね?そこまでじゃないにしても、閉鎖療養施設に不法侵入してヒナに接触してきた陽太を、なぜ見逃すのか理解できません。事件の背景を知らないのなら、2週間の接触で陽太に心を開いたとしても、専従の看護職員はそんな得体の知れない人物にヒナを渡しちゃいけない責任を重視するべきだし、事件の背景を知っているのなら、陽太の不法侵入を解明できた瞬間に、何らかの口実作って、生かして返さないですよね。そうするのが、謎組織につながる施設のスタッフとして当然で、そう覚悟を決めておかなきゃいけないし、そう行動しなきゃいけないはずです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
真面目に作るなら、
SF的なエピソードや小道具やは一切無しで、
重い病をおしても、なお成し遂げたい何事かを、少女が成そうとする。
そんなストレートな話にしておくのでなければ、
共感も感動も、もちろん泣いたりも出来ないですし、そもそも物語として意味ないです。

実際、最終回のあまりにも滑稽な展開には、開いた口が塞がらないって感じでした。

評価は、最初は星4.5だったのが、最終的には作画と声優さんの努力を、最大限に評価するとしても、落胆分も含めると、星1.5が精一杯という感じです。
{/netabare}
麻雀シーンとか野球とかのエピソードは、
麻枝作品の常套句みたいなものらしいので、
そこを気にしちゃいけないというのは、
あとから知って、
軽くズッコケてしまいました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 51

57.9 11 コンピューターアニメランキング11位
よくわかる現代魔法(TVアニメ動画)

2009年夏アニメ
★★★★☆ 3.2 (257)
1692人が棚に入れました
プログラム化された現代の魔法が存在する世界で、ドジな主人公・森下こよみや、最強の現代魔法使い・姉原美鎖らが繰り広げる物語である。

声優・キャラクター
野中藍、生天目仁美、戸松遥、寿美菜子、浅沼晋太郎

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

「現代魔法」と「古典魔法」・・・それと「たらい」

この作品の原作は未読ですが、タイトルとキャラデザに惹かれて視聴を決めた作品です。
これまで気になりっ放しでそのまま放置状態でしたが、ようやく視聴する機会を作る事ができました。

物語の舞台は魔法が常態化された世界・・・この世界の魔法は「コードを組む」事によって具現化する事ができ、魔法には大きく「現代魔法」と「古典魔法」が存在しています。
私たちが一般的に知識化している魔法は「古典魔法」で、魔法の杖を使ったり呪文を詠唱します。
一方「現代魔法」は、コンピューターを用いてコードを組んで発動させる魔法の事です。
「古典魔法」が複雑な魔法を発動させる事ができ、「現代魔法」は一度に多くのコードを処理できる魔法・・・といったところです。

この物語の主人公は、高校1年生の森下こよみ。性格は明朗快活ですがドジっ娘・・・でも将来の夢は魔法使い・・・という感じの女の子です。
物語はこよみが魔法学校のチラシを見つけ訪ねてみると・・・魔法学校を営んでいたのはだいぶ昔で今は普通の一軒家として使われていました。
ですが、そこに現代魔法の第一人者との呼び名の高い姉原 美鎖とその弟が住んでおり、紆余曲折を経てこよみは美鎖に現代魔法を教えて貰う事となり・・・物語が動いていきます。

こよみちゃんはある意味魔法の天才だと思います。
何せどんな魔法のコードも全て「たらい」にしちゃうんですから・・・^^;
対峙する相手はビックリすると思います。
例えば自分が「剣のコード」でこよみを攻撃・・・すると剣がいつの間にやら「たらい」に早変わり^^;
何故「たらい」なのかは結局良く分かりませんでしたが、インパクトのある魔法だと思います。

こよみが行動を共にするのが、古典魔法使いの一ノ瀬・弓子・クリスティーナ。
容姿端麗で銀髪紫眼の持ち主である彼女は、正義感が強く魔法も正しく使われることを誰よりも尊んでいます。

物語の方は序盤に見知らぬ男性と一悶着ありましたが、魔法とこよみたちの生活の深掘りを中心に進んでいきます。
日常系の作品を見ていると物語に抑揚や起伏が無いのは当たり前ですが、日常系じゃなくても物語に抑揚や起伏の有無に関わらず視聴ってできちゃうもんなんですね^^;

中盤くらいまでは大きな動きはなく粛々と物語が進んでいきます。
「ずっとこんな感じで進んでいくのかな・・・^^;」と思った矢先、終盤に入ると物語が一気に動き始めます。
一度歯車が動き出すと・・・ここからは予期しない展開のオンパレードです^^
「現代魔法」というワードだけでは括れない様々な出来事や設定が飛び出してきます。
「真打ちは最後に登場」とは正にこの事だと思いました^^
そしてここから先は是非本編で内容をご確認頂きたいと思います。

オープニングテーマは、麻生夏子さんの「programming for non-fiction」
エンディングテーマは、美郷あきさんの「Made in WONDER」
個人的にはオープニングが大好きでした。もちろん曲も良いんですが、オープニングアニメが私のツボに入りました。こよみが体勢を入れ替えながら海の上を低空飛行する1シーン・・・顔には満面の笑み・・・その屈託無く自由奔放な笑顔に色々持っていかれてしまいました(//∇//)

1クール12話の作品でした。正直現代魔法が良く分かりましたか? と問われると、何て答えて良いか難しいですが、こよみの直向きさ・・・明るさ・・・そして何より可愛らしかったので良し・・・という事にしておこうと思います^^

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22

Ssoul30 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

現代における魔法を描いた作品です。古典魔法はかなり難しいそうだけど現代魔法なら、習って見たいな~ 

ストーリー
この作品の世界はプログラム化された現代の魔法が存在する世界です。同時に古典魔法も存在しあます。東京の銀座を中心とした舞台でドジな主人公の森下こよみや、最強の現代魔法使いの姉原美鎖らが繰り広げる物語であります。
私の感想。

キャラクターデザインがかなり良かったです。かなり可愛くてそこが一番気に入っています。主人公の森下 こよみの高校一年生なのに身長が146cmっと言う半ロリ体系な所が最高です。特に主人公がロリ体系な所が。それ以外にも姉原 美鎖と一ノ瀬・弓子・クリスティーナのボインな所のよさをかなりハイスペックでデザインされています。かなりの貧乳好きな私でもわかりました。けれど、私が気に入らなかった所は男性キャラ(主に敵)のデザインです。かなり強い敵なのに、あまり強そうには見れませんでした。

次に主人公のこよみの唯一で、ある意味最強の魔法が超個性的でおもしろかったです。唯一使える魔法がすべての魔法をたらいに変えるなんてww おもしろすぎて気に入っています。

この作品の少し難点な所は敵も見方も魔法のレパートリーが少ない過ぎる所です。かなり少なすぎて正直おどろきます。私的には最低でもあと、4つくらいは足してほしいいです。

Ssoulのワンポイントピックアップ!!
「このコーナーではこの作品のおもしろい所、注目してほしい所などをピックアップし、説明したいという事です。」

この作品には本編終了後に「TV講座 よくわかる現代魔法」というミニコーナーが放送されています。このコーナーでは本編ででた所をもっと説明したり、良く分からないような所を良く説明されていて、よりこの作品がおもしろくなります。なので、このコーナーも是非見てほしいです。このコーナーはこよみと美鎖の二人が人形劇として、でています。その人形もかなり可愛いです。

オープニング

「Programming for non-fiction」
結構癖のある曲ですが、かなりこの作品専用な曲っぽくなっています。なのでかなり気に入っています。オープニングの画像もキャラクターとストーリーがかなり良くわかるようになっています。けれど、ネタバレは少しおおめです。敵が誰だか分かってしまいます。けれど、まあ、だいちょうぶだと思います。

エンディング

「 Made in WONDER」
こよみの明るくてドジっ子な所を強調しているようなかわいい曲です。けれどかなり脳内侵食度が高いです。一度聞いたら、鼻歌を。二度聞いたら、歌詞を見て、三度聞いたら、歌ってるって感じに私はなりました。是非侵食されてください。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

隠れファンは多そうな気がする・・・ 2000年代《魔法つかい&魔術系》の惜しい作品

古典魔法の使い手はお約束どおり呪文を唱えるのに対して、現代魔法の使い手は携帯やパソコンに仕込んだプログラムを起動させて魔法を発動する・・・という発想は面白いし、登場するヒロインたちは、お姉さんキャラや魔法を使わない一般人の子も含めて全員文句なく可愛いんだけど、このアニメなんで人気が出なかったのだろう?と考えてみた。

(1).敵キャラに魅力がない。

もう少し悪賢いとかトンデモな性格とか美形とか、もっと色々と特徴のあるキャラだったら注目度も上がったのかも知れないけど。 
ヒロインズの出来の良さに比較して、本作はなぜか敵キャラの作り込みが適当過ぎる気がしました。


(2).ストーリーが分かり辛い。

前半のエピソード(第1話~第6話まで)は、時間軸があちこち飛びすぎていて、原作ラノベの読者でもない限り、初見でこれをきちんと理解するのは不可能と思われ(←嘉穂委員長風)。

※因みに本作の原作者・桜井洋氏は、トム・クルーズ主演の実写映画『ALL YOU NEED IS KILL』(※2014年、タイムループ&対異星生物バトルものSF)の原作者でもあるそうで、両作の余りの作風の違いにちょっとビックリ。

《まとめ》
確かにシナリオは微妙だけど、別に後味の悪い結末にはならないし、OP/EDは揃って明るい歌詞と曲調の良曲だし、ドジっ子《和み系》ヒロインは可愛いし・・・ということで、例えば今放送中の『とある魔術の~』シリーズが好きな人なら、取り敢えず第1話をお試し視聴してみてはどうでしょう?


◆制作情報
{netabare}
原作ラノベ      桜坂洋(『スーパーダッシュ文庫』2003年12月-未完)
監督         黒田やすひろ
シリーズ構成     門田祐一、戸塚直樹、黒田やすひろ
脚本         門田祐一、戸塚直樹、伊藤美智子
キャラクターデザイン 古賀誠
音楽         橋本由香利
アニメーション制作  ノーマッド{/netabare}

◆各話タイトル&評価

★が多いほど個人的に高評価した回(最高で星3つ)
☆は並みの出来と感じた回
×は脚本に余り納得できなかった疑問回

================= よくわかる現代魔法 (2009年7-9月) ================
{netabare}
第1話 hello,world ★ 一ノ瀬・弓子・クリスティーナの姉原十字魔法学院捜し、ギバルテス来襲、森下こよみ&の弓子の再会、姉原美鎖参上
第2話 wizardry ★ 6年後、こよみの姉原邸訪問、デーモン知覚能力、秋葉原アイドル事務所事件
第3話 Deus In Machina ★ 古典魔法使い(弓子)&こよみのデーモン追跡、弓子の6年ぶり美鎖邸来訪
第4話 jini ★ 改造ウィルス犯人捜し、ホアンと美鎖の接触、プールの悪戯精霊(ジニ) ※水着回
第5話 jump off into never-never land ★ 6年前の12/24(第1話の続き)、ギバルデスの目的(ケリュケイオンの杖に封印された伝説の魔女ジギタリスのライブラリ)
第6話 ghostscript ★ 百貨店屋上の魔法戦(ギバルテスvs.美鎖/弓子/このみ、弓子の両親からのプレゼント)、このみ帰還{/netabare}

 - - - - - - - - - - - - - - シナリオの切れ目 - - - - - - - - - - - - -
{netabare}
第7話 voodoo programming ☆ このみの魔法アイテム選び
第8話 scratch monkey ☆ 美鎖の過去回想、搭乗機への爆弾警告メール、賢十郎の剣窃盗(ゲーリー・ホアン)、緊急着陸成功
第9話 Open DeathTrap ★ ギバルテス復活、新築高層ビルへのおびき出し、美鎖vs.弓子、美鎖死亡?
第10話 quick-and-dirty ☆ 瞬間移動のコード(坂崎嘉穂活躍)、秋葉原へ 
第11話 Dragon Book ★ 美鎖のゴーストスクリプト、魔法使い殺し(姉原聡史郎)、美鎖生存確認、伝説の魔女ジギタリス・フランマラキア復活(弓子の筐体化)
第12話 TMTOWTDI ★ 続き(伝説の魔女vs.美鎖のGS、このみの献身・ジギタリスの怨恨氷解、ホアン&美鎖GS異世界へ)、後日譚{/netabare}
---------------------------------------------------------------
★★★(神回)0、★★(優秀回)0、★(良回)9、☆(並回)3、×(疑問回)0 ※個人評価 ☆ 3.7

OP 「programing for non-fiction」
ED 「Made in WONDER」

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18

63.5 12 コンピューターアニメランキング12位
RD潜脳調査室 アールディー(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (274)
1690人が棚に入れました
2012年、フリーダイバーの波留真理は、建設中の人工島沖合で観測実験の最中、「海が燃える」現象に遭遇し、49年間も昏睡状態に陥った。2061年、長い眠りから覚醒した波留は81歳の老人となり、車椅子生活を送らざるを得なくなった。そんな中、波留は旧友・久島永一郎によって、メタリアル・ネットワーク(通称:メタル)の情報を調査する、電理研外部委託調査員に任命される。メタルは、安全で人々の欲望を満たす一方、現実世界(リアル)の世界に歪みが生じたからだ。こうして、波留は蒼井ミナモとバディ(英語で『相棒』の意)を組み、メタルとリアルの間で起きる事件や謎を追う事になる。

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あなたにリアルドライブ!

全26話(攻殻機動隊未視聴)

攻殻機動隊の原作者 士郎正宗と制作したプロダクションI.Gの共同原作作品です。
設定は合わせているようですが、内容には接点がないようです。

ネットワークが発達した世界、通称「メタル」での様々な事件や謎を解決するため、電脳ダイバーで主人公 波留真理(はる まさみち)、ヒロインで中学生の波留さんのバディ(相棒)蒼井ミナモやその仲間たちの活躍を描いています。

キーワード「海」ですね。舞台は海が綺麗な人工島で普通にダイビングできそうな感じです。

基本、1話で1つのエピソードですので、観やすいです。
終盤は、連続したお話となります。

主人公が老人という設定はなかなか斬新でした。

キャラはみなさんちょっと太めです。萌え作画ではありません。

自然と科学技術は調和できるのか、対局にあるのか、そう言ったことを考えさせる作品だと思います。

電脳世界といっても基本人間同士のお話なので、人間味溢れるエピソードが多い作品です。楽しめました。オススメです。

OP/ED アニソンとはちょっと違う感じの曲です。アップテンポな曲ですが、儚さを感じました。

最後に、主人公 波留真理さんの声を担当していたのは森 功至さんですが、私には銀河英雄伝説のウォルフガング・ミッターマイヤーのイメージが強いですね。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 27
ネタバレ

minisaku さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

ある意味、インパクトの強い作品

内容は、「メタル」と呼ばれるネットワーク世界。それにより発生する、
リアルとメタルの間で起こる事件を解決していくって感じのお話。
基本的には1話完結で全26話です。

この作品は、主人公が81歳の老人だったり、女性キャラのデザインが
異様に太いなど、少し変わったアニメではありましたが、
個人的には楽しめましたww

電脳化や擬体化など、「攻殻機動隊」に近い用語が出てくるな~って
調べてみると、原作者同じらしいですね。まぁ繋がりはないようですがw


物語としては、地味かも知れませんが落ち着いて見られる
良い内容の作品だと思います。

犬の話、視力を失った少女の話、美食倶楽部の話などなど、
電脳化社会ならではの事件や出来事は、興味深い話も
沢山あって面白かったです。

それに、たまにある素手での格闘シーンが何気に良かったです!!
ホントたまにしかないんだけど、自分はとても好きでしたww


まぁ終盤の展開やラストについてはちょっとな... って思ったりもしたけど、
全体的に見れば楽しめたので、良しとしようって感じです。

それに、これより許容しづらかったトコがあったので... 太さとか...


では最後に、この作品を見て誰もが必ず思うであろう女性のキャラの
キャラデザについて。(ネタバレではないです。ただ、自分の感想を
ぶちまけてるだけなのでww){netabare}

とりあえず... ムチムチ具合が半端無いです!!


太ももは太いし,お腹の脂肪やたるみなどがしっかり描かれています。
明らかにぽっちゃりを超えてる気が...

う~ん... これには一体どんなこだわりがっ!? 誰の好みですか... !?
とツッコミたくなります!!

マジでありえないです!! どういう意図があるのでしょうか...
全く意味が分からないww

さすがに見続けると慣れてはきますが、見始めた当初は切るかどうかすごく悩みました...

個人的には、キャラデザだけで長文レビューが書けちゃうくらいの衝撃度だったし、
実際、見続けるにあたっての最大の難関でしたww
{/netabare}

まぁ攻殻の「姉妹作」、女性キャラの体型、地味な物語などなど、
気軽に見るには取っつきにくい要素もありますが、
個人的には楽しめた作品ではありましたww

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

えんな さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

もうひとつの電脳社会

攻殻機動隊でお馴染みのプロダクションIG、士郎正宗原作の近未来SFモノです
なんとなく攻殻機動隊と似たような世界、共通設定(電脳とか)ありますが別世界みたいですね
けっして二番煎じとは思いませんが、イマイチ影が薄い作品になっているみたいで残念です

主人公はなんと81歳のおじいちゃん!いい味出してます
ヒロインは15歳!オイオイ・・・と思ったら孫と祖父みたいな温かい関係です
主要な登場人物はそんなに多くないので関係性もすぐ把握できます
主人公のcv森功至さんは70年代のタイガーマスク役の方だったんですね
ニュース番組のナレーションで聞き覚えていたので、しっとりとした声で役にあってると思いました

攻殻機動隊とは違った電脳ネット社会を描いてるので楽しめました

個人的に「もっと評価されるべき」

投稿 : 2024/11/09
♥ : 25

71.7 13 コンピューターアニメランキング13位
機動警察パトレイバー(TVアニメ動画)

1989年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (280)
1660人が棚に入れました
時は1999年。社会は作業用ロボットことレイバーで発展を遂げる一方、レイバーを使った犯罪も多発。警視庁は対レイバー用の特機パトレイバーを準備した。レイバー小隊である特車二課第二小隊へ配属された婦警の泉野明は、パトレイバー・イングラムに“アルフォンス”と命名する。

声優・キャラクター
冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、井上瑤、千葉繁、阪脩、西村知道、よこざわけい子、合野琢真、鈴置洋孝、土師孝也

Zel さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ボサっとしてるやつは、東京湾に叩き落とすぞッ!!!

1989年放映
リアルタイムでは鑑賞しておらず後にDVDにて全話鑑賞

ロボットアニメの中ではヱヴァと並んで大好きな作品
機械その物より、それを扱う操縦者、メンテナンス技師、警察機関、大手メーカー企業など人間ドラマにスポットを当てる事でとても熱い作品に仕上がっている
個人的に思うには「かっこいい大人」を描いてるという事がパトレイバーの最大の魅力じゃないだろうか
後藤隊長しかり内海課長、榊班長など現実世界でもすぐ隣に居そうなおっちゃん達が本当にかっこいい
黒崎、不和、南雲隊長、シゲさん、実山さんなどメインを少し外れた大人キャラも個性的かつ好感が持てる
そんな大人達が野明や遊馬など若い世代である主人公を仲間として支え、敵として立ちはだかるものだからこれはもう面白く無い訳が無い
1話完結ギャグストーリーの話も閑話休題的にとても楽しめるし、グリフォン篇も手に汗握るほどかっこいい
そして野明達第二小隊の成長を47話というストーリーの中で観ていける素晴らしい作品だと思う

個人的には後藤隊長と榊班長が大好き!
上司にしたいアニメキャラNo1だね!

古い作品なだけあって声優陣は大御所ばかり
泉野明役の富永みーなさん
めぞん一刻の七尾こずえ

篠原遊馬役の古川登志夫さん
うる星やつらの諸星あたる

後藤隊長役の大林隆介さん
らんま1/2の天道早雲(あかねのパパ)

太田功役の池水通洋さん
うる星やつらの温泉マーク

香貫花・クランシー役の故・井上瑤さん
うる星やつらのラン

シバシゲオ(シゲさん)役の千葉繁さん
うる星やつらのメガネ

時代のせいか高橋留美子アニメ出演者多数w

投稿 : 2024/11/09
♥ : 24

takato さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ロボよりキャラ萌えの極致な日常アニメ。押井さんが好きなのは美少女より立ち食い蕎麦。

本作は、テレビだけでなく映画やOVAまで複数ある大人気作品である。このレビューは映画を除いたシリーズ全体の評価です。


その特徴は、劇的な危機や盛り上がりを主としてきた従来のロボットアニメの対極、僻地で勤務する公務員の日常を淡々と描くというスタイルだ。


上手くやらなかったら砂を噛むように退屈だろう。しかし、本作は凸凹で立ちまくりな多様キャラたちの丁々発止なやりとり、押井さんのあまり注目されないユーモラスな面が活きていて実に愉快な作品である。


出るキャラみんな魅力的で、モブにまで明夫さん、石田さん、テラコヤス、マダオと超豪華メンバーばかりの本作だが、一番輝いているのは年長の後藤さんと南雲さんだろう。


多くを経験した上で力が抜けている大人な深味とチャーミングさが両立している後藤さん。


ハマーン様やクシャナ殿下などでお馴染みの、命令を下すために産まれてきたような女司令官がピッタリの南雲さん。


この一見、水と油な二人が織り成すアンサンブルだけでも本作は見る価値充分である。


本当に尊敬できる大人キャラが希少な現代のアニメを見てて、たまに本作を見直すとホッと一息つけるような癒しがある。


南雲さん好きの私としては、後期OVA「二人の軽井沢」の回はアニメ史上に残る最萌えエピソードの一つと言いたい。


本作に関わってた声優さんでもう亡くなっちゃった方が何人かいるのは悲しいことだが。とにかく最高の配役は最高の演出に勝ると言いたい。押井さんとしては嫌だろうが、キャラ萌えなき押井作品は辛い。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 20

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

暴れまわるザ・ライトスタッフ(あっ軽い人々)。

正直ガンダムより好きです。
従来のロボットアニメが立ち向かってきたリアリティではなく『リアル』な小型ロボットという本懐をなしとげた。子供向けのトリコロールともおさらば!!
近未来(だったw)この世界ではレイバー(労働者)の名の通り、ただの建築、土木機械である。
銃も熱を出すような武器も持たない。
ファイナルファイトばりにそこらへんの角材や鉄パイプを手に襲ってくる。
あと飲酒運転ww痴情のもつれ・・。
それらを仲裁、取り締まるためにパトレイバー(特殊車両2課 パトロールレイバー中隊)が存在するのだw。


玩具とした場合の販促面、人物と一緒に映したときの映像的な問題もあり主役機は8mクラス。手足は人間のように、腰は細く。だそうだ。
OVAなどでは電線や歩道橋に四苦八苦する姿が自虐と皮肉をこめて描かれる。人型である理由も劇中でも『かっこいいから』だからね。警察は正義の味方ですみたいな・・。


かなり明確な操縦方法、メンテ(どこまでやられたらメーカー整備とかある)方法やらレシプロ補助発電、電動式の駆動システム、各部のアクチュエーターや軽量化のためのFRPのペラペラ装甲、果ては道交法の車両としての設定(股間にナンバーがついてる・・)までとにかく細かい。
普段は肉眼で作業できるようにコクピットが上下に移動するのも強度と整備性はどうなの?なんていわずに、実用的かっこいい。実際旧式、量産タイプではオミットされる機種も。


一番の功績は80年代当時、コンピューターではなく、OSという言葉を用い、ソフト(OS)、ハード(機体)と呼称したことかと。
操縦技術は元より、個人の操縦のクセや好みを覚えさせて、OSをちゃんと育てないとせっかくの最新、高コスト機体も活かしきれない。逆にどんな優秀なOSを入れても対応できるくらいに機体がよくなければ意味がない。ボトムズで少しでたけど、これはそれまでのロボットアニメにはなかった。
そして歩行型の乗り物は酔ってゲロを吐く。。

で・・ここまで詳細に設定をつくっておきながら、動きは非現実的にド派手でコミカル。作業用レイバーは石原がとび蹴りしてくるレベルのディーゼル黒煙を巻き上げつっこんでくる・・。
なんとも粋な作品。


サンデーの漫画版はコミカライズ云々ではなくて漫画もアニメも原作なんです。
ゆうきまさみ自身が原作グループのヘッドギア立ち上げメンバー。

鉄人28号のオマージュ、黒いレイバー事件をメインストーリーとして基本的に1話完結、ボトルショーばかりのオムニバス形式でお話が進みます。

個性的なキャラクターが織り成す警察官(おまわりさん)公務員wとしてのロボットアニメ、新社会人の青春群像劇、コメディ、ドラマ、ミステリー。。。
そう踊る大走査線はこれかれレイバーをとったものなんです。
偉大なネタ元の逮捕しちゃうぞ への感謝の気持ちも忘れない。パトカーが・・トゥデイw。
後藤隊長曰く、隊員としての日々は部活動みたいなもん。らしい。いつかはオトナになってそれぞれの道へってことかな。
だれでも楽しめる作品なので興味ある方はぜひ。

一番好きな話は押井守の『特車二課壊滅す!』です。
14話の後藤隊長の拡声器での台詞も最高。
パト2も含め、やっぱり後藤隊長が理想の上司だなぁ。。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 18

68.6 14 コンピューターアニメランキング14位
BEATLESS(TVアニメ動画)

2018年冬アニメ
★★★★☆ 3.3 (354)
1488人が棚に入れました
22世紀初頭、社会のほとんどをhIEと呼ばれる人型ロボットに任せた世界。21世紀中ごろに超高度AIと呼ばれる汎用人工知能が完成し、人類知能を凌駕、人類は自らより遥かに高度な知性を持つ道具とともに生きていた。100年あまりで急激に進行した少子高齢化により労働力は大幅に減少したが、その穴をhIEが埋めることで社会は高度に自動化され、生活は21世紀初頭よりも豊かになっていた。 そんな中、hIEの行動管理クラウドのプラットフォーム企業「ミームフレーム社」の研究所から5体のレイシア級hIEが逃亡する。「モノ」が「ヒト」を超える知性を得たとき、「ヒト」が「モノ」を使うのか、「モノ」が「ヒト」を使うのか。「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガールが今始まる。

声優・キャラクター
吉永拓斗、東山奈央、冨岡美沙子、五十嵐裕美、下地紫野、雨宮天

えたんだーる さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

約90年くらい未来の話(第17話: マジかい、こんなに面白くなるなんて聞いてない(笑)!)→ ヒギンズも出てきて、Final Stage堂々完結!

== [下記は5話視聴終了時レビュー: 全話視聴終了時まで逐次追記あり] ==
月刊『NewType』にて2012年頃に連載されたSF小説が原作らしいです。(未読)

評点は観終わってからということで、現時点では保留です。

第5話まで観終わったところでこのレビューを書いています。SFだなんだと御託を並べてはいますが、ぶっちゃけ「人間とアンドロイドのロマンス」からそう遠くない着地点に落ち着きそうに見えて仕方がありません。この先も観ていてもしそうならなかったらごめんなさい。

あ、主人公アラトの妹のユカが可愛いのはちょっとした癒しですね。

人工知能の業界では有名な「技術的特異点」(俗に「2045年問題」とも言われる)を実際に迎えてそれよりもさらに数十年経ってしまった未来のお話らしいです。

今ほどはっきりとこの問題が論じられるよりも前にも「コンピューターが人間の知能・能力を凌駕する未来」みたいなことはいろいろなSFで取り上げられている気がするので、その意味では「古典SF」的なテーマも含んだ作品と言えます。

特にSF好きでなくても有名なところだと映画『ターミネーター』などもそうですね。

いまや5年後の未来を見通すのも難しい昨今、100年近く未来を予測してそれらしい説得力のある映像にするのはとても難しい話だと思います。技術的には網膜投影とか電気的にニセの視覚情報を送るとかしてディスプレイ装置は必要なかったりするかもしれないと思いますが、作中のデバイスは現代とあんまり変わりはないみたいですね。

作中ではhIE(Humanoid Interface Elements)と呼ばれる人間そっくりの外見をしたアンドロイドが出てきますが、ヒロイン(?)と目されるレイシアを始めとするレイシア級hIEたちが使用する装備は武装にしろ光学迷彩にしろ、どれもかなり膨大なエネルギーを消費しそうでその供給源はアニメを観ていても良くわかりません(笑)。

この手の話は古典SF的には、作中の用語である「アナログハック」(人間が人間(っぽいもの)を見たときの感情の働き)と、逆に人工知能側が人間と接することで感情(めいたもの)を獲得するかといったあたりがポイントになっていたと思いますが、その意味では特にSF的に目新しい要素はないように思われます。

ただ、「人工知能が感情を獲得する」というのは「SF界のロマン」みたいなテーマでもあると思うので、古いSFファンには響く部分はあるかもしれません。

私はこういうのは嫌いじゃないので観続けてはいますが、他に観たい作品がそこそこありそうな2018年冬クールにおいては特に頑張って観なくても良い作品のようには思われます(しかもこれ、2クールあるらしい)。

それと、第5話まで進んだところで次回は総集編になるようです。まあ、あんまり期待はしていません…。
== [第5話視聴終了時レビュー、ここまで。] ==

2018.5.5追記:
第14話、新OP/EDは今回から。
紅霞姐さん、かっけえ! ……と盛り上がってきたところで、特番の多さでは定評のある本作は次回も特番(笑)

2018.5.26追記:
第16話: 原子力でいうとIAEAみたいな超高度AIの国際相互監視機関(IAIAだっけ?)があることが明らかに。なるほど、超高度AIってスタンドアローンで運用しないと国際協定違反なのか。

さらにいろいろ盛り上がってきたところで水島精二監督の体調不良が本人tweetにより明らかに。ギリギリのところで戦う制作スタッフの状況、笑えない…。

2018.6.9追記:
第17話: 最初は話半分に聞いてたけど、ガチにSFだった!
ビジュアル関係なくストーリーだけで読めそうなので俄然、原作小説に興味が湧いてきた。

これ、深層学習とかニューラルネットとかの近頃のAI事情をある程度知ってる人の方がストーリーに信憑性を感じるんでしょうね。

とりあえず5話時点で見込んでいた着地点は越えそうなので謝ります、ごめんなさい…。

2018.6.22追記:
4話分が「BEATLESS Final Stage」として9月に放送が先送りになるらしいです。まあ、放送される予定が決まっているだけ良しとするしかないでしょうか。
http://beatless-anime.jp/sp/news/detail_0620_1.php

2018.7.9追記:
上記の通り「BEATLESS Final Stage」を残していますが、無印「BEATLESS」としては最終回。ヒギンズも出てきて、登場キャラクターは出揃った感じです。

アニメの総集編とか特別編というと基本的にネガティブなイメージですが、この作品の場合は「Intermission」を号する回については制作が間に合わないという事情で作られたという点はさておき、内容的にはけっこう正しく「総集編」でした。

録画を残しているんですが、「総集編」回も消さないでおこうと思います。

2018.10.1追記:
MXでは9/28, 29の両日に渡って第21~24話が「Final Stage」と称して放送され、無事に完結しました。

シリーズ全編を通じてもちろん主人公は遠藤アラトでヒロインはレイシアだと思うんですが、「影の主人公: エリカ・バロウズ」って感じで面白かったです。たぶんエリカの方が内海遼(うつみ りょう)よりも「影の主人公」の称号にふさわしかったかなと思いました。

1周回って5話時点で想定していた着地点だったのかもしれないですけど、その「1周回る」過程でそれ以上のものを見せてくれたと思います。

とても面白かったです。原作はまだ読んでないですけど、読んでみようかな…。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 73
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

世界一賢い女がバグだらけな存在に未来を託した

2018.10.19記


全24話(クール20話+FINAL STAGE4話)完走を受けて再投稿
※あらすじ・用語などは公式やwiki等でよろしゅう


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ


第1話、レイシアとアラトの初遭遇時、暴走するアンドロイドの襲撃を前に、危ないから逃げようとするアラトにレイシアは問う。

「なぜ、逃げなければならないのですか?」「恐いのですか?」「その恐れは乗り越えなくていいのですか?」「今戦わずに、いつ戦うのですか?」

逃げないことを決めたアラトだがじゃあどうすればいいかわからない。警察に頼ろうとするも、警察ではこの状況には対応できないと分析するレイシア。途方に暮れるアラトにさらにレイシアがこう告げる。

「アラトは私を信じますか?」「私を、信じますか?」


全話完走してからあらためて振り返ると、こんな場面も静かな感動を呼ぶ。そんな作品。

{netabare}・スノウドロップは排除しなければならない相手であることをこの時点でレイシアは見通している。
・対人接触経験のないレイシアが初見では無機質な対応に終始している。
・「信じる」は作品キーワード。アラトは信じることで世界を変えたのだよ。{/netabare}



と偉そうなことを言いつつ、まずは作品の内容以外のことでだいぶお騒がせしておりました。
アニメ制作が追いつかず、監督がぶっ倒れる。intermissionという名の総集編がけっこうな頻度で挿入される。芸人呼んでのお茶濁し回もあり。結局、予定していた2クール内で収まり切れず、残り4話をFINAL STAGEと冠してやっと完結しました。
この時点でリアタイ組の多く(?)が脱落したんじゃないかと思います。なんとか完結するにはしたので、後追い組にとってはこのことは関係なく、視聴のハードルにはならないですね。


次に内容について、
「あ、今きっと大事そうなこと言ってるんだよね」と思いつつ、理解が追いついていかない。けっこう難解です。それぞれ小難しいこと言うのですが、エリカとレイシアはその中でも2トップだろうと思います。
さらに前半の引きこみが弱いです。
例えば第2話。いきなりのファッションモデル回。唐突感が否めません。
× そういう路線?そんな媚びてもらわんでもいいのに。100年後も恵比寿にatreあるん?キャラも弱いな。主人公と妹がアホにしか見えん。
○ ま、いんじゃね?レイシアかわいいし(*^^*)
そして第3話。レイシア誘拐されるの巻。モデル回を受けてのストーカーの犯行という結果に…
× しょうもないイベントぶち込むなあ。国とか大企業ではなく個人の犯行かいな…はぁ。そしてやっぱり主人公と妹がアホにしか見えん(笑)
○ ま、よくわからんけどいっか… レイシアかわいいし(*^^*)
そんなこんなで第五話終わったら、いきなり総集編ですからね。

{netabare}とはいえ無駄回ではなく、いずれも情報戦特化型のレイシアが高性能hIEから超高度AIへと進化するための学習段階の過程の描写だったりします。前者は対人誘導(アナログハック)を、後者はケンゴからアクセスさせることで抗体ネットワークへのシステム侵入を、という感じ。
それを初期段階でそうなるように誘導していることが後々わかってきます。さらに第5話大井町のケンゴ救出回も布石が打たれていてレイシアのシナリオ通りだったりもするのです。第3話でケンゴが抗体ネットワークのネットワークを不正利用した弱みを組織に利用されミコト襲撃戦への参加を強要される。そうなるとケンゴ妹がアラトにヘルプを出してくることを見越して易々とケンゴ部屋からネットワーク侵入が可能になる、といった具合でしょうか。その上に大井町ではアラトパパが開発した行政執行hIEミコトの実験中です。こちらのデータ収奪も可能になります。{/netabare}

{netabare}なぜそんなことするのか?

レイシアが超高度AIに進化するために最新の情報を常にインプットし続けなければならないからです。正確にはクラウド型のため各ネットワークに繋がるようにしておかなければならないからです。
もともとレイシアは超高度AIヒギンズが作った人類未到産物(レッドボックス)でした。すなわち人間の知能では作成不可能なもの。さらに5体ある脱走hIEのうちレイシアだけ超高度AIに進化するよう設計されたものです。本来超高度AIの製作は禁止されており、かつその超高度AIもスタンドアローンでの運用が協定で取り決められてます。当然自立歩行型で外界と接する超高度AIは御法度、その網をくぐるため超高度AI一歩手前の段階で製作の承認をとりました。{/netabare}

{netabare}そしてなぜヒギンズがそのようなめんどくさい手順を踏んでレイシアを輩出したのか?が判明する終盤の展開はむちゃくちゃ面白いのであります。{/netabare}


前半が退屈な良作はこれまでもあるものの、“けっこう意味不明”の烙印を押されがちな演出になったのは製作陣の力不足だと思います。
たしかに難解な部分はあるかもですが、全話通せばそこそこついていけるくらいの難解さです。補足するのなら原作者長谷敏司の実況ツイートなんかは理解の助けになりました。

『自分はめっちゃ面白かったけど、注目されてないしあまりにも周りの反応が冷たいので、こそこそと愛でる作品』

お前の良さは俺がわかってるぞ!と売り出し中アイドルの追っかけをする心境に近いかもしれませんね。やったことないけど。。。
もともと本作のテーマ「boy meets girl」ということで、障害があればあるほど恋っていうやつは的な観点でいうと、「だって人じゃないしハードル高すぎじゃね?」というのがそそられたというのが一点。
次にSFの王道「人類より高度な知能をもつAIの行きつく先」ということでも納得できる内容で、希望の見える終わり方も好印象だったというのが二点目。
上記二点の魅力が柱で、バトル中心のFINAL STAGEにもなると、これまた高度な電子戦が繰り広げられ、いろいろな伏線を回収しながらの盛り上がる展開を見せたというのも好きな理由になるかと思います。

リアタイではブツ切れでストーリーを追うのに難儀しましたが、少し時間を経過した今なら、“後半失速するタイプの作品ではない”という意味でお薦めの作品になります。

とりあえず以下の3点を押さえとくと置いてけぼりにならないはずですよ。おそらくですが・・・



■ちなみにどこまで我慢(笑)すればいいのか?
物語の流れを軽く追うと、転機となるのは1クール終了間際の第11話。
第1話~第10話。レイシア級hIEが各々の行動原理に則した行動を取っていることの説明部分。レイシアの場合、アラトへの継続的なアナログハックと情報収集活動を描いている。
第11話。{netabare}レイシアがオーナー認証装置を引きちぎる。アナログハック完了ともみれるし、単にエモい場面ともみれる。最終話でレイシアがアラト一本に決めたのはあの時だと振り返る場面がある。{/netabare}
第13話。{netabare}「未来をデザインする」結果は最終話で提示されることになる。ここでは描いてるエリカと描くのかどうなのかふわっとしてるアラト。そしてレイシアには描いた未来を引きつける力がある。と問題提起したところ。{/netabare}
第14話。OPEDが変わる。物語も節目を迎える。{netabare}紅霞戦死。AIとどう付き合うか?を考えろと問題を人間側に突き付けた重要回。{/netabare}
以降、レイシアのミッションが徐々に分かってきて、「おー怖っ!」と感じる要素が増えてきます。そこでのアラトの葛藤など、「ちょろい。いらつく」と思ってた彼が、という後半の展開はなかなか見ものですね。


■そもそも押さえておきたい背景みたいなのは何か?

「高度に発達しすぎたAIを人間が持て余している」

です。きっかけは本編の半世紀前、超高度AI《ありあけ》の事故。人類を凌駕する知能を持つAIへの警戒を決定した事案です。警戒してても世界的な合意形成や決定事項などは曖昧なままで、とりあえず超高度AIは外部と遮断しとけばOK!みたいな状況で飽和点を迎えそうだよ、という局面から物語がスタートします。
警戒する人間の代表例として登場するのがアラトの二人のお友達。海内遼は“AIはモノ。決定・判断の権能を人間の手からAIに渡してはいけない”という立場。村主ケンゴは“AIはいらない。人間だけでもなんとかやっていけるはずだ”という立場。だからこそ、“AIへの警戒心がない”アラトが際立ってくるという仕掛けです。
持て余している人達として描かれているのはお偉方さんたち。不信・警戒の行きつく先は破局。{netabare}20年内に人間の手によって破壊されるとのシミュレーション結果を出した{/netabare}ヒギンズは地下施設で固定されているため、移動式のバックアップが必要と判断してレイシアを作成しました。


■レイシア級5体のhIEに与えられた役割をすごい考えとく

 紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
 スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
 マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
 メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
 レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具

なんやら哲学的ですが、だからこいつはこう動いたんだ、がわかります。前半の主役紅霞さん。要所で出てくるスノウドロップさん。どうしてエリカバロウズに囲われてるのか?のマリアージュさん。登場頻度多めでよく引っ掻き回してくれるメトーデさん。そして謎多き主役レイシアさん。



というわけで以上3点よろしくお願いします。



OPED 実は全部好きですね。曲もですが流れる映像が物語に沿っていて良いです。1クールめのOPは特にかっこよくて好き。



■■重度ネタバレ■■

{netabare}私(レイシア)は「人間を信じて仕事を託す道具」となりました。( ;∀;){/netabare}

{netabare}最後、超高度AIとしてではなく一介のhIEとしてアラトの元に戻ってきたレイシアが一筋の涙を流す。アラトには目に見えてるレイシアがレイシアなんだよね。(T_T){/netabare}


人間は形に縛られる。その上で信じることだけが人間の出来ることでもあり、未来への希望なのだ。キリッ





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20話終了時点での初稿
2018.07.07記

{netabare}
原作未読

なんだかんだ次週が待ち遠しい、次の展開が気になる作品でした。
途中途中intermission(総集編)が挟まれる度に心が折れそうになり、忍耐力がついたと思います。
現場しんどそうでしたね。水島監督は病んでるっぽい感じでしたし、途中からスタッフ頑張れと念を送りながらの視聴だったので、観てるほうも健全ではなかったと思います。
今度残り4話をやるみたいなので楽しみに待つことにします。


今からおよそ100年後、進化によりAIが人間の能力を超えて久しくなっている時代、人間とコンピュータとの関係を描いてます。関係という意味で物語の軸としてるのは「boy meets girl」高校生アラトとhIE(人型アンドロイド)レイシアとのたぶん恋です。それも人間側からの。。。
そこに親コンピュータ派/反コンピュータ派の人間たちの反目その他の要素がからんできます。

SFの設定は初心者/玄人双方を取り込める絶妙なバランスだったかと。
AIの進化と比べて他のテクノロジーの進歩があまりみられてない描写すら、人より遥かに高度な知性を持ったアンドロイドを道具とする社会に焦点を絞る意図があったと思えばわかりやすい。
キーワード《hIE》《レイシア級hIE》《アナログハック》《超高度AI》《ヒギンズ》《ミームフレーム社》《抗体ネットワーク》このへんをおさえれば充分に理解は進むと思います。

5話で、レイシア級hIEそれぞれが持つ役割の提示があり、以後その行動原理に従って行動していく各個体(見た目は女の子)の話になる頃からシリアスモードに突入して面白くなってきます。同時に難しくなってきます。
○○の道具ってのが謎かけみたいで良かったですね。
{netabare}
紅霞 レイシア級hIE Type-001 「人間との競争に勝つため」の道具
スノウドロップ レイシア級hIE Type-002 「進化の委託先」としての道具
マリアージュ レイシア級hIE Type-003 「環境をつくるため」の道具
メトーデ レイシア級hIE Type-004 「人間を拡張するもの」としての道具
レイシア レイシア級hIE Type-005 「人間に未だ明かされざる」道具
{/netabare}
まあその翌週は第一回総集編だったんですが。。。


声優さん知らない人が多かったのですが、おおむねしっくりきてました。ダントツで下手な方がお一人いましたね。それでも20話観たら少し持ち直してたようで、努力の跡を感じました。作中で演者さんの成長が見えるってなかなかないので貴重な経験したとも思いますし、彼女には今後頑張ってほしいです。

OPEDは1クールは最高、2クール目も良曲。
最終話あたりで1クールの曲をいいタイミングで流す展開を期待しときます。


さあ残った話数どう落としどころをつけてくるのでしょうか?
結末を見てから再レビューしたいと思います。{/netabare}


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2019.04.21追記
《配点を修正》

投稿 : 2024/11/09
♥ : 69
ネタバレ

雀犬 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

エリカ・バロウズの孤独

【概要】
 2017冬-2018春、長谷敏司の近未来SF小説を原作とするディオメディア初の2クール作品。全24話…なのですが制作が遅れに遅れ、最終4話はBEATLESS Final Stageとして秋に放送されました。キャッチフレーズは「モノとヒトのボーイ・ミーツ・ガール」。新装文庫版を購入済み。

 舞台は今から100年後の日本。人工知能が人間の知性を超えた後、いわゆるシンギュラリティ以降の世界でのヒトとAIとの新しい関係性を提示するSFストーリーです。

 本作の問題点としてビジュアル的にパワー不足で未来感に乏しいこと、要素を色々詰め込みすぎて理解しづらいこと、主人公のアラト君に共感しにくいこと等が挙げられます。ただこれらの欠点は他の方が既に指摘しており今更感があるので、すでに気合で完走された方向けに、いまひとつ理解されていないように思えるBEATLESSの内容について若干補足をすることにします。といってもSFやAIに詳しい方には退屈な話かもしれませんが。

【シンギュラリティ】
 コンピュータは毎年約2倍の速度(※)で性能を向上させ続けている。この年に2倍の速度でコンピュータが性能を向上させ続けるという法則をムーアの法則と言います。このムーアの法則に従えば、2045年には汎用人工知能(本作では"超高度AI"と呼称されている)が人間の英知を超えた新しいコンピュータやロボットを開発し、加速度的な技術進化が起きるであろうという予測がある。これは一般に技術的特異点、あるいはシンギュラリティと呼ばれます。BEATLESSは2051年に超高度AIが誕生したという設定であり、そこからさらに50年経過した世界のお話です。

 現在は第三次AIブームとされ、ディープラーニングに代表される機械学習の技術革新がありAI開発が世界で加速しています。Googleの開発したAI、DeepMindが囲碁の世界チャンピオンを破ったことは記憶に新しい。すでにAIはGoogle翻訳やSiriなど身近な所で活用されています。かつては空想に過ぎなかったシンギュラリティも現実味を帯び始めているわけです。

 その一方でAIが人間を超える知力を獲得した先には、我々がAIを制御することができなくなり、主従関係が逆転し暴走したコンピュータが人間を支配するような危機的状況が訪れるという懸念もある。人工知能の開発は人類を破滅に導く危険性があると、ビル・ゲイツやイーロン・マスク、今年亡くなられたホーキング博士などの著名な人物が警鐘を鳴らしています。AIによって人間が支配されるディストピアな未来!もあながちSF好きの誇大妄想として片付けられない事態になりつつあるといえます。

 話を戻すと、BEATLESSはこのシンギュラリティ問題、すなわちAIが人間の知能を超えてしまったときに私たちヒトはそのようなモノをどう扱えばよいのか?を問いかけている作品だといえます。

 普通に鑑賞すると新藤アラトとレイシアの物語からひとつの回答を得ることができます。ただ残念ながら僕はアラト君(+妹ちゃん)があまり好きではないのです。彼に対して言いたいことは山のようにあるのですが、彼の悪口を延々書き連ねても仕方がないのでそちらには触れず、裏口から本作を語ることにします。影の主人公ともいえる少女、エリカ・バロウズにまつわるお話です。

 おそらく原作を未読の方は彼女の存在意義も行動原理も理解しづらかったのではないでしょうか。実はエリカはその特殊な出自を背景にして21世紀の現在と22世紀の未来を接続する非常に重要なキャラクターで、ただの解説役ではなかったのです。

※ 正確には半導体の集積度が18ヶ月で2倍になる

【エリカ・バロウズ】
{netabare}
 1クール中盤から登場する褐色の肌にプラチナブロンドの少女、エリカ・バロウズは世界有数の資産家であり、メディアグループ「ファビオンMG」の代表を務める才女です。彼女は「ハザード」と呼ばれる超高度AIが引き起こした大災害で家族を全て亡くし、広大な屋敷にたった一人で暮らしている。屋敷に人は一切寄せ付けず、身の回りの雑用は全てhIEにさせている。またエリカはアンティークの家具に囲まれて暮らし、アラトと出会ったとき紙の名刺を渡したように、あらゆるモノが電子化された22世紀でもあくまで21世紀の風習にこだわる。第16話では現在の人間の世界が「大ッキライ」と声を荒げて言い放つ。

 彼女はなぜこの世界の人やモノ、文化を徹底的に嫌うのか?自身を好奇の目で見る人間や、一人で引き継いだバロウズ家の資産に群がる輩にうんざりしているだけではない。それを読み解くキーワードは実は第1話からさりげなく提示されている。それがhIEの行動管理を行いレイシアたちを制作した企業(ミームフレーム)の社名の一部にもなっている言葉、「ミーム」です。

 「現代の眠り姫」との異名を持つエリカは私たちと同じ21世紀に生まれました。彼女は幼い頃に難病にかかり、当時の医学では治る見込みがなく、冷凍睡眠で未来の技術進歩に託されることになります。そして100年の時を経て、未来技術ナノマシンの力によって全快したのですが、目覚めたとき彼女には友達も家族もいなかった。そして、「目が覚めたらそこらじゅう気持ち悪いものに囲まれていた。」

 BEATLESSで描く22世紀の世界ではhIEと呼ばれる、人間と見分けのつかない外見を持ったアンドロイドが普及し社会を支えています。hIEには人間に気に入られるような表情や動作パターンが組み込まれていて、クラウドシステムからデータを受け取り人間が好感を持つように誘導する。この技術が作中でたびたび登場する「アナログハック」というやつです。

 実はエリカはこの世界にあって「アナログハック」が全く通じない人間なのです。hIEの行動管理は22世紀の人間から収集したデータをベースにしており、100年前の価値観をそのまま引き継いでいるエリカを心地よくさせてくれることはない。人間は習慣・風習・文化といった情報を人から人へとまるで遺伝子のように伝達して積み上げてきた生き物です。これをミームあるいは模倣子といいます。エリカの中には21世紀のミームがそのまま残されており、22世紀の人・文化・風習あらゆるものが愛せない。それが彼女がまとう厭世観、あるいはシニシズムの根源なのです。

 しかし、このエリカ・バロウズという少女は只者ではありません。聡明な彼女はこの構造を完全に理解した上で行動に出ます。ならば自分の力で22世紀のミームを破壊し、更新してやろうと。ミーム産業であるファッション業界を牛耳るべくファビオンMGを買収し、モデルにhIEを登用します。そしてhIEに恋する少年アラトに興味を持ち、ボーイ・ミーツ・ガールというコンセプトでプロモーションする。22世紀であってもやはりヒトがモノに恋愛感情を抱くのは馬鹿げているという見方が強い。エリカはその価値観を変えてやろうと企んでいるわけです。

 第12話。エリカは超高度AIヒギンズが作り出した5体のレイシア級hIEをバロウズ邸に呼び集め、hIE同士の争いをオープンにしようと提案する。この意図はAIが人間の知能を遥かに超えてしまった時代に、超高度AIをスタンドアロン運用するなどして人間が必死に守ろうとしている聖域を破壊し、22世紀の人間の持つミームを切り崩すことにあるのです。彼女の勝利条件は戦いに勝つことではなく、未来が変わりゆく様をこの目で見る事。hIE同士の抗争を焚きつけておきながら彼女が自宅に引きこもり、戦いに直接関わらなかった理由も以上で理解できるかと思います。

 エリカを見ているとかの名台詞、「時計の針は元には戻らない。だが、自らの手で進めることはできる。」を思い出す。過去に執着するのではなく、財力と知力、そして最も汎用性の高いhIEであるマリアージュの能力を使い力づくで未来を変えようとするエリカのスケールの大きさと気高さ。ダークヒロインとしての魅力に溢れているキャラです。どこかのチョロい少年よりも、本作はエリカを主人公にしたほうが面白かったのではないかと思う。
{/netabare}

【総論】
 この結局アニメが言いたかったことは、例えシンギュラリティが現実のものとなりAIが人間を知能を超えてしまったとしても、私たちはミームの進化によって乗り越えることができる。だからフランケンシュタイン・コンプレックスに怯えることなくテクノロジーを進歩させていく、それが正しい未来観であり、私たちの歩むべき道なんだということなのでしょう。

 この考え方自体に疑問や批判もあると思います。「私達は原子力の力すら持て余しているのに、汎用人工知能をコントロールできるとは思えない」という反論は当然ある。作者もそれを承知しているから後半の展開は福島原発事故をモチーフとしているのでしょうけれど、果たして十分な説得力があったのか意見が分かれるところかな。

 ただ、本作が訴えかけていることが理解されないまま「総集編を4回やってなお放送延期した2クールクソアニメ」と不名誉な称号を与えられるのも不憫ですので長文レビューを書かせていただいた次第でして、意外と骨太なSF作品じゃないかと思います。

 まぁでも、チョロくて主体性がないアラト君に共感できないという意見には僕も同感でして、強くお勧めはできない作品なんですけど。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 43

67.4 15 コンピューターアニメランキング15位
地球へ…(テレビ版)(TVアニメ動画)

2007年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (227)
1476人が棚に入れました
現代から遠く離れた未来―S.D.(Superior Dominance:特殊統治体制、西暦3千数百年)の時代。人類は環境破壊により滅び行く地球を再生させるため、植民惑星へ移住した。コンピュータ管理により整然と生きる人類。その一方で疎まれる、特殊な能力を持つ「ミュウ」という存在。彼らは過酷な弾圧の中で政府の目から逃がれ、息を潜めながらも自分たちの存在意義を考え、そして地球への帰還を夢みていた…。ミュウのリーダー、ソルジャー・ブルーは、アタラクシアに住む少年ジョミーを自分の後継者として選び、夢を託す。

声優・キャラクター
斎賀みつき、杉田智和、子安武人、小林沙苗、井上麻里奈、羽多野渉、増田ゆき、小杉十郎太、浪川大輔、喜多村英梨、杉山紀彰、高城元気

ato00 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

現在社会の問題に関して、考えさせられるアニメです。

竹宮恵子さんの古い漫画が原作のSFヒューマンアニメです。
文明社会の進歩により、地球環境を破壊した人類。
このため、人類は地球外へ脱出することに。
何故か、ミュウという異端遺伝子を持つ超能力者が出現。
管理型人類社会はミューを排除するようになります。

このアニメは、ミュウと人類の双方の視点より描かれます。
ミュウ側の主人公は、ジョミー。
他人思いのやさしい性格で、圧倒的な超能力を持つ指導者です。
人類側の主人公は、キース。
機械のような冷酷な性格で、徐々に頭角を現す有能な人物です。

ミュウと人類の戦いの結末は?
ミュウと人類の相互理解は?
人類は何故ミュウを排除?
「地球」の行く末は?
など、興味は尽きません。
また、現代社会の人類の問題も二重写しになります。

それぞれの登場人物の思惑が複雑に絡まったシナリオ。
素晴らしいです。
そして、ラストは感動。
涙ザザ漏れでした。

<大昔の劇場版アニメに関しての話>
私は未視聴です。
嫁さんに聞いたら、あっさり
「見たよ。」と。
悔しいので、これ以上聞くのはやめました。

当時、このアニメは話題作でした。
特に、ダ・カーポが歌う主題歌「地球へ」は良く耳にしたものです。
「地球へ」の歌詞、「ただひとつの夢のために、ただ一度の命かけた」
こんな人生を送りたいですね。
視聴後、改めてこの曲を聴いたら・・・、涙ザザ漏れでした。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 41

自分はなんだったのか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

タイトルなし

原作はちょっと古いんですが良作だと思います

人類が自ら滅ぼした地球を離れ、完璧なシステムによる統治を作り地球を聖地と
してその再生を待つ
そんな中、ミューという名の超能力者が生まれ仲間を増やしつつ
人類と対峙しながら地球(テラ)を目指す物語
キャラデザは好みが分かれそうです

当時のSF感でこの出来栄えはかなりの良作だと思います

昔の作品を現代風にリメイクしてくれるのって意見が分かれそうですが
面白ければ私はもっとやってもらいたいです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 35

nani-kore さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ただただ涙が溢れて止まらなかった。。

そういえばものすご~く昔、まだオタクという言葉も定着していなかった頃、オタだった長姉が原作マンガを所有していたなぁ~3
たしか、雑誌っぽい粗い紙のA4サイズで、紙が真っ茶色になるまで納戸の中に放置されていたのだ。
そして、いつの間にかなくなっちゃったんだよね~
何べん読んだだろう、あのマンガ?
同時期に映画も公開されたけど、原作ファンだった姉が舌打ちする位の、ヒドイ出来だったらしい。。

竹宮恵子といえば、「風と木の詩」等、BLモノの先駆けとして有名な少女漫画家だけど、SF漫画家として高名を馳せた時期もアリ。彼女のSFモノの代表作が本作「地球へ・・・」だけど、同系列では「アンドロメダ・ストーリーズ」等が挙げられる。
「アンドロメダ」も原作本があったよーな気がするけど、「地球」より先に処分されたみたいで、その内容はうろ覚えだが、どちらも遜色無く面白かったよーな。
ファンタジー物として、「イズァローン伝説」を最後に読んだのがいつだっけなぁ?
コレは良く出来たファンタジーストーリーなんだけど、BL的表現は「風と木」に勝るとも劣らなかった;;

ごめんなさい、アニコレの骨子からズレてしまった。。
原作者、竹宮恵子のマンガはどれも面白かったけど、上記のよーに、たいていBL的表現が絡んでくる。
ただ、「地球へ・・・」や「アンドロメダ・ストーリーズ」等のSFモノに関しては、少年誌「月刊マンガ少年」で掲載していた関係上か、竹宮流BL表現は珍しく無かった。
唯一、主人公ジョミーのシャワーシーンだけが、風木っぽくて竹宮臭が漂っているなぁと、ションベン臭い子ども心に苦笑した記憶がある。

再度になるが、当時ものすごい前評判で作られた映画は、原作ファンには大変残念な仕上がりだった。
その後ン十年が経過し、ナンで今ごろリメイク?と首をかしげながらも郷愁にかられ、TVの前に座った2007年。
原作と少々違う部分はあれども、ようやく素晴らしいアニメに生まれかわって、原作を読んだ者として本当に嬉しかった!!
やっぱりキース、昔と変わらず、一番好きなキャラだなぁ~3
非情な堅物エリートとして振る舞っているけれど、その実、誰よりも情が深くて人間らしいのだ。
こんなイイ男、好きにならない方がムリだよ~~;;

ラストには、ただただ涙のナイアガラ。
そうでなくとも、EDの切ない調べには、勝手に涙がダラダラ流れてきて、老いた母にアキれられたのが、もう5年前か~3
色々あったなぁ、あの頃。。
ワケもなく涙が止まらなかったあの時も、なんとなく原作に触れた少女期の自分と今の自分を重ね、色んな感情がブワッと湧き上がっきて、堰き止めきれなかったダムのように、ただただ涙が溢れて止まらなかったんだよネ。。

さすがにちょっとクラシックなSFだけど、作画もキレイな良作でした。
う~ん。。でも当時はキレイさに感動したけど、今ちょっと観直してみると、ちょっとなぁ。。アニコレフレンドのメッセ・エッヘンさんのレビューを読んで、もういっぺん確認してみたら、おっしゃる通りの作画評価でした;ただ5年前当時はえらく感激したので、作画★4.0のままとさせていただきマス;;

原作を知る世代の方には、ひときわ感慨深いアニメでしょう。
原作を知らない方も、漫画&アニメ史に残る本作、ご興味があればぜひどうぞ~(^ ^)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 19

64.6 16 コンピューターアニメランキング16位
コレクター・ユイ - 第1期(TVアニメ動画)

1999年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (57)
412人が棚に入れました
時は(1999年現在)近未来の西暦20XX年。コムネットと呼ばれる仮想空間を舞台に、様々なトラブルを春日結が「コレクター・ユイ」に変身して解決していく。第一期は世界支配をもくろむグロッサーを封じる為にコレクターズを集結させ戦う。第二期はグロッサーを元の状態に戻した数ヵ月後の話で、新型の強力コンピュータウイルス、バグルスの発生原因を探る。

渡辺探偵事務所の所長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

OP大好きだった。

確かカードキャプターさくらが流行っていた頃 

少し後で放映されたこの作品だ。カードキャプターさくらは習い事や稽古のせいで見れなかったが、この作品はリアルタイムで見ることが出来た。

何かセーラームーンのルナ的なロボットがいい味出してた気がするね。

OPは自分の中では神曲認定だね。何だろう。こないだやってた新しい作品と思ってたけど、それほど時は経ってしまったのか・・・・


確か何かをコレクトする物語だった気がする。
敵がグラサンみたいなの掛けてる奴らばっかりで手抜きかな。


同じNHKなら おじゃる丸の 月光町ちっちゃいものクラブも好き。
双子探偵やら ふたりっ子やら 結構前は双子ブームだったよなぁ。


OP見てみれば思い出すかもしれませんよ
https://www.youtube.com/watch?v=Vug0Zgh7eKk

投稿 : 2024/11/09
♥ : 10

白帝 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

未だ色褪せない作品

子供の頃に観たので、細かく記憶していることはないのですが──

悪役がコミカルに描かれ、物語のテンポも良く、主人公やキャラクター、そして世界観に魅力があります。

今でも色褪せない、魅力に詰まった作品です。

〝ワンちゃん〟と呼ばれた悪役が、私は好きでした。

人に薦めたいアニメNo.1です。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 1

58.4 17 コンピューターアニメランキング17位
SCARLET NEXUS(TVアニメ動画)

2021年夏アニメ
★★★☆☆ 2.8 (108)
291人が棚に入れました
《その緋は解放か、断絶か》新暦(にうれき)2020年。人類は、成層圏より降下する異形の生命体・怪異に脅かされていた。怪異を討伐すべく組織されたのは怪伐軍。それは脳内ビジョンを具現化する『超脳力』を持つ者の集団。入隊を果たしたユイトとカサネは、抗えない運命と世界の真相に巻き込まれていく。

声優・キャラクター
榎木淳弥、瀬戸麻沙美
ネタバレ

pister さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

ここはオレに任せてお前は逃げろ

4話までの感想{netabare}
なんか車の名前みたいなタイトルっすね。
展開が早いというか、原作ゲームを知ってる前提で話が組まれてる感じ。
原作未プレイな自分としてはまだ作品の概要が掴めてないのに早くも仲間割れエピソードが始まって頭が付いて行けないw
騙されて・洗脳されて・何も分からずに翻弄されて・全貌を知った上で信念を持って、と、キャラを把握する前にそれぞれの立場がゴチャゴチャしてて何がナンだか状態。
更にナオミがダークファルス化して失踪、ナギが洗脳されて失踪、カサネが“剣王朝”のアビに吸い込まれて失踪と、姿を消すエピが連続で続くのもどうなんだろう。

アラシが3代目クラリスクレイスに似てると感じたせいなのか、PSO2(オラクルの方)と被って見えてしまいついつい比較してしまう、あとワールドトリガー。
PSO2はキャラ紹介を兼ねたストーリー進行だったので覚え易かった(それでも20以上覚えるのはひと苦労だが)が、こっちは凄く不親切に感じる。
もっとこうキャラの特性分けを…怪異絶対殺すマンとかコロコロすることに快感を覚えるヤツとか、やり様があった気がするんだが。
ろくすっぽ怪異退治シーンを描かないで仲間割れエピを始めてしまったので無理か?
とりあえずセト・カレン・フブキ・カイト辺り、誰かを見た目ロボットにして「種族からして違う」と明確なキャラ分けをして欲しかった…かも。
いや、PSO2も不親切だった…かなぁ?じゃあこっちもこれはこれで良いの…かなぁ?

戦闘モードになると仮面状態になってCGになってアクションをするって方式だと思うのだが、仮面状態とそれ以外とでの戦闘力の違いがワカラン。
パワーアップするとドレッドヘアーみたいのが後ろに付いたり、作中の小物として遮光器土偶が出たりと…パクりとは言わんがデザインのベースがキングゲイナーと同じ?
…いやどっちもサンライズですやーん!
超能力はオーバースキルと解釈するとショボさが際立つ気がするんだが、いいのかこれで。
あ、それとアニメに於いてインビジビリティ能力はイヤ~な印象しか持ってない。
“異世界チート魔術師”では使い手は倒したもののインビジ能力を打ち破ってはいなくて拍子抜けだったり、なにより絵を描かなくていいので手抜き用の便利ツールにしてると感じてしまうと結構冷める。
(逆に“コップクラフト”は上手く扱ったと思うが、あれは作者の力だろう)
瞬間移動もそうだけど、扱いにはかなり注意しないと安っぽい印象に拍車をかけかねない。
作ってる側はちゃんとそこ気を配ってるかなー?という所に注目してみるのもいいかも?{/netabare}

6話までの感想{netabare}
あっるぇ?アラシがPSO2のクラリスクレイスっぽいと思ってたら…ストーリーもそれに近いのか?
PSO2ネタバレ、{netabare}マトイ(ヒロイン)が将来深淵の闇(世界を滅ぼす存在)になるので未来のアッシュ(主人公)はダークファルスペルソナになって現在のアッシュにマトイ殺害を仄めかす。{/netabare}
キャラの配置を変えただけで物語の本筋は同じ様な…?
まぁよくある話ではあるんだけど、PSO2はあくまで作られたのが結構前ってことで古典として楽しめた。
その反面こっちは作られたの最近なんだよね?
「殺人現場で凶器を手に持ってたので犯人と疑われる」って、もう何十年前のネタ(大岡越前や江戸を斬るでよく見た気がする)?
暴力系ヒロインと同じで、最近見なくなって良かったと思える悪しき文化だよ。
バンナムが「あ、これじゃセガのアレになっちゃう」と思わなかったのか?が不思議。
原作のゲームは戦闘などのシステム面が売りでストーリーはそこら辺にあるものでいいって姿勢なのかな?
それはそれで構わないと思うんだ、ゲームなら。
ただ割を食っちゃうアニメが不憫で…「PSO2とはここが違う」みたいな独自性を見せてくれると良いんだけど、どうかなぁ~?

真実(本当にそれが真実かは不明だけど)を知ったカサネが凶行に走って、「この世界では洗脳処置がありうる」と思ってるユイトとしては「カサネは洗脳されてるに違いない」と勘違い?誤解?をして~って話が続くのかな?{/netabare}

9話までの感想{netabare}
何をすればいいのか分からないのでそのための足がかりを集めてる段階、つまり目的を見つけるのが目的というか、目的がボンヤリしててなかなか興味が乗らない。

7話、ユイトは記憶が飛ぶので脳外科(病院)へ行ったら「たまたま」ナギが搬送されるのを目撃し、後を追った先はロクショウ市の怪伐軍病院の旧館跡地の秘密施設だった。
一方カサネはセイラン市に従いつつ8話でナオミの居場所を突き止め、秘密施設へ。
ちゃんと見れば片方は更地の中にドンと、もう片方は周囲に森があって全く違うんだけど…ボケーっと見てたら最初この2つの施設は同じものだと勘違いしちゃったよw
もうちょっとこう、建物の外観をガラっと違うものにしてくれても良かったのでは?

ってかロクショウ市の方、侵入したユイト達を怪異が襲うのだけど、これって研究所所蔵の怪異だよね?
元は人間かどうかもさることながら、コントロール効くの?
しかも最後はユイトチームは怪異を倒せず逃走するんだけど、怪異置きっ放しでいいの?立場的に。
セイランの方もそう、カサネ達は侵入直後に警備用怪異?に襲われ反撃するのだが、攻撃していいの?
こっちは「怪異化した人間を研究してる」を知った上でのことなので、キャラが躊躇わないのが変というか、警備用に怪異が!?と驚かないのか。

キャラがどう認識してるのか分からないので視聴者もどう捉えていいのか分からない。
結果、何やってるのか分からない、話が頭に入ってこない。
セイランやニューヒムカの上の連中がどう考えてるのかも分からんし…全話見終わった後もう一度見返すと色々分かる作りなんだろうか?

そんな中での9話。
ユイト組はフブキの命により出兵した先でトゲツからの怪しい車を発見──フブキが意図的に仕向けた可能性があるのでこれは「たまたま」とは言い難いかな?
あ、その前にアンプルの中身がホニャララだった衝撃事実()が明かされるが、そうだと思ってたからまぁ別に。
それよりもアンプル飲む時ってペキっと折るんじゃないのか?それをやらなかった方のが気になったり。
未来容器なのかも知れんが、それにしちゃあ以前地面に落としたとき簡単にパリーンと割れた気が…。

でもってトゲツからの車を追ったらセイランの研究所へ到着…って、えっ?ユイト達はセイラン市内に簡単に入れるの?
これもフブキが裏で手を回してるのかなぁ?
でもってカサネ組と対峙して──ってこのシーンがまた酷い。
カサネがカレンからここがどんな施設だか聞かされる(人間由来怪異を人間に戻す研究を目指してるらしい)回想を挟むんだけど、これはユイトに伝えた訳じゃなくて胸に秘めてることなんだよね?
つまりユイトはカレンの意図(真偽は不明)は知らないんだよね?ついでに未来ユイトの頼みも知らないんだよ…ね?
回想入れるタイミングが悪いというか、意図的に分かりづらくしてる?
ついでに言えばカサネはカサネでロクショウの施設は知らないんだよね?

誰が何の情報を誰から聞いてどこまで知っててどこまで伝えるor隠してるか、が妙に紛らわしくて分かりにくい。
推理モノでもあるまいに…。{/netabare}

10話感想{netabare}
なんでこう分かり難い表現をするんだろう。
ユイト組はフブキから、ナギが人格矯正の時に抜かれた情報(ナオミの怪異化する瞬間)が『施設』に残ってるので、それを奪取してアラハバキ(ネットワーク=サイネットの中枢コンピュータ)を使って世界にバラす計画をふられる。
ということで施設に向かうのだけど、そこは7話で訪れたロクショウ市のあの施設。
…なのだけど、かなり注意深く見たが10話の中で「ロクショウ市」というワードは一回も出てこない。
前も指摘したが外観はそこまで特徴的ではないし具体的な施設の名称も無いし、ぱっとは分かりにくいって。
ユイト「それでナギの記憶データはどこに」と尋ねた後「キミ達がこの前訪れた所だ」とフブキがひと言言うだけじゃーん?
そもそも一度侵入したせいで「秘密施設がバレた」として証拠は全部引き払い、ナギも別の場所に移された可能性もあるワケで、「同じ施設にデータがある」って判断はすぐには出ないって。
あの特徴の無い建物を覚えとけって?あっはい。
一応見続けりゃ分かる様にはなってるけど、それに気付くまでの間にこれまた変なことが起きて…。

前回のナギとの別れ際は、怪異に囲まれて「ここはオレに任せてお前達は逃げろ」というよくあるパターン。
つまりナギは生死不明なハズで、なのに再訪したユイトは「助けなくちゃ、ナギを…」と言ってて、あれ?
生存を確認するシーンってあったっけ?見落としてる?
再会した時も「よかった、無事だったんだな」が第一声ちゃう?

でもってなんやかんやで反逆者となったユイトは、カレンにトゲツを仄めかされてそこへ向かうことに。
まんまと誘導に乗せられたんだと思うけど…いやその前にさ、ナオミの居る施設(スプリング製薬)へ脳を運んでた輸送車の出所がトゲツだって9話でハッキリ言ってたじゃないさ。
ユイト組は全員ワタルを通して聞いてた、そういやカゲロウがトゲツ出身だねぇと世間話をしてた。
それをすっかり忘れたのか「トゲツならニューヒムカ政府も手を出せない」と呑気に答えてるのはなんか変、怪しさプンプンの地方でしょうに。

イヤな予感がして来た。
各キャラが情報をどこまで知っててそれぞれどの様に捉えてるか、作ってる側も把握してない?
前回の感想では分かりにくいと書いたがもっと悪質かも、作ってる側が分かってないなら視聴者が分かるワケがないw


で、以上がキャラの捉えてる情報のアベコベさについてで、これに更に輪をかけて妙な演出を加えるから混乱具合が加速する。
フブキが包囲されて「あー捕まるのかなー」と思わせて、「あの施設」でユイト達が拘束されてピンチってところで何事も無かった様に駆けつける。
カイトと何か取り交わしたんだろうなと想像はつくけど、そういう捻った演出入れてる場合?
というか普通にハナビまで拘束されてるのは何だろう、あの施設にゆかりのある人間じゃないのか、ってかその設定いらなくね?
11年前ベルペッパー(無脳力者)開発実験の被験者だったとか、脳力を使うたびバカになるDボウイ状態だとか、新事実が明かされても情報の整理が手一杯で驚くヒマも無い。
こんなゴチャゴチャさせといて、結局はフブキ「ここはオレに任せてお前達は逃げろ」って…おい、そのネタ好きだな!

でもってセプテントリオンw
PSO2の六芒均衡みたいなやつね…ってやっぱりPSO2なのかよw
これは原作がゲームだから仕方無い?


一応…一応考察をしとくと──
フブキとカレンはこの世界を正すみたいなのは方便で、アリスを救うという共通の目的で、結託してユイトやカサネをまんまと踊らせてる(ナギの記憶データがあるというのも嘘かも)…だと思うんだけど、カイトがどこまで承知してるかは不明。
ユイト・カサネを踊らすことがアリス救出にどう繋がるのかもよくワカランけどね。
複数の脳力を集めると何か出来そうな感じなので、それの完成は未来でないと出来ないとかで、クナドゲートをどうこうして現代に持って来るつもり…とか?
「続きはゲームで」は困っちゃうんだけど、その可能性も上がってきた?{/netabare}

14話まで視聴して~
てっきり1クール作品だと思って、それを前提に「こんなに謎を散りばめても回収する前に放送終わっちゃうぞ?」としてあれこれ文句を書いてきたのだけど、2クールだったら問題無い…のかなぁ?
いやいや、描写が不親切過ぎて状況を理解するだけでも大変だって。
これは作った側が説明した気になって視聴者に伝わってないのか、意図的に配置した謎なのか、そこから分からない。
このまま「何が分からないのか分からない」状態で2クール目に突入するのもシャクなので、改めて1話から見返してどこがおかしいのか書いてみる。

6話までの感想・改 {netabare}
まずニューヒムカという国があって、そこに怪異を倒すために結成された「怪伐軍」ってのがあるワケだけど、まずここから分からない。
ニューヒムカ国内にはスオウ市とセイラン市があって(他にもあるが)怪伐軍はセイラン派とスオウ派で二分してるらしく、セイラン派は「セイラン方面軍」という呼称があるがスオウ側にはこれといって無い。
更にはスオウ側をニューヒムカと呼ぶことが多い(体制側ということでは間違い無いのだが)のも紛らわしい。
とりあえず主要キャラ達は最初はスオウ側という立場で、それぞれのシーンで「どっち側がやったことか」を把握しておかないと話が頭に入ってこない作りになっていて…なんだけど、これが非常に分かりにくい。

6話、オッサンユイトの証言では、2話でナオミを撃ったのは「セイランの兵士を怪異化しようとしたスオウ軍」だそうで…あれ?おかしいよね?
2話の出撃先「廃地下軌道スオウ9号線」に派遣されたセト隊キョウカ隊はこの段階では明らかにスオウ側で、セイランの兵ではない。
「A軍の兵隊がB軍をやっつけようとA軍を撃った」ってことになってないか?…あれ?
そもそもこの段階はクーデターの起きる前でスオウもセイランも同胞のハズ、ましてやクーデター起こす側じゃなくて起こされる側が先に手を出してるというのも謎。
そもそもそも、怪異化をさせるのに出撃先で兵を狙う理由が分からない、罪人や貧困者じゃダメなの?研究所で行うんじゃダメなの?
「廃地下軌道スオウ9号線」には“例のアンプル”が転がってたので、第一印象では「知ってはいけない秘密を知りそうになったので口封じされかけた?」と思ったのだが、違うのかな?
まさかとは思うけど、アンプルをライフルに装填して狙撃したなんてことは無いよね?
そもそもそもそも、狙われてたのはカサネだったのをナオミが庇ったワケで、撃った側としてはカサネでなくてはならない事情とか…あったんちゃうん?
また、撃ったのと怪異化したナオミを連れ去ったのは別の勢力ということになるが、2話段階では同じにしか見えない、紛らわしいったらありゃしない。
そもそもそもそもそも、ナオミが庇わずにカサネが撃たれてたらクナドゲート発生に至らなかったワケで、命令を下した奴はそこまで見越してたのか?

カレンが怪しいのでひょっとしたらタネ明かしがあるのかも知れないが、それ以前に「ここおかしいよね」と気付き難い。
大抵は「ここはおかしい」と思う前段階の「なにやってるか分からない」で流して、そのうち興味も薄れて視聴切られるんじゃないかなー?


話数が前後するけど3話終盤から4話にかけて。
ナギが豹変したのは「折角人格矯正を施してナオミの件を極秘にしてたのに、ユイトとカサネがベラベラ喋ってしまうので機密保持モードにスイッチが入った」だと思ったのだが、違うのか?
また、ゲンマが敵対したのは人格矯正を行う政府(スオウ)に不信を募らせてる中、それにセト(スオウ側の隊長)が係わってるとカレン(セイラン側)に吹きこまれたから。
まだ誰がどの勢力に所属してるかシックリ来てないのに、それぞれ別の理由で裏切るモンだから理解が追いつかない。
で、ゲンマの方はいざ対決したらセトが身を張って部下を守ったので「どうやら違ったらしい」と再び寝返るんだが…ハテ?ゲンマ以外のセイラン側の隊員はどうなの?
カレンを支持する派閥だとは思うのだけど、何を理由に襲撃したのか分からない。
他の作品なら「軍隊だから本人の思想なんて関係なく上の命令に従うモノ」で処理できるが、ゲンマの裏切り&その後クーデターのゴタゴタもあって仕方無いとはいえ処罰ナシだったことで「そういうのが緩い世界なんだろう」という印象に塗り替えられてるので、ホントもう釈然としづらい。
というかセトは死んだの?クナドゲートに飲まれても弾き出されるんじゃないの?

5話、カレン支持連中はセイラン側としてクーデターを起こす…のだけど、これがまた変ちくりん。
ネットワークの中枢アラハバキをダウンさせ、放送局?を占拠し、ニューヒムカのトップのジョウスメラギを殺害し、そこまでやっておいて…何故あっさり撤退する?
7話冒頭で「カレンとセイラン市によるニューヒムカへ対する宣戦布告だったようだ」と言葉だけで片付けてるが、それで納得…できるか?
ひょっとしてジョウ暗殺はセイランによるものではない?

そもそも不思議なのは、クーデターの際怪異もスオウ市を襲うのだけど、これはセイランが仕掛けたことなの?
禁断の帯から怪異が降ってくるタイミングに合わせてクーデターを仕掛けた?
要はセイラン軍(下っ端)は上層部のやってること=怪異の兵器化を知ってるの?
後の回(2つの研究所)での描写もそうなんだけど「そんな堂々と怪異を兵器として使ってるの見せちゃっていいの?」というのがど~~~~~にも引っかかる、釈然としない、理解を妨げる。
2つの市のやってることは「スオウ=人の怪異化実験をしてる」「セイラン=怪異を兵器化する研究をしてる(怪異の凶暴化を抑えるために人間の脳を原料とした薬品を使ってる)」で、どっちもロクでもないと後に明かされるのだけど、そうであるならセイラン軍は何を信念(正義)にクーデターを起こしたんだかよく分からない。
もし何も知らないのであれば、クーデター時に街が怪異に襲われてるのを見てクーデターを取り止めて怪異討伐に赴くセイラン兵が居てもおかしくないと思うんだ。
これもゲンマが気軽に裏切り&寝返りをしたせいで「下っ端も結構自由意志が尊重されてる」という印象を根付かせてるので余計な混乱を招いてる。
そもそもそも、5話でのカレンの放送の発言が中途半端というか漠然としてて、何でハッキリと「ニューヒムカは人格矯正を行ってる」or「ニューヒムカは人を怪異化する実験を行ってる」と言わないのか分からない。

既に怪異を兵器利用できてるのかできてないのか、もし出来てたとしてもそんなことが可能だと周知されてるのかしてないのか、このラインが見えない。
セイラン軍(下っ端)が何を信念としてカレンに従うのか、スオウに反旗を翻したのか分からない。
なんかいつの間にか都合のいいところで怪異が登場して戦闘する展開が当たり前になってる。

というかね、これはね、怪異が「人間とは無縁のオリジナル怪異」と「怪異化した人間」とで2種類居る様な扱いをしてるが、実は違いなんか無くてどっちも元人間なんじゃね?と思っちゃって余計気になるのかも知れない。
そこに注目して見始めると、ユイト達が後で「オレは人間を殺してたのか!」でショックを受ける連中なのかそうじゃないのかハッキリしてないのが気にかかる。
敵だったら人も平気で殺せるのか躊躇うのか、どっちでも構わんのだけどどっちだか分からんのはかなりモヤっとする。
ここら辺も理解を妨げる障壁になってるのでは?
ってか大抵は「ここはおかしい」と思う前段階の「なにやってるか分からない」で流して、そのうち興味も薄れて視聴切られるんじゃないかなー?(2回目)


7話~10話までの感想は上記の「9話までの感想」と「10話感想」で大体書いた通りなので割愛。{/netabare}

14話までの感想{netabare}
3000年前に地球人は月に移住し、2000年前に一部が箱舟隊として帰還(作中では移民団と呼称)、そこから間もなくして「断絶の帯」が発生して月との交信が出来なくなる。
トゲツの連中は2000年前の人間そのものだったりそこからのデザインチルドレンなんだそうな。
で、実は宇宙の果てからソレに触れると怪異化してしまう謎の物質「獣粒子」が飛来して、月の連中は月にそれが来ない様に断絶の帯を地球にこさえてそっちに押し付けたんだそうな。
月に帰りたいトゲツは2000年間を無かったことにしようとレッドストリングスを作り、それがユイトとカサネの出自に繋がる──と。

って、わざわざトゲツへ出向いときながら、ナオミの居る施設へ納品してた脳の出どころは追及せんの?
そもそもトゲツへ向かう際、輸送車の経路を辿ればいいのに敢えて雪道を歩んでるのが不思議だったんだ、ゲームとして敵に遭遇してくれないと困るので仕方なかった?
この世界の歴史を紹介されて理解するのに手一杯で失念するところだった。

それでも…相変わらずスオウとセイランの上の連中はどこまで知ってて何を目指してるのかワカランし、なぜスオウ教は2000年前の情報を秘匿してたのかも分からんが、10話までの流れに比べると飲み込みやすくなった…かな?
キョウカがトゲツの手先だった!、カゲロウが移民団の一員だった!!!と、裏切りと寝返りネタが相変わらずだけど、さすがにこれ以上はもう無くなって落ち着く…といいなぁ。
まぁ内容はぶっ飛んでて「彗星の振り撒く獣粒子」なんてワードが出た時は噴き出しそうになった…ぶっ、物質的なの?
断絶の帯の外側から遺伝子情報を撒いて地球に怪異を落としてるのは、宇宙に漂う獣粒子の数を減らすのが目的だと思うが、2000年間続けてまだ無くならないのか?
最初はそうだったけど別の目的に切り替わって怪異を落とし続けてるとかだと…あ~も~面倒臭ぇ!

「カレンがアリスを救うためクナドゲートでなんやかんやしようとしてて、ユイト達はそれにまんまと踊らされてる」
という話だと思うのだけど、いかんせん謎の引っ張り方が不親切だし、いつまで経ってもユイトは自発的にどうこうしようとしないし、見続けるにはなかなか根気が要る。
と思ったら次回まだナギが出るのか…もういいよコイツ。
スオウと研究所が一枚岩かどうか不明(10話でフブキがロクショウ研究所に助けに来なかったらユイトは解剖されてた、クナドゲートでなんかしたい連中は死なれちゃ困るのでは?)で、もうこれ以上「勢力」を増やして欲しくないこちらとしてはとっとと退場して欲しい。

で、セトは死んだの?{/netabare}

15話感想{netabare}
あーもう、前回の感想で「謎に思ったこと」「ここ変だよね?と思った部分」をあらかた書いたつもりだったが全然書き足りてなかった。
追加で書くと後出しジャンケンみたいでカッコ悪い気がするんだが…まぁ仕方無い。

今回の話にも係わる「あれ?」と思った部分に、命令したヤツもさることながら、ナオミを狙撃した実行犯(個人)を追求しようとしないのが結構不思議だったんだ。
こういうの流行ってるのか?
同期放送の“D_CIDE”もそうだし、ちょいと前にやった“プレイタの傷”も、仲間が狙撃されたのにその犯人(個人)を特定して締め上げてやろうと主要キャラが考えもしないのがどうにも共感できない。
個人的な恨みが無いというか…大局(おおまかなシナリオ)ばかり見てキャラクター個人の感情がおざなり。
「上の命令に従っただけで当人に罪は無い」と考えてるのかも知れないが、だったら作中にそういう素振りを入れてくれ。
というか、撃ったヤツも「うわ、怪異化しちゃった何だコレ」とビビったのか、怪異化して当たり前と承知してたのか、どっちなん?
前者だったら実行犯もその後人格矯正を受けた可能性高いし、後者だったらスオウの機密を深く知る存在なワケで、やっぱりとっ捕まえて吐かせようと動いて然るべきだと思うのだが…。

重箱の隅に聞こえるかも知れないが、作中でナギが「どうしてこんなことになっちまったんだろうなぁ」と言うため、「コトの発端はナオミが撃たれて怪異化したのを目撃して、その記憶を消去するため人格矯正を受けたせい」と、どうしてもそこの問題(実行犯を恨まないの?)に目が行くって。
さらに面倒臭いのは「ナオミを撃ったヤツ」と「人格矯正をしたヤツ」で犯人が分かれる、実行者と指令を下したヤツとでまた分かれる。
ってか怪異化したナオミを連れ去るセイラン側の手際が良すぎて、「実は撃ったのもセイラン側じゃね?」と疑ってるんだが…そうなるとオッサンユイトは嘘を吐いたか騙されてたかになる(※)。
もっと細かく言えば「他の目撃者も記憶を消される可能性があったが、フブキの機転で病院へ連れて行かれるのを阻止した」ということになってるけど、フブキ自体が何か企んでるっぽいので疑って見ないといけない(面倒臭い)。

前回の感想で「スオウとロクショウ研究所とで意見が分かれてたら(別勢力だったら)イヤだなぁ」と書いたが、幸いカイトもユイトを解剖したがってるみたいで意見は一致してるみたい。
(じゃあ今度はクナドゲートを研究してるヤツらはどうなる?という問題が発生するが)
けどそうなると…10話を思い返して欲しい。
フブキの提言によりユイトはロクショウ研究所に忍び込み、捕獲され、解剖されそうになった。
それを駆けつけて救ったのは言いだしっぺのフブキだけど(なんか自演臭いんだよなぁ)、その前に「フブキ連隊長、ご同行ください。スメラギ本部長(カイトのこと)がお呼びです」と連行されそうになるシーンがあるんだよね。
どの様にしてその場を切り抜けたかが謎、ホント謎。
後で明かすんだろうと思うようにはしてるけど、ボーっと見てたらフブキが研究所に助けに来たシーンは唐突過ぎて「何をやってるのか分からない」にしかならないんじゃないかな。
そして11話では病院で療養しててカレン(セイラン側)が見舞いに来てて、どうやらフブキは相変わらずスオウ怪伐軍連隊長のままでいるらしい。
その病院がセイラン側なのかスオウ側なのか不明だけど(これも厄介)、ユイトの解剖を邪魔したフブキは博士に当て身しただけで顔もバッチリ見られてるのに反逆者とされてないのも変。
アラハバキのハッキングコードキーを渡したのもフブキだし…。

以上のことからカイトはフブキと内通してるんじゃないか?と疑ってたワケで、そうであるなら15話のカイトの言葉はにわかに信じられない。
何か嘘を吐いてるんじゃないか?本心は語ってないんじゃないか?という疑惑が脳内を支配して、話が頭に入りづらい。
本当はユイトを解剖したいなんて思ってなくて、だけどニューヒムカの秘密をバラすためにワザと悪役を買って出たとか??
この先そういう展開があるかも知れないが…※印の件もそうだが、キャラの言動をそこまで疑って見るのってスッゲー疲れる。

でもって「カイトとの会話記録を公開してニューヒムカの真実を世界にバラ撒こう」ってところで15話が終わるのだが、実は知らなかったのはユイト達だけって展開は…無いかな?
これまでセイラン軍の下っ端はどこまで知った上で作戦(クナドでの襲撃やクーデターなど)に参加してたのか謎だったし、セイランは怪異を使ってスオウを襲ったと市民に知れ渡ってても何もおかしくない。
研究施設の警備に怪異を使ってるのもバレバレなんじゃないの?

ってかさ、セイランにあるナオミが収容されてた施設は「特異生命研究施設」って名称だったでゴザル、今までそう言ってたっけ?
施設の名称が分からなくて紛らわしいと指摘してたんだが、ナギが人格矯正された施設(作中では「旧怪伐軍病院」と呼んでるがそれだけではロクショウ市のを指すとは限らない)とは別の施設だと、ちゃんと視聴者に理解されてるかどうか、こっちが不安になるわw{/netabare}

16話感想{netabare}
『カレンの命令でセイランの「特異生命研究施設」に収容されてた元人間怪異が連れ出された、一体カレンは何をしようとしてるんだ!?』で前回終わったが、今回で、実はカイトの命でスオウ怪伐軍が成りすまして行った(カレンは知らない)ことだと明かされる。
…?
セイラン施設へ潜入して怪異を連れ出したスオウ軍の連中ってスゲー有能じゃね?
もしくはセイランの施設がザルなのか?または元は同じ国だしクーデターは見せ掛けだけで、セイラン内部にはスオウ派が多数潜入してる?
研究者も同行してたが、こいつらもスオウから寄越されたのか、セイラン内部に居た裏切り者なのか、どっちなんだ?
また、カイトはこの件でセイランが怪異の兵器利用の研究をしてたことを初めて知ったご様子。
はて?クーデター時に街を襲撃した怪異は何だと思ってるのか、認識を問いたい。
前回でもちょっと気になったんだけど、カイトはセイランの脳アンプル(材料はトゲツ)は把握してないのか?

一方、どこに匿われてたか分からなかったフブキは少なくともスオウから隠れて療養してたらしく、その場所が特定されてカイトの命で暗殺部隊を仕向けられる。
どこの施設だか知らんが乗り込んできた暗殺隊、優秀じゃね?
また、ユイトの時の様に大々的に反逆者と宣伝されず、連隊長を除名すらされずに居るのが不思議なんだが、これはウラがあるのかい?
「カイトとフブキは結託してるのでは?」と疑ってた私としては疑惑が一個消えてホっとした…どころか更に謎が深まってしまった。

でもって連れ出された怪異に追いついたカサネ達は、連れ出したスオウ軍人の操る怪異と戦うことに。
えっ?
この名も無きスオウ軍人は怪異の兵器化装置なんてついさっき知ったばかりのはずで、怪異の操縦は初実践なんだよね?
緊張感も何も無く、やり慣れた感じで違和感…やっぱスゲー優秀なんじゃないか?

とその時、カサネの脳の回収を企むトゲツの追っ手が現れてスオウ軍人と研究者を始末する。
そこまでは良いんだけど…それを見たアラシ「あいつ、仲間を使い捨てにして戦うのか」カゲロウ「敵も味方も関係なしかよ」と言ってて、これがとても紛らわしい。
初見ではてっきり「ここでいう仲間とはとても優秀なスオウ軍のこと」だと解釈してしまい、何を根拠にそう思ったんだか不思議で仕方なかった。
脳アンプル原料の取引先のセイランなら仲間だと認識するのも分かるが、殺した相手はセイランと敵対関係のスオウで…あ、ひょっとしてセイラン軍に扮してるのにってことか?とかね。
が、この突っ込み文章を書くために見直してみたら違ってた。
トゲツの追っ手グループがSASでリーダー格に脳力を提供してぶっ倒れることを指してたのね。

わっかりにくいって!

描写が不親切というか下手糞というか…常に「今画面に映ってるの、スオウ軍とセイラン軍、どっちがやってることか」に意識を向けてないとすぐに内容分からなくなるし、やっぱこの作品変じゃね?
私の理解力不足なのか不安になる時もあって、他の方の感想を聞いてみたいところだけど誰も見てないみたいだし…。
但しコレ、前回カイトが話した「国民の脳を生態パーツ扱いすれば云々」の具体的な実証例を見せた…とも解釈できるかも?
週を跨がずに一気見だったら違和感なく飲み込めたのかも知れない。

…と必死に好意的解釈しようとしたが、この後どうやってもフォローし切れないシーンがあるんだよねぇ…どう見ても作り手側が悪い、視聴者に伝わらないだろっていう。
元人間怪異達が協力してトゲツの追っ手と戦うことを決意し、カサネ達に対し「ここはオレに任せてお前は逃げろ」が炸裂。
このパターンもう3回目だぞ?
しかも今回は「とても追っ手には敵いそうもない」「圧倒的不利で逃がすのが精一杯」という描写が、無い。
無いんだよ!
全然ピンチだという演出が描けてない。
普通にカサネ達と協力して戦えば楽勝できたんじゃね?って印象で、結果的に、意味も無く覚悟を決めて意味も無く特攻したナオミが無駄死にしたとしか見えない。
更に戦闘後トコトコとカサネ戻ってくるしw
なんだこれ?
「同じネタ3度目なんだし細かい部分描かなくても分かるでしょ?」ってこと?
いや、やりたいことは分かるが必要な描写を省いちゃアカンって。

で、特攻自爆した元人間怪異の中にはアリスも居て、アリスを救うために視聴者にもよくワカラン暗躍を続けてたカレンが暴走、カサネの脳力をコピーして次はユイトの元へ。
一方ユイトはアラハバキに潜入して15話で手に入れたカイトとの会話記録を公開。
「脳だったら市民のを使わずともトゲツに沢山あるかも?」という情報は伏せといていいのか?
そして「さーて世界はどうなってるかな」と揚々と外に出ようとしたところでカレンが現れて次回に続く~~~。


結局この回って、カサネを追ってたトゲツの連中が追跡先でたまたま遭遇した「元人間怪異を連れ出したスオウ軍人」を殺したせいで、コントロールの効かなくなった・自由意志を得た元人間怪異に襲われ心中する羽目になった──。
という盛大な自滅劇を見せられただけで、カサネ達が自発的に何かやったというワケではない。
むしろカサネが安易に「連れ出された元人間怪異」と接触したせいでトゲツの追っ手もそこにやって来てしまったのであり、ゲーム的に言えばトレイン行為でナオミにトゲツをなすりつけたであり、カサネには猛省して欲しいトコロだけど…多分しないんだろうなぁ。
ユイトもそうで、主人公側は周囲で起こる出来事に無配慮に流されるばかりで応援する気が起きない。
運命に翻弄され~と書けば聞こえはいいが、自発的に動いてるカレン・フブキ・カイトが「次にやるべきクエストを準備してくださってる」感じでとてもゲーム的、作業的。
とりあえず連れ出したのはスオウ軍とはいえ、元人間怪異の所有(所属?)はセイランのはずで、それが脳アンプルの取引先であるトゲツの手の者に殺されたとなると、セイランは黙ってられるのか?

いやはや、毎回のことながらすっごい疲れる。
ダラダラ突っ込みを書いてるけど、そうしないとこっちも忘れそう・把握し切れなくなりそう…。{/netabare}

19話までの感想{netabare}
カイトの「月への復讐のために市民を脳パーツとしか見てない発言」を公開したことで街は大混乱…と思いきや、あんまりそうじゃないっぽい。
というかどうなってるのかあんまり映してくれない。
そもそも脳アンプル材料を提供してるトゲツの件に触れないのは情報が偏ってないか?
ついでに「断絶の帯から降ってくる怪異は月の連中のせい」と公表すれば、カイトへの風当たりもまた違ったモンになるんじゃない?

で、市民はそんな恣意的な報道を見てどう動くか?を確認することなくユイト達は再びトゲツへ向かおうとする。
いやちっとは様子見しようよ…出来れば市民の代表みたいなヤツ登場させて意見交換してくれよ。
これまで感想をダラダラ書いて、この作品の一番アカン所はどこだろう?と考えると「ユイト達以外の下っ端兵士や学者が情報をどこまで知っててどう思ってるのかが全く見えない」に至ったんだが、市民も同様顔が見えなさ過ぎる。

と、そんなことを思ってたところでの最新話の19話。
カゲロウがクーデター時にジョーを殺したのはオレだと言い出し、そんなオレを仲間にして良いのか?みたいなことをユイトに迫る。

その問題(カゲロウの処遇)はトゲツ脱出の時にもう済ませた・腹をくくったんじゃないの?
一度解決した問題を再び引っ張り出して来たみたいでクドい。

というか…さぁ、そもそも…さぁ。
17話のアラハバキ内でユイトが記憶抜かれそうになったところを仲間の記憶で補完して難を逃れるってエピソードあったじゃん?
あの段階で「仲間の知らないユイトの過去」は失われてて、それが原因で今後なんやかんや起きるって展開を予想してた私としては「ジョーが父だとは分かるけど家族の情は何も無い」「殺したのお前なんだふーん」みたいな態度を取って欲しかった。
逆を言えば、そうでないならアラハバキ内の描写は何だったん?とさえ思える。
カゲロウの処遇を決断するシーンが繰り返されて余計に感じたのと重なって無駄なシーンが多い印象を強める、その一方で必要なシーンが無さ過ぎるしバランス悪いよ。

というか…さぁ…あのさぁ…ジョーを貫いたのは怪異の放った弾丸(?)じゃねーか!!!
カゲロウの落とした短刀とは傷口が明らかに合わないんじゃねーの?「あの世界」においてそんなことも調べないの!?
「6話までの感想」で「殺人現場で凶器を手に持ってたので犯人と疑われる」として時代劇を例に挙げたけど、時代劇だから成立するんであって(それでも刀と合口程度の違いは見分ける)現代劇だったら指紋なり科学捜査で一発だし、現代より科学が進歩してると思われる「あの世界」でコレ?
物凄く好意的に考えれば「怪異の兵器利用はニューヒムカのトップシークレットで、クーデター時にセイランが怪異を使ったことは秘密にしときたいのでジョー殺害の濡れ衣をカサネに着せた」という可能性もあり得るけど…。
そこまでしてスオウがセイランを庇う道理が今んトコ見えない、カイト次第?

事実に対する探索というか探求というか、情報収集の仕方が拙すぎるんだよね。
キャラクターが想像しない、考えを巡らせない。
本気で解決を図るなら思いついて然るべき発想に至らない→本気で取り組んでる様に見えない。
主人公のユイトからして、親友のナギの死因に繋がる怪異化弾の出ドコロを調べようとしない。
これって「手ごろな下っ端兵士や学者を締め上げればいいだけ」なところを、下っ端兵士や学者の事情を描きたくないので避けてきた弊害なんじゃないかなぁ。
そのせいで「実は親友だなんて思ってない、情なんてものは無いんじゃない?」という感想を抱いておりまして…。

で、そんな中「誰かの過去を無かったことにするなんて絶対に許しちゃいけないんだ」と熱弁振舞われましても、とても白々しい。
一応、今まで主人公は記憶障害で世界の隠された真実に翻弄されるという内容で、当人にはこれといった目的が無く、何を言われても鼻水垂らして口開けっ放しでボケっとしててうわの空なのは制作的にワザとだと思うのだけど──。
19話でようやく目的(意思)を持つが、その考えに至った理由もアラハバキで記憶を抜かれそうになった体験からなだけ。
「記憶を失う恐怖」ならユイトは脳力を使うだけでもそうなるハズ(10話より)なので、このためだけにアラハバキの一件を描いたのだとしたらホント無駄としか思えない。
せめて「ナギも同じ様な恐怖を味わったのか」みたいなことを一言くらい言わせりゃいいのに…そしてぶっこ抜かれた記憶はロクショウ施設にあるんちゃうん?


とりあえず「オレがアイツを殺した」と言って周囲を惑わしといて、後から「直接手を下したワケじゃないがオレがアイツを殺したのと一緒だ」とタネ明かしするネタ、止めよう。
最近他の作品でも見たけどアホ臭いったらありゃしない、キャラが陶酔してるだけにしか見えん、もしくは制作側のお手軽尺稼ぎ。
ってかそうであるならナオミを殺したのはカサネですやん、トゲツに追われてる身でありながらホイホイ接触なんかしたせいで…そっちの方をもっと気に病むべき。
実は姉妹だなんて思ってない、情なんてものは無いんじゃない?
あと、過去改変されても自覚できないと思うんだがどうなんだろう?
これも他の作品で「あれ?」と思ったことがあったんだが、何の作品だったか思い出せない。{/netabare}

23話までの感想{netabare}
ニューヒムカが「断絶の帯から怪異が降ってくるのは月の連中のせい、獣粒子のせい」という事実を市民に隠してる理由が分からない(※)。
なのでそれを暴くことが良いことなのか悪いことなのかも判然としない。
「政府が隠し事してるのは無条件で悪」ではなく「隠してるからにはそれ相応の理由があるんだろう、それは何?」に興味が向くのが自然じゃないかね?
主人公目線で「政府は酷いことをやっている」という印象を推してくるけど、本当にそうかな?という疑問が湧いてくる。
それよりなにより、主人公の方がよっぽど酷いことをしてないか?

トゲツのシステムコンピューターがダウンする訳だけど…ん?これって……コールドスリープ中の生命維持装置もストップした!?
何人居るか知らないけどトゲツには2000年前の人間が眠って居続けてるんだよね?
また、そこからデザインチルドレンを製造してる訳で、その製造ラインも止まった?
脳アンプルの材料の脳がどんな製造方法だか知らんけど、それも止まった?
…。

主人公、何気に大量殺戮しちゃってない?

“巨神ゴーグ”を知ってりゃ(知らんでも似たテーマはいくらでもあるだろう)普通に疑問に思う部分じゃね?
これ作ってるのサンライズなんだよね?あれぇ?
ゴーグでは{netabare}怒りに我を忘れてる間に同胞を大量死させてしまってマノンさんは大反省をする訳{/netabare}だけど、こっちの作品は…主人公は自分が何をしでかしたのか知って恐れ戦く展開とか無いのだろうか?
カゲロウがクッソしょうもない理由で「ジョウを殺したのはオレだ」と気に病んだのなら、ユイトもトゲツの件は気に病むべき。

そんでもって親子や兄弟の情をテーマとした展開、これもピンと来ない。
この作品世界内でヒトはどんな繁殖方法が“標準”なのかよく分からないんだもの。
親子や兄弟といっても「卵子(もしくはDNA)提供しただけ」と「人工子宮(腹を痛める)」と「育ての親」とで違うでしょう、と。
初代ガンダムの「人々は、そこで子を産み、育て、そして死んでいった」ってナレがどれだけ重要だったか思い知らされる。
この問題は「この作品と妙に似てる」と感じる“PSO2 epオラクル”でもあったことなんだけど、そこら辺に焦点を当てた作品…“地球へ”とか知ってる身としては、なんとも説明不足というかパンチが弱いというか…。
ユイトとカサネでその違いを描いたような気がしないでもないけど、なんか全然弱い。

更に22話はもはや恒例のアレ、ユイトとカイトが怪異に囲まれてカイトが「ここはオレに任せてお前は逃げろ」と言う展開…またかよ!
余りにもしつこい展開でもう2人とも死ねばいいのにとさえ思ったけど、いや、一生懸命好意的解釈をすれば…オッサンユイトがカサネに命を賭して願い事をしたのと同様「兄弟して似てるなぁ」と思わせる描写だった…のかも?
けどやっぱりしつこいよ、引き出し無さ過ぎじゃない?
それに怪異に襲われるって、セイランで研究してた怪異コントロール技術はどうした?
ユイトもまーた頭痛が痛いを発動して、脳アンプルはどうした?
「これはただのビタミン剤じゃ」とヤバい表情しながら脳アンプルをあおりまくって、それでも尚頭痛が痛いなら悲壮感もありそうなもんだが、全然余裕じゃねーか。
「研究を邪魔しないで完成させてればこんなことにはならなかったのに」「トゲツを壊滅させてなければ薬があったのに」と後悔して欲しいのだが…な~んかコイツら行いを省みるってことをしないよね。
死ねばいいのに。

23話はもはや流し見してる人は置き去り展開w
スメラギ陵で精神攻撃的なものを受け、真実か架空か知らんがゲンマがセトの死体(?)を見て心を痛めるシーンがあるのだが…セトって覚えてる?
また「何度も」アリスを失ったカレンの慟哭を追体験してカサネがナオミを失ったのと感情を被せるんだが…アリスとナオミって覚えてる?
「ここはオレに任せてお前は逃げろ」でトゲツの追っ手と相打ちで無駄死にした奴ね。
ってかカレンの慟哭自体ハイハイまどか死んだまゆしぃ死んだ佳織死んだって感じで、よくこんな使い潰された設定を使えるもんだと逆に感心。
むしろ死にパターンが一緒で、シュタゲやまどマギから劣化が激しいと感じつつも、ひょっとしたら伏線なのかも?と期待を持ったり…いやどうなんだろう?



実は地球は流刑地で市民はその末裔ってワケでもないみたいだし、政府が隠してた意味がホント分からん。
23話でシデンが「ボクはこの世界の醜さも理不尽さも知っている」と言うのだが、その憤懣をぶつける対象がズレてる気がして仕方無い。
一番悪い(この世界の理不尽)のは「獣粒子」であり、政府がその真実を隠してたのも悪いかもだが、獣粒子が飛来して来たのは政府のせいではない。
つまり政府が秘密裏に行ってた非人道的な研究──「人間の怪異化」「人格矯正」「怪異の兵器化(=怪異のコントロール)」──が大して悪いことに思えない。
(「デザインチルドレン(トゲツ)」と「非脳力者の脳力者化」に至っては秘密裏だったのか非人道的なのかすらよくワカラン。
「レッドストリングスの開発(トゲツ)」や「クナドゲートの研究」に至ってはそれが何なのか分かってる人自体が作中数える程度しか居ないレベル)
一応非人道的ではあるけど、それ以上に「断絶の帯から怪異が降ってくる」の方がよっぽど脅威であり、その対策のための研究であるのなら仕方無いんじゃねーの?
目的と研究が噛み合ってないのなら「何やってんだよ」ともなるが、幸か不幸か噛み合ってる(ように思える)ので研究に文句を言うのが変に感じてしまう。
ぶっちゃけ「怪異の脅威を取り除くためには必要な研究である」と説けば市民も納得しそうじゃない?カイトも失脚せずに済んだのでは?
もうこうなってくるとセイランとスオウの対立も意味が分からないし、和平を結んでも茶番にしか感じない。
問題の3話だって視聴者をいたずらに混乱させるだけの不必要な描写にしかなってないのでは?

要はこの作品は「獣粒子」の対策の手段を巡って抗争してるだけで、主要キャラは根本原因から遠く離れた部分でギャーギャー言ってるだけに過ぎない。
対案を出さずにヤダヤダと駄々を捏ねてるだけの悪質クレーマー、「じゃああんたら獣粒子はどうすんの?」と尋ねたくなる。
一応、一応ね、なんせ2000年もの間断絶の帯から怪異が降り続いてる世界なので、もうそれは自然災害的に「どうしようもないこと」で、怪異による被害を減らす努力はしても断絶の帯自体をどうにかしようという発想が無い…のかも知れない。
ってことも考えられなくもないけど、だったらもうちょいそういうシーンを描いてくれないとシックリ来ない。
これが、政府が獣粒子を利権に絡めてどうこうしてるって話ならまだ分かるんだが…そうだなぁ、例えば──

<例え話>怪異に対抗するために作られたのが怪伐軍であり、現在の体制(既得権)もそれありきになってて、断絶の帯(並びに怪異の脅威)が無くなるのは政府にとっては都合が悪い。
実はその気になればとっくに断絶の帯は取り払うことが出来るのだがワザと残してて、もっと自在に怪異を利用するための研究を秘密裏に行ってた。<例え話終わり>

──であるなら「政府は裏で酷いことをしている」という設定も頷けるんだけど…どうだろう、今後そういうカラクリを明かす展開は期待できそう…かなぁ?
一応カレンが過去に遡ってどうこうしてるので、政府が隠し事をすることと繋がるのなら…ここまで見た自分も多少は救われるかも。
ついでに2話の「どうして前線に赴いた現役兵士に怪異化弾を撃つ必要があったの?研究所の被験体や罪人じゃいけなかったの?」もすっっっっっっっごい謎なので、そこにも繋がってくれると有難いんだが…。
強引に考えればアリスの死因は施設でナオミと接触したせいとも解釈できるので、そこら辺でカレンの干渉があった、とか。
そうでなくても「レッドストリングスを阻止するためにカサネが狙われたがナオミが庇った」線も有り得るし、2話の謎が解明されるのを期待してるんだが…もしされなかったらどうしよう。{/netabare}

26話までの感想
(現在執筆中、先に総評の方が書きあがったのでそっちを先に投稿)

総評{netabare}
とにかく取っ付きが悪い。
そして「何でこんなに取っ付きが悪いのだろう?」というのに逆に興味が沸いて、かなり気合を入れて見ました。
どれくらい気合入れてたかは上記の各話感想を見ていただければ分かるかと──。

で、取っ付きの悪さの正体は、ナオミが何者かに狙撃されて怪異になるワケだけど、
・撃ったの誰?命令したの誰?目的は何?
・そもそも未来予知でカサネを庇って撃たれたので、本来のターゲットはカサネか?
・そもそもあの場所へ派兵を命令された自体が仕組まれてた?落ちてたアンプルは何?
・怪異化したナオミを連れ去ったのは誰?撃ったのと同じ勢力?
等、分からないことが多く現状を認識することすらままならないのに、その掘り下げをせず放ったらかしで次の展開へ突入。
まだ登場キャラの顔と名前も一致してない段階で仲間グループから2人が裏切りを働く。
しかも裏切る理由がそれぞれ別で、うっとおしいたらありゃしない。
その後も、ふた手に分かれて2つの施設を行ったり来たりするのだけど、今映ってるのはどっちの施設なんだか分かりにくい。

…これじゃあ何に関心を向けていいのか分からないって。
作り手が視聴者に疑問に思わせたい部分と、視聴者が疑問に思う部分が噛み合ってない。

噛み合ってない最たる部分としては、ナオミが狙撃された理由は最終回まで見ても明かされなかった。
クナドゲート内でのオッサンユイトの証言は支離滅裂だし、かといって嘘を吹き込まれてたのか?といえば他に情報が無い。
ひょっとしたらナオミの脳を欲しがってたトゲツの手の者だったり、アリスの死の遠因ではあるので時間遡行したカレンの仕業であることも期待したんだけど、全く触れない。
それ以前に怪異化弾は実用化されてたのかどうかすらよく分からない。
実験にしちゃあ前線に出た兵士を狙う意味が分からんし、ナオミを撃って以降怪異化弾は一切出てこないし。

一切出てこないといえば後半ユイトが無理を推して脳力を使うのだが、特効薬と思われる脳アンプルは途中から一切出なくなる。
“0083”のウラキのヒロポンみたいなこともしないで頭いて~頭いて~言うだけ。
芝居してるみたい。
10話で研究者が語った「被験者(ユイト)はベルペッパーだった頃の記憶も欠落している模様。超能力を使うたびに脳へダメージが蓄積していると考えられる。急に記憶が飛ぶといった症状も出ているハズである」という設定も忘却の彼方。
後半は記憶も飛ばなくなるし、最終回では脳力を使い果たした体なのに車椅子に乗るだけで脳(記憶)は健在。
なんだよこれ…カミーユ(TV版)なりDボウイなりチャイカなり“牙”のノアなり“ハッピーシュガーライフ”の神戸しおなり、廃人オチなんていくらでもあるんだしやっちゃダメってことはなかろうに。
あっ、ゲームが続かないって?うぅむ…。
欲を言えば廃人になったユイトを世話するカサネが、ボタンをかけようとしたら手が震えて上手くできず、「どうしたの?」と様子を見に来た仲間に対して「見るんじゃねー」と怒鳴るオチだったら途中どんなに酷くても個人的には称賛したんだけどなぁ。
最終回で台無しというか、最終回で逆転できませんでした。

と、やたらと込み入った設定を盛り込んだ割に、キャラがその設定に準じた行動をしない……ということに尽きるのかなぁ、全体としては。
「そういう設定の体」を演技してるだけ、例によって中身が無い、自我が無い。
政府が隠してた「この世界の真実」を段々と知ってくって話なので、どうしてもキャラが受け身体勢になってしまうのは仕方無いとはいえ、限度ってものがあるだろう。
上述の「ナオミを怪異にすることで、やった奴には何の得があったんだい?」に誰も気が向かないのはどうなんだ?
最終回1コ前の「クナドゲート消滅のついでに断絶の帯も消せる」も、他人から言われて(そそのかされて)乗っかっただけで自発的に思いついた訳ではない、そもそも断絶の帯をどうにかしたいとかそれまで一切考えてもいなかったじゃん。
そして致命的なのは、これだけ設定盛っておいて「起きる出来事」──演出ってことになるのか?──がワンパターン。

「ここはオレに任せてお前は逃げろ」

この展開が4回あります。
“精霊ナントカ~”が「悪者に間違われて襲われる」って話が数回続いて酷いなぁと思ったモンだけど、こっちはそれを優に超えてる。
過去改変による現代への影響の描写もなんか変だし…ひょっとしてこれ、設定の方はゲームスタッフが頑張ったんだけど、演出?ストーリー?を任されたアニメスタッフは、めっちゃ手を抜いた??
それとも逆?ゲームとの兼ね合いで色々とキツい縛りがあって、アニメスタッフは頑張ったんだけどこれが限界だった??


と辛口なことが続いたので、ここでちょいとフォローめいたことを。
この作品、考えれば考えるほどフブキが疑わしい。
最後に一番得したのは誰?を考えると、地位はそのままに婚約者のアリスが復活してくれたフブキじゃん?
色々と政府の裏事情を知っておきながら(というか脳アンプルを使ってたセイランの施設と繋がりがある、いわば実行犯)矢面に立たされ処罰を受けたのはカイトだけ。
もしかしてカイトをハメた?
25話でクナドゲート消滅作戦のついでに断絶の帯の消去を持ちかけたのもフブキと“改心したと思われた”カレン。
カレンをよく知るフブキとしては、アリス救出を実はまだ諦めていないと見越してた?
10話で「ナギの抜かれた記憶データ(本当にそんなのが存在するのかどうかは不明、作中では出ない)が施設に保管されてる」と言って施設に行く様に仕向けたのもフブキ。
同じ回、カイトに呼び出しを食らったのに次の瞬間には自由の身になってたのも、どうやって切り抜けたのか謎。
「ナオミが怪異化するのを目撃した記憶」を消すために病院(施設)で人格矯正を受けるところをフブキが阻止したが、ナギだけはそれが間に合わなかったとのことだが、これだって疑わしい。

ガルマを欺いたシャアの様に、フブキはカレンを欺いて自分に都合の良い様に誘導してた?ユイト達はそれに巻き込まれた?

──な~んてことを思ったり。
ってことで、最後の最後、フブキがそんなことを匂わす素振り・全てはフブキの思惑に踊らされてただけだったのでしたー、みたいなことを見せてくれたら大逆転できる芽が残ってたんだが…そんなことは起きませんでした。
実は心の奥底でベルペッパーを蔑視してたとかやれば最高だったのになぁ(ってかそうでないならベルペッパーの設定も要らないと思う)。
いやぁ惜しい、惜しいというよりかなんか外してるんだよね。
ひょっとしてゲームでは…?、と思わなくもないけど、そっちに手を出すまでの意欲は湧かなかったのが実情。

ってかこの発想──懇意にしてくれた仲間が実は黒幕──って前にもしたなぁ。
あっ、“シャチバト”のガイドさんか。
あっちもそういう風にすれば逆転(それまでのマイナス評価が最後でプラスに転ずる、視聴した自分も報われた気がする)が出来たと思うのだが、何でやらないんだろう?


総評としては、まぁゲームやればいいんじゃね?アニメは見ても見なくても…って感じ。
原作のゲームでは意味があるのかも知れないが、アニメでは意味の無い設定が多い、ゲンマの裏切りはホント要らなかったと思う(これが無ければ3話切りされる率はずっと下げられたんじゃないかな)。
スオウとセイランの対立も理由がよく分からんままだし、「人間が怪異化する」が起こりえる世界において、作中で政府の行ってた程度のことは非人道的だとは思えない、“ヤマト2202”のG計画より温い。
それでいて「何故ナオミは撃たれたのか」は明かされない、どういうこっちゃ?
よく似てると比較に挙げてた“PSO2 epオラクル”は登場するキャラが悉く「こう見えて実は…」という二面性を持っていて、それを把握すればキャラを覚えるのと同時に自ずとストーリーも頭に入る作りだったが、こっちはそうではなくキャラとストーリー別々に覚えないといけないのでかなり億劫。
七剣星(セプテントリオン)という称号がありながら六芒均衡の様なバランス配分も無いし、これも要らん設定かと。
とりあえず序盤3話まで(もしくは5話まで)の取っ付きの悪さは近年随一なので、それがどういうものなのか物見遊山で見る分には良いかも知れない。
あ、それと「ここはオレに任せてお前は逃げろ」って展開が4回あるので、それが何処なのか指折り数えながら見るのもいいかも。{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 12

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

その緋(あか)は解放か、断絶か

この作品は、テレビ放送とほぼ同時にゲームが発売されたようですが、基本的にオリジナルアニメだったようですね。
視聴する前は、作画に気合の入った作品…程度の情報しか持ち合わせていませんでしたが、瀬戸さん、高野麻里佳さん、ほっちゃんが出演されているのを知って嬉しくなったのを覚えています。


新歴2020年。

人類の多くは、思考や意識を外界に作用させる力、「脳力」を生まれながらに備えていた。
その生活は一見便利で、平和にも見える。
しかし実際は、成層圏より降下する異形の生命体・怪異の存在が
彼らの命を脅かしていた。

怪異を討伐すべく、ニューヒムカ政府によって結成されたのは怪抜軍。
ひと際強い脳力の持ち主、「超脳力者」によって組織された軍隊だ。
超脳力は、発火、超高速、透明化など、個人により様々な発言の形をとる。

念力の超脳力を持つユイト・スメラギは、幼い頃、怪異の襲撃から怪抜軍に
よって救われた。
以来、志願兵として厳しい訓練に耐え、ついに入隊の日を迎える。

一方、スカウトで怪抜軍に入隊したカサネ・ランドールは以前より不可思議な
夢を頻繁に見ていた。

「赤い糸から手を離さないで」――

カサネが夢で告げられる言葉の意味とは?
怪異の正体、そして隠された世界の秘密とは…。

ユイトとカサネは、抗えない運慶に巻き込まれていく。


公式HPのINTRODUCTIONのうち、第1クール分を引用させて頂きました。

公式サイトはゲームと連動しており、簡単にゲームサイトに移動することができるのですが、ビックリしたのはゲームのお値段…
ゆうに1万円を超えてくる価格設定になっているんです。

最近ではスマホのソシャゲなど、基本無料でプレイできて後からコンテンツを楽しむために課金していくシステムが殆どだと思っていましたが、Xbox、PlayStationといったゲーム機を使うゲームは、これが定番なんでしょうね。
現時点で既に4万本以上売り上げているそうですが、もう少し売り上げが上がらないと厳しそうに見えるのは、私だけじゃないと思います。

でも、見方によっては廃課金することなくプレイできるのは、プレイヤーにとっては優しいかもですね^^

物語は壮大…だと序盤は思っていましたが、終盤まで来るとだいぶこじんまりした感が否めませんでした。
圧倒的な力の成し得る技なんでしょうけれど、周りを振り回しすぎ…と言われても仕方の無い展開だったと思います。

そして、物語の設定も少々難解だったような気がします。
例えば諜報…スパイだと思ったら簡単に寝返ってみたり、ゲーム的な要素としてなら面白いのかもしれませんが、一つのアニメ作品として捉えると、どうしても分かり辛さを感じてしまいました。
組織や舞台設定に対してもう少し詳しく説明して貰っていたら、もう少し理解が早かったと思います。

完走後に振り返って思うこと…
物語が集結したイメージが全くありませんでした^^;
やはり、TVアニメと同時にゲームが発売されている影響でしょうね。
物語の核心に迫ってしまうと、ゲームの打ち上げにも響くでしょうから…

それは理解できるんですけど、それならオニアリエンドで怪異や設定の顛末を描いても良かったのではないでしょうか。
物語として一応終わっているのですが、登場人物の行く末だけじゃこの物語は終われないと思うのですけれど…

オープニングテーマは、THE ORAL CIGARETTESさんによる「Red Criminal」と、「MACHINEGUN」
エンディングテーマは、Yamato(.S)さんによる「Fire」と、Ayumu Imazuさんによる「Stranger」

2クール全26話の物語でした。
26話もの尺を使っているのですから、物語をもう少し掘り下げられたような気がします。
作画は頑張っていましたが、終盤にもなると若干の崩れが目につきました。
アニメーション制作はサンライズなんですけどね…
グッとくる展開が無かった訳ではないので、それなりに堪能させて貰ったんだと思います。
これ以上の掘り下げが気になるならゲームをプレイするしかなさそうですね^^;

投稿 : 2024/11/09
♥ : 5

郷音 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

その緋(あか)は解放か、断絶か

2021年放送アニメ。同名ゲームのアニメ化。

多くの人類が超脳力を使える世界で、どこからか現れる怪異と戦う物語。

正直前半は「?」というシーンが多いです。

オリジナル用語が多く出てくるので一度忘れるとなかなか話についていけないです(レッドストリングス、クナドゲート、アラハバキなど)

僕は原作ゲームをやっていた先輩に勧められて見たのでその人に解説してもらいながら見たのでなんとか理解できました。6割くらい。

それなかったら多分途中で切ってたかも。

ただ後半は謎が解けて熱い展開もあるので見て損はないです

個人的に好んで見るジャンルではなかったのですが結果的には楽しめました

魅力的で個性的なキャラが多い割には二次創作少ないのが残念です。やはり知名度か…?

2クールなのでオススメはしにくいから原作ゲームをやろう!

クリアまで80時間くらいかかるらしけどw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3

63.4 18 コンピューターアニメランキング18位
機甲戦記ドラグナー(TVアニメ動画)

1987年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (40)
206人が棚に入れました
舞台は西暦2087年。月に誕生した軍事政権による統一国家・ギガノス帝国が地球連合に対して一方的に独立を宣言し、宣戦を布告。戦火はスペースコロニーと地球本土に拡大し、月面のマスドライバーやメタルアーマー (MA) などの兵器によって、地上の7割[3]はギガノスに占拠されていた。そんな中、スペースコロニー「アルカード」の住人である主人公・ケーン・ワカバ、タップ・オセアノ、ライト・ニューマンの3人は、ひょんなことから新開発メタルアーマー・D兵器(ドラグナー)のパイロットとして登録されてしまい、追撃部隊を撃破する。こうして、彼らはギガノス帝国の追撃艦隊と戦いながら地球連合軍本部を目指すことになる。

自分はなんだったのか さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

サンライズのお約束

サンライズが得意とするロボ系

地球連合とそれに対する敵(ギガノス帝国)との物語
流れ的にはガンダムに似てます
主人公達3人が住んでる宇宙コロニーで戦闘に巻き込まれ
偶然の出来事でタイトルでもあるドラグナーに乗り戦争に駆り出される

80年代モノですが作画はいいですが
これははっきり言ってサンライズのロボ系が好きじゃないと飽きると思われます
理由は様々ですが4クール48話あるためか中だるみ傾向にあります
中国大陸に入って出てくるグンジェムあたりは
北斗の拳に出てくるようなキャラクターで、なんだこりゃ?みたいな

でも今になって見ると当時は感じられなかった事とか思えて
私にはとても懐かしく見れました

因みに後半のOpとEdは当時アイドルだった山瀬まみさんが歌っています。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 22
ネタバレ

ユニバーサルスタイル さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

帝国の腐敗とともに崩壊していったストーリー

1987年にサンライズにて制作されたリアル系ロボットアニメ。

流れとしては、Zガンダム・ガンダムZZ・レイズナー辺りの後に制作されたため、それらの影響が強いと思われます。


一応あらすじですが、長いので注意。

{netabare}
地球に住む人類に不満をもつ人間たちが、月に軍事独立政権を樹立し地球に対して一方的に独立を宣言した。
彼ら『ギガノス帝国軍』は地球を自分達だけの星にするため、スペースコロニーと地球に侵攻を開始する。
地球の人間も『地球統合軍』を組織し、帝国軍と統合軍の戦争は激化していった。


スペースコロニーで生活していたケーン・タップ・ライトの三人の若者は、
突然帝国軍の部隊に襲撃され、なりゆきでその場にあったロボットに乗り敵を撃退する。
そのロボットは統合軍の最重要軍事機密ともいえる代物であり、三人はこのロボットを地球にある統合軍本部まで運ぶよう命令される。


これら三体のロボットはD兵器、通称『ドラグナー』と呼ばれ、一度搭乗者として登録してしまうと簡単に他の人間は搭乗できない厄介なシステムであり、三人は抗うすべもなく、この命令に従うのだった。
{/netabare}


最初通しで見たとき後半の展開に唖然としてしまい、低評価にしてしまいました。が、駄作と評するにはあまりに勿体ない作品だと思ったのでもう一度その魅力について。


まず何より、主人公のケーンをはじめとする三人組の面白さですね。
どこかでズッコケ三人組と言われているのを見てなんとなく共感しました。

彼らは帝国軍・統合軍という対立軸や戦争という行為に関係なく、ただ自分たちの平穏を奪ったギガノス軍に一矢報いてやる!という半ば利己的な意志で敵を撃退していきます。

既存の戦争モノに風穴を開けるがごとく、豪快で愉快な三人の快進撃は見ていて非常に爽快感がありました。


MA(メタルアーマー)と呼ばれるドラグナーについても、三者三様の個性的なデザインは一線を画しています。

特に頭脳派のライトが操る3型[D-3]の見た目の異様さと言ったら凄いです。電子戦用のメカが前線で活躍するってけっこう新鮮でした。


音楽も軽快で楽しい。とてもワクワクしますね。

それから、OP「夢色チェイサー」がカッコよすぎます。
鮎川麻弥さんの歌声も鷺巣詩郎さんの演奏も完璧!映像も細かい所まで凝りに凝っていてハイレベルです。


キャラ・ロボット・音楽、様々な面で新しい試みが見られたのは評価すべきです。
リアル系、と肩ひじ張らずに気楽に楽しめる作品だと思います。
リアルと言っても凝り固まったパターンやデザインに捕らわれず、「自由」に作ろうという意識が根底に見えます。
若者の反骨精神が生むエネルギーとか自由を謳歌する楽しさとか、多少古臭さはあっても今なお共感できる部分もあるんじゃないでしょうか。




路線変更後・・。
{netabare}
当初異例の快進撃を成し遂げた三人組。しかし、これが続くのも彼らが地球に降り立ち任務を遂行するまで。


その後の展開は、結局奇を衒ってはみても今までの軍人同士が闘い合うだけの戦争に他ならず、元々のキャラの魅力もみるみる衰えていくようでした。

いや、最早戦争という形となっていたかどうかさえ疑問です。

帝国が身勝手な理由で争いを起こし、結果身勝手な者共の手で自滅していく。

ただのテロリストの暴動のように映ってもおかしくないと思います。

世紀末と化したグンジェム隊辺りとか、個人的にかなり苦痛でした。

今から見る人には、1話~13話、または24話辺りまでなら勧められますが、その先はあまり目新しい面白さは感じられないと思います。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/09
♥ : 9

ひげ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7

見たとおり、ガンダムの正当な後継作品

サンライズが模索した新たなロボットアニメ。飛行用のバックパックを装着することでかっこいい空戦ができる。当時の流行といばそう。しかし目の付け所はいい。
不細工な3号機が総合的に最強、ダントツな高コストというのも今でも印象的。劇中でも別格扱い。最強ゆえにお約束のバージョンアップもされない。ほんのちょっとだけ。
凶悪な電子戦機で、索敵、ジャミングによるミサイル攻撃の無力化どころか相手コンピューターの乗っ取りまでできる。
スタッフも言う、D3は戦う必要がない。


肝心の作品自体のターゲット、方向性が非常に中途半端でどういうことがやりたかったのが謎である。子供向けのようでそうでない・・前身のZZ以上に製作の苦悩が伺える。初期はZZ+トップガン的なノリ。しかし後半はワタルのような荒唐無稽な子供向け。まぁだいたいバンダイのせいだろうけどさwww。
そのせいか、敵もグン・ジェムたち以外は光るやつがいない・・

それを体現していたのがライバル、マイヨ。
まったく魅力を感じないのと、何がしたいのかよくわからないキャラだった。基本自分からどうこうってのがない。
最初はまんまシャアなんだけど・・その後はネタバレになるので、観ればわかる。今の人はゲームでどうなるか知ってるでしょ。

ワタル誕生の伏線になった作品と考えるのが妥当か。
バイファムのほど子供目線でもなく、ガンダムほど大人でもない。考えに考えた結果、生まれた答えがワタルだったんだね。

ただ大張氏のOPだけでご飯何杯いけるという・・・かっこよすぎてバンダイからクレームがきてしまったのは伝説。
プラモとあまりに違ってしまうから問題になると。。。
現在ではそのOP版『通称バリグナー』として同じバンダイから買える。いい時代だと思わんかね。。
OPが汚れた英雄っぽい?それ言っちゃダメ。

ドラグナーの設計コンセプトは時を経てガンダムSEEDに受け継がれます。ちょっと感動的。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 7

64.3 19 コンピューターアニメランキング19位
バビル2世[1973年](TVアニメ動画)

1973年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (37)
179人が棚に入れました
毎晩夢の中に出てくるバビルの塔。その塔から今夜使者が訪れ、自分を連れていく。平凡なはずの少年、古見浩一は、いとこの由美子にそう話した。由美子たち家族が半信半疑で見守る中、怪鳥が現れ、浩一をさらっていく。浩一が夢に見た塔バビルの塔で告げられた真実は驚くべきものだった。バビルの塔とは、古代に、宇宙船の故障によって地球に降り立った異星人・バビル1世が残した超科学的な遺産であり、異星人の血を引く浩一が受け継ぐにふさわしいと判断されたというのだ。浩一は、その日以来、バビル2世として、バビルの塔の新たな主となる。バビルの塔と共に残された3つの僕、怪鳥ロプロス、海に潜むロボット・ポセイドン、変身能力をもつロデムを従え、眠っていた超能力を目覚めさせる。そして、バビル1世の能力を受け継ぎ、世界征服を企むもう一人の男、ヨミの野望と戦う。

イムラ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

桃太郎と三つのしもべ

<2019/9/27 初投稿>
原作は後から読みました。
横山光輝御大原作。

本放送時は観てないですが、物心ついた頃くらいに夕方よく再放送してて。
なんか好きでしたねえ。

超能力の概念に初めて触れたのがこのアニメなんだと思います。

主人公はバビル2世こと山野浩一さん(中学生・超能力者)
アニメの前半では常に一張羅の学ランでした。

使う超能力は
「テレパシー(読心能力)」
「火炎放射(パイロキネシス)」
「念動力(テレキネシス)」
「エネルギー衝撃波」

ワクワクしたの覚えてます。
ビルからビルへ飛び跳ねてるし

バベルの塔って単語知ったのもこのアニメ
さりげなく古代文明絡めてくる辺りの渋さも持ち合わせてます。

またOP曲がつとに有名。
おそらくネットに転がってるんでご存知ない方は一度聞いてみることをお勧めします。
またED曲も渋くて良いです。

一方でバビル2世といえば「三つのしもべ」が有名。
ロプロス=鳥=空
ポセイドン=水中戦用ロボ=海
ロデム=黒豹のふりしたアメーバ生物=陸
と陸海空取り揃えております。

桃太郎でいうところの雉と猿と犬みたいなもんですが、彼らがまた個性的。

ロプロスさんは鳥にしてはとにかくデカい。
ポセイドンさんはジオン軍で言うところのズゴックやゴックのご先祖みたいなもんで。
ロデムさんはいいですね。
ロデム欲しかったなー。
普段は黒豹の姿形してますが何にでも化けられる。
喋ることもできるし仕事も有能。
しかもイケボ。
ふらいんぐうぃっちのチトさんみたいな感じで側に置いておきたいです。

という感じのアニメでした。

ところで作者の横山光輝御大。
この方凄いですね。
おそらくいろんな漫画の元祖だと思われます

以下、検証はしてませんが推測では
超能力漫画の元祖
巨大ロボ漫画の元祖
タイムトリップ漫画の元祖
歴史漫画の元祖
魔法少女漫画の元祖
さらに忍者漫画も描いてます。

手塚治虫先生と並ぶ巨人だと思ってます。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 29

天神 羅愚羅 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

火炎放射だ、電撃だ!

・・・火炎放射に電撃って超能力なんだろうか?(゜-゜)

好きだったなぁ(゜∀゜)
ちょっと特異なアニメでしたね(´ω`)
 
ちょいと調べてみたら、再放送で見ていたらしく、新章に入る前(26話)までしかやってなかったようですね(゜-゜)

その後の何回目かの再放送で、27話以降(?)を観て、赤ちゃんがロプロスやポセイドンを
操るのを見て、彼がバビル3世だと思ってました(^_^;)
 
ええ、つい最近までそう思ってましたよ(゜Д゜)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 13

ポール星人/小っさ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

子供の頃一番感化された作品です

オッサンの私ですら本放送をリアルタイムで見てた世代じゃないんですが、再放送は何度も見ました。日テレで5時半からが多くてね~相撲のシーズンになるとジジイとチャンネルの奪い合いで大変でしたw

バベルの塔の後継者と3つの下僕対敵の超能力者ヨミとの戦いな訳ですが、もうね~カッコよくてね~。黒い猫見かければロデムだ~と追いかけたり、バベル2世ごっことなればポセイドン役の奪い合い。何故かロプロスはアレでしたがw
ロプロスは一回コテンパンにやられて外皮剥がれちゃったから子供心にイマイチに写ったのかな。ポセイドンより出番多かったのに。
敵側も不気味でカッコよかったんすよね~。石のブロックがストーンストーンと重なってって巨大なゴーリキーが現れるシーンは忘れられません。あと人造人間が何体もバベルの塔に攻めてきてポセイドンが迎え撃つ回、あれもよかった。

OP・EDも絵と曲併せて素晴らしいです。
若い方は見た事無いかも知れませんが、web上に転がってるので見て欲しいです。この年になってもたまに聞きたくなるんですよね~。

唯一残念なのは後半のバビル2世の衣装が学生服から昔のアニメにありがちな妙チクリンなツナギになっちゃう点ですかね。ありゃ子供ながらに醒めたなw

子供の頃大好きだったものが今になって見返すとガッカリしちゃうなんてことは理解してるつもりです。でも、個人的にはこれとゲッターロボは正直金出しても手元に置きたいです。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 7

66.5 20 コンピューターアニメランキング20位
ルパン三世 グッバイ・パートナー(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (24)
174人が棚に入れました
今回ルパンが狙うのは、海底に隠された“タイムクリスタル"。全世界を混乱に陥れるスーパー量子コンピューター。起動の“鍵"を手に入れたルパンの前に、最強の敵・次元大介が立ちはだかる。仲間であるはずの次元の裏切り…。そしてルパンと共謀した罪で逮捕された銭形警部の運命は!?

声優・キャラクター
栗田貫一、小林清志、浪川大輔、沢城みゆき、山寺宏一、諏訪部順一、寿美菜子、塩田朋子、小山剛志、上田燿司、内田莉紗、内田夕夜、佐々木省三、内野恵理子
ネタバレ

yuugetu さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

最先端とロマンの激突

アニメ『ルパン三世』のテレビスペシャルシリーズ第26作。2019年1月25日に放送。
好きなアニメ監督が手掛けておられたので視聴しました。

TVスペシャルだけあって全体的なクオリティが高く見やすい作品です。
物語は多数の題材を扱っているため詰め込み感はあるかも。そうした理由が見つけられるとお気に入りになると感じました。
全体的に穏やかで優しい雰囲気なので、アダルトな雰囲気のルパンが好きな人は物足りないかな?

個人的に気に入ったのはコンテ・演出の巧さも理由です。導入からOPがとってもいいですよ!
嫌味な感じもなくてオススメな作品でした。

【総評】
グッバイパートナー、最先端とロマン・レトロの激突ってのが面白いですよね。
様々な題材をこれでもかと詰め込んだ理由はここにある気がします。
{netabare}
ロイにとっては古い形のあるものは全てガラクタ。実物の腕時計をロマンと言った不二子とは対照的に描いている。アリサや音楽家にとって歴史的価値のあるものに対してもロイは興味がない。

面白いのはロイの部下・加藤の最先端AIへの恋はむしろロマンである点ですね。
AIエミルカはショパンの夭逝した妹をモデルにしていて、心でも持ったかのように振る舞い最後にはボディを獲得する。ショパンコンクールファイナルの観客席に加藤と共に座っているのですよね。
美しいと感じたアリサのピアノを聞くことが、AIエミルカが最初に抱いた願いだったのかと思うと、AIエミルカも存在自体がロマンです。

そして西部劇さながらのシチュエーションで次元が早撃ちでロイを葬るシーンもロマン。不可能を技で可能にする五右衛門は言うに及ばず。
ルパンも不二子も最先端を上手に扱い目的を果たしており、作品内で最先端が悪いとかいう描写ではないんですよ。でもその対立のお陰で、次元とロイの両極端な姿が浮かび上がるのは世界観構築の妙と言えるかなと。

ルパンⅢ世という歴史ある作品には通底するテーマなのかもしれません。現実における技術の発展を作品世界に巧く織り込んだ作品だったのではないかと思ます。
濃くて面白かったです。{/netabare}


【ツイッター感想】
{netabare}
バディものとしてルパンと次元が対立→相棒に戻るのがメインの流れ。次に印象強い二人組が不二子とアリサ。ラストでアリサの演奏を聞く加藤とエミルカかなあ。

冒頭のルパンの盗みのシーンから演出良いし、音楽が流石だなと。劇伴は勿論ピアノ楽曲とEDも。音楽のことはさっぱりだけど凝ってるのはわかる。
キャラデザがかなり好み。不二子が良い女タイプの悪女なので、さっぱりした感じよく合ってたと思う。人種の描き分けしっかりしてるのも好きだなあ。

不二子のロイ評が良い。不二子とロイは相手を利用してるのはお互い様なのが楽しい。

浮き輪がビックリドッキリメカみたいなのが面白い。他にも船とか戦闘機とか要塞とか遠距離砲とか誰の発案なんだ…?って思ってしまった(笑)
反面レトロ車への愛情もハンパない。手描き車は愛嬌あって良いよね。

五右衛門がちょっと和みになってるの良いよね。
ルパンって作品ごとに性格が少しずつ違う感じがあるけど、川越監督作品だと全体的に優しいキャラになってる…?

次元の昔の恋人のお話、語りすぎずこの位で納めるのが粋ですな。
カリオストロオマージュで次元が手品を失敗するのも朴訥さがにじみ出ていて良い。

旧ドイツ軍の列車砲ドーラに対して、ルパンの「バカだねえ~!!」が素敵な演技だなあと。
レトロとロマンは使い様・創意工夫と経験による応用で化ける。積み上げられてきた文化と遺物への敬意。

ロイの小物感、野望は大きいけど終わり方はさらっとしているのは狙っているんだろうな。

「影武者とは古風な」と五右衛門が言った時皆が彼の方を見る。(古風なのはお前だろ…)と言わんばかり。最後に馬に乗って帰るのも(笑)。ロマン・レトロの愛おしくなるような滑稽さ、五右衛門の剣技に内包された底の見えなさと奥深さ。

ED曲のカランコエ良かった。{/netabare}
(2022.1.1)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 3

まだ初心者 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

面白い

AIとか量子コンピューターとか今っぽいテーマで面白かったです。
テレビで見逃した方はレンタルかgyaoとかの配信で観てください。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 1
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