コンピューターアニメ映画ランキング 8

あにこれの全ユーザーがアニメ映画のコンピューター成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2025年01月25日の時点で一番のコンピューターアニメ映画は何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

72.6 1 コンピューターアニメランキング1位
HELLO WORLD(アニメ映画)

2019年9月20日
★★★★☆ 3.7 (228)
1030人が棚に入れました
京都に暮らす内気な男子高校生・直実(北村匠海)の前に、10年後の未来から来た自分を名乗る青年・ナオミ(松坂桃李)が突然現れる。ナオミによれば、同級生の瑠璃(浜辺美波)は直実と結ばれるが、その後事故によって命を落としてしまうと言う。「頼む、力を貸してくれ。」彼女を救う為、大人になった自分自身を「先生」と呼ぶ、奇妙なバディが誕生する。「頼む、力を貸してくれ。」彼女を救う為、大人になった自分自身を「先生」と呼ぶ、奇妙なバディが誕生する。

声優・キャラクター
北村匠海、松坂桃李、浜辺美波、福原遥、寿美菜子、釘宮理恵、子安武人

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

今年もう『天気の子』を上回る厨二病映画なんて出ねーだろっと思った矢先にコレだよ!これをアニヲタだけのモノにしておくのはモッタイナイ!!やってやられた!!!

『楽園追放』を手掛けたグラフィニカによるトゥーンシェード調フル3DCGの完全オリジナル長篇映画
監督は伊藤智彦、脚本は野崎まど、キャラデザは堀口悠紀子、音楽はOKAMOTO'Sのプロデュースで集まった複数の次世代アーティストによるチーム、2027sound


舞台は2027年の京都
量子コンピュータとドローンのカメラによって京都の街並み、及び街で起こった全ての事象を観測し保存する「アルタラ」プロジェクトが試行されていた
主体性が無くて凡庸な男子高校生だった堅書直実
ある日、彼は3本足のカラスに導かれるように2037年から来た大人になった自分だと言う人物、「先生」ことカタガキナオミと出会う
先生によれば自分が現実だと思っているこの世界や直実自身は、アルタラの中に保存され、仮想世界の中に再現された過去の京都だと言う
ではわざわざ仮想世界に降り立った未来人の先生の目的は?
それはこれから直実と恋仲になるという無表情な少女、一行瑠璃が死亡事故に巻き込まれるのを阻止するためだと言う…


極力ネタバレを廃してオススメしたい作品ではありますが、とにかく終盤及びラストの展開が素晴らしいのでその魅力を語るのが難しい;
ついでに他の方々のレビューも秀逸で僕自身で今作の魅力を新たに掘り起こせそうには到底ありません;


とりあえず注目したいのは今作に散りばめられた“厨二病要素”です
今年最大の厨二病映画といえば『天気の子』のラストが真っ先に思い浮かびます
好きになった女の子1人を助ける為になら警察から逃走したり東京の街をまるごと滅ぼしても構わない、とはあっけに取られましたよね
恐るべし新海、と


これでもうしばらくは『天気の子』を上回る厨二病映画は出ないだろうと思っていました
ところが僅か2ヶ月でその安寧は破られましたw
今作がソレ
先生は直実に一行さんを守り抜く為の力として「神の手(グッドデザイン)」と呼ばれる手袋を貸し出す
右手で触れるだけで物質を変質させたり物理法則を変化させられるトンデモないチートアイテムですw
終盤の直実はコレを使いこなせるようになり、指パッチンをするだけで世界を歪めたり物質を召喚出来たりする様になります


察しの良い方はお判りいただけると思いますが、思いっきり『アベンジャーズ』ですw
特に『ドクターストレンジ』はまんまと言っていいでしょう
あまりのクサい内容をさもスタリッシュなアクションシーンにしてしまったのは笑ってしまいます


また、中盤で描かれる仮想世界の崩壊はこれまたハリウッド映画の『インセプション』を参考にしたと明言されています
もはやマーベル映画をクリストファー・ノーランが監督した、みたいな画になっていますw


さらに後半、一行さん1人を救う為に(イチギョウさんを救いたいナオミを救う為に)街を滅ぼす事よりももっとスケールのデカイことをシデカスわけです
劇中では開闢とか言われてましたね
素晴らしいw
ナイス厨二病!
良い意味で最高にイカれてます


コレを盛り上げるのが先述した2027soundで、エピックな劇伴やエレクトニカなアップテンポ、そしてボーカルソングといった具合で「また『君の名は。』の二番煎じか」等とは言わせない完成度です


今作、どちらかといえば普通のアニメヲタクよりもガチでSFや映画がお好きな方の方がドップリ浸かれると思います
所謂タレントキャストにも最初は違和感を感じると思いますがすぐ慣れることでしょう
そして最後にあなたは、一行さんの可愛さに惚れる事になるのです(笑)


まさに“やってやられる”と思いますw

投稿 : 2025/01/25
♥ : 20

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

仮想世界に魂の洗練を託す……挑戦的な3DCG映画

【物語 4.0点】
青春ボーイミーツガール、時間差を盛り込んだSF設定、ヤマ場でMV風演出……。

同時期、乱立したアニメ映画企画群の中でも、
本作はSFとして情報量多し。

現実に匹敵する仮想世界を観察するこの世界もまた仮想世界で……。
という入れ子構造を生かしたシナリオはSFとして刺激的。

俳優や音楽目当ての一般層よりも、
歯ごたえのあるSF設定も楽しみたいマニア向け。


『SAO-オーディナルスケール-』までの監督・伊藤 智彦氏が
引き続きVRMMO物をやりたいと始めた企画なので
『SAO』をテーマを咀嚼して体験したような方なら付いていける。

他にもSF関連や、
プログラム入門者が最初に紹介される例題から借りたというタイトル名、
PCゲーム『平安京エイリアン』みたいな惨状(笑)とか、ネタ多し。


これを既視感と断じるのは簡単だが、
私の場合、既視のSF設定等を当てにしないと理解仕切れなかったのも事実(苦笑)

なのでここはオマージュとして好評します。


脚本は野崎 まど氏。“脚本テロ”による奈落突き落とし等を警戒される方もいると思いますがw
むしろ昨年、私が劇場鑑賞したアニメ映画の中でも、本作の余韻の良さは屈指でした。


一方で解釈しきれない謎も残される。

本作にはBD特別盤同梱or一部配信サイト限定で、
大人・ナオミ視点で綴られた短編アナザーストーリー『ANOTHER WORLD』もありますが、
それで補完し切れない点もあり、鑑賞者の想像に委ねられる。


【作画 4.5点】
果敢なセル画寄りの3DCG作画。

群衆やアクションに長があるCGの力をしっかり濫用する一方、
意外に日常ラブコメシーンも多い本作。

CGが不得手な萌えやコミカルも提供しようと、
制作に「フェイシャル・スーパーバイザー」なる顔面チェック担当のポジションを設置。
さらに勝負所ではキャラクターデザインの堀口 悠紀子氏自らが原画を担当するなど、
人物の表情に不自然さが生じないよう尽力。
成果は赤面するヒロイン等に確実に現われている。

ただ、それでも私はラブコメは手描きの方が好きですがw
けれど本作の挑戦は評価したいです。


日本有数の計画都市である京都。
碁盤状の古都に近未来の仮想世界が重なり、現実をひっくり返す描写はダイナミック。

私のツボ:見下し視点で描かれた、
区画ごとマス目を動かしてピンチ脱出を図る想像力爆発シーン。


【キャラ 4.0点】
ヒロインの一行さん。感情希薄な図書委員。ツンデレ成分配合。
彼女に萌えるかどうかが特に前半日常パートを楽しめるか退屈するかの分かれ目。

萌えキャラとしては標準的な属性の一行さんだが、
文化系でも意外と強気で頑固な性格がツンとして消費されるだけに終わらず、
濃厚なSFシナリオの中でしっかりと回収されるのが評価ポイント。

私の中で、一行さんは萌えキャラでもあり、ある種の燃えキャラでもあるのです。
さあ、「やってやりましょう」


多分に生き方を問われるシナリオ構成の中で、
主人公少年・直実と外部世界から来た大人・ナオミが、
世界との関わり方を通じたキャラ立ちにより、
テーマを深化させているのも〇。


【声優 3.5点】
直実 CV.北村 匠海さん。ナオミ CV.松坂 桃李さん。ヒロイン CV.浜辺 美波さん。

実力も人気もあり、かつアニメへの理解もある若手俳優陣でメインを固める。


ただ、この役者さんたちの演技力を引き出したかと言うと、
私はもっとやってやれた感じもします。

映像にしても状況理解に想像力が求められる本作にて、
アフレコ(映像に合わせて収録)ではなくプレスコ(声を収録してから映像)で、
台本だけで、SF設定が絡む場面を思い浮かべながら声を提供する
というのは俳優陣にとってはかなりハードルが高かったのかもしれません。


大人・ナオミ役も声は合っていましたが、
一方で、上記の『ANOTHER WORLD』では声優・松岡 禎丞さんが大学時代を演じていて、
正直、本編も松岡さんで良かったじゃんと言う気持ちが抑えられませんw


脇を固めた声優陣はプレスコでも盤石。



【音楽 4.0点】
気鋭。

OKAMOTO`Sらが若手アーティストらを束ねたチーム「2027Sound」が、
多彩な劇伴&楽曲を提供。
Official髭男dism「イエスタデイ」、OKAMOTO`S「新世界」といった主題歌は、
キャッチーなメロディがBGMとしても再三アレンジされ、堅いSFの大衆化を試みる。

……の割には興収……伸びなかったな……(遠い目)


【感想】
仮想現実がリアルに追い付き追い越した時、何が起こるのか?

『SAO』や他のSF関連でも再三問われて来たテーマに改めて挑んだ本作。
これらの作品群に通底するのは、
魂の虚実が問題なのではない。リアルでもバーチャルでも邪悪な意志はある。
バーチャルを見下し悪用しようとする人間もいる。
そんな中でも、善き魂が残り、新しい世界の道しるべになって欲しい。
こうした近未来に向けた願いなのだと思います。

この春にラストシーズンを迎える
『SAO』のテーマを受け止めるためのお供にもオススメしたい、
良作SF映画です♪

※初回投稿4/10

【追記】
……と思っていたら、『SAO』も新型コロナの影響で放送延期に……。
厳しい春ですね……。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 34
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この世界はラスト1秒でひっくり返る

まぁこういうキャッチコピーがついた作品には
いつも痛い目に遭ってばかりなので
相当身構えた状態で観に行きました

そもそも原作・脚本が野崎まど
という時点で大どんでん返しがあるのはわかりきってるわけで
ただそれが「正解するカド」の時のように
悪い方向にひっくり返る可能性も少なくない
というのが事前の予想

野崎まどはデビュー作【映】の頃から注目していたアーティストではありますが
もともとホームランか三振かみたいな作家さんです
それがアニメという一人では作れないプラットホームにやってきて
他のスタッフの仕事を生かすも殺すも彼次第になり
いわば満塁ホームランかトリプルプレーかみたいな
よりリスキーな状態になったという認識
そして第一打席であった「正解するカド」は
味方の援護も微妙なところだったので
ランナー無しからの空振り三振といったところ

続く第二打席がこの作品
キャラクターデザインに堀口由紀子
監督はSAOの伊藤智彦
人気の高いクリエーターと組んで失敗に終われば
これはもう野崎まどが戦犯だと言われても
擁護のしようがないでしょう

そこにきてこのキャッチコピーです
ラストのどんでん返しが売り
というよりも他に見どころがない
そんな印象を受けるキャッチコピーです
これは四分六で併殺コースかなぁと
なかばあきらめモードで観に行きました

結論から言うと
ラストの部分を除いても
骨太のSF作品としてきっちり成立していた上
ラスト1秒・・・は言い過ぎにしても
ラスト1シーンで世界は見事にひっくり返りました

この鮮やかなラストは
野崎まどの本領発揮
最後の最後で見事な逆転劇
まさに逆転サヨナラ満塁ホームランといったところ

ただし、SF作品としてのストーリーの秀逸さは文句なしですが
それを一本の映画作品に収める際の尺のバランスに関しては
冗長な部分と駆け足の部分両方が存在したので
そのあたりを加味してストーリーは4.5としました

ストーリー以外の部分として
タレントキャストの男性陣は悪くなかったと思います
メインヒロインがだいぶ棒気味ですが
彼女自身の設定が若干コミュ障気味なので
あれはあれで悪くない気がしました
演技力の低いタレントキャストでも
使いようによってはどうにでもなるということですね

もっとも一流のプロ声優にかかれば
ほとんど言葉をしゃべれないようなキャラでさえ
非常に魅力的に演じられるということを
ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝で
悠木碧が見事に証明してくれたのに比べると
あくまでタレントキャストのダメージを軽減することに成功しただけで
決してプラス評価できるような演技ではありませんね

映像面は堀口キャラの愛くるしさはとてもよく表現できていたと思います
ときどき挟まれるコミカルなデフォルメ顔も嫌いじゃないです
アクションシーンの迫力もまぁ及第点かなというくらいではあったのですが
中盤以降警戒色の昆虫みたいな色合いのキャラというかエフェクトが増えて
非常に目が疲れるアニメーションだったのは
ちょっとマイナスポイントでした

音楽は全体的に悪くないですが
作品の雰囲気に合ってるか?
というのが若干微妙な気がしなくもないです

作品全体としては全てが完璧とは言い難いですが
緻密なSF考証とあっと驚く展開が売りの野崎まど作品が
アニメ作品として十分に魅力的なものにできることが証明された
ということが非常にうれしいですね
今後もきっと素晴らしいSFアニメとトンデモ落ちの怪作を作ってくれるだろうと期待しています

ちなみにスピンオフのANOTHERWORLD
というWebアニメ(全3話)が
HPで有料公開されており
ひかりTVかdTVに加入で観れるようです
dTVじゃなくてdアニメにしてくれよ!
といいたいところですが
逆にdTVの無料お試しに温存の価値はあまり感じないのであれば
無料お試し期間を使って観るのもありかもしれません
ただし視聴可能期間が結構短いので注意してください

おまけ(SF考証)ネタバレあり
{netabare}
今回の作品のもとになったネタは一昔前に少し流行った哲学論争
野崎まどは頻繁にこの手のものをネタに作品を書いています

「猿がタイプライターの鍵盤をランダムに叩きつづければ
いつかはウィリアム・シェイクスピアの作品を打ち出す」
という無限の猿理論をモチーフに
AIによる小説作成に切り込んでいった
「小説家の作り方」
なんかは元ネタがわかりやすいですねw

さて本作の主人公である堅書直実は
量子コンピュータによって過去の京都を再現した
シミュレーターの中のデータです
そしてその外から来た「先生」によって
自分が仮想世界の中のデータであることを知らされ
クラスメイトの一行瑠璃を救うために共闘します
そしてその「先生」のいた世界もまたシミュレーターで
シミュレーターを使って一行さんを助けようしていた「先生」は
シミュレーターを使って一行さんに助けられる側だった
というオチで終わりました

このシミュレーテッド・リアリティの中のシミュレーテッドリアリティ
という発想はシミュレーション仮説を意識してると考えて間違いないでしょう
シミュレーション仮説は哲学者ニック・ボストロムの提唱した一種の思考実験です

今から何百年後何千年後あるいは何億何兆年後
科学技術が発達していけばいつかは本物と見分けのつかないような
「世界」そのもののシミュレーターを作ることができるようになるのではないか?

そのシミュレーターの中では
人々が自分の世界は現実だと疑わずに生活している
そしてその仮想世界の住人達もいつかは
「世界シミュレーター」を作り出す
シミュレーターの中のシミュレーターもまた世界シミュレーターを作り出し・・・
という具合に無数の「世界」が生み出されていくことになるのではないか?

ここから導き出される結論は次のどちらかです

A人類は世界シミュレーターを生み出せるだけの科学力を手に入れる前に滅亡する

B人類は世界シミュレーターを作り出し、その中に無数の仮想「世界」が作り出される
無数にある仮想「世界」の中にオリジナルの世界はたった一つ
我々の生きている世界がオリジナルである可能性は限りなく低く
我々はほぼ確実にシミュレーターのデータに過ぎない

これは物語の中の話ではありません
今これを読んでいるあなた自身が
シミュレーターのデータである可能性を示唆しているのです

Bが正しい場合
私たちの世界がシミュレーターであるはずがないと信じるのは
きわめて分の悪い賭けであり
自分たちがオリジナルである根拠はまったくありません

Aが正しい場合
実はこれですら自分たちがシミュレーションデータでないことが確約されるかというと
そうとも言い切れない部分があります

例えばこの宇宙が宇宙の外にいる人知を超越した何かが作り出したシミュレーターであるという可能性
そしてその発想を膨らませて作られた作品が「正解するカド」だった
と考えるといろいろ納得がいくのではないでしょうか?

あるいはちょうどこの話が流行った頃に作られた映画「マトリックス」では
コンピューターの反乱によって人類は眠らされ
仮想世界の中で偽りの人生を送っていた主人公ネオが
外の世界からのメッセージを受信し
自分が仮想世界の中にいることに気が付き目覚めるところから始まります

人類以外の存在が仮想世界を作り出し
その中に人類が生きているという構造は
仮想世界の中の人類が世界シミュレーターを作れなくとも
そこが仮想世界である可能性は否定できないという反証になります

さて実際のところ我々のいる世界はシミュレーターなのでしょうか?
シミュレーターという概念自体はとても現代的ですが
似たようなことを考えた哲学者は古代にもいました

今からおよそ2000年前荘子は次のように残しています

以前のこと、わたし荘周は夢の中で胡蝶となった。
喜々として胡蝶になりきっていた。
自分でも楽しくて心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。
荘周であることは全く念頭になかった。
はっと目が覚めると、これはしたり、荘周ではないか。
ところで、荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、
自分は実は胡蝶であって、いま夢を見て荘周となっているのか、
いずれが本当か私にはわからない。
荘周と胡蝶とには確かに、形の上では区別があるはずだ。
しかし主体としての自分には変わりは無く、これが物の変化というものである。

シミュレーション仮説は
自分は現実の人間だ!シミュレーターのデータであるはずがない!
という先入観から来る根拠のない思い込みを打ち砕くものですが
この考え方が議論を呼んだ背景には
自分がただのデータに過ぎないという可能性に
本能的に抵抗感を抱く人が多かったことがあげられます

シミュレーション仮説に強く抵抗する人は
もしも自分がただのシミュレーションデータに過ぎないならば
そんな偽りの人生に価値はないと考えるようです

しかし、映画マトリックスでネオと一緒に仮想世界から目覚めた男は
人類がすでに滅亡しかけているという事実を知らされ
「こんなことなら起こさないでくれればよかった」
と嘆きます

「先生」に直実は自分がシミュレーターのデータであると知らされますが
それをほとんど驚くこともなく受け入れています
これは彼がSF好きであるということから
「先生」に出会う前に既にシミュレーション仮説に触れたことがあり
自分自身がデータである可能性を自分なりに消化していたのでしょう

荘子もまた自分が本当は蝶であり
今ちょうど人になる夢を見ているのかもしれない
という可能性を否定しませんでした
あるがままを無為自然に受け入れるというのは
荘子の思想の中心となる考え方です

もしかしたら我々の住む世界は本当にシミュレーターのデータなのかもしれません
しかし、直実やネオのように外の世界の干渉を受ける可能性はほぼ0で
ここが現実世界なのかシミュレーターの中なのか
一生わからないまま生を終えることになるでしょう

たとえこの世界がシミュレーションだったとしても
その世界から出ないで生きていく限り
現実であろうとシミュレーションであろうと
何一つ変わりはないわけです
荘子の言葉を借りれば
主体としての自分に変わりはないのです

となれば本当に大切なのはこの世界がシミュレーターなのかどうかではなく
そこで幸せに生きているかどうかではないでしょうか?
{/netabare}

投稿 : 2025/01/25
♥ : 15

64.9 2 コンピューターアニメランキング2位
攻殻機動隊ARISE GHOST IN THE SHELL 「border:1 Ghost Pain」(アニメ映画)

2013年6月22日
★★★★☆ 3.6 (337)
2036人が棚に入れました
『公安9課』が最優先ラインの攻性部隊とはなり得ていない、A.D.2027。公安捜査の権謀術数に限界を覚える荒巻の前に現れたひとりの女─ 陸軍『501機関』所属・草薙素子三佐。 最高度のフィジカルと電脳戦スキルを備える一方、向こうみずで世慣れぬ未熟さをあわせ持つ草薙は、荒巻と不即不離の関係をたもちつつ、次々と発生する犯罪へと対処する。だがそれは、ゆりかごたる501機関との関係を問い直すことでもあった。上司であり保護者でもある野心の女・クルツ中佐との間に生じる軋轢。さらに、謎のウィルス『ファイア・スターター』の出現。困難な事件に立ち向かう中、『眠らない目を持つ元レンジャー』『所帯持ちの特捜刑事』ら、個性的な人的資源と気脈を通じる草薙。荒巻といつしか共有していた目的─『犯罪に対し常に攻性の精鋭実力部隊』創設へ向け、草薙は彼らを糾合してゆくこととなる。『攻殻機動隊ARISE』─これは草薙が少佐と呼ばれる前夜の物語である。

声優・キャラクター
坂本真綾、塾一久、松田健一郎、新垣樽助、檀臣幸、中國卓郎、上田燿司、中井和哉、沢城みゆき、浅野まゆみ、星野貴紀、野島健児、宮内敦士
ネタバレ

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6

押井じゃない!神山もいない!キャストも音楽も違う!だけど冲方丁が来たよ!つまりオイラが知る限り最高の攻殻だよ!

後に攻殻機動隊と呼ばれる『公安9課』のメンバーが一同に会するまでを、新たに書き換えた設定の元に描くという攻殻シリーズの【エピソード0】と呼ぶべき全4部作の第1話
今作では草薙素子、荒巻、バトー、トグサ、パズの5人が登場
各々のファーストコンタクトと、そして素子の旧所属である『陸軍特科501機関』が題材となっています










まずたったの全国20館の上映にも関わらず、あにこれ内でもまずまずの前評判
これには流石長寿作品ということで脱帽です
一方で、ネガティブな評価の多さに個人的には残念でしょうがないっす
【たぶん今年一番のアツイ作品になりそう!】というのがオイラの率直な意見だからです


既にGIS、SACといったアニメ化を経て原作者の手元を離れたと言ってもいいであろう『攻殻』という作品
そして今作は【第4の攻殻】と呼ぶべき新シリーズとなり、監督や脚本はおろか、キャストの総変更という大冒険に出ています


これは単純に好みなのかもしれませんが、このキャスト変更に関しては前向きに受け取ってます
特に主演のまーやはコドモトコも演じてるシリーズの常連
アップルシードのキャスト変更のときもそうでしたが、まーやを使うこと自体には特にデメリットを感じません
むしろ大正解、実に俺得(お
初めて攻殻に触れる人にもオヌヌメ


そして最もたる特徴なのが脚本の冲方丁の存在でしょう
攻殻シリーズらしい今作の事件のトリック{netabare}(電脳の記憶改竄、視覚操作){/netabare}、これを氏が得意とするサイコサスペンス調で描く様はこれまでのどのシリーズよりも手に汗握るスリルと興奮を誘います
(っていうかまんま『マルドゥック・スクランブル』なんですけどw)


犯罪心理やゴーストの在り処といった複雑で哲学的内容だった以前のシリーズと違い、映画らしいシンプルなドキドキを感じさせてくれるお話作りの今作
オイラは上映後にスタンディングオベーションを送りたかったくらいです



それと音楽
川井?菅野?いえいえ、それもええけど今作の劇伴はなんとコーネリアス
コーネリアスですよ!?小山田圭吾でしゅお!?
オイラの記憶によればエクスマキナ以来ですか
これがすげーんです、カッケーんすよ
エスニックな民謡でもブラックなファンクでもない、けどシンプルなエレクトロがこんなにも攻殻の世界観とマッチするとは・・・
灯台下暗しとはこのこと;


これに絡めてゆらゆら帝国の坂本慎太郎が作詞、小山田圭吾のサウンドプロデュースでsalyuが歌い上げる幻想的でアンビエントな主題歌もエンドロールでの心地良い余韻を生んでいます


こういった部分から攻殻を知らない人にこそ観ていただきたい作品だと言えます
サイバーパンクが流行らない昨今でこれだけの大作に出会えたことは感涙ですね


イイとこばっか語っていてもなんなのでツッコミどころをば・・・
なんと今作、完全義体であるはずの素子がシャワーを浴びるシーンがあります(笑)
これにはちょいと驚き
義体の取り扱い方が依然の作品の設定と違うのか、光学迷彩を装備していない点を見るとそもそも完全義体とは名ばかりで厳密には生身の部分が残っているのか
その辺は定かではない
ようはアレです、サービスカットってやつですか


あとマイクロソフトのタブレット型PCとコラボしたアニメCMが上映前に流れ、以前のシリーズを汚しかねないヘボいオマージュが多くて思わず吹き出しましたw
いくらなんでもあれはないw


ええでもまあ、タチコマの旧型と思しき新ガジェット(新キャラクター)の『ロジコマ』(CV:沢城みゆき)かわいいよぉ、かわいいよぉ


それに相変わらず日産車に乗ってますたね


キャラデザがどうのこうの言ってもそりゃ好みの差
黄瀬和哉、西尾鉄也、沖浦啓之・・・ってどうみてもいつもの攻殻です
1.5巻辺りの原作にも近いし、本当にありがとうございました!


今はとにかく次回作が楽しみでなりませんねー
(半年後らしいですけどねw)
次回以降の盛り上がり次第では今年のベストジャパニメーション!?
要注目ですぜb

投稿 : 2025/01/25
♥ : 28

ストン さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ちょwww サイトーの髪型が!!

いえ、この話にはサイトーさんは出てきません。
でも、攻殻の中で好きなキャラだったんですが、
OPで一瞬出てきたサイトーさんの髪型を観て噴きました。

ええええええ!

一体何が起こったのか、いや、まぁ落ち着こうか。

コレまで、ほぼ全部の攻殻機動隊シリーズを観てきて、
先日このARISEを見始めました。

このシリーズは、
今までのシリーズより少し前の時間軸で、
公安9課が出来る前のお話です。
4話まであるようなので、そこで発足するのでしょうか。

この第一話では、
草薙素子が荒巻と出会い、軍を退役するところまでです。

今までのシリーズを見ていたから何とか話についていくことは出来たけれど、
何の前知識もなく、いきなり見たら、
頭のなかが「?マーク」でいっぱいになるかもしれません。

攻殻機動隊シリーズ特有の、
電脳とネットの海の中で、
自分の記憶が正しいのか、自分が今見ているものが現実なのか、
他人からハッキングされているのではないか?
といった独特の状況をうまく描写していると思います。

ここまで書いておきながら、
コレ以上はネタバレなので、書きません^^;

また、今までの攻殻機動隊シリーズと違う部分は、
キャラクターの作画が少し変わったところと、
声優が刷新されたところです。

最初、素子を見た時、
今までよりも幼く感じました。
時間軸的に昔なので、ちょっと経ってからもう少しアダルトな身体に義体をいじったのかな、とも思いましたが。。。

声優に関しては、
今までの田中敦子さんがあまりにもはまり役だったので、
少々不安はありましたが、
なぜかあまり違和感を感じることなく上手だと思いました。

50分の作品ですが、
充実してみることが出来ました。

第二話が楽しみです^^

投稿 : 2025/01/25
♥ : 6

kuroko85 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

どうして「攻殻」のシリーズはこうもハズさないのか

もちろん、最初から期待を込めて
見ている。
その目線は他のシリーズと比べても格段にきついほど、、
私の中で「攻殻シリーズ」が一番、シビアな目で
鑑賞しているはずだ、、、
(次がジプリ作品かな、個人的に
川尻作品も辛く見る)
それにも関わらず、どの作品も必ず及第点以上の
レベルは必ずクリアしてくる。
(監督や声優を代えても)

この作品も十分満足させてもらった。
ARISEの言葉が付いている事から、
9課メンバー発足前と言う事は想像がついた。
題材としては扱いやすいとは思う。
ファンの中では、既に9課メンバーの
個性や能力は、大概浸透しているからだ、、、

今回の作品は、それをワザと裏切らず、
常套手段で責めてきた。
さて、イシカワやパズーはどう出てくるか?
続きが楽しみだ、、、

投稿 : 2025/01/25
♥ : 1

69.5 3 コンピューターアニメランキング3位
ルパン三世 ルパンVS複製人間(アニメ映画)

1978年12月16日
★★★★☆ 3.7 (242)
1360人が棚に入れました
一人の男が処刑された。その男がルパン三世であることは、鑑識の結果確実だったが、当然銭形が信じるはずがない。銭形はルパンが埋葬されているドラキュラ城へと赴き、そこでルパンの生存を確認する。銭形はルパンを捕まえようとするが逃げられてしまう。ルパンはエジプトでピラミッドから「石」を盗み出した。それは不二子の依頼だったが、不二子もまたマモーなる人物に依頼されていた。その石は人間に永遠の生命を与えるとの言い伝えがある「賢者の石」と呼ばれるものだった。マモーはルパンを使って不老不死に関する品物を集めていたのだ。しかし、ルパンは偽物を渡したため、マモーに狙われることとなる。

声優・キャラクター
山田康雄、増山江威子、小林清志、井上真樹夫、納谷悟朗、西村晃

◎TARGET さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

史上最強の敵マモーの狂気。彼は神になれるのか?

❏総評

 ルパン三世の初の劇場公開作品である。1978年作。

 TV第2シリーズの大ヒットにより作成された経緯がある。

 音楽や声優は第2シリーズを踏襲しているものの、
 作画は原作に近づける為、割と第1シリーズに近い感じで
 仕上がっている。

 ネタバレしない程度に導入部のあらすじ↓

 冒頭ルパンが絞首刑されるシーンから始まる。
 鑑識の結果、ルパン本人であることも確認される。
 しかし、銭形はルパンが本当に死んだとは信じられなかった。
 銭形はルパンが埋葬される古城へルパンの死体を確認に行く。
 そこで銭形が見たものは…


❏史上最強の敵マモー

 最近の作品はまだ見てないのでわからないが、
 TV第2シリーズの時代までに作られたルパンのストーリーで
 間違いなく最強の敵である。

 作中でマモーの正体が段々と明らかになってくるにつれて、
 彼の狂気性がゾクゾクするほど効いてくる。

 「神」を自称する強大な力を持ったマモーに、
 どのように対峙ルパン達が対峙していくのかが見所。
 (心理的な部分も含めて)


❏大友克洋「AKIRA」に影響与えてる?

 当作品とAKIRAを両方見たことがある人であれば
 一部、類似性が見いだせると思う。

 先に作られたのは当作品の方なので、
 大友さんがこの作品を見てインスピレーションを
 受けたのではないかと邪推してしまう。


❏最後に

 作画の好みは分かれると思うが、
 ストーリーは間違いなく面白い!

投稿 : 2025/01/25
♥ : 2

入杵(イリキ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

ルパン三世史上最高傑作

いままで本作を超えた映画,金曜ロードショーのTVシリーズは無いだろう。本作ほどルパンの良さを引き出した作品は他に無い。
カリオストロの城で見せたようなおじさまルパンの印象とは違い、ルパンの泥棒の美学や、未知への挑戦など本来のルパンらしさが生き生きと出ている。次元と五右ェ門は不二子の事で仲たがいするが、結局は腐れ縁でルパンを助けに行く。
マモーのところへ乗り込もうとするルパンに
次元が「行くな、ルパンっ!」と言ったシーンは良かった。
ルパンの未知への挑戦。銭形のルパンを追う姿。
ルパンと次元・五右ェ門の関係。不二子の謎めいた魅力。
そしてクローンというテーマ。
まさにルパン史上最高傑作と言えよう。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 13

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

ルパンの代表作品

不老不死をテーマとした劇場版第1作目の作品。
面白さは他のルパンの作品が上回るかもしれませんが、ルパンアニメとしての完成度はこの作品が間違いなくNO.1。
ルパンの作品は数多くあるのに、TV(地上波)で毎回再放送されるのは、私の記憶上おそらくこの作品とスタジオジブリが制作した「カリオストロの城」のみ。
この事実がこの作品の需要性を示しています。
まさにルパンアニメの真骨頂と呼ぶのに相応しい作品です。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 8

72.9 4 コンピューターアニメランキング4位
BLAME!(アニメ映画)

2017年5月20日
★★★★☆ 3.8 (215)
1199人が棚に入れました
テクノロジーが暴走した未来。人類の希望は孤独な旅人に託された――。

過去の「感染」よって、正常な機能を失い無秩序に、そして無限に増殖する巨大な階層都市。
都市コントロールへのアクセス権を失った人類は、防衛システム「セーフガード」に駆除・抹殺される存在へと成り下がってしまっていた。
都市の片隅でかろうじて生き延びていた「電基漁師」の村人たちも、セーフガードの脅威と慢性的な食糧不足により、絶滅寸前の危機に瀕してしまう。
少女・づるは、村を救おうと食糧を求め旅に出るが、あっという間に「監視塔」に検知され、セーフガードの一群に襲われる。
仲間を殺され、退路を断たれたその時現れたのは、“この世界を正常化する鍵”と言われている「ネット端末遺伝子」を求める探索者・霧亥(キリイ)であった。

声優・キャラクター
櫻井孝宏、花澤香菜、雨宮天、山路和弘、宮野真守、洲崎綾、島﨑信長、梶裕貴、豊崎愛生、早見沙織
ネタバレ

おぼ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

バーン!ドカーン!

原作未読/105分間

[シドニアの騎士]の作者、弐瓶勉のデビュー作。
20年前には映像化出来なかった理由が良くわかる
良作でした。

( 'ω'o[ネタバレレビュー]o
{netabare}
弐瓶勉の作品が物凄く好きなので、期待どMAXで視聴しました。

ジャンルはもちろんSF(`・ω・´)
最初は微妙かな?といった感じでしたが、
後半は完全に世界観にのめり込んでいました!

なんといっても良かったのが戦闘シーン( ´'ω'` )
登場人物が銃を打っただけで映画館に音が響き渡り、イスが物凄く揺れましたΣ(・ω・)(本当に)

びっくりして、最初くしゃみをしちゃったぐらいです(;´Д`)

世界観は
{netabare}時代も場所も明らかでない超未来。コンピュータ・ネットワークは極限まで発達し、高度に階層都市化された世界は、堅牢な『超構造体』に内蔵された『システム』により支えられていた。『統治局』により管理された一大ネットワーク社会『ネットスフィア』は、実社会と同じか、それ以上へと拡大し、ネットワークへの正規アクセスを可能にする『ネット端末遺伝子』の保有そのものが市民権と同義となる。人々の生存圏はネットワーク・スペースへと置き換わり、その仮想空間の事象を現実世界へと反映させるなど、理想の世界を構築した。

しかし、厄災によりネットスフィアは機能不全に陥り、人々は『珪素生物』による感染症の蔓延によりネット端末遺伝子を失ったことで、ネットワーク社会は崩壊する。制御が失われた『建設者』により際限なく拡張され続ける都市構造物は、やがてその惑星系すら内部に取り込み、不安定な連結がネットのカオスを加速させる。ネットスフィアの番人である『セーフガード』は、管理規定にのっとりアクセス権のない人類を不法居住者として排斥し続け、珪素生物はネットの機能回復を阻止すべく人類を襲撃する。人々は繁栄の記憶を忘れ、全てが壊れた世界の片隅で、目を盗むようにして短い生を生きる。人類の黄昏の世界が舞台である。(wikiより){/netabare}

こんな感じ。

みたら分かる通り、とても練られた世界観なので、
SF好きの人は絶対見た方がいいと思います(*´ω`*)

それでは、短いですがここで終わります{/netabare}

( 'ω'o[観点事のレビュー]o
{netabare}[物語]/4.0★★★★☆
設定を生かしたいい物語でした。
ただ、終わり方が雑だった点や、短い間に仲間意識が高まりすぎている点など、気になる所もあったかな……(;´Д`)

[作画]/5.0★★★★★
これに関しては正直[神]としかいいようがないです。
作り込まれた世界観の中で繰り広げられる戦闘は、本当に圧巻でしたΣ(・ω・)

[声優]/4.0★★★★☆
皆さんキャラに合った声優さんだと思いました。
特に良かったのは花澤香奈さん!
いや~(*´ω`*)良かったです

[音楽]/5.0★★★★★
なんというか、効果音が物凄かったです!(表現力皆無)
迫力の音量で戦闘が見たい方は是非!

[キャラ]/4.0★★★★☆
キャラ自体はありきたりな感じですが、
この作品だからこその良さはあったと思います。

[総評]/☆4.4{/netabare}

点数【81点】

投稿 : 2025/01/25
♥ : 34

四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ハリウッドCGアクションにさんざん模倣されているうちに、時代が追い越してしまったけれど、23年前にスタートした時は突出した世界観が素晴らしいSFマカロニウェスタンだったんで、

そのアクションのゾクゾクするような美しさと
20年の間に長足の進歩を遂げたCG技術があったればこそ、
SFマカロニウェスタンってだけじゃなく、
ハリウッド映画みたいな大掛かりな画面も堪能出来て、
長年待った甲斐があったというものだ。

アクションも、展開も、
スピーディで面白いですよー!

ただし劇場の大スクリーンで、
いい音響とともに鑑賞しないと、楽しさは3割減かな。

それでも孤高のダークヒーロー「キリイ」のキャラはまるで、
往年のマカロニウェスタンの
ジュリアーノ・ジェンマか
リー・ヴァン・クリーフかってぐらいにカッコよくて、
終幕での後ろ姿なんて、ホントもうガンマンそのもの。

ポリゴンさんも最近の仕事の充実ぶりが見事に反映されていて、
アクションシーンだけでなくて、
キャラの表情や日常での動きもしっかり表現できるようになって、
こういう画作りは、
今の時代じゃないと無理だったのだと思うから、
これはもう理屈抜きで、楽しみましょう!

投稿 : 2025/01/25
♥ : 31

レタスの人 さんの感想・評価

★★★★★ 4.9

予想通りの出来と反響

まさか生きている間に弐瓶の漫画が世間に評価されて、更にはBLAMEを起こしてくれる日が来るとは思わなかったため、一種の感動を感じた。
弐瓶は建築物を広大に書き、キャラを小型の置物の様に設置していく手法で世界観を描いていく為、やはり元祖弐瓶節はアニメではうまく表現しきれないところだったが、しかしそれも一つの狙いの様にも感じる。
建物を主人公として書いている様な弐瓶作品はまさにサブカルが好む漫画としての芸術なのだが、まさかの小規模ヒットを叩き出したシドニアではキャラやセリフに多くの焦点を当てる事が成功の秘訣だったと思われる。
結局この業界の娯楽作品は如何にプログレッシブな行為を施そうとも、マジョリティから評価を得るには何をしようともキャラ重視なので仕方ないのだが。

そこで今回折角のアニメ作品という事で、生物の目線から見る色のあるブラムの世界を見る事が出来た私は非常に満足でき、内容もこれから漫画を読む楽しみと興味をしっかり掴むような出だしと幕引きであり、非常にセンスを感じた。

ただ反響に於いては絶対に多くのレビューでこの痛い発言が出るというのは予測済だった。

「原作ファンからしたら弐瓶の良さを出せていない」

まさに的外れな表現なので、同じ古くからの原作好きとして余りこの目でみたくはなかったのだが、そうもいかなかった。
当たり前の話であって、これが評価点に下げる理由にはならず、特に私も実のところ所謂典型的な”原作厨”であり、何を見始めるにも基本的には原作を見た上で楽しめたならアニメ等メディアミックスに移行したり、それでおいて辛い批評をする事が少なくは無いのだが、原作が好きという事は寧ろアニメと原作とを同一の裁定をする事自体がナンセンスであり、アニメはアニメとしての表現法を上手くやってくれなければ寧ろ作品として劣悪になる可能性は高いのである。
というよりも、漫画ならではの構成、演出とアニメならではの構成、演出、ゲームならではの構成、演出などとそれぞれ長所と短所を引き延ばさなければ表現方法を変える事に何の意味もなく、今回のアニメ化ではそれを意識して制作を出来ているのではないかと私は考える。
いずれにしても漫画とアニメ映画を繋げるような見方をする必要性は無い。

ただこれはゲームや先進性のある漫画等の特異なケースによるもので、アニメ的表現を重んじる漫画、例えばワンピースやハンターハンター、ハガレン等そういった物は原作の表現に忠実に行ってもらわないと誰も喜ばない。

これについては原作のアタッチメントとしての作品なのかどうかで見方は変わる。
少なくともアニメ映画を作るのであれば仮に原作から話を引っ張ってくるものでも独立した作品としての立場を築く為、監督が独自のセンスを出さないといけない。

とにかく総評としては、この映画で表現と世界観が似た作品でテクノライズがあるが、ああいうのこそ寧ろ漫画にすべき動かし方だったと考えられるし、この作品について全体的に文句のある部分は個人的にはとても少ない。
ただ原作で存在するテーマは独自の描写に盛り込んでいる為、それらを薄める必要があった今回、物語を忠実に動かす上で一貫した何かしらのテーマをそこに介在させる事が不可能だったのが若干の薄味と言える。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 6

69.7 5 コンピューターアニメランキング5位
老人Z(アニメ映画)

1991年9月1日
★★★★☆ 3.7 (216)
1048人が棚に入れました
看護学校に通うハルコはボランティアで高沢老人の介護を行っていたが、高沢が最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターに選ばれ、お役御免となってしまう。見舞いに行った先でチューブだらけになった高沢の姿を見てショックをうけたハルコは高沢を助け出そうとするが失敗。実習先で知り合ったハッカー老人らに助けを求めるが…

声優・キャラクター
松村彦次郎、横山智佐、小川真司、近石真介、辻谷耕史

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

介護、その真の意味は・・・?

秀作中の秀作。
1991年にこのストーリー・・・。本当に今敏監督は天才以外の何者でも無いです。

一番評価したいのは作画と物語。昭和の雰囲気をそのまま出した作画は最近のアニメと違って逆にリアルです。
アニメだからこそ出せる「アニメ内での真実」というものを上手く表現しています。
ストーリーのベースとなる、時代、季節、キャラクターなどを選択するのは製作者の自由なんですが、一度設定してしまえばその設定に、その雰囲気を突き通さなければいけない。
それが「アニメ内の真実」です。

今作品は1991年と言う当時のそのままの風景を設定にしてあります。無駄に近代化もしてなければレトロにもしてない。
で、作画のタッチもその昭和の雰囲気を表現するに相応しい、薄くて輪郭がぼやけながらも、活気みたいなものを視聴者に無意識化で伝達するような感じになっていてその世界観にずるずる引き込まれます。
似ているのは「かみちゅ!」です。「かみちゅ!」でもぼやけた輪郭が焦点が合わさっている物をより強調する効果を持っていたのと同時に懐かしいような雰囲気を醸しだしていました。

で、その作画だけでも素晴らしいのですが、一番興味深いのはその「THE 昭和」にコンピューターネタを持ってくることです。
しかもそのアイデアそのものは2012年の今でも通用する、「意思の介入」というもの。
一般家庭にパソコン自体普及していないような時代にこのネタは本当に天才としか良い様がありませんね。まさに圧巻です。

最近の同じネタとして扱った作品として挙げられるのは「サマー・ウォーズ」です。
ラブ・マシーンという探究心を持ったプログラムがOZという架空世界でどういった行動を起すのかを描いていました。


実は、私はコンピューターネタとしては今作品、「老人Z」の方が一枚上だと考えています。
「サマー・ウォーズ」との一番の違いは現実世界か架空世界か、です。
そして、現実世界でコンピューターが意思を持つということの方が作品として描くのが難しいと私は思うんですよね。
なんせ、現実世界には(老人Zでは昭和の神奈川付近)現実世界のルールがある。それは本編でもよく描かれていました。
マスコミなどは、本当にそのもので、これだけでもオススメしますよw
で、その現実世界のルールの従いながら、または破りながらどう矛盾無く視聴者をその世界観に引き込むか。
架空世界だと製作者側でどうにも変えられますからね。


物語は単純明快でして、しかも世の中の有様を非常によく表しています。
特に厚生省や国際情勢などの詳細な説明はありませんでしたが、そこは普段からニュースを見ていたら分かります。というより、分かりすぎて面白いww
1991年からマスコミや政府は変わっていないことが良く分かりますよw

例えばマスコミ。初めのロボットを厚生省が発表を記者会見でする時、こんなセリフがありました。
「そのロボットの原動力はなんなんですか?」
「ミニ原子力です!」
「え?そんなの大丈夫なんですか?放射線が洩れて患者の容態が悪くなる可能性は?」
「大丈夫です。万が一の場合はロボット自体が緊急信号を発信します」
「成る程!それなら大丈夫だ!」

ってな感じで、ホント厚生省の発言を鵜呑みにするマスコミ報道陣。もっと調査報道しろっての!

他にも1991年に製作されたにも関わらず、今の日本と通ずつシーンがチラホラ。
そういう点は非常に共感できるのと同時に面白いです。


ちなみに、この作品の一番の焦点は「介護」であって、コンピューターが意思を持つということではありませんのど、そこだけは気をつけてください。

コンピューターが、ロボットが意思や探究心を持つなどと言った作品は他にも沢山ありますし、もっと深いところで問題提起する作品もあります。
というより、今作品では第六世代コンピューターというものの、基礎チップ(多分CPUのことだと思う)がバイオテクノロジーで作られているということしか記されていなくて、それがどう探究心に繫がるのかは曖昧でした。

対照的に「介護」は物語の全体を通して上手く描いていました。
介護とは人の体を清潔に、とか出来るだけ手間を省いて効率良くとかじゃなくて、如何に患者に負担をかけずに、患者の気持ちを汲んで幸せにするか、だということです。

こういう点はサービス業とリンクして、花咲くいろはで出ていた幾つかのセリフを思い出しました。

物語は簡単ですが、そのメッセージ性は独特かつとても強調的でダイレクトに心に響きます。
何度目か分かりませんが、本当に1991年とは信じられない。
いや、むしろ1991年だからこんなにも輝いているんだと思います。
時間がある人も無い人も是非見てください^^

投稿 : 2025/01/25
♥ : 17

JBさん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

隠れた名作なのかな?

物語自体のテーマは「高齢化社会」「介護」だと思います。
・・・が、そこは今敏!
やっちゃってくれてますYO!w
今敏は、最初から「何かと大騒ぎ」ってのが
好きだったんだなと思ってしまいますw
老人でここまで大騒ぎする物語を作るとは・・・さっすが!Σd(゚∀゚d)
古いアニメ映画なのでセル画仕様で作画はちょと古いですが
物語の内容は現代でも通じると思います♪
むしろ現代だから・・・かもw

投稿 : 2025/01/25
♥ : 3

たわし(爆豪) さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

スラップスティックコメディSF

まさに全盛期の大友克洋さんが考えそうなシニカルなSFアニメ映画である。「AKIRA」で世界的名声を得たので、ちょうど脂がのってるのとバブル経済も相まってノリノリである。キャラクターデザインにこれもまた当時の美少女を描かせたら右に出るものはいないと言われた江口寿史さんを据えているので非常にバブル臭がする。作画もこの頃のアニメ絵と劇画を織り交ぜた特徴のあるデッサンの整った絵であることも時代を感じるし、肩パットや眉毛の濃さ、登場人物の来ている服の色調の派手さなど事欠かないが、映画としての完成度が高いので今見ても楽しめると思う。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 15

65.3 6 コンピューターアニメランキング6位
ガラスの花と壊す世界(アニメ映画)

2016年1月9日
★★★★☆ 3.6 (205)
1035人が棚に入れました
原案は、新進気鋭の創作ユニット「Physics Point(フィジクスポイント)」によるシナリオ&イラストレーション作品『D.backup(ディー・ドット・バックアップ) 』。2013年に募集された「アニメ化大賞 powered by ポニーキャニオン」の大賞作品。

声優・キャラクター
花守ゆみり、種田梨沙、佐倉綾音
ネタバレ

ピピン林檎 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

擬人化美少女プログラムもの・・・という新たな萌えジャンルを創出?

今年1月の公開映画で、未だ上映中の劇場もあるのに、早くもバンチャで販売されていたので視聴してみました。
(本作は正味67分。TV放送アニメの3話分の長さしかなくサクっと視聴できました)

◆総評

設定はなかなか凝っていて興味深かったのですが、ストーリーは今ひとつ盛り上がりに欠けてしまった印象。
それでも、あれこれ考察しながら結局3回も見てしまったので、個人的には好きな部類の作品だったのでしょう。

※これから視聴する方への提言

何も考えずに1回目視聴

公式サイトのIntroductionのページの人物相関図とChronology(年代記)を確認する(※必須)。

2回目視聴

wikipediaその他の説明サイトや考察サイトを色々チェックしてみる。

3回目視聴

※これが一番楽しめる視聴方法かも。


◆考察

(1)本作終盤で、{netabare}以下の3世代の女性の姿をしたプログラムたちが、謎空間で会話していることに注意

①スミレ(祖母) ← O/SのViOSは、スミレの少女時代の姿で擬人化
②ダイアナ(母) ← 主要APP(アプリケーション・プログラム)だったmother.exeは、ダイアナの姿で擬人化
③リモーヌ(娘) ← mother.exeのバックアップ・プログラムのリモは、リモーヌの姿で擬人化{/netabare}


(2)終盤の謎会話シーンの考察

{netabare}※ウィルス駆除プログラムの片割れ(デュアル)が、終盤に何度も「スミレ」と呼びかけてるのは、実はスミレに擬人化されたViOSというプログラムに話しかけている、ということ。

※デュアルは、「自分たちアンチウィルス・プログラムは決められたアルゴリズム(論理演算手続き)に従うだけの存在であり、自由意志を持たない」とずっと思っていたが、スミレ(=ViOSの擬人化)から「貴方も自分で決められる」ことを教えられ、mother.exeに書き換えられる以前のオリジナルの姿に戻ることを選択する。

※リモは、mother.exeのバックアップ・プログラムだが、少女時代の姿の祖母スミレ(=ViOSの擬人化)のアドヴァイスを受けて、母ダイアナ(=mother.exeの擬人化)の「デュアルやドロシーがエラーを返したら(=mother.exeの命令に反する行動を起こしたら)、“知恵の箱”という仮想空間を強制フォーマット(初期化)する」という命令が完全に遂行される前に自らが消滅する、という選択をする。{/netabare}

投稿 : 2025/01/25
♥ : 30

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

美少女ウイルス駆除ソフトが駆け抜ける美しき世界

2016年公開の劇場版アニメ 67分

原案 Physics Point 監督 石浜真史 脚本 志茂文彦 音楽 横山克
制作 A-1 Pictures

仮想空間内でコンピューターウイルスと戦うソフトを擬人化した物語。

一般人が感動したアニメベストなんとかで見つけて視聴してみました。

人類滅亡後であるとか、知識の箱として人類文化をコンピューター内に保存しているとか、
恐ろしくありがちな設定で去年公開としてはSF性よりレトロ感覚が強いです。
科学的発想としては80年代レベルですが。

そのコンピューターソフトに人格が与えられ、ウイルスと戦うのですが、
はっきり言って「美少女アニメ」にしか見えませんでした。

リモ CV花守ゆみり 魔法少女育成計画のねむりん 鷲尾須美は勇者であるの三ノ輪銀
デュアル CV種田梨沙 新世界よりの渡辺早季 四月は君の噓の宮園かをり
ドロシー CV佐倉綾音 サイコパスの霜月美佳 ごちうさのココア

なかなかマニア受けする声優陣で好みなんですが、単なる美少女役に徹してるだけのような気もします。

仮想現実はいくつかの層に分かれていて、サイバーバンク系や不思議の国のアリス系、
またはゼーガペイン系などありますが、物語に対しては効果的ではないような気がします。
ひねりがないところが一般人向けなのでしょうか?

ともかく、美少女アニメとしては一級品で作画も素晴らしい。
なんとなく流すにはこれ以上ない可愛い雰囲気アニメでした。

泣ける? えっ!
 

投稿 : 2025/01/25
♥ : 24

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「セカイを復元する。「知識の箱」の少女たちの物語。」

この作品は2016年に公開された作品です。
何でも2013年の「アニメ化大賞 Powered by ポニーキャニオン」の大賞受賞作品を基にしているんだとか…

キャストを見てビックリしましたよ。
ゆみりん、種ちゃん、あやねる、かやのんってどんだけ最強布陣なの^^?


2100年人類滅亡!?

色とりどりの光がきらめき浮遊している無重力の空間…「知識の箱」。
デュアルとドロシーはそこで敵と戦っていた。
敵、それは世界を侵食する存在…ウイルス。

ウイルスに汚されてしまったデータは消去しなければいけない。
それが彼女たち「アンチウイルスプログラム」の使命だった。

「知識の箱」には、地球上のあらゆる時代やさまざまな場所が記録(バックアップ)されていた。
そのデータを収集している存在こそが「マザー」。
「ViOS」というこの世界をつかさどるシステムの中で動いている環境管理プログラムだった。

あるときデュアルとドロシーは、ウイルスに襲われているひとりの少女を救う。
「リモ」と名乗る少女は記憶のほとんどを失っていた。
デュアルとドロシーは、リモの招待を探すために、この「知識の箱」をめぐりはじめる。

「マザー」の真意とは? ウイルスがなぜ発生するのか? リモの正体とは?
…旅の果てに少女たちは真実を目撃する。


公式HPのSTORYを引用させて頂きました。

物語の舞台は「知識の箱」という電脳の世界で、デュアルとドロシーは知識の箱の中に時折発生するウイルスを殲滅・消去する役割と使命を受けており、そしてある日リモが知識の箱の中に迷い込み…物語が動いていきます。

世界中の色んな場所が出てきますが、これらは全て知識の箱の記録を見ているに過ぎず、彼女たちが現実の世界と行き来している訳ではありません。
でも、予めその様に頭にインプットしておかないと、この設定を忘れちゃいそうになるんですよね^^;

序盤におけるウイルスとの戦闘は、「ゆゆゆ」と「まどマギ」の戦闘シーンから重力を差し引いた後、足して2で割った感じ…
既視感ゼロではありませんが、決して悪くはありません。

そしてキャラ…
アニメーション制作会社がA-1 Picturesさんということもあり、本作でも良い仕事をしてくれています。
キャラデザは綺麗で作り込みも丁寧で、激しく動いても殆ど乱れることはありません。
何よりキャラデザが可愛い…

しかもこの作品を視聴して気付きましたが、ゆみりんのwikiのプロフィール欄に抱き枕を抱えた写真が掲載されていますが、ゆみりんの抱えている抱き枕のキャラが本作に登場する「リモ」だったんです。
この様な繋がりが知れるのは個人的に嬉しかったり…^^;

一方、物語の方ですが「プログラムに感情は要らない」の1点張りだったデュアルとドロシーが、リモと一緒にいるうちに少しずつ感情が備わっていくのが感じられるんです。
デュアルは、感情にそれほど抵抗感は無いみたい…
一方、ドロシーは感情の受け入れを頑なに拒んでいた節がありましたが、3人一緒の時間はそんな冷え切った思考を甘やかに溶かしてくれたみたいです。

だって物語の終盤…感情が一番が爆発していたのは間違いなくドロシーだったので…
きっと「無くて困らないモノ」があるように、感情や夢は「有って困らないモノ」だったんでしょうね。

優しくて…寂しい物語でした。
それでも涙腺に結構ガツンと来るのは、声優さんの演技にほかなりません。
あの4人が本気の演技をしたら、私の涙腺が耐えられるはずないんですけどね^^;
これぞアニメの醍醐味…と思いながら視聴させて貰いました。

上映時間67分の作品でした。
若干脳内補完が必要な作品ですが、それを差し引いても余りある魅力溢れた作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
私はしっかり堪能させて貰いました。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 13

65.8 7 コンピューターアニメランキング7位
ルパン三世 DEAD OR ALIVE[デッドオアアライブ](アニメ映画)

1996年4月20日
★★★★☆ 3.6 (84)
511人が棚に入れました
ズフ共和国は国王と王子パニシュが殺害されて以来、首狩り将軍によって乗っ取られていた。将軍は国王が漂流島に隠したといわれる財宝を狙っていたが、今まで軍隊をもってしてもその財宝を手に入れることが出来なかった。無数の白骨の転がるこの島にルパン達も足を踏み入れたが、島に備えられた驚異的な防御システムを前に撤退を余儀なくされたのだった。この島の防御システムの正体は何なのか。ルパン達はその鍵を握るとされる将軍の娘エメラに接近するが、銭形が仕掛けたおとり作戦にはまってしまう。今やルパンには懸賞金がかけられ、銭形やズフ国家警察長官クライシスだけでなく、賞金稼ぎにも追われる身となる。

大和撫子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

モンキー・パンチが監督

とある王国の財宝を争奪するストーリー。
この作品は作画が従来のルパンアニメとは違うので違和感がかなりあります。
しかしこれは当然の事。
この作品の監督が原作者の「モンキー・パンチ」なので作画が原作に近い感じで描かれています。
そう考えると本来あるべき姿のルパンの絵という風に楽しめば違和感も気にしなく楽しめるのではと思います。
またルパンの作品は毎回有名な声優がゲストキャラとしてキャスティングされていますが、この作品は特に豪華。
「高山みなみ」「古谷徹」「横山智佐」などが声優陣に加わっています。
躍動感あるアクションと、いつもと違ってかっこいい銭形警部が見どころです。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 4

月夜の猫 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

ルパン三世現る処に銭形あり!!

1996年4月20日公開。『ルパン三世』の劇場版第6作。97分。

原作者モンキー・パンチがシリーズ史上初めて監督を担当。
他の映画やTVシリーズと比較して、キャラ全員が最も原作
に近い風貌で描かれている。

栗田貫一が正式に2代目ルパン三世の声優として演じてる。

相変わらず怒派手なバトルアクションでのカーチェイスから
如何にも"ルパン三世"という構成や音楽の挿入は安心安全♪

2013年12月7日公開「ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE」
特別作品として制作される迄シリーズ最後の劇場版アニメ。

モンキー・パンチ応援団-いがらしゆみこ、石ノ森章太郎、
里中満智子、竹宮恵子、ちばてつや、寺沢武一、永井豪、
弘兼憲史、北条司、水島新司、矢口高雄-


あらすじ。

"ズフ国"は"国王"と"王子パニシュ"が殺害されてからは、
「首狩り将軍」による独裁政権が敷かれていた。

将軍は国王が"漂流島"に隠したという財宝を狙うが・・
軍隊をもってしてもその財宝を手に入れられなかった。

無数の白骨の転がるこの島にルパン達も足を踏み入れたが、
島に備えられた驚異的な防御システムを前に撤退を余儀なく
されたのだった。

この島の防御システムの正体は何なのか?
ルパン達はその鍵を握る将軍の娘エメラに接近するが・・


感想

不二子って格闘センスも抜群なんだよねって再確認w
銭形警部が最も原作に近いのかも?結構渋くて良いです♡
ハードボイルド路線で一寸したコミカルが活きる感じ。
全体の作風も色彩がダークで渋みと深さがある感じかな。
音関係もスタッフの変更に余り違和感を感じない雰囲気。
ナノマシン云々や登場兵器など007バリの部分もテンプレ。
カリ城・風魔に次ぐゲストヒロインが活躍するパターン
もなかなかよい感じです。
エンターテイメント性ではカリ城が圧倒的に好みだけど
この作品は映画としては中々面白い作品だと感じた。

ルパン三世現る処に銭形あり!!

ルパンに出し抜かれるのはルパンが凄いのであって、銭形
警部がけして不甲斐ない人物なわけではないのですよね♪

不二子も色気と狡猾だけというわけでなくキレ者なのです。




キャスト
ルパン三世   栗田貫一
銭形警部    納谷悟朗
次元大介    小林清志
石川五右ェ門  井上真樹夫
峰不二子    増山江威子

オーリエンダー 高山みなみ
パニシュ 古谷徹
首狩り将軍 銀河万丈
クライシス 野沢那智
エメラ 横山智佐
スパンキー 千葉繁

渡辺美佐
辻村真人
緒方賢一
西川幾雄
茶風林
大友龍三郎
小形満
くじら
入江崇史
石黒久也
水内清光
浅沼喜久子
濱百合亜
小倉淳

投稿 : 2025/01/25
♥ : 0

Moji さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

第6作目にして最後の(2012年現在)劇場版ルパン

モンキー・パンチが監督を務め、原作に近いルパン達のはずが、アニメとなると違和感は否めません(すぐ慣れます)。
特に最初の脱獄シーンでは「なんか、見たようなキャラが出てるな」と思っていたら、
モンキー・パンチ応援団(いがらしゆみこ・石ノ森章太郎・里中満智子・竹宮恵子・ちばてつや・寺沢武一・永井豪・弘兼憲史・北条司・水島新司・矢口高雄)のキャラがいたる所に使われていたそうです。
脱獄シーン以外でも「ルパン」っぽくないキャラが出てきたら要チェックです。
私は半分くらいしかわかりませんでしたが・・・。それにしてもすごいメンバーです。
お宝はズフ国の財宝。当然、罠が仕掛けてあり、罠から逃げるシーンなども見所の一つです。

投稿 : 2025/01/25
♥ : 1

65.8 8 コンピューターアニメランキング8位
ゼーガペイン ADP(アニメ映画)

2016年10月15日
★★★★☆ 3.8 (36)
167人が棚に入れました
千葉県の舞浜南高校に通う「ソゴル・キョウ」は、幼なじみのGF「カミナギ・リョーコ」やケンカ仲間の悪友たちに囲まれて、たったひとりの水泳部を再興する為に奮闘していた。日々の生活に小さな不思議がいくつも重なり、やがてキョウは世界の秘密に気付いてゆく。くり返される日常――――それはまさにループする世界だった。

実験場として世界を改変しようとするガルズオルムと、永遠の夏に閉じ込められた人類の戦いはたったひとつの希望、光の鎧ゼーガペインと「ミサキ・シズノ」の微笑みによって大きく変化してゆく。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、花澤香菜、川澄綾子、朴璐美、牧野由依、渡辺明乃、坪井智浩、柿原徹也、戸松遥、甲斐田裕子、久野美咲

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

総集編を観に行ったはずが!完全新作だった?何を言ってるかわからねぇと思うがとりまもう一回『ゼーガ』観ような!?っていう強烈な強要

2006年春~夏にかけて放送されたサンライズによるテレ東夕方2クール枠のロボットアニメ『ゼーガペイン』
その10周年に併せてシリーズ全26話の映像素材とパチスロ版用カット、さらに新作カットで作られた2時間作品
2週間の限定劇場上映と劇場限定BDの販売、配信の同時開始
11/25には通常版BDを販売予定


千葉県舞浜で暮らす高校生1年生のソゴル・キョウはある日世界の異変に気付く
自分達が暮らす世界が量子コンピューターによって再現された仮想空間であること
世界人類は既に息絶えて滅びていること
自分達はデータでしかない実体を持たない存在であること
彼と仲間達は光装甲を持つロボット兵器、ホロニックアーマー「ゼーガペイン」に乗り込み人類を仮想世界に拘束し続けようとする敵との戦いに身を投じる・・・


総集編と聞かされていたのでてっきりテレビシリーズの美味しいところを掻い摘む作品なのだとばかり思っていました
が、冒頭からオイラの知ってる『ゼーガ』とは何か違う???
もしかして『マクロス愛おぼ』や『エウレカポケ虹』のようなifストーリーの映画なのか???
そうこうしてるうちにも話は進み、ラストカットでやっと理解しました
そうか、これはテレビシリーズを補完する作品なのだと(笑)


つまり今作、『ゼーガペイン』という作品の設定を十分に理解した上で視聴することを前提とし、さらにテレビシリーズへと橋を繋いでるんです
総集編なのにw
確かに映像素材はテレビシリーズの流用がのほど
なのにお話は完全新作なんです
テレビシリーズの名場面が劇場で拝めると期待していたのになんだこれはw
なんなんだこれはw


最初の違和感の正体は新キャラクターがちょいちょい存在していること
あまり話しに絡むキャラではないが、よくよく考えるとテレビシリーズでは名前だけが語られていたキャラだったり、パチスロ版の為に新造されたキャラだったり
結果的にパチスロ版を含むシリーズ全てを補完しているのが今作なのだと気付かされます


作中では今作がテレビシリーズと明白に繋がっていることを示唆する描写が随所に発見することが出来るも、具体的な説明は無いに等しい
ですからテレビシリーズを観て今作の世界観や設定を十分に理解してる人にしか視聴が薦められませんw
一見さん完全シャットアウトです(爆


ゼーガといえばやはり声優抜きには語れません
昨今も活躍が目まぐるしい浅沼晋太郎と花澤香菜の二人を発掘したのが何を隠そう『ゼーガ』だったからです
声優としてほぼ経験の無かった二人の初々しい演技が逆に高校生らしさを醸し出していると評価を上げる一因になっていました
今作収録に当たり、二人の芝居が見事に10年前のイメージに戻ってるのには拍手
声優って本当に凄いですね、高校卒業から10年経っても高校生に戻れるんですよ?
面白いのが新キャラのキャストに戸松遥や久野美咲といった『ゼーガ』放送時にはデビューしてなかったメンツがさらっといること
映像は2006年当時とのギャップを埋める為か、今風に描かれたり無理にクオリティを上げたりしてない
要は画は古いんだがキャストは新しいというなんとも不思議な感覚に襲われます


全体的に説明に尺を割いていない、時系列の前後が繰り返される、唐突な回想やモノローグやカットインといった情報量の多さ、肝心のゼーガペインがなかなか出てこない(笑)、その反面に現実と仮想空間に差異が無く判別しづらい、カミナギが未来の記憶を持っている理由が不明、といったように映画としての完成度はあまり褒められたものではありません
オイラ自身は『ゼーガ』の魅力とは“非人間達の群像劇”という要素にあるのだと思っているのですが、それも控えめでほぼ主人公一人に焦点を絞ってきています
しかし『ゼーガ』という作品の世界観、そして当時の映像素材でここまで話を膨らませることが出来るというのには感服いたしました
これは新しい映画のアプローチといっていいでしょう


ああ、ですがミナトちゃんを鬱展開の数少ない救いとして機能させるとこだけは以前と同じでしたねw

投稿 : 2025/01/25
♥ : 6

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

セレブラント(ゼーガペインファン)に向けられた痛みの記憶

2006年に2クールでTV放送されたサンライズのSFロボットアニメ、ゼーガペイン。
TVアニメ放送時はDVDの売り上げが低調で多少物議を醸したようですが
放送終了後もスタッフとセレブラントを名乗るコアなファンに愛され続けているアニメです。
その10周年企画として2週間限定で2016年10月15日よりイベント劇場公開されたのが本作。
公開と同時に劇場でBD販売、データ配信も開始というガンダムUC型の商業展開がされています。

簡単なあらすじとしては・・・
千葉県の舞浜に暮らす男子高校生ソゴル・キョウは自分のいる世界が
既に生物としては滅んでしまった人類のデータを集めた量子コンピューターの中であることに気付く。
人類を滅ぼし世界を実験に都合の良い環境に改変しようとする敵:ガルズオルムと戦うために、
人類側の抵抗組織:セレブラントが開発した機動兵器:ゼーガペインに搭乗して戦うというもの。


今回タイトルについた「adaptation」という単語から前評判は
TVアニメを元にして多少脚色した総集編のような地味なイメージだったと思います。
私も新キャラクターが出た分のストーリーが少し追加されるくらいかと予想していました。
ところがふたを開けてみると世界観はともかくストーリーはTVアニメとは別物になっていました。

映像はTVアニメとパチンコ展開時の既存映像を元に本作用の新規カットを加えた物ですが
台詞やシーンの繋ぎ合わせを大幅に変更されているのが本作の特色です。
似たような作品が以前にあったとは思いますが私の知識が浅く何とは言いにくいです。

台詞については全編新録とのことで、同じ声優さんでも10年の時間でだいぶ
演技が変わっていると感じる方がいらっしゃいました。
世間的には花澤香菜さんの演じるカミナギ・リョーコの演技が注目されていたと思います。
10年前は棒読みを揶揄されたキャラクターですが、印象をそのままに棒読みのない好演をされています。
個人的にはゆかなさんと井上麻里奈さんの演技が少女らしく聴きごたえがありました。
あとはシマ司令役の坪井智浩さんの台詞で語尾が若いころの若本規夫さんみたいな
響きに感じるところがあり、ドキドキしていたことがありました(笑)

物語については色々と込み入った設定が多いアニメなのでなかなか忙しなく、評価が分かれる印象です。
そもそも26話使って描かれた世界観を2時間ちょっとで描いている作品です。
本作のみでは何のことやらなところが多いため、1回はTVアニメの視聴をオススメします。
事前知識があればある程度おもしろく観ることができるのではと思いますが、
TVアニメと比べて設定や人物描写に矛盾を感じてしまうところがあるかもしれません。
基本的にそういった矛盾が粗として見えてしまうとマイナスイメージが大きいですが、
矛盾も故意に散りばめられているのではと勘ぐれるアニメになっています。

このアニメでは記憶が重要なキーワードになり、各キャラが忘れてしまうことの痛みに苦しみ、
知ってしまった知識の重さに苛まれる姿が描かれます。
さらに記憶は時間が経って事実からかけ離れた印象になることが多くあります。
作中の設定からそういった記憶の変化が発生しやすいために、回想やモノローグどころか
現在進行で描かれるシーンすら本当のことか怪しく思えてしまうくらいです。

また、主人公であるキョウが哲学や量子力学などの話をしており、
観測者などの用語も出てくるためもしかしたらTVアニメ、本作のどちらにしても
複数の観測者がいてシーンごとに別々の印象で物事が描かれているかもしれないと感じてしまいます。
本作についてはそのような不安定な印象の世界に存在するキョウが
世界や周囲の人々とどう関わり、どのように心を動かしていくのかが話のキモになっていると思います。


視聴して、こうして拙いながらレビューまで書いてみると
この映画のみで言えばそこまで高評価にはならないとは思います。
しかし、ゼーガペインで映画を作るなら…という考えでは正解の映画だと信じています。
あまり多くの人には薦められないですが、TVアニメのゼーガペインに良い印象をお持ちの方には
是非とも観ていただきたいし、この後の展開も期待したい作品でした。





2016/10/16投稿
2016/10/17改訂

投稿 : 2025/01/25
♥ : 4
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