コンピューターで水泳部なおすすめアニメランキング 2

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ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月15日の時点で一番のコンピューターで水泳部なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

78.0 1 コンピューターで水泳部なアニメランキング1位
ZEGAPAIN ゼーガペイン(TVアニメ動画)

2006年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (1102)
6616人が棚に入れました
未来的にデザインされた街・舞浜市に住み、近郊の高校に通う普通の学生、キョウ。たった1人で水泳部を切り盛りする彼は、中学以来の因縁を持ち難癖をつけてくる宿敵達とのいざこざも意に介せず、練習と水泳部への勧誘の為、学校の室内プールへと向かう毎日。
ある日、幼なじみのリョーコに頼まれ、映画研究部作品の撮影中、やる気の無いキョウはNGを出し撮影は中断。ふと、窓の外を見るとそこで彼は飛び込み台の最上段に立つ、1人の見知らぬ美少女・シズノを見つける。
水泳部入部希望者と察したキョウは、慌ててプールへと急ぐが、シズノは声にならない謎の言葉を残し、華麗な飛び込みを見せ忽然と姿を消す。シズノの事が忘れられないキョウだったが、程無くして彼女はキョウの自室に瞬間移動したかの如く唐突に現れる。
シズノはキョウに「ゲーム」の始まりを宣言。彼女の導きのままにキョウは異空間へ転送され、美しい光の装甲をまとった巨大ロボット「ゼーガペイン・アルティール」に乗り込み、敵と目されるキャラクターをシズノと共に倒していく。
だがしばらくして、キョウは様々な疑問に対峙していく事になる…。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、花澤香菜、川澄綾子、朴璐美、牧野由依、渡辺明乃、坪井智浩、井上麻里奈、吉野裕行、加藤将之、神谷浩史、ゆかな、家中宏、久川綾
ネタバレ

disaruto さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

「痛み」を受け止める強さ

制作はサンライズのオリジナルアニメです。
ジャンルはSFロボット・恋愛です。
人によっては鬱と感じるかもしれないシリアス展開なので苦手ならば若干注意です。


高校生のソゴル・キョウは水泳部立て直しのために尽力していた。
ある日突然、彼はミサキ・シズノというミステリアスな女性に連れられてロボットに乗り、敵と戦う。
彼にとってその戦いは「仮想現実のゲーム」だと思っていた…。


斬新な世界観・恋愛を主軸に置いた人間ドラマ・水泳と映画を用いた青春劇・ロボットバトル・「生」についての哲学・シリアス(鬱)展開。
盛り込まれたそれぞれの要素が絡み合って奥行きのあるストーリーになっています。
どれもぼやけておらず、納得のできるストーリー展開になっています。

その中でも前者三つの要素が秀逸。
ロボットアニメ、というか他のアニメでここまで複合ジャンルをまとめたのはあまり見たことないですね。
その要素のどれもが「痛み」を伴っています。


1話見たときにこんなシリアスな話だとは思っていませんでしたw
普通に過ごしていた日常がこうも簡単に崩れ去る恐怖。
「生きていること」とはどういうことかと問う。
主人公に降りかかる数多くの試練。
私はこういう設定の作品は見たことがなかったので、世界の真実が分かったときは結構驚きました。

主人公に起こった試練のまとめ。
{netabare}・一度記憶を消去されている
・この世界が幻だと知る
・自分たちは幻体という存在と知る
・サーバーがリセットされてループする
・リョーコが消滅する
こんなところでしょうか?{/netabare}

とってもシリアスなことが起こっているのですが、主人公の性格でそこまで重く見えない不思議。
主人公が直球野郎で見ていて気持ちがいいのが本作の救いになっています。
加えて彼は意外と物知りであったりするので馬鹿ではないのが良い。


その他のヒューマンドラマについて。
恋愛に関しては主人公とヒロイン二人の三角関係が基本なのでこれまた重め。
設定が設定なだけに、どっちも気持ちは分かるんですよねえ…。
また、ルーシェン、シマ、クリスといったサブキャラの話も結構しっかりしています。
特にクリスの回は感動しちゃいました。

青春劇に関してはこれまた設定のために主人公には非常につらい仕様になっていますw
部活動再建のためにかつての仲間と友情を取り戻していくキョウ。
普通に青春アニメとしても見ることが出来るのが凄い。
正直、細かいSF設定が分からなくなってもヒューマンドラマで楽しめます(私です)。


本作の難点は序盤の訳の分からなさ。
加えて、ロボットアニメですが戦闘シーンがイマイチ面白くないところ。
ロボットアニメと思って視聴すると肩透かしを食らうかもしれません。
加えてよく分からない所があるので、詳しい人に教えてほしいくらいですw

難点かどうかは微妙ですが、結構声優が棒読みです。
気になったのは数人でその他は上手だったのですけどね。
率直に言えば、気になったのは浅沼さんと花澤さんw
浅沼さんは割と前半で慣れましたが、花澤さんはずっと気になりましたw
これが良いって仰る花澤さんファンも意外と多いので、見てみるのもアリかな?
正直、私はにわかだから今の彼女の演技の方が良いと思うんだけどねw


総括して、取っ付きづらさはかなりありますが、前半を乗り切れたら作品にぐいぐい引き込まれるかと思います。
ロボットアニメは後半にならないとイマイチ面白さが分からないので、前半で切らないであげてくださいw
見ごたえのある作品でした。

どうでもいいですが、キャスト紹介で主要キャラが四人ですよね?
キョウ・リョーコ・シズノ・ルーシェン。
何でルーシェンがずっと入っているのとか個人的に思っていたのですが、24話で分かりました。
彼は{netabare}キョウに憧れていたヒロインの一人だった{/netabare}ってことですねえ。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 54
ネタバレ

ストライク さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

学園SF恋愛ロボットもの

序盤の5~6話は、正直なんかイマイチ面白くなかったですが、そこを過ぎるとどんどん引き込まれました。

ネタバレって程ではないですが、設定とさわりだけ~
{netabare}
主人公のキョウは、舞浜市に住む高校生で、ある日、ミステリアスな雰囲気の女性シズノ先輩に呼ばれ、生徒会長のシマが司令を務める戦艦「オケアノス」へと召喚されます。
そして人型兵器のロボットに乗って敵と戦う事になり・・・

リアルなロボットゲームだと思い、気楽に戦っていたキョウだが、実はその荒廃した世界こそが現実であり、自分が現実と思っていた世界は、量子コンピューターサーバー内で処理されている仮想空間であることを知る。
そして自分たちは「幻体」と呼ばれるデータでしかないという衝撃の事実を告げられます。
{/netabare}

隣に住む幼馴染のリョーコとシズノ先輩と3角関係の展開に・・・

ロボットには男女ペアで乗り込み操縦します。(女性がサポート役)
これは、ロボットものでは今までに無い設定で良かったです。

ロボットのデザイン、戦闘はイマイチ微妙・・・  (-ω-)

心の葛藤、刹那さ、やるせなさを感じさせられます。

途中、ショックで泣けます。
最後は感動でした。 (=´ω`)ノ

結構、鬱作品とか言われてますが、私はそんなにでもなかったです。


OP:「キミヘ ムカウ ヒカリ」
ED:「リトルグッバイ」

2曲とも心に沁みる良い曲で、今でもよく聞いてます。



余談で
ヒロインの守凪 了子(カミナギ・リョーコ)役の声は、花澤香菜さんなんですが、この作品が彼女の初メインヒロイン(レギュラー)役で、今の声とはまたちょっと違ってて、キャラの影響だろうけど、綺麗で優しい透明感のある声です。
(@´▽`@)

なので、花澤さんが好きな人は、彼女の初々しい声目当てに視聴するのもありです!^^

あとは・・・
恋愛や、人間ドラマなど好きな人にもオススメです。
(あ!ロボットには期待しないで下さい)

もうちょっと評価されても良い作品だと思います。

なかなかの良い作品でした。 (っ´ω`c)

投稿 : 2024/11/09
♥ : 45
ネタバレ

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9

ゼーガペイン放送から10週年を迎えて

2006年4月から放送されたサンライズのSFロボットアニメ(全26話)。

私的に2006年というのは、
日本アニメ界において非常に重大な節目となる年だったと思っています。
本作と同時期に放送された「涼宮ハルヒの憂鬱」は、
アニメ好きだけでなく、普段アニメに興味を示さない層の耳目を集めていましたし、
同年10月に放送開始した同じサンライズの作品
「コードギアス」については、もはや説明不要でしょう。
手軽に消費できる娯楽としてアニメが注目され始めた、そんな年だったと思います。
あくまで私感ですけどw
そういう大きな変革期の中で埋没してしまったのが本作「ゼーガペイン」でしょうw
「隠れた名作」、「知る人ぞ知る名作」というような表現がよくされる本作ですが、
一部の間では根強い人気を誇っており、2010年には受注限定でBD-BOXが販売。
そして、放送10週年となる今年(2016年)にはBD-BOXの一般販売が決定。
10月には、新カットも追加した劇場版が公開予定のようです。

ここからはネタバレありで語ります。未視聴の方は読まないでください。
これだけ良く出来ている作品です。
視聴前からネタバレ食らうのは損するどころの話ではないので。


{netabare}まず、ざっとですが本作を振り返ると(只のあらすじなので面倒だったら飛ばしてください)
主人公十凍京(ソゴルキョウ)たちが学園生活を送っていた舞浜市は、
実は虚構の世界(量子コンピューターサーバーに管理されている仮想世界)であり、
ゲームの世界だと思っていた荒廃した世界こそが現実世界であった。
人類はすべて滅亡しており、キョウたちも「幻体」と呼ばれる人格記憶体であり、
コンピューターに保存されたデータだったのである。

そのすべての元凶は超天才科学者のナーガである。
ナーガはかねてより時間の加速した量子サーバー内で人間を進化させる
「無限進化」を提唱しており、それを実現させる為に
致死率98%の「オルム・ウィルス」をばら撒き、人類を強制的に量子サーバー内に押し込む。
その後、ナーガはガルズオルムを組織し、
I.A.L.社のロボットを使い、環境実験空間「デフテラ領域」を世界中に作り始めた。
しかし、ループを観測しサーバーコントロールから離れた存在である
「セレブラント」達は対抗組織「セレブラム」を設立。
彼らはシマが開発した「ゼーガペイン」を始めとする光装甲を纏った「ホロニックアーマー」に乗り、
荒廃した現実世界でガルズオルムと戦い続けていた。(wikipedia「ゼーガペイン」参照、抜粋)


なんでwikiに載っていることを、わざわざここに記載したのかというと、
何故にこんな世界が形成されたのか?
敵は誰で、何の為に戦うのか?
これらの問いに対して、明確に言葉で説明できる素晴らしさを声を大にして言いたいからです。
明確に言葉で説明できるということは、
プロットの段階から設定やシナリオを相当練ってきている証左であると思います。

本作の構成要素を個別に分解していくと、
「どこか(他の作品)で見たことあるような」という、ある意味紋切り型なのかもしれません。
例えば、量子コンピューターの処理能力には限界がある為、
8月31日の午後0時になると4月5日までリセットされてしまう訳ですが、
これは、所謂ループものに内包される事象なのかもしれません。
ですが、本作をループものと言い切ってしまうのは些か乱暴だと思います。
ループものというのは、真の解決に向けてキャラが何度も同じ時間を繰り返すというものですが、
本作はそれを主とする作品ではありません。
ループすることが主ではなく、あくまでループという要素を取り扱っているに過ぎないのです。
そして、ループする原因を明確に言葉で説明できるというのが、
物語に説得力と厚みを持たせています。
こうした明確に言葉で説明できる個別の構成要素をいくつも積み重ねていくことによって、
全体で見ると、他の作品にはない本作独自の世界観が形成されているのだと思います。
例えるならば、誰もが知っている食材を使っているのですが、
それが上手く調理されているので、
出来上がった料理は今までありそうでなかった新しい美味だったと言ったところでしょうか。

本作の楽しみ方やその秘密について、さらに考えていきたいと思います。
通常、我々視聴者は作中の主人公よりも高次元の視点から、
観測者として物語を俯瞰することができます。
本作では、衝撃の事実(物語上の仕掛け)を主人公キョウに提示するのと同じタイミングで
視聴者に提示してきます。
我々視聴者は、衝撃の事実を突きつけられたキョウたちの狼狽、葛藤、
そして、どのように対峙していくのかとキョウたちと同目線で楽しむと同時に、
物語の観測者として、
さらなる仕掛けや物語の結末を予想して楽しむという二重の楽しみ方をしているのですが、
ここでも重要になってくるのが、その仕掛けを明確に言葉で説明できるということなのです。
どの作品がとは言いませんけど、
シーンありきでシナリオを作ったのだろうなという作品は多々存在するのですが、
そのほとんどすべてが設定やシナリオの脆弱性を露呈しています。
視聴者に解釈を委ねていると言えば聞こえはいいんですけどね。
突飛な展開で視聴者置いてけぼり、
真面目に予想していたのがアホらしくなってしまうことが多いんですよ。
それらの作品は、設定や起こった現象に対して
明確に言葉で説明できるということが欠如しているということなんですけど、
その有無は、作品の印象を大きく違えてしまう程重要なのだと思います。

では、これ程の作品が何故に埋もれてしまったのか?
単純に「華」がないからでしょうねw
萌えなど皆無な上、主人公十凍京(ソゴルキョウ)もイケメンという訳ではないしw
中の人と言っても、肝心の主人公十凍京(ソゴルキョウ)役の
浅沼晋太郎さんは、本作がテレビアニメ初出演。
ヒロインの守凪了子(カミナギ・リョーコ)役は当時ド新人のざーさんですからねw
あまりの棒演技に台詞の度にゲラゲラ笑ってしまった程ですw
また、戦闘シーンも迫力不足というのは正直否めません。
ただ、アクションが分かりやすかったというのはよかったと思います。
最近は3DCGの技術が著しく進化していて、迫力も段違いなのですが、
何をやっているのかいまいちよく分からないと感じることがしばしあるので。
あとは、序盤の地味過ぎる展開ですかねw
ファンの間で本作の公然の薦め文句は「取り敢えず6話まで観て」だそうですw
ほぼ同時期の同じサンライズ作品「コードギアス」と比べてしまうと、
圧倒的な華のなさですw {/netabare}


さて、私は冒頭で本作が放送開始された2006年は、
手軽に消費できる娯楽としてアニメが注目され始めた年と言いました。
宮崎駿監督の言葉を借りれば、
ポリポリとポテトチップを食べるように消費されているということなのでしょうけど、
2006年から今日に至るまでに、こういった傾向はより顕在化しているように思えます。
2000年~2011年の期間では、深夜アニメの放送本数は2006年の93本をピークに、
そこから2011年までは減少傾向にあったのですが、
2012年は106本、13年は128本、14年は159本、15年は170本と再び凄まじい勢いで
増加していっています。
もはやすべての作品を網羅することなど不可能と言ってもいいでしょう。
従って、「つまらないから何話で切った」、「よく分からないから何話で切った」
という声が増えていくのは至極当然のことなのかもしれません。

私はこのレビューで明確に言葉で説明できる、
すなわち、練りに練られた作品設定やシナリオの素晴らしさを説いてきたわけですけど、
このような状況下で、それがどれだけの重要性を持つのか、正直言って甚だ疑問です。
論理的な骨子、重厚なバックボーン、
そんなものよりも、たとえ唐突であろうとも、ご都合主義であろうとも、
まるで感動シーンを切り売りしたような、
視聴者にとって口当たりのよい、分かりやすいものの方が歓迎されるのではないでしょうか。
そんな風に思ってしまいます。

偏屈な私の知人はこんなことを言っていました。
「アニメは2000年代前半までだね。
それ以降のは一部を除いて視聴者に媚びているようなものばっかで視聴する価値がない」

こういう意見も分からなくはないですけど、
ただ、私はたとえ萌え豚御用達と揶揄されるような作品でも
素晴らしい作品はいくらでもあると思っています。
視聴者に媚びている作品=くだらない作品だとは露ほども思っていません。
どんな作品にも良い箇所はあるという考えです。
キャラが可愛いだけのアニメ? 
それの何が悪いんですか?

その一方で、本作のような骨太な作品がもっともっと評価されてほしいとも思っています。
そのような土壌の形成を心から望んでいます。
ゼーガペイン放送から10週年を迎えて、
我々アニメ視聴者を取り巻く環境は大きく変容しましたけど、
こんな時代だからこそ、より真摯にアニメ作品と向き合っていきたいとも思えます。
まぁ言っても娯楽なので、気楽に楽しむというのは大前提なんですけどねw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 37

65.8 2 コンピューターで水泳部なアニメランキング2位
ゼーガペイン ADP(アニメ映画)

2016年10月15日
★★★★☆ 3.8 (36)
166人が棚に入れました
千葉県の舞浜南高校に通う「ソゴル・キョウ」は、幼なじみのGF「カミナギ・リョーコ」やケンカ仲間の悪友たちに囲まれて、たったひとりの水泳部を再興する為に奮闘していた。日々の生活に小さな不思議がいくつも重なり、やがてキョウは世界の秘密に気付いてゆく。くり返される日常――――それはまさにループする世界だった。

実験場として世界を改変しようとするガルズオルムと、永遠の夏に閉じ込められた人類の戦いはたったひとつの希望、光の鎧ゼーガペインと「ミサキ・シズノ」の微笑みによって大きく変化してゆく。

声優・キャラクター
浅沼晋太郎、花澤香菜、川澄綾子、朴璐美、牧野由依、渡辺明乃、坪井智浩、柿原徹也、戸松遥、甲斐田裕子、久野美咲
ネタバレ

ato00 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

ゼーガペインはやはりゼーガペインだった。

TV放送10周年記念の劇場版アニメ。
とは言え、もう8年前の作品です。
そもそもTV版が難解で、良く理解できなかったのが正直なところ。
劇場版でも、やはりちんぷんかんぷんでした。

あれ、こんなアニメだっけ?
とハテナ状態での視聴でした。
だって、花澤さん演じるリョーコの登場が少ない。
{netabare}ヒロインがシズノに交代していました。{/netabare}

それに、2クール作品を2時間弱にしたものだから、展開が早い。
目まぐるしく変わるストーリーについて行くのがやっと。
そのせいか、人心の機微を描くことが貧弱だと感じました。

一種、哲学じみた側面をもつロボットアニメ。
ラストもモヤモヤです。
ただ、花澤さんが10年前のコピーとして、下手めに演じていたのはわかりました。

投稿 : 2024/11/09
♥ : 8

けみかけ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

総集編を観に行ったはずが!完全新作だった?何を言ってるかわからねぇと思うがとりまもう一回『ゼーガ』観ような!?っていう強烈な強要

2006年春~夏にかけて放送されたサンライズによるテレ東夕方2クール枠のロボットアニメ『ゼーガペイン』
その10周年に併せてシリーズ全26話の映像素材とパチスロ版用カット、さらに新作カットで作られた2時間作品
2週間の限定劇場上映と劇場限定BDの販売、配信の同時開始
11/25には通常版BDを販売予定


千葉県舞浜で暮らす高校生1年生のソゴル・キョウはある日世界の異変に気付く
自分達が暮らす世界が量子コンピューターによって再現された仮想空間であること
世界人類は既に息絶えて滅びていること
自分達はデータでしかない実体を持たない存在であること
彼と仲間達は光装甲を持つロボット兵器、ホロニックアーマー「ゼーガペイン」に乗り込み人類を仮想世界に拘束し続けようとする敵との戦いに身を投じる・・・


総集編と聞かされていたのでてっきりテレビシリーズの美味しいところを掻い摘む作品なのだとばかり思っていました
が、冒頭からオイラの知ってる『ゼーガ』とは何か違う???
もしかして『マクロス愛おぼ』や『エウレカポケ虹』のようなifストーリーの映画なのか???
そうこうしてるうちにも話は進み、ラストカットでやっと理解しました
そうか、これはテレビシリーズを補完する作品なのだと(笑)


つまり今作、『ゼーガペイン』という作品の設定を十分に理解した上で視聴することを前提とし、さらにテレビシリーズへと橋を繋いでるんです
総集編なのにw
確かに映像素材はテレビシリーズの流用がのほど
なのにお話は完全新作なんです
テレビシリーズの名場面が劇場で拝めると期待していたのになんだこれはw
なんなんだこれはw


最初の違和感の正体は新キャラクターがちょいちょい存在していること
あまり話しに絡むキャラではないが、よくよく考えるとテレビシリーズでは名前だけが語られていたキャラだったり、パチスロ版の為に新造されたキャラだったり
結果的にパチスロ版を含むシリーズ全てを補完しているのが今作なのだと気付かされます


作中では今作がテレビシリーズと明白に繋がっていることを示唆する描写が随所に発見することが出来るも、具体的な説明は無いに等しい
ですからテレビシリーズを観て今作の世界観や設定を十分に理解してる人にしか視聴が薦められませんw
一見さん完全シャットアウトです(爆


ゼーガといえばやはり声優抜きには語れません
昨今も活躍が目まぐるしい浅沼晋太郎と花澤香菜の二人を発掘したのが何を隠そう『ゼーガ』だったからです
声優としてほぼ経験の無かった二人の初々しい演技が逆に高校生らしさを醸し出していると評価を上げる一因になっていました
今作収録に当たり、二人の芝居が見事に10年前のイメージに戻ってるのには拍手
声優って本当に凄いですね、高校卒業から10年経っても高校生に戻れるんですよ?
面白いのが新キャラのキャストに戸松遥や久野美咲といった『ゼーガ』放送時にはデビューしてなかったメンツがさらっといること
映像は2006年当時とのギャップを埋める為か、今風に描かれたり無理にクオリティを上げたりしてない
要は画は古いんだがキャストは新しいというなんとも不思議な感覚に襲われます


全体的に説明に尺を割いていない、時系列の前後が繰り返される、唐突な回想やモノローグやカットインといった情報量の多さ、肝心のゼーガペインがなかなか出てこない(笑)、その反面に現実と仮想空間に差異が無く判別しづらい、カミナギが未来の記憶を持っている理由が不明、といったように映画としての完成度はあまり褒められたものではありません
オイラ自身は『ゼーガ』の魅力とは“非人間達の群像劇”という要素にあるのだと思っているのですが、それも控えめでほぼ主人公一人に焦点を絞ってきています
しかし『ゼーガ』という作品の世界観、そして当時の映像素材でここまで話を膨らませることが出来るというのには感服いたしました
これは新しい映画のアプローチといっていいでしょう


ああ、ですがミナトちゃんを鬱展開の数少ない救いとして機能させるとこだけは以前と同じでしたねw

投稿 : 2024/11/09
♥ : 6

しゅりー さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

セレブラント(ゼーガペインファン)に向けられた痛みの記憶

2006年に2クールでTV放送されたサンライズのSFロボットアニメ、ゼーガペイン。
TVアニメ放送時はDVDの売り上げが低調で多少物議を醸したようですが
放送終了後もスタッフとセレブラントを名乗るコアなファンに愛され続けているアニメです。
その10周年企画として2週間限定で2016年10月15日よりイベント劇場公開されたのが本作。
公開と同時に劇場でBD販売、データ配信も開始というガンダムUC型の商業展開がされています。

簡単なあらすじとしては・・・
千葉県の舞浜に暮らす男子高校生ソゴル・キョウは自分のいる世界が
既に生物としては滅んでしまった人類のデータを集めた量子コンピューターの中であることに気付く。
人類を滅ぼし世界を実験に都合の良い環境に改変しようとする敵:ガルズオルムと戦うために、
人類側の抵抗組織:セレブラントが開発した機動兵器:ゼーガペインに搭乗して戦うというもの。


今回タイトルについた「adaptation」という単語から前評判は
TVアニメを元にして多少脚色した総集編のような地味なイメージだったと思います。
私も新キャラクターが出た分のストーリーが少し追加されるくらいかと予想していました。
ところがふたを開けてみると世界観はともかくストーリーはTVアニメとは別物になっていました。

映像はTVアニメとパチンコ展開時の既存映像を元に本作用の新規カットを加えた物ですが
台詞やシーンの繋ぎ合わせを大幅に変更されているのが本作の特色です。
似たような作品が以前にあったとは思いますが私の知識が浅く何とは言いにくいです。

台詞については全編新録とのことで、同じ声優さんでも10年の時間でだいぶ
演技が変わっていると感じる方がいらっしゃいました。
世間的には花澤香菜さんの演じるカミナギ・リョーコの演技が注目されていたと思います。
10年前は棒読みを揶揄されたキャラクターですが、印象をそのままに棒読みのない好演をされています。
個人的にはゆかなさんと井上麻里奈さんの演技が少女らしく聴きごたえがありました。
あとはシマ司令役の坪井智浩さんの台詞で語尾が若いころの若本規夫さんみたいな
響きに感じるところがあり、ドキドキしていたことがありました(笑)

物語については色々と込み入った設定が多いアニメなのでなかなか忙しなく、評価が分かれる印象です。
そもそも26話使って描かれた世界観を2時間ちょっとで描いている作品です。
本作のみでは何のことやらなところが多いため、1回はTVアニメの視聴をオススメします。
事前知識があればある程度おもしろく観ることができるのではと思いますが、
TVアニメと比べて設定や人物描写に矛盾を感じてしまうところがあるかもしれません。
基本的にそういった矛盾が粗として見えてしまうとマイナスイメージが大きいですが、
矛盾も故意に散りばめられているのではと勘ぐれるアニメになっています。

このアニメでは記憶が重要なキーワードになり、各キャラが忘れてしまうことの痛みに苦しみ、
知ってしまった知識の重さに苛まれる姿が描かれます。
さらに記憶は時間が経って事実からかけ離れた印象になることが多くあります。
作中の設定からそういった記憶の変化が発生しやすいために、回想やモノローグどころか
現在進行で描かれるシーンすら本当のことか怪しく思えてしまうくらいです。

また、主人公であるキョウが哲学や量子力学などの話をしており、
観測者などの用語も出てくるためもしかしたらTVアニメ、本作のどちらにしても
複数の観測者がいてシーンごとに別々の印象で物事が描かれているかもしれないと感じてしまいます。
本作についてはそのような不安定な印象の世界に存在するキョウが
世界や周囲の人々とどう関わり、どのように心を動かしていくのかが話のキモになっていると思います。


視聴して、こうして拙いながらレビューまで書いてみると
この映画のみで言えばそこまで高評価にはならないとは思います。
しかし、ゼーガペインで映画を作るなら…という考えでは正解の映画だと信じています。
あまり多くの人には薦められないですが、TVアニメのゼーガペインに良い印象をお持ちの方には
是非とも観ていただきたいし、この後の展開も期待したい作品でした。





2016/10/16投稿
2016/10/17改訂

投稿 : 2024/11/09
♥ : 4
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