コンピューターでテクノロジーなおすすめアニメランキング 3

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのコンピューターでテクノロジーな成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月20日の時点で一番のコンピューターでテクノロジーなおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

63.5 1 コンピューターでテクノロジーなアニメランキング1位
RD潜脳調査室 アールディー(TVアニメ動画)

2008年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (274)
1690人が棚に入れました
2012年、フリーダイバーの波留真理は、建設中の人工島沖合で観測実験の最中、「海が燃える」現象に遭遇し、49年間も昏睡状態に陥った。2061年、長い眠りから覚醒した波留は81歳の老人となり、車椅子生活を送らざるを得なくなった。そんな中、波留は旧友・久島永一郎によって、メタリアル・ネットワーク(通称:メタル)の情報を調査する、電理研外部委託調査員に任命される。メタルは、安全で人々の欲望を満たす一方、現実世界(リアル)の世界に歪みが生じたからだ。こうして、波留は蒼井ミナモとバディ(英語で『相棒』の意)を組み、メタルとリアルの間で起きる事件や謎を追う事になる。

ninin さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

あなたにリアルドライブ!

全26話(攻殻機動隊未視聴)

攻殻機動隊の原作者 士郎正宗と制作したプロダクションI.Gの共同原作作品です。
設定は合わせているようですが、内容には接点がないようです。

ネットワークが発達した世界、通称「メタル」での様々な事件や謎を解決するため、電脳ダイバーで主人公 波留真理(はる まさみち)、ヒロインで中学生の波留さんのバディ(相棒)蒼井ミナモやその仲間たちの活躍を描いています。

キーワード「海」ですね。舞台は海が綺麗な人工島で普通にダイビングできそうな感じです。

基本、1話で1つのエピソードですので、観やすいです。
終盤は、連続したお話となります。

主人公が老人という設定はなかなか斬新でした。

キャラはみなさんちょっと太めです。萌え作画ではありません。

自然と科学技術は調和できるのか、対局にあるのか、そう言ったことを考えさせる作品だと思います。

電脳世界といっても基本人間同士のお話なので、人間味溢れるエピソードが多い作品です。楽しめました。オススメです。

OP/ED アニソンとはちょっと違う感じの曲です。アップテンポな曲ですが、儚さを感じました。

最後に、主人公 波留真理さんの声を担当していたのは森 功至さんですが、私には銀河英雄伝説のウォルフガング・ミッターマイヤーのイメージが強いですね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 27

hcdNV25310 さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

粘って。粘って。粘った先に。

はじめは予想を、悪い意味で裏切られます。
パンツがみえたり、変態アニメかとおもいきや。
実はこんな清純アニメ他になかろうと思いました。
ただ途中で失速してしまうのは否めません。ここさえクリアすれば他のレビュワーが高評価をつけている理由もわかると思います。
数々のアニメをみてきましたが、ほかと違い感動シーンが、安くありません。
見終わって心が洗われる気持ちになります。
腐った世の中に生きる大人はこれをみてみるべきです。
腐った大人ならわからないとは思いますが。
少年漫画が主に面白いという方にはオススメしません。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 6

もちすい さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

かなり人を選ぶ

攻殻機動隊シリーズの亜流といった位置付けでしょうか。

基本的に1話完結のエピソードで、電脳やネットワークなどの科学技術が発達した社会においての様々なテーマを描き、その世界観や、そこでの人間の在り方などを提起しつつ、最終的にメインテーマに収束していく、という流れが攻殻機動隊SACと構成が似ていると思います。

あちらが「個の存在とは何なのか」といったものをテーマにしていたのに対して、こちらはまた別のアプローチで「人類は自然というものとどう付き合っていくべきなのか」というのが主なテーマになっています。

概要だと、こんな感じですが、世界設定は同じでもテーマが全然違うので攻殻シリーズとは、かなり雰囲気が違います。

主人公がおじいさんだし、キャラを魅力的に描くことを優先していないし、派手なシーンもないし、ヒロインが良くも悪くも浮いてるし(たしかにアクセントにはなってますが、私はこのヒロインのキャラに中々慣れませんでした)、メインテーマも、そこまで深く具体的に描かれているわけでもなく、私には「ふーん。この世界のキャラがそう言ってるならそうなんだろうな」ぐらいの、なんとなくな解釈しかできませんでした。

でも、各エピソード単体だと、すごく魅力的な話が多かったです。
登場人物に落ち着いた大人なキャラが多いし、皆とても優しさに溢れているので、エピソードもそういう雰囲気のものが多くて楽しめました。
特に6話は、すごくいいのでおすすめです。
泣けました。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 11

71.7 2 コンピューターでテクノロジーなアニメランキング2位
機動警察パトレイバー(TVアニメ動画)

1989年秋アニメ
★★★★☆ 3.8 (280)
1660人が棚に入れました
時は1999年。社会は作業用ロボットことレイバーで発展を遂げる一方、レイバーを使った犯罪も多発。警視庁は対レイバー用の特機パトレイバーを準備した。レイバー小隊である特車二課第二小隊へ配属された婦警の泉野明は、パトレイバー・イングラムに“アルフォンス”と命名する。

声優・キャラクター
冨永みーな、古川登志夫、池水通洋、二又一成、大林隆介、榊原良子、郷里大輔、井上瑤、千葉繁、阪脩、西村知道、よこざわけい子、合野琢真、鈴置洋孝、土師孝也

ひげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

暴れまわるザ・ライトスタッフ(あっ軽い人々)。

正直ガンダムより好きです。
従来のロボットアニメが立ち向かってきたリアリティではなく『リアル』な小型ロボットという本懐をなしとげた。子供向けのトリコロールともおさらば!!
近未来(だったw)この世界ではレイバー(労働者)の名の通り、ただの建築、土木機械である。
銃も熱を出すような武器も持たない。
ファイナルファイトばりにそこらへんの角材や鉄パイプを手に襲ってくる。
あと飲酒運転ww痴情のもつれ・・。
それらを仲裁、取り締まるためにパトレイバー(特殊車両2課 パトロールレイバー中隊)が存在するのだw。


玩具とした場合の販促面、人物と一緒に映したときの映像的な問題もあり主役機は8mクラス。手足は人間のように、腰は細く。だそうだ。
OVAなどでは電線や歩道橋に四苦八苦する姿が自虐と皮肉をこめて描かれる。人型である理由も劇中でも『かっこいいから』だからね。警察は正義の味方ですみたいな・・。


かなり明確な操縦方法、メンテ(どこまでやられたらメーカー整備とかある)方法やらレシプロ補助発電、電動式の駆動システム、各部のアクチュエーターや軽量化のためのFRPのペラペラ装甲、果ては道交法の車両としての設定(股間にナンバーがついてる・・)までとにかく細かい。
普段は肉眼で作業できるようにコクピットが上下に移動するのも強度と整備性はどうなの?なんていわずに、実用的かっこいい。実際旧式、量産タイプではオミットされる機種も。


一番の功績は80年代当時、コンピューターではなく、OSという言葉を用い、ソフト(OS)、ハード(機体)と呼称したことかと。
操縦技術は元より、個人の操縦のクセや好みを覚えさせて、OSをちゃんと育てないとせっかくの最新、高コスト機体も活かしきれない。逆にどんな優秀なOSを入れても対応できるくらいに機体がよくなければ意味がない。ボトムズで少しでたけど、これはそれまでのロボットアニメにはなかった。
そして歩行型の乗り物は酔ってゲロを吐く。。

で・・ここまで詳細に設定をつくっておきながら、動きは非現実的にド派手でコミカル。作業用レイバーは石原がとび蹴りしてくるレベルのディーゼル黒煙を巻き上げつっこんでくる・・。
なんとも粋な作品。


サンデーの漫画版はコミカライズ云々ではなくて漫画もアニメも原作なんです。
ゆうきまさみ自身が原作グループのヘッドギア立ち上げメンバー。

鉄人28号のオマージュ、黒いレイバー事件をメインストーリーとして基本的に1話完結、ボトルショーばかりのオムニバス形式でお話が進みます。

個性的なキャラクターが織り成す警察官(おまわりさん)公務員wとしてのロボットアニメ、新社会人の青春群像劇、コメディ、ドラマ、ミステリー。。。
そう踊る大走査線はこれかれレイバーをとったものなんです。
偉大なネタ元の逮捕しちゃうぞ への感謝の気持ちも忘れない。パトカーが・・トゥデイw。
後藤隊長曰く、隊員としての日々は部活動みたいなもん。らしい。いつかはオトナになってそれぞれの道へってことかな。
だれでも楽しめる作品なので興味ある方はぜひ。

一番好きな話は押井守の『特車二課壊滅す!』です。
14話の後藤隊長の拡声器での台詞も最高。
パト2も含め、やっぱり後藤隊長が理想の上司だなぁ。。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 18

ゆきだる丸 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

二足歩行ロボットは乗り心地が悪い

当時、ちょうど今頃「2000年~」の未来を設定として始まったアニメ。
ドラえもんとかアトムみたいに空飛ぶ車や空飛ぶロボット、ハイテクっぽさが一切無く「10年後ってこんなもんだよな~」的イメージを醸し出した作品です。

・乗り心地が悪い
・空飛べない
・免許が必要
・金食い虫
・海に潜れない
等々、ロボットアニメとしては珍しくミラクルの少ない現実味のある内容。

オチこぼれ、はみ出し者なお巡りさんが「レイバー」と呼ばれるロボットで犯罪を取り締まる感じのお話。

現実的にあり得そうなテクノロジー感が大好きです。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 3

ぶっかけ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0

特車2科は永遠

これのせいで、とゆうかおかげで私にとってロボットとはガンダムでなくパトレイバー
何が面白くて何が面白くないかの判断基準は、未だにこの作品を軸に考えている程

フィクション全般は、至極勝手に自由に物事を進めていて、制約は自ら作るしかない。
作り手の責任とでもゆうんでしょうかね
規制することでジレンマが生まれ物事が交錯する
規制は世界観や設定であり、交錯するジレンマを魅力的に見せるのが登場人物です
そこにデザインや演出・ストーリーを加えさらに磨き上げたものにこそ、秀逸であるとゆう評価はなされる
だから、その責任が感じられない作品は評価できないと私は思っています
そう言う、あくまで自分にとって面白いと思うモノの根拠が何であるのか、に答えを出してくれた作品です

投稿 : 2024/11/16
♥ : 8

69.5 3 コンピューターでテクノロジーなアニメランキング3位
老人Z(アニメ映画)

1991年9月1日
★★★★☆ 3.7 (214)
1042人が棚に入れました
看護学校に通うハルコはボランティアで高沢老人の介護を行っていたが、高沢が最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターに選ばれ、お役御免となってしまう。見舞いに行った先でチューブだらけになった高沢の姿を見てショックをうけたハルコは高沢を助け出そうとするが失敗。実習先で知り合ったハッカー老人らに助けを求めるが…

声優・キャラクター
松村彦次郎、横山智佐、小川真司、近石真介、辻谷耕史

takarock さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3

浅薄だがおもしろい、そんな歪なアニメ映画

1991年公開のアニメ映画。
監督:北久保弘之氏、
メカニックデザイン:大友克洋氏、キャラクターデザイン:江口寿史氏
作画を担当しているのも、今敏氏、沖浦啓之氏、黄瀬和哉氏、井上俊之氏
鶴巻和哉氏、松本憲生氏等々数え上げればキリがない程超豪華スタッフです。

「簡単なあらすじ」
看護学生の三橋晴子がボランティアで看護している寝たきり老人の高沢喜十郎は、
ある日突然日本政府の推進する最新型介護ロボット「Z-001号機」のモニターに選ばれる。
体中チューブだらけの高沢に胸を痛める晴子。
そんな中介護ロボットは暴走していくことになる・・・。

*現在においては看護と介護の違いは明確化されていますが、
ここではほぼ同義語として取り扱います。

さて、私が本作を観終えた直後の率直な感想を述べると、
アニメーションとしてはおもしろいと思う・・・
けれども、一体何なのこの作品? 何が言いたいの? そもそも何の為に作ったの?
と狐につままれたような気分になりましたw

本作を視聴する前は当然介護問題を取り扱った作品だろうと想定しているわけです。
劇中でも「愛のある看護でなければいけない」的なことを晴子が発言していたので、
ああ、そういうメッセージ性の作品なんだと思っていたんですけど、
テーマ性、ストーリー性、舞台設定、キャラ造形、さらには話のオチに至っても、
その全てが浅薄極まりなく、もうペラッペラですw
本作を観終えて、「介護問題について深く考えさせられた」なんて言われた日には
真顔で「は???」と聞き返してしまうレベルw

高齢化社会が進んだ現在において介護問題は当時とは比較にならない程深刻化しています。
家族の認知症介護の経験者、あるいは現在介護している立場の方からしたら、
本作は極めて不愉快なものに映るかもしれません。

高沢をどこか小馬鹿にしたかのような描写、
高沢の願望の為に介護ロボットとして暴走し、周りに迷惑をかける描写、
劇中にアーパーギャル(死語)などという言葉が出てきましたが、
晴子含めアホな学生たちの軽佻浮薄な言動、
ご都合主義にも程があるだろうという登場人物の存在等々
本作の欠点は数え切れない程ありますし、
見る人によっては不謹慎だなんて言う人もいるかもしれません。

しかし、アニメーションとしては結構おもしろいw
何故ゆえにこんな歪な作品が出来上がったのかその背景に興味をそそられました。
それで、ちょっと調べてみたんですけど、
「アニメ監督・北久保弘之氏、『老人Z』の当時のエピソードを語る」という
Twitterのつぶやきがありました。興味があれば是非ご覧になってください。

この北久保弘之氏のつぶやきを要約すると、
飲み屋で酔っ払った北久保弘之氏と大友克洋氏がノリと勢いで作った企画を、
プロデューサーに持ちかけたら、よもや企画が通ってしまって、それで作るはめになったとw
売れる企画って何だ?→売れるといったらロボットものでしょ!!
→最強のロボットの操縦者が逆に寝たきり老人だったらおもしろくね?
→可愛いお姉ちゃんも必要でしょ→じゃあ、江口寿史さんに描いてもらっちゃう?(笑)
こんな感じだったのでしょうねww
それで、集められたスタッフは(もちろん今振り返るというのは考慮しても)超一流揃いだったので、
出発点がバカ企画とは思えない本格的なSF作品に仕上がってしまったとw

制作動機も不純ですし、見る人によっては不快感を与えるかもしれません。
前述したように不謹慎と捉える人もいるでしょう。
こういったブラックユーモアはエンターテインメントとして成立しづらいのが、昨今の風潮です。
それは、多少不謹慎だろうとおもしろければなんだっていいじゃん!という、
当時は当たり前のように受容されていた往年の❍ジテレビのようなノリが
もはや時代錯誤ということなのでしょう。

個人的にはこの程度のブラックユーモアなら許容できる範囲だと思いますし、
現在のあまりに行き過ぎた規制の掛け方は、表現する側にとっても窮屈でしょうし、
なによりも業界から活気を奪うので、如何なものかという思いはあります。

ちょっと話が逸れましたが、
本作を楽しむには、テーマ性? キャラ造形? 
そんなもんおもしろければなんだっていいじゃん!という
ある種バブリーなノリが必要なのかもしれませんね。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 34
ネタバレ

shino さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

気分はもう戦争

北久保弘之監督、原作大友克洋、
キャラクターデザイン江口寿史、
錚々たる制作チームで送るSF活劇。

高齢化社会により独居老人は増える一方で、
ペンダント式新緊急通報体制はパンク状態。
厚生省は明るい長寿計画を謳い、
次世代の新事業として自己増殖機能を持つ、
第6世代コンピューターを介護に導入した。

老人介護をテーマにした活劇ですが、
独居老人と取り巻く環境をコミカルに描き、
社会風刺でありながらその軽薄さも浮き彫りにする。
{netabare}やがて女子大生やマスコミを巻き込み、
バイオコンピューターが暴走を始め大事件に。{/netabare}
怒涛のメカアクション・デザインは匠の技です。

あまり考えなくて良いのです。
コメディとしては十分の出来でしょう。
破天荒な物語ですが、
軽快な構成ですのでサクッと見れます。

空虚で軽薄な時代の空気も良く表れている。
全てを真に受けてはダメなのだろう。

老人Z、世界を粉砕してくれ。

投稿 : 2024/11/16
♥ : 42

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

介護、その真の意味は・・・?

秀作中の秀作。
1991年にこのストーリー・・・。本当に今敏監督は天才以外の何者でも無いです。

一番評価したいのは作画と物語。昭和の雰囲気をそのまま出した作画は最近のアニメと違って逆にリアルです。
アニメだからこそ出せる「アニメ内での真実」というものを上手く表現しています。
ストーリーのベースとなる、時代、季節、キャラクターなどを選択するのは製作者の自由なんですが、一度設定してしまえばその設定に、その雰囲気を突き通さなければいけない。
それが「アニメ内の真実」です。

今作品は1991年と言う当時のそのままの風景を設定にしてあります。無駄に近代化もしてなければレトロにもしてない。
で、作画のタッチもその昭和の雰囲気を表現するに相応しい、薄くて輪郭がぼやけながらも、活気みたいなものを視聴者に無意識化で伝達するような感じになっていてその世界観にずるずる引き込まれます。
似ているのは「かみちゅ!」です。「かみちゅ!」でもぼやけた輪郭が焦点が合わさっている物をより強調する効果を持っていたのと同時に懐かしいような雰囲気を醸しだしていました。

で、その作画だけでも素晴らしいのですが、一番興味深いのはその「THE 昭和」にコンピューターネタを持ってくることです。
しかもそのアイデアそのものは2012年の今でも通用する、「意思の介入」というもの。
一般家庭にパソコン自体普及していないような時代にこのネタは本当に天才としか良い様がありませんね。まさに圧巻です。

最近の同じネタとして扱った作品として挙げられるのは「サマー・ウォーズ」です。
ラブ・マシーンという探究心を持ったプログラムがOZという架空世界でどういった行動を起すのかを描いていました。


実は、私はコンピューターネタとしては今作品、「老人Z」の方が一枚上だと考えています。
「サマー・ウォーズ」との一番の違いは現実世界か架空世界か、です。
そして、現実世界でコンピューターが意思を持つということの方が作品として描くのが難しいと私は思うんですよね。
なんせ、現実世界には(老人Zでは昭和の神奈川付近)現実世界のルールがある。それは本編でもよく描かれていました。
マスコミなどは、本当にそのもので、これだけでもオススメしますよw
で、その現実世界のルールの従いながら、または破りながらどう矛盾無く視聴者をその世界観に引き込むか。
架空世界だと製作者側でどうにも変えられますからね。


物語は単純明快でして、しかも世の中の有様を非常によく表しています。
特に厚生省や国際情勢などの詳細な説明はありませんでしたが、そこは普段からニュースを見ていたら分かります。というより、分かりすぎて面白いww
1991年からマスコミや政府は変わっていないことが良く分かりますよw

例えばマスコミ。初めのロボットを厚生省が発表を記者会見でする時、こんなセリフがありました。
「そのロボットの原動力はなんなんですか?」
「ミニ原子力です!」
「え?そんなの大丈夫なんですか?放射線が洩れて患者の容態が悪くなる可能性は?」
「大丈夫です。万が一の場合はロボット自体が緊急信号を発信します」
「成る程!それなら大丈夫だ!」

ってな感じで、ホント厚生省の発言を鵜呑みにするマスコミ報道陣。もっと調査報道しろっての!

他にも1991年に製作されたにも関わらず、今の日本と通ずつシーンがチラホラ。
そういう点は非常に共感できるのと同時に面白いです。


ちなみに、この作品の一番の焦点は「介護」であって、コンピューターが意思を持つということではありませんのど、そこだけは気をつけてください。

コンピューターが、ロボットが意思や探究心を持つなどと言った作品は他にも沢山ありますし、もっと深いところで問題提起する作品もあります。
というより、今作品では第六世代コンピューターというものの、基礎チップ(多分CPUのことだと思う)がバイオテクノロジーで作られているということしか記されていなくて、それがどう探究心に繫がるのかは曖昧でした。

対照的に「介護」は物語の全体を通して上手く描いていました。
介護とは人の体を清潔に、とか出来るだけ手間を省いて効率良くとかじゃなくて、如何に患者に負担をかけずに、患者の気持ちを汲んで幸せにするか、だということです。

こういう点はサービス業とリンクして、花咲くいろはで出ていた幾つかのセリフを思い出しました。

物語は簡単ですが、そのメッセージ性は独特かつとても強調的でダイレクトに心に響きます。
何度目か分かりませんが、本当に1991年とは信じられない。
いや、むしろ1991年だからこんなにも輝いているんだと思います。
時間がある人も無い人も是非見てください^^

投稿 : 2024/11/16
♥ : 17
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