コンクールで天才なおすすめアニメランキング 9

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのコンクールで天才な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番のコンクールで天才なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

70.3 1 コンクールで天才なアニメランキング1位
ピアノの森(TVアニメ動画)

2018年春アニメ
★★★★☆ 3.5 (254)
1114人が棚に入れました
 森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った主人公の一ノ瀬海が かつて天才ピアニストと呼ばれた阿宇野壮介や 偉大なピアニストを父に持つ雨宮修平などとの出会いの中でピアノの才能を開花させていき やがてショパン・コンクールに挑戦するまでを描く、感動のストーリー。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、諏訪部順一、花江夏樹、白石涼子、大地葉
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★☆ 3.1

セ カイ イチノ ピアニスト

(※ 2018.7.6の最終投稿の全文を、当時の文章は極力残す形で細部まで推敲しました)

<第1期(第1話から第12話)までの試聴後の総評>

同期の「ひなまつり」は、スタッフの原作愛がアニメを原作以上にしていたと感じたのとは対照的に、本作は、スタッフに原作愛がたりないと感じました。

特に人物の作画レベルが低いのと、内容の不用意なカットで原作キャラの魅力が半減している場面が多かった。

尺の制約の中で原作の構成を上手くアレンジして面白い所をより面白くしたり、簡略したとしても、本来の感動を損ねないような工夫が十分に足りていたとは思えなかった。

以上から結局、ダイジェスト感ばかりで12話以外は、ほとんど盛り上がれませんでした。

第1期全12話で、カイのショパンコンクールデビューまで描くには尺がどう考えても足りない。せめてもう半クールでもいいから話数を加えて、カイの修業時代と誉子のエピソードを丁寧に描いて欲しかったです。

<物語とキャラについて>
{netabare}
最終話視聴直後は一度物語1.5、キャラ評価2.0にしました。その後、映像抜きでオーディオドラマとして再度鑑賞して評価上げました。

物語評価は、原作を5.0とするなら最終的に3.0に修正。
脚本的には12話が一番良かった。

キャラ評価が2.5なのは以下の理由。

カット多いため誉子と阿字野、レイ、佐賀先生の魅力が描き足りない。特に誉子は、個人的に一番好きだったのでアニメでのキャラ評価は厳しい。

カイの恋人、サエの存在カットもかなりマイナス。サエは、やはり存在すべきキャラ。カイが17歳でも精神的に成熟してるように見えるのは、愛する女性がいるため。彼女がいれば、カイの精神年齢の高さに説得力を与え、人間的魅力もアップしたように思います。
{/netabare}
<作画について>
{netabare}
背景を除く作画が、話の没入まで妨げる珍しいケースと思った。映像ない方が、話が何倍も面白く感じる。

滅多に評価を1にすることない私ですが、本作の作画はあまりにも不快で、個人的な許容範囲を遥かに超えてました。粗が素人目にもはっきりわかる。CG部の作り込みも甘過ぎる。その結果、全体が調和していない。

人員が足りないのかもしれませんが、原画などを安易に外国人へ大量外注するのはどうかと。文化や感性、価値感の異なる近隣国のスタッフは、日本人の美徳の、融和の精神に欠け統制が取りづらいんだろうと思います。そのため監督さんは、納期との兼ね合いもあり、作画上の妥協点を低くせざるを得なかったかもしれません。

そんなことが完成されたアニメから滲み出ていると感じました。
{/netabare}
<その他>
{netabare}
音楽面は、番宣でアピールしてただけのことはある。とても素晴らしかった。そこは非常に救い。

オーディオドラマとして再度鑑賞して4.5→5.0に評価アップ。

声優キャストの皆さんは、全員素晴らしかった。しかし、デッサンが別人のように場面場面で目まぐるしく変わる滑稽な顔で、いい声でいいこと言われても閉口します。作画の酷さで、キャストの演技の魅力まで台無しになった。

2期(第13話から第24話)は半年間の準備期間を与えられた以上、今期の反省を踏まえ、作品の大いなる質の向上を望みます。

第9話で、この物語の肝になる部分に繋がる、原作第13巻の伏線エピソードがカットされましたが、2期では原作第21巻に描かれる別な伏線の丁寧な描写を外さず、一番感動したポイントを、的確に味わい深く演出して欲しいものです。
{/netabare}

以下は、視聴前&視聴中レビューですが、かなりの長文です。
{netabare}
主人公である「ピアニスト 一ノ瀬海」は、アナグラムで「世界一のピアニスト」になります。作者さんはネーミングセンスいいですね。

※ 以下は、放送前に投稿したもの。かなり長いのでタグで閉じます。お時間があり、気が向いたらどうぞ。
{netabare}
<はじめに>

2015年末に発売されたばかりの原作コミックの最終話を読み終えた時、感涙するほど大感動!!以来、テレビアニメ化を熱望していた作品です。

2年4ヶ月経ち、その想いもようやく実現。放送6日前に、全26巻の原作を読み返しましたが、読み始めたら止まらず一晩の一気読みとなりました。

原作の紹介は、2007年公開のアニメ映画版のレビューに投稿済みなのでここでは割愛します。

久しぶりに放送中での全話レビューをしたくなりました。

物語やキャラの評価を事前に満点としたのは、原作基準によるもの。作画と音楽だけは、実際観るまで評価できないのでデフォルトのまま。

過去に、TVアニメ全75話で単行本全20巻の「バクマン。」を描いたNHKが本作を制作。

既に、メインキャラのみならず、13巻以降登場のライバルキャラのキャストも公表済み。そのキャラの演奏担当の様々な国籍の新進気鋭のピアニストも個別に決定してるようで、音楽面でも予算を十分掛けてるようで期待は大きい。最後まで描く気満々と思われますが、本作の実尺が非常に気になります。

NHK総合の番組予定表には本作は全12話と記載。(ピアノの森のアニメ公式番組サイトには、現状話数の記述はなし)
これだけの情報では、全26巻分すべてをここに詰め込むか、
また別に2期を企画してるのかが不明。

放送倫理上問題あるところの改変や省略はある程度は仕方ないにしても、納得のいく構成になるかは未知数で、視聴中に物語評価はかなり変動するかもしれません。

以下は4月放送予定分のみのサブタイトル。

第1話「選ばれた手」
第2話「ショパンを弾くために」
第3話「モーツァルトの遺言」
第4話「一番のピアノ」

放送前の現時点では、公表済みの以上のサブタイトルの流れから、4話で少なくても5巻最後までは確実に消化の模様。6巻1話目までの映画版と同じ所まで進むかもしれません。

5話、もしくは6話までには小学生篇を終え、カイの成長期(高校生)篇に移ると個人的に予想してますが、どうなることか。

やはり、このペースと1クールで原作のすべての旨味を引き出すのは不可能と思われます。

小学生篇後は、ごっそりカットもしくは大改変の簡略化で、ショパン・コンクール篇突入とかは勘弁してほしいけど...。

NHKは、ショパン・コンクール篇の華やかさを売りにして、
演奏者や声優も決定して番宣してる半面、カイの恋人、冴(サエ)のキャスト発表がない。で、ポーランドに旅立つまでの日本でのドラマをなおざりにする可能性が大のような気がします。

仮に原作改変して冴のエピソード抜いたとしても、全体としての話は成り立つとは思います。しかし、カイが性格の明るい天才ピアニストという魅力だけでなくハイティーンの、清廉なだけでない等身大の人間としての魅力も大切で、そのために彼の成長過程を丁寧に描くことがとても重要です。冴の存在や日本での出来事を軽視すると、きれいごとだけの物足りない話で終わってしまう懸念があります。

ところで、発表された声優キャストの中では、特に諏訪部順一、坂本真綾、悠木碧、花江夏樹の起用に拍手を送りたい。

諏訪部さんの主人公のピアノの師匠役は、イメージドンピシャ過ぎ。坂本さんの、芯の強い包容力ある主人公の母役もきっと嵌ることでしょう。

個人的に本作で一番好きなキャラは丸山誉子。彼女には、人間の弱さと強さ、幼稚と成熟を幅広く演じ分けられる声優が必要不可欠。そんな誉子を、幼女から可愛い女性、強い女性となんでもこいの演技の幅が広い悠木さんが演じてくれる。

以上3名のキャストだけでも声優評価は満点です。

花江さんと言えば、名作「四月は君の嘘」でピアニストの主人公、有馬公生を演じました。本作では、「君嘘」で言えば主人公のライバル、相座武士にあたる雨宮修平(高校生)を演じます。

「君嘘」を2014年冬からのリアルタイム放映を視聴したとき、ピアノに熱く青春を捧げるキャラたちに共通点を見出し、この映画版をすぐに思い出したのも今では懐かしい。

修平のキャラデザは、優男風メガネ男子。見た目で既に公生と被って見えます。さらに性格上も似てるキャラと思いますので、高校生篇になると、花江ボイスに「君嘘」との類似性の話題が飛び交うかもしれません。

いずれにせよ、主役の一ノ瀬 海(高校生)役の斉藤壮馬さんや
後半登場のパン・ウェイ役の中村悠一さんも含めどのキャストも繊細で深い演技が期待出来そうで非常に楽しみです。
{/netabare}

全24話 (分割2クール。2クール目の13話以降は2019年1月より)
※ 放送前のNHK番組表には全12話とありましたが、第1話終了後、全12話表記は削除。そしてHP公式の紹介文が改訂され、そこに話数が盛り込まれました。その改定前と後の2つの全文を以下に転記します。
{netabare}
(改定前) 森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った一ノ瀬海。
過酷な境遇にも負けず、師との運命的な出会いを経て、ショパン・コンクールで世界に挑む姿を描く感動の物語。

(改定後) 森に捨てられたピアノをおもちゃ代りにして育った主人公の一ノ瀬海が、かつて天才ピアニストと呼ばれた阿字野壮介や偉大なピアニストの父を持つ雨宮修平などとの出会いの中でピアノの才能を開花させていき、やがてショパン・コンクールで世界に挑む姿を全24話で描く、感動のストーリー。
{/netabare}
本作の原作(漫画)は、2年以上前に全26巻で完結済なので、旬とは言えないタイミングのTVアニメ化。個人的には、アニメにしてもらえただけでも有り難い作品と言えます。

<アニメーション制作:ガイナックススタジオ>

wikiによると、エヴァンゲリオンなどで有名なGAINAXの関連会社として2014年に設立された福島ガイナックスの、2016年に東京都内に設立したアニメスタジオ名。しかしGAINAXとは、2015年から資本関係が無くなっており、企業的な協力関係は残るものの、今ではGAINAXとは別経営の別会社なので誤解なきよう。

連続テレビアニメ作品の制作は、この「ピアノの森」が初めてらしい。
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<「ピアノの森」の魅力>
{netabare}
アニメ映画版がきっかけで原作を読んで、ピアノに興味なく習ったこともない自分が、生まれて初めてピアノって素晴らしいなと思えた作品。

アニメ化された漫画原作、クラシック音楽のピアニストの主人公の音楽もので既に観たことのあるものは「ピアノの森」(映画版)以外では「四月は君の嘘」「のだめカンタービレ」が頭に浮かぶ。

音楽は時に、人の一生を180度変えることがある。

そんな音楽の素晴らしさと、音楽が与えてくれた奇跡をストレートに雑味なく描かれている「ピアノの森」が一番好き。

「ピアノの森」には、調味料として、悲劇は小さじ少々、恋愛はほんのひとつまみ程度含まれている。その隠し味が、絶妙な風味を醸し出す。

この物語を原作で最初から最後まで味わえば、音楽って素晴らしい、音楽は偉大だ、音楽は神様だ、音楽抜きの人生なんてあり得ない、音楽は人生を豊かにする...

人により言葉は違えど、そんなポジティブな感想を持つのが自然じゃないだろうか。

音楽に限らず、きっと何かに打ち込みたくなるだろう。

このTVシリーズもそんな作品になって欲しい。
{/netabare}
<物語の主人公>
{netabare}
海(カイ)は、まっすぐで性格の明るい若き天才。男だが、色白で綺麗な容姿でよく美少女に間違われる。彼自身の成長と共に、作中で出会う多くの人に大きな影響を与え、最高のライバル、希望、目標、ヒーローのいずれかに当て嵌まる存在になっていく。

主人公は一人だけではない。

本作は、ピアニスト以外も含め、魅力あるキャラクターたちがいっぱい。登場するピアニストたちは、純粋でストイック。地獄に落とされるような挫折やどん底の幼少期を体験した者もいる。

中でもコンクールの優勝を目指す者は、一人一人が胸の内に
苦しみ、悲しみ、悩み、葛藤、焦燥、嫉妬など様々な想いを抱きながらも、夢や希望のために、ひたすら音楽に身を捧げる求道者ばかり。この作品に出てくる皆、他人の足を引っ張るような愚かなことはしない。自分自身とライバルとの真っ向勝負に命を燃やす。

そんなキャラクターたちがポーランドで邂逅。その群像劇は最高のスパイスとなり物語に彩りと深みを与える。
{/netabare}
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<各話レビュー>

小学生篇では、2007年の映画版(日本テレビ他制作 小島正幸監督作)との比較もしたいと思います。
(酷評あり。本作を素直に楽しめてる方は閲覧要注意)

以下、NHK総合にて月曜(日曜深夜)放送
0:10 - 0:35 近畿地方を除く日本全域
0:50 - 1:15 近畿広域圏

(以下、各話を~篇で分類したのは公式のものでなく、独自な解釈の便宜上のものです)
◎ 小学生篇
★ #01:「選ばれた手」(2018.4.9放送)
{netabare}
原作第1巻から第2巻半ば(第1話-第12話)までの内容。

<主人公カイと修平の出会いと、カイとピアノ師匠との繋がりの始まり>
今回の最後で使われた、サブタイトル関連の「この手は選ばれた手だ」という台詞は、映画版では28分/100分にも出てくるが、キャストの演技の個性が全く違うので聴き比べると面白い。

映画版の作画に馴染んでしまったせいで、TV版が見劣りしてしまいます。出来ることなら京アニか、CGのレベルが高いufotableあたりで制作してもらいたかったです。

製作予算を、メインイベントのショパンコンクールの音楽と演奏シーンなど、華麗なステージ再現に注ぎ、それ以外の小学校時代などは、エコノミーな作画でお茶を濁すつもりでしょうか。

背景は問題ないが、フル3DCGのピアノ演奏シーンと普段のキャラクターの作画のギャップが大きすぎる。

普段はのっぺりした子供向けアニメキャラっぽくCGになるとゲームのアバターのように見える。動きも、ぬるぬるとガクガクの違いが極端で気持ち悪い。

また最後の方、月明かりの下、夜の森でピアノを弾くシーン。
いかにもCGな作画に変わって、カイの指使いが映し出されると、カイの指が軟体の宇宙人の指に見えてしまった。

冒頭以外は、映画版より原作に近い形でのスタート。キャラクターデザインも原作準拠のもの。

初回で既に、掛け足でコンクール篇になってしまう予感。

<映画との違い その1>

映画では、今回の話に該当する部分は、色々とアレンジされており原作とは違うシーンが多い。冒頭は、修平が母親と共に車で引越し先へと向かうシーンから始まります。全体的に、阿字野先生と修平の内面をしっかりフォーカス。キャラデザも顔の輪郭がすっきりしており原作よりスマート。

また、原作に拘らない映画の方が、カイと修平の人間関係の親密度が増す様が自然に感じられます。カイは、映画の方がいじめには決して屈しない、メソメソしない人間的逞しさがあって好感度が高い。

音楽面では、特にピアノ演奏に関して、冒頭は素晴らしかったがそれ以外で、映画版のウラディーミル・アシュケナージ(20世紀後半を代表するピアニスト)が演奏した、ゆったりと余韻たっぷりな、幻想的な格調高さが染み付いてしまってるので物足りなさが残りました。TV版の方が原作に忠実。好みだけの問題です。

<1話総評>

色々と不満も書きましたが上を見ればきりがありません。今回は、原作ファンの自分としては100点満点なら70点の満足度でした。

映画版でもそうでしたが、さすがにTV版でも原作でキンピラが使った「淫売」という言葉は避け、カイの母親初登場時の、百聞は一見に如かず(何のことかは察して下さい)シーンは丸々カット。

原作は他にも、森の端がいかに酷い所か分かる、年齢制限付きOVAにでもしなければ描けないような場面があります。興味があったらぜひ読んでみてください。
{/netabare}
★ #02:「ショパンを弾くために」(2018.4.16放送)
{netabare}
原作第2巻半ばから第4巻半ば(第13話-第28話)までの内容。
映画版では経過時間28-60分のシーンに相当。

<カイ、ピアニストへの旅立ち>

カイは、ショパン『小犬のワルツ』との出会いがきっかけで全日本ピアノコンクール地区予選に不本意ながら出場することになってしまう。

課題曲は、モーツァルト『ピアノソナタ ヘ長調 K.280』

カイと修平はこの時点から完全なライバルとなった。

<映画との違い その2>

原作通りなら、カイと修平は一旦、友人関係が決裂、そしてライバル関係としての再構築の流れが、今回の話に盛り込まれます。TV版は、その点で非常に物足りません。

以下は、TV版ではカット。

映画では原作通り、キンピラとカイが再び喧嘩するシーンが描かれる。そこに「この手はもう、喧嘩なんかする手じゃないんだよ」と必死にカイの腕を掴み、喧嘩を止めようとする修平。余計なお世話と、ピアニストとして心配する修平の気持ちを全く汲み取れないカイ。そこで生まれた不協和音で修平は、カイを忘れようと必死に練習に打ち込む。

そんなドラマがあればこそ生きる最後の二人の真剣勝負の約束でしょう。このシーンは外してほしくなかったですね。

また、ピアノレッスンの見返りに関する阿字野とカイの取引は、映画の方が原作に近く丁寧。そのため、主導権をがっちり確保した、やり手の先生感が映画の方が良く出ています。

TV版では「森の端」の描写が、ごっそり消滅。森の端は、そこを牛耳る裏社会の人間達が、住人をそこに一生縛り付けようとする厄介な場所。カイと母親の会話から、それを伝える努力は認めますが、そんな森の端のエピソードが、あまりにもなさ過ぎて説得力が弱い。

原作を知らないと、TV版のカイは、ただの貧乏な境遇に見えてしまうかもしれません。

一方映画では、原作の持つ生々しさは最小限に抑え、短いながらもカイが手伝う店内の様子や、修平がカイを訪ねた時のトラブルを描いてくれた。そのおかげで、森の端という地域の問題点をある程度は伝えてくれました。

<手描き作画について>

唯一の救いは背景の綺麗さ。普段、全体での統一感さえ、ある程度維持していれば、多少の作画崩れはそんなに気にしません。しかし今回は1話以上に、キャラクターの作画に一貫性が無く統一感のないものでした。

その他のキャラはそんなに気にならないのですが、阿字野先生の顔つきの、別人のような変化が見苦しい。ナイスミドルになったり、冴えないおじさんになったり、時には左右の目の高さが変わったり、額が広く顔長になったり…

映像から露骨に滲み出てくる原画担当の個々の技量の差が気になって話に浸りきれません。

<蛇足>
(※ 以下は、あくまでも個人の邪推と偏見です。現場を見てきたわけではないので勝手な妄想の戯言と思って下さい)

今回で、本作の演奏シーンのCGと止め画のOP&EDは、アニメーターの実力不足をごまかすために採用された気がします。

手描きとCG双方が、相手を尊重して歩み寄る姿勢を感じられません。演奏シーンのCGの不自然さは1話と同様。カイがピアノを弾き始めCGに切り替わった途端、別次元の住人に変身。手のCG感も相変わらず。自然な手先に見せる加工も工夫もなく雑です。せめて髪の毛の質感だけでも何とかならないものでしょうか。

CGになると、カイの髪の毛が人間のものから鳥の羽の質感に変化するので違和感が非常に大きい。さらに演奏中も手描きとCGが切り替わり、手描き班とCG班の統制が全く取れていない映像に酔いそうになりました。

監督の中谷学氏は、アメリカでCGアニメの現場で叩き上げられた実力者であっても、ドリームワークスの劇場アニメでの、ライターとCGスーパーバイザーとしてのキャリアのみ。

様々な部署を統制しなければならない日本のTVアニメ監督は初体験なはず。手画きの多い日本のアニメの、過酷な制作現場で下から叩き上げられた方ではないよう。特にCGとは畑違いゆえ、手画きスタッフに対して、発言力が弱くなってるかもしれません。プロデューサーの無茶振り人事もいいところです。

また気になるのは、日本人以外の、自己主張の激しい国民性を持つ2か国のスタッフが大勢いること。

半島系(原画6名中4名、動画4名中2名、作画監督2名全員、美術5名全員)、大陸系(CG制作20名中8名、CG美術2名全員)とエンドロールで一目瞭然の参加比率。

手画きとCGで、2カ国真っ二つに分裂。これでは、手画きとCGが調和するのは絶対不可能な気がします。管理する日本人スタッフは、納期に間に合わせるため多くの問題に目を瞑らざるを得ないのかもしれません。監督と総作画監督の苦労が偲ばれます。

以上、完成映像から、制作現場での余計な人間ドラマを想像してしまいました。

モーションキャプチャでの見応えあるピアノ演奏に拘るなら
いっそのこと全作画を3DCGにして、キャラクターも、原作から離れたとしても、CGとの調和を優先したデザインがいいと思います。その点、かつての映画のキャラデザの方がよほどCGと調和しやすそうです。

<2話までの総評>

個人的には、2話単独の満足度は60点。大筋のまとめ方としては無難とは思います。原作未読者にとってはこれでも十分かもしれません。

2話まで観て、物語の評価は、5.0(原作基準)→4.0、作画を3.0→2.5に下げました。

原作にある以下のポイントが、映画版ほど十分に描けていないのがその理由です。

・カイの育った境遇の悲惨さ。
・学校でのいじめや大人からの虐待に、勇猛果敢に立ち向かう野生児カイの魅力。
・阿字野先生が、カイと出会うことで生まれた人生の迷いと葛藤。
・修平の、カイを知れば知るほど増幅する苦悩、葛藤、焦燥。

とは言え、次回からの原作上のエピソードが大好きで期待してます。一番好きなキャラも初登場しそうで楽しみです。
{/netabare}
★ #03:「モーツァルトの遺言」(2018.4.23放送)
{netabare}
原作第4巻半ばから第5巻途中(第28話-第35話序盤)までの内容。映画版ではおおよそ経過時間60-76分のシーンに相当。

<誉子、人生を変える出会いを体験する>

カイは阿字野に指導を乞い、修平との誓い通り、万全の準備でピアノコンクール地区予選に出場することなった。

予選当日、参加者の一人の丸山誉子は、会場の控室でカイと出会う。彼女は極度のあがり症で、いつも本番で実力を発揮しきれない。成り行きで、カイはそんな誉子を励ますことになった。修平は、コンクール本番のパーフェクトな演奏で確かな手応えを得る。果たして誉子は、そしてカイは…。

<映画との違い その3>

今回もTVは原作を尊重してるが、それが必ずしもいいとは限りない。

今回のエピソードは、映画では16分でまとめていた内容を、TVでは約22分でまとめていました。プラス6分の余裕で一層濃いものになりそうなものなのに、結果的には単なる原作のダイジェストになってる気がします。

それは脚本の問題で、キャラクターの心情と言動の描写に繊細さが欠落しており、すべてが上っ面な感じがする。それに加え、作画の拘りの不足がもたらした結果と思われます。

・TVでは、映画では登場しなかった修平の父、
雨宮洋一郎が原作通りコンクール会場に登場。

・TVでは、阿字野の模範演奏カセットテープ(原作準拠)をCD-Rに変更。

現代に沿うよう改変したかに見えて、作画の難易度を下げる意図が見え隠れ。映画では、テープを本体から引っ張り出し、カイに二度と聴かせないようにするシーンまであり、手間暇かけてたのに少々残念。

阿字野の調律シーンも、阿字野の手元を全く描かず。ピアノの内部構造も遠景で誤魔化し、チューニングハンマーも描かず清々しいほどエコノミー。

・モーツァルトの幻影の映画以上な大幅な簡略化。
今回の見どころだったモーツァルトの幻影を簡略すると
サブタイトル詐欺と言われても仕方ないような…。

エコノミー作画の影響をここでも感じる。オバケのモーツァルトが、おまけのモーツァルトになってました。

映画では、短いながらも最高のアレンジが加えられ、一人から日に日に増えて、大小男女合わせて11人で、カイの後ろをぞろぞろ付いてくシーンが可笑しかった。様々な声優で「楽譜を返して」と、カイに語りかけるのもまた愉快でした。

・TVでの、カイが服を汚され、それをガソリンスタンドで水洗いするシーンは原作にあったが映画には無かった。このシーンは、もっと丁寧に描かないと中途半端。原作通り、カイと母との仲睦まじい姿に感じ入る阿字野の心のモノローグを入れるべきです。そうすれば、このシーンは非常に生きたと思います。

<3話までの総評>

3話単独の評価は55点。

上記不満点に加え、誉子に振り回される、表情豊かなカイが描き切れてないのも不満です。声優、白石涼子さんの荒っぽい声質のせいもあり、カイが偉そうで可愛げがありません。映画では誉子に抱きつかれた時の、困ったような、照れたような
カイの表情と仕草に子供らしい可愛さがあって好きでした。

映画でのCVも、女優の上戸彩さんの繊細な演技が意外なほどに嵌っていた。そして、穏やかさと力強さを併せ持つカイの優しい人間性もよく出ていました。

TVでの小学生のカイを演じる白石さんは、プロらしい上手さがあるけど、子供向けアニメによく見られる、画一的で繊細さが足りないテンプレ演技でつまらない。これは彼女の演技力が問題というより、脚本と演出の問題だと思います。

以上、次回以降の描き方に期待して、物語の評価は保留にしますが、その代わり、声優の評価を5.0(事前発表のメインキャスト基準)→4.0に下げます。

また、作画は手抜きがさらに増量した感があり、今回で2.5→2.0に下げます。

作画班は、日本人スタッフが相変わらず少数派。作画の大雑把感が大きいのは、そこにも問題がありそう。ガイナックススタジオの少数派の日本人スタッフは多くのアジアの異人に囲まれ気苦労が絶えなさそうです。
{/netabare}
★ #04:「一番のピアノ」(2018.4.30放送)
{netabare}
原作第5巻途中から第5巻末(第35話続き-第40話)までの内容。
映画版では経過時間76-89分のシーンに相当。
(今回は、構成の違いのため今までのように単純に切り取れませんでした。89分とは単なる目安です)

<誉子、ピアニストとして脱皮する>
<カイ、多くの観衆の前でピアノを演奏する悦びを知る>

楽譜通り、模範演奏、という呪縛を解き放った二人のピアノは観衆に大きな感動を与えた。修平と誉子はコンクール予選に合格した。カイは減点方式の審査基準により予選落ち。しかし、心に深く響くカイの規格外な演奏に、修平は音楽上の大きな敗北感を味わう。

カイと修平、世界に向けてのそれぞれの第一歩が始まった。

<映画との違い その4(終)>

映画の89-96分(96-100分はエンドロール)に相当するシーンは
次回に入ると思われますが、今回で比較を終了します。

今回の内容も、原作に拘らない映画と原作準拠のTVは、大まかな流れは同じでも細かい所でかなり違います。

一番分かりやすいシーンだけあげると、審査員の選考会議シーン。TVは原作通り存在しましたが、映画では丸々カットされました。TVでの選考シーンは今後の伏線として重要なものでしょう。

映画は、今回のコンクール予選の顛末迄で話を終える必要がありました。そのためこのカットで、審査員の中で、今後のカイや誉子の関係者となる人物の存在感を無くしても問題ない。
尺としても、ラストに向けた予選後のシーンを優先したのでしょう。

原作第6巻第41話迄の内容で終了した映画。一つの区切りで終わっても非常に感動的でした。映画は、カイの住む町から車で去っていく修平のモノローグで終了。原作にはないシーンですが、その余韻はとてもいいものです。

<4話までの総評>

やはり本作の作画は自分にとって受け入れがたく、粗ばかり見えてしまいます。背景はとてもいいのに残念です。

一番の理由は、無意識に映画と比べてしまい要求水準が上がってるからでしょう。次回以降は、映画では存在しないエピソードに入っていきますので、なるべく大らかになりたいと思います。ただ、手描きとCGの整合性の無さだけは、ずっと気になりそうです。

ところで、今回の手描き班は、背景は別として日本人しかクレジットされてませんでした。スタッフの増員がされたわけではないので原画3人、動画2人に激減。個々の負担がヤバそうです。

手描きで今回特に印象に残ったのは、21分31秒あたりから数秒、誉子は予選突破に歓喜してる途中で口が閉じられましたが声は続いてます。台詞と作画があってません。

「誉子、君はいっこく堂か」、と…。

また23分05秒あたり、会場外に出て雨空を見上げるカイは、
キャラデザそのものが変わったかのようでした。

今回は、一度視聴した後でCDドラマのつもりで試しに音声のみで鑑賞してみました。そのほうが、普通に話に入っていけます。音声のみの方が、脚本が良く出来てると思えます。ピアノ演奏も一層楽しめます。劇伴の優秀さも実感できます。キャストで、前回気になった白石さんの声質も今回は全く気になりません。

以上、4話単独の満足度は、映像込みだと65点。映像抜きなら90点。

映像抜きで初めて本作の音楽の良さが伝わりました。
今回、音楽評価のみ修正して3.0→4.0にします。

なんとも皮肉な話ですが、少なくとも4話までは、自分にとって映像が邪魔なアニメだったと言えそうです。そのうち、もう一度1話から3話まで、音声のみで鑑賞してみたくなりました。物語の印象が全然変わりそうです。
{/netabare}
★ #05:「コンクールの神様」(2018.5.7放送)
{netabare}
原作第5巻末から第6巻半ば過ぎ(第40話続き-第47話)までの内容。

<カイ、阿字野との約束を果たして森のピアノに戻ろうとする>

阿字野はカイを世界に羽ばたかせようとカイと母レイを説得。森のピアノさえあればいいとカイはそれを辞退。しかし森のピアノは、まるでカイを拒絶してるかのように音が出なくなった。ピアノが弾けない欲求不満が日々溜まる。観衆の前で演奏する快感も忘れられない。

カイは、今なすべきことを見出せず一人悶々となった。

<修平、阿字野から貴重なアドバイスを貰う>

修平は、コンクール後まもなく東京に転校してカイから離れていった。カイと共に過ごしたのはわずか3か月間。

阿字野の別れ際の修平へのアドバイス。「君はもっと自分のピアノを好きになった方がいい。そうすればきっと解る。誰かと比べる必要なんてないんだ。」

それは、誉子はクリアできたテーマ。しかし修平にとってはそれをクリアするのはまだ先になりそうだった。

<誉子、迷いなく音楽家への道へ>

カイの演奏に恋した誉子。”便所姫”の称号をカイから授けられピアノ界の勇者の道を選ぶ。それは、コンクールの勝ち負けより、自身が納得できる、カイのような音楽性豊かなピアニストを目指すこと。そして、今回のコンクール本選で審査員特別奨励賞を受賞することで自信を得た。

<5話の感想>

ほぼ原作通りの話の進め方でした。

今回の一番の見せ場は、誉子のコンクール本選シーン。誉子役の悠木さんの演技がさすがです。ピアノ演奏もとても良かった。その点だけでも今回は80点の満足度。

カイの理解者で協力者でもある亜理沙が、今回ようやく登場。本来は2話から登場させて、原作のようにカイとの人間関係を丁寧に描いた方がいいと思います。アニメでは、「森の端」の存在を曖昧にさせる都合上、致し方ないのでしょう。

今回は、動画のぎこちなさもあまり気にならなく、前回よりは安定した作画のように感じました。原画スタッフを、日本人で統一して増員(前回+9人)させたためか、制作陣のゆとりが作画に滲み出ていたように感じられます。キャラが柔らかく、人間的温かみが増した気がしました。

また今迄と打って変わって、CGを極力排除していたのも好印象です。これからも違和感あるCG作画でピアノ演奏の滑らかな技巧描写よりも、多少誤魔化してでも全体の作画の調和を重視してもらいたい。

審査員の佐賀先生は、顔の作画に笑える所も若干ありましたが、話の上では、今回一番かっこいい役でしたね。
{/netabare}
★ #06:「森のピアノ」(2018.5.14放送)
{netabare}
原作第6巻半ば過ぎから第7巻末(第48話-第58話)までの内容。

<カイ、森のピアノから卒業する>

既にカイですら音が出なくった森のピアノは落雷で焼失した。
心の拠り所を無くし、自らの進退をどうするか決めあぐねていたカイ。そんなとき、偶然街中で出会えた楽器店のアクリル樹脂製の透明なピアノ。多くのギャラリーに囲まれた久しぶりの演奏で涙が止まらくなった。

そしてカイは悟る。「そうなんだ。ピアノは俺の生命(いのち)なんだ。」と。

カイはプロを目指し、阿字野に師事することになった。

<6話の感想>

今回の一番の見せ場は、透明なピアノでのカイの初めての他者との共演シーン。原作では味わえない実際の音楽はとても魅力的でした。

今回は原作のおおよそ1.2巻分を1話に詰め込みましたが、ポイントを外さない上手いまとめ方だったと思います。

しかし、作画が相変わらずチープなのは大きなマイナス要素。
原作既読で話は熟知しているので、作画と音楽の出来が作品の評価に大きく影響してしまいます。なるべく気にしないように心がけてもやはり気になる。

全体的に、作画は前回より不安定になった印象でした。特に気になったのは、透明のピアノ本体の作画は頑張ってたのと対照的に、ヴァイオリンなどの弦楽器の作画が雑過ぎ。ヘッドやネックは長いし、指板は広すぎるし、もう笑っちゃうレベル。

今回、カイの演奏時のCGは手先と上半身の一部のみ。頭部は手描きのみにしてましたが、このほうがまだいいですね。

以上で、今回は75点の満足度。

今回の原画チームは半島系外国人のみ。前回は日本人のみと、回毎のチーム分けが明確になってきた印象。日本人との混成は、出来るだけ避ける方向にしたのでしょうか。
{/netabare}
◎ 高校生(日本)篇
★ #07:「再会」(2018.5.21放送)
{netabare}
原作第8巻(第59話)から第9巻(第71話)までの内容。

<カイと修平、16歳>

カイは、日本の一流進学高校の特待生。母親から離れ一人暮らし。学業と、修業を兼ねたピアノ演奏のアルバイトの日常へ。

修平は、カイと別れてすぐに海外留学。5年後、スランプでピアノが弾けなくなる。そして、カイに再会するために一時帰国。それはカイの圧倒的な才能から逃げることを止めるためだった。

<7話の感想>

カイをライバル視する修平。彼は恵まれた境遇なのに真面目すぎ。凝り固まった性格で、ある意味不自由。

対して、修平をピアニストとして尊敬するカイ。彼は自活し、学業と生活で手一杯。しかし、経済的豊かさからはほど遠くても、よき師とよき理解者に恵まれ、伸びやかにピアノの道を歩み続け、ある意味自由。

お互い正反対ゆえ、5年経っても親友同士になりきれない二人。修平さえ変われば、ピアノで結ばれた親友以上の真友になれるのに...。

今の修平は、カイから与えられるばかり。カイに与えるものができるのはまだ先になりそう。カイは素直で年齢以上の人格者なので、これからの修平の成長物語に期待です。

修平が16歳になって、中の人が花江さんに代わり、君嘘の有馬公生14歳の2年後のようでした。

今回は、原作の話のまとめ方としては好印象なものの、作画について、カイの、リスト「ラ・カンパネラ」の演奏シーンで
カイの全身CGと手描きの修平が、一部同一フレームに収まってました。これは違和感ありまくりでドン引き。CGと手描きの融合の難しさを感じます。

音楽は、良く配慮されており今回も素晴らしい。特に今回は、「ヤツらに捧げるバラード」にメロディがついてうれしかった。

以上で、今回はトータル70点の満足度。今回で音楽評価を4.0→4.5に、作画評価を2.0→1.5に修正します。

次回は、原作の大幅な簡略化がありそうで不安です。
{/netabare}
★ #08:「挑戦状」(2018.5.28放送)
{netabare}
原作第10巻(第83話に87話を一部合成),第11巻(第89話)から第12巻(第100話)までの内容。
(※ 第9巻(第72話)-第10巻(第82話),第11巻(第84-88話)はカット)

<カイと誉子の再会。そしてマエストロとの出会い>

カイは、阿字野の指示通りアルバイトをすべて辞め、5年ぶりにコンクールに出場。それは遠方の九州大分での「JAPAN ソリストコンクール in 別府」だった。

誉子は師事するピアノの司馬先生に導かれるまま飛行機に搭乗。始めは訳も分からず、急遽会場に出向きそれを観覧することになった。5年間、逢いたくても逢えなかったカイと思いがけずそこで再会。

コンクールでソリスト賞を得たカイは、日本の一流オーケストラと共演。それは、阿字野の手配によるジャン・ジャック・セローという超一流のマエストロとの出会いの場でもあった。

ジャンのショパン・コンクールの推薦状を貰え、いよいよカイは世界に飛び出す時がきたようだ。

<8話の感想>
一気に3巻分を駆け抜けた今回は、原作ファンの多くに不評を買ったのではないでしょうか。

以下、原作のネタバレあり
{netabare}
カイの恋人の岸上 冴(キシガミ サエ)は、アニメではいないことにされました。それは、原作の第72-82話のエピソードをカットすることでキャラも自然消滅。事前のサエのキャスト発表もなかったので予想通りでしたが残念。

サエは母親と離れた孤独なカイの心を埋めてくれる存在。彼女の存在は、カイの心の支えの身近な家族として重要なキャラと思います。出来れば彼女も描いて欲しかった。

サエは才能豊かな18歳の彫物師。未成年でも自立した努力家。アパート一人暮らし。軽自動車も持ってます。気立ても良く、技術もセンスも評判高く刺青のオファーは絶えません。そんな忙しい彼女ですが、マリアのピアノの大ファン。どんなに忙しくても、クラブに日曜の夜の週一で通い続けるほど。

ある日のクラブ閉店後、サエはマリアが女装の男性カイと知らぬまま一緒に飲みに行き、酔っぱらったカイはサエのアパートに泊まることに。そして、酔った勢いのカイに押し倒され男女の仲になります。そんな二人が初めて結ばれるシーンは良かった。カイもごく普通の若者なんだと伝わる微笑ましいシーンでした。

当初、カイと恋愛関係になることにまんざらでもないサエ。その後、カイが2つも年下の高校生であったことを知ってショックを受けたり…。クラブの女の子たちの嫉妬から、遊び相手のつもりで抱いたと誤解させられたり…。

そんな紆余曲折を経て、最終的にはカイの真剣な愛の想いを受け止めカイの家で同棲するようになります。そして家族の一員として、阿字野やカイの理解者たち公認のかけがいのないパートナーになりました。

またそれは、誉子とカイは恋愛関係に決してしないという、原作者からの読者へのメッセージとも受け取れました。

NHKでなくても地上波のテレビアニメでは、未成年の同棲(しかも片方は高校生)と飲酒を描くのは、倫理上ハードルが高いと思われます。

サエは、あくまでカイのプライベートな存在でピアノとは無関係。この先のメインイベントのショパコンにおいて、存在しなくても問題ないキャラでしょう。

以上から、サエのエピソードの全カットは諦めがつきます。
しかし今回、一番納得できないのは以下です。

<誉子の5年間の想いの描き方が不十分>

誉子の腱鞘炎をめぐるエピソードまで全カットされました。
原作上、本作で個人的に誉子が一番好きなキャラ。そうなったのは、今回カットの原作第84-88話のエピソードがあればこそ。

アニメでは、大分に向かう機上の誉子の回想で、彼女の5年間の出来事のほんの僅かな部分は描かれます。しかし彼女のピアニスト人生の挫折に繋がりかねない試練は全く描かれず。

誉子は5年前の、たった5分だけのカイのピアノ演奏でピアノに対する価値観が180度変えられた。以来、完璧よりも感動優先。プレーヤーからアーティストへの脱皮。5年間、勝ち負けに拘らない個性豊かなピアニストであり続ける。

そして、カイのピアノに恋焦がれ再び彼と出逢うためだけにコンクール荒しを続けてきた。優勝が目的ではない彼女が得られたのは特別奨励賞の類ばかり。そして誉子は、人の何倍ものピアノへの努力が仇で腱鞘炎になりました。

コンクールが唯一のカイとの再会の場と信じ込んだ誉子。腱鞘炎が周りにバレてもなかなかコンクールへの執着から離れられない。

しかし彼女の執着は、カイの5年ぶりの演奏に逢えたことで一瞬で氷解。そして改めてカイのようなピアニストになるべく心機一転、ようやくコンクールから一時離れ、手の治療を最優先することに。

そんな彼女のエピソードは、カイと誉子のドラマにおいて最重要。尺の問題とは言え、そこを描かないシリーズ構成には失望です。そこを端折ると、今回の誉子の涙も安っぽく見えてしまう。原作では大感動でしたが、アニメでは全く感動できません。

また、誉子の5年間の想いを丁寧に描くことは、カイの才能に信憑性を与えてくれる意味においても重要でしょう。

<原作での隠れたヒーローは、アニメでは消えたヒーローへ>

また、佐賀先生絡みの描写の大幅カットも大きなマイナス。
原作にある佐賀先生の、有能さとユーモラスで人間味の豊かさが共存した魅力あるキャラ像が、今回の描き方では十分に構築できませんでした。佐賀先生も、誉子の手の故障を最初に発見する者として重要な役。実は、佐賀先生抜きでは語れぬ誉子の復活劇が原作ではあったのです。

ついでに書かせてもらうと、第9巻の71話と72話の間に位置する番外編もアニメで観たい。誉子留守中の彼女の家に、偶然カイが調律師として派遣され、誉子とは逢えずとも愛犬ウエンディと逢うエピソード。これは最高でした。
{/netabare}
今回はダイジェストとしても残念な点が多い。人間ドラマを軽んじている印象で、今迄で一番がっかりです。悩み多きが青春時代。きれいごとばかりではないのです。せめて、今回の内容は最低でも3回に分けて丁寧に描いてもらいたかった。その内1回は誉子に焦点を絞り、カイがほとんど出てこない内容で。

ゆえに今回はトータル30点の満足度。
音楽の素晴らしさを考慮すれば40点。

物語評価を4.0→2.5に、キャラの描くべき原作上のポイントを外してるためキャラ評価を5.0(原作基準)→3.0に大幅修正します。

非常に残念です。
{/netabare}
◎ ショパン・コンクール(ポーランド ワルシャワ)篇
★ #09:「ワルシャワの胎動」(2018.6.4放送)
{netabare}
原作第12巻(第102話)から第13巻(第111話)までの内容。
但し、第13巻(第107-110話)はカット。

<カイ、ポーランドへ。そして新たな友との出逢い>
阿字野はまだ日本にいて、カイ一人渡欧してワルシャワへ到着。話し相手もない孤独な状況のカイは、ショパン・コンクールの予備予選に参加した。

修平は、楽勝で予選通過。カイは思わぬプレッシャーでかろうじての予選通過。カイは修平との再会を喜び、素直に修平の技量を褒めたたえたが、敵愾心丸出しの修平は、カイを拒絶。カイの孤独感を煽る。

一方、同じ予選参加者の日本人、平田光生(こうせい)。
彼は、カイや修平と同学年。ワルシャワに5年留学中。

予選会場で出逢った初対面のカイに気軽に話しかける光生。
同年代のうざいけど気のいい彼。彼は予選には落選。その結果、カイとはライバルにはなり得ず。その代わり、気楽に話せる初めてのカイのピアノ仲間になった。現状のワルシャワでは、親しい友人がいないカイにとって貴重な存在になりそうな予感。

<重要な伏線を描かず。この物語は何を結末にするつもりなのか?>

原作の第107-110話は結末に向けての重要な描写。アニメではそれを省きました。これは大いに不安。このままでは、原作で一番感動したポイントが、とって付けたような感じで終わってしまうかも。もしくは、そのポイント自体省かれる可能性もあります。それは、この作品の魅力を半減するほどの省略となるでしょう。

今回の満足度は音楽込みで40点。最早この時点で、私にとってこのアニメは音楽だけを楽しむために観続けているようなものです。

それにしても光生ってキャラ名。「君嘘」の主人公、公生の名前と読みが一緒とは…。君嘘は、2011年から発表されました。
当時、ピアノの森の単行本は少なくても19巻まで出版済。連載前のリサーチで本作を参考にした可能性が非常に高いですね。

今回も相変わらずの作画のトータルバランスの悪さに閉口。
特に今回は、CGと手描きの不自然な融合に加え、背景の、歴史の重みが滲み出る欧州の格調高い街並みやホールの綺麗な画と人物の、原作準拠に拘った庶民漫画風の拙い画を強引にミックスした動画にものすごい不協和音を感じました。これはもはやギャグ。真面目な話には合いません。
{/netabare}
★ #10:「ショパン・コンクール」(2018.6.11放送)
{netabare}
原作第13巻の第112-117話、第14巻の第124話の内容。

<コンクール第一次審査スタート>

フランス人、ソフィ・オルメッソン
中国人、パン・ウェイ
ポーランド人、カロル・アダムスキ

次々と登場する様々な国のコンテスタントたち。予備予選をクリアした彼ら第一次予選参加者は一人45分の持ち時間の中でショパンの名曲を自由に選び演奏して競い合う。ソフィやパンの魂のこもった演奏を聴き様々な思いを抱くカイや修平だった。

<10話の感想>

今回の満足度は20点。今回で物語評価を2.5→2.0、作画は1.5→1.0に更新。

今回のカットは、第13巻の第118話と第14巻の第119-123話。

修平とカイの人間関係に関わる部分以外は、基本バッサリカット。特に、コンクール会場以外でのカイと地元の人々との交流を省略したのが今回の一番の不満点です。

具体的には、カイがポーランド滞在中のアルバイトでの出来事。とある酒場でのエピソードでした。マエストロのジャンもカイを支える者として魅力的に描かれます。これを描かないとカイの人望、魅力が十分に伝わってきません。さらに光生がピエロのように描かれる部分もあり、ちょっと和む話だったのに…。

このように、カイと彼の身近な人々を丁寧に描かない点が致命的。そのため、阿字野をはじめとする人々の存在感が希薄でつまらないです。

手描きとCGを無節操に混ぜ込んだピアノ演奏シーン。止め画とぬるぬるCGの不自然な融合。特に、ソフィ(手描き)とパン(CG)の演奏シーンに大きな格差を生みました。これは非常に不快。素直に音楽を楽しめません。

CGに拘るならフルCGが無理でも、せめてピアニスト全員の演奏はCGで描画すべき。

さらに人物の作画乱れも一層酷くなりました。おかげで話も音楽も素直に楽しめず、せっかくの予算潤沢?のピアニストたちのピアノ音源も台無し。

総じて、原作は音楽が従で人間が主だったのに対して、アニメでは、それが逆転しまった印象でした。

今回、唯一いいなと思えたのは、パン ウェイ役の中村悠一さんの声。クールな役は実に嵌ります。さすがお兄様な存在感でした。

さて次週は放送はお休みで、次回は再来週。そしてNHKは結局12話で一区切りして、残りの12話は仕切り直して放送する様子。

13話以降をいつ放送するのか不明。思った以上に期待外れだった本作の詳細なレビュー投稿は、13話以降は止めるでことにします。
{/netabare}
★ #11:「ポーランドの新星」(2018.6.25放送)
{netabare}
原作第14巻の第125-129話、第15巻の第132-134話の内容。
第130,131話はカット。
[レフとカイの初対面シーンは第118話,第129話よりアレンジして簡略化]

<修平、さらなる闇の世界へ>

カイにコンテストで勝つことが、自信を回復するための唯一の手段と信じる修平。一次予選の演奏は大成功と思えたものの、その凝り固まった考え方で神経過敏になってしまった。

一方、自分に勝つことを信条として、他者をライバル視することと無縁のカイ。他者の優れた演奏は、自分と比べることもなく素直に称賛する。そんなカイは、息抜きに訪れたワルシャワの広大な公園で自分と波長が合いそうなコンテスタントの一人と遭遇する。

<11話の感想>

今回の満足度は30点。
(話としては50点ですが、作画で-20点。)

もう1次審査最終日。原作未読者にとっては、全く気にならなく普通に面白いかもしれませんが、自分には今回も、なかなかのスカスカな展開でした。

<今回までの話の流れで、原作で出てきたコンテスタントたち>

韓国の双子は、台詞無しでちらりと登場してましたが、豪快な魅力があったアレグラ・グラナドス(アルゼンチン)は、全く出なかった。他にもアメリカのダニエル・ハントも未登場。

アレグラはピアニストというより、ワンダーウーマンのようなパワフル系の濃いキャラ。このキャラを省くのはもったいない。せめて彼女だけでも登場させて欲しかった気がします。

そしてアニメでも、重要なキャラとして今回初登場は、ポーランドのレフ・シマノフスキ。一見人当たりのよさげなレフ。しかし彼も修平のような闇がありそう。

修平もレフもCG作画で演奏をアピールしてました。今の所、CG作画を用意されてるピアニストは、カイ、修平、パン、レフのみ。少なくてもこの四人は、コンクール篇でのエピソード上、欠かせないキャラと言えそうです。
{/netabare}
★ #12:「fff(フォルティッシッシモ)」(2018.7.2放送)
{netabare}
原作第15巻の第135-138話、第16巻の第139-142話の内容。

<カイ、オンステージ>

1次審査最終日、レフの次の出番はカイだった。カイは、予備予選の時とは打って変わって萎縮することなく、自由に伸び伸びと自分のピアノの世界を観客に伝える。それは、師弟(阿字野&カイ)の、社会との戦いの歴史であり、カイを育んだ森と、森のピアノのドラマ…

森のピアノは物理的には焼失したが、カイの心の中に確かに存在し続けていた。

<12話の感想>

カイが全世界にその存在を知らしめるターニングポイントで一区切り。今回で第1シーズン終了。第2シーズンは半年後スタート。

今期の〆回ですので、作画は今までで一番力入ってた気がしました。まあ、割と丁寧にカイの演奏の魅力を表現できてたから、作画の粗を普段より感じずに済んだだけかもしれません。

しかしいつの間に阿字野はポーランドに来てたの?

カットが多いせいで、阿字野の扱いが雑な点はマイナス。しかし、ピアノ音源が素晴らしかったので今回の満足度は70点。

1期は12話で原作15.5巻分を消化。残りは10.5巻分。2期は1期ほど駆け足にはならないと思われますがどうなることか。
{/netabare} {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 30
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.2

音楽ものとしてはわりと底辺 残り12話に期待

2018.07.04記


原作未読 ※すごい良いらしい

全24話の触れ込みですが、いったん12話まで放映されたものを視聴。
原作者一色まことさんの作品はスピリッツを毎週読んでいた頃お世話になりました。この原作もすごい良いらしいです。

直前スペシャルで、期待値上がってました。
なんでもコンサートホールをキャプチャ取ってCGで再現し、ダイナミックな演出を可能にしたとか。実際ピアノを弾いてる人のキャプチャ取って演奏シーンに反映させたとか。キャラに合わせた演者を用意したとかとか。
ストーリーか演奏シーンかどちらかで魅せてもらえればOK!の心持ちで視聴開始です。


あらすじは天才肌の主人公一之瀬海とサラブレット努力型の雨宮修平という二人のピアノ少年が出会い成長し、という物語になります。
努力型は置いといて、森に捨てられたピアノを鳴らしているうちに音の感覚や人の心を揺さぶる演奏力を身に着けた主人公という設定は興味深いものでした。


結局、、、

『意欲作』といったところでしょうか。
{netabare}子犬のワルツ(ショパン)のインパクトがある種きっかけになって、ショパンコンクールでクライマックスを迎える流れは筋が通っていて好感ではあります。{/netabare}


物語が駆け足で、ここが盛り上がりどころなんだろうなという場面でもそれまでの人物の背景描写が薄くて感情移入しにくい。
声優さんは安定したいい演技をしている。
OPEDも物語に沿った良い内容。出演もされてますが、悠木碧さんの落ち着いたED曲なかなか良かったです。
途中で切るほどではないけど、おそらくいろいろ端折ったんでしょう。話が飛んでいるように見えることで、起伏が生じずやや平坦な印象を持ちました。


さらに演奏シーンの多用は諸刃の剣になってしまったとも思います。
 ※劇中の演出に触れてるのでいちおう伏せときます

{netabare}たしかに指や体の動きはなめらかでした。・・・だがCG・・・
手書き部分とCC部分が見た目違い過ぎて違和感がはんぱない。止め絵やモノローグを多用するよりは指の動きを見せたい、という製作側のサービス精神の発露と受け止めたいところですが全体のバランスでみるとどうだったんでしょうね。{/netabare}

それと演奏の描写について

美しい音色なんですが、残念ながら私には違いがよく分からない。
{netabare}特にコンクール入ってからはみんなうまい人たちばかりなので曲の解釈はどう演出されてるかにかかってたのですが、ほぼ聴衆の反応(セリフ)のみ。心象描写や背景演出そしてモノローグなど使ってても印象が薄い。曲数も演奏シーン自体が多いという作品の特色を考えれば、いかんせん単調になってしまいました。心象描写や背景演出で印象に残ったのは一ノ瀬海演奏時の森の風景が立ち現われたのとか、パンウェイの革命のエチュードのシーンなど。これは良かった。{/netabare}
もう少し、曲の背景や持つ意味だったり、その曲を何故選択したか?のストーリー性など絡めても良かったんじゃないかと思います。


残り12話待ちですね。今のところイマイチです。



■余談 ※本作と四月は○の嘘のネタバレ込み

【ショパン バラード第1番ト短調 作品23】

この曲名でピンと来た人はそれはそれですごいですよ。

{netabare}雨宮くんの声は花江夏樹さんが担当してます。
その花江さんが誰か一人を想ってこの曲弾いてます。
演奏中、モノローグががんがん流れます。

四月は君の○を視聴済の場合はこのシーンだけ切り取っての視聴をおすすめしたいかも。
聴衆は感動で涙を流してましたが、こちとら苦笑を禁じ得ない状態でした。{/netabare}



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2019.09.04追記


視聴時期:2018年4月~6月 リアタイ視聴

2期と言うべきか後半と言うべきか残りも視聴完了。
期待の急浮上とはいかなかったもののやや盛り返した感あり。
ピアノの音色は文句なし。



2018.07.04 初稿
2019.09.04 追記

投稿 : 2024/11/02
♥ : 51
ネタバレ

ezo さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

作画と尺に泣かされた名作

1話目感想
{netabare}
1話で主人公が大舞台に立ってから小学生時代の回想へ。

これは主人公がピアニストになるまでの物語なのかどうなのか。

今期は続編、リメイク、スピンオフ、ショートアニメが強くて新規タイトルの30分アニメが軒並み今一つな印象だったけどこれは良さそう。

欠点を挙げるとすれば演奏シーンのCGの違和感かな。

そこのクオリティがもっと高ければ完璧な1話になっていたと思う。

{/netabare}

2話目感想
{netabare}
子犬のワルツを弾くために練習曲をひたすら弾く海。

ピアノを教えてもらった取引としてコンクールへ出ることへ。

演奏シーンの引きのCGがまだ違和感があるけど内容は文句なしに面白い。

やはりこの作品が今期のトップ候補になるのか。
{/netabare}

3話目感想
{netabare}
コンクール開始。誉子は今作のヒロイン的なキャラなのかな。

雨宮の演奏は完璧だったけど海はあの演奏を超えることが出来るのか。

続きが気になる引きで次回が早く観たい。
{/netabare}

4話目感想
{netabare}
海のピアノは確かに凄いけど型にはまった演奏が評価されるコンクールでは評価が難しい。

4話目にして少し泣いた。
{/netabare}

5話目感想
{netabare}
海は予選落ちだったけど誉子や修平を含め、多くの人に影響を与えた。

それでも修平はコンクールに勝つ為のピアノを弾ききった辺り彼もまた凄い。

天才と秀才、人の心を動かすのは天才だけどコンクールに求められているのは秀才なのだろう。
{/netabare}

6話目~8話目
{netabare}
小学校編から高校生編へ。

高校生編になってからはやや面白さが落ちるもののそれでも安定して楽しめている感じ。

{/netabare}

9話目感想
{netabare}
舞台はワルシャワへ。

作画は厳しいし展開は早すぎるし色々気になる点はあるけどそれでも面白いのはそれだけ原作が秀逸ということなんだろう。

光生は予選敗退だけど良い奴だった。
{/netabare}

10話目感想
{netabare}
有力候補が続々登場。

雨宮の演奏も楽しみだけどカイの演奏も早く聴きたい。

作画とかは相変わらず良くないけど話はとても面白い。
{/netabare}

11話目感想
{netabare}
雨宮は流石だが精神的にかなりキツそう。

周りからの期待が大きいレフもプレッシャーが凄そう。

皆が色々なものを抱え望むショパンコンクール、次回はいよいよカイの出番。来週が楽しみ。
{/netabare}

12話目感想
{netabare}
観るというよりはカイの演奏を聴く回という感じだった。

1クール目の締めとしてはキリの良い回だったと思う。

続きは2019年の1月から。これからも楽しみ。
{/netabare}

総評
{netabare}
個人的には小学校編はここ数年のアニメでも最高クラスに楽しめていました。

高校生~ショパンコンクール編も面白さはやや落ちたものの春アニメの中では一番シナリオは面白かった。

もったいないのは2クールで終わらせなければいけないが為のカットの多さ。

そしてなんといっても手書き部分の動かない作画(特に高校生編以降)とCGの違和感。

この作品に限らずCGモデルを各所に使用するアニメ作品は多いが、この作品は常時の作画のクオリティ、CGの出来共に完成度か他の作品と比べ低く、慣れるまでに大分時間がかかりました。

内容だけ見れば名作なのは間違いないだけに非常にもったいないアニメ化に感じました。

とは言っても2018年春アニメでは一番続き楽しみにしていた作品だったので2019年1月から始まるシーズン2も楽しみに待っています。

それまでには少しでもクオリティが上がることに期待。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 10

68.4 2 コンクールで天才なアニメランキング2位
ピアノの森(第2シリーズ)(TVアニメ動画)

2019年冬アニメ
★★★★☆ 3.5 (151)
582人が棚に入れました
森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った主人公の一ノ瀬海(カイ)が、かつて天才ピアニストと呼ばれた阿字野壮介や、偉大なピアニストの父を持つ雨宮修平などとの出会いの中でピアノの才能を開花させていき、やがてショパン・コンクールで世界に挑む。
2018年春の第1シリーズに続く分割2クール目。

声優・キャラクター
斉藤壮馬、諏訪部順一、花江夏樹、中村悠一、KENN、悠木碧、伊瀬茉莉也、小西克幸、豊永利行、遊佐浩二、三宅麻理恵、坂本真綾、田中秀幸、島田敏
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.2

評価に値するのは音楽と声優の演技のみ

第1シリーズ含めた全24話中、
第2シリーズは第13話から最終話までとなります。

作品の紹介などは、第1シリーズのレビューに書きましたので
ここでは省略します。

原作の大ファンである自分にとって
「ピアノの森」のテレビアニメ化は最高に嬉しかった。
しかし第1シリーズ数話で本作には既に失望。
まずは作画で、次にシリーズ構成にがっかり。

結果、期待に胸ふくまらせて書き始めた第1シリーズの詳細レビューでしたが、
今期の詳細レビューは、もう書く気がなくなりました。

<最終話まで観て>
本作は音楽>物語。
音楽だけは、ピアノ音源や新規EDなど非常にクオリティー高かった。

物語評価は、原作を読んだことなければ最低でも3.5以上にしていたかも。
しかし、原作を愛する自分には不満多い作品だった。

今期の5話目まで観た時点で、すでにアニメの評価確定。
そして最終話まで観てもその評価覆ることなく終了。

漫画「ピアノの森」は、物語>音楽にする形で
いつかリメイクしてもらいたいものです。
原作をリスペクトする、たっぷり確保した尺と構成で、
他の優れた制作会社と監督&脚本家で。

<TVアニメ版が嫌いな理由>
以下は、原作の若干のネタバレありです。
視聴中で原作未読の方は
アニメ終了までご覧にならないほうがいいでしょう。
{netabare}
作画が論外なのはまだしも、キャラクターが描き切れていないのが致命的。

構成に関して、個人的に描いて欲しかったポイントをほとんど外され
本当に残念です。
尺としても、最低でも3クール以上は必要な作品だったと思っています。

今期に入り、舞台はコンクール会場ばかり。
日本でカイを応援している家族や仲間の描写がほとんどなく単調です。
誉子は今期はモブ化してしまいました。

おかげで自分にとって本作は、
「天才ピアニストのサクセスストーリー」の域から脱せず
つまらない作品となりました。

最終巻まで読み終えて、本作の原作の魅力は、
単純なサクセスストーリーではない所でした。

原作のサクセスストーリー以外の魅力ある話を思いつくままに書くと、

・カイの、阿字野やお世話になった「森の端」住人への恩返しのドラマ。
・阿字野の奇跡の復活のドラマ。
・修平の脱皮と成長のドラマ。
・修平の父親 雨宮洋一郎の、阿字野と息子との関係が生み出すドラマ。
・誉子のドラマ。

つまり、少なくともカイ、阿字野、修平、誉子の4名は
等しくお互いが重要で欠かせぬ関係者であり、
物語の流れの中で主人公ポジションを譲り合いました。

成長後のカイは、苦労人だけあって
17歳でも、ある程度完成された人格者なので、
それ以外の3名の存在が、
物語を盛り上げて醍醐味を与えてくれていたのです。

ですから、上記主要の4名に関してはアニメ化に際して
原作に忠実に、いかなるエピソードも省くべきではないと感じます。

ところがアニメ第1シリーズでは、
コンクールに羽ばたく以前のドラマに1クール以下の尺しか与えられず
エピソードの大幅なカットがありました。
それは、キャラの魅力を視聴者に伝える上であまりに不十分。

カイの母親の怜子やカイの良き理解者である
ジャン・ジャック・セローや佐賀先生の魅力は
アニメでは半分以下となりました。

アニメでは存在すら抹消されたカイの恋人サエのエピソードも、
カイの人格形成において外してはならないでしょう。

原作では、サエのおかげで既に童貞でないカイ。
結婚こそしていませんが、同棲して一途に愛し合い、
お互いを高めあうパートナーとして苦労を分かち合っています。
そんなカイは立派な大人です。
彼から滲み出る包容力は、その背景あればこそ、と思います。

ショパンコンクール篇は、全26巻中、第12巻半ばから始まり
第25巻の最後でようやくコンクール結果発表と、
原作全体の半分以上を占めていてコンクール篇も重要ではあります。
コンクール篇に突入すると、アニメでも登場した
パン ウェイ、レフ・シマノフスキなど
コンテスタントたちの群像劇としての魅力も加味されていきます。

その長いコンクール篇が面白く感じられるかは、
カイの魅力が輝いていることが大前提。
コンクール前のカイの成長記が丁寧に描かれていないと
カイに思い入れも愛着を抱けず。カイへの応援意欲も減退。
コンテスタントたちの群像劇も尺足らず。
原作と比べるとどうしても中途半端に感じる。
結果、コンクールは単なる品評会の域から脱しきれない。

例えば、ワルシャワでの大好きなエピソードのひとつ、
14巻の第119話「ヤヌシはヤン」をアニメ前期ではカットされました。

カイはワルシャワ到着間もない頃、
ジャンの友人の経営する居酒屋を紹介で訪れます。
そこは廃業中。カイは居酒屋のピアノを調律し直し、
店を綺麗に掃除し、営業再開させるきっかけを与えます。
そしてカイはワルシャワ滞在中、その店で修行とアルバイトを兼ね
スケジュールの許す限りピアノ演奏することになります。
結果、カイのピアノで再開後一月足らずでそこは大繁盛。
カイは、数多くのポーランド人の
お客たちにも愛されるようになりました。
また、自暴自棄で酒浸りだった店主を救う話でもあります。
アニメではそういうエピソードを外し、
コンクール場面ばかりに重きを置きました。

重きを置くべきは第一に、以上のような地味な人間ドラマであり、
コンクールという競争の場を彩ることは副次的であるべき、
と言うのが持論です。

それでスタートした今期では、カイの魅力もさらに減じました。
個人的に全く盛り上がれなくて非常に退屈。

しかも一番感動した最終26巻の内容は、
アニメ最終話ではとって付けたように終了で非常にがっかり。
{/netabare}
<作画について>

第1シリーズでは、不自然なCGが目障りでした。

プロデューサーあたりが本作のアニメ制作会社の
元の親会社にSOSを発したのでしょうか???
第2シリーズでは、業界歴の長い監督へ交代。
(株)ガイナックス代表取締役社長の山賀博之氏が監督となり
演出の変更が如実です。

今期のOPのカイのピアノのCG演奏は、恐らく前期1話冒頭で使われた素材を
加工してブラッシュアップしたものでしょう。
周りをぼかしつつキラキラな映像処理を施すことで
巧く画面にCGを溶け込ませていると思います。
個人的にはこのレベルだったらCGウェルカムなのですが...。

しかし今期は新規CG作画を極力避けるように方針変更の様子。
止め画がかなり目立つようになりました。

その分、演出で補おうと努力されていて
16話(第2シリーズ4話目)でのカイのピアノ演奏時、
イメージ背景はなかなかの出来とは思えたものの、
止め画多用で作画上、稚拙な感はアップ。
制作会社の本来の実力が露呈して、
残念度はむしろ上がってしまいましたね。

基本、ピアノを弾くカイは全身不動なのに
頭髪だけ風になびいてるシーンがありましたが、
冷静に見ると結構シュールです。

また演奏中に飛び交う、埃にも見える大量のオーブらしきもの。
これは結局今期全話ずっとピアノ演奏シーンにつきまとう。
見ようによっては心霊動画みたいでちょっと怖い。。。
一流の演奏は多くの浮遊する魂を癒す、ということでしょうか?

キャラデザも原作準拠より
映画版のような真面目な台詞がよく似合うような現代に沿う、
スマートで垢抜けたデザインにすべきだったと思います。
一部のキャラクターの鼻の造形と髪の毛が漫画チックでいただけません。
特に阿字野の髪は、バルタン星人を連想してしまいます。

前期は、声優の演技と音楽の素晴らしさに免じ甘めの評価をしましたが、
今期は、原作とアニメを厳しく比較して決めさせていただきました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

スワンa さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9

見えない存在意義

フレデリック・ショパン国際ピアノ・コンクール―――――――

ポーランド独立の9年後1927年に第一回を開催。『ピアノの詩人』と
謳われた薄命のフレデリック・ショパン(1849年フランスにて没。享
年39歳)の祖国に対する強い愛国心を称え、より尊く表現し得る者を
発掘する、と言う目的で始まる。

彼の命日である10月17日前後に、首都ワルシャワにて5年周期で開
催(第二次世界大戦中は中断)され、延べ17回行われた中で、日本人
の最高位は1970年内田光子さんの第2位。近年行われた2015年度は
小林愛実さんの特別賞のみという非常に厳しい世界。過去の入賞者は
ほぼ欧州のピアニストが占めているのが現状です。


先ず思うこと―――――――――――――――――――――――――

日本人にとって、この大会の優勝は長年の悲願とも言えるもの。しか
し、今まで優勝は愚か入賞も数人だけという事実を知る者からすれば、
日本人が優勝すると言う作品へのイメージは一切湧いて来ないのです。

例え制作に当たり主催者側の協力を得ていたとしても、彼らはきっと
こう言って笑っていたに違いない。「あり得えない愚かな読多話を日
本人がしている」と。クラシック界に於ける東洋人への偏見や差別は
実績や結果を示さない限り、決して無くならないし認めては貰えない。

もしこの実在する歴史あるコンクールを題材にすると言うのであれば、
より一層現実的に惜しくも優勝を逃し、苦労の末に数年後それぞれが
世界的に飛躍をする、という流れを濃く描いた方がより共感を得てい
た様な気がしてなりません。事実、日本人の多くの挑戦者たちがこの
コンクールを踏み台にして国内または世界で活躍をしているのです。

上記の内田光子さんは現在世界最高峰の一人として「第59回グラミー
賞」にノミネートされ、惜しくも入賞を逃した辻井伸行さんは、その
後ヴァンクライバーン・コンクールで優勝。2013BBCプロムスでの名
演奏は未だ多くの方々に語り継がれ、今や世界一チケットが入手困難
なピアニストとさえ言われています。

そして今作で演奏している反田恭平さんもまた、コンクールの実績は
ジュニア銀賞のみですが、若くして尚、国内外で活躍をされている。

この足跡(ソクセキ)こそが事実であり、描くべき素材だと僕は思う
のです。もしこの作品がショパンコンクールの優勝と言う設定で無け
れば、今とは違う印象を持っていたことは間違い無く断言出来ます。


視聴を終えて―――――――――――――――――――――――――


実際のコンクールに基づいた選曲は非常にリアルで納得の出来でした。
そして『12のエチュード』で始まるOPもセンス抜群。ただ折角の高
演奏も、何故か台詞でベールを覆い、何となく物足り無さが残ります。
せめて最終曲くらいじっくりと最初から最後まで聴かせて欲しかった。

二人の揺れ動く心の描写は少々諄くも悪くない感じです。大きな山場
の無い展開も決して悪くはない。ただライバルの説明等は簡単にして
でも、もっと二人に長くスポットを当てて欲しかった気がします。

未だ拭えない一番の違和感。調律もしていないと思われる野晒しのピ
アノが、何故綺麗に音が鳴るのか。これは一期にも通じる疑問です。

そして作中挟み込む景色が非常に邪魔。漫画や小説では音の可視化が
難しく、派手な描写や見合う背景を挟みそれを表すのが普通。しかし
映像でそれを多用すると胡散臭さや華美を感じて逆効果だと思います。

作画は至って普通ですが、キャラはラフと言うか特定人物以外は雑で
魅力を語る以前の出来。CG自体は悪くない。ですが、一見リアルに
感じる指の動き、特に鍵盤のタッチがサラサラとし過ぎで力強さを全
く感じず、メロディとの違和感が半端ない。ピアノを知らない者が描
いたとしか到底思えない、もしくは適切な助言を与える事が出来ない
だけなのか。どちらにせよピアノの描写としては致命的欠陥です。

そして最悪だったのが、動画の良さを消してしまう静止画の多用。こ
れはもう尺の稼ぎとしか思えず、最早手抜きと言っても良いくらい。

総じて、一期にはあまり感じなかった全般に及ぶ程の作り込みの甘さ。
同じくクラシックを扱う『のだめ』や『四月は君の嘘』他の音楽作品
と比べて、幾ら手を伸ばしても届かない位、遠く及ばない出来でした。

世に出した意義さえ疑ってしまう今作。
何故二期はこうなってしまったのでしょうか。

音楽を愛する者としては決して揶揄したくは無かった。
だが、言わずにはいられない。

正直、非常に複雑な心境です。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 3.4

ショパンコンクールのプロモーションビデオ

原作未読

制作会社の社名変更で㈱ガイナで再出発。第1シリーズとクレジットに載ってる社名が違いました。
期待外れとの声多き第1シリーズで聞かれたのはこんなところ、

・ダイジェスト過ぎて原作の良さを潰している
・CGと手書きの差が激しくて違和感がある

ストーリーと演奏シーンに難あり。あとは大なり小なり様々なお客様の声。私も似たようなものだったので、第1シリーズ観て見切りをつけてしまい第2シリーズに流れ込んだ人も少なかったかもしれませんね。

実際のところ第2シリーズも微妙でした。鳴る物入りのCG演奏シーンは駆逐されて止め絵に取って代わり客離れを加速させます。でもうーん、、、仮にCGのままでも状況は変わらなかったと思います。

第1シリーズ終盤にはショパンコンクール予選に突入しちゃったもんで、第2シリーズでは12話かけてコンクールやるか、どこかで切り上げて後半盛り上げるかというのはあったかもしれませんが、なにせ「よう!ショパン!」のお話なので後者を取ることは考えられませんでした。
となると第1シリーズと同じです。演奏シーンが多いなら似たようなものを繰り返されたところで飽きるだけなのです。

おそらくスタッフはコンクールをじっくり描きたかったんだと思います。{netabare}通算24話のうち第9話~第24話と16話分。{/netabare}実際、一次予選、二次予選、そしてファイナルと徐々に上がるボルテージ、途中のハプニングを含めてコンクールの雰囲気は否応がなく伝わってきました。

そのコンクールを彩るための武器が、ぬるぬるCGと著名ピアニストの音源。技術に走っちゃいましたね。

プロの運指を見せるCGだと他の手書き絵とのバランスが悪い。止め絵連続でのモノローグや回想の多用と聴衆のリアクションばかりだとエモさが限定的。月並みですが、そこに魂。シーンを通して伝えたいメッセージを込めてれば違ったものになったでしょう。
第1シリーズの監督中谷学氏はCGの第一人者で日本のアニメは初だったみたいですが、主にシナリオの詰めが甘かったのでしょう。大筋の流れは出来上がったところに第2シリーズ監督交代でテコ入れしようとしたところで、V字回復には至りませんでした。

そもそも一流の音を聴いたところで私を含めてどれだけピアノ表現の差異をわかるかいっ!ちゅう話もあります。
CGが不評で路線変更せざるを得なくなり、残された超絶音源を頼りに作画のテコ入れをしなかったのが実情なのではないかと邪推しております。コンティンジェンシープランって大事ですね。
{netabare}それでもカイの演奏シーンの時は染み入るような感動に近いものを覚えましたので監督交代は悪くない判断だったような気がします。{/netabare}

とにかく演奏シーンが多い作品の性格上、全てに全力投球を求めるわけではありません。メリハリつけてここぞというところは力を入れて欲しかったなというのが率直なところです。

1.だってこれ見せるために他 (ストーリー) を削ったんでしょ?
2.音楽ものは演奏シーンが肝なんだから力を入れてよ?

不満に感じる理由です。
あと坂本真綾さんの出番が少なかったのも不満の一つです。


自分はショパンが好きですし、同じ曲でも確かにタッチが違うなと感じられる部分もありました。残念ながらストーリーはあまり入ってこず。
有名なショパンコンクールの雰囲気のようなものに触れられる。ピアノ好き。音は第1シリーズよりも良かったので、シンプルにピアノないしショパン限定で楽しみたい方向け。
ラストもそこそこいい話で終幕して物語を完結させているので酷評するまでには至らずの作品でした。


物事が上手くいかなかった時に次善の策を講じられなかった失敗例としてシリーズ通して記憶に留めておきます。


{netabare}ポーランド人の矜持ってワルシャワを訪れてひしひしと感じたところがあるんですよね。なんせ国が何回か地図上から消えた経験を持ってるわけですから。

 “我がポーランド”

作中に何回か出てきて良い受け止められ方をされない台詞ではあったのだけれど気持ちはわかる。
そんなポーランド人が最後には音楽に正直だったというのが救いでした。{/netabare}



-----
2019.09.20追記 


視聴時期:2019年1月~3月 リアタイ視聴


NHKで再放送してました。音を楽しむにはイヤホン推奨。
オーディオ環境整えれば、皮肉抜きでけっこう楽しいと思います。



2019.04.17 初稿
2019.09.20 追記

投稿 : 2024/11/02
♥ : 31

76.9 3 コンクールで天才なアニメランキング3位
のだめカンタービレ(TVアニメ動画)

2007年冬アニメ
★★★★☆ 4.0 (726)
4277人が棚に入れました
天才と称される音大生・千秋真一は、世界的な指揮者を目指すも様々な壁にぶつかり将来を思い悩む日々が続く。
すっかり自暴自棄になっていたある日、千秋は一風変わったピアノソナタを耳にしながら目を覚ます。
そこで千秋が目にした光景は、ゴミだらけの部屋でピアノを弾く野田恵(通称:のだめ)だった。
のだめとの出会いで、エリートコースを歩む千秋の未来が少しずつ不協和音を奏ではじめる。

声優・キャラクター
川澄綾子、関智一、小川真司、川田紳司、織田圭祐、生天目仁美、松風雅也、小林沙苗、中井和哉、諏訪部順一、能登麻美子
ネタバレ

柴犬→柴猫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

最高の8分間をあなたに

【個人的殿堂入り作品】
原作は二ノ宮知子さんによる漫画。
先にドラマ化され(2006年10月)、終了後にアニメがスタートした(2007年1月)。
同じ局での放送ということもあり楽曲の音源は共用されている。
深夜アニメとゴールデンタイムのドラマとでは制作費が全く違うため、
アニメ版のだめにとっては豊富な音源が使え、この点は良かったと言える。
逆にアンラッキーだったのはドラマ版の評判が余りにも良かったことだろう。
当たり前だが実写版は演奏シーンを含めて良く動く。
その結果、直後に始まったアニメ版が何ともショボく見えてしまった(特に演奏シーン)のは事実だ。
しかし繰り返し視聴してみると、改変の多いドラマ版と比べて、
ほぼ原作に忠実なアニメ版が内容的に見劣りするということは全くないと分かる。
特にクラシック曲の使用に関してはアニメ版の方が圧倒的に良い。
『のだめ』の劇中で演奏される曲は、殆どの場合何らかの意味を持っている。
ドラマ版はそうしたものはひとまず置いておいて、
演奏シーンを格好良く見せることに主眼を置いた演出だった。
一方のアニメ版は原作で提示されたものをしっかりと表現していた。
何故Sオケがベートーヴェンの『英雄』を演奏したのか、
何故のだめは『ぺトルーシュカ』を弾いたのか。
曲の背景にあるものを考えながら見るとまた面白いのである。

では、この1期でもっとも重要な曲は何だったのだろう?
それは間違いなくラフマニノフの『ピアノ協奏曲第2番』である。
以下にこの楽曲の使用に関する私見を書く。

【クラシック四方山話①】
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18

1901年10月27日に初演され大成功を収めて以来、
現在でも最も人気のあるピアノ協奏曲のひとつである。
ラフマニノフはこの曲をニコライ・ダーリに捧げた。
さて、このダーリとは一体何者なのか?
そのことを書く前に、話は4年前に遡る。
1897年3月15日、この日はラフマニノフの『交響曲第1番』が初演された日であり、
人生最大の屈辱を味わった日でもある。
何しろ演奏は大失敗に終わり、新聞にもこっ酷く酷評されてしまったのである。
これによってラフマニノフは精神状態が不安定になり、まともに作曲も出来なくなってしまった。
そこで登場するのがニコライ・ダーリである。
彼は医者であり、心理学などを専門としていた為、
ラフマニノフは彼の治療を受けることとなったのである。
用いたのは主に催眠療法と心理療法であったらしい。
こうしてダーリの力もあって大成功を収め自信を取り戻したラフマニノフは、
その後『ピアノ協奏曲第3番』や『交響曲第2番』といった傑作を生み出していった。
そういう意味ではこれは彼にとって間違いなく転機となった曲なのだ。

{netabare}さて、サラッとこの曲の解説を書いてみたが、ここに重要なキーワードが2つある。
それは『転機』と『催眠療法』だ。
話を『のだめ』に戻すと、千秋にとってシュトレーゼマンとの競演は間違いなく転機であった。
海外に行けないことをただただ嘆いていた彼が、
国内でもまだまだ出来ることがあると前向きな気持ちになるきっかけとなったからだ。
そしてそのことがまた新しい出会いを生み出していく。
『催眠療法』については今更言うまでもない。
『のだめ』の今後の展開を暗示している。
こうしてみるとこの曲がこの場面に如何に相応しい曲であるかが分かると思う。

更に素晴らしいのはアニメスタッフがこの曲の重要性をきちんと理解していると思われることだ。
演奏シーンは11話のAパートにある。
曲は第1楽章の冒頭から編集なしで8分間!流される。
これは『のだめ』1期の演奏シーンの中でも飛び抜けて長い。
しかも曲にセリフが被るのは極僅かである。
ああ、何と感動的な演奏なのだろう。
曲の背景にあるものが見えてしまうとなおさらだ。
佐久間さんでなくてもポエムのひとつでも呟きたくなる。
シュトレーゼマンは言った。
「ブラームスには無駄な音がひとつもないんです」
私は言う。
「のだめカンタービレに無駄な音楽はひとつもないんです」
私が数ある音楽ドラマの中でもこの作品を特別に愛して止まない理由はここにある。

【各話評価:平均6.39点】
1→23
☆◎☆◎☆☆☆☆神☆神☆◎☆神☆☆☆☆☆☆☆☆

【神回】
第9話「音楽祭」
ドラマでは省かれてしまったが、実はかなりの好エピソード。

第11話「ピアノ」
本物の巨匠がそこにいる、そして彼も(本物だ)。

第15話「変化」
いくら才能があったって、本人がそうあることを望まなければ・・・。{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7

◇fumi◆ さんの感想・評価

★★★★★ 4.7

88の場面の中に散らばった音かき集めて 歌うように・表情豊かに

2007年放送のテレビアニメ ノイタミナ枠 全23話

原作 二ノ宮知子 監督 カサヰケンイチ 構成 金春智子 キャラデザ 島村秀一
制作 J.C.STAFF

女性マンガ誌「Kiss」に2001年から10年にわたって連載された人気コミックのアニメ化。
この作者はクラシック音楽の知識が全くない人だそうで、
ゴミ屋敷の中でピアノを弾いている人の写真を見たことから発想を得たそうです。
そんな人が書く本格クラシック音楽コミックと言うことで、クラシック業界もバックアップしたのは必然です。
2004年の「スイングガールズ」のヒットに続けという感じで、
2006年秋にはフジテレビでドラマ化(全11話)そのまま連続する時期に放送されたのがアニメ版です。

もう十年以上も前の作品なので何も付け加えることは無いと思うのですが、
実は今回初めて第一期を完走しましてあまりの面白さに呆然となっているところです。
正直なことを言いますと、ドラマは楽しんだのですが、
アニメは古臭い作画に耐えられず3話くらいでやめたのです。

いったい何が古臭かったのでしょうか。
分かりません。今観ると素晴らしい作画です。
時代的に止め絵が多く、楽器演奏もアップ以外は出鱈目なのですが、
絵コンテのレベルが高くほれぼれと観てしまいました。

主人公『野田恵』CV川澄綾子のキャラはドラマ版より原作準拠で完璧な再現率です。

なんだかだらしない女子大生「のだめ」こと野田恵は音大ピアノ科2年生。
将来の夢は幼稚園の先生になること。
なぜか高レベルの音大らしき桃ケ丘音大(モデルは桐朋音大かな)に居る。
この居心地の悪さが生活を破たんさせた原因のようです。
逆に考えると「のだめ」はピアノの天才だったのです。
両親もよく分からないまま、地元のピアノ関係者の推薦のまま入学したものの、
一途に漫画家を目指して芸大に入ってしまった人のような心地悪さでしょう。

同じマンション(もちろんピアノ可)には偶然同じ大学の先輩である『千秋真一』がいまして、
ピアノとヴァイオリンに天才的な手腕を発揮するエリート音大生ですが、
その出会いから物語は始まります。

2クール作品ですが、大部分が千秋真一の指揮者への転向と活躍が描かれ、
のだめは変態扱いでギャグメーカーでしか無いです。

奇声を発するゴミ屋敷在住の色ボケ女子大生の主人公ですが、
原作がたぐいまれな名作だったこともあり、
00年代を代表する素晴らしい作品に仕上がっています。

音楽の使い方は、当時としては群を抜いています。
直前、同テレビ局でドラマを造ったこともあり、さらに進化したクラシック音楽の使用が可能になったと思われます。
80年代ポップス風のOPEDものだめの心情を現すようで作品にマッチしています。

2期、3期が制作され、全45話完結のノイタミナを代表する名作アニメ。
たぶん、あっという間に観終わると思います。

この作画は素晴らしいです。
止め絵でも構図が良ければ納得できるということですね。
物語は面白すぎて最高点。文句なしでした。

一つ問題点を上げるとすれば、この作品を観て音大に入りたくなる人が少なさそうだと言うこと。
登場人物が楽器の天才ばかりと言うのでは、身近に感じられないのです。
「けいおん」ほどの社会現象にはならず、クラシック音楽もそんなにブームにならなかった原因だと思います。

その代わり物語構成や展開の原作力は他の音楽作品を圧倒していますので、
もしかしたら今こそ観るべき作品なのかも知れません。

2期3期観終わりました。
素晴らしいエンディングが待っています。名作認定ですね。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 26

こたろう さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

ドラマ>アニメ・・・・だけど良作

人気少女漫画のアニメ化作品。
オーケストラやピアノといった古典音楽を中心に、若者達の恋愛と成長を綴った物語です。
実写ドラマ化、映画化もされていて好評を博している作品。
アニメよりも実写の認知度の方が断然高く、
「あ、アニメにもなってたんだ」
とか言われると思います、一般的には。


人気の高い漫画を引っ張ってきているので、ストーリーが面白いのは当たり前です。
若く才能溢れる主人公達たちの成長の軌跡を描いているわけですが、コミカルな雰囲気を保ちつつも、真面目に音楽家としての挫折と成功のステップアップを追っていくストーリーは終始見応えがありどんどん引き込まれます。
恋愛面のドロドロはなく、初っ端からフラグが立っているのでメインストーリーの邪魔にはなりません。でもそれでいて、ちゃんと見所やヤキモキさせられる要素も含んでいます。

とにかく、のだめのキャラが特徴的。
独特のキャラを上手に表現できているか気になるところですが、ダメ人間ぶり変人ぶりは上手くできていたと思います。
実力派のベテラン声優さんなので表現力には死角なしですね、お見事でした。
序盤のザコ扱いにはヒロインとしてどうよ?と思い心配になりましたがw 終盤でちゃんと主人公らしさを魅せて挽回してました。
2クールの間、間延びすることもなく常に次が気になる展開。実に楽しめました。
キャラクターも粒ぞろいで、みんな愛せます(〃'▽'〃)


ただし、作画には注文をつけたいところが結構ありました。
序盤は、それなりに描いてあるのかな?っと感じた演奏シーンですが、視聴を続けていくと段々と手抜き感が露になってきます。
いや、オーケストラを作画するのって、もの凄く大変なのはわかりますよ。わかるけど、音楽をテーマにしてる作品の見せ場、命脈とも言えるシーン、もっと気合いを入れたアニメーションを魅せて欲しかったです。
楽器や指の動きはCGを使っているのでキレイなんですが、それに頼りすぎ。
頼みの綱のCGにしても創ってあるカット数が少なすぎて何度も使い回されているのがモロわかり。すぐ飽きるうえに、アップばっかりで構図も単調。魅せるべきところであろう演奏者(キャラ)が映るところは、指一つ、眉一つ動かない止め絵ばっかり。演奏の尺が長いもんだから、普通ならサラッと流せてしまいそうなところも、尚更そういうのが目についてしまいます。
なまじ音がいいだけに、余計に映像が負けている気がして・・・アニメ好きとしては、実写に引けを取って欲しくないのですが、残念ながらTVドラマや実写映画に勝っていると言えないのが悔しいです。
アニメだからこそできる表現ってあるのだから、そういう所を強調してナンボでしょう。
予算、音を作るのに全部もっていかれて映像にまで回せなかったッスか?


とまあ、苦言を呈しましたが、文句を言いたくなるのも、ストーリーや音楽が良かったからこそ。
扱っている題材もありきたりなものではないので新鮮味はあるし、作品としての娯楽性は豊富。安心してオススメできる良作です。
カンダービレで(歌うように楽しく)、ご視聴ください^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23

78.6 4 コンクールで天才なアニメランキング4位
この音とまれ! 第2クール(TVアニメ動画)

2019年秋アニメ
★★★★☆ 3.9 (271)
1015人が棚に入れました
廃部寸前の時瀬高校箏曲部。一人になってしまった部長のもとを訪れたのは不良少年とその友達、そして箏の天才少女だった。それぞれの箏の音が紡ぐ青春学園物語―

声優・キャラクター
内田雄馬、榎木淳弥、種﨑敦美、細谷佳正、石谷春貴、古川慎、井口祐一、松本沙羅、浪川大輔、金尾哲夫、花江夏樹、朝井彩加、水樹奈々、佐倉綾音、安済知佳、寺島惇太、保志総一朗、山谷祥生、蒼井翔太、東山奈央
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

音の一粒 黄金一粒

原作未読


この度の初話。『関東邦楽祭』というワードをしっかり覚えていた視聴者はいただろうか。
“分割2クール”スタイルが定着した今日この頃。ぶつ切りの13話から早3カ月。14話はその13話から地続きでスタートしてました。リアタイ視聴も考えものです。まとめて一気に観たほうが良さげな放送スタイル。それが“分割2クール”です。
そういえば今回の2クールめ放送直前に1クールめを直前視聴されたレビュアーさんがいらっしゃって「その手があったかー!」と妙に納得しました。視聴する分には、間隔空けずまとめて一気にこしたことないですもんね。

だって、さとわも愛もなんなら武蔵だって1クールめ序盤の頃と明らかに違ってるはずですもの。
{netabare}※さとわは「あんたら踏み台。全国連れてくから素人は黙っといて」くらいの勢いだったよ(^_^;){/netabare}
観終わってから登場人物の成長に目を細めるには記憶が怪しくなっていて勿体ないなと心底思います。
良い作品であればあるほどその思いを強くするわけでありますが、本作がまさにそれ。


音楽もの特に演奏シーンと物語の融合という点で『四月は君の嘘』『響け!ユーフォニアム』音でも魅せた偉大な先達が壁となって立ちはだかります。
というより比較されます。ベンチマークが『ユーフォ』というのも後進のつらいところです。手書きorCG。モノローグ。心象風景の映像化。止め絵の配分。運指の正確さ。観客の反応。そして回想シーン。あの手この手を駆使しての“音楽もの”本作はどうだったんでしょうか。

作品の序列は置いときましょう。すごい良かったと思います。
箏奏者だった原作者。作中のオリジナル楽曲は身内が作曲。題材である“箏”が血肉となってる身内同士のチーム。どう考えても最強です。画力や話構成なら漫画家のポテンシャルでしょうが、それとは別のネタ帳レベルでのリアリティについて絶対の信頼を寄せられる“扱う題材のトッププレイヤーがそのまま書いてる”という事実。
前半1クール序盤での懇切丁寧な説明もそこで終わらずさらに踏み込んできた今回後半。

 一音(いちおん)

…わかるようでわかりません。視聴者がギリギリついていけるかどうかの技術の説明やプロの感覚を惜しげもなくプッシュしてきました。情報過多に思えますが不快さはありません。

わかりやすくないとぶーたれるところを、私は肩書き/略歴で平伏しときました。「プロのあなたがそう言うならそうなんでしょう」…この感覚は自分でも新鮮でした。


演出面でもぬかりなかったような。
※{netabare}「天泣」部室での練習シーン。晶から指摘された17弦と独奏の音のズレはしっかり耳でもわかりました。{/netabare}
上手と下手が素人でも感じられるのです。

{netabare}姫坂→珀音→時瀬と続く予選。姫坂の音圧に圧倒されました。珀音もまた別角度で。どんだけハードル上げるのさ、からそれらを超える時瀬の演奏でした。
ライバル校の演奏、その積み重ねもちゃんと説得力ある形で描きながら、さらにその上を描く。作品の中の観客と同じような感銘を自分は受けました。途中で姫坂の穂積先輩に横恋慕したのは私だけではありますまい。
第23回~第25回の3話はたいへん見応えがあったと思います。{/netabare}


偉大な先達との比較。“楽器”“演奏”への深い造詣という点では抜きんでていると思われます。演奏なんてたかだか作品を構成する一要素なんですけどね。それでもこの部分でエモく揺さぶられたい欲望を私は抑えることができません。



物語に戻ります。

■ラブは添え物程度で

顔をすぐ赤らめるWチョロイン(少年誌仕様)
女子が欲しい時に欲しい言葉(少女漫画仕様)

{netabare}失礼ながらモブ感の強い時瀬の3人組。味はあってたまに見せ場のあるこの立ち位置。古くは『スラムダンク』の水戸洋平ら。直近だと『からかい上手の高木さん』の三人娘。物語の核となる恋愛のプレイヤーにはまずならない人たち。部内三角関係とか恋愛複雑化を一切心配する必要がない安全パイです。{/netabare}
{netabare}真白先輩。成長した武蔵に胸キュンなんて展開にしないですぐに練習へ回帰。{/netabare}
{netabare}他校生。同じくちょっかい出したり出されたりもさることながら、他校内カップルの気配すら薄い。{/netabare}

主要ボジションでのキャラ配置からの推察。どんどんへし折る恋愛フラグ。おそらく恋愛は1体1でしかやる気ありませんね。恋愛仕様なキャラデザインはミスリードじゃないかしら。私は歓迎します。
{netabare}妃呂も部活引退するまで気持ち封印すると言ってるし、続編あるとしても時々顔を赤らめる程度でお茶を濁しとくぐらいでお願いします。{/netabare}



■一応弱小校でしたので

トップクラスのプレイヤー+有能な指導者+裾野が広くない=ジャイアントキリングの条件 

これすなわち↓

さとわ覚醒 + 滝浪センセ本気出す + 神奈川全14校

とこんな感じでピースが埋まっていくことは前半終了時点である程度予想され、このへんおざなりにすると「ご都合主義!」すかさずツッコミ入るでしょう。及第点与えて良いと思います。
{netabare}さらに堂島晶さんの登場で説得力が増しました。{/netabare}



■闇落ちと簡単にはいいますが

愛もさとわも妃呂も前半1クールで陽のあたる場所に出てきてしまったので闇キャラ不足を心配しましたが思わぬところから援軍が!

 堂島晶(CV東山奈央)先生

前半で切った方はもったいない。ややありがちな高校生らのものとは別格の上質な闇を覗き見ることができます。実はエンドクレジット見るまで日高のり子さんだと勘違いしてたりしました。



■“天泣”これだけはいいたい

1.{netabare}冒頭の一小節を奏でた瞬間に全てを悟るさとわ母がすこぶる良い。途中だったり全部聞いてからじゃないのが大事だったように思える。
一音(いちおん)を大事にするコンセプトが徹底されてるかのようでした。最高!{/netabare}

2.{netabare}ソロさとわは別格で周りが合わせられるわけない、を受けての17弦の一音がすこぶる良い。深いところから響く低い一音。うむ合っている。
“合わす”でも『大量の音の符を合わすことに特化した姫坂』『絶対的エースを際立たせるための合いの手としての珀音』らのトップ3校の違いを分からせる会心の一撃でした。{/netabare}

3.{netabare}3校の違いはあれど、エース(独奏)とどう絡ませるか?の課題は珀音と時瀬は似ており、アプローチの違いで時瀬に分があるという演奏結果でした。実質は姫坂と時瀬の一騎打ちだったように思います。
すこし遡って、珀音は数か月前『関東邦楽祭』で全国トップの東京の高校と同列評価を勝ち取った学校です。邦楽祭から珀音は底上げしてきた。それ以上に慢心を捨てた姫坂が上り調子で、時瀬も言わずもがな。若い人たちがそれこそ僅かな期間で化けるのを目の当たりにしたような爽快感があります。
私は野球をやってましたが、春の甲子園に出場した学校(前年秋の実績)と練習試合(当年夏前)を組んでもらって対戦してみて「あれ!?そんな強くねーな」という経験をしたことがありますがそんな感じ。{/netabare}




なんといいますか、、、
全26話満足の一品でした。



■オマケ

{netabare}さとわが愛のために買い揃えたいちごグッズ。“うまい棒いちご味”に興味津々。“ポテトチップス ショートケーキ味”が意外と美味だったのでわりとイケるかも!{/netabare}

{netabare}偉大なる先達を彷彿させるキャスティングがところどころに。ボケるには文量増え過ぎちゃったのでやめときます。{/netabare}



視聴時期:2019年10月~2019年12月   

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2020.03.01
《配点を修正》+0.1


2020.01.23 初稿
2020.03.01 配点修正
2020.07.30 修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 54
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

弱小箏曲部物語 第二節

第1期からの続きの第2期です。なので、第1期を見ていないと話がよくわからないと思います。初見の方は第1期からの視聴をおすすめします。

第1期は、廃部寸前の箏曲部を立て直して、ほとんどが素人部員の中で、みんなが一生懸命頑張って練習して、徐々に部員たちの絆が強くなっていくところが面白く見れました。
第2期は基本的にそれの延長上の話ではあるんですが、他の強豪校との絡みの話なども増えていく感じもあり、メンバーが安定してきた分、1期よりも話の展開により工夫が欲しいかもしれません。
そこも含めて期待して視聴したいと思います。
最終話まで見終わりました。最後はすっきりと終わって良かったと思います。この作品を見る前は、琴の部活なんてめずらしいなあ、と思ってたくらいだったんですが、お琴の演奏で、こんなに感動するなんて思ってませんでした!お話も部員同士の絆や、うまくなろうと努力するところもきちんと描かれていて、そこも良かったです♪
各話のレビューは以下のとおりです。

14話
{netabare}どうなることかと思ったけど、演奏は無事終わった。。
姫坂のかずさに、こんなのさとわの音じゃない、汚された、と責められる愛。
それに愛は、さとわの音がやさしくなった、俺は今の音の方が好きだと言う。
そして受賞式。愛は後ろの席の男にしつこく言い寄られて(-_-;)愛の才能に気づいたから?
・・最優秀賞は無名の珀音高校が受賞・・愛の後ろの男の高校みたい。。
がっかりするメンバー。でも顧問にいい演奏だったと言われて泣くみんな。。
そして全国大会へ向けてまた頑張ろうと誓う!{/netabare}
15話
{netabare}大会の次の日。朝に部室に来てしまったみんな。と先生。
今までやる気のなかった顧問が曲の楽譜を作ってきて驚くみんな。やっぱすごい人っぽい。
部長の今までのイイシーン回顧。もしかして今回は部長回なのかな。
部長と妃呂が買い出しに行くことになって、途中で妃呂が昔関わった人に会うけど、部長がかっこよく手を引いて。。本気で惚れそうになる妃呂。部長すっかりたくましくなったね(*^_^*)
さとわ画伯の絵素朴でいいと思うけどな(*^_^*)愛とさとわもいい感じになってきた・・のかな?{/netabare}
16話
{netabare}部長と妃呂、愛とさとわ、それぞれ変に意識してしまって。
特に愛とさとわが変によそよそしくなってしまって・・ちょっと心配。
学園祭。部長に元部長が会いに来てくれて。二人が話してるのを見てちょっと嫉妬してしまう妃呂。
部長の今の自分たちを見せたいという気持ちがみんなに伝わっていい演奏に。あ、1期OPの琴バージョンだ♪
顧問から、2年の部長と妃呂が最後の大会になると言われて。
そしてさとわの持っている音源から顧問が見つける。全国大会に向けての曲を。
でもなんとなくいわくつきの曲のような気がするけど・・{/netabare}
17話
{netabare}顧問が大会の曲をさとわの音源から「八重衣」に決めたけど、さとわがそれを嫌がって。
回想で母親からあなたの琴は凶器だと言われたのが関係してるのかな。
優勝校の演奏をみんなで聞くけど、正確に計算されてるみたいなすごい惹きつけられる演奏。
優勝するにはそれを越えなければならないと言われて、それにはさとわのあの曲が必要なんだね。
音源のさとわの曲は、当時のさとわの気持ちが乗ってて泣きたくなるような感じだけど、顧問が編曲して笑顔になるような感じにしてくれて。でも十七弦の琴が2つ必要になったんだけど足りなくて。
さとわは実家の母親へ借りにいくけど、母親も周りの人も冷たくて。嫌な感じ。
部のために土下座して頼むさとわ。。さとわがかわいそうで、うるっときました。。{/netabare}
18話
{netabare} 部長の後ろの席になって嬉しそうな妃呂がなんかかわいい♡
琴の指導者として、鳳月会から堂島晶が来て。堂島はさとわと過去に何かあったみたいだけど。。
堂島から基本の1音1音をきちんと綺麗に弾くことが出来なければ全国なんて無理と言われて・・
妃呂たちメンバーは堂島の指導に不満だったけど、愛はそんな堂島の指導に反抗することなく向き合って。
そんな愛の気持ちを知ってあらためて練習を頑張ろうと思うメンバーたち。
次回、堂島の過去の話?{/netabare}
19話
{netabare} 堂島晶の昔の話。
天才型の兄に憧れて、兄のようになりたいと努力する晶。
でも両親が突然事故で亡くなって、兄は琴をやめて働くことに・・
そして椿会を晶が継ぐことになって。。
そして大会。最優秀賞を目指して自分の持つ最高の演奏をする晶。
でも・・さとわの鬼気迫る「八重衣」を聴いて自分との差に愕然とする晶。。
結果、さとわは規定通り弾いてないとして失格になり、晶が最優秀賞になるけど・・
周りからも失格に負けたと散々言われて・・悔しくて涙を流して・・
晶としてはとても空しい最優秀賞だったんだよね。
こういう話って私弱いんです。ちょっとうるっとしちゃいました。。
そして急に筝曲部の指導を辞めますと顧問に告げる晶。{/netabare}
20-21話
{netabare}晶が主役といっても良い回でした。晶が葛藤しながらも、筝曲部の部員のひたむきな姿に心動かされて、再び琴に向き合うようになる展開は良かったです。{/netabare}
23話
{netabare}ほぼ姫坂回でしたね。穂積さんが落ちたのは残念だったけど、それがきっかけでみんなの全国に行こうと思う気持ちが一つになって。そして大会では素晴らしい演奏に。いい話でうるっときました。{/netabare}
24話
{netabare}今回は珀音のお話かな。天才肌の神崎が、数学教師の山本顧問の曲を弾いて、覚醒してすごい演奏に。
次回、時瀬の演奏だけど、姫坂や珀音のすごい演奏の後で、どれだけ視聴者に演奏をすごいと思わせられるか、とても楽しみです。{/netabare}
25話
{netabare}いよいよ時瀬の演奏が始まる!
演奏前の束の間の静けさ・・
なんか見てる私までドキドキしてきちゃいます。。
演奏直前、さとわの母親が会場に入ってきたのを見て、さとわのテンションが上がり・・
そして「天泣」の演奏が始まって。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふぅー。
すごくいい演奏でした!!私も観客のみんなみたいに気づいたら目に涙が・・(>_<)
演奏後、さとわがお母さんに会いに行って・・
次回、最終話ですが、また泣いてしまいそうです(>_<){/netabare}
26話
{netabare} 「今度はちゃんと伝わったの?」さとわが今まで見せたことがないぐらい顏をぐしゃぐしゃにして。
ずっとさとわの心の中にあったお母さんへの気持ちを考えるとうるっときちゃいました。。
そして結果発表!審査員の中では三者三様の意見で割れていたみたいだけど・・
・・・見事、時瀬高校が1位になって全国大会に!
「まだ終わらねぇんだ、続けられんだ・・」by愛(*^_^*)
姫坂のかずさと穂積先輩の会話を聞いてまた涙腺が・・(>_<)かずさの時瀬へのエールにも!{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 29

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3

それぞれの箏の音が紡ぐ青春学園物語―

関東邦楽祭の本番直前、突如時瀬高校箏曲部を襲ったアクシデント…
お互いの音が交わり音楽を紡ぎ出すことを信じて臨んだ本番でしたが、本来の実力を出すことはできませんでした。
時瀬高校を襲ったアクシデントは「そういう類」のモノでしたから…
結果、具合、気になることだらけでしたが、まさかあそこで1クール目が終わるとは夢にも思いませんでした。
まぁ、分割2クール作品なので前半1クール目の終わり方にルールは無いから仕方ないんですけれどね。

ですが、満を持して放送された後半2クール目で、そんな些細なことなんて吹き飛ばしたのではないでしょうか。
物語は関東邦楽祭の直後から翌夏に開催される全国大会への出場を目指した神奈川県予選までが描かれていますが、この作品の持つ熱にすっかり当てられてしまったようです。

完走して振り返ってみると、この作品の日常は非日常の連続だったと思います。
だって、彼らはあんなにも喜怒哀楽に溢れているんですから…
普通…私の場合、会社に行って仕事して帰ってくる、という日々の生活に、喜怒哀楽なんていう感情はそう簡単には起動しません。
勿論、ゼロじゃありません。
仕事を進める上でスマイルは必須ですし、時折同僚とお酒を嗜む時だって楽しいひとときです。
でも、彼らの様に全力全開で喜怒哀楽を表現することはそうそうありません。
だから、彼らが眩しく見えるのかもしれません。

そして、この作品は「気付き」をとても大切にしている作品だと思いました。
今回も様々な気付きが顔を覗かせるのですが、それを全身で一生懸命受け止めようとする言動には感動すら覚えました。

溢れんばかりの思いに必死に蓋をしようとしたり…
自分たちが今死に物狂いで頑張らなきゃいけない理由を共有したり…
何気ない言動に包み込む様な温かさが感じられたり…
筝曲部の部員たちの関係が本当の仲間へと昇華していくのが手に取るように分かるんです。

だから彼らは自分たちの大切を貫くために決して怯みませんし何をも厭いません。
そこで躊躇して立ち止まってしまう事の方がよっぽど怖かったから…
だって、今ここで立ち止まってしまったら、死に物狂いで頑張る気持ちに背くことになるから…
勿論、温度差だってありますし、それぞれの立ち位置もバラバラです。
ですが、スタート地点が人それぞれ違うのは当たり前…
ゴールが一緒だったら良いんだと思います。

後半クールだからでしょうか…
物語の熱量も序盤から半端ありません。

愛とさとわ、そして武蔵と妃呂の身に降りかかった思いがけないハプニング…
個人的には格好良い武蔵の雄姿が脳裏にこびり付いています。

ですが、この物語の熱が激しく迸るのはここからです。
滝浪先生が選んだ予選で弾く曲は、さとわがかつて母に届けたい一心で弾いて届かなかった曲だったんです。
でも、あの時、さとわは独りぼっちでした。
確かに箏の演奏に関して天賦の才を有する彼女ですが、一人で表現できる音色にはきっと限界があるんだと思います。
でも、今はかけがえのない仲間がいるんです。
仲間と一緒なら届くかもしれない…そう考えると、選曲はこの一択しか無かったように思います。

そして、鳳月会の傘下「椿会」の跡取りで、全国筝曲コンクールで最優秀賞を受賞した実力の持ち主である堂島 晶が外部講師としてやってきて、物語は一層熱を帯びていきます。
堂島先生の目的は最初は明らかに違っていて、もしかしたら筝曲部に良くないことが起こるんじゃないかと思っていました。

誰よりも一生懸命箏に向き合ってきた堂島先生だから気付いたんだと思います。
彼らが決して中途半端な気持ちで箏と向き合っておらず、寧ろ本気で直向きに取り組んでいることに…
練習はスパルタだったようですが、結果的に彼らを支え、背中を確実に押してくれましたから…

こうして神奈川県予選の本番を迎えます。
何度も全国に出場している私立姫坂女学院の演奏は圧巻でした。
あの人数で、あのピッチの音をピッタリ合わせてくるんですから恐れ入ります。
関東邦楽祭で最優秀賞を受賞した県立珀音高校の演奏も凄かった…

ですが、時瀬高校の「天泣」は他校の演奏より鬼懸かっていたと思います。
演出の影響も多分にあるんでしょうけれど、箏の演奏で涙を流したのは初めてです。
さとわの優しく軽やかな独奏に始まり、音の交わりの心地良さ、旋律の美しさがこれでもか…という感じで降り注ぐのですから半端も容赦もありません。
言葉で表現できる限界を超えた楽曲って、きっとこういう曲のことを言うんでしょうね。
もう数えきれないくらい繰り返し視聴させて貰いました。

2017年3月8日にキングレコードからリリースされたアルバム「この音とまれ!〜時瀬高等学校箏曲部〜」は、純邦楽のインストゥルメンタルCDは0.1万枚売れればヒットとされる中、本アルバムは、リリースから約2か月で約1.2万枚を売り上げたんだそうです。
平成29年度(第72回)文化庁芸術祭賞のレコード部門で優秀賞を、第32回 日本ゴールドディスク大賞で純邦楽・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞したそうですが納得の結果だと思います(wikiより)。

それに中高生の中には本作をきっかけに箏を習い始める人もいるんだそうです。
十分に起爆剤たり得る作品だと思います。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、蒼井翔太さんの「Harmony」
エンディングテーマは、内田雄馬さんの「Rainbow」
前期から引き続きですね。

後半1クール13話で全2クール26話の物語でした。
思い切り堪能させて貰いました。
続きも気になりますけどね…
続編が制作されると嬉しいです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 25

65.9 5 コンクールで天才なアニメランキング5位
ピアノの森(アニメ映画)

2007年7月21日
★★★★☆ 3.8 (189)
1221人が棚に入れました
町外れの「ピアノの森」で育った少年カイの物語。はじめは楽譜すら読めないカイが周囲を取り巻く人々によりピアニストとしての才能を開花させていく過程を描いている。
主な登場人物 [編集]

声優・キャラクター
上戸彩、神木隆之介、池脇千鶴、福田麻由子、宮迫博之、田中敦子、松本梨香、田中真弓、天野ひろゆき、ウド鈴木、黒沢かずこ、高田純次
ネタバレ

♡Sallie♡☆彡 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

行こう,森へ。

こちらは漫画が原作のアニメで,原作の方は読んだことがないものの,存在は知っていました。
―というのも,昔天才ピアニストと称された牛田智大くん(だったと思うんだよなぁ。まだ子どもだった)がインタビューでテレビを観ないとか言ってて,有名な芸能人とかも知らないものだからインタビュアーの男性(スタッフ)が漫画は読まないのか聞いていたんですね。
で,そこで唯一だったかうろ覚えですが,あまり漫画を読まない彼が何を読むのか気になったスタッフが「何を読むんですか?」って聞いたときに答えていたのがこちらの原作で,スタッフは漫画さえもピアノ関係のものなのかって感じで絶句していたのが印象的で覚えていました。
アニメ化していたのを知らなかったのですが,テレビでやっていたのでこの機会に古い方(映画の方)から観てみることにしました。

結論からいうととても良かったです★
正直森の中にピアノがあるっていうことしか知らない状態で観始めたので,その幻想的な設定から勝手にファンタジーだと思っていたんですよね。
主人公が小学生というのも知りませんでした。
きっと森の中にあるというピアノに出会えるのはピアノが好きだとか,楽しもうとか,うまくなりたいとかそういうポジティブな気持ちをもっている時だけで,スランプに陥ったり,誰かと自分を比べて妬んだりするようなネガティブな感情のときに森に行ってもピアノには出会えないんだろうなって…。
そういうファンタジックな設定なのかと思っていました。
特に,初め雨宮くんがピアノを弾こうとしても音が出なくて,でも海くんはあっさりと音が出せたから,彼はこの森のピアノと仲良しなんだなって。
でも違いましたね。
{netabare}あのピアノは森に捨てられたもので元は阿字野先生のものだったとは!!
登場人物がストリップがどうとか言っていたのが,(本当の意味での)シュールでした。{/netabare}
ただ,あの森のピアノは雨ざらしだし調律もされてないのになんで壊れてないのはもちろんメロディーを奏でられるの!?ってとこはやっぱファンタジー要素もあるのかな。。
{netabare}ファンタジー要素としてはカイくんにモーツァルトが見えるってとこかな(笑)。
しかも日に日に増えていくんですよね。どこか見覚えのあるモーツァルトが。
あの描写は可愛くて好きでした。
コンサートの最後キンピラバージョンのモーツァルトの靴が学校の上履きになっているのが化けの皮がはがれている感じがして細かいなって(笑)。{/netabare}
ファンタジー好きとしてはちょっと拍子抜けではありましたが,それを差し引いてもとても素敵な物語だと思いました。

キャラクターが良いんですよね。
わたしのお気に入りはやっぱりカイくんです。
ただこの物語の主人公は雨宮くんだと思って観ていたので,エンドクレジットで海くんの名前が1番上だったのに驚きました。
この映画だけが雨宮くんが主人公っぽい描き方をされているだけで原作はそんなことないんでしょうか??
わたしは雨宮くんが主人公の方が良い気がするけどなぁ。。
雨宮くんは小学生らしくない雰囲気を持った子で「(当時の)牛田智大くんっぽいなぁ」と思いました。
髪型オールバックとかおじさんかよ(^-^;
けど,カイくんと雨宮くん,性格も家庭環境も真逆と言っていい2人がピアノという繋がりをもって友達になっていく様が凄く良いなって感じました。
雨宮くんはきっと裕福な家で育ってピアノに関しても英才教育を受けているような子。
対して海くんは森でピアノに出会ってただピアノが好きで弾いているだけの子です。
なのに才能っていうのは時に残酷ですよね。
雨宮くんが弾けない森のピアノを難なく弾いてみせたときの海くんはファンタジーではないのに凄く幻想的に描かれていて見入ってしまいました。
あのとき弾いていたメロディーも神秘的な感じがして,いつもケンカばかりしている粗暴な小学生男子が弾くものとは思えないなと(^▽^;)
雨宮くんも海くんのピアノの才能を知ってか知らずかピアノをきちんと習うことを勧めるところは,「彼も根っこの部分ではピアノがとても好きなんだな」と感じました。
ピアニストとしては将来自分のライバルになってしまうかもしれないって打算的に考えてしまうかもだけど,ピアノを愛する者として,森でピアノを弾く彼の姿を見てしまったらカイくんにもピアノをきちんと習ってほしいって思うのは自然な感情だと思いましたし,そういうところが真面目で良い子だなって思いました。
カイくんは悪ガキって感じではあるんだけど,貧しい家庭環境にありながら,根はとても優しい子なんだなって見ていると分かります。
お母さんがまだ若くてきれいな人だから,彼のこともきっと若くして産んだのだろうなと推察しましたが,シングルマザーで生活も苦しくともカイくんを愛情いっぱいに育てているんだなとも思いました。
あとは阿字野先生ですね。
初め阿字野先生が登場したときはただの小学校の先生だと思っていたので「この先生,小学校の先生向いてないよ。何で先生になったんだ??」って思いました。
けど観ていくうちにこの先生も良いキャラクターだなと。
{netabare}彼の過去はとてもつらいものなのでここで言及するのはやめておきますが,カイくんの扱いをみていると「この人子どもの扱い分かってるなぁ」って(笑)。
ピアノから完全に離れても良かっただろうに,彼が小学校の先生をやっているのが分かった気がしました。{/netabare}

キャラクターデザインはけっこう好きです。
でも如何せん2007年のアニメなので全体的な絵というのか画質というのか―が古い感じはしましたね。
こちらは原作漫画の他にTVアニメも作られているそうで,そちらのキャラデザもちらっと見たのですがわたしはこっちの方が好きだなぁ。

そしてボイスキャストですね。
メインキャラクターは俳優さんたちが演じてますね。
少し前のアニメ映画って俳優さんをメイン起用するのが多かった印象です。
カイくんは上戸彩がやってるんですが,わたしは微妙だと思っちゃいました。
―というのも,思いっきり女性の声なのでわたしは初め彼のことをボーイッシュな女の子だと思っちゃったんですよね。
原作をきちんと読んでいれば…あるいは前情報だけでも入れて観始めれば良かったんですが,彼が女の子だと思っちゃったのでカイくんがクラスメイトに馬乗りになられて殴られているのにはびっくりしてしまいました。
いや。男の子だから良いってものでもないんだけどさ。
少年っぽい声が出せる俳優さんか子役,もしくは本業の女性声優さんは少年の声がデフォルトで出せるみたいなので(笑),そっちの方が良かったんじゃないかな~。
神木隆之介くんはとても良かった♪
某動画共有サービスのコメント欄でアニメは声優さんが演じた方が良いけど,彼だけは例外―みたいなニュアンスのコメントを読んだことがあって「ふむふむ。そうなのか」ってその時は思っただけだったけど,今回確かにそうだなぁと思いました。
阿字野先生は最初棒だなぁと思ったけど,そういうキャラだと思えば気にならなくなりました。
でもエンドクレジット見て「え。そうだったの!?」って驚きました。
こちらはお笑い芸人の方たちがけっこう出ていますね。
ダメじゃないけどさ~。
このアニメに限ったことではないけど,やっぱり基本的にはアニメは声優を本業でやられてる方をメインにした方が良いと思いますね。
アニオタ的な感覚なのかもだけど,主役やメインキャラクターは俳優さんで脇役が声優さん…とかはもやっとする。
職業に貴賤なしっていうじゃん!?!?
ある俳優さんがとある声優さんの演技を「立体感のある演技」って言ってたのが印象的で,俳優さんはやっぱ表情とか身体の動きありきなんですよね。
まぁそこが凄いところでもあるのだけど,アニメとなるとちょっと物足りなくなっちゃう。
TVアニメ版は声優さんが演じているみたいなのでそっちも観てみるつもりです。
ただキャラデザがこっちの方が好きだから,全体的な良さはこちらを超えられない気がしています(;^ω^)

音楽の評価は森でカイくんが弾いたメロディーがとても良かったから★4にしてますが主題歌はピンときませんでした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 5
ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5

ピアノの神様に選ばれた10歳の少年の物語

この作品が初公開されて10年以上の歳月を経て
2018年の春クールにNHKでテレビアニメ化されるということで
嬉しくて3年ぶりにレビュー追記します。

この作品がきっかけで原作を読み始めました。

原作は全26巻ですが、完結するまで1998年-2015年の18年間という
長い年月を経て熟成されたヴィンテージワインやギターのような
深い味わいに感動の涙が...。

途中、長期休載、連載誌移籍、不定期連載など波乱万丈な作品でしたが
有終の美できれいにまとめた原作者のプロ根性に頭が下がります。

この映画はそんな物語の序章のようなもの。
しかしその序章だけでも心の琴線に触れるものが多かったのです。
詳しくは以下に。

2015.04.28 16:02に投稿したもの(加筆修正あり)
{netabare}
<大好きな作品のひとつ>

初めて観たのは2008年頃、レンタルDVDで。
某映画ランキングサイトで高評価だったので視聴。

原作未読で内容に関する知識は白紙の状態で観始めました。
天才的なピアノの才能を持つ主人公、一ノ瀬海(いちのせ かい)の魅力で
上映時間100分などあっという間。
物語のテンポが良く、予想外に笑える場面もありすごく面白かった。

ジブリ作品のように役者やタレントさんを多数起用していますが、
不満や違和感のあるキャストは一人もいなく、
エンドロールで初めてキャストを知ってびっくりしたほど。

レビュー書きたくなったのは、
2014年10月-2015年3月放送の「四月は君の嘘」を視聴して、
いろいろ被るものがあるこの作品を思い出し、
また観たくなって再鑑賞したため。

今回は原作既読済みでしたので、
とっても上手く原作の贅肉を削ぎ落としていて、
主人公と生涯のライバルであり親友との出会いと成長が
しっかり描かれた秀作になってるとあらためて実感しました。

<原作は青年漫画『ピアノの森 -The perfect world of KAI-』>

第12回(平成20年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。
代表作『花田少年史』で知られる一色まこと女史の作品。
掲載誌は当初『ヤングマガジンアッパーズ』(講談社)にて連載。
途中、同誌廃刊のため『モーニング』(講談社)に移籍。

1998年から連載開始。以後、長期休載、不定期連載などもあり
連載スタートから17年後の2015年4月現在、既刊は25巻。
なので、1巻と25巻を見比べると作画の進化を如実に感じられます。

25巻では主人公は17歳。
滞在2か月のポーランド、ショパン・コンクール編に決着がついて一段落。

<この映画は2007年制作>

TVアニメ版『花田少年史』も担当した小島正幸氏が監督。
(2014年4月~7月には『ブラック・ブレット』を監督)
カイの小学校編の途中まで、原作1巻から6巻冒頭の回までを描いています。

<カイと雨宮修平>

生涯の親友でありライバルとの初めての出会い、
修平転校までの3か月間の交流が描かれ、
カイがピアニストとして覚醒し、後に世界を目指すところを暗示して終了。

シンプルな王道サクセスストーリーに引き込まれます。

<阿字野壮介(あじのそうすけ)>

カイの初めてのピアノの師匠になる元天才ピアニストの描き方が
原作よりもスマートにかっこよく描かれています。

阿字野は、交通事故により婚約者を亡くし、
自身もピアニスト人生を奪う生涯治せぬ傷害を
左手に負ってしまい魂の抜け殻状態だった。

しかし彼とカイは、森に捨てられたピアノを介すことで絆が結ばれ、
お互いの人生を変えていくことに。

カイを掃き溜めから救い、ピアニストの才能を伸ばすことで
阿字野自身も魂の抜け殻状態から救われる。

映画ではその序章といったところ。

<日に日に増えるモーツァルト>

弾けないなら楽譜返せと、カイに迫りくる幻影。これには爆笑!!
彼の脱皮と成長と共に消えていく様が何度観返してもいいです。

<ウェンディと便所姫>

カイとコンクール会場で出会う出場者の一人の女の子とのひと時の交流。
ここもかなり笑えます。この映画で一番好きなシーンです。

原作の性描写や児童虐待とかのシーンはかなり省かれているので
子供から大人まで安心して楽しめるのでかなりオススメします。

完結こそしてませんが、2007年時より原作ストックもかなり溜まったので
ぜひテレビシリーズ化を検討して欲しい作品ですね。


と書いた後、2015年12月末に最終第26巻が出版され大団円、大感動で完結。
さらに2018年4月よりNHKでテレビアニメ化されました。
そちらのレビューも投稿する予定です。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

. さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

ピアノに選ばれた少年の物語

全編に美しいピアノの音色が響き渡る、とても素敵な作品です。音楽好きの方ならピアノの音色に心奪われ、そしてそうで無い方もこの音色にはきっと癒される事と思います。


原作は漫画です。本作では主人公である海(カイ)君の小学生時代のエピソードを書いたものになります。この作品をご覧になり、もし気に入っていただけたのでしたら、是非とも原作の漫画も読んでいただく事をお勧めいたします。とても面白い作品ですので^^


自由奔放でやんちゃな性格である主人公の”一ノ瀬 海”君。彼は幼い頃より、近くの森にうち捨てられたピアノに触れて育ちます。毎日ピアノに触り、時にはピアノの上で寝泊まりし、彼の生活にピアノは溶け込んで行きます。そして彼は誰に習うわけでなく、いつしか我流でピアノを弾きこなす。天才・・・。彼は天才。そしてピアノに選ばれた人間。

そんな彼に友達が出来ます。東京から転校してきた”雨宮 修平”君。彼はピアニストの家系に育ち、そして自身もピアニストになる事を目指し、日々厳しい練習に明け暮れる毎日。”雨宮 修平”君は森にうち捨てられたピアノを弾く”一ノ瀬 海”君の演奏を聴き、衝撃を受けます。なるべくしてピアニストを目指す自分に持っていない物を持つ”一ノ瀬 海”君の演奏。聴く物を引きつけ、感動させる演奏・・・。2人はこの日から生涯のライバルとなる事を運命づけられます。


本作品では”一ノ瀬 海”君と”雨宮 修平”君がピアノコンクールで競う場面までが描かれます。ピアニストの家系に生まれ、サラブレッドとして育った”雨宮 修平”君。彼はその環境に満足する事無く、日々厳しい練習でピアニストになると言う夢を掴もうとするいわば”秀才”。
そして全てが我流であるが、ピアノに選ばれた天性の才能を持つ”天才”である”一ノ瀬 海”君。コンクールでは、お互いが全力を出し合い、そしてお互いを認め合いながら静かな戦いがきって落とされます。

本作品の最高の見せ場がこのコンクールのシーン。
自分の本当の演奏を見つけられず、コンクール本番中までも悩み続ける”一ノ瀬 海”君。彼は果たして本当の自分の演奏を見つけ出し、そしてそれを演奏する事が出来るのか?答えは彼のピアノの音色が教えてくれます。


主人公の”一ノ瀬 海”君役には上戸彩さん。ライバルの”雨宮 修平”君役には神木隆之介さん。その他にも池脇千鶴さん、福田麻由子さん等々有名人が声優として出演しています。製作はマッドハウスさんが担当。相当力の入った作品です。これで良い作品が作れない訳がない?

肝心のピアノ演奏及びミュージックアドバイザーには世界の巨匠である”ウラディーミル・アシュケナージ”さんが参加。ピアニストとしてはショパンの演奏で有名な彼ですが、彼の演奏はとにかくテクニックが凄い!音色が凄い!そしてその音色は怖いまでに美しい。彼が演奏するメインテーマである”Forest of the Piano”はクラッシックファンの方にはとにかくお勧め。彼の演奏は天才”一ノ瀬 海”を表現するのにぴったりと言えます。

エンディングテーマは女優であり、そしてピアニストでもある松下奈緒さんが歌う”Moonshine ~月あかり~”。なんとも美しく、切なく優しい、本作にピッタリとマッチした神曲です。

画像も綺麗ですね。特に森の中で佇むピアノの描写が素晴らしい。パッケージ絵となっている、森の中で木々の間からの日差しに照らされるピアノ。とても幻想的で癒されます。


素敵なピアノの音色に包まれ、そして観る物を引きつけるストーリーを持つ本作。疲れた心を癒す清涼剤になってくれる事と思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 21

76.7 6 コンクールで天才なアニメランキング6位
この音とまれ!(TVアニメ動画)

2019年春アニメ
★★★★☆ 3.7 (374)
1390人が棚に入れました
廃部寸前の時瀬高校箏曲部。一人になってしまった部長のもとを訪れたのは不良少年とその友達、そして箏の天才少女だった。それぞれの箏の音が紡ぐ青春学園物語―

声優・キャラクター
内田雄馬、榎木淳弥、種﨑敦美、細谷佳正、石谷春貴、古川慎、井口祐一、松本沙羅、浪川大輔、蒼井翔太
ネタバレ

かんぱり さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

弱小箏曲部物語

琴の部活ってめずらしいなあ、と思ってなんとなく見てましたが、4話くらいからだんだん面白くなってきて、最後まで視聴することにしました。
タイトルは仮です。その時の気分で変えるかも。。
以下、各話の簡単なレビューです。

1話
{netabare}先輩が卒業して1人残った武蔵。ちょっと頼りない。
愛が入部してきたけど、どっちが先輩かわからないな。
教頭やな奴。とりあえず視聴継続。これからの展開に期待。{/netabare}
2話
{netabare} さとわ登場。でも壁がある感じ。私がいるから目標全国1位ってすごい自信だね。でも言うだけあって、さとわ演奏すごいうまい。
愛まっすぐで熱い男だね。{/netabare}
3話
{netabare}愛の友達3人がさとわ目当てで入部(-.-)
なんかモブっぽいけど、このまま正式メンバになるのかな。
教頭の悪巧みで1か月後に演奏することに。
愛がダンボールの自作の琴で練習ってなんて熱いやつなんだよ。{/netabare}
4話
{netabare}なんか頼りない部長だったけど、みんなの心をひとつにしようと食事に誘うところは部長っぽくてよかった。もんじゃ焼き屋でいい雰囲気になるメンバー。さとわもちょっと素直になれてよかった。
その甲斐あってみんなの音が初めて一つになって。
楽器屋のばあちゃんいい人だな。愛の才能の一端が見えた?
そしてさとわは愛の過去を聞いて・・・
なんだか面白くなってきました。次回の演奏どうなるんだろう。{/netabare}
5話
{netabare}愛とさとわの距離は縮まってきた感じ。   
朝会での演奏がとうとう始まった。愛が祖父を想いながらソロを弾いたり、さとわがみんなのミスをカバーしたりして、すごくいい演奏だった!ちょっと回想シーンが多めだったのが気になったけど、いい回でした!{/netabare}
6話
{netabare} 演奏は大成功!良かった。教頭褒め殺しされて撃沈。
顧問やる気ない感じだけど、何か訳ありそうかな。
新入部員の妃呂が入ったけど、性悪だなあ。
「俺本人が言ったことしか信用しねーから」by愛。かっこいいね。
愛がさとわの家に行ったけどどうなる?{/netabare} 
7話
{netabare}愛、料理も出来るのね。いい男すぎでしょ。
みんなが自分を心配してくれているって改めて思ったさとわ。
みんなを信じることができるようになって、妃呂の言葉にも怯まずにみんなに自分のことを話せてよかった。
部に居づらくなったと思う妃呂。そんな妃呂を暖かく迎え入れてくれた部のみんな。いい人たちだね。{/netabare}
8話
{netabare}色々あったけど、妃呂が加わって7人になった筝曲部。
さとわが本気で弾いた六段を聞いて、自分の六段を考えるみんな。
さとわに憧れている姫坂女学院のかずさ登場。
かずさの問いに対して、ここの部がいいと言うさとわ。
一人ぼっちだった、さとわが部のみんなと弾く楽しさができて良かった。
明陵高校の合同練習会に誘われて行くことに。部長の件もあるし波乱の予感?{/netabare}
9話
{netabare} なんかいろいろと登場人物が増えてきたなあ。。明陵の桜介とか。
姫坂、強豪らしく部員多すぎ。演奏もうまい。
こいつらに追いつけばいいんだと言い切る愛。すごいポジティブだな(゜o゜)
自分に自信が持てなくて元同級生や弟に言い返せない部長。
そんな部長を見て、家を訪ねて副部長になるから私に相談してと言ってくれた妃呂。
こういう相談できる人がいるだけで、すごく心強くなるものだよね。
そして生意気な弟にびしっと言い返した部長、ちょっとたくましくなったかな?
「自信なんて目に見えねーもんに振り回されてんじゃねぇ!」by愛
自信なんて後からついてくるものだよね。
支えあえる仲間がいるんだから今はとにかくやるしかない!
そしてみんなで書く目標。これでまたみんなの気持ちが一つになった。{/netabare}
10話
{netabare} 部長の提案でみんなで合宿することに。
さとわの弾いてるのを見ただけで弾けるようになる愛。実は天才?
一方でなかなか音を合わせられない光太。足手まといだと悩んで・・・
光太を探しに男だけで行く部長たち。部長らしくなってきたなあ。
1人で練習していた光太。逃げたんじゃなくてよかった。。
光太にリズムを取るコツを教える顧問。実は音楽に詳しかったりする?{/netabare}
11話
{netabare}「私が求めていた音はここにあります!」byさとわ
「相手を信じろ」何気ない顧問の言葉がヒントとなり、部長と愛の音がぴったりと合うように。そして光太も付箋の練習の成果で音が合ってきて。
そしてついに関東邦楽祭がはじまる・・
明陵の桜介再登場。実はすごい人?
そして明陵の演奏が始まる。すごい演奏だな。その中心に桜介がいる。
明陵は時瀬のよきライバルになっていくんでしょうか?{/netabare}
12話
{netabare} 明陵って全国2位!?全国1位ってどんな高校なんだろ。
というか、筝曲部ある高校って全国に何校あるのかな。
・・調べたら首都圏だけで約250校あるらしいです。
永大附属の2人だけの演奏。テンポが安定してないけど気迫の演奏。
そして優勝候補の姫坂の、こちらは大勢での演奏。
顧問の滝浪先生の過去。やっぱり天才だったんだね。でも音楽にまっすぐ向き合えない過去が。
倒れそうになった琴をかばって手をひねった愛。
次回の演奏が前半クライマックスだけど、うまく弾けるかちょっと心配です。{/netabare}
13話
{netabare} 自分のせいで愛をケガさせたと自分を責める妃呂。
それをかっこよくなぐさめる部長。1話の頃と別人みたい(゜o゜)すっかり部長らしくなったね(*^_^*)
でも愛のケガは思ったよりも重くて・・顧問に止められても弾きたいと訴える愛。そんな愛に「お前1人居なくても今日の演奏はできる」と言う顧問・・
でも、部のみんなにお前が必要なんだと言われて改めて心強く思う愛。。
そしてついに演奏が始まる・・
一時は愛のケガもあって、なかなか合わせられなかった演奏が、光太の頑張りがきっかけで持ち直して・・そして無事演奏終了♪
ってあれ?ここで終わり?分割2クールなのはわかるけど、もうちょっとキリがいいところで終わってほしかったかな。。{/netabare}

これで前半終了。後半楽しみに待ってます!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 23
ネタバレ

ぺー さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

正月限定だけではもったいない世界

原作未読


視聴動機はまさにあにこれ内での交流から。たしか『ちはやふる』好きならこんなんありまっせ!と。
分割2クールの前半13話で、後半は3か月後の放送とのこと。分割の場合ゴール設定が先となるわけですからどの辺でお話を区切るかが難しいわけでありますが、今回放送された前半クールは「次が観たい!」と思える中締めと感じましたのでおおむね成功だったと思います。
{netabare}ただし前半最終話のブツ切り感は評価が別れると思う。私は嫌。3ヶ月後覚えてられる自信がないから。{/netabare}

質担保の側面もありましょうが、できれば通しでやってほしかったかなあ、が正直なところでした。


廃部寸前の筝曲部に新入生らが集って全国目指すストーリー。弱小校のジャイアントキリングなるか?
手垢のついたテーマとはいえ“箏(こと)”題材の面白さと定番の中に本作ならではの物語をどう紡いでいくのか楽しみにしながら視聴開始です。

時瀬高校筝曲部メンバーは7名。
 久遠 愛(くどお ちか)1年:CV内田雄馬
 倉田 武蔵(くらた たけぞう)2年:CV榎木淳弥
 鳳月 さとわ(ほうづき さとわ)1年:CV種﨑敦美
 足立 実康(あだち さねやす)1年:CV石谷春貴
 水原 光太(みずはら こうた)1年:CV井口祐一
 堺 通孝(さかい みちたか)1年:CV古川慎
 来栖 妃呂(くるす ひろ)2年:CV松本沙羅


“文化系スポコン”+“音楽”

これまで成功を収めた作品をうまくトレースしてます。

■文化系スポコン
だいたい以下の4点をおさえておけば良いところ、濃淡はあれど各々描かれています。
1.努力型と天才型との対比
 {netabare}さとわと愛が雛型。{/netabare}※1後述
2.自校に有能な指導者がいる
 {netabare}滝浪涼香(CV浪川大輔)は柏葉英二郎(タッチ)を彷彿とさせる良キャラ{/netabare}
3.ライバルの存在
 {netabare}出揃ったかと思うところで前半終了。{/netabare}
4.敗戦を描く
 {netabare}これは今のところなし。後半に期待。{/netabare}

※1 天才型のさとわが天才然としてないところが良いです。早々に自分の演奏の弱点を自覚し悩みもがくわけです。すると部員全員努力家というある種一体感が醸成されるわけですが、反面、キャラの棲み分けが難しくなることの交換条件みたいな部分も。ここはボヤけないように愛、武蔵、さとわ、妃呂に資源を集中して乗り切った感はあります。

■音楽
以下の組み合わせをどうするか。失敗率の高いCGを選択せずというのは評価します。
1.技術:運指の正確さを見せるためのCGか手書きの選択。止め絵の利用もしかり。
2.情感:心象風景や曲想のビジュアル演出、演奏者のモノローグ、聴衆の反応。

{netabare}ピークを2回もってきたのは贅沢でした。第5話「流星群」第13話「久遠」。アプローチの違いはあり、意図も伝わり、素晴らしい演奏シーンでした。ただしやや演出がパターン化されてる部分があって2回目のインパクトが薄かったです。{/netabare}


リアリティの担保という意味では、原作者本人もそのご家族も箏への造詣が深いといいますか本職の方といって差し支えなく、オリジナル曲「流星群」の仕掛けだったり、箏初心者の視聴者への手ほどきだったりと丁寧な仕事ぶりも有り難いことでした。
正月三が日に聴くような音色のイメージしかもっていなかった箏の音がこれほど躍動感があるものだったとは新たな気づきであり知らしめた功績が作品自体にはあるでしょう。
なにより、自分の血肉となっている“箏”を連載化したいとの熱意は応援したくなります。



総話数全24話~全26話くらいでおさまることでしょう。途中折り返し地点のため詳細評価は数か月後に!です。
成功作品の良トレースということは、嗜好に合えば面白さは手堅い反面、突き抜ける部分がないことの裏返しです。『この音とまれ!』ならではを後半では観たいですね。

自分の琴線に触れる音楽ものって、とある曲の以下のフレーズを地でいってるような作品がほとんど。


 “一人じゃ出せない音が あることに気づいたよ”


今のところその波動をびんびん感じます。
評価は期待値込みで甘め。今期(2019年春クール)で自分の視聴作品のうちでは途中経過ながら上位に食い込んできた良作です。



※オマケ

■部活終わりの…
パピコ!!
趣味で草野球のチームに入ってる私です。当然体を動かした後のビールというのが王道のおっさんではありますが、試合直後はコンビニでパピコというのが習慣ですね。もちろんチョココーヒー味。個人的には“下町のモカフラペチーノ”くらい思っとります。


■でもここはちょっとなあ

1.そこはちょろくなくても・・・
{netabare}さとわも妃呂も揃ってちょろいの、どっちか片方で良かったんじゃないかしら。
どうも3バカが気の毒に思えてくる。{/netabare}
{netabare}ただし、ちょろくなる前のやさぐれ妃呂とで演技の変化が自然だった松本沙羅さんはGJ!{/netabare}


2.君ィのトゥオーーン
{netabare}実は蒼井翔太が苦手。スカート似合いそうなユニセックス男子に目の前でお気に入り女子をかっさらわれまくった実体験がそう思わせる。
八つ当たりもしくは嫉妬以外の何物でもないわけですが、OPは毎回飛ばしておりましたよ。{/netabare}



分割2クールだとの事前情報はおさえてましたけど、知らんとあのブツ切れ感ってついていけるのかしら?



視聴時期:2019年4月~2019年6月

-----
2020.02.06 追記

{netabare}2期のOPも蒼井翔太だが、早送りするともったいない。良い歌というよりもアニメーション画像にヒントがちりばめられている。{/netabare}


2019.07.04 初稿
2020.02.06 追記
2020.07.30 タイトル修正

投稿 : 2024/11/02
♥ : 63
ネタバレ

剣道部 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0

Q「ご趣味は?」 A「おとこを少々。。い、いや、おことを少々(焦)」w

[文量→中盛り・内容→感想系]

【総括】
ていう見合いネタを、昔、ラジオで聞いたなw

でも、当たらずも遠からず。イケメン達がお琴を奏でるアニメですからね(笑)

わりとスポ根というか、熱い作風が好みでした。ちゃんと恋愛要素も成立してたし、良作の部類かな。

男性視聴者も、キャラデザで敬遠してほしくないな~。

《以下ネタバレ》

【視聴終了(レビュー)】
{netabare}
琴のことwなんてまったく分かりませんが、充分に楽しめました♪

基本、良い話で、安心安全の全年齢対象アニメ。

私は個人的に、優しい話、熱い話が好きなので好物の部類に入ります。が、そこがある意味で作品としての短所でもあり、目新しさや刺激には欠けると思います。

そんな中、「ちか×さとわ」「部長×ヒロ先輩」の恋愛要素が入ってくると、バランスが良くなった印象ですね。両ヒロイン共、第一印象の悪さを覆す、良いヒロインでした。

ストーリーとしては分かりやすいほど王道すぎて、これといって語ることは何もないんですが、ここまで気持ちよく王道を貫かれると、なんだかサッパリとしますね(笑)

特筆すべき点としては、「琴の曲」が、素人の私にもちゃんと、「美しく」聞こえたこと。それから、細かな指の動きとか、ちゃんと再現しているぽかった。こういうの、音楽アニメとしては絶対に大事なことでしょうしね。

普通に、普通以上に楽しかったです。
{/netabare}

【余談~ さとわ 語源 ~】
{netabare}
「さとわ」って、知らない言葉だったんで、辞書程度ですが、調べてみました。

①「さとみ(里曲)」の平安時代以後の誤読。人里のあるあたり。

②「さとわの火影も」〈文部省唱歌・朧月夜〉から、人家の温かさ、ぬくもり。

③サンスクリット語で 「純粋」「調和」「愛」「光」「誕生」という意味。

どれをとっても、「さとわ」というキャラクターにぴったりというか、「さとわ」の本質、求めているものというか。

キャラに合った、良い名前だなと思いました♪
{/netabare}

【各話感想(自分用メモ)】
{netabare}
1話目 ☆4
火の丸相撲かな? 簡単に入部は認めない。なかなかドラマを見せるな。「んなわけあるか、ハゲ!」(笑)

2話目 ☆4
猫かぶって損した(笑) 入部理由がしっかりしている(笑) 質問がバカ過ぎる(笑) 良い話でまとめにきているな。

3話目 ☆4
ちょっとスラダンのノリだな。二人の恋愛要素入ってくると、バランスよくなるね。

4話目 ☆3
なんかちゃんと下手な感じがして、良いね。さとわ、少しずつくだけていく感じが良いね。

5話目 ☆5
さとわ、そこでも強がるのか(笑) 優しい音色、というのが、素人でも感じられた。いや~、良い最終回だった(笑)

6話目 ☆4
へ~。琴って、消耗品なんか。ギターやらバイオリンなんか、むしろ値段上がるのにな。指導者、登場? 来栖、マジでムカつくな。柾目・琴・値段 で検索したら、トップに1,370,000円のが出てきたわ(笑)

7話目 ☆4
さとわ、母の苦しみも分からなくはない。来栖さん、すげぇ前傾姿勢でのダッシュだな、陸上部のクラウチングスタート後か(笑) これは、来栖さんと部長のフラグが(笑) ちょっと良い話すぎるが、まあ、青春だから許す(笑)

8話目 ☆4
なんか、暑苦しいな、良い意味で(笑) スポ根してるな~。 ラブコメしてるな~。

9話目 ☆4
良い親だな。部長だと認めてないのは、お前だけ。良い言葉だな♪

10話目 ☆4
安定の良い話だな~。ヒロ先輩、可愛くなってw

11話目 ☆4
コウスケ君、歪んでて好きなキャラクター。一人になりたくない、アサちゃんが大好き、というだけで、「琴が好き」とは一言も言っていない。そこが成長ポイントか。

12話目 ☆3
比べて凹むとか、つまり、勝つ気だということ。にしても、小さすぎるな。顧問に元天才、試合前の怪我。本当に王道だな。

13話目 ☆5
俺、もしかしてバカなのかもしれない(笑) 失敗から始まる演奏会ってのも、王道展開。実力を魅せつつ、負けられる(最後に勝てる)からね。そこでサブキャラの活躍。みんな、誰かのことを考えながら弾いている。最終回らしい最終回だったけど、Cパート無しはすげぇな。ズバッと切るか。2期、あれば観るな~。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 33

59.5 7 コンクールで天才なアニメランキング7位
R-15(TVアニメ動画)

2011年夏アニメ
★★★☆☆ 3.0 (574)
3271人が棚に入れました
ポルノ小説でプロとして活躍している芥川丈途。丈途は職業柄あまりよい目で見られなかったがその能力が認められ、天才と呼ばれるにふさわしいものだけが入学を許される私立高校・閃学園に入学することになる。そこは個性あふれる生徒が集まっており、翻弄される丈途。学園や先輩から出される幾度の難題なテストにも負けず、彼らと協力しながら勝利を収めていく……。

声優・キャラクター
喜多丘千陽、福原由莉奈、柏山奈々美、小松真奈、積田かよ子、村上まどか、村井理沙子、月宮みどり、有賀由衣、野水伊織、長島☆自演乙☆雄一郎
ネタバレ

偽ニュー隊長 さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0

リビドー大爆発(50点)

全12話。
ラノベ原作。原作未読。

個人的満足点:50点
アニメ系統:リビドー爆発系学園ラブコメ

天才だけが集まる学園での
天才「ポルノ小説家」芥川 丈途の学園コメディ。
ということだが、エロ全開w
もう、突っ込みどころ満載すぎる。

ストーリーなんてあってないようなもの。
このアニメを楽しむにはいかにバカになれるか
そこに尽きると思う。

兎に角、リビドー爆発しているところに
どれだけバカになって突っ込めるかであろう。
それ以外何も無いと思っている。

キャラはなかなか可愛いので
エロネタと可愛いキャラに萌えてくれ。

さすがにこれだけバカでエロだと
声優さんも知らない方々ばかりだ。
でも、悪く無いと思う。
エロエロな内容でもがんばっていた。
そんな声優さん達には今後も活躍して欲しいね。

そんなわけで決してお勧めできるものではないが
バカバカしいエロに興味があれば、どうぞといったところ。


と、まあ、エロエロとしか書いてないが
つまり、何が言いたいかというと

モザイクばかりで何も見えんw
これはBD観るしかないのかw

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以下、毎話後の感想。
ネタバレを含む場合があるので
未視聴の方はスルー推奨。

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{netabare}
1話視聴。
今期のエロ枠か?
なんという卑猥な・・・
オープニング開始早々今期の脱落候補No1に躍り出たw

と思ったんだが、何かそうでもないかも。
確かにエロ枠だが、ぶっ飛び加減は面白い。
絵柄は個人的に好み。キャラも可愛い。
貧ニューから巨ニューまで選り取り見取りw
ちょっとキャラが多くて1クールでは覚え切れなさそうだが。

今後がちょっと気になる。

公式見てきたら「リビドー爆発中!」って書いてあったよwwww


2話視聴。
「リビドー爆発」全開かとも思ったんだが
何だ?何かちょっと真面目な話もあるのか?
こいつはエロだけで終わらない気配。
色々な意味で興味が出てきた。
来週も継続。

3話視聴。
今一勢いに欠ける気がする。
基本路線はラブコメのようだ。
ラブコメでの勢いも中途半端で
リビドー爆発もあまり勢いがない。
リビドー爆発で笑いにしてくれればいいのだが
意味の無いカットで爆発されても、引くだけだ。
爆発しても、真っ白で分からんしw
今一、面白みに欠ける。
一応継続。

4話視聴。
名機来夏回。
今回はなかなか爆発していた気がする。
来夏の変態ぶりがすごかった。
ただ爆発してた分、真っ白なシーンがいっぱいだったがw
しかし、丈途がどんどんモテル設定が気に食わないwww

5話視聴。
なんという百合回w
リビドー爆発しすぎだろwww
なんというアニメだ。
ランの技が色々な意味ですごかったわw
ひどいアニメだが我が身を鍛えるためにも
継続視聴するw

6話視聴。
何か前回に比べるとパワーダウンした感じ。
このアニメはもはやリビドーを爆発させないと
楽しむポイントがあまりない。
爆発させた無茶な展開の方が笑えるので
そちらでいっていただきたいものである。

7話視聴。
透明人間とはベタだがなかなか面白かったw
やはりリビドー爆発で無茶苦茶やってもらった方が面白い。
こういう路線で押してもらいたいところ。
来週はどうなることやら。

8話視聴。
デート回。
タケトなかなか美味しい展開をw
うらやましい。
しかし、ふくねちゃん気にしなさすぎw
意外と落ち着いた回だった。
いつもに比べればだがw
来週は爆発を期待したい。

9話視聴。
部長回。
部長の謎にせまるが、結局何も分からないw
さらに気になってきたじゃねえかw
このアニメの性質上、最終的に判明するってことは無い気がする。
このもやもやした気持ちどうしてくれるんだw

10話視聴。
うたえ、可愛い。
そして、ちょっと可哀想。
たけと気づけ、この大バカ。
それでもポルノ作家かと真面目に突っ込んでも仕方ねえが。

11話視聴。
最後にきて、ちょっといい話になってきたんだがw
しかし、最後このまま終わる気がしない
どうせ、リビドー爆発で終わるんだろうなw

12話視聴。
予想に反して綺麗に終わろうとしやがったw
バカバカしくはあるが、綺麗に見えるから困る。
個人的にはもっと爆発して欲しかったかな。
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

セメント さんの感想・評価

★☆☆☆☆ 1.0

天才

圧倒的すぎるwww
夏期ワーストアニメ最有力候補なんじゃないんですか


天才ばかりを集めた学校が舞台とあり、まさに天才のバーゲンセール
かなり安っぽいイメージが払拭できないです、天才がこのように毎年輩出されてたら苦労はしません
言うなれば、超ショボい能力者たちが戦うアニメみたいな、天才と定義して良いのか怪しい微妙な天才ばかりが出てくる、がっかり感の漂う物語設定でした
話の軸の部分の酷さに加え、新人声優の試験起用のようなキャスチング、毎回同じ曲しか演奏しないクラリネットの天才()や円周率が言えるだけの数学の天才()など個々人の造り込みの甘さ等々、枚挙に暇がありません
何か”失うものがないから取り組みやすい”という言葉を強く感じるアニメでした

1話の冒頭、いきなり知らないエロアニメが始まるものですから、やべぇ見るアニメ間違えたかなと思うのも無理はない
これはポルノ作家の天才()である主人公の執筆したと思われる、これも劇中劇と言うのですかね、創作エロアニメで、以後も度々出てくるのですが
これ以外にも、普通に本編でやたらと女キャラが脱いでおり、非常に情欲をそそります
おかげにして、このアニメを観た後はエロサイトへ一直線がお決まり(ry
という冗談は捨て置き、2話の創の芝居とか、7話の来夏の寝起きからの一連のカット、8話のホテルの主人公の転倒するカット、12話の創の発明品が空飛んでくカット等々、たまに地味ウマな作画があるんですよね・・・
凡そ褒めるところのない駄ニメとネットでは目されていますが、そこだけは評価できる点でした

先程も言いましたが、あからさまに残念キャスチングです、逆に感心する位の酷さですね
このアニメなんと、長島☆自演乙☆雄一郎さんが出演してるんですよね
鉄坊廻役で出ている他、10話ではOP,EDを声優と混ざって歌っちゃったりしてます
まぁ素人ですから違和感を絶対に感じるだろうと踏んでいたのですが、元から酷いOPEDはともかく、本編ではそんなに浮いてないのが驚きでしたね
本業じゃない人が入ってても浮かない周りのレベルに軽く危機感を覚えますが

さて音楽に関しては、これも酷いとしか言いようがありませんな、最終回の挿入歌は歌詞も酷い
「ロウきゅーぶ」といい「ゆるゆり」といい、アニメPVに中の人の実写映像を使ったケースが多いシーズンでしたね
悪くないとは思いますが、声優プッシュが見え透けてちょっと・・・とも思います
アニメキャラ差し置いて声優出してるわけですからね、まぁそれだけ声優需要が高まっているということでしょうが

謡江や蘭に比べると、メインヒロインの吹音があんま可愛くないですね
にも関わらず、主人公は詩江を切っての吹音ルートでしたから、全く・・・全く・・・
そして律は、どうやら主人公に好意を寄せていたようですが、腐を釣ろうとしてるのが見え見えでアザトイですね
キャラに関してはそうですねぇ、性的だなぁと思うことはあっても、それ止まりでしたねぇ

それでもイベントは精力的にやっちゃうんですよねぇ
名古屋の全巻予約者限定イベントに、渋谷のCD発売記念イベントに、ソフト発売記念イベントシリーズにと、その全てにおいて良い噂を聞かなかったですね
ニコ動と連動した企画も、投稿者数は奮わなかったみたいですし、Ustの生放送でも視聴者少なかったとか、ソフト1巻の特典には抱き枕がついていたのに売上も微々たるもので・・・
こっちが虚しくなってくきますね、打ち上げコピペを初めて読んだ時が思い出されます
何故こんなことになってしまったのか
いやーほんとやること全部がマイナスに繋がってるような気がします


軒並み低評価です、ポル産アニメの終焉を感じます
しかしこの駄ニメポイントが、クソアニメソムリエを強く育てるわけなんですねぇ
ちなみにウィーンに行く話は原作の特典映像につくみたいですねぇ、果たして見ようか見まいか・・・

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

こたろう さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6

バランスはとれてます。低い水準で

エロコメというのは、特殊なジャンルです。
良いに越したことはありませんが、1話1話のストーリー展開はかなり無茶なこじ付けや、面白くもない寒いコメディを入れても許される、そんな免罪符を持っています。
それがエロに通じているなら!という前提ではありますが^^
ラッキースケベに行き着くためのストーリー、裸やパンツを見せるための設定、エロイベントを発生させるための舞台。
全てのベクトルが「エロ」に向いているなら、目的達成のための手段はあまり重要視されないのがエロコメ。
そりゃそうです。
超展開をみせて引き込まれるストーリーのエロ、涙なくしては見られない感動のエロ、人間の深層心理を深く考察した社会派のエロ、なーんてのは、ほぼ存在しません。
面白いストーリーなんて、むしろエロには邪魔。
くだらねー、ほんっとにくだらないぐらいの内容で丁度いいのです。



さて、前置きが長くなりましたが本作はエロコメです。
一芸に秀でた生徒が集まる学園。生徒達はそれぞれのジャンルでの天才であり主人公はポルノ小説で名を馳せている人物・・・とまぁ、いい具合にバカバカしくてありがちな設定。
主人公の職業を活かして、女子達を相手にエロ妄想を膨らませていくといったエロ展開パターンを装備した作品です。


前述のとうり、エロコメなのでストーリーは箸にも棒にもかからない内容。
いくらなんでも展開が幼稚すぎだろ!・・・と、思わないではないですが、まぁそれは我慢できます。
意味不明のキャラの行動原理も頭痛がしますが、まぁエロコメだからねぇ・・・で、無理やり納得する事もできなくはないです。
典型的なエロ系らしい、クソつまらなさが蔓延しているのは予測の範疇でした^^;
しかし、低質である事が許されるのはそこまで。
本作はそれに留まってはおりません。

ぎこちなく動く動画の足りない作画。
パンツや乳を見せとけばいいだろうという芸のない演出。
ヘタクソな大根声優。
その大根が歌うOPとED。
と、まぁ
ストーリーや設定以外の部分も含めて、ぜーんぶ安定的に低質でした、R-15は。
見事なものです、悪い意味で。


優秀なエロ系というのは、呆れるぐらいの緻密な作画をしたり、想像力を掻き立てる最大限のエロス演出を工夫したりと、普通の作品を凌駕する美点があるものです。
声優に至っては、言うまでもなく超重要。
くだらないエロだからこそ、後ろ指さされないように、ちゃんとやれる部分では頑張るもの。

ですが、R-15はストーリーのしょっぱさに見合った、いや、それ以下のガッカリ品質。
褒めるところがない、という意味において実にバランスの取れた作品でした。

どんなクソアニメでも何かしら特徴をピックアップできると思うのですが、ほんとに何も思いつきません^^;
それぐらいに無為で低水準な作品。

お金や時間をドブに捨てたいと思う方にオススメです。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

69.4 8 コンクールで天才なアニメランキング8位
ガラスの仮面[東京ムービー版](TVアニメ動画)

2005年春アニメ
★★★★☆ 3.8 (98)
477人が棚に入れました
かつて舞台『紅天女』(くれないてんにょ)で主役を演じ、大女優と謳われた月影千草は、芸能界を引退し、今は横浜で静かな生活を送っていた。
そんな月影の下をたびたび訪れる男たちがいた。大都芸能の社長令息・速水真澄と演出家の小野寺一である。彼らは原作者から『紅天女』の上演権を譲られている月影から上演許可を得て、女優の姫川歌子主演で『紅天女』を上演しようと目論んでいたのである。
しかし、月影は『紅天女』の主演は自分もしくは自分が育てた女優にしか演じることは出来ないと言って、彼らの申し出を拒絶する。
そして、10年待って、自分が育てた女優が大成することが出来なければ、上演権を譲ると言い放つのだった。
ネタバレ

千秋 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

超大作のスポ根・演劇物語

全51話  少女漫画原作

原作は超大作で、ドラマ版もあるので、ご存知の方も少なくないと思います。

ガラスの仮面は、真剣に芝居に取り組む人々の姿を描く物語です。
劇中劇(舞台劇)がたくさん見られ、コメディ要素は全くないです。

カレイドスターや、ちはやふるが好きで大作が見たいという方にはお勧めです。
理由は単純。「好きだから」ひたむきに体当たりして頑張る。
彼女たちを取り巻く熱気、好きなことに傾ける情熱。熱い戦い。スポコン少女漫画の王道です。
共通して応援したくなるタイプで、どういう成長をとげていくのか見届けたくなります。

登場人物
主人公・北島マヤは見た目は平凡そのもの、演劇以外はまるで駄目な女の子。最初はド素人だが、演じるということを本能で理解している、真の天才少女。

ライバル・姫川亜弓(ひめかわ あゆみ)は、主役をやるために生まれてきたような美少女女優。
彼女の演技にかける情熱は他の誰にも負けない。

かつての大女優・月影千草。幻の名作・紅天女の主演女優を育てるために生きてきた。その思いは狂気にもにた激しいもの。

表面上は冷酷非情だが影ながらマヤを支える、紫のバラの人。マヤのファン一号でもある。


見所は、たくさんありますが、ライバル同士の熱い戦い、月影先生の熱い思いや、マヤの恋などなど。演劇を巡り、山あり谷がたくさんあり。起伏の激しい展開で、次々と先が見たくなります。
劇中劇が多く見られますが、その舞台にも吸い込まれるように集注させる魅力があります。
舞台の内容は世界中に有名なものだったり、ガラスの仮面の作者オリジナルのものだったりです。

原作を読んだのはだいぶ前になるのですが、素人目に見て、作画は原作にかなり近いです。
マヤを見たときは忠実で驚きました。

古い作品ですが、埋もれさせるのはもったいない名作です。

あらすじ
{netabare} かつて舞台『紅天女』(くれないてんにょ)で主役を演じ、大女優と謳われた月影千草は、芸能界を引退し、今は横浜で静かな生活を送っていた。 そんな月影の下をたびたび訪れる男たちがいた。大都芸能の社長令息・速水真澄と演出家の小野寺一である。彼らは原作者から『紅天女』の上演権を譲られている月影から上演許可を得て、女優の姫川歌子主演で『紅天女』を上演しようと目論んでいたのである。 しかし、月影は『紅天女』の主演は自分もしくは自分が育てた女優にしか演じることは出来ないと言って、彼らの申し出を拒絶する。 そして、10年待って、自分が育てた女優が大成することが出来なければ、上演権を譲ると言い放つのだった。 {/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 12

nyaro さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

マンガ史上最高の作品のアニメ化。不足はありますが仕方ありません。

 マンガ版は日本の漫画史上最高峰に君臨するでしょう。原作は多分通算で10回以上読んでいると思います。というより一時期1ヶ月くらいずっと読んでました。
 リアリティがとにかく有りません。ですが、演劇ってこういうものだ、と力技で押してくるパワー。芸能界は良く知りませんが、オーディションも練習も演劇の舞台もコンクールも現実とは全然違うみたいですね。ですが、ストーリー展開の面白さで、すべて「有り」にしてしまっています。
(ただ、聲の形の声優さん、実際に聾唖施設にいったみたいですね。時代があゆみさんに追いついたのでしょうか)

 それを支えているのが、キャラの個性です。マヤ、あゆみさん、紫の薔薇の人、月影先生など主要キャラの魅力はもちろんですが、ラーメン屋の娘とか乙部のりえとか演劇部の部長とか、サブがなんかすごいんですよね。パワーが。グイグイきます。乙部のりえ…素晴らしいキャラでした。
 でも、やっぱりあゆみさん、最高です。美しくて謙虚で努力家、天才を知る悲哀もあって、マヤの理解者でライバルでツンデレで。とにかくあゆみさんのマヤ愛が堪らないです。泣けてきます。(エースをねらえのお蝶夫人とちょっとかぶります)

 本作をギャグの様にとらえる人もいますが、全然違います。真摯さ、真剣さは時に滑稽ではあります。その世界の常識は外からみれば奇異な価値観なのかもしれません。それを笑う人は自分の人生を反省したほうがいいのでは?と思います。
 マヤという天才ですらあらゆる努力を積まなければならない。そして、あゆみさんという天才に近いけどやはり天才になりきれない秀才の悲哀。つまり「マヤ…恐ろしい子」です(これは月影先生ですが)。
 スポコンをも超えた、演劇道というより演劇地獄ですね。こんなすさまじい話は他に例がないでしょう。

 天才に追いつけない悲哀でいえば30分の1くらいマイルドにすると、ハチミツとクローバーになるのでしょう。

 さて、アニメ版はその物語の迫力や、あゆみさんの美しさ、ゴージャスさ、声優さんの演技を初め、表現が足りてないですね。全般に言えることですが。あと白目ありましたっけ?無かったと思います。白目がなきゃガラスの仮面じゃないです。
 また、結構省略がありました。隅々まで原作を覚えているせいか、削ることのできない完成度のマンガを51話に収めた不足感がありました。

 ですが、予算と時間と人材がいないと、ガラスの仮面の完全なアニメ化は望めないでしょう。その意味ではよくできたアニメだったと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 0
ネタバレ

でんでん虫 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4

青になり損ねた紫

いきなりですが、問題です。

Q.あなたは今、外にいます。すると突然あめが降ってきました。その時あなたはどのようなリアクションをとりますか? 演じてみてください。

答え{netabare}
・何も考えずに雨が降って来た時の想像をした人は凡人です。とっとと身支度して帰ってください。
・「あめってどっちだよ」と思った方は少し役者の資質があるかもしれません。
・無意識に「雨」と「飴」の2パターンの演技を思いついた方はかなり役者の資質があります。今すぐ配役のオーディションを受けるのです。
・私が想像もつかないような演技を考えた方は今すぐ私のところに来なさい。あなたは天性の才能をもっています。 {/netabare}

とまぁこんな風に言葉一つの意味の取り方次第で演技は様々な顔を見せる。また、同じ意味でとっても演じ方を変えればさらに別のものになるのだ。このように演劇には無限の可能性がある。それこそ拡がり続ける宇宙のように。この作品ではそんな演劇の世界に生きる女優達の光と影を描いている。

 眩しいほど光る才能を持つ主人公北島マヤ。彼女が演じれば、そこには必ず影ができる。マヤは嫉妬に狂う周りの人々の様々な妨害を受けるのだが、必ずと言っていいほど都合よく助けが入る。それがライバルの姫川亜弓であったり、紫のバラの人である速水真澄である。悲劇のヒロインでありながら一番の幸運の持ち主という王道設定が感情移入を容易にする。

 それと「新しさを感じさせない」演出。これのお陰で30年もの間、世界観が壊れることなく多くのファンに愛されるのである。この作品からは古さを感じるのだが、内容はそうではない。伝統を守ることも大切だが、それよりも新しいものを作ることに重きを置いている。この「古さ」と「新しさ」というギャップから、私はこう考えている。この作品が、これから先作られるであろう漫画のお手本になることを望んでいるのではないかと。

 役者やプラネタリウムが見せるものは所詮本物に比べれば成り損ないの偽物なのかもしれない。しかし、見せる側が本気で楽しませたいと思ったのならば、本物と変わらない感動がそこにはあるのではないだろうか。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 6

56.8 9 コンクールで天才なアニメランキング9位
金色のコルダ Blue♪Sky(TVアニメ動画)

2014年春アニメ
★★★★☆ 3.2 (127)
727人が棚に入れました
原作:コーエーテクモゲームス「金色のコルダ3」、キャラクター原案:呉由姫「月刊LaLa」(白泉社刊)、総監督:於地紘仁、監督:名取孝浩、監修:ルビーパーティー、シリーズ構成:大知慶一郎、キャラクターデザイン:藤岡真紀、音響監督:菊田浩巳、、高木礼子、福山潤、小西克幸、内田夕夜、水橋かおり、伊藤健太郎、森田成一、岸尾だいすけ、谷山紀章、石川英郎、日野聡、宮野真守、増田ゆき、佐藤朱、、、

声優・キャラクター
高木礼子、福山潤、小西克幸、内田夕夜、水橋かおり、伊藤健太郎、森田成一、岸尾だいすけ、谷山紀章、石川英郎、日野聡、宮野真守、増田ゆき、佐藤朱、岡本寛志、山本圭一郎、細谷佳正、三浦祥朗、清水理沙、大原さやか、堀内賢雄

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

「お前はここで、終わるのか?」←この一言が彼女を突き動かします^^;

この作品も基は女性向け恋愛シミュレーションゲームだったのですね^^;
作品を視聴している間は、男性の登場人物の比率の高い作品だなぁ・・・程度にしか思いませんでしたけれど^^;
全く違和感無く完走してしまいました^^;

この作品の主人公は、高校2年生の小日向かなでちゃん。彼女は小さい頃からヴァイオリンを習っていて・・・小さい頃はそのヴァイオリンで周りの皆んなを感動させる演奏が出来ていたのですが、ここ最近は思うように弾けず、伸び悩んでいました。

そんなある日、幼馴染から音楽の名門校である星奏学園に編入して、全国音楽コンクールを目指そうと誘われるのです。
ここ最近の自分の出来に編入を躊躇していましたが、「お前はここで、終わるのか?」と謎の手紙を受け取ったことをきっかけに編入を決意して・・・物語が動いていきます^^;

視聴している時は気付きませんでしたが、完走後に振り返ると・・・
やたらイケメンやハートフルな男性がたくさん登場していましたね^^;

その様な男性に囲まれている中でかなでちゃんを見るからでしょう・・・
繊細で・・・放っておくと折れてしまいそうに線が細くて・・・か弱く見えるんですよね(//∇//)

そういえば、この作品も最初はかなでちゃんに冷たい人、彼女に酷いことを言う人が多かったかもしれません・・・そう考えると、この作品もしっかり王道を行く逆ハーレム作品だったんですね^^;

かなでちゃんは、それらの逆境をバネに悩みながらも音楽の道を突き進もうとします。
スポンジの様な吸収力を持つ彼女は、次第に演奏の技術が上がって行きます・・・
でも、彼女が本当に凄いなぁ、と思ったのは音楽の聴き上手・・・という点です^^

彼女が音楽に入り込むと世界が変わって見えるのですが・・・その世界観が結構好きでした(//∇//)

物語も進み、いよいよ全国音楽コンクールが開催されるのですが・・・
彼女達を待ち受けていたのは、予想だにしないアクシデントでした^^;
彼女達に残された道はたった一つ・・・自分を音と仲間の音を信じて・・・
いま自分達にできる最高の演奏をすること・・・

果たして全国音楽コンクールの優勝はどの学校の手に・・・?
結果は本編でお楽しみ下さい♪
1クール12話の作品です。音楽を扱う作品だけあって、物語の中ではたくさんの曲に触れることができます。

wikiでチラッと見ましたが、ゲームは今後も順次発売されていくようです^^
もしかすると、またこのシリーズの作品が視聴できる機会があるかもしれません・・・
その時は販促目的一辺倒ではなく、ストーリーも重視した作品が視聴できることを期待しています^^

投稿 : 2024/11/02
♥ : 17

ローズ さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.9

のだめ劣化版乙女向け作品の限界

主人公でメインヒロインの小日向かなで(こひなた かなで)は差出人不明の「お前はここで終わるのか?」という手紙を受け取る。
横浜でコンサートが開かれ、そこで全国規模の高校生が対象になる大会があると発表される。
音楽に力を入れている星奏学園へ転校する事となり、幼馴染と共にオーケストラ部に入り全国優勝を目指す事となった。

オーケストラ単位での演奏で順位を決めるのは難しいと思います。
うる覚えの記憶ですが、金賞・銀賞・銅賞などに表彰するコンクールもあります。
本来は楽しむための音楽なのに、いい順位や金賞のために演奏するのは疲れそうです。
自分にはクラシック演奏の優劣を決めるような音感が無いので、あまり作品に対して感情移入できない事もあるのですが^^;
全国を狙っている吹奏楽部の練習が厳しいは分かるので本来ならスポ根要素もありそうですが、本作品には無いですね。

登場人物は主人公の女性を除いたらイケメンの男だらけ。
元々、乙女向けゲームが原作なので仕方が無いのですが、視聴している人が女性であれば目の保養になるのでしょう。

たしかにヴァイオリンなどクラシックによく使われる楽器が登場します。
ただし演奏している姿と音がバラバラ。
静止画の時もあります。
演奏にあわせて作画をするのは難しい事と分かっています。
予算の少ない深夜アニメにキチンとした作画を求める事は酷というもの。
分かっていても、あえてスルーしてあげましょう。
それにしても演奏中に奏者や観客が別世界へ行ってしまうのには笑ってしまいましたw

甲子園のような1対1の音楽合戦。
オーケストラを全員使わない少人数の演奏。
大会に規定があるのでしょうが、つまらない制約で縛っています。
架空の大会なので原作ゲームの思いのまま。
おかしいと指摘しても、このまま続けるのでしょうね。

調べてみると本作品よりも前にアニメ化された前作があるそうです。
ただ、乙女向けゲーム原作という事が変わらないので、自分は積極的に見る事は無いです。

演奏よりも人間関係や心理状態が重要。
一体、何の為に新しい大会を開催するのか分からなくなる作品でした。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 22

にゃっき♪ さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.8

it is better to wear out than to rust out

女性の主人公が高校の仲間とアンサンブルで音楽コンクール優勝を目指す物語。

原作が女性向けの恋愛シミュレーションゲームという事で、女性だけのチームひとつを除いて、チームメイトやライバル校の生徒などイケメンの男ばかり登場する作品で、個人的には髪の色や方言でしか判断できないばかりか、挑発的だったり軟弱で不快なキャラも少なくないので視聴を続けるのが辛かったです。

主人公は特定キャラに恋愛感情を持たないのがお約束なのでしょう。どの男性キャラに誘われても、プールやスタジオなどどこにでもついていきますし、相手の一生懸命には自分も一生懸命に応えるだけしかないのに、相手に負けられない理由があると、動揺していじいじ悩んだりします。

現実問題、確かにわざと負けたり手を抜くことは少なくないです。
会社の付きあいで、上司や取引先と一緒にゴルフに出かけたら、相手の気分を害するわけにはいきませんし、カラオケで歌の下手な人がひとりでもいれば、他の人が歌いやすくなり盛り上がります。
子供相手にわざと負けてあげないと、子供がやる気をなくしてしまうのを心配する親がいるのも普通にある事です。
こんな場合にあってはならないのは、わざと勝たせてもらっていた事が相手にバレてしまう事でしょう。一生懸命を演じて自然な形で負けるのは、勝つ事より遥かに難しいように思います。

音楽コンクールですが、課題曲があるわけでもなく、編成の違ったアンサンブルなのに、トーナメントで二校ずつ対戦して白黒をつける方式です。トーナメントは得点競技だから成立すると制作側がわかっていないのでしょうか。
演奏の出来不出来が演奏者のモノローグや観客に感想を言わせないと説明がつかないのは仕方がないにしても、採点競技を描くのに、主催者や採点者の顔が見えないのも違和感があります。炎天下で練習したり、他人の楽器に平気で手を触れようとしたり、演奏で対戦相手を絶望の淵に落とそうとする演奏家がいたりするのも含めて、制作側にはもっと演奏や楽器に対する理解ある作品を送り出す事に努めて欲しいと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 28
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