しんばくん さんの感想・評価
2.8
沈鬱な作品に甚だ興味をお持ちであれば【14.5/25.0】
物語:3.5 作画:1.7 声優:3.7 音楽:2.1 キャラ:3.5 【合計:14.5】 (46.0)
ジャンル :SF
話数 :26話
原作 :漫画・石ノ森章太郎
アニメーション製作:ジャパンヴィステック
監督 :むらた雅彦
脚本 :薩川昭夫
キャラデザイン :奥瀬サキ
音楽 :和田薫
主人公声優 :浪川大輔
OP :「Crazy 4 U」作詞・作曲・編曲 - 渡辺未来 / 歌 - 倖田來未
ED :「忘れものの森」作詞・作曲・歌 - 安藤裕子
参照元 :wikipedia「ギルガメッシュ (漫画)」
:アニメ@wiki「ギルガメッシュ」
【概略】
十数年前の10月10日、遺跡調査施設「ヘヴンズゲイト」で大爆発が起きた。後に「XX (ツインエックス)」と名づけられた史上最悪の事件の日以来、空は「シェルタリングスカイ」と呼ばれる、鏡に覆われたような空になってしまった。そこから発生する磁気異常は、地上のコンピュータをはじめとするありとあらゆる電子回路をことごとく使用不能にした。 wikipediaより一部抜粋
【特徴】
①色使い、声優、BGMによって暗く鬱々しい雰囲気を演出している
②登場キャラの隠された事実を追うストーリー
③超能力を扱う
【長所】
①兎に角暗い
②伏線がしっかり回収される
【短所】
①2003年にしては粗く、動かない作画
②BGMが古臭く、和太鼓が雰囲気に合っていない
【観終えて】
鏡に覆われた空と色温度を感じない色彩。そして、抑揚の無い喋り方のキャラで雰囲気作りは万全だが、作画が繊細ではなく粗い。BGMもピアノ、管楽器(フルート?)、トライアングル等の高音が出せる楽器は寒々しい雰囲気に合っていたが、低音が出る管楽器や和太鼓の演奏は古臭さにより、安臭く感じました。wikipediaに70年代を意識したと記述されており、古臭く感じる事はそういう事なのでしょう。和太鼓は伝奇物などには合いそうですが、本作においてはキャラデザインが濃い西洋人顔なので敵との対峙シーンやバトルでのBGMに和太鼓は不釣合いで、折角の荒涼たる雰囲気を台無しにしていると感じました。
ストーリーに関しては抑揚を付けない演出のせいかゆっくりと話が進むように感じたが、着実に進める展開で次回が気になり飽きが来ませんでした。ただ、小難しい科学用語を用いての設定説明は展開にあまり関係なく、さほど重要に感じませんでした。
上述の事からあまり楽しめてないように感じるかもしれませんが、実はそうでもなく結構楽しめました。長所に伏線が回収されると書きましたがそういった所が観ていて結構嵌りました。ニッチな作風だと思うので、こういった雰囲気のアニメが好きなら見ても損は無いかなと思います。考察要素も少々あり、そこそこ見応えがあると思います。この作品を楽しむ上ではここが一番のポイントになると思います。
【思った事、及び蛇足】
70年代のアニメを観た事がないので、その様な演出が施されていたなんて気付けませんでした。作画がカクカク動くのは70年代風に仕立てた演出だったのでしょうか。自分には良く分かりません。レトロ演出と気付けなかった最たる理由は、3DCGが使われていて03年当時っぽさもあり、単に出来の悪い作品と感じたからです。超能力の気弾が3DCGでしたし、カクカク動く作画とヌルヌル動くCGが水と油状態で闘争シーンとの相性は良くないように感じました。結果的にレトロさを出す演出とは言え、不出来に映ってしまった事を残念に思います。
総括して酷評と受け取って貰って差し支えありませんが、自分としてはストーリーに面白みを感じたので概ね満足しました。本タイトル通りひたすら物静かで暗い雰囲気と世界観が好きであれば楽しむ事が出来ると思います。