グラフィニカで学園なおすすめアニメランキング 2

あにこれの全ユーザーがおすすめアニメのグラフィニカで学園な成分を投票してランキングにしました!
ランキングはあにこれのすごいAIが自動で毎日更新!はたして2024年11月05日の時点で一番のグラフィニカで学園なおすすめアニメは何なのでしょうか?
早速見ていきましょう!

69.4 1 グラフィニカで学園なアニメランキング1位
Re:ステージ! ドリームデイズ♪(TVアニメ動画)

2019年夏アニメ
★★★★☆ 3.6 (158)
451人が棚に入れました
稀星学園 高尾校中等部。遅めの山桜が散り始める頃、一人の少女が転校してくるところからこの物語は始まる。少女の名は式宮舞菜。抜群の歌と踊りのセンスを持つその少女は、とある理由でアイドルの夢を忘れ、新しい場所で平凡な日々を過ごそうとしていた。しかし謡舞踊部という廃部寸前のアイドル部と出会い、かつての夢が目覚め始める。一度はあきらめようとした夢に、舞菜は仲間たちとともに再び歩み始める。

声優・キャラクター
牧野天音、鬼頭明里、田澤茉純、立花芽恵夢、岩橋由佳、空見ゆき
ネタバレ

wkr さんの感想・評価

★★★★★ 4.8

まっすぐ丁寧な王道はここまで面白い、少女達の再起の物語

あらすじ
{netabare}稀星学園 高尾校中等部。遅めの山桜が散り始める頃、一人の少女が転校してくるところからこの物語は始まる。少女の名は式宮舞菜。抜群の歌と踊りのセンスを持つその少女は、とある理由でアイドルの夢を忘れ、 新しい場所で平凡な日々を過ごそうとしていた。
しかし謡舞踊部という廃部寸前のアイドル部と出会い、 かつての夢が目覚め始める。一度はあきらめようとした夢に、舞菜は仲間たちとともに再び歩み始める。{/netabare}


アイドルを夢見る少女達がプリズムステージを目指す、というストーリー。分かりやすく例えると「ラブライブ!」である。設定はラブライブ!の中学生版と言ってもいい。加えてストーリーの流れや展開は王道、悪く言えばベタ。正直言って、この作品は二番煎じという印象を受ける。しかしただの二番煎じで終わっていない、そんな作品だ。

この作品は一つ一つの展開が丁寧に形作られている。序盤の1〜4話は仲間集め、部活モノでは定番の展開でもあろう。その定番をテンポよく丁寧にこなしていき、その1話1話でしっかりキャラクターを掘り下げキャラクター像を確立させている。その流れの中での細かな描写やテンポよく進む上手なストーリー構成が後の展開の土台を確実にしていく。

キャラの掘り下げで関係するのは、タイトルにもある"Re"だ。このReはこの作品の特徴である。{netabare}作中のメインキャラ達はそれぞれのきっかけで夢を諦めている。この作品はそんな彼女らの夢の再起を描いている、それゆえの"Re"である。その要素を全話通して描いているこの作品は、一本筋の通った作品といえるだろう。{/netabare}

作中の雰囲気もとてもエンタメ的で観やすいものとなっている。若干シリアスになりつつも適度なギャグや明るい台詞を挟んだりしてコミカルな雰囲気を保っており、それが終始一貫している。キャラの掘り下げの場面では流石にシリアスな雰囲気になるが、シリアス度合いは展開の盛り上げ要素という程度に収まっている。この作品はコミカルさとシリアスの塩梅が非常に上手で、シリアスという必要な毒の量が丁度良い。そのため、ノンストレスで全く苦痛にならずにストーリーを味わうことができる。

それに加えてキャラクターの魅せ方も見事だ。個人的には7話で登場する「岬珊瑚」というキャラが印象的だった。彼女は自信家で性格に難ありで、ややアホっぽい面で碧音さんが好きなキャラである。つっけんどんな態度を取っていて最初の印象はやや悪い。しかしそれ以降は非常に可愛らしいキャラに思えてくる。それは彼女の性格の不愉快な部分以上に愉快な部分(アホっぽいところ、碧音さんが好きなところ)を強調して描くことで、コミカルな雰囲気を崩さずキャラにもヘイトを集めないような描き方をしている。全体的にも作中の雰囲気を崩すようなシーンは無く、損な役目のキャラもいない。一人一人のキャラクターを大事に扱ってるような描き方がとても素敵だ。個人的には岬珊瑚と月坂紗由というキャラが言い争うシーンはかなり気に入っている(笑)
他のキャラで言うと、「柊かえ」と「市杵島瑞葉」である。彼女らは情報強者であり、作中ではさまざまなデジタル技術を駆使して活躍をしている場面がかなりある。しかしそれらの場面は言ってしまえば"ご都合主義"な展開だ。私はこの部分について、ただの"ご都合主義"ではなくキャラの個性に繋がっていると考えている。なぜなら、このキャラ達は一貫してこのようなキャラのため、2人にはご都合主義な要素が個性として根付いているからである。逆にこの2人からご都合主義な要素を抜いてしまったら、2人はキャラブレを起こしてしまう。この作品はそのご都合主義をキャラに落とし込んでいる点は評価したい。

5話からは目標となる"プリズムステージ"に本腰を入れた流れになる。ただ目標に真っ直ぐ向かっていくとてもシンプルな内容だ。上記の通り、この作品はストーリーの流れや展開は王道、悪く言えばベタ。そこで活きてくるのが丁寧なキャラ描写である。序盤でキャラ達の関係性や友情を深める様子をしっかりと描いていたからこそ、その後の流れを見事な"王道"部活モノへと昇華することができている。5話以降の中でも特に光っていたのは7話と12話、どちらともプリズムステージ回だ。

7話、{netabare}舞奈が自身のトラウマに怖気付いて逃げ出してしまう。そんな舞奈を紗由が励ますシーンは素直に感動した。いつも舞奈と共にいた紗由が言うからこそ強く響く、そんな励ましの言葉は、2人の関係性の尊さを特に表していたシーンと言える。その後に描かれる舞奈の成長、そしてライブシーンは実に素晴らしかった。{/netabare}
この作品の作画はしっかり動いているながらも若干低予算気味でスケジュールがギリギリなのが観て取れるものあった。しかしダンスシーンやライブシーンはCGではなくコストのかかるであろう"手描き"なのだ。そして8話は、OP尺を潰してまでオルタンシアというユニットのライブシーンを描いている。おまけにこの8話は2回ライブシーンがある。CGモデルを作ったうえでわざわざ手描きで完成度の高いダンスを、ライブシーンを表現してくれる、そんな拘りの姿勢が大好きだ。
個人的には作画について謝りたい。全体的に観ても普通に動いてて全然作画悪くなうえ、むしろライブシーンは嬉しいまでのこだわりっぷり。それを初見時に作画微妙の評価していた自分の目は節穴すぎました...

{netabare}"舞奈の成長"については個人的に触れておきたいところだ。7話時点では単に、舞台の上に立つのを躊躇っていた舞奈が仲間達と一緒に夢を目指したゆえのシンプルな成長として嬉しかった。そして私は"舞奈の成長"は7話以降の碧音さん側の視点が非常に素晴らしいと思う。舞奈は小さい頃から姉である碧音さんの後を追ってアイドルを夢見ており、碧音さんも舞奈と一緒にアイドルを目指したいという気持ちがあった。しかし、転校後の舞奈は碧音さんよりも転校先の方を選ぶ。その時点では碧音さんは恐らく納得仕切れていなかったのだろう。その分、決勝の舞台で変化した舞奈を見るのを楽しみにするようなシーンが見受けられる。そして12話、碧音さんが見たのは、姉の元を離れ確実に成長した舞奈の姿であった。
この碧音さんの視点は、"舞奈の成長"に"舞奈の独り立ち"というある種のカタルシスを加えていたと言える。これはあくまでも自分なりの解釈でしかないが、秀逸な描写なことは間違いない。少ない描写ながらももう一つのストーリーを作りだしていた感慨深い描写の数々が見事だった。{/netabare}

最終回の前置きとして11話、{netabare}KiRaRe一同は、自分たちが優勝できる確率は0%であることを知る。勝つためにどうすれば良いか悩むKiRaRe一同は、曲をアレンジすることを思いつく。この回で完成する曲は7話の曲のアレンジ、彼女達は自身の想いを歌詞に綴った。{/netabare}
そして最終回の12話、{netabare}無事予選を突破したKiRaReは予選決勝に臨む。目標にしてきたステージの上、敵なんてものはいない、ただ一心に、これまで積み重ねてきた全てを披露するライブシーン。
そのライブシーンはまさかのフル尺、引きのシーンは多少CGを使いながらも基本的には手描きで、11話での曲を存分に聴かせてくれる。その曲の歌詞が非常に素晴らしい。キャラの歌パートと共に描かれるそのキャラの想いのシーンは思わず泣いてしまった。そして、観てる側は彼女らにしっかり感情移入しており、その感情移入がこの回で爆発する。この作品が好きだと、はっきりと実感するこの物語の集大成となる素晴らしいライブシーンであった。

{netabare}その後、KiRaReは敗退してしまう。彼女らは部室で悔しさを噛み締めると同時に、笑顔で部を終えようとする。そこに届いた彼女らの可能性。{/netabare}{/netabare}ラストシーンは正直のところ強引さはある。例えるなら打ち切り漫画の最終回みたいなものだ。初見時はちょっと困惑したが、私としては一つの物語してまとめたことを評価したい。私は、これから彼女たちの結果がどうなるか、その予感の残る終わり方もそれはそれで全然アリだと思える。(作品が好きだからこその恣意的な意見ではありますがw)


纏めると、真っ直ぐ丁寧に積み重ねていく王道ストーリーはここまで面白く、ここまで響くことを実感した作品だった。観ていて全く疲れずストレスフリーな雰囲気でシンプルな王道ストーリーで万人におすすめでき、観終えた時には充足感さえある。また観たくなった時に気軽に見返そうと思えるような気持ちの良い作品でもあった。加えて製作陣の拘りの詰まったライブシーンは大満足だ。上では語ってないが、曲に関しても文句の付け所がないほど出来のいい曲ばかりだ。キャラソンはハズレがないし、特に最終回の曲はサビのところで毎回ウルッときてしまう(曲のリンクは話毎の感想で載せてます)。ひとつ文句があるとするならば、市杵島瑞葉だけRe要素が無く、掘り下げが薄いことだ(これがちょっと気に食わなかったので☆0.1下げました...惜しい!)。野暮なのも含めるなら1,2話分のストーリー展開が惜しいなと感じた部分があった。逆にそれら以外は特に欠点を見つけられなかった。むしろ初見では気づかなかった良い部分を知ることの方が多かった。

何度も言うがこの作品のストーリーはとても定番で王道(ベタ)だ。いわば使い古されていて作品独自の目新しいものがあまりない、それに深みというものはあまり感じないシンプルでまっすぐなストーリー。そのため、私はなんとなく"名作"という印象は抱かない。しかし定番な内容をその出来栄えで確実に面白いと思える、心を動かされるものにしっかりと昇華させていた。だからこそ私は言いたい。この作品は間違いなく"素晴らしい作品"であると。


1話
{netabare}なにかトラウマを抱える主人公が、色々なきっかけを経て部活に入る。なんの捻りもない、王道な導入。この作品の序盤はやや地味ではあるものの丁寧に着々と進んでいきます。

初っ端からBrilliant Wings流れるの最高。カッコいい!でも音ゲーの譜面は滅茶苦茶難しいです。なぜか小学生のはずの珊瑚が映像にいるという初見では気づかないツッコミどころも。
ミライKeyノート、この曲がなかったらこの物語は始まってなかったのかなあ...良い曲。地味に凄い手描きのダンス作画も見どころです。
ED曲、大好きです。サビの「憧れ Future Sign〜♪」のところで毎回胸がキュッってなります(半分ガチ)。この作品は全体的に良い曲ばかり。

紗由→アイドルが夢、舞奈と踊ってインスピレーションを感じる(舞奈も同じ)

ミライKeyノート
https://youtu.be/8fvkvXh7zFc?si=DvuzkqRq-YvCsfOT

憧れFuture Sign(ED曲)
https://youtu.be/5-lDffHLfY4?si=edbTTycfBQeP91p0
{/netabare}


2話
{netabare}柊かえ回

かえ→アイドルを遠い存在に感じていて、自分には簡単にはなれないと夢を諦めていた(無事解決)

OP曲も良い曲です。「同じ空を見上げてる 君と同じ夢目指してる」この歌詞が作品を表してます。お口は閉じてね。改札おじさんも、必要だよね。
仲間を増やすというノルマをこなしつつ、1人のキャラをしっかり掘り下げるお手本みたいなストーリー構成です。直前の舞奈の掘り下げも、かえが何故舞奈に対してトゲトゲしいのかの理由づけになってて、そういうちょっとしたシーンも後に繋がってくるのが上手です。かえの設定も色々荒唐無稽でずるいけど、それがキャラの個性になるように仕上げていてなってて、加えてちょっと面白いんですよね。でも舞奈がステージに立つまでの過程があっさりし過ぎてるかなと。

Don’t think,スマイル!!(OP曲)
https://youtu.be/18rR-fR1IWo?si=jte6HHg5MxJn1nNK
{/netabare}


3話
{netabare}香澄回

香澄→自分と想像していた世間の反応のギャップで自身を失う(夢を諦める)。
香澄の心理描写は文章より観た方が分かりやすい。観てくれ!

初見時、サバゲやってる時はナニコレ〜って感じでしたw サバゲのくだりは香澄に近づくための過程でしかありません。流し見程度でいいと思います。でも、その後の話はかなり良い内容です。
今回の、ここぱんなの声が香澄の声に似ている、というシーンが不自然に思ったなら、"舞奈は耳が良い"という設定を頭に入れといた方が良いですね。
{/netabare}


4話
{netabare}みい回

みい→アイドルが将来の夢。プリズムステージを諦めたが、アイドルになる夢は諦めきれなかった。

みい先輩本当に人間味ありますよね。分かりやすく説明すると、ラブライブのにこにーみたいなキャラです。そんなみい先輩が瑞葉の優しさにより報われる回。良い話です。
作画も全体的には少し低予算ながらも頑張るところ(主にダンス、ライブシーン)はとても頑張っています。そして地味に流れすぎなミライKeyノートw

余談ですが、この回で流れる「For you! For みい!」「キライキライCЯY」神曲です。「For you!〜」は作中ではみい先輩作曲設定ですが、この曲のコード進行だいぶテクいです。間違いなく中学生が作曲してる設定の曲ではない。聴いてください。

For you! For みい!
https://youtu.be/Yz8zpGEcqtc?si=3coMlBQfB8ztbF96

キライキライCЯY
https://youtu.be/3KWPFfZJxQI?si=6Rd-55TRwHX0zECa
{/netabare}


5話
{netabare}曲作り、グループ名決定回

曲作り回ではありますが、日常ギャグ回です。例のシーン!曲作りの過程にペアの味が出てて面白いんですよね。曲を作るための理由付けも地味ながら活きてます。私はまなさゆが好きです。舞奈の考えに共感できます。でも他も捨てがたい。
初見時、出来上がった曲全然違うやん!と思いましたが、原作では一旦冷静になって作ったらしいです。それでグループ名KiRaReて...となりましたが、今となってはそれじゃなきゃダメになってしまいました。彼女らはKiRaReなんです
{/netabare}


6話
{netabare}オルタンシア回

勝ちを気にしすぎるあまり、厳しくなってるみい先輩が、勝利以上に楽しむことにこだわるオルタンシアに感化されて"楽しさ"の重要さを知ります。
オルタンシアが可愛いです。2人の健康的な肩甲骨が堪らない...()
ライブシーンのPurple Raysもいい曲です。「そうこの瞬間を ずっとずっと待ってた」の歌詞が好きです。3人が前に立ってる理由は謎でしたがw

それと、紗由の「家でも色々あって... 」は9話の伏線。

Purple Rays
https://youtu.be/OPZlNK8FUUM?si=qUPqviV7ZWwp6GKW
{/netabare}


7話
{netabare}プリズムステージ予選、舞奈回

舞奈→姉の後を追いアイドルを夢見る。自身の踊りで誰かを傷つけてしまってことがトラウマに(本校の子に嫉妬の対象にされた)

素晴らしい友情描写。紗由が説得するからこそ響きます。そしてライブシーンは手描きです!!CG→手描きの工程で作画したらしい。この拘りが大好きなんだよなあ。
観てない人はすぐ観てほしい

キラメキFuture(ライブシーンの曲)
https://youtu.be/PpHVMIRtP-g?si=H6GiEJcAj68kZ80S
{/netabare}


8話
{netabare}プリズムステージ予選

わざわざオープニング尺を使ってまでライブシーンを描く、そのこだわり様が大好き!!!!!この回は複数のライブを見せることで、プリズムステージというものを臨場感を持たせて描いています(最終回をテンポよく進めるための材料といっても良い)。作画も曲も素晴らしい、ライブの雰囲気がよく伝わる音響(歓声)も良かったです。エンディングの宣誓センセーションもいい曲です。

ヒールキャラにもなり得る珊瑚のキャラを馬鹿っぽい、幼稚な面を強調して、ギャグとしてコミカルに描いているのが上手ですね。舞奈紗由が好きですが、紗由珊瑚も引けをとらないくらい好きです。雰囲気も一貫しててシリアスにならないのでとても観やすい作品です。

Yes, We Are!!! (オルタンシアのライブシーンの曲)
https://youtu.be/29QVMXA0C-8?si=yyZ6KpHwtEHw6bTz

Like the sun,Like the moon (ステラマリスの以下略)
https://youtu.be/rtjnd6vIC5s?si=SevC3ub2rUwW8n6y

宣誓センセーション
https://youtu.be/79URNHHMvQM?si=2aMEnPmkKyEsu11N
{/netabare}


9話
{netabare}紗由回

この回こんな良かったっけ...
親とのゴタゴタが解決する回。細かな伏線があったので唐突さは薄いのが良いですね。舞奈が紗由の親にお願いするシーン、一緒に踊りたいという気持ちがよく伝わるシーンが好きです。百合回でもあります。距離は近いけど、露骨さや生っぽさはあまり感じない、観やすい百合です。百合の流れもとても自然で、百合に向かう、というよりかは友情の延長で、として描いているところが良いと思います。ベッドシーン(←なんか意味深w)はちょっと露骨ですけどね。でも親目線のシーンが欲しかったかな

ライブシーン、多く曲が流れました。その中でもメインの「ステレオライフ」がやっぱり良い曲です。歌詞が良すぎる。 その前のシーンでの舞奈が紗由を支えるシーンは、舞奈の成長と友情を如実に描かれる好きなシーン。紗由さんの深い愛が語られる台詞も好きです

今回流れた曲一覧(ミライKeyノートは除く)

For you! For みい!
https://youtu.be/Yz8zpGEcqtc?si=3coMlBQfB8ztbF96

キライキライCЯY
https://youtu.be/3KWPFfZJxQI?si=6Rd-55TRwHX0zECa

ク・ルリラビー
https://youtu.be/rMMLnzaXqO4?si=kNC7wfOZA9p3nEoh

ステレオライフ
https://youtu.be/bdfcmdsufdk?si=nux_Ehg9SIND96nC
{/netabare}


10話
{netabare}偵察回

碧音さんの心理描写が"舞奈の成長"に違う側面を生んでて良いんですよね。この時点では碧音さんはまだ煮え切らない感じですが、最終回で舞奈がはっきりと成長した姿を示し、無事納得します。
テトラルキアとトロワアンジュも登場します。少しだけでしたがキャラは立っています。このアニメの本筋には殆ど関わりませんがねw
ついでに、この回の次回予告好きですw
部長とかえ頼りのご都合展開多いですが、それがキャラの個性にも繋がってるのでそれが悪いとは言いきれないかな。
今回も曲多いです。下記の中では、好きなのはエンゼルランプかな。トロワアンジュの歌唱力と高尚なサウンドがマッチしてて綺麗過ぎます

エンゼルランプ(トロワアンジュ登場時の挿入歌)
https://youtu.be/0-ZLnxqSMss?si=q4yRD5AxiZlOaoTT

カナリア(テトラルキア以下略)
https://youtu.be/02mqKjmfZxA?si=qKUGoEZmsxqOEYBi
{/netabare}


11話
{netabare}曲アレンジ回

出来れば曲の完成系は12話まで溜めて欲しかったというのが本音。でも歌詞は見てる側に伝えなきゃだし、仕方ないのかな。ライブシーンもCGっぽい?CGではなさそうだけども。作画的には溜め回ですね。
オルタンシアは芯のあるキャラだからこそ、少ししかない出番でも"楽しさの重要性"という作品の核を伝えられていたのかなと思いました。
どっかで聞きましたが、12話の曲は実は先に作られて、7話の方が後から作られたそうです。確かに12話を綺麗にショボくしたら7話になるなとw
ライブシーンの曲はシンプルなサウンド感が良いですね。ストリングスが気持ちいい

flowerS〜となりで咲く花のように〜(オルタンシアのライブシーン曲)
https://youtu.be/1cPs8Octmps?si=FwZXQpEj0XXLoAz7

Secret Dream (ステラマリス以下略)
https://youtu.be/SlUEYp9ZpZ4?si=ldkm2GWnQ5h2dZ1
{/netabare}


12話
{netabare}プリズムステージ

大好き
この回で積み重ねてきたものが全部出し切られています。この回で一気に大好きになりました。ステラマリスアンコールの場面で胸が苦しくなったのは、それだけ感情移入してるんだなあと実感します。そして6人それぞれの想いを表す、フル尺のライブシーンはこだわりが詰まりに詰まってます。曲は前回のやつですが、そのキャラの歌パートと同時にキャラの想いが吐露されるシーンが映し出されるので、結構歌詞が響きます。初見時より泣くとは思ってませんでした。ラストの曲、「今日までありがとう そしてこれからもよろしくね」が印象的すぎます


最高の作品でした。多分死ぬまでこの作品を愛します。


OvertuRe:(ライブシーンの曲)
https://youtu.be/e0P92Ch-ONo?si=VzV1g7d0Wga-WdpM

367Days (ラストの曲)
https://youtu.be/maajMCmEmyM?si=K6UcwtAaXerXs0Pw
{/netabare}

私はあまり周回しない派の人間ですが、ソシャゲのストーリーを進めたり、曲を聴いたりしている内に観直したくなったので2周目を観ました。最高です。なんと言っても一つの作品として出来がいい。結局はこれに尽きますが、製作陣の作品愛が滲み出ているこだわりの部分、作品愛を感じることのできる作品は中々ない(むしろ逆パターンの方が多い)ので、この作品が大好きなのはそういう部分が大きいです。
このアニメはソシャゲの方のストーリーの前日譚になっています。序盤は多少の違いはあれどその部分は内容にあまり関係してこないので、続きが気になったならソシャゲの方もおすすめです。本当にもっと早くこの作品に出会いたかった

投稿 : 2024/11/02
♥ : 4
ネタバレ

アニメ好き さんの感想・評価

★★★★★ 4.2

【完結】最終話泣いた! 4話まで見て今期のダークホース枠決定!どんどん面白くなる

低予算もののはずが、ダンスをCGではなく手書きで1話2話と書いていたので普通に感心した。
この時点でベタなストーリーとベタなキャラだが
8月のシンデレラナインと違って1話に複数人入部していないのでキャラに思い入れが出来そう
ラブライブも見たことない私ですが、このアニメは少し継続して見てみたい

3話ネタバレあり↓
{netabare} 3話で謎の近未来ガジェットが出てきた、現代かと思いきや20年くらい技術が進んでる?
簡単に説得に落ちてしまうご都合展開なのはいただけないが、3話はとても良かった
初音ミクの声を務めた人も、アイドルを目指していたら今回仲間になったキャラと同じことを感じたかもしれない。面白いとこに目をつけたなと関心
そして主人公は聴覚に特殊能力があることがわかった。鬼滅の刃にも同じ能力がいるけど、アイドルものでそれを取り入れるとは。毎話驚きがあって今のところやっぱり好きですわ
{/netabare}

3話で気づいたのだが以外と背景が綺麗だ。アイドルものなのに背景に力入ってて草でした 
そう思って見るとエンディングも配色が綺麗だしなんかこだわってるのかな?
やはり地味に名作な気がする

4話も見ました!ありきたりなキャラと展開ではあるが楽しく見れるのはなぜ?
{netabare} ダンスの特訓の描写が多くて努力が見られて良かった。以外とダンサーはひとつのジャンルばかり踊ってると、他のジャンルがからっきし踊れないのは良くあること。 鬼畜和菓子の鬼畜部分が出てやっぱりキャラ的にはベタベタなんだよなぁ
公園でのギコギコ乗り物に乗ってる細かい描写も好きだし、主人公が特殊な聴力を持ってるのをまた使ってきたのも良い。
後半仲間探し以外にもその特殊能力を使ってストーリーに組み込んできたら完璧です(期待){/netabare}

4話を見て気づいたことは電車の中のシーンで、背景がやたら綺麗だったこと!外の背景が家一つ一つちゃんと書かれていたり電柱がシュンと通ったりちゃんと作ってるのが地味に凄い。
車内の広告や秋葉原の風景など手抜きが感じられず、逆に力を入れてきているので好感が持てる
あとシーンごとの音楽も合っていて良いのだ!

ラブライブは1か2話だけ見て全くはまらなかったのだが初めてアイドルもので全話見れそうな作品に会えた。感謝です
最初72点くらいをつけてたけど今は77点くらい付けたい
なんかマイナーなアニメを発掘できた感じがして嬉しい

5話は特に良かった!
{netabare} あれだけ注目してた背景で手を抜き出したのは残念だけど、話しが面白かった
グルーヴな曲を作る二人組が特にお気に入り
他にも昆布茶で酔っぱらったり、ポエム厨だったり色々なパターン思い付くもんだなと感心した
そしてまた主人公の特殊スキル発動で、隠れた才能をほのめかしていく {/netabare}
ありきたりなストーリーだけどなんと纏まっていることか 。
動きはまだ作画崩壊とまではいってない。手を抜くとこは抜いてキープしてる感じする
毎週楽しみになってきた!

ここでふと1話見返してみたら最初見たときより面白かった!背景もダンスの動きも良いし、他の仲間も出てきてるし、大分演出や構成が考えられてたんだなと感心した

七話まで見ました!
最終話どうする気なんだろ {netabare} まだ予選なのに踊りがぬるぬるでスタッフの全力を捧げられていました!もう最終回の躍りやん!
多分8話は箸休め回になることでしょう
全員の踊りのタイミングが違ったり、目配せをしたりとてつもない労力を感じて、感動してしまいました。
主人公のお姉さんと話しているときの青髪の子の心理描写に合わせた目線の動きなども細かいです{/netabare}

そして今さらですがエンディングの歌詞が凄く良い!
はじめはどうだった?迷子の'大好き'さん
という歌詞がまさに作品全体を象徴してて作詞のセンスに脱帽です。ここすきです

最初はただの低予算アニメかと思いましたが、多分スタッフや監督が凄く有能な人達で、愛情をかけて作品を作っているんだと思います。でなければこんな良い歌が出来たり踊りをぬるぬるで書いたり出来ない!背景も目線も毎話どう構成していくかなどにもこだわりを感じます。愛です!

元は実際3次元にKiRaReというアイドルがいる?スマホゲーム?何が元になったアニメなんでしょうか?
Reステージプロジェクトというのの一環でこのアニメが出来たようなのですが、以外と予算が潤沢にあるのでしょうか?アニメの出来が良いのでその辺の成り立ちのことも気になってきました

今点数をつけるなら79点です!
尻上がり系のアニメです

8話は箸休め回かと思いきや、7話より手間かけとるやないかい! {netabare}
ヌルヌルダンスがなんと一話に2曲も流れました
ステラマリスはラスボスなだけあって、踊りが3人ズレていなくてぴったりシンクロしているというところにこだわって書いてました
{/netabare}
そしてストーリーも相変わらず面白いという。スタッフは寝る時間あるんですかねこれは。なんで毎週ヌルヌルダンス回を入れれるのか謎です。ニコニコでもコメントでみんながちょっと引いてました
これはもう見たほうが良いアニメとして80点つけようと思います!すこです

9話でついに作画の箸休めが来ました!動きを節約していました。ありきたりなよく見る話の展開なのに感動してしまうのはなぜなのだろう。
一人ひとりのセリフに相手への思いやりがあるのでそこが心地よさにつながっているのかも?
{netabare} 自室で自分の決めポーズを鏡で考える主人公や、メガネをかけると、みぃを封印する委員長のキャラなど {/netabare}
ちょくちょく挟まれるシーンでニヤリときたりそういう細かな部分にも配慮されてる。やっぱこの作品いいわー。体感12分くらいで終わってしまった

珍しく10話は中身のない謎回でした
キャラソンを売るための別グループ宣伝回?
作画班の休憩回?
でもつまらないわけじゃなくギャグ回としてほどほどに楽しかったです、ここで一旦休んで最終回に衝撃を与えてくれると信じてます!

11話は最後の演出に感動!しかし
{netabare} 踊りがダサかったのと、手書きではなくどうもCGで踊らせてる感じがあったのが残念。
今までもCGだったのか?CGのような手書きのような謎技術!でも今回はなんかいつもの踊りのシーンより心が入っていなかった気がする。{/netabare}気のせいかな? 次回最終回悲しいなぁ 今季1番終わってほしくないアニメでした

最終回!すごく良かった!
{netabare} キラリのライブ前に観客が帰ってしまうのはリアルでとても心が痛んだ。それをまさかライバルの左の子が喝を入れるとは
あそこで完全にやられました。脚本家さん凄い!
そして踊りは遠めがCG、近づくと手書きといった感じなのだと思いますが、手書きの自然な動きがマジで凄い!一切手を抜いていないプロの本気とここまで作る執念を感じました。
セリフ一つ一つが、キャラクターの性格に合わせた言葉を喋るので、見ていると必ず お!? と思わせてくる細かいシーンが毎話あります。
今回は本番前にご飯をもぐもぐ食べる主人公の胆力と口の動きとか みぃ先輩が要所要所でみぃ抜きで喋っていたりとか、青の子がピンクの子をサバゲーの試合で出会ったときの気持ちで励ますとか
細かいところの積み重ねでキャラの立体感が出るというか、感情移入してしまう
{/netabare}
いつも心を動かされるそんな素晴らしいアニメでした!二期が無さそうなラストでしたが正直今季覇権と言われる安定のダンベルよりも驚きの連続だったこちらを他人に推したい。
自分の中で初めて最後まで見れたアイドルものアニメです 素晴らしい作品をありがとうございました!

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8

目指せ! プリズムステージ…!

この作品の原作は未読です。
何の事前情報も無くいきなり視聴を始めましたが、期待以上に面白かった作品だったと思います。


稀星学園 高尾校中等部。
遅めの山桜が散り始める頃、
一人の少女が転校してくるところからこの物語は始まる。
少女の名前は「式宮舞菜」。
抜群の歌と踊りのセンスを持つその少女は、とある理由でアイドルの夢を忘れ、
新しい場所で平凡な日々を過ごそうとしていた。

しかし、謡舞踊部という廃部寸前のアイドル部と出会い、
かつての夢が目覚め始める。

一度はあきらめようとした夢に、舞菜は仲間とともに再び歩み始める。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

何故この作品のタイトルに「Re:」が付いているのか…
完走して振り返ってみると、この謎解きが前半戦の見どころだったと思います。

きっかけは人それぞれ…
ですが、人前でパフォーマンスを披露するにはそれなりの資質が必要だと思います。
その資質をどの様に開花させるかはその人次第…
ですが、いくら目標をしっかり持って前を向いて進んだとしても、必ずしも誰もが目標に到達できる訳ではありません。

そもそもの目標が高すぎたり、何らかのきっかけで挫折したり、誰もができることができなかったり…
寧ろ、目標に到達できない場合の方が圧倒的に多いのかもしれません。

高尾校中等部の謡舞踊部に集った6人のメンバーは、失敗や挫折など心に傷を負った者たちばかり…
そんなマイナスからのスタートなのですが、みんなは中学生アイドル部活の全国大会である「プリズムステージ」での優勝が目標という、とんでもない高みを目指して頑張ろうとするんです。

全国大会で優勝する…これがどれだけ困難を極める目標なのか、分からないみんなでは無いと思います。
全国大会に出場する前に地区大会で優勝しなければそもそも出場できないのですから…
そんな6人が目標目指してまっしぐらに突き進む物語が後半戦の見どころです。

そしてプリズムステージへの出場を目指して日々研鑽を積んでいるのは、彼女たちだけじゃありません。
KiRaRe:私立稀星学園高尾校中等部の謡舞踊部員で構成された6人組のユニット。
    出演している声優さんは、残念ながら鬼頭明里さんしか知りませんでした。
    鬼頭明里さん…最近破竹の勢いですね♪

ortensia:鈴村女子中学の2人組アイドルグループ。
     上手だなぁ、と思っていたら、演じているのが亜李ちゃんとゆみりんなんですよね。
     そりゃ上手い訳です…

Stellamaris:私立稀星学園本校中等部芸能科の有名アイドルグループで、前回のプリズムステージ優勝者。
      起用されている声優さんも高橋未奈美さん、諏訪さんに田中あいみさんと旬な声優さんで構成されています。

出場するチームに求められているのは最高のパフォーマンス…
観客の期待にそれぞれのチームがどの様に応えるのか、そして「プリズムステージ」出場を懸けた勝負の行方は如何に!?
そしてこの一連の取り組みでそれぞれが何を手にするのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、「Don’t think, スマイル!!」
エンディングテーマは、「憧れFuture Sign」
どちらもKiRaReが歌っています。

1クール全12話の物語でした。
背伸びをしないアイドル系作品だったので、とても見やすい印象を受けました。
それに何気に熱かったですし…
肩の力を抜いて視聴できる作品だったと思います。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 11

72.5 2 グラフィニカで学園なアニメランキング2位
HELLO WORLD(アニメ映画)

2019年9月20日
★★★★☆ 3.7 (225)
1023人が棚に入れました
京都に暮らす内気な男子高校生・直実(北村匠海)の前に、10年後の未来から来た自分を名乗る青年・ナオミ(松坂桃李)が突然現れる。ナオミによれば、同級生の瑠璃(浜辺美波)は直実と結ばれるが、その後事故によって命を落としてしまうと言う。「頼む、力を貸してくれ。」彼女を救う為、大人になった自分自身を「先生」と呼ぶ、奇妙なバディが誕生する。「頼む、力を貸してくれ。」彼女を救う為、大人になった自分自身を「先生」と呼ぶ、奇妙なバディが誕生する。

声優・キャラクター
北村匠海、松坂桃李、浜辺美波、福原遥、寿美菜子、釘宮理恵、子安武人
ネタバレ

ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

この世界はラスト1秒でひっくり返る

まぁこういうキャッチコピーがついた作品には
いつも痛い目に遭ってばかりなので
相当身構えた状態で観に行きました

そもそも原作・脚本が野崎まど
という時点で大どんでん返しがあるのはわかりきってるわけで
ただそれが「正解するカド」の時のように
悪い方向にひっくり返る可能性も少なくない
というのが事前の予想

野崎まどはデビュー作【映】の頃から注目していたアーティストではありますが
もともとホームランか三振かみたいな作家さんです
それがアニメという一人では作れないプラットホームにやってきて
他のスタッフの仕事を生かすも殺すも彼次第になり
いわば満塁ホームランかトリプルプレーかみたいな
よりリスキーな状態になったという認識
そして第一打席であった「正解するカド」は
味方の援護も微妙なところだったので
ランナー無しからの空振り三振といったところ

続く第二打席がこの作品
キャラクターデザインに堀口由紀子
監督はSAOの伊藤智彦
人気の高いクリエーターと組んで失敗に終われば
これはもう野崎まどが戦犯だと言われても
擁護のしようがないでしょう

そこにきてこのキャッチコピーです
ラストのどんでん返しが売り
というよりも他に見どころがない
そんな印象を受けるキャッチコピーです
これは四分六で併殺コースかなぁと
なかばあきらめモードで観に行きました

結論から言うと
ラストの部分を除いても
骨太のSF作品としてきっちり成立していた上
ラスト1秒・・・は言い過ぎにしても
ラスト1シーンで世界は見事にひっくり返りました

この鮮やかなラストは
野崎まどの本領発揮
最後の最後で見事な逆転劇
まさに逆転サヨナラ満塁ホームランといったところ

ただし、SF作品としてのストーリーの秀逸さは文句なしですが
それを一本の映画作品に収める際の尺のバランスに関しては
冗長な部分と駆け足の部分両方が存在したので
そのあたりを加味してストーリーは4.5としました

ストーリー以外の部分として
タレントキャストの男性陣は悪くなかったと思います
メインヒロインがだいぶ棒気味ですが
彼女自身の設定が若干コミュ障気味なので
あれはあれで悪くない気がしました
演技力の低いタレントキャストでも
使いようによってはどうにでもなるということですね

もっとも一流のプロ声優にかかれば
ほとんど言葉をしゃべれないようなキャラでさえ
非常に魅力的に演じられるということを
ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝で
悠木碧が見事に証明してくれたのに比べると
あくまでタレントキャストのダメージを軽減することに成功しただけで
決してプラス評価できるような演技ではありませんね

映像面は堀口キャラの愛くるしさはとてもよく表現できていたと思います
ときどき挟まれるコミカルなデフォルメ顔も嫌いじゃないです
アクションシーンの迫力もまぁ及第点かなというくらいではあったのですが
中盤以降警戒色の昆虫みたいな色合いのキャラというかエフェクトが増えて
非常に目が疲れるアニメーションだったのは
ちょっとマイナスポイントでした

音楽は全体的に悪くないですが
作品の雰囲気に合ってるか?
というのが若干微妙な気がしなくもないです

作品全体としては全てが完璧とは言い難いですが
緻密なSF考証とあっと驚く展開が売りの野崎まど作品が
アニメ作品として十分に魅力的なものにできることが証明された
ということが非常にうれしいですね
今後もきっと素晴らしいSFアニメとトンデモ落ちの怪作を作ってくれるだろうと期待しています

ちなみにスピンオフのANOTHERWORLD
というWebアニメ(全3話)が
HPで有料公開されており
ひかりTVかdTVに加入で観れるようです
dTVじゃなくてdアニメにしてくれよ!
といいたいところですが
逆にdTVの無料お試しに温存の価値はあまり感じないのであれば
無料お試し期間を使って観るのもありかもしれません
ただし視聴可能期間が結構短いので注意してください

おまけ(SF考証)ネタバレあり
{netabare}
今回の作品のもとになったネタは一昔前に少し流行った哲学論争
野崎まどは頻繁にこの手のものをネタに作品を書いています

「猿がタイプライターの鍵盤をランダムに叩きつづければ
いつかはウィリアム・シェイクスピアの作品を打ち出す」
という無限の猿理論をモチーフに
AIによる小説作成に切り込んでいった
「小説家の作り方」
なんかは元ネタがわかりやすいですねw

さて本作の主人公である堅書直実は
量子コンピュータによって過去の京都を再現した
シミュレーターの中のデータです
そしてその外から来た「先生」によって
自分が仮想世界の中のデータであることを知らされ
クラスメイトの一行瑠璃を救うために共闘します
そしてその「先生」のいた世界もまたシミュレーターで
シミュレーターを使って一行さんを助けようしていた「先生」は
シミュレーターを使って一行さんに助けられる側だった
というオチで終わりました

このシミュレーテッド・リアリティの中のシミュレーテッドリアリティ
という発想はシミュレーション仮説を意識してると考えて間違いないでしょう
シミュレーション仮説は哲学者ニック・ボストロムの提唱した一種の思考実験です

今から何百年後何千年後あるいは何億何兆年後
科学技術が発達していけばいつかは本物と見分けのつかないような
「世界」そのもののシミュレーターを作ることができるようになるのではないか?

そのシミュレーターの中では
人々が自分の世界は現実だと疑わずに生活している
そしてその仮想世界の住人達もいつかは
「世界シミュレーター」を作り出す
シミュレーターの中のシミュレーターもまた世界シミュレーターを作り出し・・・
という具合に無数の「世界」が生み出されていくことになるのではないか?

ここから導き出される結論は次のどちらかです

A人類は世界シミュレーターを生み出せるだけの科学力を手に入れる前に滅亡する

B人類は世界シミュレーターを作り出し、その中に無数の仮想「世界」が作り出される
無数にある仮想「世界」の中にオリジナルの世界はたった一つ
我々の生きている世界がオリジナルである可能性は限りなく低く
我々はほぼ確実にシミュレーターのデータに過ぎない

これは物語の中の話ではありません
今これを読んでいるあなた自身が
シミュレーターのデータである可能性を示唆しているのです

Bが正しい場合
私たちの世界がシミュレーターであるはずがないと信じるのは
きわめて分の悪い賭けであり
自分たちがオリジナルである根拠はまったくありません

Aが正しい場合
実はこれですら自分たちがシミュレーションデータでないことが確約されるかというと
そうとも言い切れない部分があります

例えばこの宇宙が宇宙の外にいる人知を超越した何かが作り出したシミュレーターであるという可能性
そしてその発想を膨らませて作られた作品が「正解するカド」だった
と考えるといろいろ納得がいくのではないでしょうか?

あるいはちょうどこの話が流行った頃に作られた映画「マトリックス」では
コンピューターの反乱によって人類は眠らされ
仮想世界の中で偽りの人生を送っていた主人公ネオが
外の世界からのメッセージを受信し
自分が仮想世界の中にいることに気が付き目覚めるところから始まります

人類以外の存在が仮想世界を作り出し
その中に人類が生きているという構造は
仮想世界の中の人類が世界シミュレーターを作れなくとも
そこが仮想世界である可能性は否定できないという反証になります

さて実際のところ我々のいる世界はシミュレーターなのでしょうか?
シミュレーターという概念自体はとても現代的ですが
似たようなことを考えた哲学者は古代にもいました

今からおよそ2000年前荘子は次のように残しています

以前のこと、わたし荘周は夢の中で胡蝶となった。
喜々として胡蝶になりきっていた。
自分でも楽しくて心ゆくばかりにひらひらと舞っていた。
荘周であることは全く念頭になかった。
はっと目が覚めると、これはしたり、荘周ではないか。
ところで、荘周である私が夢の中で胡蝶となったのか、
自分は実は胡蝶であって、いま夢を見て荘周となっているのか、
いずれが本当か私にはわからない。
荘周と胡蝶とには確かに、形の上では区別があるはずだ。
しかし主体としての自分には変わりは無く、これが物の変化というものである。

シミュレーション仮説は
自分は現実の人間だ!シミュレーターのデータであるはずがない!
という先入観から来る根拠のない思い込みを打ち砕くものですが
この考え方が議論を呼んだ背景には
自分がただのデータに過ぎないという可能性に
本能的に抵抗感を抱く人が多かったことがあげられます

シミュレーション仮説に強く抵抗する人は
もしも自分がただのシミュレーションデータに過ぎないならば
そんな偽りの人生に価値はないと考えるようです

しかし、映画マトリックスでネオと一緒に仮想世界から目覚めた男は
人類がすでに滅亡しかけているという事実を知らされ
「こんなことなら起こさないでくれればよかった」
と嘆きます

「先生」に直実は自分がシミュレーターのデータであると知らされますが
それをほとんど驚くこともなく受け入れています
これは彼がSF好きであるということから
「先生」に出会う前に既にシミュレーション仮説に触れたことがあり
自分自身がデータである可能性を自分なりに消化していたのでしょう

荘子もまた自分が本当は蝶であり
今ちょうど人になる夢を見ているのかもしれない
という可能性を否定しませんでした
あるがままを無為自然に受け入れるというのは
荘子の思想の中心となる考え方です

もしかしたら我々の住む世界は本当にシミュレーターのデータなのかもしれません
しかし、直実やネオのように外の世界の干渉を受ける可能性はほぼ0で
ここが現実世界なのかシミュレーターの中なのか
一生わからないまま生を終えることになるでしょう

たとえこの世界がシミュレーションだったとしても
その世界から出ないで生きていく限り
現実であろうとシミュレーションであろうと
何一つ変わりはないわけです
荘子の言葉を借りれば
主体としての自分に変わりはないのです

となれば本当に大切なのはこの世界がシミュレーターなのかどうかではなく
そこで幸せに生きているかどうかではないでしょうか?
{/netabare}

投稿 : 2024/11/02
♥ : 15

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.1

仮想世界に魂の洗練を託す……挑戦的な3DCG映画

【物語 4.0点】
青春ボーイミーツガール、時間差を盛り込んだSF設定、ヤマ場でMV風演出……。

同時期、乱立したアニメ映画企画群の中でも、
本作はSFとして情報量多し。

現実に匹敵する仮想世界を観察するこの世界もまた仮想世界で……。
という入れ子構造を生かしたシナリオはSFとして刺激的。

俳優や音楽目当ての一般層よりも、
歯ごたえのあるSF設定も楽しみたいマニア向け。


『SAO-オーディナルスケール-』までの監督・伊藤 智彦氏が
引き続きVRMMO物をやりたいと始めた企画なので
『SAO』をテーマを咀嚼して体験したような方なら付いていける。

他にもSF関連や、
プログラム入門者が最初に紹介される例題から借りたというタイトル名、
PCゲーム『平安京エイリアン』みたいな惨状(笑)とか、ネタ多し。


これを既視感と断じるのは簡単だが、
私の場合、既視のSF設定等を当てにしないと理解仕切れなかったのも事実(苦笑)

なのでここはオマージュとして好評します。


脚本は野崎 まど氏。“脚本テロ”による奈落突き落とし等を警戒される方もいると思いますがw
むしろ昨年、私が劇場鑑賞したアニメ映画の中でも、本作の余韻の良さは屈指でした。


一方で解釈しきれない謎も残される。

本作にはBD特別盤同梱or一部配信サイト限定で、
大人・ナオミ視点で綴られた短編アナザーストーリー『ANOTHER WORLD』もありますが、
それで補完し切れない点もあり、鑑賞者の想像に委ねられる。


【作画 4.5点】
果敢なセル画寄りの3DCG作画。

群衆やアクションに長があるCGの力をしっかり濫用する一方、
意外に日常ラブコメシーンも多い本作。

CGが不得手な萌えやコミカルも提供しようと、
制作に「フェイシャル・スーパーバイザー」なる顔面チェック担当のポジションを設置。
さらに勝負所ではキャラクターデザインの堀口 悠紀子氏自らが原画を担当するなど、
人物の表情に不自然さが生じないよう尽力。
成果は赤面するヒロイン等に確実に現われている。

ただ、それでも私はラブコメは手描きの方が好きですがw
けれど本作の挑戦は評価したいです。


日本有数の計画都市である京都。
碁盤状の古都に近未来の仮想世界が重なり、現実をひっくり返す描写はダイナミック。

私のツボ:見下し視点で描かれた、
区画ごとマス目を動かしてピンチ脱出を図る想像力爆発シーン。


【キャラ 4.0点】
ヒロインの一行さん。感情希薄な図書委員。ツンデレ成分配合。
彼女に萌えるかどうかが特に前半日常パートを楽しめるか退屈するかの分かれ目。

萌えキャラとしては標準的な属性の一行さんだが、
文化系でも意外と強気で頑固な性格がツンとして消費されるだけに終わらず、
濃厚なSFシナリオの中でしっかりと回収されるのが評価ポイント。

私の中で、一行さんは萌えキャラでもあり、ある種の燃えキャラでもあるのです。
さあ、「やってやりましょう」


多分に生き方を問われるシナリオ構成の中で、
主人公少年・直実と外部世界から来た大人・ナオミが、
世界との関わり方を通じたキャラ立ちにより、
テーマを深化させているのも〇。


【声優 3.5点】
直実 CV.北村 匠海さん。ナオミ CV.松坂 桃李さん。ヒロイン CV.浜辺 美波さん。

実力も人気もあり、かつアニメへの理解もある若手俳優陣でメインを固める。


ただ、この役者さんたちの演技力を引き出したかと言うと、
私はもっとやってやれた感じもします。

映像にしても状況理解に想像力が求められる本作にて、
アフレコ(映像に合わせて収録)ではなくプレスコ(声を収録してから映像)で、
台本だけで、SF設定が絡む場面を思い浮かべながら声を提供する
というのは俳優陣にとってはかなりハードルが高かったのかもしれません。


大人・ナオミ役も声は合っていましたが、
一方で、上記の『ANOTHER WORLD』では声優・松岡 禎丞さんが大学時代を演じていて、
正直、本編も松岡さんで良かったじゃんと言う気持ちが抑えられませんw


脇を固めた声優陣はプレスコでも盤石。



【音楽 4.0点】
気鋭。

OKAMOTO`Sらが若手アーティストらを束ねたチーム「2027Sound」が、
多彩な劇伴&楽曲を提供。
Official髭男dism「イエスタデイ」、OKAMOTO`S「新世界」といった主題歌は、
キャッチーなメロディがBGMとしても再三アレンジされ、堅いSFの大衆化を試みる。

……の割には興収……伸びなかったな……(遠い目)


【感想】
仮想現実がリアルに追い付き追い越した時、何が起こるのか?

『SAO』や他のSF関連でも再三問われて来たテーマに改めて挑んだ本作。
これらの作品群に通底するのは、
魂の虚実が問題なのではない。リアルでもバーチャルでも邪悪な意志はある。
バーチャルを見下し悪用しようとする人間もいる。
そんな中でも、善き魂が残り、新しい世界の道しるべになって欲しい。
こうした近未来に向けた願いなのだと思います。

この春にラストシーズンを迎える
『SAO』のテーマを受け止めるためのお供にもオススメしたい、
良作SF映画です♪

※初回投稿4/10

【追記】
……と思っていたら、『SAO』も新型コロナの影響で放送延期に……。
厳しい春ですね……。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 34
ネタバレ

きつねりす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6

SF・考察好きにはおススメの一本。

かなり前から自分の中で期待度の高い作品だったので無事に劇場で見られたことで満足、しかしそれ以上に話を理解するのに時間がかかった・・・というのが率直な感想です。結構頭を使う作品だと思います。
こういった作品は原作を読めば結構すんなりと理解できることが多いのですが、敢えてそれを映画という媒体だけで考えてみるのも面白い。そして答え合わせとして原作を読んで・・・という風にメディアミックスの沼に落ちるのもまた一興かと。

以下ネタバレ。

{netabare}

端的に言うと「大切な人のために過去を改変する話」なんですが、この話の時間軸が色々とズレているせいでなかなか理解が難しくなっているように感じました。

事故が原因で脳死状態になった恋人を目覚めさせるために、その事件が起きないよう過去へ戻って過去の自分と共にやり直す主人公、過去の自分が事故を防いだのを見届けるや未来の世界へと恋人の存在を連れ帰り、現実世界で脳死状態から目を覚ます恋人。

しかしその現実と思っている「恋人が目覚めた世界」も本当の現実ではなく「記録された世界」だった・・・という二重構造が話をややこしくしていると思います。

「結局のところ脳死しているのは主人公であり、その眠りから目覚めさせたのは本来主人公が救おうとしていた恋人である」というラストを迎えるのが本当に作品の残り1分くらいなので、エンドロールを見ながらポカーンと見ているばかりになってしまいましたが、後々つじつまを考えると先に挙げたような頭の整理ができるようになりました。

このからくりに気付く一番のヒントは「改変した過去を正史へと修復させる」狐面の存在があることではないかと思います。現実には干渉してこないはずの狐面が一行さんを無いものにしようとすることで主人公が「これもまた過去である」ということに気付く、それを見て見ている側もここが現実世界ではないと気付くという仕掛け、見事だと思います。言葉にするとややこしいですけど。
後は最後のシーンで他の星(おそらく月?)から地球を望むようなカットが入ること。ここで「地球での生活は終わり、他の星での生活が主となった」、つまりストーリーの大半で現実のように扱われている「地球生活を営む2037年」よりも「主人公が目覚めた世界」が未来の話であるということが
推測できました。

身体という「器」に「宿るべき精神」が到達したときに目覚めるという現象に持っていくため、主人公を過去へ行くように差し向け、記憶の世界で成長させ、「新しい世界への到達」=「健全な精神の完成」に至ったことで精神と器が合わさり目覚める。
・・・この三重になった世界がなかなか理解できなかったですが、分かると気持ちいい!
というわけでかなり見終わった後の満足感はあります!

ストーリー理解でかなりカロリーを割いたので他のアプローチについては端的に。

作画:3Dをメインとしていましたが、印象的なシーンは手書きの細かさが見られて完成度も高かったです。特にラストは手書きで描かれていて、CGメインの虚構と手書きの現実という文字通りの描き分けがされていて後から「ストーリーとリンクしていて凄い!」と感心しました。

声優:浜辺美波さん、声だけの出演だと少し物足りなく感じました。やはり見た目も含めた演技あっての人だな、と。でも目が覚めた時の演技は抜群に良かった!

音楽:凄く音楽を売りにしていたわりに後ろ目な印象。髭男の挿入歌も随分と切り取られていたし・・・サントラとしては完成度高いけど、「もっと聞きたい!」ってなるかというとそうでもないような気がします。

キャラ:ほぼ3人で回している、そんな中やはり目立つ描かれ方をしている勘解由小路さんの存在は大きい!でもそこはスピンオフで描かれるだけで映画本編では描かれないので・・・残念。小説はとりあえずチェックしようと思います。

{/netabare}

もう少し人気出ても良かったな~と思いますが、説明したりするのが難しいので若干広がりにくいかな、とも思いました。その複雑さも含めて、考察好きには是非見てほしい一本だと思いました。

投稿 : 2024/11/02
♥ : 7
ページの先頭へ